JP5043460B2 - 透過型スクリーン - Google Patents

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Description

本発明は、光拡散体および透過型スクリーンに関し、光拡散体を通して光源を見たときに光源光の色調がシフトすることを抑えるもので、特に、光拡散体を通したときに白色光源が着色して見える現象を防ぐことができる光拡散体および透過型スクリーンに関するものである。
従来から、光拡散体は、透過型スクリーンをはじめとする種々の光学用途に使用されている。
透過型スクリーンに用いられる光拡散体としては、背面にあるプロジェクタの光源が直接透けて見えないこと、スクリーン全体の明るさが低下してしまわないことといった特性が必要であり、このような光の透過と拡散のバランスが考慮された光拡散板(特許文献1参照)や透過型スクリーン(特許文献2参照)が提案されている。
また、プロジェクタ側を透視可能な透過型スクリーンでは、プロジェクタを正面に設置せず、斜めに設置し、光源が直接見えないように考慮にされている。
しかし、斜めに設置した場合であっても、スクリーン近くでは、光源が見えることもある。また透視可能な透過型スクリーンでもヘーズが高いものでは、プロジェクタを正面に設置することもあり、その場合には、光源が見えることもある。
これらの場合、光拡散体を通して光源を見たときに、光源が赤色や黄色、青色等の色に見える現象を生じる。このため色味を持つ光源の色がスクリーンに映し出された画像と重なり、画像が着色されて見えるという問題があった。
特開平1−269901号公報(従来技術) 特開2005−024942号公報(発明が解決しようとする課題)
そこで、本発明は、光拡散体を通して光源を見たときに光源光の色調がシフトすることを抑え、光拡散体を通したときに白色光源が着色して見える現象を防止できる光拡散体および透過型スクリーンを提供することを目的とする。
前記課題達成のために、本発明者らは、Mie散乱理論が適用される内部散乱系、すなわち透明媒体中に屈折率の異なる粒子径50μm以下の微粒子が分散して存在する散乱系について、光の散乱性の波長依存性について鋭意研究した。その結果、光拡散体を通して見た光源の色が赤色や黄色、青色等の色調にシフトするという現象は、光散乱性を決める散乱断面積の波長依存性に起因すること、また散乱断面積の波長依存性は粒子径分布に依存し、粒子径分布を考慮した適切な散乱断面積分布特性を持たせることにより、上記現象を防止可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の透過型スクリーンは、以下の光拡散体を備えることを特徴とする。
透明樹脂と当該透明樹脂とは屈折率の異なる球状微粒子とから形成される光拡散体であって、前記球状微粒子は、粒子分布の変動係数が10%以上50%以下であって、前記光拡散体の単位面積当たりに含まれる全ての球状微粒子の散乱断面積の和を、それら全ての球状微粒子の幾何断面積の和で割った値を、複数の波長毎に算出したとき、算出された波長毎の値の最小値が最大値の90%以上であることを特徴とする。
特に実効的散乱効率(E)を青、緑、赤の波長領域の中心波長ごとに算出し、算出された青、緑、赤の波長領域の各値(E)のうち、最大値(Emax)と最小値(Emin)とを比較した場合に、Emin/Emax≧0.90の関係を満たすことを特徴とするものである。
光拡散体の実効的散乱効率Eは、粒子径分布関数をf(r)とすると、(式1)により表すことができる。
Figure 0005043460
式(1)中、Qは1個の球状微粒子の散乱断面積で波長λと粒子径rの関数、f(r)は粒子径分布関数を表す。rmaxは、粒子の最大粒子半径を表す。
1個の球状微粒子の散乱断面積Qは、Mieの散乱理論により、微粒子の屈折率をns、透明樹脂の屈折率をnm、入射光の波長をλとすると(式2)によって求めることができる。
Figure 0005043460
[ここでRは{}内の実数部を表す。]
Figure 0005043460
Figure 0005043460
Figure 0005043460
Figure 0005043460
Figure 0005043460
Figure 0005043460
である。また、式(3)および式(4)のψ'k(z)、ζ'k(z)はそれぞれψk(z)、ζk(z)のzによる微分を表し、式(7)のJk+1/2(z)、式(8)のYk+1/2(z)はそれぞれ第1種および第2種ベッセル関数である。なお、iは虚数単位である。
以下、本発明の光拡散体が散乱光の波長シフトを抑制できる原理について説明する。
光を散乱させる方法として、表面の微細な凹凸により光を散乱させる外部散乱と、光拡散体内部の微小な屈折率分布により光を散乱させる内部散乱がある。本発明の光拡散体は、内部散乱により光を散乱させる光拡散体である。一般に、外部散乱は、表面凹凸が埋まってしまうと散乱性を持たなくなるため、光拡散体を粘着剤等で他の部材と貼り合わせて利用することができないが、内部散乱はその表面状態に関係しないため粘着剤等により他の部材と貼り合わせて利用することが可能である。
内部散乱を生じさせるため微小な屈折率分布を作るには、透明樹脂中にこれとは屈折率の異なる球状微粒子を分散する方法が一般的に用いられており、本発明の光拡散体もこの方法を採用している。
この種の光拡散体では、同じ光拡散体であっても、入射光の波長によりその光散乱性が異なる。これは、透明樹脂と球状微粒子の同じ組み合わせであっても、光散乱性を決める散乱断面積が入射光の波長により異なることに起因している。すなわち、プロジェクタの白色光を構成する青、緑、赤の波長ごとに光散乱性(散乱断面積)が異なる。入射光が光拡散体を通る際に、散乱断面積が大きい波長の光については散乱されやすいために、散乱されずに透過する当該波長の平行光線量が相対的に少なくなる。一方、散乱断面積が小さい波長の光については光があまり散乱されないために、散乱されずに透過する当該波長域の平行光線量が相対的に多くなる。その結果、光拡散体を通した光源を見たときに、もともと白色の光源光が赤色や黄色、青色等の色調にシフトして見えるという現象を生じる。
さらに、この用途に用いられる球状微粒子の直径は50μm以下が一般的であるが、この範囲の粒子直径を持つ球状微粒子の散乱断面積は粒子直径により大きく変化する。図6に球状微粒子の幾何断面積当たりの散乱断面積(以下、これを粒子の「散乱効率」という場合もある)を粒子直径に対してプロットしたものの一例を示す。この図から、青、緑、赤全ての波長の光に対してほぼ同じ散乱効率を示す粒子直径は極めて狭い範囲しかないことがわかる(図6の場合4.6μm付近)。この範囲の直径を持つ単分散の球状微粒子を用いれば、光源光の色調がシフトすることはほとんどない。しかしながら、単分散の球状微粒子の使用は高コストとなり、さらに、許容される粒子直径の範囲が極めて狭いため粒子のロット間の粒子直径変動も考慮するとさらにコスト上昇するとともに安定した光散乱性を維持することは困難となる。
一方、粒子径分布を持つ多分散な球状微粒子を用いることも可能であるが、それに含まれる種々の直径を持つ粒子の散乱効率は、含まれる粒子直径の範囲でも大きく変動しているため、その平均粒子径で散乱効率を比較しても意味がないことがわかる。
これに対し、本発明では、光拡散体を形成する球状微粒子の粒子径分布を考慮し、青、緑、赤のそれぞれの波長による散乱の差を少なくすることによって、光拡散体を通して光源を見たときに光源光の色調がシフトすること、特に白色光源が着色して見えることを防止できる。
以下、本発明の光拡散体の実施の形態について説明する。
本発明の光拡散体は、透明樹脂と当該透明樹脂とは屈折率の異なる球状微粒子とから形成される光拡散層を有する。光拡散層は、複数の波長毎に算出した実効的散乱効率Eの最小値(Emin)が最大値(Emax)の90%以上、すなわち、最大値(Emax)と最小値(Emin)との比Emin/Emaxが、0.9以上である。
複数の波長の光は、例えば、プロジェクタ映像を構成する光の三原色、青、緑、赤の光であり、その波長領域は、具体的には、青(420nm〜480nm、中心波長450nm)、緑(520nm〜580nm、中心波長550nm)、赤(590nm〜650nm、中心波長620nm)である。本実施の形態では、これら三原色について説明するが、プロジェクタによって複数の光の組み合わせ、数、波長領域は異ならせてもよい。
実効的散乱効率Eは、光拡散体の単位面積当たりに含まれる全ての球状微粒子の散乱断面積の和を、それら全ての球状微粒子の幾何断面積の和で割った値(E)であり、光拡散体を構成する樹脂(屈折率)、粒子(屈折率、粒度分布)が決まれば計算することができる。この値を青、緑、赤の波長領域の中心波長ごとに算出する。波長毎に求めた実効的散乱効率をEB、EG、ERとしたとき、それらの最大値(Emax)と最小値(Emin)との比Emin/Emaxが、0.90以上1以下を満たす樹脂と粒子の組み合わせで本発明の光拡散体を構成する。比Emin/Emaxを、0.90以上とすることにより、光拡散体を通して光源を見たときに光源光の色調がシフトすることを抑え、光拡散体を通したときに白色光源が着色して見えることをなくすことができる。比の値(Emin/Emax)が1に近いほど色味をなくすことができる。従って、好ましくは、0.95以上、さらに好ましくは0.99以上である。
実効的散乱効率Eの最大値と最小値の比を上述した範囲とするためには、例えば、次のような手法をとることができる。まず樹脂と所定の成分で構成された粒子の組み合わせを決定する。これにより樹脂および粒子の屈折率が決定される。次に、種々の粒子径分布および平均粒子径を持つ粒子サンプルに関して、屈折率と粒子径分布から、選択された樹脂中における青、緑、赤の波長領域の中心波長毎の実効的散乱効率Eを求める。これらの結果から各サンプル毎のEminおよびEmaxを決定し、比Emin/Emaxを算出し、比Emin/Emaxが上記範囲となる樹脂と粒子の組み合わせを選択する。粒子径分布と平均粒子径は、各サンプルの粒子径分布をコールターカウンター法等で測定することで知ることができる。
次に本発明の光拡散体の構造について図面を参照して説明する。
本発明の光拡散体1は、図1のように、透明樹脂と当該透明樹脂とは屈折率の異なる球状微粒子とから形成された光拡散層2が単層であっても良いし、図2のように光拡散層2の少なくとも一方の面に、透明高分子フィルム3などを設けたものであっても良い。また、図3のように粘着性光拡散層2aの両面に透明高分子フィルム3を設けたものであっても良く、図4のように光拡散層2の一方の面に透明高分子フィルム3、他方の面に反射防止層4を設けたものであっても良い。
本発明の光拡散体は、内部散乱を利用するものであるため、光拡散層が表面に位置する場合には、光拡散体表面が実質的に平滑であることが好ましい。具体的には、JIS B0601:2001における算術平均粗さ(Ra)が、0.30μm以下、好ましくは0.15μm以下である。
光拡散体を形成する透明樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂などの樹脂を用いることができる。具体的には、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、ポリエステルアクリレート系樹脂、ポリウレタンアクリレート系樹脂、エポキシアクリレート系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、セルロース系樹脂、アセタール系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂などが挙げられる。これら樹脂は、1種または2種以上を混合して用いてもよい。それにより所望の屈折率に調整することも可能である。
また、粘着性を有する樹脂を用いることにより、光拡散体を粘着性光拡散体にすることができる。粘着性を有する樹脂としては、具体的には、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤などの公知の透明粘着剤として用いられる樹脂が挙げられる。
球状微粒子としては、選択した透明樹脂と屈折率が異なることが必要である。具体的には、上記式(6)より算出される相対屈折率nsmが、0.91<nsm<1.09(但し、nsm≠1.00)であることが好ましい。
このような球状微粒子としては、シリカ、アルミナ、タルク、ジルコニア、酸化亜鉛、二酸化チタンなどの無機系微粒子も使用可能であり、球形の形状を得やすいという観点から、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、シリコーン樹脂などの有機系微粒子が好ましい。
本発明では、上述したように、実効的散乱効率E(その比)から樹脂および粒子の組み合わせを決定するので、Emin/Emax≧0.90を満たすものであれば、球状微粒子の粒子径及び粒子径分布は、特に限定されない。ただし粒子径は、内部散乱を利用した光拡散体に一般的な粒子径である50μm以下が好ましい。また粒子径分布は、広いものの方が粒子直径による散乱効率の変動をより平均化することができるため、より好ましい。すなわち、図6に示す粒子直径による散乱効率のグラフにおいて、粒子径分布の幅がaの粒子より、bのものの方が、粒子直径による散乱効率の変動をより平均化することができる。粒子径分布の変動係数は、10%から50%の範囲がよく、好ましくは20%以上、さらに好ましくは30%以上である。上限としては、好ましくは40%以下である。
粒子の含有量についても、所定の樹脂と粒子との組み合わせにおいて、Emin/Emax≧0.90を満たすものであれば、特に限定されないが、粒子の含有量は光拡散体のヘーズや透過性に影響を与える。従って、上記条件を満たす光拡散体であっても、光拡散体の用途によってヘーズが高いことが好ましい場合には、含有量を多いものを選択し、ヘーズが低いことが好ましい場合には、含有量が少ないものを選択する。
以上説明した光拡散体は、透明樹脂を溶融し、これに球状微粒子を含有させてシート化することや、球状微粒子を透明樹脂とともに塗料化したものを透明高分子フィルムなどの上に製膜することなどにより形成することができる。
透明高分子フィルムとしては、透過率の高いものであれば良く、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、トリアセチルセルロース、アクリル、ポリ塩化ビニル、環状オレフィンなどの透明性に優れる高分子フィルムが用いられる。
透明高分子フィルムの厚みは、光拡散層の光散乱性を阻害しない限り、特に限定されない。
図4のように光拡散層2に反射防止層4を設ける場合には、反射防止フィルムの上に、球状微粒子を透明樹脂とともに塗料化したものを製膜してもよいし、光拡散層2の上に反射防止フィルムを積層し、反射防止層4としてもよい。反射防止フィルムとしては、屈折率の異なる層を積層した反射防止フィルムなどの公知の材料を用いることができる。反射防止層を設けることにより、光の映り込みを防止することができる。
次に、本発明の透過型スクリーンについて説明する。本発明の透過型スクリーンは、上述した光拡散体を備えたものである。以下、本発明の透過型スクリーンの実施の形態について、図5を参照して説明する。
図5に示す透過型スクリーン7は、透明高分子フィルム3の一方の面に光拡散層2、他方の面にハードコート層5を備え、さらに光拡散層2に、粘着層6を介して他の透明高分子フィルム3が設けられた構造を有している。光拡散層2は、透明樹脂と当該透明樹脂とは屈折率の異なる球状微粒子とから形成され、複数の波長毎に算出した実効的散乱効率Eの最大値と最小値との比が上述した光拡散体の条件を満たしている。
透明高分子フィルムとしては、透過率の高いものであれば良く、本発明の光拡散体に用いたものと同じ材料を用いることができる。特に透過型スクリーンとして、二軸延伸されたポリエチレンテレフタレートフィルムが機械的強度、寸法安定性に優れているため好適に使用することができる。また、これらの透明高分子フィルムに、適宜易接着層などを設けたものも好適に使用される。
透明高分子フィルムの厚みは、特に限定されないが、取り扱い性を考慮して、適宜選択することができる。
なお、本発明の透過型スクリーンには、透明高分子フィルムに限定されず、プラスチック板、ガラスなどの透明なものも使用することができる。
透明高分子フィルムの一方の面に設けられる光拡散層は、上述の光拡散体で用いられる光拡散層であり、透明樹脂と当該透明樹脂とは屈折率の異なる球状微粒子とから形成される。光拡散層に用いられる球形微粒子の単位面積あたりの球状微粒子量を増減することにより、スクリーンゲイン、ヘーズ、透過率などの値を調節することができる。
他方の面に設けられるハードコート層は、透明高分子フィルムの表面を保護するためのもので、傷付き防止性や映り込み防止性を備えたものである。このようなハードコート層に用いられる樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂など樹脂を適宜用いることができるが、特に電離放射線硬化性樹脂が傷つき防止性に優れるため好ましく、映り込み防止性を得るためにこれらの樹脂には顔料などを含有することが好ましい。
光拡散層と他の透明高分子フィルムを接着させるための粘着層としては、一般に使用されるアクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤などの公知の透明粘着剤が使用できる。使用する粘着剤は、光拡散体を形成するバインダー樹脂と屈折率の同じものを用いることが好ましい。例えば、光拡散層にアクリル樹脂を用いた場合には、アクリル系粘着剤を用いることが好ましい。
この粘着層の厚みは、透明性を阻害せず、適度な粘着性が得られる厚みとする。具体的には、下限として0.5μm以上、好ましくは1μm以上、より好ましくは2μm以上の範囲が望ましく、上限としては30μm以下、好ましくは15μm以下、より好ましくは10μm以下の範囲が望ましい。
ハードコート層や粘着層などは、各々の構成成分や必要に応じて他の成分を配合して、適当な溶媒に溶解又は分散させて塗布液を調製し、当該塗布液をロールコーティング法、バーコーティング法、スプレーコーティング法、エアナイフコーティング法などの公知の方法により塗布、乾燥した後、適宜必要な硬化方法を用いて硬化させることにより形成することができる。
本実施の形態の透過型スクリーンによれば、スクリーンを通して、光源を見たときに光源光の色調がシフトすることを抑え、スクリーンを通したときに白色光源が着色して見えることをなくすことができる。
なお本実施の形態では、光拡散体1として、光拡散層2の一方の面に透明高分子フィルム、他方の面に粘着層を介して透明高分子フィルムを設けた光拡散体1を採用したものを説明したが、図1〜図4に示すような光拡散体をそのまま、或いはその最表面にハードコート層を設けたものを本発明の透過型スクリーンとすることもできる。
以下、実施例により本発明を更に説明する。なお、「部」、「%」は特に示さない限り、重量基準とする。
[実施例1]
厚み188μmの透明高分子フィルム(ルミラーT60:東レ社)の一方の表面に下記組成の光拡散層用塗布液をバーコーティングにより塗布し、120℃で5分加熱硬化させ、厚み約15μmの光拡散層を形成した。更に光拡散層上に紫外線硬化タイプのアクリル系粘着剤(屈折率1.50)を塗布し、乾燥させ、透明高分子フィルムを貼り合わせ、光拡散体を作製した。なお下記処方の微粒子を除いた樹脂硬化物の屈折率は、1.519であった。また、スチレン微粒子の粒子径分布を測定し、式(1)により光拡散体の単位面積当たりに含まれる全ての球状微粒子の散乱断面積の和を、それら全ての球状微粒子の幾何断面積の和で割った値(実効的散乱効率E)を、青、緑、赤の波長領域の中心波長ごとに算出した。さらに、算出された青、緑、赤の波長領域の各値(E)、およびこれらの値から得られるEmin/Emaxを、表1に示す。
<光拡散層用塗布液>
・アクリル樹脂 14.25部
(アクリディックA807:大日本インキ化学工業社)
(固形分50%)
・スチレン微粒子 20部
(テクポリマーSBX-12:積水化成品工業社)
(変動係数36.76%、平均粒子径11.3μm、屈折率1.59)
・希釈溶剤 40部
・硬化剤 2.79部
(タケネートD110N:三井化学ポリウレタン社)
[実施例2]
実施例1の光拡散層用塗布液を、下記光拡散層用塗布液に変更した以外は、実施例1と同様に光拡散体を作製した。
<光拡散層用塗布液>
・アクリル樹脂 14.25部
(アクリディックA807:大日本インキ化学工業社)
(固形分50%)
・スチレン微粒子 20部
(テクポリマーSBX-8:積水化成品工業社)
(変動係数34.83%、平均粒子径8.9μm、屈折率1.59)
・希釈溶剤 40部
・硬化剤 2.79部
(タケネートD110N:三井化学ポリウレタン社)
[比較例1]
実施例1の光拡散層用塗布液を、下記光拡散層用塗布液に変更した以外は、実施例1と同様に光拡散体を作製した。
<光拡散層用塗布液>
・アクリル樹脂 14.25部
(アクリディックA807:大日本インキ化学工業社)
(固形分50%)
・スチレン微粒子 40部
(テクポリマーSBX-6:積水化成品工業)
(変動係数35.41%、平均粒子径6.3μm、屈折率1.59)
・希釈溶剤 63部
・硬化剤 2.79部
(タケネートD110N:三井化学ポリウレタン社)
実施例1、2、および比較例1で得られた光拡散体について、光拡散体を通して、プロジェクタからの光源を正面から見たときの色味を目視にて評価した。評価結果を表1に示す。
Figure 0005043460
実施例1、2のものは、青、緑、赤の波長領域の実効的散乱効率(E)の最大値(Emax)と最小値(Emin)との比Emin/Emaxの値が、それぞれ1に近くなっていたため、光拡散体を通して光源を見たときに光源光の色調がシフトすることを抑え、白色光源が着色せず白色に見えた。
比較例1のものは、比Emin/Emaxの値が0.872であり、赤い光が、他の青、緑の光より、一番よく散乱され、赤い光の平行光線が他の青、緑の平行光線より相対的に少なくなったため、光拡散体を通して光源を見たときに光源光の色調がシフトし、白色光源が薄い青味がかった色に見えた。
また、実施例1、2の光拡散体の透明高分子フィルムの光拡散層が設けられた面とは反対面に、ハードコート層を設け、透過型スクリーンを作製した。これらの透過型スクリーンを通して見た白色光源は着色することなく、白色であった。
本発明の光拡散体の一実施例を示す断面図 本発明の光拡散体の他の実施例を示す断面図 本発明の光拡散体の他の実施例を示す断面図 本発明の光拡散体の他の実施例を示す断面図 本発明の透過型スクリーンの一実施例を示す断面図 各波長域における粒子直径と散乱効率の関係を示すグラフ
符号の説明
1・・・光拡散体
2・・・光拡散層
2a・・粘着性光拡散層
3・・・透明高分子フィルム
4・・・反射防止層
5・・・ハードコート層
6・・・粘着層
7・・・透過型スクリーン

Claims (6)

  1. 透明樹脂と当該透明樹脂とは屈折率の異なる球状微粒子とから形成される光拡散体を備えた透過型スクリーンにおいて、
    前記球状微粒子は、粒子分布の変動係数が30%以上50%以下であって、
    前記光拡散体の単位面積当たりに含まれる全ての球状微粒子の散乱断面積の和を、それら全ての球状微粒子の幾何断面積の和で割った値を、複数の波長毎に算出したとき、算出された波長毎の値の最小値が最大値の90%以上であることを特徴とする透過型スクリーン。
  2. 請求項1に記載の透過型スクリーンであって、前記全ての球状微粒子の散乱断面積の和を、それら全ての球状微粒子の幾何断面積の和で割った値Eは、次式(1)で表されることを特徴とする透過型スクリーン。
    Figure 0005043460
    (式(1)中、Qは1個の球状微粒子の散乱断面積で波長λと粒子径rの関数、f(r)は粒子径分布関数を表す。)
  3. 請求項1記載の透過型スクリーンであって、前記複数の波長は、青、緑、赤の波長領域の中心波長であることを特徴とする透過型スクリーン。
  4. 請求項1記載の透過型スクリーンであって、前記透明樹脂の屈折率をnm、球状微粒子の屈折率をとするとき、ns/nmが0.91<(ns/nm)<1.09(ただし、ns/nm≠1)を満たすことを特徴とする透過型スクリーン。
  5. 請求項1記載の透過型スクリーンであって、光拡散体表面が実質的に平滑であることを特徴とする透過型スクリーン。
  6. 請求項1〜5いずれか1項記載の透過型スクリーンであって、
    透明基材を備え、前記光拡散体は、前記透明基材の一方の面に形成された光拡散層であることを特徴とする透過型スクリーン。
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