JP4555833B2 - 反射型スクリーン - Google Patents

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Description

本発明は、プロジェクタから投影された映像を反射して映し出すプロジェクタ用反射型スクリーンに関し、特に明るい環境下での投影においてコントラストの高い映像を映すことができるとともに、スクリーンを斜めの位置から見た場合でも映像の色変化がほとんどない映像を映すことができる反射型スクリーンに関する。
プロジェクタにより投影された映像を反射してスクリーンに映し出すため、プロジェクタからの光を反射する反射層と反射された光を拡散するための光拡散層とを備えた二層の反射型スクリーンが知られている。このような二層の反射型スクリーンは、反射層としてアルミ蒸着層或いはアルミペースト塗布層等、可視光に対して波長によらずほぼ一定の反射率を示す反射層が用いられ、この反射層で反射された光をさらに光拡散層で拡散することにより、比較的広い視野角でぎらつきのない画像を見ることができる。
しかし、このような反射型スクリーンは映像光以外の周囲の光(環境光)がスクリーンに入射した場合にも反射し拡散してしまう。したがって、明るい環境下で投影を行うと、映像の暗表示部分にも環境光等による反射拡散光が生じる。その結果、暗表示部分の明るさが上がってしまい映像のコントラスト低下を招き、見づらい映像となってしまう。従来これを防ぐためには部屋を暗くするしかなかったが、プロジェクタが普及するにつれ明るい環境下でもコントラストの高い映像を映すことができる反射型スクリーンへの要求は高まっている。
そこで、明るい環境下でもコントラストの高い映像を映すことができる反射型スクリーンとして、光吸収性を有する基材上に、特定の波長の光を選択的に反射するための反射層と、反射光を拡散する光拡散層が順次形成されてなるものが提案されている(特許文献1、2)。このような反射型スクリーンは、反射層により、プロジェクタ映像を構成する光の三原色、すなわち、青(B)、緑(G)、赤(R)の三原色波長領域光のみを選択的に反射し、それ以外の波長の光を透過して基材1に吸収させることで、明るい環境下においてもプロジェクタ映像の暗表示部分の明るさの上昇を押さえコントラストの高い映像を映すことができるようになっている。
このような反射型スクリーンの反射層は、光の干渉によって特定の波長の光を選択的に反射する光学多層膜が使用されており、プロジェクタ映像としてスクリーン正面から入射する青、緑、赤の波長領域の光を反射するように設計されている。
しかしながら、このような反射層ではスクリーンに斜めに光が入射した場合、その反射光は、正面から入射する光の反射光に比べ短波長側に波長領域がシフトする。このような反射層の性質により、スクリーン正面から入射した場合には反射光が白色となるような入射光であっても、それが斜めから入射した場合には反射光波長が短波長側にシフトしているため青みがかった反射光となっている。
このような現象は、通常スクリーン正面から入射するプロジェクタ映像においては問題とならない。しかし環境光については、スクリーンに対する入射方向が一定でないため、入射角の大きい環境光の反射光は青みがかったものとなっている。
したがって、観察者がスクリーンの正面にいる場合は、この観察者の目に届く環境光の反射光もシフトを起こしておらずプロジェクタ映像の反射光が正しく認識できるが、観察者がスクリーンに対して斜めにいる場合は、プロジェクタ反射光と入射角の大きい環境光の青みがかった反射光が同時に目に届くため映像自体が青みがかって見え、映像色が変わって見えてしまうという問題があった。
特許文献2では、プロジェクタ映像の入射角の変化による映像色波長領域の光の反射率低下を問題にしているが、観察者のスクリーンに対する位置によって見える映像色変化についてはまったく考慮されておらず、スクリーンを斜めの位置から見た場合の映像色再現性が十分ではなかった。
特開2003−337381号(請求項1) 特開2004−138938号(請求項1)
そこで、本発明は、明るい環境下でも、コントラストの高い映像を映し出すとともに、映像色再現性の高い映像を、特にスクリーンを斜めの位置から見た場合の映像の色変化がほとんどない映像を映すことのできる反射型スクリーンを提供することを目的とする。
本発明の反射型スクリーンは、屈折率の異なる少なくとも2種類の透明な誘電体の薄膜を交互に積層して特定の波長領域の光を選択的に反射する光学多層膜を反射層に用いたものであって、前記反射層は、青、緑、赤および670nmから730nmの波長領域の光に対して光反射性を有すると共に、前記波長領域の光のそれぞれの平均反射率が、可視波長領域内における前記波長領域以外の光の平均反射率より高いことを特徴とするものである。
また好ましくは、前記反射層は、前記青、緑、赤および670nmから730nmの波長領域の光のそれぞれの平均反射率と、可視波長領域内における前記波長領域以外の光の平均反射率との差が10%以上であることを特徴とするものである。
また好ましくは、前記反射層は、前記青、緑、赤および670nmから730nmの波長領域の光のそれぞれの最高反射率と、可視波長領域内における前記波長領域以外の光の平均反射率との差が25%以上であることを特徴とするものである。
また好ましくは、前記反射層は、前記670nmから730nmの波長領域の光の平均反射率が、前記赤の波長領域の光の平均反射率と実質的に等しいことを特徴とするものである。
また好ましくは、前記反射層が、透明な高分子樹脂からなることを特徴とするものである。
さらに好ましくは、前記反射層が、多層押出し法によって形成されてなることを特徴とするものである。
また好ましくは、前記反射層が、青の波長領域の光に対して光反射性を有する第1の反射層と、緑の波長領域の光に対して光反射性を有する第2の反射層と、赤の波長領域の光に対して光反射性を有する第3の反射層と、670nmから730nmの波長領域の光に対して光反射性を有する第4の反射層とが積層されてなることを特徴とするものである。
また好ましくは、前記反射層の入射面側とは異なる面に、反射層を透過した光を吸収する光吸収層を有することを特徴とするものである。
さらに好ましくは、前記光吸収層が黒色フィルムであることを特徴とするものである。
また好ましくは、前記反射型スクリーンの前記反射層よりも入射面側に、光拡散性部材を有することを特徴とするものである。
さらに好ましくは、前記光拡散性部材は、JIS K7105:1981におけるヘーズが60%以上、JIS K7361−1:1997における全光線透過率が70%以上、JIS Z8722:2000の反射法における三刺激値のYが10以下であることを特徴とするものである。
さらに好ましくは、前記光拡散性部材は、少なくとも光拡散層を有するものであり、前記光拡散層は、透明な球状微粒子と、前記球状微粒子とは屈折率の異なる透明バインダーとからなり、前記球状微粒子は平均粒子径が1μm〜10μmであり、前記球状微粒子の屈折率を前記透明バインダーの屈折率で除した値が0.91以上1.09以下(ただし1.00を除く)であることを特徴とするものである。
本発明によれば、明るい環境下でも、コントラストの高い映像を映し出すとともに、映像色再現性の高い映像を、特にスクリーンを斜めの位置から見た場合の映像の色変化がほとんどない映像を映すことのできる反射型スクリーンを得ることができる。
以下、本発明の反射型スクリーンの実施の形態を説明する。
本発明の反射型スクリーンは、屈折率の異なる少なくとも2種類の透明な誘電体の薄膜を交互に積層して特定の波長領域の光を選択的に反射する光学多層膜を反射層に用いたものであり、青、緑、赤および670nmから730nmの波長領域の光に対して光反射性を有すると共に、前記波長領域の光のそれぞれの平均反射率が、可視波長領域内における前記波長領域以外の光の平均反射率より高いものである。
ここで、青(B)、緑(G)、赤(R)は、プロジェクタ映像を構成する光の三原色で、およそ、青(B:420nm〜480nm、中心波長450nm)、緑(G:520nm〜580nm、中心波長550nm)、赤(R:590nm〜650nm、中心波長620nm)の波長領域の光である。またこれ以降、中心波長700nmとし波長670nmから730nmの波長領域の光を赤’(R’)と表記する。
本発明の反射型スクリーンの原理を図1を用いて説明する。本発明の反射型スクリーンを、図1(a)に示すように、スクリーン正面において観察した場合、プロジェクタ映像を構成する三原色波長領域光(図中、実線で示す)はその大部分が反射されるのに対して、環境光(図中、点線で示す)の場合には、広い波長領域に光が分布しているため、反射層を透過し反射されない成分がプロジェクタ光に比べ多い。したがって、プロジェクタからの映像光を減ずることなく環境光の反射を相対的に減少させることができる。その結果、反射型スクリーン上に投影された画像のコントラストの低下が抑制され映写環境が明るい場合においてもコントラストの高い明瞭な画像を得ることができる。
一方、スクリーンに対して斜めの位置から観察した場合には、図1(b)に示すように、プロジェクタ映像を構成する三原色波長領域の反射光(実線)は、反射層の上に光拡散性部材を設けることにより観察者方向に拡散されて観察できるが、観察者方向には、拡散されたプロジェクタからの反射光に、入射角が大きい環境光の反射光(点線)が多く混入する。入射角の大きい光に対して光学多層膜(反射層)の反射波長領域は短波長側にシフトするため、環境光の反射光は青みがかった反射光となる。
しかし、本発明のスクリーンは、B、G、Rの三原色波長のみならず、R’の波長領域の光に対しても高い反射率を有することにより、R’の波長領域の光も同様に短波長側にシフトして反射され、赤成分の反射光(一点鎖線)を補う。その結果、スクリーンに対して斜めの位置から観察した場合においても、環境光の反射光の影響により映像色が青みがかって見えることを防止し、映像色の再現性を高めることができる。
一方、正面から観察する場合は、R’の波長領域の光に関しては、その視感感度が非常に低いため、この領域の光が反射されていても観察者は知覚する事ができず、観察される映像光の色やコントラストへの影響はほとんど生じない。
以下、各構成要素の実施の形態について説明する。
まず、反射層について説明する。反射層は、プロジェクタから投影された映像を構成する光の三原色、すなわちB、G、Rの三原色波長領域光およびR’の波長領域の光に対して光反射性を有するものであり、B、G、RおよびR’の波長領域の光のそれぞれの平均反射率が、可視波長領域内における前記波長領域以外の光の平均反射率より高いものである。
ここで、平均反射率は特定の波長範囲における各波長ごとの反射率を平均したものを意味し、実際は可視波長領域の光(波長380nmから780nm)を通常10nm以下の等間隔の波長ごとに測定した反射率を用いて求められるが、本明細書では5nm間隔で測定した反射率を平均反射率として用いる。B、G、R、R’の波長領域の光の平均反射率は前記波長範囲内の光の反射率をそれぞれの範囲ごとに平均して求めることができる。また、可視波長領域内におけるB、G、R、R’の波長領域以外の光の平均反射率は、B、G、R、R’の波長領域を除く可視光領域の光の反射率を平均することにより得られる。
このような反射層は、B、G、R、R’の波長領域の光を反射する帯域フィルタであり、屈折率の異なる少なくとも2種類の透明な誘電体を交互に多数積層した光学多層膜から構成される。
光学多層膜は酸化チタン(TiO)、フッ化マグネシウム(MgF)等の無機物の薄膜を交互に積層することによっても作製可能であるが、透明な高分子樹脂とこれとは屈折率の異なる透明な高分子樹脂を交互に積層した光学多層膜が生産性の点から見て良い。透明な高分子材料としては例えばポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等があげられる。また、屈折率の異なる組み合わせは、これらの材料から屈折率の異なる組み合わせを選択してもよいし、同じ材料で延伸の程度を変え屈折率を変えたものであってもよい。さらに、反射層は高分子樹脂の多層押出し法によって形成されたものであることが好ましい。
このような光学多層膜は、積層する誘電体の膜厚、屈折率差、積層枚数を適切に設計することにより所望の反射特性(反射波長、反射率、波長帯域)を得ることができる。すなわち、反射波長については、積層する誘電体の膜厚を、光学膜厚(=屈折率×膜厚)として反射する波長の4分の1、4分の5、4分の9、・・・とする必要がある。反射率については、積層する2種類の誘電体の屈折率の差が大きいほど同じ積層数での反射率を高くすることができる。また屈折率の差が小さい場合でも積層数を多くすることにより同様の反射率を達成することが可能である。
波長帯域は、積層する2種類の誘電体の屈折率の差が大きいほど広くなる。しかし、屈折率差が小さく波長帯域が狭い材料の組み合わせであっても、積層する誘電体の膜厚を中心値(前記波長領域の光の波長と所定の関係を満たす光学膜厚)からわずかに変動させたものを多数積層することにより帯域を広めることができる。従って、このような方法は高分子樹脂同士の組み合わせのように屈折率差が小さい誘電体の組み合わせを使用した場合の広帯域化に有効である。B、G、R、R’の波長領域の帯域を広げることにより、プロジェクタの機種によらず良好な選択反射性を有する反射型スクリーンとすることができる。
本発明の反射型スクリーンでは、B、G、R、R’の波長領域の光のそれぞれの平均反射率は、特に限定されないが、25%以上、さらには30%以上とすることが好ましい。また、反射層は、B、G、R、R’の波長領域の光のそれぞれの平均反射率と、可視波長領域内における前記波長領域以外の光の平均反射率との差が10%以上、さらには15%以上、さらには20%以上であることが好ましい。
また、反射型スクリーンとした際のB、G、R、R’の波長領域の光のそれぞれの最高反射率は、特に限定されないが、40%以上、さらには50%以上とすることが好ましい。また、反射層は、B、G、R、R’の波長領域の光のそれぞれの最高反射率と、可視波長領域内における前記波長領域以外の光の平均反射率との差が25%以上、さらには30%以上であることが好ましい。
このようにB、G、R、R’の波長領域の光のそれぞれの平均反射率および最高反射率と、可視波長領域内における前記波長領域以外の光の平均反射率との差をそれぞれ上記のような範囲とすることにより、環境光の反射を相対的に減少させることができるため、反射型スクリーン上に投影された画像のコントラストの低下が抑制され映写環境が明るい場合においてもコントラストの高い明瞭な画像を得ることができる。
さらに本発明の反射型スクリーンでは、R’の波長領域の反射光は、入射角の大きい光に対して赤成分の反射光を補う目的を有するものであるので、R’の波長領域の光の平均反射率は、Rの波長領域の光の平均反射率と実質的に等しいことが好ましい。このようにR’とRの波長領域の光の平均反射率を実質的に等しくすることにより、スクリーンに対して斜めの位置から観察した場合においても、環境光の反射光の影響により映像色が青みがかって色のバランスが崩れてしまうことを防止することができる。ここで、実質的に等しいとは、R’の平均反射率がRの平均反射率の70%〜130%程度となることをいう。
本発明に用いる反射層は、全体としてB、G、R、R’の4つの波長領域の光に高反射率領域を持てば良く、例えば、図2に示すように、B、G、R、R’のうち1つのみに高い反射率領域を有する4種類の反射層21、22、23、24を光学的に密着させてもよい。その場合、具体的には粘着剤または熱圧着等により積層することができる。或いは、B、G、R、R’の波長領域の光のうち少なくとも2つの高い反射率領域を有する反射層と他の高い反射率領域を有する反射層を積層してもよい(図示せず)、図3(a)に示すように、B、G、R、R’の4つの波長領域の光に高い反射率領域を有する1種類の反射層2としてもよい。
このような反射層は、図3(b)に示すように、通常基材1上に設けられる。基材は、本発明の反射型スクリーンの支持体となるもので、用途に応じて板やシート状を選択できる。このような基材として、ガラス、金属、高分子樹脂等の透明なものや不透明なものを使用することができ、樹脂としては例えばポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリオレフィン(PO)等があげられる。
また、本発明の反射型スクリーンは、上述した前記反射層の入射面側とは異なる面に反射層を透過した光を吸収する光吸収層を有することが好ましい。このように光吸収層を有することにより、反射層を透過した光を光吸収層が吸収するため、反射層を透過した光の反射を防ぐことができる。これにより上述したようにB、G、R、R’の波長領域光のみを反射光として得ることが可能となり、環境光の反射によりプロジェクタ映像の暗表示部分が明るくなってしまうのを防止し、コントラストが低下するのを防止することができる。
このような光吸収層は、前記基材の一方の面、または両方の面に黒色塗料等をコーティングして形成することができる。基材の一方の面に光吸収層を設けた場合には、反射層は光吸収層の上に設けてもよく、また基材が透明であった場合には基材の光吸収層を有する面とは反対面に設けてもよい。また、図3(b)に示すように、前記基材に黒色顔料等の光吸収剤を練り込むこと等により基材自体を黒色としたものを光吸収層4として使用してもよい。このように光吸収層は、基材上に黒色塗料等をコーティングしたり、基材自体を黒色とした黒色フィルムとすることが好ましい。
また、本発明の反射型スクリーンは、当該反射型スクリーンの前記反射層よりも入射面側に、光拡散性部材3(光拡散層31)を有することが好ましい。光拡散性部材は、上述した反射層で反射された光を拡散して映像のぎらつきをなくし、広い視野角で映像を見られるようにするために設けられる。本発明においては、光拡散性部材はJIS K7105:1981におけるヘーズ(以下、単にヘーズともいう)が60%以上、好ましくは70%以上、JIS K7361−1:1997における全光線透過率(以下、単に全光線透過率ともいう)が70%以上、好ましくは、80%以上、JIS Z8722:2000の反射法における三刺激値のY(以下、単に三刺激値のYともいう)が10以下、好ましくは8以下とすることが望ましい。なおJIS Z8722:2000の反射法における三刺激値のYは測光量に相当するものであり、値が小さいほど後方拡散光が少ない。
このような光学特性を有する光拡散性部材とすることにより、光拡散性部材にプロジェクタからの映像光以外の環境光が入射した際に生じる後方拡散光(入射した光の進行方向とは逆の方向に拡散される光)を低減することができるため、明るい環境下での投影においてもプロジェクタ映像の暗表示部分が明るくなってしまうのを防止し、より一層コントラストの高い映像を映すことができる。
このような光拡散性部材は、少なくとも光拡散層を有するものであり、光拡散層としては、透明な球状微粒子と、前記球状微粒子とは屈折率の異なる透明バインダーとからなるものがあげられる。
透明バインダーとしては、透明であるとともに球状微粒子を均一に分散保持できるものであればよく、液体や液晶などの流動体、ガラスや高分子樹脂などの固体があげられるが、取り扱い性や分散安定性の観点から高分子樹脂が好ましい。
透明バインダーとして使用されるガラスとしては、光拡散層の光透過性が失われるものでなければ特に限定されるものではないが、一般にはケイ酸塩ガラス、リン酸塩ガラス、ホウ酸塩ガラスなどの酸化ガラスなどがあげられる。
また、透明バインダーとして使用される高分子樹脂としては、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、ポリエステルアクリレート系樹脂、ポリウレタンアクリレート系樹脂、エポキシアクリレート系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、セルロース系樹脂、アセタール系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂などの熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂などを用いることができる。
球状微粒子としては、シリカ、アルミナ、タルク、ジルコニア、酸化亜鉛、二酸化チタンなどの無機系の微粒子、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリウレタン、ベンゾグアナミン、シリコーン樹脂などの有機系の微粒子を使用することができる。特に、球形の形状を得やすい点で有機系の微粒子が好適である。
球状微粒子の粒子径としては、平均粒子径で1μm〜10μmであることが好ましく、より好適には2μm〜6μmであることが望ましい。平均粒子径をこのような範囲とすることにより、ヘーズを60%以上とした上で三刺激値のYが10以下の光拡散層とすることができ、高い拡散性を有しながら光の進行方向に対して後方に拡散する光(後方拡散光)を少なくすることができる。これにより光拡散層にプロジェクタからの映像光以外の環境光が入射した際に、後方拡散光を低減することができるため、明るい環境下での投影においてもプロジェクタ映像の暗表示部分が明るくなってしまうのを防止し、より一層コントラストの高い映像を映すことができる。
球状微粒子の粒径分布は、平均粒子径が前記範囲に入っていれば特に限定されることなく、単分散性のものでもよいし、多分散性のものでもよいが、より後方拡散光を低減するという観点からは、単分散性のものが好ましい。
また、前記球状微粒子と前記透明バインダーの屈折率に関しては、球状微粒子の屈折率を透明バインダーの屈折率で除した値が0.91以上1.09以下(ただし1.00を除く)であることが好ましい。前記球状微粒子の屈折率を前記透明バインダーの屈折率で除した値をこのような範囲とすることにより、ヘーズを60%以上とした上で三刺激値のYが10以下の光拡散層とすることができ、高い拡散性を有しながら後方拡散光を少なくすることができる。これにより光拡散層にプロジェクタからの映像光以外の環境光が入射した際に、後方拡散光を低減することができるため、明るい環境下での投影においてもプロジェクタ映像の暗表示部分が明るくなってしまうのを防止し、より一層コントラストの高い映像を映すことができる。
また、光拡散層における球状微粒子の含有量、および光拡散層の厚みは、球状微粒子の屈折率と透明バインダーの屈折率によって一概には規定できないが、球状微粒子の平均粒子径を前述の範囲(1μm〜10μm)とし、なおかつ、球状微粒子の屈折率を透明樹脂バインダーの屈折率で除した値が前述の範囲(0.91以上1.09以下、ただし1.00を除く)となる材料の組み合わせを選択した上で、ヘーズが60%以上となるように含有量および光拡散層膜厚で調整すれば良い。ヘーズを60%以上とすることにより、プロジェクタから投影された映像の反射光を適度に拡散し視野角を十分広くすることができるようになる。また、全光線透過率を70%以上とすることにより、プロジェクタから入射した光を効率的に反射層へ透過させることができるため、映像をより明るく映すことができる。
以上のような光拡散性部材は、光拡散性部材の表面が実質的に平滑であることが好ましい。本発明において、実質的に平滑であるとは、JIS B0601:2001における算術平均粗さ(Ra)が0.30μm以下、好ましくは0.15μm以下であることをいう。このような範囲とすることにより三刺激値のYが10以下にしたまま、写り込みを低減することができ、より見やすいスクリーンとすることができる。
このような光拡散性部材3は、例えば、球状微粒子を高分子樹脂とともに塗料化したものを反射層2上に塗布、乾燥することなどにより光拡散層31として形成することができる(図3(b))。また、高分子樹脂を溶融し、これに球状微粒子を含有させてシート化したものを粘着層5等を介して反射層2に貼着してもよい(図4)。また、球状微粒子を高分子樹脂と共に塗料化したものを、上述した基材1と同様のガラスや高分子樹脂などの透明な基材1’に塗布、乾燥し、粘着層5等を介して反射層2に貼着することもできる(図5、図6)。また、光拡散層31における透明バインダーとして粘着剤を用い、この光拡散層31を基材1’上に塗布、乾燥し、反射層2に貼着して形成することもできる(図7)。
また本発明の反射型スクリーンは、上述した要素の他、スクリーン特性を向上させるために他の層を追加することが可能である。例えば最上層に反射防止層を設けてもよい。これにより、プロジェクタから投影された映像の光量の低下を防止してスクリーンにより明るい画像を投映できるようになると共に写り込みを低減し、より見やすいスクリーンとすることができる。
さらに、三刺激値のYが10以下であれば、表面に写り込み防止の微細凹凸をつけても良い。これにより、コントラスト低下を最小限におさえ、写り込みによる映像の見づらさを低減することができる。
また、本発明の反射型スクリーンは、最上層にハードコート層を設けてもよい。これにより、スクリーン表面の傷つきによる表示品質の低下を防止することができるようになる。
以上説明したように、本発明の反射型スクリーンは、屈折率の異なる少なくとも2種類の透明な誘電体の薄膜を交互に積層して特定の波長領域の光を選択的に反射する光学多層膜を反射層に用いたものであって、前記反射層は、B、G、R、およびR’の波長領域の光に対して光反射性を有すると共に、前記波長領域の光のそれぞれの平均反射率が、可視波長領域内における前記波長領域以外の光の平均反射率より高いことにより、明るい環境下でも、コントラストの高い映像を、特にプロジェクタ映像の暗表示部分の明るさを上昇させず、よりコントラストの高い映像を映すことができるとともに、映像色再現性の高い映像を、特にスクリーンを斜めの位置から見た場合の映像の色変化がほとんどない映像を映すことができる。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明する。なお、本実施例において「部」、「%」は、特に示さない限り重量基準である。
[実施例1]
2つのポリエチレンテレフタレート(屈折率1.64)層の間にポリエチレンナフタレート(屈折率1.73)0.104μmと前述のポリエチレンテレフタレート0.104μmの層を交互に63層積層し、総膜厚20μm(65層)のR’反射層を形成した。
同様に、2つのポリエチレンテレフタレート層の間にポリエチレンナフタレート0.092μmとポリエチレンテレフタレート0.092μmの層を交互に63層積層し、総膜厚20μm(65層)のR反射層を形成した。
また、2つのポリエチレンテレフタレート層の間にポリエチレンナフタレート0.081μmとポリエチレンテレフタレート0.081μmの層を交互に63層積層し、総膜厚20μm(65層)のG反射層を形成した。
さらに、2つのポリエチレンテレフタレート層の間にポリエチレンナフタレート0.067μmとポリエチレンテレフタレート0.067μmの層を交互に63層積層し、総膜厚20μm(65層)のB反射層を形成した。
厚み100μmの黒色フィルム(ルミラーX30:東レ社)上に、上記R’反射層、R反射層、G反射層、B反射層をこの順に、それぞれ下記処方の粘着層用塗布液を塗布、乾燥して厚み10μmの粘着層を形成し積層した。
次いで、前記反射層の上に下記処方の光拡散層用塗布液を塗布、乾燥することにより、厚み35μmの光拡散層を形成し、実施例1の反射型スクリーンを得た。なお、実施例1の反射型スクリーンのB、G、R、R’の波長領域の光のそれぞれの平均反射率は34.2%、38.5%、38.2%、38.0%であり、またB、G、R、R’の波長領域の光のそれぞれの最高反射率は44.9%、49.1%、52.7%、45.3%であった。また、可視波長領域内におけるB、G、R、R’の波長領域以外の光の平均反射率は15.7%であった。なお、平均反射率は5nm間隔で測定した反射率より求めた。
また、透明フィルム上に同じ条件で光拡散層を形成し、測定面を光拡散層を有する面とした時のヘーズは90.3%、全光線透過率は96.3%、反射法における三刺激値のYは5.8であった。また、球状微粒子の屈折率を透明バインダーの屈折率で除した値は、0.92であった。
<実施例1の粘着層用塗布液の処方>
・アクリル系粘着剤(固形分40%) 100部
(オリバインBPS1109:東洋インキ製造社)
・イソシアネート系硬化剤(固形分38%) 2.4部
(オリバインBHS8515:東洋インキ製造社)
・酢酸エチル 100部
<実施例1の光拡散層用塗布液の処方>
・透明バインダー(ポリエステル系樹脂) 100部
(屈折率1.56、固形分100%)
(ケミット1249:東レ社)
・球状微粒子(シリコーン樹脂) 6部
(屈折率1.44、平均粒子径2.0μm)
(トスパール120:ジーイー東芝シリコーン社)
・メチルエチルケトン 75部
・トルエン 75部
[実施例2]
下記処方の光拡散層塗布液を厚み75μmの透明フィルム(ルミラーT60:東レ社)に塗布、乾燥することにより、厚み35μmの粘着性を有する光拡散性部材を形成した。
その後、実施例1と同様にして、黒色フィルム上にB、G、R、R’の反射層を形成し、その反射層上に上記光拡散性部材の光拡散層を有する面を貼着し、実施例2の反射型スクリーンを得た。なお、実施例2の反射型スクリーンのB、G、R、R’の波長領域の光のそれぞれの平均反射率と最高反射率、および可視波長領域内における前記波長領域以外の光の平均反射率は、実施例1と同じであった。
また、光拡散性部材について測定面を透明フィルム側とした時のヘーズは82.5%、全光線透過率は95.0%、反射法における三刺激値のYは5.5であった。また、球状微粒子の屈折率を透明バインダーの屈折率で除した値は、1.08であった。
<実施例2の光拡散層用塗布液の処方>
・透明バインダー(アクリル系粘着剤) 100部
(屈折率1.47、固形分40%)
(オリバインBPS1109:東洋インキ製造社)
・イソシアネート系硬化剤(固形分38%) 2.4部
(オリバインBHS8515:東洋インキ製造社)
・球状微粒子(ポリスチレン樹脂) 4.1部
(屈折率1.59、平均粒子径6.0μm)
(テクポリマーSBX-6:積水化成品工業社)
・酢酸エチル 102.2部
[実施例3]
実施例2の光拡散層用塗布液を下記の組成のものに変更した以外は、実施例2と同様にして実施例3の反射型スクリーンを得た。なお、実施例3の反射型スクリーンのB、G、R、R’の波長領域の光のそれぞれの平均反射率と最高反射率、および可視波長領域内における前記波長領域以外の光の平均反射率は、実施例1と同じであった。
また、光拡散性部材について測定面を透明フィルム側とした時のヘーズは89.1%、全光線透過率は97.0%、反射法における三刺激値のYは5.3であった。また、球状微粒子の屈折率を透明バインダーの屈折率で除した値は、0.96であった。
<実施例3の光拡散層用塗布液の処方>
・透明バインダー(ウレタン系粘着剤) 100部
(屈折率1.50、固形分50%)
(タケラックA-971:武田薬品工業社)
・イソシアネート系硬化剤(固形分75%) 7.6部
(タケネートA-3:三井武田ケミカル社)
・球状微粒子(シリコーン樹脂) 5部
(屈折率1.44、平均粒子径2.0μm)
(トスパール120:ジーイー東芝シリコーン社)
・メチルエチルケトン 15.8部
・トルエン 15.8部
[実施例4]
実施例1と同様にして、黒色フィルム上にB、G、R、R’反射層を形成し、その上層に光拡散性部材として光拡散性フィルム(ディラッドスクリーンWS:きもと社)を積層し、実施例4の反射型スクリーンとした。なお、実施例4の反射型スクリーンのB、G、R、R’の波長領域の光のそれぞれの平均反射率と最高反射率、および可視波長領域内における前記波長領域以外の光の平均反射率は、実施例1と同じであった。
また、この光拡散性フィルムの測定面を光拡散層を有する面とした時のヘーズは89.6%、全光線透過率は94.8%、反射法による三刺激値のYは21.0であった。
[比較例1]
R’反射層を形成しなかった以外は実施例4と同様にして、比較例1の反射型スクリーンを得た。
なお、上記実施例および比較例におけるヘーズおよび全光線透過率については、ヘーズはJIS K7105:1981に基づき、全光線透過率はJIS K7361−1:1997に基づき、濁度計NDH2000(日本電色工業社)により測定した。また、上記実施例および比較例における反射法による三刺激値のYについては、JIS Z8722:2000に基づき測色色差計ZE2000(日本電色工業社)により測色用イルミナントをC光源とし反射法で測定した。ZE2000の照明及び受光の幾何学条件は条件dである。測定試料は光透過性が高いため、反射法による測定時透過光が測定値に影響しないようにした。
次に、実施例および比較例で得られた反射型スクリーンに、蛍光灯の照明下で液晶プロジェクタ(XV−P3:シャープ社)を用いて映像を投影し、明るい環境下でのコントラストおよびスクリーンに対して斜めの位置での白色表示の映像色再現性について評価を行った。結果を表1に示す。
(1)コントラスト
蛍光灯の照度を変化させながらプロジェクタ映像を正面から目視評価した結果、照度が1000lx以上の明るい状態においてもコントラストが高く視認性のよいものを「◎」、照度が500lx以上1000lx未満において視認性のよいものを「○」、照度が500lx未満において視認できたものを「×」とした。なお、照度は、プロジェクタ非投影時のスクリーン中心部での照度である。
(2)映像色再現性
プロジェクタ非投影時のスクリーン中央部での照度を1000lx程度とした状態で、プロジェクタを全白状態で点灯し、正面および正面から左右それぞれ斜め60度の位置からスクリーン中央部の色座標を測定した。斜め位置の測定値は左右の値の平均値とした。色座標は、測色色差計CS−100(コニカミノルタ社)により測定した。CS−100の視野は2度視野である。
Figure 0004555833
実施例1〜4の反射型スクリーンは、屈折率の異なる少なくとも2種類の透明な誘電体の薄膜を交互に積層して特定の波長領域の光を選択的に反射する光学多層膜を反射層に用いたものであって、前記反射層は、青、緑、赤および670nmから730nmの波長領域の光に対して光反射性を有すると共に、前記波長領域の光のそれぞれの平均反射率が、可視波長領域内における前記波長領域以外の光の平均反射率より高いものであったため、明るい環境下でも、コントラストの高い映像を映し出すとともに、映像色再現性の高い映像を、特にスクリーンを斜めの位置から見た場合の映像の色変化がほとんどない映像を映すことのできるものとなった。
特に実施例1〜3のものは、反射層よりも入射面側に、ヘーズが60%以上、全光線透過率が70%以上、三刺激値のYが10以下である光拡散性部材を有するものであったため、環境光の後方拡散光をほとんど生じることなくプロジェクタ映像の暗表示部分の明るさは上昇せず、最もコントラストの高い映像を映すことのできるものとなった。
一方、比較例1の反射型スクリーンは、屈折率の異なる少なくとも2種類の透明な誘電体の薄膜を交互に積層して特定の波長領域の光を選択的に反射する光学多層膜を反射層に用いたものであって、前記反射層は、青、緑、赤の波長領域の光に対して光反射性を有するものであったため、明るい環境下でも、コントラストの高い映像を映し出すものとなったが、670nmから730nmの波長領域の光に対して光反射性を有するものではなかったため、スクリーンを斜めの位置から見た場合の映像の色変化が生じるものとなった。
本発明の反射型スクリーンの原理を説明する図。 本発明の反射型スクリーンの反射層の一実施例を示す断面図。 本発明の反射型スクリーンの一実施例(b)、および反射層の他の実施例(a)を示す断面図。 本発明の反射型スクリーンの他の実施例を示す断面図。 本発明の反射型スクリーンの他の実施例を示す断面図。 本発明の反射型スクリーンの他の実施例を示す断面図。 本発明の反射型スクリーンの他の実施例を示す断面図。
符号の説明
1、1’・・・基材
2・・・・・・反射層
3・・・・・・光拡散性部材
4・・・・・・光吸収層
5・・・・・・粘着層
6・・・・・・反射型スクリーン
21・・・・・第1の反射層
22・・・・・第2の反射層
23・・・・・第3の反射層
24・・・・・第4の反射層
31・・・・・光拡散層

Claims (10)

  1. 屈折率の異なる少なくとも2種類の誘電体の薄膜を交互に積層して特定の波長領域の光を選択的に反射する光学多層膜を反射層に用いた反射型スクリーンであって、
    前記光学多層膜を構成する薄膜は、それぞれ、透明な高分子樹脂からなり、
    前記反射層は、波長領域420nm〜480nmの青の光、波長領域520nm〜580nmの緑の光、波長領域590nm〜650nmの赤の光および波長領域670nm〜730nmの光に対し光反射性を有すると共に、前記波長領域の光のそれぞれの平均反射率が、380nm〜780nmの可視波長領域内における前記波長領域以外の光の平均反射率より高く、且つ
    前記波長領域670nm〜730nmの光の平均反射率が、前記赤の光の平均反射率の70〜130%であることを特徴とする反射型スクリーン。
  2. 前記反射層は、前記青、緑、赤および波長領域670nm〜730nmの光のそれぞれの平均反射率と、前記可視波長領域内における前記波長領域以外の光の平均反射率との差が10%以上であることを特徴とする請求項1記載の反射型スクリーン。
  3. 前記反射層は、前記青、緑、赤および波長領域670nm〜730nmの光のそれぞれの最高反射率と、前記可視波長領域内における前記波長領域以外の光の平均反射率との差が25%以上であることを特徴とする請求項1または2記載の反射型スクリーン。
  4. 前記反射層が、多層押出し法によって形成されてなることを特徴とする請求項記載の反射型スクリーン。
  5. 前記反射層が、前記青の波長領域の光に対して光反射性を有する第1の反射層と、前記緑の波長領域の光に対して光反射性を有する第2の反射層と、前記赤の波長領域の光に対して光反射性を有する第3の反射層と、前記波長領域670nm〜730nmの光に対して光反射性を有する第4の反射層とが積層されてなることを特徴とする請求項1からいずれか1項記載の反射型スクリーン。
  6. 前記反射層の入射面側とは異なる面に、反射層を透過した光を吸収する光吸収層を有することを特徴とする請求項1からいずれか1項記載の反射型スクリーン。
  7. 前記光吸収層が黒色フィルムであることを特徴とする請求項記載の反射型スクリーン。
  8. 前記反射型スクリーンの前記反射層よりも入射面側に、光拡散性部材を有することを特徴とする請求項1からいずれか1項記載の反射型スクリーン。
  9. 前記光拡散性部材は、JIS K7105:1981におけるヘーズが60%以上、JIS K7361−1:1997における全光線透過率が70%以上、JIS Z8722:2000の反射法における三刺激値のYが10以下であることを特徴とする請求項記載の反射型スクリーン。
  10. 前記光拡散性部材は、少なくとも光拡散層を有するものであり、前記光拡散層は、透明な球状微粒子と、前記球状微粒子とは屈折率の異なる透明バインダーとからなり、前記球状微粒子は平均粒子径が1μm〜10μmであり、前記球状微粒子の屈折率を前記透明バインダーの屈折率で除した値が0.91以上1.09以下(ただし1.00を除く)であることを特徴とする請求項記載の反射型スクリーン。
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