本発明は上記した従来の問題点を解決するためのものであり、地震が発生したときに簡素な構造で使用者を防護するベッドを提供することを目的とする。
この目的を達成するために、本発明のうち第1の態様によるものは、使用者が横臥可能に構成され、地震が発生したときに当該使用者を防護するベッドであって、ベッド本体の上面を構成し、前記使用者を支持する平板状部材であって、幅方向に2分割され、ベッド本体の長手方向と略平行な軸を回動軸として、それぞれ、回動可能に軸支された2枚の第1分割板と、前記第1分割板が略水平で回動不可能な状態から前記第1分割板が回動可能な状態に変更する回動状態変更部と、地震の発生を検出する地震検出部と、を備え、前記回動状態変更部は、前記地震検出部によって地震の発生が検出されたときに、前記第1分割板が略水平で回動不可能な状態から前記第1分割板が回動可能な状態に変更する。
この構成によれば、前記地震検出部によって地震の発生が検出されると、前記回動状態変更部によって、前記第1分割板が略水平で回動不可能な状態から回動可能な状態に変更される。そうすると、使用者の重力により、直ちに2枚の前記第1分割板が回動し、両者の間に形成された開口部を通過して、使用者がベッド本体の内部の下面上に落下して、ベッド本体の内部に収容される。このため、前記地震検出部及び前記回動状態変更部を停電状態にあっても動作する構成とすることによって、停電状態にあっても地震が発生したときに使用者を防護することができる。しかも、当該構成のベッドは、簡素な構成であるため、製造コストを低減することができる。なお本発明において、「横臥」とは、横向きに寝ることに限定する趣旨ではなく、広く「横たわる」の意であり、仰臥、伏臥をも含む「臥すること」の意味で用いている。
本発明のうち第2の態様によるものは、第1の態様によるベッドにおいて、前記回動状態変更部は、2枚の前記第1分割板の長手方向端面に形成された穴部と、棒状のストッパと、を備え、前記穴部は、2枚の前記第1分割板において、ベッド本体の幅方向の内側端部に、それぞれ、形成され、前記ストッパは、前記穴部に着脱自在に形成され、前記穴部に一方側端部が挿入されることによって、前記第1分割板を略水平で回動不可能な状態にする。
この構成によれば、簡素な構造で、前記第1分割板を略水平で回動不可能な状態から回動可能な状態に変更することができる。
すなわち、前記穴部が、2枚の前記第1分割板におけるベッド本体の幅方向の内側端部に形成されているため、トルクアームを長くすることができるので、小さい力で前記第1分割板の回動を禁止することができる。また、前記ストッパが前記穴部に挿着されている場合には、前記第1分割板が略水平で回動不可能な状態にされるため、前記第1分割板の回動を、簡素な構造で禁止することができる。
本発明のうち第3の態様によるものは、第2の態様によるベッドにおいて、前記回動状態変更部は、前記ストッパを、前記穴部側へ付勢する付勢部を備える.
この構成によれば、付勢部によって、前記ストッパが前記穴部側へ付勢されているため、前記使用者の寝返り等によってベッド本体が振動した場合であっても、前記ストッパが前記穴部から外れることを防止することができる。
本発明のうち第4の態様によるものは、第2または第3の態様によるベッドにおいて、前記地震検出部は、錘と、当該錘を支持する支持部材と、を備え、前記錘が前記支持部材から落下したときに、地震が発生したと検出する。
この構成によれば、簡素な構成で地震の発生を検出することができる。すなわち、前記錘は慣性が大きいため、地震が発生しても揺動し難いが、前記支持部材は地震の揺れに追随して揺動するため、ある程度の強さの地震が発生したときには、前記錘が前記支持部材から落下する。したがって、前記地震検出部を、停電時でも動作する構成であって、且つ、簡素な構成で実現することができる。
本発明のうち第5の態様によるものは、第4の態様によるベッドにおいて、前記錘は、連結部を通じて前記ストッパに連結されており、当該連結部は、前記錘が前記支持部から落下したときに、前記ストッパが前記穴部から離脱するように、当該ストッパに前記錘の重力を伝達する。
この構成によれば、地震発生時に、錘の重力をストッパに伝えることにより、ストッパが穴部から離脱するので、停電時においても、地震発生に伴って第1分割板が回動可能となる。
本発明のうち第6の態様によるものは、第5の態様によるベッドにおいて、前記連結部は、前記ストッパに前記錘の重力を伝達する紐体を有する。
この構成によれば、地震の発生により第1分割板を回動可能にする機構がさらに簡素化される。
本発明のうち第7の態様によるものは、第1ないし第6の何れかの態様によるベッドにおいて、2枚の前記第1分割板が回動し、両者の間に形成された開口部を前記使用者が通過して、ベッド本体の内部の下面上に前記使用者が落下したときの衝撃を緩和する底部緩衝部材を備える。
この構成によれば、2枚の前記第1分割板が回動し、両者の間に形成された開口部を前記使用者が通過して、ベッド本体の内部の下面上に前記使用者が落下するときに、使用者が柔らかく受け止められる。
本発明のうち第8の態様によるものは、第1ないし第7の何れかの態様によるベッドにおいて、2枚の前記第1分割板が回動し、両者の間に形成された開口部を前記使用者が通過して、ベッド本体の内部の下面上に落下した後、前記第1分割板を略水平な状態に復元させる復元部材を備える。
この構成によれば、2枚の前記第1分割板が回動し、両者の間に形成された開口部を前記使用者が通過して、ベッド本体の内部の下面上に落下した後、復元部材によって、前記第1分割板が略水平な状態に復元されるため、ベッドの上方から落下する物体が前記第1分割板によって受け止められる。したがって、前記第1分割板の下側の空間に収容される前記使用者を、ベッドの上方から落下する物体から防護することができる。
本発明のうち第9の態様によるものは、第1ないし第8の何れかの態様によるベッドにおいて、前記使用者がベッド本体の内部に位置する場合に、当該使用者を外部に搬出可能にするべく、ベッド本体におけるベッド本体の幅方向の両側に形成され、ベッド本体の内部から外部に向けて開閉自在に構成された2つの扉を備える。
この構成によれば、前記使用者がベッド本体の内部に位置する場合に、ベッド本体におけるベッド本体の幅方向の両側に形成され、ベッド本体の内部から外部に向けて開閉自在に構成された2つの扉のうちの何れか一方を開いて、前記使用者を外部に搬出可能にすることができる。また、2つの扉のうち、一方の扉の外側に落下物等があって開かない場合であっても、他方の扉を開くことができるので、前記使用者をより確実に外部に搬出可能にすることができる。また、内部から使用者が自力で脱出することも容易である。
本発明のうち第10の態様によるものは、第6の態様によるベッドにおいて、前記第1分割板の上面側に配置されて前記使用者を支持する板状部材であって、ベッド本体の幅方向に3分割された第2分割板を備え、当該第2分割板を構成する3枚の板状部材のうち、幅方向両端部の2枚の板状部材は、それぞれ、その下方に配置された前記第1分割板に固定され、幅方向中央部の板状部材は、ベッド本体の長手方向に、前記第1分割板の上面に沿ってスライド可能に構成されている。
この構成によれば、幅方向中央部の板状部材の上面にいる前記使用者を横臥したままで、ストレッチャ、車椅子等へ移動させることができる。
本発明のうち第11の態様によるものは、第2ないし第6の何れかの態様によるベッドにおいて、前記第1分割板の上面側に配置されて前記使用者を支持する板状部材であって、ベッド本体の幅方向に3分割された第2分割板を備え、当該第2分割板を構成する3枚の板状部材のうち、幅方向両端部の2枚の板状部材は、それぞれ、その下方に配置された前記第1分割板に固定され、幅方向中央部の板状部材は、ベッド本体の長手方向に、前記第1分割板の上面に沿ってスライド可能に構成されている。
この構成によれば、幅方向中央部の板状部材の上面にいる前記使用者を横臥したままで、ストレッチャ、車椅子等へ移動させることができる。
本発明のうち第12の態様によるものは、第11の態様によるベッドにおいて、前記第2分割板を構成する幅方向両端部の2枚の板状部材は、それぞれ、ベッド本体の幅方向内側の側面に、ベッド本体の長手方向に沿ったレールが配設され、前記第2分割板を構成する幅方向中央部の板状部材は、その両側の側面に、ベッド本体の長手方向に沿って転動体の列が配設され、当該転動体は、それぞれ、略水平な軸を回転軸として前記レール上を転動可能なように軸支されている。
この構成によれば、前記第2分割板を構成する幅方向中央部の板状部材を、ベッド本体の長手方向に、前記第1分割板の上面に沿って小さな力でスライドさせることができる。したがって、前記第2分割板を構成する幅方向中央部の板状部材の上面にいる前記使用者を横臥したままで、ストレッチャ、車椅子等へ容易に移動させることができる。
本発明のうち第13の態様によるものは、第11の態様によるベッドにおいて、前記第2分割板を構成する幅方向中央部の板状部材は、その下面側に、ベッド本体の長手方向に沿って転動体の列が配設され、当該転動体は、それぞれ、略水平な軸を回転軸として転動可能に軸支され、前記第1分割板の上面を転動する。
この構成によれば、前記第2分割板を構成する幅方向中央部の板状部材を、ベッド本体の長手方向に、前記第1分割板の上面に沿って小さな力でスライドさせることができる。したがって、前記第2分割板を構成する幅方向中央部の板状部材の上面にいる前記使用者を横臥したままで、ストレッチャ、車椅子等へ容易に移動させることができる。
本発明のうち第14の態様によるものは、第11ないし第13の何れかの態様によるベッドにおいて、前記第2分割板を構成する幅方向中央部の板状部材は、ベッド本体の上下方向に変形自在に構成されている。
この構成によれば、前記第2分割板を構成する幅方向中央部の板状部材に載せたままで、前記使用者を車椅子等に移すことができる。
本発明のうち第15の態様によるものは、第14の態様によるベッドにおいて、前記第2分割板を構成する幅方向中央部の板状部材は、ベッド本体の長手方向の長さが短い多数の幅狭板が、互いに屈曲可能なように、前記長手方向沿って連結されて構成されている。
この構成によれば、前記第2分割板を構成する幅方向中央部の板状部材に載せたままで、前記使用者を車椅子等に移すことが、簡素な構成で可能となる。なお、互いに隣接する長手方向の長さが短い幅狭板は、例えば、ゴム、ロープ等で係合されている。
本発明のうち第16の態様によるものは、第11ないし第15の何れかの態様によるベッドにおいて、前記第2分割板を構成する3枚の板状部材は、それぞれ、その上面側に前記使用者の受ける圧力を軽減する上部緩衝部材が配設されている。
この構成によれば、前記第2分割板を構成する3枚の板状部材には、それぞれ、その上面側に前記使用者の受ける圧力を軽減する上部緩衝部材が配設されているため、前記使用者の寝心地を確保することができる。この上部緩衝部材の素材としては、例えば、低反発ウレタンフォーム等を用いることができる。
本発明のうち第17の態様によるものは、第1ないし第16の何れかの態様によるベッドにおいて、前記第1分割板の外周に配置され、ベッド本体の幅方向と略平行な軸を回動軸として、前記第1分割板と一体に回動可能に、ベッド本体に軸支された枠部材を備えている。
この構成によれば、枠部材を回動させることによって、前記第1分割板をベッド本体の長手方向に傾斜させることができる。例えば、前記使用者の頭側が足側より高くなるように前記第1分割板を傾斜させることができる。したがって、前記第2分割板を構成する幅方向中央部の板状部材の上面にいる前記使用者を、横臥したままで、ストレッチャ、車椅子等へ更に容易に移動させることができる。
本発明のうち第18の態様によるものは、第17の態様によるベッドにおいて、前記枠部材が略水平な状態と、傾斜した状態と、を可逆的に変更する枠回動部を備える。
この構成によれば、枠回動部によって、枠部材の姿勢を容易に変更することができる。
本発明のうち第19の態様によるものは、第18の態様によるベッドにおいて、前記枠回動部は、前記枠部材においてベッド本体の長手方向端部に設けられた雌ねじ部と、前記雌ねじ部に挿通されて螺合可能にねじ山が形成され、ベッド本体に略垂直な方向に支持された棒状部材と、当該棒状部材を正逆双方向に回転するべく駆動するモータと、を備える。
この構成によれば、前記モータが駆動されると、ベッド本体に略垂直な方向に支持された棒状部材が回転し、この棒状部材の外周に形成されたねじ山が、前記枠部材においてベッド本体の長手方向端部に設けられた雌ねじ部のねじ山と螺合して、前記枠部材が回転駆動されるため、前記枠部材を所望する回転角(傾斜角)に傾斜させることができる。また、前記枠部材を回転駆動するときのトルクアームが長くなるので、前記モータを小型化することができる。
本発明のうち第20の態様によるものは、第5、6又は10の態様によるベッドにおいて、前記第1分割板の外周に配置され、ベッド本体の幅方向と略平行な軸を回動軸として、前記第1分割板と一体に回動可能に軸支された枠部材を備え、前記ストッパは、他方側(がわ)端部が前記枠部材に係合し、前記連結部は、前記枠部材が略水平な状態ではない場合に、前記錘と前記ストッパとの連結を解除する連結解除部を備える。
この構成によれば、枠部材が、前記第1分割板の外周に配置され、ベッド本体の幅方向と略平行な軸を中心軸として、前記第1分割板と一体に回動可能に軸支されているため、枠部材を回動させることによって、前記第1分割板をベッド本体の長手方向に傾斜させることができる(例えば、前記使用者の頭側が足側より高くなるように前記第1分割板を傾斜させることができる)。また、連結解除部によって、前記枠部材が略水平な状態ではない場合に、前記錘と前記ストッパとの連結が解除されるため、前記枠部材が略水平な状態ではない場合には、2枚の前記第1分割板が回動しないので、2枚の前記第1分割板の間に形成された開口部を通過して前記使用者が落下することを防止することができる。また、前記ストッパは、他方側端部が前記枠部材に係合しているため、前記枠部材があっても、前記第1分割板を回動不可能な状態にすることができる。
本発明のうち第21の態様によるものは、第20の態様によるベッドにおいて、前記ストッパは、下方に向けて突出して形成された凸部を備え、前記連結解除部は、ベッド本体に形成された孔に進退自在に挿通されると共に、一方側端部が前記錘に接続され、他方側端部が前記凸部と係合可能に形成された棒状の係合部材を備え、前記係合部材は、前記枠部材が略水平な状態である場合に限って、前記凸部と係合する。
この構成によれば、前記枠部材が略水平な状態である場合に限って、前記係合部材は、前記凸部と係合することになる。
したがって、前記枠部材が略水平な状態である場合には、地震検出部によって地震の発生が検出されると、前記係合部材が前記凸部と係合しているため、前記ストッパが前記穴部から外れて、前記第1分割板が略水平で回動不可能な状態から回動可能な状態に変更される。よって、2枚の前記第1分割板が回動し、両者の間に形成された開口部を前記使用者が通過して、ベッド本体の内部の下面上に落下して、ベッド本体の内部に収容することができる。
一方、前記枠部材が略水平な状態ではない場合には、地震検出部によって地震の発生が検出されても、前記係合部材が前記凸部と係合していないため、前記ストッパが前記穴部から外れることはなく、前記第1分割板が回動可能な状態に変更されることはない。よって、2枚の前記第1分割板が回動しないので、2枚の前記第1分割板の間に形成された開口部を通過して前記使用者が落下することを防止することができる。
本発明のうち第22の態様によるものは、第21の態様によるベッドにおいて、前記連結解除部は、前記係合部材を前記他方側端部の向きに付勢する付勢部を備え、前記係合部材は、ベッド本体に当接することによって、前記他方端部の方向への動きが前記凸部と係合可能な位置で係止される係止部が形成されている。
この構成によれば、付勢部によって前記係合部材が前記他方側端部の向きに付勢され、係止部がベッド本体に当接することによって、前記他方端部の方向への動きが前記凸部と係合可能な位置で係止されるため、地震が発生して前記錘によって引っ張られない限り、前記係合部材は、前記係止部がベッド本体と当接した状態でその位置が保持される。したがって、前記枠部材が傾斜した状態から略水平な状態に回動したときに、前記凸部を前記係合部材と確実に係合させることができる。
本発明のうち第23の態様によるものは、第21または第22の態様によるベッドにおいて、前記係合部材は、ベッド本体の側板の内側の位置に、前記枠部材が略水平な状態である場合に限って、前記凸部と係合する円環状部材を備える。
この構成によれば、前記枠部材が傾斜した状態から略水平な状態に回動したときに、前記凸部を前記係合部材と更に確実に係合させることができる。
本発明のうち第24の態様によるものは、使用者が横臥可能に構成され、地震が発生したときに当該使用者を防護するベッドであって、ベッド本体の上面を構成し、前記使用者を支持する平板状部材である第1平板と、前記第1平板の上面側に配置されて前記使用者を支持する板状部材である第2平板と、を備え、当該第2平板は、ベッド本体の長手方向に前記第1平板の上面に沿ってスライド可能に構成されている。
この構成によれば、前記第2平板が、ベッド本体の長手方向に前記第1平板の上面に沿ってスライド可能に構成されているため、前記第2平板の上面にいる前記使用者を横臥したままで、ストレッチャ等へ移動させることができる。
本発明のうち第25の態様によるものは、第24の態様によるベッドにおいて、前記第1平板の外周に配置され、ベッド本体の幅方向と略平行な軸を回動軸として、前記第1平板と一体に回動可能に軸支された枠部材を備える。
この構成によれば、枠部材を回動させることによって、前記第1平板をベッド本体の長手方向に傾斜させることができる(例えば、前記使用者の頭側が足側より高くなるように前記第1分割板を傾斜させることができる)。したがって、前記第2平板の上面にいる前記使用者を横臥したままで、ストレッチャ等へ更に容易に移動させることができる。
本発明のうち第26の態様によるものは、第17ないし第23、及び第25の何れかの態様によるベッドにおいて、前記枠部材の回動軸が、ベッド本体の長手方向に沿った前記枠部材の中央部ないし当該中央部付近に位置する。
この構成によれば、枠部材の傾斜角を調節することにより、ベッド本体の長手方向に沿った枠部材の端部の高さを大きく変えることができる。このため、車椅子やストレッチャの高さに合わせて、枠部材の当該端部の高さを調節することが容易となる。
この発明のベッドによれば、2枚の前記第1分割板が回動し、両者の間に形成された開口部を前記使用者が通過して、ベッド本体の内部の下面上に落下して、ベッド本体の内部に収容されるため、または、前記第2分割板を構成する幅方向中央部の板状部材の上面にいる前記使用者を横臥したままで、ストレッチャ等へ更に容易に移動させることができるため、地震が発生したときに簡素な構成で使用者を防護することができる。すなわち、地震が発生したときに当該使用者を防護することができる。
以下に、この発明の一実施の形態によるベッド100について、図1から図9を参照しながら説明する。最初に、本発明の目的について、具体的に説明する。地震が発生したときには、揺れが激しく、病院等の建物の構造物が損壊したり、建物内設備が落下、倒壊したりするような場合と、火災等が発生する場合とがある。前者の場合には、患者をベッド本体1の内部に収容することにより、ベッド100の上方等から落下する物体から、患者を防護する必要がある。すなわち、患者を地震の影響から防護する必要がある。一方、後者の場合には、患者を早急に病院外へ搬出し避難させる必要がある。すなわち、患者を地震の影響から防護する必要がある。この場合には、患者をベッド100からストレッチャ、車椅子9等へ速やかに移動させることが重要となる。本発明において、「地震が発生したときに使用者を防護する」とは、かかる地震の影響からのベッド使用者の防護を意味している。
次に、図1を参照して、ベッド100の全体構成について説明する。図1は、本発明によるベッドの一例を示す平面図である。なお、図1においては、便宜上、第2分割板12(例えば、図2参照)の記載を省略している。ベッド100は、使用者が横臥可能に構成され、地震が発生したときに当該使用者を防護するベッドであって、ベッド本体1、及び、筐体2を備えている。なお、本実施形態においては、ベッド100が、病院に配設され、患者が横臥する場合について説明する。ここで患者は、特許請求の範囲に記載の「使用者」の一例に相当する。筐体2は、箱状に形成され、内部に地震検出部3(図5参照)が配設されるものであって、床面にボルト等で固定されている(図6参照)。
ベッド本体1は、側板10(図2参照)、第1分割板11、及び、枠部材13を備えている。また、ベッド本体1の下部には、固定及び移動を容易にするために、ストッパ付のキャスタ16(図4(b)参照)が配設されている。側板10は、ベッド本体1を構成し、板状部材が周囲及び底面に箱状に固定された筐体のうち、ベッド本体1の周囲に配設される4枚の板である。また、側板10は、例えば、木材または鋼板等からなり、底板1枚を加えた計5枚の板状部材が溶接、ボルト等で固定され、箱状の前記筐体を構成している。なお、図2を用いて後述するように、ベッド本体1の長手方向に配設された2枚の側板10には、それぞれ、扉101が形成されている。
第1分割板11は、ベッド本体1の上面を構成し、患者を支持する平板状の部材であって、幅方向(図1の左右方向)に2分割され、ベッド本体1の長手方向(図1の左右方向)と略平行な軸を回動軸111として、それぞれ、回動可能に軸支された2枚の板状部材である。なお、第1分割板11は、患者を支持するために強度を有し、且つ、回動を容易にするために軽い材料(例えば、アルミニウム、木材または強化プラスチック等)からなる。また、第1分割板11の回動を禁止する場合には、第1分割板11の長手方向端面であって、ベッド本体1の幅方向(図1の上下方向)の内側端部に形成された穴部41に、棒状のストッパ42が挿入される(詳細は、図7を用いて後述する)。逆に、第1分割板11の回動を可能する場合には、穴部41からストッパ42が離脱される。
枠部材13は、第1分割板11の外周に配置され、ベッド本体1の幅方向(図1の上下方向)と略平行な軸を回動軸131として、第1分割板11と一体に回動可能に軸支された枠状の部材である。なお、枠部材13は、第1分割板11を支持するために強度を有し、且つ、回動を容易にするために軽い材料(例えば、アルミニウム、木材または強化プラスチック等)からなる。また、枠部材13は、図4〜図6を用いて後述するように、筐体2側に配設される枠回動部6によって回動される。
次に、図2を用いて、第2分割板12の構成、及び、第1分割板11の動作ついて説明する。図2は、図1に示すベッド100のA−A断面図であって、(a)は、第1分割板11が回動していない状態であり、(b)は、第1分割板11が回動した状態である。第1分割板11の上面には、第2分割板12が配設されている。第2分割板12は、第1分割板11の上面側に配置されて患者を支持する板状部材であって、ベッド本体1の幅方向に3分割されている。すなわち、図2(a)に示すように、第2分割板12は、端部板状部材121、123、及び、中央部板状部材122を備えている。なお、第2分割板12は、患者を支持するために強度を有し、且つ、第1分割板11の回動を容易にするために軽い材料(例えば、アルミニウム、木材または強化プラスチック等)からなる。
端部板状部材121、123は、それぞれ、その下方に配置された第1分割板11にボルト、または、接着剤等で固定されている。また、中央部板状部材122は、図3を用いて後述するように、ベッド本体1の長手方向(図2の紙面に垂直な方向)に、第1分割板11の上面に沿ってスライド可能に構成されている。なお、第2分割板12を構成する端部板状部材121、123及び中央部板状部材122の上面には、それぞれ、患者が横臥したときに、患者の受ける圧力を軽減する厚手の緩衝部材である上部緩衝部材(図示省略)が配設されている。この上部緩衝部材は、例えば、低反発ポリウレタンフォーム等から構成される。なお、患者の寝心地の良さを実現するために、3枚の上部緩衝部材の上面は、極力隙間がないように配設されていることが好ましい。
このように、第2分割板12を構成する3枚の板状部材(121、122、123)には、それぞれ、その上面側に患者の受ける圧力を軽減する上部緩衝部材が配設されているため、患者の寝心地を確保することができる。本実施形態では、第2分割板12に上部緩衝部材が配設されている場合について説明するが、第2分割板12に上部緩衝部材が配設されておらず、これに替えて、又は加えて、敷布団(または、マットレス)等が敷かれている形態でもよい。
また、第2分割板12を構成する3枚の板状部材のうち、端部板状部材121、123が、それぞれ、その下方に配置された第1分割板11に固定され、中央部板状部材122が、ベッド本体1の長手方向に、第1分割板11の上面に沿ってスライド可能に構成されているため、中央部板状部材122の上面にいる患者を横臥したままで、ストレッチャ、車椅子等へ移動させることができる。
本実施形態では、第2分割板12を構成する3枚の板状部材のうち、中央部板状部材122が、スライド可能に構成されている場合について説明するが、端部板状部材121、123もスライド可能に構成されている形態でもよい。この場合には、患者が、第2分割板12においてベッド本体1の幅方向端部に横臥している場合であっても、患者を横臥したままで、ストレッチャ、車椅子等へ移動させることができる。また、本実施形態では、第2分割板12が幅方向に3分割されている場合について説明するが、第1分割板11の上面に配設される板状部材が幅方向に分割されていない形態でもよい。この場合には、構造を更に簡素化することができる。なお、この場合の板状部材は、特許請求の範囲に記載の「第2平板」の一例に相当する。
地震が発生して、図1に示すストッパ42が穴部41から離脱すると、患者が載置されている中央部板状部材122によって、第1分割板11の幅方向内側が下向きに押し下げられ、図2(a)に示す第1分割板11が回動していない状態から、図2(b)に示す第1分割板11が回動した状態に変化する。そして、図2(b)に示す第1分割板11が回動した状態になると、2枚の第1分割板11の間に開口部が形成され、この開口部を通って、中央部板状部材122と共に患者が下方に落下する。このようにして、患者の重みによって2枚の第1分割板11が回動し、両者の間に形成された開口部を患者が通過して、ベッド本体1の内部の下面上に落下して、ベッド本体1の内部に収容されるため、地震が発生したときに停電状態にあっても患者を防護することができる。また、このように、ベッド100は、極めて簡素な構成であるため、製造コストを低減することができる。
本実施形態では、2枚の第1分割板11の回転軸111が、それぞれ、幅方向(図2の左右方向)の略中央位置に配設されている場合について説明するが、回転軸がその他の位置に配設されている形態でもよい。例えば、2枚の第1分割板11の回転軸が、それぞれ、幅方向の端側に配設されている形態でもよい。この場合には、2枚の第1分割板11が回動したときに、両者の間に広い開口部が形成されるため、患者がベッド本体1において幅方向の端に寄って横臥している場合であっても、広い開口部を患者が通過して、ベッド本体1の内部に収容することができる。
図2(a)、(b)に示すように、ベッド本体1の底部を構成する板状部材の上面側には、患者が落下したときの衝撃を緩和する底部緩衝部材15が配設されている。この底部緩衝部材15は、例えば、低反発ポリウレタンフォーム等から構成される。このように、2枚の第1分割板11が回動し、両者の間に形成された開口部を患者が通過して、ベッド本体1の内部の下面上に患者が落下したときの衝撃が、底部緩衝部材15によって緩和される。すなわち、患者が柔らかく受け止められる。
本実施形態においては、底部緩衝部材15が、ベッド本体1の底部を構成する板状部材の上面側に配設されている場合について説明するが、底部緩衝部材15はその他の形態でもよい。例えば、底部緩衝部材15が、伸縮自在な素材(例えば、ゴム等)で構成され、その幅方向両端が、ベッド本体1の側板10に係止されている形態でもよい。この場合には、患者が落下したときの衝撃を、更に緩和することができる。ベッド本体1の底部を構成する板状部材が無く、底部緩衝部材15は、ベッド100が置かれる床面上に配置されていてもよい。本発明において、「ベッド本体の内部の下面上」とは、かかる場合の床面上をも包含するものである。また、底部緩衝部材15は救命ボートを兼ねるものであってもよい。すなわち、底部緩衝部材15は、救命ボートとして機能する形態にすることも可能である。それにより、津波その他により浸水があったときに、使用者を水難から防護することが可能となる。例えば、底に低反発ウレタンフォームを配置したゴムボートを、底部緩衝部材15とすることができる。
図2(a)、(b)に示すように、2枚の第1分割板11の下面には、それぞれ、復元部材112が配設されている。復元部材112は、2枚の第1分割板11が回動し、両者の間に形成された開口部を患者が通過して、ベッド本体1の内部の下面上に落下した後、第1分割板11を略水平な状態に復元させるものである。ここでは、復元部材112は、2枚の第1分割板11の下面に、それぞれ、幅方向の略中央部に固定された単数ないし複数の半球状のウェイト、あるいは、蒲鉾のような半円柱状のウェイト(いずれも断面形状は図2の通り)であり、例えば鋼製である。図2(b)の状態になったときに、例えば、右側の第1分割板11では、その右側に復元部材112が固定されている状態となるため、復元部材112の重さによって、第1分割板11に時計回りのトルクが付与されるため、第1分割板11が時計回りに回動して、図2(a)に示す水平状態となる。
このようにして、2枚の第1分割板11が回動し、両者の間に形成された開口部を患者が通過して、ベッド本体1の内部の下面上に落下した後、復元部材112によって、第1分割板11が略水平な状態に復元されるため、ベッド100の上方から落下する物体が第1分割板11によって受け止められる。したがって、第1分割板11の下側の空間に居る患者を、ベッド100の上方から落下する物体から防護することができる。
本実施形態では、復元部材112が、第1分割板11の下面に固定された半球状あるいは半円柱状の鋼製部材である場合について説明するが、復元部材はその他の形態でもよい。例えば、復元部材112が、ベッド本体1の側板10上端部と第1分割板11の幅方向端部とに接続され、互いに弾性をもって引き付けるバネ等の付勢部材である形態でもよい。この場合にも、簡素な構成で、第1分割板11を略水平な状態に復元することができる。
図2(b)に示すように、ベッド本体1の2枚の側板10には、それぞれ、扉101が配設されている。なお、図2(a)では、便宜上、扉101の記載を省略している。扉101は、患者がベッド本体1の内部に位置する場合に、患者を外部に搬出可能にするべく、ベッド本体1におけるベッド本体1の幅方向の両側に形成され、ベッド本体1の内部から外部に向けて開閉自在に構成されたものである。具体的には、側板10の上部に配設された蝶番で、ベッド本体1の内部から外部に向けて回動可能に構成された板状部材が配設され、この板状部材が、側板10の位置より内側に入り込まないように、図略のストッパが側板10の下部に配設されている。
このようにして、患者がベッド本体1の内部に位置する場合に、ベッド本体1におけるベッド本体1の幅方向の両側に形成され、ベッド本体1の内部から外部に向けて開閉自在に構成された2つの扉101のうちの何れか一方を開いて、患者を外部に搬出することができる。また、患者自身が、扉101を押し開けることにより、外部に脱出することも可能である。なお、扉101を外開きにしている理由は、内側から外部には自由に出ることができるようにするためである。更に、2つの扉101のうち、一方の扉101の外側に落下物等があって開かない場合であっても、他方の扉101を開くことができるので、患者をより確実に外部に搬出可能にすることができる。
本実施形態では、扉101が側板に2箇所配設されている場合について説明するが、扉101が3箇所以上配設されている形態でもよい。扉101が配設されている個数が多い程、患者をより確実に外部に搬出可能にすることができる。
次に、図3を参照して、第2分割板12の中央部板状部材122のスライド構造について説明する。図3は、図2に示す第2分割板12の中央部板状部材122の両端に形成されたスライド構造の一例を示す断面図であって、(a)が端部板状部材123側に配設されるスライド構造であり、(b)が端部板状部材121側に配設されるスライド構造である。スライド構造14は、レール141、コロ142、及び、回転軸143を備えている。レール141は、端部板状部材121、123の幅方向内側の側面に配設され、コロ142を転動自在に支持するものである。コロ142は、円筒状に構成され、中央部板状部材122の両側の側面にベッド1の長手方向に列をなすように配設されている。また、各コロ142は、それぞれ、略水平な軸を回転軸143としてレール141上で転動可能に軸支されている。回転軸143は、コロ142を転動可能に軸支するものであって、中央部板状部材122の幅方向両端部の側面に突出して形成されている。ここで、コロ142は、特許請求の範囲に記載の「転動体」の一例に相当する。
このようにして、第2分割板12を構成する中央部板状部材122の両側の側面に、ベッド本体1の長手方向に配設され、それぞれ、略水平な軸を回転軸143として転動可能に軸支されている複数個の円筒状のコロ142が、第2分割板12を構成する端部板状部材121、123におけるベッド本体1の幅方向内側の側面に配設されたレール141上を転動するため、第2分割板12の中央部板状部材122を、ベッド本体1の長手方向に、第1分割板11の上面に沿って小さな力でスライドさせることができる。したがって、第2分割板12の中央部板状部材122の上面にいる前記使用者を横臥したままで、ストレッチャ、車椅子等へ容易に移動させることができる。この機能は、災害時だけでなく、平常時の使用にも適する。また、ストレッチャ、車椅子等から、逆にベッド100へ患者を移動させる用にも利用することができる。
本実施形態では、スライド構造14が、レール141、コロ142、及び、回転軸143を備えている場合について説明したが、スライド構造は、その他の形態でもよい。例えば、スライド構造が、第2分割板12を構成する中央部板状部材122の下面側に、ベッド本体1の長手方向に沿って円筒状のコロの列が配設され、当該コロの列が、それぞれ、略水平な軸を回転軸として回転可能に軸支され、第1分割板11の上面を転動する形態でもよい。この場合には、簡素な構造で、第2分割板12の中央部板状部材122をスライドさせることができる。また、中央部板状部材122の下面に対向する第1分割板11の上面に、回動自在なコロが配設されている形態でもよい。更に、中央部板状部材122の下面と、第1分割板11の上面とが摺動自在に構成されている形態でもよい。この場合には、更に簡素な構造で、第2分割板12の中央部板状部材122をスライドさせることができる。本実施形態では、転動体がコロ142である場合について説明するが、転動体はその他の形態であってもよい。例えば、転動体が球状に形成されている形態でもよい。
次に、図4、図5、図6を参照して、枠回動部等について説明する。図4は、図1に示すベッドの枠部材13が傾斜した状態の一例を示す図であって、(a)は、平面図であり、(b)はB−B断面図である。図5は、図4に示すベッドの一例を示す簡略された斜視図である。図4に示すように、ベッド本体1の筐体2と反対側には車椅子9が配置され、枠部材13の筐体2側にはモータ7が配設され、筐体2の側のベッド本体1には、枠回動部6が配設されている。
また、第2分割板12の中央部板状部材122は、幅狭板122aが多数係合されて形成されている。具体的には、幅狭板122aは、ベッド本体1の幅方向の中央部板状部材122の幅方向の長さL(例えば、400mm)を長辺とし、幅B(例えば、100mm)を短辺とする平面視略長方形状の板状部材である。そして、幅狭板122aと隣接する幅狭板122aとの間は、例えば、ゴムまたはロープ等からなる接続部材122bで、変形自在に接続されている。
このように、幅狭板122aと隣接する幅狭板122aとの間は、接続部材122bで、変形自在に接続されているため、幅狭板122aと隣接する幅狭板122aとが互いに成す角度を自在に変えることができる。すなわち、中央部板状部材122は、その長手方向の断面形状が、各幅狭板122aを線分とし、各接続部材122bを接点とする任意の形状の折れ線グラフ状に変形可能に構成される。本発明において「上下方向に変形自在」とは、一例としてかかる趣旨である。第2分割板12の中央部板状部材122が、ベッド本体1の長手方向の長さが短い多数の幅狭板122aをベッドの上下方向に変形自在に係合して構成されているため、簡素な構成で、ベッド本体1の上下方向に変形自在に構成することができる。また、第2分割板12の中央部板状部材122が、ベッド本体1の上下方向に変形自在に構成されているため、第2分割板12の中央部板状部材122に患者が載ったままで、車椅子9等に乗せることができる。具体的には、車椅子9には、第2分割板12の中央部板状部材122が入り込むスペースが確保されており、車椅子9の背もたれ91を倒した状態で、背もたれ91が枠部材13と略平行となり、背もたれ91の幅方向両端に沿って形成された図略のレールと、端部板状部材121、123に形成されたレール141とが滑らかに接続される。背もたれ91に形成されたレールは、さらに座面から足置き台まで延びている(図示略)。車椅子91は、かかる構造を有するもので、ベッド100のために用意される専用品である。このような状態で、第2分割板12の中央部板状部材122を車椅子9側へスライドさせると、中央部板状部材122は、車椅子9の足置き台の前端部まで移動することができる。それにより、第2分割板12の中央部板状部材122に載せたままで、患者を車椅子9等に乗せ替えることができるのである。中央部板状部材122の全長は、車椅子9の足置き台の前端から背もたれ91の上端までのレールの長さよりも、長い場合があろうが、背もたれ91の上端からはみ出た中央部板状部材122の部分は、背もたれ91を起こした後に、背もたれ91の背後に垂れておいても支障がない。あるいは、はみ出た部分を巻いて紐等により縛る等によって、コンパクトにまとめてもよい。このように、中央部板状部材122は、車椅子9等に移動後も患者から離れず、患者と一体となって移動することができる。逆に患者を車椅子9等からベッド本体1に移すときには、上記と逆の手順を経ることにより、患者を中央部板状部材122と共に、ベッド本体1に移すことができる。このときに、後述するモータ7(図4参照)の動力を利用することによって、移動に要する人手を少なくすることができる。なお、車椅子9とベッド本体1との位置合わせは、例えば、図4(b)に示すように、車椅子9の背もたれの上端付近に立設された板状部材911を、ベッド本体1の側板の所定位置に配設されたL字状部材104に差し込むことによって行われる。回動軸131が、重心ないし重心付近に相当する枠部材13の長手方向の中央部ないし略中央部に位置することから、患者がベッド本体1に横臥した場合であっても、枠回動部6の負荷を軽くすることができる。さらに、枠部材13の傾斜角を調節することにより、枠部材13の長手方向端部の高さを大きく変えることができるので、車椅子9やストレッチャの高さに合わせて、枠部材13の長手方向端部の高さを調節することが容易である。
本実施形態では、第2分割板12の中央部板状部材122が、ベッド本体1の長手方向の長さが短い多数の幅狭板122aをベッド本体1の上下方向に変形自在に係合して構成されている場合について説明したが、第2分割板12の中央部板状部材122が、ベッド本体1の上下方向に変形自在に構成されていればよい。例えば、第2分割板12の中央部板状部材122が、ゴム等の可撓性を有する材料で構成されている形態でもよい。
また、枠部材13が、第1分割板11の外周に配置され、ベッド本体1の幅方向と略平行な軸を回転軸として、第1分割板11と一体に回動可能に軸支されているため、枠部材13を回動させることによって、第1分割板11及び第2分割板12を傾斜させることができる(例えば、図4、図5に示すように、患者の頭側が足側より高くなるように第1分割板11及び第2分割板12を傾斜させることができる)。したがって、第2分割板12の中央部板状部材122の上面にいる患者を横臥したままで、ストレッチャ、車椅子9等へ更に容易に移動させることができる。また、図7を用いて後述するように、ストッパ42は、他方側端部(図7では、右側端部)が枠部材13に係合しているため、枠部材13があっても、第1分割板11を回動不可能な状態にすることができる。
本実施形態では、枠部材13が回動自在に構成されている場合について説明するが、枠部材13がベッド本体1の側板10に固定されている形態でもよい。この場合には、構造が簡略化される(具体的には、図6を用いて説明する枠回動部6、及び、図7、図8を用いて後述する連結解除部5が不要となる)。
また、枠回動部6によって、枠部材13が略水平な状態と、傾斜した状態(例えば、横臥した患者の頭側の枠部材13が足側の枠部材13より高くなる状態)と、が可逆的に変更されるため、第2分割板12の中央部板状部材122の上面にいる患者を横臥したままで、ストレッチャ、車椅子9等へ移動させる場合に、横臥した患者の頭側の枠部材13が足側の枠部材13より高くなる状態にすることによって、更に容易に、患者をストレッチャ、車椅子9等へ移動させることができる。
モータ7は、枠部材13の筐体2側の枠部材13の上面に配設され、一方側端部が第2分割板12の中央部板状部材122に接続されたワイヤまたはロープ等が巻き付けられたリールを巻き取ることによって、車椅子9上等に載置された第2分割板12の中央部板状部材122を、ベッド本体1(第1分割板11)上に引き上げるものである。また、モータ7を逆方向に回転させると、リールからワイヤまたはロープ等が巻き解かれて、第2分割板12の中央部板状部材122を車椅子9上に移動させることができる。このように、車椅子9上に載置された第2分割板12の中央部板状部材122を、第1分割板11上の定位置に引き上げるとき、または、第1分割板11上にある第2分割板12の中央部板状部材122を車椅子9上に移動させるときに、モータ7の駆動力を利用することができるので、利便性が向上する。ここで、モータ7は、停止時には制動が働くブレーキモータであることが好ましい。この場合には、第1分割板11上にある第2分割板12の中央部板状部材122を、車椅子9上へ移動させるときに、途中でその移動を適宜停止させることができる。
枠回動部6は、枠部材13を回動するものであって、ベッド本体1の幅方向両端位置に2台配設されている。2台の枠回動部6は、略同一の構造を有するため、図6を用いて詳細に説明する。図6は、図4に示す枠回動部6の構造の一例を示す図である。枠回動部6は、雌ねじ部61、棒状部材62、ウォームギア63、モータ64を備えている。雌ねじ部61は、枠部材13におけるベッド本体1の長手方向端部に(ここでは、筐体2側の枠部材13内に)傾動可能に取り付けられ、棒状部材62の外周に形成されるねじ山と螺合する雌ねじが上下方向に形成されているものである。棒状部材62は、雌ねじ部61に挿通されて雌ねじ部61の雌ねじに螺合可能にねじ山が周面に形成された棒状の部材である。棒状部材62の下端部は、ベッド本体1に、傾動可能、且つ、回転可能に軸支されている。ウォームギア63は、棒状体の周面に螺旋状の歯が形成されたギアがモータ64の回転軸641に接続され、他方の外歯型のギアが棒状部材62に接続されている。モータ64は、正逆双方向に回転可能に構成されている。
このように構成されているため、モータ64が正方向に駆動されると、その回転軸641に係合されたウォームギア63の一方のギアが回転し、他方のギアも回転駆動される。そして、この他方のギアに係合された棒状部材62が回転し、この棒状部材62の外周に形成されたねじ山が、枠部材13において患者が横臥した際の頭側(すなわち、筐体2側)に形成された雌ねじ部61のねじ山が螺合して、枠部材13が回転駆動されるため、枠部材13を所望する回転角(傾斜角)に傾斜させることができる。また、モータ64が逆方向に駆動されると、傾斜した枠部材13を略水平な状態に戻すことができる。したがって、第2分割板12の中央部板状部材122の上面にいる患者が横臥したままで、ストレッチャ、車椅子9等へ移動させる場合に、ストレッチャ、車椅子9等の高さに応じて、枠部材13の回転角(傾斜角)を変更することができるため、更に容易に、患者をストレッチャ、車椅子9等へ移動させることができる。また、患者をストレッチャ、車椅子9等へ移動させた後、傾斜した枠部材13を略水平な状態に戻すことができる。ここで、モータ64は、停止時には制動が働くブレーキモータであることが好ましい。この場合には、所望する傾斜角において、枠部材13の回動を確実に停止することができる。また、2つのモータ64を同期させることが好ましい。
本実施形態では、枠回動部6が、雌ねじ部61、棒状部材62、ウォームギア63、モータ64を備える場合について説明したが、枠回動部6が、その他の構成で枠部材13が略水平な状態と、傾斜した状態(例えば、横臥した患者の頭側の枠部材13が足側の枠部材13より高くなる状態)と、を可逆的に変更する形態でもよい。例えば、枠部材13の下面に偏芯カムを備え、これをモータ駆動することによって、枠部材13の角度を変更する形態でもよい。この場合には、構造が簡略化される。また、本実施形態では、ウォームギア63を介して、モータ64の駆動力を棒状部材62に伝達する場合について説明するが、その他の方法で、モータ64の駆動力を棒状部材62に伝達する形態でもよい。更に、本実施形態では、モータ64が2台配設されている場合について説明するが、1台のモータの回転をギア接続等によって、2つの棒状部材62に伝達する形態でもよい。この場合には、モータの同期が不要となり、構造が簡略化される。
次に、図7、図8、図9を用いて、地震検出部3、回動状態変更部4、及び、連結解除部5について説明する。図7は、図1に示すベッド1に配設される地震検出部3、回動状態変更部4、及び、連結解除部5の一例を示す図(連結状態)である。図8は、図1に示すベッド1に配設される地震検出部3、回動状態変更部4、及び、連結解除部5の一例を示す図(連結解除状態)である。図9は、図7、図8に示す地震検出部3の構成の一例を示す図であって、(a)は縦断面図であり、(b)はC−C断面図である。まず、図9を参照して、地震検出部3の構造について説明する。地震検出部3は、地震の発生を検出するものであって、図9に示すように、錘31、円環状部材32、及び、接続部材33を備えている。錘31は、慣性の大きな(すなわち、重い)鋼、ステンレス等で略球状に形成され、円環状部材32の中央部に形成された孔の周辺部に載置されている。円環状部材32は、一部(ここでは、幅方向中央部)が切り欠かれた円環状に形成され、錘31を支持する部材である。接続部材33は、円環状部材32を、地震検出部3が収納される筐体2によって支持させる部材である。ここで、円環状部材32及び接続部材33は、特許請求の範囲に記載の「支持部材」の一例に相当する。
このようにして、接続部材33によって、円環状部材32が地震検出部3の収納されている筐体2によって支持され、円環状部材32の略中央部に形成された円形孔の周辺部に、略球状に形成された錘31が載置されるため、地震が発生した場合には、円環状部材32が地震に応じて揺れ動き、慣性の大きな錘31が前記円形孔の周辺部を乗り越えて落下するのである。したがって、地震検出部3を、停電時でも動作する構成であって、且つ、簡素な構成で実現することができる。また、円環状部材32の略中央部に形成された円形孔の大きさ、及び、円環状部材32の切欠の大きさの少なくとも一方を調整することによって、検出する地震の大きさを調整することができる。
本実施形態では、地震検出部3が、錘31、円環状部材32、及び、接続部材33を備えている場合について説明するが、地震検出部は、その他の形態でもよい。例えば、地震検出部が、筐体2に接続され、窪みのある平板状の支持部材の上面に、球形状の錘が前記窪み位置に合せて載置されている形態でもよい。この場合には、更に簡素な構成で地震を検出することができる。また、窪みの大きさ及び深さを調整することによって、検出する地震の大きさを調整することができる。
次に、図7を参照して、回動状態変更部4について説明する。回動状態変更部4は、第1分割板11が略水平で回動不可能な状態から第1分割板11が回動可能な状態に変更するものであって、穴部41、ストッパ42、凸部43、バネ44、及び、バネ固定部441を備えている。穴部41は、2枚の第1分割板11の長手方向端面に、ストッパ42が着脱自在に形成されたものである。また、穴部41は、2枚の第1分割板11において、ベッド本体1の幅方向の内側端部に、それぞれ、形成されている(図1参照)。ストッパ42は、棒状の部材であって、一方側端部が、穴部41に着脱自在に形成され、他方側端部が、枠部材13に係合しており、且つ、連結解除部5を介して、地震検出部3に連結されている。なお、ストッパ42は、枠部材13を挿通している位置に、周面に形成された突起であるキーが形成されていて、枠部材13に形成された孔132のキー溝に摺動可能に係合して、回転しないように構成されている。凸部43は、ストッパ42と一体に下方に向けて突出して形成されたものであって、本実施形態では、ストッパ42が略L字型に形成され、端部において凸部43を成している。バネ44は、ストッパ42を、穴部41側へ付勢するものである。バネ固定部441は、ストッパ42に立設され、バネ44の一方の端部をストッパ42に接続するものである。すなわち、バネ44は、自然長よりも長い状態に引っ張られて、その一方側端部(ここでは、左側端部)が枠部材13に接続され、他方側端部(ここでは、右側端部)がバネ固定部441に接続されている。なお、バネ44及びバネ固定部441が、特許請求の範囲に記載の「付勢部」の一例に相当する。
このようにして、穴部41が、2枚の第1分割板11の長手方向端面(図1の右側端面)に形成されると共に、2枚の第1分割板11において、ベッド本体1の幅方向の内側端部に、それぞれ、形成されており、棒状のストッパ42は、一方側端部が穴部41に着脱自在に形成され、他方側端部が枠部材13に係合されているため、簡素な構造で、第1分割板11を略水平で回動不可能な状態から回動可能な状態に変更することができる。
すなわち、穴部41が、2枚の第1分割板11におけるベッド本体1の幅方向の内側端部に形成されている(図1参照)ため、トルクアームを長くすることができるので、小さい力で第1分割板11の回動を禁止することができる。また、ストッパ42が穴部41に挿着されている場合には、ストッパ42の他方側端部(図7、図8では右側端部)が枠部材13に係合されるため、第1分割板11の回動を、簡素な構造で禁止することができる。
本実施形態では、回動状態変更部4が、2枚の第1分割板11のそれぞれに、1つずつ設けられている場合について説明するが、2枚の第1分割板11のそれぞれに、複数個の回動状態変更部4が配設されている形態でもよい。また、本実施形態では、回動状態変更部4が、穴部41及びストッパ42を備える場合について説明するが、その他の構造である形態でもよい。
また、バネ44によって、ストッパ42が穴部41側へ付勢されているため、患者の寝返り等によってベッド本体1が振動した場合であっても、ストッパ42が穴部41から外れることを防止することができる。
本実施形態では、ストッパ42を穴部41側へ付勢するバネ44を備える場合について説明したが、その他の方法でストッパ42を穴部41側へ付勢する形態でもよい。例えば、他の種類の弾性部材(例えば、ゴム等)でストッパ42を穴部41側へ付勢する形態でもよい。
更に、連結解除部5を介して、錘31とストッパ42とが連結されているので、錘31が円環状部材32から落下したとき(すなわち、地震が発生したとき)に、連結解除部5(後述する、円環状部材54)によってストッパ42の後端部が引っ張られ、ストッパ42が穴部41から離脱するため、地震が発生したときに、第1分割板11を略水平で回動不可能な状態から回動可能な状態に変更することができる。
本実施形態では、連結解除部5を介して、錘31とストッパ42とが連結されている場合について説明するが、枠部材13が固定されている場合(回動しない場合)には、錘31とストッパ42とが、例えば、ワイヤあるいはロープ等で連結されている形態でもよい。この場合には、更に構造が簡略化される。
次に、図7、図8を参照して連結解除部5について説明する。連結解除部5は、枠部材13が略水平な状態ではない場合に、錘31とストッパ42との連結を解除するものであって、棒状部材51、バネ52、鍔521、係止部53、円環状部材54、及び、ロープ55を備える。なお、連結解除部5は、特許請求の範囲に記載の「連結部」の一例にも相当する。棒状部材51は、ベッド本体1の側板10に形成された孔102に進退自在に挿通され、一方側端部(図7、図8では、右側端部)にロープ55が接続され、他方側端部(図7、図8では、左側端部)に円環状部材54が一体に形成されている棒状の部材である。ここで、棒状部材51は、特許請求の範囲に記載の「係合部材」の一例の一部に相当する。バネ52は、螺旋状に形成されたバネ(いわゆる、つるまきばね)であって、その内部に棒状部材51が挿通されて、棒状部材51を他方側端部の向き(図7、図8では、左側)に付勢するものである。また、バネ52は、一方側端部(図7では、右側端部)が、ベッド本体の側板10の内側面に当接し、他方側端部が鍔521に当接している。更に、バネ52は、自然帳より短い状態(すなわち、圧縮された状態)で、鍔521とベッド本体の側板10との間に配設される。鍔521は、バネ52の一方側の端部(図7では、左側端部)を係止するものである。係止部53は、ベッド本体1の側板10に当接することによって、棒状部材51及び円環状部材54の他方端部の方向(図7、図8では、左側)への動きが凸部43と係合可能な位置で係止されるものである。円環状部材54は、円環状に形成され、枠部材13が略水平な状態である場合に限って、ストッパ42と一体に形成された凸部43が、円環状部材54と係合するものである。ここで、円環状部材54は、特許請求の範囲に記載の「係合部材」の一例の一部に相当する。ロープ55は、錘31と棒状部材51とを連結するものである。なお、棒状部材51は、例えば、ストッパ42と同様のキーにより、回転が制止されている。
このようにして、ストッパ42には、下方に向けて突出して凸部43が形成され、棒状部材51が、ベッド本体1の側板10に形成された孔102に進退自在に挿通されると共に、一方側端部がロープ55を介して錘31に接続され、他方側端部が凸部43と係合可能に形成されているため、枠部材13が略水平な状態である場合に限って、棒状部材51と一体に形成された円環状部材54は、凸部43と係合することになる。すなわち、図7に示すように、枠部材13が略水平な状態である場合には、円環状部材54が、凸部43と係合する。一方、図8に示すように、枠部材13が略水平な状態ではない場合(傾斜している場合)には、円環状部材54が、凸部43と離間した状態となって係合しない。
したがって、枠部材13が略水平な状態である場合には、図7に示すように、地震検出部3によって地震の発生が検出されると、棒状部材51と一体に形成された円環状部材54が凸部43と係合しているため、ストッパ42が穴部41から外れて、第1分割板11が略水平で回動不可能な状態から回動可能な状態に変更される。よって、2枚の第1分割板11が回動し、両者の間に形成された開口部を患者が通過して、ベッド本体1の内部の下面上に落下して、ベッド本体1の内部に収容することができる。
一方、枠部材13が略水平な状態ではない場合には、図8に示すように、地震検出部3によって地震の発生が検出されても、棒状部材51と一体に形成された円環状部材54が凸部43と係合していないため、ストッパ42が穴部41から外れることはなく、第1分割板11が回動可能な状態に変更されることはない。よって、2枚の第1分割板11が回動しないので、2枚の第1分割板11の間に形成された開口部を通過して患者が落下することを防止することができる。
本実施形態では、連結解除部5が、枠部材13が略水平な状態ではない場合に円環状部材54と凸部43との係合を解除する場合について説明するが、連結解除部5が、錘31とストッパ42との連結を解除する形態であればよい。
また、ベッド本体1の側板10の外側の位置に、ベッド本体1の側板10の外周面103と係止する係止部53が形成され、バネ52によって棒状部材51が他方側端部の向き(図7、図8では、左側)に付勢されているため、地震が発生して錘31によって引っ張られない限り、係止部53がベッド本体1の側板10に当接することによって、棒状部材51及び円環状部材54は、凸部43と係合可能な位置で係止される。したがって、枠部材13が傾斜した状態から略水平な状態に回動したときに、ストッパ42と一体に形成された凸部43を、棒状部材51と一体に形成された円環状部材54と確実に係合させることができる。
本実施形態では、バネ52によって棒状部材51がベッド本体1の側板10の内側(図7、図8では左側)に付勢されている場合について説明したが、その他の方法で、棒状部材51が他方側端部の向き(図7、図8では、左側)に付勢されている形態でもよい。例えば、ベッド本体1の側板10の外側に配設された付勢部材によって棒状部材51を他方側端部の向き(図7、図8では、左側)に付勢する形態でもよい。
更に、棒状部材51には、ベッド本体1の側板10の内側(図7、図8では、左側)の位置に円環状部材54が配設され、円環状部材54は、枠部材13が略水平な状態である場合に限って、ストッパ42と一体に形成された凸部43と係合されるため、枠部材13が傾斜した状態から略水平な状態に回動したときに、凸部43を棒状部材51と更に確実に係合させることができる。また、円環状部材54の中央部に形成される円形孔を大きくすればする程、凸部43を円環状部材54と更に確実に係合させることができる。ただし、円環状部材54の中央部に形成される円形孔の大きくすればする程、地震が発生したときに、第1分割板11が回動可能な状態に変更されるまでに要する時間が長くなる。したがって、両者を勘案して、円環状部材54の中央部に形成される円形孔の大きさを決定するのが望ましい。
本実施形態では、連結解除部5が、凸部43と係合する円環状部材54を備える場合について説明したが、その他の方法で凸部43と係合する形態でもよい。例えば、棒状部材51の先端が水平方向にL字状(または、コの字状)に形成されている形態でもよい。この場合には、連結解除部5を簡素な構造とすることができる。
本実施形態では、第1分割板11が回動自在に構成された2枚の平板状部材である場合について説明したが、第1分割板11が枠部材13に固定された1枚の平板状部材である形態でもよい。この場合には、簡素な構造で、患者をストレッチャ、車椅子等へ移動させることができる。