JP6318374B1 - 鉄筋コンクリート構造物の配筋構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた耐震性能を有する鉄筋コンクリート構造物を構築することを可能とする配筋構造を提供する。【解決手段】軸方向に延設された第1主筋がM本(M≧3)、軸方向と直交する仮想面内でM角形を形成するとともに軸方向に伸びるM角柱状の空間を形成するように、配置された主筋体と、互いに隣り合う第1主筋に挟まれた隣接領域を空間の内側から臨むように配置されて隣り合う第1主筋同士を連結する複数の内側せん断補強筋と、隣接領域を空間の外側から臨むように配置されて隣り合う第1主筋同士を外側から連結する複数の外側せん断補強筋と、第1主筋、内側せん断補強筋および外側せん断補強筋で囲まれた隣接領域内で軸方向に延設されるとともに内側せん断補強筋および外側せん断補強筋の少なくとも一方に取り付けられる複数の第2主筋とを備えている。【選択図】図1

Description

この発明は鉄筋コンクリート構造物の配筋構造に関するものである。
鉄筋コンクリート造の柱や梁では、例えば特許文献1に記載されているように、軸方向に延設された複数の主筋が配筋されている。そして、それらの主筋の外側を覆うように軸方向と直交する向きに帯筋やあばら筋などのせん断補強筋が配筋されている。さらに、せん断補強筋の内側に中間せん断補強筋が配筋されている。
特開2009−144344号公報
従来の鉄筋コンクリート構造物では、せん断補強筋は主筋に対してフープ状、あるいは螺旋状に配置されている。そして、端部が折り曲げられ、端部同士を係合させることで固定している。このような固定方式を採用している鉄筋コンクリート構造物に大きな地震荷重が作用すると、主筋の座屈を効果的に抑制することは難しい。そこで、より耐震強度に優れた鉄筋コンクリート構造物を得るのに好適な配筋構造の提供が望まれている。
この発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、優れた耐震性能を有する鉄筋コンクリート構造物を構築することを可能とする配筋構造を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、鉄筋コンクリート構造物の配筋構造であって、軸方向に延設された第1主筋がM本(M≧3)、軸方向と直交する仮想面内でM角形を形成するとともに軸方向に伸びるM角柱状の空間を形成するように、配置された主筋体と、互いに隣り合う第1主筋に挟まれた隣接領域を空間の内側から臨むように配置されて隣り合う第1主筋同士を連結する複数の内側せん断補強筋と、隣接領域を空間の外側から臨むように配置されて隣り合う第1主筋同士を外側から連結する複数の外側せん断補強筋と、第1主筋、内側せん断補強筋および外側せん断補強筋で囲まれた隣接領域内で軸方向に延設されるとともに内側せん断補強筋および外側せん断補強筋の少なくとも一方に取り付けられる複数の第2主筋とを備え、内側せん断補強筋および外側せん断補強筋の一方は軸方向に対して直交する直交方向に延設される帯筋であり、他方は直交方向および軸方向に対して斜めに交差する交差方向に延設される筋交いであり、帯筋は、直交方向において隣り合う第1主筋の各々に固定される一対の係止部材と、一対の係止部材の間で直交方向に延設して配置される中空管と、中空管の内部を貫通しながら両端部がそれぞれ係止部材に係止されて緊張力を与える緊締部材とを有し、緊締部材の緊張力によって隣り合う第1主筋で一対の係止部材および中空管を挟んで一体化させていることを特徴としている。
以上のように構成された本発明では、主筋として、第1主筋と第2主筋とが配筋される。第1主筋は軸方向と直交する仮想面内でM角形を形成するとともに軸方向に伸びるM角柱状の空間を形成するように配置されている。そして、互いに隣り合う第1主筋に挟まれた隣接領域を上記空間の内側および外側からそれぞれ挟み込むように内側せん断補強筋および外側せん断補強筋が配置され、隣り合う第1主筋同士を連結している。このため、第1主筋の座屈を効果的に抑制することができる。
また、第2主筋は第1主筋、内側せん断補強筋および外側せん断補強筋で囲まれた隣接領域内で軸方向に延設されるとともに内側せん断補強筋および外側せん断補強筋の少なくとも一方に取り付けられている。したがって、第2主筋の座屈に対し、第1主筋と一体化されて高い剛性を有しているせん断補強筋が大きな抵抗となり、第2主筋の座屈を効果的に抑制することができる。
本発明に係る鉄筋コンクリート構造物の配筋構造の第1実施形態を示す図である。 図1の(a)欄に示す工程の実行後における配筋構造の平面図である。 図1の(a)欄に示す工程の実行後における配筋構造の側面図である。 図1の(b)欄に示す工程の実行後における配筋構造を示す図であり、配筋構造内での筋交いの取付状態を示す図である。 図1の(c)欄に示す工程の実行後における配筋構造の平面図である。 図1の(c)欄に示す工程の実行後における配筋構造の側断面図である。 本発明に係る鉄筋コンクリート構造物の配筋構造の第2実施形態を示す図である。 本発明に係る鉄筋コンクリート構造物の配筋構造の第3実施形態を示す図である。 本発明に係る鉄筋コンクリート構造物の配筋構造の第4実施形態を示す平面図である。 図6Aに示す配筋構造の側面図である。 本発明に係る鉄筋コンクリート構造物の配筋構造の第5実施形態を示す平面図である。 本発明に係る鉄筋コンクリート構造物の配筋構造の第6実施形態を示す平面図である。 本発明に係る鉄筋コンクリート構造物の配筋構造の第7実施形態を示す平面図である。 本発明に係る鉄筋コンクリート構造物の配筋構造の第8実施形態を示す平面図である。 本発明に係る鉄筋コンクリート構造物の配筋構造の第9実施形態を示す平面図である。 本発明に係る鉄筋コンクリート構造物の配筋構造の第10実施形態を示す平面図である。 本発明に係る鉄筋コンクリート構造物の配筋構造の第11実施形態を示す平面図である。 本発明に係る鉄筋コンクリート構造物の配筋構造の第12実施形態を示す図である。 図10の(c)欄に示す工程の実行後における配筋構造の平面図である。 図10の(c)欄に示す工程の実行後における配筋構造の側断面図である。 本発明に係る鉄筋コンクリート構造物の配筋構造の第13実施形態を示す図である。
図1は本発明に係る鉄筋コンクリート構造物の配筋構造の第1実施形態を示す図であり、矩形断面を有する柱状の鉄筋コンクリート構造物を構築するのに用いる配筋構造の組立途中の状態を示している。配筋構造2は、図1に示すように、鉛直方向Zを軸方向とし、当該軸方向Zに延設された4本の山形鋼3A〜3Dと、複数の帯筋4と、軸方向Zに延設された複数の鉄筋5と、複数の筋交い71とを備えている。
山形鋼3A〜3Dの各々は本発明の「第1主筋」の一例に相当するものであり、2枚の鋼片を軸方向Zと直交する仮想面内で直交して結合したものであり、例えば1枚の鋼板を90゜に折り曲げたものを使用することができる。山形鋼3A〜3Dは、図1に示すように、稜線部位(鋼片同士を連結した部位)を外方に向けた状態で同仮想面(図1中のXY平面)内において4角形(矩形)を形成するとともに軸方向Zに伸びる四角柱状の空間SPを形成するように配置されている。これら4本の山形鋼3A〜3Dを区別して説明するため、本明細書では山形鋼3A〜3Dをそれぞれ「第1山形鋼」、「第2山形鋼」、「第3山形鋼」および「第4山形鋼」と称する。各山形鋼3A〜3Dを構成する鋼片の外周面には、軸方向Zに沿って複数の係止部材40が溶接などにより固定されることで山形鋼3と一体化され、次に説明する緊締部材41を係止可能となっている。なお、本実施形態では、各係止部材40は中空管構造を有するものと採用しているが、以下に説明するように緊締部材41を係止可能なものであれば、その形状や構造などについては任意である。
図2Aは図1の(a)欄に示す工程の実行後における配筋構造の平面図であり、図2Bは図1の(a)欄に示す工程の実行後における配筋構造の側面図である。帯筋4は、第1山形鋼3Aおよび第2山形鋼3Bで挟まれた隣接領域AR、第2山形鋼3Bおよび第3山形鋼3Cで挟まれた隣接領域AR、第3山形鋼3Cおよび第4山形鋼3Dで挟まれた隣接領域ARならびに第4山形鋼3Dおよび第1山形鋼3Aで挟まれた隣接領域ARの各々で、隣接領域ARを上記空間SPの外側から臨むように、複数本、略等間隔で配置されており、本発明の「外側せん断補強筋」の一例に相当している。
各帯筋4は、隣り合う山形鋼3、3の各々に固定される一対の係止部材40、40と、緊締部材41と、一対の係止部材40、40の離間距離とほぼ同じ長さを有する中空管42とで構成されている。緊締部材41は、PC鋼棒411とPC鋼棒411の両端に螺合するナット412とで構成されており、PC鋼棒411が一方の係止部材40、中空管42および他方の係止部材40の内部を貫通しながら隣り合う山形鋼、例えば第1山形鋼3Aと第2山形鋼3Bとの間に延設されるとともにPC鋼棒411の両端部がナット412により係止部材40に係止されて上記山形鋼3A、3Bの間に緊張力を与える。この緊張力によって、山形鋼3A、3Bで一対の係止部材40、40および中空管42を挟んで一体化される。また、他の隣り合う山形鋼についても、上記と同様にして一体化される。こうして、図1の(b)欄に示すように、中空管42の内部を貫通した緊締部材41のPC両端部がそれぞれ隣り合う山形鋼3、3と一体化された係止部材40に係止され、緊締部材41による緊張力によって隣り合う山形鋼3、3が一対の係止部材40、40および中空管42を挟んで一体化されている。この結果、地震荷重により山形鋼3A〜3Dが座屈するのを効果的に抑制することができる。なお、本明細書では、このように4つの山形鋼3A〜3Dにより構成される構造体を「主筋体6」と称する。
図3Aは図1の(b)欄に示す工程の実行後における配筋構造を示す図であり、配筋構造内での筋交いの取付状態を示す図である。また、図3Bは図1の(c)欄に示す工程の実行後における配筋構造の平面図であり、図3Cは図1の(c)欄に示す工程の実行後における配筋構造の側断面図である。上記した空間SPの内部に鋼材製の筋交い71が配置されるとともにボルト72により互いに隣り合う山形鋼3、3を連結して耐震強度を高めている。より具体的には、筋交い71は隣接領域ARを上記空間SPの内側から臨むように配置されるとともにボルト72により互いに隣り合う山形鋼3、3を連結して耐震強度を高めている。このように、本実施形態では筋交い71が本発明の「内側せん断補強筋」の一例に相当している。
各隣接領域ARは互いに隣り合う山形鋼3、3、帯筋4および筋交い71により囲まれており、複数の鉄筋5の配設領域として機能する。隣接領域ARでは、複数の鉄筋5が軸方向Zに延設され、本発明の「第2主筋」の一例に相当している。すなわち、図1の(c)欄、図3Bや図3Cに示すように、複数の鉄筋5が帯筋4と筋交い71との間に挿入され、帯筋4および筋交い71に取り付けられている。帯筋4および筋交い71はせん断補強筋として機能するだけでなく、上記したように山形鋼3A〜3Dと一体化されて高い剛性を有しており、鉄筋5が座屈する際に大きな抵抗として作用し、鉄筋5の座屈を効果的に抑制することができる。
このように、本実施形態では、2種類の主筋(=山形鋼3A〜3D+鉄筋5)を有しているが、帯筋4および筋交い71によって山形鋼3A〜3Dは強固に連結されるとともに、山形鋼3A〜3Dと一体的に結合された帯筋4および筋交い71に鉄筋5が取り付けられているため、配筋構造2の強度を高め、優れた耐震性能を有する鉄筋コンクリート構造物を構築することを可能となっている。
また、各中空管42の管壁には、中空管42の内部と中空管42の外部とを連通する貫通孔421が複数個設けられている。このため、コンクリートの打設時に、コンクリートが貫通孔421を介して中空管42の内部に円滑に流動して充填される。その結果、良好な鉄筋コンクリート構造物が得られる。
図4は本発明に係る鉄筋コンクリート構造物の配筋構造の第2実施形態を示す図であり、図1の(b)欄に示す工程の実行後における配筋構造を示している。この第2実施形態が第1実施形態と大きく相違する点は、筋交い71の交差角度θが高さ方向において相違している点である。つまり、鉄筋コンクリート構造物が長くなるにしたがって振動態様が軸方向の各部において相違するため、振動態様に応じて筋交い71の交差角度を異ならせることで振動に対する耐久性を高めることができる。より具体的には、高さ方向における中央部での筋交い71の交差角度θ2を上端部および下端部での筋交い71の交差角度θ1よりも小さくしている。これによって、鉄筋コンクリート構造物の耐振動性を高めることができる。
図5は本発明に係る鉄筋コンクリート構造物の配筋構造の第3実施形態を示す図であり、図1の(b)欄に示す工程の実行後における配筋構造を示している。この第3実施形態が第2実施形態と大きく相違する点は、複数の山形鋼3A〜3Dをジョイント金具8で連結している点であり、その他の構成は第2実施形態と同様であるため、同一構成については同一符号を付して構成説明を省略する。なお、図5に示す実施形態では、軸方向に隣接する山形鋼3の端面を突き合わせた状態で連結しているが、端部同士をオーバーラップさせた状態で連結するように構成してもよい。
ところで、上記第1実施形態ないし第3実施形態では、矩形断面を有する柱状の鉄筋コンクリート構造物を構築するのに用いる柱用配筋構造に対して本発明を適用しているが、矩形断面を有する梁状の鉄筋コンクリート構造物を構築するのに用いる梁用配筋構造に対して本発明を適用することができる。また、柱部と梁部とを有する鉄筋コンクリート構造物を構築するのに用いる配筋構造に対して本発明を適用することができる(第4実施形態)。以下、図6Aおよび図6Bを参照しつつ本発明の第4実施形態について第1実施形態と相違する点を中心に説明し、第1実施形態と同様にして行われる筋交い71および鉄筋5の取付については図示および説明を省略する(この点については後で説明する第5実施形態ないし第11実施形態についても同様である)。
図6Aは本発明に係る鉄筋コンクリート構造物の配筋構造の第4実施形態を示す平面図であり、図6Bは図6Aに示す配筋構造の側面図である。これらの図面では、図1の(a)欄に示す工程と実質的に同じ工程を実行した後の配筋構造が示されている(この点については後で説明する図7A、図7B、図7C、図7D、図8A、図8Bおよび図9においても同様である)。この配筋構造2は、上記柱用配筋構造を有する柱用配筋構造体21と、上記梁用配筋構造を有する梁用配筋構造体22とを接続したものである。柱用配筋構造体21は第1実施形態と同様の配筋構造を有している。すなわち、柱用配筋構造体21は、稜線部位を内方に向けた状態で軸方向(鉛直方向Z)に対して垂直な仮想面内で4角形(矩形)を形成するように配置された直交する山形鋼3A〜3Dと、複数の帯筋4と、鉄筋5とで構成されている。一方、梁用配筋構造体22は、軸方向が異なる点とせん断補強筋としてあばら筋が用いられている点とを除き、第1実施形態と同様の配筋構造を有している。すなわち、梁用配筋構造体22は、稜線部位を外方に向けた状態で軸方向(水平方向X)に対して垂直な仮想面内で4角形を形成するように、つまり矩形状に配置された直交する山形鋼3A〜3Dと、複数のあばら筋4Aと、鉄筋(図示省略)とで構成されている。本実施形態では、梁用配筋構造体22の山形鋼3A、3Bの柱用配筋構造体21側の端部が柱用配筋構造体21の山形鋼3Aと溶接部9により接続されるとともに梁用配筋構造体22の山形鋼3C、3Dの柱用配筋構造体21側の端部が柱用配筋構造体21の山形鋼3Dと溶接部9により接続されることで、梁用配筋構造体22が柱用配筋構造体21と接続されている。なお、梁用配筋構造体22については第1実施形態と同様に全てサイズのものを用いて主筋体を構成しているが、梁用配筋構造体22においては、上方に位置する山形鋼を下方に位置するものよりも小さなサイズのものを用いても主筋体を構成してもよい。また、あばら筋4Aの構造は帯筋4と同一であり、あばら筋4Aは帯筋4と実質的に同一である。
このように構成された配筋構造2(=柱用配筋構造体21+梁用配筋構造体22+溶接部9)を有することで上記した実施形態と同様の作用効果が得られる。すなわち、配筋構造2の強度を高め、優れた耐震性能を有する鉄筋コンクリート構造物を構築することを可能となっている。また、コンクリートの打設時において、中空管42に設けられた貫通孔421を介してコンクリートを中空管42の内部に円滑に流動させて充填させることができ、良好な鉄筋コンクリート構造物が得られる。
この第4実施形態では、柱用配筋構造体21に対して1個の梁用配筋構造体22を接続した配筋構造2に対して本発明を適用しているが、柱用配筋構造体21に対する梁用配筋構造体22の接続個数や接続態様などについては、これに限定されるものではなく、例えば図7A〜図7Dに示すような配筋構造2にも適用可能である(第5実施形態〜第8実施形態)。なお、図7A〜7D中の符号23〜25は梁用配筋構造体を示しており、それらの梁用配筋構造体23〜25も上記梁用配筋構造体22と同一に構成されている。
また、上記第4実施形態ないし第8実施形態では、山形鋼3同士の溶接によって柱用配筋構造体21に対して梁用配筋構造体22〜25を直接的に接続しているが、例えば図8Aや図8Bに示すように、柱用配筋構造体21において互いに隣り合う山形鋼3同士に第1補助鋼片10を取り付け、さらに第1補助鋼片10同士に第2補助鋼片11を取り付けた後、第2補助鋼片11に対して梁用配筋構造体22〜25の山形鋼3を固定してもよい(第9実施形態および第10実施形態)。このように第1補助鋼片10および第2補助鋼片11を介して柱用配筋構造体21に対して梁用配筋構造体22〜25を間接的に接続してもよい。なお、それらの接続や固定については、例えばボルト12や溶接などの接続手段を用いることができる。
さらに、柱用配筋構造体21および/または梁用配筋構造体22〜25において、第1主筋の補強を図るために、筋交い71に加え、例えば図9に示すように軸方向に対して垂直な仮想面(同図平面)内で互いに対向する山形鋼3の間に別の筋交い73を設けてもよい(第11実施形態)。なお、図9中の符号94は筋交い73を固定するための係合金具であり、溶接などによって山形鋼3に固定されている。
ところで、上記実施形態では、帯筋4やあばら筋4Aは緊締部材41と中空管42とで構成しているが、帯筋4やあばら筋4Aとして軸方向Zと直交する直交方向に延設された鋼板や鋼棒などの金属製の剛性連結部材を用いてもよい(第12実施形態)。以下、図10、図11Aおよび図11Bを参照しつつ本発明の第12実施形態について説明する。
図10は本発明に係る鉄筋コンクリート構造物の配筋構造の第12実施形態を示す図である。また、図11Aは図10の(c)欄に示す工程の実行後における配筋構造の平面図であり、図11Bは図10の(c)欄に示す工程の実行後における配筋構造の側断面図である。この第12実施形態が第1実施形態と大きく相違する点は本発明の「外側せん断補強筋」として帯状の鋼板4Bを用いる点であり、その他の構成は基本的に第1実施形態と同様である。第12実施形態における配筋構造2では、山形鋼3A〜3Dは、図10に示すように、稜線部位(鋼片同士を連結した部位)を外方に向けた状態で同仮想面内において4角形(矩形)を形成するとともに軸方向Zに伸びる四角柱状の空間SPを形成するように配置されている。また、図10の(a)欄に示すように、鋼板4Bは、第1山形鋼3Aおよび第2山形鋼3Bで挟まれた隣接領域AR、第2山形鋼3Bおよび第3山形鋼3Cで挟まれた隣接領域AR、第3山形鋼3Cおよび第4山形鋼3Dで挟まれた隣接領域ARならびに第4山形鋼3Dおよび第1山形鋼3Aで挟まれた隣接領域ARの各々で、隣接領域ARを上記空間SPの外側から臨むように、複数本、略等間隔で配置されており、本発明の「外側せん断補強筋」の一例に相当している。
各鋼板4Bは、その一方端が隣り合う山形鋼3、3の一方にボルトなどの締結部材(図示省略)や溶接などによって固定されるとともに、その他方端が隣り合う山形鋼3、3の他方にボルトなどの締結部材(図示省略)や溶接などによって固定され、これによって両山形鋼3、3で一体化される。また、他の隣り合う山形鋼についても、上記と同様にして一体化される。こうして、図10の(b)欄に示すように、4つの山形鋼3が複数の鋼板4Bによって一体化されて主筋体6が形成されている。この結果、地震荷重により山形鋼3A〜3Dが座屈するのを効果的に抑制することができる。
また、第12実施形態においても、第1実施形態と同様に、上記した空間SPの内部に鋼材製の筋交い71が配置されるとともにボルト72により互いに隣り合う山形鋼3、3を連結して耐震強度を高めている。より具体的には、筋交い71は隣接領域ARを上記空間SPの内側から臨むように配置されるとともにボルト72により互いに隣り合う山形鋼3、3を連結して耐震強度を高めている。このように、本実施形態では筋交い71が本発明の「内側せん断補強筋」の一例に相当している。
各隣接領域ARは互いに隣り合う山形鋼3、3、鋼板4Bおよび筋交い71により囲まれており、各隣接領域ARに複数の鉄筋5が配設される。これらの鉄筋5は軸方向Zに延設された本発明の「第2主筋」の一例に相当するものであり、図10の(c)欄、図11Aや図11Bに示すように、鋼板4Bと筋交い71との間に挿入され、鋼板4Bおよび筋交い71に取り付けられている。鋼板4Bおよび筋交い71はせん断補強筋として機能するだけでなく、上記したように山形鋼3A〜3Dと一体化されて高い剛性を有しており、鉄筋5が座屈する際に大きな抵抗として作用し、鉄筋5の座屈を効果的に抑制することができる。
このように、本実施形態では、2種類の主筋(=山形鋼3A〜3D+鉄筋5)を有しているが、鋼板4Bおよび筋交い71によって山形鋼3A〜3Dは強固に連結されるとともに、山形鋼3A〜3Dと一体的に結合された鋼板4Bおよび筋交い71に鉄筋5が取り付けられているため、配筋構造2の強度を高め、優れた耐震性能を有する鉄筋コンクリート構造物を構築することを可能となっている。第12実施形態では、金属製の剛性連結部材として鋼板4Bを用いているが、これ以外に鋼棒などの金属製品を用いてもよく、この点は後で説明する変形例においても同様である。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば上記実施形態では、本発明の「第1主筋」として山形鋼3A〜3Dを用いているが、山形鋼の代わりに軸方向と直交する仮想面で矩形断面を有する鋼棒などを用いてもよい。
また、上記第1実施形態ないし第11実施形態では、帯筋4およびあばら筋4Aの全ては緊締部材41と中空管42とを有しているが、例えば帯筋4やあばら筋4Aの一部を緊締部材41のみで構成してもよい。また、緊締部材41を構成するPC鋼棒411の代わりにネジ鉄筋棒や鋼線などを用いてもよい。さらに、帯筋4やあばら筋4Aの一部を鋼板4Bで構成してもよい。
また、上記実施形態では、柱および梁のいずれも矩形断面を有する鉄筋コンクリート構造物を構築するのに用いる配筋構造について説明したが、その他の断面形状を有する鉄筋コンクリート構造物に対しても本発明を適用することができる。つまり、M角形(M≧3)の断面を有する鉄筋コンクリート構造物の場合、第1主筋(山形鋼、矩形断面鋼棒など)をM本準備し、軸方向に直交する仮想面内でM角形を形成するとともにとともに軸方向Zに伸びるM角柱状の空間SPを形成するように配置すればよい。
また、上記実施形態では、鋼板部材をクロスさせて側面視で「X」字形状を有する筋交い71を用いているが、例えば図11Cに示すように、鋼板部材を非クロス状態で配置した筋交い71を用いてもよい(第13実施形態)。
また、上記第1実施形態ないし第12実施形態では、帯筋4、あばら筋4Aおよび鋼板4Bを本発明の「外側せん断補強筋」の一例として用いるとともに筋交い71を本発明の「内側せん断補強筋」の一例として用いるが、これらの関係を逆転させてもよい。つまり、帯筋4、あばら筋4Aおよび鋼板4Bを本発明の「内側せん断補強筋」の一例として用いるとともに筋交い71を本発明の「外側せん断補強筋」として用いてもよい。さらに、各せん断補強筋を配置するにあたって、帯筋4、あばら筋4A、鋼板4Bおよび筋交い71を混合させてもよい。
また、上記実施形態では、内側せん断補強筋と外側せん断補強筋の両方に鉄筋5が取り付けられているが、それらのうちの一方のみに取り付けるように構成してもよい。
以上説明したように、上記実施形態においては、山形鋼3A〜3Dが本発明の「第1主筋」の一例に相当し、鉄筋5が本発明の「第2主筋」の一例に相当している。また、四角柱状の空間SPが本発明の「M角柱状の空間」の一例に相当している。また、例えば第1実施形態における軸方向Zと直交する水平方向が本発明の「直交方向」の一例に相当している。また、交差角度の方向が本発明の「交差方向」の一例に相当している。
この発明は、鉄筋コンクリート構造物の配筋構造全般に適用することができる。
2…配筋構造
3…山形鋼(第1主筋)
3A…第1山形鋼
3B…第2山形鋼
3C…第3山形鋼
3D…第4山形鋼
4…帯筋(せん断補強筋)
4A…あばら筋(せん断補強筋)
4B…鋼板(金属製の剛性連結部材)
5…鉄筋(第2主筋)
6…主筋体
21…柱用配筋構造体
22〜25…梁用配筋構造体
71…筋交い(せん断補強筋)
40…係止部材
41…緊締部材
42…中空管
411…PC鋼棒
412…ナット
421…貫通孔
X…水平方向(梁の軸方向)
Z…鉛直方向(柱の軸方向)

Claims (1)

  1. 軸方向に延設された第1主筋がM本(M≧3)、前記軸方向と直交する仮想面内でM角形を形成するとともに前記軸方向に伸びるM角柱状の空間を形成するように、配置された主筋体と、
    互いに隣り合う前記第1主筋に挟まれた隣接領域を前記空間の内側から臨むように配置されて前記隣り合う前記第1主筋同士を連結する複数の内側せん断補強筋と、
    前記隣接領域を前記空間の外側から臨むように配置されて前記隣り合う前記第1主筋同士を外側から連結する複数の外側せん断補強筋と、
    前記第1主筋、前記内側せん断補強筋および前記外側せん断補強筋で囲まれた前記隣接領域内で前記軸方向に延設されるとともに前記内側せん断補強筋および前記外側せん断補強筋の少なくとも一方に取り付けられる複数の第2主筋とを備え
    前記内側せん断補強筋および前記外側せん断補強筋の一方は前記軸方向に対して直交する直交方向に延設される帯筋であり、他方は前記直交方向および前記軸方向に対して斜めに交差する交差方向に延設される筋交いであり、
    前記帯筋は、前記直交方向において隣り合う前記第1主筋の各々に固定される一対の係止部材と、前記一対の係止部材の間で前記直交方向に延設して配置される中空管と、前記中空管の内部を貫通しながら両端部がそれぞれ前記係止部材に係止されて緊張力を与える緊締部材とを有し、前記緊締部材の緊張力によって前記隣り合う前記第1主筋で前記一対の係止部材および前記中空管を挟んで一体化させることを特徴とする鉄筋コンクリート構造物の配筋構造。
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