JP6317081B2 - 接着シート及び接着シート貼付方法 - Google Patents

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本発明は、少なくとも1層の基材シートと、当該基材シートの少なくとも一方の面に積層された接着剤層とを備え、内側に開口部を有するフレーム部材に貼付される接着シート及び当該接着シートの貼付方法に関する。
従来、半導体製造工程において、半導体ウエハ(以下、単に「ウエハ」という場合がある)における搬送等の取り扱いを容易にするために、ウエハとリングフレーム(フレーム部材)とを一体化するマウント用シート(接着シート)が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−141309号公報
しかしながら、特許文献1に記載された接着シートでは、当該接着シートの接着力が弱いと、例えば、フレーム部材を支持して搬送している途中で当該接着シートがフレーム部材から剥がれてしまい、ウエハを落下させてしまうという不都合がある。一方、接着力を強くすればウエハ落下の不都合は抑制できるものの、ウエハの搬送後や加工後に接着シートをフレーム部材から剥離しにくくなるという不都合が生じる。
本発明の目的は、接着材の接着力を強くすることなく剥がれにくくフレーム部材に貼付することができる接着シート及び当該接着シートの貼付方法を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明の接着シートは、少なくとも1層の基材シートと、当該基材シートの少なくとも一方の面に積層された接着剤層とを備え、内側に開口部を有するフレーム部材に貼付され、該フレーム部材と被保持体とを一体化するための接着シートであって、前記開口部の一部又は全部を塞ぐように前記フレーム部材の一の面に貼付されたときに、当該フレーム部材の一の面に当接する外側部と、前記外側部よりも内側において、前記開口部を塞ぐ開口面に位置するとともに前記被保持体に貼付される内側部と、前記外側部から外方に突出し、前記フレーム部材の他の面に貼付可能に設けられた他面貼付部とを備え、前記開口面から外れる方向に変位させて前記フレーム部材に貼付可能に設けられた第2他面貼付部を更に備え、前記第2他面貼付部は、前記内側部において少なくとも前記基材シートを切断した切断部と、周辺部と連結された連結部と、を有し、前記第2他面貼付部は、1つの前記連結部を基端部として折り曲げられることにより、前記一の面とは異なる面に貼付されることを特徴とする。
この際、本発明の接着シートでは、前記他面貼付部は、前記フレーム部材を周回して自着可能な突出寸法を有して形成されていることが好ましい。
一方、本発明の接着シート貼付方法は、前記接着シートを前記フレーム部材に貼付する接着シート貼付方法であって、前記接着シートの外側部を前記フレーム部材の一の面に貼付し、前記他面貼付部を当該フレーム部材の他の面に貼付することを特徴とする。
以上のような本発明によれば、外側部をフレーム部材の一の面に貼付するとともに、他面貼付部を当該フレーム部材の他の面に貼付することで、接着シートがフレーム部材の異なる2面に貼付されるので、接着材の接着力を強くすることなく剥がれにくくフレーム部材に貼付することができる。
更に、他面貼付部がフレーム部材を周回して自着可能、即ち、他面貼付部が接着シートの少なくとも一部と接着可能な突出寸法を有していれば、他面貼付部でフレーム部材を1周以上に亘って巻き込んで貼付することができ、例えば、フレーム部材に付着物が付いていたり、フレーム部材自体に接着し難い接着剤層が採用されていたりしても、確実に剥がれにくくフレーム部材に貼付することができる。
また、内側部に形成された第2他面貼付部を更に備えていれば、より剥がれにくくフレーム部材に貼付することができる。
(A)は、本発明の実施形態に係る接着シートの平面図。(B)は、(A)の断面図。 (A)、(B)は、図1の接着シートの使用例を示す斜視図。 図1の接着シートの使用例を示す部分断面図。 (A)は、本発明の第1変形例に係る接着シートの部分平面図。(B)は、(A)の使用例を示す部分断面図。 本発明の第2変形例に係る接着シートの使用例を示す部分断面図。 (A)は、本発明の第3変形例に係る接着シートの部分平面図。(B)は、(A)の使用例を示す部分断面図。
以下、本発明の各実施形態を図面に基づいて説明する。
尚、本明細書におけるX軸、Y軸、Z軸は、それぞれが直交する関係にあり、X軸及びY軸は、所定平面内の軸とし、Z軸は、前記所定平面に直交する軸とする。さらに、本実施形態では、Y軸と平行な図1の手前方向から観た場合を基準とし、方向を示した場合、「上」がZ軸の矢印方向で「下」がその逆方向、「左」がX軸の矢印方向で「右」がその逆方向、「前」がY軸の矢印方向で「後」がその逆方向とする。
図1に示すように、接着シート10は、1層の基材シートBSと、当該基材シートBSの一方の面BS1に積層された接着剤AD層とを備え、内側に開口部RF1を有するフレーム部材としてのリングフレームRFに貼付されるものであって、開口部RF1の全部を塞ぐようにリングフレームRFの一の面RF2に貼付されたときに、当該リングフレームRFの一の面RF2に当接する外側部20と、外側部20よりも内側において、開口部RF1を塞ぐ開口面に位置する内側部30と、外側部20から外方に突出し、リングフレームRFの他の面RF3に貼付可能に設けられた他面貼付部40とを備えている。
この接着シート10は、例えば、図2に示すように、被保持体としてのウエハWFとリングフレームRFとを一体化するものに使用することができ、感圧接着性の接着剤や感熱接着性の接着剤等によってウエハWF及びリングフレームRFに接着される。また、接着剤AD層は、例えば、光硬化型(紫外線硬化型)の接着剤で構成され、ウエハWFの加工後に所定波長の光(紫外線)を照射して硬化させることで、その接着力を低下させてウエハWFから簡単に剥離できるようになっている。尚、基材シートBS及び接着剤AD層は、使用目的に応じて様々な種類のものを選択することができ、接着剤AD層は、光硬化型の接着剤でなくてもよく、例えば、特開2002−141309号公報、特開2005−123382号公報、特開2008−150613号公報、特開2013−62445号公報等に開示されたものが例示でき、特にそれらに限定されるものではない。
外側部20は、接着シート10がリングフレームRFに貼付されたときに、当該リングフレームRFの一の面RF2に当接する接着シート10の一部であり、リングフレームRFや開口部RF1の大きさによってその領域は異なり、内側部30との相対的な位置関係となる。
内側部30は、接着シート10がリングフレームRFに貼付されたときに、当該リングフレームRFの開口部RF1を繋ぐ開口面に位置する接着シート10の一部であり、本実施形態の場合、リングフレームRFの一の面RF2側の内周縁を繋いだ面が開口面となる。
他面貼付部40は、リングフレームRFの外縁RF4から外方に突出するように形成され、接着シート10の中心P1を中心として略90度間隔で4ヶ所に設けられている。
以上の接着シート10をリングフレームRF及びウエハWFに貼付する手順について説明する。
まず、人手または適宜なシート貼付装置によって、図1(B)に示すように、接着シート10の外側部20をリングフレームRFの一の面RF2に押圧して貼付するとともに、内側部30をウエハWFに貼付する。次に、人手または適宜な駆動機器によって、他面貼付部40を図1(B)の矢印方向に折り曲げ、図3に示すように、他面貼付部40をリングフレームRFの他の面RF3に押圧して貼付する。これにより、接着シート10は、図2にも示すように、外側部20と他面貼付部40とでリングフレームRFを挟み込むように貼付される。
このような本実施形態によれば、以下のような効果がある。
即ち、外側部20をリングフレームRFの一の面RF2に貼付するとともに、他面貼付部40を当該リングフレームRFの他の面RF3に貼付することで、接着シート10がリングフレームRFの異なる2面に貼付されるので、接着力を強くすることなく剥がれにくくリングフレームRFに貼付することができる。
以上のように、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、且つ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部、もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
例えば、接着シート10は、図4に示すように、内側部30に形成された区画部50によって周辺部31と区画されるとともに、開口面から外れる方向に変位させてリングフレームRFの他の面RF3に貼付可能に設けられた第2他面貼付部60を更に備えていてもよい。図4では、他面貼付部40と第2他面貼付部60とが径方向に並んで形成されているが、それらは径方向に並んで形成されなくてもよい。尚、区画部50は少なくとも基材シートBSが切断されたものであればよく、容易に破断可能な図示しない連結部や別体に設けられた外部連結部によって第2他面貼付部60と周辺部31とが連結されていてもよい。この場合、外側部20がリングフレームRFの一の面RF2に貼付され、他面貼付部40及び第2他面貼付部60が折り曲げられ、図4(B)に示すように、他面貼付部40と第2他面貼付部60とが重なるように他の面RF3に貼付される。尚、他面貼付部40と第2他面貼付部60とは、いずれが上側に重なるように貼付されてもよいし、相互に重ならなくてもよい。また、例えば、他面貼付部40がリングフレームRFの外縁RF4を形成する外側面に貼付されるとともに、第2他面貼付部60が他の面RF3を第三の面として貼付されてもよいし、他面貼付部40が他の面RF3に貼付されるとともに、第2他面貼付部60がリングフレームRFの内側面RF5を第三の面として貼付されてもよく、第2他面貼付部60は、他面貼付部40と同一の面に貼付されてもよいし、他面貼付部40が貼付される面とは異なる第三の面に貼付されてもよい。
また、接着シート10は、開口部RF1の一部を塞ぐようにリングフレームRFの一の面RF2に貼付されるものでもよい。
また、他面貼付部40は、図5に示すように、リングフレームRFを周回して自着可能、即ち、接着シート10の少なくとも一部(図5においては内側部30)に接着可能な突出寸法を有して形成されてもよい。これにより、例えば、リングフレームRFに付着物が付いていたり、リングフレームRF自体に接着し難い接着剤AD層が採用されていたりしても、確実に剥がれにくくリングフレームRFに貼付することができる。
更に、他面貼付部40は、リングフレームRFの上下方向の幅が広い場合、リングフレームRFの外縁RF4を形成する外側面や、開口部RF1を形成する内側面RF5を他の面として貼付され、外側部20とでリングフレームRFの2つの面や2つの面以上に貼付される構成としてもよい。
また、他面貼付部は、図6に示すように、外側部20から内方に突出した他面貼付部40Bであってもよいし、外側部20から外方に突出する他面貼付部40との両方を備えていてもよい。
更に、他面貼付部40は、接着シート10の少なくとも1箇所に形成されていればよく、その外縁は直線や曲線、それらを組み合わせた任意の形状に形成することができる。
また、本発明における接着シート、フレーム部材、被保持体の材質、種別、形状等は、特に限定されることはない。例えば、接着シートは、感圧接着性、感熱接着性等の接着形態に限定されることはなく、例えば、感熱接着性の接着シートが採用された場合は、当該接着シートを加熱する適宜な方法で接着されればよい。また、このような接着シートは、例えば、基材シートが2層以上のものや、接着剤層だけの単層のもの、基材シートと接着剤層との間に中間層を有するもの、基材シートの上面にカバー層を有する等3層以上のもの、更には、基材シートを接着剤層から剥離することのできる所謂両面接着シートのようなものであってもよく、両面接着シートは、単層又は複層の中間層を有するものや、中間層のない単層又は複層のものであってよい。また、フレーム部材は、内側に開口部を有するものであれば何ら限定されることはなく、リングフレームRFのように、1の平面内に1の開口部を有するもの以外に、1の平面内に複数の開口部を有するものや、所定の角度で折れ曲がることで、2以上の面に1又は複数の開口部を有するものや、所定の曲率で曲がることで、湾曲した面に1又は複数の開口部を有するものであってもよい。尚、湾曲した面に開口部を有するフレーム部材の場合、開口面は平面ではなく、当該湾曲した面に沿う湾曲面となる。更に、フレーム部材は、額縁や中央に孔の空いた板状部材等であってもよいし、開口部全周に存在することなく、例えばC字、U字、V字、コ字状の閉ループ状であってもよい。更に、被保持体としては、例えば、食品、樹脂容器、シリコン半導体ウエハや化合物半導体ウエハ等の半導体ウエハ、回路基板、光ディスク等の情報記録基板、ガラス板、鋼板、陶器、木板または樹脂板等、任意の形態の部材や物品なども対象とすることができるし、省略していてもよい。
更に、本発明における各構成物は、それら構成物について説明した機能を果たすことができる限りなんら限定されるものではなく、まして、前記実施形態で示した単なる1実施形態の構成物に全く限定されるものではない。例えば、他面貼付部は、外側部から外方又は内方に突出し、フレーム部材の他の面に貼付可能なものであれば、出願当初の技術常識に照らし合わせてその範囲内であればなんら限定されることはない(他の構成物についての説明は省略する)。
10 接着シート
20 内側部
30 外側部
31 周辺部
40 他面貼付部
50 区画部
60 第2他面貼付部
AD 接着剤層
BS 基材シート
RF リングフレーム(フレーム部材)
RF1 開口部
RF2 一の面
RF3 他の面

Claims (1)

  1. 少なくとも1層の基材シートと、当該基材シートの少なくとも一方の面に積層された接着剤層とを備え、内側に開口部を有するフレーム部材に貼付され、該フレーム部材と被保持体とを一体化するための接着シートであって、
    前記開口部の一部又は全部を塞ぐように前記フレーム部材の一の面に貼付されたときに、当該フレーム部材の一の面に当接する外側部と、
    前記外側部よりも内側において、前記開口部を塞ぐ開口面に位置するとともに前記被保持体に貼付される内側部と、
    前記外側部から外方に突出し、前記フレーム部材の他の面に貼付可能に設けられた他面貼付部とを備え
    前記開口面から外れる方向に変位させて前記フレーム部材に貼付可能に設けられた第2他面貼付部を更に備え、
    前記第2他面貼付部は、前記内側部において少なくとも前記基材シートを切断した切断部と、周辺部と連結された連結部と、を有し、
    前記第2他面貼付部は、1つの前記連結部を基端部として折り曲げられることにより、前記一の面とは異なる面に貼付されることを特徴とする接着シート。
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