JP6315253B2 - 吊り天井構造 - Google Patents

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Description

本発明は、吊り天井構造に関する。
従来、例えば学校、病院、生産施設、体育館、プール、空港ターミナルビル、オフィスビル、劇場、シネコン等の建物の天井として、吊り天井が多用されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。そして、吊り天井(吊り天井構造)Aには、例えば図13に示すように、水平の一方向T1に延設された複数のTバー(断面逆T型の支持部材)1と、上端側を上階の床材(上部構造)等に固着し、下端側をTバー1に接続して配設された複数の吊りボルト(吊り部材)2と、隣り合うTバー1に架け渡すように配設されて天井面(天井部3)を形成する天井パネル4とを備えて構成したものがある。
また、欧米などでは、例えば図14に示すように、複数のTバー(断面逆T型の支持部材)1と、上端を上部構造に固着し、下端側をTバー1に接続して配設された複数の吊りワイヤー(吊り部材)2と、隣り合うTバー1に架け渡すように水平の一方向T1に直交する他方向T2に延設されるとともに一方向T1に所定の間隔をあけて配設された断面逆T型の連結バー(Tバー)5と、Tバー1と連結バー5からなる格子状の天井下地6にビス留めして一体に取り付けられて天井面(天井部3)を形成する天井パネル4とを備えて構成した吊り天井Aが用いられている。
また、吊り天井(吊り天井構造)Aには、例えば図15及び図16に示すように、複数の野縁15と、野縁15に直交し、複数の野縁15に一体に接続して設けられる複数の野縁受け16と、下端を野縁受け16に接続し、上端を上階の床材等の上部構造(建物躯体)に固着して配設される複数の吊りボルト2と、野縁15の下面にビス留めなどによって一体に取り付けられ、天井面(天井部3)を形成する天井パネル4とを備えて構成したものもある。
一方、上記の吊り天井Aにおいては、その構造上、地震時に作用する水平力によって横揺れしやすく、この横揺れにより、天井部3の端部が壁や柱、梁などの建物構成部材に衝突し、天井パネル4に破損が生じたり、脱落が生じるおそれがあった。このため、従来、図13、図14、図16に示すように、上部構造などに上端側を接続し、下端側を吊りボルト2や、Tバー1、連結バー5、野縁15、野縁受け16などからなる天井下地6に接続して補強ブレース7を設け、天井下地6及び天井パネル4からなる天井部3の地震時の横揺れを抑えるようにしている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
特開2003−13540号公報 特開2003−138689号公報
しかしながら、例えばJIS A 6517に規定された材料を主材(Tバー1、野縁15、野縁受け16)に使用した吊り天井Aでは、主材の不可避的な偏芯や、薄板の天井パネル4による接合部形成、重心位置と接合部位置の距離により生じる曲げ・回転モーメントの制御の困難さ等の影響を強く受けるため、天井下地6に補強ブレース7を設置するなどの下地補強による耐震性の確保には限度がある。そして、これに伴い、考慮すべきパラメータが多すぎて簡易な計算で吊り天井構造を計画することが難しい。
また、国土交通省の吊り天井にかかる最新の基準では最大2.2Gの地震時加速度に対応できるようにすることが求められているが、それに見合う天井下地のシステムが存在しないのが現状で、すなわち、図13や図14、図15に示す吊り天井構造Aではこの基準を満たすことができず、早期にこの基準に適合するシステムを構築することが強く望まれている。
さらに、欧米で使用されているTバーシステムの吊り天井構造(図14のような吊り天井構造)Aでは、吊り部材2としてワイヤーを用いるため、精度管理が非常に難しい。また、欧米のTバー標準では、国内基準適用のために1対/7〜10mの補強ブレース設置などが必要になり、すなわち、大量の補強ブレース7を設置することが必要になり、非現実的である。
本発明は、上記事情に鑑み、補強ブレースの効果を確実に発揮させて耐震性能の向上を図り、地震時の天井部の横揺れを確実に抑えることを可能にする吊り天井構造を提供することを目的とする。
上記の目的を達するために、この発明は以下の手段を提供している。
本発明の吊り天井構造は、水平の一方向に延設される主鋼材及び他方向に延設される連結鋼材を格子状に組み付けてなる天井下地と、上端を建物の上部構造に接続し、下端側を前記天井下地に接続して前記天井下地を吊り下げ支持する棒状の吊り部材と、前記天井下地の下面に取り付けられて天井面を形成する板状の天井材と、上端を前記上部構造に、下端側を前記天井下地にそれぞれ接続して斜設される補強ブレースとを備える吊り天井構造において、前記天井下地に前記補強ブレースを接続するためのブレース接続用金具を備え、該ブレース接続用金具が、板状のブレース接続部と、前記ブレース接続部の幅方向両側にそれぞれ設けられ、前記ブレース接続部から下方に突出する一対の天井下地接続部とを備え、前記主鋼材に前記天井下地接続部を固着して配設するとともに、あるいは一つの前記主鋼材を挟んで前記他方向の両側に配設された一対の前記連結鋼材にそれぞれ前記天井下地接続部を固着して前記一つの主鋼材を跨ぐように配設するとともに、前記ブレース接続部が前記主鋼材及び前記連結鋼材の上端よりも上方に突出し、該ブレース接続部に前記補強ブレースの下端側を固着するように形成され、且つ、前記天井材が前記天井下地にビス止めして取り付けられており、前記補強ブレースの下端部を前記天井下地に接続した接続部分を中心とし、前記一方向と前記他方向の一辺の長さを、上下方向の平面視における前記補強ブレースの長さの2倍の長さとした正方形の補強領域を設定し、前記補強領域のビス止め数を他の領域よりも多くするようにして構成されていることを特徴とする。
本発明の吊り天井構造においては、水平の一方向に延設される主鋼材と他方向に延設される連結鋼材を格子状に組み付けてなる吊り天井構造の天井下地に対し、補強ブレースや吊り部材(吊りボルト)を強固に接続(固着)することが可能になる。
これにより、地震時の天井慣性力を確実且つ効果的に補強ブレースに伝達させることができ、補強ブレースによる効果を十分に発揮させ、横揺れを抑制することが可能になる。よって、補強ブレースの効果を確実に発揮させて耐震性能の向上を図り、地震時の天井部の横揺れを確実に抑え、天井材の破損や脱落を抑止することが可能になる。
本発明の一実施形態に係る吊り天井のブレース接続用金具(天井下地側)及び吊り天井の吊り部材接続用金具、並びに吊り天井構造を示す天井裏側からの斜視図である。 本発明の一実施形態に係る吊り天井のブレース接続用金具(吊元側)を示す天井裏側からの斜視図である。 本発明の一実施形態に係る吊り天井のブレース接続用金具(天井下地側)の変更例を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る吊り天井のブレース接続用金具(天井下地側)の変更例を示す正面図である。 本発明の一実施形態に係る吊り天井構造を示す天井裏側からの斜視図であり、V型の補強ブレースを示す図である。 図5の吊り天井構造において、補強領域及びビス増し打ち領域を示す平面視図である。 本発明の一実施形態に係る吊り天井構造を示す天井裏側からの斜視図であり、レ型の補強ブレースを示す図である。 図7の吊り天井構造において、補強領域及びビス増し打ち領域を示す平面視図である。 静的加力試験の試験体(吊り天井構造)等を示す図である。 一つの方向に加力した静的加力試験の結果を示す図である。 交番載荷した静的加力試験の結果を示す図である。 動的加振試験の試験体(吊り天井構造)等を示す図である。 従来の吊り天井構造を示す天井裏側からの斜視図である。 従来の吊り天井構造を示す天井裏側からの斜視図である。 従来の吊り天井構造を示す天井面側からの斜視図である。 図15の従来の吊り天井構造を示す側面視図である。
以下、図1、図2(及び図14)を参照し、本発明の一実施形態に係る吊り天井のブレース接続用金具及び吊り天井の吊り部材接続用金具、並びに吊り天井構造について説明する。
図1及び図14に示すように、本実施形態の吊り天井構造Bは、従来の吊り天井構造Aと同様、水平の一方向(メインバー方向)T1に延設され、一方向T1に直交する他方向(クロスバー方向)T2に所定の間隔をあけて配設される複数のTバー(断面逆T型の主鋼材、メインバー、鋼材)1と、上端を上部構造に固着し、下端側をTバー1に接続して配設された複数の吊りボルト(吊り部材)2と、他方向T2に延び、隣り合うTバー1に架け渡して連結し、一方向T1に所定の間隔をあけて配設される複数の断面逆T型の連結バー(連結鋼材、クロスバー、鋼材)5と、天井下地6にビス留めして一体に取り付けられて天井面(天井部3)を形成する天井パネル(天井材)4とを備えて構成されている。また、Tバー1と連結バー5、すなわち、格子状に組み付けられた鋼材によって天井下地6が構成されている。
また、図1に示すように、補強ブレース7は、ブレース接続用金具10を用いて、天井下地6や建物の上部構造に接続して設けられている。このとき、本実施形態では、例えば、他方向T2に一対の補強ブレース7(7a)がV型を呈するように並設され、さらに、この他方向T2に並設したV型の一対の補強ブレース7の下端の交点部分と互いの交点部分を略同位置として、一方向T1にも一対の補強ブレース7(7b)がV型を呈するように並設されている。
また、吊りボルト2は、吊り部材接続用金具11を介して天井下地6のTバー1に下端側を接続して設けられ、天井下地6を吊り下げ支持している。
そして、本実施形態では、天井下地6の下面に、例えば直貼岩綿吸音板のような軽量の天井パネル4が、ビスを下側からこの天井パネル4、天井下地6に貫通させて固設されている。このように複数の天井パネル4を天井下地6に取り付けることで天井面が形成されている。
なお、Tバー1や連結バー5の下面にエンボス加工などによって微細な凹凸をつけると、Tバー1や連結バー5と天井パネル4の一体性を好適に確保できるとともに、天井パネル4のビス止め作業を行いやすくすることができる。
一方、本実施形態では、ブレース接続用金具10として、他方向T2に並設された一対の補強ブレース7(7a)の下端部側を天井下地6の連結バー(連結鋼材)5に接続するための第1ブレース接続用金具12と、一方向T1に並設された一対の補強ブレース7(7b)の下端部側を天井下地6のTバー(主鋼材)1に接続するための第2ブレース接続用金具13とが用いられている。
さらに、本実施形態では、図2に示すように、ブレース接続用金具10として、一対の補強ブレース7(7a、7b)の上端部側を、吊りボルト2の上端部側(吊元の上部構造の直下)に接続し、吊りボルト2を介して建物の上部構造に接続するための第3ブレース接続用金具14が用いられている。
図1に示すように、第1ブレース接続用金具12は、平面視に略方形状で、略平板状のブレース接続部12aと、ブレース接続部12aの幅方向両側にそれぞれ設けられ、ブレース接続部12aから下方に突出する天井下地接続部12bとを備えて形成されている。そして、この第1ブレース接続用金具12は、Tバー1を挟んで他方向T2の両側に配設された一対の連結バー5にそれぞれ天井下地接続部12bをビス留めするなどして固着し、一つのTバー1を跨ぐように配設されている。さらに、このとき、本実施形態では、左右両側の天井下地接続部12bがそれぞれ、ブレース接続部12aの下端側から前後両側に延びて2つずつ設けられており、これら一対の天井下地接続部12bでTバー1を挟み込むように配設するとともに固着して、第1ブレース接続用金具12が天井下地6に取り付けられている。
また、この第1ブレース接続用金具12は、このように配設するとともにブレース接続部12aがTバー1及び連結バー5の上端よりも上方に突出し、このブレース接続部12aに補強ブレース7の下端側がビス留めするなどして固着される。これにより、第1ブレース接続用金具12を介して、補強ブレース7の下端側が天井下地6の連結バー5に強固に固着して接続されている。
第2ブレース接続用金具13は、平面視に略方形状で、略平板状のブレース接続部13aと、ブレース接続部13aから下方に突出する平面視に略方形状で、略平板状の天井下地接続部13bとを備えて形成されている。また、この第2ブレース接続用金具13は、断面視でTバー1の外形に沿うように形成されている。
そして、本実施形態では、第2ブレース接続用金具13が、Tバー1に天井下地接続部13bをビス留めするなどして固着するとともにブレース接続部13aがTバー1の外形に係合してTバー1と重なるように配設される。この状態で、ブレース接続部13a(及びTバー1)にビスなどを打ち込んで補強ブレース7の下端側を固着する。これにより、第2ブレース接続用金具13を介して、補強ブレース7の下端側が天井下地6のTバー1に強固に固着して接続されている。
一方、図2に示すように、第3ブレース接続用金具14は、平面視に略方形状に形成され、補強ブレース7(7a、7b)の上端部側に、補強ブレース7(7a、7b)の材軸O1方向にスライド移動可能、且つビス止めなどにより固定可能に係合して取り付けられる接続用金具本体14aと、接続用金具本体14aの上端側に、補強ブレース(7a、7b)の材軸O1直交方向に延びる回転軸O2周りに相対回転可能にピン接続して取り付けられるとともに、吊りボルト2の上端部側に連結部材14bを介して着脱可能に取り付けられる吊り部材連結用金具14cとを備えて構成されている。
吊り部材接続用金具11は、平面視に略方形状で平板状の天井下地接続部11aと、横方向に延設された平板状の吊り部材接続部11bと、天井下地接続部11aと吊り部材接続部11bを繋ぐ板状の連設部11cとを備えて形成されている。また、天井下地接続部11aは、断面視でTバー1の外形に沿うように形成され、吊り部材接続部11bには、上面から下面に貫通する挿通孔11dが形成されている。さらに、連設部11cは、天井下地接続部11aに繋がる下端から上方に向かうに従い漸次横方向に傾斜する傾斜部11eと、傾斜部11eの上端からまっすぐ上方に延びる垂直部11fとを備えて形成されている。また、吊り部材接続部11bは、垂直部11fの上端に一端が繋がって挿通孔11dがTバー1の直上に配されるように横方向に延設されている。
そして、この吊り部材接続用金具11は、天井下地接続部11aをTバー1にビス留めするなどして固着し、Tバー1の上端よりも上方に配された吊り部材接続部11bの挿通孔11dに吊りボルト2を挿通するとともにナットで締結して、吊り部材接続部11bに吊りボルト2が接続される。これにより、吊り部材接続用金具11が強固にTバー1に固着されるとともに、この吊り部材接続用金具11を介して、吊りボルト2が天井下地6に強固に接続されている。
そして、上記のようなブレース接続用金具10(12、13)を用いて補強ブレース7が天井下地6に強固に固着され、さらに吊り部材接続用金具11を用いて吊りボルト2が天井下地6に強固に固着されているため、地震が発生した際に、天井慣性力(水平力)が天井下地6を通じて補強ブレース7に円滑に伝達されることになる。
したがって、本実施形態の吊り天井構造Bにおいては、水平の一方向T1に延設されるTバー(主鋼材)1と他方向T2に延設される連結バー(連結鋼材)5を格子状に組み付けてなる吊り天井構造Bの天井下地6に対し、補強ブレース7や吊り部材(吊りボルト)2を強固に接続(固着)することが可能になる。
また、本実施形態においては、ブレース接続用金具10の第3ブレース接続用金具14の接続用金具本体14aが補強ブレース7(7a、7b)の材軸O1方向にスライド移動可能に構成されているため、その突出量を調整し、長さを容易に調整することができる。また、接続用金具本体14aと吊りボルト2に取り付けられる吊り部材連結用金具14cとがピン接続されているため、接続用金具本体14aと吊り部材連結用金具14cを相対的に回動させながら容易に吊りボルト2の所望の位置に吊り部材連結用金具14cを取り付けることができるとともに、補強ブレース7(7a、7b)を所望の傾斜角度で容易に設置することが可能になる。
これにより、地震時の天井慣性力を確実且つ効果的に補強ブレース7に伝達させることができ、補強ブレース7による効果を十分に発揮させ、横揺れを抑制することが可能になる。よって、補強ブレース7の効果を確実に発揮させて耐震性能の向上を図り、地震時の天井部3の横揺れを確実に抑え、天井材4の破損や脱落を抑止することが可能になる。
以上、本発明に係る吊り天井構造の一実施形態について説明したが、本発明は上記の一実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施形態では、ブレース接続部12aと一対の天井下地接続部12bとを備えてなる第1ブレース接続用金具(吊り天井のブレース接続用金具)12が、Tバー1を挟んで他方向T2の両側に配設された一対の連結バー5にそれぞれ天井下地接続部12bをビス留めするなどして固着し、一つのTバー1を跨ぐように配設されているものとした。
これに対し、第1ブレース接続用金具12を、例えば図3に示すように、Tバー1に天井下地接続部12bを固着して配設し、Tバー1に補強ブレース7を接続するためのブレース接続用金具として用いてもよい。勿論、この場合においても、本実施形態と同様の作用効果を得ることが可能である。
また、図3及び図4に示すように、ブレース接続用金具10の第1ブレース接続用金具12のブレース接続部12aを、幅方向略中央に吊り部材接続用金具挿通孔12cを設けて形成し、この吊り部材接続用金具挿通孔12cに吊り部材接続用金具11を挿通させつつTバー1に取り付けるようにしてもよい。
この場合には、吊り部材接続用金具11で接続した吊りボルト2と、ブレース接続部12aに接続した補強ブレース7(7a)の材軸をほぼ同軸上に配置することが可能になり、これにより、吊りボルト2と補強ブレース7(7a)との間での応力伝達をより円滑にすることが可能になる。これにより、地震時の天井慣性力をさらに確実且つ効果的に補強ブレース7に伝達させることができ、補強ブレース7による効果を十分に発揮させ、横揺れを抑制することが可能になる。
また、天井材4を天井下地6にビス止めして取り付ける際に、図5に示すようにV型の補強ブレース7がある場合には例えば図6に示すように、図7に示すようにレ型の補強ブレース7がある場合には例えば図8に示すように、補強ブレース7の下端部を天井下地6に接続した接続部分を中心とし、一方向T1と他方向T2の一辺の長さを、上下方向T3の平面視における補強ブレース7の長さの2倍の長さとした正方形の補強領域R1を設定し、この補強領域R1のビス止め数を他の領域よりも多くするようにしてもよい。すなわち、正方形の補強領域R1内にビスを密に配置したビス増し打ち領域R2を設けるようにしてもよい。例えば、他の領域で150〜240mm程度(200mm程度)のビス打ち間隔を、ビス増し打ち領域R2では50〜120mm程度(100mm程度)にすることが好ましい。
そして、この場合には、例えば、地震時に補強ブレース7に座屈が生じ、Tバー1や連結バー5に上向きの力が働いても、ビスの引き抜けが生じることを抑止することができ、さらに確実に地震時の天井部3の横揺れを抑え、天井材4の破損や脱落を抑止することが可能になる。
[実施例1]
ここで、実施例1として、本発明の吊り天井構造の耐震性能を確認するために行った静的加力試験について説明する。
本実施例の静的加力試験では、試験体の吊り天井構造Bを次のように(図9に示すように)構成した。
長さ1820mm、板厚0.5mmのTバー(メインバー)1、長さ910mm、板厚0.4mmの連結バー(クロスバー)5を用い、3640mm(連結バー4本分)×1820mmの天井下地6を形成した。また、直径9mmの吊りボルト2を910mmピッチで配設し、図1、図3、図4に示した吊り部材接続用金具11を用いて吊り長さが1500mmとなるように天井下地6に接続した。さらに、天井パネル4として、厚さ12.5mmの石膏ボードを1枚貼設した。
また、補強ブレース7としてC−40×20×10×1.6mmのリップ溝形鋼を用い、取付角度60度で他方向(クロスバー方向)T2に沿ってV型に取り付けた。このとき、補強ブレース7は、図2に示した第3ブレース接続用金具14を用いてその上端部を吊りボルト2に接続し、図4に示した第1ブレース接続用金具12を用いてその下端部を天井下地6(連結バー5)に接続した。
そして、本実施例の静的加力試験では、図9に示すように、天井パネル4に8カ所の貫通ボルトで固定して加力治具17を取り付け、ワイヤケーブル18を介して油圧ジャッキで試験体Bに加力するようにした。また、補強ブレース7の目標耐力は、重量20kg/mの天井20mに1対を配置する場合に天井面応答1Gまで補強ブレース7が機能保持するための耐力として4.0kNと設定した。
また、本実施例の静的加力試験では、上記の試験体Bを4体準備し、3体に対しては一つの方向に加力し、荷重変位特性を確認した。残りの1体に対しては、滑車19を使用して正負交番で徐々に負荷を上げ、復元力特性を確認した。また、復元力特性を確認する試験では、一つの方向に加力する試験で得られた損傷限界値をPとし、1/3P、2/3P、Pで3回ずつ正負交番漸増載荷を行う載荷計画とした。
一つの方向に加力した静的加力試験の結果を表1及び図10に示す。また、交番載荷した静的加力試験の結果を図11に示す。
Figure 0006315253
表1、及び変位量と荷重の関係を示す図10の通り、一つの方向に加力した静的加力試験では、初期から4kN付近まで比較的線形に推移し、最大値が3体の試験体Bの平均で4.443kNであった。また、3体ともに補強ブレース7の座屈で終局を迎えた。
次に、変位量と荷重の関係を示す図11に示す通り、交番載荷した静的加力試験では、P=4.0kNと定め、1/3P=1.33kN、2/3P=2.67kN、P=4.0kNの加力でそれぞれ3回の交番加力を行い、最後に終局まで加力した。そして、1/3P、2/3P、Pで交番載荷した各ケースともに、一つの方向い加力した静的加力試験の結果と一致する安定したループを描いており、本発明に係る吊り天井構造Bが目標耐力P=4.0kNと定めた場合において十分な性能を有することが実証された。
なお、終局状態で、補強ブレース7の座屈以外、他の部材に目視で判別できる損傷は生じなかった。
[実施例2]
次に、実施例2として、本発明の吊り天井構造の地震時の挙動を確認するために行った動的加振試験について説明する。
本実施例の動的加振試験では、図12に示すように、実施例1で性能確認した吊り天井構造と構成が概略同様の吊り天井構造Bに対して大型3次元振動台20で地震波を入力した。
具体的に、本実施例の吊り天井構造Bの試験体は、図12に示すように、5.6m×5.66m(31.696m)の軽量鉄骨下地耐震天井であり、振動台テーブル21に設置した鉄骨フレーム22(幅6.6m、奥行き3.8m、高さ3.31m)に取り付けた角パイプ23から吊りボルト2で吊り下げられている。
また、試験体Bは、厚さt=12.5mmの天井パネル4を2枚貼りし、天井下地6を含めた天井部の質量を22.4kg/mとした。
さらに、本実施例の動的加振試験では、図5から図8、図12に示すように、試験体Bをメインバー方向T1に加振するケースと、クロスバー方向T2に加振するケースの2ケースで試験を行った。
メインバー方向加振は、図5、図6、図12に示すように、V型の補強ブレース7をメインバー方向T1、クロスバー方向T2ともに2対ずつ設置した試験体Bを用いて行った。
クロスバー方向加振は、図7、図8、図12に示すように、メインバー方向T1に、吊りボルト2を圧縮補強材を付加したレ型の補強ブレース7を2対、クロスバー方向T2に、V型の補強ブレース7を1対設置した試験体Bを用いて行った。
また、図12(b)に示すように、鉄骨フレーム22の天井面の高さに水平に角パイプ24を取り付け、天井部が100mm以上変形した場合に、壁面を模擬した角パイプ24に衝突するようにした。
さらに、本実施例の動的加振試験では、図6、図8に示すように、補強領域R1内にビス増し打ち領域R2を設けて試験体Bを構築した。また、ビス増し打ち領域R2のビスの間隔を略100mmとした。
そして、本実施例の動的加振試験では、振動台20にて最大加速度を段階的に上げながら水平方向に(メインバー方向T1とクロスバー方向T2にそれぞれ個別に)El Centro N−S波を、鉛直方向に水平方向の1/2の最大加速度のEl Centro U−D波を入力し、天井の挙動を観察した。
表2は、振動台テーブル21の中央、鉄骨フレーム22の中央、天井面中央の応答加速度、及び天井面と鉄骨フレーム22の相対変位を示している。また、メインバー方向加振、クロスバー方向加振ともに、補強ブレース7が座屈(塑性変形)し始めるまで行った。なお、これらの加速度は、前述の通り、20kg/m×20mに一対の補強ブレース7を設けた天井相当に換算した加速度である。
Figure 0006315253
この表2に示すように、補強ブレース7が座屈し始める天井面の最大応答加速度は、メインバー方向T1、クロスバー方向T2ともに1400Galを超えており、実施例1の静的加力試験で確認した目標耐力(1G)の1.4倍程度まで機能維持できることが実証された。
ここで、上記の試験体Bに対し、補強ブレース7が座屈して剛性低下した後にKiK−net 芳賀の観測点(TCGH16)で記録された地震波を入力して加振を行った。表3は、このKiK−net 芳賀記録波を入力した際の振動台テーブル21の中央、鉄骨フレーム22の中央、天井面中央の最大応答加速度、及び天井面と鉄骨フレーム22の最大相対変位を示している。
そして、表3に示す通り、天井面の加速度が大きいのは、壁を模擬した角パイプ24に天井部が衝突する際の衝撃によるものであり、天井がクロスバー方向T2で鉄骨フレーム22に取り付けた角パイプ24に激しく衝突を繰り返したが、天井パネル4などの落下が全くないことが確認された。
Figure 0006315253
1 Tバー(主鋼材)
2 吊りボルト(吊り部材)
3 天井部
4 天井パネル(天井材)
5 連結バー(連結鋼材)
6 天井下地
7 補強ブレース
7a 補強ブレース
7b 補強ブレース
10 ブレース接続用金具
11 吊り部材接続用金具
11a 天井下地接続部
11b 吊り部材接続部
11c 連設部
11d 挿通孔
11e 傾斜部
11f 垂直部
12 第1ブレース接続用金具
12a ブレース接続部
12b 天井下地接続部
13 第2ブレース接続用金具
13a ブレース接続部
13b 天井下地接続部
14 第3ブレース接続用金具
14a 接続用金具本体
14b 連結部材
14c 吊り部材連結用金具
15 野縁
16 野縁受け
17 加力治具
18 ワイヤケーブル
19 滑車
20 振動台
21 振動台テーブル
22 鉄骨フレーム
23 角パイプ
24 角パイプ
A 従来の吊り天井構造
B 吊り天井構造
O1 補強ブレースの材軸
R1 補強領域
R2 ビス増し打ち領域
T1 一方向(メインバー方向)
T2 他方向(クロスバー方向)
T3 上下方向

Claims (1)

  1. 水平の一方向に延設される主鋼材及び他方向に延設される連結鋼材を格子状に組み付けてなる天井下地と、上端を建物の上部構造に接続し、下端側を前記天井下地に接続して前記天井下地を吊り下げ支持する棒状の吊り部材と、前記天井下地の下面に取り付けられて天井面を形成する板状の天井材と、上端を前記上部構造に、下端側を前記天井下地にそれぞれ接続して斜設される補強ブレースとを備える吊り天井構造において、
    前記天井下地に前記補強ブレースを接続するためのブレース接続用金具を備え、
    該ブレース接続用金具が、板状のブレース接続部と、前記ブレース接続部の幅方向両側にそれぞれ設けられ、前記ブレース接続部から下方に突出する一対の天井下地接続部とを備え、前記主鋼材に前記天井下地接続部を固着して配設するとともに、あるいは一つの前記主鋼材を挟んで前記他方向の両側に配設された一対の前記連結鋼材にそれぞれ前記天井下地接続部を固着して前記一つの主鋼材を跨ぐように配設するとともに、前記ブレース接続部が前記主鋼材及び前記連結鋼材の上端よりも上方に突出し、該ブレース接続部に前記補強ブレースの下端側を固着するように形成され、
    且つ、前記天井材が前記天井下地にビス止めして取り付けられており、
    前記補強ブレースの下端部を前記天井下地に接続した接続部分を中心とし、前記一方向と前記他方向の一辺の長さを、上下方向の平面視における前記補強ブレースの長さの2倍の長さとした正方形の補強領域を設定し、前記補強領域のビス止め数を他の領域よりも多くするようにして構成されていることを特徴とする吊り天井構造。
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