JP2008184826A - 免震建築物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】免震支承装置10上に、鉛直方向に軸線を有する棒状の連結部材17aを備えた架台固定金具17を固定する。この架台固定金具の連結部材を横架材41の貫通孔41aに挿通し、横架材41を免震支承装置10上に支持する。横架材41に挿通された連結部材17aを利用して横架材接合金具60を取り付け、この横架材接合金具に他の横架材42、43の端部を接合することにより架台固定金具17上で横架材41、42、43を組み合わせた架台4を支持させる。また、連結部材17aと柱6に埋め込まれたスクリュー部材54とを柱接合金具52を介して連結し、架台上に柱を立設させる。これにより、架台と構造躯体と免震支承装置の上部とが強固に連結されるとともに、地震時には架台と地盤との間に相対的な変位を許容することができる。
【選択図】 図5
Description
一般に戸建て住宅のような小規模の建築物では基礎上に免震装置を介して水平方向に組み立てられた架台を支持し、免震装置によって地盤と架台との間の相対的な変位を許容する。そして、この架台の上に構造躯体を組み立てて建築物を構築する。免震装置は、大規模の建築物では積層ゴムが多く用いられており、積層ゴムの変形により構造躯体へ伝播する震動を低減するものとなっている。しかし、小規模建築物では建築物全体の重量が小さく、積層ゴムの剛性が大きいと地盤の震動を有効に吸収できない場合がある。このため、小規模建築物では球体を介して構造躯体を支持するものや、滑り支承を介して構造躯体を支持するものが多く採用される。また、レール上を転がるように移動する支持体を二つ重ねて用い、移動方向を互いに直角方向に設定して地盤と構造躯体との間で水平方向の自由な相対変位を確保するものもある。
なお、上記架台固定金具は免震支承装置の上部、つまり建築物の構造躯体とともに変位する部分に連結部材を固定することができる構造であれば、様々な形態のものを採用することができる。例えば、連結部材とこの連結部材の下端が固定された水平板部を備えるものであって、この水平板部をボルト等によって免震支承装置に固着するものであっても良いし、連結部材を、上記免震支承装置のほぼ水平となった上面に直接に螺合したり、溶接によって固着するものであっても良い。
図1は、本願発明の一実施形態である免震建築物の概略立面図である。
この免震建築物は、地盤1上に形成された基礎2の上に免震装置3を介して架台4が支持され、この上に上部構造5が構築されている。上記免震装置3は、免震支承装置10、位置復元装置20及び減衰装置30を含むものであり、それぞれが複数用いられ、平面上の適切な位置に配置されている。
上記免震支承装置10は、基礎コンクリート2の上にモルタル層11を形成し、その上に設置されており、モルタル層11の上に敷設された鋼板12と、この上で転動が可能となった球体13と、この球体13の上に設けられ、球体13の回転を許容するとともに鉛直方向の荷重を球体13を介して基礎2に伝達する球体受け部14と、球体13が転動する鋼板12上を覆うカバー板15と、上記球体受け部14と架台4との間に介挿され、球体受け部14上に架台4を支持する架台支持部材16とで主要部が形成されている。
この架台固定金具17は、水平板部17bが架台支持部材16の上面に当接されてボルト65により固着されており、架台4を形成する第1の横架材41は鉛直方向に設けられた貫通孔41aに連結部材17aを挿通した状態でこの架台固定金具17の上に支持されている。
第1の横架材41には連結部材17aが挿通された位置に対応して横穴41bが設けられ、連結部材17aに切削された横貫通孔17dに連通するものとなっており、第1の横架材41の側面から横穴41b及び横貫通孔17dに挿通したボルト63とこのボルトに螺合したナット66とによって第1の横架材41の両側面に横架材接合金具60が固着されている。
また、第2の横架材42及び第3の横架材43の端部には、鉛直方向にスクリュー部材56、57が貫入されるとともに、この横架材42、43の軸線と平行で鉛直方向のスリット42b、43bが、スクリュー部材56、57が貫入される位置の両側に設けられている。
なお、この柱6は架台4を構成する第1の横架材41とは剛結合つまり曲げモーメントが伝達されるように接合されている。
また、第1の横架材41にねじ込まれたスクリュー部材58も、柱6にねじ込まれたスクリュー部材54、55と同じ構成を備えるものであり、同様の工程によってねじ込まれる。
また、連結部材17aの長さは、免震支承装置10上で架台4に柱6が接合されるときには、横架材41の高さとほぼ同じ長さとする。免震支承装置10上で柱6と接合されないときには、連結部材17aの長さを横架材の高さよりも短くすることができる。さらに、免震支承装置10上で他の横架材と接合されないときには、連結部材17aに上記横貫通孔を設けなくても良い。
また、架台固定金具は、図4に示すように板状の連結部材19aを備えるものを用いることもできる。この架台固定金具19は水平板部19bの上に鋼板材からなる連結部材19aが立設されたものであり、架台4上に柱6が接合されない位置に用いられる。ただし、この架台固定金具19が用いられる位置では、連結部材19aに設けられた横貫通孔19cを使用して他の横架材42、43と接合することはできる。
この接合構造では、図8に示すように、一方の端部が縮径された筒状の柱接合金具71が横架材41の上面に立設されている。つまり、この柱接合金具71の内側に挿通したボルト72の先端72aが縮径された端部71aから突出し、このボルト72の頭部72bは筒状となった柱接合金具71の内側で縮径された端部71aに係止されている。そして、このボルト72が、連結部材17aの上端面から軸線方向に設けられたねじ穴17cに螺合されて、上記柱接合金具71が横架材41の上面に固定されている。一方、柱70には下端面から軸線方向に縦穴70aが設けられており、その内径が上記柱接合金具71の外径と対応しており、この縦穴内に柱固定金具71が挿入されている。そして、柱70の側面から水平方向に設けられた貫通孔70bにピン73が挿入され、柱固定金具71に設けられた横穴に挿通して柱固定金具71が柱70から抜け出さないように固定されるものである。
このように横架材41上に固定された柱70は、上方に引き抜こうとする力が作用したときに、上方への引張力が連結部材17aから免震支承装置10及び架台4に伝達され、上方への引張力に抵抗できるものとなる。
なお、他の手段によって架台の変位量が制限されている場合には、この変位制限部材27は設けなくても良い。
このような減衰装置30は複数が用いられ、オイルダンパー34の軸線がほぼ直角となる二つの方向に配置されたものが併存している。したがって、架台4と基礎2との間の相対的変位がいかなる方向に生じた場合であっても、震動による相対的変位に粘性抵抗を付与するものとなっている。
6:柱、
10:免震支承装置、 11:モルタル層、 12:鋼板、 13:球体、 14:球体受け部、 15:カバー板、 16:架台支持部材、 17:架台固定金具、 17a:架台固定金具の連結部材、 17b:架台固定金具の水平板部、 17c:横貫通孔、 17d:ねじ穴、 18:ゴム材、 19:架台固定金具、 19a:架台固定金具の連結部材、 19b:架台固定金具の水平板部、 19c:横貫通孔、
20:位置復元装置、 21:モルタル層、 22:下部固定部材、 23:復元部材、 24:上部固定部材、 25:架台固定金具、 28:アンカーボルト、 29:ボルト、
30:減衰装置、 31:上部結合部材、 32:下部結合部材、 33:アンカーボルト、 34:オイルダンパー、 35,36:取り付けロッド、 37:架台固定金具、
41:第1の横架材、 42:第2の横架材、 43:第3の横架材、
52:柱接合金具、 54、55、56、57、58:スクリュー部材、
60:横架材接合金具、 61:第1の接合板部、 62:第2の接合板部、 63、64、65:ボルト、 66:ナット、
70:柱、 71:柱接合金具、 72:ボルト、 73:ピン
Claims (5)
- 複数の木製の横架材がほぼ同じ高さで水平に支持され、これらが枠状に組み合わされた架台と、
前記架台を地盤上に支持するとともに、該架台と地盤との間で水平方向への相対的変位を許容する免震支承装置と、
前記架台上に構築された構造躯体とを有する免震建築物であって、
前記免震支承装置の上に、鉛直方向に軸線を有する棒状、板状又は管状の連結部材を備えた架台固定金具が固定され、
前記横架材は、該横架材に設けられた鉛直方向の貫通孔に前記連結部材が挿通されるとともに、前記免震支承装置の上に支持されていることを特徴とする免震建築物。 - 前記連結部材には、上端面から鉛直方向にねじ穴が形成されており、
該ねじ穴にねじ込まれたボルトによって、前記横架材の上に柱接合金具が固着され、
該柱接合金具に木製の柱を連結することによって前記横架材と木製の柱とが接合されていることを特徴とする請求項1に記載の免震建築物。 - 前記柱は、下端面の形状が前記横架材の幅方向より軸線方向に長い扁平な形状となっており、
該柱の下端部には、外周面に螺旋状の張り出し部を有するスクリュー部材が、該柱の下端面の長辺方向に離れた2カ所でそれぞれ鉛直方向にねじ込まれており、
前記スクリュー部材の一方である第1のスクリュー部材が、前記柱接合金具と連結され、
前記スクリュー部材の他方である第2のスクリュー部材が、前記横架材に鉛直方向にねじ込まれた第3のスクリュー部材に他の柱接合金具を介して連結されていることを特徴とする請求項2に記載の免震建築物。 - 前記連結部材は軸線と直角方向に貫通する横貫通孔が設けられており、
前記横架材の側面から該横架材を貫通するように形成された横穴に挿通されるとともに前記連結部材の横貫通孔に挿通されたボルトによって、横架材接合金具が該横架材の側面に固着され、
該横架材接合金具に他の横架材の端部が連結されていることを特徴とする請求項1に記載の免震建築物。 - 前記連結部材は軸線と直角方向に横ねじ孔が設けられており、
前記横架材の側面から前記連結部材の横ねじ孔に至るように形成された横穴に挿通されるとともに前記連結部材の横ねじ孔に螺合されたボルトによって、横架材接合金具が該横架材の側面に固着され、
該横架材接合金具に他の横架材の端部が連結されていることを特徴とする請求項1に記載の免震建築物。
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