以下、本発明を具体化した実施形態について、図面を参照して説明する。参照する図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものであり、記載されている装置の構成やフローチャートなどは、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
図1を参照して、本発明の第一の実施形態に係るパチンコ機1の機械的構成を説明する。パチンコ機1は、正面略で略正方形状の遊技盤2を着脱可能な本体枠26を備える。本体枠26に装着された遊技盤2は、パチンコ機1の上側部分に配置される。遊技盤2は、本体枠26と、本体枠26の前側に装着された前面枠25との間で保持される。前面枠25は、透明なガラス板を保持しており、遊技盤2の前面を保護する。前面枠25のガラス板を取り囲むように、遊技の進行中に点灯又は点滅可能な電飾部材35が設けられている。前面枠25の上部の両角部に、スピーカ48がそれぞれ設けられている。
遊技盤2の下部に、上皿5が設けられている。上皿5は、遊技球発射装置37(図2参照)に遊技球を供給し、且つ、賞球払出装置49(図2参照)から払い出される賞球を受ける。上皿5の上面に、操作ボタン9が設けられている。上皿5の直下に、賞球を受ける下皿6が設けられている。下皿6の右側に、遊技球発射装置37による遊技球の発射を調整する発射ハンドル7が設けられている。遊技盤2の前面に、ガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が形成されている。遊技球発射装置37(図3参照)によって発射された遊技球は、ガイドレール3によって遊技領域4へ導かれ、遊技領域4内を流下する。
遊技領域4の略中央に、各種演出を実行する演出装置8が設けられている。演出装置8の左側に、普通図柄作動ゲート10が設けられている。演出装置8の下側に、振分装置30が設けられている。振分装置30の左側に、第一大入賞口17と第二大入賞口18とが上下に並べて設けられている。第一大入賞口17および第二大入賞口18は、それぞれ開閉部材を備え、開閉部材が開放された場合にのみ、遊技球は第一大入賞口17および第二大入賞口18に入賞できる。振分装置30の下側に、左右に並ぶ第一始動口14Aおよび第一始動口14Bと、普通電動役物(後述する普通当たり判定の結果に基づき可動する役物)としての開閉部材を備える第二始動口15Aとが設けられている。第二始動口15Aの開閉部材が開放されていない状態であっても、第二始動口15Aへ遊技球が入賞することは可能であるが、第二始動口15Aの開閉部材が開放されると、開放されていない状態よりも第二始動口15Aへの遊技球の入賞が容易になる。
振分装置30は、自身に入球した遊技球の流下する方向を変化させる遊技用部材である。振分装置30の内部に、後述する第一〜第三通過領域11〜13が配設されている(図4参照)。左側の第一始動口14Aは、第一通過領域11を通過した遊技球が入賞する。右側の第一始動口14Bは、第二通過領域12を通過した遊技球が入賞する。中央の第二始動口15Aは、第三通過領域13を通過した遊技球が入賞する。なお、第三通過領域13を通過した遊技球は、第二始動口15Aが備える開閉部材が開放されていない状態であっても、第二始動口15Aに入賞する。
なお、図示しないが、第二大入賞口18に入賞した遊技球の流路には、特定領域および非特定領域が形成されている。パチンコ機1では、大当たり遊技中に遊技球が第二大入賞口18内の特定領域を通過することが、大当たり遊技終了後に確率変動状態を生起する条件となっている。本実施形態では、第二大入賞口18は1回の大当たり遊技中に4回開放される。第二大入賞口18の開放パターンには、1回の開放動作において最大で13秒開放される長時間開放パターンと、最大で0.2秒しか開放されない短時間開放パターンとがある。短時間開放パターンの場合には、第二大入賞口18に遊技球が入賞する確率は非常に低い。本実施形態の大当たり種別には、「長時間開放大当たり」と、「短時間開放大当たり」の2つが設けられている(図15参照)。「長時間開放大当たり」の場合、長時間開放パターンが選択される。「短時間開放大当たり」の場合、短時間開放パターンが選択される。このため、長時間開放大当たりとなるか否かによって、確率変動状態が生起される割合は変化する。
演出装置8の正面に、遊技を演出する様々な映像が表示されるLCD(表示画面28)が設けられている。表示画面28には、大当たり判定の結果を遊技者に報知するための複数の演出用の図柄である演出図柄が表示される。複数の演出図柄は、遊技球が第一始動口14A,14B、第二始動口15Aのいずれかに入賞すると変動を開始し、その変動後に大当たり判定の結果に応じた組み合わせで確定表示される。
遊技盤2の右斜め下部には、図柄表示部27(図2参照)が設けられている。図柄表示部27は、特別図柄表示部、普通図柄表示部、特別図柄記憶数表示LED、および普通図柄記憶数表示LEDを含む。特別図柄表示部は、2つの7セグメントLEDからなり、大当たり判定の結果を示す特別図柄を表示する。普通図柄表示部は、LEDの点灯および消灯によって普通当たり判定の結果を表示する。特別図柄記憶数表示LEDは、大当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数(所謂「特別図柄作動保留球数」)を表示する。普通図柄記憶数表示LEDは、普通当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数(所謂「普通図柄作動保留球数」)を表示する。
パチンコ機1における遊技の流れを概略的に説明する。遊技球が普通図柄作動ゲート10を通過すると、普通当たり判定が行われる。普通当たり判定において当たりと判定された場合、普通当たり遊技が実行される。普通当たり遊技では、第二始動口15Aの開閉部材が所定時間開放される。遊技球が第一始動口14A,14Bおよび第二始動口15Aに入賞すると、賞球が遊技者に付与される。また、遊技球が第一始動口14A,14Bに入賞すると、第一特別図柄に基づく大当たり判定(以下、第一大当たり判定)が行われる。遊技球が第二始動口15Aに入賞すると、第二特別図柄に基づく大当たり判定(以下、第二大当たり判定)が行われる。第一、第二大当たり判定のいずれかにおいて当たりと判定されると、大当たり遊技が実行される。大当たり遊技では、第一大入賞口17および第二大入賞口18が所定回数開放される。開放された第一大入賞口17および第二大入賞口18に遊技球が入賞すると、賞球が遊技者に付与される。
パチンコ機1では、大当たり遊技時における第一大入賞口17および第二大入賞口18が開放される回数の合計(所謂、ラウンド数)は16ラウンドである。1ラウンドから12ラウンドまでは、「長時間開放大当たり」および「短時間開放大当たり」のいずれの大当たり種別においても、第一大入賞口17が最大開放時間29秒で開放される。「長時間開放大当たり」の場合、長時間開放パターンが選択されるため、13ラウンドから16ラウンドまで、第二大入賞口18が最大開放時間13秒開放される。「長時間開放大当たり」が実行される場合、大当たり遊技中の全てのラウンドにおいて、第一大入賞口17および第二大入賞口18に遊技球が十分に入賞しうる。パチンコ機1の賞球払出装置49は、第一大入賞口17および第二大入賞口18へ入賞する1個の遊技球に対して、15個の賞球を払い出す。大当たり遊技の1ラウンドでは、最大で150個程度の賞球が遊技者に付与されうる。よって、1回の大当たり遊技中に遊技者に付与される賞球の総数は、大当たり遊技の各ラウンドで得られる賞球を16ラウンド分合計したものとなる。一方、「短時間開放大当たり」が実行される場合、短時間開放パターンが選択されるため、第二大入賞口18が最大で0.2秒開放される。短時間開放パターンで第二大入賞口18が開放された場合、遊技球が第二大入賞口18に入賞する可能性は非常に低い。よって、「短時間開放大当たり」の場合、1回の大当たり遊技中に遊技者に付与される賞球の総数は、実質的に第一大入賞口17が開放される12ラウンド分の賞球の合計となる。つまり、「長時間開放大当たり」の場合、「短時間開放大当たり」よりも、1回の大当たり遊技中に遊技者に付与される賞球の総数が多くなる。パチンコ機1では、第二大当たり判定において大当たりと判定された場合は、第一大当たり判定において大当たりと判定された場合よりも、「長時間開放大当たり」の大当たり種別が選択される確率が高い(図15参照)。つまり、第二大当り判定において大当たりと判定されることによって、1回の大当たり遊技中に遊技者に付与される賞球の総数の期待値は、第一大当たり判定において大当たりと判定されることによって遊技者に付与される賞球の総数の期待値よりも高くなる。即ち、第二特別図柄は、第一特別図柄よりも遊技者に有利な特別図柄(換言すると、第二始動口15Aは第一始動口14A,14Bよりも有利な始動口)である。
パチンコ機1は、大当たり判定において「大当たり」と判定される確率が約1/320である非確率変動状態と、約1/32である確率変動状態とを生起させることができる。生起された確率変動状態は、大当たり判定の回数の和が所定の回数(本実施形態では100回)に達することで、所謂回数切り確変機能の作動によって終了する。また、パチンコ機1は、第二始動口15Aの開閉部材が開放される割合が通常の割合である非時短状態と、割合が非時短状態よりも高くなる時短状態とを、大当たり遊技の終了後に生起させることができる。パチンコ機1では、大当たり判定の回数の和が100回に達することが時短状態の終了条件となっている。パチンコ機1は、時短状態が生起されているか否かと、前述した確率変動状態が生起されているか否かの組合せにより、「非確率変動非時短状態」(以下、「通常状態」という。)、「非確率変動時短状態」、および「確率変動時短状態」の3つの遊技状態を生起する。ただし、この実施形態に限られず、「確率変動非時短状態」等を加えた4つ以上の遊技状態に区分けしてもよい。これにより、遊技内容が多様となり、遊技者が遊技状態を予測することが困難な意外性のある遊技を提供することができる。
図2を参照して、パチンコ機1の電気的構成を説明する。パチンコ機1の制御部40は、主基板41、サブ制御基板58、ランプドライバ基板46、演出制御基板43、払出制御基板45、および中継基板47を主に備える。
主基板41は、パチンコ機1の主制御を司る。主基板41の主基板CPUユニット50には、各種の演算処理を行うCPU51と、データを一時的に記憶するRAM52と、制御プログラム等を記憶したROM53とが設けられている。主基板CPUユニット50には、割込信号発生回路57が接続されている。主基板41は、割込信号発生回路57から割込信号が入力される毎にプログラムを実行する。
主基板41は、I/Oインタフェイス54を介してサブ制御基板58、払出制御基板45、中継基板47、出力ポート55、第一検出スイッチ71、第二検出スイッチ72、第三検出スイッチ73、および第二始動口スイッチ70に電気的に接続されている。出力ポート55は、図示外の遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の情報を出力する。
第一検出スイッチ71は、第一通過領域11を通過した遊技球を検出し、検出信号を主基板41に出力する。第二検出スイッチ72は、第二通過領域12を通過した遊技球を検出し、検出信号を主基板41に出力する。第三検出スイッチ73は、第三通過領域13を通過した遊技球を検出し、検出信号を主基板41に出力する。第二始動口スイッチ70は、第二始動口15Aに備えられ、第二始動口15Aの備える開閉部材が開放した場合に第二始動口15Aへ入賞した遊技球を検出し、検出信号を主基板41に出力する。前述したように、第一通過領域11を通過した遊技球は、第一始動口14Aに入賞する。第二通過領域12を通過した遊技球は、第一始動口14Bに入賞する。第三通過領域13を通過した遊技球は、第二始動口15Aに入賞する。このため、第一検出スイッチ71および第二検出スイッチ72が出力する検出信号は、CPU51に第一大当たり判定を実行させる信号として機能する。第三検出スイッチ73および第二始動口スイッチ70が出力する検出信号は、CPU51に第二大当たり判定を実行させる信号として機能する。
サブ制御基板58は、CPU581、RAM582、およびROM583を備え、ランプドライバ基板46、演出制御基板43、操作ボタン9、スピーカ48、および後述の振分モータ330に電気的に接続している。サブ制御基板58は、主基板41から送信されるコマンドに従って、演出に関する総合的な制御を行う。ランプドライバ基板46は、電飾部材35の発光制御を行う。演出制御基板43は、CPU43a等を備え、サブ制御基板58から受信するコマンドに従って表示画面28の表示を制御する。払出制御基板45は、CPU45a等を備える。払出制御基板45は、主基板41から送信されるコマンドに応じて賞球払出装置49の動作を制御し、第一始動口14A,14B、第二始動口15A、第一大入賞口17、および第二大入賞口18への遊技球の入賞に対応する所定数の遊技球を払い出させる。
中継基板47には、普通電動役物開閉ソレノイド69、第一大入賞口開閉ソレノイド74、第二大入賞口開閉ソレノイド75、普通図柄作動スイッチ76、第一大入賞口スイッチ77、特定領域スイッチ78、非特定領域スイッチ79および図柄表示部27が電気的に接続されている。普通電動役物開閉ソレノイド69は、普通当たり遊技中に第二始動口15Aの開閉部材を開閉する。普通図柄作動スイッチ76は、普通図柄作動ゲート10を通過した遊技球を検出する。第一大入賞口開閉ソレノイド74は、大当たり遊技中に第一大入賞口17の開閉部材を開閉する。第二大入賞口開閉ソレノイド75は、大当たり遊技中に第二大入賞口18の開閉部材を開閉する。第一大入賞口スイッチ77は、第一大入賞口17に入賞した遊技球を検出する。特定領域スイッチ78は、第二大入賞口18内の特定領域を通過した遊技球を検出する。非特定領域スイッチ79は、第二大入賞口18内の非特定領域を通過した遊技球を検出する。
電源基板42は、主基板41および遊技球発射装置37に電気的に接続されており、各基板および遊技球発射装置37に直流の安定化した電力を供給する。遊技球発射装置37は、一定間隔(パチンコ機1では0.6秒)毎に1個ずつ遊技球を遊技領域4へ発射する。
図3〜図6を参照して、振分装置30の全体構成を説明する。以下の説明では、図3の左下側、右上側、左上側、右下側、上側、下側を、それぞれ振分装置30の前側、後側、左側、右側、上側、下側とする。振分装置30の各方向は、パチンコ機1の各方向と一致する。
図3に示すように、振分装置30は、球案内部100、取付板120、機構設置部140、後部材160、回転駆動機構300を備える。球案内部100は、取付板120の前面に固定される。機構設置部140は、取付板120の背面に固定される。後部材160は、機構設置部140の後部に固定される。機構設置部140および後部材160は、遊技盤2(図1参照)に形成された取付穴(図示外)に前側から挿入された状態で、取付板120が遊技盤2の前面に固定される。これにより、球案内部100が遊技領域4に配置される。
図3および図4に示すように、球案内部100は、正面視で左右対称に形成されており、上下左右方向に延びる前面101と、前面101から後方に延びる複数の壁部102〜113とを含む。球案内部100と取付板120との間に、入球口80、排出口81〜85、連通口86〜89、設置部90、流路91〜95、分岐部99、および先述の第一〜第三通過領域11〜13が、以下に説明するように左右対称に形成される。
入球口80は、球案内部100の上端中央に設けられた、遊技領域4を流下する遊技球が入球可能な開口部である。壁部102,103は、それぞれ、入球口80から左下側および右下側に延びる。壁部102,103の各上端部は、入球口80から下側に延びる流路91を形成する。流路91の下端部(排出案内部91A)は、後述の分岐部99に接続している。
壁部102の右下側には、壁部102に沿って左下側に延びる壁部110が設けられる。壁部103の左下側には、壁部103に沿って右下側に延びる壁部111が設けられる。壁部110,111は、入球口80よりも左右方向に長い間隔を空けて、左右に並んで配置されている。壁部110,111によって挟まれた領域が、振分可動体310が回転自在に設置される設置部90である。振分可動体310は、遊技盤2の前面に対して垂直な軸部319を中心に回転可能な回転体である。設置部90では、正面視で振分可動体310の輪郭と壁部110,111の各上端部とが接している。
壁部102,110の間に、分岐部99から左下側に延びる流路92が形成される。壁部102,110の各下端部の下側に、それぞれ上下方向に延びる壁部104,105が左右に並んで設けられる。壁部104,105によって挟まれた領域に、第一検出スイッチ71の検出穴71A(図5参照)が配設される。壁部104,105によって挟まれた領域が、第一通過領域11である。流路92の下端部と第一通過領域11とは、互いに上下方向に対向する。壁部102の下端部と壁部104の上端部との隙間が、排出口84である。壁部110の下端部と壁部105の上端部との隙間が、連通口86である。
壁部103,111の間に、分岐部99から右下側に延びる流路93が形成される。壁部103,111の各下端部の下側に、それぞれ上下方向に延びる壁部106,107が左右に並んで設けられる。壁部106,107によって挟まれた領域に、第二検出スイッチ72の検出穴72A(図6参照)が配設される。壁部106,107によって挟まれた領域が、第二通過領域12である。流路93の下端部と第二通過領域12とは、互いに上下方向に対向する。壁部103の下端部と壁部106の上端部との隙間が、排出口85である。壁部111の下端部と壁部107の上端部との隙間が、連通口88である。
壁部110の下端部から右下側に向けて、壁部112が延びている。流路94は、連通口86から壁部105,112の間を通って下側に延びている。壁部111の下端部から左下側に向けて、壁部113が延びている。流路95は、連通口88から壁部107,113の間を通って下側に延びている。壁部112,113の間に、設置部90から下側に延びる流路96が形成される。
壁部112,113の各下端部の下側に、それぞれ上下方向に延びる壁部108,109が左右に並んで設けられる。壁部108,109によって挟まれた領域に、第三検出スイッチ73の検出穴73A(図6参照)が配設される。壁部108,109によって挟まれた領域が、第三通過領域13である。流路96の下端部と第三通過領域13とは、互いに上下方向に対向する。壁部108,109の各下端部の隙間が、排出口83である。壁部112の下端部と壁部108の上端部との隙間が、連通口87である。壁部113の下端部と壁部109の上端部との隙間が、連通口89である。
壁部104は、壁部105よりも下側に延びている。壁部104の下端部と壁部108との隙間が、排出口81である。排出口81は、第一通過領域11の直下に設けられ、且つ流路94の下端部に連通する。壁部106は、壁部107よりも下側に延びている。壁部106の下端部と壁部109との隙間が、排出口82である。排出口82は、第二通過領域12の直下に設けられ、且つ流路95の下端部に連通する。
図5および図6に示すように、取付板120は正面視で略正方形状の板状本体121を有する。板状本体121の上側部分には、後述の回転板311が内部に保持される筒状の取付部122が設けられている。取付部122の後端部には、後述の軸部319が挿通する軸支部129が設けられている。板状本体121の下側部分には、第一〜第三検出スイッチ71〜73の後部がそれぞれ嵌め込まれる三つの取付穴123〜125が設けられている。三つの取付穴123〜125に嵌め込まれた第一〜第三検出スイッチ71〜73の検出穴71A〜73Aは、それぞれ第一〜第三通過領域11〜13に配置される(図5参照)。
機構設置部140は、前側に開口する箱状の本体部141を有する。本体部141の内部領域142に、後述のリンク部材320が収容される。本体部141の後端部上側に、内部領域142を後方に露出させる開口部143が形成されている。本体部141の背面における開口部143の上下両側に、それぞれモータ固定部148および軸支部149が設けられている。モータ固定部148は、後述の振分モータ330を固定する部材である。軸支部149は、後述の軸部351の前端部を軸支する孔部である。
後部材160は、前側に開口する箱状の本体部161を有する。本体部161の内部領域162に、後述の振分モータ330およびリンク部材340,350が収容される。本体部161の上端側に、後述の軸部351の後端部を軸支する孔部である軸支部169が設けられている。
図5〜図9に示すように、回転駆動機構300は、振分可動体310、リンク部材320,340,350、および振分モータ330を備える。図7〜図9に示す振分可動体310は、回転時の基準位置(以下、定常状態)にある。以下の説明では、定常状態の振分可動体310をもとに、各部の位置関係を説明する。
振分可動体310は、回転板311、前板312、規制面313,314、および軸部319を有する。回転板311は円形板であり、背面中央から後方に軸部319が突出している。回転板311が取付板120の取付部122に保持された状態で、軸部319の後端部は取付板120の軸支部129よりも後方に突出する。前板312は、回転板311の前側に配置され、回転板311の上半分に対応する半円形状である。
前板312と回転板311との間に、通過口315および規制面313,314が設けられている。通過口315は、遊技球が振分可動体310の内部に進入可能な開口部である。規制面313は、通過口315の上端左縁部から左下側に延びている。規制面314は、通過口315の上端右縁部から右下側に延びている。規制面313,314は、遊技球が振分可動体310の内部に進入するのを妨げる壁面である。通過口315および規制面313,314は、設置部90に配置される(図4参照)。なお、前板312には、振分可動体310の内部を通過する遊技球を前側に露出させるスリットである窓部312Aが形成されている(図4参照)。
リンク部材320の両端部に、連結部321および軸部322が設けられている。連結部321は、取付板120の軸支部129から後方に突出する軸部319が挿入連結される。軸部322は、正面視で連結部321とは異なる位置に設けられ、且つ連結部321よりも後方に突出する。振分モータ330は、振分可動体310を回転させる動力を供給するステッピングモータである。リンク部材340の両端部に、連結部341および軸部342が設けられている。連結部341は、振分モータ330の出力軸が挿入連結される。軸部342は、正面視で連結部341とは異なる位置に設けられ、且つ連結部341よりも後方に突出する。
リンク部材350は、上下方向に延びる板状部材であり、軸部351、軸受部352、摺動溝353を有する。軸部351は、リンク部材350の上端部に設けられ、且つ前後方向に突出する。軸受部352は、リンク部材350の長手方向略中央に設けられた、下方に開口するコの字型部材である。リンク部材320の軸部322は、機構設置部140の開口部143を介して後部材160の内部領域162に進入し、軸受部352の内部に配置される。摺動溝353は、リンク部材350の下側部分に設けられた、リンク部材350の長手方向に延びる溝部である。リンク部材340の軸部342は、摺動溝353に挿入される。
振分モータ330の上側には、振分可動体310に伴って回転する検出板(図示外)を検出可能な反射センサ331が設けられている。振分可動体310が定常状態にある場合、反射センサ331は検出板を検出する。サブ制御基板58のCPU581は、反射センサ331が出力する検出信号に基づいて、振分可動体310の回転位置を特定できる。
図4〜図13を参照して、振分可動体310の動作態様と、球案内部100における遊技球の流下態様とを説明する。図4、図11、図13に示すように、遊技領域4を流下した遊技球が入球口80に入球すると、入球した遊技球は流路91を流下する。流路91を流下した遊技球は、流路91の下端部である排出案内部91Aを経由して、分岐部99に排出される。このとき、排出案内部91Aは、遊技球を振分可動体310に向けて下側に排出する。
図4に示すように、振分可動体310が定常状態にある場合、通過口315は排出案内部91Aと上下方向に対向する。したがって、分岐部99に排出された遊技球は、通過口315から振分可動体310の内部に進入しやすい。また、規制面313と壁部110との隙間は、遊技球の直径よりも小さい。規制面314と壁部111との隙間は、遊技球の直径よりも小さい。したがって、振分可動体310の内部に進入しなかった遊技球は、設置部90に進入することなく、流路92,93のいずれかに案内される。
図5〜図9に示すように、定常状態の振分可動体310において、振分モータ330がリンク部材340を正面視で時計回り方向に回転すると、軸部342が摺動溝353内を移動しながら、リンク部材350を、軸部351を中心に時計回り方向に回転させる。軸受部352に配置されている軸部322も時計回り方向に回転し、さらに連結部321に連結された軸部319も時計回り方向に回転する。これにより振分可動体310は、図10および図11に示す回転位置(以下、第一変位位置)まで正面視で時計回り方向に回転する。振分可動体310が第一変位位置から定常状態まで回転する場合は、上記と逆の動作が実行される。
図11に示すように、振分可動体310が第一変位位置にある場合、規制面313は排出案内部91Aと上下方向に対向する。規制面313と壁部110との隙間は、遊技球の直径よりも小さい。壁部111は、通過口315の開口幅が遊技球の直径よりも小さくなるように、通過口315の一部を上側から塞ぐ。したがって、分岐部99に排出された遊技球は、規制面313によって通過口315に進入することが妨げられる。振分可動体310の内部に進入しなかった遊技球は、設置部90に進入することなく、流路92,93のいずれかに案内される。
図5〜図9に示すように、定常状態の振分可動体310において、振分モータ330がリンク部材340を正面視で反時計回り方向に回転すると、軸部342が摺動溝353内を移動しながら、リンク部材350を、軸部351を中心に反時計回り方向に回転させる。これに伴って、軸受部352に配置されている軸部322も反時計回り方向に回転し、さらに連結部321に連結された軸部319も反時計回り方向に回転する。これにより振分可動体310は、図12および図13に示す回転位置(以下、第二変位位置)まで正面視で反時計回り方向に回転する。振分可動体310が第二変位位置から定常状態まで回転する場合は、上記と逆の動作が実行される。
図13に示すように、振分可動体310が第二変位位置にある場合、規制面314は排出案内部91Aと上下方向に対向する。規制面314と壁部111との隙間は、遊技球の直径よりも小さい。壁部110は、通過口315の開口幅が遊技球の直径よりも小さくなるように、通過口315の一部を上側から塞ぐ。したがって、分岐部99に排出された遊技球は、規制面314によって通過口315に進入することが妨げられる。振分可動体310の内部に進入しなかった遊技球は、設置部90に進入することなく、流路92,93のいずれかに案内される。
つまり、振分可動体310の回転位置が定常状態に近いほど、遊技球が通過口315に進入しやすい。通過口315に進入した遊技球は、振分可動体310の内部を通過して、排出案内部91Aとは反対側(つまり、下側)に排出されて、流路96を流下する。流路96を流下した遊技球は、流路96と上下方向に対向する第三通過領域13に進入しやすい。第三通過領域13に進入した遊技球は、第三検出スイッチ73によって検出されたのち、排出口83から振分装置30の外部(つまり、遊技領域4)に排出される。排出された遊技球は、第三通過領域13の直下に設けられた第二始動口15A(図1参照)に入賞する。
なお、流路96を流下する遊技球の挙動によっては、遊技球が連通口87を介して流路94に流入したり、遊技球が連通口89を介して流路95に流入したりする場合がある。これらの場合、遊技球は排出口81,82のいずれかを介して、振分装置30の外部に排出される。
一方、振分可動体310の回転位置が第一、第二変位状態のいずれかに近いほど、遊技球は流路92,93のいずれかに振り分けられやすい。流路92を流下した遊技球は、主として、流路92と上下方向に対向する第一通過領域11に進入する。第一通過領域11に進入した遊技球は、第一検出スイッチ71によって検出されたのち、排出口81から振分装置30の外部に排出される。排出された遊技球は、第一通過領域11の直下に設けられた左側の第一始動口14A(図1参照)に入賞する。
なお、流路92を流下する遊技球の挙動によっては、遊技球が排出口84を介して振分装置30の外部に排出されたり、遊技球が連通口86を介して流路94に流入したりする場合がある。流路94に流入した遊技球は、主として、排出口81から振分装置30の外部に排出される。ただし、流路94を流下する遊技球の挙動によっては、遊技球が連通口87を介して第三通過領域13に進入する場合がある。
流路93を流下した遊技球は、主として、流路93と上下方向に対向する第二通過領域12に進入する。第二通過領域12に進入した遊技球は、第二検出スイッチ72によって検出されたのち、排出口82から振分装置30の外部に排出される。排出された遊技球は、第二通過領域12の直下に設けられた右側の第一始動口14B(図1参照)に入賞する。
なお、流路93を流下する遊技球の挙動によっては、遊技球が排出口85を介して振分装置30の外部に排出されたり、遊技球が連通口88を介して流路95に流入したりする場合がある。流路95に流入した遊技球は、主として、排出口82から振分装置30の外部に排出される。ただし、流路95を流下する遊技球の挙動によっては、遊技球が連通口89を介して第三通過領域13に進入する場合がある。
入球口80に入球した遊技球のうち、流路94を介して排出口81から排出された遊技球は、第一始動口14Aと第二始動口15Aとの間を通って、遊技領域4を流下する。入球口80に入球した遊技球のうち、流路95を介して排出口82から排出された遊技球は、第一始動口14Bと第二始動口15Aとの間を通って、遊技領域4を流下する。なお、第二始動口15Aの備える開閉部材が開放されていれば、流路94を介して排出口81から排出された遊技球および流路95を介して排出口82から排出された遊技球は、第二始動口15Aに入賞する可能性がある。
上記のように振分モータ330は、振分可動体310を、軸部319を中心に回転可能である。さらに振分モータ330は、リンク部材340を回転制御することで、振分可動体310の回転方向、回転速度、回転範囲の少なくとも一つを制御可能である。本実施形態では、CPU581は振分モータ330を制御して、振分可動体310を交互に定常状態から第一変位置と第二変位位置とに回転移動させる。これにより、規制面313,314と通過口315とが交互に排出案内部91Aと対向するように、振分可動体310が軸部319を中心に回転する。
回転する振分可動体310は、入球口80に入球した遊技球を、第一〜第三通過領域11〜13のいずれかに向けて振分け可能である。振分可動体310の回転位置が定常状態に近いほど、遊技球は通過口315に進入して第三通過領域13を通過しやすい。振分可動体310の回転位置が第一、第二変位状態のいずれかに近いほど、遊技球は第一通過領域11および第二通過領域12のいずれかを通過しやすい。
さらに、CPU581は振分モータ330を制御して、排出案内部91Aから排出された遊技球のうち、通過口315に進入する遊技球の割合が通過口315に進入しない遊技球の割合よりも小さくなるように、振分可動体310の回転速度および回転範囲を制御する。したがって、排出案内部91Aから排出された遊技球は、第三通過領域13よりも、第一通過領域11および第二通過領域12のいずれかを通過しやすい。つまり、排出案内部91Aから排出された遊技球は、第二始動口15Aよりも第一始動口14A,14Bに入賞しやすい。遊技者に有利な第二特別図柄に基づく大当たり判定は、第一特別図柄に基づく大当たり判定よりも実行頻度が抑制される。
第三通過領域13を介して第二始動口15Aに入賞した遊技球の通過を検出した第三検出スイッチ73は、パチンコ機1に第二特別図柄に基づく大当たり判定を実行させる検出信号を出力する。第一通過領域11を介して第一始動口14Aに入賞した遊技球の通過を検出した第一検出スイッチ71、および第二通過領域12を介して第一始動口14Bの入賞した遊技球の通過を検出した第二検出スイッチ72は、パチンコ機1に第一特別図柄に基づく大当たり判定を実行させる検出信号を各々出力する。したがって、第一始動口14A,14Bに遊技球が入賞した場合(つまり、第一検出スイッチ71および第二検出スイッチ72のいずれかが遊技球を検出した場合)と、第二始動口15Aに遊技球が入賞した場合(つまり、第三検出スイッチ73が遊技球を検出した場合)とで、各々異なる抽選をパチンコ機1に実行させることができ、遊技内容を多様化できる。パチンコ機1では、第三検出スイッチ73が遊技球を検出した場合、第一検出スイッチ71および第二検出スイッチ72が遊技球を検出した場合よりも、1回の大当たり遊技中に遊技者に付与される賞球の総数の期待値が高くなる。即ち、第三検出スイッチ73が遊技球を検出した場合、第一検出スイッチ71および第二検出スイッチ72が遊技球を検出した場合よりも、賞球の払い出しに関して遊技者が有利となる期待値が高くなる。
本実施形態の振分装置30では、遊技領域4を流下する遊技球が入球口80に入球すると、遊技球は流路91を流下して分岐部99に排出される。分岐部99に排出された遊技球は、遊技盤2の前面に対して垂直な軸線を中心に回転可能な振分可動体310によって、分岐部99から各々異なる方向に延びる三つの流路92,93,96のいずれかに振分けられる。したがって、流下する遊技球の振分け先をより多様に変化させることができる。
振分可動体310の回転によって、規制面313,314と通過口315とが交互に排出案内部91Aと対向する。通過口315と対向するタイミングで排出案内部91Aから排出された遊技球は、振分可動体310の内部に進入して流路96に案内されやすい。規制面313,314と対向するタイミングで排出案内部91Aから排出された遊技球は、振分可動体310の内部に進入せずに流路92,93のいずれかに案内されやすい。これにより、遊技球の振分け先を予測困難にできる。
第三検出スイッチ73は、流路96を流下する遊技球の少なくとも一部を検出可能である。振分可動体310は、排出案内部91Aから排出された遊技球のうち、通過口315に進入する遊技球の割合が通過口315に進入しない遊技球の割合よりも小さくなるように回転する。したがって、排出案内部91Aから排出された遊技球のうち、第三検出スイッチ73によって検出される遊技球の割合を抑制できる。
振分モータ330は、振分可動体310を、軸部319を中心に回転可能であり、且つ、振分可動体310の回転方向、回転速度、回転範囲の少なくとも一つを制御可能である。したがって、振分可動体310を回転制御するだけで、複数の振分け先(つまり、三つの流路92,93,96)に対する遊技球の振分率を多様に変化させることができる。
振分モータ330は、規制面313,314と通過口315とが交互に排出案内部91Aと対向するように、振分可動体310を所定の回転範囲で一方向および他方向に交互に回転させる。したがって、振分可動体310を所定の回転範囲で揺動させる簡易な制御で、遊技球の振分け先を予測困難にできる。
図14を参照して、RAM52の大当たり関係情報記憶エリアについて説明する。第二大当たり関係情報記憶エリアの構成は、第一大当たり関係情報記憶エリアの構成と同じであるため、説明を簡略化する。第一大当たり関係情報記憶エリアおよび第二大当たり関係情報記憶エリアは、後述するメイン処理の特別図柄処理(図17から図19参照)において使用される。第一大当たり関係情報記憶エリアには複数の記憶エリアが設けられている。第一始動口14Aおよび第一始動口14Bのいずれかに遊技球が入賞した際に、特別図柄作動保留球数が4未満(0〜3)であれば、番号の小さい記憶エリアから順に乱数が記憶される。CPU51は、処理が未だ行われていない記憶エリアの乱数のうち、最も番号が小さい記憶エリアを判定エリアとし、判定エリアに記憶されている乱数について大当たり判定等の各種処理を行う。判定エリアに記憶されている乱数に関する処理(具体的には、判定結果を報知する報知演出、および、判定結果が大当たりの場合に実行される大当たり遊技)が終了すると、次に番号が小さい記憶エリアが判定エリアとされて、大当たり判定等の処理が繰り返される。なお、処理が終了した記憶エリアの乱数は、適宜消去してもよい。
各記憶エリアには、第一大当たり判定カウンタの値が記憶される第一大当たり乱数欄、第一特別図柄決定カウンタの値が記憶される第一特別図柄決定乱数欄、および、第一変動パターン決定カウンタの値が記憶される第一変動パターン決定乱数欄が設けられている。第一始動口14A,14Bに遊技球が入賞すると、その時点で計数されているそれぞれの乱数取得カウンタの値が各欄に記憶される。第一大当たり乱数は、第一大当たり判定のために用いられる。第一特別図柄決定乱数は第一特別図柄を決定するために用いられる。第一変動パターン決定乱数は、図柄表示部27の第一特別図柄表示部に表示される第一特別図柄の変動時間を示す変動パターンを決定するために用いられる。なお、RAM52には、普通図柄作動ゲート10への遊技球の通過時に取得される乱数を記憶するための普通当たり関係情報記憶エリアが設けられている。普通当たり関係情報記憶エリアも、第一大当たり関係情報記憶エリアおよび第二大当たり関係情報記憶エリアと同様に構成されている。
図15を参照して、ROM53に記憶されている特別図柄決定テーブルについて説明する。パチンコ機1は、第一大当たり判定の結果が大当たりであることを示す第一特別図柄と、第二大当たり判定の結果が大当たりであることを示す第二特別図柄とを、特別図柄決定テーブルを参照することで決定する。具体的には、特別図柄決定テーブルでは、各特別図柄と特別図柄決定乱数の値とが対応付けられている。大当たりと判定されると、特別図柄決定乱数の値に対応する特別図柄が決定される。第一特別図柄および第二特別図柄は、それぞれ複数の大当たり種別のいずれかに分類される。第一特別図柄の大当たり種別には、「短時間大当たり」、「長時間大当たり」の2つがある。第二特別図柄の種別は、「長時間大当たり」のみである。
前述したように、パチンコ機1では、大当たり遊技中に遊技球が第二大入賞口18内の特定領域を通過することが、大当たり遊技終了後に確率変動状態を生起する条件となっている。パチンコ機1では、第一特別図柄において、「長時間開放大当たり」の割合は50%、「短時間開放大当たり」の割合は50%である。第二特別図柄において、長時間開放大当たりの割合は100%である。短時間開放大当たりに分類された場合、大当たり遊技において、第二大入賞口18に遊技球が入賞する可能性は非常に低い。したがって、「短時間開放大当たり」の場合、遊技球が第二大入賞口18内の特定領域を通過する確率は、「長時間開放大当たり」の場合と比較して非常に低くなる。つまり、パチンコ機1では、第二大当り判定において大当たりと判定された場合は、第一大当たり判定において大当たりと判定された場合よりも、「長時間開放大当たり」の大当たり種別が選択される確率が高い。このため、第二大当り判定において大当たりと判定されることを契機として確率変動状態が生起される期待値は、第一大当たり判定において大当たりと判定されることを契機として確率変動状態が生起される期待値よりも高くなる。即ち、振分装置30の第三検出スイッチ73が遊技球を検出することに起因して大当たり遊技が実行される場合、第一検出スイッチ71および第二検出スイッチ72が遊技球を検出することに起因して大当たり遊技が実行される場合よりも、確率変動状態が生起される期待値が高くなる。確率変動状態中は、第一大当たり判定および第二大当たり判定において大当たりと判定される確率が、非確率変動状態中よりも高くなる。このため、大当たり遊技の終了後に確率変動状態が生起された場合、大当たり遊技の終了後に確率変動状態が生起されなかった場合よりも、再び大当たりと判定される期待値が高くなる。大当たり遊技の終了後に、再び大当たり遊技が実行されると、新たな大当たり遊技中に、遊技者に賞球が付与される。即ち、第三検出スイッチ73が遊技球を検出した場合、第一検出スイッチ71および第二検出スイッチ72が遊技球を検出した場合よりも、賞球の払い出しに関して遊技者が有利となる期待値が高くなる。したがって、パチンコ機1は、流下する遊技球の振分け先を多様に変化させることによって、遊技者の興趣を高めることができる。
パチンコ機1では、大当たり種別に応じて、時短状態の継続条件が決定される。「長時間開放大当たり」の場合、大当たり遊技の終了後、大当たり判定の回数の和が100回に達するまで時短状態が生起される。「短時間開放大当たり」の場合、大当たり遊技の終了後に時短状態は生起されない。パチンコ機1では、第二大当り判定において大当たりと判定された場合は、第一大当たり判定において大当たりと判定された場合よりも、「長時間開放大当たり」の大当たり種別が選択される確率が高い。このため、第二大当り判定において大当たりと判定されることを契機として時短状態が生起される期待値は、第一大当たり判定において大当たりと判定されることを契機として時短状態が生起される期待値よりも高くなる。即ち、振分装置30の第三検出スイッチ73が遊技球を検出することに起因して大当たり遊技が実行される場合、第一検出スイッチ71および第二検出スイッチ72が遊技球を検出することに起因して大当たり遊技が実行される場合よりも、時短状態が生起される期待値が高くなる。時短状態中は、第二始動口15Aの開閉部材が開放される割合が非時短状態中よりも高くなるため、遊技球が第二始動口15Aに入賞しやすくなる。第二始動口15Aに入賞した遊技球に対して賞球が遊技者に付与されるため、時短状態中は、非時短状態中よりも、遊技者に賞球が付与されやすくなる。即ち、第三検出スイッチ73が遊技球を検出した場合、第一検出スイッチ71および第二検出スイッチ72が遊技球を検出した場合よりも、賞球の払い出しに関して遊技者が有利となる期待値が高くなる。したがって、パチンコ機1は、振分装置30によって、流路92,93,96のうちいずれに遊技球が振り分けられるか、遊技者に興味を持たせることができる。
図16から図19を参照して、パチンコ機1の主基板41による動作について説明する。パチンコ機1の主制御は、ROM53に記憶されている制御プログラムによって行われる。制御プログラムのメイン処理(図16参照)は、割込信号発生回路57(図2参照)が4ms毎に発生する割込信号をCPU51が感知した際に、CPU51において実行される。以下、フローチャートの各ステップについて「S」と略記する。
まず、コマンド出力処理が行われる(S10)。コマンド出力処理では、制御コマンドが、サブ制御基板58、払出制御基板45、中継基板47等に出力される。ここで出力される制御コマンドは、前回実施されたメイン処理においてRAM52に記憶された制御コマンドである。
次いで、スイッチ読込処理が行われる(S11)。スイッチ読込処理では、普通図柄作動ゲート10、各入賞口に設けられた各スイッチ(図3参照)の検出結果から、遊技球を検知するための処理が行われる。
次いで、カウンタ更新処理が行われる(S12)。カウンタ更新処理では、RAM52に記憶されている乱数取得カウンタの値が加算され、且つ、特別図柄の変動時間を計測するためのタイマカウンタである特別図柄変動時間カウンタの値が減算される。
次いで、特別電動役物処理が行われる(S13)。特別電動役物処理では、特別図柄の大当たり種別に応じて、大当たり遊技の動作(主に第一大入賞口17および第二大入賞口18の開閉部材の開閉動作)を制御するための処理と、大当たり遊技終了後に生起される遊技状態に関する処理とが行われる。後述する大当たり遊技状態フラグが「ON」となっている場合には、大当たり遊技が実行される。本実施形態では、前述したように、1回の大当たり遊技における1ラウンドから12ラウンドまでは、第一大入賞口17が最大開放時間29秒で開放される。13ラウンドから16ラウンドまでは、第二大入賞口18が13秒または0.2秒開放される。大当たり遊技中に遊技球が第二大入賞口18内の特定領域を通過した場合には、メイン処理のスイッチ読込処理(S11、図16参照)において、特定領域スイッチ78に対応するフラグが「ON」となる。このフラグが「ON」となっていれば、後述する確率変動フラグが、大当たり遊技終了後に「ON」となる。なお、パチンコ機1では、長時間開放大当たりの大当たり遊技が実行された場合であって、大当たり遊技中に遊技球が第二大入賞口18内の特定領域を通過しなかった場合、確率変動フラグは「ON」とならないが、後述する時短フラグが、大当たり遊技終了後に「ON」となる。一旦開放された第一大入賞口17および第二大入賞口18は、最大開放時間の経過、および9個の遊技球の入賞のいずれかの条件が満たされると閉鎖される。
次いで、特別図柄処理が行われる(S14)。詳細は後述するが、特別図柄処理では、大当たり判定、変動パターンの決定、特別図柄の決定、および遊技状態の移行処理等が行われる(図17から図19参照)。
次いで、普通電動役物処理が行われる(S15)。普通電動役物処理では、普通当たりとなった場合に普通当たり遊技の動作を制御するための処理が行われる。CPU51は、時短状態が生起されていれば、非時短状態中よりも長く、第二始動口15Aの開閉部材を開放させる(非時短状態中0.2秒、時短状態中5.8秒)。そして、一旦開放された第二始動口15Aは、最大開放時間の経過、および9個の遊技球の入賞のいずれかの条件が満たされると閉鎖される。
次いで、普通図柄処理が行われる(S16)。普通図柄処理では、普通図柄作動スイッチ76が遊技球を検出することを契機として、普通当たり乱数が取得される。取得された乱数に基づいて、普通当たり判定、普通図柄の変動を制御するためのコマンドの記憶等の処理が行われる。時短状態中に普通当たりと判定される確率(パチンコ機1では99/100)は、非時短状態中に普通当たりと判定される確率(パチンコ機1では4/100)よりも高い。また、普通図柄の変動時間は、非時短中の変動時間(パチンコ機1では10秒)よりも時短状態中の変動時間(パチンコ機1では2秒)の方が短い。
次いで、払出処理(S17)、エラーチェック(S18)、および情報出力処理(S19)が行われる。払出処理では、賞球の払い出しが制御される。エラーチェックでは、エラーが発生している場合に、表示画面28およびスピーカ48等を用いてエラーが報知される。情報出力処理では、図示外の遊技場管理用コンピュータに各種の情報が出力される。
図17から図19を参照して、特別図柄処理(S14、図16参照)の詳細について説明する。まず、特別図柄処理で使用されるフラグについて説明する。RAM52には、大当たり遊技状態フラグ、特別図柄表示状態フラグ、確率変動フラグ、時短フラグ等が記憶されている。大当たり遊技状態フラグは、大当たり遊技中に「1」が記憶されて「ON」となり、大当たり遊技中でない場合には「0」が記憶されて「OFF」となる。特別図柄表示状態フラグは、二つの特別図柄のいずれか一方が変動している場合(変動中)に「1」、いずれか一方が停止表示されている場合(停止表示中)に「2」、両方とも変動中でも停止表示中でもない場合に「0」が記憶される。確率変動フラグは、確率変動状態中に「1」が記憶されて「ON」となる。時短フラグは、時短状態中に「1」が記憶されて「ON」となる。
図17に示すように、特別図柄処理が開始されると、第一始動口14A,14Bに遊技球が入賞しているか否かが判断される(S21)。第一検出スイッチ71および第二検出スイッチ72のいずれかが遊技球の入賞を検出すると、メイン処理のスイッチ読込処理(S11、図16参照)において、第一検出スイッチ71または第二検出スイッチ72のいずれかに対応するフラグが「ON」となる。このフラグが「ON」でない場合には、遊技球が入賞していないと判断されて(S21:NO)、処理はS31の判断へ移行する。第一始動口14A,14Bに遊技球が入賞していれば(S21:YES)、第一特別図柄作動保留球数が「4」であるか否かが判断される(S22)。RAM52に記憶されている第一特別図柄作動保留球数が「4」であれば(S22:YES)、記憶可能な保留球の数が上限に達しているため、処理はS31の判断へ移行する。
第一特別図柄作動保留球数が「4」でない場合には(S22:NO)、RAM52に記憶されている第一特別図柄作動保留球数に「1」が加算される(S23)。次いで、各種乱数が取得され、第一大当たり関係情報記憶エリア(図14参照)における空の記憶エリアのうち、番号が最も小さい記憶エリアに記憶される(S25)。具体的には、第一大当たり乱数欄には第一大当たり判定カウンタの値が、第一特別図柄決定乱数欄には第一特別図柄決定カウンタの値が、第一変動パターン決定乱数欄には第一変動パターン決定カウンタの値が、それぞれRAM52に記憶される。処理はS31の判断へ移行する。
次いで、第二始動口15Aへの遊技球の入賞に関する処理が行われる。まず、第二始動口15Aに遊技球が入賞しているか否かが判断される(S31)。第三検出スイッチ73および第二始動口15Aに設けられた第二始動口スイッチ70のいずれかに対応するフラグが「ON」となっていない場合には、遊技球が入賞していないと判断されて(S31:NO)、処理はS41(図18参照)の判断へ移行する。第二始動口15Aに遊技球が入賞していれば(S31:YES)、第二特別図柄作動保留球数が「4」であるか否かが判断される(S32)。RAM52に記憶されている第二特別図柄作動保留球数が「4」であれば(S32:YES)、記憶可能な保留球の数が上限に達しているため、処理はS41(図18参照)の判断へ移行する。
第二特別図柄作動保留球数が「4」でない場合には(S32:NO)、RAM52に記憶されている第二特別図柄作動保留球数に「1」が加算される(S33)。次いで、各種乱数が取得され、第二大当たり判定カウンタの値(第二大当たり乱数)と、第二特別図柄決定カウンタの値(第二特別図柄決定乱数)と、第二変動パターン決定カウンタの値(第二変動パターン決定乱数)とが取得され、それぞれRAM52に記憶される(S35)。処理はS41(図18参照)の判断へ移行する。
次いで、図18に示すように、大当たり遊技状態であるか否かが判断される(S41)。大当たり遊技状態フラグが「ON」である場合、大当たり遊技状態中であると判断されて(S41:YES)、処理はメイン処理へ戻る。大当たり遊技状態フラグが「OFF」である場合、大当たり遊技状態中でないと判断されて(S41:NO)、二つの特別図柄のいずれかが変動中であるか否かが判断される(S42)。特別図柄表示状態フラグが「1」でない場合には、いずれも変動中でないと判断されて(S42:NO)、二つの特別図柄のいずれかが停止状態中であるか否かが判断される(S43)。特別図柄表示状態フラグが「2」でない場合は、いずれも停止表示中でないと判断されて(S43:NO)、処理はS51(図19参照)へ移行し、大当たり判定等の処理が行われる。
パチンコ機1では、大当たり判定において、第二大当り判定が第一大当たり判定よりも優先して行われる。図19に示すように、まず、第二特別図柄作動保留球数が「1」以上であるか否かが判断される(S51)。RAM52に記憶されている第二特別図柄作動保留球数が「1」以上である場合には(S51:YES)、第二大当り判定が行われるが、詳細は後述する。第二特別図柄作動保留球数が「0」である場合には(S51:NO)、第一特別図柄作動保留球数が「1」以上であるか否かが判断される(S52)。RAM52に記憶されている第一特別図柄作動保留球数が「0」であれば(S52:NO)、処理はメイン処理へ戻る。
第一特別図柄作動保留球数が「1」以上である場合には(S52:YES)、RAM52に記憶されている第一特別図柄作動保留球数が「1」減算される(S53)。第一大当たり関係情報記憶エリア(図4参照)の判定エリアが、次の番号の記憶エリアにシフトされる(S54)。次いで、遊技状態に応じた第一大当たり判定が行われる(S55)。S55では、確率変動フラグの状態を参照して、現在の遊技状態が特定される。図示しないがROM53には、第一大当たり判定を行うためのテーブルとして、低確率判定テーブルと、高確率判定テーブルとが設けられている。低確率判定テーブルは、非確率変動状態中の第一大当たり判定に用いられるテーブルであり、「大当たり」および「はずれ」に各々対応する第一大当たり乱数の乱数値が定義されている。高確率判定テーブルは、確率変動状態中の第一大当たり判定に用いられるテーブルであり、「大当たり」および「はずれ」に各々対応する第一大当たり乱数の乱数値が定義されている。特定された遊技状態に対応して、低確率判定テーブルまたは高確率判定テーブルが選択される。選択された低確率判定テーブルまたは高確率判定テーブルを参照して、S54でシフトされた判定エリアに記憶されている第一大当たり乱数が「大当たり」および「はずれ」のいずれに対応するかが判定される。これにより、RAM52に記憶された未判定の第一大当たり乱数に基づく第一大当たり判定が、第一大当たり乱数の記憶された順に行われる。
第一大当たり判定によって大当たりと判定された場合には(S56:YES)、第一大当たり変動パターン決定処理において、遊技状態および判定結果等に応じた第一特別図柄変動パターン決定テーブル(図示せず)が参照されて、第一変動パターン決定乱数の値によって変動パターンが決定される(S57)。次いで、特別図柄決定テーブル(図15参照)によって、大当たりであることを示す第一特別図柄のうちの一つが、第一特別図柄決定乱数の値によって決定される(S58)。処理はS81へ移行する。第一大当たり判定によってはずれと判定された場合(S56:NO)、第一はずれ変動パターン決定処理において、遊技状態および判定結果等に応じた変動パターンテーブルが参照されて変動パターンが決定される(S60)。処理はS81へ移行する。なお、はずれの場合の第一特別図柄は「−」の1種類である。
また、第二大当たり判定では、まず、第二特別図柄作動保留球数が「1」減算される(S71)。第二大当たり関係情報記憶エリアの判定エリアが次の番号の記憶エリアにシフトされる(S72)。次いで、遊技状態に応じた第二大当たり判定が行われる(S73)。S73では、確率変動フラグの状態を参照して、現在の遊技状態が特定される。特定された遊技状態に対応して、前述の低確率判定テーブルまたは高確率変動テーブルが選択される。選択された低確率判定テーブルまたは高確率判定テーブルを参照して、S72でシフトされた判定エリアに記憶されている第二大当り乱数が「大当たり」および「はずれ」のいずれに対応するかが判定される。これにより、RAM52に記憶された未判定の第二大当たり乱数に基づく第二大当たり判定が、第二大当たり乱数の記憶された順に行われる。
第二大当たり判定によって大当たりと判定された場合には(S74:YES)、第二大当たり変動パターン決定処理が実行される(S75)。次いで、大当たりであることを示す第二特別図柄が決定される(S76)。第二大当たり判定によってはずれと判定された場合には(S74:NO)、第二はずれ変動パターン決定処理が実行される(S78)。処理はS81へ移行する。なお、はずれの場合の第二特別図柄は「−」の1種類である。
なお、第二大当たり判定の後に行われる第二大当たり変動パターン決定処理(S75)および第二はずれ変動パターン決定処理(S78)の流れは、第一大当たり変動パターン決定処理(S57)において第一特別図柄変動パターン決定テーブルをセットする代わりに、第二特別図柄変動パターンテーブル決定テーブル(図示せず)をセットする以外は同様となる。つまり、第二変動パターン決定テーブルが参照されて、遊技状態および判定結果に応じた変動パターンのうちの一つが、第二変動パターン決定乱数の値によって決定される。なお、第二特別図柄変動パターンテーブル決定テーブルを構成する変動パターンのうち最短の変動時間を有する変動パターンの割合を、第一特別図柄変動パターンテーブルよりも多くなるように変動パターンを振分ける等によって、第二特別図柄の平均変動時間を第一特別図柄の平均変動時間よりも短くなるようにしてもよい。特別図柄の変動時間が短い程、単位時間あたりの大当たり判定の実行頻度は高まる。単位時間あたりの大当たり判定の実行頻度が高まると、単位時間当たりの大当たりの発生頻度も高くなる。単位時間あたりの大当たりの発生頻度が高くなると、遊技者に大当たり遊技による賞球が付与される頻度も高くなる。このため、パチンコ機1は、振分装置30が、複数の振分け先のいずれに遊技球を振分けるか、遊技者に注目させることができる。
変動パターンが決定されると、決定された変動パターンを指定するための変動パターン指定コマンドが、RAM52に記憶される(S81)。変動パターン指定コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図16参照)において、サブ制御基板58に送信される。決定された変動パターンに応じて決められている第一特別図柄または第二特別図柄の変動時間が、特別図柄変動時間カウンタにセットされる(S82)。二つの特別図柄のいずれかが変動中であることを示す「1」が特別図柄表示状態フラグに記憶されて(S83)、処理はメイン処理へ戻る。
また、図18に示すS42の判断において、特別図柄表示状態フラグに「1」が記憶されている場合には、二つの特別図柄のいずれかが変動中であると判断され(S42:YES)、変動時間が経過したか否かが判断される(S84)。S82(図19参照)の処理においてセットされた特別図柄変動時間カウンタの値が「0」となっている場合には、変動時間が経過したと判断され(S84:YES)、RAM52に特別図柄停止コマンドが記憶される(S85)。このコマンドは、コマンド出力処理(S10、図16参照)によってサブ制御基板58および中継基板47に送信され、表示画面28の演出図柄、および二つの特別図柄の変動停止を指示する。次いで、所定の特別図柄停止表示時間(パチンコ機1では0.5秒)が特別図柄停止時間カウンタに記憶される(S86)。二つの特別図柄のいずれかが停止表示中であることを示す「2」が特別図柄表示状態フラグに記憶されて(S87)、処理はメイン処理へ戻る。一方、S84の判断において、変動時間がまだ経過していないと判断された場合には(S84:NO)、処理はメイン処理へ戻る。
また、S43の判断において、特別図柄表示状態フラグに「2」が記憶されている場合には、二つの特別図柄のいずれかが停止表示中であると判断され(S43:YES)、S86においてセットされたカウンタの値によって、停止表示時間が経過したか否かが判断される(S88)。特別図柄停止時間カウンタの値が「0」でない場合には、停止表示時間がまだ経過していないと判断され(S88:NO)、処理はメイン処理へ戻る。停止表示時間が経過した場合には(S88:YES)、二つの特別図柄がともに変動中でも停止表示中でもないことを示す「0」が、特別図柄表示状態フラグに記憶される(S89)。次いで、遊技状態移行処理が行われて(S90)、処理はメイン処理へ戻る。
なお、遊技状態移行処理(S90)では、大当たりと判定された場合に遊技を大当たり遊技へ移行させるためのフラグの制御と、所定の終了条件が成立した場合に時短状態および確率変動状態を終了させるためのフラグの制御とが行われる。詳細には、大当たり判定の結果が大当たりである場合に大当たり遊技状態フラグが「ON」となり、遊技状態が大当たり遊技状態へ移行される。この場合、大当たり遊技を開始することを示す大当たり遊技開始コマンドがRAM52に記憶され、コマンド出力処理(S10、図16参照)によってサブ制御基板58に送信される。なお、大当たり遊技中は、遊技状態が通常状態へ移行する。また、大当たり判定の結果がはずれであり、且つ、時短フラグが「ON」の場合、前回の大当たり遊技終了後に行われた第一大当たり判定の回数と第二大当たり判定の回数との和が100回に達していれば、時短フラグが「OFF」となる。この場合、時短状態が終了し、遊技状態は非確率変動非時短状態へ移行する。
以上説明したように、第一の実施形態に係るパチンコ機1は、遊技領域4を流下する遊技球の流下方向を変化させる振分装置30を備える。振分装置30は流路92,93,96の三つの案内路に遊技球を振分ける。振分装置30が流路96に遊技球を振分ける割合が、流路92,93に遊技球を振分ける割合よりも小さくなるように、振分可動体310の回転が制御される。このため、第三検出スイッチ73が遊技球を検出する割合は、第一検出スイッチ71および第二検出スイッチ72が遊技球を検出する割合よりも小さくなる。第一検出スイッチ71、第二検出スイッチ72、および第三検出スイッチ73が遊技球を検出することを契機として、第一大当たり乱数または第二大当たり乱数が取得され、取得された第一大当たり乱数または第二大当たり乱数に対して大当たり判定が実行される。大当たり判定手段によって大当たりと判定された場合、第一大入賞口17および第二大入賞口18の開閉部材を開閉する大当たり遊技が実行される。第三検出スイッチ73が遊技球を検出した場合は、第一検出スイッチ71および第二検出スイッチ72が遊技球を検出した場合よりも、賞球の払い出しに関して遊技者が有利となる期待値が高くなる。即ち、第一検出スイッチ71および第二検出スイッチ72よりも遊技球を検出する割合の小さい第三検出スイッチ73が遊技球を検出した場合に、賞球の払い出しに関して遊技者が有利となる期待値が高くなる。このため、パチンコ機1は、遊技球の検出割合の小さい第三検出スイッチ73に遊技球が振分けられるか否かについて、遊技者に興味を持たせて、遊技を楽しませることができる。したがって、パチンコ機1は、流下する遊技球の振分け先をより多様に変化させて、遊技の興趣を高めることができる。
具体的には、第三検出スイッチ73が遊技球を検出することに起因して大当たり遊技が実行される場合、第一検出スイッチ71および第二検出スイッチ72が遊技球を検出することに起因して大当たり遊技が実行される場合よりも、「長時間開放大当たり」の大当たり種別が選択される確率が高くなる。「長時間開放大当たり」の場合、「短時間開放大当たり」よりも、1回の大当たり遊技中に遊技者に付与される賞球の総数が多くなる。よって、パチンコ機1の賞球払出装置49が、1回の大当たり遊技中に遊技者に付与する賞球の総数の期待値が高くなる。このため、パチンコ機1は、第一検出スイッチ71および第二検出スイッチ72よりも遊技球の検出割合の小さい第三検出スイッチ73に遊技球が振分けられるか否かについて、遊技者に興味を持たせて、遊技を楽しませることができる。したがってパチンコ機1は、振分装置30によって、遊技球がいずれの案内路に振分けられるか、遊技者に興味を持たせることができる。
また、時短状態中は第二始動口15Aの開閉部材が開放される割合が通常よりも高くなるため、第二始動口15Aに遊技球が入賞しやすくなる。第二始動口15Aに遊技球が入賞しやすくなると、賞球払出装置49が賞球を払い出しやすくなる。時短状態は、第一大当たり判定手段または第二大当たり判定手段によって大当たりと判定されることを条件として生起される。パチンコ機1では、第三検出スイッチ73が遊技球を検出することを契機として大当たり遊技が実行された場合、第一検出スイッチ71および第二検出スイッチ72が遊技球を検出することを契機として大当たり遊技が実行された場合よりも、大当たり遊技終了後に時短状態が生起される期待値が高い。このため、第三検出スイッチ73が遊技球を検出した場合、遊技者は賞球を得やすくなる。したがってパチンコ機1は、振分装置30によって、遊技球がいずれの案内路に振分けられるか、さらには、第三検出スイッチ73に向けて遊技球が振分けられるか否かについて、遊技者に興味を持たせることができる。
第三検出スイッチ73が遊技球を検出したことを契機として大当たり遊技が実行された場合、第一検出スイッチ71および第二検出スイッチ72が遊技球を検出したことを契機として当たり遊技が実行された場合よりも、「長時間開放大当たり」の大当たり種別が選択される確率が高くなる。よって、第三検出スイッチ73が遊技球を検出したことを契機として大当たり遊技が実行された場合、大当たり遊技終了後に確率変動状態が生起される期待値も高くなる。確率変動状態中は大当たりと判定される確率が通常状態中よりも高くなるため、大当たり遊技の終了後にさらに大当たりと判定される期待値が高くなる。このため、第三検出スイッチ73が遊技球を検出することを契機として大当たり遊技が実行された場合、第一検出スイッチ71および第二検出スイッチ72が遊技球を検出することを契機として大当たり遊技が実行された場合よりも、大当たり遊技が連続して実行されやすくなる。即ち、振分装置30が遊技球をいずれの案内路に振分けるかによって、遊技者にとって有利な大当たり遊技が連続して実行される期待値が変化する。したがって、パチンコ機1は、振分装置30によって、遊技内容を多様化できる。
第一の実施形態および後述の他の実施形態において、遊技領域4が、本発明の「遊技領域」に相当する。遊技盤2が、本発明の「遊技盤」に相当する。入球口80が、本発明の「入球口」に相当する。流路92,93,96が、本発明の「少なくとも三つの案内路」に相当する。振分可動体310が、本発明の「振分部材」に相当する。流路96が、本発明の「第一案内路」に相当する。流路92,93が、本発明の「第二案内路」に相当する。第三通過領域13が、本発明の「第一検出領域」に相当する。第一通過領域11および第二通過領域12が、本発明の「第二検出領域」に相当する。第三検出スイッチ73が、本発明の「第一検出手段」に相当する。第一検出スイッチ71および第二検出スイッチ72が、本発明の「第二検出手段」に相当する。振分装置30が、本発明の「振分装置」に相当する。振分モータ330を制御して、排出案内部91Aから排出された遊技球のうち、通過口315に進入する遊技球の割合が通過口315に進入しない遊技球の割合よりも小さくなるように、振分可動体310の回転速度および回転範囲を制御するサブ制御基板58のCPU581が、本発明の「振分制御手段」として機能する。
第一大入賞口17および第二大入賞口18が、本発明の「可変入賞口」および「第一可変入賞口」に相当する。第二始動口15Aが、本発明の「可変入賞口」および「第二可変入賞口」に相当する。図16のS16、図17のS25およびS35において大当たり乱数または普通当たり乱数を記憶する主基板41のCPU51が、本発明の「当たり乱数取得手段」として機能する。図19のS55およびS73において大当たり判定を行う主基板41のCPU51が、本発明の「当たり判定手段」および「第一当たり判定手段」として機能する。図16のS16において普通当たり判定を行う主基板41のCPU51が、本発明の「当たり判定手段」および「第二当たり判定手段」として機能する。図16のS13において大当たり遊技の動作を制御する主基板41のCPU51が、本発明の「当たり遊技制御手段」および「第一当たり遊技制御手段」として機能する。図16のS15において普通当たり遊技の動作を制御する主基板41のCPU51が、本発明の「当たり遊技制御手段」および「第二当たり遊技制御手段」として機能する。賞球払出装置49が、本発明の「賞球払出手段」に相当する。普通図柄作動ゲート10が、本発明の「第三検出手段」に相当する。図16のS13で時短状態を生起する主基板41のCPU51が、本発明の「時短制御手段」として機能する。図16のS13において確率変動状態を生起する主基板41のCPU51が、本発明の「確率変動生起手段」として機能する。
図20を参照して、本発明の第二の実施形態に係るパチンコ機200について説明する。パチンコ機200は、遊技盤2の遊技領域4における入賞口等の配置が、パチンコ機1(図1参照)と異なる。以下では、第一の実施形態に係るパチンコ機1と異なる点のみを説明する。
パチンコ機200の遊技盤2において、遊技領域4の右下部に、第一大入賞口17が設けられている。振分装置30の第三通過領域13の直下に、第一始動口14Cが設けられている。第一始動口14Cの下側に、普通電動役物としての開閉部材を備える第二始動口15Bが設けられている。なお、パチンコ機200では、パチンコ機1において設けられていた第二大入賞口18は設けられていない。
パチンコ機200における遊技の流れを概略的に説明する。パチンコ機200では、振分装置30の第一通過領域11および第二通過領域12は、遊技球の通過が普通当たり判定の契機となる普通図柄作動ゲートに相当する。このため、第一検出スイッチ71および第二検出スイッチ72が出力する検出信号は、CPU51に普通当たり判定を実行させる信号として機能する。
一方、振分装置30の入球口80に入球した遊技球のうち、第三通過領域13を通過した遊技球は、第一始動口14Cに入賞する。このため、第三検出スイッチ73が出力する検出信号は、CPU51に第一大当たり判定を実行させる信号として機能する。遊技球が第二始動口15Bに入賞すると、第二始動口スイッチ70が遊技球を検出した検出信号が主基板41に出力されて、第二大当たり判定が行われる。第一大当たり判定において大当たりと判定された場合、第一大入賞口17が最大開放時間29秒で8回開放される8ラウンドの大当たり遊技が実行される。第二大当たり判定において大当たりと判定された場合、第一大入賞口17が最大開放時間29秒で16回開閉される16ラウンドの大当たり遊技が実行される。パチンコ機200は、大当たり遊技の終了後に確率変動状態を生起することができる。第一大当たり判定および第二大当たり判定において、大当たり遊技終了後に確率変動状態が生起される確率変動大当たりと判定される確率は、共に50%である。生起された確率変動状態は、次に大当たりと判定されるまで継続する。なお、確率変動状態の開始条件および終了条件は、パチンコ機200の例に限られず、パチンコ機1と同様に確率変動状態が開始および終了されてもよい。
パチンコ機200では、パチンコ機1と同様に、振分装置30の入球口80に入球した遊技球は、振分可動体310によって、第一〜第三通過領域11〜13のいずれかに向けて振分けられる。排出案内部91Aから排出された遊技球は、第三通過領域13よりも、第一通過領域11および第二通過領域12のいずれかを通過しやすい。ここで、パチンコ機200の賞球払出装置49は、第一始動口14Cおよび第二始動口15Bへ入賞する1個の遊技球に対して、3個の賞球を払い出す。第一検出スイッチ71および第二検出スイッチ72のいずれかが遊技球を検出したことを契機として普通当たり遊技が実行された場合、第二始動口15Bに遊技球が入賞容易となり、1回の普通当たり遊技につき最大で30個程度の賞球が遊技者に付与されうる。パチンコ機200の8ラウンドの大当たり遊技が1回実行された場合、最大で1200個程度の賞球が遊技者に付与されうる。よって、パチンコ機200の第一大当たり判定において大当たりと判定された場合に実行される8ラウンドの一回の大当たり遊技中に遊技者に付与される賞球の総数の期待値は、一回の普通当たり遊技中に遊技者に付与される賞球の総数の期待値よりも高くなる。即ち、第三検出スイッチ73が遊技球を検出した場合、第一検出スイッチ71および第二検出スイッチ72が遊技球を検出した場合よりも、賞球の払い出しに関して遊技者が有利となる期待値が高くなる。したがって、パチンコ機200は、振分装置30が、複数の振分け先のいずれに遊技球を振分けるかについて、遊技者に注目させることができる。
また、パチンコ機200の賞球払出装置49は、普通図柄作動ゲートの通過検出手段に相当する第一検出スイッチ71および第二検出スイッチ72を通過した遊技球に対しては、賞球の払い出しを行わない。即ち、第一検出スイッチ71および第二検出スイッチ72が遊技球を検出した検出信号が主基板41に出力されても、賞球の払い出しは行われない。一方、第三検出スイッチ73は、第一始動口14Cへ入賞する遊技球を検出するため、第三検出スイッチ73が遊技球を検出した検出信号が主基板41に出力された場合、賞球払出装置49は、対応する賞球を払い出す。振分装置30は、入球口80に入球した遊技球を、流路92,93,96のいずれかに振分けることによって、賞球の払い出しが可能な第三通過領域13と、賞球の払い出しがされない第一通過領域11および第二通過領域12とに、遊技球を振分けることができる。振分装置30が遊技球を第三通過領域13に振分けた場合には、入賞に対応する賞球が払い出されるため、第一通過領域11および第二通過領域12に遊技球が振分けられるよりも、賞球の払い出しに関して遊技者が有利となる。
以上説明したように、第二の実施形態に係るパチンコ機200では、第一検出スイッチ71および第二検出スイッチ72が遊技球を検出することを契機として、普通当たり乱数が取得され、取得された普通当たり乱数に対して普通当たり判定が実行される。第三検出スイッチ73が遊技球を検出することを契機として、第一大当たり乱数が取得され、取得された第一大当たり乱数に対して大当たり判定が実行される。普通当たり判定手段によって当たりと判定された場合、第二始動口15Bの開閉部材を開閉する普通当たり遊技が実行される。大当たり判定手段によって大当たりと判定された場合、第一大入賞口17の開閉部材を開閉する大当たり遊技が実行される。第三検出スイッチ73が遊技球を検出した場合は、第一検出スイッチ71および第二検出スイッチ72が遊技球を検出した場合よりも、賞球の払い出しに関して遊技者が有利となる期待値が高くなる。このため、遊技球がいずれの案内路に振分けられるか、遊技者に興味を持たせて、遊技を楽しませることができる。したがって、パチンコ機1は、流下する遊技球の振分け先をより多様に変化させて、遊技の興趣を高めることができる。
具体的には、第三検出スイッチ73が遊技球を検出したことを契機として大当たり遊技が実行された場合、第一検出スイッチ71および第二検出スイッチ72が遊技球を検出したことを契機として普通当たり遊技が実行された場合よりも、遊技者に付与される賞球の総数の期待値が高くなる。したがって、パチンコ機200は、振分装置30が遊技球を流路92,93,96のいずれに振分けるかについて、遊技者に注目させることができる。
また、パチンコ機200の第三検出スイッチ73は、第三通過領域13に入賞する遊技球を検出し、第一検出スイッチ71および第二検出スイッチ72は、第一通過領域11および第二通過領域12を通過する遊技球を検出する。振分装置30は、遊技球が入賞可能な第三通過領域13と、遊技球が通過可能な第一通過領域11および第二通過領域12とに、遊技球を振分けることができる。したがって、パチンコ機200は、振分装置30によって、遊技内容を多様化することができる。
第二の実施形態において、第一大入賞口17が、本発明の「可変入賞口」および「第一可変入賞口」に相当する。第二始動口15Bが、本発明の「可変入賞口」および「第二可変入賞口」に相当する。
図21を参照して、本発明の第三の実施形態に係るパチンコ機400について説明する。パチンコ機400は、遊技盤2の遊技領域4における入賞口等の配置が、パチンコ機1(図1参照)およびパチンコ機200(図20参照)と異なる。以下では、第一の実施形態に係るパチンコ機1および第二の実施形態に係るパチンコ機200と異なる点のみを説明する。
パチンコ機400の遊技盤2において、振分装置30の第三通過領域13の直下に、第四普通図柄作動口19が設けられている。演出装置8の右側に、第一普通電動役物20が、その下方には第二普通電動役物21が、さらにその左斜め下方には第三普通電動役物22が設けられている。また、第一普通電動役物20の上方には、第四普通電動役物23が設けられている。また、第二普通電動役物21の左方に、第四普通図柄作動口24が設けられている。なお、第一〜第四普通電動役物20〜23のそれぞれには開閉部材が設けられており、普通当たりと判定されて開閉部材が開放された場合にのみ、遊技球は第一〜第四普通電動役物20〜23に入賞できる。
パチンコ機400における遊技の流れを概略的に説明する。パチンコ機200では、振分装置30の第一通過領域11および第二通過領域12は、第一普通図柄作動ゲートに相当する。第一通過領域11および第二通過領域12のうちいずれかを遊技球が通過すると、第一普通図柄に基づく普通当たり判定(以下、第一普通当たり判定)が行われる。即ち、第一検出スイッチ71および第二検出スイッチ72が出力する検出信号は、CPU51に第一普通当たり判定を実行させる信号として機能する。パチンコ機400では、第一普通当たり判定において普通当たりと判定される確率は1/100である。第一普通当たり判定において普通当たりと判定されると、第一普通電動役物20の開閉部材が開放される第一普通当たり遊技が実行され、第一普通電動役物20へ遊技球を入賞させることが可能となる。開放された第一普通電動役物20へ遊技球が入賞すると、賞球が遊技者に付与される。パチンコ機400の賞球払出装置49は、第一普通電動役物20へ入賞する1個の遊技球に対して、3個の賞球を払い出す。したがって、1回の第一普通当たり遊技につき最大で30個程度の賞球が遊技者に付与されうる。一旦開放された第一普通電動役物20は、開放後所定時間経過、および4個の遊技球の入賞のいずれかの条件が満たされると閉鎖される。
また、パチンコ機400の第三検出スイッチ73は、第四普通図柄作動口19へ入賞する遊技球を検出する。第四普通図柄作動口19へ遊技球が入賞すると、第四普通図柄に基づく普通当たり判定(以下、第四普通当たり判定)が行われる。即ち、第三検出スイッチ73が出力する検出信号は、CPU51に第四普通当たり判定を実行させる信号として機能する。パチンコ機400では、第四普通当たり判定において普通当たりと判定される確率は1/50である。第四普通当たり判定において普通当たりと判定されると、第四普通電動役物23の開閉部材が開放される第四普通当たり遊技が実行され、第四普通電動役物23へ遊技球を入賞させることが可能となる。開放された第四普通電動役物23へ遊技球が入賞すると、賞球が遊技者に付与される。パチンコ機400の賞球払出装置49は、第四普通電動役物23へ入賞する1個の遊技球に対して、5個の賞球を払い出す。したがって、1回の第四普通当たり遊技につき最大で50個程度の賞球が遊技者に付与されうる。第四普通当たり遊技中に遊技者に付与される賞球の総数の期待値は、第一普通当たり遊技中に遊技者に付与される賞球の総数の期待値よりも高くなる。このため、パチンコ機400は、振分装置30が遊技球を流路92,93,96のうちいずれに振分けるかについて、遊技者に注目させることができる。一旦開放された第四普通電動役物23は、開放後所定時間経過、および4個の遊技球の入賞のいずれかの条件が満たされると閉鎖される。なお、第四普通図柄作動口24に遊技球が入賞した場合にも、第四普通当たり判定が行われる。
開放された第一普通電動役物20または第四普通電動役物23へ遊技球が入賞すると、第二普通図柄に基づく普通当たり判定(以下、第二普通当たり判定)が行われる。パチンコ機400では、第二普通当たり判定において普通当たりと判定される確率は100%である。第二普通当たり判定において普通当たりと判定されると、第二普通電動役物21の開閉部材が開放される第二普通当たり遊技が実行され、第二普通電動役物21へ遊技球を入賞させることが可能となる。開放された第二普通電動役物21へ遊技球が入賞すると、賞球が遊技者に付与される。一旦開放された第二普通電動役物21は、開放後所定時間経過、および4個の遊技球の入賞のいずれかの条件が満たされると閉鎖される。
開放された第二普通電動役物21へ遊技球が入賞すると、第三普通図柄に基づく普通当たり判定(以下、第三普通当たり判定)が行われる。パチンコ機400では、第三普通当たり判定において普通当たりと判定される確率は100%である。第三普通当たり判定において普通当たりと判定されると、第三普通電動役物22の開閉部材が開放される第三普通当たり遊技が実行され、第三普通電動役物22へ遊技球を入賞させることが可能となる。開放された第二普通電動役物21へ遊技球が入賞すると、賞球が遊技者に付与される。一旦開放された第二普通電動役物21は、開放後所定時間経過、および7個の遊技球の入賞のいずれかの条件が満たされると閉鎖される。
なお、パチンコ機400では、第一当たり判定または第四当たり判定により普通当たりを判定されることによって開始される、第一〜第四普通電動役物20〜23の一連の開閉動作が「当たり遊技」とされている。即ち、1回の「当たり遊技」は、第一普通当たり遊技または第四普通当たり遊技が開始されてから、第二普通当たり遊技を経て、第三普通当たり遊技が終了するまでの遊技である。
図柄表示部27(図2参照)には、第一〜第四普通図柄と、第一〜第四普通図柄作動保留球数とが表示される。表示画面28には、第一普通当たり判定および第四普通当たり判定の結果を遊技者に報知するための演出図柄が表示される。演出図柄は、遊技球が第一検出スイッチ71もしくは第二検出スイッチ72を通過し、または、第三検出スイッチ73が第四普通図柄作動口19へ入賞する遊技球を検出すると変動を開始し、その変動後に第一普通当たり判定または第四普通当たり判定の結果に応じた組合せで確定表示される。
パチンコ機400では、第四普通当たり判定において普通当たりと判定される確率は、第一普通当たり判定において普通当たりと判定される確率よりも高い。即ち、第一普通当たり判定よりも第四普通当たり判定の方が、普通当たりと判定されやすい。したがって、第三検出スイッチ73が遊技球を検出した場合は、第一検出スイッチ71および第二検出スイッチ72が遊技球を検出した場合よりも、普通当たりと判定されやすくなる。このため、第一普通当たり判定において普通当たりと判定されて第一普通当たり遊技が実行されるよりも、第四普通当たり判定において普通当たりと判定されて第四普通当たり遊技が実行されやすくなる。振分装置30において、第三検出スイッチ73が遊技球を検出する割合は、第一検出スイッチ71および第二検出スイッチ72が遊技球を検出する割合よりも小さい。第三検出スイッチ73が遊技球を検出した場合は、第一検出スイッチ71および第二検出スイッチ72が遊技球を検出した場合よりも、賞球の払い出しに関して遊技者が有利となる期待値が高くなる。このため、パチンコ機400は、振分装置30が遊技球を流路92,93,96のうちいずれに振分けるかについて、遊技者に注目させることができる。
パチンコ機400の賞球払出装置49は、第四普通図柄作動口19,24へ入賞する1個の遊技球に対して、3個の賞球を払い出す。しかし、第一普通図柄作動ゲートの通過検出手段に相当する第一検出スイッチ71および第二検出スイッチ72を通過した遊技球に対しては、賞球払出装置49は、賞球の払い出しを行わない。即ち、第一検出スイッチ71および第二検出スイッチ72が遊技球を検出した検出信号が主基板41に出力されても、賞球の払い出しは行われない。振分装置30が振分けた遊技球が第三検出スイッチ73によって検出された場合は遊技者に賞球が付与されるが、第一検出スイッチ71および第二検出スイッチ72によって検出された場合は、遊技者に賞球が付与されない。このため、第三検出スイッチ73が遊技球を検出した場合、第一検出スイッチ71および第二検出スイッチ72が遊技球を検出した場合よりも、賞球の払い出しに関して遊技者が有利となる期待値が高くなる。したがって、パチンコ機200は、振分装置30が、複数の振分け先のいずれに遊技球を振分けるかについて、遊技者に注目させることができる。
図22を参照して、パチンコ機400の主基板41による動作について説明する。以下では、第一の実施形態に係るパチンコ機1および第二の実施形態に係るパチンコ機200と異なる点のみを説明する。
RAM52の普通当たり関係情報記憶エリアは、第一普通図柄処理(S102)、第四普通図柄処理(S104)、第二普通図柄処理(S106)および第三普通図柄処理(S108)において参照される、第一〜第四普通当たり関係情報記憶エリアが構成されている。第一〜第四普通当たり関係情報記憶エリアは、第一大当たり関係情報記憶エリアと同様に構成されている(図14参照)。
コマンド出力処理(S10)からカウンタ更新処理(S12)が行われた後、第一普通電動役物処理が行われる(S101)。第一普通電動役物処理では、第一普通当たりを示す第一普通図柄が図柄表示部27に表示された場合に、遊技球が第一普通電動役物20へ入賞可能となるように、第一普通電動役物20の開閉部材を開放させる制御が行われる。つまり、第一普通当たり遊技のための制御が行われる。
次いで、第一普通図柄処理が行われる(S102)。第一普通図柄処理では、第一検出スイッチ71および第二検出スイッチ72のいずれかを遊技球が通過した場合に第一普通当たり乱数が取得され、第一普通当たり判定、第一普通図柄の変動パターンの決定および表示制御が行われる。また、決定された変動パターンを指定するための変動パターン指定コマンドが、RAM52に記憶される。変動パターン指定コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10)において、サブ制御基板58に送信される。
次いで、第四普通電動役物処理が行われる(S103)。第四普通電動役物処理では、第四普通当たりを示す第四普通図柄が図柄表示部27に表示された場合に、遊技球が第四普通電動役物23へ入賞可能となるように、第四普通電動役物23の開閉部材を開放させる制御が行われる。つまり、第四普通当たり遊技のための制御が行われる。
次いで、第四普通図柄処理が行われる(S103)。第四普通図柄処理では、第三検出スイッチ73が第四普通図柄作動口19へ入賞する遊技球を検出した場合に第四普通当たり乱数が取得され、第四普通当たり判定、第四普通図柄の変動パターンの決定および表示制御が行われる。また、決定された変動パターンを指定するための変動パターン指定コマンドが、RAM52に記憶される。変動パターン指定コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10)において、サブ制御基板58に送信される。
次いで、第二普通電動役物処理が行われる(S104)。第二普通電動役物処理では、普通当たりを示す第二普通図柄が図柄表示部27に表示された場合に、遊技球が第二普通電動役物21へ入賞可能となるように、第二普通電動役物21の開閉部材を開放させる制御が行われる。つまり、第二普通当たり遊技のための制御が行われる。
次いで、第二普通図柄処理が行われる(S106)。第二普通図柄処理では、第一普通電動役物20または第四普通電動役物23に遊技球が入賞した場合、図柄表示部27の第二普通図柄を変動させた後、普通当たりを示す第二普通図柄を停止表示させる制御が行われる。
次いで、第三普通電動役物処理が行われる(S107)。第三普通電動役物処理では、第三普通当たりを示す第三普通図柄が図柄表示部27に表示された場合に、遊技球が第三普通電動役物22へ入賞可能となるように、第三普通電動役物22の開閉部材を開放させる制御が行われる。つまり、第三普通当たり遊技のための制御が行われる。
次いで、第三普通図柄処理が行われる(S108)。第三普通図柄処理では、第二普通電動役物21に遊技球が入賞した場合、図柄表示部27の第三普通図柄を変動させた後、普通当たりを示す第三普通図柄を停止表示させる制御が行われる。
以上説明したように、第三の実施形態に係るパチンコ機400では、第一検出スイッチ71および第二検出スイッチ72が遊技球を検出することを契機として、第一普通当たり判定が実行される。第一普通当たり判定において普通当たりと判定された場合、第一普通当たり遊技が実行される。一方、第三検出スイッチ73が遊技球を検出することを契機として、第四普通当たり判定が実行される。第四普通当たり判定において普通当たりと判定された場合、第四普通当たり遊技が実行される。第三検出スイッチ73が遊技球を検出した場合は、第一検出スイッチ71および第二検出スイッチ72が遊技球を検出した場合よりも、賞球の払い出しに関して遊技者が有利となる期待値が高くなる。このため、遊技球がいずれの案内路に振分けられるか、遊技者に興味を持たせて、遊技を楽しませることができる。したがって、パチンコ機400は、流下する遊技球の振分け先をより多様に変化させて、遊技の興趣を高めることができる。
具体的には、第三検出スイッチ73が遊技球を検出したことに起因して第四普通当たり遊技が実行された場合、第一検出スイッチ71および第二検出スイッチ72が遊技球を検出したことに起因して第一普通当たり遊技が実行された場合よりも、遊技者に付与される賞球の総数の期待値が高くなる。したがって、パチンコ機400は、振分装置30が遊技球を流路92,93,96のいずれに振分けるかについて、遊技者に注目させることができる。
また、パチンコ機400の第三検出スイッチ73は、第三通過領域13に入賞する遊技球を検出し、第一検出スイッチ71および第二検出スイッチ72は、第一通過領域11および第二通過領域12を通過する遊技球を検出する。振分装置30は、遊技球が入賞可能な第三通過領域13と、遊技球が通過可能な第一通過領域11および第二通過領域12とに、遊技球を振分けることができる。したがって、パチンコ機400は、振分装置30によって、遊技内容を多様化することができる。
第三の実施形態において、第四普通電動役物23が、本発明の「可変入賞口」および「第一可変入賞口」に相当する。第一普通電動役物20が、本発明の「可変入賞口」および「第二可変入賞口」に相当する。図22のS104において第四普通当たり乱数を記憶する主基板41のCPU51が、本発明の「当たり乱数記憶手段」および「第一当たり乱数記憶手段」として機能する。図22のS102において第一普通当たり乱数を記憶する主基板41のCPU51が、本発明の「当たり乱数記憶手段」および「第二当たり乱数記憶手段」として機能する。図22のS104において第四普通当たり判定を行う主基板41のCPU51が、本発明の「当たり判定手段」および「第一当たり判定手段」として機能する。図22のS102において第一普通当たり判定を行う主基板41のCPU51が、本発明の「当たり判定手段」および「第二当たり判定手段」として機能する。図22のS103において第四普通当たり遊技の動作を制御する主基板41のCPU51が、本発明の「当たり遊技制御手段」および「第一当たり遊技制御手段」として機能する。図22のS101において第一普通当たり遊技の動作を制御する主基板41のCPU51が、本発明の「当たり遊技制御手段」および「第二当たり遊技制御手段」として機能する。
本発明は、以上詳述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは勿論である。振分装置30において、振分可動体310による遊技球の振り分け先は三つの流路92,93,96に限定されず、振り分け先は四つ以上の流路でもよい。振分可動体310は、遊技球を少なくとも三つの流路のいずれかに振分け可能な構造であればよい。
遊技球が第一〜第三検出スイッチ71〜73のいずれかによって検出された場合、パチンコ機1で全て同じ抽選が実行されてもよいし、パチンコ機1で全て異なる抽選が実行されてもよい。なお、第一〜第三通過領域11〜13のうち、一部が特別図柄を始動する始動口であり、残りが普通図柄を作動する普通図柄作動ゲートでもよい。
第一の実施形態に係るパチンコ機1では、「長時間開放大当たり」と「短時間開放大当たり」との二つの大当たり種別を設けている。それぞれの大当たり種別の占める割合を、第一特別図柄と第二特別図柄とにおいて変化させることによって、大当たり遊技終了後に確率変動状態が生起される割合を変化させている。しかし、確率変動状態が生起される期待値を変化させる手法はこれに限られない。例えば、大当たり種別に「確率変動大当たり」と「非確率変動大当たり」とを設け、「確率変動大当たり」が選択された場合、大当たり遊技中に遊技球が第二大入賞口18内の特定領域を通過するか否かに関わらず、大当たり遊技終了後に確率変動状態を生起させることとする。そして、第二特別図柄において、「確率変動大当たり」の大当たり種別が占める割合を、第一特別図柄において「確率変動大当たり」の大当たり種別が占める割合よりも大きくすることによって、確率変動状態が生起される期待値を変化させてもよい。これによって、第二始動口15Aを第一始動口14A,14Bよりも有利な始動口とすることができる。
また、パチンコ機1では、いずれの大当たり遊技も16ラウンドである。大当たり種別に応じて、第二大入賞口18が長時間開放パターンまたは短時間開放パターンで開放することとして、1回の大当たり遊技中に遊技者に付与される賞球の総数の期待値を実質的に変化させている。1回の大当たり遊技に対する賞球の総数の期待値を変化させる手法はこれに限られない。例えば、第一大当たり判定において大当たりと判定された場合、第一大入賞口17が4回(4ラウンド分)開放した後に第二大入賞口18が1回(1ラウンド分)開放することとする。第二大当たり判定において大当たりと判定された場合、第一大入賞口17が15回(15ラウンド分)開放した後に第二大入賞口18が1回(1ラウンド分)開放することとする。これによって、第二大当たり判定において大当たりと判定された場合の大当たり遊技が、第一大当たり判定において大当たりと判定された場合の大当たり遊技よりも、1回の大当たり遊技に対する賞球の総数の期待値を高くすることができる。また、ラウンド数の異なる大当たり遊技が実行される割合を第一大当たり判定と第二大当たり判定とで異なるように振分けることによって、第二大当り判定において大当たりと判定された場合、第一大当たり判定において大当たりと判定された場合よりも、大当たり遊技のラウンド数の期待値を大きくしてもよい。
第二大当たり判定において大当たりと判定される確率を、第一大当たり判定において大当たりと判定される確率よりも高くすることによっても、本発明は実現可能である。また、第二始動口15Aに入賞した1個の遊技球に対して払い出される賞球の数(例えば5個)を、第一始動口14A,14Bに入賞した1個の遊技球に対して払い出される賞球の数(例えば3個)よりも多くしてもよい。パチンコ機1では、第一大当たり判定および第二大当たり判定のいずれにおいて大当たりと判定された場合も、大当たり遊技終了後に確率変動状態が生起され、大当たり判定の回数の和が100回に達するまで、確率変動状態が継続して生起する。この確率変動状態の継続回数を、第二大当たり判定において大当たりと判定された場合、第一大当たり判定において大当たりと判定された場合よりも長くしてもよい。また、第一特別図柄の始動契機を、始動口入賞ではなく、賞球の払い出しが行われない始動ゲートとしての第一通過領域11および第二通過領域12の通過としてもよい。これらの場合も、第二始動口15Aは、第一始動口14A,14Bよりも賞球の払い出しに関して遊技者に有利な始動口となるため、パチンコ機1は、振分装置30が遊技球を流路92,93,96のうちいずれの流路に振分けるかについて、遊技者に注目させることができる。
第二の実施形態に係るパチンコ機200において、振分装置30の直下に設けられる入賞口は、第三通過領域13直下に設けられる第一始動口14Cのみであるが、第一通過領域11および第二通過領域12それぞれの直下に普通図柄作動口を設けてもよい。
また、上記の場合、第一通過領域11および第二通過領域12それぞれの直下に、第一検出スイッチ71および第二検出スイッチ72を通過した遊技球が入賞する始動口を、さらに設けてもよい。さらに、第一大当たり判定において大当たりと判定された場合、第一大入賞口17が開放される大当たり遊技が実行され、第二大当たり判定において大当たりと判定された場合に開放される大入賞口を別途に設けてもよい。この場合、第一大入賞口17が開放される大当たり遊技の方が、別途設けた大入賞口が開放される大当たり遊技よりも、大当たり遊技中に遊技者に付与される賞球の総数の期待値を高くすることで、本発明を実現可能である。
第三の実施形態に係るパチンコ機400において、第四普通電動役物23へ入賞可能な遊技球の個数を、第一普通電動役物20へ入賞可能な遊技球の個数よりも多く設定してもよい。また、第四普通電動役物23の最大開放時間が、第一普通電動役物20の最大開放時間よりも長くなるように設定してもよい。これにより、第四普通当たり遊技において第四普通電動役物23が開放した場合、第一普通当たり遊技において第一普通電動役物20が開放した場合よりも、入賞可能な遊技球の期待値が高くなる。即ち、第三検出スイッチ73が遊技球を検出した場合は、第一検出スイッチ71および第二検出スイッチ72が遊技球を検出した場合よりも、第四普通電動役物23の開閉動作中、および1回の「当たり遊技」中に遊技者に付与される賞球の総数の期待値が高くなる。したがって、パチンコ機400は、振分装置30によって、遊技者の興趣を高めることができる。
請求項、明細書および図面に記載される全ての要素(例えば、振分装置30、演出装置8、第一〜第三通過領域11〜13、図柄表示部27、第一〜第三検出スイッチ71〜73、第一大入賞口17、第二大入賞口18等)は、個数を意識的に限定する明確な記載がない限り、物理的に単一であっても複数であっても構わないし、適宜配置の変更が行われても構わない。また、前記要素につけられた名称(要素名)は、単に本件の記載のために便宜上付与したにすぎないものであり、それによって特別な意味が生じることを特に意識したものではない。従って、要素名のみによって要素が何であるかが限定解釈されるものではない。例えば、「振分装置30」は、ハード単体でも、ソフトを含んだものであっても構わない。
更には、上記全ての要素のうちの複数の要素を適宜一体的に構成するか、もしくはひとつの要素を複数の要素に分けて構成するかは、何れも当業者であれば容易に考えられる事項である。従って、その程度の範囲内での構成上の差異を有する遊技機を、本実施例に記載がなされていないことを理由に採用することのみでは、本発明に係る権利を回避したことにはならない。その他、各要素の構成や形状等における、本実施例から当業者であれば容易に考えられる自明な範囲の差異についても同様である。