JP6314630B2 - 断熱耐火被覆構造、及びその施工方法 - Google Patents

断熱耐火被覆構造、及びその施工方法 Download PDF

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Description

本発明は、建物の鉄骨部材に形成された貫通孔と、当該貫通孔に通される配管との間に設けられる断熱耐火被覆構造、及びその施工方法に関する。
従来、図1Aの概略断面図に示すように、鉄骨部材の一例として床スラブ3下に配される鉄骨梁1には、H形鋼1が使用されることが多く、また、かかるH形鋼1のウエブ1Wには、ダクト等の各種設備用配管21を通すための貫通孔1Whが略水平方向に形成されることが多い。そして、特許文献1には、鉄骨梁1の耐火被覆の観点から、鉄骨梁1の貫通孔1Whの内周面1Whsと配管21の外周面21sとの間に耐火シート131を介挿することが開示されている。
特開2007−198029号公報
しかし、配管21を流れる流体と鉄骨梁1との温度差に起因して結露も起こり得ることから、配管21と鉄骨梁1との間で断熱処理も行うのが望ましい。そして、その場合には、例えば、図1Bに示すように、配管21の外周面21sに断熱層141としてポリスチレンフォーム製等のプラスチック系発泡体または、ガラス繊維などの無機系繊維集合体141を設けるとともに、更に同断熱層141の外側に耐火層131として上記耐火シート131を設けることが考えられる。
但し、このようにすると、当該断熱層141と耐火層131という二層構成に見合うだけの大きな隙間Gを、配管21と貫通孔1Whとの間に確保しなければならなくなる。そして、仮に、これら二層が同隙間Gに収まらない場合には、貫通孔1Whの孔径を拡大するか、或いは配管21の外径を縮小せざるを得なくなって、前者の場合には、鉄骨梁1の強度低下の問題を招き、後者の場合には、配管21の流量能力の低下の問題を招き得る。
また、このような二層構成の断熱耐火被覆構造を上記隙間Gに配置する場合には、例えば断熱層141をなす上記発泡体141を配置した後に、耐火層131をなす上記耐火シート131を配置しなければならず、手間がかかって施工性に劣る。
本発明は、上記のような従来の問題に鑑みなされたものであって、その目的は、鉄骨部材の貫通孔と配管との間に速やかに配置可能であるとともに、施工性に優れた断熱耐火被覆構造を提供することにある。
かかる目的を達成するために請求項1に示す発明は、
建物の鉄骨部材に形成された貫通孔と、当該貫通孔に通される配管との間に設けられる断熱耐火被覆構造であって、
前記断熱耐火被覆構造は、密封され且つ所定の真空度まで減圧された収容体内に多孔質状の耐火材料が圧縮状態で収容されてなる断熱耐火部材を有し、
火災時には、前記収容体の密封状態が解けて、前記圧縮状態の前記耐火材料が弾性の復元力に基づいて前記貫通孔の内周面の方へ膨張しようとすることを特徴とする。
上記請求項1に示す発明によれば、非火災時には、上記断熱耐火部材は、密封且つ減圧された収容体内に収容された多孔質状の耐火材料に基づいて高い断熱性を奏する。すなわち、多孔質状に起因して耐火材料は多数の空隙を有するが、当該空隙は所定の真空度まで減圧されていることから、その熱伝導率は低くなっていて、結果、同耐火材料は高い断熱性を奏する。よって、同耐火材料は、鉄骨部材の貫通孔の内周面と配管との断熱を効果的に行うことができる。
一方、火災時には、密封状態が解けた耐火材料が、鉄骨部材の貫通孔の内周面の方へと膨張しようとして、当該内周面を被覆した状態となる。そして、これにより、かかる耐火材料は、その耐火性に基づいて、鉄骨部材の貫通孔の内周面を火炎から保護することができる。
そして、以上から、上記の断熱耐火部材の耐火材料は、非火災時には断熱層の役割を果たし、また火災時には耐火層の役割を果たし得る。よって、断熱層と耐火層とをそれぞれ独立に積層して設けずに済んで、当該断熱耐火部材の厚さを小さくすることができる。そして、これにより、鉄骨部材の貫通孔と配管との間に速やかに断熱耐火被覆構造を配置可能となる。
また、施工対象の鉄骨部材の貫通孔と配管との間に、少なくとも上記の単一の断熱耐火部材を設けさえすれば、断熱耐火被覆構造を形成することができるので、同構造は施工性に優れる。
請求項2に示す発明は、請求項1に記載の断熱耐火被覆構造であって、
前記鉄骨部材のうちで前記貫通孔の周囲の部分は、耐火被覆材で被覆されており、
前記断熱耐火部材は、前記耐火被覆材よりも前記配管の管軸方向の両側に飛び出すように設けられていることを特徴とする。
上記請求項2に示す発明によれば、断熱耐火部材は、貫通孔の周囲の部分に設けられた耐火被覆材よりも配管の管軸方向の両側に飛び出すように設けられている。従って、火災時には、断熱耐火部材は、耐火被覆材よりも配管の管軸方向の両側の位置においても速やかに膨張して、これにより、当該両側の位置においても火炎や熱などを遮ることができる。よって、上記の耐火被覆材と共同して、鉄骨部材の貫通孔の内周面の近傍部分を管軸方向の両側から取り囲むように火炎や熱などを遮ることができて、その結果、貫通孔の内周面を火炎からより確実に保護することができる。
請求項3に示す発明は、請求項1又は2に記載の断熱耐火被覆構造であって、
前記耐火材料は、弾性と耐火性とを有した繊維状材料であることを特徴とする。
上記請求項3に示す発明によれば、圧縮力が作用すれば、上記耐火材料は圧縮力の作用方向に速やかに圧縮変形して同方向の寸法を縮小する。よって、非火災時には、同材料は、密封状態の収容体から付与される圧縮力によってコンパクトな状態となっており、これにより、断熱耐火部材を、鉄骨部材の貫通孔と配管との間に速やかに配置可能となる。
一方、圧縮力が解放されれば、上記耐火材料は弾性の復元力でもって元の寸法へ復元しようとするが、火災時には同圧縮力は解放される。よって、耐火材料は速やかに元の寸法又はその近傍値まで復元して、これにより、同材料は、鉄骨部材の貫通孔の内周面を火炎から保護することができる。
請求項4に示す発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の断熱耐火被覆構造であって、
前記断熱耐火部材は、シート状部材であり、
前記断熱耐火部材は、前記配管の外周面に当接するように当該外周面に巻き付けられていることを特徴とする。
上記請求項4に示す発明によれば、配管に巻き付けられた上記の断熱耐火部材は、同配管の外周面に当接している。よって、高い断熱性でもって配管を断熱することができて、これにより、配管の外周面に生じうる結露を効果的に抑制可能となる。
また、配管の外周面に巻き付いていることから、配管から脱落し難く、結果、当該断熱耐火部材は、長期に亘って断熱耐火被覆構造として安定して機能することができる。
請求項5に示す発明は、請求項1乃至4の何れかに記載の断熱耐火被覆構造を、前記貫通孔の前記内周面と、前記配管の前記外周面との間に設ける施工方法であって、
前記配管の前記外周面に前記断熱耐火部材を巻き付けた状態で、前記配管を前記鉄骨部材の前記貫通孔に通すことを特徴とする。
上記請求項5に示す発明によれば、配管は、断熱耐火被材が巻き付けられた状態で、鉄骨部材の貫通孔に通される。よって、当該断熱耐火部材を鉄骨部材の貫通孔と配管との間に容易に設けることができて、工期短縮を図れる等、施工工程性に優れる。
また、かかる単一の断熱耐火部材を配管と貫通孔との間に配置すれば、断熱耐火被覆構造が形成される。よって、断熱層となる部材と、耐火層となる部材とを別々に設けずに済んで、このことも施工性の向上に寄与する。
請求項6に示す発明は、請求項1乃至4の何れかに記載の断熱耐火被覆構造を、前記貫通孔の前記内周面と、前記配管の前記外周面との間に設ける施工方法であって、
筒状に曲げた前記断熱耐火部材の外周面が前記貫通孔の内周面に対向するように前記筒状の前記断熱耐火部材を前記鉄骨部材に配置した後に、前記配管を前記筒状の前記断熱耐火部材の内周側に通すことを特徴とする。
上記請求項6に示す発明によれば、鉄骨部材の貫通孔の内周面に筒状の断熱耐火部材を配置した後に、当該筒状の断熱耐火部材の内周側に配管を通す。よって、耐火被覆工事と配管設置工事との施工タイミングをずらすこともできて、施工管理性に優れる。
また、かかる単一の断熱耐火部材を配管と貫通孔との間に配置すれば、断熱耐火被覆構造が形成される。よって、断熱層となる部材と、耐火層となる部材とを別々に設けずに済んで、このことも施工性の向上に寄与する。
本発明によれば、鉄骨部材の貫通孔と配管との間に速やかに配置可能であるとともに、施工性に優れた断熱耐火被覆構造を提供することができる。
図1Aは、鉄骨梁1の貫通孔1Whと、同孔1Whに通される配管21との間に耐火シート131が介挿されてなる従来の耐火被覆構造の概略断面図である。 図2Aは、本実施形態の断熱耐火被覆構造の火災前等の非火災時の状態を示す概略断面図であり、図2Bは、同断熱耐火被覆構造の火災時又は火災後の状態を示す概略断面図である。 図3Aは、貫通孔1Whに配置前の断熱耐火部材31の概略平面図であり、図3Bは、図3A中のB−B矢視図である。 図4Aは、本実施形態の断熱耐火被覆構造の火災前等の非火災時の状態を示す概略断面図であり、図4Bは、同断熱耐火被覆構造の火災時又は火災後の状態を示す概略断面図である。 図5Aは、断熱耐火被覆構造の施工方法の第1例の説明図であり、図5Bは、断熱耐火被覆構造の施工方法の第2例の説明図である。
===本実施形態===
図2A及び図2Bは、本実施形態の断熱耐火被覆構造の説明図である。図2Aには、火災前等の非火災時の状態を示しており、図2Bには、火災時又は火災後の状態を示している。なお、図2A及び図2Bのどちらの図も、断熱耐火被覆構造が設けられた鉄骨部材1を長手方向と交差する断面で示す概略断面図である。
図2Aに示すように、この断熱耐火被覆構造の適用対象の鉄骨部材1は、例えば建物の床スラブ3を下方から支持する鉄骨梁1である。鉄骨梁1の材料には、例えばH形鋼1が使用される。H形鋼1は、上フランジ1Fと下フランジ1Fとがウエブ1Wで連結されてなる断面形状がH型の鋼材1であり、ウエブ1Wには、ダクト21を通すための貫通孔1Whが形成されている。ダクト21は鋼製の配管21であり、詳しくは丸パイプ21である。そして、その管内には、例えば冷気や冷水等の低温流体が流される。そのため、鉄骨梁1との温度差要因等で結露を生じる恐れがあって、配管21の外周面21sの方には断熱処理が必要である。一方、鉄骨梁1のウエブ1Wの貫通孔1Whの内周面1Whsの方には、耐火被覆処理が必要である。
そこで、この鉄骨梁1には、貫通孔1Whの内周面1Whsと配管21の外周面21sとの間に、断熱機能と耐火機能との両者を奏する断熱耐火部材31が周方向の全周に亘って介挿されている。かかる断熱耐火部材31は、平面視矩形形状のシート状部材31である(図3Aを参照)。よって、当該断熱耐火部材31は、配管21の外周面21sに巻き付けられつつ、同管21が上記貫通孔1Whに通されることによって、同孔1Whの内周面1Whsと同管21の外周面21sとの間に配置される。
なお、図2Aに示すように、鉄骨梁1のうちで貫通孔1Whの内周面1Whsを除く部分は、通常の耐火被覆材51で被覆されているが、これについては後述する。
図3Aは、貫通孔1Whに配置前の断熱耐火部材31の概略平面図であり、図3Bは、図3A中のB−B矢視図である。
図3Aに示すように、貫通孔1Whに配置前の断熱耐火部材31は、平面視矩形状の平坦なシート状部材31である。かかる断熱耐火部材31には、耐火材料31aを芯材とする真空断熱材31が使用されている。真空断熱材31は、柔軟に変形可能な気密性の収容体31cと、かかる収容体31c内に収容された多孔質状且つ弾性を具備した耐火材料31aと、を有し、同収容体31c内に区画された密閉空間SP31cを所定の真空度まで減圧したものである。そして、真空度は、例えば1Pa〜200Paにまで高められていて、これに基づき、同断熱耐火部材31は、厚さ方向に高い断熱性を奏する。
従って、この断熱耐火部材31は、図2Aに示す火災前などの非火災時には、配管21の外周面21sにおいて断熱層として有効に機能する。一方、図2Bに示す火災時には、火炎や熱等により収容体31cが溶損等して収容体31cの密封状態が解けるが、そうすると、それまで収容体31c内にて圧縮状態にあった耐火材料31aが、弾性の復元力に基づいて貫通孔1Whの内周面1Whsの方へと膨張しようとして、貫通孔1Whの内周面1Whsに当接してこれを被覆する。そして、これにより、貫通孔1Whの内周面1Whsを火炎や熱等から保護する耐火層として機能する。
図3A及び図3Bに示すように、断熱耐火部材31の収容体31cの材料には、例えば二枚の気密性フィルム31cf,31cfが使用されている。各気密性フィルム31cf,31cfは、それぞれ、例えば二層構造のフィルムであり、ナイロン等の熱可塑性樹脂等からなる気密層と、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂からなる熱溶着層とを有する。そして、これら2枚のフィルム31cf,31cfが、例えば平面視矩形形状で所定厚さに成形された耐火材料31aの表裏の各面をそれぞれ覆いながら、同材料31aよりも四方に飛び出した部分31cfe,31cfe…において各フィルム31cf,31cfの熱溶着層同士が溶着されており、これにより、2枚のフィルム31cf,31cf同士の間に耐火材料31aを収容した状態で密封されている。ちなみに、気密層に対して金属蒸着等を施してアルミニウム等の金属層を形成すれば、気密性をより高めることができて、これにより、高い真空度を長期に亘って維持可能となる。
耐火材料31aとしては、例えば、セラミックファイバーを主材とするセラミックブランケット31aを挙げることができて、ここでは、これが使用されている。セラミックファイバーは、アルミナ(Al23)とシリカ(SiO2)を主成分とした鉱物繊維であり、同ファイバーの集合体が、セラミックブランケット31aである。そして、かかるセラミックブランケット31aにあっては、耐火性だけでなく弾性も有する。よって、上記の収容体31c内の密閉空間SP31cが所定の真空度まで減圧されると、同空間SP31cに収容されたセラミックブランケット31aは、収容体31cから作用する圧縮力によって、厚さ方向に弾性の圧縮変形をして厚さ方向の寸法が縮小した状態となる。例えば、無負荷時での厚さ寸法の6分の1〜8分の1の厚さ寸法にまで圧縮された状態になる。そして、収容体31c内の真空度が維持されている限り、この圧縮状態の厚さ寸法が維持される。よって、非火災時には厚さ方向に薄くなっており、これにより、小さい隙間にも配置可能であり、つまり、速やかに所期の位置に配置可能である。
一方、火災時に収容体31cが溶損したり、或いは気密性フィルム31cfの外周縁部31cfeにおいて同フィルム31cf,31cf同士の溶着が外れたりして、収容体31c内の密閉状態が解かれると、収容体31cから付与される圧縮力も解かれるので、セラミックブランケット31aは自身の弾性の復元力でもって、厚さ方向に6倍〜8倍の厚さ寸法まで膨張する。すなわち、非火災時にはセラミックブランケット31aの厚さ寸法は2mm〜9mmであるが、火災時には12mm(=2mm×6倍)〜72mm(=9mm×8倍)の厚さ寸法まで膨張する。よって、仮に非火災時に、図2Aに示すように、断熱耐火部材31と鉄骨梁1の貫通孔1Whの内周面1Whsとの間に隙間Sが存在する場合であっても、火災時には、図2Bに示すように、前述の大きな膨張によって当該隙間Sを速やかに埋めることができて、その結果、貫通孔1Whの内周面1Whsを確実に被覆して火災から防ぐことができる。
また、セラミックブランケット31aは、多数のセラミックファイバーを有し、同ファイバー同士の間には多数の空隙が存在している。そして、上記の真空度まで減圧されていれば、上記空隙の熱伝導率は非常に低くなる。例えば、減圧されていない大気圧下のセラミックブランケット31aの熱伝導率は、例えば25℃で0.028(W/(m・K))、1000℃で0.25〜0.28(W/(m・K))というように高いが、これに対し、前述の真空度まで減圧すると、熱伝導率は0.0009〜0.0037(W/(m・K))まで低下する。よって、非火災時には、セラミックブランケット31aは高い断熱性を奏することができる。
ちなみに、かかるセラミックファイバーの具体例としては、非晶質のアルミナシリカ繊維(RCF:Refractory Ceramic Fiber)や、含有量が60%以上のアルミナとシリカとを有した結晶質の繊維(AF:Alumina Fiber)等を例示できる。
ところで、図4Aに示すように、鉄骨梁1のうちで貫通孔1Whの内周面1Whsを除く部分は、通常の耐火被覆材51によって被覆されている。詳しくは、鉄骨梁1の上下のフランジ1F,1F及びウエブ1Wには、耐火被覆材51としてロックウール51が吹き付けられて所定の積層厚さ以上に積層されている。
なお、このとき、望ましくは、図4Aに示すように、ウエブ1Wにおける貫通孔1Whの周囲の部分1Wpに積層されたロックウール51pよりも、上記の断熱耐火部材31の方が配管21の管軸方向C21の両側に飛び出していると良い。
そして、このようになっていれば、図4Bに示すように、火災時には、断熱耐火部材31のセラミックブランケット31aは、ロックウール51pよりも配管21の管軸方向C21の両側の領域As,Asにおいても速やかに膨張して、これにより、当該両側の領域As,Asにおいても火炎や熱を遮ることができる。よって、耐火被覆材51と共同して、鉄骨梁1の貫通孔1Whの内周面1Whsを管軸方向C21の両側から取り囲むように火炎等を遮ることもできる。その結果、貫通孔1Whの内周面1Whsを火炎からより確実に保護することができる。
また、望ましくは、図2Aに示すように、断熱耐火部材31は、配管21の外周面21sに当接するように巻き付けられていると良い。そして、このように当接されていれば、互いの間に空気層等の介在物が存在しないために、高い断熱性でもって配管21を断熱することができて、これにより、配管21の外周面21sに生じ得る結露を効果的に抑制可能となる。また、配管21の外周面21sに巻き付いていることから、当該断熱耐火部材31は配管21から脱落し難く、その結果、同部材31は、長期に亘って断熱耐火被覆構造として安定して機能することができる。
図5Aは、断熱耐火被覆構造の施工方法の第1例の説明図である。なお、同図5Aは、鉄骨梁1を長手方向と交差する断面で示す概略断面図である。
この第1例の施工方法では、先ず、適宜な工場或いは建物の建設現場で、施工対象の鉄骨梁1に貫通孔1Whを形成し、かかる鉄骨梁1を、建設中の建物の不図示の柱等に組み付けて固定する。
また、これと同時並行又は相前後して、適宜な工場で或いは建物の建設現場で、配管21の外周面21sに断熱耐火部材31を当接させながら少なくとも外周面21sの周方向の一周分巻き付ける。そして、粘着テープ又は番線等の適宜な固定部材(不図示)を用いて、この巻き付け状態に固定する。
一方、これと同時並行又は相前後して、建設現場の鉄骨梁1のうちで貫通孔1Whの内周面1Whs以外の部分、すなわち、上下フランジ1F、1F及びウエブ1Wに対してロックウール等の耐火被覆材51を吹き付けて固定する。そして、これにより、鉄骨梁1は、概ね貫通孔1Whの内周面1Whsだけが耐火被覆されていない状態になる。
そうしたら、断熱耐火部材31が巻き付けられた状態の配管21を、鉄骨梁1の近傍位置まで運び込み、そして、当該断熱耐火部材31付きの配管21を鉄骨梁1の貫通孔1Whに通す。そして、これにより、貫通孔1Whの内周面1Whsに断熱耐火部材31の外周面31sが対向した状態にし、この状態で、配管21を適宜な固定具(不図示)で移動不能に固定すれば、鉄骨梁1の貫通孔1Whと配管21との間に断熱耐火被覆構造が設けられた状態となる(図2A)。
ちなみに、かかる施工方法で形成された断熱耐火被覆構造は、図2Aのように、断熱耐火部材31の外周面31sと貫通孔1Whの内周面1Whsとの間に隙間Sが形成される場合もあり得るが、同図2Aを参照して前述したように、火災時には、図2Bに示すようにセラミックブランケット31aが貫通孔1Whの内周面1Whsの方へ膨張して、同面1Whsに当接して被覆する。よって、少なくとも火災時には、貫通孔1Whの内周面1Whsも耐火被覆された状態となる。
また、かかる施工方法によれば、図5Aに示すように、断熱耐火部材31と配管21の外周面21sとを隙間無く当接した状態にすることができる。よって、高い断熱性を奏し得て、結露を有効に抑制可能となる。
図5Bは、断熱耐火部材31の施工方法の第2例の説明図である。なお、同図5Bも、鉄骨梁1を長手方向と交差する断面で示す概略断面図である。上述の第1例では、図5Aに示すように、先ず配管21の外周面21sに断熱耐火部材31を巻き付けて固定し、しかる後に、鉄骨梁1の貫通孔1Whに対して、断熱耐火部材31付きの配管21を通していた。この点につき、図5Bの第2例では、先ず鉄骨梁1の貫通孔1Whの方に筒状に曲げた断熱耐火部材31を固定し、しかる後に、筒状の断熱耐火部材31の内周側に配管21を通すことによって、鉄骨梁1の貫通孔1Whと配管21との間に断熱耐火被覆構造を形成している点で主に相違する。
そして、かかる第2例の施工方法によれば、鉄骨梁1の貫通孔1Whの内周面1Whsに筒状の断熱耐火部材31を配置した後に、当該筒状の断熱耐火部材31の内周側に配管21を通す。よって、耐火被覆工事と配管設置工事との施工タイミングをずらすこともできて、施工管理性に優れる。
なお、これ以外の点は概ね上述の第1例と同じである。そのため、当該第2例のこれ以上の説明については省略する。
===その他の実施の形態===
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更や改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれるのはいうまでもない。例えば、以下に示すような変形が可能である。
上述の実施形態では、図2Aに示すように、建物の構造躯体をなす鉄骨部材の一例としてH形鋼製の鉄骨梁1を例示したが、何等これに限らない。例えば、H形鋼に代えて、丸型鋼管や角形鋼管を用いても良いし、或いは、山形鋼、溝形鋼、I形鋼、及びT形鋼を用いても良い。また、鉄骨梁1に代えて、鉄骨柱やブレース等の斜材に対して前述の断熱耐火被覆構造を設けても良い。
上述の実施形態では、鉄骨梁1の貫通孔1Whに通される配管21として、鋼製の丸パイプ21を例示したが、何等これに限らない。例えば、矩形断面を有する鋼製の角パイプであっても良いし、これら以外の断面形状の管部材であっても良い。ちなみに、鉄骨梁1に形成される貫通孔1Whの形状は、通される配管21の断面形状に応じて決められる。例えば、前述の実施形態では、配管21が、円形断面を有した丸パイプ21であったことから、鉄骨梁1には円形の貫通孔1Whが形成されていたが、上述のように配管21が、矩形断面を有する角パイプの場合には、貫通孔1Whは矩形形状に形成される。
上述の実施形態では、図3A及び図3Bに示すように、断熱耐火部材31が有する耐火材料31aの一例としてセラミックブランケット31aを挙げたが、耐火性と弾性を有していれば、他の材料を用いても良い。例えば、ロックウール(岩綿)でも良いし、これ以外の材料でも良い。
上述の実施形態では、同図3A及び図3Bに示すように、収容体31cの一例として、厚さ方向に重ね合わせた二枚の気密性フィルム31cf,31cfを耐火材料31aよりも四方に飛び出す部分31cfe,31cfe…にて溶着してなる構成を例示したが、何等これに限らない。例えば、不図示の一枚の気密性シートを二つ折りするとともに、当該二つ折り状態の気密性シートの間に耐火材料31aを入れた状態で同材料31aよりも三方に飛び出す部分にて溶着を行うことにより、収容体31cを形成しても良い。
1 鉄骨梁(鉄骨部材)、1F フランジ、1W ウエブ、
1Wh 貫通孔、1Whs 内周面、1Wp 貫通孔の周囲の部分、
3 床スラブ、
21 配管、21s 外周面、
31 真空断熱材(断熱耐火部材)、31s 外周面、
31a セラミックブランケット(耐火材料)、
31c 収容体、31cf 気密性フィルム、31cfe 外周縁部(部分)、
51 耐火被覆材、51p ロックウール、
As 領域、SP31c 密閉空間、
G 隙間、S 隙間、

Claims (6)

  1. 建物の鉄骨部材に形成された貫通孔と、当該貫通孔に通される配管との間に設けられる断熱耐火被覆構造であって、
    前記断熱耐火被覆構造は、密封され且つ所定の真空度まで減圧された収容体内に多孔質状の耐火材料が圧縮状態で収容されてなる断熱耐火部材を有し、
    火災時には、前記収容体の密封状態が解けて、前記圧縮状態の前記耐火材料が弾性の復元力に基づいて前記貫通孔の内周面の方へ膨張しようとすることを特徴とする断熱耐火被覆構造。
  2. 請求項1に記載の断熱耐火被覆構造であって、
    前記鉄骨部材のうちで前記貫通孔の周囲の部分は、耐火被覆材で被覆されており、
    前記断熱耐火部材は、前記耐火被覆材よりも前記配管の管軸方向の両側に飛び出すように設けられていることを特徴とする断熱耐火被覆構造。
  3. 請求項1又は2に記載の断熱耐火被覆構造であって、
    前記耐火材料は、弾性と耐火性とを有した繊維状材料であることを特徴とする断熱耐被覆構造。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の断熱耐火被覆構造であって、
    前記断熱耐火部材は、シート状部材であり、
    前記断熱耐火部材は、前記配管の外周面に当接するように当該外周面に巻き付けられていることを特徴とする断熱耐火被覆構造。
  5. 請求項1乃至4の何れかに記載の断熱耐火被覆構造を、前記貫通孔の前記内周面と、前記配管の前記外周面との間に設ける施工方法であって、
    前記配管の前記外周面に前記断熱耐火部材を巻き付けた状態で、前記配管を前記鉄骨部材の前記貫通孔に通すことを特徴とする断熱耐火被覆構造の施工方法。
  6. 請求項1乃至4の何れかに記載の断熱耐火被覆構造を、前記貫通孔の前記内周面と、前記配管の前記外周面との間に設ける施工方法であって、
    筒状に曲げた前記断熱耐火部材の外周面が前記貫通孔の内周面に対向するように前記筒状の前記断熱耐火部材を前記鉄骨部材に配置した後に、前記配管を前記筒状の前記断熱耐火部材の内周側に通すことを特徴とする断熱耐火被覆構造の施工方法。
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