JP3130219U - 耐火防護構造 - Google Patents

耐火防護構造 Download PDF

Info

Publication number
JP3130219U
JP3130219U JP2006009427U JP2006009427U JP3130219U JP 3130219 U JP3130219 U JP 3130219U JP 2006009427 U JP2006009427 U JP 2006009427U JP 2006009427 U JP2006009427 U JP 2006009427U JP 3130219 U JP3130219 U JP 3130219U
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat
cooling water
special cooling
pack
glass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2006009427U
Other languages
English (en)
Inventor
義則 中村
Original Assignee
天龍ファイアペック株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 天龍ファイアペック株式会社 filed Critical 天龍ファイアペック株式会社
Priority to JP2006009427U priority Critical patent/JP3130219U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3130219U publication Critical patent/JP3130219U/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Laying Of Electric Cables Or Lines Outside (AREA)
  • Electric Cable Installation (AREA)
  • Thermal Insulation (AREA)

Abstract

【課題】外部で加熱された空気及びその熱等の高温流体が、構造物内部に対流或いは浸透で伝達するのを食い止める。
【解決手段】水蒸気やガス等の高温流体を被保護部材に向けて浸透若しくは拡散させない断熱防護層を有しており、この断熱防護層は、表面からステンレス製の外装体1と、アルミガラスシート2と、高耐熱性のロックウール3と、特殊冷却水断熱パック4と、耐熱性のセラミックスファイバー5と、アルミガラスシート6とから構成される。特殊冷却水断熱パック4は、上層を高耐熱性ロックウール3で、下層を耐熱セラミックファイバー5で挟み込まれており(三層)、これらの外周をアルミガラスシート2で被装することで内装体Aとなしている。
【選択図】図1

Description

本考案は、主として橋梁、トンネル等の建築構造物内に付設される耐火防護構造の改良に関し、更に詳しくは、橋梁等に付設されている電気・通信ケーブル保護管等の設備を橋梁周辺で発生した火災等に起因する高熱から防護することができるのみならず、従来構造において問題になっている耐火防護材の破損による保護管内部への高温空気或いは水蒸気の流入をも防止することができる有用な耐火防護構造に関する。
従来、橋梁添架区間における通信ケーブル保護管に関する耐火対策としては、JIS・A1302「建築物の不燃構造部分の防火試験方法」における2級加熱試験を満たせば良いものと一般的に承認されている。この試験方法は、試験開始から約10分後に炉内を最高温度である840℃迄上昇させて試験品を加熱し、試験開始から30分後に約150℃迄温度を低下させる(温度プロファイル)試験に準じて行われ、保護管内の温度が通信ケーブル被覆の軟化温度である85℃(ポリエチレンの軟化点)未満であれば合格とされている(評価基準)。
このような試験は、橋梁下部に配置されている場合、電気・通信ケーブル保護管の耐火防護には有効と考えられるが、耐火防護について特に要請の高まっているトンネル内の通信ケーブル設備に関するトンネル内火災の影響については、耐火構造物の一層の検討が進められている。
例えば、ドイツのDIN規格では、1200℃で30分の耐久構造が求められており、日本においては、1200℃で30分の規格達成は、従来構造からの隔離が大きすぎることから、1200℃10分の構造物で当面は施工して良いということになっており、これを1200℃30分の耐火防護構造にすべきとの要請に応えることも本考案の目的である。
前述の防火試験方法における1級試験では、試験開始から約10分で炉内温度が最高の1120℃に達するが、該温度を保持するものではなく、1000℃以上の時間として5分間が要求されている。
一方、今日までに進められてきた耐火構造物の見直し改良案は、従来の通信ケーブル保護管の評価基準及び耐火断熱構造について、道路のトンネル内に設置される通信ケーブル保護管に関する国際的な耐火基準を満たすことができないといった問題がある。例えば、ドイツ国における「道路トンネルの設備と運用に関する指針」に示されているRABT曲線によれば、炉内温度を試験開始から5分後に1200℃迄上昇させることにより試験品を急速加熱し、該温度に炉内を25又は55分間保った後に試験開始から140又は170分をかけて炉内温度を直線的に低下させることにより耐火試験を行っている。
耐火構造物に求められる性能は、通信ケーブルに適合する外被材料としてポリエチレンが使用されており、ケーブル用としては、柔軟性のある低温型のポリエチレン素材であるため、軟化点は約85℃であり、表面温度85℃に達しないようにするための熱を遮断する必要があることや、熱、蒸気等の高温流体の伝達を遅らせる耐火構造物が使用されている。
他方、橋梁添架における通信ケーブルでも、更にはトンネル内に設置される通信ケーブルを敷設する場合でも、その設置位置は他の設置位置との関係で制限を受ける場合があり、狭隘な作業空間になる場合や、使用する材料の重量を軽くして負担の少ないものにすることや、ハンドリングの容易な方法にする等の配慮が必要となることがある。
また、従来の耐火構造物では、熱を遮断することにより内部への高温流体(熱、蒸気)の伝達を遅らせるために、水、水性ゲル材、固形ゲル材を封入してなるプラスチックパック(以下、単にゲルパックという)を耐火構造物の中に含ませて使用した場合、熱によって同ゲルパックが破壊されても、内部に封入されている水分が気化した蒸発熱を吸収することにより、熱消費によって熱の伝達が抑制されケーブル管内部が低温に保たれる処置がとられている。
例えば、現在、使用されている1200℃で10分の耐火構造物及び従来の840℃仕様の耐火構造物では、火災が発生した際に耐火性能を発揮できる場合の構造物としては、ゲルパック内部に水や水性ゲル或いは半固形ゲルを封入せしめ、火災鎮火時にゲルパックが破壊されても、この中に含まれる水分の蒸発熱の効果を利用して熱の消費を発生させるものであった(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−14817号公報
しかしながら、このような従来の耐火構造物では、外部で加熱された空気及びその熱等の高温流体が、構造物内部に対流或いは浸透という現象により伝達される可能性があることが危惧され、複数の積層体からなる耐火構造物では、全体として空気の流通の抑制に機能しにくいといった問題がある。
換言すれば、耐火構造物は、そもそも空気自体の熱伝導率の低さを利用するために空気層を多く含むような構造になっているが、空気の流通については考慮されておらず、また、発泡材料にあっては、独立発泡として空気の流通を抑制するということは可能ではあるが、耐火構造にあって、斯かる独立発泡は温度上昇に伴う空気の膨張によってその独立性が損なわれしまうことから、空気流通の抑制には機能しにくいのである。
また、従来の耐火構造物では、外部からの熱の流入に対して、外装体(外被材)として巻装された断熱材、例えば、セラミックウール、ロックウール、グラスウール等によって、一時的に断熱ができても、熱が更に内部へ浸透することで、ゲルパックが破壊されてしまうため、換言すれば、内部に封入された水分が(ゲルパックが破壊されることで)蒸気となり、その蒸発熱を吸収して保護管内部への熱の伝達を抑制することで、保護管内部は低温に保たれ1200℃の耐火構造となる。
このように、従来の耐火構造物では、封入されている水或いは水性ゲル、固形ゲルを封入したゲルパックが、熱により破壊されても、むしろ、蒸気を発生せしめて熱を消費することにより保護管内部への熱の伝達を遅らせることや、蒸気、ガス等の高温流体が保護管内部へ流出するのを遅らせることに主眼が置かれていたため、封入された水や水性ゲル或いは固形ゲルに対する流出防止のための配慮がなされていなかった。
本考案はこのような従来の問題点及び要求に鑑みてなされたもので、熱による破壊を抑制して蒸気が外に漏れ出さない耐火防護構造を提供し、延いては、従来構造において問題になっている保護管内部への高温流体或いは水蒸気の流入現象を防止することができる有用な耐火防護構造を提供することを目的としたものである。
上述の如き従来の問題点を解決し、所期の目的を達成するため本考案の要旨とする構成は、橋梁、トンネル等の建築構造物内に設けられる電気・通信ケーブル等の被保護部材と、該被保護部材に設けられる耐火体とを備えてなる耐火防護構造において、前記耐火体は、水蒸気やガス等の高温流体を前記被保護部材に向けて浸透若しくは拡散させない断熱防護層を設けてなる耐火防護構造に存する。
また、前記断熱防護層は、ロックウール等の無機繊維断熱材及び/又は特殊冷却水を封入してなる特殊冷却水断熱パックであるのが良い。
また、前記耐火体は、少なくとも特殊冷却水を含浸したグラスマットをアルミ箔パックに封入してなる特殊冷却水断熱パックと、該特殊冷却水断熱パックの上下層に重畳される無機繊維断熱材とをアルミガラスシートで被装してなる内装体と、該内装体を被装せしめるステンレス板或いはガルバリウム鋼板又は亜鉛メッキ鋼板等の外装体とからなるのが良い。
更に、前記耐火体は、二層の無機繊維断熱材により特殊冷却水断熱パックをサンドイッチ状に挟み込んだものを使用しても良い。
また、前記特殊冷却水断熱パックは、耐熱性プラスチック、アルミガラス若しくはガラスクロス又はガラスクロス付きアルミ箔等のシートで表面を被覆してなる断熱パックであるのが良い。
更に、前記特殊冷却水断熱パックは、外面からナイロン、アルミニュウム箔、ポリエチレンの三層からなるフィルムで、エチレングリコールと水を混合させた冷却水をグラスファイバーマットで封止して耐熱圧着加工を施してなる断熱パックであるのが良い。
また、前記無機繊維断熱材は、高耐熱性のセラミックスグラスマット(バイオソルブルファイバーマット)或いは高耐熱性ロックウールマット又は耐熱性グラスマットであるのが良い。
更に、前記特殊冷却水は、通常エチレングリコールと水を50:50の比率で混合し、付設されている通信状況に基づいて40:60,45:55,55:45,60:40等の混合比を選定するのが良い。
また、前記グラスファイバーマットは、一区画(長さ100mm×幅220m×厚さ10mm)毎に封止され、一巻き長さ450mm×幅240mmのアルミガラス製パックに、4区画分を封止して各区画間の圧着幅10mmに耐熱加工を施すと共に、施工仕上げの収まりや端部調整のために別途一区画を上記寸法幅の1/2或いは1/3幅のマットを備えるのが良い。
本考案は、前記耐火体が、水蒸気やガス等の高温流体を前記被保護部材に向けて浸透若しくは拡散させない断熱防護層を設けたことによって、熱による破壊を抑制して蒸気が外に漏れ出さない有用な耐火防護構造を提供できる。
また、前記断熱防護層が、特殊冷却水を含浸したロックウール等の無機繊維断熱材であることによって、外部からの熱伝導を遅らせて一定の温度を保持できるなど、熱伝導を抑制する効果を奏する。
更に、前記断熱防護層は、特殊冷却水を封入してなる特殊冷却水断熱パックであることによって、破壊を抑制し、水蒸気やガス等の高温流体が外部に流失せしめることを防止できるといった効果を奏する。
また、前記耐火体は、少なくとも特殊冷却水を含浸したグラスマットをアルミ箔パックに封入してなる特殊冷却水断熱パックと、該特殊冷却水断熱パックの上下層に重畳される無機繊維断熱材とをアルミガラスシートで被装してなる内装体と、該内装体を被装せしめるステンレス板或いはガルバリウム鋼板又は亜鉛メッキ鋼板一層の外装体とからなることによって、試験例に示すように、従来の耐火防護構造に比し、耐火体の厚さが薄くても断熱効果に優れるといった効果を奏するものであり、狭隘な作業空間でも対処できる他、コストも低廉になるなど経済的効果が期待できるといった効果を奏する。
更に、前記耐火体は、二層の無機繊維断熱材により特殊冷却水断熱パックをサンドイッチ状に挟み込んだことによって、外部からの高温被熱に耐えられ、かつ、従来の如き安易に熱で破損されることのない有用な耐火防護構造を提供できる。
また、前記特殊冷却水断熱パックは、耐熱性プラスチック、アルミガラス若しくはガラスクロス又はガラスクロス付きアルミ箔等のシートで表面を被覆してなる断熱パックであることによって、遮熱性と衝撃性に優れるといった効果を奏する。
更に、前記特殊冷却水断熱パックは、外面からナイロン、アルミニュウム箔、ポリエチレンの三層からなるフィルムで、エチレングリコールと水を混合させた特殊冷却水をグラスファイバーマットで封止して耐熱圧着加工を施してなる断熱パックであることによって、熱による破壊を抑制して蒸気が外に漏れ出さないため、薄くても断熱効果に優れた耐熱防護構造を提供できる。
また、前記無機繊維断熱材は、高耐熱性のセラミックスグラスマット(バイオソルブルファイバーマット)或いは高耐熱性ロックウールマット又は耐熱性グラスマットであることによって、外部からの熱伝導を遅らせて一定の温度を保持できるなど、熱伝導を抑制する効果を奏する。
更に、前記特殊冷却水は、通常エチレングリコールと水を50:50の比率で混合し、付設されている通信状況に基づいて40:60,45:55,55:45,60:40等の混合比を選定することによって、冷却効率を高めることができるといった効果を奏する。
また、前記グラスファイバーマットは、一区画(長さ100mm×幅220m×厚さ10mm)毎に封止され、一巻き長さ450mm×幅240mmのアルミガラス製パックに、4区画分を封止して各区画間の圧着幅10mmに耐熱加工を施すと共に、施工仕上げの収まりや端部調整のために別途一区画を上記寸法幅の1/2或いは1/3幅のマットを備えたことによって、既存の耐火体の厚さより薄くすることができるため、ハンドリングや取り扱いが容易になる分、作業上の向上と経済的効果を高めることができるとった効果を奏する。
このように本考案は、熱による破壊を抑制して蒸気が外に漏れ出さない耐火防護構造を提供できると共に、従来構造において問題になっている保護管内部への高温空気或いは水蒸気の流入現象をも防止することができ、また、構成が単純であるため、大量生産に適し、価格も低廉なものとして需要者に供給できる等、本考案を実施することはその実益的価値が甚だ大である。
水蒸気やガス等の高温流体を前記被保護部材に向けて浸透若しくは拡散させない断熱防護層を設ける。断熱防護層としては、特殊冷却水を含浸したロックウール等の無機繊維断熱材及び/又は特殊冷却水断熱パックが好ましい。更に、耐火体は、特殊冷却水を含浸したグラスマットをアルミ箔パックに封入してなる特殊冷却水断熱パックと、該特殊冷却水断熱パックの上下層に重畳される無機繊維断熱材とをアルミガラスシートで被装してなる内装体と、該内装体を被装せしめるステンレス板或いはガルバリウム鋼板又は亜鉛メッキ鋼板等の外装体とを備えるのが良い。
次に、本考案の実施の一例を図面を参照しながら説明する。図中Aは、本考案に係る耐火防護構造であり、この耐火防護構造Aは、図1に示すように、管体Bの外周に巻装される耐火体を備えている。
この耐火体は、水蒸気やガス等の高温流体を被保護部材(図示せず)に向けて浸透若しくは拡散させない断熱防護層を有しており、この断熱防護層は、図1に示すように、表面からステンレス製の外装体1と、アルミガラスシート2と、高耐熱性のロックウール3と、特殊冷却水断熱パック4と、耐熱性のセラミックスファイバー5と、アルミガラスシート6とから構成されている。
前記外装体1としては、例えば、ステンレス(SUS)のみならず、ガルバリウム鋼板、亜鉛メッキ鋼板が挙げられる。
前記耐火体は、上下二層に重畳される無機繊維断熱材(高耐熱性ロックウール又は耐熱セラミックファイバー)により特殊冷却水断熱パック4をサンドイッチ状に挟み込んだ構造を呈している。
例えば、特殊冷却水断熱パック4は、上層を高耐熱性ロックウール3で、下層を耐熱セラミックファイバー5で挟み込まれており(三層)、これらの外周をアルミガラスシート2で被装することで内装体A となしている。
無機繊維断熱材としては、例えば、高耐熱性のセラミックスグラスマット(バイオソルブルファイバーマット)、高耐熱性ロックウールマット、耐熱性グラスマットなどが挙げられる。その他、セラミックブランケット、セラミックウール、セラミックフェルト、アルミナ−シリカブランケット、アルミナ−シリカ酸化ジルコニウムブランケット、アルミナブランケット、アルミナフェルト、グラスウールブランケット、グラスウールマット、ロックウールブランケット等を挙げることができる。
就中、新日化サーマルセラミック株式会社製のアルミナ−シリカブランケット、アルミナ−シリカ酸化ジルコニウムブランケット及びアルミナブランケットは、耐熱温度がそれぞれ1260,1400,1600℃で、熔解繊維質のため、安全性に優れるなど、環境適応型の材料である。
また、特殊冷却水断熱パック4は、例えば、耐熱性プラスチック、アルミガラス、ガラスクロス又はガラスクロス付きアルミ箔等のシートで表面を被覆してなる断熱パックを使用しても良い。
更に、この特殊冷却水断熱パック4は、外面からナイロン、アルミニュウム箔、ポリエチレンの三層からなるフィルムで、エチレングリコールと水を混合させた特殊冷却水を後述するグラスファイバーマットで封止し、全体的に耐熱圧着加工が施したものを使用するのが良い。
グラスファイバーマットは、ニードルパンチフェルト状などに形成されたグラスファイバーに特殊冷却水を含浸せしめてなるマットであり、一区画毎に特殊冷却水を封止している。具体的には、一区画を長さ100mm×幅220mm×厚さ10mmとし、一巻き長さ4500mm×幅240mmのアルミガラス製パックに、4区画分を封止すると共に、各区画間の圧着幅10mmに耐熱加工を施したものを使用しており、施工仕上げの収まりや端部調整のため別途一区画に上記幅の1/2或いは1/3幅のマット(図示せず)を備えている。
特殊冷却水は、通常、エチレングリコールと水を50:50の比率で混合したものであるが、冷却効率を高めるために、使用される電気・通信ケーブル等の被保護部材の種類や条件、付設されている通信状況等に基づいて、40:60,45:55,55:45,60:40等の適宜混合比が選定されることは云うまでもない。
このように構成される特殊冷却水断熱パック4は、スーパーグラスマット(特殊冷却水を含浸したグラスマット)をアルミ箔パックに封入してなるもので、高温被熱から防御して安易な破壊を抑制し、水蒸気やガス等の高温流体を外部に流失せしめることを阻止するものである。
従って、火災等で発生する外部からの高熱(高温流体)は、外装体1、アルミガラスクロス2、ロックウール3を徐々に経由して特殊冷却水断熱パック4に伝達されるが、この特殊冷却水は、水に比較して熱の吸収が約1/2以下であるため、同冷却水を含浸したスーパーグラスマットは、熱伝導を遅らせて一定の温度を保ち、熱伝導を抑制する効果に優れることになる。また、アルミガラスシート6も被熱破壊に対する強度を改良した構造になっていることも相俟って、従来構造において問題になっている管体内部への高温気体或いは水蒸気の流入を効果的に防止することができる(耐火試験の結果参照)。
また、図1乃至図4に示した本考案の基本的な耐火防護構造に関し、温度プロファイルに基づく耐火試験を(下述の試験1乃至試験4の条件下で)実施した。試験結果は、別紙表1乃至表4に示すように、炉内温度が68〜866℃の範囲内で変化しても管内温度は24〜82℃に保持されるため、何れの試験でも熱による破壊は認められず、従来の問題現象を防止することができる。
換言すれば、耐火試験の測定結果から明らかなように、試験1では45分経過後の管内温度は71℃(表1参照)に、試験2では同時間経過後の管内温度は84℃(表2参照)に、試験3では60分経過後の管内温度は62℃(表3参照)に、試験4では同時間経過後の管内温度は54℃(表4参照)に止まっており、何れも目標の84℃以下の温度を達成できることが判明した。
これは前述したJIS・A1302「建築物の不燃構造部分の防火試験方法」における2級加熱試験に合格するものであり、保護管内の温度が通信ケーブル被覆の軟化温度である85℃(ポリエチレンの軟化点)未満になることを満たしている。
[試験1]
管体(保護管)Bの管路B 内に通信ケーブル(図示せず)二条を設置し、本考案に係る耐火体で同管体Bを囲繞すべく巻装した。耐火体としては、図1に示すように、高耐熱性のセラミックファイバー(バイオソルブルファイバー、厚さ:6.0mm)5、特殊冷却水断熱パック(厚さ:10mm)4、高耐熱性ロックウール(厚さ:20mm)3を重畳すべく組み合わせ、それをアルミガラスシート(厚さ:0.14mm)2.6で被装してなる内装体A を、ステンレス製の外装体(厚さ0.3mm)1にて被覆した。因に、耐火体全体の厚さは36.58mmであり、既存の耐火体の多くが厚さ75〜90mmであることに鑑みれば、狭隘な作業空間でも設置できる他、コストも低廉になるなど経済的効果も期待される。
[試験2]
管体(保護管)Bの管路B 内に通信ケーブル(図示せず)二条を設置し、本考案に係る耐火体で同管体Bを囲繞すべく巻装した。耐火体として、図2に示すように、高耐熱性のセラミックファイバー(バイオソルブルファイバー、厚さ:6.0mm)5、特殊冷却水断熱パック(厚さ:10mm)4、セラミックファイバー(バイオソルブルファイバー厚さ:12.5mm)5を重畳すべく組み合わせ、それをアルミガラスシート(厚さ:0.14mm)2.6で被装してなる内装体A を、ステンレス製の外装体(厚さ0.3mm)1にて被覆した。耐火体全体の厚さは29.08mmで既存の耐火体の厚さを大幅に凌ぐものであり、経済的にも優れた効果を実現するものと期待される。
[試験3]
管体(保護管)Bの管路B 内に通信ケーブル(図示せず)二条を設置し、本考案に係る耐火体で同管体Bを囲繞すべく巻装した。耐火体として、図3に示すように、特殊冷却水断熱パック(厚さ:10mm)4、高耐熱性ロックウール(厚さ:20mm)3とを重畳すべく組み合わせ、それをアルミガラスシート(厚さ:0.14mm)2.6で被装してなる内装体A を、ステンレス製の外装体(厚さ0.3mm)1にて被覆した。耐火体全体の厚さは30.58mmであり、既存の耐火体の厚さより薄くすることができるため、ハンドリングや取り扱いが容易になり、作業上の向上と経済的効果を高めることが期待できる。
[試験4]
管体(保護管)Bの管路B 内に通信ケーブル(図示せず)二条を設置し、本考案に係る耐火体で同管体Bを囲繞すべく巻装した。耐火体として、図4に示すように、高耐熱性のセラミックファイバー(バオソルブルファイバー、厚さ:6.0mm)5、特殊冷却水断熱パック(厚さ:10mm)4、高耐熱性ロックウール(厚さ:20mm)3を重畳すべく組み合わせ、それをアルミガラスシート(厚さ:0.14mm)2.6で被装してなる内装体A を、ステンレス製の外装体(厚さ0.3mm)1にて被覆した。耐火体全体の厚さは36.58mmである
尚、試験3及び試験4の耐火体に使用した特殊冷却水断熱パック4は、各区画内に吸熱性を有するパックで構成され、各パックは圧着幅10mmで区画されているが、図6に示すように、10mmの圧着部分を重ね折りにし、耐熱性接着剤8にて固定した上で重畳せしめる工法を採用している。尚、図中4aは特殊冷却水、7は特殊冷却水含浸マットである。
断熱目的の無機繊維断熱材の中でも、高耐熱性ロックウールは、従来品に比べ耐熱温度が優れたものであり、熱伝導率も低い材料であることができる。因に、日東紡績株式会社製のボルカノファイバーの耐熱温度は1100℃である。








[表1] 試験1
Figure 0003130219
※45分 71℃ 温度変化なし


[表2] 試験2
Figure 0003130219
※45分 84℃ 温度変化なし


[表3] 試験3
Figure 0003130219
※60分 62℃ 温度変化なし


[表4] 試験4
Figure 0003130219
※60分 54℃ 温度変化なし
尚、本考案は本実施例に限定されることなく、本考案の目的の範囲内で自由に設計変更し得るものであり、本考案はそれらの全てを包摂するものである。例えば、本明細書で言及している被保護部材とは、電気・通信用ケーブルのみならず、ガス管、パイプライン、その他、熱に弱い全ての有体物をも包摂するものである。
本考案に係る耐火防護構造の第1実施例を示す縦断面図である。 本考案に係る耐火防護構造の第2実施例を示す縦断面図である。 本考案に係る耐火防護構造の第3実施例を示す縦断面図である。 本考案に係る耐火防護構造の第4実施例を示す縦断面図である。 本考案に係る耐火防護構造の第5実施例を示す縦断面図である。 本考案に係る耐火防護構造の第6実施例を示す縦断面図である。
符号の説明
A 耐火防護構造
内装体
内装体
内装体
内装体
B 管体
管路
1 外装体
2 アルミガラスシート
3 高耐熱性ロックウール
4 特殊冷却水断熱パック
4a 特殊冷却水
5 耐熱性セラミックファイバー
6 アルミガラスシート
7 特殊冷却水含浸マット
8 耐熱性接着剤

Claims (9)

  1. 橋梁、トンネル等の建築構造物内に設けられる電気・通信ケーブル等の被保護部材と、該被保護部材に設けられる耐火体とを備えてなる耐火防護構造において、
    前記耐火体は、水蒸気やガス等の高温流体を前記被保護部材に向けて浸透若しくは拡散させない断熱防護層を設けたことを特徴とする耐火防護構造。
  2. 前記断熱防護層は、ロックウール等の無機繊維断熱材及び/又は特殊冷却水を封入してなる断熱パック(以下、単に特殊冷却水断熱パックという)であることを特徴とする請求項1に記載の耐火防護構造。
  3. 前記耐火体は、少なくとも特殊冷却水を含浸したグラスマットをアルミ箔パックに封入してなる特殊冷却水断熱パックと、該特殊冷却水断熱パックの上下層に重畳される無機繊維断熱材とをアルミガラス等のシートで被装してなる内装体と、該内装体を被装せしめるステンレス板或いはガルバリウム鋼板又は亜鉛メッキ鋼板等の外装体とからなることを特徴とする請求項1に記載の耐火防護構造。
  4. 前記耐火体は、二層の無機繊維断熱材により特殊冷却水断熱パックをサンドイッチ状に挟み込んでなる構造であることを特徴とする請求項1又は3に記載の耐火防護構造。
  5. 前記特殊冷却水断熱パックは、耐熱性プラスチック、アルミガラス若しくはガラスクロス又はガラスクロス付きアルミ箔等のシートで表面を被覆してなる断熱パックであることを特徴とする請求項2,3又は4に記載の耐火防護構造。
  6. 前記特殊冷却水断熱パックは、外面からナイロン、アルミニュウム箔、ポリエチレンの三層からなるフィルムで、エチレングリコールと水を混合させた特殊冷却水をニードルパンチフェルト状などのグラスファイバーに含浸せしめたマット(以下、単にグラスファイバーマットという)を封止して耐熱圧着加工を施してなる断熱パックであることを特徴とする請求項2,3,4又は5に記載の耐火防護構造。
  7. 前記無機繊維断熱材は、高耐熱性のセラミックスグラスマット(バイオソルブルファイバーマット)或いは高耐熱性ロックウールマット又は耐熱性グラスマットであることを特徴とする請求項2,3又は4に記載の耐火防護構造。
  8. 前記特殊冷却水は、通常エチレングリコールと水とを50:50の比率で混合し、必要に応じて40:60,45:55,55:45,60:40等の適宜混合比を選定することを特徴とする請求項2又は3に記載の耐火防護構造。
  9. 前記グラスファイバーマットは、一区画(長さ100mm×幅220m×厚さ10mm)毎に封止され、一巻き長さ450mm×幅240mmのアルミガラス製パックに、4区画分を封止して各区画間の圧着幅10mmに耐熱加工を施すと共に、施工仕上げの収まりや端部調整のために別途一区画を上記寸法幅の1/2或いは1/3幅のマットを備えることを特徴とする請求項6に記載の耐火防護構造。
JP2006009427U 2006-11-20 2006-11-20 耐火防護構造 Expired - Lifetime JP3130219U (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006009427U JP3130219U (ja) 2006-11-20 2006-11-20 耐火防護構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006009427U JP3130219U (ja) 2006-11-20 2006-11-20 耐火防護構造

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP3130219U true JP3130219U (ja) 2007-03-22

Family

ID=43281099

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006009427U Expired - Lifetime JP3130219U (ja) 2006-11-20 2006-11-20 耐火防護構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3130219U (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012229908A (ja) * 2011-03-22 2012-11-22 Nuovo Pignone Spa 蓄熱及び放熱装置の容器、蓄熱及び放熱組立体、並びにエネルギー生産プラント
WO2016047041A1 (ja) * 2014-09-22 2016-03-31 ニチアス株式会社 耐火構造及びその使用方法
CN112319770A (zh) * 2020-07-27 2021-02-05 中国航天空气动力技术研究院 一种榫卯式无螺钉螺栓盖板式热防护结构及其制备方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012229908A (ja) * 2011-03-22 2012-11-22 Nuovo Pignone Spa 蓄熱及び放熱装置の容器、蓄熱及び放熱組立体、並びにエネルギー生産プラント
WO2016047041A1 (ja) * 2014-09-22 2016-03-31 ニチアス株式会社 耐火構造及びその使用方法
US11077641B2 (en) 2014-09-22 2021-08-03 Nichias Corporation Fireproof construction and method for using same
CN112319770A (zh) * 2020-07-27 2021-02-05 中国航天空气动力技术研究院 一种榫卯式无螺钉螺栓盖板式热防护结构及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2563213C2 (ru) Непроницаемая для текучей среды огнестойкая дверь
JP5543744B2 (ja) 防火区画貫通部構造
JPS58222844A (ja) 防火遮断層
TWI422769B (zh) 保溫構造的修補方法及保溫構造
JP2009215721A (ja) 耐火断熱シート
JP3130219U (ja) 耐火防護構造
CN201391684Y (zh) 一种复合防火套管
RU2570538C1 (ru) Теплоизолированная труба для транспортирования жидких и газообразных веществ
JP2010139056A (ja) 防災配管方法及び耐火カバー
KR20140089642A (ko) 건축물의 관통부용 보온이 완료된 금속파이프에 내화충전구조를 형성하는 방법
KR101618593B1 (ko) 패널연결재를 이용한 연소 확대 방지용 복합패널
KR200400176Y1 (ko) 건축용 단열재
CN107294026A (zh) 高性能电缆贯穿密封装置
KR20120133538A (ko) 건축물의 관통부용 금속파이프에 내화충전구조를 형성하는 방법
CN217399950U (zh) 一种防火保温复合结构
JPH10196879A (ja) 耐火保冷構造
Bhatia Overview of Insulation Materials
JP4745852B2 (ja) 沈埋函の柔継手部位の耐火被覆構造
RU2294479C1 (ru) Цистерна для сжиженных газов
KR20200079161A (ko) 복합 성능을 향상시킨 방화문의 패널구조
CN114542850A (zh) 防火覆盖层
JP3495444B2 (ja) Lng移送パイプの被覆構造
JP2015036497A (ja) 防火止水装置およびその施工方法
KR20180129385A (ko) 하이브리드 단열재
CN216195696U (zh) 一种建筑工程技术用墙体保温结构

Legal Events

Date Code Title Description
R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100228

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110228

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110228

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120229

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120229

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130228

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130228

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140228

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250