JP6815726B2 - 配管構造 - Google Patents

配管構造 Download PDF

Info

Publication number
JP6815726B2
JP6815726B2 JP2015250726A JP2015250726A JP6815726B2 JP 6815726 B2 JP6815726 B2 JP 6815726B2 JP 2015250726 A JP2015250726 A JP 2015250726A JP 2015250726 A JP2015250726 A JP 2015250726A JP 6815726 B2 JP6815726 B2 JP 6815726B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vertical pipe
fixing portion
fixed
pipe
floor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015250726A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017115946A (ja
Inventor
伸太郎 梅山
伸太郎 梅山
三二 敏文
敏文 三二
寺地 信治
信治 寺地
雄亮 星野
雄亮 星野
康之 大道
康之 大道
浩身 大沼
浩身 大沼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP2015250726A priority Critical patent/JP6815726B2/ja
Publication of JP2017115946A publication Critical patent/JP2017115946A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6815726B2 publication Critical patent/JP6815726B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Domestic Plumbing Installations (AREA)
  • Supports For Pipes And Cables (AREA)

Description

この発明は、配管構造に関するものである。
多階建ての建物の内部に、各階層を貫通して上下に延びる縦配管を設けることが行われている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−283814号公報
このような縦配管に温水などを流した場合、縦配管は温水の熱によって熱伸長することになる。そして、この熱伸長による縦配管の変位が大きくなると、配管構造自体がダメージを受ける可能性があり、縦配管が水圧に耐えられなくなるおそれがある。
そこで、縦配管に伸縮継手を設けて熱伸長による変位を抑制させることが考えられるが、伸縮継手のみによって熱伸長による変位に対応させるようにすると、配管構造の全体が複雑化すると共に配管構造にかかるコストが増大する。よって、熱伸長による変位の抑制と、コストの低減とは、二律背反の関係にあり、両者を同時に解決することが困難になっている。
そこで、本発明は、上記した問題点を解決することを、主な目的としている。
上記課題を解決するために、本発明は、
多階建ての建物の内部で、各階層を貫通して上下に延びる縦配管と、
該縦配管から各階層ごとに横方向へ延びる横配管とを有する配管構造において、
前記縦配管が、第一の固定部によって上層階側の位置で建物の床スラブの上面に固定されると共に、第二の固定部によって下層階側の位置で建物の床スラブの上面に固定され、
前記縦配管が、
前記第一の固定部よりも上側に位置する第一の領域と、
前記第二の固定部よりも下側に位置する第二の領域と、
前記第一の固定部と第二の固定部の間に位置する第三の領域と、に分けられ、
前記縦配管に、第一の拡径部および第二の拡径部が設けられると共に、
前記縦配管は、前記第一の固定部および第二の固定部に対し、前記第一の拡径部および第二の拡径部によって、係止固定され
前記建物の全階層を3等分したときに、
上側の3分点よりも上側の階層に前記第一の固定部が設けられ、
下側の3分点よりも下側の階層に前記第二の固定部が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、上記構成によって、コストをかけずに熱伸長に対する配管構造の保護を行わせることができるようになる。
本実施例にかかる配管構造を備えた建物の全体構成を示す側面図である。 図1の縦配管の床スラブ貫通部分の拡大図である。 図1の下層階側における縦配管および横配管の状態を示す拡大側面図である。 図3の固定部を示す拡大側面図である。 図4の固定部の斜視図である。 図5の固定部の平面図である。 本実施例の作動を示す図1の概略図である。このうち、(a)は熱伸長前の状態、(b)は熱伸長後の状態である。 図7の変形例を示す図である。このうち、(a)は熱伸長前の状態、(b)は熱伸長後の状態である。
以下、本実施の形態を、図面を用いて詳細に説明する。
図1〜図8は、この実施の形態を説明するためのものである。
<構成>以下、構成について説明する。
図1は、多階建ての建物1を示している。この多階建ての建物1の内部に、以下のような配管構造2を設ける。
この配管構造2は、
多階建ての建物1の内部で、各階層を貫通して上下に延びる縦配管3と、
この縦配管3から各階層ごとに横方向へ延びる横配管4とを有するものとされる。
ここで、多階建ての建物1は、少なくとも3階建て以上の建物1とされる。この場合、多階建ての建物1は、1階(1F)から10階(10F)までの10の階層を持つものとされているが、建物1の階層は、これに限るものではなく、10階より高くても良いし、または、低くても良い。また、地下階を含んでも良い。この建物1は、鉄筋コンクリート製のものとされており、各階層の間は、鉄筋コンクリート製の床スラブ11(階層間隔壁となるスラブまたは床面)によって、それぞれ仕切られている。
上記した配管構造2は、例えば、建物1の内部に温水を供給するための給湯配管を構成するものなどとされる。
縦配管3は、図2に示すように、床スラブ11に形成された貫通孔部12を通すようにして設置される。縦配管3における貫通孔部12の貫通部分には、熱膨張性の耐火材13が巻装されると共に、その上からモルタル14で埋め戻される。
縦配管3には、鋼管よりも熱伸長量の大きな樹脂管が用いられている。この樹脂管には、例えば、ポリエチレン管、ポリブテン管、ポリプロピレン管、塩化ビニル管、架橋ポリエチレン管、ポリプロピレン複合管、ポリエチレン複合管などを使用することができる。なお、縦配管3は、必ずしも全体が樹脂管でなくても良く、縦配管3の一部や継手を鋼管としても良い。
これらのうち、ポリプロピレン複合管や、ポリエチレン複合管は、例えば、内側から順に、少なくとも、温水を通すための第一の樹脂層、熱伸縮を抑えるための繊維強化層、後述する電気熱融着継手45(図3参照)と融着するための第二の樹脂層、を積層した多層構造のもの(多層管)などとすることができる。第一、第二の樹脂層と、繊維強化層に用いられる樹脂とは、同一の樹脂材料を含むことが好ましい。繊維強化層には、ガラス繊維や炭素繊維等、または、ワラストナイト等の無機繊維などの繊維を含有させたポリエチレンやポリプロピレン等の樹脂を用いることができる。ポリエチレンやポリプロピレンの線膨張係数は10×10−5/℃以上で熱伸長量が大きいため、繊維強化層の厚さや繊維添加量としては、多層管の線膨張係数が10×10−5/℃以下、より好ましくは5×10−5/℃以下となるように調整することが好ましい。多層管の線膨張係数を上記の値とすることで熱伸縮を小さくすることができる。
更に、第二の樹脂層の外側に、接着層を介して、酸素バリア層を設けることができる。接着層は、第二の樹脂層と酸素バリア層とを接着するために設けられる。酸素バリア層は、配管構造2に対して接続される金属部品、例えば、空調機の内部配管などの錆びを防止するために設けられる。酸素バリア層には、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)樹脂やアルミニウムなどを用いることができる。なお、酸素バリア層は第二の樹脂層の外側に限るものではなく、第一の樹脂層の内側や、第一の樹脂層と繊維強化層の間や、繊維強化層と第二の樹脂層の間などに設けることができる。
横配管4は、この場合、図3に示すように、各階層における床スラブ11の下面側(即ち、下階の天井部分)に沿って配設されると共に、吊具15を用いて床スラブ11から吊り下げ支持される。横配管4には、縦配管3と同じ管部材(鋼管や樹脂管)を用いることができる。
縦配管3に対する横配管4の接続部には、チーズなどの分岐継手が用いられる。
なお、縦配管3と横配管4の外側には、必要に応じて断熱材16が取付けられる。この断熱材16は、縦配管3における貫通孔部12の貫通部分に対して設けることもできる(図4参照)。この断熱材16については後述する。
また、図1に示すように、縦配管3の下端部には、エルボ状の継手部材17を介して横管部18が接続されている。この横管部18も、各階層の横配管4と同様の吊具15(図7参照)を用いて1階の床スラブ11の下面側から吊り下げ支持されている(図1または図7参照)。
そして、以上のような基本的または全体的な構成に対し、この実施例の配管構造2では、以下のような構成を備えている。
(1)縦配管3が、図5、図6に示すような第一の固定部21によって上層階側の位置22(図1参照)で建物1に固定されると共に、第二の固定部23(図5、図6参照)によって下層階側の位置24(図1参照)で建物1に固定されるようにする。
これによって、図7(または図8)に示すように、縦配管3が、第一の固定部21よりも上側に位置する第一の領域(A領域)と、第二の固定部23よりも下側に位置する第二の領域(B領域)と、第一の固定部21と第二の固定部23の間に位置する第三の領域(C領域)と、に分けられるようにする。
ここで、縦配管3は、第一の領域(A領域)が熱伸長によって上方へ伸び、第二の領域(B領域)が熱伸長によって下方へ伸び、第三の領域(C領域)が熱伸長によって上下方向の中間部へ向かって伸びるものとなる。そして、上層階側の位置22および下層階側の位置24は、大きく分けて、建物1の真中の階(中間階層)よりも上側および下側の階層のことである。この場合には、建物1は10階建てとなっているので、5階が真中の階となる。そこで、例えば、5階よりも上側の階層に第一の固定部21を設置すると共に、5階よりも下側の階層に第二の固定部23を設置するようにする。
または、上層階側の位置22および下層階側の位置24は、建物1の全階層を3等分した時の、上側の3分点よりも上側の階層、および、下側の3分点よりも下側の階層とすることができる。この場合には、6階と7階との間が上側の3分点となり、3階と4階との間が下側の3分点となる。そこで、この場合には、例えば、7階よりも上側の階層に第一の固定部21を設置すると共に、3階よりも下側の階層に第二の固定部23を設置するようにする。
更には、上層階側の位置22および下層階側の位置24は、建物1の上から12m程度までの範囲22a内の位置(およそ3階〜4階分)、および、最下階の位置とするのが最も好ましいと考えられる。これは、建物1の最下階にはポンプなどの冷温水式空調設備が設置されていることが多く、これらの設備付近において縦配管3の熱伸長量が大きいと、縦配管3と冷温水式空調設備との接続部分にかかる負荷が大きくなるためである。また、これは建物1の高さに拘わらない決め方としても有効なものである。この場合には、8階よりも上側の階層に第一の固定部21を設置すると共に、1階に第二の固定部23を設置している。このように、上層階側の位置22を建物1の上から12m程度までの範囲22a内にしたのは、想定される温水の温度に対する樹脂管の上方への伸び量が過大にならないように規制するためである。また、下層階側の位置24を最下階の位置としたのは、横管部18の撓みを許容範囲内に制限するためである。
なお、縦配管3が樹脂管の場合、複数の第一の固定部21(又は複数の第二の固定部23)を同じ階に設置することが構造的に可能になる。即ち、従来の配管用炭素鋼管などの鋼管は、以下のように、樹脂管に比べて熱荷重が著しく大きくなるため、鋼管を使用する縦配管3の場合、スラブ11の厚さによっては、熱荷重を受ける固定部を同じ階層に設置することができなかった。一方、この実施例のように、縦配管3として樹脂管を使用することで同じ階層に複数の第一の固定部21を設置することが可能になる。そして、複数の第一の固定部21の設置を同じ階で行うことができるため、施工性を向上させることが可能となる。
<熱荷重について>
熱荷重は下記式(1)により求めることができる。
F=A×Δt×Et×B・・・(1)
(F:熱荷重(kN)、A:線膨張係数、Δt:温度差(℃)、Et:管のヤング率(N/mm)、B:管の断面積(mm))
<温度差25℃、断面積(呼び径)50における管の熱荷重>
・多層管
式(1)より、内層から順に、ポリエチレン層、ガラス繊維層、ポリエチレン層、接着層、酸素バリア層を積層した呼び径50の多層管(外径:60.0mm、内径:48.2mm、A:5×10−5/℃、Δt:25(℃)、Et:823(N/mm)、B:1002(mm))の熱荷重Fは、1031(kN)となる。
・鋼管
式(1)より、呼び径50の配管用炭素鋼管(JIS G 3452)(外径:60.5mm、内径:53.5mm、A:1.1×10−5/℃、Δt:25(℃)、Et:210000(N/mm)、B:626(mm))の熱荷重Fは36209(kN)となる。
そして、第一の固定部21および第二の固定部23には、例えば、図4〜図6(主に、図5参照)に示すようなものが用いられる。この第一の固定部21および第二の固定部23は金属製のものとされる。第一の固定部21および第二の固定部23は、中間部に縦配管3の外径とほぼ等しい内径の半円形状をした凹部を有する2枚の金属バンド部材25を備えており、この2枚の金属バンド部材25を、凹部が向かい合うように重ね合わせてその両端部どうしを一体に固定することで、縦配管3の外周に取付け可能な環状の管保持部26と、この管保持部26から径方向へ延びる連結部27と、この連結部27どうしを連結固定可能なボルトナットなどの締結具(固定具28)とを有するクランプ部材とされている。なお、上記した管保持部26の内周面には、縦配管3の外周面に傷などを付けないようにするために、ゴム製の保護部材などを介在させるようにする。
更に、上記した第一の固定部21および第二の固定部23における連結部27の位置には、床スラブ11(の上面)に対してアンカーボルト31(図4参照)などで固定可能な所要長さの脚部32が取付けられる。この脚部32は、第一の固定部21および第二の固定部23の両端部(連結部27)に対してそれぞれ左右一対取付けられている(固定具28によって連結部27に共締めされている)。この場合、脚部32は、後述する電気熱融着継手45よりも長いものとされて、貫通孔部12を跨ぐようにハ字状に開いた状態で取付けられている。なお、脚部32と床スラブ11との間には、断熱材33(図4参照)などを介在させるようにするのが好ましい。
上記により、縦配管3には、上記した2個の第一の固定部21および第二の固定部23が取付けられることになる。または、縦配管3は、2個の第一の固定部21および第二の固定部23で、建物1に上下方向に固定される。
(2)上記縦配管3に拡径部41が設けられるようにする。
そして、上記縦配管3は、上記拡径部41を介して位置規制されるようにする。
より具体的には、上記縦配管3の二箇所の位置に部分的な拡径部41が設けられるようにする。
そして、上記第一の固定部21および第二の固定部23が、上記各拡径部41によって縦配管3にそれぞれ係止固定されるようにする。
ここで、拡径部41は、文字通り、縦配管3の径を部分的に拡大したようなものである。拡径部41は、縦配管3に対して一体に設けられる。拡径部41は、第一の固定部21および第二の固定部23の設置位置に対してそれぞれ別個に設けられる。拡径部41は、縦配管3の熱伸長に拘らず、縦配管3の上下方向の位置を固定するための位置基準となるものである。また、拡径部41は、縦配管3の左右方向の位置を固定するためにも使用できる。なお、「固定」とは、縦配管3の加重を支えることが可能な固定部21,23によって固定することを言い、縦配管3が傾斜しないように支持する部材などを最上階および最下階に設けても良い。
この場合、拡径部41には、例えば、電気熱融着機構を備えた継手(電気熱融着継手45)を使用することができる。この電気熱融着継手45は、電気熱融着継手45を構成する樹脂を熱で軟化・溶融させて樹脂製の配管(縦配管3)と融着(または組織が融合した状態で固定)させるようにしたものである。電気熱融着継手45は、融着される配管と同じ樹脂で構成された筒状の継手本体の内面近傍に埋設された加熱コイル46を有すると共に、外面に上記加熱コイル46へ電力を供給するためのターミナル部47を有するものとされる。
電気熱融着継手45は、縦配管3へ外嵌した状態でターミナル部47に通電して加熱コイル46を加熱させることで、予め表面(の酸素バリア層および接着層)を切削しておいた縦配管3(の第二の樹脂層)と熱融着して一体化される。そして、この電気熱融着継手45により、拡径部41は、両端部に縦配管3に対する段差部48を有するものとなる。第一の固定部21および第二の固定部23は、この段差部48を利用して係止固定される。
この実施例の場合、上下一対の電気熱融着継手45を用いて第一の固定部21および第二の固定部23をそれぞれ上下から挟着させるようにしている。但し、電気熱融着継手45の設置の仕方は上記に限るものではなく、第一の固定部21および第二の固定部23の上側または下側の一方にのみ設けるようにすることもできる。この場合には、2つの電気熱融着継手45によって第一の固定部21および第二の固定部23を全体として位置固定できるように、2つの電気熱融着継手45は第一の固定部21および第二の固定部23に対して上下逆となる位置に取付けるようにする。
なお、床スラブ11の貫通孔部12は、電気熱融着継手45が通る大きさにするのが好ましい。
(3)図3に示すように、上記横配管4が、上記縦配管3に対し、オフセット部51を介して上下方向にオフセットされた状態で接続されるようにする。
ここで、「オフセット」とは、横配管4などにおいて継手部材などを用いて異なる軸を構成するように接続することで、縦配管3が変位した場合でも、横配管4で当該変位を所定程度まで吸収することができるようにした構成のことをいう。オフセット部51は、例えば、2個のエルボ型継手55をクランク形状に組み合わせたものなどとすることができる。このオフセット部51は、少なくとも第一の固定部21よりも上側の階層および第二の固定部23よりも下側の階層の横配管4と縦配管3との接続部(固定部)に対して設けるようにするが、全ての階層の横配管4に対して設けるようにしても良い。この場合、オフセット部51は、横配管4を上方へオフセットさせる形状のものとされている。
なお、必要な場合には、図8に示すように、縦配管3における第一の固定部21と第二の固定部23との間の位置に対して、伸縮継手56などを設けるようにしても良い。伸縮継手56は、例えば、C領域全体としての中間部の位置に1箇所のみ設けるようにしても良いし、または、C領域内の各階層の位置に1箇所ずつ設けるようにしても良いし、または、C領域内の適宜位置に適数設けるようにしても良い。
また、この場合、伸縮継手56は、金属製のものとしても良い。上述のように本実施例の配管構造2は、その多くの部分を酸素バリア層によって被覆されてはいるが、水中に含まれる酸素や長期間の使用において侵入する酸素を完全に排除することは本来的に不可能である。また、従来金属製の鋼管であった縦配管3を樹脂管としたことにより、鋼管に吸着される残留酸素が、ボイラーやポンプなどの空調設備の金属製の部分に集中して、劣化し易くなる虞れがある。従って、上記の構成とすることで、酸素がシステム内に侵入した場合であっても、当該金属製の伸縮継手56を用いることで、冷温水に含まれる残留酸素を多少なりとも集約吸着することができる。また、金属製の伸縮継手56は、交換が容易な点でもメリットがある。さらに、伸縮継手56のサビ状況などを観察することによって、容易且つ確実に配管構造2全体の保守点検時期を把握し、保守点検に役立てることが可能である。
(4)また、少なくとも、図2に示すように、固定部21,23に近接する(または固定部21,23が設置されている)スラブ11(床面)に対して加熱膨張型の耐火材13(例えば、登録商標「フィブロック」など)が用いられる。更に、図4に示すように、固定部21,23に近接する(または固定部21,23が設置されている)スラブ11(床面)に対して通常のまたは加熱膨張型の断熱材16を設けるようにしても良い。
<作用>以下、この実施例の作用について説明する。
この実施例の配管構造2では、縦配管3に温水を流すことで、横配管4を介して建物1の各階層に温水を行き渡らせることができる。
この際、温水を流すことによって、縦配管3や横配管4は熱伸長される。
なお、このような配管構造2は、建物1の給湯設備や冷温水式空調設備などに使用することができる。
<効果>この実施例によれば、以下のような効果を得ることができる。
(作用効果1)縦配管3を、第一の固定部21によって上層階側の位置22で建物1に固定すると共に、第二の固定部23によって下層階側の位置24で建物1に固定した。これにより、図7に示すように、縦配管3を3つの領域(A領域,B領域,C領域)に分けて、各領域(A領域,B領域,C領域)で、縦配管3の熱伸長の方向を異ならせることができる。
即ち、第一の領域(A領域)では第一の固定部21よりも上側の部分が上方へ自由に伸び、第二の領域(B領域)では第二の固定部23よりも下側の部分が下方へ自由に伸びると共に、第三の領域(C領域)では第一の固定部21と第二の固定部23の間の部分が縦配管3の上下方向の中間部分へ向かって伸びるようになる。
そして、縦配管3を、この実施例のように固定していない通常の場合には、縦配管3は、全体として一方向(例えば、上方)へ熱伸長することになるため、その伸び方向に対する伸び量が大きくなるが、この実施例のように固定することで、各伸び方向に対する伸び量を、縦配管3全体が一方向に熱伸長する場合と比べてそれぞれ小さく抑えることができる。よって、熱伸長に対して縦配管3を有効に保護することができるようになる。
この際、縦配管3の上側および下側については、第一の領域(A領域)および第二の領域(B領域)を余り長くしないようにすることで、上側および下側への伸び量が小さく抑えられるので、縦配管3の上端部や下端部を容易且つ確実に保護することができる。
また、縦配管3の中間部の第三の領域(C領域)では、縦配管3は、第一の固定部21と第二の固定部23との中間部分へ向かって伸びることになるが、縦配管3を樹脂管とすることにより、図7(b)に示すように、縦配管3の中間部が横へ撓むようになるので、縦配管3の横への撓みを利用して伸びの影響を吸収することができる。
または、縦配管3の熱伸長の影響を、第三の領域(C領域)で集中的に吸収させるような対策を取っても良い。例えば、図8(b)に示すように、縦配管3の中間部に適宜、伸縮継手56を設けるようにする。これにより、伸縮継手56の伸縮動によって伸びを直接吸収させることが可能となり、縦配管3を横へ大きく撓ませなくても済むようになる。または、伸縮継手56の伸縮動と縦配管3の横への撓みとの相乗効果によって、縦配管3の伸びに対する吸収量を大きくすることができる。
なお、この実施例では、縦配管3の中間部の伸びは、縦配管3全体が一方向に熱伸長する場合と比べて小さくなっているので、伸縮継手56を取付ける場合でも、伸縮継手56の取付け数が少なくて済み、構造の簡略化を図ることができる。
以上により、コストをかけずに縦配管3の熱伸長に対する配管構造2の保護を行うことが可能になる。
(作用効果2)縦配管3を、縦配管3に設けられた拡径部41を介して位置規制させるようにした。具体的には、第一の固定部21および第二の固定部23を、縦配管3に部分的に設けられた2つの拡径部41(の段差部48)に対してそれぞれ係止固定させるようにした。これにより、第一の固定部21および第二の固定部23と縦配管3との間に(管軸方向の)位置ズレが生じなくなるため、縦配管3を拡径部41の位置で建物1に対して上下方向(および左右方向)に完全且つ確実に位置固定することが可能となる。よって、繰り返しの熱伸縮によって建物1に対する縦配管3の全体位置が徐々にズレて行き、縦配管3が建物1内に収まらなくなってしまうような不具合をなくすことができる。
(作用効果3)縦配管3に対して横配管4をオフセット部51を介して接続した。これにより、縦配管3の熱伸長の影響を、図7(b)、図8(b)に示すような、オフセット部51の変形で吸収して、横配管4に伝わり難くすることができる。これらの場合、第一の領域(A領域)の横配管4に対するオフセット部51や、第二の領域(B領域)の横管部18が主に変形されることで、縦配管3の熱伸長の影響を吸収している。このようなオフセット部51は、通常のエルボ型継手55などを複数組み合わせることで作成できるので、特にコストをかけることなく簡単に設置することができる。
(作用効果4)また、少なくとも、固定部21,23に近接する(または固定部21,23が設置されている)スラブ11(床面)に対して加熱膨張型の耐火材13(例えば、登録商標「フィブロック」など)を用いた。更に、固定部21,23に近接する(または固定部21,23が設置されている)スラブ11(床面)に対して通常のまたは加熱膨張型の断熱材16を設けるようにしても良い。上述のように、本実施例の配管構造2は、固定部21,23から離れる程変位量が大きくなるという特性を有することから、長期使用において変位量が小さい固定部21,23に近接したスラブ11に対して加熱膨張型の耐火材13や、通常のまたは加熱膨張型の断熱材16などの部材を別途用いることによって、防火に対する長期信頼性の高いシステムも併せて実現することができる。
以上、この発明の実施の形態を図面により詳述してきたが、実施の形態はこの発明の例示にしか過ぎないものである。よって、この発明は実施の形態の構成にのみ限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれることは勿論である。また、例えば、各実施の形態に複数の構成が含まれている場合には、特に記載がなくとも、これらの構成の可能な組合せが含まれることは勿論である。また、実施の形態に複数の実施例や変形例がこの発明のものとして開示されている場合には、特に記載がなくとも、これらに跨がった構成の組合せのうちの可能なものが含まれることは勿論である。また、図面に描かれている構成については、特に記載がなくとも、含まれることは勿論である。更に、「等」の用語がある場合には、同等のものを含むという意味で用いられている。また、「ほぼ」「約」「程度」などの用語がある場合には、常識的に認められる範囲や精度のものを含むという意味で用いられている。
1 建物
2 配管構造
3 縦配管
4 横配管
13 加熱膨張型の耐火材
16 (加熱膨張型の)断熱材
21 第一の固定部
22 上層階側の位置
23 第二の固定部
24 下層階側の位置
41 拡径部
51 オフセット部
A 第一の領域
B 第二の領域
C 第三の領域

Claims (4)

  1. 多階建ての建物の内部で、各階層を貫通して上下に延びる縦配管と、
    該縦配管から各階層ごとに横方向へ延びる横配管とを有する配管構造において、
    前記縦配管が、第一の固定部によって上層階側の位置で建物の床スラブの上面に固定されると共に、第二の固定部によって下層階側の位置で建物の床スラブの上面に固定され、
    前記縦配管が、
    前記第一の固定部よりも上側に位置する第一の領域と、
    前記第二の固定部よりも下側に位置する第二の領域と、
    前記第一の固定部と第二の固定部の間に位置する第三の領域と、に分けられ、
    前記縦配管に、第一の拡径部および第二の拡径部が設けられると共に、
    前記縦配管は、前記第一の固定部および第二の固定部に対し、前記第一の拡径部および第二の拡径部によって、係止固定され
    前記建物の全階層を3等分したときに、
    上側の3分点よりも上側の階層に前記第一の固定部が設けられ、
    下側の3分点よりも下側の階層に前記第二の固定部が設けられていることを特徴とする配管構造。
  2. 多階建ての建物の内部で、各階層を貫通して上下に延びる縦配管と、
    該縦配管から各階層ごとに横方向へ延びる横配管とを有する配管構造において、
    前記縦配管が、第一の固定部によって上層階側の位置で建物の床スラブの上面に固定されると共に、第二の固定部によって下層階側の位置で建物の床スラブの上面に固定され、
    前記縦配管が、
    前記第一の固定部よりも上側に位置する第一の領域と、
    前記第二の固定部よりも下側に位置する第二の領域と、
    前記第一の固定部と第二の固定部の間に位置する第三の領域と、に分けられ、
    前記縦配管に、第一の拡径部および第二の拡径部が設けられると共に、
    前記縦配管は、前記第一の固定部および第二の固定部に対し、前記第一の拡径部および第二の拡径部によって、係止固定され、
    前記縦配管は、
    前記第一の固定部によって上層階側の一箇所のみが建物の床スラブに固定され、かつ、
    前記第二の固定部によって下層階側の一箇所のみが建物の床スラブに固定されていることを特徴とする配管構造。
  3. 請求項1又は請求項に記載の配管構造において、
    前記横配管が、前記縦配管に対し、オフセット部を介して上下方向にオフセットされた状態で接続されていることを特徴とする配管構造。
  4. 請求項1ないし請求項のいずれか一項に記載の配管構造において、
    少なくとも、前記固定部に近接するスラブに対して、加熱膨張型の耐火材が用いられていることを特徴とする配管構造。
JP2015250726A 2015-12-23 2015-12-23 配管構造 Active JP6815726B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015250726A JP6815726B2 (ja) 2015-12-23 2015-12-23 配管構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015250726A JP6815726B2 (ja) 2015-12-23 2015-12-23 配管構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017115946A JP2017115946A (ja) 2017-06-29
JP6815726B2 true JP6815726B2 (ja) 2021-01-20

Family

ID=59231536

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015250726A Active JP6815726B2 (ja) 2015-12-23 2015-12-23 配管構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6815726B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7462381B2 (ja) * 2019-03-07 2024-04-05 大和ハウス工業株式会社 管部材保持具および管部材配置構造

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5586192U (ja) * 1978-12-12 1980-06-13
JPS5838218Y2 (ja) * 1980-12-17 1983-08-29 日本発条株式会社 立配管用断熱支持構造
JP2814223B2 (ja) * 1996-06-11 1998-10-22 大光空調株式会社 空調用縦連結の座屈防止支持配管
JP4960610B2 (ja) * 2004-09-10 2012-06-27 積水化学工業株式会社 分岐部付き継手一体型配管材、該分岐部付き継手一体型配管材を用いた配管方法及び該分岐部付き継手一体型配管材を用いた配管システム
KR200426254Y1 (ko) * 2006-04-17 2006-09-18 주식회사 영진공영 배관용 파이프 고정틀
JP5679761B2 (ja) * 2010-10-19 2015-03-04 積水化学工業株式会社 配管の支持固定構造
JP2014152816A (ja) * 2013-02-06 2014-08-25 Kubota-C. I Co Ltd 撓み防止部材およびそれを用いた屋内配管の撓み防止方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017115946A (ja) 2017-06-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2327453B1 (en) Passive fire resistant system for filling a space or gap confined by construction elements
US7997541B2 (en) Systems and methods for supporting a pipe
KR101751963B1 (ko) 압축력에 견디는 턴버클을 이용한 배관용 내진 지지대
US7581362B2 (en) Conduit with adjustable length and fire collar
US6691742B1 (en) Method and apparatus for supporting a pipe
US11465002B2 (en) Systems and methods for fireproofing cables and other structural members
JP6918438B2 (ja) 配管支持構造
JP4960610B2 (ja) 分岐部付き継手一体型配管材、該分岐部付き継手一体型配管材を用いた配管方法及び該分岐部付き継手一体型配管材を用いた配管システム
US10751968B2 (en) Cylindrical thermal protection sheath
JP6815726B2 (ja) 配管構造
JP6622585B2 (ja) 配管構造
JP6698336B2 (ja) 配管構造
CN113883352B (zh) 一种预制保温双层弯管
US10738931B2 (en) Encasement for heat transfer fluid (HTF) conduits
KR101256888B1 (ko) 건축용 배관의 익스펜션 조인트
KR102104180B1 (ko) 내화충전재 장착장치
JP5656665B2 (ja) トンネル消火配管構造、トンネル消火配管の分岐構造、トンネル消火配管の断熱構造、およびトンネル消火配管の強度低下防止方法
JP4641118B2 (ja) 伸縮継手付耐火二層管
JP6733025B1 (ja) 滑り免震装置の耐火構造
Boldt et al. Managing pipe expansion in shafts
JP6876380B2 (ja) 配管連結構造
JP2008241120A (ja) フレキシブルダクトの蛇行抑制・防止機構を備えた空調システム、及びフレキシブルダクトの蛇行抑制・防止工法
JP6188529B2 (ja) ポリエチレン管の耐震構造
KR20200036699A (ko) 입상배관 고정용 고정틀
JP5477171B2 (ja) パネルラジエータ及びその設置構造

Legal Events

Date Code Title Description
A80 Written request to apply exceptions to lack of novelty of invention

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A80

Effective date: 20160121

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180709

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190513

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190521

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190712

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191203

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20200129

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200316

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20200804

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201019

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20201019

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20201030

C21 Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21

Effective date: 20201110

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201201

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20201223

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6815726

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250