JP6313118B2 - IgE抑制剤 - Google Patents

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Description

本発明は、IgE抑制剤に関する。
プレドニゾロン等のステロイドやマクロライド系免疫抑制剤であるタクロリムスは、強力な抗炎症作用を有し、アレルギー性疾患や自己免疫疾患に適用される。その反面、ステロイドやタクロリムスを長期に使用したり、大量に使用したりすると、感染症、糖尿病、高血圧等の重大な副作用を引き起こすことがある。
近年、副作用が少ない化合物が、抗炎症作用を有することが示されている。
例えば、引用文献1には、ニゲロオリゴ糖がIL−6及びTNF−αの産生量を低下させたことが示されている。
また、引用文献2には、ネオヘスペリドースとその誘導体が、III型アレルギーを抑制したことが示されている。
特開2012−254995号公報 特開平7−109286号公報
しかしながら、特許文献1,2に示す化合物は、依然として充分な薬効を有しているとはいえない。
そこで、本発明は、副作用がより少なく、炎症を充分に抑えることを目的とする。
本発明者等は、副作用がより少なく、薬効が高い抗炎症薬を鋭意検討した結果、単糖と多糖との組合せがIgEを抑制する薬理作用を有することを見出した。本発明者等は、この薬理作用により、単糖と多糖との組合せが、炎症のみならず、IgEが上昇する疾患及び症状に対して薬理学的に有用であると考え、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[3]の態様を有する。
[1]有効成分として、単糖と多糖とを併有するIgE抑制剤。
[2]有効成分として単糖を含有し、有効成分としての多糖と組合せて用いられることを特徴とするIgE抑制剤。
[3]有効成分として多糖を含有し、有効成分としての単糖と組合せて用いられることを特徴とするIgE抑制剤。
本発明によれば、副作用がより少なく、IgEの産生を抑制することができる。
実施例1における、マウスの耳介部の肥厚の評価結果を示すグラフである。 実施例1における、マウスの耳介部の症状スコアの評価結果を示すグラフである。 実施例1における、マウスの血清IgEの抗体価を示すグラフである。 製造例1の軟膏剤による血清IgE抗体価の抑制効果を示すグラフである。 製造例1の軟膏剤の使用期間と血清IgE抗体価の抑制効果との関係を示すグラフである。 製造例1の軟膏剤を含むチューブの使用本数と血清IgE抗体価の抑制効果との関係を示すグラフである。
本発明のIgE抑制剤は、有効成分として、単糖と多糖とを併有する。IgE抑制剤とは、血清IgEの抗体価を抑制できる剤のことである。
IgE抑制剤は、有効成分として単糖を含有し、有効成分としての多糖と組合せて用いられることを特徴とするものであってもよく、有効成分として多糖を含有し、有効成分としての単糖と組合せて用いられることを特徴とするものであってもよい。
単糖とは、加水分解によってそれ以上簡単な分子にならない糖のことであり、後述する多糖の構成単位である。単糖は、食品添加物として用いられており、副作用が少ない。
単糖は、ケトースであってもよく、アルドースであってもよい。単糖において、糖を構成する炭素数は特に限定されず、例えば、三炭糖、四炭糖、五炭糖、六炭糖、七炭糖等が挙げられる。単糖は、天然に存在するものでもよく、人工的に作られたものであってもよい。単糖は、公知の単糖において置換基を適宜改変した誘導体であってもよい。IgE抑制剤において、単糖は、直鎖状で存在していてもよく、環状で存在していてもよい。単糖は、糖アルコール、配糖体(グリコシド)、アミノ糖、チオ糖、ウロン酸、デオキシ糖等の誘導体が包含される。誘導体において、置換基は、他の有効成分や医薬品添加物等の薬理学的に許容される化合物であってもよい。
具体的な単糖としては、グリセルアルデヒド、ジヒドロキシアセトン等の三炭糖、エリトロース、トレオース、エルトルロース、トレイトール等の四炭糖、リボース、リキソース、キシロース、キシルロース、アラビノース、リブロース、アラビトール、等の五炭糖、グルコース、マンノース、アロース、アルトロース、タロース、ガラクトース、イドース、グロース、フルクトース、プシコース、タガトース、ソルボース、グルシトール、マンニトール、アルトリトール、イディトール、グルコサミン等の六炭糖、セドヘプツロース等の七炭糖が挙げられる。中でも、多糖との組合せにより優れた薬効を奏する点から、単糖は、五炭糖及び六炭糖であることが好ましく、グルコースであることがより好ましい。
単糖は、IgE抑制剤中に、1種のみを含んでいてもよく、2種以上の組合せで含んでいてもよい。
IgE抑制剤中の単糖の濃度は、IgE抑制剤の剤形、投与経路、適用疾患等により適宜決定される。経口投与であれば、5〜25質量%が好ましく、15〜20質量%がより好ましい。経皮投与であれば、5〜25質量%が好ましく、15〜20質量%がより好ましい。注射剤であれば、5〜25質量%が好ましく、15〜20質量%がより好ましい。前記下限値以上であれば、単糖が充分に存在するため、多糖との組合せによって、より良好なIgE抑制作用が示される。前記上限値以下であれば、単糖が結晶化せず多糖と共に剤中に均一に分散するため、より良好なIgE抑制作用が示される。
単糖の1日当たりの投与量は、年齢、剤形、投与経路等により適宜決定される。例えば、成人に全身投与する場合、単糖の1日当たりの投与量は60〜100gである。小児に全身投与する場合、単糖の1日当たりの投与量は30〜50gである。成人に局所投与する場合、単糖の1日当たりの投与量は10〜50gである。小児に局所投与する場合、単糖の1日当たりの投与量は5〜25gである。
多糖とは、上述の単糖をグリコシド結合によって2以上重合した糖のことである。グリコシド結合は、α−グリコシド結合であってもよく、β−グリコシド結合であってもよく、これら以外のグリコシド結合であってもよい。多糖は、単糖と同様に、食品添加物として用いられており、副作用が少ない。
多糖において、構成単位である単糖の種類は、1種でもよく、2種以上の組合せでもよい。多糖の化学構造は、直鎖状のみでもよく、分岐鎖を含んでいてもよく、環状構造を含んでいてもよい。
多糖の分子量は、特に限定されない。すなわち、多糖は、二糖、三糖、四糖等の2〜10程度の単糖が重合したオリゴ糖、及び11以上の単糖が重合した糖を包含する。多糖の分子量は、10000〜400000が好ましく、20000〜400000がより好ましい。
具体的なオリゴ糖としては、スクロース、ラクトース、マルトース、トレハロース、トレハルロース、ツラノース、セロビオース、マルチトース、スクラロース、パラチノース、ラクチュロース等の二糖類、ラフィノース 、メレジトース、マルトトリオース、パノース、1−ケストース、ラクトスクロース、ダイフラクトースアンハイドライド等の三糖類、アカルボース、スタキオース、ニストース、環状ニゲロシルニゲロース等の四糖類等の他、単糖が5以上重合したマルトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ガラクトトリゴ糖、キシロオリゴ糖、キチンオリゴ糖、キトサンオリゴ糖、グルコシルスクロース、ゲンチオオリゴ糖、シクロデキストリン、大豆オリゴ糖、ニゲロオリゴ糖、マルトオリゴ糖、コーヒー豆マンノオリゴ糖等が挙げられる。11以上の単糖が重合した糖としては、デキストラン、プルラン、セルロース、キチン、デンプン、グリコーゲン、アガロース、ペクチン、カラギーナン、ヘパリン、キシログルカン、デキストリン、フルクタン、イヌリン、及びグルコマンナンの他、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸及びケラタン硫酸等のグルコサミノグリカン等が挙げられる。中でも、単糖との組合せにより優れた薬効を示す点から、多糖は、11以上の単糖が重合した糖であることが好ましく、デキストラン、プルラン、セルロースがより好ましく、デキストラン及びプルランのうちいずれか一方又は両方がさらに好ましい。
多糖は、IgE抑制剤中に、1種のみを含んでいてもよく、2種以上の組合せで含んでいていてもよい。
IgE抑制剤中の多糖の濃度は、IgE抑制剤の剤形、投与経路、適用疾患等により適宜決定される。経口投与であれば、10〜25質量%が好ましく、15〜20質量%がより好ましい。経皮投与であれば、10〜25質量%が好ましく、15〜20質量%がより好ましい。注射剤であれば、5〜25質量%が好ましく、15〜20質量%がより好ましい。前記下限値以上であれば、多糖が充分に存在するため、単糖との組合せによって、より良好なIgE抑制作用が示される。前記上限値以下であれば、多糖が結晶化せず多糖と共に剤中に均一に分散するため、より良好なIgE抑制作用が示される。
多糖の1日当たりの投与量は、剤形、投与経路、年齢等により適宜決定される。例えば、成人に全身投与する場合、多糖の1日当たりの投与量は20〜40gである。小児に全身投与する場合、多糖の1日当たりの投与量は10〜20gである。成人に局所投与する場合、多糖の1日当たりの投与量は5〜25gである。小児に局所投与する場合、多糖の1日当たりの投与量は2〜12.5mgである。
単糖と多糖との組合せは、より高い薬効を得る観点から、グルコースとデキストランとの組合せ、グルコースとプルランとの組合せ、グルコースとセルロースとの組合せ、グルコースとデキストラン及びプルランとの組合せが好ましく、グルコースとデキストランとの組合せ、グルコースとデキストラン及びプルランとの組合せがより好ましい。
単糖と多糖とを併有する場合のIgE抑制剤中の単糖及び多糖の総濃度は、IgE抑制剤の剤形、投与経路、適用疾患等により適宜決定される。経口投与であれば、25〜50質量%が好ましく、30〜40質量%がより好ましい。経皮投与であれば、23〜55質量%が好ましく、25〜45質量%がより好ましい。注射剤であれば、15〜35質量%が好ましく、20〜35質量%がより好ましい。前記下限値以上であれば、単糖及び多糖が充分に存在するため、より良好なIgE抑制作用が示される。前記上限値以下であれば、単糖及び多糖が結晶化せず、剤中に均一に分散するため、より良好なIgE抑制作用が示される。
単糖と多糖とを併有する場合のIgE抑制剤中の単糖と多糖との質量比(単糖:多糖)は、1:0.5〜1が好ましく、1:1がより好ましい。
本発明のIgE抑制剤の形態は、単糖と多糖とを併有する製剤である場合の他、有効成分として単糖を含有し、有効成分としての多糖と組合せて用いられることを特徴とする製剤である場合、又は有効成分として多糖を含有し、有効成分としての単糖と組合せて用いられることを特徴とするものである製剤である場合がある。
IgE抑制剤が、有効成分として単糖を含有し、有効成分としての多糖と組合せて用いられることを特徴とするものである場合、IgE抑制剤は、単糖を含有するが、多糖を含有しない。この場合のIgE抑制剤は、多糖を含有する別の製剤と共に患者に投与されることを目的としたものである。
IgE抑制剤が、有効成分として多糖を含有し、有効成分としての単糖と組合せて用いられることを特徴とするものである場合、IgE抑制剤は、多糖を含有するが、単糖を含有しない。この場合のIgE抑制剤は、単糖を含有する別の製剤と共に患者に投与されることを目的としたものである。
ここで「別の製剤と共に患者に投与される」とは、IgE抑制剤と多糖又は単糖を含有する別の製剤とが併用されることを意味する。ただし、「別の製剤と共に患者に投与される」は、前記IgE抑制剤と前記別の製剤とが同時に投与される場合に限られることを意味しない。例えば、「別の製剤と共に患者に投与される」は、治療期間中に時間をずらして、前記IgE抑制剤と前記別の製剤とが投与される場合を包含する。ここでの「治療期間」とは、治療を開始してから終了するまでの期間のことである。また、この場合、治療効果をより高めるには、前記IgE抑制剤と前記別の製剤とが治療期間中に連続的に投与されることが好ましい。
IgE抑制剤は、有効成分として、単糖や多糖を含有する他、ステロイドやタクロリムス等の免疫調整作用を有する成分を含有していてもよい。該免疫調整作用を有する成分を含む製剤は、IgE阻害剤とは別の製剤とし、IgE阻害剤と組合せて服用するものであってもよい。IgE抑制剤とステロイドやタクロリムスとを併用すれば、ステロイドやタクロリムスの使用量を通常より減らすことができ、ステロイドやタクロリムスにより引き起こされる副作用を抑えることができる。
ステロイドの種類は、適用疾患等により適宜決定される。例えば、酢酸コルチゾン、ヒドロコルチゾン、コハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、デキサメサゾン、パルミチン酸デキサメサゾン、ベタメタゾン、酢酸パラメタゾン、酢酸フルドロコルチゾン、酢酸ハロプレドン等が挙げられる。ヒドロコルチゾンは、生理的コルチコステロイドであり、作用時間が比較的短いものである。プレドニゾロンは経口投与剤として汎用されており、ヒドロコルチゾンのステロイド骨格の1,2位に二重結合を有し、ヒドロコルチゾンよりも強力な抗炎症作用を持つ。デキサメサゾンは、プレドニゾロンの9位にフッ素、16位にメチル基が導入された合成グルココルチコイドであり、プレドニゾロンよりも強力な抗炎症作用、抗アレルギー作用を発揮する。ベタメタゾンは、デキサメサゾンの異性体であり、長時間作用する強力なステロイドとして知られている。
免疫調整作用を有する成分は、1種で含有していてもよく、2種以上を組合せて含有していてもよい。
副作用を回避する観点から、IgE抑制剤中のステロイド及びタクロリムスの濃度は、これらを通常用いる濃度より低いことが好ましく、IgE抑制剤がステロイド及びタクロリムスを含有しないことがより好ましい。ここで「通常用いる濃度」とは、例えば、医師及び薬剤師等が、本発明のIgE抑制剤を用いずに、患者にステロイド又はタクロリムスを処方する際に定める、通常のステロイド及びタクロリムスの用量をいう。
IgE抑制剤は、有効成分の他に、薬理学的に許容される塩、賦形剤、界面活性剤、増粘剤、防腐剤、抗酸化剤、pH調整剤、着色剤、矯味剤等の、医薬品製剤に通常用いられる添加剤を含有していてもよい。
薬理学的に許容される塩としては、慣用の無毒性の塩、即ち酸付加塩及び各種塩基との塩が挙げられ、例えば、塩酸塩、硝酸塩、硫酸塩等の無機酸塩;酢酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩等の有機酸塩;メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等のスルホン酸塩、アラニン塩、ロイシン塩、グルタミン酸塩等のアミノ酸塩;アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等)及びアルカリ土類金属塩(例えば、マグネシウム塩、カルシウム塩等)等の無機塩基塩;トリエチルアミン塩、ピリジン塩、ピコリン塩、エタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン塩等の有機アミン塩等が挙げられる。薬理学的に許容される塩を用いれば、有効成分の安定化、溶解性を向上させることができる。
賦形剤としては、医薬組成物の剤形に応じて適宜選択でき、例えば、蒸留水、イオン交換水、純水等の水、メタノール、エタノール等の炭素数1〜6の低級アルコール、グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等の多価アルコール、白色ワセリン、流動パラフィン、ミリスチン酸イソプロピル、ミツロウ、ラノリン、ステアリン酸、ステアリルアルコール、セタノール等の油性成分等が挙げられる。
界面活性剤としては、モノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸ソルビタン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ポリソルベート60等が挙げられる。
添加剤は、1種のみで含有していてもよく、2種以上を組合せて含有していてもよい。
IgE抑制剤の投与経路は、特に限定されない。IgE抑制剤は、例えば、全身投与用でもよく、局所投与用でもよい。また、経口投与用でもよく、非経口投与用でもよい。非経口投与用としては、経皮投与用、点眼投与用、経鼻投与用、経静脈投与用、経動脈投与用、筋肉内投与用、皮下投与用、腹腔内投与用、膀胱内投与用、膣内投与用等が挙げられる。中でも、後述の適用される疾患に対してより高い薬効が得られる観点から、経口投与用、経皮投与用、点眼投与用、経鼻投与用、経静脈投与用であることが好ましく、経皮投与用、点眼投与用、経鼻投与用、経静脈投与用であることがより好ましく、経皮投与用であることがさらに好ましい。
IgE抑制剤の剤形は、特に限定されない。例えば、錠剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、カプセル剤、丸剤、液剤、乳剤、懸濁剤、シロップ剤及びトローチ剤等の経口剤;軟膏剤、ローション、クリーム、エアゾール剤、貼付剤等の経皮吸収剤;注射剤、点眼剤及び坐剤等の非経口剤が挙げられる。中でも、軟膏剤等の経皮吸収剤において、本発明の効果が顕著に表れる。なお、IgE抑制剤の剤形は、コスメ製品としてIgE抑制作用が得られるものとしてもよい。IgE抑制剤の剤形を注射剤とする場合、有効成分の安定性の観点から、使用前に生理食塩水等に分散して使用する凍結乾燥品としてもよい。
以上説明したように、本発明によれば、副作用がより少なく、IgEの産生を抑制することができる。
本発明のIgE抑制剤が適用される疾患としては、IgEの上昇を引き起こす疾患又は症候群が挙げられる。IgEの上昇を引き起こす疾患又は症候群としては、例えば、アトピー性皮膚炎、アレルギー性気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性アスペルギルス症等のアレルギー性疾患、全身性エリテマトーデス、慢性関節リウマチ、ベーチェット病等の自己免疫疾患、高IgE症候群、HIV感染、ディジョージ症候群、ウィスコットアルドリッチ症候群等の免疫不全症、ネフローゼ症候群等の腎臓疾患、IgE型骨髄腫、ホジキン病等の腫瘍、寄生虫感染症等の感染症が挙げられる。中でも、アレルギー性疾患、免疫不全症が好ましい。アレルギー性疾患の中では、アトピー性皮膚炎が好ましい。免疫不全症の中では、HIV感染が好ましい。
これらの疾患に本発明のIgE抑制剤を適用すれば、IgEの上昇に基づく諸症状を抑え、疾患の治癒を促進することができる。
また、本発明のIgE抑制剤とステロイド及びタクロリムスとを併用する場合、ステロイド及びタクロリムスの使用量を通常より減らすことができ、ステロイドやタクロリムスにより引き起こされる副作用を防止することができる。
本発明のIgE抑制剤は、公知の手法により、様々な剤形で適宜製造され得る。以下、軟膏剤、錠剤、経口液剤、注射剤の例について説明する。
(製造例1)軟膏剤
グルコース 20質量%
デキストラン 15質量%
プルラン 5質量%
水 60質量%
合計 100質量%
(製造例2)錠剤
グルコース 50質量%
デキストラン 30質量%
プルラン 20質量%
合計 100質量%
(製造例3)経口液剤
グルコース 40質量%
デキストラン 20質量%
水 40質量%
合計 100質量%
(製造例4)注射剤
グルコース 20質量%
デキストラン 5質量%
プルラン 5質量%
水 70質量%
合計 100質量%
以下、上記製造例1の軟膏剤を用いた薬理試験の結果の例を説明する。本例は、単糖と多糖との組合せがIgEを抑制できるという本発明の本質的な特徴を実証する一試験結果を示すものであり、本発明の各構成を限定して解釈するものではない。
(実施例1)
実施例1では、マウス慢性炎症モデルを用いて、上記製造例1の軟膏剤による抗アレルギー作用を評価した。
実験動物として、NC/Nga slcマウス 8週齢、雄を用いた。アレルギー反応を生じさせる抗原として、ダニ抗原(ナカライテスク社製)を用いた。
マウスの耳介部に、1mg/mLのダニ抗原の水溶液5μLを、1日1回、13日目まで毎日皮内注射し、アレルギー反応を誘導した。また、実験開始後、当該耳介部には、上記製造例1の軟膏剤50mgを、1日1回、毎日塗布した。
最初にダニ抗原の水溶液を注射した日から18日目に、マウスの耳介部の肥厚(μm)を測定した。当該肥厚は、厚いほど、ダニ抗原アレルギーによる炎症反応が強いことを示す。
また、最初にダニ抗原の水溶液を注射した日から25日目に、耳介部の症状スコア(点)を評価した。症状スコアは、発赤・紅潮があるか否か、痂皮・表皮剥離があるか否か、出血・血塊があるか否か、硬化があるか否か、耳腹部の腫脹があるか否かの各項目について個体毎に0点〜3点までの4段階で評点をつけ、すべての項目の評点を合算して求めた。症状スコアの点が高いほど、症状が悪いことを示す。
また、最初にダニ抗原の水溶液を注射した日から28日目に、採血を行い、血清中のダニ抗原特異的IgEの抗体価(IU/mL)を測定した。
(比較例1)
比較例1では、上記製造例1の軟膏剤の塗布に替えて、プレドニゾロンを0.3質量%で含む軟膏剤を50mg塗布した以外は、実施例1と同様に処理を行い、評価を行った。
(比較例2)
比較例2では、上記製造例1の軟膏剤の塗布に替えて、タクロリムスを0.1質量%で含む軟膏剤を50mg塗布した以外は、実施例1と同様に処理を行い、評価を行った。
(比較例3)
比較例3では、上記製造例1の軟膏剤の塗布に替えて、白色ワセリンを50mg塗布した以外は、実施例1と同様に処理を行い、評価を行った。
(比較例4)
比較例4では、上記製造例1の軟膏剤の塗布に替えて、グルコースを18質量%で含み多糖を含まない軟膏剤を50mg塗布した以外は、実施例1と同様に処理を行い、評価を行った。
(比較例5)
比較例5では、上記製造例1の軟膏剤の塗布に替えて、グルコースを10質量%、増粘剤であるトレハロースを1.7質量%、マンニトールを1.0質量%、カルボキシメチルセルロースを1.9質量%で含むペーストを50mg塗布した以外は、実施例1と同様に処理を行い、評価を行った。
(比較例6)
比較例6では、上記製造例1の軟膏剤の塗布を行わず無処置とした以外は、実施例1と同様に処理を行い、評価を行った。
実施例1及び比較例1〜6における評価結果を図1〜3に示す。図1は、マウスの耳介部の肥厚(μm)の評価結果を示す。図2は、マウスの耳介部の症状スコアの評価結果を示す。図3は、マウスの血清IgEの抗体価(IU/mL)を示す。なお、図1,2の評価結果は、実験区毎に6匹のマウスを用いて行った平均値と標準偏差を示したものである。図3の評価結果は、実験区毎に5匹のマウスを用いて行った平均値と標準偏差を示したものである。また、統計解析は、比較例6と実施例1及び比較例1〜5のそれぞれとの間に有意差があるか否かについて、t検定により行った。図中、「*」はp値が0.05より小さいことを意味し、「**」はp値が0.01より小さいことを意味する。
以上の実験動物を用いた評価結果を、表1にまとめる。評価基準は、比較例6に比べ、充分な改善がみられた場合を「++」、改善がみられた場合を「+」、改善がみられなかった場合を「−」とした。
Figure 0006313118
比較例1のプレドニゾロン、比較例2のタクロリムス、比較例4のグルコースは、比較例6の無処置に比べて、マウスの耳介部の肥厚及び症状スコアを抑えることができたが、血清IgEの抗体価を抑えることができなかった。
比較例3の白色ワセリンは、比較例6の無処置に比べて、マウスの耳介部の肥厚及び症状スコア、血清IgEの抗体価のいずれも抑えることができなかった。
比較例5の上記製造例1のグルコース及びデキストランを除いた軟膏剤は、比較例6の無処置に比べて、血清IgEの抗体価を抑えることができたが、マウスの耳介部の肥厚及び症状スコアを抑えることができなかった。
これらに対し、実施例1は、マウスの耳介部の肥厚及び症状スコア、血清IgEの抗体価のいずれも抑えることができた。
(実施例2)
実施例2では、アトピー性皮膚疾患を有する患者21人(男性11人、女性10人)に対し、上記製造例1の軟膏剤を、6ヶ月間から6年間患部に適量塗布した。なお、該軟膏剤はチューブに詰められており、新品のチューブには、該軟膏剤が1本当たり20g充填されていた。前記患者1人あたりの1日使用量の平均は、チューブ0.9本であった。使用開始前と使用中において患者の採血を行い、血清中の総IgEの抗体価(IU/mL)を測定した。
図4は、上記製造例1の軟膏剤による血清IgE抗体価の抑制効果を示す。治療後の血清IgEは、治療前に比べ減少した。
図5は、上記製造例1の軟膏剤の使用期間と血清IgE抗体価の抑制効果との関係を示す。上記製造例1の軟膏剤の使用期間が長いほど、血清IgEの減少率が高くなった。
図6は、チューブの使用本数と血清IgE抗体価の抑制効果との関係を示す。チューブの使用本数が多いほど、血清IgEの減少率が高くなった。
以上の結果、上記製造例1の軟膏剤が、血清IgE抗体価を抑制する効果があることが分かった。また、使用期間及び使用量が多いほど、血清IgE抗体価を抑制する効果が示されることが分かった。

Claims (5)

  1. 有効成分としてグルコースデキストラン及びプルランとを併有するIgE抑制剤。
  2. 有効成分としてグルコースを含有し、有効成分としてのデキストラン及びプルランと組合せて用いることを特徴とするIgE抑制剤。
  3. 有効成分としてデキストラン及びプルランを含有し、有効成分としてのグルコースと組合せて用いることを特徴とするIgE抑制剤。
  4. 前記グルコースの濃度が5〜25質量%である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のIgE抑制剤。
  5. 前記デキストラン及び前記プルランの合計の濃度が10〜25質量%である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のIgE抑制剤。
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