JP2681527B2 - 細胞活性促進外用剤 - Google Patents

細胞活性促進外用剤

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は細胞活性促進外用剤に係り、細胞に対しての
電解質バランス、浸透圧バランスを応用して細胞を活性
過し、膚細胞の細胞機能低下による諸疾患を改善するも
ので、特に、沈着色素の除去、赤ら顔の解消、発毛及び
脱臭作用を促進する外、口内炎や花粉症などといった、
広範囲な細胞レベルにおける諸疾患に適用することが可
能な細胞活性促進外用剤に関するものである。
(従来の技術) 近年、外用剤に関する技術の進歩は著しく、数多くの
外用剤が開発されており、その多くはメチルセルロー
ズ、界面活性剤、合成樹脂エマルジョン、粉体等を加
え、その使用目的によってクリーム状、粘稠状となし、
更には水溶液として使用されている。
そして、外用剤として期待される効果は、皮膚の殺
菌、消毒作用、皮膚作用、皮膚の水分の蒸発を防止
しての保湿の促進作用等である。
また、塩化ナトリウム等の無機塩や、ブドウ糖等の天
然糖、或いは血漿などは、夫々化粧品や医薬品の配合材
として広く使用されている。
例えば、塩化ナトリウム等を含んだ肌を和らげるクリ
ームに関するものが、U.S.P.3574854号公報に記載さ
れ、一方、ミネラル塩類を含んだ皮膚を衛生的にする出
願は、西独国特許出願公開第3327840号明細書に見られ
る。更に、グルコース等を混合した肌を滑らかにする糖
の成分に関する出願として、U.S.P.3859436号公報に記
載され、また、シェービング用デキストラン水溶液に関
する出願は、U.S.P.3777597号公報に記載されている。
ところが、これら従来の外用剤では、皮膚殺菌及び皮
膚の保護の目的が達せられても、皮膚の毛細血管の循環
及び機能低下による皮膚疾患、すなわち色素沈着症、水
虫、インキン、タムシ、ワキガ、脱毛症、フケ、かゆみ
等の皮膚細胞分裂機能低下による諸疾患を改善すること
は困難であった。
例えば、塩化ナトリウムは、体液浸透圧形成の主体を
成し、特に、0.9%溶液は、生理食塩液の名で医薬品と
して重要である。しかしながら、塩化ナトリウムの濃厚
溶液は、皮膚及び粘膜を刺激するが、皮膚から吸収され
ることはなく、かえって脱水作用を受ける。したがっ
て、塩化ナトリウムを添加した外用剤では、皮膚を刺激
したり殺菌はできても、皮膚の水分の蒸発を防止しての
保湿の促進作用等を改善することは難しい。
また、ブドウ糖は、栄養源となり、グリコーゲンを高
め、全身の細胞機能を亢進し、生体の代謝機能を増し、
解毒作用もある。ところが、このブドウ糖は、経口的栄
養補給薬とするほか、静脈注射又は筋肉注射により体内
に補給されるものである。したがって、皮膚へ直接塗布
する外用剤へ、ブドウ糖を添加しても、これらのブドウ
糖特有の効果は、あまり期待できないものであった。
更に、血漿は、その皮膚透過性の性質から、化粧品基
材に配合されるが、その腐敗を防止し、性状を保持せし
めるためには、ポリエチレングリコールを主成分とした
基材に配合する必要があった(特公昭34−1000号公報参
照)。そして、血漿の成分を外用剤へ配合するには、ポ
リエチレングリコールの重量比を少なくとも60%に以上
に保つ必要がある。したがって、このポリエチレングリ
コールに血漿を配合して腐敗を防止した場合には、外の
成分を配合しようとしても、重量比として40%をこえる
配合はできない不都合があった。
そこで、当発明者は、皮膚細胞を活性化し、皮膚細胞
の細胞機能低下による諸疾患を改善するものとして、皮
膚細胞間質液と同様な環境を皮膚表面に作り出し、電解
質バランス、浸透圧バランスを応用することで、皮膚の
表面からも障害細胞の正常化を促進することが可能にな
った水性皮膚及び毛髪化粧料を発明している(特開昭61
−246130号)。
そして、この水性皮膚及び毛髪化粧料にあっては、シ
ミ、赤ら顔の場合は皮下細胞を刺激、分裂させ、治癒に
導びき、また、頭皮、ワキガ等に対しては浸透圧作用に
より毛母細胞を刺激し、発毛及び脱臭作用を促進させる
効果が見られた。すなわち、この水性皮膚及び毛髪化粧
料では、脱毛症に対する治癒率が83%、色素沈着症に対
する治癒率が95%、赤ら顔の治療率が53%といった効能
結果が得られている。
(発明が解決しようとする課題) ところが、これらの効能は、主に皮膚や毛髪に対して
顕著な効果が認められたものである。
しかしながら、当発明者は、皮膚細胞等の活性化の如
く、副作用なしで粘膜細胞をも活性化させ得るなら、口
腔の粘膜疾患による口内炎や、鼻粘膜の障害による花粉
症などの疾患にもその効能が及ぶ可能性に着眼した。
そこで本発明は、口腔や鼻粘膜用の外用剤として使用
しても副作用の虞が全く無く、例えば、口内炎や花粉症
などといった、より広範囲な細胞レベルにおける諸疾患
にも適用することが可能な細胞活性促進外用剤の提供を
目的とする。
(課題を解決するための手段) 上述の目的を達成すべく本発明は、全体の重量比で、
5〜30%のデキストランと、5〜30%とブドウ糖と、5
〜30%のムタンと、5〜30%のレンチナンと、0.1〜1
%の塩化ナトリウムと、0.1〜1%の塩化カルシウム
と、0.1〜1%の塩化カリウムとの各成分を、水相成分
に溶解したことを課題解消のための手段とする。
(作用) 本発明によると、以下の如き作用を奏する。
すなわち、人間の皮膚における病変である炎症、色素
沈着、脱毛症等の各種症状の原因は、紫外線、化学物質
等の種々の因子が関連したものとなっており、その細胞
レベルでの変化が限られているその根本は、細胞内小器
官の一つであるミトコンドリアの膜や細胞膜の障害とい
えるものである。つまり、ミトコンドリアの膜の障害に
よって細胞内呼吸の阻害が生じ、これによって、細胞の
活動源たるATP(アデノシン3リン酸)の産生が低下す
る。このようなATPの不足によって細胞膜の能動輸送の
機能が低下し、細胞と間質液との間の物質の輸送能力の
低下が起る。すると、細胞内のグルコース等の栄奏物質
の不足を生じさせ、ひいてはATPの酸性の低下につなが
るといった悪循環をなすものである。
以上のような細胞レベルでの変化を生じさせる原因は
多様なものがあり、特に、皮膚の細胞においては、先天
性異常を除外した多くの場合は毛細血管の病変や、圧迫
等による血行障害によるもの、生理的物質の高度の蓄積
による浸透圧の恒常性障害によるもの、これら両者が混
合したもの等が原因として考えられている。
したがって、このような障害原因を除去すれば、細胞
は正常な活動を営むことが可能になるものである。特
に、表皮の細胞の場合には、外界と接する性質を有する
が故に障害が生じやすく、また、それによって細胞の活
性が低下することになり、その結果、生体自体が備えて
いる自然治癒力による回復が困難になりやすい状況が考
えられるのである。
また、表皮の細胞に限らず、口腔や鼻粘膜等の細胞に
おいても、浸透圧作用で細胞問質液を引き上げること
で、疾患部分の細胞を活性化させる可能性もある。
そこで、本発明は、このような状況を改善するため
に、細胞間質液と同様な環境を細胞表面に作り出し、電
解質や浸透圧のバランスを利用することで、障害細胞の
正常化を促進するものである。
(実施例) 本発明によると、デキストランの配合量は、全体の重
量比で5〜30%とし、同じく、ブドウ糖の配合量を5〜
30%、ムタンの配合量を5〜30%、レンチナンの配合量
を5〜30%とする。
そして、塩化ナトリウムの配合量は、皮膚に対する浸
透圧バランス、電解質バランスの有効性、すなわち、皮
膚細胞を活性化できるよう、全体の重量比で0.1〜1%
とし、同様に、0.1〜1%の塩化カルシウムと、0.1〜1
%の塩化カリウムとする各成分を水相成分に溶解する。
水相成分は、化粧品を含む通常の外用剤の製造時に使
用される水に溶ける石油系の界面活性剤等は一切含有せ
ず、純水のみで製造するノンオイルのものである。
そして、これらの各成分と水相成分との混合に際して
は、各成分の溶解を完全にするために、50〜100℃の温
度で実施する。
次に、本発明外用剤の効能を検出するため、以下の混
合比からなる本発明外用剤を製造し、各疾患別に6ケ月
に及ぶ効能試験を実施した。
デキストラン 20 (重量比) ブドウ糖 10 ムタン 10 レンチナン 10 塩化ナトリウム 0.9 塩化カルシウム 0.3 塩化カリウム 0.3 蒸留水 48.5 計 100 % (発明の効果) 本発明の効能試験により、以上のような効能結果が得
られた。
尚、このときの有効性とは、本発明外用剤の使用によ
り、変化なしを0ポイント、治癒に向う変化があったも
のを1ポイント、効果が確認されたものを2ポイントと
した各人の合計点を出し、 の式で算出したものである。
この結果で特筆すべき点は、540症例中、ただの一例
も副作用が認められなかったことにあり、しかも、男性
型脱毛症やニキビ、水虫、脂漏性皮膚炎など、治癒改善
が困難な疾患に対して極めて有効であること、また、口
内炎や花粉症など粘膜細胞の疾患には、実に100%の有
効率が得られたことにある。
このように、本発明は、全体の重量比で、5〜30%の
デキストランと、5〜30%のブドウ糖と、5〜30%のム
タンと、5〜30%のレンチナンと、0.1〜1%の塩化ナ
トリウムと、0.1〜1%の塩化カルシウムと、0.1〜1%
の塩化カリウムとの各成分を、水相成分に溶解したこと
により、皮膚細胞間質液と同様な環境は素より、口腔や
鼻粘膜などの細胞表面にも細胞間質液と同様な環境を作
り出すことに成功した。
この細胞間質液と同様な環境は、塩化ナトリウム等の
無機塩や、ブドウ糖等の天然糖、或いは血漿などが有す
る、単体の効能を遥かに越えるものである。また、細胞
の殺菌、消毒作用、皮膜作用、保湿の促進作用等の効能
を有するのみに止どまらず、細胞疾患に適応した効能が
自ら選択的に作用し、過剰な使用によっても副作用の虞
もない極めて安全な外用剤になった。したがって、口腔
や鼻粘膜等の粘膜細胞にも安心して使用することができ
る。
このことから、ミトコンドリアの膜の障害によって生
じる、細胞内呼吸の阻害や、細胞の活動源たるATP(ア
デノシン3リン酸)の産生の低下を防止することがで
き、電解質バランス、浸透圧バランスを保ち、皮膚細胞
や粘膜細胞の表層からも障害細胞の正常化を促進するこ
とが可能になった。
したがって、これまでの水性皮膚及び毛髪化粧料等の
有効率を飛躍的に高めると共に、口腔や鼻粘膜用の外用
剤として使用しても副作用の虞が全く無く、口内炎や花
粉症などといった、より広範囲な細胞レベルにおける諸
疾患に適用することができる。
特に、男性型脱毛症やニキビ、水虫、脂漏性皮膚炎な
ど、治癒改善が困難な疾患に対して極めて有効であるこ
と、また、口内炎や花粉症など粘膜細胞の疾患には、実
に100%の有効率が得られるなどその治癒率の高さ、及
び副作用の虞が全くないといった安全性から、本発明の
意義は極めて大きく、人類に大きく貢献するものであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/70 A61K 31/70 31/715 31/715 33/06 ADA 33/06 ADA 47/36 47/36 N

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】全体の重量比で、5〜30%のデキストラン
    と、5〜30%のブドウ糖と、5〜30%のムタンと、5〜
    30%のレンチナンと、0.1〜1%の塩化ナトリウムと、
    0.1〜1%の塩化カルシウムと、0.1〜1%の塩化カリウ
    ムとから成る各成分を、水相成分に溶解したことを特徴
    とする細胞活性促進外用剤。
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