JP2001233777A - アレルギー性疾患予防・治療剤 - Google Patents
アレルギー性疾患予防・治療剤Info
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Abstract
ー性疾患予防・治療剤を提供する。 【構成】 エステル化度が20〜70%、及び分子量が
5万〜100万のペクチン、及び/又はその塩を有効成
分とする、アレルギー性疾患予防・治療剤、IL−5
(インターロイキン−5)産生抑制剤、IL−4(イン
ターロイキン−4)産生抑制剤、及びIFN−γ産生増
強剤。
Description
予防・治療剤に関し、更に詳しくは、エステル化度が2
0〜70%、及び分子量が5万〜100万のペクチン、
及び/又はその塩を有効成分とするアレルギー性疾患予
防・治療剤、IL−5(インターロイキン−5)産生抑
制剤、IL−4(インターロイキン−4)産生抑制剤、
及びIFN−γ産生増強剤に関する。
即時型反応と好酸球の関与する遅発型反応とが複雑に影
響し合っている。この内IgEの産生は、IL−4を中
心とする幾つかのサイトカインにより調節されている。
すなわち、IgE産生はIL−4産生によりひき起こさ
れ、IL−4産生は、IFN−γの減少やIL−5産生
により引き起こされる。これらIL−5及びIL−4は
抗原特異的ヘルパーT細胞(Th−2)から産生され、
IFN−γはTh−1から産生されることから、アレル
ギー性疾患はこれらサイトカイングループ間のバランス
が崩れることによって引き起こされると考えられた。
4産生を抑制し、且つIFN−γ産生を増強する物質
は、各種アレルギー性疾患(気管支喘息、アレルギー性
鼻炎、アトピー性皮膚炎、薬物アレルギー及び好酸球性
肺炎等の好酸球増多症)に有効であると考えられる。
イド性抗炎症剤が用いられ、その劇的な治療効果が認め
られてきた。しかし、ステロイド剤は多くの臓器が標的
となり、紅斑の発生、色素沈着、発育不全等の重篤な副
作用が問題となっている。また、使用を中止すると、症
状が再発するという問題も挙げられている。
及び抗アレルギー剤が開発されてきた。又、植物エキス
も多くの報告があり、例えばヒマラヤユキノシタ属植物
抽出物のヒアルロニダーゼ阻害効果(特開平11−20
9295)、甜茶のヒスタミン遊離抑制効果(「甜茶(r
ubus suavissimus)熱水抽出エキスの抗アレルギー作
用」炎症, 15(2) , p167-173 , 1995.)、及びウコン、
タンジン等の抗体産生細胞の増殖抑制効果が報告されて
いる(特開平8−040922)。
喘息やアトピー性皮膚炎等に著効するものはほとんど存
在しない。また、これらの効果の多くが非選択的な抗体
産生細胞の増殖抑制効果、起炎物質の遊離阻害、或は起
炎物質等の競合拮抗阻害等であり、これらの効果は、発
症後の症状の緩和・治療には好適であっても、抗体産生
の過剰抑制や、抗体反応の不必要な低減等が懸念され、
発症の予防のために日常的に用いるには問題があった。
このように、アレルギー性疾患の治療に用いられる現在
の医薬品は、副作用、離脱の困難性、効果の面から必ず
しも安心して用いられるものではない。また、投与を中
止すると再発する疾患が多いことから、症状を改善しう
る食品、飲料品、或は化粧品といった、日常的に使用可
能な製品も望まれている。
は、IL−5及びIL−4産生を抑制しIFN−γ産生
を増強し、アレルギー性疾患の予防・治療に有効であ
り、且つ日常的に使用できる安全な素材を提供すること
にある。
究した結果、本発明者らは、ペクチンの内、エステル化
度が20〜70%であり、かつ分子量が5万〜100万
であるペクチンが、IL−5及びIL−4の産生を抑制
し、IFN−γの産生を増強する事を見出し、本発明を
完成した。
は、エステル化度が20〜70%であるペクチン、その
塩、及び/又はエステルを有効成分とするアレルギー性
疾患予防・治療剤についての発明であり、請求項2に係
る発明は、更にペクチンの分子量が5万〜100万であ
るアレルギー性疾患予防・治療剤についての発明であ
る。また、本発明の請求項3に係る発明は、前記アレル
ギー性疾患の予防・治療効果が、IL−5(インターロ
イキン−5)産生抑制効果、IL−4(インターロイキ
ン−4)産生抑制効果、及びIFN−γ産生増強効果で
ある、アレルギー性疾患予防・治療剤についての発明で
ある。
に存在する多糖であり、その増粘性、吸水性、或は分散
性向上効果が飲料や化粧品に、又創傷治癒等の効果が医
薬品等に利用されている。
ら抽出したものであっても、合成によって製造されたも
のでも良く、そのエステル化度が20〜70%、好まし
くは20〜50%のものであれば良い。このようなペク
チンは、例えば天然ではレモン等の柑橘類や、リンゴ、
ヨモギ等から得ることができ、特にヨモギ、カワラヨモ
ギ等キク科の植物のペクチンが好ましい。更に、分子量
が5万〜100万のものを使用する場合、本発明はより
効果的である。
おり、安全性が高く、従って剤形や投与量は任意に選定
でき、食品、医薬品、化粧料などに添加、配合して用い
ることができる。本発明素材は単品、あるいは液状また
は固体状の担体と配合し、かつ必要に応じて溶剤、分散
剤、乳化剤、安定剤、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤
等を配合し、例えば錠剤、顆粒剤、散剤、粉末剤、カプ
セル剤等の所望の剤型にすることができ、またガムやキ
ャンディーのような口腔用組成物、水産練り製品、畜産
製品、菓子類、麺類、調味料、清涼飲料水等一般的な飲
食品の剤型とすることができる。あるいは界面活性剤、
油分、アルコール類、保湿剤、増粘剤、防腐剤、酸化防
止剤、キレート剤、pH調整剤、香料、色素、ビタミン
類、アミノ酸類、水等を配合してクリーム、軟膏、ロー
ション、乳液、固形状,散剤など任意の剤型を有する外
用剤として使用することができる。
は、例えば経口投与であれば0.0001〜20g、好
ましくは0.001〜10g、更に好ましくは0.1〜
5gが良い。また、外用であれば本発明素材を単独で用
いても良く、あるいは0.001〜50%含有させた組
成物として用いる事もできる。本発明薬剤はそのまま外
用、あるいは経口投与する他、任意の飲食物に添加して
日常的に摂取させることもできる。
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
ミン(OA)20μgを2mgの水酸化アルミニウムア
ジュバンド(Alum)に吸着し、生理食塩水100μ
lに懸濁して、マウスの腹腔内に投与して免疫した。初
回免疫から2週間後に同量のOA及びAlumで追加免
疫し、更に1週間後に脾臓を摘出して単細胞浮遊液を調
整した。これを10%FBSを含むRPMI1640培
地を用いて、96穴マイクロプレート中でOA200μ
g/ml及び種々の被験物質と共に37℃、5%CO2
存在下にて培養した。培養開始から24時間後、100
0rpmにて8分間遠心分離して培養上清を採取した。
採取した培養上清中の種々のサイトカイン(IL−5、
及びIFN−γ)をサンドイッチELISA法にて測定
した。
及ぼす影響を検討した。試料として、GENUペクチン
(HM;エステル化度70%、LM22;エステル化度
50%、LM12−1;エステル化度35%、コペンハ
ーゲン ペクチン社製)、ポリガラクツロン酸(エステ
ル化度0%、シグマ社製)、ガラクツロン酸(エステル
化度0%、シグマ社製)、及びカワラヨモギ由来ペクチ
ン(エステル度約20%)を使用した。得られた結果を
図1に示す。
生を抑制し、IFN−γの産生を増強した。特に、LM
22、LM12−1及びカワラヨモギ由来ペクチンの効
果が高いことが明らかとなった。
の、サイトカイン産生に及ぼす影響を検討した。試料と
して、LM22、LM12−1を限外濾過およびゲル濾
過により分子量10万〜100万の画分と、5万〜10
万の画分に分画し、各々の効果を比較した。得られた結
果を図2に示す。
何れのペクチンにおいてもIL−5の産生抑制効果は分
子量10万〜100万の画分に比べ、5万〜10万の画
分の方が高く、またIFN−γの産生増強効果は分子量
10万〜100万の画分が高いことが明らかとなった。
の表裏に各25μlの0.15%2,4−ジニトロフル
オロベンゼン(DNFB;アセトン:オリーブ油=3:
1に溶解)を1週間に1度、合計5回塗布して皮膚反応
を惹起した。薬物は抗原塗布日を含む週2回、すなわち
抗原塗布1時間前および抗原塗布3日後に両耳介皮膚の
表裏に25μlずつ塗布、または0.2mlずつゾンデ
を使用して経口投与した。各週毎に抗原塗布時、4時間
後、24時間後の耳介の厚さをthickness gaugeを用い
て測定した。
cetate(デキサメサゾン)およびペクチン(GENU
LM12−1)は生理食塩水に懸濁し、経口投与の検体
とした。また、ペクチン(GENU LM12−1)を
70%アセトンに懸濁し、塗布検体とした。得られた結
果を図3に示す。
は、抗原の代わりに溶媒を塗布した未感作群と比較し、
2週間目以降抗原塗布4時間、24時間後ともに明確な
耳介浮腫が認められ、実験終了時には開始時に比較して
耳介の厚さが約2倍にまで増加した。一方、ペクチン1
00mg/kg経口投与群は2週目以降、24時間後の
浮腫を有意に抑制し、また4週目以降は4時間後の浮腫
も抑制した。また、ペクチンは0.1mg/earを耳
介に塗布した場合でも有意に浮腫を抑制した。ステロイ
ド性抗炎症薬のデキサメサゾン10mg/kgも浮腫を
抑制した。
した。5回目の抗原塗布4時間後のマウスの血液から、
3000rpm、10分間遠心分離して血清を採取し、
総IgEおよび抗DNP−IgEをELISA法にて測
定した。総IgEはELISA Kitを用いて測定し
た。抗DNP−IgEはHiranoら(J. Immuno. Methods
, 119 , 145-150 , 1989.)およびSakaguchiら(J. Im
muno. Methods , 116 , 181-187 , 1989.)の方法を改
変して行った。すなわち、ラット抗マウスIgE抗体を
ディッシュにコートしたものに血清を加え、これにDN
P−BSA(30)、ウサギ抗DNP−BSA、ALP
標識したヤギ抗ウサギIgGを順に加え基質を発色させ
て測定した。得られた結果を図4に示す。
クチンは経口投与により産生を有意に抑制した。その効
果は抗原塗布を行わなかった未感作群と同程度で、ステ
ロイド性抗炎症薬のデキサメサゾンよりも強いものだっ
た。ペクチンの塗布ではデキサメサゾンと同程度のIg
E産生を抑制する作用があることがわかった。一方、抗
原特異的抗DNP−IgE産生量に対してはペクチンを
投与した群は経口投与、塗布ともにコントロール群と比
較して産生を抑制していた。
定を行った。5回目の抗原塗布4時間後にマウスの左右
両耳介を切除し重量を測定後、1mlのPBSを用いて
ポリトロンホモジナイザー処理を行った。ホモジネート
液にさらに投入式の超音波処理を行い、3000rpm
で30分間遠心分離した。この上清中のサイトカインI
FN−γ量をELISA Kitにて測定した。得られ
た結果を図5に示す。
−γ産生量はコントロール群で極めて高値であり、耳介
ではTh−1サイトカインが優位な状態であることが確
認された。これに対し、ペクチン投与によりIFN−γ
産生が抑制された。この効果は経口投与の方が塗布より
も強かった。以上のことから、ペクチン投与により、炎
症局所ではTh−1サイトカインの過剰産生を抑制し、
全身ではTh−2サイトカイン、IgE産生系を抑制
し、結果としてサイトカイン産生のバランスを改善して
いることがわかった。
は、IL−5の過剰な産生を抑制し、低減したIFN−
γの産生を増強して生体のサイトカインのバランスを調
節する効果を有し、またアレルギー性炎症の抑制効果、
アレルギー性炎症における血清IgE産生の抑制効果を
有しており、これを使用することにより、各種アレルギ
ー性疾患(気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性
皮膚炎、ジンマシン、薬物アレルギー及び好酸球性肺炎
等の好酸球増多症)の治療、或は発症の予防的治療が可
能であり、且つ安全性が高く長期連続使用が可能であ
る。
ン産生に対する効果を示したものである。
に対する効果を示したものである。
である。
E産生に対する効果を示したものである。
IFN-γ産生に対する効果を示したものである。
Claims (3)
- 【請求項1】 エステル化度が20〜70%であるペク
チン、及び/又はその塩を有効成分とするアレルギー性
疾患予防・治療剤。 - 【請求項2】 ペクチンの分子量が5万〜100万であ
る、請求項1記載のアレルギー性疾患予防・治療剤。 - 【請求項3】 ペクチンがIL−5(インターロイキン
−5)産生抑制剤、IL−4(インターロイキン−4)
産生抑制剤、及びIFN−γ産生増強剤である、請求項
1及び2記載のアレルギー性疾患予防・治療剤。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2000048594A JP2001233777A (ja) | 2000-02-25 | 2000-02-25 | アレルギー性疾患予防・治療剤 |
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---|---|
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Country | Link |
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-
2000
- 2000-02-25 JP JP2000048594A patent/JP2001233777A/ja active Pending
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