JP6312951B1 - インバータ装置及びモータの軽負荷判定方法 - Google Patents

インバータ装置及びモータの軽負荷判定方法 Download PDF

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Abstract

インバータ装置(1)は、モータ(3)を駆動する交流電圧を生成する電力変換部(10)と、モータ(3)の負荷を検出する負荷検出部(21)と、通常運転モードにおいてモータ(3)が加速中に負荷検出部が検出した負荷である加速動作時負荷と、通常運転モードと異なるデータ設定モードにおいてモータが加速中に負荷検出部が検出した負荷である判定基準データとに基づいてモータ(3)が軽負荷状態か否かを判定し、モータ(3)が軽負荷状態の場合はモータ(3)の運転速度が第1の速度となるよう電力変換部(10)を制御し、モータ(3)が軽負荷状態ではない場合にはモータの運転速度が第1の速度よりも遅い第2の速度となるよう電力変換部(10)を制御する運転制御部(20)を備える。

Description

本発明は、軽負荷時にモータの高速運転を行うインバータ装置及びモータの軽負荷判定方法に関する。
従来、吊荷を上下に移動させるクレーン、ホイストまたは昇降機の駆動に用いられるインバータ装置では、作業効率向上のために、軽負荷時にモータの運転速度を高速化する機能が広く用いられている。具体的には、下記特許文献1および2に記載されているように、運転開始後に一定速運転を行い、運転中に測定された負荷(例えば、モータに流れる電流から求めたトルク電流)を、予め測定してメモリ等に記憶した判定基準負荷と比較して、軽負荷と判定した場合にはモータの高速運転を行う。
特開2000−53385号公報 特開2006−333577号公報
従来の軽負荷時にモータの運転速度を高速化する機能では一定速運転となった後に、軽負荷状態か否かの判定を行っている。そのため、軽負荷状態を検出するまでの所要時間が長くなり、高速運転の開始が遅れる。
また、特許文献2に記載の発明では、判定基準の設定および調整による作業効率の悪化を防ぐために、判定基準を設定するための基準データ設定モードを、通常運転モードとは別に備えている。しかし、特許文献2に記載の発明においても、通常運転モードで軽負荷状態か否かを判定する際には、基準データ設定モードで判定基準を設定する際に行った一定速運転と同じ速度で一定速運転を行う必要がある。よって、上記と同じ問題、すなわち、軽負荷状態か否かの判定を一定速運転時に行うため、軽負荷状態を検出するまでの所要時間が長くなり、高速運転の開始が遅れるという問題がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、軽負荷時に高速運転の開始が遅れるのを防止することが可能なインバータ装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかるインバータ装置は、モータを駆動する交流電圧を生成する電力変換部と、モータの負荷を検出する負荷検出部と、を備える。また、インバータ装置は、通常運転モードにおいてモータが加速中に負荷検出部が検出した負荷である加速動作時負荷と判定基準データとに基づいてモータが軽負荷状態か否かを判定し、モータが軽負荷状態の場合はモータの運転速度が第1の速度となるよう電力変換部を制御し、モータが軽負荷状態ではない場合にはモータの運転速度が第1の速度よりも遅い第2の速度となるよう電力変換部を制御する運転制御部を備える。運転制御部は、モータの運転速度が第2の速度よりも遅い速度の状態において、モータが軽負荷状態か否かを判定する。
本発明にかかるインバータ装置は、軽負荷時に高速運転の開始が遅れるのを防止できる、という効果を奏する。
実施の形態1にかかるインバータ装置の構成例を示す図 実施の形態1にかかるインバータ装置の通常運転モードでの動作例を示す図 実施の形態1にかかるインバータ装置の通常運転モードでの動作の一例を示すフローチャート 実施の形態1にかかるインバータ装置のデータ設定モードでの第1の動作を示す図 実施の形態1にかかるインバータ装置のデータ設定モードでの第2の動作を示す図 実施の形態1にかかるインバータ装置のデータ設定モードでの動作の一例を示すフローチャート 実施の形態2にかかるインバータ装置の通常運転モードでの動作例を示す図 実施の形態2にかかるインバータ装置のデータ設定モードでの動作の一例を示すフローチャート 実施の形態1および2にかかるインバータ装置のデータ設定モードでの動作を示す図 実施の形態1および2にかかるインバータ装置を実現するハードウェアの構成例を示す図
以下に、本発明の実施の形態にかかるインバータ装置を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかるインバータ装置の構成例を示す図である。インバータ装置1は、交流電源2から供給される交流電圧を直流電圧に変換し、変換した直流電圧を再び交流電圧に変換し、変換した交流電圧をモータ3に供給する。モータ3は、図示を省略した機械装置、具体的には、吊荷を上下に移動させるクレーン、ホイストまたは昇降機といった機械装置を駆動する。
インバータ装置1は、交流電圧を直流電圧に変換するコンバータ回路11と、直流電圧を交流電圧に変換するインバータ回路12と、インバータ回路12の出力電流を検出する電流検出部13と、後述する出力周波数を決定する制御部14と、パルス信号を生成するパルス信号生成部15とを備える。コンバータ回路11とインバータ回路12との間には、コンバータ回路11により変換された直流電圧を平滑する平滑コンデンサ16が挿入されている。コンバータ回路11、インバータ回路12、パルス信号生成部15および平滑コンデンサ16は電力変換部10を構成する。また、インバータ装置1は、記憶部17を備えている。記憶部17は、制御部14が出力周波数を決定する処理で使用する情報を保持する。記憶部17が保持する情報としては、後述する判定基準データ、軽負荷時運転周波数および重負荷時運転周波数が該当する。
コンバータ回路11は、交流電源2から供給された交流電圧を直流電圧に変換して出力する。
インバータ回路12は、パルス信号生成部15から出力されたパルス信号に基づいて、コンバータ回路11から出力された直流電圧をモータ3の駆動に対応した周波数の交流電圧に変換し、変換後の交流電圧をモータ3に供給する。具体的には、インバータ回路12は、VVVF(Variable Voltage Variable Frequency)制御によって、モータ3に供給する交流電圧の周波数と電圧とを可変制御する。
電流検出部13は、インバータ回路12から出力されるU相、V相およびW相の相電流を、相ごとに検出する。なお、以下の説明では、各相の相電流をまとめて出力電流と称する。
制御部14は、電流検出部13により検出された出力電流に基づいて、トルク電流を負荷として検出する負荷検出部21を備える。また、制御部14は、記憶部17に記憶されている判定基準データ、軽負荷時運転周波数および重負荷時運転周波数に基づいて軽負荷高速運転を行う運転制御部20を備える。制御部14は、さらに、通常運転モードとは区別されたデータ設定モードにおいて、モータ3を駆動し、その駆動状態で負荷検出部21により検出された負荷に基づいて判定基準データを決定する基準データ決定部22を備える。
ここで、通常運転モードは、外部から入力される運転指令および移動量指令と、記憶部17に記憶されている判定基準データとに基づいてモータ3を駆動し、モータ3が適用されている機械装置を駆動する運転モードである。また、データ設定モードは、モータ3の制御動作で使用する判定基準データをインバータ装置1に設定する運転モード、すなわち、判定基準データを決定して記憶部17に記憶させる運転モードである。
負荷検出部21が検出するトルク電流は、モータ3が発生させるトルクを表す電流であり、出力電流を用いて算出される。負荷検出部21は、例えば、モータ3の一次磁束あるいは二次磁束方向をd軸とし、それに直交する軸をq軸として、インバータ回路12の出力電流である各相の相電流をdq軸に座標変換した際のq軸電流を求めてトルク電流とする。軽負荷時運転周波数とは、軽負荷時のモータ3の制御で使用する情報であり、重負荷時運転周波数とは、重負荷時すなわち軽負荷時に該当しない場合のモータ3の制御で使用する情報である。これらの情報を使用した制御方法については後述する。
なお、負荷検出部21は、上述したトルク電流の代わりに、出力電流から演算した推定トルク、または、出力電流を全波整流して得られた電流値(3相全波整流値)を検出してもよい。また、負荷検出部21は、インバータ装置1への入力電力、インバータ装置1の出力電力などを検出してもよい。また、負荷検出部21は、これらの推定トルク、3相全波整流値、入力電力または出力電力に相当する値またはこれらを代替可能な量を検出するようにしてもよい。すなわち、負荷検出部21は、モータ3が軽負荷状態か否かを判定する処理で使用することが可能な、モータ3の負荷状態の変動に対応して値が変動する物理量であれば、どのような物理量を検出してもよい。本実施の形態では、上述したように、負荷検出部21がトルク電流を検出するものとして説明を行う。
外部から入力される運転指令は、モータ3を正転させるか逆転させるかを指示する指令であり、移動量指令は、モータ3が駆動対象の機械装置を移動させる量を指示する指令である。モータ3を正転させるとは、モータ3の回転子を第1の方向に回転させることを表し、モータ3を逆転させるとは、モータ3の回転子を第1の方向の逆方向である第2の方向に回転させることを表す。運転指令と移動量指令とをまとめたものはモータ3の駆動を指令するモータ駆動指令に該当する。
なお、移動量指令はモータ3が駆動対象の機械装置を移動させる量を指示する指令に限定するものではなく、目標周波数を軽負荷時運転周波数とする高速運転指令や、重負荷時運転周波数以上の任意の指令周波数としてもよい。
なお、制御部14と記憶部17とを別構成としたが、制御部14が記憶部17を含んだ構成としてもよい。また、図1では記載を省略しているが、制御部14は、タイマを備えているものとする。
また、制御部14は、外部から入力される運転指令、移動量指令およびデータ設定選択の各信号に従い、通常運転モードまたはデータ設定モードでの動作を行う。制御部14が通常運転モードとデータ設定モードのどちらで動作を行うかはデータ設定選択信号で指令される。制御部14の運転制御部20は、通常運転モードで動作する場合、運転指令および移動量指令と、記憶部17で記憶されている判定基準データ、軽負荷時運転周波数および重負荷時運転周波数とに基づいて出力周波数を算出し、パルス信号生成部15に出力する。
運転制御部20は、データ設定モードの場合、予め決められた動作を実行して出力周波数を算出し、パルス信号生成部15に出力する。制御部14の基準データ決定部22は、データ設定モードの場合に、上述した判定基準データを決定する動作を実行する。負荷検出部21は、通常運転モードおよびデータ設定モードのいずれの場合にも、トルク電流を検出する。
パルス信号生成部15は、制御部14で算出された出力周波数に基づいてパルス信号を生成し、インバータ回路12に出力する。パルス信号は、パルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)された信号であり、インバータ回路12を構成するスイッチング素子をオンオフさせるための信号である。なお、制御部14が算出する出力周波数は、周波数指令値とも称される。そのため、以下の説明では「周波数指令値」を使用する。
次に、インバータ装置1の動作について、図2、図3および図4を参照しながら説明する。インバータ装置1は、通常運転モードおよびデータ設定モードの2つの運転モードを有するため、通常運転モードでの動作とデータ設定モードでの動作とに分けて動作を説明する。
(通常運転モードでの動作)
インバータ装置1は、外部から入力されるデータ設定選択信号がLレベルの場合、通常運転モードで動作する。なお、本実施の形態では、インバータ装置1はデータ設定選択信号がLレベルの場合に通常運転モードで動作を行い、Hレベルの場合にデータ設定モードで動作を行うものとして説明を行うが、運転モードを外部から指示する方法は一例である。通常運転モードおよびデータ設定モードのいずれか一方を指定可能な信号であればどのような信号であってもよい。
インバータ装置1は、通常運転モードで動作する場合、モータ3が軽負荷状態か否かを判別し、軽負荷状態の場合にはモータ3の運転速度を通常よりも高速化する軽負荷高速運転を行う。
図2は、実施の形態1にかかるインバータ装置1の通常運転モードでの動作例を示す図である。図2の上段では、インバータ装置1が動作を開始してからの経過時間と制御部14がパルス信号生成部15に出力する周波数指令値との関係を使用してインバータ装置1の動作を表している。図2の上段では、太い実線が軽負荷時の動作を示し、太い点線が軽負荷時以外の重負荷時の動作を示している。図2の下段には、負荷検出部21が検出するモータトルクの例を示している。モータトルクはモータ3が発生させるトルクである。太い実線が軽負荷時のモータトルクを示し、太い点線が重負荷時のモータトルクを示している。細い実線は判定基準トルクを示している。
通常運転モードで動作するインバータ装置1において、制御部14は、運転指令および移動量指令が入力され、モータ3を駆動する動作を開始すると、軽負荷時運転周波数を目標周波数として、図2に示したように、周波数指令値を増加させてモータ3を加速させる。このときの周波数指令値は、制御部14の運転制御部20が、記憶部17に記憶された軽負荷時運転周波数に基づいて決定する。すなわち、運転制御部20は、周波数指令値が最終的に軽負荷時運転周波数となるよう、予め決められた一定の増加量で周波数指令値を徐々に増加させる。一定の増加量、すなわち、周波数指令値の時間あたりの増加量は、例えば、モータ3の性能、モータ3が適用される機械装置の仕様などを考慮して決定する。
運転制御部20は、モータ3が加速中、すなわち、周波数指令値を増加させている最中、加速トルクが安定する任意の周波数f1から周波数f2までの区間である速度リミット判定区間において、軽負荷状態か否かを確認する。具体的には、運転制御部20は、速度リミット判定区間において負荷検出部21により検出されたモータトルクと、記憶部17に記憶された判定基準データに含まれる判定基準トルクとを比較し、モータトルクが判定基準トルク未満であれば軽負荷状態と判断する。
このとき、運転制御部20は、モータ3が力行中であれば、力行時の判定基準である力行時の判定基準トルクとモータトルクとを比較し、モータ3が回生中であれば、回生時の判定基準である回生時の判定基準トルクとモータトルクとを比較する。運転制御部20は、モータ3が力行中か回生中かの判断はトルク電流を用いて判断する。力行中はインバータ回路12からモータ3に向かって電流が流れ、回生中はモータ3からインバータ回路12に向かって電流が流れるため、運転制御部20は、回生電流からモータ3が力行中か回生中かを判別可能である。
なお、モータ3が力行中であるか回生中であるかは、モータ3の駆動条件および負荷状態に依存する。
運転制御部20は、軽負荷状態と判断した場合、周波数指令値を、目標周波数すなわち軽負荷時運転周波数まで増加させる。この結果、モータ3の運転速度は軽負荷高速運転に対応した運転速度である第1の速度となる。一方、運転制御部20は、軽負荷状態ではないと判断した場合、周波数指令値を重負荷時運転周波数に制限する。すなわち、運転制御部20は、軽負荷状態ではないと判断した場合、目標周波数を重負荷時運転周波数に変更し、周波数指令値を重負荷時運転周波数まで増加させる。なお、運転制御部20は、軽負荷状態と判断した時点の周波数指令値が重負荷時運転周波数を超えている場合、重負荷時運転周波数となるまで周波数指令値を減少させる。この結果、モータ3の運転速度は軽負荷高速運転に対応した運転速度である第1の速度よりも遅い通常の運転速度である第2の速度となる。
運転制御部20が判定基準トルクと比較するモータトルクは、負荷検出部21で検出された瞬時値に限定するものではなく、速度リミット判定区間における平均値、一定時間の平均値、瞬時値を任意の時定数の一次遅れフィルタを通した値などとしてもよい。
運転制御部20がモータトルクとの比較に用いる判定基準トルクの選択、すなわちモータ3が力行中か回生中かの判断は、負荷検出部21で検出されたトルク電流を用いて行ってもよいが、他の方法で選択してもよい。例えば、インバータ装置1は、モータ3の正転および逆転にそれぞれ力行および回生を割り付けて記憶部17で記憶し、正転の運転指令が入力されたか逆転の運転指令が入力されたかに従い、力行中か回生中かの判断を行ってもよい。
また、図2に示した例では速度リミット判定区間を、周波数f1から周波数f2までの区間としているが、これに限るものではなく、運転指令入力後の時間t1からt2までの区間を速度リミット判定区間としてもよい。また、速度リミット判定区間を、周波数f1以上の区間、時間t1以降の区間などとしてもよい。
また、運転制御部20は、モータ3を駆動させた後、移動量指令に基づいてモータ3の減速を開始させるタイミング、すなわち周波数指令値を減少させはじめるタイミングを決定する。モータ3が駆動する機械装置の移動量はモータ3の回転数に基づいて算出することができ、また、モータ3の回転数は周波数指令値に基づいて算出することができる。そのため、運転制御部20は、周波数指令値を増加させる区間の長さ、周波数指令値を一定に保つ区間の長さおよび周波数指令値を減少させる区間の長さに基づいて、周波数指令値を減少させはじめるタイミングを決定する。運転制御部20は、決定したタイミングで周波数指令値を減少させはじめてモータ3を減速させ、最終的に停止させる。なお、移動量指令の値によっては、モータ3が一定速運転となる前に減速を開始させる場合、すなわち、モータ3を目標周波数に向けて加速させている途中に減速を開始させる場合もある。
また、移動量指令を、目標周波数を軽負荷時運転周波数とする高速運転指令とした場合は、運転制御部20は、高速運転指令が入力されている場合のみ、負荷に応じた軽負荷高速運転を行い、高速運転指令が入力されていない場合は、別途設定されている低速運転周波数にて運転する。この場合、モータ3の減速を開始するタイミングは、運転指令もしくは高速運転指令の入力が無くなったタイミングとなる。
また、移動量指令を、重負荷時運転周波数以上の任意の指令周波数とした場合、運転制御部20は、軽負荷高速運転周波数をこの任意の指令周波数として軽負荷高速運転を行う。この場合、モータ3の減速を開始するタイミングは、運転指令の入力が無くなったタイミングとなる。また、任意の指令周波数が重負荷時運転周波数未満の場合、運転制御部20は、軽負荷高速運転を行わず、この指令周波数を目標周波数として運転する。
図3は、実施の形態1にかかるインバータ装置1の通常運転モードでの動作の一例を示すフローチャートである。
インバータ装置1の運転制御部20は、通常運転モード中に運転指令および移動量指令の入力があると、軽負荷時運転周波数を目標周波数に設定し、加速動作、すなわちモータ3を加速させる動作を開始する(ステップS1)。すなわち、運転制御部20は、パルス信号生成部15への周波数指令値が軽負荷時運転周波数となるよう、周波数指令値を増加させる。次に、インバータ装置1の負荷検出部21がモータトルクを測定し(ステップS2)、運転制御部20が、モータ3を力行運転させるか否かを判定する(ステップS3)。ステップS2において、負荷検出部21は、モータトルク電流をモータトルクとして測定する。ステップS3において、運転制御部20は、モータトルク電流に基づいて力行運転か否かを判定する。モータ3を力行運転させる場合(ステップS3:Yes)、運転制御部20は、ステップS2で負荷検出部21が測定したモータトルクを、記憶部17で記憶されている力行時の判定基準トルクと比較する(ステップS4)。モータ3を力行運転させない、すなわちモータ3を回生運転させる場合(ステップS3:No)、運転制御部20は、モータトルクを、回生時の判定基準トルクと比較する(ステップS5)。
モータトルクが判定基準トルク未満の場合(ステップS6:Yes)、運転制御部20は、予め決められた軽負荷時の運転速度すなわち第1の速度となるまでモータ3を加速させる(ステップS7)。具体的には、運転制御部20は、パルス信号生成部15への周波数指令値を軽負荷時運転周波数となるまで増加させて、モータ3を加速させる。モータトルクが判定基準トルク以上の場合(ステップS6:No)、運転制御部20は、予め決められた重負荷時の運転速度すなわち第2の速度となるまでモータ3を加速または減速させる(ステップS8)。具体的には、運転制御部20は、パルス信号生成部15への周波数指令値を、重負荷時運転周波数となるまで増加または減少させて、モータ3を加速または減速させる。なお、軽負荷時の運転速度である第1の速度は、重負荷時の速度である第2の速度よりも高速である。
運転制御部20は、パルス信号生成部15への周波数指令値を、軽負荷時運転周波数または重負荷時運転周波数とした後、減速開始タイミングか否かを判定し(ステップS9)、減速開始タイミングではない場合(ステップS9:No)、減速開始タイミングか否かの判定を再度行う。減速開始タイミングの場合(ステップS9:Yes)、運転制御部20は、パルス信号生成部15への周波数指令値を減少させてモータ3の減速を開始し、停止させる(ステップS10)。
(データ設定モードでの動作)
インバータ装置1は、外部から入力されるデータ設定選択信号がHレベルの場合、データ設定モードで動作する。
インバータ装置1は、データ設定モードで動作する場合、上述した通常運転モードにおける軽負荷高速運転に用いる判定基準データを設定するため、判定基準データを決定して記憶部17に記憶させる。
図4は、実施の形態1にかかるインバータ装置1のデータ設定モードでの第1の動作を示す図である。図4の上段は、力行時の判定基準トルクを設定する動作を示し、下段は、設定する判定基準トルクを示している。図4に示した第1の動作は、データ設定モード時のインバータ装置1にモータ3の正転を指令する運転指令が入力された場合に実行する動作である。
図5は、実施の形態1にかかるインバータ装置1のデータ設定モードでの第2の動作を示す図である。図5の上段は、回生時の判定基準トルクを設定する動作を示し、下段は、設定する判定基準トルクを示している。図5に示した第2の動作は、データ設定モード時のインバータ装置1にモータ3の逆転を指令する運転指令が入力された場合に実行する動作である。
図4および図5の上段では、図2と同様に、インバータ装置1が動作を開始してからの経過時間と制御部14がパルス信号生成部15に出力する周波数指令値との関係を使用してインバータ装置1の動作を表している。また、図4および図5では、モータ3の正転と逆転とを周波数の符号で表しており、具体的には、周波数の符号が正の場合は正転、負の場合は逆転を表している。パルス信号生成部15は、入力された周波数指令値が正の場合はモータ3を正転させるパルス信号を生成して出力し、入力された周波数指令値が負の場合はモータ3を逆転させるパルス信号を生成して出力する。
インバータ装置1をデータ設定モードで動作させる場合、インバータ装置1の使用者は、軽負荷状態と判断して高速運転を許容する負荷状態にモータ3を設定する。具体的には、モータ3の負荷状態を、負荷が最小となる状態と負荷が最大となる状態との間の状態に設定する。負荷が最小となる状態と最大となる状態のちょうど中間の状態とする必要は無い。使用者は、例えば、モータ3が駆動する機械装置によって移動させる吊荷の最大重量よりも重量が十分小さい吊荷を機械装置に取り付ける。使用者は、モータ3を軽負荷状態に設定した後、インバータ装置1に対してレベルHのデータ設定選択信号を入力させるとともに、モータ3の正転を指令する運転指令を入力させる。
データ設定モード中のインバータ装置1に対してモータ3の正転を指令する運転指令が入力された場合、図4に示したように、運転制御部20は、パルス信号生成部15への周波数指令値が予め決められた値となるまで、周波数指令値を増加させる。予め決められた値は、上述した軽負荷時運転周波数としてもよい。
なお、データ設定モードでの動作において運転制御部20が周波数指令値を増加させる際の時間あたりの増加量および運転制御部20が周波数指令値を減少させる際の時間あたりの減少量は、通常運転モードでの動作において運転制御部20が周波数指令値を増加させる際の時間あたりの増加量および運転制御部20が周波数指令値を減少させる際の時間あたりの減少量と同じとする。すなわち、インバータ装置1がデータ設定モードでモータ3を加速させる際の加速度は、インバータ装置1が通常運転モードでモータ3を加速させる際の加速度と同一であり、また、インバータ装置1がデータ設定モードでモータ3を減速させる際の加速度は、インバータ装置1が通常運転モードでモータ3を減速させる際の加速度と同一とする。
図4に示したように、運転制御部20が周波数指令値の出力を開始してから一定時間が経過してモータ3の加速トルクが安定すると、基準データ決定部22が、負荷検出部21で検出された加速中のモータトルクを記憶部17に一時的に記憶させる。その後、運転制御部20は、出力する周波数指令値が決められた値に達すると、モータ3を一定速運転させることなく減速、すなわち、周波数指令値を減少させる。そして、基準データ決定部22は、モータ3が減速中に負荷検出部21により検出された減速中のモータトルクを記憶部17に一時的に記憶させる。
次に、基準データ決定部22は、記憶部17に一時的に記憶させた加速中のモータトルクと減速中のモータトルクとを比較する。基準データ決定部22は、加速中のモータトルクの方が大きい場合、加速中のモータトルクを力行時の判定基準トルクとして記憶部17に記憶させる。基準データ決定部22は、減速中のモータトルクの方が大きい場合、減速中のモータトルクを回生時の判定基準トルクとして記憶部17に記憶させる。このとき、基準データ決定部22は、判定基準トルク以外の、記憶部17に一時的に記憶させた加速中のモータトルクおよび減速中のモータトルクを消去する。
図4に示した場合では、加速中のモータトルクの方が減速中のモータトルクより大きいため、図4の加速中のモータトルクを力行時の判定基準トルクとして記憶部17に記憶させる。
また、データ設定モード中のインバータ装置1に対してモータ3の逆転を指令する運転指令が入力された場合、図5に示したように、運転制御部20は、パルス信号生成部15への周波数指令値が予め決められた値となるまで、周波数指令値を減少させる。
図5に示したように、運転制御部20が周波数指令値の出力を開始してから一定時間が経過してモータ3の加速トルクが安定すると、基準データ決定部22が、負荷検出部21で検出された加速中のモータトルクを記憶部17に一時的に記憶させる。その後、運転制御部20は、出力する周波数指令値が決められた値に達すると、モータ3を一定速運転させることなく減速、すなわち、周波数指令値を増加させる。そして、基準データ決定部22は、モータ3が減速中に負荷検出部21により検出された減速中のモータトルクを記憶部17に一時的に記憶させる。
次に、基準データ決定部22は、記憶部17に一時的に記憶させた加速中のモータトルクと減速中のモータトルクとを比較する。基準データ決定部22は、加速中のモータトルクの方が大きい場合、加速中のモータトルクを力行時の判定基準トルクとして記憶部17に記憶させる。基準データ決定部22は、減速中のモータトルクの方が大きい場合、減速中のモータトルクを回生時の判定基準トルクとして記憶部17に記憶させる。このとき、基準データ決定部22は、判定基準トルク以外の、記憶部17に一時的に記憶させた加速中のモータトルクおよび減速中のモータトルクを消去する。
図5で示した場合では、減速中のモータトルクの方が加速中のモータトルクより大きいため、図5の減速中のモータトルクを回生時の判定基準トルクとして記憶部17に記憶させる。
なお、図4に示した動作を先に行うこととして説明を行ったが、図5に示した動作を先に行ってから図4に示した動作を行うようにしても構わない。
図6は、実施の形態1にかかるインバータ装置1のデータ設定モードでの動作の一例を示すフローチャートである。なお、図6は、インバータ装置1がデータ設定モードでの動作を開始する前に行う事前準備も記載している。
インバータ装置1をデータ設定モードで動作させるための事前準備として、使用者はモータ3の負荷状態を軽負荷状態に設定する(ステップS21)。
インバータ装置1の運転制御部20は、データ設定モード中に運転指令の入力があると、予め決められた周波数を目標周波数に設定し、加速動作、すなわち、周波数指令値を目標周波数まで増加または減少させることによりモータ3を加速させる動作を開始する(ステップS22)。
なお、運転制御部20は、運転指令が正転を示す場合は目標周波数の符号を正に設定し、運転指令が逆転を示す場合は目標周波数の符号を負に設定する。ここでは運転指令が正転を示すものとして説明を続ける。
次に、負荷検出部21が、加速中のモータトルクを測定する(ステップS23)。加速中のモータトルクをモータトルクTAとする。モータトルクTAは基準データ決定部22に渡され、基準データ決定部22は、受け取ったモータトルクTAを記憶部17に記憶させる。
運転制御部20は、出力する周波数指令値が目標周波数になると、加速動作を終了して減速動作、すなわち、周波数指令値をゼロに近づけることによりモータ3を減速させる動作を開始する(ステップS24)。
次に、負荷検出部21が、減速中のモータトルクを測定する(ステップS25)。減速中のモータトルクをモータトルクTBとする。モータトルクTBは基準データ決定部22に渡され、基準データ決定部22は、受け取ったモータトルクTBを記憶部17に記憶させる。
次に、基準データ決定部22が、記憶部17で記憶されているモータトルクTAとモータトルクTBとを比較し、モータトルクTAがモータトルクTBよりも大きい場合(ステップS26:Yes)、モータトルクTAを力行時の判定基準トルクに設定する(ステップS27)。モータトルクTAがモータトルクTB以下の場合(ステップS26:No)、基準データ決定部22は、モータトルクTBを回生時の判定基準トルクに設定する(ステップS28)。なお、上述したように、ステップS27およびS28における設定とは、基準データ決定部22が、モータトルクを判定基準トルクとして記憶部17に記憶させることをいう。
なお、モータトルクTAがモータトルクTBと等しい場合は、力行時の判定基準トルクと回生時の判定基準トルクをいずれもTAと設定してもよい。
運転指令が正転を示す場合について説明したが、運転指令が逆転を示す場合のインバータ装置1の動作も同様である。
このように、本実施の形態では、図4に示すようにモータ3の正転時に力行時の判定基準トルクを設定し、図5に示すようにモータ3の逆転時に回生時の判定基準トルクが設定できる。ただし、これに限定したものではなく、正転時に回生時の判定基準トルクを設定し、逆転時に力行時の判定基準トルクを設定してもよい。また、正転時と逆転時とで、それぞれの周波数指令値の時間あたりの増加量に応じた、力行時あるいは回生時の判定基準トルクとして設定してもよい。
すなわち、図6で示すデータ設定モードのフローを、正転および逆転の場合についてそれぞれ実施すれば、力行時および回生時の判定基準トルクを設定できる。尚、モータ3が力行時であれば加速中のモータトルクが減速中のモータトルクよりも大きくなり、モータ3が回生時であれば減速中のモータトルクが加速中のモータトルクよりも大きくなる。
本実施の形態では、加速中のモータトルクと減速中のモータトルクとを比較することにより、記憶部17が記憶する判定基準トルクが力行時の判定基準トルクと回生時の判定基準トルクのどちらに該当するのかを判定することとしたが判定方法をこれに限定するものではない。例えば、インバータ装置1は、モータ3の正転および逆転にそれぞれ力行および回生を割り付けて記憶部17で記憶し、正転の運転指令が入力されたか逆転の運転指令が入力されたかに従い、記憶部17で記憶する判定基準トルクが力行時の判定基準トルクと回生時の判定基準トルクのどちらに該当するのかを判断してもよい。
また、後述する図9に示すように、回生時の、加速中のモータトルクおよび減速中のモータトルクについて、加速中のモータトルクを回生時の加速中の判定基準トルクとしてもよい。
また、基準データ決定部22は、判定基準トルクを記憶部17に記憶させる際、負荷検出部21で検出されたモータトルクに対して、トルク変動などの誤差を考慮して決定したマージンを加算または減算してもよい。すなわち、基準データ決定部22は、マージンを加算または減算した後のモータトルクを判定基準トルクとして記憶部17に記憶させてもよい。
以上のように、本実施の形態にかかるインバータ装置1は、クレーン、ホイストまたは昇降機の駆動に用いられるモータ3に対して交流電圧を供給する。インバータ装置1は、データ設定モードでの動作で決定した力行時の判定基準トルクおよび回生時の判定基準トルクを保持し、通常運転モードでモータ3を駆動させる際、まず、モータ3が軽負荷状態の場合の運転周波数である軽負荷時運転周波数を目標周波数に設定して加速動作を開始させる。次に、インバータ装置1は、モータ3を加速させている途中に、モータ3が軽負荷状態か否かを、力行時の判定基準トルクおよび回生時の判定基準トルクに基づいて判定する。この判定では、モータ3が力行中であれば力行時の判定基準トルクを使用し、モータ3が回生中であれば回生時の判定基準トルクを使用する。
インバータ装置1は、モータ3が軽負荷状態と判定した場合、軽負荷時運転周波数を目標周波数としたままの状態でモータ3を軽負荷時の運転速度まで加速させる。一方、インバータ装置1は、モータ3が軽負荷状態ではない重負荷状態と判定した場合、目標周波数を、軽負荷時運転周波数よりも低い重負荷時運転周波数に変更し、モータ3を重負荷時の運転速度まで加速または減速させる。これにより、モータ3が軽負荷状態であるか否かの判定時にも、軽負荷状態と判定した場合にも、モータ3が一定速運転を行う必要なく高速運転を開始できるので、軽負荷時に高速運転の開始が遅れるのを防止でき、軽負荷時の動作を効率化できる。
一般的に、吊荷を上下に移動させるクレーン、ホイストまたは昇降機の駆動に用いられるモータでは、一定速運転中と加速中とで負荷状態が異なる。具体的には、一定速運転中は吊荷に応じた負荷トルクのみが発生するが、加速中は吊荷に応じた負荷トルクに加えて、加速度に応じた加速トルクが発生する。この加速トルクは力行時と回生時とで発生方向が異なるため、吊荷に応じた負荷トルクのみを加速中に求めるには、力行運転中か回生運転中かの判定結果、加速度ごとの加速トルクの測定結果および加速トルクの演算に用いる負荷イナーシャの測定結果といった情報が必要となる。
本実施の形態に係るインバータ装置1を用いれば、データ設定モードにおいて加速中あるいは減速中の負荷トルクに基づいて判定基準トルクを設定するので、通常運転モードにおいて加速中あるいは減速中の負荷トルクを用いても、軽負荷判定を精度よく実施できる。すなわち、データ設定モードで加速トルクを含めた負荷トルクを判定基準トルクとして設定しているので、通常運転モードにおいて加速中あるいは減速中に検出した加速トルクを含んだ負荷トルクからも、高精度に軽負荷判定を行うことができる。
本実施の形態では、インバータ装置1がデータ設定モードでモータ3を加速させる際の加速度と、通常運転モードでモータ3を加速させる際の加速度とが同じであることとした。しかし、データ設定モードと通常運転モードとで異なる加速度を使用してもよい。
その場合、通常運転モードで使用する加速度を、データ設定モードで使用する加速度に一定の比率を掛け合わせたものとし、また、この比率を補正前の判定基準トルクに掛け合わせて補正後の判定基準トルクを生成し、補正後の判定基準トルクを用いて軽負荷状態か否かを判定するようにしてもよい。モータ3の減速時も同様である。なお、補正前の判定基準トルクは、データ設定モードでの動作で基準データ決定部22が決定した判定基準トルクである。
なお、通常運転モードで軽負荷状態と判断し、軽負荷高速運転まで加速中に負荷変動が生じた場合の対応としては、加速中に負荷検出部21が検出したモータトルクの一定時間の平均値、または、検出した瞬時値を任意の時定数の一次遅れフィルタを通した値を記憶部17に記憶しておき、運転中に負荷検出部21が検出したモータトルクの瞬時値、モータトルクの一定時間の平均値または検出した瞬時値を任意の時定数の一次遅れフィルタを通した値と、記憶部17に記憶しておいた値との差が任意に設定した値を超えた場合に、重負荷時運転周波数での運転となるように速度を制限してもよい。すなわち、過去に測定して記憶部17に記憶しておいたモータトルクと現在のモータトルクとの2つのモータトルクを使用し、2つのモータトルクの差が一定の値を超えた場合に軽負荷状態ではなくなったと判断し、重負荷時運転周波数での運転となるように速度を制限してもよい。
実施の形態2.
実施の形態1では、モータの加速中に負荷状態を判定し、判定結果に従って軽負荷時運転周波数または重負荷時運転周波数となるように制御するインバータ装置について説明した。これに対して、実施の形態2では、モータの加速中に加えて、モータが一定速運転となった後も負荷状態を確認して運転周波数を制御するインバータ装置について説明する。
実施の形態2にかかるインバータ装置の構成は実施の形態1にかかるインバータ装置1と同様である。実施の形態1にかかるインバータ装置1と区別するため、実施の形態2にかかるインバータ装置をインバータ装置1aと記載する。本実施の形態では、実施の形態1と異なる部分について説明を行う。
(通常運転モードでの動作)
図7は、実施の形態2にかかるインバータ装置1aの通常運転モードでの動作例を示す図である。図7の上段では、実施の形態1の説明に用いた図2などと同様に、インバータ装置1aが動作を開始してからの経過時間と制御部14がパルス信号生成部15に出力する周波数指令値との関係を使用してインバータ装置1aの動作を表している。また、図7の下段にはモータトルクの例を示している。
通常運転モードで動作するインバータ装置1aにおいて、制御部14の運転制御部20は、運転指令および移動量指令が入力され、モータ3を駆動する動作を開始すると、軽負荷時運転周波数を目標周波数として周波数指令値を増加させてモータ3を加速させる。運転制御部20は、加速トルクが安定する任意の周波数f1まで周波数指令値を増加させると、軽負荷状態か否かを確認する。運転制御部20は、軽負荷状態と判断した場合、軽負荷時運転周波数となるまで周波数指令値を増加させる。一方、運転制御部20は、軽負荷状態ではないと判断した場合、重負荷時運転周波数となるように周波数指令値を増加または減少させる。ここまでの動作は実施の形態1にかかるインバータ装置1と同様である。
運転制御部20が周波数指令値を軽負荷時運転周波数まで増加させると、モータ3は軽負荷状態での一定速運転となる。運転制御部20は、軽負荷時運転周波数を周波数指令値として出力している状態の場合、負荷検出部21で検出されたモータトルクを判定基準トルクと比較する処理を周期的に実行し、モータトルクが判定基準トルクを上回ったと判断すると、周波数指令値を重負荷時運転周波数まで減少させる。すなわち、インバータ装置1aは、モータ3の運転速度を重負荷時の運転速度まで減速させる。
モータ3が軽負荷状態で一定速運転を行っているときに運転制御部20がモータトルクとの比較に用いる判定基準トルクは、加速動作中での比較で用いるものとは異なる判定基準トルクとする。以下、この判定基準トルクを一定速運転用判定基準トルクと称する。
なお、運転制御部20が一定速運転用判定基準トルクを含む判定基準トルクと比較するモータトルクは、負荷検出部21で検出された瞬時値に限定されない。運転制御部20は、判定基準トルクと比較する対象を、モータトルクの瞬時値の一定時間の平均値、瞬時値を任意の時定数の一次遅れフィルタを通した値などとしてもよい。
モータ3が軽負荷状態での一定速運転を行っているときにモータトルクが一定速運転用判定基準トルクを上回るようになる要因としては地切りが考えられる。地切りとは、クレーンおよびホイストの駆動で荷吊用のワイヤがたるんだ状態からワイヤを巻上げ、巻上げ途中で荷を吊ることをいう。地切りが発生すると、モータ3の負荷が急変する。
(データ設定モードでの動作)
インバータ装置1aのデータ設定モードでの動作は、実施の形態1におけるインバータ装置1のデータ設定モードでの動作に加えて、一定速運転用判定基準トルクを決定する動作を含む。
実施の形態1のインバータ装置1は、データ設定モードでの動作において、モータ3を加速させた後、一定速運転を行わずに減速させることとしていた。これに対して、本実施の形態におけるインバータ装置1aは、データ設定モードでの動作において、モータ3を加速させた後、一定速運転を行い、一定速運転区間において測定したモータトルクを一定速運転用判定基準トルクに決定して記憶部17で記憶する。インバータ装置1aは、データ設定モードでモータ3を正転させた場合に決定した一定速運転用判定基準トルクと、モータ3を逆転させた場合に決定した一定速運転用判定基準トルクとを記憶部17で記憶する。モータ3の加速動作中および減速動作中のデータ設定モードでのインバータ装置1aの動作は、インバータ装置1の動作と同様である。
図8は、実施の形態2にかかるインバータ装置1aのデータ設定モードでの動作の一例を示すフローチャートである。図8に示したフローチャートは、図6に示したフローチャートのステップS24をステップS31およびS32に置き換えたものである。図8に示したステップS21〜S23,S25〜28については図6に示したステップS21〜S23,S25〜28と同じ処理であるため、説明を省略する。
負荷検出部21が、ステップS23で加速中のモータトルクTAを測定した後、運転制御部20は、出力する周波数指令値が目標周波数になると、周波数指令値を増加させる加速動作を終了し、モータ3を一定速運転させる。この状態において、負荷検出部21がモータトルクを測定する(ステップS31)。このモータトルクを基準データ決定部22が受け取り、一定速運転用判定基準トルクとして記憶部17に記憶させる。負荷検出部21によるモータトルクの測定が終了すると、運転制御部20は、一定速運転を終了して減速動作、すなわち、周波数指令値をゼロに近づけることによりモータ3を減速させる動作を開始する(ステップS32)。
なお、本実施の形態におけるインバータ装置1aは、データ設定モードでの動作において、モータ3を加速させた後、一定速運転を行わずに減速させ、加速中あるいは減速中に測定したモータトルクを一定速運転用判定基準トルクに決定して記憶部17で記憶してもよい。また、加速中あるいは減速中に測定したモータトルクから一定速運転用判定基準トルクを演算して記憶部17で記憶してもよい。例えば、加速時と減速時の速度変化率の比率に応じて加速中に測定したモータトルクと減速中に測定したモータトルクの加重平均を演算して一定速運転用判定基準トルクに決定して記憶部17で記憶してもよい。この場合、前述のステップS31は省略してもよい。
また、本実施の形態におけるインバータ装置1aは、データ設定モードでモータ3を正転させた場合に決定した一定速運転用判定基準トルクと、モータ3を逆転させた場合に決定した一定速運転用判定基準トルクとを記憶部17で記憶することとしたが、一定速運転用判定基準トルクは正転時と逆転時に限定するものではなく、実施の形態1と同様に、トルク電流に基づいて力行か回生かを判定し、力行時および回生時のそれぞれの一定速運転用判定基準トルクを記憶部17に記憶して、通常運転モードでの力行時および回生時に用いてもよい。また、加速中のモータトルクと減速中のモータトルクとを比較することにより、記憶部17が記憶する一定速運転用判定基準トルクが力行時の一定速運転用判定基準トルクと回生時の一定速運転用判定基準トルクのどちらに該当するのかを判定してもよい。
なお、基準データ決定部22がモータトルクを一定速運転用判定基準トルクとして記憶部17に記憶させる際には、トルク変動などの誤差を考慮して決定したマージンを加算または減算したモータトルクを一定速運転用判定基準トルクとして記憶部17に記憶させてもよい。以降の動作は実施の形態1にかかるインバータ装置1のデータ設定モードでの動作と同様である。
実施の形態1にかかるインバータ装置1および実施の形態2にかかるインバータ装置1aは、データ設定モードにおいて、加速中のモータトルクおよび減速中のモータトルクの値が大きい方を判定基準トルクとして設定することとしたが、図9に示すように、加速中と加速中以外とで個別に判定基準トルクを設定してもよい。すなわち、インバータ装置1および1aは、データ設定モードにおいて、加速中のモータトルクおよび減速中のモータトルクを測定して記憶部17で記憶した後、記憶した加速中のモータトルクおよび減速中のモータトルクが回生時のものである場合、加速中のモータトルクを回生時の加速中の判定基準トルクとして記憶部17で記憶し、減速中のモータトルクを加速中以外の判定基準トルクとして記憶部17で記憶する。加速中以外の判定基準トルクは、上述した一定速運転用判定基準トルクとして使用してもよい。
以上のように、本実施の形態にかかるインバータ装置1aは、実施の形態1にかかるインバータ装置1と同様に、通常運転モードでモータ3を駆動させる際、モータ3を加速させている途中にモータ3が軽負荷状態か否かを確認し、確認結果に対応する運転速度までモータ3を加速させる。また、インバータ装置1aは、モータ3を軽負荷時の運転速度まで加速させた後の一定速運転において、モータ3が重負荷状態となったか否かの確認を繰り返し行い、重負荷状態となった場合には、モータ3の運転速度を重負荷時の運転速度に変更する。
これにより、インバータ装置1aがクレーン、ホイストまたは昇降機の駆動に用いられ、通常運転モードにおいてモータ3が軽負荷状態の場合に、モータ3が加速途中で一定速運転となる必要がなく高速運転を開始できるので、軽負荷時に高速運転の開始が遅れるのを防止でき、軽負荷時の動作を効率化できる。
また、インバータ装置1aは、軽負荷時の運転速度に従った一定速運転中にもモータ3が軽負荷状態か否かを確認し、軽負荷状態ではなくなった場合、すなわち重負荷状態となった場合、モータ3の運転速度を重負荷時の運転速度に変更する。そのため、地切り、すなわちクレーンおよびホイストの駆動で荷吊用のワイヤがたるんだ状態からワイヤを巻上げ、巻上げ途中で荷を吊ることになり運転中に負荷が急変する場合でも、負荷の変化を検出して検出結果に合わせた速度で運転することができる。この結果、適切な速度で吊荷を吊ることができる。
なお、地切りへの対応としては、加速中および一定速運転中に負荷検出部21が検出したモータトルクの一定時間の平均値、または、検出した瞬時値を任意の時定数の一次遅れフィルタを通した値を記憶部17に記憶しておき、運転中に負荷検出部21が検出したモータトルクの瞬時値、モータトルクの一定時間の平均値または検出した瞬時値を任意の時定数の一次遅れフィルタを通した値と、記憶部17に記憶しておいた値との差が任意に設定した値を超えた場合に、重負荷時運転周波数での運転となるように速度を制限してもよい。すなわち、インバータ装置1aは、過去に測定して記憶部17に記憶しておいたモータトルクと現在のモータトルクとの2つのモータトルクを使用し、2つのモータトルクの差が一定の値を超えた場合に軽負荷状態ではなくなったと判断し、重負荷時運転周波数での運転となるように速度を制限してもよい。
次に、各実施の形態で説明したインバータ装置1および1aのハードウェア構成について説明する。
インバータ装置1および1aのコンバータ回路11は、複数の整流素子を組み合わせて実現される。インバータ装置1および1aのインバータ回路12は、複数のスイッチング素子を組み合わせて実現される。
インバータ装置1および1aの電流検出部13は、U相の相電流を検出する電流検出器、V相の相電流を検出する電流検出器およびW相の相電流を検出する電流検出器で構成される。あるいは、U相、V相、W相のうち任意の一相ないし二相分を検出する構成として演算により各相の相電流を算出してもよいし、インバータ母線電流やスイッチング素子に流れる電流を検出する構成としてスイッチング素子の状態から演算により各相の相電流を算出してもよい。
インバータ装置1および1aの制御部14およびパルス信号生成部15は、図10に示した制御回路、具体的にはプロセッサ101およびメモリ102により実現することができる。
プロセッサ101は、CPU(Central Processing Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、DSP(Digital Signal Processor)ともいう)である。メモリ102は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリー、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等の、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスクを含む。
制御部14およびパルス信号生成部15は、これらの各部が実行する処理が記述されたプログラムをメモリ102が保持し、このプログラムをプロセッサ101が読み出して実行することにより実現される。なお、制御部14およびパルス信号生成部15の両方、または一方を専用のハードウェアとしての処理回路で実現してもよい。この場合、処理回路は、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせたものである。
インバータ装置1および1aの記憶部17は、図10に示した制御回路のメモリ102により実現される。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
例えば、運転中に負荷検出部21により検出されたモータトルクの瞬時値もしくは検出されたモータトルクの一定時間の平均値、または、検出された瞬時値を任意の時定数の一次遅れフィルタを通した値が、別途設定した過荷重判定トルクを超えた場合に運転を停止する過荷重停止機能と組み合わせて使用してもよい。
1 インバータ装置、2 交流電源、3 モータ、10 電力変換部、11 コンバータ回路、12 インバータ回路、13 電流検出部、14 制御部、15 パルス信号生成部、16 平滑コンデンサ、17 記憶部、20 運転制御部、21 負荷検出部、22 基準データ決定部。

Claims (15)

  1. モータを駆動する交流電圧を生成する電力変換部と、
    前記モータの負荷を検出する負荷検出部と、
    通常運転モードにおいて前記モータが加速中に前記負荷検出部が検出した負荷である加速動作時負荷と判定基準データとに基づいて前記モータが軽負荷状態か否かを判定し、前記モータが軽負荷状態の場合は前記モータの運転速度が第1の速度となるよう前記電力変換部を制御し、前記モータが軽負荷状態ではない場合には前記モータの運転速度が前記第1の速度よりも遅い第2の速度となるよう前記電力変換部を制御する運転制御部と、
    を備え
    前記運転制御部は、前記モータの運転速度が前記第2の速度よりも遅い速度の状態において、前記モータが軽負荷状態か否かを判定する、
    ことを特徴とするインバータ装置。
  2. 前記判定基準データは、前記モータが力行中の場合に前記モータが軽負荷状態か否かを判定する処理で使用する力行時の判定基準と、前記モータが回生中の場合に前記モータが軽負荷状態か否かを判定する処理で使用する回生時の判定基準とを含み、
    前記運転制御部は、前記モータが力行中であれば前記力行時の判定基準を使用して前記モータが軽負荷状態か否かを判定し、前記モータが回生中であれば前記回生時の判定基準を使用して前記モータが軽負荷状態か否かを判定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のインバータ装置。
  3. 前記運転制御部は、前記モータが加速中に前記電力変換部から前記モータに流れる電流の値に基づいて、前記モータが力行中か回生中かを判定する、
    ことを特徴とする請求項2に記載のインバータ装置
  4. 前記運転制御部は、さらに、前記モータの運転速度が前記第1の速度の場合に前記モータが軽負荷状態か否かを判定し、前記モータが軽負荷状態ではないと判定した場合、前記モータの運転速度が前記第2の速度となるよう前記電力変換部を制御する、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載のインバータ装置。
  5. 前記運転制御部は、前記モータの運転速度が前記第1の速度のときに前記負荷検出部が検出した過去の負荷および現在の負荷に基づいて、前記モータが軽負荷状態か否かを判定する、
    ことを特徴とする請求項4に記載のインバータ装置。
  6. 前記運転制御部は、前記モータの運転速度に対応する周波数を用いて前記電力変換部を制御する、
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載のインバータ装置。
  7. 前記運転制御部は、前記負荷の状態が安定する区間における前記加速動作時負荷を使用して前記モータが軽負荷状態か否かを判定する、
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一つに記載のインバータ装置。
  8. 前記運転制御部は、前記加速動作時負荷の一定時間の平均値、または、前記加速動作時負荷を一次遅れフィルタに通した値を使用して前記モータが軽負荷状態か否かを判定する、
    ことを特徴とする請求項1から7のいずれか一つに記載のインバータ装置。
  9. ータ設定モードでの動作の指令を受けた場合に前記力行時の判定基準および前記回生時の判定基準を決定する基準データ決定部、
    を備え、
    前記データ設定モードでの動作の指令を受けた場合、
    前記運転制御部は、前記モータの運転速度が予め決められた速度となるまで前記モータが加速し、前記運転速度が前記予め決められた速度となった後に前記モータが減速するよう、前記電力変換部を制御し、
    前記基準データ決定部は、力行時及び回生時において、前記モータが加速中に前記負荷検出部が検出した負荷と、前記モータが減速中に前記負荷検出部が検出した負荷と、の少なくとも一方に基づいて前記力行時の判定基準および前記回生時の判定基準を決定する、
    ことを特徴とする請求項2または3に記載のインバータ装置。
  10. 前記基準データ決定部は、力行時の前記モータが加速しているときに前記負荷検出部が検出した負荷に基づいて前記力行時の判定基準決定し、回生時の前記モータが減速しているときに前記負荷検出部が検出した負荷に基づいて前記回生時の判定基準決定する、
    ことを特徴とする請求項9に記載のインバータ装置。
  11. 前記基準データ決定部は、力行時の前記モータが加速しているときに前記負荷検出部が検出した負荷に基づいて前記力行時の判定基準決定し、回生時の前記モータが加速しているときに前記負荷検出部が検出した負荷に基づいて前記回生時の判定基準決定し、回生時の前記モータが減速しているときに前記負荷検出部が検出した負荷を、前記第1の速度において一定速運転を行っているときの前記モータが軽負荷状態か否かを判定する処理で使用する判定基準に決定する、
    ことを特徴とする請求項9に記載のインバータ装置。
  12. 前記基準データ決定部は、前記負荷検出部が検出した負荷の一定時間の平均値、または、前記負荷検出部が検出した負荷を一次遅れフィルタに通した値を使用して前記力行時の判定基準および前記回生時の判定基準を決定する、
    ことを特徴とする請求項9から11のいずれか一つに記載のインバータ装置。
  13. 前記データ設定モードにおける前記モータの加速度と、前記通常運転モードにおける前記モータの加速度とが同じである、
    ことを特徴とする請求項9から12のいずれか一つに記載のインバータ装置。
  14. 前記データ設定モードにおける前記モータの加速度である第1の加速度と、前記通常運転モードにおける前記モータの加速度である第2の加速度とが異なり、
    前記基準データ決定部は、前記力行時の判定基準および前記回生時の判定基準を、前記第1の加速度と前記第2の加速度との比率に基づいて補正する、
    ことを特徴とする請求項9から12のいずれか一つに記載のインバータ装置。
  15. モータを駆動するインバータ装置が実行するモータの軽負荷判定方法であって、
    データ設定モードにおいて前記モータを加速中に前記モータの負荷を検出する第1の工程と、
    前記第1の工程で検出された前記モータの負荷に基づいて判定基準トルクを設定する第2の工程と、
    前記データ設定モードと異なる通常運転モードにおいて前記モータを加速中に前記モータの負荷を検出する第3の工程と、
    前記第3の工程で検出された前記モータの負荷と、前記判定基準トルクとに基づいて、前記モータが軽負荷状態か否かを判定する第4の工程と、
    前記第4の工程において前記モータが軽負荷状態と判定した場合、前記モータを第1の速度まで加速し、前記第4の工程において軽負荷状態ではないと判定した場合、前記モータを前記第1の速度よりも遅い第2の速度まで加速する第5の工程と、
    を含み、
    前記第4の工程では、前記モータの運転速度が前記第2の速度よりも遅い速度の状態において、前記モータが軽負荷状態か否かを判定する、
    ことを特徴とするモータの軽負荷判定方法。
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