JP6312318B2 - 金属錯体色素、配位子及び色素増感型太陽電池 - Google Patents

金属錯体色素、配位子及び色素増感型太陽電池 Download PDF

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Description

本発明は、金属錯体色素、配位子及び色素増感型太陽電池に関する。
近年、金属を持たない、様々な有機増感色素が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1には、黄色系色素であって有機増感色素の代表例といえるD131色素の性能が開示されている。
特開2007−84684号公報
しかしながら、D131色素は、色素の劣化や脱離などにより耐久性が乏しく実用化に向かないという問題があった。そのため、カラフル色素増感太陽電池に用いられる黄色系色素として、より耐久性の高いものを開発することが望まれていた。一方、一般的に、ルテニウム等の遷移金属を含む金属錯体色素は耐久性が高いことが知られているが、分子骨格等を大幅に変化させると、その性能や耐久性が変化してしまうことが知られている。そのため、黄色系の金属錯体色素であって耐久性に優れたものは未だ報告されていない。
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、従来の色素と比べて耐久性の高い金属錯体色素を提供することを主目的とする。
上述した目的を達成するために鋭意研究したところ、本発明者らは、6−インダゾールカルボン酸を4−ピリジンカルボン酸の2,6位に導入した新規3座配位子のアニオン性錯体とイソチオシアネートカチオンとを備えたルテニウム錯体色素が従来の色素と比べて耐久性が高いことを見いだし、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の金属錯体色素は、式(1)で示されるアニオン性錯体と該アニオン性錯体の対カチオンとを備えたものである。
(式(1)中、
He1環は、−CO2H、−SO3H又は−PO32を有する炭化水素芳香環とピラゾールとが縮合した構造を持ち、前記ピラゾールの1位のN原子又は3位のC原子が中央のピリジンの2位と結合し、前記ピラゾールの2位のN原子がMに配位したピラゾール縮合環であり、
He2環は、−CO2H、−SO3H若しくは−PO32を有する炭化水素芳香環とピラゾールとが縮合した構造を持ち、前記ピラゾールの1位のN原子若しくは3位のC原子が中央のピリジンの6位と結合し、前記ピラゾールの2位のN原子がMに配位したピラゾール縮合環であるか、又は、4位に−CO2H、−SO3H若しくは−PO32を有し、2位のC原子が中央のピリジンの6位と結合し、1位のN原子がMに配位したピリジル基であり、
Rは、−CO2H、−SO3H又は−PO32であり、
Mは、遷移金属であり、
1〜L3は、同じでも異なっていてもよい1座配位子であり、
nは、1以上6以下の数である。)
本発明の配位子は、式(2)で示されるものである。
(式(2)中、
He1環は、−CO21、−SO31又は−PO31 2(R1はアルキル基)を有する炭化水素芳香環とピラゾールとが縮合した構造を持ち、前記ピラゾールの1位のN原子又は3位のC原子が中央のピリジンの2位と結合したピラゾール縮合環であり、
He2環は、−CO22、−SO32若しくは−PO32 2(R2はアルキル基)を有する炭化水素芳香環とピラゾールとが縮合した構造を持ち、前記ピラゾールの1位のN原子若しくは3位のC原子が中央のピリジンの6位と結合したピラゾール縮合環であるか、又は、4位に−CO22、−SO32若しくは−PO32 2(R2はアルキル基)を有し、2位のC原子が中央のピリジンの6位と結合したピリジル基であり、
Rは、−CO23、−SO33又は−PO33 2(R3はアルキル基)である。)
本発明の色素増感型太陽電池は、上述した金属錯体色素を含む半導体層を透明導電性基板上に備えた光電極と、前記光電極に向かい合うように配置された対極と、前記光電極と前記対極との間に介在する電解質層と、を備えたものである。
本発明の金属錯体色素は、色素増感型太陽電池に使用したときの耐久性が従来の色素と比べて高い。その理由は明らかではないが、本発明の金属錯体色素では、インダゾールに代表されるピラゾール縮合環を導入した3座配位子を遷移金属に配位させたことにより、電子供与性部位である1座配位子から電子吸引性部位である酸性基への電子の流れがスムーズになったことが一因と考えられる。また、本発明の配位子は、本発明の金属錯体色素の合成中間体として有用である。更に、本発明の色素増感型太陽電池は、本発明の金属錯体色素を含む半導体層を用いたことにより、耐久試験後も良好な太陽電池特性を維持することができる。
色素増感型太陽電池モジュール10の構成の概略の一例を示す断面図。 色素増感型太陽電池40の構成の概略の一例を示す断面図。 化合物6の吸収スペクトルのグラフ。 化合物6のHOMO、LUMOの電子状態を示す説明図。 1sun60℃での耐久試験の結果を示すグラフ。 85℃暗所熱耐久試験の結果を示すグラフ。 IPCE特性を示すグラフ。
本発明の金属錯体色素は、式(1)で示されるアニオン性錯体と、このアニオン性錯体の対カチオンと、を有している。
式(1)中、He1環は、−CO2H、−SO3H又は−PO32を有する炭化水素芳香環とピラゾールとが縮合した構造を持ち、前記ピラゾールの1位のN原子又は3位のC原子が中央のピリジンの2位と結合し、ピラゾールの2位のN原子がMに配位したピラゾール縮合環であり、He2環は、−CO2H、−SO3H若しくは−PO32を有する炭化水素芳香環とピラゾールとが縮合した構造を持ち、ピラゾールの1位のN原子若しくは3位のC原子が中央のピリジンの6位と結合し、ピラゾールの2位のN原子がMに配位したピラゾール縮合環であるか、又は、4位に−CO2H、−SO3H若しくは−PO32を有し、2位のC原子が中央のピリジンの6位と結合し、1位のN原子がMに配位したピリジル基であり、Rは、−CO2H、−SO3H又は−PO32であり、Mは、遷移金属であり、L1〜L3は、同じでも異なっていてもよい1座配位子であり、nは、1以上6以下の数である。
He1環は、−CO2H、−SO3H又は−PO32を有する炭化水素芳香環とピラゾールとが縮合した構造を持つピラゾール縮合環である。炭化水素芳香環としては、例えばベンゼン、ナフタレン、アントレセン、フェナントレンなどが挙げられるが、このうちベンゼンが好ましい。ベンゼンとピラゾールとが縮合した構造を持つピラゾール縮合環は、インダゾールである。He1環がインダゾールの場合、−CO2Hなどの酸性基は5位又は6位に結合していることが好ましい。また、インダゾールの1位のN原子が中央のピリジンの2位と結合し、2位のN原子が遷移金属Mに配位しているか、インダゾールの3位のC原子が中央のピリジンの2位と結合し、2位のN原子が遷移金属Mに配位していることが好ましいが、前者がより好ましい。
He2環は、−CO2H、−SO3H若しくは−PO32を有する炭化水素芳香環とピラゾールとが縮合した構造を持つピラゾール縮合環であるか、又は、4位に−CO2H、−SO3H若しくは−PO32を有するピリジル基である。ピラゾール縮合環については、He1環で説明したとおりである。He2環がインダゾールの場合、−CO2Hなどの酸性基は5位又は6位に結合していることが好ましい。また、インダゾールの1位のN原子が中央のピリジンの6位と結合し、2位のN原子が遷移金属Mに配位しているか、インダゾールの3位のC原子が中央のピリジンの6位と結合し、2位のN原子が遷移金属Mに配位していることが好ましいが、前者がより好ましい。一方、He2環がピリジル基の場合、2位のC原子が中央のピリジンの6位に結合し、1位のN原子がMに配位していることが好ましい。
Mは、遷移金属である。この遷移金属は、Fe,Ru,Os,Pt,Ir,Re,Rh及びPdから選択される1以上としてもよい。このうち、Ru,Osが好ましく、Ruがより好ましい。この遷移金属は、例えば、2価の八面体構造を有する遷移金属イオンであることが好ましい。
1,L2,L3は、1座配位子(1価のアニオン配位子)である。これらの配位子L1,L2,L3は、全てが同じでもよいし、全てが異なっていてもよいし、一部が同じで残りが異なっていてもよい。このうち、これらの配位子は全て同じであることがより好ましい。これらの配位子L1,L2,L3は、例えば、−F、−Cl、−Br、−I、−OH、−CN、−SCN(チオシアネート基)、−NCS(イソチオシアネート基)から選択される1以上であるものとしてもよい。このうち、−SCN及び−NCSが好ましく、−NCSがより好ましい。
nは、アニオン性錯体の価数を表し、Rで表される酸やHe1環及びHe2環に含まれる酸のうち対カチオンと塩を形成しない遊離酸(イオン化していない酸)の数に応じて決まる。例えば、Rで表される酸やHe1環及びHe2環に含まれる酸が−CO2Hや−SO3Hの場合、遊離酸がゼロならばnは3,遊離酸が1つならばnは2、遊離酸が2つならばnは3となるため、nは1以上3以下の数となる。一方、−PO32の場合、nは1以上6以下の数となる。
ここで、アニオン性錯体の代表例として、化合物A〜Dを以下に示す。化合物A,Bは、He1環及びHe2環が共にインダゾールの例であり、化合物Aは2つのインダゾールの1位のN原子が中央のピリジンの2位,6位にそれぞれ結合したもの、化合物Bは2つのインダゾールの3位のC原子が中央のピリジンの2位,6位にそれぞれ結合したものである。化合物C,Dは、He1環がインダゾールでHe2環がピリジンの例であり、化合物Cはインダゾールの1位のN原子が中央のピリジンの2位に結合し、ピリジル基の2位が中央のピリジンの6位に結合したもの、化合物Dはインダゾールの3位のC原子が中央のピリジンの2位に結合し、ピリジル基の2位が中央のピリジンの6位に結合したものである。なお、化合物A〜Dにおいて、インダゾールの酸性基Rは、5位又は6位に結合している。また、Rとしては−CO2Hが好ましく、MとしてはRuが好ましく、L1〜L3としてはNCSが好ましい。
対カチオンは、アニオン性錯体の価数と中和するものであり、例えば、H+、K+、Na+、Cs+などのアルカリ金属のカチオンとしてもよいし、RN+(Rは水素原子又はアルキル基)で表されるアンモニウムカチオンとしてもよい。アンモニウムカチオンとしては、第4級アンモニウムカチオンが好ましい。第4級アンモニウムカチオンとしては、分岐を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル鎖を有する第4級アンモニウムカチオンが好ましく、特にテトラ−n−ブチルアンモニウム(TBA)が好ましい。
式(1)で示されるアニオン性錯体と、その対カチオンとを備えた金属錯体色素は、式(2)で示される3座配位子から合成される。
式(2)中、He1環は、−CO21、−SO31又は−PO31 2(R1はアルキル基)を有する炭化水素芳香環とピラゾールとが縮合した構造を持ち、前記ピラゾールの1位のN原子又は3位のC原子が中央のピリジンの2位と結合したピラゾール縮合環であり、He2環は、−CO22、−SO32若しくは−PO32 2(R2はアルキル基)を有する炭化水素芳香環とピラゾールとが縮合した構造を持ち、前記ピラゾールの1位のN原子若しくは3位のC原子が中央のピリジンの6位と結合したピラゾール縮合環であるか、又は、4位に−CO22、−SO32若しくは−PO32 2(R2はアルキル基)を有し、2位のC原子が中央のピリジンの6位と結合したピリジル基であり、Rは、−CO23、−SO33又は−PO33 2(R3はアルキル基)である。ここで、He1環及びHe2環は、式(1)と基本的には同じであるため、ここではその詳細な説明を省略する。3座配位子の代表例として、化合物A’〜D’を以下に示す。化合物A’〜D’は、それぞれ化合物A〜Dを製造するための合成中間体である。なお、化合物A’〜D’において、Rは上述したとおりであり、インダゾールの置換基Rは、5位又は6位に結合している。また、Rとしては−CO23が好ましい。
次に、本発明の金属錯体色素の合成方法について、上記化合物A〜Dを例に挙げて説明する。なお、ここでは、MはRu、L1〜L3はNCSとして説明する。まず、合成中間体として3座配位子である上記化合物A’〜D’を合成する。例えば、化合物A’は、1モルの2,6−ジハロゲノピリジン誘導体と2モルのインダゾール誘導体とをウルマン(Ullmann)反応で縮合することにより得ることができる。化合物B’は、1モルの2,6−ジハロゲノピリジン誘導体と2モルの3−トリブチルスズインダゾール誘導体とをスティル(Stille)反応で縮合することにより得ることができる。化合物C’は、1モルの2,6−ジハロゲノピリジン誘導体と1モルのインダゾール誘導体とをウルマン反応で縮合した後、1モルの縮合反応物と1モルの2−ハロゲノピリジンとをスティル反応で縮合することにより得ることができる。化合物D’は、1モルの2,6−ジハロゲノピリジン誘導体と1モルの3−トリブチルスズインダゾール誘導体とをスティル反応で縮合した後、1モルの縮合反応物と1モルの2−ハロゲノピリジン誘導体とを再度スティル反応で縮合することにより得ることができる。なお、スティル反応の代わりに、鈴木−宮浦カップリングを用いてもよい。次に、化合物A’〜D’をハロゲン化ルテニウムと反応させたあと、チオシアン酸アンモニウムで処理することにより、化合物A〜D(L1〜L3がすべてNCS)を得ることができる。Ruの価数は、通常、前段の反応後は3価、後段の反応後は2価となる。対カチオンは、最後に調整可能であり、例えばTBAに変換するには、硝酸でTBAの数を調整することができる。
次に、本発明の色素増感型太陽電池モジュールの一実施形態を図面を用いて説明する。図1は、色素増感型太陽電池モジュール10の構成の概略の一例を示す断面図である。図1に示すように、本実施形態に係る色素増感型太陽電池モジュール10は、透明導電性基板14上に複数の色素増感型太陽電池40(以下セルとも称する)が順次配列した構成となっている。これらのセルは直列に接続されている。この色素増感型太陽電池モジュール10では、各セルの間を埋めるように、シール材32が形成されており、透明導電性基板14とは反対側のシール材32の面に平板状の保護部材34が形成されている。本実施形態に係る色素増感型太陽電池40は、光が透過する透明基板11の表面に透明導電膜12が形成されている透明導電性基板14と、透明導電膜12に形成され色素を含む多孔質半導体層24と、多孔質半導体層24に対して電解質層26を介して設けられた対極30と、を備えている。光電極20は、透明導電性基板14と、透明基板11の受光面13とは反対側の面に分離形成された透明導電膜12に配設され受光に伴い電子を放出する多孔質半導体層24とを備えている。この色素増感型太陽電池40は、多孔質体に電解液を含んで形成された電解質層26を備えており、電解液を介して発電可能な構成となっている。
透明導電性基板14は、透明基板11と透明導電膜12とにより構成され、光透過性及び導電性を有するものである。具体的には、フッ素ドープSnO2コートガラス、ITOコートガラス、ZnO:Alコートガラス、アンチモンドープ酸化スズ(SnO2−Sb)コートガラス等が挙げられる。また、酸化スズや酸化インジウムに原子価の異なる陽イオン若しくは陰イオンをドープした透明電極、メッシュ状、ストライプ状など光が透過できる構造にした金属電極をガラス基板等の基板上に設けたものも使用できる。この透明導電性基板14の透明導電膜12側の両端には、集電電極16,17が設けられており、この集電電極16,17を介して色素増感型太陽電池40で発電した電力を利用することができる。
透明基板11としては、例えば、透明ガラス、透明プラスチック板、透明プラスチック膜、無機物透明結晶体などが挙げられ、このうち、透明ガラスが好ましい。この透明基板11は、透明なガラス基板、ガラス基板表面を適当に荒らすなどして光の反射を防止したもの、すりガラス状の半透明のガラス基板など光を透過するものなどとしてもよい。透明導電膜12は、例えば、透明基板11上に酸化スズを付着させることにより形成することができる。特に、フッ素をドープした酸化スズ(FTO)等の金属酸化物を用いれば、好適な透明導電膜12を形成することができる。透明導電膜12は、所定の間隔に溝18が形成されており、この溝18の幅に相当する間隔を隔てて複数の透明導電膜12の領域が分離形成されている。
多孔質半導体層24は、上述した本発明の金属錯体色素を含む多孔質のn型半導体層により形成されている。n型半導体としては、金属酸化物半導体や金属硫化物半導体などが適しており、例えば、酸化チタン(TiO2)、酸化スズ(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)、硫化カドミウム(CdS)、硫化亜鉛(ZnS)のうち少なくとも1以上であることが好ましく、このうち多孔質の酸化チタンがより好ましい。これらの半導体材料を微結晶又は多結晶状態にして薄膜化することにより、良好な多孔質のn型半導体層を形成することができる。特に、多孔質の酸化チタン層は、光電極20が有するn型半導体層として好適である。また、酸化チタンとしては、伝導帯の下端のエネルギー準位がより高く、開放端電圧がより高いことから、ルチル型TiO2よりもアナターゼ型TiO2が好ましい。
電解質層26は、対極30と光電極20との間の電子の受け渡しを媒介する層であり、例えば、液状またはゲル状の電解質を含むものとしてもよい。この電解質層26は、例えば、多孔質体に電解液を含む層とすることが好ましい。この多孔質体は、電解液を保持可能であり、電子伝導性を有さない多孔体であれば特に限定されず、例えば、多孔質体として、ルチル型の酸化チタン粒子により形成した多孔体を使用してもよい。この多孔質体は、セパレータの機能を有している。多孔質体は、多孔質半導体層24の裏面25を覆う部分と、多孔質半導体層24のうち裏面25に隣接する側面に密着する顎状の縁部分とを有している。この鍔状の縁部分は、透明基板11に直接、接触している。透明導電性基板14と電解質層26の多孔質体との接続部において、透明導電膜12の一部は、例えばレーザスクライブ等の技術により完全に削りとられ、透明基板11の表面が露出される深さの溝18が形成されている。そして、この溝18に電解質層26の多孔質体の鍔状に形成された縁部分が挿入されている。
電解質層26に含まれる電解液は、イオン性液体を含んでいてもよい。イオン性液体としては、例えば、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(EMI−TFSI)、1−アリル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(AMII−TFSI)、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラシアノボレート(EMI−TCB)、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(BMI−BF4)などのイミダゾリウム塩が挙げられる。また、電解液には、イオン性液体に代えて又は加えて有機溶媒を含んでいてもよい。有機溶媒としては、例えば、メトキシプロピオニトリル、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、γ−ブチロラクトン、バレロラクトン等のラクトン系溶媒、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系溶媒などのうち1以上などが挙げられる。電解液は、イオン性液体を含むことが好ましい。蒸気圧が低く揮発性が少なく粘性の高いイオン性液体を電解液の溶媒として用いることにより、金属錯体色素の溶解性が低くなり、金属錯体色素の脱離を抑制できるからである。
電解質層26に含まれる電解液には、酸化還元対を含むものとしてもよい。この酸化還元対によって、光電極20と、対極30との間の電子の受け渡しが媒介される。なお、この電解液の一部は、通常、多孔質体である光電極20に含浸している。酸化還元対としては、I3 -/I-、Br3 -/Br-、ハイドロキノン/キノン、コバルトイオン、鉄イオン等が挙げられ、これらの中でも、特にI3 -/I-を好適に用いることができる。また、電解液には、酸化還元対としてヨウ素を含むイオン性液体(ヨウ素系イオン性液体)を含むことが好ましい。このヨウ素系イオン性液体としては、例えば、1−プロピル−3−メチルイミダゾリウムヨージド(以下、PMIIと略記する)や、1,2ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムヨージド(DMPII)、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヨージド、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムヨージド、1−アリル−3−エチルイミダゾリウムヨージド、1,3−ジメチルイミダゾリウムヨージド、1,2ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムヨージドなどが挙げられる。
電解質層26に含まれる電解液は、添加剤を含むものとしてもよい。添加剤としては、例えば、グアニジンチオシアネート(GuSCN)や、4−tert−ブチルピリジン(4TBP)、N−メチル−ベンゾイミダゾール等をそれぞれ適宜加えてもよい。電解液中の添加剤の濃度は0.001mol/L以上1.0mol/L以下の範囲であることが好ましい。
対極30は、電解質層26の裏面27及び鍔状の縁部分とに接触するよう、鍔状の縁部分を有する断面L字状に形成されている。この対極30は、電解質層26の裏面に接続されていると共に、鍔状の縁部分が接続部21を介して隣側の透明導電膜12に接続されている。電解質層26の裏面27と接触するこの対極30の面は、光電極20に対して所定の間隔を隔てて対向している。対極30としては、導電性及び電解質層26との接合性を有するものであれば特に限定されず、例えば、Pt,Au,カーボンなどが挙げられ、このうちカーボンが好ましい。この対極30は、例えば、カーボンブラック粒子と、グラファイト粒子と、アナターゼ型の酸化チタン粒子等の導電性酸化物粒子とを構成材料として形成された多孔質の炭素電極としてもよい。なお、この対極30には、例えば、電極反応の速度をより速やかに進行させる観点から、Pt微粒子などの触媒微粒子が分散担持されていてもよい。
シール材32は、各色素増感型太陽電池40の外周側を覆うように形成されており、電解質層26中に充填されている電解質が外部へ漏れ出すことを防止することを主な目的として設けられている。シール材32としては、例えば、絶縁性の部材であれば特に限定されずに用いることができ、ポリエチレン、アイオノマー樹脂等の熱可塑性樹脂フィルム、エポキシ系接着剤等を使用することができる。
保護部材34は、色素増感型太陽電池40の保護を図る部材であり、例えば、防湿フィルムや保護ガラスなどとすることができる。
この色素増感型太陽電池40に対して、透明基板11の受光面13側から光を照射すると、透明導電膜12の受光面15及び受光面23を介して光が多孔質半導体層24へ到達し、色素が光を吸収して電子が発生する。電子は光電極20から透明導電膜12、接続部21を経由して隣の対極30へ移動する。色素増感型太陽電池40では、この電子の移動により起電力が発生し、電池の発電作用が得られる。
本実施形態の色素増感型太陽電池モジュール10によれば、式(1)で表されるアニオン錯体とその対カチオンとを有する金属錯体色素を多孔質半導体層24に含むため、例えば、耐久特性、特に長時間光照射した後の耐久性や暗所で長時間加熱した後の耐久性をより向上することができる。その理由は、以下のように推察される。例えば化合物A〜Dの場合、光によって化合物A〜Dが励起状態となり、電子を放出できる状態となる。放出された電子は、多孔質半導体層24のn型半導体に注入される。ここで、化合物A〜Dが電子を放出できる状態になったとき、電子供与性部位であるL1〜L3から3座配位子の電子吸引性部位である酸性基Rに向かってスムーズに電子が流れる。そのため、電子を安定してn型半導体へ注入することができ、ひいては耐久性が向上すると考えられる。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば上述した実施形態では、色素増感型太陽電池モジュール10としたが、特にこれに限定されず、色素増感型太陽電池40としてもよい。図4は、色素増感型太陽電池40の構成の概略の一例を示す断面図である。図4では、図1で説明した構成と同様の構成については同じ符号を付してその説明を省略する。図4に示すように、色素増感型太陽電池40の単体では、電解質層26や対極30を断面をL字状ではなく、鍔状の縁部分を省略して平板状に形成するものとしてもよい。また、対極30は、例えば透明導電性基板14と同じ構成を有するものを用いるものとしてもよいし、透明導電膜12に白金を付着させたものや、白金などの金属薄膜などとしてもよい。更に、電解質層26は、多孔質体を省略し、光電極20と対極30との空間に電解液を収容したものとしてもよい。なお、電解質層26として、正孔を輸送する正孔輸送層(例えば、CuIなどのCuを含む半導体により形成された固体p型半導体層)を採用してもよい。
1.金属錯体色素の合成
以下、下記に示す合成スキームにしたがって金属錯体色素(化合物6)を合成した。
アルゴン雰囲気下、1H−インダゾ−ル−6−カルボン酸(3.0g)に2Mの塩酸メタノールを加え、室温で攪拌した。その後、反応混合液を24時間加熱還流したところ、褐色溶液になった。反応後、反応混合液を濃縮し、飽和重曹水を加え、酢酸エチルで目的物を抽出した。この抽出溶媒を硝酸ナトリウムで脱水し、濃縮し、粗生成物を得た。得られた粗生成物をトルエンと酢酸エチルの混合溶媒を用いてシリカカラムで精製し、化合物1即ち1H−インダゾ−ル−6−カルボン酸メチルを得た(2.87g,収率87%)。
次に、4−(2,6−ジブロモピリジン)カルボン酸メチル(化合物2,2.4g,8.14mmol)をトルエンに溶解した。一方、これとは別に、アルゴン雰囲気下、フラスコ内に、化合物1(2.9g,17.9mmol(化合物2に対して2当量))、CuI(1.55g,8.14mmol(化合物2に対して1当量))、trans−N,N−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジアミン(3.47g,24.4mmol(化合物2に対して3当量))及びリン酸カリウム(化合物2に対して3〜5当量)を脱水トルエンに溶解し、室温中で攪拌した。その後、先ほどの化合物2のトルエン溶液をフラスコへ加え、反応混合液を10時間加熱還流した反応混合液を室温まで冷却後、水を加えて有機層を分取し、減圧濃縮し、白色の固体をろ過した。この固体を乾燥させ、クロロホルムと酢酸エチルの混合溶媒を展開溶媒としてシリカカラムで精製し、3座配位子である化合物3を白色固体として得た(1.4g,収率33%)。
化合物3のスペクトルデータは以下のとおり。1H-NMR(400MHz,CDCl3,δ/ppm) 3.58(s,6H),4.05(s,3H),7.88(d,J=4Hz,2H),8.03(d,J=4Hz,2H),8.35(s,2H),8.48(s,2H),9.43(s,2H);MS(MALDI-TOF)m/z Calculated C25H29O6N5 485.13,Found(M+) 485.13
次に、フラスコ内に化合物3(100mg,0.206mmol)を入れてジクロロメタンに溶解し、エタノールに溶解した塩化ルテニウム・水和物(50.0mg,0.192mmol)をフラスコ内に入れ、窒素雰囲気下で6時間加熱還流した。反応混合液を室温まで冷却後、減圧濃縮し、少量のエタノールで洗浄ろ過し、化合物4を黄土色固体として得た(108mg)。化合物4のルテニウムは3価であった。
化合物4(100mg)とチオシアン酸アンモニウム(500mg)を窒素雰囲気下でN,N−ジメチルホルムアミドに溶かし、8時間加熱還流した。その後、反応混合液を室温まで冷却後、トリエチルアミン10.0mLと水5.0mLを加え、110℃で24時間加熱した。反応混合液を室温まで冷却した後、減圧濃縮し、水を加え、濃緑色の沈殿物をろ過し、水で洗浄し、化合物5の粗生成物を得た。化合物5のルテニウムは2価であり八面体構造を有する。なお、化合物5の式において、NCSはイソチオシアネート、TEAはトリエチルアミンを示す。
化合物5の粗生成物をクロロホルムとメタノールの混合溶媒に溶解し、シリカカラムで精製した。得られた精製品を少量の水に水酸化テトラブチルアンモニウムを加えて溶解させ、硝酸で滴定し、テトラブチルアンモニウムカチオン(TBA+)の数を調整し、最終目的物である金属錯体色素(化合物6)を得た。
化合物6のスペクトルデータは以下のとおり。1H-NMR(400MHz,CDCl3,δ/ppm) 1.00-1.04(triplet,J=8Hz,24H),1.37-1.46(sextet,J=7.2Hz,16H),1.63-1.71(septet,J=5.3Hz,16H),3.22-3.26(m,16H),8.01(s,4H),8.44-8.48(m,4H),9.41(s,2H); MS(MALDI-TOF)m/z Calculated C25H12O6N8RuS3 - 717.911,Found(M-) 718.9
2.金属錯体色素の特性
2−1.吸収スペクトル
化合物6を30μMの濃度となるようにメタノールに溶解し、得られた溶液をセルに入れて吸収スペクトルを測定した。吸収スペクトルは、分光光度計(日立製作所社製U−3400)により、300nm〜1000nmの波長領域で測定した。その結果を図3に示す。化合物6は、360nm付近に吸収極大を持ち、700nm付近までの光を吸収し、オレンジ色を示した。
2−2.電子状態
分子軌道計算による化合物6の電子状態の計算結果を図4に示す。NCS基が電子供与部分であり、HOMOのNCS側に電子雲が集まっていることがわかる。励起された電子は、電子供与部分であるNCS側から3座配位子の電子吸引部分であるCOOH基側にスムーズに流れていくことがわかる。
3.色素増感型太陽電池
3−1.色素増感型太陽電池の作製
透明導電膜(TCO)付ガラス基板に、n型半導体であるチタニア(TiO2)を含有するチタニアペーストをスクリーン印刷法で塗工した。このチタニア電極を金属錯体色素である化合物6の溶液に浸漬し、色素吸着チタニア電極を作製した。この電極のチタニア側と、Ptを担持したTCO基板のPt側を張り合わせ、その間に電解液を封入してシール、色素増感型太陽電池を作製した。電解液は、ヨウ素系化合物として、I2を0.2mol/L、1−プロピル−3−メチルイミダゾリウムヨージド(PMII)を65体積%、溶媒として、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムイオン(EMI)とビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオン(TFSI)からなるイオン液体を35体積%、電荷を有する添加剤として、グアニジンチオシアネート(GuSCN)を0.5mol/L、4−tert−ブチルピリジン(4TBP)を混合した液体を用いた。得られたセルを、実施例1のセルとした。
また、化合物6の代わりに公知のD131色素(下記式参照)を用いた以外は実施例1と同様に作製したセルを、比較例1のセルとした。
3−2.評価
(光電変換効率の測定;耐久性評価試験)
1kWのキセノンランプと400Wのハロゲンランプを搭載した2光源式のAM1.5Gソーラシミュレータ(WXS−155S−L2、ワコム電創社製)とIVテスター(IV−9701、ワコム電創社製)を使い、実施例1及び比較例1の色素増感型太陽電池の電流(I)−電圧(V)特性(IV特性)を計測し、光電変換効率を測定した。耐久性評価試験は、1sun60℃で100日間行った。
(85℃暗所熱耐久試験)
作製したセルを85℃の暗所状態で、連続加熱した状態を保ち、各測定時間に、室温で上記光電変換効率を測定した。
(外部量子効率(IPCE))
外部量子効率は、分光感度測定装置(分光計器製CEP−2000)を用いて測定した。具体的には、モノクロメーターを用いて単色化した光を、実施例1及び比較例1のセルの光電極に照射し、入射光子数に対して得られた電子数を測定することにより、IPCEを求めた。
3−3.評価結果と考察
図5は、実施例1及び比較例1の1sun60℃での耐久試験の結果を示すグラフである。この図では、光照射時間に対する、初期の発電効率を1.0とする保持率を示した。この図から明らかなように、連続光照射2400時間の保持率は、比較例1では約0.6であったのに対して、実施例1では0.8以上であった。
図6は、実施例1及び比較例1の85℃暗所熱耐久試験の結果を示すグラフである。この図では、加熱時間に対する、初期の発電効率を1.0とする保持率を示した。この図から明らかなように、連続加熱1000時間の保持率は、比較例1では約0.4であったのに対して、実施例1では初期から500時間くらいまで上昇し、そこから1200時間までほぼ安定した保持率を示した。
図7は、実施例1及び比較例1のIPCE特性を示すグラフである。IPCEスペクトルの波形は両者類似しているが、量子効率をみると実施例1では比較例1と比べて約60nm長波長側(700nmを超える領域)まで実意のある値を示した。
以上の評価結果から、今回合成した新規な金属錯体色素(化合物6)を用いた太陽電池は、従来公知のD131を用いた太陽電池に比べて、耐久性が向上したことがわかった。化合物6は、色調としてはオレンジ系黄色であり、高耐久性の黄色系色素としてカラフル太陽電池に応用することができる。
本発明は、太陽電池の技術分野に利用可能である。
10 色素増感型太陽電池モジュール、11 透明基板、12 透明導電膜、13 受光面、14 透明導電性基板、15 受光面、16,17 集電電極、18 溝、20 光電極、21 接続部、23 受光面、24 多孔質半導体層、25 裏面、26 電解質層、27 裏面、30 対極、32 シール材、34 保護部材、40 色素増感型太陽電池。

Claims (6)

  1. 式(1)で示されるアニオン性錯体と該アニオン性錯体の対カチオンとを備えた金属錯体色素。
    (式(1)中、
    He1環は、−CO2H、−SO3H又は−PO32を有する炭化水素芳香環とピラゾールとが縮合した構造を持ち、前記ピラゾールの1位のN原子又は3位のC原子が中央のピリジンの2位と結合し、前記ピラゾールの2位のN原子がMに配位したピラゾール縮合環であり、
    He2環は、−CO2H、−SO3H若しくは−PO32を有する炭化水素芳香環とピラゾールとが縮合した構造を持ち、前記ピラゾールの1位のN原子若しくは3位のC原子が中央のピリジンの6位と結合し、前記ピラゾールの2位のN原子がMに配位したピラゾール縮合環であるか、又は、4位に−CO2H、−SO3H若しくは−PO32を有し、2位のC原子が中央のピリジンの6位と結合し、1位のN原子がMに配位したピリジル基であり、
    Rは、−CO2H、−SO3H又は−PO32であり、
    Mは、遷移金属であり、
    1〜L3は、同じでも異なっていてもよい1座配位子であり、
    nは、1以上6以下の数である。)
  2. He1環は、5位又は6位に−CO2H、−SO3H又は−PO32を有し、1位のN原子が中央のピリジンの2位と結合し、2位のN原子がMに配位したインダゾールであり、
    He2環は、5位又は6位に−CO2H、−SO3H又は−PO32を有し、1位のN原子が中央のピリジンの6位と結合し、2位のN原子がMに配位したインダゾールである、
    請求項1に記載の金属錯体色素。
  3. Mは、Ruであり、
    1〜L3は、イソチオシアネート基である、
    請求項1又は2に記載の金属錯体色素。
  4. 式(2)で示される配位子。
    (式(2)中、
    He1環は、−CO21、−SO31又は−PO31 2(R1はアルキル基)を有する炭化水素芳香環とピラゾールとが縮合した構造を持ち、前記ピラゾールの1位のN原子又は3位のC原子が中央のピリジンの2位と結合したピラゾール縮合環であり、
    He2環は、−CO22、−SO32若しくは−PO32 2(R2はアルキル基)を有する炭化水素芳香環とピラゾールとが縮合した構造を持ち、前記ピラゾールの1位のN原子若しくは3位のC原子が中央のピリジンの6位と結合したピラゾール縮合環であるか、又は、4位に−CO22、−SO32若しくは−PO32 2(R2はアルキル基)を有し、2位のC原子が中央のピリジンの6位と結合したピリジル基であり、
    Rは、−CO23、−SO33又は−PO33 2(R3はアルキル基)である。)
  5. He1環は、5位又は6位に−CO21、−SO31又は−PO31 2(R1はアルキル基)を有し、1位のN原子が中央のピリジンの2位と結合したインダゾールであり、
    He2環は、5位又は6位に−CO22、−SO32又は−PO32 2(R2はアルキル基)を有し、1位のN原子が中央のピリジンの6位と結合したインダゾールである、
    請求項4に記載の配位子。
  6. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の金属錯体色素を含む半導体層を透明導電性基板上に備えた光電極と、
    前記光電極に向かい合うように配置された対極と、
    前記光電極と前記対極との間に介在する電解質層と、
    を備えた色素増感型太陽電池。
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