JP6311862B2 - 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ノズル開口から液体を噴射する液体噴射ヘッド及び液体噴射装置に関し、特に液体としてインクを噴射するインクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置に関する。
インクジェット式プリンターやプロッター等のインクジェット式記録装置に代表される液体噴射装置は、液体が貯留されたカートリッジやタンク等の液体貯留手段からの液体を液滴として噴射可能な液体噴射ヘッドを有する。
このような液体噴射ヘッドとしては、液体を噴射するノズル開口に連通する圧力発生室と、圧力発生室の液体に圧力変化を生じさせてノズル開口から液滴を噴射させる圧力発生手段とを具備する。そして、液体噴射ヘッドに搭載される圧力発生手段としては、例えば、縦振動型の圧電アクチュエーター、撓み振動型の圧電アクチュエーター、発熱素子及び静電気力を用いたものなどが挙げられる。
ここで、液体噴射ヘッドとしては、液体を噴射するヘッド本体と、ヘッド本体の液体噴射面とは反対面側に設けられた流路部材と、を具備し、流路部材から液体がヘッド本体に供給される(例えば、特許文献1及び2参照)。
また、インクジェット式記録ヘッドでは、筐体内部に密封された閉空間が存在すると、気温の変化による気体の膨張・収縮により、変形や部材の接合不良等の問題が発生するため、筐体に外部と連通する大気開放口を設け、大気開放口を介して筐体内部を大気開放するようにしている。また、溶剤系のインクを用いる場合には、ヘッド内で揮発成分の濃度が上昇し、接着接合部の剥離や、フィルムコンプライアンス部分の弾性変化によるヘッド吐出特性の変化を防ぐためにも、ヘッド内の空間を大気開放している。
特開2013−176963号公報 特開2013−176962号公報
しかしながら、大気開放口にインクが付着すると、大気開放口を介してインクジェット式記録ヘッドの内部にインクが浸入し、インクジェット式記録ヘッドの内部の部品がインクによって機能しなくなる虞があるという問題がある。
なお、このような問題はインクジェット式記録ヘッドだけではなく、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドにおいても同様に存在する。
本発明はこのような事情に鑑み、液体の侵入を抑制することができる液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の態様は、液体を噴射する液体噴射面と、該液体噴射面が一方面に設けられたヘッド筐体と、該ヘッド筐体の外側の壁面に開口する大気開放口と、該大気開放口が形成された前記壁面に設けられ、前記壁面と当該壁面に対して交差する面とによって形成された角部と、を具備し、該角部は、少なくとも前記大気開放口の鉛直方向上側に設けられ、前記壁面内の鉛直方向に直交する方向において、前記角部は、前記大気開放口の幅よりも広い幅を有し、前記ヘッド筐体は、前記大気開放口に連通する第1空間部と、該第1空間部に接続路を介して接続された第2空間部と、を具備し、前記第1空間部は、前記大気開放口から入った液体を貯留可能であり、前記接続路は、前記大気開放口よりも鉛直方向の上側に配置されていることを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる態様では、大気開放口よりも鉛直方向上側の壁面に付着した液体が大気開放口に向かって流れても、液体が角部を伝って流れるため液体が大気開放口から浸入するのを抑制することができる。
また、ヘッド筐体は、大気開放口に連通する第1空間部と、第1空間部に接続路を介して接続された第2空間部と、を具備し、第1空間部は、大気開放口から入った液体を貯留可能とすることで、角部を乗り越えた液体や、大気開放口に直接滴下された液体などが大気開放口から侵入したとしても、第1空間部内に液体が貯留されるため、第2空間部への液体の浸入を抑制することができる。
さらに、接続路を大気開放口よりも鉛直方向の上側に配置することで、第1空間部内に液体が貯留されたとしても、接続路を介して第2空間部に液体が侵入するよりも前に大気開放口から排出される。つまり、第1空間部内に貯留された液体の液面が大気開放口まで達した場合には、それ以上の液体が第1空間部内に浸入することがなく、接続路を介して第2空間部に液体が浸入するのを抑制することができる。
また、本発明の他の態様は、液体を噴射する液体噴射面と、該液体噴射面が一方面に設けられたヘッド筐体と、該ヘッド筐体の外側の壁面に開口する大気開放口と、該大気開放口が形成された前記壁面に設けられ、前記壁面と当該壁面に対して交差する面とによって形成された角部と、を具備し、該角部は、少なくとも前記大気開放口の鉛直方向上側に設けられ、前記壁面内の鉛直方向に直交する方向において、前記角部は、前記大気開放口の幅よりも広い幅を有し、前記角部は、前記壁面に設けられた凹形状の溝部によって形成されていることを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる態様では、大気開放口よりも鉛直方向上側の壁面に付着した液体が大気開放口に向かって流れても、液体が角部を伝って流れるため液体が大気開放口から浸入するのを抑制することができる。
また、角部を壁面に設けられた凹形状の溝部によって形成することで、凸部等を設ける必要がなく、液体噴射ヘッドの小型化を図ることができる。
ここで、前記ヘッド筐体は、前記大気開放口に連通する第1空間部と、該第1空間部に接続路を介して接続された第2空間部と、を具備し、前記第1空間部は、前記大気開放口から入った液体を貯留可能なことが好ましい。これによれば、角部を乗り越えた液体や、大気開放口に直接滴下された液体などが大気開放口から侵入したとしても、第1空間部内に液体が貯留されるため、第2空間部への液体の浸入を抑制することができる。
また、前記接続路は、前記大気開放口よりも鉛直方向の上側に配置されていることが好ましい。これによれば、第1空間部内に液体が貯留されたとしても、接続路を介して第2空間部に液体が侵入するよりも前に大気開放口から排出される。つまり、第1空間部内に貯留された液体の液面が大気開放口まで達した場合には、それ以上の液体が第1空間部内に浸入することがなく、接続路を介して第2空間部に液体が浸入するのを抑制することができる。
また、前記角部は、前記大気開放口を囲んで形成されていることが好ましい。これによれば、液体噴射ヘッドの液体噴射方向を任意の角度で配置したとしても、常に大気開放口よりも鉛直方向上側に角部が形成されるため、大気開放口への液体の浸入を抑制することができる。
さらに、本発明の他の態様は、液体を噴射する液体噴射面と、該液体噴射面が一方面に設けられたヘッド筐体と、該ヘッド筐体の外側の壁面に開口する大気開放口と、前記ヘッド筐体の内部に設けられて前記大気開放口に連通する第1空間部と、該第1空間部に接続路を介して連通する第2空間部と、を具備し、前記第1空間部は、前記大気開放口から入った液体を貯留し、前記接続路は、前記大気開放口よりも鉛直方向上側に配置されていることを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる態様では、大気開放口から侵入した液体が第1空間部内に貯留されるため、第2空間部内への液体の浸入を抑制することができる。
また、接続路を大気開放口よりも鉛直方向上側に配置することで、第1空間部内に液体が貯留されたとしても、接続路を介して第2空間部に液体が侵入するよりも前に大気開放口から排出される。つまり、第1空間部内に貯留された液体の液面が大気開放口まで達した場合には、それ以上の液体が第1空間部内に浸入することがなく、接続路を介して第2空間部に液体が浸入するのを抑制することができる。
また、本発明の他の態様は、液体を噴射する液体噴射面と、該液体噴射面が一方面に設けられたヘッド筐体と、該ヘッド筐体の外側の壁面に開口する大気開放口と、前記ヘッド筐体の内部に設けられて前記大気開放口に連通する第1空間部と、該第1空間部に接続路を介して連通する第2空間部と、を具備し、前記第1空間部は、前記大気開放口から入った液体を貯留し、前記第1空間部の前記大気開放口が設けられた内側面には、当該大気開放口よりも鉛直方向の下側から鉛直方向の上側に向かって延設された壁部が設けられていることを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる態様では、大気開放口から侵入した液体が第1空間部内に貯留されるため、第2空間部内への液体の浸入を抑制することができる。
また、第1空間部の大気開放口が設けられた内側面には、大気開放口よりも鉛直方向の下側から鉛直方向の上側に向かって延設された壁部が設けられていることで、壁部によって大気開放口への液体の浸入をさらに抑制することができる。
ここで、前記接続路は、前記大気開放口よりも鉛直方向上側に配置されていることが好ましい。これによれば、第1空間部内に液体が貯留されたとしても、接続路を介して第2空間部に液体が侵入するよりも前に大気開放口から排出される。つまり、第1空間部内に貯留された液体の液面が大気開放口まで達した場合には、それ以上の液体が第1空間部内に浸入することがなく、接続路を介して第2空間部に液体が浸入するのを抑制することができる。
さらに、本発明の他の態様は、上記態様の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置にある。
かかる態様では、液体の侵入による破壊を抑制して信頼性を向上した液体噴射装置を実現できる。
ここで、複数の前記液体噴射ヘッドを具備すると共に、第1の液体噴射ヘッドの液体噴射面と第2の液体噴射ヘッドの液体噴射面とが異なる方向で配置されていても、液体噴射ヘッド内への液体の浸入を抑制することができる。
また、他の態様は、液体を噴射する液体噴射面と、該液体噴射面が一方面に設けられたヘッド筐体と、該ヘッド筐体の外側の壁面に開口する大気開放口と、該大気開放口が形成された前記壁面に設けられ、前記壁面と当該壁面に対して交差する面とによって形成された角部と、を具備し、該角部は、少なくとも前記大気開放口の鉛直方向上側に設けられ、前記壁面内の鉛直方向に直交する方向において、前記角部は、前記大気開放口の幅よりも広い幅を有することを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる態様では、大気開放口よりも鉛直方向上側の壁面に付着した液体が大気開放口に向かって流れても、液体が角部を伝って流れるため液体が大気開放口から浸入するのを抑制することができる。
ここで、前記ヘッド筐体は、前記大気開放口に連通する連通する第1空間部と、該第1空間部に接続路を介して接続された第2空間部と、を具備し、前記第1空間部は、前記大気開放口から入った液体を貯留可能なことが好ましい。これによれば、角部を乗り越えた液体や、大気開放口に直接滴下された液体などが大気開放口から侵入したとしても、第1空間部内に液体が貯留されるため、第2空間部への液体の浸入を抑制することができる。
また、前記接続路は、前記大気開放口よりも鉛直方向の上側に配置されていることが好ましい。これによれば、第1空間部内に液体が貯留されたとしても、接続路を介して第2空間部に液体が侵入するよりも前に大気開放口から排出される。つまり、第1空間部内に貯留された液体の液面が大気開放口まで達した場合には、それ以上の液体が第1空間部内に浸入することがなく、接続路を介して第2空間部に液体が浸入するのを抑制することができる。
また、前記角部は、前記大気開放口を囲んで形成されていることが好ましい。これによれば、液体噴射ヘッドの液体噴射方向を任意の角度で配置したとしても、常に大気開放口よりも鉛直方向上側に角部が形成されるため、大気開放口への液体の浸入を抑制することができる。
また、前記角部は、前記壁面に設けられた凹形状の溝部によって形成されていることが好ましい。これによれば、凸部等を設ける必要がなく、液体噴射ヘッドの小型化を図ることができる。
さらに、本発明の他の態様は、液体を噴射する液体噴射面と、該液体噴射面が一方面に設けられたヘッド筐体と、該ヘッド筐体の外側の壁面に開口する大気開放口と、前記ヘッド筐体の内部に設けられて前記大気開放口に連通する第1空間部と、該第1空間部に接続路を介して連通する第2空間部と、を具備し、前記第1空間部は、前記大気開放口から入った液体を貯留することを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる態様では、大気開放口から侵入した液体が第1空間部内に貯留されるため、第2空間部内への液体の浸入を抑制することができる。
ここで、前記接続路は、前記大気開放口よりも鉛直方向上側に配置されていることが好ましい。これによれば、第1空間部内に液体が貯留されたとしても、接続路を介して第2空間部に液体が侵入するよりも前に大気開放口から排出される。つまり、第1空間部内に貯留された液体の液面が大気開放口まで達した場合には、それ以上の液体が第1空間部内に浸入することがなく、接続路を介して第2空間部に液体が浸入するのを抑制することができる。
また、前記第1空間部の前記大気開放口が設けられた内側面には、当該大気開放口よりも鉛直方向の下側から鉛直方向の上側に向かって延設された壁部が設けられていることが好ましい。これによれば、壁部によって大気開放口への液体の浸入をさらに抑制することができる。
さらに、本発明の他の態様は、上記態様の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置にある。
かかる態様では、液体の侵入による破壊を抑制して信頼性を向上した液体噴射装置を実現できる。
ここで、複数の前記液体噴射ヘッドを具備すると共に、第1の液体噴射ヘッドの液体噴射面と第2の液体噴射ヘッドの液体噴射面とが異なる方向で配置されていても、液体噴射ヘッド内への液体の浸入を抑制することができる。
実施形態1に係る記録ヘッドの分解斜視図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの分解斜視図である。 実施形態1に係るヘッド本体の平面図である。 実施形態1に係るヘッド本体の断面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの平面図及び要部を拡大した図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの要部断面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの要部断面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの要部断面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの要部を拡大した断面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの要部を拡大した断面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの要部を拡大した平面図及び断面図である。 実施形態2に係る記録ヘッドの要部を拡大した平面図である。 実施形態3に係る記録ヘッドの要部を拡大した平面図である。 実施形態4に係る記録ヘッドの要部を拡大した平面図及び断面図である。 実施形態5に係る記録ヘッドの要部を拡大した平面図及び断面図である。 実施形態5の変形例を示す拡大した平面図及び断面図である。 実施形態6に係る記録ヘッドの要部を拡大した平面図及び断面図である。 実施形態7に係る記録ヘッドの要部を拡大した平面図及び断面図である。 実施形態8に係る記録ヘッドの要部を拡大した平面図及び断面図である。 一実施形態に係る記録装置の概略斜視図である。 一実施形態に係る記録装置の概略図である。
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1及び図2は、本発明の実施形態1に係る液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドの分解斜視図である。
図示するように、本実施形態の液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッド200は、液体としてインク滴を噴射するヘッド本体210と、ヘッド本体210にインクを供給する流路部材220と、流路部材220に保持された回路基板250と、回路基板250に接続された外部配線基板260と、カバーヘッド270と、を具備する。
ここで、ヘッド本体210について図3及び図4を参照して説明する。なお、図3は、ヘッド本体の平面図であり、図4は図3のA−A′線断面図である。
図示するように、ヘッド本体210は、流路形成基板10、連通板15、ノズルプレート20、保護基板30、ケース部材40、コンプライアンス基板91等の複数の部材を備え、これら複数の部材が接着剤等によって接合されて構成されている。
ヘッド本体210を構成する流路形成基板10には、複数の圧力発生室12が複数のノズル開口21が並設される方向に沿って並設されている。以降、この方向を圧力発生室12の並設方向、又は第1の方向Xと称する。また、流路形成基板10には、圧力発生室12が第1の方向Xに並設された列が複数列、本実施形態では、2列設けられている。この圧力発生室12が第1の方向Xに沿って形成された圧力発生室12の列が複数列設された列設方向を、以降、第2の方向Yと称する。なお、圧力発生室12が第1の方向Xに並設された2列は、一方の圧力発生室12の列に対して、他方の圧力発生室12の列が第1の方向Xで隣り合う圧力発生室12の間隔の半分だけ第1の方向Xにずれた位置に配置されている。これにより、詳しくは後述するノズル開口21も同様に、ノズル開口21の2列が半分の間隔だけ第1の方向Xにずれて配置されて、第1の方向Xの解像度を2倍にしている。もちろん、2列の圧力発生室12の第1の方向Xの位置を同じ位置として、圧力発生室12の列毎に異なるインクが供給されるようにしてもよい。また、本実施形態では、第1の方向X及び第2の方向Yに直交する方向を第3の方向Zと称する。また、第3の方向Zを含む面内において液体噴射方向(後述する被噴射媒体である記録シートS側)をZ1側、反対側をZ2側と称する。
流路形成基板10の第3の方向Zの一方面、すなわち、Z1側の面には連通板15が接合されている。また、連通板15のさらに第3の方向ZのZ1側には、ノズル開口21が設けられたノズルプレート20が接合されている。本実施形態では、ノズルプレート20のノズル開口21が開口する第3の方向ZのZ1側が液体噴射面20aとなっている。
連通板15には、圧力発生室12とノズル開口21とを連通するノズル連通路16が設けられている。連通板15は、流路形成基板10よりも大きな面積を有し、ノズルプレート20は流路形成基板10よりも小さい面積を有する。このようにノズルプレート20の面積を比較的小さくすることでコストの削減を図ることができる。なお、ここで言う面積とは、第1の方向X及び第2の方向Yを有する面内方向における面積のことである。
また、連通板15には、マニホールド100の一部を構成する第1マニホールド部17と、第2マニホールド部18とが設けられている。
第1マニホールド部17は、連通板15を第3の方向Zに貫通して設けられている。
また、第2マニホールド部18は、連通板15を第3の方向Zに貫通することなく、連通板15のノズルプレート20側、すなわちZ1側に開口して第3の方向Zの途中まで設けられている。
さらに、連通板15には、圧力発生室12の第2の方向Yの一端部に連通する供給連通路19が、各圧力発生室12毎に独立して設けられている。この供給連通路19は、連通板15を第3の方向Zに貫通して第2マニホールド部18と圧力発生室12とを連通する。
一方、流路形成基板10の連通板15とは反対面側、すなわち、Z2側には、振動板が形成されている。また、振動板上には、第1電極と圧電体層と第2電極とが順次積層されることで、本実施形態の圧力発生手段である圧電アクチュエーター300が構成されている。一般的には圧電アクチュエーター300の何れか一方の電極を共通電極とし、他方の電極及び圧電体層を各圧力発生室12毎にパターニングして構成する。
また、流路形成基板10の圧電アクチュエーター300側、すなわちZ2側の面には、流路形成基板10と略同じ大きさを有する保護基板30が接合されている。保護基板30は、圧電アクチュエーター300を保護するための空間である保持部31を有する。保持部31は、第1の方向Xに並設された圧電アクチュエーター300の列毎に第2の方向Yに2つ並んで形成されている。このような圧電アクチュエーター300の列毎に設けられた2つの保持部31は、保護基板30の第1の方向Xの両端部において互いに連通して設けられている。また、保護基板30には、第2の方向Yで並設された2つの保持部31の間に第3の方向Zに貫通する貫通孔32が設けられている。圧電アクチュエーター300の電極から引き出されたリード電極90の端部は、この貫通孔32内に露出するように延設され、リード電極90と駆動IC等の駆動回路120を実装した配線基板121とが、貫通孔32内で電気的に接続されている。
また、保護基板30には、保持部31と外部とを連通する大気開放路33が設けられている。本実施形態では、2つの保持部31が第1の方向Xの両端部において互いに連通しているため、2つの保持部31に対して1つの大気開放路33が設けられている。なお、2つの保持部31を互いに連通させずに独立して設け、大気開放路33を独立する保持部31毎に設けるようにしてもよい。
このような大気開放路33は、詳しくは後述するが貫通孔32及びケース部材40の接続口43を介して流路部材220の内部と連通し、流路部材220の内部を介して外部と連通する。
また、保護基板30及び連通板15には、複数の圧力発生室12に連通するマニホールド100を流路形成基板10及び保護基板30と共に画成するケース部材40が固定されている。ケース部材40は、第3の方向Zからの平面視において上述した連通板15と略同一形状を有し、保護基板30に接合されると共に、上述した連通板15にも接合されている。具体的には、ケース部材40は、保護基板30側に流路形成基板10及び保護基板30が収容される深さの凹部41を有する。この凹部41は、保護基板30の流路形成基板10に接合された面よりも広い開口面積を有する。そして、凹部41に流路形成基板10等が収容された状態で凹部41のノズルプレート20側の開口面が連通板15によって封止されている。また、ケース部材40の凹部41は、第2の方向Yの側面に開口して設けられており、凹部41の第2の方向Yの開口は、第2の部材である蓋部材49によって封止されている。これにより、流路形成基板10の外周部には、ケース部材40と流路形成基板10及び保護基板30と蓋部材49とによって第3マニホールド部42が画成されている。このように第3マニホールド部42を形成する凹部41を第2の方向Yの側面に開口させて、この開口を蓋部材49で封止することで、第3マニホールド部42を大きな容積で形成することができる。ちなみに、例えば、凹部として第2の方向Yに開口させずに第3の方向Zにのみ開口するように設けた場合、第2の方向Yの壁として剛性が必要になり、凹部の容積が小さくなる。
そして、連通板15に設けられた第1マニホールド部17及び第2マニホールド部18と、ケース部材40と流路形成基板10及び保護基板30と蓋部材49とによって形成された第3マニホールド部42と、によって本実施形態のマニホールド100が構成されている。なお、本実施形態では、流路形成基板10の第2の方向Yを挟んだ両側にマニホールド100を形成するようにした。もちろん、マニホールド100は、特にこれに限定されず、例えば、第3マニホールド部42のみで構成されていてもよく、第2マニホールド部18及び第3マニホールド部42で構成されていてもよい。ただし、本実施形態のようにマニホールド100を第1マニホールド部17、第2マニホールド部18及び第3マニホールド部42で構成することで、インクジェット式記録ヘッド200を大型化することなく、できるだけ大きな容積のマニホールド100を形成することができる。
また、ケース部材40には、保護基板30の貫通孔32に連通してケース部材40を第3の方向Zに貫通する接続口43が設けられている。この接続口43を挿通した配線基板121が貫通孔32に挿通されて、リード電極90と接続されている。
さらに、ケース部材40には、マニホールド100に連通してマニホールド100にインクを供給する流入路44と、マニホールド100に連通してマニホールド100内のインクを流出させる流出路45と、が設けられている。このような流入路44は、流路形成基板10の第1の方向Xの一方側に設けられており、流出路45は、流路形成基板10の第1の方向Xの他方側に設けられている。また、流入路44及び流出路45は、それぞれ2つのマニホールド100に連通しており、同じインクが供給された流入路44は、途中で2つに分岐して同じインクを2つのマニホールド100に供給する。また、マニホールド100内のインクは、それぞれに連通する流出路45が途中で合流して1つの出口から流出される。もちろん、流入路44を途中で分岐することなく、各マニホールド100毎に独立して設けるようにしてもよく、流出路45を途中で合流することなく、各マニホールド100毎に独立して設けるようにしてもよい。
また、連通板15の第1マニホールド部17及び第2マニホールド部18が開口する面には、コンプライアンス基板91が設けられている。このコンプライアンス基板91が、第1マニホールド部17と第2マニホールド部18の開口を封止している。
このようなコンプライアンス基板91は、本実施形態では、封止膜92と、固定基板93と、を具備する。封止膜92は、可撓性を有する薄膜(例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)やステンレス鋼(SUS)等により形成されている。また、固定基板93は、ステンレス鋼(SUS)等の金属等の硬質の材料で形成される。この固定基板93のマニホールド100に対向する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部94となっているため、マニホールド100の一方面は可撓性を有する封止膜92のみで封止された可撓部であるコンプライアンス部となっている。
このようなヘッド本体210のノズル開口21が開口する液体噴射面20a側には、ノズル開口21を露出した状態で保護するカバーヘッド270が固定されている。カバーヘッド270は、コンプライアンス基板91に接合されているため、カバーヘッド270と開口部94との間には空間95が形成される。この空間95が密封されていると、空間95の気体が移動できずに、コンプライアンス部である封止膜92が撓み変形できなくなる。したがって、空間95を外部に連通させて大気開放する必要がある。しかしながら、カバーヘッド270に大気開放口を設けて被噴射媒体側に大気開放するのは好ましくない。これは、被噴射媒体側から大気開放口を介してインクが入り込み、封止膜92に付着するなどして封止膜92が撓み変形できなくなり、コンプライアンス部が機能しなくなる虞があるからである。このため、本実施形態では、特に図示していないが、空間95に連通する大気開放路をコンプライアンス基板91、連通板15及び流路形成基板10等に設け、空間95を大気開放路を介して液体噴射面20aとは反対側、すなわち、Z2側である保護基板30の貫通孔32内に連通するようにした。そして、詳しくは後述するが、空間95は、大気開放路と貫通孔32及びケース部材40の接続口43とを介して流路部材220の内部と連通し、流路部材220の内部を介して外部と連通する。なお、以降、ヘッド本体210に設けられた保持部31に連通する大気開放路33や空間95に連通する大気開放路(図示なし)等を総称して大気開放路とする。
このようなヘッド本体210は、図1及び図2に示すように、流路部材220の第3の方向Zの液体噴射面20a側であるZ1側の面に、流路部材220に螺合される2つのネジ部材271によって固定されている。
ここで、本実施形態のインクジェット式記録ヘッドを構成する他の部材について、さらに図5〜図10を参照して、詳細に説明する。なお、図5は、インクジェット式記録ヘッドの平面図及び要部を拡大した図であり、図6は、図5のB−B′線断面図であり、図7は、図5のC−C′線断面図であり、図8は、図5のD−D′線断面図であり、図9及び図10は、図8の要部を拡大した図であり、図11は、図3の要部を拡大した図である。
図1及び図2に示すように、流路部材220は、流路部材本体221と、流路部材本体221の両側面、本実施形態では、第2の方向Yの両側にそれぞれ設けられた第1蓋部材222と第2蓋部材223とを具備する。本実施形態では、第2の方向Yにおいて、第1蓋部材222が設けられた側をY1側、第2蓋部材223が設けられた側をY2側と称する。また、本実施形態では、流路部材220がヘッド筐体に相当する。
流路部材220には、液体としてインクが貯留された液体貯留手段(図示なし)からヘッド本体210にインクを供給すると共に、ヘッド本体210からのインクを液体貯留手段に回収する液体流路400が設けられている。具体的には、流路部材220には、一端が液体貯留手段に直接又はチューブ等を介して接続され、他端がヘッド本体210に接続された供給流路410及び回収流路420が設けられている。供給流路410は、液体貯留手段からのインクをヘッド本体210に供給する往路であり、ヘッド本体210の流入路44に連通して設けられている。また、回収流路420は、ヘッド本体210からのインクを液体貯留手段に回収する復路であり、ヘッド本体210の流出路45に連通して設けられている。
供給流路410は、流路部材220の第1の方向Xの一端部側に設けられており、回収流路420は、流路部材220の第1の方向Xの他端部側に設けられている。本実施形態では、第1の方向Xにおいて、供給流路410が設けられた一端部側をX1側と称し、回収流路420が設けられた他端部側をX2側と称する。
供給流路410は、図6に示すように、液体貯留手段に直接又はチューブ等を介して接続された導入口411と、導入口411に連通する第1流路412と、第1流路412に接続されたフィルター室413と、フィルター室413とヘッド本体210とを接続する第2流路414と、を具備する。
第1流路412及びフィルター室413は、流路部材本体221の第2の方向Yの一側面、本実施形態ではY1側に開口する溝状に設けられて、第1蓋部材222で開口が封止されて画成されている。また、第2流路414は、一端がフィルター室413に連通し、他端がヘッド本体210の流入路44(図6参照)に接続されるように形成されている。さらに、フィルター室413には、インクに含まれるゴミや気泡などの異物を除去するためのフィルター224が設けられており、第1流路412からフィルター室413に供給されたインクは、フィルター224を通過して第2流路414を介してヘッド本体210の流入路44に供給される。
このようなフィルター224は、液体であるインク中に含まれるゴミや気泡などの異物を除去するためのものであり、例えば、金属や樹脂等の繊維を細かく編むことで複数の微細孔が形成されたシート状のものや、金属や樹脂等の板状部材に複数の微細孔を貫通させたものなどを用いることができる。なお、フィルター224は、不織布等を用いてもよく、その材料は特に限定されるものではない。
一方、回収流路420は、図7に示すように、流路部材220の第1の方向Xの供給流路410とは反対の他端部側、すなわち、X2側に設けられたものであり、第3の方向Zの液体噴射面20a側であるZ1側と、これとは反対側のZ2側の面とを貫通して設けられている。
さらに、図8に示すように、流路部材本体221には、第2の方向Yの一方面側に開口する第1凹部225と、第2の方向Yの他方面側に開口する第2凹部226とが設けられている。そして、これら第1凹部225と第2凹部226とは区画壁部227によって区画されている。
流路部材220の第1凹部225の開口は、第1蓋部材222によって覆われており、第1凹部225と第1蓋部材222との間には第1空間部430が形成されている。
また、第2凹部226の開口は、第2蓋部材223によって覆われており、第2凹部226と第2蓋部材223との間には第2空間部431が形成されている。
そして、第2空間部431内に回路基板250が保持されている。また、流路部材220のヘッド本体210側、すなわちZ1側には、第2空間部431とZ1側の面とを連通する連通孔228が設けられている。ヘッド本体210の配線基板121は、連通孔228を挿通されて第2空間部431内で回路基板250と接続されている。
また、流路部材220のZ2側には、第2空間部431と外部とを連通する外部配線接続孔229が設けられている。外部配線基板260は、外部配線接続孔229を挿通されて第2空間部431内で回路基板250と接続されている。なお、外部配線接続孔229は、シール部材280によって密封されている。これにより、外部配線接続孔229からインクが侵入するのを抑制している。
このように外部の制御回路等からの印刷信号は外部配線基板260、回路基板250及び配線基板121を介して駆動信号として圧電アクチュエーター300に供給される。
また、上述したヘッド本体210の大気開放路は、接続口43に連通しているため、大気開放路は、接続口43に連通する流路部材220の連通孔228を介して第2空間部431に連通する。
また、第1凹部225と第2凹部226とを区画する区画壁部227には、第1空間部430と第2空間部431とを連通する接続路230が設けられている。これにより、第2空間部431に連通する大気開放路は、接続路230を介して第1空間部430に連通する。
さらに、第1蓋部材222には、大気開放口231が設けられている。大気開放口231は、第1蓋部材222を貫通して第1空間部430を外部と連通する。すなわち、ヘッド本体210の大気開放路は、連通孔228を介して流路部材220の第2空間部431に連通し、第2空間部431は接続路230を介して第1空間部430に連通する。そして、第1空間部430は、大気開放口231によって外部に連通している。つまり、ヘッド本体210の大気開放路は、連通孔228、第2空間部431、接続路230、第1空間部430及び大気開放口231によって大気開放されている。
なお、本実施形態のインクジェット式記録ヘッド200は、第3の方向Zが鉛直方向となるように、すなわち、液体噴射面20a側であるZ1側が鉛直方向下側となるように配置されている。
そして、大気開放口231に連通する第1空間部430は、当該大気開放口231よりも鉛直方向下側に延設されており、大気開放口231から侵入したインクが第1空間部430内に貯留されるようになっている。つまり、大気開放口231は、第1空間部430の鉛直方向下端部よりも上側、すなわち、第1空間部430のZ1側の端部よりもZ2側に配置されており、大気開放口231からインクが浸入したとしても、侵入したインクは第1空間部430の大気開放口231よりも鉛直方向下側であるZ1側に貯留される。
さらに、区画壁部227に設けられた接続路230は、本実施形態では、大気開放口231よりも鉛直方向上側であるZ2側に配置されている。これにより、第1空間部430内にインクが浸入したとしても、第1空間部430内のインクが接続路230を介して第2空間部431内に侵入するのを抑制することができる。すなわち、第1空間部430内にインクが貯留されてインクの液面が鉛直方向上側、すなわち第3の方向ZのZ2側に移動したとしても、インクの液面は、接続路230に達するよりも前に大気開放口231に達するため、インクは大気開放口231から外部に排出される。つまり、第1空間部430内に液面が大気開放口231に達するまでインクが貯留されると、それ以上のインクは大気開放口231から第1空間部430内に侵入できなくなる。したがって、第1空間部430に侵入したインクが接続路230を介して第2空間部431に侵入するのを抑制することができる。本実施形態では、第2空間部431に回路基板250が保持されているため、第2空間部431に侵入したインクによって回路基板250、外部配線基板260、配線基板121に設けられた電子部品や配線等が破壊されるのを抑制することができると共に、各基板の配線の短絡等を抑制することができる。また、第2空間部431には連通孔228を介してヘッド本体210の大気開放路が連通しているが、第2空間部431にインクが浸入するのを抑制することで、ヘッド本体210の大気開放路にインクが浸入するのを抑制することができる。ちなみに、ヘッド本体210の大気開放路にインクが浸入して、例えば、保持部31にインクが浸入すると、侵入したインクによって圧電アクチュエーター300が破壊されてしまう虞があると共に、圧電アクチュエーター300に付着したインクの質量、粘性によって圧電アクチュエーター300の変形を阻害する要因となる。もちろん、導電性のインクを用いる場合には複数の圧電アクチュエーター300の電極同士が短絡してしまう虞がある。また、コンプライアンス基板91とカバーヘッド270との間の空間95にインクが浸入すると、侵入したインクによってコンプライアンス部の変形が阻害され、マニホールド100内のインクの圧力変化の吸収が十分に行えず、インク滴の噴射特性に悪影響を与えてしまう。本実施形態では、ヘッド本体210の大気開放路を大気開放することで、圧電アクチュエーター300の保持部31を大気開放して、圧電アクチュエーター300の駆動を確実に行わせることができると共に、コンプライアンス部の変形を行わせて、圧電アクチュエーター300の駆動による打ちはじめの圧力変動による吐出重量ばらつきの発生を抑制することができる。また、ヘッド本体210の大気開放路を連通孔228、第2空間部431、接続路230、第1空間部430及び大気開放口231を介して大気開放することで、大気開放路内にインクが浸入するのを抑制して、圧電アクチュエーター300の破壊及び変位量の低下や、コンプライアンス部の変形不良による噴射特性の低下等の不具合を抑制することができる。
また、本実施形態では、第1空間部430内には、第1蓋部材222の大気開放口231の鉛直方向下側であるZ1側から鉛直方向の上側であるZ2側に向かって延設された壁部232が設けられている。すなわち、壁部232は、基端部が第1蓋部材222に固定され、先端部が大気開放口231に相対向する位置で自由端となるように設けられている。このように壁部232を設けることで、大気開放口231からインクが浸入しようとしても、壁部232がインクの浸入を抑制することができる。すなわち、大気開放口231からインクが浸入しようとしても、図10に示すように、インクは壁部232の表面に沿って鉛直方向下側に移動するため、大気開放口231から外部に流出する。
また、本実施形態では、図9及び図11に示すように、第1蓋部材222の大気開放口231が形成された外側の壁面222aには、壁面222aと、当該壁面222aの面方向である第3の方向Zとは交差する方向に設けられた面とによって形成された角部が設けられている。本実施形態では、第1蓋部材222の壁面222aに、大気開放口231の周囲を囲む凹形状の溝部233を設け、溝部233によって角部が形成されるようにした。ここで、溝部233は、第1の方向Xに沿って設けられた2つの第1溝部234と、第3の方向Zに沿って設けられた2つの第2溝部235と、を具備し、2つの第1溝部234と2つの第2溝部235との端部同士をそれぞれ接続することで、第2の方向Yから見た際に矩形状となるように形成されている。そして、大気開放口231は、溝部233の内部に開口して設けられている。
このような溝部233は、底面233aと、底面233a及び底面233aに直交する大気開放口231側の第1側面233bと、底面233a及び壁面222aに直交する大気開放口231とは反対側の第2側面233cと、を具備する。これにより、溝部233は、断面が矩形状で形成されている。
そして、第2側面233cと壁面222aとによって本実施形態の角部である第1角部500が設けられている。つまり、本実施形態の第1角部500は、壁面222aとこれに直交する第2側面233cとによって略90度の角度で形成されている。なお、本実施形態では、角部である第1角部500を溝部233によって形成したため、第1角部500よりも大気開放口231側にさらに第2側面233cと底面233aとによって形成された第2角部501と、底面233aと第1側面233bとによって形成された第3角部502と、第1側面233bと壁面222aとによって形成された第4角部503と、を有する。つまり、壁面222aに開口する凹形状の溝部233を形成することによって、第1角部500、第2角部501、第3角部502及び第4角部503の合計4つの角部が形成されている。本実施形態では、大気開放口231から最も離れた第1角部500を、特許請求の範囲に記載の角部に相当する。
また、壁面222aの面内の鉛直方向である第3の方向Zに直交する方向、すなわち第2の方向Yにおいて、大気開放口231の鉛直方向上側であるZ2側に設けられた第1溝部234によって形成された第1角部500は、大気開放口231の第2の方向Yの幅よりも広い幅で形成されている。つまり、大気開放口231の鉛直方向上側であるZ2側に設けられた第1溝部234によって形成された第1角部500は、大気開放口231を壁面222aに沿って鉛直方向上側であるZ2側に向かって第1角部500に射影した際に、第1角部500内に大気開放口231が収まる幅で形成されている。また、本実施形態の第1角部500は、大気開放口231の鉛直方向上に、第2の方向Yに沿って直線上に、つまり、第3の方向Zに傾くことなく水平に設けられている。本実施形態では、第1角部500は、上述のように大気開放口231を囲む溝部233によって形成したため、上記の条件を満たすものである。
このように、大気開放口231が開口する壁面222aに第1角部500を設けることで、壁面222aに付着したインクが、当該壁面222aを伝って鉛直方向下側に移動した際に、第1角部500に沿ってインクが流れ、インクが大気開放口231に侵入するのを抑制することができる。すなわち、図11に示すように、壁面222aの表面に付着したインクは、大気開放口231の鉛直方向上側であるZ2側の第1溝部234の第1角部500に接触する。このとき、表面張力によってインクは溝部233内に浸入することなく、インクは第1角部500を伝わる。そして、第1溝部234に連続する第2溝部235に設けられた第1角部500を伝わり、第2溝部235の第1角部500の鉛直方向下側であるZ1側からさらにZ1側に流れる。したがって、壁面222aに付着したインクは、第1角部500を伝って移動するため、大気開放口231からインクが侵入するのを抑制することができる。
また、本実施形態では、溝部233によって第1角部500を形成したため、壁面222aから突出する凸部等が不要となる。したがってインクジェット式記録ヘッド200の第2の方向Yの幅を狭くすることができる。
さらに、本実施形態では、溝部233を設けることで、第1角部500と大気開放口231との間に、さらに第2角部501、第3角部502及び第4角部503が設けられている。したがって、たとえインクが第1角部500を乗り越えたとしても、第2角部501、第3角部502及び第4角部503等に沿ってインクを移動させることができるため、インクが大気開放口231から侵入するのを抑制することができる。特に、本実施形態では、溝部233によって第1角部500、第2角部501、第3角部502及び第4角部503を形成したため、第1角部500を乗り越えたインクは、溝部233内に保持される。このように溝部233内にインクを保持することによっても、インクが大気開放口231から侵入するのを抑制することができる。
なお、本実施形態では、第1角部500は、壁面222aと、この壁面222aに直交する第2側面233cとで形成することで、第1角部500は90度の角度で形成されているが、第1角部500の角度はこれに限定されず、鋭角であっても、鈍角であってもよい。ただし、第1角部500を形成する壁面222aと第2側面233cとの角度は、90度以下であることが好適である。これは、例えば、壁面222aと第2側面233cとで形成する第1角部500の角度が、90度よりも大きな角度、所謂鈍角で形成されている場合、インクが第1角部500を乗り越え易くなるからである。もちろん、第2角部501、第3角部502及び第4角部503についても同様である。
また、本実施形態では、第1角部500を大気開放口231の周囲に亘って連続して設けるようにした。このため、液体噴射面20aを鉛直方向下向きに配置する場合だけでなく、液体噴射面20aを鉛直方向に対して上向き、鉛直方向と直交する横向きに配置した場合であっても、壁面222aに付着したインクが当該壁面222a上を伝った際に、第1角部500によってインクが大気開放口231内に侵入するのを抑制することができる。すなわち、大気開放口231の周囲に亘って第1角部500を設けることで、インクジェット式記録ヘッド200を任意の角度で使用することができる。
ちなみに、本実施形態のように第1角部500を設けることで、壁面222aを伝わるインクは第1角部500によって大気開放口231から侵入するのを抑制することができるが、第1角部500、第2角部501、第3角部502及び第4角部503を乗り越えたインクや、大気開放口231に直接滴下されたインクなどが大気開放口231から侵入する虞があるが、上述したように、本実施形態では、壁部232を設けることで、溝部233を乗り超えたインクや大気開放口231に直接滴下されたインクが第1空間部430内に侵入するのを抑制することができる。また、壁部232を乗り超えて第1空間部430に侵入したインクは、第1空間部430内で貯留されて、接続路230を介して第2空間部431に侵入するのを抑制することができる。したがって、第1空間部430にインクが浸入したとしても、第2空間部431に保持された回路基板250、外部配線基板260、配線基板121に設けられた電子部品や配線等が破壊、短絡されるのを抑制することができると共に、ヘッド本体210の大気開放路を介してインクが浸入するのを抑制することができる。
このような本実施形態のインクジェット式記録ヘッド200では、図示しない液体貯留手段からのインクを流路部材220の供給流路410を介してヘッド本体210の流入路44から取り込み、ノズル開口21に至るまで内部をインクで満たした後、駆動回路120からの記録信号に従い、圧電アクチュエーター300を駆動させることでノズル開口21からインク滴が噴射される。また、ヘッド本体210の内部のマニホールド100に導入されたインクは、流出路45を介して流路部材220の回収流路420に流出され、回収流路420を介して液体貯留手段に戻される。すなわち、液体貯留手段のインクは、供給流路410を介してヘッド本体210に供給され、ヘッド本体210から回収流路420を介して液体貯留手段に回収される、いわゆる循環が行われる。
なお、本実施形態では、インクを循環するインクジェット式記録ヘッド200を例示したが、特にこれに限定されず、循環されない、すなわち、液体貯留手段からインクがインクジェット式記録ヘッド200に供給されるだけのインクジェット式記録ヘッドであってもよい。
(実施形態2)
図12は、本発明の実施形態2に係る液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドの壁面の要部を示す平面図である。なお、上述した実施形態1と同様の部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図12に示すように、実施形態2の溝部233Aは、壁面222aの大気開放口231の周囲に亘って形成されている。溝部233Aは、第1の方向Xの成分Xa及び第3の方向Zの成分Zaを含む第1ベクトル方向α1に沿って設けられた2つの第3溝部236と、第1の方向Xの成分Xb及び第3の方向Zの成分Zbを含む第2ベクトル方向α2に沿って設けられた2つの第4溝部237と、を具備する。そして、第3溝部236と第4溝部237とはそれぞれ端部同士が接続されて設けられている。
このような溝部233Aは、上述した実施形態1と同様に、底面233a、第1側面233b、第2側面233cを有し、これにより、第1角部500、第2角部501、第3角部502、第4角部503が設けられている。
つまり、大気開放口231の鉛直方向上側であるZ2側には、第1ベクトル方向α1及び第2ベクトル方向α2に沿って設けられた第1角部500が設けられている。そして、大気開放口231の鉛直方向上側に設けられた第1角部500は、壁面222aの面内の鉛直方向である第3の方向Zに直交する方向、すなわち第2の方向Yにおいて、大気開放口231の第2の方向Yの幅よりも広い幅で形成されている。
このような構成の溝部233Aでは、壁面222aに付着したインクは、大気開放口231よりも鉛直方向上側であるZ2側に設けられた第3溝部236及び第4溝部237の第1角部500に沿って流れる。すなわち、第1角部500に付着したインクは、第1角部500に沿って、第1ベクトル方向α1及び第2ベクトル方向α2に向かって流れる。そして、第3溝部236及び第4溝部237の接続部分から鉛直方向下側であるZ1側に向かって壁面222a上を流れる。これにより、壁面222aに付着したインクが大気開放口231から第1空間部430内に侵入するのを抑制することができる。
すなわち、本実施形態では、第3溝部236及び第4溝部237が鉛直方向である第3の方向Zに交差すると共に第1の方向Xに交差する第1ベクトル方向α1及び第2ベクトル方向α2に沿って設けられているため、インクが溝部233A、すなわち、溝部233Aによって形成された第1角部500に沿って第1ベクトル方向α1及び第2ベクトル方向α2に流れやすく、インクが第1角部500を乗り越えて大気開放口231側に移動するのをさらに抑制することができる。
また、本実施形態においても、溝部233Aは大気開放口231の周囲を囲んで連続して設けられているため、インクジェット式記録ヘッド200を任意の角度、すなわち、液体噴射面20aが鉛直方向下向きとなる方向以外の角度で使用しても、大気開放口231からインクが浸入するのを抑制することができる。
(実施形態3)
図13は、本発明の実施形態3に係る液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドの壁面の要部を拡大した平面図である。なお、上述した実施形態と同様の部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図13に示すように、本実施形態の溝部233Bは、大気開放口231の鉛直方向である第3の方向Zの上側、すなわち、Z2側に設けられた1つの第1溝部234のみで構成されている。
このような溝部233Bは、第1の方向Xの幅d1が、大気開放口231の幅d2よりも広い。そして、溝部233Bは、上述した実施形態1と同様に、底面233a、第1側面233b、第2側面233cを有し、これにより第1角部500、第2角部501、第3角部502及び第4角部503が形成されている。
つまり、第1角部500は、少なくとも大気開放口231の鉛直方向上側に設けられている。また、壁面222aの面内の鉛直方向である第3の方向Zに直交する方向、すなわち第2の方向Yにおいて、第1角部500は、大気開放口231の第2の方向Yの幅よりも広い幅で形成されている。
これにより、大気開放口231よりも鉛直方向上側の壁面222aに付着したインクは、第1角部500を伝って流れ、インクが大気開放口231から流入するのを抑制することができる。また、大気開放口231よりも鉛直方向下側の壁面222aに付着したインクは、大気開放口231とは反対側に流れるため大気開放口231内に侵入することはない。さらに、大気開放口231の第1の方向Xの両側の壁面222aに付着したインクは、鉛直方向下側に流れるため、大気開放口231から侵入することがない。
また、第1角部500が大気開放口231よりも幅狭に設けられていると、つまり第1角部500の幅d1が大気開放口231の幅d2よりも小さいと、第1角部500を伝って第1角部500の端部から流れ出したインクが大気開放口231内に侵入してしまう。
以上のことから、大気開放口231の鉛直方向上側であるZ2側に設けられた第1角部500は、壁面222aの面内の鉛直方向である第3の方向Zに直交する方向、すなわち第2の方向Yにおいて、大気開放口231の第2の方向Yの幅よりも広い幅で形成されていればよい。
なお、第1角部500は、大気開放口231の鉛直方向上側に設けられていればいいため、例えば、インクジェット式記録ヘッド200の液体噴射面20aを鉛直方向上向きに配置した場合や、鉛直方向と交差する横向きに配置した場合には、インクジェット式記録ヘッド200の向きに合わせて大気開放口231の鉛直方向上側に第1角部500を有する溝部233Bを設けるようにすれば、壁面222aに付着したインクが大気開放口231から侵入するのを抑制することができる。
(実施形態4)
図14は、本発明の実施形態4に係る液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドの壁面の要部を拡大した平面図及びそのF−F′線断面図である。なお、上述した実施形態と同様の部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図14に示すように、溝部233Cは、第1の方向Xに沿って形成された2つの第5溝部238と、第3の方向Zに沿って形成された2つの第6溝部239と、が端部同士を接続させて大気開放口231を囲んで設けられている。すなわち、溝部233Cは、第2の方向Yから見た際に、大気開放口231を囲む矩形状に連続して設けられている。
溝部233Cは、大気開放口231側に設けられて壁面222aに対して鈍角となる第3側面233dと、大気開放口231とは反対側に設けられて壁面222aに対して鈍角をなし且つ第3側面233dに対して交差する第4側面233eとを具備する。すなわち、図14(b)に示すように、溝部233Cの断面は、三角形状となっている。このような溝部233Cは、壁面222aと第4側面233eとによって形成された第5角部504と、第3側面233dと第4側面233eとによって形成された第6角部505と、第3側面233dと壁面222aとによって形成された第7角部506と、を具備する。本実施形態では、第5角部504が特許請求の範囲に記載の角部に相当する。
このような構成であっても、上述した実施形態1と同様に、壁面222aに付着したインクは、第5角部504に沿って流れるため、大気開放口231からインクが浸入するのを抑制することができる。また、本実施形態では、溝部233Cによって第5角部504、第6角部505、第7角部506の3つの角部が設けられているため、第5角部504をインクが乗り越えたとしても、他の第6角部505及び第7角部506によってインクを捕獲して、インクが大気開放口231から浸入するのを抑制することができる。さらに、第5角部504を乗り越えたインクは、溝部233C内に充填されて保持されるため、大気開放口231内に侵入するのをさらに抑制することができる。
なお、このような溝部233Cは、上述した実施形態2及び3に適用することもできる。
(実施形態5)
図15は、本発明の実施形態5に係る液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドの壁面の要部を拡大した平面図及びそのG−G′線断面図である。なお、上述した実施形態と同様の部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図15に示すように、壁面222aには、大気開放口231の周囲を囲む凸部240が形成されている。凸部240は、大気開放口231の鉛直方向上下に第1の方向Xに沿って形成された2つの第1凸部241と、大気開放口231の両側、本実施形態ではX1側及びX2側に第3の方向Zに沿って形成された2つの第2凸部242と、が端部同士を接続させて設けられている。すなわち、凸部240は、第2の方向Yから見た際に、大気開放口231を囲む矩形状に連続して設けられている。
このような凸部240は、突出した端面240aと、大気開放口231側に設けられた第1側面240bと、大気開放口231とは反対側に設けられた第2側面240cとを具備する。すなわち、図15(b)に示すように、凸部240の断面は矩形状となっている。
このような凸部240には、壁面222aと第2側面240cとによって形成された第8角部507と、第2側面240cと端面240aとによって形成された第9角部508と、端面240aと第1側面240bとによって形成された第10角部509と、第1側面240bと壁面222aとによって形成された第11角部510と、を具備する。本実施形態では、第8角部507が特許請求の範囲に記載の角部に相当する。
ちなみに、第1側面240b及び第2側面240cは、壁面222aに対して90度で配置され、端面240aは第1側面240b及び第2側面240cに対して90度となる角度で形成されている。そして、本実施形態の第8角部507を形成する第2側面240cと壁面222aとは、90度以下の角度であることが好適である。これにより、第8角部507をインクが乗り越えにくくすることができる。
このように、凸部240によって第8角部507を形成することで、壁面222aの大気開放口231よりも鉛直方向上側であるZ2側に付着したインクは、大気開放口231の鉛直方向上側であるZ2側に設けられた第1凸部241の第8角部507に接触する。そして、第8角部507に接触したインクは、毛細管現象によって第8角部507に沿って移動し、第2凸部242の第8角部507の鉛直方向下側であるZ1側からさらにZ1側に流れる。したがって、壁面222aに付着したインクは、第8角部507を伝って移動するため、大気開放口231からインクが侵入するのを抑制することができる。特に、本実施形態では、凸部240によって第8角部507を形成したため、壁面222aに付着したインクは凸部240を乗り越え難い。したがって、第8角部507をインクが乗り越え難く、インクが大気開放口231から侵入するのを抑制することができる。
また、本実施形態では、第8角部507を大気開放口231の周囲に亘って連続して設けるようにした。このため、液体噴射面20aを鉛直方向下向きに配置する場合だけでなく、液体噴射面20aを鉛直方向に対して上向き、鉛直方向と直交する横向きに配置した場合であっても、壁面222aに付着したインクが当該壁面222a上を伝った際に、第8角部507によってインクが大気開放口231内に侵入するのを抑制することができる。すなわち、大気開放口231の周囲に亘って第8角部507を設けることで、インクジェット式記録ヘッド200を任意の角度で使用することができる。
なお、凸部240の形状は、断面が矩形状だけでなく、断面が三角形状、5角形状以上の多角形状であってもよい。ここで、凸部の変形例について図16を参照して説明する。なお、図16は、本発明の実施形態5に係る凸部の変形例を示す壁面の要部を拡大した平面図及びそのH−H′線断面図である。
図16に示すように、壁面222aには凸部240Aが設けられている。凸部240Aは、大気開放口231の鉛直方向上下に第1の方向Xに沿って形成された2つの第3凸部243と、大気開放口231の両側、本実施形態ではX1側及びX2側に第3の方向Zに沿って形成された2つの第4凸部244と、が端部同士を接続させて設けられている。すなわち、凸部240Aは、第2の方向Yから見た際に、大気開放口231を囲む矩形状に連続して設けられている。
このような凸部240Aは、大気開放口231側に設けられて、壁面222aに対して鈍角となる第3側面240dと、大気開放口231とは反対側に設けられて壁面222aに対して鈍角をなし且つ第3側面240dに対して交差する第4側面240eとを具備する。すなわち、図16(b)に示すように、凸部240Aの断面は、三角形状となっている。
このような凸部240Aは、壁面222aと第4側面240eとによって形成された第12角部511と、第3側面240dと第4側面240eとによって形成された第13角部512と、第3側面240dと壁面222aとによって形成された第14角部513と、を具備する。本実施形態では、第12角部511が特許請求の範囲に記載の角部に相当する。
このような構成であっても、上述した第8角部507と同様に、壁面222aに付着したインクは、第12角部511に沿って流れるため、大気開放口231からインクが浸入するのを抑制することができる。
(実施形態6)
図17は、本発明の実施形態6に係る液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドの壁面の要部を拡大した平面図及びそのI−I′線断面図である。なお、上述した実施形態と同様の部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図17に示すように、壁面222aには、凸部240Bが設けられており、凸部240Bの突出した端面240fに大気開放口231が開口して設けられている。すなわち、凸部240Bは、突出した端面240fと、端面240fに直交すると共に壁面222aに直交する第5側面240gとを有し、第5側面240gと壁面222aとによって第15角部514と、第5側面240gと端面240fとによって形成された第16角部515と、を具備する。すなわち、第15角部514と第16角部515とが、大気開放口231を囲んで、第2の方向Yから見た際に矩形状となるように形成されている。そして、本実施形態では、第15角部514が特許請求の範囲に記載の角部に相当する。
このように、凸部240Bの端面240fに大気開放口231を開口させることで、大気開放口231の周囲は、第15角部514によって囲まれる。そして、第15角部514を形成することで、壁面222aの大気開放口231よりも鉛直方向上側であるZ2側に付着したインクは、大気開放口231の鉛直方向上側であるZ2側に設けられた第15角部514に沿って移動する。したがって、壁面222aに付着したインクは、第15角部514を伝って移動するため、大気開放口231からインクが侵入するのを抑制することができる。特に、本実施形態では、凸部240Bによって第15角部514を形成したため、壁面222aに付着したインクは凸部240Bを乗り越え難い。したがって、第15角部514をインクが乗り越え難く、インクが大気開放口231から侵入するのを抑制することができる。
また、本実施形態では、第15角部514と大気開放口231との間には、第16角部515が設けられているため、たとえ第15角部514をインクが乗り越えたとしても、第16角部515によってインクが大気開放口231側に移動するのを抑制して、大気開放口231からインクが浸入するのを抑制することができる。
さらに、本実施形態では、第15角部514を大気開放口231の周囲に亘って連続して設けるようにした。このため、液体噴射面20aを鉛直方向下向きに配置する場合だけでなく、液体噴射面20aを鉛直方向に対して上向き、鉛直方向と直交する横向きに配置した場合であっても、壁面222aに付着したインクが当該壁面222a上を伝った際に、第15角部514によってインクが大気開放口231内に侵入するのを抑制することができる。すなわち、大気開放口231の周囲に亘って第15角部514を設けることで、インクジェット式記録ヘッド200を任意の角度で使用することができる。
(実施形態7)
図18は、本発明の実施形態7に係る液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドの壁面の要部を拡大した平面図及びそのJ−J′線断面図である。なお、上述した実施形態と同様の部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図18に示すように、壁面222aには、溝部233Dが形成されており、大気開放口231が溝部233Dの底面233fに開口して設けられている。すなわち、溝部233Dは、底面233fと、底面233fに直交すると共に壁面222aに直交する第5側面233gとを具備し、第5側面233gと壁面222aとによって形成された第17角部516と、第5側面233gと底面233fとによって形成された第18角部517とを具備する。すなわち、第17角部516と第18角部517とが、大気開放口231を囲んで、第2の方向Yから見た際に矩形状となるように形成されている。そして、本実施形態では、第17角部516が特許請求の範囲に記載の角部に相当する。
このように、溝部233Dの底面233fに大気開放口231を開口させることで、大気開放口231の周囲は、第17角部516によって囲まれる。そして、第17角部516を形成することで、壁面222aの大気開放口231よりも鉛直方向上側であるZ2側に付着したインクは、大気開放口231の鉛直方向上側であるZ2側に設けられた第17角部516に沿って移動する。したがって、壁面222aに付着したインクは、第17角部516を伝って移動するため、大気開放口231からインクが侵入するのを抑制することができる。
また、本実施形態では、凸部を形成することなく、第17角部516を形成することができるため、インクジェット式記録ヘッド200の第2の方向Yの幅を狭くすることができる。
さらに、本実施形態では、第17角部516と大気開放口231との間には、第18角部517が設けられているため、たとえ第17角部516をインクが乗り越えたとしても、第18角部517によってインクが大気開放口231側に移動するのを抑制して、大気開放口231からインクが浸入するのを抑制することができる。
また、本実施形態では、第17角部516を大気開放口231の周囲に亘って連続して設けるようにした。このため、液体噴射面20aを鉛直方向下向きに配置する場合だけでなく、液体噴射面20aを鉛直方向に対して上向き、鉛直方向と直交する横向きに配置した場合であっても、壁面222aに付着したインクが当該壁面222a上を伝った際に、第17角部516によってインクが大気開放口231内に侵入するのを抑制することができる。すなわち、大気開放口231の周囲に亘って第17角部516を設けることで、インクジェット式記録ヘッド200を任意の角度で使用することができる。
(実施形態8)
図19は、本発明の実施形態8に係る液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドの壁面の要部を拡大した平面図及びそのK−K′線断面図である。なお、上述した実施形態と同様の部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図19に示すように、壁面222aには、大気開放口231の周囲に亘って連続する溝部233が、2重に設けられている。なお、溝部233は、上述した実施形態1と同様のものである。
各溝部233には、第1角部500〜第4角部503の4つの角部が形成されているため、壁面222aには、合計8個の角部が設けられる。
これにより、インクが角部を乗り越えたとしても、さらに確実にインクが大気開放口231に達するのを抑制することができる。
もちろん、このような構成は、上述した実施形態2〜7を組み合わせるようにしてもよい。
(他の実施形態)
以上、本発明の各実施形態について説明したが、本発明の基本的構成は上述したものに限定されるものではない。
例えば、上述した各実施形態では、接続路230を大気開放口231よりも鉛直方向上側に設けるようにしたが、特にこれに限定されず、接続路230は、大気開放口231よりも鉛直方向下側に配置してもよい。これにより、第1空間部430内には、インクの液面が接続路230に達するまでしかインクが貯留できなくなるが、大気開放口231には壁部232や第1角部500等の角部を設けることで、大気開放口231から第1空間部430へのインクの浸入を抑制することができるため、第1空間部430内に貯留可能なインクの量が少なくても、貯留されたインクの液面が接続路230に達するまでの寿命を延ばすことができる。
また、上述した各実施形態では、ヘッド本体210の大気開放路33及びカバーヘッド270と開口部94と封止膜92の間に形成された空間95に連通する大気開放路(図示なし)を、連通孔228、第2空間部431、接続路230、第1空間部430及び大気開放口231を介して大気開放するようにしたが、ヘッド本体210の大気開放路は特にこれに限定されるものではない。また、流路部材220に大気開放路が設けられている場合には、流路部材220の大気開放路を連通孔228、第2空間部431、接続路230、第1空間部430及び大気開放口231の何れかに連通させて大気開放させればよい。もちろん、第2空間部431に大気開放路を連通しなくても、角部等を設けることによって第2空間部431に保持された回路基板250や回路基板250に接続された外部配線基板260及び配線基板121等の破壊及び短絡を抑制することができる。
さらに、上述した各実施形態では、大気開放口231を第1空間部430に連通するように設けたが、特にこれに限定されず、大気開放口231を第2空間部431に連通するように、すなわち、第2蓋部材223に設けてもよい。もちろん、溝部や凸部によって形成する角部は、第2蓋部材223に設ければよい。すなわち、インクジェット式記録ヘッド200には、第1空間部430や接続路230等が設けられていなくてもよい。また、同様に、インクジェット式記録ヘッド200には、溝部や凸部によって形成する角部を設けずに、第1空間部430と第2空間部431と接続路230とのみを設けるようにしてもよい。また、第1空間部430と第2空間部431と接続路230に加えて壁部232のみを設けるようにしてもよい。すなわち、角部が設けられていなくても、第1空間部430と第2空間部431と接続路230とが設けられていれば、第1空間部430にインクが貯留されるため、ヘッド本体210の大気開放路内へのインクの浸入を抑制することができると共に、回路基板250等のインクによる破壊を抑制することができる。また、壁部232を設ければ、第1空間部430内へのインクの浸入を抑制することができる。
さらに、上述した各実施形態では、大気開放口231の周囲に連続する角部を設けるようにしたが、特にこれに限定されず、大気開放口231の周囲に不連続となる角部を設けるようにしてもよい。すなわち、例えば、上述した実施形態1において、第1溝部234と第2溝部235との端部同士を接続しないように離して配置してもよい。ただし、角部を不連続にすることで、角部が連続しない領域、すなわち、第1溝部234と第2溝部235との接続されない端部の間からインクが大気開放口231側に移動する虞があるため、角部は大気開放口231の周囲に亘って連続して設けるのが好適である。
さらに、上述した各実施形態では、圧力発生室12に圧力変化を生じさせる圧力発生手段として、薄膜型の圧電アクチュエーター300を用いて説明したが、特にこれに限定されず、例えば、グリーンシートを貼付する等の方法により形成される厚膜型の圧電アクチュエーターや、圧電材料と電極形成材料とを交互に積層させて軸方向に伸縮させる縦振動型の圧電アクチュエーターなどを使用することができる。また、圧力発生手段として、圧力発生室内に発熱素子を配置して、発熱素子の発熱で発生するバブルによってノズル開口から液滴を吐出するものや、振動板と電極との間に静電気を発生させて、静電気力によって振動板を変形させてノズル開口から液滴を吐出させるいわゆる静電式アクチュエーターなどを使用することができる。
また、上述した各実施形態のインクジェット式記録ヘッド200は、液体噴射装置の一例であるインクジェット式記録装置に搭載される。ここで、本実施形態のインクジェット式記録装置について説明する。なお、図20は、本発明の一実施形態に係る液体噴射装置の一例であるインクジェット式記録装置を示す概略斜視図である。
図20に示すように、インクジェット式記録装置Iは、インクジェット式記録ヘッド200を搭載したキャリッジ3を具備する。キャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動可能に設けられている。
そして、駆動モーター6の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、インクジェット式記録ヘッド200を搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4には搬送手段としての搬送ローラー8が設けられており、紙等の記録媒体である記録シートSが搬送ローラー8により搬送されるようになっている。なお、記録シートSを搬送する搬送手段は、搬送ローラーに限られずベルトやドラム等であってもよい。
また、インクジェット式記録装置Iには、装置本体4に固定されて内部にインクが貯留されたインクタンク等の液体貯留手段2が設けられている。この液体貯留手段2には、インクジェット式記録ヘッド200にインクを供給する供給管2aと、インクジェット式記録ヘッド200からのインクを回収する回収管2bとが接続されている。
供給管2a及び回収管2bは、フレキシブルチューブ等の管状部材からなり、内部にそれぞれインクを供給する供給路と、インクを回収する回収路とが設けられている。そして、供給管2aの一端がインクジェット式記録ヘッド200の供給流路410の導入口411に接続され、回収管2bの一端が回収流路420の排出口421に接続されることで、液体貯留手段2のインクをインクジェット式記録ヘッド200に供給すると共に、インクジェット式記録ヘッド200からのインクを液体貯留手段2に回収する。
なお、特に図示していないが、供給管2aの途中又は回収管2bの途中には、加圧ポンプ又は吸引ポンプ等の圧送手段が設けられており、圧送手段の圧送によってインクは液体貯留手段2とインクジェット式記録ヘッド200との間を循環する。
なお、図20に示す例では、インクジェット式記録ヘッド200がキャリッジ3に搭載されて主走査方向に移動するものを例示したが、特にこれに限定されず、例えば、インクジェット式記録ヘッド200が固定されて、紙等の記録シートSを副走査方向に移動させるだけで印刷を行う、所謂ライン式記録装置にも本発明を適用することができる。
また、上述した例では、液体貯留手段2からインクジェット式記録ヘッド200にインクを供給すると共に、液体貯留手段2にインクを回収するインクジェット式記録ヘッド200を例示したが、特にこれに限定されず、液体貯留手段2からインクジェット式記録ヘッド200にインクを供給するだけのインクジェット式記録ヘッドにも本発明を適用することができる。
さらに、上述した例では、液体貯留手段2が装置本体4に固定されて、供給管2aを介してインクジェット式記録ヘッド200にインクを供給するようにしたが、特にこれに限定されず、インクカートリッジ等の液体貯留手段をキャリッジ3に搭載させて、インクジェット式記録ヘッド200と共に液体貯留手段がキャリッジ軸5に沿って移動させるようにしてもよい。また、液体貯留手段がインクジェット式記録装置Iに搭載されていなくてもよい。
また、上述した例では、インクジェット式記録ヘッド200が、液体噴射面20aが鉛直方向下向きとなるように配置されているが、特にこれに限定されず、複数のインクジェット式記録ヘッド200は、液体噴射面が異なる方向で配置されていてもよい。このような例を図21に示す。
図示するように、インクジェット式記録装置Iは、円柱形状を有する支持部材140と、支持部材140にインクを噴射する液体噴射面20aが相対向するように配置された複数のインクジェット式記録ヘッド200A〜200Dと、インクジェット式記録ヘッド200A〜200Dに共通して供給するインクが貯留された液体貯留手段2と、を具備する。
支持部材140は、図示しない搬送手段によって搬送された紙等の被噴射媒体である記録シートSのインク滴が着弾する面とは反対面側を支持するものである。支持部材140による記録シートSの保持方法は特に限定されず、例えば、支持部材140の表面に記録シートSの着弾面とは反対面を吸引吸着させる方法が挙げられる。また、他の保持方法としては、例えば、記録シートSの外周面を帯電させて、誘電分極の作用により支持部材140上に吸着させる方法が挙げられる。もちろん、支持部材140の表面との間で記録シートSを支持する押さえローラー等を設けるようにしてもよい。
また、支持部材140は、周方向に向かって回転するように回転軸141に軸支されている。なお、支持部材140は、図示しない駆動モーター等の駆動手段によって回転駆動される。
複数のインクジェット式記録ヘッド200A〜200Dは、支持部材140に支持された記録シートSのインク滴が着弾する面に相対向して液体噴射面20aが異なる設置角度、つまり液体噴射面20aの面方向が交差するように配置されている。
具体的には、本実施形態では、支持部材140の周囲に第1インクジェット式記録ヘッド200A、第2インクジェット式記録ヘッド200B、第3インクジェット式記録ヘッド200C及び第4インクジェット式記録ヘッド200Dの4つが設けられている。そして、4つの第1インクジェット式記録ヘッド200A〜200D間で第3の方向Zを一致させていない。すなわち、第1インクジェット式記録ヘッド200Aは、液体噴射面20aが、鉛直方向に直交する水平方向に向かって配置されている。つまり、第1インクジェット式記録ヘッド200Aの液体噴射面20aは面方向が鉛直方向となるように配置されている。これに対して、第2インクジェット式記録ヘッド200Bは、液体噴射面20aが、鉛直方向に対して傾斜した角度、例えば、45度となる角度で支持部材140に相対向するように配置されている。また、第3インクジェット式記録ヘッド200Cは、液体噴射面20aが鉛直方向に対して傾斜した角度、例えば、45度となる角度で支持部材140に相対向するように配置されている。ちなみに、第2インクジェット式記録ヘッド200Bと第3インクジェット式記録ヘッド200Cとは、液体噴射面20aが異なる角度、本実施形態では、例えば、90度異なる角度で配置されている。また、第4インクジェット式記録ヘッド200Dは、液体噴射面20aが、鉛直方向に直交する水平方向に向かって配置されている。なお、第1インクジェット式記録ヘッド200Aと、第4インクジェット式記録ヘッド200Dとは、支持部材140に対して90度異なる角度で相対向する。このように、第1インクジェット式記録ヘッド200Aと第4インクジェット式記録ヘッド200Dとは、液体噴射面20aの面方向が同じ鉛直方向であり、交差するものではないが、第1インクジェット式記録ヘッド200A及び第4インクジェット式記録ヘッド200Dは、他のインクジェット式記録ヘッド200B、200Cの液体噴射面20aの面方向とは交差する。すなわち、第1の液体噴射ヘッドである第1インクジェット式記録ヘッド200Aの液体噴射面20aと、第2の液体噴射ヘッドである第2インクジェット式記録ヘッド200B、第3インクジェット式記録ヘッド200C又は第4インクジェット式記録ヘッド200Dの液体噴射面20aとは、異なる方向で配置されていると言える。
また、各インクジェット式記録ヘッド200A〜200Dには、液体貯留手段2がフレキシブルチューブ等の供給管2a及び回収管2bを介して接続されている。液体貯留手段2からのインクは、供給管2aを介して各インクジェット式記録ヘッド200A〜200Dに供給され、インクジェット式記録ヘッド200A〜200Dで噴射されなかったインクは回収管2bを介して液体貯留手段2に回収される。また、回収管2bの途中にはポンプ2cが設けられており、液体貯留手段2からのインクは、ポンプ2cの圧力によってインクジェット式記録ヘッド200A〜200D内の流路を通過して循環する。
なお、上記実施の形態においては、液体噴射ヘッドの一例としてインクジェット式記録ヘッドを挙げて説明したが、本発明は、広く液体噴射ヘッドを対象としたものであり、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドにも勿論適用することができる。その他の液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンター等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッド、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイ、FED(電界放出ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられる。
I インクジェット式記録装置(液体噴射装置)、 2 液体貯留手段、 20a 液体噴射面、 33 大気開放路、 121 配線基板、 200 インクジェット式記録ヘッド(液体噴射ヘッド)、 210 ヘッド本体、 220 流路部材(ヘッド筐体)、 230 接続路、 231 大気開放口、 233〜233D 溝部、 240〜240B 凸部、 250 回路基板、 260 外部配線基板、 270 カバーヘッド、 300 圧電アクチュエーター、 400 液体流路、 430 第1空間部、 431 第2空間部、 500〜517 角部

Claims (10)

  1. 液体を噴射する液体噴射面と、
    該液体噴射面が一方面に設けられたヘッド筐体と、
    該ヘッド筐体の外側の壁面に開口する大気開放口と、
    該大気開放口が形成された前記壁面に設けられ、前記壁面と当該壁面に対して交差する面とによって形成された角部と、を具備し、
    該角部は、少なくとも前記大気開放口の鉛直方向上側に設けられ、前記壁面内の鉛直方向に直交する方向において、前記角部は、前記大気開放口の幅よりも広い幅を有し、
    前記ヘッド筐体は、前記大気開放口に連通する第1空間部と、
    該第1空間部に接続路を介して接続された第2空間部と、を具備し、
    前記第1空間部は、前記大気開放口から入った液体を貯留可能であり、
    前記接続路は、前記大気開放口よりも鉛直方向の上側に配置されていることを特徴とする液体噴射ヘッド。
  2. 液体を噴射する液体噴射面と、
    該液体噴射面が一方面に設けられたヘッド筐体と、
    該ヘッド筐体の外側の壁面に開口する大気開放口と、
    該大気開放口が形成された前記壁面に設けられ、前記壁面と当該壁面に対して交差する面とによって形成された角部と、を具備し、
    該角部は、少なくとも前記大気開放口の鉛直方向上側に設けられ、前記壁面内の鉛直方向に直交する方向において、前記角部は、前記大気開放口の幅よりも広い幅を有し、
    前記角部は、前記壁面に設けられた凹形状の溝部によって形成されていることを特徴とする液体噴射ヘッド。
  3. 前記ヘッド筐体は、前記大気開放口に連通する第1空間部と、
    該第1空間部に接続路を介して接続された第2空間部と、を具備し、
    前記第1空間部は、前記大気開放口から入った液体を貯留可能なことを特徴とする請求項記載の液体噴射ヘッド。
  4. 前記接続路は、前記大気開放口よりも鉛直方向の上側に配置されていることを特徴とする請求項記載の液体噴射ヘッド。
  5. 前記角部は、前記大気開放口を囲んで形成されていることを特徴とする請求項1〜の何れか一項に記載の液体噴射ヘッド。
  6. 液体を噴射する液体噴射面と、
    該液体噴射面が一方面に設けられたヘッド筐体と、
    該ヘッド筐体の外側の壁面に開口する大気開放口と、
    前記ヘッド筐体の内部に設けられて前記大気開放口に連通する第1空間部と、
    該第1空間部に接続路を介して連通する第2空間部と、を具備し、
    前記第1空間部は、前記大気開放口から入った液体を貯留し、
    前記接続路は、前記大気開放口よりも鉛直方向上側に配置されていることを特徴とする液体噴射ヘッド。
  7. 液体を噴射する液体噴射面と、
    該液体噴射面が一方面に設けられたヘッド筐体と、
    該ヘッド筐体の外側の壁面に開口する大気開放口と、
    前記ヘッド筐体の内部に設けられて前記大気開放口に連通する第1空間部と、
    該第1空間部に接続路を介して連通する第2空間部と、を具備し、
    前記第1空間部は、前記大気開放口から入った液体を貯留し、
    前記第1空間部の前記大気開放口が設けられた内側面には、当該大気開放口よりも鉛直方向の下側から鉛直方向の上側に向かって延設された壁部が設けられていることを特徴とする液体噴射ヘッド。
  8. 前記接続路は、前記大気開放口よりも鉛直方向上側に配置されていることを特徴とする請求項記載の液体噴射ヘッド。
  9. 請求項1〜8の何れか一項に記載の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置。
  10. 複数の前記液体噴射ヘッドを具備すると共に、第1の液体噴射ヘッドの液体噴射面と第2の液体噴射ヘッドの液体噴射面とが異なる方向で配置されていることを特徴とする請求項9記載の液体噴射装置。
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