JP6310723B2 - 中子及び成形機並びに成形方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電線用の外装部材を製造するための中子及び成形機並びに成形方法に関する。
自動車等には、搭載される種々の電子機器にバッテリ等からの電力や制御装置からの制御信号を伝えるためのワイヤハーネスが配索されている。このようなワイヤハーネスの中には、電線を収容して保護するために、ストレートチューブやコルゲートチューブ、プロテクタ等の種々の外装部材を備えるものがある(例えば、特許文献1参照。)。
特開2012−217295号公報
はじめに、図6(a)〜図7を参照して、上記特許文献1に開示された従来の外装部材の製造方法を説明する。図6(a)は従来の外装部材を示す斜視図であり、図6(b)は図6(a)のB−B線断面図である。図7は従来の製造装置において用いられる中子を示す斜視図である。
図6(a)に示すように、外装部材1Bは、複数の電線が束状に集束された電線束11を収容して保護する、電線用の外装部材である。外装部材1Bと電線束11によりワイヤハーネスが構成される。図6(a)及び図6(b)に示すように、外装部材1Bは、その長手方向に亘ってスリット5が形成された中空筒状の外装本体部2Bと、外装本体部2Bの長手方向における中間部の外周側にモールド成形されたモールド部3と、を備えている。図6(b)に示すように、スリット5は所定の幅を有するように形成されている。
外装本体部2Bは、その外周面に長手方向において凸部と凹部とが交互に繰り返し設けられた所謂コルゲートチューブである。外装本体部2Bには、その長手方向における一端側の開口及びスリット5から、電線束11が挿通される。
モールド部3は、モールド成形によって、外装本体部2Bの外周面に固着するように該外装本体部2Bと一体に形成される。モールド部3は、クランプ形状を有しており、外装部材1Bを含むワイヤハーネスが配索される配索箇所に設けられた車体側の取付部(図示せず。)に係止する。すなわち、モールド部3は、車体への固定のために用いられる。また、モールド部3は、図6(b)に示すように、外装本体部2Bのスリット5に連続するスリット7を有している。
このような外装部材1Bは、特許文献1に記載の従来技術では、特許文献1の図13等に示されているように、外装本体部2Bの中間部を一対の成形型で型締めして外装本体部2Bの外周面にモールド部3をモールド成形することにより製造される。当該製造過程においては、図7に示す中子153が用いられる。
中子153は、モールド成形時における溶融樹脂の射出圧力により中空状の外装本体部2Bが潰れて変形しないように、当該外装本体部2Bの内部に収容されて外装本体部2Bと共に成形型160に型締めされる部材である。中子153は、図6に示すように、円柱形状に形成された中子本体部153aと、中子本体部153aの外周面に突出されて当該中子本体部153aの軸方向に延長された突条153bと、を有している。中子本体部153aは、外装本体部2Bの凹部の内径よりも僅かに小径に形成されている。突条153bは、中子本体部153aの全長に亘って形成されていると共に、当該中子本体部153aに外嵌される外装本体部2Bと、外装本体部2Bの外周面に形成されるモールド部3と、を合わせた厚さよりも突出量が大きくなるように形成されている。
この突条153bが外装本体部2Bのスリット5から突出した状態でモールド成形が行われることにより、外装本体部2Bのスリット5が所定の幅を有する形状となり、且つスリット7を有するモールド部3が形成される。
また、突条153bによれば、突条153bが外装本体部2Bのスリット5から突出するように型締めすることにより、外装本体部2Bの向きを容易に正規な向きとすることができる。すなわち、中子153は、外装本体部2Bの向きを規制する機能を有している。
スリット5が所定の幅を有する形状となる過程について更に具体的に説明すると、外装本体部2Bは、モールド成形前においては、スリット5が幅を有さない形状に形成されている。すなわち、外装本体部2Bは、スリット5において対向する2つの面が略接触する程度に接近している形状に形成されている。例えば、後述する図1(b)に示される外装本体部2Bのような形状である。これに対し、上述したように突条153bが外装本体部2Bのスリット5から突出した状態でモールド成形が行われることにより、モールド成形時の熱で変形し、図6(b)に示すようにスリット5は所定の幅を有する形状となる。
このように、従来の製造方法により得られた外装部材1Bでは、図6(b)に示すように突条153bの幅の分だけスリット5が開くので、スリット5に隙間が生じる。このように隙間が形成された場合、モールド部3が延在する部分については外装本体部2Bの剛性が高く、スリット5が開いてしまうことは少ないが、モールド部3から離れた部分はモールド部3が延在する部分よりも剛性が小さいのでスリット5が開き易く、ワイヤハーネスの配索過程等において当該部分から電線がはみ出す可能性がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、電線のはみ出しを抑制できる外装部材を製造するための中子及び成形機並びに成形方法を提供することにある。
前述した目的を達成するために、本発明に係る中子及び成形機は、下記の点を特徴としている。
(1) 長手方向に亘ってスリットが形成された中空筒状の外装本体部に対し、前記外装本体部の長手方向における一部を一対の成形型で型締めして前記外装本体部の外周側にモールド部をモールド成形することにより、電線用の外装部材を製造するための成形機において、前記モールド成形時に前記外装本体部と共に前記成形型に型締めされる中子であって、
前記外装本体部の内部に収容される棒状の中子本体部と、
前記中子本体部の外周面のうちの、前記成形型により型締めされる部分の外側における外周面にだけ突設され、前記外装本体部の前記スリットから突出する突片部と、
を備える。
(2) 上記(1)の中子と前記成形型とを備える、電線用の外装部材を製造するための成形機であって、
前記外装本体部の前記成形型に型締めされるべき向きに対応して前記中子の取付角度を変更可能な中子取付機構を備える。
(3) 長手方向に亘ってスリットが形成された中空筒状の外装本体部に対し、前記外装本体部の長手方向における一部を一対の成形型で型締めして前記外装本体部の外周側にモールド部をモールド成形することにより、電線用の外装部材を製造するための成形方法であって、
前記外装本体部の内部に収容される棒状の中子本体部と、前記中子本体部の外周面のうちの、前記成形型により型締めされる部分の外側における外周面にだけ突設され、前記外装本体部の前記スリットから突出する突片部とを備える中子が、前記外装本体部の前記成形型に型締めされるべき向きに対応して取付角度が変更される取付工程と、
前記中子が、前記外装本体部と共に前記成形型に型締めされる型締め工程と、
前記外装本体部の外周側に前記モールド部がモールド成形される成形工程と、
を備えることを特徴とする成形方法。
上記(1)の中子によれば、中子本体部における成形型により型締めされる部分に突片部が設けられていないので、成形時に外装本体部のスリットが開きにくい。このため、成形時に外装本体部のスリットに隙間が生じることを防止できる。したがって、上記(1)の中子を用いることにより、電線のはみ出しを抑制できる外装部材を製造できる。
さらに、上記(1)の中子では、中子本体部における成形型により型締めされる部分の外側には、外装本体部のスリットから突出する突片部が設けられているので、当該突片部により外装本体部の向きを規制することができる。このため、上記(1)の中子によれば、成形時に外装本体部のスリットに隙間が生じることを防止しつつ、外装本体部の向きを規制する機能を残すことができる。
なお、上記(1)の中子を用いた場合には、成形時に外装本体部のスリットに溶融樹脂が流れ込み、当該スリットは樹脂で充填されて埋められる。また、モールド部についても同様にスリットが形成されない。したがって、上記(1)の中子を用いた場合には、成形後にこれらスリット部分を切断することによりスリットを形成する。
上記(2)の成形機によれば、中子取付機構を有し、外装本体部の成形型に型締めされるべき向きに対応して中子の取付角度を変更可能であるので、外装本体部の型締めされるべき向きの変更に容易に対応できる。
上記(3)の成形方法によれば、外装本体部の成形型に型締めされるべき向きに対応して中子の取付角度が変更されるので、外装本体部の型締めされるべき向きの変更に容易に対応できる。
本発明によれば、電線のはみ出しを抑制できる外装部材を製造するための中子及び成形機並びに成形方法を提供できる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、実施形態という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
図1(a)は、実施形態に係る外装部材を示す斜視図であり、図1(b)は図1(a)のB−B線断面図である。 図2は、実施形態に係る外装部材の成形機を示す斜視図である。 図3は、図2の成形機において用いられる中子を示す斜視図である。 図4(a)〜図4(c)は、取付機構により中子の取付角度が変更される様子を示す斜視図である。 図5(a)及び図5(b)は成形過程を示す斜視図であり、図5(a)は型締前の状態を、図5(b)は型締後の状態を示している。 図6(a)は従来の外装部材を示す斜視図であり、図6(b)は図6(a)のB−B線断面図である。 図7は、従来の製造装置において用いられる中子を示す斜視図である。
以下、本発明の一実施形態を、図1(a)〜図5(b)を参照して説明する。
図1(a)に示す外装部材1は、複数の電線が束状に集束された電線束11を収容して保護する、電線用の外装部材である。外装部材1と電線束11によりワイヤハーネスが構成される。図1(a)及び図1(b)に示すように、外装部材1は、その長手方向に亘ってスリット5が形成された中空筒状の外装本体部2と、外装本体部2の長手方向における中間部の外周側にモールド成形されたモールド部3と、を備えている。外装本体部2は、上述した従来の外装部材1Bと異なり、スリット5が幅を有さないように形成されている。すなわち、外装本体部2は、スリット5において対向する2つの面が略接触する程度に接近している形状を有している。
外装本体部2は、その外周面に長手方向において凸部と凹部とが交互に繰り返し設けられた所謂コルゲートチューブである。外装本体部2には、その長手方向における一端側の開口及びスリット5から、電線束11が挿通される。そして、外装本体部2の内部に電線束11が収容される。外装本体部2は、例えばポリプロピレン等の合成樹脂から成り、円筒状に形成されて可撓性を有している。
モールド部3は、例えばポリプロピレン等の合成樹脂から成り、モールド成形によって外装本体部2の外周面に固着するように該外装本体部2と一体に形成される。モールド部3は、クランプ形状を有しており、外装部材1を含むワイヤハーネスが配索される配索箇所に設けられた車体側の取付部(図示せず。)に係止する。すなわち、モールド部3は、車体への固定のために用いられる。また、モールド部3は、図1(b)に示すように、外装本体部2のスリット5に連続するスリット7を有している。本実施形態では、スリット7も幅を有さないように形成されている。
本実施形態では、外装部材1は、図2〜図5に示す成形機31を用いて外装本体部2の外周面にモールド部3を成形することにより製造される。成形機31は、溶融樹脂を射出する図示しない射出装置と、モールド部3をモールド成形するためのキャビティを外装本体部2との間に画成する一対の成形型35と、モールド成形時に外装本体部2と共に成形型35に型締めされる中子41と、中子41を取り付けるための中子取付機構51と、を備えている。
成形型35は、図2及び図5に示すように、上型36と下型37とから成り、台座61に固定されている。成形型35は、外装本体部2の中間部を型締めし、モールド部3をモールド成形するためのキャビティ(図示せず。詳しくは特許文献1の図17を参照されたい。)を外装本体部2との間に画成する。
中子41は、図3に示すように、外装本体部2の内部に収容される円筒状(棒状)の中子本体部42と、中子本体部42の外周面に突設され、外装本体部2のスリット5から突出して外装本体部2の向きを規制する突片部43と、を有している。突片部43は、中子本体部42の外周面のうちの、成形型35により型締めされる部分の外側に突設されている。このため、成形時に外装本体部2のスリット5が開きにくく、外装本体部2のスリット5に隙間が生じることを防止できる。また、突片部43は、本実施形態では、中子本体部42の外周面のうちの、成形型35により型締めされる部分の一方側及び他方側に延在するように設けられている。これらの突片部43は後述するように外装本体部2の向きを規制するために利用される。
中子取付機構51は、図2及び図4(a)〜図4(c)に示すように、台座61に固定された基部52と、基部52に回動自在に取り付けられた第1部材53と、第1部材53に対して取付角度を変更可能に取り付けられた円筒状の第2部材55と、を備えている。
第2部材55の一方の平坦面には、中子41が挿通される固定孔56が形成されている。固定孔56は、中子41の外形状に対応した形状を有しており、これにより中子41の回り止めが為される。また、第2部材55の他方の平坦面からは、第1部材53に形成された凹部内に入り込む凸部57が突設されており、当該凸部57の外面には互いに直交する2つの貫通孔58が形成されている。また、第1部材53には図示しない挿通孔が形成されている。
第2部材55は、第1部材53の当該挿通孔と第2部材55の2つの貫通孔58のいずれかとを挿通するピン59により、第1部材53に取り付けられる。ここで、図4(a)〜図4(c)に示すように、第2部材55の取付角度を変更することにより、第2部材55の取付角度(すなわち、中子41の取付角度。)を90°ずつ変更することができる。この中子取付機構51を利用することにより、実施形態に係る成形機31では、外装本体部2の成形型35に型締めされるべき向きに対応して中子41の取付角度を変更することができる。
例えば、図2に示す例では、外装本体部2のスリット5が図2中の手前方向側に向くように型締めされる向きが正規な向きであるから、当該正規な向きに対応した取付角度で第2部材55を第1部材53に取り付ける。これに対し、成形型35の取替等により外装本体部2の正規な向きが変更された場合には、当該向きに対応した取付角度で第2部材55を第1部材53に取り付ければよい。
以上説明した成形機31を用いて外装部材1を製造する成形方法について説明する。なお、以下では、各作業を作業者が実施する態様を説明するが、各作業は作業者及び機械装置のいずれにより為されるものであっても構わない。
まず、作業者は、図2に示すように、外装本体部2の成形型35に型締めされるべき向きに対応するように取付角度が変更された第2部材55を第1部材53に取り付け、中子41を第2部材55に挿通する(取付工程)。中子41は、第1部材53が基部52に対して回動自在に取り付けられていることから、基部52を支点として回動自在である。そして、作業者は、図2に示すように中子41を成形型35の上方に位置付けた状態で、当該中子41の第2部材55に挿通された側とは反対側の端部から、第2部材55に先端が当接するまで外装本体部2を挿通する。このとき、中子41には突片部43が設けられているので、当該突片部43により外装本体部2の向きを規制しつつ、外装本体部2を中子41に挿通することができる。なお、この時点においては外装本体部2の外周にモールド部3は成形されていない。
その後、作業者は、図5(a)に示すように中子41を成形型35の型締位置に位置付けた後、型締機構によって上型36を下降させ、図5(b)に示すように成形型35を閉止して型締めする(型締め工程)。その後、図示しない射出装置から溶融樹脂が成形型35内に射出され、成形型35内に画成されたキャビティに溶融樹脂が充填される(成形工程)。次いで、作業者は、キャビティに充填された樹脂が硬化した後に上型36を上方に移動させて成形型35を開放し、中子41を再び成形型35の上方に位置付ける。このとき、外装本体部2の外周面にモールド部3が成形されているが、成形時に外装本体部2のスリット5に溶融樹脂が流れ込み、スリット5が樹脂で充填されて埋められている。また、モールド部3についても同様にスリット7が形成されていない。このため、作業者は、成形型35の開放後にこれらスリット5部分及びスリット7部分を図示しない切断治具により切断する。これによりスリット5及びスリット7が形成され、外装部材1が得られる。その後、作業者は、外装本体部2を中子41から引き抜き、中子41から外装部材1を抜脱する。これにより、外装部材1の製造における1サイクルが完了する。
以上説明した成形機31の中子41によれば、中子本体部42における成形型35により型締めされる部分に突片部43が設けられていないので、成形時に外装本体部2のスリット5が開きにくい。このため、成形時に外装本体部2のスリット5に隙間が生じることを防止できる。したがって、中子41を用いることにより、電線のはみ出しを抑制できる外装部材1を製造できる。
さらに、中子41では、中子本体部42における成形型35により型締めされる部分の外側には、外装本体部2のスリット5から突出する突片部43が設けられているので、当該突片部43により外装本体部2の向きを規制することができる。このため、中子41によれば、成形時に外装本体部2のスリット5に隙間が生じることを防止しつつ、外装本体部2の向きを規制する機能を残すことができる。
また、以上説明した成形機31及び成形方法によれば、中子取付機構51を有し、外装本体部2の成形型35に型締めされるべき向きに対応して中子41の取付角度を変更可能であるので、外装本体部2の型締めされるべき向きの変更に容易に対応できる。
なお、本発明の技術的範囲は、上述した実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態は、本発明の技術的範囲内で種々の変形や改良等を伴うことができる。
例えば、上記実施形態では、外装本体部2が所謂コルゲートチューブである場合について説明したが、外装本体部2はストレートチューブであってもよいし、コルゲートチューブ部分とストレート部分の双方を有するコルゲートチューブであってもよい。
また、上記実施形態では、外装部材1がクランプ形状を有するモールド部3を備える場合について説明したが、モールド部3の形状や機能はこれに限定されるものではない。例えば、外装本体部2の所定軸方向長さに亘って複数の凹部を埋めるように外周面に設けた筒状の屈曲規制部をモールド部として外装本体部2に一体成形することもできる。
また、上記実施形態では、突片部43が、中子本体部42の外周面のうちの、成形型35により型締めされる部分の一方側及び他方側に延在するように設けられている構成としたが、突片部43が成形型35により型締めされる部分の外側の少なくとも一部に形成されていればよく、例えば一方側のみに延在するように設けられる構成としても構わない。ただし、両側に延在するように設けた方が、外装本体部2の挿通時に当該外装本体部2の向きを効果的に規制することができる。
また、上記実施形態では、中子41の2つの突片部43のうち、中子取付機構51の第2部材55側の突片部43を他方側の突片部43よりも長く形成したが、双方の突片部43の長さを同一としてもよい。この場合、中子41を長手方向に対称な形状とすれば、中子41の取付方向を任意とすることができる。
また、上記実施形態では、中子41の2つの突片部43のうち、中子取付機構51の第2部材55側の突片部43を利用して中子41と第2部材55とを組み付ける構成としたが、その他の係止機構を用いてこれらを組み付ける構成としても構わない。ただし、上記実施形態によれば、第2部材55との組み付けのための構成を中子41に設ける必要がなく、中子41を平易な形状とすることができる。
また、上記実施形態では、中子取付機構51の例として、第1部材53と第2部材55とをピン59により結合する構成を説明したが、中子41の取付角度を変更可能な構成であれば他の構成であっても構わない。
以下では、実施形態に係る中子及び成形機並びに成形方法について纏める。
(1) 中子41は、長手方向に亘ってスリット5が形成された中空筒状の外装本体部2に対し、前記外装本体部2の長手方向における一部を一対の成形型35で型締めして前記外装本体部2の外周側にモールド部3をモールド成形することにより、電線用の外装部材1を製造するための成形機31において、前記モールド成形時に前記外装本体部2と共に前記成形型35に型締めされる中子である。中子41は、前記外装本体部2の内部に収容される棒状の中子本体部42と、前記中子本体部42の外周面のうちの、前記成形型35により型締めされる部分の外側に突設され、前記外装本体部2の前記スリット5から突出する突片部43と、を備える。
(2) 成形機31は、上記(1)の中子41と前記成形型35とを備える、電線用の外装部材1を製造するための成形機である。成形型35は、前記外装本体部2の前記成形型35に型締めされるべき向きに対応して前記中子41の取付角度を変更可能な中子取付機構51を備える。
(3) 電線用の外装部材1を製造するための成形方法は、長手方向に亘ってスリット5が形成された中空筒状の外装本体部2に対し、前記外装本体部2の長手方向における一部を一対の成形型35で型締めして前記外装本体部2の外周側にモールド部3をモールド成形する成形方法である。外装本体部2の内部に収容される棒状の中子本体部42と、前記中子本体部42の外周面のうちの、前記成形型35により型締めされる部分の外側に突設され、前記外装本体部2の前記スリット5から突出する突片部43とを備える中子41が、前記外装本体部2の前記成形型35に型締めされるべき向きに対応して取付角度が変更される取付工程と、前記中子41が、前記外装本体部2と共に前記成形型35に型締めされる型締め工程と、前記外装本体部2の外周側に前記モールド部3がモールド成形される成形工程と、を備える。
1:外装部材
2:外装本体部
3:モールド部
5:スリット
7:スリット
11:電線束
31:成形機
35:成形型
36:上型
37:下型
41:中子
42:中子本体部
43:突片部
51:中子取付機構
61:台座

Claims (3)

  1. 長手方向に亘ってスリットが形成された中空筒状の外装本体部に対し、前記外装本体部の長手方向における一部を一対の成形型で型締めして前記外装本体部の外周側にモールド部をモールド成形することにより、電線用の外装部材を製造するための成形機において、前記モールド成形時に前記外装本体部と共に前記成形型に型締めされる中子であって、
    前記外装本体部の内部に収容される棒状の中子本体部と、
    前記中子本体部の外周面のうちの、前記成形型により型締めされる部分の外側における外周面にだけ突設され、前記外装本体部の前記スリットから突出する突片部と、
    を備えることを特徴とする中子。
  2. 請求項1記載の中子と前記成形型とを備える、電線用の外装部材を製造するための成形機であって、
    前記外装本体部の前記成形型に型締めされるべき向きに対応して前記中子の取付角度を変更可能な中子取付機構を備える、
    ことを特徴とする成形機。
  3. 長手方向に亘ってスリットが形成された中空筒状の外装本体部に対し、前記外装本体部の長手方向における一部を一対の成形型で型締めして前記外装本体部の外周側にモールド部をモールド成形することにより、電線用の外装部材を製造するための成形方法であって、
    前記外装本体部の内部に収容される棒状の中子本体部と、前記中子本体部の外周面のうちの、前記成形型により型締めされる部分の外側における外周面にだけ突設され、前記外装本体部の前記スリットから突出する突片部とを備える中子が、前記外装本体部の前記成形型に型締めされるべき向きに対応して取付角度が変更される取付工程と、
    前記中子が、前記外装本体部と共に前記成形型に型締めされる型締め工程と、
    前記外装本体部の外周側に前記モールド部がモールド成形される成形工程と、
    を備えることを特徴とする成形方法。
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