JP2012174670A - ワイヤハーネス及びワイヤハーネスの製造方法 - Google Patents

ワイヤハーネス及びワイヤハーネスの製造方法 Download PDF

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信裕 杉山
Shigekimi Iimuro
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Abstract

【課題】電線の外装部材として柔軟な管体を備えるワイヤハーネスを所望の形状に保持できるようにする。
【解決手段】ワイヤハーネス1は、複数の電線3を備える導電路集合体5を、コルゲートチューブなどの柔軟な管体7で覆っている。ワイヤハーネス1の形状を保持させる屈曲部の管体7内部には樹脂11が充填されていて、屈曲形状を保持させている。
【選択図】図1

Description

本発明は、電線の外装部材として柔軟な管体を備えるワイヤハーネス及びワイヤハーネスの製造方法に関する。
電線を柔軟な管体のような樹脂成形品内に固定保持する方法として、例えば下記特許文献1に記載されたものが知られている。これは、電線を、中空部を有する樹脂成形品(ピラーガーニッシュ)内に挿入した状態で、該中空部内に溶融樹脂を注入して固化させることで、内部の電線を固定している。
特開平5−76121号公報
ところで、上記した従来技術にあっては、電線を樹脂成形品内に単に固定するために樹脂を注入しているのであり、ワイヤハーネス(電線)の形状については特に考慮していない。
そこで、本発明は、電線の外装部材として柔軟な管体を備えるワイヤハーネスを所望の形状に保持できるようにすることを目的としている。
本発明は、電線を柔軟性を有する管体で覆うとともに、この管体を前記電線とともに所望の屈曲形状とし、この屈曲形状部は、前記管体内に充填された樹脂によって形状が保持されていることを特徴としている。
本発明によれば、樹脂の充填前に、管体を内部の電線とともに所望の屈曲形状にした状態で、溶融樹脂を管体内に注入して固化させることで、柔軟な管体を備えるワイヤハーネスを所望の形状に保持させることができる。
(a)は本発明の一実施形態に係わるワイヤハーネスの斜視図、(b)は(a)のA部を拡大した斜視図である。 図1(b)の屈曲形状部の管体内に溶融樹脂を注入する作業を示す作用説明図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1(a)に示すワイヤハーネス1は、例えば自動車に配索されるもので、複数本の電線3を備えた導電路集合体5を、管体7に挿入してその両端を外部に引き出し、この引き出した端部にコネクタ9を接続している。
管体7は、可撓性があって柔軟性を有する管状部材であり、ここでは外周面に凹凸を有する樹脂製の平型のコルゲートチューブ(蛇腹管)としている。コルゲートチューブに代えて、外周面に凹凸なしの樹脂製やゴム製などのチューブ、外周面に凹凸を有する金属性のチューブ(蛇腹管)などを用いてもよい。また、管体7は、図1では断面横長形状としているが、断面円形状や、断面四角形状などの形状であってもよい。
このようなワイヤハーネス1は、例えば自動車に配索する際には、単なる直線状ではなく、図1(a)に示すように屈曲部あるいは湾曲部(以下単に屈曲部とする)を形成する必要が生じる。その屈曲部には、本実施形態では、例えば図1(a)のA部を拡大した図1(b)に示すように、内部に発泡ウレタンなどの樹脂11を充填している。充填した樹脂11は固化しているので、上記したA部のような所望の屈曲形状を保持することができる。
次に、上記形状を保持させる屈曲部を含むA部における溶融樹脂の充填方法について図2を用いて説明する。まず溶融樹脂を注入する前に、ワイヤハーネス1を図2のように所望の屈曲形状とする。その際、治具や金型を用いて屈曲形状とすることで、作業性が高まる。
また、管体7の屈曲形状を保持させる部分の長さ方向(ワイヤハーネス1の長さ方向)ほぼ中央には樹脂注入孔7aを形成するとともに、上記長さ方向両端部付近には、樹脂噴出確認孔7bを形成している。
そして、樹脂注入孔7aに樹脂充填機13のノズル13aを挿入して管体7内に溶融樹脂を注入する。溶融樹脂が形状を保持させる部分のほぼ全域に注入されると、樹脂噴出確認孔7bから溶融樹脂が噴出することになる。この樹脂が噴出した時点で、形状を保持させる屈曲部の所望領域に溶融樹脂が充填されたことを確認できる。なお、ここでの溶融樹脂が充填される屈曲部の所望領域とは、図2に示すように、図1(a)のA部における屈曲部分Aaと、屈曲部分Aaに連続する直線部分Abを含んでいる。
このようにして管体7内に注入した溶融樹脂は、管体7の内壁に密着するとともに、複数の電線3相互間に入り込むなどして電線3と管体7との間に充填され、この状態で溶融樹脂が固化することで、該固化した樹脂11によって、図2のような屈曲形状を保持させることができる。
すなわち、本実施形態においては、溶融樹脂の注入前に、管体7を内部の導電路集合体5とともに所望の屈曲形状にした後、溶融樹脂を管体7内に注入して固化させることで、柔軟な管体7を備えるワイヤハーネスを、別途特別なプロテクタなどを使用することなく、固化した樹脂11によって所望の屈曲形状に保持させることができる。
この際、本実施形態では、樹脂11を充填していない部分については、可撓性を有する電線3を柔軟な管体7内に挿入していることから、ワイヤハーネス1そのものがフレキシブルで可撓性を有することになる。
また、樹脂11を発泡樹脂とすることで、断熱効果が期待できる。これにより、周囲温度が高い環境下でも管体7内の温度上昇を抑えることができ、内部に使用する電線3をより安価なものに置き換えることができる。
なお、上記した実施形態では、管体7を不透明な材質として扱っていることから、樹脂噴出確認孔7bが必要となっているが、管体7を透明な材料とすることで、溶融樹脂の充填状況が透明材料を通して外部から確認できるので、樹脂噴出確認孔7bが不要となる。
また、上記管体7を透明な材料とした上で、充填する樹脂11を着色したものとすることで、ワイヤハーネス1の樹脂充填部を任意の色にすることができる。この際、樹脂11を、形状を保持させる屈曲部だけでなく、管体7の全長にわたり充填することで、ワイヤハーネス1全体を任意の色にすることができる。例えば、充填する樹脂11を橙色とすることで、SAE(Society of Automotive Engineers:自動車技術者協会)で規格化されているような、ハイブリッド電気自動車(HEV)や電気自動車(EV)などの高圧電線用ワイヤハーネスとして使用可能となる。
1 ワイヤハーネス
3 電線
7 柔軟性を有する管体
11 管体内に充填された樹脂

Claims (4)

  1. 電線を柔軟性を有する管体で覆うとともに、この管体を前記電線とともに所望の屈曲形状とし、この屈曲形状部は、前記管体内に充填された樹脂によって形状が保持されていることを特徴とするワイヤハーネス。
  2. 前記管体は、内部の前記樹脂が目視可能なように透明であることを特徴とする請求項1に記載のワイヤハーネス。
  3. 前記透明の管体内に着色した樹脂が注入されていることを特徴とする請求項2に記載のワイヤハーネス。
  4. 電線を柔軟性を有する管体で覆うとともに、この管体を前記電線とともに所望の屈曲形状にし、この屈曲形状部の前記管体内に溶融樹脂を注入して固化させることで、前記屈曲形状を保持させることを特徴とするワイヤハーネスの製造方法。
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