JP6310690B2 - ペットフード - Google Patents

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Description

本発明は、抗肥満効果を有し、筋肉量を増加させ、又は除脂肪量の減少を抑制することができるペットフードに関する。
近時ペットの肥満が問題になっている。肥満は一般的には体脂肪の過剰な蓄積として定義される。ペットの肥満は各種疾病のリスクや歩行障害のリスクを高め、ペットのQOL低下を招く要因となっている。そのため、体脂肪量のコントロールによって肥満を解消又は予防することは、ペットのQOLを高く保つために重要である。一方で、ペットの除脂肪量の減少を防ぐこともペットのQOLを高く保つために重要である。特に高齢のペットは、多くの場合筋肉が減少して足腰が弱くなり、時には寝たきりになってしまう。ペットが寝たきりになると、ペットのQOLが著しく低下するのみならず、飼育者のQOLも脅かされる結果となる。そこで、ペットの体脂肪量又は体重を適正にコントロールすることと、ペットの筋肉量又は除脂肪量を適正にコントロールすることとを両立させることが、ペットのQOLを高く保つために非常に重要である。
ゴマは、香りを良くし嗜好性を高める目的で、ペットフード、特にペット用おやつによく配合されている。ゴマは健康食品としてもよく知られており、ゴマに含まれる機能性成分としてリグナン類化合物が知られている。ゴマに含有されるリグナン類化合物は、油溶性ゴマリグナンと水溶性ゴマリグナンに大別される。油溶性ゴマリグナンは、ゴマ油に豊富に含まれる成分で、セサミンがよく知られている。セサミンを含有するペットフードとしては、動物の体臭や毛艶を改善するための動物用飲食物(特許文献1)や体脂肪低減用飼料(特許文献2)が知られている。
一方、水溶性ゴマリグナンは、セサミノール配糖体を主に含む。セサミノール配糖体は、生体に摂取されると消化管の中でβグルコシダーゼにより糖が解離してアグリコンであるセサミノールとなり吸収されると考えられている。水溶性ゴマリグナンは、ゴマ油を搾った残渣(ゴマ粕又は脱脂ゴマ)に多く存在する。しかし、ゴマ粕は、ゴマ油を製造するときに生じた廃棄物であり、従来、肥料や飼料原料として一部利用されているものの(特許文献3〜4)、多くは廃棄されている。またゴマ粕を飼料に利用する場合、嗜好性が低いことから、ペットフード用原料としてではなく、家畜や家禽用飼料に添加されるのが一般的であった。
特開2007−274913号公報 特許第3205315号公報 特開昭64−39953号公報 特開2011−167203号公報
ペットの体脂肪量又は体重増加の防止と、筋肉量増加又は除脂肪量減少の抑制との両方においてより優れた効果を発揮することができるペットフードが求められている。
本発明者らは、上記2つの効果を同時に発揮することができるペットフードについて検討した結果、水溶性ゴマリグナンを豊富に含有する脱脂ゴマを含み、さらに嗜好性増強剤を含むペットフードを動物に摂取させることによって、嗜好性が良好で、且つ動物の筋肉量を維持又は増加させながら、体重増加を顕著に抑制或いは体重を減少させることができるという優れた効果のあるペットフードが得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、(A)動物性タンパク質及び植物性タンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質;(B)動物性油脂及び植物性油脂からなる群より選択される少なくとも1種の油脂;(C)脱脂ゴマ;ならびに(D)肉エキス、魚介類エキス、内臓エキス、酵母エキス、乳加工物、及びそれらの加水分解物からなる群より選択される少なくとも1種の嗜好性増強剤、を含有するペットフードを提供する。
また本発明は、(A)動物性タンパク質及び植物性タンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質;(B)動物性油脂及び植物性油脂からなる群より選択される少なくとも1種の油脂;(C)脱脂ゴマ;ならびに(D)肉エキス、魚介類エキス、内臓エキス、酵母エキス、乳加工物、及びそれらの加水分解物からなる群より選択される少なくとも1種の嗜好性増強剤、を有効成分とする、非ヒト動物用の肥満防止剤、筋肉量増加剤、筋肉量減少の予防若しくは改善剤、又は除脂肪体重減少の予防若しくは改善剤を提供する。
さらに本発明は、(A)動物性タンパク質及び植物性タンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質;(B)動物性油脂及び植物性油脂からなる群より選択される少なくとも1種の油脂;(C)脱脂ゴマ;ならびに(D)肉エキス、魚介類エキス、内臓エキス、酵母エキス、乳加工物、及びそれらの加水分解物からなる群より選択される少なくとも1種の嗜好性増強剤、を非ヒト動物に摂取させることを含む、該動物の筋肉量増加、筋肉量減少の予防若しくは改善、除脂肪体重減少の予防若しくは改善、又は肥満の予防若しくは改善のための方法を提供する。
本発明のペットフードは、ペットの筋肉量を維持又は増加させながら、体重増加を顕著に抑制若しくは体重を減少させることができ、ペットの肥満や筋肉減少に伴う疾患やQOLの低下を予防又は改善することができるという効果を有する。また本発明のペットフードは、脱脂ゴマを含有しているにもかかわらず嗜好性が高くペットに好んで摂食されるので、上記本発明のペットフードを食べたペットは、上記本発明の効果を十分に享受することができる。
ゴマリグナンによるミオスタチン/Smadシグナル阻害活性。 ペットフードの脱脂ゴマ含有量と体重変化との関係。
本明細書において、「筋量増加」とは、例えばサテライト細胞の増殖及び筋繊維への融合により筋肉組織中の筋繊維断面積又は筋繊維径が増加すること、また筋蛋白の合成速度が分解速度を上回ることにより、筋組織中の蛋白質重量が増加し、筋重量が増加することをいう。
本明細書において、「筋萎縮」とは、筋蛋白の分解速度が合成速度を上回ることにより筋細胞が減少・縮小し、筋量が低下することをいい、長期間の安静臥床や骨折等によるギプス固定、あるいは微小重力暴露によるもの(廃用性筋萎縮という)と筋萎縮性側策硬化症(ALS)等の疾病による進行性筋萎縮に大別される。さらに、加齢に伴っても筋萎縮と同様の症状が起きることがあり、これは加齢性筋減弱症(サルコペニア)と呼ばれている。したがって「筋萎縮の抑制」とは、不活動や加齢、疾病等による筋量の低下を抑制することをいう。
本明細書において、「サテライト細胞」とは、筋の細胞膜間に存在する未分化の幹細胞である。サテライト細胞の分化を促進することにより、サテライト細胞の活性化、細胞分裂、分化を介して、既存の筋細胞に融合又は細胞自身による筋管細胞形成が誘導される。
本明細書において、「改善」とは、疾患、症状又は状態の好転、疾患、症状又は状態の悪化の防止又は遅延、あるいは疾患、症状又は状態の進行の逆転、防止又は遅延をいう。
本明細書において、「予防」とは、個体における疾患若しくは症状の発症の防止又は遅延、あるいは個体の疾患若しくは症状の発症の危険性を低下させることをいう。
本発明のペットフードに含有される(A)タンパク質としては、動物性タンパク質及び植物性タンパク質からなる群より選択される少なくとも1種が挙げられる。当該動物性タンパク質としては、カゼイン等の乳タンパク質も挙げられるが、肥満防止効果及び摂取性の点から、動物性肉類タンパク質が好ましい。このような動物性肉類タンパク質としては、牛、豚、羊、鹿、馬、うさぎ、カンガルーなどの畜肉、獣肉及び乳、ならびにその副生成物及び加工品;鶏、七面鳥、うずらなどの家禽肉、鳥肉及び卵、ならびにその副生物及び加工品;魚、白身魚などの魚肉、ならびにその副生物及び加工品;ミートミール、ミートボーンミール、チキンミール、フィッシュミール等の上記原料のレンダリング等が挙げられる。このうち、肥満防止効果の点で鶏肉、魚肉が特に好ましい。複数の肉類タンパク質を混合して用いる場合には、鶏肉及び/又は魚肉を全肉類中に30質量%以上、好ましくは50質量%以上で、最大100質量%含有させることが好ましい。当該植物性タンパク質としては、大豆タンパク質、小麦グルテンなどの小麦タンパク質、米タンパク質、コーングルテン、乾燥酵母等が挙げられる。本発明のペットフードにおいて、上記に挙げた動物性及び植物性タンパク質は、いずれか1種類のみが含有されていても、2種類以上が組み合わせて含有されていてもよい。
また、本発明のペットフードは、上記(A)のタンパク質以外に、さらにペプチドや遊離アミノ酸を含んでいてもよい。ペプチドとしては、各種タンパク質の加水分解物や酵素分解物、発酵による生成物や、それらから精製あるいは単離されたペプチドが挙げられる。遊離アミノ酸としては必須アミノ酸をはじめとする各種アミノ酸やその混合物が挙げられる。
本発明のペットフード中の粗タンパク質の含有量(上記(A)のタンパク質と、ペプチド、遊離アミノ酸と、(D)嗜好性増強剤との合計)は、乾物あたりの粗タンパク質量として、20質量%以上、好ましくは22質量%以上、より好ましくは25質量%以上、さらにより好ましくは26質量%以上であり、そして40質量%以下、好ましくは36質量%以下、より好ましくは32質量%以下である。本発明のペットフードに含まれる全粗タンパク質中、10質量%以上、好ましくは20質量%以上、そして99重量%以下が、上記(A)のタンパク質、好ましくは動物性タンパク質である。
本明細書における上記粗タンパク質量とは、飼料分析基準(平成20年4月1日・19消安第14729号農林水産省消費・安全局長通知)第3章2.1に記載のケルダール法に従ってペットフード中の窒素量に基づいて判定された値である。
本明細書において、「乾物あたり」とは、原試料中の含有量(%)を、該試料中の水分以外の各成分の含有量(%)に換算した値である。原試料中の水分量は、飼料分析基準第3章1に記載の方法により測定する。
本発明のペットフードは、さらに(B)油脂を含有する。当該油脂としては、動物性油脂及び植物性油脂からなる群より選択される少なくとも1種が挙げられる。当該動物性及び植物性油脂としては、食用の油脂、例えば、牛脂、豚脂、馬脂、乳脂、魚油等の動物油脂;大豆、菜種、亜麻仁、トウモロコシ、ひまわり、サフラワー、コムギ、ライムギ、オオムギ、コメ、モロコシ、エンバク、アワ、コムギ胚芽、トウモロコシ胚芽、ラッカセイ、綿実、オリーブ、パーム、ココナツ、ヤシ、米ぬか、紫蘇、エゴマ等からの植物油脂;ならびに、それらの硬化油等が挙げられる。本発明のペットフードにおいて、上記に挙げた動物性及び植物性油脂は、いずれか1種類のみが含有されていても、2種類以上が組み合わせて含有されていてもよい。
本発明のペットフード中の上記(B)の油脂の含有量は、乾物あたりの粗脂肪量として、8質量%以上、好ましくは9質量%以上、より好ましくは10質量%以上であり、そして30質量%以下、好ましくは27質量%以下、より好ましくは24質量%以下である。
本明細書における上記粗脂肪量とは、飼料分析基準第3章3.2に記載の酸分解ジエチルエーテル抽出法に従って判定された値である。
本発明のペットフードはまた、(C)脱脂ゴマを含有する。脱脂ゴマは、ゴマから油溶成分(ゴマ油)を分離した後に残った成分である。脱脂ゴマは、水溶性リグナン類、例えば、セサミノールトリグリコシド、セサミノールジグリコシドなどのセサミノール配糖体を多く含むが、セサミン、セサモリン、セサモール、セサミノールのような脂溶性リグナン類の含有量はわずかである。好ましくは、本発明のペットフードに含まれる上記(C)脱脂ゴマにおいては、セサミノールトリグリコシドとセサミン及びセサモリンとの含有比(セサミノールトリグリコシド/(セサミン+セサモリン))は、1.5より大きく、より好ましくは1.75より大きく、さらに好ましくは2.0より大きい。
上記(C)脱脂ゴマは、例えば、ゴマ種子を圧搾するか、又はエタノールやヘキサン等の溶媒で抽出することにより油溶成分を分離し、残った残渣を回収することによって得ることができる。上記セサミノールトリグリコシドの含有比をより高める観点からは、ゴマ種子の溶媒抽出残渣が好適に用いられる。上記(C)脱脂ゴマの原料となるゴマの種類は、特に限定されず、任意の種及び品種を使用することができる。
本発明のペットフードにおける上記(C)脱脂ゴマの含有量は、乾物あたり含有量として、0.2質量%以上、好ましくは1.1質量%以上、より好ましくは2.2質量%以上、あるいはセサミノールトリグリコシドに換算して、0.001質量%以上、好ましくは0.005質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、さらに好ましくは0.02質量%以上である。本発明のペットフードにおける上記(C)脱脂ゴマの含有量が上記より少ないと、ペットの筋肉量や除脂肪量の維持若しくは増強、又は体重の減少若しくは増加抑制の効果が十分に得られない。一方、本発明のペットフードにおける上記(C)脱脂ゴマの含有量の上限は、乾物あたり含有量として、22.2質量%以下、好ましくは17.8質量%以下、より好ましくは13.3質量%以下、あるいはセサミノールトリグリコシドに換算して、0.20質量%以下、好ましくは0.12質量%以下、より好ましくは0.10質量%以下である。含有量が上記より多いと、本発明のペットフードの嗜好性が低下してペットに摂食される量が減るので、やはり上記効果が達成されないことがある。
本発明のペットフードにおけるセサミノールトリグリコシドとセサミン及びセサモリンとの含有比(セサミノールトリグリコシド/(セサミン+セサモリン))は、好ましくは1.5より大きく、より好ましくは1.75より大きく、さらに好ましくは2より大きく、さらにより好ましくは3より大きく、なお好ましくは3.5以上である。セサミノールトリグリコシドの含有比が上記値より小さい場合(すなわち、脂溶性リグナンの含有比が大きい場合)、ペットの筋肉量や除脂肪量の維持若しくは増強、又は体重の減少若しくは増加抑制の効果が十分に得られず、さらに、脂溶性リグナンとともに混入する油性成分により本発明のペットフードのカロリーが高くなるため好ましくない。
本発明のペットフード中のセサミン、セサモリン、及びセサミノールトリグルコシドの含有量は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析による測定値である。詳細には、ペットフードを粉砕し、80%エタノール水溶液中で攪拌し、遠心分離する。得られた上清をサンプルとしてHPLC分析(ODSカラム;20%メタノール→80%メタノールへのグラジェエント溶出;励起波長280nm、蛍光波長350nmで検出)を行い、セサミン、セサモリン、及びセサミノールトリグルコシドのシグナルを計測する。既知のゴマリグナン濃度の標準品からの計測値を基準として、サンプル中のセサミン、セサモリン、及びセサミノールトリグルコシドの量を求めることができる。
本発明のペットフードは、さらに(D)嗜好性増強剤を含有する。当該嗜好性増強剤としては、肉エキス、魚介類エキス、内臓エキス、酵母エキス、乳加工物、及びそれらの加水分解物からなる群より選択される少なくとも1種が挙げられる。加水分解物としては、酵素分解物が好ましい。本発明のペットフードにおいて、これらの嗜好性増強剤は、いずれか1種類のみが含有されていても、2種類以上が組み合わせて含有されていてもよい。
上記肉エキス、魚介類エキス、内臓エキスは、例えば、畜肉、獣肉、鳥肉、魚介又はその内臓から得られたものであり得る。本発明で用いる、肉エキス、魚介類エキス、内臓エキス、及び酵母エキスを製造する方法は特開2007−222022号公報に開示された公知の方法によって実施してもよい。すなわち、原料からのエキスの抽出法は、通常の水抽出、温水抽出、熱水抽出、酸分解法、酵素分解法等のいずれであってよい。また、通常のエキス製造過程である濃縮、ろ過、加熱、脱色等の精製工程を施してもよい。その条件は、エキスの固形分濃度、不要物除去及び殺菌の要否等に応じて任意に決定してよい。食用エキスの形態は、特に限定するものではなく、液体でも、粉末又は顆粒等の固形としてもよい。固形への加工法は、その形状に形成するに適した方法であればいずれの方法でもよい。スプレードライ等により粉末化する場合、デキストリン等の賦形剤を添加することも任意である。
肉エキスの原料としては、トリ、ブタ、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ等の家禽又は家畜、好ましくはトリ、ブタ又はウシ、より好ましくはトリ又はブタから得られた骨付き肉(以下枝肉という)、精製肉、及び枝肉から精製肉を製造する際に副産物として生じる肉片が付着した骨(以下ガラという)等から選ばれる単独又は複数の原料が挙げられる。
内臓エキスの原料としては、上記家禽又は家畜の内臓が挙げられ、肝臓が望ましい。肝臓を用いたエキス分の製造方法としては、上記の方法の他に、特開2009−5652号公報に開示されている方法が挙げられる。すなわち、肝臓を煮熟、蒸煮の処理を行った後、サクラ、リンゴ、ナラ、カシ、クヌギ、シイノキ等のチップを高温に熱した時に出る煙を当てる燻乾とその後の外気中でのあん蒸との組み合わせにより得られるものを、内臓エキスの原料として使用することができる。
酵母エキスの原料となる酵母としては、食品として用いられる酵母であればよく、その種類は特に限定されない。酵母としては、例えば、パン酵母、ビール酵母、ワイン酵母、清酒酵母、味噌醤油酵母などが挙げられ、より詳細には、例えば、サッカロミセス(Saccharomyces)属、ザイゴサッカロミセス(Zygosaccharomyces)属、ヤロウィア(Yarrowia)属、ウイリオプシス(Williopsis)属、トルラスポラ(Torulaspora)属、キャンディダ(Candida)属、ロードトルラ(Rhodotorula)属、ピキア(Pichia)属などが挙げられる。酵母エキスの製法としては、上記の方法のほかに、これらの酵母中に含まれる、酵素を利用した自己消化型の反応も含まれる。
魚介類エキスの原料としては、カツオ、サバ、マグロ、イワシ、グチ、ハモ、ヒラメなどの魚類、ホタテガイ、アサリ、シジミ、カキなどの貝類、カニ、海老等のその他の海産物、及び鰹節、雑節、煮干し、干し貝柱、干し海老等の加工魚介類などがあげられる。また、魚介類エキスの中には、加工食品製造時に副生物として得られる、上記魚介類などの煮汁、蒸煮液、クッカージュース及びフィッシュソルブルなども含まれる。
上記乳加工物としては、バターやチーズ又はその加工品などが挙げられる。例えば、乳加工物としては、乳脂肪、全脂粉乳、チーズ、チーズホエー、牛乳等を微生物処理又は酵素処理することによって生成するチーズ又はバター様フレーバーがよく知られている。乳加工物の製法としては、微生物又は酵素を利用した乳製品様フレーバーの製法が多数知られている。例えば、バターオイル等の油脂を、アスペルギルス属、ムコール属、リゾープス・デルマー等の微生物、豚の膵臓或は、幼少家畜の口頭分泌腺等から得られる脂肪分解酵素を添加して分解したのち、更にリポキシゲナーゼを添加して分解することによるバターフレーバーの製造法(特公昭57−59743号公報);油脂、無脂乳固形、水の混合物に、前記例示したと同じ脂肪分解酵素と、蛋白分解酵素/乳糖分解酵素を添加して分解することによるバターフレーバーの製造法(特公昭57−41898号公報);獣乳を蛋白分解酵素と、パンクレアチン、酵母の一種であるキャンデイダ・シリンドラセ等の生産する脂肪分解酵素で処理して乳蛋白及び乳脂肪を有る程度分解させた後、これに乳酸菌を接種して乳酸発酵を行わせるチーズ香賦香物質の製造法(特公昭46−23578号公報);チーズ又はチーズ関連材料に脂肪分解酵素、蛋白分解酵素及びストレプトコッカス属、ラクトバチルス属、プロピオニバクテリウム属、ペニシリウム属及びサッカロミセス属の微生物を作用させるチーズフレーバーの製造方法(特公昭53−25024号公報);スキムミルク、全乳、バター、クリーム、乾燥乳漿等の風味発生培地にリパーゼ/プロテアーゼ発生源(酵素又はカンディダ属の微生物)及び乳酸生産微生物を加えて培養するチーズ風味物質の製造法(特開昭60−78582号公報);特公平7−83686号公報記載の方法などが知られている。
上記肉エキス、魚介類エキス、内臓エキス、酵母エキス又は乳加工物の加水分解物としては、それらの水加熱分解物、酸分解物、酵素分解物などが挙げられるが、酵素分解物が好ましい。上記肉エキス、魚介類エキス、内臓エキス、酵母エキス、乳加工物、及びそれらの加水分解物は、ペットフード用嗜好性増強剤として市販されているものを用いることができる。
なお、一般的にペットフードの嗜好性増強剤として用いられているものとして、上に示した本発明の(D)嗜好性増強剤の他に、生肉(牛、豚、家禽類)や加水分解した植物性タンパク、動物性油脂、アミノ酸パウダー、天然又は合成香料などが知られている。しかし、これら単品又はこれらの組合せは、脱脂ゴマを含有する本発明のペットフードの嗜好性を高めるには十分ではないことから、本発明の(D)嗜好性増強剤には含まれない。一般に、脱脂ゴマを含むペットフードは嗜好性が低く、動物への継続給与が困難である。しかし、これに肉エキス、酵母エキス、魚介類エキス、レバーエキス、バターフレーバーなどの本発明の(D)嗜好性増強剤を添加することにより、フードの嗜好性が向上し、継続給与が可能となる。一方、後述の試験例8〜10に示すとおり、嗜好性増強剤として従来よく用いられている生肉やアミノ酸パウダー、天然又は合成香料などを添加した脱脂ゴマを含むペットフードは、嗜好性が高まらず、動物に継続給与することができない(表23〜25参照)。
本発明のペットフード中の上記(D)嗜好性増強剤の含有量は、乾物あたり含有量として、0.01質量%以上、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上であり、そして好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下である。本発明のペットフードにおける上記(D)嗜好性増強剤の含有量が上記より少ないと、該ペットフードの嗜好性が低下してペットに摂食される量が減るので、ペットの筋肉量や除脂肪量の維持若しくは増強、又は体重の減少若しくは増加抑制の効果が達成されないことがある。
本発明のペットフードは、上記成分以外に、さらに炭水化物を含有していてもよい。炭水化物源としては、単糖類、オリゴ糖、多糖類、食物繊維、デンプン類等が挙げられる。デンプン類としては、ワキシーコーンデンプン、コーンデンプン、小麦デンプン、米デンプン、糯米デンプン、馬鈴薯デンプン、甘露デンプン、タピオカデンプン、サゴデンプン、又はこれらに化学的処理を施したものや化学修飾した加工デンプン等が挙げられる。また、炭水化物は、穀物類として含有させてもよく、穀物類としては、とうもろこし、大麦、小麦、ライ麦、ソルガム、米、ひえ、あわ、アマラサンサス、キヌア等が挙げられる。本発明のペットフード中の炭水化物の含有量は、経済的、肥満防止効果、摂取性、便の状態、及び外観を健康的に美しくする点から、乾物あたり含有量として、10質量%以上、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上であり、そして70質量%以下、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下である。
本発明のペットフードは、さらに食物繊維を含有していてもよい。食物繊維は、食物中に含まれる、動物の消化酵素に対して難消化性の成分であり、水溶性繊維及び不溶性繊維に大別される。水溶性繊維としては、ペクチン、グアーガム、アガロース、グルコマンナン、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、ポリデキストロース、難消化性デキストリン等が挙げられ、不溶性繊維としては、セルロース、ヘミセルロース、リグニン、寒天、キチン、キトサン、ビートパルプ等が挙げられる。本発明のペットフードにおける乾物あたりの粗繊維量は、20質量%以下であればよいが、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下であり、そして好ましくは0.3質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上である。また乾物あたりの総食物繊維量は、30質量%以下であればよいが、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下であり、そして好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上である。
本明細書において、上記粗繊維量とは、飼料分析基準第3章4.2に記載のろ過法に従って判定された値であり、上記総食物繊維量とは、栄養表示基準に記載のプロスキー法(酵素−重量法)に従って判定された値である。
本発明のペットフードには、上記成分以外に、さらにぬか類、粕類、野菜類、ビタミン類、ミネラル成分、植物ステロール等を含むことができる。その他、一般的にペットフードに使用されるゲル化剤、保型剤、pH調整剤、調味料、防腐剤、栄養補強剤等も含有することができる。
ぬか類としては米ぬか、ふすま等が、粕類としては大豆粕等が、野菜類としては野菜エキス等が挙げられる。ビタミン類としては、A、B1、B2、D、E、ナイアシン、パントテン酸、カロチン等が挙げられ、好ましい含有量は、乾物あたり含有量として、0.05〜10質量%である。
ミネラル成分としては、鉄、銅、マンガン、コバルト、カルシウム、リン、ナトリウム、カリウム等が挙げられ、好ましい含有量は1〜10質量%である。当該ミネラル成分は、例えば、硫酸鉄、塩化第二鉄、フマル酸第一鉄、炭酸第一鉄、酸化鉄、硫酸銅、塩化銅、酸化銅、炭酸銅、硫化銅、銅クロロフィル、酸化マンガン、炭酸コバルト、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム等として配合される。
植物ステロールとしては、例えばα−シトステロール、β−シトステロール、スチグマステロール、カンペステロール、α−シトスタノール、β−シトスタノール、スチグマスタノール、カンペスタノール、シクロアルテノール等のフリー体、及びこれらの脂肪酸エステル、フェルラ酸エステル、桂皮酸エステル等のエステル体が挙げられる。本発明のペットフード中の植物ステロールの含有量は、乾物あたり含有量として、コレステロール低下効果の点から、0.1%以上であればよいが、0.5質量%以上含有するのが好ましい。また植物ステロール含有量の上限は、乾物あたり含有量として、0.1〜30質量%の範囲であればよい。
本発明のペットフードは、定法に従って上記成分を混合し、所望の形態に調製することで製造することができる。本発明のペットフードは、ドライタイプ、ウェットタイプ、セミモイストタイプ、ジャーキータイプ、ビスケットタイプ、ガムタイプ、粒状、粉状、スープ状等いずれの形態であってもよいが、ドライタイプであることが保存の簡便性から好ましい。ドライタイプのペットフードとしては、キブル形状、平板形状、骨形状などが挙げられる。ペットの噛み易さや扱いやすい形状を得るなどの観点からは、嵩密度が100kg/m3以上、好ましくは300kg/m3以上であり、そして900kg/m3以下、好ましくは700kg/m3以下であり、または、100〜900kg/m3、特に300〜700kg/m3であることが好ましい。本発明のペットフードは、袋詰め、箱詰め、パック詰め、缶詰、レトルトパウチされた形態で提供され得る。
本発明のペットフードを与えられる動物としては、イヌ、ネコ、ウサギ、ハムスター等の愛玩用哺乳動物が挙げられ、このうち、イヌ及びネコが好ましく、イヌがより好ましい。あるいは、本発明のペットフードを与えられる動物としては、筋肉量の増加が所望される動物、体脂肪や体重の増加を予防若しくは改善すべき動物、ならびに筋肉量や除脂肪体重の減少を予防若しくは改善すべき動物が挙げられる。代表的な例としては、成長期にある幼若動物、肥満又はそのおそれのある動物や、加齢又は病中病後などで筋力が衰えているか又はそのおそれのある動物が挙げられる。本発明のペットフードを与えられる動物の別の好ましい例としては、成犬、成猫、老犬、老猫が挙げられ、より好ましい例は成犬、老犬である。一方で、1歳未満の幼犬や幼猫に対して本発明のペットフードを与えると、成長過程での肥満化を防ぎながら、筋力を十分に付けることが容易となる。本明細書において、幼犬や幼猫等の幼若個体とは、生後0〜12ヶ月未満の個体をいい、成犬や成猫等の成体とは、生後12ヶ月〜7年未満の個体をいい、老犬や老猫等の高齢個体とは、生後7年以上の個体をいう。
本発明のペットフードは、総合栄養食であることが好ましい。総合栄養食とは、ペットフードのうち、犬や猫などの動物に毎日の主要な食事として給与することを目的とし、当該ペットフードと水だけで指定された成長段階における健康を維持できるような栄養素的にバランスのとれたものであり、具体的にはAAFCO(Association of American Feed Control Officials)の栄養基準を満たしているものをいう。
上述の動物に本発明のペットフードを摂食させることにより、当該動物の体脂肪や体重の増加を予防又は改善することができるだけでなく、筋肉量を増加させたり、又は除脂肪量の減少を予防若しくは改善することができる。従って、本発明のペットフードを摂食した動物は、筋肉量を減少させることなく体脂肪又は体重を減少させたり、あるいは体脂肪又は体重を過剰に増加させることなく筋肉量を増やすことができる。また本発明のペットフードは、過食しても体重が増加しにくいため、肥満を予防又は改善することができる。本発明のペットフードを与えられる動物は、本発明のペットフードのみを摂取してもよいが、別途又は同時に他の食物や飼料を摂取してもよい。本発明のペットフードの給餌量は、動物の種類、体重、年齢、性別、状態によって適宜決定すればよいが、例えば成犬の場合、1日当たり、56kcal/(体重kg)0.75以上、好ましくは70kcal/(体重kg)0.75以上であり、そして175kcal/(体重kg)0.75以下、好ましくは126kcal/(体重kg)0.75以下であり、または56〜175kcal/(体重kg)0.75、好ましくは70〜126kcal/(体重kg)0.75である。
すなわち、上記4成分:(A)タンパク質;(B)油脂;(C)脱脂ゴマ;及び(D)嗜好性増強剤を含有する組成物は、筋肉量増加、筋肉量減少の予防若しくは改善、除脂肪体重減少の予防若しくは改善、又は肥満の予防若しくは改善のための有効成分として、非ヒト哺乳動物に適用され得る。非ヒト哺乳動物としては、上述の愛玩用哺乳動物が挙げられ、このうち、イヌ及びネコが好ましく、イヌがより好ましい。これらの動物は、成長期にある幼若動物、成体、又は加齢した動物であり得る。成犬又は老犬がさらに好ましい。
動物の体タンパク質量の変化は、ケルダール法(飼料分析基準第3章2.1に記載)に基づいて、対象動物の糞尿中の窒素量(窒素排出量)を測定し、他方、同じ方法により食餌中の窒素量(給与窒素量)を測定して、給与窒素量と窒素排出量との差から個体の窒素出納の値を計算することにより評価することができる。これによって、動物の筋肉量の変化を推定することが可能である。
また動物の除脂肪量、体脂肪量は、重水希釈法(重水を用いた希釈法による体組成の測定方法:例えば、[www.nutritio.net/kiban2/ronbun/matumura01.htm];あるいはフランク・B・フー著、小林身哉ら監訳「肥満の疫学」名古屋大学出版会(2010年)、第5章に原理が記載されている)に基づいて測定することができる。すなわち、個体に重水を注入し、注入前後の個体の重水濃度を測定することによって体水分量を求め、求めた体水分量をもとに除脂肪量を算出し、さらに除脂肪量と体重から体脂肪量を算出することができる。
上述した本発明の別の例示的実施形態として、さらに以下を本明細書に開示する。
<1> (A)動物性タンパク質及び植物性タンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質;
(B)動物性油脂及び植物性油脂からなる群より選択される少なくとも1種の油脂;
(C)脱脂ゴマ;ならびに
(D)肉エキス、魚介類エキス、内臓エキス、酵母エキス、乳加工物、及びそれらの加
水分解物からなる群より選択される少なくとも1種の嗜好性増強剤、
を含有するペットフード。
<2> (A)動物性タンパク質及び植物性タンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質;
(B)動物性油脂及び植物性油脂からなる群より選択される少なくとも1種の油脂;
(C)脱脂ゴマ;ならびに
(D)肉エキス、魚介類エキス、内臓エキス、酵母エキス、乳加工物、及びそれらの加水分解物からなる群より選択される少なくとも1種の嗜好性増強剤、
を有効成分とする非ヒト動物用の肥満防止剤、筋肉量増加剤、筋肉量減少の予防若しくは改善剤、又は除脂肪体重減少の予防若しくは改善剤。
<3> (A)動物性タンパク質及び植物性タンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質;
(B)動物性油脂及び植物性油脂からなる群より選択される少なくとも1種の油脂;
(C)脱脂ゴマ;ならびに
(D)肉エキス、魚介類エキス、内臓エキス、酵母エキス、乳加工物、及びそれらの加水分解物からなる群より選択される少なくとも1種の嗜好性増強剤、
を含む組成物の、非ヒト動物用の肥満防止剤、筋肉量増加剤、筋肉量減少の予防若しくは改善剤、又は除脂肪体重減少の予防若しくは改善剤の製造のための使用。
<4> (A)動物性タンパク質及び植物性タンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質;
(B)動物性油脂及び植物性油脂からなる群より選択される少なくとも1種の油脂;
(C)脱脂ゴマ;ならびに
(D)肉エキス、魚介類エキス、内臓エキス、酵母エキス、乳加工物、及びそれらの加水分解物からなる群より選択される少なくとも1種の嗜好性増強剤、
を含む組成物の、非ヒト動物の肥満防止、筋肉量増加、筋肉量減少の予防若しくは改善、又は除脂肪体重減少の予防若しくは改善のための使用。
<5> 非ヒト動物の肥満防止、筋肉量増加、筋肉量減少の予防若しくは改善、又は除脂肪体重減少の予防若しくは改善に使用するための、以下:
(A)動物性タンパク質及び植物性タンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質;
(B)動物性油脂及び植物性油脂からなる群より選択される少なくとも1種の油脂;
(C)脱脂ゴマ;ならびに
(D)肉エキス、魚介類エキス、内臓エキス、酵母エキス、乳加工物、及びそれらの加水分解物からなる群より選択される少なくとも1種の嗜好性増強剤
を含む組成物。
<6> (A)動物性タンパク質及び植物性タンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質;
(B)動物性油脂及び植物性油脂からなる群より選択される少なくとも1種の油脂;
(C)脱脂ゴマ;ならびに
(D)肉エキス、魚介類エキス、内臓エキス、酵母エキス、乳加工物、及びそれらの加水分解物からなる群より選択される少なくとも1種の嗜好性増強剤、
を含む組成物を非ヒト動物に摂取させることを含む、該動物の筋肉量増加、筋肉量減少の予防若しくは改善、除脂肪体重減少の予防若しくは改善、又は肥満の予防若しくは改善のための方法。
<7> (A)動物性タンパク質及び植物性タンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質;
(B)動物性油脂及び植物性油脂からなる群より選択される少なくとも1種の油脂;
(C)脱脂ゴマ;ならびに
(D)肉エキス、魚介類エキス、内臓エキス、酵母エキス、乳加工物、及びそれらの加水分解物からなる群より選択される少なくとも1種の嗜好性増強剤、
を含む組成物を非ヒト動物に摂取させることを含む、該動物の筋肉量増加、筋肉量減少の予防若しくは改善、除脂肪体重減少の予防若しくは改善、又は肥満の予防若しくは改善のための非治療的方法。
<8> <1>〜<7>のいずれかにおいて、上記ペットフード、剤又は組成物におけるセサミノールトリグリコシドの含有量は、乾物あたり含有量として、
好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.005質量%以上、さらに好ましくは0.01質量%以上、さらにより好ましくは0.02質量%以上であり、そして好ましくは0.20質量%以下、より好ましくは0.12質量%以下、さらに好ましくは0.10質量%以下であるか、
又は
好ましくは、0.001質量%〜0.20質量%、0.001質量%〜0.12質量%、0.001質量%〜0.10質量%、0.005質量%〜0.20質量%、0.005質量%〜0.12質量%、0.005質量%〜0.10質量%、0.01質量%〜0.20質量%、0.01質量%〜0.12質量%、0.01質量%〜0.10質量%、0.02質量%〜0.20質量%、0.02質量%〜0.12質量%、若しくは0.02質量%〜0.10質量%である。
<9> <1>〜<8>のいずれかにおいて、上記ペットフード、剤又は組成物におけるセサミノールトリグリコシドとセサミン及びセサモリンとの含有比〔セサミノールトリグリコシド/(セサミン+セサモリン)値〕は、好ましくは>1.5、より好ましくは>1.75、さらに好ましくは>2、さらにより好ましくは>3、なお好ましくは3.5以上である。
<10> <1>〜<9>のいずれかにおいて、上記(A)タンパク質は、好ましくは動物性タンパク質からなる群より選択される少なくとも1種である。
<11> <1>〜<10>のいずれかにおいて、上記ペットフード、剤又は組成物中の粗タンパク質の含有量は、
乾物あたりの粗タンパク質量として、好ましくは20質量%以上、より好ましくは22質量%以上、さらに好ましくは25質量%以上。さらにより好ましくは26質量%以上であり、そして好ましくは40質量%以下、より好ましくは36質量%以下、さらに好ましくは32質量%以下であるか、
又は
乾物あたりの粗タンパク質量として、好ましくは、20〜40質量%、20〜36質量%、20〜32質量%、22〜40質量%、22〜36質量%、22〜32質量%、25〜40質量%、25〜36質量%、25〜32質量%、26〜40質量%、26〜36質量%、若しくは26〜32質量%である。
<12> <1>〜<11>のいずれかにおいて、上記(B)油脂の含有量は、
乾物あたりの粗脂肪量として、好ましくは8質量%以上、より好ましくは9質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上であり、そして好ましくは30質量%以下、より好ましくは27質量%以下、さらに好ましくは24質量%以下であるか、
又は
乾物あたりの粗脂肪量として、好ましくは、8質量%〜30質量%、8質量%〜27質量%、8質量%〜24質量%、9〜30質量%、9〜27質量%、9〜24質量%、10〜30質量%、10〜27質量%、若しくは10〜24質量%である。
<13> <1>〜<12>のいずれかにおいて、上記(D)嗜好性増強剤の含有量は、 乾物あたり含有量として、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上であり、そして好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下であるか、
又は
乾物あたり含有量として、好ましくは、0.01質量%〜5質量%、0.05質量%〜5質量%、0.1質量%〜5質量%、0.01質量%〜3質量%、0.05質量%〜3質量%若しくは0.1質量%〜3質量%である。
<14> <1>〜<13>のいずれかにおいて、上記ペットフード、剤又は組成物は、好ましくはさらに炭水化物を含有し、ここで、当該炭水化物含有量は、乾物あたり含有量として、
好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上であり、そして好ましくは70質量%以下、より好ましくは60質量%以下、さらに好ましくは50質量%以下であるか、
又は
好ましくは、10質量%〜70質量%、10質量%〜60質量%、10質量%〜50質量%、20質量%〜70質量%、20質量%〜60質量%、20質量%〜50質量%、30質量%〜70質量%、30質量%〜60質量%、若しくは30質量%〜50質量%である。
<15> <1>〜<14>のいずれかにおいて、上記ペットフード、剤又は組成物は、好ましくはさらに食物繊維を含有し、ここで、当該食物繊維の含有量は、乾物あたり粗繊維含有量として、
好ましくは0.3質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上であり、そして好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下であるか、
又は
好ましくは、0.3質量%〜20質量%、0.3質量%〜10質量%、0.3質量%〜5質量%、0.5質量%〜20質量%、0.5質量%〜10質量%、若しくは0.5質量%〜5質量%である。
<16> <1>〜<15>のいずれかにおいて、上記ペットフード、剤又は組成物における脱脂ゴマの含有量は、乾物あたり含有量として、
好ましくは0.2質量%以上、より好ましくは1.1質量%以上、さらに好ましくは2.2質量%以上であり、そして好ましくは22.2質量%以下、より好ましくは17.8質量%以下、さらに好ましくは13.3質量%以下であるか、
又は
好ましくは、0.2質量%〜22.2質量%、0.2質量%〜17.8質量%、0.2質量%〜13.3質量%、1.1質量%〜22.2質量%、1.1質量%〜17.8質量%、1.1質量%〜13.3質量%、2.2質量%〜22.2質量%、2.2質量%〜17.8質量%、若しくは2.2質量%〜13.3質量%である。
<17> <1>、<8>〜<16>のいずれかにおいて、上記ペットフードは、好ましくは愛玩用哺乳動物用、より好ましくはイヌ又はネコ用、さらに好ましくは幼犬、幼猫、成犬、成猫、老犬、又は老猫用、さらにより好ましくは幼犬、成犬又は老犬用、なお好ましくは成犬又は老犬用である。
<18> <17>において、上記ペットフードは、好ましくは筋肉量の増加が所望される動物、体脂肪や体重の増加を予防若しくは改善すべき動物、筋肉量や除脂肪体重の減少を予防若しくは改善すべき動物、成長期にある幼若動物、肥満若しくはそのおそれのある動物、又は加齢や病後で筋力が衰えているか若しくはそのおそれのある動物用である。
<19> <2>〜<16>のいずれかにおいて、上記非ヒト動物は、好ましくは愛玩用哺乳動物、より好ましくはイヌ又はネコ、さらに好ましくは幼犬、幼猫、成犬、成猫、老犬、又は老猫、さらにより好ましくは幼犬、成犬又は老犬、なお好ましくは成犬又は老犬である。
<20> <19>において、上記非ヒト動物は、好ましくは筋肉量の増加が所望される動物、体脂肪や体重の増加を予防若しくは改善すべき動物、筋肉量や除脂肪体重の減少を予防若しくは改善すべき動物、成長期にある幼若動物、肥満若しくはそのおそれのある動物、又は加齢や病後で筋力が衰えているか若しくはそのおそれのある動物である。
<21> <1>〜<20>のいずれかにおいて、上記ペットフード、剤又は組成物の上記非ヒト動物への給餌量は、1日当たり、
好ましくは56kcal/(体重kg)0.75以上、より好ましくは70kcal/(体重kg)0.75以上であり、そして好ましくは175kcal/(体重kg)0.75以下、より好ましくは126kcal/(体重kg)0.75以下であるか、
又は
好ましくは56〜175kcal/(体重kg)0.75、より好ましくは70〜126kcal/(体重kg)0.75である。
<22> <1>〜<21>のいずれかにおいて、上記ペットフード、剤又は組成物の嵩密度は、
好ましくは100kg/m3以上、より好ましくは300kg/m3以上であり、そして好ましくは900kg/m3以下、より好ましくは700kg/m3以下であるか、
又は
好ましくは100〜900kg/m3、より好ましくは300〜700kg/m3である。
<参考例1.ゴマリグナンの筋肉増強作用確認試験>
(背景)
本実験では、脱脂ゴマがミオスタチン/Smadシグナル阻害効果を有し、筋量の増加、筋力の増強、筋萎縮の抑制等の効果を発揮し得ることを示す。
ミオスタチンは、形質転換成長因子−β(TGF−β)スーパーファミリーに属し、筋肉成長を負に調節することにおいて役割を果たしていると考えられている。ミオスタチンは、筋芽細胞の増殖及び分化を阻害すること(非特許文献1)、サテライト細胞の増殖を抑制し、サテライト細胞を休止状態としていること(非特許文献2)等が明らかにされている。また、ミオスタチン欠損マウスでは正常なマウスよりも筋線維の過形成及び肥大のために骨格筋量が約2倍に増大すること(非特許文献3)、さらに、ミオスタチンの内因性阻害剤であるフォリスタリンの過剰発現マウスで筋量増加が認められること(非特許文献4)が報告されている。したがって、細胞におけるミオスタチンの活性を阻害することで、サテライト細胞の活性を高め筋肉の肥大・再生を促し、筋量の調節・増加による筋萎縮の予防、改善等が期待できる。生体内において、ミオスタチンは、アクチビンII型受容体(ActRII)に結合し、さらにI型受容体(ALK4又はALK5)のリン酸化を引き起こすことで、細胞内シグナルカスケードが働く。リン酸化されたI型受容体は細胞内のSmad2、3をリン酸化し、リン酸化されたSmad2、3はヘテロダイマーを形成し、さらにSmad4との複合体を形成することで核内へと移行可能となり、標的遺伝子上流のSBE(Smad binding element)に結合し、転写を開始する(非特許文献5)。
非特許文献1 Thomas et al.,J Biol Chem 2000 275:40235−40243
非特許文献2 McCroskery S et al.,J Cell Biol 2003 162:1135−1147
非特許文献3 McPherron AC et al.,NATURE 1997 387:83−90
非特許文献4 Gioson H et al.,Am J Physiol Endocrinol Metab 2009 297:E157−E164
非特許文献5 Joulia−Ekaza D et al.,Curr Opin Pharmacol 2007 7:310−5
上記ActRII、Smadタンパク質が関与するミオスタチンの細胞内シグナル伝達経路を、本明細書において「ミオスタチン/Smadシグナル」と称する。また本明細書において上記ミオスタチンの細胞内シグナル伝達経路の阻害を、「ミオスタチン/Smadシグナル阻害」と称する。本明細書における「ミオスタチン/Smadシグナル阻害」とは、例えば、ミオスタチンのActRIIへの結合阻害、Smadタンパク質の不活性化等により当該シグナル伝達のいずれかを減少、調節又は阻害することを意味する。「ミオスタチン/Smadシグナル阻害」により、細胞におけるミオスタチンの活性を抑制してサテライト細胞の分化を促進することができ、ひいては筋量の増加、筋力の増強、筋萎縮の予防や改善等が可能になる。「ミオスタチン/Smadシグナル阻害作用」は、Smad複合体のSBEへの結合をルシフェラーゼ遺伝子の発現により判別することで評価することができる。
(方法)
ゴマに含まれる主なゴマリグナンは、セサミン、セサモール、セサモリン及びセサミノールトリグルコシドである。このうちセサミノールトリグルコシドは、体内で加水分解されてセサミノールとなり吸収される。本実験では、ゴマリグナンとして、セサミン、セサモール、セサモリン及びセサミノールの4種類をサンプルとして用いた。
HEK293細胞(ヒト胎児由来腎細胞)を96穴プレートに播種し、DMEM(10% FBS)中で一晩培養した。CignalTMReporter Assay Kits(SABiosciences)に含まれるCignal Reporter plasmid(ホタルルシフェラーゼ遺伝子の上流にSBEをつないだレポータープラスミドと内部標準用ウミシイタケルシフェラーゼが40:1の比率で混合されたもの)を、トランスフェクション試薬(Lipofectamine 2000;Invitrogen)を用いて細胞に導入した。その6時間後に、被験物質として終濃度0.002(w/v)%の上記ゴマリグナンのいずれかを含むDMEM(0.2%FBS)へと培地交換を行い、さらに2時間後にミオスタチン(0.05μg/mL;PEPROTECH)を含むDMEM(0.2%FBS)を加え、一晩培養した。翌日、Dual−Glo(登録商標)Luciferase Reporter Assay System(Promega)を用い、ルミノメーターにてホタル及びウミシイタケルシフェラーゼ活性を各々測定した。コントロールとして20(v/v)%エタノールを用いた。コントロールの活性を100%とした相対活性を調べた。
(結果)
結果を図1に示す。サンプルとして使用したゴマリグナンの中で、セサミノールだけが有意なミオスタチン/Smadシグナル阻害活性を示した。ゴマの中ではセサミノールはすべて配糖体として存在するため、ゴマ油には含まれず水溶性画分として脱脂ゴマに残留する。したがって、ゴマ成分の中でも、特に脱脂ゴマにミオスタチン/Smadシグナル阻害活性があることが明らかにされた。
<参考例2.試験例の方法>
(1.ゴマ原料)
原料中の脱脂ゴマとしては、焙煎ゴマの圧搾抽出物残渣として得られた脱脂ゴマ(脱脂ゴマ1〔竹本油脂株式会社より購入〕;セサミノールトリグリコシド/(セサミン+セサモリン)≒3.1)、又は焙煎ゴマのヘキサン抽出物残渣として得られた脱脂ゴマ(脱脂ゴマ2〔かどや製油株式会社より購入〕;セサミノールトリグリコシド/(セサミン+セサモリン)≒5.2)を用いた。
(2.栄養組成分析)
組成物中の栄養組成は、以下の方法で測定した。
粗タンパク質は窒素量を飼料分析基準第3章2.1に記載のケルダール法で定量し、それに換算係数6.25を乗じて求めた。粗脂肪は飼料分析基準第3章3.2に記載の酸分解ジエチルエーテル抽出法で測定した。粗灰分は飼料分析基準3.5に記載の分析法で測定した。粗繊維は飼料分析基準第3章4.2に記載のろ過法で測定した。水分は飼料分析基準第3章1に記載の加熱減量法で測定した。可溶無窒素物は100%から粗蛋白質、粗脂肪、粗繊維、粗灰分、水分の含有量を引くことにより求めた。
修正Atwater係数を用いて、以下の式でペットフードの代謝エネルギー密度を計算した。
代謝エネルギー密度(kcal/100g)
=3.5×粗タンパク質含有率(%)+8.5×粗脂肪含有率(%)+3.5×可溶無窒素物含有率(%)
(3.ゴマリグナン含量の測定)
ペットフード中のセサミン、セサモリン、及びセサミノールトリグルコシド含量は、次のように定量した。すなわち、サンプルを粉砕し、12倍量の80%エタノール水溶液で12時間攪拌し遠心分離によって上清を分離した。この作業を3回繰り返して得られた全上清を、50倍容量にメスアップした後、HPLC分析を行った。カラムはODSカラムを用い、20%メタノールから80%メタノールのグラジェエントをつけて溶出を行った。検出は、蛍光検出器を用い励起波長280nm、蛍光波長350nmで行った。標準品として、セサミン及びセサモリンは市販品(長良サイエンスより購入)を用い、セサミノールトリグルコシドは定法に従ってゴマより抽出精製したものを用いた。求めたセサミノールトリグリコシド、セサミン、セサモリンの量から、(セサミノールトリグリコシド/(セサミン+セサモリン))値を計算した。
(4.窒素出納の測定)
個体が摂取した試験食の窒素量を測定し、摂取窒素量とした。個体からの便と尿を全量採取してそれぞれについて含有する窒素量を測定し、またその他の窒素量(皮膚、毛など)を5mg/day/1kg体重とし、あわせて排出窒素量とした。窒素量はケルダール法(飼料分析基準第3章2.1)により測定した。摂取窒素量から排出窒素量を差し引いて、個体の1日当たりの体重1kg当たりの窒素出納を求めた。
(5.体組成の測定)
体組成の測定は重水気釈法により、以下のように実施した。
前日から12時間以上絶食(飲水は自由)の後、午前中に体重測定及び2cc採血(pre)を行った。続いて等張化した重水を下記量で首の皮下に注入した。

重水の注入量(g)=体重(kg)×0.2

重水注入から2時間後に再度体重測定及び2cc採血(post)を行った。血清用の真空採血管(テルモ製、ベノジェクトII真空採血管VP−AS076、血清分離剤+凝固促進剤)を用いて血清を分離した(3000rpm、10分間)。分離した血清はディープフリーザーにて凍結保存した。後日血清を解凍し、血清中の重水濃度を同位体質量分析装置:ANCA−GSL 20−20システム(PDZ Europa社製)を用いて測定した。
重水注入量、pre重水濃度、post重水濃度、体重の値を用いて以下の式で体水分量、除脂肪量、体脂肪量、体脂肪率を計算した。

体水分量(g)=重水注入量(g)/(post重水濃度−pre重水濃度)(ppm)×106×18.02/20/1.04
除脂肪量(kg)=体水分量(g)/1000/0.732
体脂肪量(kg)=体重(preとpostの平均)(kg)−除脂肪量(kg)
体脂肪率(%)=体脂肪量/体重(preとpostの平均)×100
試験例1
(ペットフードの製造)
実施例1(本発明)と比較例1(対照)のペットフードは、表1に示した原料を用いてエクストルーダーによるクッキング、乾燥、油脂及び嗜好剤添加の工程を経てペットフード公正取引協議会の栄養基準における成犬維持用の要件を満たすように調製した。各ペットフードの栄養成分、カロリー及びゴマリグナン含有量の測定結果を表1に示す。
(窒素出納測定)
肥満したビーグルを表2のように2頭ずつの2群に分け、クロスオーバーで比較例1及び実施例1のペットフードを10日間ずつ給与した。
試験開始前に市販のペットフード(サイエンスダイエットアダルト;ヒルズコルゲート株式会社製)で体重を維持させ、同じカロリーで実施例1又は比較例1の試験食を与えた。給与は1日1回行った。群1には比較例1→実施例1の順、群2には実施例1→比較例1の順で与えた。1番目の試験食給与期間と2番目の試験食給与期間の間を4日間空け、その間はサイエンスダイエットを与えた。各個体の体重を毎日同じ時間帯(午前9時〜10時)に測定した。各試験食給与開始前と給与終了時の体重の差を給与日数で除し、体重変化(g/day)とした。各試験食給与6日目〜10日目にかけて、連続した96時間の便と尿を全量採取し、1日当たりの体重1kg当たりの窒素出納(g/kg/day)を求めた。
(結果)
結果を表3に示す。窒素出納については、実施例1及び比較例1の群間での有意差は見られなかったが、実施例1は正の値であることは有意(p<0.1)となったことから、実施例1によって体内に窒素が蓄積され、除脂肪量の増加につながることが示された。また、体重の変化は比較例1において有意に上昇しているが、実施例1においては有意な変化は見られなかった。また、群間の比較でも実施例1が有意に(p=0.10)体重の増加を抑制していることが示された。つまり、実施例1において体重を増やさず筋肉を増やす効果が示された。
試験例2
(ペットフードの製造)
本試験に使用した実施例2のペットフードは、表4に示した原料を用いてエクストルーダーによるクッキング、乾燥、油脂及び嗜好剤添加の工程を経てペットフード公正取引協議会の栄養基準における成犬維持用の要件を満たすように調製した。比較例2としてサイエンスダイエット(ヒルズコルゲート株式会社製)を用いた。比較例2については、全成分表記であるパッケージの表記と原料ごとの栄養組成のデータより配合量を推定した。各ペットフードの栄養成分、カロリー及びゴマリグナン含有量の測定結果を表4に示す。
(体組成測定)
表5に記載の去勢オス肥満ビーグル犬に、比較例2のフードを体重を維持する給与量で2週間与えて体重を維持させた。その後、同じ給与カロリーで実施例2を4週間与えた。
実施例2への切替え1週間後、糞便と尿を連続4日間全量採取し、窒素出納を求めた。各個体の体重は毎週測定した。また試験開始前と4週後に、肝臓での脂質代謝のマーカーである空腹時の静脈血中のケトン体量及び重水希釈法による体組成測定を実施した。
(結果)
結果を表6に示す。実施例2の給与前から切り替えて4週後の体重は減少したが、窒素出納は正の値(P=0.019)となっており、体重減少にもかかわらず筋肉量が増加したことが示された。さらに比較例2給与後に比べて実施例2給与後には空腹時の血清ケトン体濃度が高く、肝臓での脂質代謝が亢進していることが示された。
試験例3
(ペットフードの製造)
本試験に使用した実施例3のペットフードは、表7に示した原料を用いてエクストルーダーによるクッキング、乾燥、油脂及び嗜好剤添加の工程を経てペットフード公正取引協議会の栄養基準における成犬維持用の要件を満たすように調製した。比較例3としてサイエンスダイエット(ヒルズコルゲート株式会社)を用いた。比較例3については、全成分表記であるパッケージの表記と原料ごとの栄養組成のデータより配合量を推定した。各ペットフードの栄養成分、カロリー及びゴマリグナン含有量の測定結果を表7に示す。
(体組成測定)
表8に示す通常体型のビーグル犬に比較例3のペットフードを体重維持カロリーに対して約5%過食させて4週間給与した後、同じカロリーで実施例3のペットフードを4週間給与した。体重は毎週測定し、実施例3の給与0週を1として比を求めた。比較例3給与開始時、ならびに実施例3給与0週、給与2週及び給与4週後に空腹時採血を行い、血清総ケトン体量を測定した。また、比較例3給与開始時、ならびに実施例3給与0週及び給与4週に、重水希釈法により体水分量、除脂肪量、体脂肪量の変化を測定した。
(結果)
体重変化の結果を表9に示す。表中、給与期間は実施例3の給与開始を0週とし、その前つまり比較例3給与期間はマイナスで示した。給与−4週(比較例3給与開始時)から給与0週まで体重の増加が見られたが、その後有意な体重増加は見られなかった。また表10より、空腹時の血清ケトン体は、給与−4週から給与0週においては増加は見られなかったが、給与0以降給与2週及び給与4週において有意な上昇が見られ、実施例3給与後に脂質代謝が亢進したことがわかった。さらに、表11に示したように実施例3給与後には体脂肪が減少し、除脂肪量が増加する傾向にあることがわかった。
以上のとおり、本発明のペットフードを通常体型の動物に摂取させることにより、脂質代謝が亢進されるとともに、過食による体重の増加を抑制でき、結果として脂肪を増やさず筋肉を増加させる効果が期待できる。
試験例4
(ペットフードの製造)
本試験に使用した実施例4のペットフードは、表12に示した原料を用いてエクストルーダーによるクッキング、乾燥、油脂及び嗜好剤添加の工程を経てペットフード公正取引協議会の栄養基準における成犬維持用の要件を満たすように調製した。比較例4としてサイエンスダイエット(ヒルズコルゲート株式会社製)を用いた。比較例4については、全成分表記であるパッケージの表記と原料ごとの栄養組成のデータより配合量を推定した。各ペットフードの栄養成分、カロリー及びゴマリグナン含有量の測定結果を表12に示す。
(体組成の調査)
一般家庭で飼育されている小型犬及び超小型犬51頭によるホームユース試験を行った。試験を行った動物の犬種、性別及び年齢を表13〜15に示す。動物を2群にわけ、一方の群に実施例4、もう一方の群に比較例4を給与した。給与期間は8週間とし、期間終了後に動物の行動の変化についてアンケート調査を行った。
結果を表16〜17に示す。表16より、実施例4は比較例4に比べて食いつきがよくまた、8週目の体型の変化を感じた個体が多く、さらに実施例4給与の場合、動物に筋肉がついたと答えた飼育者の割合が高いことも明らかとなった。表17に、実施例4給与後に体型の変化を起こした個体のアンケート結果を示す。実施例4を与えた個体は、体型の変化、特に筋肉のつき具合が充実したことを示唆する結果となった。
試験例5
(ペットフードの製造)
本試験に使用した実施例5,6,7,8のペットフードは、表18に示した原料を用いてエクストルーダーによるクッキング、乾燥、油脂及び嗜好剤添加の工程を経てペットフード公正取引協議会の栄養基準における成犬維持用の要件を満たすように調製した。比較例5としてアイムス成犬用チキン小粒(プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン株式会社)を用いた。比較例5については、全成分表記であるパッケージの表記と原料ごとの栄養組成のデータより配合量を推定した。各ペットフードの栄養成分、カロリー及びゴマリグナン含有量の測定結果を表18に示す。
試験には去勢済みオスの9−10歳のビーグル犬を16頭用いた。2頭ずつ8群に分け、2群ずつの実施例と比較例のクロスオーバー試験を4試験行った。
各個体への給与量は、予め求めておいた各個体が体重を維持できる給与カロリーを満たす量とした。試験開始後は給与カロリーは一定とした。給与は1日1回実施した。
試験は、同じ群で一方の試験食を給与後、市販品でウオッシュアウトし、その後もう一方の試験食を与えた。試験食開始時と終了時の体重を毎日同じ時間帯(午前9時から10時)に測定し、終了時の体重から開始時の体重を引き、その値を開始時と終了時の体重の平均値で割ることで、その試験食の体重変化率とした。各実施例での体重変化率から比較例5での体重変化率を差引き、体重変化率の差を求めた。また、試験食給与2週間後の空腹時ケトン体濃度を測定した。
実施例5〜8について、脱脂ゴマ含有量と体重変化率の差をプロットした結果を図2に示す。図2より、実施例5から8全てで比較例5に比べて抗肥満作用を示した(すなわち、Δ週あたり体重変化率が負の値を示した)。また、実施例5から8にかけて脱脂ゴマの含有量が増加するに従って、抗肥満作用が大きくなっていくことが明らかとなった。また、表19に示すように、空腹時血中ケトン体濃度は実施例給与群(実施例5〜8の平均値)と比較例5給与群で比較した結果、実施例給与群において有意に高値を示すことが明らかとなった。以上の結果より、脱脂ゴマを配合することにより脂質代謝の亢進によって抗肥満効果が得られ、体組成改善効果も期待できることが明らかとなった。
試験例6
(ペットフードの製造)
実施例9、比較例6及び比較例7は、表20に示した原料を用いてエクストルーダーによるクッキング、乾燥、油脂及び嗜好剤添加の工程を経てペットフード公正取引協議会の栄養基準における成犬維持用の要件を満たすように調製した。各ペットフードの栄養成分、カロリー及びゴマリグナン含有量の測定結果を表20に示す。原料中のゴマ原料として、実施例9では脱脂ゴマ1(竹本油脂株式会社;セサミノールトリグリコシド/(セサミン+セサモリン)≒3.1)、比較例6では竹本油脂のゴマ油(マルホン純正ごま油);セサミノールトリグリコシド/(セサミン+セサモリン)≒0)を用いた。また、比較例7ではゴマ原料を用いず、ゴマ油の代わりに大豆油を用いた((セサミノールトリグルコシド/セサミン+セサモリン)≒0)。なお、実施例9は、セサミノールトリグリセライドのアグリコンとしての含有量は225ppmであり、有効成分となるリグナンの総含有量は374ppmで、比較例6の346ppmと同等であった。比較例7のリグナン含有量は0ppmであった。
(体組成測定)
肥満の去勢オスビーグル犬を2群に分け、サイエンスダイエットアダルト(ヒルズコルゲート株式会社)を体重維持カロリーで1週間給与した後、各群に同じカロリーで比較例6及び比較例7の試験食をそれぞれ2週間給与した。その後、両群ともサイエンスダイエットアダルトに切替え1週間給与した後、試験食入替え、それぞれ比較例7及び比較例6のフードを2週間給与した。試験食給与2週間目に各個体の空腹時の血中ケトン体濃度を測定し、群ごと平均値を求めた。
さらに、去勢オスビーグル犬に対して比較例2のフードを体重を維持する給与量で2週間与えて体重を維持させた。その後、同じ給与カロリーで実施例9を2週間与えた。試験食給与2週間目に空腹時の血中ケトン体濃度を測定した。
各試験食給与2週間後の空腹時血清総ケトン体濃度を表21に示す。比較例6及び比較例7給与後はいずれも値が低値であったが、一方、実施例9給与後は、比較例と比較して顕著に高値を示した。このことより、ゴマ油に含まれるセサミン及びセサモリンと比べて、脱脂ゴマに含まれる水溶性のゴマリグナンであるセサミノール配糖体は、より優れた体組成改善効果を有することが明らかとなった。
試験例7
表22に示した原料を用いて実施例10と比較例8のペットフードを調製した。各ペットフードの栄養成分、カロリー及びゴマリグナン含有量の測定結果を表22に示す。
筋肉の低減が見られる老齢動物用のフードを設計する場合、老化によって低下した代謝に見合ったところまで摂取カロリーを低減させるため、フードの油脂の量を抑えてカロリー密度を下げることが重要である。本発明にしたがって製造した脱脂ゴマ10%を含有する老犬用ペットフードは、実施例10の処方となる。このペットフードにおける筋量増強の有効成分であるセサミノールトリグルコシドの量は520ppmであった。一方、脱脂ゴマを含有しない従来のペットフードで本発明と同等の筋量増強効果を達成しようとする場合、同じ量のセサミノールトリグルコシドを含有するためには、比較例8に示すように、フードに15%以上のゴマ種実を添加する必要があった。しかし、ゴマ種実の成分の約半分は油脂であるため、比較例8のフードは、必然的に油脂含有量が多くなり、実施例10のペットフードに対して12%高カロリーなものとなった。比較例8のフードを老犬に与えた場合、摂取カロリー過剰で体重増加を抑制できないおそれがある。
試験例8
表23に示す組成の実施例11、比較例9〜10、及び基準例のペットフードを調製した。基準例(脱脂ゴマ及び本発明の嗜好性増強剤不含有)のフードと比較例9(脱脂ゴマ含有、本発明の嗜好性増強剤不含有)のフードとを比較すると、脱脂ゴマを含有する比較例9のフードは嗜好性が低下した。これは、脱脂ゴマの焦げ臭が犬の嗅覚に刺激を与えたためと考えられる。比較例9のフードを給与した場合、摂餌量が少ないために長期試験を開始できない個体や、途中で試験から脱落する個体が多く発生した。脱脂ゴマを含有していない基準例のフードを給与した場合、長期試験の実施は可能であったが、動物の体組成改善は見られなかった。
比較例9の処方に従来の代表的な嗜好性増強剤をさらに添加し、脱脂ゴマ含有フードの嗜好性向上を試みた。その結果、嗜好性増強剤として生肉を添加した比較例10のフードは嗜好性が上がらず、このフードでは長期試験を開始することができなかった。これに対し、本発明の嗜好性増強剤である酵母エキスを添加した実施例11のフードは、嗜好性が高まり、このフードで長期試験を最後まで実施することができた。さらに実施例11のフード用いた試験後には動物の体組成が改善した。
表23に示すペットフードについて、標準品に対する嗜好性試験を行った。標準品(ヒルズコルゲート社製サイエンスダイエットアダルト小粒成犬用)を基準に各ペットフードの嗜好性を評価した。犬の試験機関で飼育されているビーグル犬10頭に二皿法による嗜好性試験を行った。すなわち、試験食と標準品それぞれ同じ分量の一食分を別の皿に入れ、犬から同じ距離となるように左右に同時に与え、どちらかの皿が空になった時点でもう一方の皿も回収し残ったフードの量を秤量した。残った量から、食べた量を計算し、食べた総量でそれぞれのフードの食べた量を割り100をかけた値を摂食率とする。同一犬においては左右場所を入れ替えて次の食事の時に再度試験を行った。これを10頭で行い摂食率の平均を求めた。
本試験例の結果より、標準品に対する嗜好性試験の数値50以上が、長期試験可能なフードの目安となることが分かった。
試験例9
脱脂ゴマを含有するフードに種々の嗜好性増強剤を添加して表24に示す組成の実施例12〜14、比較例11〜12のペットフードを調製した。各ペットフードについて、試験例8と同様の手順で、標準品を基準とした嗜好性試験を行った。その結果、本発明の嗜好性増強剤であるチキンレバーエキス、バターフレーバー又は酵母エキスを含有する実施例12〜14のフードは、嗜好性が高く長期給与が可能なものであったが、豚生肉又は天然香料を含有する比較例11〜12のフードは嗜好性が低かった。
試験例10
実施例15及び比較例13として、表25に示す組成のキャットフードを調製した。試験例8と同様の手順による嗜好性試験の結果、脱脂ゴマを含有することでキャットフードの嗜好性は低下するが、さらに本発明の嗜好性増強剤を添加することにより、フードの嗜好性が高まり、長期給与が可能になることが分かった。

Claims (16)

  1. (A)動物性タンパク質及び植物性タンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質;
    (B)動物性油脂及び植物性油脂からなる群より選択される少なくとも1種の油脂;
    (C)脱脂ゴマ;ならびに
    (D)肉エキス、魚介類エキス、内臓エキス、酵母エキス、乳加工物、及びそれらの加水分解物からなる群より選択される少なくとも1種の嗜好性増強剤、
    を含有し、
    セサミノールトリグリコシドの含有量が0.001〜0.2質量%であり、且つ
    セサミノールトリグリコシドと、セサミン及びセサモリンとの含有比が、セサミノールトリグリコシド/(セサミン+セサモリン)>1.5である、
    ペットフード。
  2. 前記動物性タンパク質が鶏肉、家禽肉、豚肉、牛肉、羊肉、鹿肉、馬肉、魚肉、乳及び卵からなる群より選択される少なくとも1つを含む、請求項記載のペットフード。
  3. 前記植物性タンパク質が大豆タンパク質、小麦タンパク質、米タンパク質、及びコーングルテンからなる群より選択される少なくとも1つを含む、請求項1又は2記載のペットフード。
  4. 乾物あたりの粗タンパク質量が20質量%以上である、請求項1〜のいずれか1項記載のペットフード。
  5. 前記油脂が大豆油、菜種油、亜麻仁油、トウモロコシ油、ひまわり油、サフラワー油、及び魚油からなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項1〜のいずれか1項記載のペットフード。
  6. 前記油脂の含有量が乾物あたりの粗脂肪量として8質量%以上である、請求項1〜のいずれか1項記載のペットフード。
  7. イヌ又はネコ用である、請求項1〜のいずれか1項記載のペットフード。
  8. 成犬又は老犬用である、請求項記載のペットフード。
  9. (A)動物性タンパク質及び植物性タンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質;
    (B)動物性油脂及び植物性油脂からなる群より選択される少なくとも1種の油脂;
    (C)脱脂ゴマ;ならびに
    (D)肉エキス、魚介類エキス、内臓エキス、酵母エキス、乳加工物、及びそれらの加水分解物からなる群より選択される少なくとも1種の嗜好性増強剤、
    を有効成分とし、
    セサミノールトリグリコシドの含有量が0.001〜0.2質量%であり、且つ
    セサミノールトリグリコシドと、セサミン及びセサモリンとの含有比が、セサミノールトリグリコシド/(セサミン+セサモリン)>1.5である、
    非ヒト動物用の筋肉量増加剤、筋肉量減少の予防若しくは改善剤、又は除脂肪体重減少の予防若しくは改善剤。
  10. 乾物あたりの粗タンパク質量が20質量%以上である、請求項9記載の剤。
  11. 前記油脂の含有量が乾物あたりの粗脂肪量として8質量%以上である、請求項9又は10記載の剤。
  12. イヌ又はネコ用である、請求項9〜11のいずれか1項記載の剤。
  13. (A)動物性タンパク質及び植物性タンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質;
    (B)動物性油脂及び植物性油脂からなる群より選択される少なくとも1種の油脂;
    (C)脱脂ゴマ;ならびに
    (D)肉エキス、魚介類エキス、内臓エキス、酵母エキス、乳加工物、及びそれらの加水分解物からなる群より選択される少なくとも1種の嗜好性増強剤、
    を含有し、セサミノールトリグリコシドの含有量が0.001〜0.2質量%であり、且つセサミノールトリグリコシドと、セサミン及びセサモリンとの含有比が、セサミノールトリグリコシド/(セサミン+セサモリン)>1.5である組成物を、非ヒト動物に摂取させることを含む、該動物の筋肉量増加、筋肉量減少の予防若しくは改善、又は除脂肪体重減少の予防若しくは改善のための方法。
  14. 前記組成物における乾物あたりの粗タンパク質量が20質量%以上である、請求項13記載の方法。
  15. 前記組成物における前記油脂の含有量が乾物あたりの粗脂肪量として8質量%以上である、請求項13又は14記載の方法。
  16. 非ヒト動物がイヌ又はネコである、請求項13〜15のいずれか1項記載の方法。
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