JP6310132B1 - 金属樹脂混合型接着補助器具及び当該金属樹脂混合型接着補助器具を用いたコンクリート壁に対するモルタル壁の施工方法 - Google Patents

金属樹脂混合型接着補助器具及び当該金属樹脂混合型接着補助器具を用いたコンクリート壁に対するモルタル壁の施工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】金属を有効に活用することで、強度性を大幅に改善し得る金属樹脂混合型接着補助器具及び当該金属樹脂混合型接着補助器具を用いたコンクリート壁に対するモルタル壁の施工方法を提供する。【解決手段】金属樹脂混合型接着補助器具は、コネクター110、リング部材120及びセパジョイント130を備えている。コネクター110は、円錐台状胴部110a、円柱状頭部110b及び環状フランジ部110cを備えており、これら円錐台状胴部110a、円柱状頭部110b及び環状フランジ部110cは、所定の耐光性顔料含有樹脂材料でもって、射出成形により一体的に形成されている。リング部材120は、金属材料からなるもので、当該リング部材120は、円柱状頭部110bの環状壁部118の内側にて、セパジョイント130の円筒部131に溶接により同軸的に連結されている。セパジョイント130は、円筒部131にて、コネクター110の軸孔部115の小径孔部115a内に圧入により同軸的に嵌装されている。【選択図】図3

Description

本発明は、金属樹脂混合型接着補助器具及び当該金属樹脂混合型接着補助器具を用いたコンクリート壁に対するモルタル壁の施工方法に関する。
従来、コンクリート壁を形成するにあたっては、互いに対向する両型枠を複数のスペーサボルトでもって所定間隔に維持する。このような状態において、生コンクリートを当該両型枠の間に打ち込んだ後硬化させ、その後、当該両型枠を除去することで、コンクリート壁を形成する。
また、このように形成したコンクリート壁は、型枠を除去しただけの状態にあるため、コンクリート壁の表面の見栄えは良くない。このため、この見栄えを改善するために、モルタル壁が、コンクリート壁の表面に生モルタルの塗布及びその硬化でもって形成される。
ここで、上述のように形成されたモルタル壁は経年的に変化する。これに伴い、当該モルタル壁のコンクリート壁の表面に対する接着状態が、経年的に劣化すると、当該モルタル壁が、コンクリート壁の表面から剥がれ落ち易くなる。
これに対しては、下記特許文献1に記載のモルタル接着補助具が提案されている。当該モルタル接着補助具は、円錐台状のコネクター部と、当該コネクター部の小径側端面上に形成してなる多数のループ状係止部と、コネクター部の大径側端面側の外周部に突設してなる凸部と、多数のループ状係止部を包囲するようにコネクター部の小径側端面から延出する環状支持突起とにより、合成樹脂材料でもって、形成されている。
特許第3976427号公報
ところで、上述のように構成してなるモルタル接着補助具がコンクリート壁に埋設された状態において、モルタル壁が、当該モルタル接着補助具を介しコンクリート壁に形成されると、当該モルタル壁は、その内部にて、モルタル接着補助具のコネクター部や多数のループ状係止部に係合する。
しかしながら、当該モルタル接着補助具は、合成樹脂材料のみでもって形成されていることから、強度的には不十分である。従って、当該モルタル接着補助具によっては、モルタル壁のコンクリート壁からの剥がれや落下を良好には防止し得ないという不具合が生ずる。
そこで、本発明は、以上のようなことに対処するため、金属材料を有効に活用することによって、大幅に強度性を改善し得るようにした金属樹脂混合型接着補助器具及び当該金属樹脂混合型接着補助器具を用いたコンクリート壁に対するモルタル壁の施工方法を提供することを目的とする。
上記課題の解決にあたり、本発明に係る金属樹脂混合型接着補助器具は、請求項1の記載によれば、
円柱状頭部(110b)、当該円柱状頭部から同軸的に延出する胴部、並びに円柱状頭部及び胴部の各対向端部の少なくとも一方から環状に外方へ径方向に沿い延出する環状フランジ部(110c)を、所定の樹脂材料でもって一体的に形成してなるコネクター(110)と、
内リング(121)と、当該内リングの外径よりも大きな内径を有する外リング(122)と、内リングと外リングとの間に連結されるように内リング及び外リングと共に金属材料でもって一体的に形成してなる複数の連結片(123、124)とを具備するリング部材(120、120a)と、
円筒部(131)と、当該円筒部の軸方向一側端部と一体となるように同軸的に形成してなる環状鍔部(132)とを有するように、金属材料でもって形成してなるセパジョイント(130)とを備えており、
コネクターにおいて
柱状頭部は、胴部から同軸的に延出する円柱部(117)、当該円柱部の外周部から同軸的に胴部とは反対方向に延出する環状非可変壁部(118a)、及び当該環状非可変壁部の延出端部から円柱部とは反対方向へ突出する環状可変部(118b)からなる環状壁部(118)でもって形成されるとともに、
軸孔部(115)が、胴部のうちの円柱部とは反対側の端部に同軸的に形成してなる大径孔部(115b)と、当該大径孔部から円柱部のうちの胴部とは反対側の端部の中央部にかけて延出するように上記大径孔部よりも小さな内径にて同軸的に形成してなる小径孔部(115a)とからなるように、胴部及び円柱部に亘り形成されており
パジョイントは、その円筒部にて、円柱部のうちの胴部とは上記反対側の端部の中央部に達するようにコネクターの上記小径孔部に上記大径孔部を介し同軸的に圧入されるとともに、環状鍔部にて、上記大径孔部に嵌装されており、
リング部材は、内リングでもって、円柱部のうちの胴部とは上記反対側の端部の中央部にて、セパジョイントの円筒部に溶接により同軸的に連結されていることを特徴とする。
このような構成によれば、金属樹脂混合型接着補助器具は、コネクターと、リング部材とセパジョイントとの3つの別部品でもって構成されている。
ここで、コネクターは、胴部及び環状フランジ部と、円柱状頭部とでもって一体的に形成されている。これにより、型枠に当接する円柱状頭部を、胴部及び環状フランジ部とは別部品として構成する場合に比して、部品数を減少させることができ、その結果、金属樹脂混合型接着補助器具の構成部品の軽減に役立つ。
また、リング部材は、セパジョイントと共に、金属材料でもって形成されており、当該リング部材は、内リングにて、円柱部のうちの胴部とは上記反対側の端部の中央部に位置して、コネクターの軸孔部に嵌装されているセパジョイントの円筒部に溶接により強固にかつ同軸的に連結されている。
このように、リング部材が、コネクターの形成材料である所定の樹脂材料とは異なり、セパジョイントと共に、金属材料でもって形成されていることから、当該リング部材は、セパジョイント共に、コネクターとは異なり、優れた剛性等の機械的強度性を有する。
例えば、コンクリート壁に埋設してなる金属樹脂混合型接着補助器具を介しコンクリート壁にモルタル壁を形成した場合、金属樹脂混合型接着補助器具は、リング部材でもって、その高い剛性等の機械的強度性のもとに、モルタル壁にその内部にてしっかりと係合し得る。
従って、このような状態において、モルタル壁が例えば経年劣化しても、金属樹脂混合型接着補助器具が、リング部材によりその高い機械的強度性のもとに内リング、外リングや各連結片でもって、モルタル壁のコンクリート壁からの剥がれを、長期に亘り、しっかりと未然に防止し得る。
ここで、円柱状頭部の環状可変部が環状非可変壁部の環状フランジ部とは反対側の環状端部から環状フランジ部から離れる方向に突出するように形成されている。このため、コンクリート壁の形成に先立ち、円柱状頭部の環状可変部が木材或いは合成樹脂からなる両型枠の一方の型枠により押圧されると、当該環状可変部は、型枠からの押圧により潰れるように変形する。
従って、型枠は、環状可変部との対向面の対向部位にて当該環状可変部に一様に当接し得る。換言すれば、型枠の上記対向面が凹凸状に湾曲していても、型枠が、環状可変部との対向面の対向部位にて当該環状可変部に一様に密着して環状可変部との間に隙間を形成しない。
これにより、その後に、生コンクリートが両型枠の間に金属樹脂混合型接着補助器具を介し打ち込まれても、生コンクリートが、金属樹脂混合型接着補助器具の円柱状頭部の環状可変部と一方の型枠との間から環状壁部の内側に浸入することがない。従って、環状壁部の内側に位置するリング部材が、生コンクリートから良好に遮断され得る。
また、生コンクリートが金属樹脂混合型接着補助器具を埋設した状態で硬化してなるコンクリート壁の表面に生モルタルを塗布する場合、当該生モルタルが、金属樹脂混合型接着補助器具の環状壁部の内部にも浸入するが、環状壁部の内部にはリング部材以外の構成部品は存在しないので、生モルタルは、環状壁部の内部へリング部材を介し円柱部に向けて円滑に流動して充填され得る。従って、生モルタルがリング部材の各構成部位と良好に係合し得る。
以上によれば、金属樹脂混合型接着補助器具は、金属材料からなるリング部材の高い機械的強度性のもと、生モルタルの硬化後のモルタル壁のコンクリート壁に対する接着力(アンカー効果)を長期に亘り良好に維持し得る。
また、本発明は、請求項2の記載によれば、請求項1に記載の金属樹脂混合型接着補助器具において、
上記所定の樹脂材料は、ナイロン6に耐光性黒色顔料を均一に含有してなる耐光性顔料含有樹脂材料であることを特徴とする。
これによれば、請求項1に記載の発明の作用効果がより一層向上され得る。特に、コネクターが所定の耐光性顔料含有樹脂材料でもって形成されているから、当該コネクターは、紫外線等の外光を受けても、長期に亘り劣化することがない。
また、本発明は、請求項3の記載によれば、請求項1または2に記載の金属樹脂混合型接着補助器具において、
リング部材の複数の連結片は、それぞれ、内リングの外周部からその周方向に亘り間隔をおいて外方へ放射状に延出する基端部(123a)と、当該基端部からその表面側へ傾斜状に延出する傾斜部(123b)と、当該傾斜部の延出端部から外方へ延出して外リングの内周部に連結される先端部(123c)とでもって、形成されていることを特徴とする。
これにより、リング部材は、非常に簡単でコンパクトな構成を有する。従って、請求項1または2に記載の発明の作用効果がより一層向上され得る。
また、本発明は、請求項4の記載によれば、請求項1または2に記載の金属樹脂混合型接着補助器具において、
リング部材の複数の連結片は、それぞれ、内リングの外周部からその周方向に亘り間隔をおいて外方へ放射状に延出する基端部(124a)と、当該基端部からその表面側へL字状に立ち上がるように延出する立ち上がり部(124c)と、当該立ち上がり部の立ち上がり端部から外方へ延出して外リングの内周部に連結される先端部(124b)とでもって形成されていることを特徴とする。
このような構成によれば、請求項3に記載の発明とは異なる構成を有するものの、金属樹脂混合型接着補助器具は、リング部材において、非常に簡単でコンパクトな構成を有する。これにより、請求項3に記載の発明と同様の作用効果を達成し得る。
また、本発明は、請求項5の記載によれば、請求項1〜4のいずれか1つに記載の金属樹脂混合型接着補助器具において、
コネクターは、環状フランジ部に沿い胴部の外周部の少なくとも一部から外方へ突出するように形成してなる回り止め部(116)を具備しており、
胴部は、その円柱部との上記対向端部から円柱部とは反対方向へ末すぼまり状に形成してなる円錐台状胴部(110a)であることを特徴とする。
このように、回り止め部が、胴部及び環状フランジ部の少なくとも一方の一部から外方へ突出するように形成されているから、金属樹脂混合型接着補助器具のコンクリート壁内での軸回りが回り止め部によって良好に阻止され得る
ここで、胴部が、上述のごとく、その円柱状頭部との上記対向端部から円柱状頭部とは反対方向へ末すぼまり状に形成してなる円錐台状胴部として形成されており、環状フランジ部が、上述のごとく、円柱状頭部及び胴部の各対向端部の少なくとも一方から環状に外方へ径方向に沿い延出している。また、回り止め部が環状フランジ部に沿い円錐台状胴部の外周面の少なくとも一部から外方へ突出するように形成されている。従って、コネクターの成形用金型が簡単な構成にて形成され得る。
なお、金属樹脂混合型接着補助器具がコンクリート壁に埋設されても、環状フランジ部が、金属樹脂混合型接着補助器具のコンクリート壁からの抜け止めの役割を果たす。その結果、上述のように円錐台状胴部が、その円柱状頭部との上記対向端部から円柱状頭部とは反対方向へ末すぼまり状に形成されていても、金属樹脂混合型接着補助器具がコンクリート壁から抜け出すことはない。
また、本発明は、請求項6の記載によれば、請求項5に記載の金属樹脂混合型接着補助器具において、
柱部は、その円錐台状胴部とは反側の端部にて、円錐台状胴部側に向け凹状となるように互いに並行に配列してなる複数条の凹部(113)を形成してなり、
リング部材は、内リング以外の部位にて、複数条の凹部に対向して位置することを特徴とする。
これによれば、モルタル壁がリング部材と円錐台状頭部の各凹部との間にも係合し得ることとなり、当該モルタル壁をコンクリート壁の表面から長期に亘りより一層離脱不能に維持し得る。その結果、請求項5に記載の発明の作用効果がより一層向上され得る。
また、本発明は、請求項7の記載によれば、請求項1〜6のいずれか1つに記載の金属樹脂混合型接着補助器具において、
環状壁部の環状可変部は、環状非可変壁部の延出端部の外周部、内周部或いは幅方向中間部位から環状フランジ部とは反対方向に突起状に突出するように形成されていることを特徴とする。
このように環状壁部の環状非可変壁部を構成することで、請求項1〜6のいずれか1つに記載の発明の作用効果がより一層具体的に達成され得る。
また、本発明は、請求項8の記載によれば、請求項7に記載の金属樹脂混合型接着補助器具において、環状可変部は、突起状に突出する突出端部にて、横断面丸みを帯びるように形成されていることを特徴とする。
これにより、環状壁部が、環状可変部にて、上述のように型枠により押圧されても、環状可変部が、その突起状に突出する突出端部にて、横断面丸みを帯びるように形成されているから、型枠の環状可変部の突出端部との当接部位の変形等がより一層良好に防止され得る。その結果、請求項7に記載の発明の作用効果がより一層向上され得る。
また、本発明は、請求項9の記載によれば、請求項1〜8のいずれか1つに記載の金属樹脂混合型接着補助器具において、
スペーサボルト(150)がセパジョイントに同軸的に形成してなる雌ねじ孔部(130a)に対し環状鍔部側から当該雌ねじ孔部の軸方向中間部位まで螺合され、かつ環状壁部が木材或いは合成樹脂材料からなる型枠に当接された状態にて、当該型枠に形成してなる貫通状孔部(F1)を通してスペーサボルトに対向するようにセパジョイントの上記雌ねじ孔部に螺合される型締めボルト(140)を、補助部品として有することを特徴とする。
これによれば、型締めボルトを別途わざわざ準備しなくて済むので、便利である。
また、本発明に係る金属樹脂混合型接着補助器具を用いたコンクリート壁に対するモルタル壁施工方法は、請求項10の記載によれば、
モルタル壁(M)をコンクリート壁(W)に対し複数の接着補助器具による接着補助のもとに施工するためのものである。
当該モルタル壁施工方法において、
円柱状頭部(110b)、当該円柱状頭部から末すぼまり状に同軸的に延出する円錐台状胴部(110a)、円柱状頭部及び円錐台状胴部の各対向端部の少なくとも一方から環状に外方へ径方向に沿い延出する環状フランジ部(110c)、並びに当該環状フランジ部に沿い円錐台状胴部の外周部の少なくとも一部から外方へ突出するように形成してなる回り止め部(116)を、所定の耐光性顔料含有樹脂材料でもって一体的に形成してなるコネクター(110)と、
内リング(121)、当該内リングの外径よりも大きな内径を有する外リング(122)、及び内リングと外リングとの間に連結されるように内リング及び外リングと共に金属材料でもって一体的に形成してなる複数の連結片(123、124)を具備するリング部材(120、120a)と、
円筒部(131)及び当該円筒部の軸方向一側端部と一体となるように同軸的に形成してなる環状鍔部(132)を有するように、金属材料でもって形成してなるセパジョイント(130)とを備え、
コネクターにおいて、
柱状頭部は、円錐台状胴部から同軸的に延出する円柱部(117)、当該円柱部の外周部から同軸的に円錐台状胴部とは反対方向に延出する環状非可変壁部(118a)、及び当該環状非可変壁部の延出端部から円柱部とは反対方向へ突出する環状可変部(118a)からなる環状壁部(118)でもって形成されるとともに、
軸孔部(115)が、円錐台状胴部のうちの円柱部とは反対側の端部に同軸的に形成してなる大径孔部(115b)と、当該大径孔部から円柱部のうちの円錐台状胴部とは反対側の端部の中央部にかけて延出するように上記大径孔部よりも小さな内径にて同軸的に形成してなる小径孔部(115a)とからなるように、円錐台状胴部及び円柱部に亘り形成されており、
パジョイントを、その円筒部にて、円柱部のうちの円錐台状胴部とは上記反対側の端部の中央部に達するようにコネクターの上記小径孔部に上記大径孔部を介し同軸的に圧入するとともに、環状鍔部にて、上記大径孔部に嵌装し、
リング部材を、内リングでもって、円柱部のうちの円錐台状胴部とは上記反対側の端の中央部にて、セパジョイントの円筒部に溶接により同軸的に連結してなる金属樹脂混合型接着補助器具(100)を、複数の接着補助器具の各々として、準備し、
当該複数の金属樹脂混合型接着補助器具を、それぞれ、その円錐台状胴部にて、互いに対向して設置してなる木材或いは合成樹脂材料からなる両型枠(F)の一方の型枠から分散状に他方の型枠に向けて延出する複数のスペーサボルト(150)に、環状壁部の環状可変部を他方の型枠に対向させるように、連結し、かつ、環状壁部の環状非可変壁部に向けて環状可変部を変形させるように他方の型枠を押圧し、
コンクリート壁が両型枠の間に複数のスペーサボルト及び複数の金属樹脂混合型接着補助器具を介し打ち込まれる生コンクリートの硬化により形成された後、両型枠を除去した上で、モルタル壁を、複数の金属樹脂混合型接着補助器具を介しコンクリート壁の表面に所定の厚さにて生モルタルを塗布し硬化させることで、形成するようにしたことを特徴とする。
このように、上述のように構成した複数の金属樹脂混合型接着補助器具を、それぞれ、円錐台状胴部にて、互いに対向して設置した木材或いは合成樹脂材料からなる両型枠の一方の型枠から分散状に他方の型枠に向けて延出する複数のスペーサボルトに対し、環状壁部の環状可変部にて他方の型枠に対向させるように連結し、かつ、他方の型枠を環状壁部の環状非可変壁部に向けて環状可変部を変形させるように押圧し、
コンクリート壁を、両型枠の間に複数のスペーサボルト及び複数の金属樹脂混合型接着補助器具を介し打ち込まれる生コンクリートの硬化により形成した後、両型枠を除去した上で、モルタル壁を、複数の金属樹脂混合型接着補助器具を介しコンクリート壁の表面に所定の厚さにて生モルタルを塗布し硬化させることで、形成する。
これにより、複数の金属樹脂混合型接着補助器具の各々においては、環状壁部の環状可変部が他方の型枠からの押圧により環状非可変壁部に向けて変形しながら当該他方の型枠の環状壁部に対する対向面に当接する。このため、他方の型枠が例えば凹凸状に湾曲していても、環状壁部は、環状可変部にて、一様に、隙間を形成することなく、他方の型枠の環状壁部に対する対向面部に当接し得る。
従って、生コンクリートが、金属樹脂混合型接着補助器具の環状壁部の環状可変部と他方の型枠との間から環状壁部の内側に浸入することがない。その結果、環状壁部の内側に位置するリング部材が、生コンクリートから良好に遮断され得る。
ここで、リング部材が、複数の連結片を外リングと共にコンクリート壁の表面から離れる方向に延出させるように、内リングが、円柱部のうちの円錐台状胴部とは反対側の端部の中央部にて、セパジョイントの円筒部に溶接により連結されている状態において、生モルタルが、各金属樹脂混合型接着補助器具を介しコンクリート壁の表面に塗布されると、当該各金属樹脂混合型接着補助器具が生モルタル内に埋設されることとなる。
また、円柱状頭部は、環状壁部の内部には、リング部材以外の構成部品は有していない。従って、上述のように生モルタルが塗布されると、この生モルタルは、環状壁部の内部をリング部材を介し円柱部に向けて円滑に流動し得る。このため、生モルタルは、リング部材の各構成部位や円柱部の環状壁部の内部を臨む端面に良好に係合し得る。
従って、生モルタルが、内リングにその表面側から一様に密着するとともに複数の連結片及び外リングの各外表面に密着することで、当該生モルタルは、各金属樹脂混合型接着補助器具としっかりと係合し得る。
しかも、各金属樹脂混合型接着補助器具において、リング部材は、金属材料でもって形成されている。このため、各金属樹脂混合型接着補助器具は、全体的に合成樹脂材料等の樹脂材料でもって形成されている接着補助器具に比べて、リング部材において非常に高い剛性等の高い機械的強度を有する。
従って、コンクリート壁が縦壁であっても、モルタル壁は、その自重にもかかわらず、コンクリート壁から剥がれ落ちたりすることなく、各金属樹脂混合型接着補助器具により、そのリング部材の高い機械的強度性のもと、長期に亘り、コンクリート壁の表面に対し良好に保持され得る。
以上要するに、当該複数の金属樹脂混合型接着補助器具が、コンクリート壁とモルタル壁との間に埋設された状態におかれると、各リング部材が、その高い機械的強度性のもとに、内リング、複数の連結片及び外リングにてモルタル壁の内部にしっかりと係合することで、当該モルタル壁のコンクリート壁に対する接着力を、合成樹脂材料のみで形成されている接着補助器具に比べて、大幅に高め得るという優れたアンカー効果を長年に亘り良好に維持し得る。その結果、モルタル壁は、モルタルの自重にもかかわらず、コンクリート壁の表面から剥がれ落ちたりすることなく、経年的にかつ良好にコンクリート壁の表面に保持され得る。
また、本発明は、請求項11の記載によれば、請求項10に記載の金属樹脂混合型接着補助器具を用いたコンクリート壁に対するモルタル壁の施工方法において、
6ナイロンに耐光性黒色顔料を均一に含有してなる材料を、上記所定の耐光性顔料含有樹脂材料として、円柱状頭部、円錐台状胴部、環状フランジ部及び回り止め部を一体的に形成するようにしたことを特徴とする。
これによれば、請求項2に記載の発明の作用効果を達成し得る金属樹脂混合型接着補助器具を用いたコンクリート壁に対するモルタル壁の施工方法の提供が可能となる。
また、本発明は、請求項12の記載によれば、請求項10または11に記載の金属樹脂混合型接着補助器具を用いたコンクリート壁に対するモルタル壁の施工方法では、
複数の金属樹脂混合型接着補助器具の各々において、
環状壁部の環状可変部は、環状非可変壁部の延出端部の幅方向中間部位から環状フランジ部とは反対方向に突起状に突出するように形成されていることを特徴とする。
このように環状壁部の環状非可変壁部を構成することで、請求項10または11に記載の発明の作用効果がより一層具体的に達成され得る金属樹脂混合型接着補助器具を用いたコンクリート壁に対するモルタル壁の施工方法の提供が可能となる。
また、本発明は、請求項13の記載によれば、請求項12に記載の金属樹脂混合型接着補助器具を用いたコンクリート壁に対するモルタル壁の施工方法では、
複数の金属樹脂混合型接着補助器具の各々において、環状可変部は、上記突起状に突出する突出端部にて、横断面丸みを帯びるように形成されていることを特徴とする。
これによれば、請求項8に記載の発明の作用効果を達成し得る金属樹脂混合型接着補助器具を用いたコンクリート壁に対するモルタル壁の施工方法の提供が可能となる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す。
本発明に係る金属樹脂混合型接着補助器具の第1実施形態を示す側面図である。 図1の金属樹脂混合型接着補助器具を示す分解側面図である。 図1の金属樹脂混合型接着補助器具を示す縦断面図である。 図2の金属樹脂混合型接着補助器具のコネクターを示す平面図である。 図4の5-5に沿う金属樹脂混合型接着補助器具のコネクターを示す断面面図である。 図4の6-6に沿う金属樹脂混合型接着補助器具のコネクターを示す断面面図である。 図6の円Aにより示す環状壁部の部分拡大断面図である。 図2の金属樹脂混合型接着補助器具のリング部材を示す平面図である。 図8のリング部材を示す側面図である。 図11の10−10線に沿うセパジョイントの縦断面図である。 図2の金属樹脂混合型接着補助器具のセパジョイントを示す平面図である。 図2の型締めボルトを示す側面図である。 図2の型締めボルトを示す平面図である。 図17のモルタル壁を複数の金属樹脂混合型接着補助器具を介しコンクリート壁に施工する工程を示す工程図である。 図1の金属樹脂混合型接着補助器具を両型枠の間にスペーサボルト及び型締めボルトにより支持してコンクリート壁に埋設した状態を示す部分破断断面図である。 図1の金属樹脂混合型接着補助器具がコンクリート壁に埋設された状態を示す部分破断断面図である。 図1の金属樹脂混合型接着補助器具がコンクリート壁とモルタル壁との間に埋設された状態を示す部分破断断面図である。 本発明の第2実施形態の要部を示すリング部材の平面図である。 図18の19−19線に沿うリング部材の断面図である。
以下、本発明の各実施形態を図面に基づき説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明に係る金属樹脂混合型接着補助器具の第1実施形態を示している。当該金属樹脂混合型接着補助器具は、図1或いは図2にて示すごとく、コネクター110、リング部材120、セパジョイント130(セパボルト130ともいう)及び型締めボルト140を備える。なお、本第1実施形態において、当該金属樹脂混合型接着補助器具は、以下、符号100により示す。
ここで、金属樹脂混合型接着補助器具100は、型締めボルト140を備える構成となっているが、型締めボルト140は、後述のごとく、型枠を型締めする際に要するのみで、型枠を取り外す際には当該型枠と共に除去されるものである。このような段階では、金属樹脂混合型接着補助器具100は、コネクター110、リング部材120及びセパボルト130によって構成される。
以上のようなことから、金属樹脂混合型接着補助器具100は、コネクター110、リング部材120及びセパボルト130からなる構成として把握してもよく、コネクター110、リング部材120及びセパボルト130に、型締めボルト140を、補助部品として、加えた構成として把握して把握してもよい。なお、型締めボルト140の形成材料としては、例えば、ステンレス鋼が挙げられる。
金属樹脂混合型接着補助器具100において、コネクター110は、図1〜図6のいずれかに示すごとく、円錐台状胴部110a、円柱状頭部110b及び環状フランジ部110cを備えており、これら円錐台状胴部110a、円柱状頭部110b及び環状フランジ部110cは、所定の耐光性顔料含有樹脂材料でもって、射出成形により一体的に形成されている。
本第1実施形態において、当該所定の耐光性顔料含有樹脂材料としては、例えば、合成樹脂材料の一種であるエンジニアリングプラスチックのうちのナイロンの一種、株式会社東レ製射出成形用非強化ナイロン6に、カーボンブラック等の黒色顔料を、均一に含有させたものが採用されている。当該射出成形用非強化ナイロン6を採用したのは、コンクリートがアルカリ性であることを考慮すれば、ナイロン6は、耐アルカリ性に優れ、かつ、例えば、引っ張り力に対する伸長性等に優れるためにある。
本第1実施形態において、当該射出成形用非強化ナイロン6は、例えば、次のような特性を有する。

せん断強さ:23(℃)及び絶乾状態で76(MPa)
引張り強さ:23(℃)及び絶乾状態で87(MPa)
曲げ強さ:23(℃)及び絶乾状態で120(MPa)
曲げ弾性率:23(℃)及び絶乾状態で3.1(GPa)

また、上述のように黒色顔料を非強化ナイロン6に含有させた理由は、コネクター110の紫外線等による劣化を未然に防止するためである。このことは、コネクター110が紫外線等の光に対する良好な耐光性を有することを意味する。
なお、上述の所定の耐光性顔料含有樹脂材料として選定したナイロン6は、東レ製射出成形用非強化ナイロン6に限ることなく、当該非強化ナイロン6と同様の特性を有するナイロンであってもよい。
円錐台状胴部110aは、図1〜図3、図5及び図6のいずれかにて示すごとく、円柱状頭部110bと同軸的にかつ一体的に形成されており、当該円錐台状胴部110aは、図1にて示すごとく、その下端面111から上端面112にかけて、縦断面台形状にて末広がり状に形成されている。
ここで、円錐台状胴部110aの下端面111の外径は、Da=25(mm)であって、当該円錐台状胴部110aの上端面112の外径Db=30(mm)よりも小さくなっている(図5参照)。また、円錐台状胴部110aの下端面111から上端面112(環状フランジ部110cの下面に相当)までの軸長は、L=10(mm)となっている(図5参照)。
本実施形態では、軸孔部115が、円柱状頭部110bの円柱部117(後述する)から円錐台状胴部110aに亘る中心孔部、即ち、コネクター110の中心孔部(軸孔部)として貫通状に形成されている。当該軸孔部115は、図3或いは図6にて示すごとく、小径孔部115a及び大径孔部115bでもって構成されており、小径孔部115aは、円柱部117の延出端面から円錐台状胴部110aの底部側軸方向中間部位にかけて同軸的に形成されている。大径孔部115bは、小径孔部115aよりも大きな内径を有しており、当該大径孔部115bは、小径孔部115aから円錐台状胴部110aの底部側へ同軸的に延出するように形成されている。
また、円錐台状胴部110aと環状フランジ部110c(後述する)との境界部には、回り止め部116が、図1〜図3のいずれかにて示すごとく、設けられている。当該回り止め部116は、円錐台状胴部110aの上端部から直方体形状にて環状フランジ部110cの下面に沿い径方向へ外方に向け突出するように、上記所定の耐光性顔料含有樹脂材料により、円錐台状胴部110a及び環状フランジ部1110cと一体的に形成されており、当該回り止め部116は、後述するごとく、コンクリート壁W(図15参照)の内部におけるコネクター110の回り止めの役割を果たす。
円柱状頭部110bは、円錐台状胴部110aの上端面112の外径よりも大きな外径を有するように円柱状に形成されており、当該円柱状頭部110bは、円錐台状胴部110aから同軸的に延出している。
当該円柱状頭部110bは、図1〜図3、図5及び図6のいずれかにて示すごとく、円柱部117及び環状壁部118を備えている。円柱部117は、円錐台状胴部110aの上端部から同軸的に延出されており、当該円柱部117にはその延出端面(表面)から、複数条の凹部113が、図4にて図示上下方向には長手状にかつ左右方向には列状となるように、図3にて示すごとく、横断面半長楕円状にて凹状に形成されている。
ここで、右外側凹部113、右中側凹部113及び右内側凹部113は、図4にて図示上下方向中心線を基準に、左外側凹部113、左中側凹部113及び左内側凹部113とは左右対称的な位置にて、円柱部117の延出端面に形成されている。なお、左内側、中央側及び右内側の各上下2つの凹部113は、図4にて示すごとく、コネクター110の軸孔部115のうちの円柱部117の延出端面側開口部を介し上下に分かれて位置する。
本第1実施形態において、当該複数条の凹部113の各両隣接凹部113の幅方向中心間隔は、例えば、3.5(mm)である。また、複数条の凹部113の各幅は、3(mm)である。なお、左右外側凹部113の幅方向中心間隔は、21(mm)である。
環状壁部118は、図3にて示すごとく、リング部材120をその外周側から包囲するように、円柱部117の外周部から円錐台状胴部110aとは反対方向へ同軸的に延出されている。
当該環状壁部118は、図3、図5及び図6のいずれにて示すごとく、環状非可変壁部118aと、環状可変壁部118bとにより構成されている。環状非可変壁部118aは、後述のように環状可変壁部118bが変形しても、変形しないような肉厚を有しており、当該環状非可変壁部118aは、円柱部117の外周部から円錐台状胴部110aとは反対方向へ同軸的に延出されている。なお、本第1実施形態では、環状非可変壁部118aの肉厚及び外径は、それぞれ、1.5(mm)及び36.1(mm)となっている。
環状可変壁部118bは、環状非可変壁部118aの延出端面の幅方向中間部位から環状突起部として上方へ延出するように、環状非可変壁部118aと一体的に形成されている(図1〜図3、図5、図6のいずれか参照)。
当該環状可変壁部118bは、環状非可変壁部118aの形成材料と同一材料でもって形成されているものの、後述のように型板F(図15参照)による環状非可変壁部118a側への押圧により当該環状非可変壁部118aの変形を招くことなく、この環状非可変壁部118aに向けて潰れるように変形するような形状に形成されている。
具体的には、当該環状可変壁部118bは、その基部118cにて、図7にて拡大して示すごとく、環状非可変壁部118aの延出端面の幅方向中間部位に一体的に形成されており、当該環状可変壁部118bは、基部118cから縦断面山形状に所定の高さだけ上方へ延出している。
ここで、当該環状可変壁部118bの頂部118dは、その縦断面内にて、丸みをおびるように、0.1(mm)の曲率半径を有する。本第1実施形態において、環状可変壁部118bの基部118cの幅(環状非可変壁部118aの幅方向に沿う幅)は、0.5(mm)となっている。また、上記所定の高さは、0.1(mm)〜2.0(mm)の範囲以内の値となっている。
これにより、環状壁部118において、環状可変壁部118bは、後述のごとく環状非可変壁部118aに向けて押圧されたとき、当該環状可変壁部118b以外の円柱部110bの構成部位の変形を招くことなく、容易に変形し易い形状となっている。
ここで、本第1実施形態における金属樹脂混合型接着補助器具100において、環状可変壁部118bを円柱状頭部110bに形成した根拠について説明する。
従来、モルタル接着補助具をコンクリート壁に埋設するにあたっては、本明細書の冒頭にて述べたように、モルタル接着補助具を両型枠の間にて一方の型枠に当接した状態にて挟持し、当該一方の型枠をモルタル接着補助具に向けて押圧することで、両型枠の間にモルタル接着補助具を型締めする。これに伴い、一方の型枠がモルタル接着補助具に押し付けられる。
このとき、当該一方の型枠が例えば木製である場合、当該一方の型枠の両面は、通常、一様な平面ではなく、凹凸面となっていることが多い。従って、例えば、モルタル接着補助具の一方の型枠の対向面と当接する環状支持突起の端面形状が、平面状となっている場合には、モルタル接着補助具の環状支持突起の端面とこれに対する一方の型枠の対向面とが一様には当接せず、両者の間に隙間が形成されてしまう。
また、例えば、モルタル接着補助具の環状支持突起が、上述とは異なり、横断面楔状等の尖った断面形状となっている場合には、環状支持突起の尖った形状の環状端部が一方の型枠にその対向面から食い込むように押し込まれて、一方の型枠の対向面に環状溝を形成すると、その後の一方の型枠の再利用の際に、上述の一方の型枠の環状溝に起因して、モルタル接着補助具と一方の型枠とが一様には当接し得ず、モルタル接着補助具と一方の型枠との当接面の間に環状溝による隙間が形成されてしまう。
要するに、モルタル接着補助具の一方の型枠の対向面と当接する環状支持突起及び一方の型枠の対向面のうちの少なくとも一方の形状が、モルタル接着補助具の環状支持突起と一方の型枠の対向面との当接を一様に密着し得ない形状となっている場合には、生コンクリートが、環状支持突起の環状端部と一方の型枠の対向面との間を通りモルタル接着補助具の環状支持突起内に漏えいしてしまい、モルタル接着補助具の環状支持突起の内部を生コンクリートから遮断することができない。
そこで、本第1実施形態にいう金属樹脂混合型接着補助器具100においては、円柱状頭部110bが、その環状壁部118の環状非可変壁部118aの延出端部に一体的に形成してなる環状可変壁部118bを備えるようにして、一方の型枠が、押圧されて、環状壁部118に押し付けられたとき、当該一方の型枠が、その対向面にて、環状可変壁部118bを介し環状非可変壁部118aの延出端部に向けて押し付けられるようにした。
ここで、環状可変壁部118bは、上述のごとく、変形し易い形状に構成されていることで、一方の型枠の対向面の変形を招くことなく、環状非可変壁部118aの延出端部に向けて容易に変形し易いようになっている。
これにより、一方の型枠は、環状可変壁部118bを環状非可変壁部118aの延出端部に向けて潰れるように変形させながら、環状非可変壁部118aの延出端部に向け押圧されることとなる。その結果、変形した環状可変壁部118bは、一方の型枠の対向面との間に隙間を形成することなく当該対向面に一様に密着し得る。
以上のようなことが、上述のように環状可変壁部118bを円柱状頭部110bの環状壁部118に備えるようにした根拠である。
なお、本第1実施形態では、環状可変壁部118bは、その名の通り、環状可変形状を有するが、環状非可変壁部118aは、その名の通り、環状可変壁部118bとは異なって、変形不能である。
環状フランジ部110cは、後述するごとく、コンクリート壁W(図15参照)からのコネクター110の抜け止めの役割を果たすもので、当該環状フランジ部110cは、円柱状頭部110bの下部から径方向に沿い外方へ環状に突出するように形成されている。従って、当該環状フランジ部110cの外径は、円柱状頭部110bの外径よりも大きく、例えば、Dc=39(mm)となっている(図5参照)。また、環状フランジ部110cの厚さは、4(mm)となっている。
リング部材120は、図3にて示すごとく、コネクター110の環状壁部118の内側にて、円柱部117の延出端面上に位置して、セパジョイント130(後述する)の円筒部131(図10参照)に溶接でもって同軸的に連結されている。
当該リング部材120は、図2、図3、図8及び図9のいずれかにて示すごとく、内リング121、外リング122及び複数の連結片123を一体的に有するように、金属板材料(例えば、ステンレス鋼SUS304からなる板材料)でもって、プレス加工により形成されている。
内リング121は、円環板状に形成されており、当該内リング121は、コネクター110の軸孔部115からのセパジョイント130(後述する)の円筒部131の延出端開口部に対し、溶接により同軸的に連結されている(図3参照)。
ここで、セパジョイント130の円筒部131(図10参照)は、その延出端開口部にて、後述のごとく、円柱部117の延出端面と同一面内に位置することから、当該内リング121は、環状壁部118の内側にて、円柱部117の延出端面の中央部(軸孔部115に相当)に位置するように、セパジョイント130の円筒部131に溶接により同軸的に連結されている。
また、内リング121は、図8にて例示するごとく、複数(4個)の位置決め部121aを有している。これら位置決め部121aは、内リング121の外周縁部にその周方向に沿い等角度間隔に位置して、内リング121の外周縁部からセパジョイント130側へL字状に折れ曲がるように延出されている。4個の位置決め部121aは、円筒部131の延出端開口部にその外方から係合することで、内リング121の円筒部131に対する位置決めの役割を果たす(図3参照)。このことは、リング部材120のセパジョイント130の円筒部131の延出端開口部に対する溶接が、各位置決め部121aの円筒部131に対する位置決め作用のもとに、適正になし得ることを意味する。
本第1実施形態において、当該内リング121の内径及び外径は、それぞれ、Di=9(mm)及びDo=12(mm)に設定されている(図9及び図8参照)。また、当該内リング121の厚さは、後述する外リング122及び各連結片123の各厚さと共に、T=0.3(mm)に設定されている(図9参照)。
複数の連結片123は、図8及び図9のいずれかにて示すごとく、それぞれ、板状のもので、当該複数の連結片123は、内リング121とその外側に位置する外リング122との間にて、内リング121の外周部から等角度間隔にて外リング122に向けて放射状に延出している。このことは、複数の連結片123は、外リング122を内リング121に連結することを意味する。
ここで、複数の連結片123の構成について詳細に説明すると、当該複数の連結片123は、偶数(本第1実施形態では8)の連結片123からなるもので、当該複数の連結片123の各々は、基端部123aと、傾斜部123bと、先端部123cとでもって、一体的に構成されている(図8及び図9参照)。本第1実施形態において、連結片123の幅は、1.5(mm)である。
複数の連結片123において、各基端部123aは、内リング121の外周部からその周方向に亘り等角度間隔にて径方向に沿い外方に向け放射状に延出されている。
また、当該複数の連結片123の各々において、傾斜部123bは、対応の基端部123aの延出端部から内リング121の表面側へ所定の傾斜角度αにて傾斜状に延出されている。上述の所定の傾斜角度αは、図9にて示すごとく、内リング121の径方向に対する傾斜部123bの傾斜角度をいい、本第1実施形態では、45度に設定されている。また、内リング121の径方向において互いに対向する両傾斜部123bの各延出端部の間の内リング121の表面に沿う距離は、19.4(mm)と設定されている。
また、当該複数の連結片123の各々において、先端部123cは、対応の傾斜部123bの延出端部から内リング121の表面に平行となるように外方に向け延出されている。本第1実施形態において、先端部123cの表面の内リング121の裏面からの高さHは、3(mm)に設定されている(図9参照)。
外リング122は、内リング121の表面に平行となるように、複数の連結片123により支持されている。具体的には、当該外リング122は、その内周部のうちの複数の連結片123の各先端部123cの延出端部に対する各対応部位にて、複数の連結片123の各先端部123cと同一面内にて当該各先端部123cの延出端部と一体的に形成されている。これにより、外リング122は、上述したごとく、内リング121の表面に平行となるように、複数の連結片123により支持されている。
本第1実施形態において、外リング122の内径は、25.5(mm)に設定されるとともに、当該外リング122の外径は、27.5(mm)に設定されている。本第1実施形態においては、各連結片123及び外リング122からなる形状は、生モルタル内に浸入可能な剛性を有し、かつ、生モルタルの硬化後のモルタル壁を支持し得るような破断強度を有する。
また、本第1実施形態において、リング部材120をステンレス鋼等の金属材料でもって形成する根拠は、次の通りである。
従来、接着補助具等の接着補助器具は、通常、その全体構成において、合成樹脂材料でもって形成されている。しかしながら、これでは、当該接着補助器具は、モルタル壁のコンクリート壁に対する接着補助を適正に行うには、強度的に不足する。その結果、経年的にみると、モルタル壁のコンクリート壁からの剥離や落下を適正には防止し得ないという不具合が発生する。
これに対し、本願発明者は、種々の材料や構成を検討した結果、リング部材をステンレス鋼等の金属材料で形成することで、モルタル壁のコンクリート壁からの剥離や落下の長期に亘る防止に要する機械的強度を、リング部材によって、コンパクトな構成にて、実現し得ることを見出した。
セパジョイント130は、ステンレス鋼からなるもので、当該セパジョイント130は、図3にて示すごとく、コネクター110の軸孔部115内に嵌装されている。セパジョイント130は円筒状のもので、当該セパジョイント130の中空部は、雌ねじ孔部130a(図10参照)として形成されており、当該雌ねじ孔部130aには、スペーサボルト150(後述する)がコネクター110の円錐台状胴部110a側から螺合するようになっている。なお、セパジョイント130は、その表面にて、ニッケルメッキ処理がなされている。
当該セパジョイント130は、図10及び図11のいずれかにて示すごとく、円筒部131及び鍔部132でもって構成されている。円筒部131は、図3にて例示するごとく、コネクター110の軸孔部115の小径孔部115a内にコネクター110の円錐台状胴部110a側にかけて同軸的に圧入により嵌装されており、当該円筒部131は、軸孔部115の小径孔部115aから円柱部117の延出端面の中央部まで同軸的に延出している。このことは、円筒部131は、その延出端開口部にて、円柱部117の延出端面の中央部内に位置することを意味する。
鍔部132は、円筒部131と同軸的にかつ一体的に形成されており、当該鍔部132は、コネクター110の軸孔部115の大径孔部115b内に嵌装されている。なお、当該鍔部132は、円頭部131の延出端開口部を、円柱部117の延出端面の中央部内に位置させる位置決め作用を発揮する。
しかして、このように構成したセパジョイント130は、円筒部131の延出端開口部にて、リング部材120の内リング121にその裏面側から同軸的に溶接されることで、リング部材120と同軸的に連結されている。本第1実施形態において、上述した溶接は、レーザビーム溶接等のレーザ溶接、スポット溶接、アーク溶接その他の溶接等、内リング121を円筒部131の延出端開口部に同軸的にかつ高い強度にて連結し得るような溶接であれば、どのような溶接であってもよい。
型締めボルト140は、ステンレス鋼等の金属材料からなるもので、当該型締めボルト140は、図1〜図3のいずれかにて示すごとく、円柱状頭部110bの外方からリング部材120を介しセパジョイント130の雌ねじ孔部130aに同軸的に螺合されるものである。当該型締めボルト140は、図12及び図13のいずれかにて示すごとく、雄ねじ部141、鍔部142、工具把持部143及び雄ねじ部144を備えており、これら雄ねじ部141、鍔部142、工具把持部143及び雄ねじ部144は、その順序にて、雄ねじ部141から雄ねじ部144にかけて同軸的に一体的に形成されている。
ここで、雄ねじ部141は、リング部材120の内リング121を介しセパジョイント130の雌ねじ孔部130aに螺合されるものである。鍔部142は、雄ねじ部141をセパジョイント130の雌ねじ孔部130aにリング部材120の内リング121を介し螺合させた状態で当該内リング121に着座するようになっている。工具把持部143は、雄ねじ部141をセパジョイント130の雌ねじ孔部130aに螺合させるにあたり、工具(図示しない)により把持されるものである。雄ねじ部144は、後述する型締め用ナット160c(図15参照)により螺合されるものである。
以上のように構成した本第1実施形態において、金属樹脂混合型接着補助器具100を、複数、利用して、モルタル壁M(図17参照)をコンクリート壁W(図17参照)に接着する例について、図14にて示す工程図に基づき説明する。
以下、複数の金属樹脂混合型接着補助器具100のうちの1つの金属樹脂混合型接着補助器具100を例にとり説明する。まず、図14の型枠設置工程S1において、図15にて示す両コンクリート型枠F(図15では、一方のコンクリート型枠Fのみを示す)を互いに対向するように組み立てて設置する。なお、以下、コンクリート型枠Fは、型枠Fともいう。
ついで、スペーサボルト及び金属樹脂混合型接着補助器具組み付け工程S2において、予め準備したスペーサボルト150及び金属樹脂混合型接着補助器具100が、互いに対向する両型枠Fに対しその間隔を一定間隔にするように組み付けられる。ここで、スペーサボルト150が、その一側軸方向雄ネジ部にて、金属樹脂混合型接着補助器具100のセパボルト130に締着される。
然る後、このように螺着されたスペーサボルト150及び金属樹脂混合型接着補助器具100が、図15にて例示するごとく、両型枠Fの間にて、その一方の型枠Fに形成してなる貫通孔部F1(図15参照)に同軸的に対応するように、保持される。
次の型枠締め付けボルト締着工程S3にて、上述のような保持状態において、金属樹脂混合型接着補助器具100の補助部品としての型枠締め付けボルト140が、一方の型枠Fの貫通孔部F1に挿通されて、一対の端太材160a及びいわゆるフォームタイ(登録商標)である型枠緊張結金具160bを介し型締め用ナット160cに係脱可能に螺着される。
ここで、当該ナット160cは、型枠緊張結金具160b及び一対の端太材160aを介し、一方の型枠Fを、金属樹脂混合型接着補助器具100に向けて押圧するように、型枠締め付けボルト140との間で螺合調整される。なお、スペーサボルト150は、その他側軸方向雄ネジ部にて、他方の型枠Fに締着される。
これにより、金属樹脂混合型接着補助器具100及びスペーサボルト150は、一方の型枠Fの貫通孔部F1に対応する位置にて、両型枠Fに保持され得る。上述のように一方の型枠Fが金属樹脂混合型接着補助器具100に向けて押圧されると、当該一方の型枠Fがその内面のうち金属樹脂混合型接着補助器具100の環状壁部118の環状可変壁部118bに対応する部位にて当該環状可変壁部118bに押し付けられる。
なお、スペーサボルト150の形成材料としては、ステンレス鋼が挙げられる。また、一方の型枠Fを介するナット160cの金属樹脂混合型接着補助器具に対する押圧力は、約200(kgf/cm)、即ち、19.6(MPa)に達するものの、この押圧力は、環状壁部118により受け止められるため、リング部材120が押圧力でもって潰されることはない。
しかして、環状可変壁部118bが上述のごとく変形し易いように形成されていることから、当該環状可変壁部118bは、一方の型枠Fによる押圧力に伴い、押しつぶされるように環状非可変壁部118aの延出端部に向けて変形していく。
これに伴い、一方の型枠Fの内面のうち環状可変壁部118bとの当接部位にて変形することなく、当該一方の型枠Fがその内面にて環状壁部118の環状非可変壁部118aの環状延出端部に、変形環状可変壁部118bを介し、一様に密着当接し得る。
このとき、一方の型枠Fが木製或いは合成樹脂材料製であるために、当該一方の型枠Fの内面が一様な平面状にはならず、例えば、凹凸状に湾曲していても、上述のように環状可変壁部118bが押しつぶされるように変形していくことから、一方の型枠Fの内面のうち環状可変壁部118bとの当接部位が変形することはない。このようなことは、環状可変壁部118bの先端部が、丸みを帯びた横断面形状となっていることから、より一層、一方の型枠Fの内面のうち環状可変壁部118bとの当接部位の変形が抑制され得る。このことは、一方の型枠Fの再利用の繰り返しが可能であることを意味する。
然る後、上述のように一方の型枠Fがその内面にて環状壁部118の環状可変壁部118bに一様に当接し得ることで、一方の型枠Fと環状可変壁部118bとの間に隙間ができることがない。
なお、一方の型枠Fを介するナット160cの金属樹脂混合型接着補助器具100に対する押圧力は、約200(kgf/cm)、即ち、19.6(MPa)に達するものの、この押圧力は、環状壁部118の環状可変壁部118b以外の部位により受け止められるため、リング部材120が押圧力でもって潰されることはない。
型枠締め付けボルト締着工程S3の処理後、生コンクリート打ち込み工程S4において、生コンクリートが両型枠Fの間に打ち込まれる。これに伴い、生コンクリートが、両型枠Fの間に流入する。なお、生コンクリートとは、いまだ硬化していないコンクリートをいう。
このとき、金属樹脂混合型接着補助器具100のリング部材120は、コネクター110の円柱状頭部110b、環状壁部118及び一方の型枠Fにより囲われる領域内に密封されているため、生コンクリートが環状壁部118の環状可変壁部118bと一方の型枠Fの内面との間から上記領域内に漏れて入り込むことはない。これにより、リング部材120は、生コンクリートから確実に隔離され得る。
上述のごとく、生コンクリートが両型枠F間に打ち込まれることにより、当該生コンクリートが,両型枠の間の空間領域のうち金属樹脂混合型接着補助器具100を除く領域に充満することとなる。
然る後、次の生コンクリート硬化待ち工程S5において、両型枠F間に充満している生コンクリートが硬化するまで所定の待ち時間の間待つ。このようにして生コンクリートが硬化すると、コンクリート壁W(図15参照)が形成される。このとき、コンクリート壁Wには、金属樹脂混合型接着補助器具100を収容してなる収容穴部W1(図16参照)が形成されている。
次の型枠締め付けボルト取り外し工程S6において、ナット160cが型枠締め付けボルト140から離脱される。然る後、一対の端太材160a及び型枠緊張結金具160bが型枠締め付けボルト140から離脱されるとともに、型枠締め付けボルト140がセパジョイント130から離脱される。
このとき、型枠締め付けボルト140を回動して離脱させることになるが、コネクター110の回り止め部116が、コンクリート壁W内にその収容穴部W1の内周壁部と係合することにより、回動不能に維持されている。このため、金属樹脂混合型接着補助器具100が、型枠締め付けボルト140の回動に付随して共回りすることはない。また、コネクター110の環状フランジ部110cが、図15にて示すごとく、コンクリート壁Wのうちの収容穴部W1の内周壁部内に保持されているため、金属樹脂混合型接着補助器具100の収容穴部W1からの脱出が確実に防止され得る。
ついで、型枠取り外し工程S7において、両型枠Fが、コンクリート壁Wから取り外される。これに伴い、コンクリート壁Wが、図16にて示すごとく、その収容穴部W1内に金属樹脂混合型接着補助器具100を収容した状態で、両型枠Fから解放される。このとき、金属樹脂混合型接着補助器具100は、収容穴部W1内にて、セパボルト130にて、スペーサボルト150の一方の軸方向雄ネジ部により支持されている。
以上のようにして金属樹脂混合型接着補助器具100のコンクリート壁Wに対する収容が終了すると、次の生モルタル塗布工程S8において、生モルタルが、図17にて示すごとく、所定の厚さにて、コンクリート壁Wの表面W2の全体に亘り塗布される。なお、生モルタルとは、未だ硬化していないモルタルをいう。
このとき、当該塗布は、金属樹脂混合型接着補助器具100をコンクリート壁Wの表面上にて覆うようになされる。従って、金属樹脂混合型接着補助器具100は、コンクリート壁Wの収容穴部W1内に収容された状態にて生モルタルにより当該コンクリート壁Wに埋設されることとなる。
これに伴い、生モルタルは、金属樹脂混合型接着補助器具100の環状壁部118の内部に浸入する。ついで、このように浸入した生モルタルは、さらに、リング部材120を介しコネクター110の円柱部117の延出端面に向けて浸入する。
ここで、上述のようにリング部材120を介しコネクター110の円柱部117の延出端面に向けて浸入する生モルタルは、リング部材120の内リング121の外リング122の間にて各両隣接連結片123の間を通り円柱部117の延出端面に達する。このとき、環状壁部118の内部のうちリング部材120の周囲の部位には、生モルタルの流動を妨げる構成部分は何も存在しないことから、生モルタルは、リング部材120を介し円柱部117の延出端面に向けて円滑に流動し得る。
また、このように円柱部117の延出端面に達する生モルタルは、円柱部117の延出端面に形成した各凹部113内にも達する。このことは、生モルタルが,互いに対向するリング部材120と凹部113の内面との間にも行き亘ることを意味する。従って、リング部材120と円柱部117の延出端面との間に浸入する生モルタルの量は、円柱部117の延出端面に複数の凹部113を形成したことで、増大し得る。
上述のような生モルタル塗布工程S8の後、次の生モルタル硬化待ち工程S9において、上述のようにコンクリート壁Wの表面W2に塗布した生モルタルが硬化するまで所定の待ち時間の間待つ。これに伴い、当該生モルタルが硬化すると、モルタル壁Mがコンクリート壁Wの表面W2上に形成される。このとき、モルタル壁Mは、その内部にて、リング部材120の内リング121、外リング122及び各連結片123にしっかりと係合し得る。
以上説明したように、本第1実施形態においては、金属樹脂混合型接着補助器具100は、コネクター110、リング部材120及びセパボルト130の3つの別部品でもって構成されている。
ここで、コネクター110は、ナイロン6に耐光性黒色顔料を均一に含有してなる所定の耐光性顔料含有樹脂材料でもって形成されているのに対し、リング部材120は、コネクター110とは異なり、ステンレス鋼SUS304でもって形成されている。
従って、金属樹脂混合型接着補助器具100において、リング部材120は、後述のごとく、上述の耐光性顔料含有樹脂材料等の樹脂材料に比べて高い剛性を有することから、当該金属樹脂混合型接着補助器具100は、リング部材120により、合成樹脂材料のみからなるモルタル接着補助具に比べて、機械的に高い強度性を発揮し得る。
また、金属樹脂混合型接着補助器具100においては、コネクター110が、円錐台状胴部110a及び環状フランジ部110cと、円柱状頭部110bとでもって、一体的に形成されている。これにより、型枠に当接する円柱状頭部110bを、円錐台状胴部110a及び環状フランジ部110cとは別部品として構成する場合に比して、部品数を減少させることができ、その結果、金属樹脂混合型接着補助器具100の構成部品の軽減に役立つ。
また、このように一体的に形成してなるコネクター110において、円柱状頭部110bの環状可変壁部118bにて両型枠Fの一方の型枠に対向するように、セパジョイント130でもって、当該一方の型枠側から他方の型枠側に向けて延出するスペーサボルト150に連結される。また、金属樹脂混合型接着補助器具100において、環状壁部118が、環状可変壁部118bを押しつぶすように変形させながら当該一方の型枠により環状フランジ部110c側へ押圧される。
これにより、金属樹脂混合型接着補助器具100においては、上述した環状可変壁部118bの変形が、円柱状頭部110b、ひいては環状壁部118のうちの環状可変壁部118b以外の構成部位の変形及び一方の型枠Fの環状壁部118に対する対向面の部分的変形を伴うことなく、なされることで、環状壁部118が、コネクター110及び一方の型枠と共に、密閉空間を構成して、当該密閉空間内にリング部材120を閉じ込める。
従って、上述のように生コンクリートを両型枠Fの間に打ち込んでも、リング部材120が当該生コンクリートから良好に隔離されるので、当該生コンクリートがリング部材120に達することがない。このことは、リング部材120が、生コンクリートで汚れることなく、生モルタルと良好に密着し得ることを意味する。
また、円柱状頭部110bのうち、環状可変壁部118bを除く部位は、上述のごとく、一方の型枠による押圧によって変形することはないので、リング部材120は、その原形状を、上述の密閉空間内にて、良好に維持し得る。
従って、上述のように、生モルタルがコンクリート壁Wの表面W2に金属樹脂混合型接着補助器具100を介し塗布されることで、当該生モルタルは、金属樹脂混合型接着補助器具100のリング部材120の内リング121、外リング122及び各連結片123に良好に係合し得る。このことは、金属樹脂混合型接着補助器具100のリング部材120は、生モルタルの硬化後に形成されるモルタル壁Mにその内部にてしっかりと係合し得ることを意味する。
ここで、環状壁部118の内部には、リング部材120以外の構成部品は存在しない。従って、上述のようにコンクリート壁Wの表面W2に塗布される生モルタルは、環状壁部118の内部において、円柱部117の延出端面に向け、リング部材120を介し円滑に流動し得る。このため、生モルタルは、リング部材120を介し環状壁部118の内部の全体に亘り良好に充填され得る。その結果、上述したモルタル壁Mのリング部材120の各部位との係合がより一層強化され得る。
また、上述のように環状壁部118の内部に流動する生モルタルは、円柱部117に形成した各凹部113内にも浸入する。従って、モルタル壁Mの円柱部117との係合がより一層強化され得る。
以上により、金属樹脂混合型接着補助器具100は、そのリング部材120でもって、モルタル壁Mのコンクリート壁Wに対する接着を良好に補助し、モルタル壁Mのコンクリート壁Wに対する接着力(アンカー効果)を良好に高め得る。
また、金属樹脂混合型接着補助器具100は、上述のように両型枠Fを取り外すことで除去した後も、セパボルト130にて、スペーサボルト150に連結したまま、取り外すことなく、そのまま、継続的に維持される。ここで、リング部材120は、その内リング121にて、セパボルト130の小径部131に対し溶接により強固に連結されている。
これにより、金属樹脂混合型接着補助器具100においては、リング部材120がセパジョイント130を介しスペーサボルト150に同軸的にかつ機械的に強固に連結され得る。このことは、金属樹脂混合型接着補助器具100が、金属材料からなるリング部材120、セパジョイント130及びスペーサボルト150の高い機械的強度による同軸的連結でもって、モルタル壁Mのコンクリート壁Wからの剥離や落下を、長期に亘り、良好に防止し得ることを意味する。
ここで、金属樹脂混合型接着補助器具100においては、環状壁部118の内部にはリング部材120が存在するのみで、環状壁部118の内部からコンクリート壁Wの表面W2側へ突出する構成部位は存在しないから、生モルタルの塗布厚さは、ほぼ、コンクリート壁Wの表面に亘り、一様に維持し得るのは勿論のこと、可能な限り薄くすることができることから、生モルタルの塗布量の軽減に役立つ。
以上のように、1つの金属樹脂混合型接着補助器具100のみではなく、残りの各金属樹脂混合型接着補助器具100が、コンクリート壁Wとモルタル壁Mとの間に分散して埋設されることで、各金属樹脂混合型接着補助器具100が、リング部材120でもって、モルタル壁Mのコンクリート壁Wに対するアンカー効果を高め得る。
このことは、金属材料からなるリング部材120を有する各金属樹脂混合型接着補助器具100による接着補助による強力なアンカー効果のもと、モルタル壁Mが、コンクリート壁Wから剥がれたり落ちたりすることなく、長期に亘り、コンクリート壁Wの表面W2に対する接着を良好に維持し得ることを意味する。
また、本第1実施形態において、各金属樹脂混合型接着補助器具100は、コネクター110、リング部材120及びセパジョイント130の3つの別部品で構成されている。ここで、コネクター110においては、円錐台状胴部110aが環状フランジ部110cから軸方向に離れるほど末すぼまり状に構成されているから、コネクター110の成型用金型が、円錐台状胴部110aが環状フランジ部110cから軸方向に離れるほど末広がり状に構成される場合に比べて、より簡単な構成で済む。従って、コネクター110の量産性の向上につながる。なお、このようなことは、回り止め部116が、環状フランジ部110cの下面に沿うように円錐台状胴部110aの大径側外周面部に突設されているから、より一層改善され得る。
また、各金属樹脂混合型接着補助器具100は、スペーサボルト150との接続のために、コネクター110に同軸的に圧入したセパジョイント130を有するので、金属樹脂混合型接着補助器具100とスペーサボルト150との接続が強固になされ得る。
ここで、リング部材120、セパジョイント130及びスペーサボルト150が、共に、金属材料でもって形成されていることから、これらリング部材120、セパジョイント130及びスペーサボルト150は、高い剛性等の高い機械的強度を有する。しかも、リング部材120が、上述のごとく、セパジョイント130に溶接により同軸的に強固に連結されるとともに、スペーサボルト150がセパジョイント130の雌ねじ孔部130aに同軸的に羅着されている。
従って、各金属樹脂混合型接着補助器具100は、リング部材120及びセパジョイント130にて、スペーサボルト150により、高い機械的強度のもとに、しっかりと支持され得る。このことは、各金属樹脂混合型接着補助器具100は、モルタル壁Mのコンクリート壁Wに対するアンカー効果を、合成樹脂材料のみからなる接着補助器具に比べて、大幅に向上させ得ることを意味する。
また、各金属樹脂混合型接着補助器具100は、型締めボルト140を補助部品としているため、別途、型締めボルトをわざわざ準備する必要もなく、便利である。なお、型締めボルト140としては、全長の異なるものを複数準備すると便利である。
また、各金属樹脂混合型接着補助器具100において、コネクター110が、ナイロン6に耐光性黒色顔料を均一に含有してなる所定の耐光性顔料含有樹脂材料でもって形成されているから、当該コネクター110は、紫外線等の外光を受けても、長期に亘り劣化することなく、良好な品質に維持され得る。
従って、耐光性黒色顔料によるコネクターの耐光性と相まって、コンクリート壁に対するモルタル壁の接着力を長期に亘り良好に維持し得る。
なお、上述した金属樹脂混合型接着補助器具100や図14の工程から分かるように、金属樹脂混合型接着補助器具100の取外し作業や新たな取付け作業を繰り返す必要がないため、作業性を向上し得るのは勿論のこと、各金属樹脂混合型接着補助器具100の廃棄に起因するような環境汚染問題の発生をも未然に防止し得る。
(第2実施形態)
図18及び図19は、本発明に係る金属樹脂混合型接着補助器具の第2実施形態の要部を示している。当該第2実施形態では、リング部材120aが、上記第1実施形態にて述べたリング部材120に代えて採用されている。
リング部材120aは、図18及び図19のいずれかにて示すごとく、上記第1実施形態にて述べたリング部材120において、複数の連結片123に代えて、複数の連結片124を採用する構成となっている。
換言すれば、当該リング部材120aは、上記第1実施形態にて述べた内リング121及び外リング122と、複数の連結片123に代わる複数の連結片124とを有するように、上記第1実施形態にて述べたリング部材120の形成材料と同一の形成材料でもって、プレス加工により形成されている。
ここで、複数の連結片124は、図18及び図19のいずれかにて示すごとく、それぞれ、板状のもので、当該複数の連結片124は、内リング121と外リング123との間にて、内リング121の外周部から等角度間隔にて外リング122に向けて外方へクランク状に屈曲して放射状に延出されている。
当該複数の連結片124は、上記第1実施形態にて述べた連結片123と同様に偶数の連結片からなり、当該複数の連結片124の各々は、基端部124aと、立ち上がり部124bと、先端部124cとでもって、一体的に構成されている。本第2実施形態において、連結片124の幅は、2(mm)である。
複数の連結片124において、各基端部124aは、図18或いは図19にて示すごとく、内リング121の外周部からその周方向に亘り等角度間隔にて径方向に沿い外方に向け放射状に延出されている。
また、当該複数の連結片124の各々において、立ち上がり部124bは、対応の基端部124aの延出端部から内リング121の表面側へ所定の立ち上がり角度β(図19参照)にて立ち上がるように延出されている。ここで、上述の所定の立ち上がり角度βは、図19にて示すごとく、内リング121の径方向に対する立ち上がり部124bの立ち上がり角度をいい、本第2実施形態では、90度に設定されている。
また、当該複数の連結片124の各々において、先端部124cは、対応の立ち上がり部124bの延出端部から内リング121の表面に平行となるように外方に向け放射状に延出されている。本第2実施形態において、先端部124cの表面の内リング121の裏面からの高さ(図19参照)は、上記第1実施形態にて述べた高さH(図9参照)と同様に、5(mm)に設定されている。なお、連結片124の厚さは、内リング121の厚さと同一である。
本第2実施形態において、外リング122は、その内周部にて、複数の連結片124の各先端部124cの延出端部と一体的に連結されている。ここで、外リング122の内周部は、その周方向に亘り、等角度間隔にて、複数の連結片124の各先端部124cの延出端部と一体的に形成されている。
本第2実施形態においては、外リング122及び各連結片124なる形状は、上記第1実施形態にて述べた外リング122及び各連結片123からなる形状とは異なるものの、上記第1実施形態と同様に、生モルタル内に浸入可能な剛性を有し、かつ、生モルタルの硬化後のモルタル壁Mを支持し得るような破断強度を有する。
このように構成してなるリング部材120aは、上記第1実施形態にて述べたセパジョイント130の円筒部131の延出端開口部にて、内リング121にその裏面側から同軸的に溶接されることで、セパジョイント130と同軸的に連結されている。その他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
以上のように構成した本第2実施形態においては、金属樹脂混合型接着補助器具100が、コネクター110、リング部材120a及びセパジョイント130の3つの部品でもって構成されている。ここで、リング部材120aは、コネクター110の形成材料とは異なり、上記第1実施形態にて述べたリング部材120と同様に、ステンレス鋼SUS304でもって形成されている。
リング部材120aは、リング部材120とは構成を異にするものの、当該リング部材120と同様に高い剛性を有する。従って、本第2実施形態にいう金属樹脂混合型接着補助器具100は、リング部材120aの構成をリング部材120とは異にするものの、上記第1実施形態にて述べた金属樹脂混合型接着補助器具100と同様に、合成樹脂材料のみからなるモルタル接着補助具に比べて、機械的に高い強度性を発揮し得る。
また、上記第1実施形態と同様に環状壁部118が、円柱部117及び一方の型枠と共に、密閉空間を構成して、当該密閉空間内にリング部材120aを閉じ込めた状態にて、上記第1実施形態と同様に生コンクリートを両型枠Fの間に打ち込んでも、リング部材120aが当該生コンクリートから良好に隔離されるので、当該生コンクリートがリング部材120aに達することがない。このことは、リング部材120aが、上記第1実施形態と実質的に同様に、生コンクリートで汚れることなく、生モルタルと良好に密着し得ることを意味する。
また、円柱状頭部110bのうち、環状可変壁部118bを除く部位は、上記第1実施形態にて述べたごとく、一方の型枠による押圧によって変形することはないので、リング部材120aは、その原形状を、上述の密閉空間内にて、良好に維持し得る。
従って、上記第1実施形態と同様に、生モルタルがコンクリート壁Wの表面W2に金属樹脂混合型接着補助器具100を介し塗布されると、当該生モルタルは、金属樹脂混合型接着補助器具100のリング部材120aに良好に係合し得る。このことは、金属樹脂混合型接着補助器具100のリング部材120aは、上記第1実施形態にいうリング部材120と同様に、生モルタルの硬化後に形成されるモルタル壁Mにその内部にてしっかりと係合し得ることを意味する。
その結果、本第2実施形態における金属樹脂混合型接着補助器具100は、そのリング部材120aでもって、モルタル壁Mのコンクリート壁Wに対する接着を良好に補助し、モルタル壁Mのコンクリート壁Wに対する接着力(アンカー効果)を良好に高め得る。その他の作用効果は、上記第1実施形態と同様である。
なお、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限ることなく、次のような種々の変形例が挙げられる。
(1)本発明の実施にあたり、金属樹脂混合型接着補助器具100において、コネクター110の形成材料は、上記実施形態にて述べた材料に限ることなく、例えば、通常の合成樹脂材料等の樹脂材料であってもよい。
(2)本発明の実施にあたり、リング部材120、セパジョイント130、型締めボルト140及びスペーサボルト150の各形成材料は、上記実施形態にて述べた材料に限ることなく、金属材料であればよい。
(3)本発明の実施にあたり、回り止め部116は、上記実施形態とは異なり、複数、コネクター110の環状フランジ部の下面及び円錐台状胴部110aの外周に沿い間隔をおいて形成するようにしてもよい。なお、回り止め部116の形状は、上記第1実施形態にて述べた形状に限ることなく、適宜変更してもよい。また、回り止め部116は、突出形状ではなく、凹形状に形成してもよい。例えば、環状フランジ部110cの下面から円錐台状胴部110aの外周面に沿い軸方向に凹形状に当該円錐台状胴部110aの小径側端部まで形成するようにしてもよく、或いは、円錐台状胴部110aの外周面の軸方向中間部位から当該円錐台状胴部110aの小径側端部まで形成するようにしてもよい。
(4)また、本発明の実施にあたり、環状フランジ部110cは、上記実施形態とは異なり、円錐台状胴部110aと円柱状頭部110bとの境界部或いは円錐台状胴部110aの大径側端部から環状に延出するようにしてもよい。
(5)本発明の実施にあたり、環状フランジ部110cは、上記実施形態とは異なり、円柱状頭部110b及び円錐台状胴部110aの各対向端部の少なくとも一方から環状に外方へ径方向に沿い延出するように形成されていてもよい。
(6)本発明の実施にあたり、金属樹脂混合型接着補助器具100のコネクター110は、上記実施形態とは異なり、例えば、多角形状に形成してもよい。
(7)本発明の実施にあたり、環状可変壁部118bは、上記第1実施形態にて述べたように環状非可変壁部118aの延出端部の幅方向中間部位に限ることなく、環状非可変壁部118aの延出端部の内周部或いは外周部から延出するように形成してもよい。
100…金属樹脂混合型接着補助器具、110…コネクター、
110a…円錐台状胴部、110b…円柱状頭部、110c…環状フランジ部、
113…凹部、115…軸孔部、115a…小径孔部、115b…大径孔部、
116…回り止め部、117…円柱部、118…環状壁部、
118a…環状非可変壁部、118b…環状可変壁部、
120、120a…リング部材、121…内リング、122…外リング、
123、124…連結片、130…セパジョイント、130a…雌ねじ孔部、
131…円筒部、132…鍔部、140…型締めボルト、
150…スペーサボルト、F…型枠、M…モルタル壁、W…コンクリート壁。

Claims (13)

  1. 円柱状頭部、当該円柱状頭部から同軸的に延出する胴部、並びに前記円柱状頭部及び前記胴部の各対向端部の少なくとも一方から環状に外方へ径方向に沿い延出する環状フランジ部を、所定の樹脂材料でもって一体的に形成してなるコネクターと、
    内リングと、当該内リングの外径よりも大きな内径を有する外リングと、前記内リングと前記外リングとの間に連結されるように前記内リング及び前記外リングと共に金属材料でもって一体的に形成してなる複数の連結片とを具備するリング部材と、
    円筒部と、当該円筒部の軸方向一側端部と一体となるように同軸的に形成してなる環状鍔部とを有するように、金属材料でもって形成してなるセパジョイントとを備えており、
    前記コネクターにおいて、
    記円柱状頭部は、前記胴部から同軸的に延出する円柱部、当該円柱部の外周部から同軸的に前記胴部とは反対方向に延出する環状非可変壁部、及び当該環状非可変壁部の延出端部から前記円柱部とは反対方向へ突出する環状可変部からなる環状壁部でもって形成されるとともに、
    軸孔部が、前記胴部のうちの前記円柱部とは反対側の端部に同軸的に形成してなる大径孔部と、当該大径孔部から前記円柱部のうちの前記胴部とは反対側の端部の中央部にかけて延出するように前記大径孔部よりも小さな内径にて同軸的に形成してなる小径孔部とからなるように、前記胴部及び前記円柱部に亘り形成されており、
    記セパジョイントは、その円筒部にて、前記円柱部のうちの前記胴部とは前記反対側の端部の中央部に達するように前記コネクターの前記小径孔部に前記大径孔部を介し同軸的に圧入されるとともに、前記環状鍔部にて、前記大径孔部に嵌装されており、
    前記リング部材は、前記内リングでもって、前記円柱部のうちの前記胴部とは前記反対側の端部の中央部にて、前記セパジョイントの前記円筒部に溶接により同軸的に連結されている金属樹脂混合型接着補助器具。
  2. 記所定の樹脂材料は、ナイロン6に耐光性黒色顔料を均一に含有してなる耐光性顔料含有樹脂材料であることを特徴とする請求項1に記載の金属樹脂混合型接着補助器具。
  3. 記リング部材の前記複数の連結片は、それぞれ、前記内リングの外周部からその周方向に亘り間隔をおいて外方へ放射状に延出する基端部と、当該基端部からその表面側へ傾斜状に延出する傾斜部と、当該傾斜部の延出端部から外方へ延出して前記外リングの内周部に連結される先端部とでもって、形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の金属樹脂混合型接着補助器具。
  4. 前記リング部材の前記複数の連結片は、それぞれ、前記内リングの外周部からその周方向に亘り間隔をおいて外方へ放射状に延出する基端部と、当該基端部からその表面側へL字状に立ち上がるように延出する立ち上がり部と、当該立ち上がり部の立ち上がり端部から外方へ延出して前記外リングの内周部に連結される先端部とでもって、形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の金属樹脂混合型接着補助器具。
  5. 記コネクターは、前記環状フランジ部に沿い前記胴部の外周部の少なくとも一部から外方へ突出するように形成してなる回り止め部を具備しており、
    前記胴部は、その前記円柱部との前記対向端部から前記円柱部とは反対方向へ末すぼまり状に形成してなる円錐台状胴部であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の金属樹脂混合型接着補助器具。
  6. 前記円柱部は、その前記円錐台状胴部とは反側の端部にて、前記円錐台状胴部側に向け凹状となるように互いに並行に配列してなる複数条の凹部を形成してなり、
    前記リング部材は、前記内リング以外の部位にて、前記複数条の凹部に対向して位置することを特徴とする請求項5に記載の金属樹脂混合型接着補助器具。
  7. 前記環状壁部の前記環状可変部は、前記環状非可変壁部の延出端部の外周部、内周部或いは幅方向中間部位から前記環状フランジ部とは反対方向に突起状に突出するように形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の金属樹脂混合型接着補助器具。
  8. 前記環状壁部の前記環状可変部は、前記突起状に突出する突出端部にて、横断面丸みを帯びるように形成されていることを特徴とする請求項7に記載の金属樹脂混合型接着補助器具。
  9. スペーサボルトが前記セパジョイントに同軸的に形成してなる雌ねじ孔部に対し前記環状鍔部側から当該雌ねじ孔部の軸方向中間部位まで螺合され、かつ前記環状壁部が木材或いは合成樹脂材料からなる型枠に当接された状態にて、当該型枠に形成してなる貫通状孔部を通して前記スペーサボルトに対向するように前記セパジョイントの前記雌ねじ孔部に螺合される型締めボルトを、補助部品として有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の金属樹脂混合型接着補助器具。
  10. モルタル壁をコンクリート壁に対し複数の接着補助器具による接着補助のもとに施工するモルタル壁施工方法において、
    円柱状頭部、当該円柱状頭部から末すぼまり状に同軸的に延出する円錐台状胴部、前記円柱状頭部及び前記円錐台状胴部の各対向端部の少なくとも一方から環状に外方へ径方向に沿い延出する環状フランジ部、並びに当該環状フランジ部に沿い前記円錐台状胴部の外周部の少なくとも一部から外方へ突出するように形成してなる回り止め部を、所定の耐光性顔料含有樹脂材料でもって一体的に形成してなるコネクターと、
    内リング、当該内リングの外径よりも大きな内径を有する外リング、及び前記内リングと前記外リングとの間に連結されるように前記内リング及び前記外リングと共に金属材料でもって一体的に形成してなる複数の連結片を具備するリング部材と、
    円筒部及び当該円筒部の軸方向一側端部と一体となるように同軸的に形成してなる環状鍔部を有するように、金属材料でもって形成してなるセパジョイントとを備え、
    前記コネクターにおいて、
    記円柱状頭部は、前記円錐台状胴部から同軸的に延出する円柱部、当該円柱部の外周部から同軸的に前記円錐台状胴部とは反対方向に延出する環状非可変壁部、及び当該環状非可変壁部の延出端部から前記円柱部とは反対方向へ突出する環状可変部からなる環状壁部でもって形成されるとともに、
    軸孔部が、前記円錐台状胴部のうちの前記円柱部とは反対側の端部に同軸的に形成してなる大径孔部と、当該大径孔部から前記円柱部のうちの前記円錐台状胴部とは反対側の端部の中央部にかけて延出するように前記大径孔部よりも小さな内径にて同軸的に形成してなる小径孔部とからなるように、前記円錐台状胴部及び前記円柱部に亘り形成されており、
    記セパジョイントを、その円筒部にて、前記円柱部のうちの前記円錐台状胴部とは前記反対側の端部の中央部に達するように前記コネクターの前記小径孔部に前記大径孔部を介し同軸的に圧入するとともに、前記環状鍔部にて、前記大径孔部に嵌装し、
    前記リング部材を、前記内リングでもって、前記円柱部のうちの前記円錐台状胴部とは前記反対側の端の中央部にて、前記セパジョイントの前記円筒部に溶接により同軸的に連結してなる金属樹脂混合型接着補助器具を、前記複数の接着補助器具の各々として、準備し、
    当該複数の金属樹脂混合型接着補助器具を、それぞれ、その円錐台状胴部にて、互いに対向して設置してなる木材或いは合成樹脂材料からなる両型枠の一方の型枠から分散状に他方の型枠に向けて延出する複数のスペーサボルトに、前記環状壁部の前記環状可変部を前記他方の型枠に対向させるように、連結し、かつ、前記環状壁部の前記環状非可変壁部に向けて前記環状可変部を変形させるように前記他方の型枠を押圧し、
    前記コンクリート壁が前記両型枠の間に前記複数のスペーサボルト及び前記複数の金属樹脂混合型接着補助器具を介し打ち込まれる生コンクリートの硬化により形成された後、前記両型枠を除去した上で、前記モルタル壁を、前記複数の金属樹脂混合型接着補助器具を介し前記コンクリート壁の表面に所定の厚さにて生モルタルを塗布し硬化させることで、形成するようにしたことを特徴とする金属樹脂混合型接着補助器具を用いたコンクリート壁に対するモルタル壁の施工方法。
  11. 6ナイロンに耐光性黒色顔料を均一に含有してなる材料を、前記所定の耐光性顔料含有樹脂材料として、前記円柱状頭部、前記円錐台状胴部、前記環状フランジ部及び前記回り止め部を一体的に形成するようにしたことを特徴とする請求項10に記載の金属樹脂混合型接着補助器具を用いたコンクリート壁に対するモルタル壁の施工方法。
  12. 前記複数の金属樹脂混合型接着補助器具の各々において、
    前記環状壁部の前記環状可変部は、前記環状非可変壁部の延出端部の幅方向中間部位から前記環状フランジ部とは反対方向に突起状に突出するように形成されていることを特徴とする請求項10または11に記載の金属樹脂混合型接着補助器具を用いたコンクリート壁に対するモルタル壁の施工方法。
  13. 前記複数の金属樹脂混合型接着補助器具の各々において、前記環状可変部は、前記突起状に突出する突出端部にて、横断面丸みを帯びるように形成されていることを特徴とする請求項12に記載の金属樹脂混合型接着補助器具を用いたコンクリート壁に対するモルタル壁の施工方法。
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