JP2649258B2 - 繊維強化合成樹脂製緊張材の定着部構造並びにその製造方法 - Google Patents

繊維強化合成樹脂製緊張材の定着部構造並びにその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 イ.発明の目的 〔産業上の利用分野〕 この発明は、プレストレストコンクリート(以下「P
C」という)構造に使用される緊張材に関し、更に詳し
くは、繊維強化合成樹脂(以下「FRP」という)製緊張
材の定着部構造並びにその製造方法に関する。
ここで、FRP製緊張材とは、直径数ミクロンの単繊維
を複数本引き揃えて束状にした繊維ロービングに合成樹
脂を含浸付着させ、これを成形ダイスにより引き抜き、
加熱硬化させてロッド状にした、いわゆるFRPロッドで
ある。
〔発明の背景〕
近年、PC構造物へのプレストレス導入用の緊張材とし
て、FRP製緊張材の適応が試みられている。
このFRP製緊張材は、例えば高磁界、海洋環境、腐食
環境などでの使用を可能とする利点を有することから、
これら特殊な条件下においてその使用が期待されている
が、コンクリート構造物にプレストレスを導入するFRP
製緊張材に緊張力を保持するための該FPR製緊張材の定
着方法に問題があり、未だに成功を収めていないのが実
情である。
これを考察するに、鋼棒の場合における定着機構であ
る、(a)緊張材にねじ溝加工を施し、該ねじ溝にナッ
トを螺合する機構、(b)緊張材に凹凸加工を施し、該
凹凸に金属製キャップを圧着する機構、等をFRP製緊張
材の定着に適用した場合、該緊張材にねじ溝もしくは
凹凸加工を施す際、該緊張材外周の一方向繊維が切断さ
れて該緊張材の引張強度が大幅に低下すること、仮に
繊維を切断することなく加工ができたとしても、該ねじ
溝もしくは凹凸に作用する剪断力により当該ねじ部もし
くは凹凸部の損傷を生じること、などの理由から従来の
鋼棒用の定着機構をそのまま適用することが出来ないこ
とによる。
〔従来の技術及びその問題点〕
このような観点から、実公昭53−44821号には上述し
たFRP製緊張材の定着方法が提案されている。
第6図は該従来技術を示すものであって、図におい
て、aはコンクリート構造物であり、該コンクリート構
造物aにはその長手方向に貫通孔bが設けられている。
cはガラス繊維強化プラスチック製ロッド(GFRP製緊張
材)である。dはプラスチック製の筒状定着体であり、
該筒状定着体dは一端に至るほど縮径された円錐孔eを
有し、筒壁には樹脂注入孔f並びに排気孔gが設けられ
ている。hは筒状定着体dの一端に当接される蓋体、i
は筒状定着体dの他端とコンクリート構造物aとの間に
介装される当板であり、いずれもロッド挿通孔を有し、
その孔径はロッドcの外径にほぼ等しくされている。j
は筒状定着体d内に充填硬化された熱硬化性合成樹脂で
あり、充分な張力で緊張された状態のロッドcを定着し
ている。
この構成により、ロッドcに導入されたプレストレス
力は、硬化した熱硬化性合成樹脂jのロッドcに対する
接着力及び該樹脂jと筒状定着体dの円錐孔eとの楔作
用により保持されるものである。
しかしながら、ロッドcと該ロッドcの外周面に充填
硬化せしめられた熱硬化性合成樹脂jとの間には、両者
の樹脂どおし(すなわちロッドcを構成する樹脂と充填
硬化せしめられた熱硬化性合成樹脂jと)の融着による
一体化は起こらず、単なる接着となる。このため、両者
間の強固な接合力は、得られ難く、換言すればロッドc
に大きな緊張力を保持することができず、自ずらかその
使用範囲が限定されるという欠点がある。更には、前記
楔作用から前記筒状定着体dにその軸線と直交する方向
に膨出しようとする力が働くために、該筒状定着体dに
割れが発生するなどの欠点もある。
本発明は上記実情に鑑みなされたものであり、その目
的とするところは、楔作用によらず予圧力のもつ特性に
着目し、FRP製緊張材の端部において該FRP製緊張材と定
着体との一体化を達成することのできる定着部構造並び
にその製造方法を提供しようとするものである。
ロ.発明の構成 〔問題点を解決するための手段〕 本発明の繊維強化合成樹脂製緊張材の定着部構造は、
上記目的を達成するために以下の構成を採る。
すなわち、一端に開口部を有するとともに定着長を保
持した中空円筒部と該中空円筒部の他端の底部に少なく
とも一つの挿通孔を備えた底付き筒状定着体において、
前記挿通孔に対応する貫通孔を備えたキャップが該中空
円筒部を密封するよう前記開口部側に固定され、ロッド
状の繊維強化合成樹脂製緊張材は前記筒状定着体の挿通
孔に密封を保持して貫通されるとともに該中空円筒部内
を貫通し、かつ、前記キャップの貫通孔を密封を保持し
て貫通してその端部を該キャップより突出させて配さ
れ、前記中空円筒部内には合成樹脂グラウト材が充填さ
れるとともに数十kg/cm2以上の圧力をもって加圧された
状態で硬化せしめられて該繊維強化合成樹脂製緊張材を
抱持固定していることを特徴とする。
また、この繊維強化合成樹脂製緊張材の端部定着部の
製造方法として、(a)長尺体の繊維強化合成樹脂製緊
張材を、一端に開口部を有するとともに定着長を保持し
た中空円筒部と該中空円筒部の他端の底部に少なくとも
一つの挿通孔を備えた底付き筒状定着体の前記挿通孔及
び中空円筒部に貫通させ、該繊維強化合成樹脂製緊張材
の端部を該底付き筒状定着体の開口部より突出させて配
置する工程、(b)前記挿通孔に対応する貫通孔を備え
たキャップを該貫通孔に前記繊維強化合成樹脂製緊張材
を挿通させ、かつ該緊張材の端部を該キャップから突出
させて配置するとともに、該キャップを前記底付き筒状
定着体の中空円筒部を密封するよう該定着体の開口部側
に固定する工程、(c)前記底付き筒状定着体もしくは
キャップに設けられた注入口から合成樹脂グラウト材を
充填し、該中空円筒部内の空気を該底付き筒状定着体も
しくはキャップに設けられた空気排出口から排出した
後、該空気排出口を閉塞する工程、(d)前記中空円筒
部内に充填された前記合成樹脂グラウト材に数十kg/cm2
以上の圧力を加えつつ該合成樹脂グラウト材を硬化させ
る工程、からなること特徴とする。
上述した構成において、FRP用の合成樹脂としては、
エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタ
レート樹脂などの熱硬化性合成樹脂が使用され、またFR
P用の補強繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、セラ
ミック繊維、芳香族ポリアミド(商品名「ケブラー」)
などの長繊維が使用される。
合成樹脂グラウト材としては、エポキシ樹脂、不飽和
ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリウレ
タン樹脂などの熱硬化性樹脂もしくはポリアミド樹脂な
どの熱可塑性樹脂が使用される。
〔使用〕
FRP製緊張材はその端部部分を底付き筒状定着体の中
空円筒部材に密封状に配され、合成樹脂グラウト材はこ
の密封空間内で加圧された状態で硬化する。これによ
り、FRP製緊張材は予圧力が付与されて合成樹脂グラウ
ト材により抱持固定される。
この定着部構造のPCコンクリート構造物への適用にお
いて、コンクリート構造物中に埋設設置される緊張材の
一端もしくは両端に底付き筒状定着体が配され、緊張材
に導入された緊張力は該定着体を介してコンクリート構
造物へと伝達される。
そして、この定着部構造はポストテンショニング方
式、プレテンショニング方式の両用に適用されるもので
ある。
〔実施例〕
本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第1図及び第2図はFRP製緊張材の端部定着部の構造
の一実施例を示し、この実施例においては緊張材が単一
であるいわゆるシングルストランドシステムへの適用を
示す。
第1図を参照して、本実施例の定着部は、FRP製緊張
材1の端部に嵌装された底付き筒状定着体2と、該底付
き筒状定着体2の開口部を塞ぐキャップ3と、シール手
段4,5と、該底付き筒状定着体2内に加圧充填されたグ
ラウト材6とを含み、更には封止栓7,8を含むものであ
る。
以下、各部の構成を詳述する。
底付き筒状定着体(以下単に「定着体」という)2は
鋼製の円筒体よりなり、一端に開口部21を有する中空円
筒部22を備え、外面に雄ねじ部23を備える。中空円筒部
22の内面の長さは緊張材1を定着するための充分な長さ
(定着長)を有する。該定着体2の中空円筒部22の一端
の底部24にはその外端面と該中空円筒部22内に連なる挿
通孔25が開設されており、該定着体2の中空円筒部22の
他端は該中空円筒部22と段部26をもって拡径し、内面に
雌ねじ部27を備えている。更に、該定着体2には、該中
空円筒部22に開口する注入口28及び空気排出口29を備え
ている。
キャップ3はその軸心方向に貫通孔31を備えた鋼製の
円筒状体よりなり、その外周面に雄ねじ部32を備えてい
る。該キャップ3はその雄ねじ部32を該定着体2の中空
円筒部22の内面雌ねじ部27に螺合させて該中空円筒部22
を密封している。
前記FRP製緊張材1は該定着体2の一端部の挿通孔25
に挿通され、中空円筒部22及びキャップ3の貫通孔31を
貫通して他端の開口部21より突出して配されている。
キャップ3の貫通孔31にはシールリング4が嵌着さ
れ、該シールリング4は該貫通孔31に挿通したFRP製緊
張材1の外周面との間の密封を保持する。また、中空円
筒部22の底部24側には環状シール5が装着され、該環状
シール5は定着体2の挿通孔25と該挿通孔25に挿通した
FRP製緊張材1の外周面との間の密封を保持する。
グラウト材6は合成樹脂よりなり、定着体2に設けら
れた注入口28から該中空円筒部22内に充填され、加圧さ
れた状態で硬化される。
封止栓7は中空円筒部22内に合成樹脂グラウト材6を
充填する際、空気排出口29より中空円筒部28内の空気を
排出した後、該空気排出口2を閉塞するものであり、封
止栓8は注入口28より注入される合成樹脂グラウト材6
が該中空円筒部22内で加圧された状態で硬化せしめられ
たのち該注入口28を閉塞するものである。
このように構成されたFRP製緊張材1の端部定着部は
次のようにして製造される。
以下、手順に従って説明する。
(1)外周に雄ねじ部23を備えるとともに、一端に開口
部21と段部26をもって拡径する内面雄ねじ部27を有する
中空円筒部22と、該中空円筒部22の他端の底部24にその
端面と該中空円筒部22に連なる挿通孔25と、該中空円筒
部22に開口する注入口28及び空気排出口29を備えた鋼製
の筒状定着体2を用意する。
(2)該底付筒状定着体2の中空円筒部22の底部24側に
環状シール5を装着したのち、FRP製緊張材1を該筒状
定着体2の挿通孔25から挿入し、かつ中空円筒部22を貫
通させるとともに該FRP製緊張材1の端部を定着体2の
開口部21より突出させて配置する。
(3)内部に貫通孔31を備え、外面に雄ねじ部32を備え
た鋼製キャップ3を該貫通孔31の内面にシールリング4
を嵌装し、定着体2の中空円筒部22の雌ねじ部27に螺合
固定するとともに、貫通孔31を該筒状定着体2の開口部
21より突出した該緊張材1に嵌合せしめる。
(4)定着体2の注入口28から合成樹脂グラウト材6を
充填し、該中空円筒部22内の空気を空気排出口29から排
出したのち、該注入口28から中空円筒部22内へ合成樹脂
グラウト材6を更に充填する。
該中空円筒部22内に充填された合成樹脂グラウト材6
に数10kg/cm2〜数100/kg/cm2の圧力を加えつつ該合成樹
脂グラウト材6を硬化させる。
(5)該合成樹脂グラウト材6が硬化したのち、底付筒
状定着体2の注入口28に封止栓8を勘合して閉塞する。
このようにしてFRP製緊張材1の端部定着部が製造さ
れる。
上述した構成からなる定着部構造と繊維強化合成樹脂
緊張材との間の接合強度について次の要領で試験した。
<試験方法> 1.試料 FRP製緊張材として直径8mmのガラス繊維強化不飽和ポ
リエステル樹脂を、合成樹脂グラウト材として、二液性
常温硬化型エポキシ樹脂(スリーボンド社製)を使用
し、該緊張材を内部に直径10mm、長さ160mmの中空円筒
部を有する金属製底付き筒状定着体に挿入した。そして
中空円筒部内に合成樹脂グラウト材を注入・加圧し、加
圧した状態で硬化させ、これを試料とした。
2.試験方法 定着体を固定し、緊張材に引張力を与えて定着体と緊
張材との間の接着強度を測定した。
下表はその結果を示す。
なお、上表の備考欄における「緊張材抜け」とはグラ
ウト材と緊張材との接合面において剥離を起こし定着体
より緊張材が抜けたもの、「緊張材破断」とは緊張材と
グラウト材との接合部位外の緊張材部分で破断したもの
をいう。
試験結果から、50kg f/cm2以上の内圧をかけて加圧・
硬化させて得た定着部構造は、従来の第6図に示す定着
部構造が同一の試験で、引抜き応力が8500kg f/cm2を示
したのと比較して、FRP製緊張材と合成樹脂グラウト材
との接合強度が格段に高いことがわかる。
次に、第2図を参照して、上述したFRP製緊張材1の
定着部構造を用いてコンクリート構造物にプレストレス
を導入する方法(ポストテンション方法)を説明する。
第2図において、型枠内に配設されたシースS内に、
両端部の外周面において定着体2を一体に有するFRP製
緊張材1を配置する。該定着体2の外周面の雄ねじ部23
にそれぞれナットNを螺合する。次いで、型枠内にコン
クリートKを流し込み、該コンクリートKを硬化させ
る。
コンクリートKの硬化後、定着体2の雄ねじ部23端部
にテンションロッドTを螺合固定し、該ロッドTを引っ
張る。
該テンションロッドTを引っ張ることにより、該定着
体2と一体化されたFRP製緊張材1には緊張力が与えら
れる。そして、座金Rを介して該定着体2の外周面の雄
ねじ部23に螺合したナットNを締め付けることにより、
該FRP製緊張材1に与えられた緊張力は該定着体2とFRP
製緊張材1とを圧着する合成樹脂グラウト材6により保
持され、定着体2、ナットN及び座金Rを介してコンク
リート構造物Kにプレストレスが導入されることにな
る。
第3図〜第5図は本発明の他の実施例を示す。この実
施例においては緊張材が複数のいわゆるマルチストラン
ドシステムへの適用を示す。なお、これらの図において
は先の実施例と実質的に同等の部材については同一の符
号が付され、説明は省略する。
第3図は複数本のFRP製緊張材1を平行に配置した場
合の定着部構造を示す。
この底付き筒状定着体2Aは一端の底部24にそれぞれの
FRP製緊張材1の数に対応する挿通孔25を備えていると
ともに、段部26を持って拡径する係合凹部22aと該係合
凹部22aに連なる雌ねじ部27をもって他端に開口する中
空円筒部22を備える。キャップ3Aは同様に、該FRP製緊
張材1の数に対応する貫通孔31を備え、該キャップ3Aは
前記定着体2Aの係合凹部22aに嵌合している。各緊張材
1は、定着体2Aの各挿通孔25、中空円筒部22及び該キャ
ップ3Aの各貫通孔31に挿通されて配されている。
本実施例においては雄ねじ環9が付加される。該雄ね
じ環9は定着体2Aの雌ねじ部27に螺合する雄ねじ部91を
備える。該雄ねじ環9は定着体2Aの雌ねじ部27へのねじ
込みによりキャップ3Aを押圧し、中空円筒部22を密封す
る。
その他の構成及び製造方法は前記実施例に準じるの
で、説明は省略する。
第4図は各緊張材1の定着付近から端部までをスプレ
ー状にした場合の定着部構造を示し、第5図は該定着部
構造の正面部を示す。
この実施例の底付き筒状低着体2Bは挿通孔25を、キャ
ップ3Bは貫通孔31を、それぞれ該緊張材1の傾斜配置に
従ってスプレー状に形成されている。またシースSの両
端部には、緊張材1をガイドするガイドクッションCが
装着されたガイドコネクションGが配されている。キャ
ップ3Bは定着体2Bの段部26にボルトBにより固定され、
中空円筒部22を密封している。
その他の構成及び製造方法は先の実施例に準じるの
で、説明は省略する。
その他のマルチストランドシステムとして、第1図及
び第2図で示した定着部構造を複数並列に使用すること
により、マルチストランドシステムのモノグループ型に
することもできる。
なお、底付き筒状定着体及びキャップは上述した実施
例においては鋼製のものを使用したが、これに限定され
るものではなく、合成樹脂製及びセラミック製のものを
使用でき、この場合高磁界、海洋環境、腐食環境などで
の使用をより有利にすることができる。
叙上の各実施例においては、注入口28及び空気排出口
29を定着体2に開設したが、これらの両方あるいは一方
をキャップ3,3A,3Bに設けることを妨げるものではな
い。
ハ.発明の効果 本発明の繊維強化合成樹脂製緊張材の定着部構造及び
その製造方法は上記構成よりなるので、以下の特有の効
果を有する。
底付き筒状定着体の中空円筒部内に配されたFRP製緊
張材は該中空円筒部内に加圧された状態で充填硬化せし
められた合成樹脂グラウト材によって予圧力が付与され
て抱持固定されているので、該FRP製緊張材と合成樹脂
グラウト材との間には強固な圧着効果が得られる。
合成樹脂グラウト材に加えられた圧力(液圧)により
底付き筒状定着体の中空円筒部が膨張し該合成樹脂グラ
ウト材の硬化後、該底付き筒状定着体の弾性復元力が該
合成樹脂グラウト材を介して該FRP製緊張材の表面に均
一に表面圧力が加わり、該中空円筒部の全面の広い面積
にわたって圧着効果が得られる。
上記及びの効果により、FRP製緊張材には大きな
緊張力、ひいてはコンクリート構造物に大きなプレスト
レス力が与えられる。
底付き筒状定着体と合成樹脂グラウト材との接合に楔
作用を利用していないため、該底付き筒状定着体に割れ
を生ずることがない。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第5図は本発明のFRP製緊張材の定着部構造の
実施例を示し、第1図はその一実施例の定着部構造を示
す縦断面図、第2図は第1図に示す定着部構造をもった
FRP製緊張材を使用したコンクリート構造物への定着方
法を示す縦断面図、第3図は本発明の定着部構造の他の
実施例を示す縦断面図、第4図は本発明の定着部構造の
更に他の実施例を示す縦断面図、第5図は第4図に示し
た定着部部構造の正面図である。第6図は従来技術の定
着部構造を示す縦断面図である。 1……繊維強化合成樹脂製緊張材、2……底付き筒状定
着体、21……開口部、22……中空円筒部、25……挿通
孔、28……注入口、29……空気排出口、3……キャッ
プ、31……貫通孔、6……合成樹脂グラウト材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭63−104413(JP,U) 実開 昭61−95145(JP,U)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一端に開口部を有するとともに定着長を保
    持した中空円筒部と該中空円筒部の他端の底部に少なく
    とも一つの挿通孔を備えた底付き筒状定着体において、 前記挿通孔に対応する貫通孔を備えたキャップが該中空
    円筒部を密封するよう前記開口部側に固定され、 ロッド状の繊維強化合成樹脂製緊張材は前記筒状定着体
    の挿通孔に密封を保持して貫通されるとともに該中空円
    筒部内を貫通し、かつ、前記キャップの貫通孔を密封を
    保持して貫通してその端部を該キャップより突出させて
    配され、 前記中空円筒部内には合成樹脂グラウト材が充填される
    とともに数十kg/cm2以上の圧力をもって加圧された状態
    で硬化せしめられて該繊維強化合成樹脂製緊張材を抱持
    固定している、 ことを特徴とする繊維強化合成樹脂製緊張材の定着部構
    造。
  2. 【請求項2】2以上のロッド状の繊維強化合成樹脂製緊
    張材を平行状に配してなる特許請求の範囲第1項に記載
    の繊維強化合成樹脂製緊張材の定着部構造。
  3. 【請求項3】2以上のロッド状の繊維強化合成樹脂製緊
    張材をスプレー状に配してなる特許請求の範囲第1項に
    記載の繊維強化合成樹脂製緊張材の定着部構造。
  4. 【請求項4】(a)長尺体の繊維強化合成樹脂製緊張材
    を、一端に開口部を有するとともに定着長を保持した中
    空円筒部と該中空円筒部の他端の底部に少なくとも一つ
    の挿通孔を備えた底付き筒状定着体の前記挿通孔及び中
    空円筒部に貫通させ、該繊維強化合成樹脂製緊張材の端
    部を該底付き筒状定着体の開口部より突出させて配置す
    る工程と、 (b)前記挿通孔に対応する貫通孔を備えたキャップを
    該貫通孔に前記繊維強化合成樹脂製緊張材を挿通させ、
    かつ該緊張材の端部を該キャップから突出させて配置す
    るとともに、該キャップを前記底付き筒状定着体の中空
    円筒部を密封するよう該定着体の開口部側に固定する工
    程と、 (c)前記底付き筒状定着体もしくはキャップに設けら
    れた注入口から合成樹脂グラウト材を充填し、該中空円
    筒部内の空気を該底付き筒状定着体もしくはキャップに
    設けられた空気排出口から排出した後、該空気排出口を
    閉塞する工程と、 (d)前記中空円筒部内に充填された前記合成樹脂グラ
    ウト材に数十kg/cm2以上の圧力を加えつつ該合成樹脂グ
    ラウト材を硬化させる工程と、 からなる繊維強化合成樹脂製緊張材の端部定着部の製造
    方法。
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