JP6308544B2 - 2物体間の接触面圧計算方法および2物体間の接触面圧計算コンピュータプログラム - Google Patents

2物体間の接触面圧計算方法および2物体間の接触面圧計算コンピュータプログラム Download PDF

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Description

本発明は、互いに接触し合う第1物体と第2物体との接触面付近での距離を用いてこれら2物体間の接触面における圧力である接触面圧を計算する2物体間の接触面圧計算方法および2物体間の接触面圧計算コンピュータプログラムに関する。
従来から、互いに接触し合う2つの物体間、例えば、球状のボールが転動する内輪または外輪の2物体間や、丸棒状のころが転動する内輪または外輪の2物体間における接触面での圧力である接触面圧を計算によって求めることが試みられている。
例えば、下記特許文献1には、球状のボールが転動する内輪または外輪のように互いの接触面が平面状とみなせない共形接触する2つの物体間において、これら2つの物体間の接触面に作用する接触面圧をコンピュータ処理によって計算する方法が開示されている。また、下記特許文献2には、丸棒状のころが転動する内輪または外輪のように互いの接触面が平面状とみなせる非共形接触する2つの物体間において、これら2つの物体間の接触面に作用する接触面圧をコンピュータ処理によって計算する方法が開示されている。
特開2008−191025号公報 特開2008−262263号公報
これらの各特許文献1,2にそれぞれ開示された接触面圧の計算方法においては、2つの物体間の接触面付近に基準面を設定するとともに同基準面内に複数の測定点を設定して同基準面の垂直方向における各測定点に対する2つの物体ごとの各距離を用いて接触面圧を計算している。
この2物体間の接触面圧の計算過程についてもう少し詳しく説明すると、図7に示すような手順を経て計算される。すなわち、2物体間の接触面圧の計算をしようとするユーザは、まず、第1作業工程にて、接触面圧の計算対象となる2つの物体である第1物体および第2物体における互いの接触面付近の各形状をコンピュータに対して定義する。この場合、ユーザは、第1物体および第2物体における接触面付近の各形状を予め用意された複数種類の形状パターン(例えば、球体や円筒体など)を表す数字と同形状パターンによって表される形状の大きさ(寸法)を表す数値とをコンピュータに対して入力することによって2物体間における接触面付近の各形状を定義する。
次に、ユーザは、第2作業工程にて、コンピュータ上における第1物体と第2物体との接触面付近に基準面を前記第1物体および第2物体と同様の要領で定義する。次いで、ユーザは、第3作業工程にて、前記基準面上への測定点の設定方法を規定する情報をコンピュータに入力する。次いで、ユーザは、第4作業工程にて、コンピュータに対して第1物体と第2物体との間に作用する外力の大きさや方向、弾性係数(ポアソン比、ヤング率)および収束限度などの接触面圧の計算に必用な各種パラメータを設定する。
この後、ユーザは、第5作業工程にて、前記第1〜第4までの各作業工程によってそれぞれ入力した情報を用いて第1物体と第2物体との接触面圧を計算する面圧計算プログラムをコンピュータに実行させる。この面圧計算プログラムは、第1物体と第2物体との接触面付近に設定した前記基準面に前記測定点を設定して同基準面の垂直方向における各測定点に対する第1物体および第2物体ごとの各距離である第1距離z1および第2距離z2をそれぞれ計算した後、これらの第1距離z1および第2距離z2を用いて第1物体と第2物体との間の接触面圧を計算して出力している。
この場合、面圧計算プログラムは、第1距離z1および第2距離z2の各距離を第1物体および第2物体の各形状をそれぞれ表す形状規定式と基準面に対して垂直方向に延びる直線を表す直線規定式とを連立させた連立方程式を解くことによって特定している。
しかしながら、このような従来の2物体間における接触面圧の計算方法においては、基準面における各測定点に対する2つの物体ごとの各距離の計算に用いる2つの物体間の接触面付近の形状を予め用意された複数種類の形状パターンを表す数字と同形状パターンによって表される形状の大きさを表す数値とによってコンピュータに設定するため、コンピュータ内に設定した形状がユーザの意図した通りの形状であるか否かが数字や数値のみでは分かり難いとともに、複雑な形状を数字と数値のみで指定し難いという問題があった。
また、前記面圧計算プログラムにおける第1距離z1および第2距離z2の各計算においては、第1物体および第2物体の各形状を表す形状規定式が必要であるため、第1物体および第2物体が複数の曲面や平面で構成されている場合には、各曲面や平面ごとの形状規定式およびこれらの形状規定式の設定が必要となる。すなわち、従来の面圧計算プログラムを用いた接触面圧の計算方法においては、第1物体および第2物体を連続体として取り扱っているため、この連続体を構成して接触面圧の計算に必要なすべての面の形状規定式およびこの形状規定式の設定が必要となって接触面圧を計算するための準備作業が極めて複雑化および煩雑化するとともに接触面圧を計算できる第1物体および第2物体の形状のバリエーションが実質的に制限されるという問題があった。
本発明は上記問題に対処するためなされたもので、その目的は、接触面圧の計算対象となる2つの物体の形状を形状の複雑さに拘らず簡単かつ正確に入力することができ効率よく接触面圧を計算することができる2物体間の接触面圧方法および2物体間の接触面圧計算コンピュータプログラムを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の特徴は、互いに接触し合う第1物体と第2物体との接触面付近での距離を用いて前記接触面での圧力である接触面圧をコンピュータ処理によって計算する2物体間の接触面圧計算方法であって、少なくとも接触面付近における第1物体および第2物体の3次元形状をそれぞれ表す物体3次元CADデータを取得する物体3次元CADデータ取得ステップと、基準面を表す基準面3次元CADデータを取得する基準面3次元CADデータ取得ステップと、基準面内に複数の測定点を設定する測定点設定ステップと、物体3次元CADデータおよび基準面3次元CADデータを用いて第1物体、第2物体および基準面の各3次元形状をそれぞれ拡大する形状拡大ステップと、基準面の垂直方向における前記各測定点に対する第1物体および第2物体の各距離である第1距離および第2距離をそれぞれ計算する距離計算ステップと、距離計算ステップにて計算した第1距離および第2距離を距離計算ステップで用いた拡大倍率の逆数の倍率で縮小する復元ステップとを含むことにある。
このように構成した本発明の特徴によれば、2物体間の接触面圧計算方法は、接触面圧の計算対象となる第1物体および第2物体の形状を3次元CADデータである物体3次元CADデータで表すとともに、第1物体と第2物体との間に設定される基準面を3次元CADデータである基準面3次元CADデータで表している。これにより、本発明に係る2物体間の接触面圧計算方法においては、ユーザは、コンピュータの表示画面上において実際の第1物体および第2物体の形状を確認した上で第1距離および第2距離の計算を行うコンピュータに対して第1物体および第2物体の形状を設定することができる。
また、接触面圧を計算するコンピュータは、第1距離および第2距離の計算を物体3次元CADデータおよび基準面3次元CADデータを取り扱うことができるコンピュータ、例えば、3次元CADを実行することができるコンピュータに計算させることができるため、従来技術のように第1物体および第2物体における各構成面の形状を表す形状規定式を用いた第1距離および第2距離の計算が不要となる。すなわち、接触面圧を計算するコンピュータは、接触面圧の計算過程において別工程で離散的に計算された第1距離、第2距離および測定点における座標値をそれぞれ取り込むことによって簡単に2物体間の接触面圧を計算することができる。これにより、本発明に係る2物体間の接触面圧計算方法によれば、接触面圧の計算対象となる2つの物体の形状を形状の複雑さに拘らず簡単かつ正確に入力することができ効率よく2物体間の接触面圧を計算することができる。
また、接触面圧を計算するコンピュータは、第1物体、第2物体および基準面の各3次元形状を拡大した上で第1距離および第2距離をそれぞれ計算するとともに、この計算した各第1距離および第2距離を拡大率に対応する縮小率で縮小している。これにより、本発明に係る2物体間の接触面圧計算方法によれば、第1物体と第2物体とが非常に接近した部分や、基準面に対して第1物体および/または第2物体が非常に接近した部分についてコンピュータ上での分解能、モデリングトレランスおよび桁落ちによる第1距離および第2距離の計算精度の低下を防止することができる。
この場合、モデリングトレランスとは、図形要素(例えば、点や線)の座標値の精度のことであり、例えば、ある2つの点が互いに同じ位置であるか否かを判断する際に、2つの点の距離が許容誤差範囲内である場合には両者は同一点として認識されてしまう3次元CADソフトウェア上の許容誤差ともいうべきものである。
また、桁落ちとは、浮動小数点演算において計算結果が0に極端に近くなる加減算を行った場合に有効数字の桁数が極端に少なくなる現象であり、コンピュータ自身の計算誤差である。特に、本発明のように第1距離および第2距離を加減算で計算する場合においては、桁落ちの影響を受け易いものである。したがって、本発明に係る2物体間の接触面圧計算方法によれば、これらの影響を抑えてより高精度に2物体間の接触面圧を計算することができる。
また、本発明の他の特徴は、前記2物体間の接触面圧計算方法において、形状拡大ステップは、第1物体、第2物体および基準面の各3次元形状をそれぞれ少なくとも10倍以上の倍率で拡大することにある。
このように構成した本発明の他の特徴によれば、2物体間の接触面圧計算方法は、第1物体、第2物体および基準面の各3次元形状をそれぞれ10倍以上の倍率で拡大しているため、第1距離および第2距離をより精度良く計算することができる。この結果、本発明に係る2物体間の接触面圧計算方法によれば、より高精度に2物体間の接触面圧を計算することができる。なお、本発明者の実験によれば、第1物体、第2物体および基準面の各3次元形状をそれぞれ拡大する拡大率は、好ましくは10倍以上、より好ましくは100倍以上、具体的には10倍〜1000倍の範囲が好適である。
また、本発明の他の特徴は、前記2物体間の接触面圧計算方法において、第1物体および第2物体は、互いの接触面が共形接触していることにある。
このように構成した本発明の他の特徴によれば、2物体間の接触面圧計算方法は、2物体間の接触領域が接触部の物体半径に比べて大きい所謂共形接触している場合において第1距離および第2距離をより精度良く計算することができる。この結果、本発明に係る2物体間の接触面圧計算方法によれば、より高精度に2物体間の接触面圧を計算することができる。
また、本発明の他の特徴は、前記2物体間の接触面圧計算方法において、測定点設定ステップは、第1物体と第2物体との接触面における荷重が集中する個所または同荷重が急激に変化する個所に向かって複数の測定点の配置密度が高くなるように測定点を設定することにある。この場合、第1物体と第2物体との接触面における荷重が集中する個所としてはころにおける端部集中荷重(所謂エッジロード)がある。
このように構成した本発明の他の特徴によれば、2物体間の接触面圧計算方法は、測定点が第1物体と第2物体との接触面における荷重が集中する個所または同荷重が急激に変化する個所に向かって配置密度が高く設定されるため、第1距離および第2距離をより精度良く計算することができる。この結果、本発明に係る2物体間の接触面圧計算方法によれば、より高精度に2物体間の接触面圧を計算することができる。
また、本発明の他の特徴は、前記2物体間の接触面圧計算方法において、物体3次元CADデータ取得ステップ、基準面3次元CADデータ取得ステップ、測定点設定ステップ、形状拡大ステップ、距離計算ステップおよび復元ステップは、3次元CADシステムにおけるマクロ機能によってそれぞれ実行されることにある。
このように構成した本発明の他の特徴によれば、2物体間の接触面圧計算方法は、物体3次元CADデータ取得ステップ、基準面3次元CADデータ取得ステップ、測定点設定ステップ、形状拡大ステップ、距離計算ステップおよび復元ステップのうちの少なくとも1つが3次元CADシステムにおけるマクロ機能によって実行される。このため、ユーザは、3次元CADシステムを用いて第1物体および第2物体を作図する作業に続けて3次元CADシステム上で簡単に第1距離および第2距離を計算させることができる。すなわち、本発明に係る2物体間の接触面圧計算方法によれば、効率よく第1距離および第2距離を計算させることができ、結果として2物体間の接触面圧の計算を効率よく行うことができる。
また、本発明は2物体間の接触面圧計算方法として実施できるばかりでなく、2物体間の接触面圧計算コンピュータプログラムとしても実施できるものである。
具体的には、互いに接触し合う第1物体と第2物体との接触面付近での距離を用いて接触面での圧力である接触面圧をコンピュータ処理によって計算するための2物体間の接触面圧計算コンピュータプログラムであって、コンピュータに、少なくとも接触面付近における第1物体および第2物体の3次元形状をそれぞれ表す物体3次元CADデータを取得する物体3次元CADデータ取得ステップと、基準面を表す基準面3次元CADデータを取得する基準面3次元CADデータ取得ステップと、基準面内に複数の測定点を設定する測定点設定ステップと、物体3次元CADデータおよび基準面3次元CADデータを用いて第1物体、第2物体および基準面の各3次元形状をそれぞれ拡大する形状拡大ステップと、基準面の垂直方向における各測定点に対する第1物体および第2物体の各距離である第1距離および第2距離をそれぞれ計算する距離計算ステップと、距離計算ステップにて計算した第1距離および第2距離を距離計算ステップで用いた倍率の逆数の倍率で縮小する復元ステップとをそれぞれ実行させるようにすればよい。
この場合、形状拡大ステップは、第1物体、第2物体および基準面の各3次元形状をそれぞれ少なくとも10倍以上の倍率で拡大するとよい。
また、これらの場合、第1物体および第2物体は、互いの接触面が共形接触しているとよい。
また、これらの場合、測定点設定ステップは、第1物体と第2物体との接触面における荷重が集中する個所または同荷重が急激に変化する個所に向かって前記複数の測定点の配置密度が高くなるように測定点を設定するとよい。
また、これらの場合、物体3次元CADデータ取得ステップ、基準面3次元CADデー
タ取得ステップ、測定点設定ステップ、形状拡大ステップ、距離計算ステップおよび復元ステップは、3次元CADシステムにおけるマクロ機能によってそれぞれ実行されるとよい。
本発明の一実施形態に係る2物体間の接触面圧計算方法の実施の過程における距離計算に用いられる3次元CADシステムの構成を模式的に示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係る2物体間の接触面圧計算方法における2物体間の接触面圧の計算作業工程を示す工程流れ図である。 2つの物体間の接触面が平面状とみなせる非共形接触の場合における基準面および測定点の設定状態を説明するための説明図である。 2つの物体間の接触面が平面状とみなせない共形接触の場合における基準面および測定点の設定状態を説明するための説明図である。 図1に示すコンピュータが実行する2物体間の距離計算プログラムの処理過程を示すフローチャートである。 2つの物体間の接触面が平面状とみなせる非共形接触の場合における基準面に不等間隔で測定点を設定した状態を説明するための説明図である。 従来技術に係る2物体間の距離計算方法を用いた2物体間の接触面圧の計算作業工程を示す工程流れ図である。 本発明者が行なったコンピュータシミュレーション結果であって、形状拡大率ごとの平方和を表した棒グラフである。
以下、本発明に係る2物体間の接触面圧計算方法の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る2物体間の接触面圧計算方法の実施に用いられる3次元CADシステム100の構成を模式的に示すブロック図である。なお、本明細書において参照する各図は、本発明の理解を容易にするために一部の構成要素を誇張して表わすなど模式的に表している。このため、各構成要素間の寸法や比率などは異なっていることがある。
(3次元CADシステム100の構成)
3次元CADシステム100は、コンピュータ101を備えている。コンピュータ101は、CPU、ROM、RAM、ハードディスクなどからなるマイクロコンピュータによって構成されており、ROMまたはハードディスク内に記憶された3次元CADソフトウェアを実行することにより物体の3次元モデルを自動的に生成する。この場合、CADとはコンピュータ支援設計のことであり、3次元CADソフトウェアはコンピュータ上で物体の形状を立体的に表現しながら製図することができるコンピュータプログラムである。また、このコンピュータ101には、ハードディスク内に3次元CADソフトウェアの実行過程で実行される距離計算プログラムが記憶されている。この距離計算プログラムについては後述する。
コンピュータ101には、入力装置102および表示装置103がそれぞれ接続されている。入力装置102は、コンピュータ101に対してユーザの指示や製図に必要なデータなどの各種情報を入力するための入力機器であり、キーボードおよびマウスによって構成されている。表示装置103は、コンピュータ101の作動状態を表示するための出力機器であり、液晶ディスプレイによって構成されている。すなわち、本実施形態における3次元CADシステム100は、3次元CADのためのワークステーションによって構成されている。
(3次元CADシステム100の作動)
次に、このように構成した3次元CADシステム100を用いて2物体間の接触面での圧力である接触面圧を計算する工程について図2に示す工程流れ図を参照しながら説明する。
まず、ユーザは、第1作業工程にて、図2および図3に示すように、互いに接触し合う第1物体200および第2物体300の形状をそれぞれ表す物体3次元CADデータを作成する。この場合、第1物体200と第2物体300とが互に接触し合う形態には、主に2つある。すなわち、1つ目は、図3に示すように、第1物体200と第2物体300とがそれぞれ丸棒状のころで構成されて互いに転動し合うことにより、接触面CPが平面状とみなせる非共形接触する形態である。また、2つ目は、図4に示すように、第1物体200が球体で構成されるとともに第2物体300が凹状に凹む球面を有して構成されて第1物体200が第2物体300上を転動することにより、接触面CP(図示せず)が平面状とみなすことができない共形接触する形態である。
したがって、ユーザは、これら2つの接触形態のうちの一方の接触形態で接触する第1物体200と第2物体300との各形状を表す物体3次元CADデータを生成する。具体的には、ユーザは、3次元CADシステム100を起動させて3次元CADソフトウェアを実行させることによって、3次元CADソフトウェア上で第1物体200および第2物体300の各形状をそれぞれ作図する。この場合、ユーザは、互いに接触し合う第1物体200と第2物体300との間の接触面CPにおいて、少なくとも接触面圧の計算を希望する接触面CPおよび同接触面CPの付近の形状の範囲で第1物体200および第2物体300の各形状を作図する。これにより、ユーザは、3次元CADシステム100上において第1物体200および第2物体300の各形状を表す物体3次元CADデータをそれぞれ取得する。
次に、ユーザは、第2作業工程にて、基準面BPの形状を表す基準面3次元CADデータを作成する。ここで、基準面BPとは、第1物体200と第2物体300との間の距離を測定する際に基準として用いる平面または曲面である。具体的には、ユーザは、3次元CADソフトウェア上で第1物体200と第2物体300との間に基準面BPを作図する。これにより、ユーザは、3次元CADシステム100上において基準面BPを表す基準面3次元CADデータを取得する。
なお、この場合、基準面BPは、必ずしも第1物体200と第2物体300との間に設定する必要はないが第1物体200と第2物体300との間の接触面CPの付近に設定することが好適である。また、この基準面BPは、圧力や応力の計算を希望する接触面CPおよび同接触面CPの付近の形状の範囲よりも若干大きめの平面状または曲面状に形成される。すなわち、丸棒状のころが転動する内輪または外輪のように互いの接触面CPが平面状とみなせる非共形接触する2つの物体間においては基準面BPは平面上に形成され(図3参照)、球状のボールが転動する内輪または外輪のように互いの接触面CPが平面状とみなせない共形接触する2つの物体間においては基準面BPは曲面状に形成される(図4参照)。
次に、ユーザは、第3作業工程にて、物体3次元CADデータおよび基準面3次元CADデータについて中間CADデータを作成する。ここで、中間CADデータとは、物体3次元CADデータおよび基準面3次元CADデータを互いに異なる3次元CADシステム間において共通して使用可能な汎用性を有するデータ形式(例えば、IGESデータなど)に変換したものである。この物体3次元CADデータおよび基準面3次元CADデータの中間CADデータへの変換は、3次元CADシステム100が実行する3次元CADソフトウェアが一般的に有している変換機能を実行することにより行われる。
次に、ユーザは、第4作業工程にて、距離z1および距離z2を計算する。この場合、第1距離z1および第2距離z2とは、図3および図4にそれぞれ示すように、互いに接触し合う第1物体200と第2物体300との接触面CPの付近に基準面BPを設定するとともに同基準面BP内に複数の測定点MPを設定して同基準面BPの垂直方向における各測定点MPに対する第1物体200および第2物体300までの各距離である。
この距離z1および距離z2の計算処理は、図5に示す2物体間の距離計算プログラムによってそれぞれ計算される。したがって、ユーザは、コンピュータ101に対してこの2物体間の距離計算プログラムの実行を指示する。なお、この2物体間の距離計算プログラムは、3次元CADソフトウェア上で3次元CADソフトウェアの特定の機能を別プログラムで実行させる所謂マクロ機能によって実行されるものである。
コンピュータ101は、2物体間の距離計算プログラムの実行をステップS100にて開始して、ステップS102にて、測定点規定情報を入力する測定点規定情報入力ステップを実行する。ここで、測定点規定情報とは、基準面BP内に設定する測定点MPの設定方法を表した情報であり、より具体的には、測定点の設定位置、数、測定点同士の間隔および設定範囲をそれぞれ規定したものである。この測定点規定情報は、ユーザにより予めコンピュータ101のハードディスクなどの所定の記憶装置内に予め設定されている。
したがって、コンピュータ101は、ハードディスクなどの所定の記憶装置内に記憶されている測定点規定情報を読み出して取得する。なお、このステップS102における測定点規定情報を入力する処理は、コンピュータ101側からユーザに対して測定点規定情報の入力を要求して、この要求に応じてユーザが直接コンピュータ101に対して入力するようにしてもよい。
次に、コンピュータ101は、ステップS104にて、基準面BP内に測定点MPを設定する測定点自動設定ステップを実行する。ここで、測定点MPとは、基準面BP内において第1物体200および第2物体300に対する距離を測定する位置である。具体的には、コンピュータ101は、前記ステップS102にて入力した測定点規定情報に基づいて基準面BP上に複数の測定点を設定する。この場合、測定点MPは、図3および図4に示すように、各測定点MP間が等間隔に配置されてもよいし、例えば、図6に示すように、接触面CPまたは接触面CPのエッジ部に近づく程各測定点MP間の間隔を密にするように配置してもよい。すなわち、測定点MPは、第1物体200と第2物体300との間で面圧計算や応力計算が必要となる位置や領域、より具体的には、第1物体200と第2物体300との接触面CPにおける荷重が集中する個所または同荷重が急激に変化する個所に向かって測定点MPの配置密度を高く設定することができる。
次に、コンピュータ101は、ステップS106にて、第1物体200、第2物体300および基準面BPをそれぞれ拡大する形状拡大ステップを実行する。具体的には、コンピュータ101は、中間CADデータ化された物体3次元CADデータおよび基準面3次元CADデータによってそれぞれ表された第1物体200、第2物体300および基準面BPをコンピュータ101に予め設定された倍率の拡大率で拡大する。本実施形態においては、コンピュータ101には、ユーザによって1000倍の拡大率が予め設定されている。これにより、物体3次元CADデータおよび基準面3次元CADデータによってそれぞれ表された第1物体200、第2物体300および基準面BPは、元の大きさに対して1000倍された大きさに拡大される。この場合、測定点MPは基準面BPとともに1000倍された基準面BP上の各位置に配置される。なお、この形状拡大ステップにおいてコンピュータ101は、第1物体200、第2物体300および基準面BPの拡大処理に際してユーザに対して拡大率を問い合わせるように構成することもできる。
次に、コンピュータ101は、ステップS108にて、距離z1および距離z2をそれぞれ計算する距離計算ステップを実行する。具体的には、コンピュータ101は、基準面BP上に設定した測定点MPごとに基準面BPに対して垂線を描画するとともにこの垂線と第1物体200および第2物体300との各交点をそれぞれ計算して特定する。次いで、コンピュータ101は、3次元CADソフトウェアにおける距離測定機能を利用して垂線を描画した測定点MPと前記特定した第1物体200および第2物体300ごとの各交点との距離を正負の符号を付して計算することにより距離z1および距離z2とする。この場合、コンピュータ101は、基準面BP上に設定したすべての測定点MPに対して距離z1および距離z2をそれぞれ計算する。
この場合、コンピュータ101は、第1物体200、第2物体300および基準面BPが本来の大きさに対して1000倍されているため、第1物体200と第2物体300とが非常に接近した部分や、基準面BPに対して第1物体200および/または第2物体300が非常に接近した部分についてコンピュータ101上における桁落ちを防止しながら距離z1および距離z2をそれぞれ計算することができる。すなわち、この距離計算ステップにおいては、コンピュータ101は、本来の距離z1および距離z2に対して1000倍の長さの距離z1および距離z2をそれぞれ計算する。
次に、コンピュータ101は、ステップS110にて、前記距離ステップにて算出した距離z1および距離z2を本来の値に変換する復元ステップを実行する。具体的には、コンピュータ101は、前記距離ステップにて算出した距離z1および距離z2に対して前記距離ステップで使用した倍率の逆数の倍率を乗算して縮小する。本実施形態においては、コンピュータ101は、前記距離ステップにて算出した距離z1および距離z2をそれぞれ1/1000倍する。これにより、コンピュータ101は、第1物体200、第2物体300および基準面BP本来の大きさに基づく距離z1および距離z2を精度良く計算することができる。
次に、コンピュータ101は、ステップS112にて、距離z1および距離z2を保存する。具体的には、コンピュータ101は、ユーザによって指定された記憶装置(例えば、ハードディスクやクリップドライブ)に前記ステップS110にて計算した距離z1および距離z2をそれぞれ記憶する。そして、コンピュータ101は、ステップS114にて、この2物体間の距離計算プログラムの実行を終了する。これにより、基準面BPの各測定点MPごとに同各測定点MPに対する基準面BPの垂直方向での第1物体200および第2物体300の各距離である第1距離z1および第2距離z2がそれぞれ取得される。
次に、ユーザは、第5作業工程にて、コンピュータ101に対して第1物体200と第2物体300との間に作用する外力の大きさや方向、弾性係数(ポアソン比、ヤング率)および収束限度などの接触面圧の計算に必用な各種パラメータを設定する。
次に、ユーザは、第6作業工程にて、前記第4作業工程によって取得した第1距離z1および第2距離z2を用いて、第1物体200と第2物体300との接触面CPでの圧力である接触面圧を計算する。具体的には、ユーザは、第1物体200と第2物体300との接触面CPでの圧力を計算するための図示しない面圧計算プログラムを図示しない面圧計算用コンピュータ(例えば、パーソナルコンピュータ(所謂パソコン))に実行させることによって計算する。
この場合、面圧計算プログラムによる接触面CPでの接触面圧の計算は公知技術であるため詳しい説明は省略するが、この面圧計算プログラムは、前記2物体間の距離計算プログラムの実行によって計算した距離z1および距離z2、弾性係数(ポアソン比、ヤング率)および2物体間に作用する外力を用いて第1物体200と第2物体300との接触面CPでの接触面圧を計算する。
したがって、ユーザは、面圧計算用コンピュータに対して面圧計算プログラムの実行を指示する。この場合、ユーザは、前記第4作業工程で前記2物体間の距離計算プログラムを実行することによって得た計算した距離z1,距離z2および前記5作業工程にてコンピュータ101に設定した第1物体200と第2物体300との間に作用する外力の大きさや方向、弾性係数(ポアソン比、ヤング率)および収束限度などの接触面圧の計算に必用な各種パラメータをネットワークを通じて、またはクリップドライブやハードディスクなどの外部記憶装置を通じて、さらにはキーボードからの入力を通じて面圧計算用コンピュータに入力する。そして、面圧計算用コンピュータは、ユーザからの指示に応答して面圧計算プログラムを実行することにより、第1物体200と第2物体300との接触面CPでの接触面圧を計算してユーザに対して出力する。これにより、ユーザは、第1物体200と第2物体300との接触面CPでの接触面圧を取得することができ、この2物体間における接触面圧の計算作業が終了する。
ここで、本発明者が行なった第1距離z1および第2距離z2の計算精度に関するコンピュータシミュレーションの結果について説明する。このコンピュータシミュレーションは、2mm×2mmの正方形の基準面上に接する半径10mmの球体(第1物体100または第2物体200に相当)について、基準面BPを互いに直交するX軸方向およびY軸方向にそれぞれ20分割した各交点を測定点BPとして基準面BPと球体表面との距離を計算するとともに、球体を基準面に直交する面で二等分した一方の半球部分と他方の半球部分とで対応する各測定点BPごとの誤差を計算したものある。
この場合、本来であれば、一方の半球部分での球体表面と基準面BPとの距離とこの点に対応する他方の半球部分での球体表面と基準面BPとの距離とは球の対称性から理論上は完全一致するはずである。しかしながら、本発明者によるコンピュータシミュレーションによれば、図8に示すように、本発明を適用しない場合(図8において「1倍」)と本発明を適用した場合(図8において「10倍」,「100倍」,「1000倍」)とでは、一方の半球部分における距離と他方の半球部分における距離との差の平方和(RSS)に相違が生じることが確認された。
すなわち、2物体間の距離計算プログラムにおけるステップS106の形状拡大処理にて球体および基準面を拡大することによって一方の半球部分における距離と他方の半球部分における距離との平方和が小さくなる。この場合、平方和は、球体および基準面をそれぞれ拡大する倍率が10倍、100倍および1000倍に大きくなる程、小さくなることが確認された。
上記作動説明からも理解できるように、上記実施形態によれば、2物体間の距離計算方法は、接触面CPでの圧力の計算対象となる第1物体200および第2物体300の形状を3次元CADデータである物体3次元CADデータで表すとともに、第1物体200と第2物体300との間に設定される基準面BPを3次元CADデータである基準面3次元CADデータで表している。これにより、本発明に係る2物体間の距離計算方法においては、ユーザは、コンピュータ101の表示装置103の画面上において実際の第1物体200および第2物体300の形状を確認した上でコンピュータ101に対して第1物体200および第2物体300の形状を設定することができる。
また、接触面圧を計算するコンピュータ101は、第1距離z1および第2距離z2の計算を物体3次元CADデータおよび基準面3次元CADデータを取り扱うことができるコンピュータ101における3次元CADソフトウェア上で計算させることができるため、従来技術のように第1物体200および第2物体300における各構成面の形状を表す形状規定式を用いた第1距離z1および第2距離z2の計算が不要となる。すなわち、接触面圧を計算するコンピュータ101は、接触面圧の計算過程において別工程である2物体間の距離計算プログラムの実行で離散的に計算された第1距離z1および第2距離z2を取り込むことによって簡単に2物体間の接触面圧を計算することができる。これにより、本発明に係る2物体間の接触面圧計算方法によれば、接触面圧の計算対象となる2つの物体の形状を形状の複雑さに拘らず簡単かつ正確に入力することができ効率よく2物体間の接触面圧を計算することができる。
また、接触面圧を計算するコンピュータ101は、第1物体200、第2物体300および基準面BPの各3次元形状を1000倍の拡大率で拡大した上で第1距離z1および第2距離z2をそれぞれ計算するとともに、この計算した各第1距離z1および第2距離z2を前記拡大率に対応する縮小率で縮小している。これにより、本発明に係る2物体間の接触面圧計算方法によれば、第1物体200と第2物体300とが非常に接近した部分や、基準面に対して第1物体200および/または第2物体300が非常に接近した部分についてコンピュータ101上での分解能、モデリングトレランスおよび桁落ちによる第1距離z1および第2距離z2の計算精度の低下を防止することができる。この結果、本発明に係る2物体間の接触面圧計算方法によれば、より高精度に2物体間の接触面圧を計算することができる。
さらに、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態においては、形状拡大ステップにおいて第1物体200、第2物体300および基準面BPの各3次元形状を拡大する拡大率を1000倍に設定した。しかし、拡大率は、コンピュータ101上の桁落ちによる第1距離z1および第2距離z2の計算結果の信頼性を許容できる範囲の倍率に設定されていれば、必ずしも上記実施形態に限定されるものではない。本発明者の実験によれば、拡大率は2倍以上、好ましくは10倍以上、より好ましくは100倍以上、具体的には100倍〜1000倍の範囲が好適である。
また、上記実施形態においては、形状拡大ステップは、コンピュータ101内の内部処理として実行させてユーザが形状拡大ステップの実行を視覚的に認識できない構成とした。しかし、形状拡大ステップにおいては、物体3次元CADデータおよび基準面3次元CADデータによってそれぞれ表される第1物体200、第2物体300および基準面BPを拡大する過程や拡大した結果の状態を表示装置103に表示させるように構成することもできる。
また、上記実施形態においては、復元ステップにおいて第1距離z1および第2距離z2のみを処理対象とした。しかし、復元ステップにおいては、第1距離z1および第2距離z2に加えて第1物体200、第2物体300および基準面BPの各3次元形状を本来の大きさに復元するように構成することもできる。
例えば、上記実施形態においては、距離z1および距離z2を3次元CADシステム100によって計算した。しかし、距離z1および距離z2の計算は、物体3次元CADデータおよび基準面3次元CADデータを取り扱うことができるとともに2物体間の距離計算プログラムを実行できるコンピュータであれば、必ずしも上記実施形態に限定されるものではない。例えば、一般的なパーソナルコンピュータ(所謂パソコン)に3次元CADソフトウェアおよび2物体間の距離計算プログラムをインストールして距離z1および距離z2を計算するようにしてもよい。この場合、ユーザは、3次元CADソフトウェアおよび2物体間の距離計算プログラムをインストールしたパーソナルコンピュータに、面圧計算プログラムもインストールすることによって距離z1および距離z2の計算から接触面圧の計算までを1つのコンピュータで行うことができる。
また、上記実施形態においては、基準面BP内への測定点MPの設定をコンピュータ101によって自動的に設定するように構成した。しかし、測定点MPの設定は、ユーザが3次元CADシステム100を操作することによって手動で行うようしてもよい。
また、上記実施形態においては、3次元CADソフトウェアのマクロ機能によって2物体間の距離計算プログラムを実行することにより測定点MPの設定から距離z1および距離z2の計算までを行うように構成した。すなわち、3次元CADソフトウェアのマクロ機能によって測定点設定ステップ、形状拡大ステップ、距離計算ステップおよび復元ステップを実行した。しかし、3次元CADソフトウェアのマクロ機能としては、これらに代えてまたは加えて、第1物体200および第2物体300の形状を表す物体3次元CADデータを取得する物体3次元CADデータ取得ステップ、基準面BPを表す基準面3次元CADデータを取得する基準面3次元CADデータ取得ステップを実行させることができる。
例えば、予め物体3次元CADデータおよび基準面3次元CADデータが生成されている場合には、物体3次元CADデータ取得ステップ、基準面3次元CADデータ取得ステップ、測定点設定ステップ、形状拡大ステップ、距離計算ステップおよび復元ステップおよび接触面圧計算実行ステップのすべてを3次元CADシステム100のマクロ機能によって実行するようにしてもよい。また、例えば、物体3次元CADデータ、基準面3次元CADデータ、基準面BPおよび測定点MPの生成および設定をユーザが個々に行って形状拡大ステップ、距離計算ステップおよび復元ステップを3次元CADシステム100のマクロ機能によって実行することもできる。すなわち、3次元CADシステム100におけるマクロ機能は、物体3次元CADデータ取得ステップ、基準面3次元CADデータ取得ステップ、測定点設定ステップ、形状拡大ステップ、距離計算ステップおよび復元ステップのうちの少なくとも1つを実行するように構成することができる。

また、上記実施形態においては、1つの3次元CADシステム100によって物体3次元CADデータの生成から距離z1および距離z2の計算を行うようにした。しかし、上記実施形態における第3作業工程で生成した中間CADデータを用いれば、互いに異なるデータ形式を採用する3次元CADシステム間において共通して物体3次元CADデータおよび基準面3次元CADデータを用いることができる。これにより、ユーザは、3次元CADシステムのデータ形式に依存することなく幅広い形式の3次元CADシステムにおいて2物体間の接触面での圧力および同接触面付近下の応力の計算することができる。なお、この中間CADデータに変換する工程である中間CADデータ生成ステップは、物体3次元CADデータおよび基準面3次元CADデータのうちの少なくとも一方を中間CADデータに変換するように構成すればよい。したがって、中間CADデータ生成ステップは、物体3次元CADデータの生成後、または基準面3次元CADデータの生成後に行うことができるとともに、形状拡大ステップの後に行うようにすることもできる。
また、物体3次元CADデータおよび基準面3次元CADデータを中間CADデータに変換する必要がない場合、例えば、ある特定のデータ形式を採用する3次元CADシステムのみで2物体間の接触面圧を計算する場合には、上記実施形態の第3作業工程における中間CADデータの生成工程は省略することができる。
また、上記実施形態においては、取得した第1距離z1および第2距離z2を用いて第1物体200と第2物体300との接触面CPでの圧力である接触面圧を計算するように構成した。しかし、ユーザは、この計算した接触面圧を用いて、さらに、同接触面CP付近下の応力をコンピュータ処理によって計算することもできる。
また、上記実施形態においては、第1物体200と第2物体300とが直接接触し合う所謂ドライの接触状態における第1距離z1と第2距離z2とをそれぞれ計算して接触面圧、すなわち、局部的弾性変形を計算するように構成した。しかし、本発明は、第1物体200と第2物体300とが互に直接接触し合う他、間接的に接触し合う場合、例えば、第1物体200と第2物体300と間に潤滑剤を介在させた所謂ウエットの状態における第1物体200と第2物体300と間で第1距離z1と第2距離z2とをそれぞれ計算して接触面圧を計算するように構成することもできる。すなわち、本発明は、第1物体200と第2物体300と間に潤滑剤を介在する弾性流体潤滑理論において第1物体200と第2物体300との接触面圧を計算することもできる。また、この場合、本発明は、第1物体200と第2物体300と間の潤滑剤の温度分布をも考慮する熱弾性流体理論において第1物体200と第2物体300との接触面圧を計算することもできる。
z1,z2…距離、BP…基準面、MP…測定点、CP…接触面、
100…3次元CADシステム、101…コンピュータ、102…入力装置、103…表示装置、
200…第1物体、
300…第2物体。

Claims (10)

  1. 互いに接触し合う第1物体と第2物体との接触面付近での距離を用いて前記接触面での圧力である接触面圧をコンピュータ処理によって計算する2物体間の接触面圧計算方法であって、
    コンピュータ
    少なくとも前記接触面付近における前記第1物体および前記第2物体の3次元形状をそれぞれ表す物体3次元CADデータを取得する物体3次元CADデータ取得ステップと、
    前記接触面付近に設定した基準面の3次元形状を表す基準面3次元CADデータを取得する基準面3次元CADデータ取得ステップと、
    前記基準面内に複数の測定点を設定する測定点設定ステップと、
    前記物体3次元CADデータおよび前記基準面3次元CADデータを用いて前記第1物体、前記第2物体および前記基準面の各3次元形状をそれぞれ拡大する形状拡大ステップと、
    前記基準面の垂直方向における前記各測定点に対する前記第1物体および前記第2物体の各距離である第1距離および第2距離をそれぞれ計算する距離計算ステップと、
    前記距離計算ステップにて計算した前記第1距離および前記第2距離を前記距離計算ステップで用いた倍率の逆数の倍率で縮小する復元ステップとをそれぞれ実行することを特徴とする2物体間の接触面圧計算方法。
  2. 請求項1に記載した2物体間の接触面圧計算方法において、
    前記形状拡大ステップは、
    前記第1物体、前記第2物体および前記基準面の各3次元形状をそれぞれ少なくとも10倍以上の倍率で拡大することを特徴とする2物体間の接触面圧計算方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載した2物体間の接触面圧計算方法において、
    前記第1物体および前記第2物体は、
    互いの接触面が共形接触していることを特徴とする2物体間の接触面圧計算方法。
  4. 請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1つに記載した2物体間の接触面圧計算方法において、
    前記測定点設定ステップは、
    前記第1物体と前記第2物体との前記接触面における荷重が集中する個所または同荷重が急激に変化する個所に向かって前記複数の測定点の配置密度が高くなるように前記測定点を設定することを特徴とする2物体間の接触面圧計算方法。
  5. 請求項1ないし請求項4のうちのいずれか1つに記載した2物体間の接触面圧計算方法において、
    前記物体3次元CADデータ取得ステップ、前記基準面3次元CADデータ取得ステップ、前記測定点設定ステップ、前記形状拡大ステップ、前記距離計算ステップおよび前記復元ステップは、3次元CADシステムにおけるマクロ機能によってそれぞれ実行されることを特徴とする2物体間の接触面圧計算方法。
  6. 互いに接触し合う第1物体と第2物体との接触面付近での距離を用いて前記接触面での圧力である接触面圧をコンピュータ処理によって計算する2物体間の接触面圧計算コンピュータプログラムであって、
    コンピュータ
    少なくとも前記接触面付近における前記第1物体および前記第2物体の3次元形状をそれぞれ表す物体3次元CADデータを取得する物体3次元CADデータ取得ステップと、
    前記接触面付近に設定した基準面の3次元形状を表す基準面3次元CADデータを取得する基準面3次元CADデータ取得ステップと、
    前記基準面内に複数の測定点を設定する測定点設定ステップと、
    前記物体3次元CADデータおよび前記基準面3次元CADデータを用いて前記第1物体、前記第2物体および前記基準面の各3次元形状をそれぞれ拡大する形状拡大ステップと、
    前記基準面の垂直方向における前記各測定点に対する前記第1物体および前記第2物体の各距離である第1距離および第2距離をそれぞれ計算する距離計算ステップと、
    前記距離計算ステップにて計算した前記第1距離および前記第2距離を前記距離計算ステップで用いた倍率の逆数の倍率で縮小する復元ステップとをそれぞれ実行することを特徴とする2物体間の接触面圧計算コンピュータプログラム。
  7. 請求項6に記載した2物体間の接触面圧計算コンピュータプログラムにおいて、
    前記形状拡大ステップは、
    前記第1物体、前記第2物体および前記基準面の各3次元形状をそれぞれ少なくとも10倍以上の倍率で拡大することを特徴とする2物体間の接触面圧計算コンピュータプログラム。
  8. 請求項6または請求項7に記載した2物体間の接触面圧計算コンピュータプログラムにおいて、
    前記第1物体および前記第2物体は、
    互いの接触面が共形接触していることを特徴とする2物体間の接触面圧計算コンピュータプログラム。
  9. 請求項6ないし請求項8のうちのいずれか1つに記載した2物体間の接触面圧計算コンピュータプログラムにおいて、
    前記測定点設定ステップは、
    前記第1物体と前記第2物体との前記接触面における荷重が集中する個所または同荷重が急激に変化する個所に向かって前記複数の測定点の配置密度が高くなるように前記測定点を設定することを特徴とする2物体間の接触面圧計算コンピュータプログラム。
  10. 請求項6ないし請求項9のうちのいずれか1つに記載した2物体間の接触面圧計算コンピュータプログラムにおいて、
    前記物体3次元CADデータ取得ステップ、前記基準面3次元CADデータ取得ステップ、前記測定点設定ステップ、前記形状拡大ステップ、前記距離計算ステップおよび前記復元ステップは、3次元CADシステムにおけるマクロ機能によってそれぞれ実行されることを特徴とする2物体間の接触面圧計算コンピュータプログラム。
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