JP6308342B1 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】目標舵角速度と舵角速度の偏差に応じてPID制御等を行うハンドル戻り制御において、操舵トルク及びアシスト電流に含まれる運転者の操舵意図若しくは車両運動特性のみを目標舵角速度の算出に用いることで、運転者の意図に合ったハンドル戻り制御の機能を備えた電動パワーステアリング装置を提供する。【解決手段】操舵トルクに基づいて演算された電流指令値によりモータを駆動し、モータの駆動制御によって操舵系をアシスト制御する電動パワーステアリング装置において、操舵トルク、電流指令値、車速、舵角によってハンドル戻しのための目標舵角速度を演算し、舵角速度と目標舵角速度の偏差に基づいてハンドル戻し制御電流を演算すると共に、目標舵角速度の演算経路に操舵入力以上若しくは車両運動特性以上の周波数成分を減衰させるフィルタを介挿したハンドル戻し制御部を備え、ハンドル戻し制御電流で電流指令値を補正してモータを駆動する。【選択図】図3

Description

本発明は、電流指令値に基づいてインバータによりモータをPWM制御して操舵系にアシストトルクを付与する電動パワーステアリング装置に関し、特に目標舵角速度と舵角速度の偏差に応じてPID(比例・積分・微分)制御等を行うハンドル戻し制御において、操舵トルク及びアシストトルク(電流指令値)に含まれる運転者の意図した操舵入力若しくは操舵入力に基づく車両運動特性のみを目標舵角速度の算出に用いることで、運転者の意図に合ったハンドル戻し制御を行う機能を有する電動パワーステアリング装置に関する。
車両のステアリング機構にモータの回転力でアシストトルクを付与する電動パワーステアリング装置(EPS)は、モータの駆動力を減速機構を介してギア又はベルト等の伝達機構により、ステアリングシャフト或いはラック軸に操舵補助力を付与するようになっている。かかる従来の電動パワーステアリング装置(EPS)は、アシストトルクを正確に発生させるため、モータ電流のフィードバック制御を行っている。フィードバック制御は、操舵補助指令値(電流指令値)とモータ電流検出値との差が小さくなるようにモータ印加電圧を調整するものであり、モータ印加電圧の調整は、一般的にPWM(パルス幅変調)制御のデューティの調整で行っている。
電動パワーステアリング装置の一般的な構成を図1に示して説明すると、ハンドル1のコラム軸(ステアリングシャフト、ハンドル軸)2は減速ギア3、ユニバーサルジョイント4a及び4b、ラック・ピニオン機構5、タイロッド6a,6bを経て、更にハブユニット7a,7bを介して操向車輪8L,8Rに連結されている。また、コラム軸2には、ハンドル1の操舵トルクTdを検出するトルクセンサ10及び操舵角θを検出する舵角センサ14が設けられており、ハンドル1の操舵力を補助するモータ20が減速ギア3を介してコラム軸2に連結されている。電動パワーステアリング装置を制御するコントロールユニット(ECU)30には、バッテリ13から電力が供給されると共に、イグニションキー11を経てイグニションキー信号が入力される。コントロールユニット30は、トルクセンサ10で検出された操舵トルクTdと車速センサ12で検出された車速Vとに基づいてアシスト(操舵補助)指令の電流指令値の演算を行い、電流指令値に補償等を施した電圧制御指令値Vrefによってモータ20に供給する電流を制御する。舵角センサ14は必須のものではなく、配設されていなくても良い。
コントロールユニット30には、車両の各種情報を授受するCAN(Controller Area Network)50が接続されており、車速VはCAN50から受信することも可能である。また、コントロールユニット30には、CAN50以外の通信、アナログ/ディジタル信号、電波等を授受する非CAN51も接続可能である。
コントロールユニット30は主としてCPU(Central Processing Unit)(MCU(Micro Controller Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等も含む)で構成されるが、そのCPU内部においてプログラムで実行される一般的な機能を示すと図2のようになる。
図2を参照してコントロールユニット30の機能及び動作を説明すると、トルクセンサ10で検出された操舵トルクTd及び車速センサ12で検出された(若しくはCAN50からの)車速Vは、電流指令値Iref1を演算する電流指令値演算部31に入力される。電流指令値演算部31は、入力された操舵トルクTd及び車速Vに基づいてアシストマップ等を用いて、モータ20に供給する電流の制御目標値である電流指令値Iref1を演算する。電流指令値Iref1は加算部32Aを経て電流制限部33に入力され、最大電流を制限された電流指令値Irefmが減算部32Bに入力され、フィードバックされているモータ電流値Imとの偏差I(=Irefm-Im)が演算され、その偏差Iが操舵動作の特性改善のためのPI制御部35に入力される。PI制御部35で特性改善された電圧制御指令値VrefがPWM制御部36に入力され、更に駆動部としてのインバータ37を介してモータ20がPWM駆動される。モータ20の電流値Imはモータ電流検出器38で検出され、減算部32Bにフィードバックされる。インバータ37は駆動素子としてFETが用いられ、FETのブリッジ回路で構成されている。
加算部32Aには補償信号生成部34からの補償信号CMが加算されており、補償信号CMの加算によって操舵システム系の特性補償を行い、収れん性や慣性特性等を改善するようになっている。補償信号生成部34は、セルフアライニングトルク(SAT)343と慣性342を加算部344で加算し、その加算結果に更に収れん性341を加算部345で加算し、加算部345の加算結果を補償信号CMとしている。
このような電動パワーステアリング装置では、減速ギアやラック・ピニオンにより摩擦が大きく、また、アシストトルクを発生させるためのモータによりステアリング軸回りの等価慣性モーメントが大きい。そのため、セルフアライニングトルク(SAT)が小さい低車速域などでは、摩擦の方が大きいことによりハンドル戻りが悪くなる。これは直進状態においてSATのみでは舵角が中立点まで戻ってこないため、運転者の操舵介入により中立点まで戻す必要があり、運転者の負担となる。
一方、SATが大きい高車速域ではSATが大きいため、ハンドル戻りの舵角速度は低車速に比べて速くなる傾向にあるが、慣性モーメントが大きいため慣性トルクも大きく、舵角の中立点でハンドルが収束せず、オーバーシュートしてしまうため、車両特性が不安定に感じられる。
従って、低車速ではハンドル戻りを補助するため、また、高車速では車両特性を安定にするために収れん性を増加させることが必要となり、それらを達成するために様々なハンドル戻り時に適度なアシストをするための制御手法が提案されている。それらのハンドル戻り制御の中でも、運転者による操舵介入時でも滑らかなハンドル戻り制御を行うことを目的とした先行技術として、特許第4685557号公報(特許文献1)に示される電動パワーステアリング装置がある。
特許文献1の装置では、目標舵角速度に追従するように構成された制御器において、ベース目標舵角速度を車速及びトルクによる乗算及び加算の補正で、目標舵角速度を算出している。運転者による操舵介入時には、トルクが加わった方向に目標舵角速度を補正することで、運転者操舵時の違和感を減少させている。
特許第4685557号公報
手放し状態で滑らかなハンドル戻りを実現させるためには、舵角加速度が大きく変動せずに、舵角中立点で舵角速度が0となることが良い。しかしながら、特許文献1記載の装置では、目標舵角速度を設定する際には、操舵トルクによる補正を行っているが、アシストトルクによる補正は行っていない。アシストトルクは一般的に車速が大きくなるほど小さくなるように設定するため、操舵トルク及び車速による補正では、好ましい補正量の算出に手間がかかることが課題となっている。また、過大な設定値となっている場合にはハンドル戻り制御が過大に働き、運転者にとって違和感になることがある。
本発明は上述のような事情よりなされたものであり、本発明の目的は、目標舵角速度と舵角速度の偏差に応じてPID制御等を行うハンドル戻り制御において、操舵トルク及びアシスト電流に含まれる運転者の操舵意図若しくは車両運動特性のみを目標舵角速度の算出に用いることで、運転者の意図に合ったハンドル戻り制御の機能を備えた電動パワーステアリング装置を提供することにある。
本発明は、少なくとも操舵トルクに基づいて電流指令値を演算し、前記電流指令値に基づいてモータを駆動し、前記モータの駆動制御によって操舵系をアシスト制御する電動パワーステアリング装置に関し、本発明の上記目的は、前記操舵トルク、前記電流指令値、車速、舵角によってハンドル戻しのための目標舵角速度を演算し、舵角速度と前記目標舵角速度の偏差に基づいてハンドル戻し制御電流を演算すると共に、前記目標舵角速度の演算経路に操舵入力以上若しくは前記操舵入力に基づく車両運動特性以上の周波数成分を減衰させるフィルタを介挿したハンドル戻し制御部を備え、前記ハンドル戻し制御電流で前記電流指令値を補正して前記モータを駆動することにより達成される。
また、本発明の上記目的は、前記ハンドル戻し制御部が、前記舵角及び前記車速に基づいて目標戻り速度を演算する目標戻り速度演算部と、前記操舵トルクに基づいて操舵トルクゲインを求める操舵トルクゲイン部と、前記車速に基づいて前記操舵系の粘性係数Cを求める粘性係数出力部と、前記車速に基づいて車速ゲインを求める車速ゲイン部と、前記操舵トルク及び前記電流指令値をゲイン倍して求めたアシストトルクの加算値と、前記粘性係数Cとから第1の目標速度値を求める第1の操舵系特性部と、前記第1の目標速度値をフィルタ処理する前記フィルタと、前記目標戻り速度を前記フィルタからの第2の目標速度値で補正した第3の目標速度値を入力し、前記粘性係数C及び前記操舵系の慣性モーメントJから前記目標舵角速度を求める第2の操舵系特性部と、前記目標舵角速度及び前記舵角速度の偏差に前記車速ゲイン及び前記操舵トルクゲインを乗算してハンドル戻し制御ゲインを求めるハンドル戻し制御ゲイン算出部と、前記ハンドル戻し制御ゲインに対して比例制御演算、積分制御演算、微分制御演算の少なくとも1つの制御演算を行い、前記車速ゲイン及び操舵トルクゲインによって出力制限して前記ハンドル戻し制御電流を求めるハンドル戻し制御電流演算部とで構成されていることにより、或いは前記フィルタがLPFであり、フィルタ特性が10Hzで3dB以上の減衰を有していることにより、より効果的に達成される。
本発明に係る電動パワーステアリング装置によれば、簡易的な仮想車両モデルには仮想的な慣性モーメント、粘性係数を設定できるため、操舵系特性として好ましくない慣性モーメント、粘性係数を持っている場合においても、仮想操舵系モデルを用いて目標舵角速度を求めてフィードバック制御することで仮想的な慣性モーメント、粘性係数に近づけることが可能となる。目標舵角速度の算出値に路面外乱などの運転者の意図しない成分を極力反映しないようにすることで、運転者の意図通りに動作するハンドル戻り制御を実現することができる。
電動パワーステアリング装置の概要を示す構成図である。 電動パワーステアリング装置の制御系の構成例を示すブロック図である。 本発明の構成例を示すブロック図である。 操舵トルクゲイン部の出力ゲイン例を示す特性図である。 目標戻りトルク演算部の出力例を示す特性図である。 車速ゲイン部の出力例を示す特性図である。 粘性係数出力部の出力例を示す特性図である。 本発明の動作例を示すフローチャートの一部である。 本発明の動作例を示すフローチャートの一部である。 フィルタの特性例を示すゲイン図である。
電動パワーステアリング装置において、アシスト力を伝達するための減速ギアやラック・ピニオンの摩擦により動作が阻害され、直進状態に戻したい走行状態であるにも拘わらずハンドルが中立点まで戻らず、車両が直進状態になり難いことがある。そのため、舵角及び車速に応じたハンドル戻し制御電流により電流指令値を補正(補償)することで、直進状態に戻す走行状態においてハンドルを積極的に中立点に戻すことができる。
本発明では、舵角及び車速に応じて目標戻り速度を定義し、コラム軸に付加される操舵トルク及びアシストトルク(電流指令値)から算出される目標速度値を目標戻り速度に加算し、その加算結果に、仮想的な操舵系特性に応じた伝達特性を乗算することで目標舵角速度を算出する。その目標舵角速度と実舵角速度との偏差に対してP(比例)制御、I(積分)制御、D(微分)制御のうちの少なくとも1つの制御を実施する。目標戻り速度を操舵トルク及びアシストトルク(電流指令値)を粘性係数で除算して算出された目標速度値で補正して求めた目標舵角速度を用いてフィードバック制御を行うことで、運転者による操舵介入時にも自然なフィーリングのハンドル戻り制御を実現することができる。
本発明は、操舵トルクと電流指令値(アシスト電流)を用いてアシストトルク(ステアリング軸トルク)を算出し、目標舵角速度と舵角速度の偏差によりハンドル戻し制御電流を付与する電動パワーステアリング装置(EPS)に関し、主たる運転者の意図した操舵入力以上若しくは操舵入力に基づく車両運動特性以上の周波数(10Hz〜)を減衰させるように、アシストトルク(ステアリング軸トルク)から目標舵角速度を算出する経路にLPF(ローパスフィルタ)を介挿することで、EPSの持つノイズ成分や共振による振動、不要なロードノイズ成分や運転者が意図しないトルク変動や車両変動などをカットし、より滑らかなハンドル戻し性能を提供する。
本発明における簡易的な仮想車両モデルとは、舵角θ及び車速Vから求めた目標戻り速度ωt(−ωt)、操舵トルクTd及びアシストトルクTaの合計に、操舵系の仮想的な慣性モーメントJ及び粘性係数Cに応じた操舵系伝達関数を適用することで、目標舵角速度ωを算出するモデルである。
仮想車両モデルを用いることで、操舵系の仮想的な慣性モーメントJ、粘性係数Cを設定することができるため、車両特性を任意に決めることが可能となる。また、仮想車両モデルにはアシストトルクTaも加味した運転者の操舵介入も考慮されているため、運転者が操舵している状態でも滑らかなハンドル戻りを提供することができる。
ここにおいて、操舵系に静止摩擦、クーロン摩擦及び弾性項がないと仮定した場合、セルフアライニングトルクSAT、操舵トルクTd、アシストトルクTaの力の釣り合い方程式は、下記数1となる。
Figure 0006308342
ここで、Jは仮想的な操舵系の慣性モーメント、Cは仮想的な操舵系の粘性係数である。
そして、実舵角速度ωは舵角θの時間微分であるので、下記数2が成立する。
(数2)
ω=dθ/dt
よって、目標舵角速度をωとすると、
Figure 0006308342
が成立し、sをラプラス演算子とすると下記数4となり、数4を整理すると下記数5となる。
Figure 0006308342
Figure 0006308342
よって、目標舵角速度ωは上記数5より
Figure 0006308342

となり、数6を整理すると下記数7となる。
Figure 0006308342

上記数7より、目標舵角速度ωが求まる。ここで、SAT/CはセルフアライニングトルクSATによって発生する舵角速度として、車両特性に応じて設定する戻り舵角速度として考えることができる。
Figure 0006308342
は仮想車両モデルから求められる伝達特性であり、また、
Figure 0006308342
は操舵トルクTd、アシストトルクTaによって発生する舵角速度である。
セルフアライニングトルクSATは一般的に舵角θ及び車速Vによって決まるため、戻り舵角速度は車速V及び舵角θに応じて設定できるように構成する。操舵トルクTdはトルクセンサによって検出でき、アシストトルクTaは電流指令値からモータトルク定数Ktを考慮して算出可能であるため、操舵トルクTdとアシストトルクTaの合計に対して仮想的なステアリングの粘性係数Cで除算することで、操舵トルクTdとアシストトルクTaによって発生する舵角速度を算出し、それらを合計することで目標舵角速度ωとする。
操舵トルクTd、アシストトルクTaには路面外乱による変動成分などが含まれるが、これは運転者の意図によるものではない。これを目標舵角速度ωに反映すると、車両は運転者の意図しない挙動となり、違和感となる可能性がある。このため、本発明では、操舵トルクTd及びアシストトルクTaによって算出する目標速度値ωの後段に、運転者の意図した操舵入力若しくは操舵入力に基づく車両運動特性(ヨーやロールなど)より高い周波数成分を減衰させるフィルタ(LPF)を設け、安定した制御、滑らかな戻り、運転者の意図に合った操舵感を実現する。一般的に運転者の操舵周波数や運転者の操舵による車両運動は10Hz程度までと言われているため、フィルタ特性として10Hzで、ゲイン0より3dB以上低下する減衰特性を有するものとする。
以下に、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図3は本発明に係るハンドル戻し制御部100の構成例を示しており、操舵トルクTdは、操舵トルクゲインThを出力する操舵トルクゲイン部110及び加算部102に入力され、舵角θは目標戻り速度ωtを演算する目標戻り速度演算部120に入力される。また、車速Vは目標戻り速度演算部120、車速ゲインKPを出力する車速ゲイン部130及び粘性係数Cを出力する粘性係数出力部133に入力され、実舵角速度ωは減算部103に減算入力される。電流指令値Irefはゲイン部111でゲインKt倍され、アシストトルクTaとして加算部102に入力される。従って、加算部102の加算結果は、操舵トルクTdとアシストトルクTaの合計となり、その合計値が伝達関数“1/C”の操舵系特性部150に入力される。操舵系特性部150からの目標速度値ωはローパスフィルタ(LPF)151に入力され、LPF151で運転者の操舵入力以上若しくは操舵入力に基づく車両運動特性以上の周波数(10Hz〜)を減衰された目標速度値ωは加算部101に入力される。
舵角θ及び車速Vに基づいて目標戻り速度演算部120で演算された目標戻り速度ωtは、反転部121で符号を反転(−ωt)されて加算部101に入力され、加算部101での加算結果である目標速度値ωが伝達関数“1/(J/Cs+1)”の操舵系特性部160に入力される。粘性係数出力部133からの粘性係数Cは操舵系特性部150及び160に入力され、操舵系特性部160は、慣性モーメントJ、粘性係数Cから前記数6に従って伝達関数を決め、乗算により操舵系特性部160から目標舵角速度ωが出力され、目標舵角速度ωが減算部103に加算入力される。舵角速度ωは減算部103に減算入力され、目標舵角速度ωと舵角速度ωの偏差SG1が減算部103で算出され、偏差SG1は乗算部132に入力されている。
また、操舵トルクゲイン部110から出力される操舵トルクゲインThは乗算部132及びリミッタ142に入力され、車速ゲイン部130からの車速ゲインKPも乗算部132及びリミッタ142に入力される。
偏差SG1に操舵トルクゲインTh及び車速ゲインKPを乗算した乗算部132からのハンドル戻し制御ゲインSG2(比例制御値)は、加算部104に入力されると共に、特性改善のための積分部140及び積分ゲイン部141で成る積分制御部に入力され、更に積分ゲイン部141を経てリミッタ142に入力され、リミッタ142で操舵トルクゲインTh及び車速ゲインKPに応じて出力を制限された信号SG4が加算部104で、ハンドル戻し制御ゲインSG2と加算され、ハンドル戻し制御電流HRとして出力される。積分部140の積分は、摩擦の影響を受け易い低操舵トルク域を補償し、特に手放しで摩擦に負ける領域で積分を利かせる。加算部105で電流指令値Irefにハンドル戻し制御電流HRを加算して補正(補償)され、補正された補償電流指令値Irefnがモータ駆動系に入力される。
減算部103及び乗算部132でハンドル戻し制御ゲイン算出部を構成し、粘性係数出力部133、操舵系特性部1(150)及び操舵系特性部2(160)で操舵系特性部を構成し、積分部140、積分ゲイン部141、リミッタ142、加算部104でハンドル戻し制御電流演算部を構成している。
操舵トルクゲイン部110は図4に示すような特性であり、操舵トルクTdがT1までは一定値ゲインTh1を出力し、T1を超えると次第に減少し、T2以上でゲイン0となる出力特性となっている。図4では線形に減少しているが、非線形でも良い。また、目標戻り速度演算部120は図5(A)に示すように、車速Vをパラメータとして、舵角θが大きくなるに従って目標戻り速度ωtが次第に大きくなる出力特性であり、また、図5(B)に示すように、車速Vが高速になるに従って純増しない出力特性で、目標戻り速度ωtが変化する。車速ゲイン部130は図6に示す特性であり、少なくとも車速V1までは小さいゲインKP1で一定であり、車速V1以上では次第に大きくなり、車速V2以上では大きなゲインKP2で一定であるが、このような特性に限定されるものではない。また、車速Vに応じて粘性係数Cを可変する粘性係数出力部133は図7に示す特性であり、少なくとも車速V3までは小さい粘性係数C1で一定であり、車速V3以上で車速V4(>V3)以下では次第に大きくなり、車速V4以上では大きな粘性係数C2で一定であるが、このような特性に限定されるものではない。
このような構成において、その動作例を図8及び図9のフローチャートを参照して説明する。
先ず操舵トルクTd、電流指令値Iref、車速V、舵角θ、舵角速度ωを入力(読み取り)し(ステップS1)、操舵トルクゲイン部110は操舵トルクゲインThを出力する(ステップS2)。ゲイン部111は電流指令値IrefにゲインKt倍してアシストトルクTaを算出し(ステップS3)、加算部102で操舵トルクTdと加算して、その合計値を操舵系特性部1(150)に入力する(ステップS4)。
また、目標戻り速度演算部120は入力された舵角θ及び車速Vに基づいて目標戻り速度ωtを演算し(ステップS10)、反転部121が目標戻り速度ωtの符号反転を行い(ステップS11)、反転された目標戻り速度“−ωt”を加算部101に入力して加算を行う。車速ゲイン部130は車速Vに従った車速ゲインKPを出力し(ステップS12)、粘性係数出力部133は車速Vに従った粘性係数Cを出力する(ステップS13)。粘性係数Cは操舵系特性部150に入力され(ステップS14)、伝達特性1/Cを乗算されて目標速度値ωを出力し(ステップS15)、目標速度値ωがLPF151に入力されてフィルタ処理される(ステップS16)。
LPF151でフィルタ処理された目標速度値ωは加算部101で目標戻り速度“−ωt”と加算され、加算された目標速度値ωが操舵系特性部160に入力される(ステップS30)。操舵系特性部160からの目標舵角速度ωは減算部103に加算入力され、実舵角速度ωは減算部103に減算入力され、減算部103で偏差SG1が算出される(ステップS31)。偏差SG1は乗算部132に入力され、操舵トルクゲインTh及び車速ゲインKPが乗算され(ステップS32)、その乗算によってハンドル戻し制御ゲインSG2が求められる。ハンドル戻し制御ゲインSG2は積分制御部140で積分処理され(ステップS33)、更に比例制御部141で比例処理され(ステップS34)、ハンドル戻し制御ゲインSG3が出力される。ハンドル戻し制御ゲインSG3はリミッタ142に入力され、リミッタ142で操舵トルクゲインTh及び車速ゲインKPを用いてリミット処理される(ステップS35)。
リミッタ142でリミット処理されたハンドル戻し制御ゲインSG4は加算部104に入力され、ハンドル戻し制御ゲインSG2と加算され(ステップS36)、ハンドル戻し制御電流HRが出力される。ハンドル戻し制御電流HRを加算部105で電流指令値Irefに加算して補正し(ステップS37)、補償電流指令値Irefnを出力する(ステップS38)。
なお、舵角速度ωはモータ角速度×ギア比で求めることも可能であり、仮想操舵系モデルの伝達特性は車速、舵角、切増し/切戻し/保舵状態に応じて可変させても良い。また、図8及び図9のデータ入力、演算や処理の順番は適宜変更可能である。
また、本発明で使用するLPF151の周波数特性は、図10に示すように10Hzで3dB以上の減衰を有しているものであれば良く、特性Aに限られず,特性BやCであっても良い。
1 ハンドル
2 コラム軸(ステアリングシャフト、ハンドル軸)
10 トルクセンサ
12 車速センサ
14 舵角センサ
20 モータ
30 コントロールユニット(ECU)
31 電流指令値演算部
33 電流制限部
34 補償信号生成部
35 PI制御部
36 PWM制御部
37 インバータ
50 CAN
100 ハンドル戻し制御部
110 操舵トルクゲイン部
111 ゲイン部
120 目標戻り速度演算部
121 反転部
130 車速ゲイン部
133 粘性係数出力部
140 積分部
141 積分ゲイン部
142 リミッタ
150 操舵系特性部(1/C)
151 ローパスフィルタ(LPF)
160 操舵系特性部(1/(J/Cs+1))

Claims (3)

  1. 少なくとも操舵トルクに基づいて電流指令値を演算し、前記電流指令値に基づいてモータを駆動し、前記モータの駆動制御によって操舵系をアシスト制御する電動パワーステアリング装置において、
    前記操舵トルク、前記電流指令値、車速、舵角によってハンドル戻しのための目標舵角速度を演算し、舵角速度と前記目標舵角速度の偏差に基づいてハンドル戻し制御電流を演算すると共に、前記目標舵角速度の演算経路に操舵入力以上若しくは前記操舵入力に基づく車両運動特性以上の周波数成分を減衰させるフィルタを介挿したハンドル戻し制御部を備え、
    前記ハンドル戻し制御電流で前記電流指令値を補正して前記モータを駆動することを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 前記ハンドル戻し制御部が、
    前記舵角及び前記車速に基づいて目標戻り速度を演算する目標戻り速度演算部と、
    前記操舵トルクに基づいて操舵トルクゲインを求める操舵トルクゲイン部と、
    前記車速に基づいて前記操舵系の粘性係数Cを求める粘性係数出力部と、
    前記車速に基づいて車速ゲインを求める車速ゲイン部と、
    前記操舵トルク及び前記電流指令値をゲイン倍して求めたアシストトルクの加算値と、前記粘性係数Cとから第1の目標速度値を求める第1の操舵系特性部と、
    前記第1の目標速度値をフィルタ処理する前記フィルタと、
    前記目標戻り速度を前記フィルタからの第2の目標速度値で補正した第3の目標速度値を入力し、前記粘性係数C及び前記操舵系の慣性モーメントJから前記目標舵角速度を求める第2の操舵系特性部と、
    前記目標舵角速度及び前記舵角速度の偏差に前記車速ゲイン及び前記操舵トルクゲインを乗算してハンドル戻し制御ゲインを求めるハンドル戻し制御ゲイン算出部と、
    前記ハンドル戻し制御ゲインに対して比例制御演算、積分制御演算、微分制御演算の少なくとも1つの制御演算を行い、前記車速ゲイン及び操舵トルクゲインによって出力制限して前記ハンドル戻し制御電流を求めるハンドル戻し制御電流演算部と、
    で構成されている請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 前記フィルタがLPFであり、フィルタ特性が10Hzで3dB以上の減衰を有している請求項1又は2に記載の電動パワーステアリング装置。
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