JP6305839B2 - 中空状多孔質石英ガラス母材の製造方法及び中空状多孔質石英ガラス母材 - Google Patents

中空状多孔質石英ガラス母材の製造方法及び中空状多孔質石英ガラス母材 Download PDF

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本発明は、中空状多孔質石英ガラス母材の製造方法、中空状多孔質石英ガラス母材並びにそれを用いた石英ガラスシリンダに関し、特に大重量大径の石英ガラスシリンダを製造するのに適した中空状多孔質石英ガラス母材の製造方法に関する。
合成石英ガラスは光学、半導体、化学産業において広く用いられ、特にマイクロリソグラフィーにおける投影や露光システム用レンズ材としてや半導体製造冶具や光ファイバー用材料として用いられる。
中空状石英ガラスシリンダの製造方法は、円柱状ターゲットを回転させながら、前記ターゲットの外周面にシリカ微粒子を堆積させて多孔質石英ガラス母材(スート体とも呼ばれる)を製造し、前記ターゲットを抜き出した後、中空状のスート体を焼結透明化することで製造されるのが一般的である。スート体の製造ではOVD法(outside vapordeposition method)が知られており、長軸を中心に回転するターゲット外周面に珪素含有原料を火炎分解、又は熱分解によって微細なSiO2粒子を堆積することによりシリカ微粒子堆積体であるスート体を製造する。
中空状のスート体を得るには、焼結前にターゲットを抜き出す作業が必要である。抜き出す作業は、ターゲットと前記スート体を相対的に回転させたり、長軸方向に動かすことで行われる。前記スート体とターゲットが固着している場合にはこの作業は困難を極め、更に大きな力を加えることで抜き出す事ができたとしても、その際にスート体の内面に傷が発生してしまい、このように発生した傷は、焼結後の中空状石英ガラスシリンダにも局所的な欠陥として残り不良部となってしまう。
中空状石英ガラスシリンダは、中空状スート体の中空部にセラミック,石英ガラス,カーボン等の円筒もしくは円柱状の心棒を通しその状態で焼結することで内径を形作る。心棒を通して焼結する事により中空状スート体はその心棒に密着し心棒の形状に沿った内面形状を得ることができる。
こうして作られた中空状石英ガラスシリンダはその用途により各種機械加工を行い目的の形状に加工される。
近年、半導体ウエハの大径化や光ファイバー母材の大型化によって石英ガラスシリンダは大重量化大径化の需要が高まっている。例えば、外径140mm以上の大重量石英ガラスシリンダを製造するためには製造の中間体であるスート体も大重量化が必要である。スート体の大重量化にはその嵩密度を高くすることがコスト面で有効である。低密度で大重量化する場合は体積が大きくなるためにスート体の製造装置、焼結透明化装置も大型化する必要があるため設備投資が莫大になるからである。
しかしながら、スート体を高密度化すると、前記スート体の内面とターゲットとの固着力が上がるためにターゲットの抜き出し作業が困難になるという問題がある。
更に、中空状石英ガラスシリンダはスート体の中空部にカーボン等の円筒もしくは円柱状の心棒を通しその状態で焼結することで内径を形作られるが、スート体の大型化はこれを難しくさせる。焼結では外周から中心に向かって熱を加えることでそれを行うが、大重量大径のスート体は肉厚が熱くなることからこの伝熱する距離が長くなり熱が中心まで伝わりにくい。それにより心棒への十分な収縮が起こらず内径が不均一になりやすいという問題もある。
小径のスート体の場合のスート体からターゲットを抜き出す作業を容易にするためには例えば、特許文献1〜3に開示される方法が開発されている。しかしながら、大重量化大径化のスート体を製造する場合、特許文献2のように平均嵩密度が低い場合は、前述のように設備の大きな変更が必要であり好ましくない。また、特許文献3の場合、第1層に0.2g/cm3以下の低密度層を形成しているが、長軸方向にターゲットを回転させながら堆積を行うために、大重量大径化すると、スート体にかかる遠心力及びターゲットとスート界面のせん断力の増加により、その第1層(0.2g/cm3以下の低密度層)が堆積成長中に崩れてターゲット上をスート体が長軸方向に動いたり、スート体がターゲットの回転に追従しない等の問題が発生し製造することができないというおそれがあった。
特開平8−208242 特開2004−18364 特開昭61−205632
本発明は、上記した従来技術の問題点に鑑みなされたものであり、大重量化と高嵩密度化を行っても、内面に傷を発生させることなく、ターゲットの抜き出しが容易であり、焼結時に十分に心棒に密着することで均一な内径を得ることができる中空状多孔質石英ガラス母材の製造方法、中空状多孔質石英ガラス母材並びにそれを用いた石英ガラスシリンダを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の中空状多孔質石英ガラス母材の製造方法は、円柱状ターゲットを回転させながら、前記ターゲットの外周面にシリカ微粒子を堆積させて多孔質石英ガラス母材を作製する堆積工程と、前記ターゲットを前記多孔質石英ガラス母材から抜き出すターゲット抜き出し工程とを含む中空状多孔質石英ガラス母材の製造方法であり、前記堆積工程において、中空状多孔質石英ガラス母材の中空部に面した最内層領域であり、嵩密度が0.45g/cm以上0.8g/cm以下である第1層を形成する第1層形成工程と、前記第1層の外側に隣接し、嵩密度が0.55g/cm以上であり且つ第1層の最低嵩密度よりも0.1g/cm以上高い最低嵩密度を有する第2層を形成する第2層形成工程と、前記第2層の外側に隣接し、嵩密度が0.44g/cm以上0.88g/cm以下であり、且つその最高密度が第2層の最高嵩密度を超えない嵩密度である第3層を形成する第3層形成工程と、を含むことを特徴とする。
本発明の中空状多孔質石英ガラス母材は、中空状多孔質石英ガラス母材の中空部に面した最内層領域であり、嵩密度が0.45g/cm 以上0.8g/cm 以下、厚みが1mm以上3mm以下である第1層と、前記第1層の外側に隣接し、嵩密度が0.55g/cm 以上であり且つ第1層の最低嵩密度よりも0.1g/cm 以上高い最低嵩密度を有する第2層と、前記第2層の外側に隣接し、嵩密度が0.44g/cm 以上0.88g/cm 以下であり、且つその最高密度が第2層の最高嵩密度を超えない嵩密度である第3層と、を含むことを特徴とする。
本発明の石英ガラスシリンダは、前記中空状多孔質石英ガラス母材を用い、前記中空状多孔質石英ガラス母材をガラス化処理してなることを特徴とする。
本発明によれば、大重量化と高嵩密度化を行っても、内面に傷を発生させることなく、ターゲットの抜き出しが容易であり、焼結時に十分に心棒に密着することで均一な内径を得ることができる中空状多孔質石英ガラス母材の製造方法、中空状多孔質石英ガラス母材並びにそれを用いた石英ガラスシリンダを提供することができるという著大な効果を奏する。
本発明の中空状多孔質石英ガラス母材の一つの実施の形態を示す横断面図であり、(a)がターゲット抜き出し工程を行う前の状態、(b)がターゲット抜き出し工程後の状態である。 ターゲット抜き出し工程を行う前の本発明の中空状多孔質石英ガラス母材の一つの実施の形態を示す縦断面図である。 中空状多孔質石英ガラス母材の製造装置の概略側面図である。 スート体製造中の酸素ガス量及び水素ガス量の変化を示すグラフである。 スート体表面の周速の変化を示すグラフである。 実施例1において、ターゲットから中空状多孔質石英ガラス母材径方向への嵩密度分布を測定した結果を示すグラフである。 同一条件で第3層の製造中に、酸素ガス量及び水素ガス量を減量したことにより得られた、ターゲットから中空状多孔質石英ガラス母材径方向への嵩密度分布を測定した結果を示すグラフである。 同一条件で第3層の製造中に、酸素ガス量及び水素ガス量を増量したことにより得られた、ターゲットから中空状多孔質石英ガラス母材径方向への嵩密度分布を測定した結果を示すグラフである。 同一条件で第3層の製造中に、酸素ガス量及び水素ガス量を増量もしくは減量したことにより得られた、ターゲットから中空状多孔質石英ガラス母材径方向への嵩密度分布を測定した結果を示すグラフである。 比較例1において、ターゲットから中空状多孔質石英ガラス母材径方向への嵩密度分布を測定した結果を示すグラフである。 比較例2において、ターゲットから中空状多孔質石英ガラス母材径方向への嵩密度分布を測定した結果を示すグラフである。 比較例3において、ターゲットから中空状多孔質石英ガラス母材径方向への嵩密度分布を測定した結果を示すグラフである。 比較例4において、ターゲットから中空状多孔質石英ガラス母材径方向への嵩密度分布を測定した結果を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。また、同一部材は同一符号で示される。
図1及び図2において、符号10は、ターゲット抜き出し工程を行う前の本発明の中空状多孔質石英ガラス母材の一つの実施の形態を示す。
本発明では、図1及び図2によく示されるように、中空状多孔質石英ガラス母材10の嵩密度構造を3層に形成し、更に各層の嵩密度を規定することにより、大重量大径の石英ガラスシリンダを製造するのに適した中空状多孔質石英ガラス母材を実現できる知見を得たものである。
本発明では、図1及び図2によく示されるように、心棒である円柱状ターゲット12の周りに堆積したスート体13のうち、ターゲット12の近傍層より外周に向かって第1層14、第2層16、第3層18となっている(図1(a))。すなわち、図1(b)に示すターゲット12抜き出し後では、中空部28に面する最内層領域が第1層14、前記第1層14の外側に隣接する層が第2層16、前記第2層の外側に隣接する層が第3層18である。尚、この構造は、製造された中空状多孔質石英ガラス母材10の嵩密度の差によって規定される範囲であり、バーナーの往復運動の回数などの条件により区分したものではない。また、図1の符号20はターゲット12の中空部を示す。
<第1層>
第1層14は、ターゲット12を抜き出す際に、ターゲット12を回転させるなど力を加えることで第1層14のスート体が崩れ、ターゲット12と中空状多孔質石英ガラス母材10の内周面との間に隙間を発生させるためのものであり、いわゆるブレイク層となっている。
第1層14の嵩密度は0.45g/cm以上0.8g/cm以下である。第1層14の厚みは、ターゲット12の抜き出し工程の際に、第1層14が除去されるか若しくは第1層14が残存したとしても、中空状多孔質石英ガラス母材10の焼結透明化後に欠陥の原因とならない範囲であれば厚い方が好ましい。第1層14の厚みとしては、1mm以上3mm以下が好適である。
第1層14の嵩密度が0.45g/cm未満の場合、大重量による遠心力とせん断力で第1層14のスート体13が崩れ中空状多孔質石英ガラス母材10が長軸方向に滑り、ターゲット12の回転に追従しなくなるおそれがある。また、第1層14の嵩密度が0.8g/cmを超えると、ターゲット12と中空状多孔質石英ガラス母材10の固着が強力となり、ターゲット12の抜き出し作業が困難となる。
また、第1層14の厚みが1mm未満の場合、ターゲット12と中空状多孔質石英ガラス母材10の内周面の間に十分な隙間を作ることができず、ターゲット12の抜き出し工程が困難になりやすい。さらに、一旦第1層14のスート体13が崩れ、スート粉となった後に回転の摩擦により押し固められ、スート体13の表面に固着する現象も発生しやすくなる。第1層14の厚みが3mmより厚い場合、低密度過ぎる場合と同様に、中空状多孔質石英ガラス母材10が長軸方向に滑り、ターゲット12の回転に追従しなくなることがある。
<第2層>
第2層16は、ターゲット12の抜き出しの際、第1層14を崩す作業時に、製品となる第3層18に傷が入らないよう十分硬くすることで、製品層である第3層18を保護するための層であり、いわゆるプロテクト層となっている。また、内面近傍の密度が高いスート体は、焼結後の体積変化量が、低密度の場合に比べ少なく、且つ熱伝導率も良いためターゲットである心棒へ密着しやすいという利点もある。
第2層16の嵩密度は、0.55g/cm以上であり且つ第1層14の最低嵩密度との差が0.1g/cm以上である。第2層16の厚みは、中空状多孔質石英ガラス母材10の焼結透明化後のOH基濃度や塩素濃度など、成分の均質性が製品として影響しない範囲内で厚い方が好ましい。
第2層16の最低嵩密度は第1層の最低嵩密度よりも0.1g/cm以上高い必要がある。第2層16の最低嵩密度が第1層の最低嵩密度よりも0.1g/cm以上高くないと、ターゲット12とスート体13の相対的な回転などの動きにより、第1層14を崩す時に第2層16にまで損傷を与えるおそれがある。また、第1層14の嵩密度と第2層16の嵩密度との差は、より大きい方が好ましい。第2層16は、目的によってはガラス層でも問題なく、嵩密度2.2g/cmでも良い。さらに、第2層16の嵩密度が0.55g/cm以上であればターゲットである心棒への密着性が確保できる。尚、第2層16の嵩密度が高い程密着性は向上する。
<第3層>
第3層18は、製品となる層である。第3層18の嵩密度は0.44g/cm以上0.88g/cm以下である。
大重量の高密度中空状スート体を得るために、第3層18の嵩密度は0.44g/cm以上とする。更に、後の脱水処理を有効に作用させるために、第3層18の嵩密度を0.88g/cm以下とする。尚、第3層18の嵩密度分布は目的に応じて一定、もしくは中空状多孔質石英ガラス母材10の外周に向かって上昇、もしくは中空状多孔質石英ガラス母材10外周に向かって下降のどの場合でもよく、必要であれば嵩密度分布が上下を繰り返していてもよい。ただし、第3層18の最高嵩密度が第2層16の最高嵩密度を越えない方が望ましい。
中空状多孔質石英ガラス母材10の嵩密度を制御する条件を表1に示す。各層を所定の嵩密度に制御するには、表1に示す5つのやり方があり、そのうち一つでも或いは複数の組み合わせでも、いずれのやり方の場合でも実現可能である。
Figure 0006305839
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
図3によく示される中空状多孔質石英ガラス母材の製造装置を用いて、OVD法により、中空状多孔質石英ガラス母材を作製した。酸素ガス及び水素ガスを導入し燃焼させる複数のバーナー22を、バーナースイング及び上下動装置24に設置することによりターゲット12―の軸方向に対し垂直に配し、その複数のバーナー22をターゲット12の軸方向に平行にスイングさせ、ターゲット保持回転機構26に保持されたターゲット12を回転させながら、ターゲット12の外周面にシリカ微粒子を堆積さてスート体13を作製した。酸素ガス量及び水素ガス量とターゲットの回転周速を変化させることで上記スート体13の第1層から第3層までを作製し外径400mmの中空状多孔質石英ガラス母材を得た。ターゲット12はSiC製のものを使用した。
スート体製造中の酸素ガス量及び水素ガス量の変化、スート体表面の周速の変化は図4及び図5の通りである。その他の条件はスート体製造中一定とした。製造条件は、原料:四塩化珪素1020g/cm,バーナーとターゲット若しくはスート体の距離:300mm,スイング速度:300mm/minである。
上記した方法で作製した中空状多孔質石英ガラス母材に関し、ターゲットを抜き出す前に、中空状多孔質石英ガラス母材の中空部から径方向への嵩密度分布を測定した。測定方法としては、スート体製造中の外径の成長量から計算される体積変化量とスート体製造中の重量変化量とからスート体の嵩密度分布を算出し、嵩密度分布の測定を行った。結果を図6に示す。
図7,図8及び図9は、同一条件で第3層の製造中に、酸素ガス量及び水素ガス量を増量もしくは減量したことにより得られた。第3層はターゲットの抜けには影響しないため、フラットであっても上昇していても下降していても問題なく、目的に応じて図6,図7,図8,図9のどの形状でも良い。実施例1では、ターゲットは多孔質石英ガラス母材から引抜く際に問題は生じなかった。
(比較例1)
図10のように、ターゲット境界から中空状多孔質石英ガラス母材外周まで均一な嵩密度0.62g/cmとした以外は実施例1と同様にして中空状多孔質石英ガラス母材を作製した。この場合、ターゲットと多孔質石英ガラス母材(スート体)の固着力が強すぎターゲットを抜くことができなかった。
(比較例2)
図11のように、ターゲット境界とスート体境界を0.55g/cmの密度にし、外周に向かって緩やかに密度を上げた以外は実施例1と同様にして中空状多孔質石英ガラス母材を作製した。この場合、ターゲットを抜くことはできたが、ターゲットを回転させた際や、軸方向に動かした際に、局所的に点在する強度が弱い箇所から崩れるため、必ずしもターゲット境界から崩れるわけではなく、ターゲットとスート体境界よりも数ミリ外周側で崩れることがあった。その場合、中空状多孔質石英ガラス母材の内面に局所的な欠陥が発生し、焼結透明化後というガラス処理工程を行なった石英ガラスシリンダにも欠陥が残ることがあった。
(比較例3)
図12のように、ターゲット境界とスート体境界を0.55g/cmの嵩密度にし、更にその外周部を0.9g/cmの嵩密度にし、外周部までその嵩密度で製造した以外は実施例1と同様にして中空状多孔質石英ガラス母材を作製した。この場合、高密度スート体を得ることができ、更にターゲットを容易に抜き出すことができ、更にターゲットを抜く際にスート体内面に欠陥を生成させずに行うことができた。しかし、0.9g/cmと極端に高密度であったため、脱水工程での脱水が難しくなり、焼結透明化というガラス処理工程を行なった後の石英ガラスシリンダ内のOH基濃度が上昇した。
(比較例4)
図13のように、第1層の最低嵩密度を0.4g/cmにした以外は実施例1と同様にして中空状多孔質石英ガラス母材を作製した。この場合、スート体成長後期の重量が重くなってきた際に、ターゲットとスート体内の界面で滑りが発生した。滑りが発生した場合、均質なスート体が得られないために好ましくない。更に滑りによって発生するSiO粉が端部より噴出し、成長空間内を浮遊し、それがスート体成長表面に付着することで泡の原因となる事からも好ましくない。
10:中空状多孔質石英ガラス母材、12:円柱状ターゲット、13:スート体、14:第1層、16:第2層、18:第3層、20:ターゲットの中空部、22:バーナー、24:バーナースイング及び上下動装置、26:ターゲット保持回転機構、28:中空状多孔質石英ガラス母材の中空部。

Claims (2)

  1. 円柱状ターゲットを回転させながら、前記ターゲットの外周面にシリカ微粒子を堆積させて多孔質石英ガラス母材を作製する堆積工程と、前記ターゲットを前記多孔質石英ガラス母材から抜き出すターゲット抜き出し工程とを含む中空状多孔質石英ガラス母材の製造方法であり、
    前記堆積工程において、
    中空状多孔質石英ガラス母材の中空部に面した最内層領域であり、嵩密度が0.45g/cm以上0.8g/cm以下、厚みが1mm以上3mm以下である第1層を形成する第1層形成工程と、
    前記第1層の外側に隣接し、嵩密度が0.55g/cm以上であり且つ第1層の最低嵩密度よりも0.1g/cm以上高い最低嵩密度を有する第2層を形成する第2層形成工程と、
    前記第2層の外側に隣接し、嵩密度が0.44g/cm以上0.88g/cm以下であり、且つその最高密度が第2層の最高嵩密度を超えない嵩密度である第3層を形成する第3層形成工程と、
    を含むことを特徴とする中空状多孔質石英ガラス母材の製造方法。
  2. 中空状多孔質石英ガラス母材の中空部に面した最内層領域であり、嵩密度が0.45g/cm 以上0.8g/cm 以下、厚みが1mm以上3mm以下である第1層と、
    前記第1層の外側に隣接し、嵩密度が0.55g/cm 以上であり且つ第1層の最低嵩密度よりも0.1g/cm 以上高い最低嵩密度を有する第2層と、
    前記第2層の外側に隣接し、嵩密度が0.44g/cm 以上0.88g/cm 以下であり、且つその最高密度が第2層の最高嵩密度を超えない嵩密度である第3層と、
    を含むことを特徴とする中空状多孔質石英ガラス母材。
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