JP2009007227A - 透明ガラス体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】軸ずれを発生させずに、ガラス微粒子堆積体を収縮させて透明化する時間を短くする。
【解決手段】ガラスロッドG1にガラス微粒子が堆積されたガラス微粒子堆積体Gを、加熱して透明化する方法であって、ガラス微粒子堆積体を減圧雰囲気で加熱してガラス微粒子堆積体中の気体を除去する脱気工程の後、ガラス微粒子堆積体Gの外表面温度と、ガラス微粒子堆積体GのガラスロッドG1との境界部分温度の温度差が100℃以下になるまで、ガラス微粒子堆積体Gを1350℃以上1420℃以下の温度範囲内で加熱する第一仮収縮工程と、第一仮収縮工程の後、第一仮収縮工程より加熱温度を10℃以上60℃以下高くしてガラス微粒子堆積体Gを加熱する第二仮収縮工程と、第二仮収縮工程の後、ガラス微粒子堆積体Gを1480℃以上1600℃以下の温度範囲内で加熱して、ガラス微粒子堆積体Gを透明化させる透明化工程と、を有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、ガラス微粒子を堆積させたガラス微粒子堆積体を加熱して透明化する透明ガラス体の製造方法に関する。
一般に、コアとクラッドよりなる光ファイバは、光ファイバ用のガラス母材を線引きして製造される。光ファイバ用ガラス母材は、VAD法やOVD法などの気相合成法により、バーナの火炎中に生成したガラス微粒子を石英等からなるロッドの周りに堆積させてガラス微粒子堆積体を形成し、その後、このガラス微粒子堆積体を加熱炉内で加熱して脱水及び焼結して透明ガラス化することにより製造される。
気相合成したガラス微粒子堆積体を真空又は減圧雰囲気で加熱透明化する方法として、該加熱処理が母材からのガスを除去する第1加熱工程、第1加熱工程より高く透明化温度より低い温度で加熱収縮させる第2工程及び透明ガラス化温度で透明化させる第3工程を含む方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。この方法によれば、気泡の残留がなく、透明化して得られたガラス物品の外径が長手方向に均一な良好なガラス母材を製造できるとされている。
特開平6−256035号公報
ガラスロッドにガラス微粒子を堆積させたガラス微粒子堆積体を加熱して収縮させる際には、その収縮の力によって中心のガラスロッドも収縮するが、ガラス微粒子堆積体を急激に収縮させると、ガラスロッドとガラス微粒子堆積体とが一体的に収縮せずに、ガラスロッドとその周りのガラス(ガラス微粒子堆積体が透明化した部分)との間に隙間(軸ずれと呼ばれる)ができてしまうことがある。
特に近年、光ファイバの製造コスト低減のためなどに、ガラス母材が大型化しつつあり、それに伴いガラス微粒子堆積体も大型化してきている。ガラス微粒子堆積体が大型であると、ガラス微粒子堆積体を収縮させて透明化が完了するまで(特許文献1記載の第2,第3工程)に要する時間が長くなってしまう。
本発明は、軸ずれを発生させずに、ガラス微粒子堆積体を収縮させて透明化する時間を短くすることのできる透明ガラス体の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決することのできる本発明に係る透明ガラス体の製造方法は、ガラスロッドにガラス微粒子が堆積されたガラス微粒子堆積体を、加熱して透明化する透明ガラス体の製造方法であって、前記ガラス微粒子堆積体を減圧雰囲気で1000℃以上1300℃以下の温度範囲内で加熱して、前記ガラス微粒子堆積体中の気体を除去する脱気工程と、前記脱気工程を経たガラス微粒子堆積体を1350℃以上1460℃以下の温度範囲内で加熱して、前記ガラス微粒子堆積体を緻密化させる仮収縮工程と、前記仮収縮工程を経たガラス微粒子堆積体を1480℃以上1600℃以下の温度範囲内で加熱して、前記ガラス微粒子堆積体を透明化させる透明化工程と、を有し、前記仮収縮工程は、前記ガラス微粒子堆積体の外表面温度と、前記ガラス微粒子堆積体の前記ガラスロッドとの境界部分温度の温度差が100℃以下になるまで、前記ガラス微粒子堆積体を1350℃以上1420℃以下の温度範囲内で加熱する第一仮収縮工程と、前記第一仮収縮工程の後、前記第一仮収縮工程より加熱温度を10℃以上60℃以下高くして前記ガラス微粒子堆積体を加熱する第二仮収縮工程と、を有する。
本発明に係る透明ガラス体の製造方法において、前記第二仮収縮工程及び前記透明化工程では、前記ガラス微粒子堆積体を加熱する温度を、前記ガラス微粒子堆積体の鉛直方向上側より下側を高くすることが好ましい。
本発明の透明ガラス体の製造方法によれば、ガラス微粒子堆積体中の気体を除去する脱気工程を行った後、ガラス微粒子堆積体を緻密化させる仮収縮工程と、ガラス微粒子堆積体を透明化させる透明化工程とを行い、ガラス微粒子堆積体を透明ガラス体とするものである。そして、仮収縮工程として、まず、ガラス微粒子堆積体における外表面温度とガラスロッドとの境界部分温度の温度差が100℃以下になるまで、収縮しすぎない程度の比較的低い温度(1350℃以上1420℃以下の温度範囲内)で加熱する第一仮収縮工程を行う。それにより、ガラス微粒子堆積体の内部(ガラスロッド近傍)までガラス微粒子堆積体が緻密化されやすい温度に加熱され、仮収縮させる第二仮収縮工程、及び透明化工程に要する時間を短くすることができる。また、仮収縮及び透明化の際には、ガラス微粒子堆積体の径方向の温度差が小さくなっているため、ガラス微粒子堆積体の収縮及び透明化が素早く進行しても、ガラスロッドとその周囲のガラスの間の軸ずれを発生させることがない。
以下、本発明に係る透明ガラス体の製造方法の実施形態の例について図面を参照して説明する。
図1は加熱炉の構造を示す概略断面図である。
図1に示すように、加熱炉10は、炉体11によって囲われた円筒状の炉心管12を備えている。炉心管12の周囲には、長手方向に配設された複数段(本実施形態では4段)のヒータ13a,13b,13c,13d(総称してヒータ13とも呼ぶ)が設けられている。
ヒータ13は、炉心管12の均熱性を持たせるため、または所望の温度分布を持たせるために、短いものを直列に配設しており、互いに隙間をあけて配置されている。
これら複数段に分けられたヒータ13は、制御装置21に接続されており、この制御装置21によって個別に加熱制御が可能とされている。つまり、制御装置21によって、各ヒータ13単位でオン・オフ及び加熱電力の調整を行なうことが可能とされている。ヒータ13は、例えば、抵抗加熱型のヒータであり、帯状の抵抗材を炉心管12の外周を囲う環状にした形状のものが用いられる。
炉心管12の上方には、支持装置14が設けられており、この支持装置14によって炉心管12内に、ガラスロッドG1にガラス微粒子を堆積させたガラス微粒子堆積体Gが吊り下げられる。
この加熱炉10は、炉体11で炉心管12を密封封止した真空または減圧加熱炉であり、炉心管12の内側に所望のガスを適宜供給及び排出することが可能であるとともに、加熱処理で使用されるガスが外部に漏出しないように構成されている。
炉体11の外周側には、上下方向に間隔をあけて配設された複数の温度測定器22が各ヒータ13に向けて配設されている。これらの温度測定器22は、接触式または非接触式の温度センサであり、それぞれ制御装置21に接続され、この制御装置21に測定結果を送信する。
また、制御装置21は各ヒータ13へ供給する電力を調整する給電調整機能を備えており、各温度測定器22からの測定温度に基づいて、各ヒータ13の温度を独立して制御可能である。
次に、上記の加熱炉10によってガラス微粒子堆積体Gを焼結して透明ガラス化し、光ファイバ用の透明ガラス体(ガラス母材)とする場合について説明する。
まず、ガラスロッドG1の周囲にOVD法等によってガラス微粒子を堆積させて形成したガラス微粒子堆積体Gを、図1に示すように、支持装置14によって炉心管12内に吊り下げて鉛直方向に支持する。各ヒータ13は、800℃程度の待機温度に昇温させておく。
この状態で、炉心管12内にヘリウムや塩素ガスなどのガスを充填するとともに減圧(例えば10Pa以下)し、ヒータ13を昇温させて、炉心管12内に配設したガラス微粒子堆積体Gを加熱する。このときの各ヒータ13の温度は、1000℃以上1300℃以下の温度範囲内とする。このようにすると、ガラス微粒子堆積体Gは、減圧環境下にて加熱されて、ガラス微粒子同士の隙間に含まれた気体が脱離する(脱気工程)。なお、この脱気工程を1000℃未満の加熱温度で行うと、気体が抜ける速度が遅く、気泡が残りやすくなる。また、脱気工程を1300℃を超える加熱温度で行うと、気体が十分に抜ける前にガラス微粒子堆積体Gの収縮が始まってしまい、気泡が残りやすくなる。
脱気工程の後、ガラス微粒子堆積体Gを1350℃以上1460℃以下の温度範囲内で加熱して、ガラス微粒子堆積体を透明化しない程度に緻密化させる(仮収縮工程)。本実施形態では、この仮収縮工程を第一仮収縮工程と第二仮収縮工程の2つの工程に分けて行うことを特徴としている。
まず、第一仮収縮工程では、脱気工程を経たガラス微粒子堆積体Gを、収縮しすぎない(収縮が殆ど起こらない)程度の比較的低い温度(1350℃以上1420℃以下の温度範囲内)で加熱する。その際、ガラス微粒子堆積体Gの外表面温度と、ガラス微粒子堆積体GとガラスロッドG1との境界部分温度の温度差が100℃以下になるまで、加熱を継続させる。例えば、ガラスロッドG1の直径が30mm、ガラス微粒子堆積体Gの直径が300mmである場合、最初にヒータ13が1400℃まで昇温した時点では、両者の温度差は300℃程度あるが、これを100℃以下の温度差となるまでヒータ14の温度を保持して加熱を行う。これにより、ガラス微粒子堆積体Gの内部(ガラスロッドG1の近傍)までガラス微粒子堆積体Gが緻密化されやすい温度に加熱される。なお、温度差が100℃以下となるまでの加熱時間は、ガラス微粒子堆積体Gの大きさ、嵩密度、熱伝導率等により計算して求めることができる。この第一仮収縮工程に要する時間は、例えば30分〜120分である。
次いで、第二仮収縮工程では、ガラス微粒子堆積体Gを透明化しない程度に収縮させるために、第一仮収縮工程より加熱温度を10℃以上60℃以下高くして、ガラス微粒子堆積体Gを加熱する。このとき、ガラス微粒子堆積体Gは、既に第一仮収縮工程により全体的に温度差が小さい状態で収縮温度付近まで加熱されているため、昇温速度を大きくして収縮を素早く進行させることができる。また、ガラスロッドG1とガラス微粒子堆積体Gとの温度差も小さいため、収縮を素早く進行させてもガラス微粒子堆積体GとともにガラスロッドG1が収縮され、軸ずれは生じない。この第二仮収縮工程に要する時間は、例えば10分〜60分である。
このように、温度差が小さい状態で仮収縮が行われた後、ヒータ13を透明化温度(1480℃以上1600℃以下の温度範囲内)まで昇温させてガラス微粒子堆積体Gを加熱して、さらに収縮させて透明化させ、透明ガラス体とする(透明化工程)。このときも、ガラス微粒子堆積体Gは、既に全体的に温度差が小さい状態で収縮温度まで加熱されているため、昇温速度を大きくして収縮及び透明化を素早く進行させることができる。また、ガラスロッドG1とガラス微粒子堆積体Gとの温度差が小さい状態で透明化するため、収縮及び透明化を素早く進行させてもガラス微粒子堆積体GとともにガラスロッドG1が収縮され、軸ずれは生じない。
なお、ガラス微粒子堆積体Gが収縮するときには、全体的に収縮力が生じる。また、ガラス微粒子堆積体Gに作用する自重による引っ張り力は、下方へ向かって次第に小さくなる。このため、ガラス微粒子堆積体Gでは、長手方向で均一な加熱温度としたときには下方側へ向かうにしたがって収縮力の影響が大きくなるとともに、上方側へ向かうにしたがって自重の影響が大きくなって伸びやすくなるため、下方側へ向かって次第に太径となりやすい傾向がある。このような傾向による透明ガラス体の仕上がり外径の変動を抑えるためには、第二仮収縮工程及び透明化工程において、ガラス微粒子堆積体Gの加熱温度が鉛直方向上側より下側を高くするように、各ヒータ13の温度を制御するとよい。すなわち、各ヒータ13a,13b,13c,13dの温度を、上から下に向かって順に高くなるように、「ヒータ13a<ヒータ13b<ヒータ13c≦ヒータ13d」とすることで、透明ガラス体の仕上がり外径を長手方向で均一化できる。
本発明に係る透明ガラス体の製造方法の実施例を説明する。
図1に示した加熱炉10を用いて、上記の第一仮収縮工程及び第二仮収縮工程を有する仮収縮工程を実施した場合(実施例)と、単一の仮収縮工程を実施した場合(比較例)とにおいて、それぞれガラス微粒子堆積体Gを透明ガラス化させた後の軸ずれの発生の有無について調べた。また、完全に透明化したか否か(未焼結部分が残っていないか否か)についても調べた。また、透明化完了後の透明ガラス体の外径変動、及びガラスロッドG1部分の外径と透明ガラス体の外径との比を長手方向にわたり測定し、その変動率(以下外径比変動率とよぶ)を調べた。
使用したガラスロッドG1の直径は30mmであり、ガラス微粒子堆積体Gの直径は300mmである。
(実施例1)
表1は、実施例1における各ヒータ13(ヒータ上:13a,ヒータ中上:13b,ヒータ中下:13c,ヒータ下:13d)の設定温度の変化と、時間の経過を示すものであり、図2は、表1をグラフ化したものである。なお、この実施例1では、ガラス微粒子堆積体Gの加熱温度が上下で均一になるように、各ヒータ13の温度を揃えている。
Figure 2009007227
この実施例1では、透明化が完了するまでの合計時間が385分であり、軸ずれの発生や未焼結部分の残留はなかった。また、透明ガラス体の外径変動は10mmであり、外径比変動率は±3%であった。
(比較例1)
表2は、比較例1における各ヒータ13の設定温度の変化と、時間の経過を示すものであり、図3は、表2をグラフ化したものである。
Figure 2009007227
この比較例1では、軸ずれの発生を防ぐために仮収縮工程から透明化温度まで昇温させる時間が長くかかっており(190分)、これに伴い、透明化が完了するまでの合計時間が445分であり、実施例1と比較して長くなっている。軸ずれの発生や未焼結部分の残留はなかった。また、透明ガラス体の外径変動は10mmであり、外径比変動率は±3%であった。
比較例1の結果から、単一の仮収縮工程を行った場合では、軸ずれの発生を抑えるためには透明化温度までの昇温時間を長くとる必要があり、合計の処理時間が長くなってしまうことが判る。
(比較例2)
表3は、比較例2における各ヒータ13の設定温度の変化と、時間の経過を示すものであり、図4は、表3をグラフ化したものである。
Figure 2009007227
この比較例2では、仮収縮工程から透明化温度まで昇温させる時間(170分)を、実施例1における第一仮収縮工程後の昇温時間(第二仮収縮工程も含む)に合わせており、透明化が完了するまでの合計時間を実施例1と同じ385分とした。しかしながら、仮収縮工程後の昇温速度が大きいため、軸ずれが発生した。
未焼結部分の残留はなかった。また、透明ガラス体の外径変動は10mmであり、外径比変動率は±3%であった。
比較例2の結果から、単一の仮収縮工程を行った場合では、透明化温度までの昇温時間を短くして昇温速度を大きくすると、軸ずれが発生してしまうことが判る。
(比較例3)
表4は、比較例3における各ヒータ13の設定温度の変化と、時間の経過を示すものであり、図5は、表4をグラフ化したものである。
Figure 2009007227
この比較例3では、比較例2と同様に、仮収縮工程から透明化温度まで昇温させる時間(80分+90分)を、実施例1における第一仮収縮工程後の昇温時間(第二仮収縮工程も含む)に合わせており、透明化が完了するまでの合計時間を実施例1と同じ385分とした。また、仮収縮工程から透明化温度までの昇温を2段階に分けており、前半は昇温速度を小さく(80分で20℃上昇)し、後半は昇温速度を大きく(90分で80℃上昇)した。すなわち、実施例1における第二仮収縮工程の時間を、仮収縮工程後の前半の昇温時間に充てている。これにより、軸ずれは発生しなかったが、仮収縮工程後の前半の緩やかな昇温に時間をかけすぎており、後半の昇温で透明化温度まで温度を上昇させても、ガラス微粒子堆積体Gの中心付近の温度が十分に上がらず、未焼結部分が生じた。また、透明ガラス体の外径変動は10mmであり、外径比変動率は±3%であった。
比較例3の結果から、単一の仮収縮工程を行った場合では、緩やかな昇温時間を設けて透明化温度までの昇温時間を短くしても、透明化処理が完全になされないことが判る。
実施例1と比較例1〜3を比較すると、ガラス微粒子堆積体Gの内部温度が外表面温度に近い温度まで加熱される第一仮収縮工程と、第一仮収縮工程より高い温度でガラス微粒子堆積体Gを収縮させておく第二仮収縮工程を行うことにより、その後の透明化温度までの昇温速度を速くでき、なおかつ軸ずれの発生や未焼結部分の残留を防止できることがわかる。
(実施例2)
表5は、実施例2における各ヒータの設定温度の変化と、時間の経過を示すものであり、図6は、表5をグラフ化したものである。なお、この実施例2が実施例1と異なる点は、第二仮収縮工程以後のガラス微粒子堆積体Gの加熱温度が上側より下側で高くなるように、各ヒータ13の温度を上から下に向かって順に高くしていることである。図6において、第一仮収縮工程の後、下から順に、ヒータ13a,13b,13c,13dの温度を示している。
Figure 2009007227
この実施例2では、実施例1と同様に、透明化が完了するまでの合計時間が385分であり、軸ずれの発生や未焼結部分の残留はなかった。また、透明ガラス体の外径変動は5mmであり、外径比変動率は±1%であり、それぞれ実施例1より変動が小さく抑えられている。これは、第二仮収縮工程及び透明化工程において、ガラス微粒子堆積体Gの加熱温度が鉛直方向上側より下側を高くするように各ヒータ13の温度を制御したことにより、透明ガラス体の仕上がり外径を長手方向で均一化できたためと考えられる。
加熱炉の構造を示す概略断面図である。 実施例1における各ヒータの設定温度の変化と、時間の経過を示すグラフである。 比較例1における各ヒータの設定温度の変化と、時間の経過を示すグラフである。 比較例2における各ヒータの設定温度の変化と、時間の経過を示すグラフである。 比較例3における各ヒータの設定温度の変化と、時間の経過を示すグラフである。 実施例2における各ヒータの設定温度の変化と、時間の経過を示すグラフである。
符号の説明
10…加熱炉、12…炉心管、13(13a,13b,13c,13d)…ヒータ、21…制御装置、22…温度測定器、G…ガラス微粒子堆積体、G1…ガラスロッド。

Claims (2)

  1. ガラスロッドにガラス微粒子が堆積されたガラス微粒子堆積体を、加熱して透明化する透明ガラス体の製造方法であって、
    前記ガラス微粒子堆積体を減圧雰囲気で1000℃以上1300℃以下の温度範囲内で加熱して、前記ガラス微粒子堆積体中の気体を除去する脱気工程と、
    前記脱気工程を経たガラス微粒子堆積体を1350℃以上1460℃以下の温度範囲内で加熱して、前記ガラス微粒子堆積体を緻密化させる仮収縮工程と、
    前記仮収縮工程を経たガラス微粒子堆積体を1480℃以上1600℃以下の温度範囲内で加熱して、前記ガラス微粒子堆積体を透明化させる透明化工程と、を有し、
    前記仮収縮工程は、
    前記ガラス微粒子堆積体の外表面温度と、前記ガラス微粒子堆積体の前記ガラスロッドとの境界部分温度の温度差が100℃以下になるまで、前記ガラス微粒子堆積体を1350℃以上1420℃以下の温度範囲内で加熱する第一仮収縮工程と、
    前記第一仮収縮工程の後、前記第一仮収縮工程より加熱温度を10℃以上60℃以下高くして前記ガラス微粒子堆積体を加熱する第二仮収縮工程と、を有する透明ガラス体の製造方法。
  2. 請求項1に記載の透明ガラス体の製造方法であって、
    前記第二仮収縮工程及び前記透明化工程では、前記ガラス微粒子堆積体を加熱する温度を、前記ガラス微粒子堆積体の鉛直方向上側より下側を高くする透明ガラス体の製造方法。
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