JP6305493B1 - 光ファイバユニットおよび光ファイバケーブル - Google Patents

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Abstract

【課題】光ファイバユニットから光ファイバを取り出す作業の効率を向上させる。【解決手段】光ファイバユニット10は、複数の光ファイバ1と、複数の光ファイバを結束する複数の結束材2、3と、を備える。複数の結束材は、互いに交差するように光ファイバに巻き付けられるとともに、交差部Cにおいて互いに接着されている。光ファイバユニットのユニット径Dと、前記結束材の幅Bとは、D/B3≧0.29を満足している。【選択図】図1

Description

本発明は、光ファイバユニットおよび光ファイバケーブルに関する。
従来から、下記特許文献1に示されるように、複数の光ファイバ心線若しくは光ファイバ素線(以降、単に光ファイバという)に結束材を巻き付けた光ファイバユニットが知られている。この光ファイバユニットでは、結束材を巻き付けることで光ファイバの束がばらばらになるのを抑制しつつ、結束材の色によって光ファイバユニット間の識別性を向上させている。
特開2007−10917号公報
ところで、この種の光ファイバユニットでは、結束材の結束を解いて光ファイバユニットから光ファイバを取り出す作業の効率を向上させることについて、改善の余地があった。
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、光ファイバユニットから光ファイバを取り出す作業の効率を向上させることを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る光ファイバユニットは、複数の光ファイバと、複数の前記光ファイバを結束する複数の結束材と、を備える光ファイバユニットであって、複数の前記結束材は、互いに交差するように前記光ファイバに巻き付けられるとともに、交差部において互いに接着され、前記光ファイバユニットのユニット径Dと、前記結束材の幅Bとが、D/B≧0.29を満足する。
上記態様に係る光ファイバユニットによれば、ユニット径Dと結束材の幅Bとが、D/B≧0.29を満足している。ここで、D/Bは、複数の結束材同士が接着される部分の面積の小ささを表す1/Bの値と、結束材の幅Bに対するユニット径Dの大きさを表すD/Bの値と、を乗じたものである。
1/Bの値が大きいほど、結束材同士の交差部における接着面積が小さくなり、この接着を剥離させて結束を解く作業が容易になる。また、D/Bの値が大きいほど、各光ファイバの表面のうち結束材に覆われている部分の割合が小さくなり、光ファイバの束から所望の光ファイバを見分けてこれを取り出す作業が容易になる。
従って、これら2つの数値を乗じたD/Bの値を0.29以上とすることにより、結束材の結束を解いて光ファイバを取り出す作業が容易になり、作業の効率を向上させることができる。
また、上記態様に係る光ファイバユニットは、前記光ファイバユニットのユニット径Dと、前記結束材の幅Bとが、D/B≦4.8を満足してもよい。
この場合、結束材の幅Bに対するユニット径Dの大きさを示すD/Bの値が4.8以下であることにより、結束材が光ファイバに紛れてしまうのを抑止することができる。これにより、例えば光ファイバユニット間の識別性を確保したり、結束材を摘んで結束を解く作業をより容易にしたりすることができる。
また、上記態様に係る光ファイバユニットは、前記結束材の結束ピッチが100mm以上200mm以下であってもよい。
この場合、結束ピッチが大きすぎることで結束材が光ファイバと同等の方向に延在し、結束材が光ファイバに紛れて見分けにくくなったり、光ファイバがばらけたりするのを抑えることができる。さらに、結束ピッチが小さすぎることで、光ファイバに側圧が作用して伝送損失が増加するのを抑えることができる。
また、上記態様に係る光ファイバユニットでは、複数の前記結束材がSZ状に複数の前記光ファイバに巻き付けられ、それぞれの反転部において互いに接着されていてもよい。
この場合、SZ状に巻きつけられた結束材同士が反転部において互いに接着されているため、この接着を剥離させることで、結束材による結束を部分的に解くことができる。これにより、光ファイバユニットから光ファイバを取り出す作業において、結束材による結束が不意に広範囲にわたって解け、光ファイバがばらけることで作業の効率が低下するのを抑えることができる。
また、上記態様に係る光ファイバユニットでは、複数の前記結束材同士が、交差部で互いに熱融着されていてもよい。
この場合、結束材同士が交差部で互いに熱融着されていることにより、この交差部における結束材同士の接着の強度を安定させることができる。
また、本発明の一態様に係る光ファイバケーブルは、前記光ファイバユニットと、前記光ファイバユニットを被覆するシースと、を備えている。
上記態様の光ファイバケーブルによれば、結束材の結束を解いて光ファイバを取り出す作業の効率を向上させることが可能となる。
本発明の上記態様によれば、光ファイバユニットから光ファイバを取り出す作業の効率を向上させることができる。
本実施形態に係る光ファイバユニットの構成を説明する概略図である。 図1の光ファイバユニットを備えた光ファイバケーブルの構成を説明する断面図である。 光ファイバユニットの結束装置の構成を示す図であって、(a)は結束装置を長手方向に直交する方向から見た側面図であり、(b)は(a)のA方向矢視図である。 図1の光ファイバユニットの変形例を示す図である。
本実施形態に係る光ファイバユニットの構成を、図1から図4を参照しながら以下に説明する。
なお、以下の説明に用いる図については、発明を理解し易くするために、各構成部品の図示の省略、縮尺の変更、形状の簡略化等をしている場合がある。
(光ファイバユニット)
図1に示すように、光ファイバユニット10は、複数の光ファイバ1と、複数の光ファイバ1を結束する結束材2、3と、を備えている。
図1に示すように、複数の光ファイバ1は、全体として円柱状に束ねられている。本実施形態では、この円柱の中心軸を中心軸線Oという。また、光ファイバユニット10の延びる方向、すなわち中心軸線Oに沿う方向を長手方向という。また、長手方向から見た正面視において、中心軸線Oに直交する方向を径方向といい、中心軸線O周りに周回する方向を周方向という。
なお、複数の光ファイバ1は非円形(楕円形、角形等)の断面を有する柱状に束ねられていてもよく、長手方向にその断面形状が変化していてもよい。この場合、光ファイバユニット10の断面の図心を長手方向につないでなる仮想線が、中心軸線Oとして定義される。
複数の光ファイバ1としては、例えば12心の間欠接着型光ファイバテープ心線を複数個束にしたものを用いることができる。
結束材2、3としては、例えばポリエチレンテレフタラート(PET)等の高融点材料およびポリプレピレン(PP)等の低融点材料からなる繊維を複数本組み合わせたものを用いることができる。なお、結束材2、3の構成や材質は上記に限定されず、適宜変更可能である。
結束材2、3は、互いに交差するように複数の光ファイバ1に巻きつけられている。より詳しくは、結束材2、3は、SZ状に複数の光ファイバ1に巻き付けられ、それぞれの反転部において互いに交差している。この交差部Cにおいて、結束材2、3は互いに接着されている。本実施形態では、結束材2、3は交差部Cにおいて、後述する結束装置20によって互いに熱融着されている。光ファイバユニット10は、光ファイバケーブル内に複数ユニット配設される場合がある。この光ファイバケーブル内における光ファイバユニット10間の識別のために、結束材2、3には着色がなされている。
ここで、SZ状に巻きつけられた結束材2、3の結束状態が繰り返される長手方向におけるピッチを結束ピッチP(図1参照)という。結束ピッチPは、大きくなるほど結束材2、3のうち長手方向に沿って延在する部分の割合が大きくなる。このため、結束ピッチPが大きすぎると、結束材2、3が光ファイバ1に紛れて識別性が低下するとともに、光ファイバユニット10の結束が緩くなり、光ファイバ1がばらけてしまう。一方、結束ピッチPが小さすぎると、光ファイバ1に側圧が作用することによって伝送損失が増加する。以上のことから、結束ピッチPは、例えば100mm以上200mm以下の範囲内であることが好ましい。
図4は、光ファイバユニット10の変形例を示す図である。図4に示す例では、結束材2、3の反転部同士が周方向に大きくオーバーラップすることで、1つの反転部につき交差部Cが2つ形成されている。これら2つの交差部Cは、長手方向に互いに離間している。これら2つの交差部Cにおいて、結束材2、3は互いに熱融着されている。
次に、図1または図4に示す光ファイバユニット10の製造方法について説明する。
光ファイバユニット10は、図3(a)、(b)に示すような結束装置20を用いて、複数の光ファイバ1に結束材2、3を巻き付けることにより形成される。
図3(a)は、結束装置20を長手方向に直交する方向から見た側面図であり、図3(b)は図3(a)におけるA方向矢視図である。
図3(a)、(b)に示すように、結束装置20は複数の円筒状の部材により構成されている。結束装置20は、内側から順にガイド筒21、第1内側筒22、第1外側筒23、第2内側筒24、および第2外側筒25を備えている。これらの部材は、それぞれの中心軸が中心軸線O上に位置する状態で配設されている。ガイド筒21内には、複数の光ファイバ1が挿通される。
第1内側筒22は、第1外側筒23に対して中心軸線O周りに回動可能な状態で、第1外側筒23内に嵌合されている。第1内側筒22の外周面には、その長手方向の全長にわたって延びる溝部22aが形成されている。溝部22a内には、結束材2が挿通される。
第2内側筒24は、第2外側筒25に対して中心軸線O周りに回動可能な状態で、第2外側筒25内に嵌合されている。第2内側筒24の外周面には、その長手方向の全長にわたって延びる溝部24aが形成されている。溝部24a内には、結束材3が挿通される。
第1内側筒22および第2内側筒24は、共通する不図示の動力源に接続されており、動力の供給に伴って連動して中心軸線O周りに回動するように構成されている。光ファイバユニット10を形成する際は、複数の光ファイバ1がガイド筒21内を通過して下流側に繰り出されるのに伴い、溝部22a、24a内の結束材2、3が複数の光ファイバ1にSZ状に巻きつけられる。なお、結束材2、3は溝部22a、24a内でそれぞれ加熱されて部分的に溶融するため、SZ形状の反転部において互いに熱融着される。
なお、結束材2、3は溝部22a、24a内で加熱されず、結束装置20の下流に配設された加熱ダイス内で加熱されてもよい。この場合、結束材2、3は複数の光ファイバ1にSZ状に巻きつけられた状態で結束装置20を出た後、加熱ダイス内で熱融着される。
(光ファイバケーブル)
光ファイバユニット10は、例えば図2に示すような光ファイバケーブル100内に収容して用いられる。
この光ファイバケーブル100は、複数の光ファイバユニット10と、ラッピングチューブ54と、シース55と、一対の抗張力体56と、一対の引き裂き紐57と、を備えている。
ラッピングチューブ54は、複数の光ファイバユニット10を覆っている。シース55は、光ファイバユニット10をラッピングチューブ54ごと被覆している。一対の抗張力体56は、シース55内に埋設されている。一対の引き裂き紐57は、シース55内の内周面に近接する位置に埋設されている。シース55の外周面のうち、一対の引き裂き紐57が配置された位置の外側にはそれぞれ、マーカ突起58が突設されている。マーカ突起58は、引き裂き紐57に沿って形成されており、引き裂き紐57の埋設位置を案内している。なお、光ファイバケーブル100は、ラッピングチューブ54、抗張力体56、引き裂き紐57、およびマーカ突起58を備えていなくてもよい。また、光ファイバケーブル100は、光ファイバユニット10を1つだけ備えていてもよい。
ところで、この種の光ファイバケーブル100では、例えば中間後分岐作業などにより、光ファイバケーブル100を敷設した後で特定の光ファイバ1を取り出す場合がある。この場合には、シース55を部分的に切開して光ファイバユニット10を取り出す。そして、交差部Cにおける結束材2、3の接着を剥離させて結束を解き、光ファイバ1を取り出す。
この光ファイバ1を取り出す作業の効率を向上させるためには、複数の光ファイバユニット10の中から短時間で所望の光ファイバユニット10を識別するために、結束材2、3を見やすくして識別性を確保することが重要となる。また、光ファイバ1の束を覆っている結束材2、3を摘み、接着部を剥離させる作業を容易にすることも重要である。
次に、本実施形態の光ファイバユニット10の具体的な実施例について説明する。
(定義)
光ファイバユニット10に含まれる光ファイバ1の断面積をS、その本数をNとすると、光ファイバ1の断面積の合計(以下、合計断面積Sという)は、以下の数式(1)により表される。
=S×N …(1)
また、この合計断面積Sを有する円の直径(以下、仮直径Dという)は、以下の数式(2)により表される。
=2×(S÷π)0.5 …(2)
ここで、本実施形態における光ファイバユニット10のユニット径(以下、ユニット径Dという)は、以下の数式(3)により定義される。
D=k×D …(3)
数式(3)におけるkは、仮直径Dからユニット径Dを算出するための補正値である。この補正値kは、以下のように求められる。まず、光ファイバユニット10の断面形状を、面積が1mmの円であると仮定する。この円の直径、すなわちユニット径Dは、D=2×(1÷π)0.5≒1.13mmと算出される。ここで、本願発明者らが検討した結果、通常の実装状態において、面積が1mmの円の中には、例えば直径250μm(断面積S=0.0491mm)の光ファイバ1であれば11本収容されることがわかった。すなわち、合計断面積S=11×0.0491=0.540mmとなる。この合計断面積Sの数値を数式(2)に代入すると、以下の数式(2A)により仮直径Dが求められる。
=2×(0.540÷π)0.5=0.829mm …(2A)
この仮直径D=0.829mm値と先述のユニット径D=1.13mmとを数式(3)に代入すると、以下の数式(3A)が得られる。
1.13=k×0.829 …(3A)
この数式(3A)を解くことで、補正値k=1.36が得られる。なお、この補正値kは直径が250μm以外の光ファイバ1を用いる場合についても、同様に適用することが可能である。
この補正値k=1.36、数式(3)、および数式(2)から、ユニット径Dは、以下の数式(4A)、(4B)のように定義される。
D=1.36×D …(4A)
=1.36×2×(S÷π)0.5 …(4B)
(識別性の評価試験)
以上のように定義されたユニット径Dおよび結束材2、3の幅(以下、単に結束材幅Bという)をパラメータとして複数の光ファイバケーブルを作成し、識別性を評価した試験の結果について説明する。この試験では、ユニット径Dおよび結束材幅Bの条件ごとに、図1に示すような光ファイバユニット10を5ユニット作成した。この5ユニットの結束材2,3の色はそれぞれ、白、黄、赤、青、桃であり、結束ピッチP=150mmでSZ状に巻きつけられている。また、光ファイバ1の直径は250μm(断面積S=0.0491mm)である。この5ユニットをシース内に収容して光ファイバケーブルを作成し、各色の光ファイバユニットを定められた順序で取り出すまでの時間(以下、識別時間という)を計測した。
一方、これらの光ファイバケーブルに対する比較例として、結束材2、3に代えて上記5色のルースチューブで光ファイバを被覆した5つの光ファイバユニットを、シース内に収容してなるルースチューブケーブルを作成した。また、このルースチューブケーブルについても、5つのルースチューブを定められた順序で取り出すまでの識別時間を計測した。以下に示す表1では、○を合格あるいは良判定、×を不合格あるいは不良判定として表示している。具体的には、表1の各パラメータを有する光ファイバケーブル100の識別時間が、比較例のルースチューブケーブルにおける識別時間より3秒以上長かった場合を×とし、差が3秒未満であった場合を○としている。
Figure 0006305493
ここで、表1の横軸は、各光ファイバユニット10が有する光ファイバ1の数(ユニット心数)と、そのユニット径Dと、を示している。例えば、ユニット心数が20心の場合、光ファイバ1の断面積S=0.0491mmなので、数式(1)より合計断面積S=0.0491×20=0.982mmである。また、この合計断面積Sの数値を数式(4B)に代入することで、ユニット径D=1.36×2×(0.982÷π)0.5=1.52mmが得られる。同様にして、例えばユニット心数が432心の場合はユニット径D=7.07mmとなる。この試験では、ユニット心数を20〜432本の範囲で変化させ、ユニット径Dを1.52〜7.07mmの範囲で変化させた。
また、表1および表2の縦軸は、結束材幅Bを示している。この試験では、結束材幅Bが0.3〜2.4mmの結束材2、3を用いた。
表1に示すように、結束材幅Bが小さいほどルースチューブケーブルと比較して識別時間が長くなり、識別性が低下している。これは、結束材2、3が細いほど光ファイバ1と結束材2、3とが見分けにくくなり、所定の順序で光ファイバユニット10を取り出す作業に時間を要するためである。
これに加えて、表1によると、識別性はユニット径Dについても相関があることがわかる。例えば、ユニット径Dが1.52mmの場合は結束材幅Bが0.6mmでも試験結果が○であるのに対し、ユニット径Dが3.04mmの場合は結束材幅Bが0.6mmだと試験結果が×となっている。つまり、識別性は結束材幅Bおよびユニット径Dの2つのパラメータに影響される。これは、ユニット径Dが大きいほど、光ファイバユニット10の表面のうち結束材2、3に覆われている部分の面積が小さくなり、相対的に結束材2、3を視認しにくくなるためである。
ここで、本願発明者らは、ユニット径Dを結束材幅Bで除した値(以下、D/B値という)を一定の数値の範囲内に抑えることで、光ファイバユニット10の識別性を確保できることを見出した。表2は、表1におけるユニット径Dおよび結束材幅Bから、それぞれの条件におけるD/B値を算出した結果を示している。例えば、ユニット径D=1.52mmで結束材幅B=0.3mmの場合は、D/B=1.52÷0.3=5.1である。
Figure 0006305493
表1および表2を参照し、ユニット径D=1.52の列に着目すると、D/B値が5.1では識別性が×であり、D/B値が2.5では識別性が○となっている。また、ユニット径D=3.04mmの列に着目すると、D/B値が5.1では識別性が×であり、D/B値が3.4では識別性が○となっている。同様にして観察すると、識別性が×となっている範囲におけるD/B値の最小値は5.1であり、識別性が○となっている範囲におけるD/B値の最大値は4.8である。
以上のことから、D/B値を4.8以下とすることで、ルースチューブケーブルと同程度の識別性を確保できることができる。
(光ファイバの取り出し作業の効率評価試験)
次に、識別性の評価試験で用いた光ファイバケーブルにおいて、結束材2、3の結束を解いて1本の光ファイバを取り出す作業に要する時間について評価した結果を、表3を用いて説明する。なお、表3では、○を合格あるいは良判定、×を不合格あるいは不良判定として表示している。具体的には、識別性の評価試験で用いたルースチューブケーブルから1本の光ファイバを取り出すのに要した時間を基準として、表3の各パラメータを有する光ファイバケーブル100から1本の光ファイバを取り出すのに要した時間が半分未満であった場合に○、それ以上の時間を要した場合を×とした。
Figure 0006305493
表3に示すように、結束材幅Bが大きいほど光ファイバの取り出し作業の効率が低下している。これは、結束材幅Bが広い場合には、結束材を摘む際に光ファイバ1を巻き込みやすくなるためである。一方、ユニット径Dが大きいほど、結束材幅Bが大きくても試験結果が○になる範囲が増えている。これは、D/B値が大きいほど光ファイバ1の表面のうち結束材2、3に覆われている部分の割合が小さくなり、光ファイバ1の束から所望の光ファイバ1を見分けてこれを取り出しやすくなるためである。
上記に加えて、結束材2、3の結束を解く際の作業のしやすさは、交差部Cの面積に応じて変化する。具体的には、交差部Cの面積が大きいほど、結束材2、3は広い面積で互いに接着するため、これを剥離しにくくなる。逆に、交差部Cの面積が小さいほど、容易に結束材2、3の接着を剥離させて結束を解くことができる。
ここで、交差部Cの面積は、結束材幅Bを二乗した数値(以下、B値という)の関数となる。例えば図1の例では、交差部Cの長手方向における長さをL(以下、接着長Lという)とすると、交差部Cの面積は概ねB×L÷2となる。そして、接着長Lは結束材幅Bが大きくなるのに従って大きくなるため、結束材幅Bの関数となる。従って、交差部Cの面積はB値の関数となる。
また、図4に示す例では、交差部Cの面積はB値とほぼ等しくなる。
以上のことから、B値によって交差部Cの面積を代表させることができる。
ユニット径Dに対して結束材幅Bが大きい場合、すなわちD/B値が小さい場合には、光ファイバ1の表面のうち結束材2、3に覆われている部分の割合が小さくなり、光ファイバ1の束から所望の光ファイバ1を見分けてこれを取り出す作業が容易になる。
一方、結束材2、3の接着部の面積が小さいほど、すなわち1/Bの値が大きいほど、結束材2、3同士の交差部Cにおける接着面積が小さくなる。このため、交差部Cにおける接着を剥離させて結束を解く作業が容易になる。この結果、1本の光ファイバ1を取り出す際の作業時間が減少する。
ここで、本願発明者らは、D/B値と1/B値とを乗じた値(以下、D/B値という)を所定の範囲内にすることで、光ファイバの取り出し作業の効率を確保できることを見出した。表4は、表3におけるユニット径Dおよび結束材幅BからD/B値を算出した結果を示している。例えば、ユニット径Dが1.52mmで結束材幅Bが1.5mmの場合は、D/B=1.52÷(1.8)=0.26である。
Figure 0006305493
表3および表4を参照し、ユニット径D=1.52の列に着目すると、D/B値が0.26では試験結果が×であり、D/B値が0.45では試験結果が○となっている。また、ユニット径D=3.04の列に着目すると、D/B値が0.25では試験結果が×であり、D/B値が0.33では試験結果が○となっている。同様にして観察すると、試験結果が×となっている範囲におけるD/B値の最大値は0.26である。また、試験結果が○となっている範囲におけるD/B値の最小値は0.29である。
以上のことから、D/B値を0.29以上とすることで、1本の光ファイバ1を取り出す作業に要する時間を、ルースチューブケーブルの場合と比較して半分程度に抑えることができる。
以上説明したように、結束材2、3同士が接着される部分の面積の小ささを表す1/Bの値と、結束材幅Bに対するユニット径Dの大きさを表すD/Bの値と、を乗じたD/Bの値を0.29以上とすることにより、結束材2、3の結束を解いて光ファイバを取り出す作業が容易になり、作業の効率を向上させることができる。
また、結束材幅Bに対するユニット径Dの大きさを示すD/Bの値を4.8以下とすることにより、結束材2、3が光ファイバ1に紛れてしまうのを抑止することができる。これにより、例えば光ファイバユニット10間の識別性を確保したり、結束材2、3を摘んで結束を解く作業を容易にしたりすることができる。
また、結束材2、3の結束ピッチPを200mm以下とすることで、結束材2、3が光ファイバ1と同等の方向に延在し、結束材2、3が光ファイバ1に紛れて見分けにくくなったり、光ファイバ1がばらけたりするのを抑えることができる。また、結束ピッチPを100mm以上とすることで、光ファイバ1に側圧が作用して伝送損失が増加するのを抑えることができる。
また、SZ状に巻きつけられた結束材2、3同士が反転部において互いに接着されているため、この接着を剥離させることで、結束材2、3による結束を部分的に解くことができる。これにより、光ファイバユニット10から光ファイバ1を取り出す作業において、結束材2、3による結束が不意に広範囲にわたって解け、光ファイバ1がばらけることで作業の効率が低下するのを抑えることができる。
また、結束材2、3同士が交差部で互いに熱融着されていることにより、この交差部における結束材2、3同士の接着の強度を安定させることができる。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、前記実施形態では結束材2、3同士を交差部Cにおいて熱融着させていたが、本発明はこれに限られない。例えば、結束材2、3同士を交差部Cにおいて接着剤により互いに接着させてもよい。
また、前記実施形態では、光ファイバユニット10は2つの結束材2、3を備えていたが、本発明はこれに限られず、例えば3つ以上の結束材を備える光ファイバユニット10を採用してもよい。3つ以上の結束材をSZ状に巻き付ける場合であっても、D/B値を0.29以上とし、若しくはD/B値を4.8以下とすることで、上述の作用効果を奏功させることができる。
また、前記実施形態では、SZ状に巻きつけられた結束材2、3を用いたが、本発明はこれに限られず、複数の結束材が逆方向に螺旋状に巻きつけられ、交差部で互いに熱融着されていてもよい。この場合であっても、D/B値を0.29以上とし、若しくはD/B値を4.8以下とすることで、上述の作用効果を奏功させることができる。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した実施形態や変形例を適宜組み合わせてもよい。
1…光ファイバ 10…光ファイバユニット 2、3…結束材 100…光ファイバケーブル B…結束材幅 C…交差部 D…ユニット径 O…中心軸線 P…結束ピッチ

Claims (6)

  1. 複数の光ファイバと、
    複数の前記光ファイバを結束する複数の結束材と、を備える光ファイバユニットであって、
    複数の前記結束材は、互いに交差するように前記光ファイバに巻き付けられるとともに、交差部において互いに接着され、
    前記光ファイバユニットのユニット径Dと、前記結束材の幅Bとが、
    D/B≧0.29mm −2 を満足する、
    光ファイバユニット。
  2. 前記光ファイバユニットのユニット径Dと、前記結束材の幅Bとが、
    D/B≦4.8を満足する、
    請求項1に記載の光ファイバユニット。
  3. 前記結束材の結束ピッチが100mm以上200mm以下である、
    請求項1または2に記載の光ファイバユニット。
  4. 複数の前記結束材がSZ状に複数の前記光ファイバに巻き付けられ、それぞれの反転部において互いに接着されている、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の光ファイバユニット。
  5. 複数の前記結束材同士が、交差部で互いに熱融着されている、
    請求項4に記載の光ファイバユニット。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の光ファイバユニットと、
    前記光ファイバユニットを被覆するシースと、
    を備える、光ファイバケーブル。
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