JP2012083418A - 光ファイバコード - Google Patents
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Abstract
【課題】光ファイバ心線の外被内での蛇行を抑制でき、光ファイバ心線に被覆外径が0.25mmのものを用い、高密度で細径化された光ファイバコードを提供する。
【解決手段】複数本の光ファイバ心線11を束状にして抗張力繊維14と共に外被13で覆った光ファイバコード10であって、複数本の光ファイバ心線11は、2束に分けられて互いに反対方向に撚り合わせられ、抗張力繊維14を縦添えして平行に並べられている。前記の光ファイバ心線の束12a,12bの撚りピッチが200mm〜400mmであり、抗張力繊維14は14200デニール以上充填されている。
【選択図】図1
【解決手段】複数本の光ファイバ心線11を束状にして抗張力繊維14と共に外被13で覆った光ファイバコード10であって、複数本の光ファイバ心線11は、2束に分けられて互いに反対方向に撚り合わせられ、抗張力繊維14を縦添えして平行に並べられている。前記の光ファイバ心線の束12a,12bの撚りピッチが200mm〜400mmであり、抗張力繊維14は14200デニール以上充填されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、複数本の光ファイバ心線に抗張力繊維を縦添えして、外被で覆った光ファイバコードに関する。
光情報量の増大に伴い、光機器内または光機器間の配線に、複数本の光ファイバ心線等を集合させて多心化した光ファイバコードが用いられている。光ファイバコード用の光ファイバ心線としては、通常の被覆外径0.25mmの光ファイバにナイロン被覆された外径が0.9mmのものを使用している(例えば、特許文献1参照)。また、光ファイバコードは、複数本の光ファイバを外被内にルース状態で収納し、コード両端に多心の光コネクタを取り付けて終端されている(例えば、特許文献2参照)。
図2は、従来の多心の光ファイバコードを模式的に示した図で、光ファイバコード1は、外被3内に複数本の光ファイバ心線2を結束することなくルース状態に収納して構成される。この構成において、光ファイバ心線2は、外被3より線膨張係数が小さいため、低温時に外被3が収縮すると光ファイバ心線2は外被3より長くなり、余長が生じてコード長手方向に蛇行する。複数本の光ファイバ心線2の蛇行は、不規則で光ファイバ心線同士がクロスしてマイクロベンドによる伝送損失が生じやすくなる。従来は、このマイクロベンドによる伝送損失を低減するために、ナイロン被覆が施された0.9mm外径の光ファイバ心線を用いていた。
外径0.9mmの光ファイバ心線を用いて多心の光ファイバコードとすると、8心の場合でコード外径が5.5mm程度となり、心数を増やすとさらに太径となる。光ファイバの高密度化、細径化が要望されており、細径の光ファイバ心線で外被内での蛇行が生じない構造が必要とされている。
本発明は、上述した実状に鑑みてなされたもので、光ファイバ心線の外被内での蛇行を抑制でき、光ファイバ心線に被覆外径が0.25mmのものを用い、高密度で細径化された光ファイバコードの提供を目的とする。
本発明は、上述した実状に鑑みてなされたもので、光ファイバ心線の外被内での蛇行を抑制でき、光ファイバ心線に被覆外径が0.25mmのものを用い、高密度で細径化された光ファイバコードの提供を目的とする。
本発明による光ファイバコードは、複数本の光ファイバ心線を束状にして抗張力繊維と共に外被で覆った光ファイバコードであって、複数本の光ファイバ心線は、2束に分けられて互いに反対方向に撚り合わせられ、抗張力繊維を縦添えして平行に並べられていることを特徴とする。
前記の光ファイバ心線の束の撚りピッチが200mm〜400mmであり、抗張力繊維は、14200デニール以上充填されている。
前記の光ファイバ心線の束の撚りピッチが200mm〜400mmであり、抗張力繊維は、14200デニール以上充填されている。
本発明によれば、複数本の光ファイバ心線の束が、同一ピッチで撚られていて、かつ他の光ファイバ心線の束との互いの撚り方向が反対方向であることから、その心線束同士の接触部における光ファイバ心線同士が交差する部分の長さや面積が増え、マイクロベンドの発生が少なく伝送損失の増加を抑制することができる。また、複数本の光ファイバ心線が撚られていることから、各光ファイバ心線が個別に蛇行することがなく、この点からもマイクロベンドの発生が抑えられる。この結果、細径の0.25mm外径の光ファイバ心線を用いた高密度で細径の光ファイバコードを実現することができる。
図により本発明の概略を説明する。図1(A)は複数本の光ファイバ心線を束状にして
ケーブル内に収納されている状態を示し、図1(B)は多心の光ファイバコードの断面を示す図である。図中、10は光ファイバコード、11は光ファイバ心線、12a,12bは光ファイバ心線束、13は外被、14は抗張力繊維を示す。
ケーブル内に収納されている状態を示し、図1(B)は多心の光ファイバコードの断面を示す図である。図中、10は光ファイバコード、11は光ファイバ心線、12a,12bは光ファイバ心線束、13は外被、14は抗張力繊維を示す。
光ファイバコードは、複数本の光ファイバ心線11からなり、これを2組に分けて光ファイバ心線束12a,12bとし、それぞれ撚り合わされてばらけないようにされる。光ファイバ心線束12a,12bの周囲には抗張力繊維14を配し、その外側を外被13で覆って、光ファイバコード10とされる。
本発明においては、光ファイバコード10に収納する光ファイバ心線11として、例えば、外径が0.125mmのガラスファイバを、外径0.25m程度のファイバ被覆で保護した光ファイバ心線が用いられる。
本発明においては、光ファイバコード10に収納する光ファイバ心線11として、例えば、外径が0.125mmのガラスファイバを、外径0.25m程度のファイバ被覆で保護した光ファイバ心線が用いられる。
光ファイバ心線11は、例えば、24心が用意され、12心ずつの2束に分けるのが好ましい。1束を、例えば、3心、9心というように、2段に積み重ねて円形状に近い断面配列となるようにする。12心の光ファイバ心線は、そのファイバ被覆が色を異ならせて識別されるようにするのが望ましい。なお、24心全てがばらけていると識別性が良くないので、色の異なる12心をバンドル化することが好ましいこれにより、束(12心の光ファイバ心線)ごとに光ファイバ心線を1本ずつ識別することができる。
12心ずつに分けられた光ファイバ心線の心線束12aと心線束12bとは、それぞれ一方向に同じ撚りピッチで撚られる。同一の心線束12aまたは心線束12b内の複数本の光ファイバ心線11同士は、同一の撚りピッチで逆方向に撚られて並列状態で隣接しているので、互いに交差することなく線状に接触するので、マイクロベンドは生じにくく、伝送損失の増加を抑えることができる。
2束に分けられた一方の心線束12aが右方向に撚られた場合は、他方の心線束12bは反対の左方向に撚るようにして、互いの撚り方向が異なるようにして組み付ける。2つの心線束12aと心線束12bは、互いに平行に並べられて外被13内に収納されるが、心線束12aと心線束12bの撚り方向が互いに反対方向で同じ撚りピッチであれば、互いに隣接して接触するようなことがあっても、光ファイバ心線の傾斜方向が同じになるのでマイクロベンドが生じにくく、これによる伝送損失の増加を抑えることができる。
なお、心線束12aと心線束12bの撚り方向を同じにすると、互いに隣接して接触する部分で光ファイバ心線の傾斜方向が交差する状態になるので、マイクロベンドが生じやすくなる。
なお、心線束12aと心線束12bの撚り方向を同じにすると、互いに隣接して接触する部分で光ファイバ心線の傾斜方向が交差する状態になるので、マイクロベンドが生じやすくなる。
また、心線束12aおよび心線束12bの撚りピッチは、200mm〜400mmの範囲とするのが好ましい。光ファイバコード10の両端には、光コネクタ(図示省略)が取り付けられるが、光ファイバ心線をコネクタ付けするとき、200mm〜300mm程度の長さで両端側の外被を除去して、内部の光ファイバ心線11を露出させる。光コネクタには、束状の光ファイバ心線をテープ状に一列に並べて取り付けるので、この長さが撚りの半ピッチ以上あれば、一列に並べやすく作業性がよい。しかし、あまり長いと光ファイバ心線がばらけて束になりにくいので撚りピッチは400mm以下が好ましい。一方、あまり短くても生産性が悪くなるので、200mm以上とするのが現実的である。
なお、光ファイバコードの一方の心線束(12心)を、撚りピッチ400mmで右撚りとし、他方の心線束(12心)を、撚りピッチ400mmで左撚りとし、長さ100m(直径30mmの円になるように巻き取った状態)の試験品を作製し、伝送損失を測定したところ、波長1300nmで増加損失分が0.1dB/km未満で合格であった。他方、双方の心線束の撚りピッチ400mmで、同じ右撚りとした試験品では、増加損失分が0.1dB/kmを超えて不合格であった。
また、光ファイバコードの一方の心線束(12心)を、撚りピッチ330mm(撚りピッチ300mm±10%の上限値)で右撚りとし、他方の心線束(12心)を、撚りピッチ270mmで左撚りとし(撚りピッチ300mm±10%の下限値)、上記と同様に長さ100mの試験品を作製し、伝送損失を測定したところ、波長1300nmで増加損失分が0.1dB/km未満で合格であった。他方、一方の心線束を、撚りピッチ200mmで右撚りとし、他方の心線束を、撚りピッチ400mmで左撚りとした試験品では、増加損失分が0.1dB/kmを超えて不合格であった。撚りピッチは、光ファイバコードの径に比べて圧倒的に長いことから、撚りピッチ300mmに対して±10%程度の差があっても、撚りピッチによる損失の増加は、それほど大きくはなかった。
外被13と光ファイバの心線束12a,12bとの間には、抗張力繊維14が縦添えで隙間がないように充填される。抗張力繊維14には、アラミド繊維(例えば、登録商標のケブラー)等が用いられ、光ファイバ心線が0.3%伸びる状態で1320N以上の許容張力を有していることが望ましい。このため、2840デニールの繊維束を5束(合計で14200デニール)以上が充填されていることが好ましい。
外被13は、難燃ポリエチレン等の押出し成形により形成される。外被13は多少の荷重をかけても潰れないような機械強度を有していることが望ましく、外被13の厚さTが0.5mm以上とすることが望ましい。機械強度としては、100kg/100mmの荷重が掛けられても外被に潰れが生じず、また、円形底部の直径が20mmで500gの重さの錘を600mmの高さから落下させても中の光ファイバ心線が損傷しないように構成されていることが好ましい。
図1(B)に示すように、光ファイバ心線11に被覆外径(d1)が0.25mmのものを用いると、12心の心線束12a,12bのそれぞれの束外径(d2)は、1.0mm程度となり、2束の合計外径は2.0mm程度となる。抗張力繊維のスペースと外被厚0.5mm以上を考慮すると、外被13の内径(D1)は、2.6mm程度で、外径(D2)は3.8mm程度となる。
上記の外被13の内径(D1)を2.6mmで、外径(D2)を3.8mmで、抗張力繊維束を2840デニール×2束としたところ、光ファイバ心線の伸びが敷設作業時に必要となる張力660Nで1.4%となり、スクリーニングレベル1.0%の60%値である0.6%を超えてしまい光ファイバの破断確率上信頼性が懸念される値となった。また、外被13の内径(D1)を2.6mm、外径(D2)を3.6mmとし、抗張力繊維束を2840デニール×5束としたところ、光ファイバ心線の伸びが敷設作業時に必要となる張力660Nで0.55%となり、スクリーニングレベル1.0%の60%値である0.6%を下回り、光ファイバの破断確率上信頼性がある値となった。
なお、光ファイバコード10の端部に光コネクタを取り付けられる場合、本例の場合は12心×2段の光コネクタを用いるとよい。12心の色分けされた1束分の光ファイバ心線を光コネクタの1段分とすることで識別もしやすい。また、束単位で光コネクタのフェルールへの挿着を行うので、作業ミスを少なくして生産性を向上させることができる。また、光ファイバ心線は24心の例で説明したが、これより、多くても少なくてもよい。
10…光ファイバコード、11…光ファイバ心線、12a,12b…光ファイバ心線束、13…外被、14…抗張力繊維。
Claims (4)
- 複数本の光ファイバ心線を束状にして抗張力繊維と共に外被で覆った光ファイバコードであって、
前記複数本の光ファイバ心線は、2束に分けられて互いに反対方向に撚り合わせられ、前記抗張力繊維を縦添えして平行に並べられていることを特徴とする光ファイバコード。 - 前記光ファイバ心線の束の撚りピッチが200mm〜400mmであることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバコード。
- 前記抗張力繊維は、14200デニール以上充填されていることを特徴とする請求項1または2に記載の光ファイバコード。
- コード両端に光コネクタが取り付けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光ファイバコード。
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