JP6305313B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。
氷上走行性能向上のため、ブロックにサイプを設けた空気入りタイヤが知られている。
例えば、特許文献1には、タイヤ幅方向に延びる直線状のサイプの一端側で、サイプ深さ方向に厚み(溝幅)を増加させることが開示されている。このサイプ形状は、摩耗進行時の制動性能向上を意図している。
特開2011−251611号公報
タイヤ周方向の一方の向きに突出する頂部と、他方の向きに突出する頂部が交互に繰り返し設けられた形状のサイプ(例えば波形サイプ)については、特許文献1を含め、摩耗進行時の制動性能や駆動性能を効果的に向上する提案はなされてない。特に、このような形状のサイプでは、頂部の踏み込み側ではタイヤ幅方向中央に接地圧が集中する傾向があるが、この点を考慮した提案はなされていない。
本発明は、タイヤ周方向の一方の向きに突出する頂部と、他方の向きに突出する頂部とを有する形状のサイプが設けられた空気入りタイヤにおいて、摩耗進行時における制動性能や駆動性能を向上することを課題とする。
本発明は、トレッド部にブロックを備え、前記ブロックにはタイヤ幅方向に沿って延びるサイプが設けられた空気入りタイヤであって、前記サイプは、タイヤ周方向の第1の向きに突出する、少なくとも1個の第1の頂部と、前記タイヤ周方向の前記第1の向きとは反対の第2の向きに突出する、少なくとも1個の第2の頂部とを備え、前記第1及び第2の頂部のうちの少なくとも一方の少なくとも1個には、前記頂部が突出する向き側のサイプ側壁面に、前記頂部の中心線に対して対称性を有し、かつサイプ深さ方向に前記ブロックの頂面に対する投影面積が増加する凹部が形成されている、空気入りタイヤを提供する。
摩耗進行に伴って、ブロックの剛性は高くなり、サイプの容積は減少する。しかし、サイプの頂部には、この頂部が突出する向き側のサイプ側壁面に、サイプ深さ方向に投影面積が増加する凹部(頂部の中心線に対して対称性を有する)が形成されている。そのため、摩耗進行時もサイプの徐水性とエッジ効果が維持され、摩擦進行時の制動性能や駆動性能を向上できる。
徐水性に関しては、摩耗進行に伴って、サイプの頂部がブロックの頂面で開口する面積(サイプの開口面積と凹部の開口面積の和)が増加する。この開口面積の増加により、摩耗進行に伴うサイプ容積の減少による徐水性の低下が補われる。また、摩耗進行に伴ってサイプと凹部を合わせた厚み(溝幅)が増加するので、摩耗進行時におけるタイヤ周方向(前後方向)の入力に対するサイプの閉じにくさが向上する。これらの要因により、摩耗進行時も徐水性が維持される。
エッジ効果に関しては、摩耗進行に伴ってサイプの頂部におけるエッジ部の長さが長くなる。また、前述のようの、摩耗進行に伴ってサイプと凹部を合わせた厚み(溝幅)が増加し、サイプの閉じにくさが向上する。さらに、凹部は頂部の中心線に対して対称性を有するので、摩耗進行時もサイプの頂部における剛性は中心線に対して対称性を維持し、偏りが生じない。これらの要因により、摩耗進行時も、サイプのエッジ効果が維持される。
具体的には、前記凹部の前記投影面積は、前記サイプ深さ方向に段階的に増加している。
さらに具体的には、前記凹部は、前記ブロックの前記頂面への投影形状が前記タイヤ幅方向に第1の寸法を有する、第1の部分と、前記第1の部分の前記サイプ深さ方向に隣接して位置し、前記ブロックの前記頂面への投影形状が前記第1の寸法より大きい前記タイヤ幅方向の第2の寸法を有する、第2の部分と、前記第2の部分の前記サイプ深さ方向に隣接して位置し、前記ブロックの前記頂面への投影形状が前記第2の寸法より大きい前記タイヤ幅方向の第3の寸法を有する、第3の部分とを備える。
前記第1から第3の部分の前記投影形状は、例えば、前記タイヤ幅方向に細長い矩形状である。
前記凹部の前記投影面積は、前記サイプ深さ方向に連続的に増加してもよい。
前記第1の頂部と第2の頂部の両方に前記凹部が設けられてもよい。
前記サイプは、前記タイヤ幅方向に沿って交互に繰り返し設けられた複数の前記第1の部分及び前記第2の部分を備えてもよい。
この場合、前記凹部が複数個設けられ、前記凹部の容積は前記ブロックのタイヤ幅方向の中心領域から端部領域に向けて減少していてもよい。
ブロックの頂面では、タイヤ幅方向の中央領域における接地圧が、タイヤ幅方向の端部領域における接地圧よりも、相対的に高い。ブロックの中央領域には、相対的に容積が大きい凹部が配置される一方、相対的に接地圧の低いブロックの端部領域には、相対的に容積が小さい凹部が配置される。そのため、接地圧が相対的に高いブロックの幅方向領域における剛性は、接地圧が相対的に低いブロックの中央領域における剛性に対し、相対的に低い。かかるブロックの剛性分布によって、踏み込み時にブロックに作用する衝撃を緩和でき、インパクトノイズを低減できる。
本発明に係る空気入りタイヤのサイプの頂部には、この頂部が突出する向き側のサイプ側壁面に凹部を設けている。この凹部は頂部の中心線に対して対称性を有し、かつサイプ深さ方向にブロックの頂面に対する投影面積が増大している。この構成により、摩耗進行時のサイプの徐水性とエッジ効果が維持されるため、摩擦進行時における制動性能や駆動性能を効果的に向上できる。
本発明の第1実施形態に係る空気入りタイヤのトレッドパターンの模式的な展開図。 第1実施形態に係る空気入りタイヤが備えるブロックの頂面図。 図2の部分拡大図。 第1実施形態に係る空気入りタイヤが備えるブロックの部分的な斜視図。 図3のV−V線での断面図。 第1実施形態の凹部の模式的な斜視図。 図4のVII−VII線での断面図。 図4のVIII−VIII線での断面図。 図4のIX−IX線での断面図。 図4のX−X線での断面図。 第1実施形態の第1の変形例に係るブロックの部分的な頂面図。 第1実施形態の第2の変形例に係るブロックの部分的な頂面図。 第1実施形態の第3の変形例に係るブロックの部分的な頂面図。 第1実施形態の第4の変形例に係るブロックの部分的な頂面図。 本発明の第2実施形態に係る空気入りタイヤが備えるブロックの部分的な頂面図。 図15のXVI−XVI線での断面図。 第2実施形態の凹部の模式的な斜視図。 本発明の第3実施形態に係る空気入りタイヤが備えるブロックの部分的な頂面図。 比較例に係る空気入りタイヤが備えるブロックの斜視図。
本発明の実施形態を、添付図面を参照して説明する。以下の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物、あるいはその用途を制限することを意図するものではない。
(第1実施形態)
図1を参照すると、本実施形態に係る空気入りタイヤ1のトレッド部2には、タイヤ周方向(図において符号CDで示す。)に延びる複数の主溝3と、タイヤ幅方向(図に符号WDで示す。)に延びる複数の横溝(ラグ溝)4が設けられている。主溝3と横溝4によって、頂面5aが概ね矩形状のブロック5が画定されている。本実施形態では主溝3と横溝4は直線状であるが、これらは振幅を有する非直線状の溝であってもよく、そのような溝形状に応じた形状をブロック5が有していてもよい。ブロック5には、ブロック5の頂面5aで開口するサイプ6が設けられている。本実施形態では、1個のブロック5に2本のサイプ6が設けられている。しかし、1個のブロック5に設けるサイプ6は、1本でも良いし、3本以上でもよい。
図2から図4を併せて参照すると、サイプ6は全体としてタイヤ幅方向に延びるように設けられている。本実施形態では、サイプ6はブロック5をタイヤ幅方向に貫通するように設けられており、ブロック5の側面(横溝4に臨む面)5b,5bで開口している。サイプ6は、ブロック5の頂面5aとタイヤ周方向に対向するサイプ底壁面7と、サイプ底壁面7から立ち上がり、間隔を隔てて互いに対向する一対のサイプ側壁面8a,8bとによって画定されている。本実施形態では、サイプ側壁面8a,8b間の間隔、すなわちサイプ6自体の厚み(溝幅)T0(図7参照)は、サイプ6の全長にわたって一定である。本実施形態では、サイプ底壁面7は、ブロック5の底部(主溝3及び横溝4の底面)よりもブロック5の頂面5a側(図4において上方)に位置している。しかし、サイプ底壁面7とブロック5の底部のサイプ6の深さ方向(図4に符号DDで示す)の位置が一致していてもよい。
図3に最も明瞭に示すように、サイプ6は全体としてはタイヤ幅方向に延びるように設けられているが、タイヤ幅方向に振幅(図2に符号AMで概念的に示す)を有している。サイプ6は、ブロック5のタイヤ幅方向の端部領域に、ブロック5の頂面5aから見た形状が、タイヤ幅方向に延びる直線状である直線部11a,11bを備える。また、サイプ6は、これらの直線部分11a,11bのタイヤ幅方向の中央領域側(ブロック5の頂面5aのタイヤ幅方向の中心を図3において符号C1で示す。)の端部間に、タイヤ幅方向に交互に繰り返して設けられた3個の第1の頂部12Aと3個の第2の頂部12Bとを備える。第1の頂部12Aは、タイヤ周方向の一方の向き(図3において上向き)に突出している。第2の頂部12Bはタイヤ周方向の他方の向き(図3において下向き)に突出している。サイプ6は、タイヤ幅方向に沿って延びる幅方向部分13と、タイヤ周方向に沿って延びる周方向部分14とを交互に備えており、これらの部分13,14によって第1及び第2の頂部12A,12Bが構成されている。本実施形態では、幅方向部分13は、タイヤ幅方向に対して実質的に傾斜を有さず、タイヤ周方向に対して実質的に直交する方向に延びている。また、幅方向部分14は、タイヤ周方向に対して実質的に傾斜を有さず、タイヤ幅方向に対して実質的に直交する方向に延びている。そのため、本実施形態におけるサイプ6は、ブロック5の頂面5aから見ると、クランク状の形状を有する。
3個の第1の頂部12Aの幅方向部分13には、それぞれ凹部15が形成されている。3個の第2の頂部12Bの幅方向部分13にも、それぞれ凹部15が形成されている。第1の頂部12Aの凹部15と第2の頂部12Bの凹部15は、形状は同じで、前者がタイヤ周方向の一方の向き(図3において上向き)に窪んでいるのに対して、後者がタイヤ周方向の一方の向き(図3において下向き)に窪んでいる点で異なる。そこで、以下では、主として第1の頂部12Aの凹部15の形状をより具体的に説明する。
図3及び図4を参照すると、凹部15は、第1の頂部12Aの幅方向部分13における一対のサイプ側壁面8a,8bのうち、第1の頂部12Aが突出する側のサイプ側壁面8aに設けられている。なお、第2の頂部12Bでは、幅方向部分13における一対のサイプ側壁面8a,8bのうち、第2の頂部12Bが突出する側のサイプ側壁面8bに凹部15が設けられている。
図5及び図6を併せて参照すると、凹部15は、ブロック5の頂面5a側からサイプ6の深さ方向に、ブロック5の頂面5aへの投影面積が3段階で増加する形状を有している。具体的には、凹部15は、最もブロック5の頂面5a側に配置された第1の部分16と、第1の部分16に対してサイプ深さ方向(ブロック5の頂面5aとは反対側)に隣接した配置された第2の部分17と、第2の部分17に対してサイプ深さ方向(ブロック5の頂面5aとは反対側)に配置された第3の部分18とを備える。第1から第3の部分16〜18はいずれも、扁平な直方体状であり、それぞれ高さH1,H2,H3を有する。
図8を参照すると、凹部15の第1の部分16のブロック5の頂面5aへの投影形状は、タイヤ幅方向に細長い矩形状であり、幅W1が厚み(溝幅)T1に対して十分に大きい。図9及び図10をさらに参照すると、凹部15の第2及び第3の部分17,18のブロック5の頂面5aへの投影形状も、タイヤ幅方向に細長い矩形状であり、幅W2,W3が厚み(溝幅)T2,T3に対して十分に大きい。第2の部分17の幅W2と厚みT2は、第1の部分16の幅W1と厚みT1よりも大きく、第2の部分17のブロック5の頂面5aへの投影面積は、第1の部分16の同様の投影面積よりも大きい。また、第3の部分18の幅W3と厚みT3は、第2の部分17の幅W2と厚みT2よりも大きく、第3の部分18のブロック5の頂面5aへの投影面積は、第2の部分17の同様の投影面積よりも大きい。
第1の部分16は、ブロック5の頂面5aに対してサイプ深さ方向に間隔(図5において符号H4で示す)を隔てて設けられている。そのため、摩耗進行前(例えば空気入りタイヤ1が新品の時)の凹部15は、頂面5aに開口していない。
図8から図10を参照すると、凹部15は、サイプ6をブロック5の頂面5a側から見たときの頂部12Aの中心線C2に対して対称性を有するように設けられている。具体的には、凹部15の第1から第3部分16〜18の頂面5aへの投影形状は、中心線C2に対して線対称であり、第1から第3部分16〜18の幅W1〜W3の中央を中心線C2が通っている。
摩耗進行に伴って、ブロック5の剛性が高くなり、サイプ6の容積は減少し、これらはサイプ6の徐水性とサイプ6によるエッジ効果を低下させる。しかし、本実施形態では、凹部15を設けたことにより、摩耗進行時もサイプ6の徐水性とエッジ効果が維持され、摩擦進行時の制動性能や駆動性能を効果的に向上できる。以下、この点について詳述する。
摩耗進行に伴って、サイプ6の頂部12A,12Bがブロック5の頂面5aで開口する面積(サイプ6の開口面積と凹部15の開口面積の和)が増加する。例えば、ブロック5の頂面5aの摩耗が図5において符号H4で示すサイプ深さ方向の領域を超えて凹部15の第1の部分16まで進行すると、図7に示すようにサイプ6のみが頂面5aに開口した状態から、図8に示すようにサイプ6と凹部15の第1の部分16が頂面5aに開口する状態に変化するので、開口面積が増加する。ブロック5の頂面5aの摩耗がさらに進行して凹部15の第2の部分17まで進行すると、図9に示すように、サイプ6と凹部15の第2の部分17(幅W2と厚みT2が第1の部分16よりも大きい)が開口するので、図8に示す状態から開口面積がさらに増加する。ブロック5の頂面5aの摩耗がさらに進行して凹部15の第3の部分18まで進行すると、図10に示すように、サイプ6と凹部15の第3の部分18(幅W3と厚みT3が第1及び第2の部分16,17よりも大きい)が開口するので、図9に示す状態から開口面積がさらに増加する。この摩耗進行に伴うブロック5の頂面5aでのサイプ6及び凹部15の開口面積の増加により、摩耗進行に伴うサイプ6の容積の減少による徐水性の低下が補われる。
次に、摩耗進行に伴って、ブロック5の頂面5aにおけるサイプ6と凹部15とを合わせた開口の厚みが増加する。例えば、ブロック5の頂面5aの摩耗が図5において符号H4で示すサイプ深さ方向の領域を超えて凹部15の第1の部分16まで進行すると、ブロック5の頂面5aにおける開口の厚みは、図7に示す厚みT0(サイプ6のみが開口)から、図8に示すサイプ6の厚みT0に凹部15の第1の部分16の厚みT1を加えた厚みT4に増加する。ブロック5の頂面5aの摩耗がさらに進行して凹部15の第2の部分17まで進行すると、ブロック5の頂面5aにおける開口の厚みは、図9に示すようにサイプ6の厚みT0に凹部15の第2の部分17の厚みT2(第1の部分16の厚みT1より大きい)を加えた厚みT5にさらに増加する。ブロック5の頂面5aの摩耗がさらに進行して凹部15の第3の部分18まで進行すると、ブロック5の頂面5aにおける開口の厚みは、図10に示すようにサイプ6の厚みT0に凹部15の第3の部分18の厚みT3(第2の部分17の厚みT2より大きい)を加えた厚みT6にさらに増加する。このようにサイプ6と凹部15を合わせた厚みが摩耗進行に伴って厚みT0から厚みT6へと増加することで、摩耗進行時におけるタイヤ周方向(前後方向)の入力に対するサイプの閉じにくさが向上する。
以上のように、摩耗進行に伴うサイプ6と凹部15の開口面積増加と、摩耗進行に伴うサイプ6と凹部15を合わせた厚みの増加とによって、摩耗進行時も徐水性が維持される。
次に、摩耗進行に伴ってサイプ6の頂部12A,12Bにおけるエッジ部の長さが長くなる。例えば、ブロック5の頂面5aの摩耗が図5において符号H4で示すサイプ深さ方向の領域を超えて凹部15の第1の部分16まで進行すると、サイプ6の頂部12Aにおけるエッジ部は、図7に示すようにサイプ6(幅方向部分13)のみにより構成される状態から、図8に示すようにサイプ6と凹部15の第1の部分16とにより構成される状態となる。また、摩耗進行に伴い、図9に示すようにサイプ6と凹部15の第2の部分17によりエッジ部が構成される状態を経て、図10に示すように、サイプ6と凹部15の第3の部分18によりエッジ部が構成される状態に遷移する。
また、凹部15は頂部12A,12Bの中心線C2に対して対称性を有するので、摩耗進行時もサイプ6の頂部12A,12Bにおける剛性は中心線C2に対して対称性を維持し、偏りが生じない。
摩耗進行に伴ってサイプ6の頂部12A,12Bにおけるエッジ部の長さが長くなること、前述のように摩耗進行に伴ってサイプ6と凹部15を合わせた厚み(溝幅)が増加し、サイプ6の閉じにくさが向上すること、並びに凹部15が頂部12A,12Bの中心線C2に対して対称性を有することとにより、摩耗進行時もエッジ効果が維持される。
本実施形態では、互いにタイヤ周方向の反対向きに突出する第1及び第2の頂部12A,12Bの両方に凹部15を設けている。図2及び図3を参照すると、空気入りタイヤ1の回転方向がR1の場合には、第1の頂部12Aの凹部15を設けた部分(サイプ側壁面8a側)が踏み込み側となり、第2の頂部12Bの凹部15を設けた部分(サイプ側壁面8b側)が蹴り出し側となる。逆に、空気入りタイヤ1の回転方向がR2の場合には、第2の頂部12Bの凹部15を設けた部分(サイプ側壁面8b側)が踏み込み側となり、第1の頂部12Aの凹部15を設けた部分(サイプ側壁面8a側)が蹴り出し側となる。このように、反対向きに突出する第1及び第2の頂部12A,12Bの両方に凹部15を設けることで、空気入りタイヤ1の回転方向R1,R2に拘わらず摩耗進行時に徐水性とエッジ効果を維持できる。
図11から図14は、第1実施形態の変形例を示す。
図11に示す変形例では、ブロック5の頂面5aのタイヤ幅方向の領域に応じて凹部15の初期容積(摩耗が凹部15まで到達する前の容積)を異ならせている。具体的には、凹部15間で第1から第3部分16〜18の幅W1〜W3(図8から図10参照)を異ならせている。
ブロック5の頂面5aのタイヤ幅方向の中央領域に配置された1個の第1の頂部12Aと1個の第2の頂部12Bに設けられた凹部15は、第1実施形態と同一の形状及び寸法に設定している。次に、ブロック5の頂面5aのタイヤ幅方向の端部領域(ブロック5の側面側)の1個の第1の頂部12Aと1個の第2の頂部12Bに設けられた凹部15では、中央領域に配置された第1及び第2の頂部12A,12Bに設けられた凹部15よりも第1から第3部分16〜18の幅W1〜W3を短く設定している。また、中央領域に配置された頂部12A,12Bと端部領域に配置された頂部12A,12Bの間に位置する1個の第1の頂部12Aと1個の第2の頂部12Bに設けられた凹部15は、第1から第3部分16〜18の幅W1〜W3を中央領域に配置された第1及び第2の頂部12A,12Bに設けられた凹部15よりも短く、かつ端部領域に配置された頂部12A,12Bに設けられた凹部15よりも長く設定している。つまり、ブロック5の頂面5aのタイヤ幅方向の中心C1から外側に向かって凹部15の第1から第3部分16〜17の幅W1〜W2が段階的に短くなっている。
ブロック5の頂面5aのタイヤ幅方向の中央領域における接地圧は、ブロック5の頂面5aのタイヤ幅方向の端部領域における接地圧よりも、相対的に高い。図11の変形例では、ブロック5の中央領域には、相対的に初期容積が大きい凹部15が配置される一方、相対的に接地圧の低いブロックの端部領域には、相対的に容積が小さい凹部15が配置される。そのため、接地圧が相対的に高いブロック5の幅方向領域における剛性は、接地圧が相対的に低いブロック5の中央領域における剛性に対して相対的に低い。かかるブロック5の剛性分布によって、踏み込み時にブロック5に作用する衝撃を緩和でき、インパクトノイズを低減できる。
図12に示す変形例では、ブロック5のタイヤ幅方向の中央領域に位置する1個の第1の頂部12A及び1個の第2の頂部12Bについてのみ、凹部15を設けている。図13に示す変形例では、ブロック5のタイヤ幅方向の中央領域に位置する1個の第1の頂部12Aについてのみ、凹部15を設けている。図14に示す変形例では、3個の第1の頂部12Aのすべてについて凹部15を設けているが、3個の第2の頂部12Bのいずれについても凹部を設けていない。
以下、本発明の第2及び第3実施形態を説明する。これらの実施形態について、特に言及しない点は、第1実施形態と同様である。また、これらの実施形態に関する図面中では、第1実施形態と同一の要素には、同一の符号を付している。
(第2実施形態)
図15から図17に示す本発明の第2実施形態は、凹部15の形状が第1実施形態と異なる。具体的には、本実施形態における凹部15は、底面がサイプ底壁面7にブロック5の頂面5a側に隣接して配置され、かつ1個の頂点が頂面5aを向く三角錐状である。かかる形状の凹部15の場合、ブロック5の頂面5a側からサイプ6の深さ方向に、ブロック5の頂面5aへの投影面積が連続的に増加する。
(第3実施形態)
図18に示す本発明の第3実施形態は、サイプ6の全体的な形状が第1実施形態と異なる。具体的には、第1実施形態におけるサイプ6(例えば、図3参照)は、ブロック5の頂面5aから見たクランク状であるの対し、本実施形態におけるサイプ6は、ブロック5の頂面5aから見た形状が波形状である。さらに具体的には、サイプ6の第1及び第2の頂部12A,12Bを構成する幅方向部分14は、タイヤ周方向に対して実質的に傾斜して斜めに延びている。一方、サイプ6の第1及び第2の頂部12A,12Bの幅方向部分13(凹部15が形成されている)は、第1実施形態と同様に、タイヤ幅方向に対して実質的に傾斜を有さず、タイヤ周方向に対して実質的に直交する方向に延びている。
以下の比較例並びに実施例の空気入りタイヤを対象に、氷路面における制動性能及び加速性能(駆動性能)の評価試験を行った。
図19に示す比較例の空気入りタイヤでは、タイヤ幅方向に延びる直線状のサイプ6の一端側で、サイプ深さ方向に厚み(溝幅)を増加させている。厚みT10,T11,T12は、それぞれ0.3mm、0.6mm、及び0.9mmである。
実施例は、図1から図10に示す第1実施形態の空気入りタイヤである。厚みT0,T1,T2,T3は、それぞれ0.3mm、0.6mm、0.9mm、及び1.2mmである。
制動性能及び加速性能のいずれについても、テスト車両(1500ccの4WDミドルセダン車)にテストタイヤを装着して氷路面を走行させることで評価した。また、比較例と実施例のいずれについても、新品、25%摩耗、及び50%摩耗のテストタイヤを評価に供した。25%摩耗と50%摩耗は、ブロック高さが新品のとの比較で25%と50%減少した状態である。
氷路面の制動性能は、速度40km/hで制動力をかけてABSを作動させた際の制動距離の逆数で評価した。比較例(新品)の結果を100として評価結果を表している。評価結果の数値が大きい程、氷路面における制動性能が優れていることを示す。
氷路面の加速性能は、停止状態から速度20km/hまで加速させる時の所用時間の逆数で評価した。比較例(新品)の結果を100として評価結果を表している。評価結果の数値が大きい程、氷路面における加速性能が優れていることを示す。
制動性能及び加速性能の評価結果は以下の表1に示す通りであった。
Figure 0006305313
新品の比較例を基準(100)とした比較例の25%摩耗と50%摩耗の制動性能の評価指数は、それぞれ97と92であった。新品の比較例を基準(100)とした実施例の制動性能の評価指数は、新品は110、25%摩耗は98、50%摩耗は96であった。比較例の新品の評価指数が100であるのに対し、実施例の新品の評価指数は110である。従って、実施例は、比較例よりも新品での氷路面の制動性能が良好である。また、比較例では、25%摩耗の評価指数が97であり、50%摩耗では評価指数が92まで低下する。これに対して、実施例では、25%摩耗の評価指数が98であり、50%摩耗でも評価指数は96までしか低下しない。従って、実施例では、摩耗進行に伴う氷路面の制動性能の低下が、比較例よりも抑制されている。
新品の比較例を基準(100)とした比較例の25%摩耗と50%摩耗の加速性能の評価指数は、それぞれ97と92であった。新品の比較例を基準(100)とした実施例の加速性能の評価指数は、新品は110、25%摩耗は98、50%摩耗は96であった。比較例の新品の評価指数が100であるのに対し、実施例の新品の評価指数は110である。従って、実施例は、比較例よりも新品での氷路面の加速性能が良好である。また、比較例では、25%摩耗の評価指数が97であり、50%摩耗では評価指数が92まで低下する。これに対して、実施例では、25%摩耗の評価指数が98であり、50%摩耗でも評価指数は96までしか低下しない。従って、実施例では、摩耗進行に伴う氷路面の加速性能(駆動性能)の低下が、比較例よりも抑制されている。
1 空気入りタイヤ
2 トレッド部
3 主溝
4 横溝
5 ブロック
5a 頂面
5b 側面
6 サイプ
7 サイプ底壁面
8a,8b サイプ側壁面
11a,11b 直線部
12A 第1の頂部
12B 第2の頂部
13 幅方向部分
14 周方向部分
15 凹部
16 第1の部分
17 第2の部分
18 第3の部分
CD タイヤ周方向
WD タイヤ幅方向
DD サイプ深さ方向
AM 振幅
C1,C2 中心線
H1,H2,H3 高さ
W1,W2,W2 幅
T0,T1,T2,T3,T4,T5,T6,T10,T11,T12 厚み(溝幅)

Claims (8)

  1. トレッド部にブロックを備え、前記ブロックにはタイヤ幅方向に沿って延びるサイプが設けられた空気入りタイヤであって、
    前記サイプは、
    タイヤ周方向の第1の向きに突出する、少なくとも1個の第1の頂部と、
    前記タイヤ周方向の前記第1の向きとは反対の第2の向きに突出する、少なくとも1個の第2の頂部と
    を備え、
    前記第1及び第2の頂部のうちの少なくとも一方の少なくとも1個には、前記頂部が突出する向き側のサイプ側壁面に、前記頂部の中心線に対して対称性を有し、かつサイプ深さ方向に前記ブロックの頂面に対する投影面積が増加する凹部が形成されている、空気入りタイヤ。
  2. 前記凹部の前記投影面積は、前記サイプ深さ方向に段階的に増加している、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記凹部は、
    前記ブロックの前記頂面への投影形状が前記タイヤ幅方向に第1の寸法を有する、第1の部分と、
    前記第1の部分の前記サイプ深さ方向に隣接して位置し、前記ブロックの前記頂面への投影形状が前記第1の寸法より大きい前記タイヤ幅方向の第2の寸法を有する、第2の部分と、
    前記第2の部分の前記サイプ深さ方向に隣接して位置し、前記ブロックの前記頂面への投影形状が前記第2の寸法より大きい前記タイヤ幅方向の第3の寸法を有する、第3の部分と
    を備える、請求項2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記第1から第3の部分の前記投影形状は、前記タイヤ幅方向に細長い矩形状である、請求項3に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記凹部の前記投影面積は、前記サイプ深さ方向に連続的に増加している、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記第1の頂部と前記第2の頂部の両方に前記凹部が設けられている、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記サイプは、前記タイヤ幅方向に沿って交互に繰り返し設けられた複数の前記第1の部分及び前記第2の部分を備える、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記凹部が複数個設けられ、
    前記凹部の容積は前記ブロックのタイヤ幅方向の中心領域から端部領域に向けて減少している、請求項7に記載の空気入りタイヤ。
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