JP6304321B2 - 測距センサおよび測距方法 - Google Patents

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Description

本発明は、測定対象物までの距離を測定する測距センサおよび測距方法に関する。
近年、投光素子から照射された光の反射光を受光して、投光時点と受光時点とから飛行時間を算出し、測定対象物までの距離を測定するTOF(Time Of Flight)方式の測距センサが用いられている。
例えば、特許文献1には、投光素子の投光タイミングを少しずつ遅延させながらパルスの受光信号を積算してヒストグラムに傾斜を作り、関数フィッティングによる補完によって、サンプリング周期よりも小さい分解能を実現した測距センサについて開示されている。
しかしながら、上記従来の測距センサでは、以下に示すような問題点を有している。
すなわち、上記公報に開示された測距センサでは、より小さな分解能を実現するためには投光タイミングをより短い単位時間でずらす必要がある。しかしながら、投光タイミングをずらす単位時間は、発信時点調節装置(制御回路)に供給されるクロックに依存し、現実的に回路で使用できるクロックには上限がある。このため、この測距センサでは、充分な分解能が得られるとは言い難い。
特開2011−89986号公報
本発明の課題は、サンプリング周期よりも細かい任意の受光時点を算出して、従来よりも高い分解能を実現することが可能な測距センサを提供することにある。
第1の発明に係る測距センサは、投光部と、受光部と、二値化部と、制御部と、受光時点算出部と、距離算出部と、を備えている。投光部は、対象物に対して複数回光を照射する。受光部は、投光部から照射された光の対象物からの反射光を受光する。二値化部は、受光部から出力され時間に応じて変化する受光信号を、閾値を用いて二値化する。制御部は、投光部からの投光ごとに、受光信号の値および閾値が互いに相対的に変化するように少なくとも一方を変化させることにより、受光信号が閾値を上方または下方に超える時点を変動させる。受光時点算出部は、制御部において生じさせる変動によって変化する、変動に関連する量を統計的処理によって処理することによって、受光部において反射光を受光した受光時点を決定する。距離算出部は、投光部が光を照射した投光時点から受光時点算出部において決定された受光時点までの時間に基づいて、対象物までの距離を算出する。
ここでは、投光部から照射された光が対象物において反射して受光部において受光されるまでの時間と光の速度とを用いて対象物までの距離を計測するTOF方式の測距センサにおいて、受光信号を二値化処理する際に用いられる閾値を投光ごとに変化させる。そして、本測距センサでは、投光ごとに閾値を変化させることにより、投光部からの投光ごとに、受光信号の値および閾値が互いに相対的に変化するように少なくとも一方を変化させることにより、受光信号が閾値を上方または下方に超える時点を変動させる。そして、制御部において生じさせる変動によって変化する、変動に関連する量を統計的処理することによって、受光部において反射光を受光した受光時点を決定し、投光時点から受光時点までの時間に基づいて、対象物までの距離を算出する。
ここで、制御部は、投光部からの投光ごとに変化させる閾値について、閾値の値を直接変化させてもよいし、受光信号の値を変化させて受光信号に対する閾値を相対的に変化させてもよい。
また、制御部による閾値の変化は、例えば、正規分布や一様分布等のように基準閾値に対して対称性を有する分布に従って行うことができる。
また、受光時点算出部における受光時点の決定には、制御部において生じさせる変動によって変化する、変動に関連する量の統計的処理として、例えば、受光信号を閾値により二値化した信号における値の変化時点のヒストグラムの重心、あるいは回帰直線を用いて算出することができる。また、回帰直線の代わりに、関数フィッティングにより得られる関数を用いて算出することもできる。
これにより、投光素子からの投光タイミングを少しずつ遅延させて受光素子において受光された信号を積算して生成されたヒストグラムを用いて光の飛行時間を算出する従来の測距センサと比較して、高い分解能を持つ測距センサを得ることができる。
すなわち、本測距センサでは、二値化処理に用いられる閾値の値を受光信号に対して相対的に変化させながら複数回の計測を行うことにより、統計的な確からしさに基づいた計測を行う。
このため、遅延させる時間には限界があるため遅延時間の間隔によって律速された離散的な分解能しか得られなかった従来の測距センサよりも、連続的で高い時間分解能を得ることができる。
この結果、従来よりも連続的で高い分解能を持つ測距センサを実現することができる。
第2の発明に係る測距センサは、第1の発明に係る測距センサであって、変動に関連する量は、受光信号を閾値により二値化した信号における値の変化時点である。統計的処理は、当該変化時点のヒストグラムの重心にあたる時点を求めることである。受光時点算出部は、統計的処理によって求められた当該時点を受光時点とする。
ここでは、上述した変動に関連する量として、受光信号を閾値によって二値化した信号における値の変化時点を用いる。また、上述した統計的処理として、当該変化時点のヒストグラムの重心にあたる時点を求める。そして、受光時点算出部は、統計的処理によって求められた当該時点を受光時点とする。
これにより、上述したように、従来よりも連続的で高い分解能を持つ測距センサを実現することができるという効果を得ることができる。
第3の発明に係る測距センサは、第1の発明に係る測距センサであって、変動に関連する量は、受光信号を閾値により二値化した信号の波形を構成する各信号値である。統計的処理は、当該二値化波形を積算し、積算後の波形を構成する時間的離散値を補間した波形が所定の基準値を上方または下方に超える時点を求めることである。受光時点算出部は、統計的処理によって求められた当該時点を受光時点とする。
ここでは、上述した変動に関連する量として、受光信号を閾値により二値化した信号の波形を構成する各信号値を用いる。また、上述した統計的処理として、当該二値化波形を積算し、積算後の波形を構成する時間的離散値を補間した波形が所定の基準値を上方または下方に超える時点を求める。そして、受光時点算出部は、統計的処理によって求められた当該時点を受光時点とする。
これにより、上述したように、従来よりも連続的で高い分解能を持つ測距センサを実現することができるという効果を得ることができる。
第4の発明に係る測距センサは、第3の発明に係る測距センサであって、受光時点算出部は、統計的処理として、回帰直線の推定あるいは関数フィッティングによって、補間を行う。
ここでは、上述した統計的処理として、回帰直線の推定あるいは関数フィッティングによって補間を行う。
これにより、上述したように、従来よりも連続的で高い分解能を持つ測距センサを実現することができるという効果を得ることができる。
第5の発明に係る測距センサは、第1から第4の発明のいずれか1つに係る測距センサであって、制御部は、対称性を有する分布に従って、受光信号の値と閾値を相対的に変化させる。
ここでは、受光信号の値と閾値を相対的に変化させるために、例えば、正規分布等の対称性を有する分布を用いる。
これにより、容易に、受光信号に対する閾値の値を相対的に変化させることができる。
第6の発明に係る測距センサは、第5の発明に係る測距センサであって、対称性を有する分布は、正規分布、一様分布、放物関数で定義される分布、三角分布のいずれかである。
ここでは、受光信号の値と閾値を相対的に変化させるため用いられる対称性を有する分布として、正規分布、一様分布、放物関数で定義される分布、三角分布のうちのいずれか1つを用いる。
これにより、容易に、受光信号に対する閾値の値を相対的に変化させることができる。
第7の発明に係る測距センサは、第1から第6の発明のいずれか1つに係る測距センサであって、制御部は、閾値の値を変化させて、受光信号の値と閾値を相対的に変化させる。
ここでは、制御部が、二値化処理に用いられる閾値の値を直接変化させることで、受光信号に対する閾値を相対的に変化させる。
これにより、閾値を直接変化させながら二値化処理して得られた信号を用いて、受光時点を決定することができる。
第8の発明に係る測距センサは、第1から第6の発明のいずれか1つに係る測距センサであって、制御部は、信号をオフセット制御によって受光信号の値を変化させて、受光信号の値と閾値を相対的に変化させる。
ここでは、制御部が、二値化処理に用いられる閾値の値を直接変化させるのではなく、受光信号側をオフセット制御することで、受光信号に対する閾値を相対的に変化させる。
これにより、受光信号をオフセット制御によって受光信号の値を変化させることにより閾値を相対的に変化させながら二値化処理して得られた信号を用いて、受光時点を決定することができる。
第9の発明に係る測距センサは、第8の発明に係る測距センサであって、制御部によって制御され、オフセット制御された信号によって受光信号の波形を整形する波形整形部を、さらに備えている。
ここでは、受光信号をオフセット制御することにより閾値を相対的に変化させながら二値化処理する構成において、オフセット制御された信号によって波形整形部が受光信号の波形を整形する。
これにより、二値化部は、固定された閾値と、波形整形部においてオフセット制御された信号とを用いて二値化処理を行うことができる。
第10の発明に係る測距センサは、第1から第9の発明のいずれか1つに係る測距センサであって、受光部において受光した信号に含まれるノイズを、フィルタを用いて除去するアナログ処理部を、さらに備えている。
ここでは、アナログ処理部において、フィルタを用いて受光部において受光した信号からノイズを除去する。
これにより、二値化部では、ノイズが除去された信号について、閾値を用いて二値化処理することができる。
この結果、ノイズを含まない受光信号を用いて二値化処理された信号における値の変化時点のヒストグラムを高精度に生成することができる。
第11の発明に係る測距センサは、第1から第10の発明のいずれか1つに係る測距センサであって、二値化部において二値化処理された信号を一定時間間隔で取得して標本化するサンプリング部をさらに備えている。受光時点算出部は、サンプリング部で標本化されたデータを用いて、変動に関する量を統計的に処理する。
ここでは、二値化処理された信号を一定時間間隔で取得して標本化するサンプリング部において標本化されたデータを用いて、変動に関する量を統計的に処理する。
これにより、上述したように、従来よりも連続的で高い分解能を持つ測距センサを実現することができるという効果を得ることができる。
第12の発明に係る測距方法は、投光ステップと、受光ステップと、二値化ステップと、制御ステップと、受光時点算出ステップと、距離算出ステップと、を備えている。投光ステップは、投光部から対象物に対して複数回光を照射する。受光ステップは、投光部から照射された光の対象物からの反射光を受光部において受光する。二値化ステップは、受光部から出力され時間に応じて変化する受光信号を、閾値を用いて二値化する。制御ステップは、投光部からの投光ごとに、受光信号の値および閾値が互いに相対的に変化するように少なくとも一方を変化させることにより、受光信号が閾値を上方または下方に超える時点を変動させる。受光時点算出ステップは、制御部において生じさせる変動によって変化する、変動に関連する量を統計的処理によって処理することによって、受光部において反射光を受光した受光時点を決定する。距離算出ステップは、投光部が光を照射した投光時点から受光時点算出ステップにおいて決定された受光時点までの時間に基づいて、対象物までの距離を算出する。
ここでは、投光部から照射された光が対象物において反射して受光部において受光されるまでの時間と光の速度とを用いて対象物までの距離を計測するTOF方式の測距センサにおいて、受光信号を二値化処理する際に用いられる閾値を投光ごとに変化させる。そして、本測距センサでは、投光部からの投光ごとに、受光信号の値および閾値が互いに相対的に変化するように少なくとも一方を変化させることにより、受光信号が閾値を上方または下方に超える時点を変動させる。そして、制御部において生じさせる変動によって変化する、変動に関連する量を統計的処理することによって、受光部において反射光を受光した受光時点を決定し、投光時点から受光時点までの時間に基づいて、対象物までの距離を算出する。
ここで、制御ステップでは、投光部からの投光ごとに変化させる閾値について、閾値の値を直接変化させてもよいし、受光信号の値を変化させて受光信号に対する閾値を相対的に変化させてもよい。
また、制御ステップにおける閾値の変化は、例えば、正規分布や一様分布等のように基準閾値に対して対称性を有する分布に従って行うことができる。
また、受光時点算出部における受光時点の決定には、制御部において生じさせる変動によって変化する、変動に関連する量の統計的処理として、例えば、受光信号を閾値により二値化した信号における値の変化時点のヒストグラムの重心、あるいは回帰直線を用いて算出することができる。また、回帰直線の代わりに、関数フィッティングにより得られる関数を用いて算出することもできる。
これにより、投光素子からの投光タイミングを少しずつ遅延させて受光素子において受光された信号を積算して生成されたヒストグラムを用いて光の飛行時間を算出する従来の測距センサによる測距方法と比較して、高い分解能を持つ測距方法を得ることができる。
すなわち、本測距センサでは、二値化処理に用いられる閾値の値を受光信号に対して相対的に変化させながら複数回の計測を行うことにより、統計的な確からしさに基づいた計測を行う。
このため、遅延させる時間には限界があるため遅延時間の間隔によって律速された離散的な分解能しか得られなかった従来の測距センサによる測距方法よりも、連続的で高い時間分解能を得ることができる。
この結果、従来よりも連続的で高い分解能を持つ測距方法を実現することができる。
本発明に係る測距センサによれば、従来よりも連続的かつ高い分解能を実現することができる。
本発明の一実施形態に係る測距センサの構成を示すブロック図。 (a)は、図1の測距センサに含まれる二値化部の構成を示す回路図。(b)は、二値化部の他の構成を示す回路図。 図1の投光素子による投光ごとに正規分布に従って閾値を変化させる制御を示すグラフ。 図3に示す複数の閾値によって二値化処理されたデータを用いて生成されたヒストグラムを用いて受光時点を決定する制御を示すグラフ。 図1の測距センサによる対象物までの距離の測定方法の流れを示すフローチャート。 本発明の他の実施形態に係る測距センサにおいて、図1の投光素子による投光ごとに一様分布に従って閾値を変化させる制御を示すグラフ。 図6に示す複数の閾値によって二値化処理されたデータを用いて生成されたヒストグラムを用いて受光時点を決定する制御を示すグラフ。 本発明の他の実施形態に係る測距方法の流れを示すフローチャート。 本発明のさらに他の実施形態に係る測距センサの構成を示すブロック図。 (a)は、図9の測距センサに含まれる波形整形部の構成を示す回路図。(b)は、波形整形部の他の構成を示す回路図。 図9の構成において、閾値固定で信号をオフセット制御した場合の立ち下がりエッジの位置の変動を示すグラフ。 本発明のさらに他の実施形態に係る測距方法の流れを示すフローチャート。
(実施形態1)
本発明の一実施形態に係る測距センサ10および測距方法について、図1〜図5を用いて説明すれば以下の通りである。
本実施形態に係る測距センサ10は、投光素子(投光部)11から対象物に対して発せられた光の反射光を受光素子(受光部)12において受光して、投光時点と受光時点とから算出される飛行時間に基づいて対象物までの距離を計測するTOF方式の測距方法を採用している。そして、測距センサ10は、図1に示すように、投光素子11、受光素子12、制御部13、アナログ処理部14、二値化部15、サンプリング部16、ヒストグラム生成部17、受光時点算出部18、および距離算出部19を備えている。
なお、本実施形態では、測距センサ10から対象物までの距離1.0m、投光素子11からの投光周期1.0μs、サンプリング周期200psec(30mm)、積算回数5000回、基準閾値0V、閾値の範囲±0.3Vと設定されている。
投光素子11は、発光ダイオードや半導体レーザ素子等であって、制御部13から投光指令信号を受信することで、図示しない投光レンズを介して、対象物に対して光を出射する。なお、本実施形態では、上述したように、投光素子11からの投光周期は、1.0μsに設定されている。
受光素子12は、投光素子11から出射された光が対象物の表面において反射した反射光を受光する。
制御部13は、投光素子11からの投光ごとに、受光信号の値と閾値を相対的に変化させることにより、受光信号が閾値を上方または下方に超える時点になるように受光信号を変動させる。具体的には、制御部13は、投光素子11の投光制御を行うとともに、二値化部15における二値化処理に用いられる閾値を変化させる閾値制御を行う。より詳細には、制御部13は、予め設定された正規分布(図3参照)に従って、投光素子11からの投光ごとに閾値を変化させる。また、制御部13は、サンプリング部16における二値信号のサンプリング制御を行う。
アナログ処理部14は、受光素子12において受光した信号に対してフィルタ処理することで、受光信号に含まれるノイズを除去する。なお、アナログ処理部14において用いられるフィルタとしては、ローパスフィルタやバンドパスフィルタが好適である。そして、アナログ処理部14は、処理した信号(アナログ処理信号)を二値化部15へ出力する。
二値化部15は、アナログ処理部14から入力されたアナログ処理信号を、制御部13によって所定の正規分布に沿って変化させられる閾値を用いて二値化処理を行う。具体的には、二値化部15は、入力されたアナログ処理信号と、制御部13によって変化させた閾値とを比較して、閾値より大きいか小さいかによって二値化処理し、二値信号を出力する。
なお、二値化部15の構成としては、図2(a)に示すように、入力されたアナログ処理信号と予め段階的に設定された閾値とを比較するコンパレータ20を用いることができる。
また、二値化部15の構成として、図2(b)に示すように、入力されたアナログ処理信号とDAC(Digital Analog Converter)51によって任意に設定された閾値とを比較するコンパレータ20を用いてもよい。
ここで、二値化部15における二値化処理は、図3に示すように、投光ごとに二値化処理用の閾値の値を変化させながら実施される。すなわち、図3に示す例では、制御部13によって、投光素子11からの投光ごとに、正規分布に沿って変化させられる複数の閾値Vth1,Vth2,Vth3,・・・,VthNが設定される。
なお、本実施形態では、制御部13は、図4に示すように、基準閾値(0V)に対して左右対称性を有する正規分布に沿って、閾値の値を変化させる。閾値の変化の幅(範囲)としては、上述したように、±0.3Vに設定されている。
具体的には、制御部13は、基準閾値である0Vを中心に、正規分布に沿って、例えば、基準閾値0Vで2000回の閾値設定が行われるとすると、±0.1Vで1250回、±0.2Vで225回、±0.3V付近で25回の設定が行われる。正規分布となるデータ列は、正規分布に従うデータ列を記憶装置に記憶させておきそれらを読み出す方法や、ボックス=ミュラー法を用いて一様分布に従うデータ列から生成する方法によって生成することができる。
サンプリング部16は、二値化部15から出力された二値信号を一定時間間隔で取得して標本化するように、制御部13によってサンプリング制御される。なお、本実施形態では、上述したように、サンプリング周期200psecに設定されている。
ヒストグラム生成部17は、サンプリング部16において取得された二値信号のデータの立ち下がり(または立ち上がり)のエッジを抽出する。そして、ヒストグラム生成部17は、図4に示すように、抽出したエッジ部分のデータを積算して、ヒストグラムを生成する。
なお、ヒストグラム生成部17は、制御部13において設定された所定回数N回分のデータを用いて繰り返しエッジ部分のデータを積算する。本実施形態では、積算回数として、5000回が設定されている。
受光時点算出部18は、制御部13において生じさせる変動によって変化する、変動に関連する量を統計的処理によって処理することによって、受光素子12において反射光を受光した受光時点を決定する。具体的には、受光時点算出部18は、図4に示すように、ヒストグラム生成部17において生成されたヒストグラムの中で最大値を含む塊を抽出し、塊の重心を受光時点として決定する。または、受光時点算出部18は、ヒストグラム生成部17において生成されたヒストグラムの重心位置を求めて受光時点として決定してもよい。
なお、受光時点算出部18は、ヒストグラムの中で、予め設定されたピーク判定閾値以上の値を含む塊を抽出して、受光時点を決定してもよい。
距離算出部19は、受光時点算出部18において決定された受光時点と、投光素子11から光が出射された投光時点とを用いて、投光素子11から出射された光の飛行時間を算出する。そして、距離算出部19は、飛行時間に基づいて、対象物までの距離を算出する。
本実施形態の測距センサ10は、以上のような構成により、投光素子11から対象物に対して出射された光の反射光を受光素子12において受光する。そして、制御部13が、受光信号を二値化処理する際に用いられる閾値を、予め設定された分布(正規分布)に沿って変化させる。
これにより、受光時点を変動させながら取得した二値信号のデータを積算して生成されるヒストグラムを用いて受光時点を決定することで、サンプリング周期(周波数)以上の連続的な時間分解能を持つ測距センサ10を得ることができる。
<測距センサ10を用いた測距方法1>
本実施形態の測距センサ10では、上述した構成により、図5に示すフローチャートに従って、測距方法を実施する。
すなわち、ステップS11では、制御部13が、二値化部15における二値化処理に用いられる閾値を設定する。
次に、ステップS12では、制御部13が、正規分布に従って二値化処理用の閾値の値を変更する。
次に、ステップS13では、制御部13から出力された投光指令信号を受信した投光素子11が、対象物に対して光を出射する。
次に、ステップS14では、受光素子12が、投光素子11から対象物に対して出射された光の反射光を受光する。
次に、ステップS15では、アナログ処理部14が、受光素子12から出力された受光信号に含まれるノイズを、フィルタを用いて除去する。
次に、ステップS16では、二値化部15が、アナログ処理部14から出力された信号を、制御部13によって設定された閾値を用いて二値化する。
次に、ステップS17では、サンプリング部16が、二値化部15において二値化処理された信号を、一定の時間間隔でサンプリングしながらデータを取得するように、制御部13によってサンプリング制御される。
次に、ステップS18では、ヒストグラム生成部17が、サンプリング部16においてサンプリングされた二値信号のデータの立ち下がりエッジを抽出する。
次に、ステップS19では、ヒストグラム生成部17が、抽出されたエッジ部分のデータを積算してヒストグラムを生成する。
次に、ステップS20では、データの積算回数が予め設定された所定回数N回目であるか否かを判定する。つまり、ステップS20では、所定回数N回目の積算まで、ステップS12からステップS19までの処理を繰り返し行い、ヒストグラムを生成する。
次に、ステップS21では、受光時点算出部18が、ヒストグラム生成部17において生成されたヒストグラムの中の最大値を含む塊を抽出する。
次に、ステップS22では、受光時点算出部18が、抽出された塊の重心を、受光時点として決定する(図4参照)。
次に、ステップS23では、距離算出部19が、ステップS22において決定された受光時点と、その光の投光素子11からの投光時点とを用いて飛行時間を算出する。
次に、ステップS24では、距離算出部19が、ステップS23において算出された飛行時間と、光の速度とに基づいて、対象物までの距離を算出する。
本実施形態の測距方法では、以上のようなステップにより、投光素子11から対象物に対して出射された光の反射光を受光素子12において受光する。そして、制御部13が、受光信号を二値化処理する際に用いられる閾値を、予め設定された分布(正規分布)に沿って変化させる。
これにより、受光時点を変動させながら取得した二値信号のデータを積算して生成されるヒストグラムを用いて受光時点を決定することで、サンプリング周期(周波数)以上の連続的な時間分解能を持つ測距センサ10を得ることができる。
(実施形態2)
本発明の他の実施形態に係る測距センサ10および測距方法について、図6〜図8を用いて説明すれば以下の通りである。
本実施形態に係る測距センサ10は、制御部13が、二値化部15における二値化処理に用いられる閾値を、図6に示すように、投光ごとに、一様分布に沿って変化させる点で、上記実施形態1とは異なっている。
すなわち、上記実施形態1では、二値化処理に用いられる閾値を、正規分布に沿って変化させている一方、本実施形態では、一様分布に沿って変化させている。すなわち、図6に示す例では、制御部13によって、投光素子11からの投光ごとに、一様分布に沿って変化させられる複数の閾値Vth1,Vth2,Vth3,・・・,VthNが設定される。
なお、本実施形態では、上記実施形態1と同様に、制御部13は、図7に示すように、基準閾値(0V)に対して左右対称性を有する一様分布に沿って、閾値の値を変化させる。閾値の変化の幅(範囲)としては、上記実施形態1と同様に、±0.3Vに設定されている。
また、本実施形態の測距センサ10は、閾値を変化させる際の変化の分布の種類が上記実施形態1と異なるものの、図1および図2に示す構成と同様の構成を備えているものとする。
本実施形態の測距センサ10では、図7に示すように、制御部13が一様分布に沿って閾値を変化させながら、二値化部15において、ノイズが除去されたアナログ処理信号に対して二値化処理を行う。
ここで、本実施形態では、サンプリング部16が、二値化処理後に一定の時間間隔でサンプリングしながら二値信号のデータを取得する。そして、ヒストグラム生成部17が、二値信号のデータを積算してヒストグラムを生成する。
さらに、本実施形態では、図7に示すように、受光時点算出部18が、ヒストグラム生成部17が生成したヒストグラムの最大値を抽出し、この最大値の後の受光時点判定基準以下となる第1時点を検出する。なお、本実施形態では、受光時点判定基準として、積算回数/2が設定されているが、他の値に設定されていてもよい。
そして、受光時点算出部18は、図7に示すように、上記第1時点を挟む前後数点によって求められる回帰直線を形成し、この回帰直線と受光時点判定基準とが交差する点を受光時点として決定する。
距離算出部19は、受光時点算出部18において決定された受光時点と、投光素子11からの投光時点とを用いて光の飛行時間を算出する。そして、距離算出部19は、この飛行時間に基づいて、対象物までの距離を算出する。
本実施形態の測距センサ10は、以上のような構成により、投光素子11から対象物に対して出射された光の反射光を受光素子12において受光する。そして、制御部13が、受光信号を二値化処理する際に用いられる閾値を、予め設定された分布(一様分布)に沿って変化させる。
これにより、上記実施形態1と同様に、受光時点を変動させながら取得した二値信号のデータを積算して生成されるヒストグラムを用いて受光時点を決定することで、サンプリング周期(周波数)以上の連続的な時間分解能を持つ測距センサ10を得ることができる。
<測距センサ10を用いた測距方法2>
本実施形態の測距センサ10では、上述した構成により、図8に示すフローチャートに従って、測距方法を実施する。
なお、図8に示すように、ステップS11〜ステップS17については、上記実施形態1の測距方法のステップS11〜ステップS17と同様であることから、ここではその説明を省略する。
次に、ステップS31では、ヒストグラム生成部17が、サンプリング部16においてサンプリングされた二値信号のデータを積算してヒストグラムを生成する。
次に、ステップS32では、データの積算回数が予め設定された所定回数N回目であるか否かを判定する。つまり、ステップS32では、所定回数N回目の積算まで、ステップS12からステップS17、ステップS31までの処理を繰り返し行い、ヒストグラムを生成する。
次に、ステップS33では、受光時点算出部18が、ヒストグラム生成部17において生成されたヒストグラムの中の最大値を抽出する。
次に、ステップS34では、受光時点算出部18が、抽出された最大値の後の受光時点判定基準以下となる時点を検出し、これを挟む前後数点から求めた回帰直線と受光時点判定基準との交点を受光時点として決定する(図7参照)。
次に、ステップS35では、距離算出部19が、ステップS34において決定された受光時点と、その光の投光素子11からの投光時点とを用いて飛行時間を算出する。
次に、ステップS36では、距離算出部19が、ステップS35において算出された飛行時間と、光の速度とに基づいて、対象物までの距離を算出する。
本実施形態の測距方法では、以上のようなステップにより、投光素子11から対象物に対して出射された光の反射光を受光素子12において受光する。そして、制御部13が、受光信号を二値化処理する際に用いられる閾値を、予め設定された分布(一様分布)に沿って変化させる。
これにより、上記実施形態1の測距方法と同様に、受光時点を変動させながら取得した二値信号のデータを積算して生成されるヒストグラムを用いて受光時点を決定することができる。よって、サンプリング周期(周波数)以上の連続的な時間分解能を持つ測距センサ10を得ることができる。
(実施形態3)
本発明のさらに他の実施形態に係る測距センサ100および測距方法について、図9〜図12を用いて説明すれば以下の通りである。
本実施形態に係る測距センサ100は、図9に示すように、上記実施形態1の測距センサ10の構成に加えて、波形整形部110を備えている点で、上記実施形態1とは異なっている。
そして、本実施形態の測距センサ100では、制御部13が二値化部15における二値化処理に用いられる閾値の値を直接変化させる閾値制御を実施する代わりに、固定値として設定された閾値を受光信号(アナログ処理信号)に対して相対的に変化させている。
すなわち、本実施形態では、制御部13が、アナログ処理部14から入力されるアナログ処理信号をオフセット制御するように波形整形部110を制御することで、閾値を受光信号に対して相対的に変化させる。
波形整形部110の構成としては、図10(a)に示すように、入力されたアナログ処理信号と予め段階的に設定されたオフセット値Vref1、Vref2、Vref3、・・・、VrefNとが入力されるリミットアンプ120を用いることができる。
リミットアンプ120は、段階的に設定されたオフセット値に応じてオフセットされたアナログ処理信号を、整形信号として出力する。
なお、波形整形部110の構成として、図10(b)に示すように、入力されたアナログ処理信号と、DAC(Digital Analog Converter)151によって任意に設定されたオフセット値とが入力されるリミットアンプ120を用いてもよい。
本実施形態では、波形整形部110は、図11に示すように、アナログ処理信号がオフセット値に応じてオフセットされた整形信号を出力する。
これにより、オフセットされた複数の整形信号の波形における立ち下がりエッジ部の位置を、図11に示すように変化させることができる。
よって、固定値として設定された閾値を用いた場合でも、受光信号(アナログ処理信号)側をオフセット制御することで、閾値が受光信号に対して相対的に変化した状態を形成することができる。
この結果、受光信号に対して相対的に変化する閾値を用いることで、上記実施形態1,2と同様に、サンプリング周期(周波数)以上の連続的な時間分解能を持つ測距センサ10を得ることができる。
<測距センサ100を用いた測距方法2>
本実施形態の測距センサ100では、上述した構成により、図12に示すフローチャートに従って、測距方法を実施する。
すなわち、ステップS41では、二値化部15における二値化処理に用いられる閾値(固定値)が設定される。
次に、ステップS42では、制御部13が、波形整形部110においてオフセット制御を行う際のオフセット値を設定する。なお、このオフセット値は、投光ごとに変化するように、制御部13によってオフセット制御される。
次に、ステップS43では、制御部13から出力された投光指令信号を受信した投光素子11が、対象物に対して光を出射する。
次に、ステップS44では、受光素子12が、投光素子11から対象物に対して出射された光の反射光を受光する。
次に、ステップS45では、アナログ処理部14が、受光素子12から出力された受光信号に含まれるノイズを、フィルタを用いて除去する。
次に、ステップS46では、波形整形部110が、アナログ処理部14から出力された信号を、ステップS42において設定されたオフセット値を用いてオフセットさせる。
なお、波形整形部110におけるオフセット制御は、図10(a)および図10(b)に示すリミットアンプ120の特性を利用して行われる。
次に、ステップS47では、二値化部15が、波形整形部110においてオフセットされた信号を、制御部13によって設定された閾値を用いて二値化する。
次に、ステップS48では、サンプリング部16が、二値化部15において二値化処理された信号を、一定の時間間隔でサンプリングしながらデータを取得するように、制御部13によってサンプリング制御される。
次に、ステップS49では、ヒストグラム生成部17が、サンプリング部16においてサンプリングされた二値信号のデータを積算してヒストグラムを生成する。
次に、ステップS50では、データの積算回数が予め設定された所定回数N回目であるか否かを判定する。つまり、ステップS50では、所定回数N回目の積算まで、ステップS42からステップS49までの処理を繰り返し行い、ヒストグラムを生成する。
次に、ステップS51では、受光時点算出部18が、ヒストグラム生成部17において生成されたヒストグラムの中の最大値を抽出する。
次に、ステップS52では、受光時点算出部18が、抽出された最大値の後の受光時点判定基準以下となる時点を検出し、これを挟む前後数点から求めた回帰直線と受光時点判定基準との交点を受光時点として決定する。
次に、ステップS53では、距離算出部19が、ステップS52において決定された受光時点と、その光の投光素子11からの投光時点とを用いて飛行時間を算出する。
次に、ステップS54では、距離算出部19が、ステップS53において算出された飛行時間と、光の速度とに基づいて、対象物までの距離を算出する。
本実施形態の測距方法では、以上のようなステップにより、投光素子11から対象物に対して出射された光の反射光を受光素子12において受光する。そして、制御部13が、受光信号を二値化処理する際に用いられる閾値が受光信号(アナログ処理信号)に対して相対的に変化するように、受光信号のオフセット制御を行う。
これにより、上記実施形態1,2の測距方法と同様に、受光時点を変動させながら取得した二値信号のデータを積算して生成されるヒストグラムを用いて受光時点を決定することができる。よって、サンプリング周期(周波数)以上の連続的な時間分解能を持つ測距センサ100を得ることができる。
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(A)
上記実施形態では、図4に示すように、受光信号(アナログ処理信号)を二値化処理した二値信号のデータの立ち下がりエッジ部分を検出し、立ち下がりエッジ部分におけるデータを積算してヒストグラムを生成する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、受光信号(アナログ処理信号)を二値化処理した二値信号のデータの立ち上がりエッジ部分を検出し、立ち上がりエッジ部分におけるデータを積算してヒストグラムを生成してもよい。
この場合でも、例えば、立ち上がりエッジ部分のデータを積算して生成されたヒストグラムの最大値を含む塊の重心を検出して、この重心位置を受光時点として決定することで算出された飛行時間に基づいて、対象物までの距離を算出することができる。
(B)
上記実施形態1,2では、投光素子11からの投光ごとに閾値を変化させる際には、図3および図6に示すように、正規分布あるいは一様分布に沿って、徐々に閾値の値を大きく変化させていく例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、投光ごとに、ランダムに設定された大きさの閾値になるように、閾値を変化させてもよい。
(C)
上記実施形態3では、受光時点算出部18における受光時点の決定に際して、実施形態2と同様に、回帰直線を用いた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、実施形態3の構成において、受光時点算出部18における受光時点の決定は、実施形態1と同様に、ヒストグラムの最大値を含む塊を抽出し、その塊の重心位置を受光時点として決定してもよい。
また、回帰直線の代わりに関数フィッティングにより得られる関数を用いて受光時点を決定してもよい。
(D)
上記実施形態1,2では、図3および図6に示すように、正規分布あるいは一様分布という基準閾値に対して対称性を有する分布に沿って、閾値を変化させる例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、正規分布および一様分布以外にも、放物線を分布関数とする分布や三角分布のように、基準閾値に対して対称性を有する分布に沿って、閾値を変化させる閾値制御を実施してもよい。
(E)
上記実施形態では、図4および図7に示すように、制御部13が、基準閾値(0V)に対して、±0.3Vの幅で、閾値を変化させる例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、基準閾値に対する変化の幅は、0.3Vに限定されることなく、他の値に設定されていてもよい。
(F)
上記実施形態では、二値化部を一つの処理によって行っているが、データ取得時間を短縮するために、二値化部をプラス側とマイナス側の2つに分けて複数の処理によって行ってもよい。
(G)
上記実施形態では、対象物の動きについて特に論じていないが、サンプリング周期を十分に短くするか、測距領域内で距離を繰り返し計測するかにより、静止している対象物以外にも、動きのある対象物に対しても適用することができる。
本発明の測距センサは、サンプリング周期よりも細かい任意の受光時点を算出して、従来よりも連続的かつ高い分解能を実現することができるという効果を奏することから、TOF方式を採用した測距装置に対して広く適用可能である。
10 測距センサ
11 投光素子(投光部)
12 受光素子(受光部)
13 制御部
14 アナログ処理部
15 二値化部
16 サンプリング部
17 ヒストグラム生成部
18 受光時点算出部
19 距離算出部
20 コンパレータ
51 DAC(Digital Analog Converter)
55 二値化部
100 測距センサ
110 波形整形部
120 リミットアンプ
151 DAC(Digital Analog Converter)

Claims (12)

  1. 対象物に対して複数回光を照射する投光部と、
    前記投光部から照射された光の前記対象物からの反射光を受光する受光部と、
    前記受光部から出力され時間に応じて変化する受光信号を、閾値を用いて二値化する二値化部と、
    前記投光部からの投光ごとに、前記受光信号の値および前記閾値が互いに相対的に変化するように少なくとも一方を変化させることにより、前記受光信号が前記閾値を上方または下方に超える時点を変動させる制御部と、
    前記制御部において生じさせる前記変動によって変化する、前記変動に関連する量を統計的処理によって処理することによって、前記受光部において前記反射光を受光した受光時点を決定する受光時点算出部と、
    前記投光部が光を照射した投光時点から前記受光時点算出部において決定された前記受光時点までの時間に基づいて、前記対象物までの距離を算出する距離算出部と、
    を備えている測距センサ。
  2. 前記変動に関連する量は、前記受光信号を前記閾値により二値化した信号における値の変化時点であり、
    前記統計的処理は、当該変化時点のヒストグラムの重心にあたる時点を求めることであり、
    前記受光時点算出部は、前記統計的処理によって求められた当該時点を前記受光時点とする、
    請求項1に記載の測距センサ。
  3. 前記変動に関連する量は、前記受光信号を閾値により二値化した信号の波形を構成する各信号値であり、
    前記統計的処理は、当該二値化波形を積算し、積算後の波形を構成する時間的離散値を補間した波形が所定の基準値を上方または下方に超える時点を求めることであり、
    前記受光時点算出部は、前記統計的処理によって求められた当該時点を前記受光時点とする、
    請求項1に記載の測距センサ。
  4. 前記受光時点算出部は、前記統計的処理として、回帰直線の推定あるいは関数フィッティングによって前記補間を行う、
    請求項3に記載の測距センサ。
  5. 前記制御部は、対称性を有する分布に従って、前記受光信号の値と前記閾値を相対的に変化させる、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の測距センサ。
  6. 前記対称性を有する分布は、正規分布、一様分布、放物関数で定義される分布、三角分布のいずれかである、
    請求項5に記載の測距センサ。
  7. 前記制御部は、前記閾値の値を変化させて、前記受光信号の値と前記閾値を相対的に変化させる、
    請求項1から6のいずれか1項に記載の測距センサ。
  8. 前記制御部は、オフセット制御によって前記受光信号の値を変化させて、前記受光信号の値と前記閾値を相対的に変化させる、
    請求項1から6のいずれか1項に記載の測距センサ。
  9. 前記制御部によって制御され、オフセット制御された信号によって前記受光信号の波形を整形する波形整形部を、さらに備えている、
    請求項8に記載の測距センサ。
  10. 前記受光部において受光した信号に含まれるノイズを、フィルタを用いて除去するアナログ処理部を、さらに備えている、
    請求項1から9のいずれか1項に記載の測距センサ。
  11. 前記二値化部において二値化処理された信号を一定時間間隔で取得して標本化するサンプリング部をさらに備え、
    前記受光時点算出部は、前記サンプリング部で標本化されたデータを用いて、前記変動に関する量を統計的に処理する、
    請求項1から10のいずれか1項に記載の測距センサ。
  12. 投光部から対象物に対して複数回光を照射する投光ステップと、
    前記投光部から照射された光の前記対象物からの反射光を受光部において受光する受光ステップと、
    前記受光部から出力され時間に応じて変化する受光信号を、閾値を用いて二値化する二値化ステップと、
    前記投光部からの投光ごとに、前記受光信号の値および前記閾値が互いに相対的に変化するように少なくとも一方を変化させることにより、前記受光信号が前記閾値を上方または下方に超える時点を変動させる制御ステップと、
    前記制御ステップにおいて生じさせる前記変動によって変化する、前記変動に関連する量を統計的処理によって処理することによって、前記受光部において前記反射光を受光した受光時点を決定する受光時点算出ステップと、
    前記投光部が光を照射した投光時点から前記受光時点算出ステップにおいて決定された前記受光時点までの時間に基づいて、前記対象物までの距離を算出する距離算出ステップと、
    を備えている測距方法。
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