JP2019158693A - 受光装置、物体検出装置、距離測定装置、移動体装置、ノイズ計測方法、物体検出方法及び距離測定方法 - Google Patents
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Abstract
Description
すなわち、物体検出装置100は、物体有無判定装置(物体の有無を判定する装置)や距離測定装置(測距装置)や物体認識装置(物体の位置、形状、大きさ等を認識する装置)として機能する。
なお、物体検出装置100を物体有無判定装置のみとして用いる場合には、以下に説明する距離演算や物体認識に係る機能、構成は、不要である。
また、物体検出装置100を距離測定装置のみとして用いる場合には、以下に説明する物体認識に係る機能、構成は、不要である。
そして、回転ミラー26の回転周期と同じ周期で同期信号を生成し、該同期信号毎にLD駆動信号を生成することにより、有効走査領域を繰り返し光走査することができる。
LD駆動信号がLD駆動回路12に入力されると、LD駆動回路12からLD11に駆動電流が印加され、LD11からパルス光が出力される。なお、LD11の安全性やLD11の耐久性の観点からLD11の発光のデューティが制限されるため、LD11から出力されるパルス光はパルス幅が狭い方が望ましく、該パルス幅は、一般に10ns〜数十ns程度に設定される。また、パルス間隔は一般に数十μ秒程度である。
制御系46は、制御手段、演算手段、記憶手段等を含んで構成されている。
制御系46において、記憶手段はメモリ、ハードディスク等で構成され、その他の構成要素は例えばCPU(Central Processing Unit)やIC(Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmabl Gate Array)で構成される。
物体認識系47は、例えばCPU(Central Processing Unit)やIC(Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmabl Gate Array)で構成される。
なお、制御系46及び物体認識系47の少なくとも一方を設けずに、該少なくとも一方の機能をECUに担わせても良い。
そこで、メモリを小型化したいがために、保存する信号数を減らした場合、メモリの保存容量の全てがノイズが検出された距離値で埋まってしまい、平均化処理が適切に行えないという別の懸念がある。発光回数についても同様である。
しかし、この場合には、ノイズ検知装置の分だけレーザレーダが大型化する懸念がある。さらに、遠方に存在するターゲット(以下では「遠方物体」とも呼ぶ)や反射率が低いターゲット(以下では「低反射物体」とも呼ぶ)からの反射光や散乱光による信号の電圧値が低くなるため、閾値電圧を上げすぎることで該信号が検出できず、検出性能が低下してしまうという懸念もある。
そこで、発明者は、鋭意検討の末、レーザレーダに標準装備される受光素子を用いてノイズレベルを精度良く計測可能なノイズ計測系を開発した。
以下に、レーザレーダとしての物体検出装置100に組み込まれるノイズ計測系の機能例、ハードウェア構成例について説明する。以下に説明するノイズ計測系は、本発明の「受光装置」の一例である。
図5(A)には、ノイズ計測系の機能例を示すブロック図が示されている。
ノイズ計測系は、図5(A)に示されるように、一例として、受光手段、参照電圧生成手段1、比較手段、カウント手段及びノイズレベル算出手段を含む。
受光手段は、例えば受光素子及び波形処理回路を含んで構成される。
受光素子としては、例えばPD(フォトダイオード)、APD(アバランシェ・フォトダイオード)等が用いられる。
波形処理回路は、受光素子の出力電流を電圧に変換する電流電圧変換回路を含み、電圧値Vaを出力する。
なお、波形処理回路は、電流電圧変換回路の後段に微小信号を増大させる増幅回路や、特定の周波数帯域のみを通過させるフィルタ回路を含んでいても良い。
詳述すると、比較手段は、受光手段から出力された電圧値Vaと、参照電圧生成手段1から出力された電圧値Vn(以下では「ノイズ計測用閾値Vn」とも呼ぶ)を比較し、その比較結果がVa>Vnである場合にトリガ信号1を生成し、カウント手段に出力する。
図5(B)には、ノイズ計測系のハードウェア構成例を示すブロック図が示されている。
ノイズ計測系は、図5(B)に示されるように、一例として、受光素子としてのAPD、波形処理回路、二値化回路、Vn制御回路及びFPGAを含んで構成される。
二値化回路は、比較手段として機能し、電圧値Va(閾値電圧)を基準に波形処理回路の出力信号を二値化し、二値化信号(矩形パルス信号)をトリガ信号1として出力する。
Vn制御回路は、参照電圧生成手段1の一部として機能し、二値化回路の閾値電圧である電圧値Vnを制御する。
FPGAは、参照電圧生成手段1の他の一部、カウント手段及びノイズレベル算出手段として機能し、電圧値Vn毎に二値化回路から出力されたトリガ信号1に基づいてノイズレベルの算出やVn制御回路の制御を行う。
二値化回路は、Va>Vnとなった場合に、トリガ信号1をFPGAに出力する。
FPGAは、電圧値Vn毎にトリガ信号1が入力された回数をカウントし、そのカウント数に基づいてノイズレベルを算出する。FPGAの代わりに、CPUやマイコンを用いても良い。
このとき、FPGAは、回路の応答時間よりも充分長くノイズ計測時間を設定し、Va>Vnであるようなイベントの発生回数(トリガ信号1の入力回数)をカウントする。以下では、トリガ信号1の入力回数を「カウント数」とも呼ぶ。
ここで、受光素子へ入射する光(以下では「入射光」とも呼ぶ)の光量が多いほど瞬間的なノイズのレベルは大きくなり、大きなVnにおいてもVa>Vnとなるようなイベントの発生回数は多くなる。
すなわち、入射光の光量が多いほど正規分布の幅が広くなる(カウント数が多くなる)傾向にある。
一般に、Vnとカウント数で表される正規分布の標準偏差は、入射光の光量の平方根に比例するという特性がある。
図7(A)〜図7(C)には、入射光の光量が互いに異なる3つの場合の上記正規分布が示されている。
図7(B)の場合は、図7(A)の場合よりも入射光の光量が多く、正規分布の標準偏差が大きくなっている。
図7(C)の場合は、図7(A)の場合よりも入射光の光量が少なく、正規分布の標準偏差が小さくなっている。
これにより、ノイズ計測系で得られる正規分布の標準偏差σから、受光素子へ入射する光の光量を見積もることが可能である。校正用光源としては、例えばLED、LD、白熱灯等を使用することが好ましい。
例えば図9(A)に示されるようにショットノイズが大きい場合や、図9(B)に示されるようにショットノイズが小さい場合のいずれであっても、閾値電圧をショットノイズのレベルを若干上回るように設定することにより、ノイズによる誤検出を抑制し、かつ遠方物体や低反射物体を検出可能となる。
具体的には、一般のレーザレーダと同様に受光素子の出力信号を二値化回路に入力する。このとき、ターゲットからの反射光や散乱光とは異なる外光(例えば太陽光、照明光等)が受光素子に入射するとショットノイズが発生し、該ショットノイズが電気信号に変換され上記反射光や散乱光による信号と同様に二値化回路へ入力される。
ショットノイズは時間的にランダムな確率で発生する揺らぎであり、受光素子から出力される電気信号の振幅は入射する外光の量に依存する。ここで、二値化回路の閾値電圧を低い側から高い側へ動かしていくと、閾値電圧が低いときには電気信号の振幅が閾値電圧を上回る頻度が多く、閾値電圧が高くなるにつれて閾値電圧を上回る頻度が少なくなる傾向にある。
また、レーザレーダとして遠方物体や低反射物体で反射もしくは散乱された光による微小な信号を検出するための最大の閾値電圧が存在する。
そこで、ノイズを検出しにくく、かつ遠方物体や低反射物体を検出可能な最適な閾値電圧を決定することができる。
実施例1の物体検出装置100−1は、受光系40の一例である受光系40−1を含む。ここでは、受光系40−1が本発明の「受光装置」の機能を担う。
受光系40−1は、図5(A)に示される受光手段を含むノイズ計測系と、参照電圧生成手段2とを含む。
ノイズ計測系は、前述のようにVn毎のVa>Vnであるようなイベントの発生回数(カウント手段のカウント数)からノイズの大きさ(ノイズレベル)を計測する。
参照電圧生成手段2は、例えば可変電圧源を含み、ノイズ計測系で計測されたノイズレベルに基づいて参照用の電圧値Vd(以下では「物体検出用閾値Vd」や「距離計測用閾値Vd」とも呼ばれる)を生成し、比較手段へ出力する。比較手段には、電流電圧変換器からの電圧値Vaも入力される。
比較手段は、VaとVdを比較し、Va>Vdである場合にトリガ信号2を生成し、検出信号として制御系46へ出力する。
制御系46は、投光系のLDからの発光パルスの立ち上がりタイミングと、トリガ信号2が入力されるタイミングとの時間差ΔTを算出する。受光素子に入射された光が、発光パルスがターゲットで反射もしくは散乱されて戻ってきたものである場合、ΔT×c÷2(cは光速)が、ターゲットまでの距離として算出される。
実施例2の物体検出装置100−2は、受光系40の一例である受光系40−2を含む。ここでは、受光系40−2及びFPGAが本発明の「受光装置」を構成する。
受光系40−2は、図5(B)に示されるAPD(受光素子)を含むノイズ計測系と、比較手段として機能する二値化回路と、参照電圧生成手段2の一部として機能するVd制御回路とを含む。
すなわち、受光系40−2のAPD以外の構成によって信号処理回路42が構成される。
ノイズ計測系は、前述のようにVn毎のVa>Vnであるようなイベントの発生回数からノイズの大きさを計測する。
ここでは、FPGAが、制御系46、カウント手段及びノイズレベル算出手段として機能する。すなわち、FPGAは、投光制御、距離演算、ノイズ算出演算等を行う。
二値化回路は、波形処理回路から出力された電圧値Va及びVd制御回路から出力された電圧値Vd(閾値電圧)を比較し、Va>Vdの場合に、トリガ信号2を検出信号としてFPGAに出力する。
FPGAは、Vn毎にトリガ信号1の入力回数をカウントし、そのカウント数に基づいてノイズレベルを算出し、その算出値及びVd制御信号(矩形パルス信号)をVd制御回路に出力する。
Vd制御回路は、FPGAからのVd制御信号がハイレベルの間、FPGAからのノイズレベルの算出値に応じて適正な電圧値Vd(閾値電圧)を設定し、その設定値を二値化回路に出力する。
ここでは、図12に示されるように有効走査領域に対する各回の走査においてLD11から発光パルスが繰り返し射出される構成を想定し、LD11の発光間隔(発光パルスの立ち上がりから次の発光パルスの立ち上がりまでの時間)を8.33μsとしている。
物体検出装置100で想定されるターゲットの最大検出距離は200mであり、光の往復時間に換算すると1.33μsである。
ここで、各回の走査において第i発光パルス(最初の発光パルスから数えてi番目の発光パルス)が射出されてから1.33μsが経過するまでの時間を、ターゲットまでの距離を計測する「距離計測時間」として設定する。
そして、距離計測時間の終了時から6μsが経過するまでの時間を「ノイズ計測時間」として設定する。このノイズ計測時間は、Vn制御信号のパルス幅である。
ここでは、ノイズ計測時間を10個の時間帯(時間帯1〜時間帯10)に分割し、該時間帯毎にノイズ計測用閾値Vnを設定し(図12ではVn−1〜Vn−10)、Va>Vnであるイベントの発生回数をカウントし、そのカウント数を記憶手段に蓄積していく。
この100mVという値は任意であるが、ここでは物体検出装置100で想定される最大検出距離200mにおいて、反射率10%のターゲットで反射された光による信号の振幅と一致させている。すなわち、Vdを100mV以下にすれば反射率10%のターゲットに関する情報を精度良く検出できる。
Vd算出時間では、次の走査において第i発光パルスが射出されてから第i+1発光パルスが射出されるまでの時間内の距離計測時間で用いるVdの値を決定する。すなわち、有効走査領域における同一の走査位置(同一の投光方向)での距離計測に用いるVdの値を決定する。
図13に示されるヒストグラムに対して正規分布でフィッティングをかけると、カウント数の標準偏差1σは30mV付近にあることが分かる。すなわち、Vdを30mVに設定した場合、ノイズの検出確率は64%である。
また、Vdを2σである60mVに設定した場合、ノイズの検出確率は約9%になる。
そこで、次の発光パルスを射出後の距離計測時間においては、Vd=60mVと設定することで、200m先の反射率10%程度のターゲットに関する情報を精度良く検出可能であり、かつノイズを検出する確率を充分に低くすることが可能である。
次に、有効走査領域を水平方向に複数の領域に分割して該領域毎に距離計測、ノイズ計測及びVd算出を行う実施例3の物体検出装置100−3について図14を参照して説明する。
図14では、LD駆動回路12、投光光学系13、受光光学系30、信号処理回路42、同期系50、制御系46、物体認識系47の図示が省略されている。
実施例3では、LDから射出され反射ミラーで反射された発光パルスを回転軸周りに4つの反射面を持つ回転ミラーで偏向して有効走査領域を水平方向へ走査する。
このとき、ターゲットからの受光パルスは発光パルスと略同軸となるようAPD(受光素子)へ入射されるものとする。なお、プリズムやビームスプリッタを用いて、受光パルスを発光パルスとは別軸となるよう導光するような構成を採用しても良い。
このように有効走査領域を水平方向に分割して得られる複数の領域の数が例えば7と限られている場合でも、水平方向の角度分解能を増大させるために、8回以上のパルス発光を行うような構成も考えられる。その場合でも、各領域で行うパルス発光の回数は等しいことが好ましく、ノイズ計測時間も等しいことが好ましい。
水平方向の走査は、回転ミラーに代えて、例えばMEMSミラーで行っても良い。また、水平方向の走査に代えて、水平方向にLD、LED、VCSEL等の発光素子を複数配列して有効走査領域の水平方向の各領域に対して対応する発光素子をパルス発光させても良い。
実施例3の物体検出装置100−3は、実施例1の物体検出装置100−1と同様の機能及び実施例2の物体検出装置100−2と同様のハードウェア構成を有している。
図15のフローチャートは、実施例1の制御系46(実施例2のFPGA)で実行される処理アルゴリズムに基づいている。測距処理は、物体検出装置100−3に電力が供給されたときに開始される。
ここでは、制御系46は、同期信号が入力される度に、7つのパルスを持つLD駆動信号を生成し、有効走査領域を7つの領域に分割して領域毎に距離計測、ノイズ計測、Vd算出を行う。
この際、制御系46は、内蔵するタイマを用いてLD駆動信号の一のパルスの立ち上がりから次のパルスの立ち上がりまでの時間において距離計測時間、ノイズ計測時間及びVd算出時間の管理を行う(図12参照)。
具体的には、距離計測時間(図12参照)に、距離計測用閾値Vdが初期値(予め記憶手段に保存されたデフォルト値)もしくは後述する設定値の状態で領域iに存在するターゲットまでの距離を計測する。
具体的には、FPGAが、ステップS6のノイズ計測処理におけるノイズ計測時間の終了時にVd制御回路にVd制御信号を出力し、該Vd制御信号がハイレベルの間、すなわちVd算出時間(図12参照)に、領域iに対して、ステップS6のノイズ計測処理を実行して得られたノイズレベルに基づいて領域iに対して適正なVdを算出し、設定する。その設定値は、次のループでステップS5が実行されるとき(同じ領域iに対して距離計測するとき)に用いられる。
以下に、本実施形態の物体検出装置100の実施例として、発光素子としてのLDが鉛直方向に複数(例えば4つ)配列されたLDアレイと、単一の受光素子としてのAPDを有する実施例4の物体検出装置100−4について図17を参照して説明する。
各LD駆動部は、対応するLDに電流を供給するためのコンデンサと、該コンデンサの極板間に電圧を印加するための電源と、LDとコンデンサとの間の導通/非導通を切り替えるためのトランジスタとを有している。
各LD駆動部においてトランジスタに信号が印加されている間、対応するLDとコンデンサが導通してコンデンサが放電し、該LDに電流が流れる。
各LD駆動部においてトランジスタに信号が印加されていないときは、対応するLDとコンデンサは非導通状態となり、電源によりコンデンサが充電される。
結果として、ターゲットの異なる4つの部分に関する情報を精度良く検出することができる。
なお、LDアレイに代えて、発光素子としてのLEDが鉛直方向に複数配列されたLEDアレイや、発光素子としてのVCSELが鉛直方向に複数配列されたVCSELアレイを用いても良い。
また、受光素子として、APDに代えて、PDを用いても良い。
以下に、本実施形態の物体検出装置100の実施例として、単一の発光素子としてのLDと、受光素子としてのAPDが鉛直方向に複数(例えば4つ)配列されたAPDアレイを有する実施例5の物体検出装置100−5について図18を参照して説明する。
結果として、ターゲットの鉛直方向の異なる4つの部分に関する情報を精度良く検出することができる。
なお、APDアレイに代えて、受光素子としてのPDが鉛直方向に複数配列されたPDアレイを用いても良い。
また、発光素子として、LDに代えて、LEDやVCSELを用いても良い。
すなわち、水平方向の光の走査を回転ミラーにより行い、鉛直方向の領域分割は発光素子又は受光素子を鉛直方向に複数配列して行う。
発光素子1、2、3、4をこの順に鉛直方向に高い方から低い方へ複数配列した場合の動作例について図19を参照して説明する。
先ず、発光素子1を点灯させて領域11、21、31、41、51、61、71の順に走査する。次いで、発光素子2を点灯させて領域12、22、32、42、52、62、72の順に走査する。次いで、発光素子3を点灯させて領域13、23、33、43、53、63、73の順に走査する。次いで、発光素子4を点灯させて領域14、24、34、44、54、64、74の順に走査する。
前述の通り、ノイズは時間的にランダムに発生する特徴がある。逆に、物体検出装置とターゲットが固定である場合、繰り返し測定を行っても、信号が検出される時刻は常に一定になる。
そこで、Va>Vdとなるようなイベントの発生頻度を、パルス発光開始(発光パルスの立ち上がり)からの経過時間に対してヒストグラム化すると図21のようになる。ここでは、パルス発光の繰り返し回数は10回とする。経過時間0.8nsにおける検出頻度はそれ以外の時間に比べ極めて高く、この経過時間がターゲットからの反射光による信号を検出した時間であると推定できる。これにより、ターゲットまでの距離は0.8ns×c(光速)÷2=120mと算出できる。
ここで、上記「比較手段から電圧値Vaが電圧値Vnよりも大きいことを示す信号が出力された回数」は、例えばコンパレータが電圧値Vnを基準に受光手段の出力信号(アナログ信号)を二値化したときの二値化信号(矩形パルス信号)の数である。
また、上記「ノイズ」には、光に誘起されたショットノイズのみならず、回路的な熱雑音等も含まれる。
なお、例えばA/Dコンバータは0V以上の電圧値であれば入力信号の大きさを計測することができるが、例えばコンパレータにおいて閾値電圧を固定(一定)にする場合には該閾値電圧を入力信号の電圧値以下に設定しなければ、入力信号が入力されているかどうかも分からない。
この場合、例えば受光装置で計測されたノイズの大きさに基づいて物体検出用閾値Vd(電圧値Vd)の設定を行うことができるので、遠方物体や低反射物体の検出とノイズによる誤検出の抑制とを両立できる。
この場合、例えば受光装置で計測されたノイズの大きさに基づいて距離計測用閾値Vd(電圧値Vd)の設定を行うことができるので、遠方物体や低反射物体に対する距離計測とノイズによる誤検出の抑制とを両立できる。
この場合、距離計測及び電圧値Vdの適正な設定を領域毎に行うことができる。電圧値Vdを領域毎に適正値に設定すれば、領域毎に遠方物体や低反射物体の検出とノイズによる誤検出の抑制とを両立できる。
レーザレーダの投光範囲内の水平方向や鉛直方向の位置によって受光手段の出力信号に含まれるノイズの大きさが異なる。そこで、例えば投光範囲が水平方向又は鉛直方向に1次元に分割されて得られた複数の領域のうちノイズの大きい領域ではVnを大きくし、ノイズの小さい領域ではVnを小さくするような制御を行うことが可能になる。
レーザレーダの投光範囲内の水平方向や鉛直方向の位置によって受光手段の出力信号に含まれるノイズの大きさが異なる。そこで、例えば投光範囲が水平方向及び鉛直方向に2次元に分割されて得られた複数の領域のうちノイズの大きい領域ではVnを大きくし、ノイズの小さい領域ではVnを小さくするような制御を行うことが可能になる。これにより、可能な限りノイズを検出することなく、遠方物体や低反射物体までの距離を計測することが可能である。
上記時間差が属する階級毎のVaがVdよりも大きい出力信号の数(度数)を表すヒストグラムや度数分布表を生成した場合、ノイズの検出頻度に比べ、ターゲットからの反射光や散乱光による信号(真の信号)の検出頻度は極端に高くなる。これにより、ノイズと真の信号とを判別することが可能になる。
この際、パルス発光毎もしくは複数回のパルス発光毎に計測したノイズの大きさの平均値や中央値(メジアン)に基づいてVdの設定を行っても良い。
このような光源アレイとしては、例えば複数のLDが1次元又は2次元に配列されたLDアレイ、VCSELが1次元又は2次元に配列されたVCSELアレイなどが挙げられる。複数のLDが1次元配列されたLDアレイとしては、複数のLDが積層されたスタック型のLDアレイや複数のLDが横に並べられたLDアレイが挙げられる。
なお、光源アレイにおける各光源としてVCSELを用いれば、LDを用いる場合よりも高密度配置する(アレイ内の発光点の数をより多くする)ことができる。
Claims (16)
- 光を受光及び光電変換する受光素子を含む受光手段と、
閾値を変更する閾値可変手段と、
前記受光手段の出力信号の信号値と前記閾値可変手段が変更した可変閾値とを比較し、その比較結果を示す信号を出力する比較手段と、
前記比較手段から前記信号値が前記可変閾値よりも大きいことを示す信号が出力された回数を前記閾値毎にカウントするカウント手段と、
前記カウント手段でのカウント結果に基づいて、前記出力信号に含まれるノイズの大きさを算出する算出手段と、を備える受光装置。 - 前記閾値可変手段は、所定時間内の複数の時間帯で前記可変閾値を異ならせ、
前記算出手段は、前記時間帯毎の前記可変閾値に対する前記カウント手段でのカウント結果から前記ノイズの大きさを算出することを特徴とする請求項1に記載の受光装置。 - 前記算出手段は、前記カウント手段でのカウント結果から得られる正規分布の標準偏差を用いて前記ノイズの大きさを算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の受光装置。
- 発光素子を含む投光手段と、
前記投光手段から投光され物体で反射もしくは散乱された光を前記受光素子が受光する請求項1〜3のいずれか一項に記載の受光装置と、を備える物体検出装置。 - 請求項4に記載の物体検出装置と、
前記算出手段での算出結果に基づいて閾値を設定する閾値設定手段と、
前記発光素子の発光開始タイミングと、前記比較手段から前記信号値が前記閾値設定手段が設定した設定閾値よりも大きいことを示す信号が出力されたタイミングとの時間差を算出し、該時間差又は該時間差に基づく値に応じて、前記時間差を距離に換算した換算値の1/2を出力する演算手段と、を備える距離測定装置。 - 前記投光手段は、投光範囲を分割して得られる複数の領域に順次投光し、
前記複数の領域のうち一の領域に投光されてから次の領域に投光されるまでの時間内に、前記演算手段が演算を行う時間、前記受光装置が前記ノイズを計測する時間及び前記閾値設定手段が前記設定閾値を設定する時間が含まれることを特徴とする請求項5に記載の距離測定装置。 - 前記閾値可変手段は、前記計測する時間内の複数の時間帯で前記可変閾値を異ならせ、
前記算出手段は、該時間帯毎の前記可変閾値に対する前記カウント手段でのカウント結果から前記ノイズの大きさを算出することを特徴とする請求項6に記載の距離測定装置。 - 前記複数の領域は、前記投光範囲が水平方向又は鉛直方向に1次元に分割されて得られることを特徴とする請求項7に記載の距離測定装置。
- 前記複数の領域は、前記投光範囲が水平方向及び鉛直方向に2次元に分割されて得られることを特徴とする請求項7に記載の距離測定装置。
- 前記投光手段が同一方向に複数回の投光を行ったとき、前記複数回の各回の投光時に信号値が前記設定閾値よりも大きい前記出力信号毎の前記時間差を複数の階級に分類する分類手段を更に備え、
前記演算手段は、
前記各回の投光毎に任意の時間内に出力された前記出力信号のうち信号値が前記設定閾値よりも大きい出力信号に基づいて前記時間差の算出を行い、
前記分類手段での分類結果に基づいて、前記出力信号毎の前記時間差の中から当該距離測定装置と前記物体との間を光が往復する時間を抽出し該時間を距離に換算した値の1/2を出力することを特徴とする請求項5〜9のいずれか一項に記載の距離測定装置。 - 前記投光手段が同一方向に複数回の投光を行ったとき、前記複数回の各回の投光時に信号値が前記設定閾値よりも大きい前記出力信号毎の前記換算値を複数の階級に分類する分類手段を更に備え、
前記演算手段は、
前記各回の投光毎に任意の時間内に出力された前記出力信号のうち信号値が前記設定閾値よりも大きい出力信号に基づいて前記時間差の算出を行い、
前記分類手段での分類結果に基づいて、前記出力信号毎の前記換算値の中から当該距離測定装置と前記物体との間の往復距離を抽出し該往復距離の1/2を出力すること特徴とする請求項5〜9のいずれか一項記載の距離測定装置。 - 請求項4に記載の物体検出装置と、
前記物体検出装置が搭載される移動体と、を備える移動体装置。 - 請求項5〜11のいずれか一項に記載の距離測定装置と、
前記距離測定装置が搭載される移動体と、を備える移動体装置。 - 光を受光及び光電変換して電気信号を出力する工程と、
閾値を変更する閾値可変工程と、
前記電気信号の信号値と前記閾値可変工程が変更した可変閾値とを比較する比較工程と、
前記比較工程で前記信号値が前記閾値よりも大きいことを示す比較結果が得られた回数をカウントするカウント工程と、
前記カウント工程でのカウント結果に基づいて、前記電気信号に含まれるノイズの大きさを算出する算出工程と、を含むことを特徴とするノイズ計測方法。 - 光を受光及び光電変換して電気信号を出力する第1の出力工程と、
閾値を変更する閾値可変工程と、
前記第1の出力工程で出力された前記電気信号の信号値と前記閾値可変工程が変更した可変閾値とを比較する比較工程と、
前記比較工程で前記信号値が前記可変閾値よりも大きいことを示す比較結果が得られた回数をカウントするカウント工程と、
前記カウント工程でのカウント結果に基づいて、前記電気信号に含まれるノイズの大きさを算出する算出工程と、
前記算出工程での算出結果に基づいて閾値を設定する閾値設定工程と、
光源を点灯し、該光源から射出された光を投光する投光工程と、
前記投光工程で投光され前記物体で反射された光を受光及び光電変換して電気信号を出力する第2の出力工程と、
前記第2の出力工程で出力された前記電気信号の信号値と前記閾値設定工程が設定した設定閾値とを比較する工程と、を含む物体検出方法。 - 光を受光及び光電変換して電気信号を出力する第1の出力工程と、
閾値を変更する閾値可変工程と、
前記第1の出力工程で出力された前記電気信号の信号値と前記閾値可変工程が変更した可変閾値とを比較する可変閾値比較工程と、
前記可変閾値比較工程で前記信号値が前記可変閾値よりも大きいことを示す比較結果が得られた回数をカウントするカウント工程と、
前記カウント工程でのカウント結果に基づいて、前記電気信号に含まれるノイズの大きさを算出する算出工程と、
前記算出工程での算出結果に基づいて閾値を設定する閾値設定工程と、
光源を点灯し、該光源から射出された光を投光する投光工程と、
前記投光工程で投光され前記物体で反射もしくは散乱された光を受光及び光電変換して電気信号を出力する第2の出力工程と、
前記第2の出力工程で出力された前記電気信号の信号値と前記閾値設定工程が設定した設定閾値とを比較する設定閾値比較工程と、
前記投光工程での前記光源の点灯開始タイミングと、前記設定閾値比較工程で前記信号値が前記設定閾値よりも大きいことを示す比較結果が出力されたタイミングとの時間差を距離に換算した換算値の1/2を出力する工程と、を含む距離測定方法。
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