JP2019028039A - 距離測定装置及び距離測定方法 - Google Patents

距離測定装置及び距離測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】信号を検知するための閾値を小さく設定しつつ、ノイズと物体からの信号との分離を精度良く行なう。【解決手段】距離測定装置は、対象物に光を投光する投光部と、対象物で反射又は散乱された光を受光する受光部と、投光された光を走査領域へ走査する走査部と、投光から受光までの時間を計測し、対象物までの距離を測定する距離測定部とを備える。走査領域を分割した複数の分割領域の全てのうち一つの分割領域の走査開始から全ての分割領域の走査終了までを一走査と定義すると、一走査の間に距離測定部により測定された、第1の分割領域の測定値と、第1の分割領域の測定値よりも前に測定された第2の分割領域の測定値とに基づいて、第1の分割領域の測定値が第1の分割領域の測定結果と出来るか否かを判定し、測定結果と出来ると判定された第1の分割領域の測定値を対象物までの距離として出力する。【選択図】図16

Description

本発明は、距離測定装置及び距離測定方法に関する。
従来、発光素子等から発光ビームを対象物に照射し、発光ビームの照射タイミングと、対象物からの反射光を受光した受光タイミングの時間差とから、対象物までの距離を測定するTOF(Time of Flight)法が知られている。
一例としては、航空機や鉄道、車載等で広く使用されているLIDAR(Light Detection and Ranging)がある。LIDARは、例えば、特許文献1〜3に開示されているように、光源から射出されたレーザ光を回転ミラーで走査し、物体で反射又は散乱された光を、再度回転ミラーを介して光検出器で検出することで、所望の範囲の物体の有無や、物体までの距離を検出できる走査型LIDARがある。
LIDARによる測距では、ノイズと物体からの信号との分離が重要である。ノイズのうち、ショットノイズは、光量計測に伴う白色雑音であり、ショットノイズの大きさは光量の時間平均の平方根に比例し、感度が高い又は外乱光が強い場合には、数十mV以上にもなり得る。そのため、ショットノイズは、回路ノイズよりも問題になりやすい。ノイズの大きさが光量の時間平均の平方根に比例することから分かるように、ショットノイズはDC光検出の際にも白色雑音として生じる。
閾値電圧を基準に受光信号を検出する方式では、ノイズによる誤検出を防ぐためにショットノイズに比べて閾値電圧を十分に高く設定する必要があるため、閾値電圧はショットノイズが最大となる状況を想定して決定される(図1A参照)。そのため、ショットノイズが比較的小さい場合においては閾値が過剰に大きく設定されてしまい、検知可能距離が必要以上に小さくなってしまう(図1B参照)。検出距離を大きくするという観点からすると、閾値を小さく設定することが好ましい。
本発明は、上記を鑑みてなされたものであって、信号を検知するための閾値を小さく設定しつつ、ノイズと物体からの信号との分離を精度良く行なうことを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明に係る距離測定装置は、対象物に対して光を投光する投光部と、前記対象物で反射又は散乱された光を受光する受光部と、前記投光部から投光された光を走査領域へ走査する走査部と、前記投光部による投光から前記受光部による受光までの時間を計測し、前記対象物までの距離を測定する距離測定部とを備え、前記走査領域を複数の分割領域に分割し、該分割した全ての分割領域のうち一つの分割領域の走査開始から全ての分割領域の走査終了までを一走査と定義すると、前記一走査の間に前記距離測定部により測定された、第1の分割領域の測定値と、前記第1の分割領域の測定値よりも前に測定された第2の分割領域の測定値とに基づいて、前記第1の分割領域の測定値が前記第1の分割領域の測定結果と出来るか否かを判定し、前記第1の分割領域の測定結果と出来ると判定された場合に、前記第1の分割領域の測定値を、前記第1の分割領域における対象物までの距離として出力する。
本発明によれば、信号を検知するための閾値を小さく設定しつつ、ノイズと物体からの信号との分離を精度良く行なうことができるという効果を奏する。
図1Aは、ショットノイズが大きい場合の受光信号波形の例を示す図である。 図1Bは、ショットノイズが小さい場合の受光信号波形の例を示す図である。 図2は、実施の形態に係る距離測定装置の概略構成例を示すブロック図である。 図3Aは、実施の形態に係る投光光学系及び同期系を模式的に示す図である。 図3Bは、実施の形態に係る受光光学系を模式的に示す図である。 図3Cは、実施の形態に係るLDから反射ミラーまでの光路と、反射ミラーから時間計測用PDまでの光路との例を示す図である。 図4は、同期信号とLD駆動信号との例を示すタイミング図である。 図5Aは、射出光パルスと反射光パルスとの例を示すタイミング図である。 図5Bは、2値化後の射出光パルスと反射光パルスとの例を示すタイミング図である。 図6Aは、太陽光が入らないときの受光信号波形の例を示す模式図である。 図6Bは、太陽光が入るときの受光信号波形の例を示す模式図である。 図6Cは、DC成分除去時の太陽光が入るときの受光信号波形の例を示す模式図である。 図6Dは、DC成分除去時の強い太陽光が入るときの受光信号波形の例を示す模式図である。 図7は、ショットノイズとターゲットピークとの関係の例を示す図である。 図8は、ショットノイズとターゲットピークとの関係の例を示す図である。 図9は、物体までの実距離と、ターゲットピーク強度と、ショットノイズとの関係の例を示す図である。 図10は、雨と物体とが検出される受光信号波形の例を示す模式図である。 図11は、有効走査領域を複数の領域(N分割領域)に分割した例を示す図である。 図12は、実施の形態に係る距離測定装置によるノイズと物体との判別の例を説明する図である。 図13は、M分割領域にN分割領域が4個含まれている例を示す図である。 図14は、実施の形態に係る有効走査領域の光走査を複数の光走査に分割して全ての走査角度での測距を行ない、ノイズと物体とを判別する例を説明する図である。 図15は、パルス光のパルス幅を判断基準として設ける例を説明する図である。 図16は、実施の形態に係るターゲット判定処理の流れの例を示すフローチャートである。 図17は、測距値と測距範囲との関係の例を示す図である。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る距離測定装置及び距離測定方法の実施の形態を説明する。なお、以下の実施の形態により本発明が限定されるものではない。
(実施の形態)
図2は、実施の形態に係る距離測定装置100の概略構成例を示すブロック図である。距離測定装置100は、一例として、移動体としての車両等に搭載され、投光し、物体(例えば、先行車両、停車車両、障害物、歩行者等)で反射(散乱)された光を受光して、該物体の有無や該物体までの距離等の物体に関する情報を検出する走査型LIDARである。例えば、距離測定装置100は、車両のバッテリ(蓄電池)から電力の供給を受ける。
図2に示すように、距離測定装置100は、投光系10と、受光光学系30と、検出系40と、時間計測部45と、同期系50と、測定制御部46と、物体認識部47とを有する。
投光系10は、光源としてのLD(Laser Diode)と、LD駆動部12と、投光光学系20とを有する。LDは、端面発光レーザとも呼ばれ、LD駆動部12によって駆動されることでレーザ光を射出する。LD駆動部12は、測定制御部46から出力されるLD駆動信号(矩形パルス信号)を用いてLDを点灯(発光)させる。例えば、LD駆動部12は、LDに電流を供給可能に接続されたコンデンサ、該コンデンサとLDとの間の導通・非導通を切り替えるためのトランジスタ、該コンデンサを充電可能な充電手段等を含む。測定制御部46は、車両のECU(Electronic Control Unit)からの測定制御信号(例えば、測定開始信号や測定停止信号等)を受けて、測定の開始や停止を行なう。
図3Aは、実施の形態に係る投光光学系20及び同期系50を模式的に示す図である。図3Bは、実施の形態に係る受光光学系30を模式的に示す図である。図3Cは、実施の形態に係るLDから反射ミラー24までの光路と、反射ミラー24から時間計測用PD42までの光路との例を示す図である。以下では、図3A等に示すZ軸方向を鉛直方向とするXYZ3次元直交座標系を適宜用いて説明する。
図3Aに示すように、投光光学系20は、カップリングレンズ22と、反射ミラー24と、回転ミラー26とを有する。カップリングレンズ22は、LDからの光の光路上に配置される。反射ミラー24は、カップリングレンズ22を介した光の光路上に配置される。回転ミラー26は、反射ミラー24で反射された光の光路上に配置される偏向器である。図3Aでは、装置を小型化するために、カップリングレンズ22と回転ミラー26との間の光路上に、反射ミラー24を設けて光路を折り返している。LDから出射された光は、カップリングレンズ22によって所定のビームプロファイルの光に整形された後、反射ミラー24で反射され、回転ミラー26でZ軸周りに偏向される。距離測定装置100から射出される光は、回転ミラー26でZ軸周りの所定の偏向範囲に偏向され、投光光学系20から投射される光である。
なお、上記では光源としてLDを用いる場合を例に挙げたが、これに限られるものではない。例えば、光源としては、VCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser)や有機EL素子、LED(Light Emitting Diode)等の他の発光素子を用いても良い。
回転ミラー26は、回転軸(Z軸)周りに複数の反射面を有し、反射ミラー24からの光を回転軸周りに回転しながら反射(偏向)することで、該光により上述した偏向範囲に対応する有効走査領域を水平な1軸方向(ここでは、Y軸方向)に1次元走査する。偏向範囲や有効走査領域は、距離測定装置100の+X側である。図3Aから分かるように、回転ミラー26は、反射面を2面(対向する2つの面)有している。但し、回転ミラー26は、これに限られるものではなく、反射面が1面であっても良いし、3面以上であっても良い。また、回転ミラー26は、少なくとも2つの反射面を設け、回転ミラー26の回転軸に対して異なった角度で傾けて配置し、走査や検出する領域をZ軸方向に切り替えることも可能である。
図3Bに示すように、受光光学系30は、回転ミラー26と、反射ミラー24と、時間計測用PD42とを有する。回転ミラー26は、投光光学系20から投射され、有効走査領域内に存在する物体で反射された光を反射する。反射ミラー24は、回転ミラー26からの光を反射する。時間計測用PD42は、反射ミラー24からの光の光路上に配置され該光を結像する。反射ミラー24からの光の光路上には、時間計測用PD42で光を結像させるための結像光学系が配置される。ここで、投光光学系20と受光光学系30とは、同一の筐体内に設置されている。かかる筐体は、投光光学系20からの射出光の光路上、及び、受光光学系30への入射光の光路上に開口部を有し、開口部はウィンドウ(光透過窓部材)で塞がれている。例えば、ウィンドウは、ガラス製や樹脂製とすることができる。
図3Cに示すように、投光光学系20と受光光学系30とは、Z軸方向に重なるように配置されている。また、回転ミラー26と反射ミラー24とは、投光光学系20と受光光学系30とで共通となっている。これらにより、物体上におけるLDの照射範囲と、時間計測用PD42の受光可能範囲との相対的な位置ずれを小さくすることができ、安定した物体検出を実現できる。
図2や図3Bに示すように、検出系40は、時間計測用PD42と、PD出力検出部44とを有する。時間計測用PD42は、投光光学系20から投射され、有効走査領域内に存在する物体で反射された光を、受光光学系30を介して受光する。PD出力検出部44は、時間計測用PD42の出力電流(光電流)に基づく電圧信号(受光信号)を検出する。投光光学系20から投射され、物体で反射された光は、回転ミラー26、反射ミラー24を介して結像光学系に導かれ、結像光学系により時間計測PD42に集光する(図3B参照)。図3Bでは、装置を小型化するために、回転ミラー26と結像光学系との間に反射ミラー24を設けて光路を折り返している。ここでは、結像光学系は、2枚のレンズ(結像レンズ)で構成されているが、1枚のレンズで構成されても良いし、3枚以上のレンズで構成されても良い。
図2や図3Aに示すように、同期系50は、同期レンズ52と、同期検知用PD54と、PD出力検出部56とを有する。同期レンズ52は、LDから出射され、カップリングレンズ22を介して反射ミラー24で反射された光であって、回転ミラー26で偏向され反射ミラー24で再び反射された光の光路上に配置される。同期検知用PD54は、同期レンズ52を介した光の光路上に配置される。PD出力検出部56は、同期検知用PD54の出力電流(光電流)に基づく電圧信号(受光信号)を検出する。
詳細には、反射ミラー24は、上述した偏向範囲に対して、回転ミラー26の回転方向上流側に配置され、回転ミラー26で偏向範囲の上流側に偏向された光が入射される。そして、回転ミラー26で偏向され、反射ミラー24で反射された光は、同期レンズ52を介して同期検知用PD54に入射される。なお、反射ミラー24は、上述した偏向範囲に対して、回転ミラー26の回転方向下流側に配置されても良い。そして、同期系50は、回転ミラー26で偏向され、反射ミラー24で反射された光の光路上に配置されても良い。
図4は、同期信号とLD駆動信号との例を示すタイミング図である。図4に示すように、同期検知用PD54は、回転ミラー26の回転により、回転ミラー26の反射面で反射された光を受光する度に電流を出力する。すなわち、同期検知用PD54は、定期的に電流を出力する。このように、回転ミラー26からの光を、同期検知用PD54に照射するための同期点灯を行なうことで、同期検知用PD54での受光タイミングから、回転ミラー26の回転タイミングを得ることが可能となる。そこで、LDを同期点灯してから所定時間経過後に、LDをパルス点灯することで、有効走査領域を光走査することができる。すなわち、同期検知用PD54に光が照射されるタイミングの前後期間に、LDをパルス点灯することで有効走査領域を光走査することができる。
ここで、時間計測や同期検知に用いる受光素子としては、上述したPDのほか、APD(Avalanche Photo Diode)、ガイガーモードAPDであるSPAD(Single Photon Avalanche Diode)等を用いることが可能である。APDやSPADは、PDに対して感度が高いため、検出精度や検出距離の点で有利である。
PD出力検出部56は、同期検知用PD54の出力電流に基づく電圧信号(受光信号)を検出すると、同期信号を測定制御部46に出力する。詳細には、PD出力検出部56は、同期検知用PD54からの出力電流を電流電圧変換器で電圧信号に変換し、電圧信号を信号増幅器で増幅し、増幅された電圧信号をコンパレータ等の比較器を用いて閾値で二値化し、二値化信号を同期信号として測定制御部46に出力する。
測定制御部46は、PD出力検出部56からの同期信号に基づいて、LD駆動信号を生成し、生成したLD駆動信号をLD駆動部12及び時間計測部45に出力する。すなわち、LD駆動信号は、同期信号に対して遅延した発光制御信号(周期的なパルス信号)である。
LD駆動信号がLD駆動部12に入力されると、LD駆動部12からLDに対して駆動電流が印加され、LDから発光パルスが出力される。なお、LDの安全性やLDの耐久性の観点から、LDの発光のデューティが制限されるため、発光パルスはパルス幅が狭い方が望ましい。一般に、パルス幅は、10ns〜数十ns程度に設定される。また、パルス間隔は、数十μ秒程度である。
時間計測部45は、PD出力検出部44からの検出信号(PD出力検出部44での受光信号の検出タイミング)に基づいて、時間計測用PD42での受光タイミングを求め、受光タイミングとLD駆動信号の立ち上がりタイミングとに基づいて物体までの往復時間を計測する。そして、時間計測部45は、物体までの往復時間を、時間計測結果として測定制御部46に出力する。
測定制御部46は、時間計測部45からの時間計測結果を距離に変換することで、物体までの往復距離を算出し、往復距離の1/2を距離データとして物体認識部47に出力する。物体認識部47は、測定制御部46からの1走査又は複数の走査で取得された複数の距離データに基づいて、どこに物体が存在するかを認識し、物体認識結果を測定制御部46に出力する。測定制御部46は、物体認識部47からの物体認識結果をECUに転送する。
ECUは、距離測定装置100から転送された物体認識結果に基づいて、例えば自動車の操舵制御(例えば、オートステアリング等)や、速度制御(例えば、オートブレーキ等)を行なう。また、偏向器として、回転ミラー26に代えて、例えばポリゴンミラー(回転多面鏡)や、ガルバノミラー、MEMSミラー等の他のミラーを用いても良い。また、同期系50は、同期レンズ52を有していなくても良く、他の光学素子(例えば、集光ミラー等)を有していても良い。
図5Aは、射出光パルスと反射光パルスとの例を示すタイミング図である。LD駆動部12は、回転ミラー26によって有効走査領域が走査されるとき、LDを駆動して、図5Aに示すようなパルス光(以下、「射出光パルス」と呼ぶ場合がある)を射出させる。そして、LDから射出され、物体で反射(散乱)されたパルス光(以下、「反射光パルス」と呼ぶ場合がある)が時間計測用PD42で検出される。なお、図5Aでは、受光素子として、PDの代わりにAPDを用いた例を挙げている。
図5Bは、2値化後の射出光パルスと反射光パルスとの例を示すタイミング図である。LDが射出光パルスを射出してから、APDで反射光パルスを検出するまでの時間tを計測することで、物体までの距離を算出することが可能である。例えば、図5Bに示すように、時間計測に関しては、射出光パルスをPD等の受光素子で受光して2値化した矩形パルスとし、反射光パルスをPD出力検出部44で2値化した矩形パルスとし、これらの両矩形パルスの立ち上がりタイミングの時間差tを、時間計測部45で計測しても良い。また、射出光パルス及び反射光パルスの波形をA/D変換してデジタルデータに変換し、LDの出力信号とAPDの出力信号とを相関演算することで、時間tを計測することも可能である。
このような測距方式における検出可能距離としては、100mオーダーのものが求められている。また、一般に、100m先の物体から反射されて返ってくる光量は、数nW〜数十nW程度である。つまり、受光系としては、数nWの受光信号をエラーなく検出できることが求められる。数nW程度の微弱光に対する受光信号は信号強度が小さいため、ランダムノイズの影響を受けやすく、距離計測精度や物体検出の信頼性に影響が出てくる。
ランダムノイズとしては、大きく分けると、回路ノイズとショットノイズとの2つがある。回路ノイズは、主に、抵抗から生じる熱雑音や基板が放射ノイズを拾うことで生じるノイズである。かかる回路ノイズは、一般に、数mV程度である。これに対して、ショットノイズは、主に、光量計測に伴う白色雑音であり、その大きさは光量の時間平均の平方根に比例し、感度が高い又は外乱光が強い場合には数十mV以上にもなり得る。従って、本実施の形態においては、ランダムノイズのうち、回路ノイズよりもショットノイズの方が特に問題になりやすい。ショットノイズは、ノイズの大きさが光量の時間平均の平方根に比例することから分かるように、DC光検出の際にも白色雑音として生じる。
図6Aは、太陽光が入らないときの受光信号波形の例を示す模式図である。図6Bは、太陽光が入るときの受光信号波形の例を示す模式図である。図6Cは、DC成分除去時の太陽光が入るときの受光信号波形の例を示す模式図である。図6Dは、DC成分除去時の強い太陽光が入るときの受光信号波形の例を示す模式図である。なお、図6Dは、図6Bや図6Cの太陽光よりも強いことを意味する。
太陽光が入らない場合(図6A参照)に比べて、太陽光が入る場合には、DC成分が増大するだけではなく、ランダムノイズ(ショットノイズ)も増大する(図6B参照)。DC成分については、ハイパスフィルタ等で除去できるが、ハイパスフィルタ等ではランダムノイズは除去できない(図6C参照)。例えば、車両の実際の走行環境では、車両の窓ガラスやボンネット等の高反射物体で太陽光が反射し、強い太陽光が受光素子に入る場合がある。かかる場合は、図6Dに示すように、ショットノイズが増大し、ノイズが検出閾値を超えてしまう。ノイズが検出閾値を超える場合は、信号とノイズとの判別が困難となり、誤検出となってしまう。さらに、高反射物体が近距離に存在する方が、受光素子に入る太陽光が強くなるため、ショットノイズも大きくなり、ノイズが検出閾値を超える現象が発生しやすくなり、誤検出も多くなる。
閾値電圧を基準に受光信号を検出する方式では、ノイズによる誤検出を防ぐために、通常はショットノイズに比べて閾値電圧を十分に高く設定する必要があるため、閾値電圧はショットノイズが最大となる状況を想定して決定される(図1A参照)。そのため、ショットノイズが比較的小さい場合においては、閾値電圧が過剰に大きく設定されてしまい、検出可能な距離が必要以上に小さくなってしまう(図1B参照)。これらから、検出可能な距離を大きくするためには、閾値電圧を小さく設定することが望まれる。
これらを踏まえ、ショットノイズと物体信号からの反射パルスのピーク(ターゲットピーク)との関係について説明する。図7は、ショットノイズとターゲットピークとの関係の例を示す図である。図7に示すように、周囲の照度が非常に明るい場合は、ショットノイズが大きい。但し、図7に示すように、物体との距離が近い、又は、物体の反射率が大きい場合は、ショットノイズとの判別が付きやすく、ターゲットピークを検知するための閾値電圧の設定も容易である。
図8は、ショットノイズとターゲットピークとの関係の例を示す図である。なお、図8は、図7とは異なり、物体との距離が遠い場合を例に挙げる。図8に示すように、物体との距離が遠い、又は、物体の反射率が小さい場合は、ターゲットピークが小さくなり、ショットノイズとの判別が困難になる。
図9は、物体までの実距離と、ターゲットピーク強度と、ショットノイズとの関係の例を示す図である。なお、図9では、西日等の強い太陽光を想定した最大値を示すショットノイズを例に挙げる。また、図9において、ショットノイズは、0mVからのエラーバーで表示されている。図9に示すように、ターゲットピーク強度の電圧は、近距離(25m付近まで)での測距において飽和している。ショットノイズに起因する誤測距を避けて閾値を設定する場合は、例えば、400mVに閾値を設定することになる。しかし、これでは、50m以上の遠距離の測距においてはピーク強度が閾値よりも小さくなってしまうため、測距できなくなることが分かる。すなわち、より遠くまで測距するためには、閾値を低く設定し、ショットノイズとターゲットピークとを分離できる技術が必要となる。
ところで、物体からの受信信号を誤検出するその他の要因としては、雨や霧等がある。これらの場合も、ショットノイズと同様に、物体からの受光信号検出のための閾値電圧を超える可能性が大きくなり、どの信号が物体からの反射によるものなのかが分からなくなる。
図10は、雨と物体とが検出される受光信号波形の例を示す模式図である。図10に示すように、時間0でパルス発光したとして、3つの雨(雨1、雨2、雨3)と、1つの物体とが検出される。受光信号を検出するための検出閾値を、図10に示す破線のレベルに設定すると、雨1〜雨3と、物体とをあわせた4つが検出される。雨については危険情報とは認識せずに、物体を危険情報として認識したいものの、検出結果を見ても、何れが雨で何れが物体であるかを判別できない。そのため、危険情報としたい物体の位置がどこかが分からない。
そこで、以下で説明するように、ノイズ成分と物体とを判別する。以下の説明では、光走査を行なう際に、有効走査領域を複数(N個)の領域に分割し、各分割領域(N分割領域)について光走査を行なう。そして、有効走査領域における全N分割領域のうち一つのN分割領域について光走査を開始してから、全てのN分割領域についての光走査を終了するまでを一光走査と定義する。図11は、有効走査領域を複数の領域(N分割領域)に分割した例を示す図である。そして、一光走査において、あるN分割領域(例えば、N分割領域B)を光走査することで測距された測距値(例えば、測距値B)について、この分割領域Bに隣接するN分割領域(例えば、N分割領域A)を、N分割領域Bへの光走査よりも前のタイミングで光走査を行なうことで測距された測距値(例えば、測距値A)の値を参照し、測距値Aと測距値Bとに基づいて、測距値Bの確からしさを判定することで、ノイズ成分と物体とを判別する。すなわち、有効走査領域を複数の領域に分割し、分割した全分割領域のうち一つの分割領域について光走査を開始してから全ての分割領域についての光走査を終了するまでを一光走査と定義し、一光走査により有効走査領域の測距を行なう方法において、一つの分割領域だけで測距された測距結果はノイズとして扱い、二つ以上の隣接する分割領域において測距された測距結果が略同距離であった場合に、測距値として採用する。これを実現するために、測距値Bを測距したN分割領域Bに隣接するN分割領域Aを、N分割領域Bへの光走査よりも前のタイミングで光走査を行なうことで測距された測距値Aを参照し、測距値Aと測距値Bとが略同距離である場合に、測距値Bを採用するというものである。
なお、上述したように、有効走査領域を偏向して光走査を行なう場合、有効走査領域を偏向角度で表現することも可能である。すなわち、光走査する際の有効走査領域を複数(N個)の領域に分割した各分割領域について、有効走査領域全体を光走査するために必要な偏向角度を複数(N個)の角度に分割し、この分割した角度(偏向角度、または走査角度)を用いて表現しても良い。
ここで、測距値Aと測距値Bとの関連性が低いと判断された場合は、測距値Bの採用を保留する。そして、測距値Bに隣接しN分割領域Aとは反対側に位置するN分割領域(例えば、N分割領域C)をN分割領域Bへの光走査よりも後のタイミングで光走査を行なうことで測距された測距値Cについて、保留されている測距値Bを参照し、測距値Bと測距値Cとに基づいて、測距値Cの確からしさを判定する。測距値Bと測距値Cとの関連性が低いと判断された場合に、測距値Bは、隣接するN分割領域の測距値A及び測距値Cの何れとも略同距離ではない値ということになる。このときの測距値Bの保留が解除され、ノイズとして扱われる。そして、測距値Cの採用を、保留とし、測距値Cが保留となったことを示す情報を記憶する。
また、測距値Cについて、測距値Bとの関連性が高いとされた場合は、隣接するN分割領域の測距値Bと測距値Cとが略同距離ということになるため、これらは測距値として採用される。すなわち、測距値Bと測距値Cとの関連性の判定により測距値Cがまず採用され、測距値Cが採用されたことを示す情報がフィードバックされ、測距値Bが採用されることになる。
図12は、実施の形態に係る距離測定装置100によるノイズと物体との判別の例を説明する図である。ここでは、有効走査領域におけるN分割領域について、走査角度という表現も用いて説明する。図12の上段は、各走査角度において、ある距離に物体又はノイズが存在している例を示す模式図である。ここでは、物体又はノイズを総称してターゲットと表現する。図12の中段は、図12の上段のように存在しているターゲットに対して図中右側から走査を行ない、それぞれの角度で測距された結果に対してどのように判断されているかを示した図である。図12の下段は、判断の内容を示す図である。白丸と白三角とは、ターゲットが物体であることを意味し、バツ印は、ターゲットがノイズであることを意味する。なお、本実施の形態では、隣接する走査角度での測距値と±50cm以内に存在すれば、同距離であると判断する。
図12に示すように、まず、走査角度「0.1°」の測距結果「6m」については、その前に値がないため、一旦、保留状態にされる。そして、走査角度「0.2°」において、走査角度「0.1°」と同一の測距結果「6m」が確認されたため、この時点で、走査角度「0.1°」の測距結果「6m」については、白三角の判断(一時判断保留後、後ろのデータからのフィードバックで白丸判断)となる。続いて、走査角度「0.6°」までは、白丸の判断(前のデータとの比較で白丸判断)となる。
その後、走査角度「0.7°」の測距結果「3m」については、走査角度「0.6°」の測距結果「6m」とは異なる距離となるため、一旦、保留状態にされる。そして、走査角度「0.8°」において、走査角度「0.7°」と同一の測距結果「3m」が確認されたため、この時点で、走査角度「0.7°」の測距結果「3m」については、白三角の判断となる。
また、走査角度「1.8°」については、走査角度「1.7°」に測距結果が存在しないため、一旦、保留状態にされる。そして、走査角度「1.9°」においても、測距結果が存在しないため、走査角度「1.8°」の測距結果「5m」のターゲットは、バツ印の判断(一時判断保留後、後ろのデータからのフィードバックでバツ印判断)となる。すなわち、走査角度「1.8°」の測距結果「5m」のターゲットは、ノイズとして扱われる。
ところで、図12のように、有効走査領域における走査開始位置から走査終了位置までについて、一度の走査により全ての走査角度の距離情報が得られることが望ましい。しかしながら、走査時間を短くしようとすると、走査速度が速くなり、1つの走査角度で発光させる時間が非常に短くなり、処理対象である信号について高い転送レートが求められる等、信号の処理に対する負荷も大きくなる。すると、パルス光を投光するレーザをそれぞれの走査角度で連続して発光させることが困難になる。そこで、例えば、特開2016−133341号公報では、有効走査領域の光走査を複数の走査に分割して全ての走査角度での測距を行なうことが提案されている。以下、有効走査領域の光走査を複数の光走査に分割する分割測距におけるノイズと物体との判別について説明する。
ここでは、有効走査領域を上述しているN分割領域が複数含まれるものをM分割領域と定義して説明する。有効走査領域を光走査する際に、先ず、M番目のM分割領域内におけるN番目のN分割領域を光走査し、次にM+1番目のM分割領域内におけるN番目のN分割領域を光走査する。この動作を全てのM分割領域について行なう。その後、M番目のM分割領域内におけるN+1番目のN分割領域を光走査し、次にM+1番目のM分割領域内におけるN+1番目のN分割領域を光走査する。この順番で、全てのM分割領域内の全てのN分割領域について行なうことで、有効走査領域における全N分割領域についての光走査を実現する。この説明から明らかなように、有効走査領域の走査の分割数は、M分割領域に含まれるN分割領域の数で決定される。例えば、M分割領域にN分割領域が4個含まれている場合は、有効走査領域の光走査の分割数は4となる。図13は、M分割領域にN分割領域が4個含まれている例を示す図である。なお、上述したように、有効走査領域の光走査を複数の光走査に分割して全ての走査角度での測距を行う場合でも、有効走査領域における全N分割領域のうち一つのN分割領域について光走査を開始してから全てのN分割領域についての光走査を終了するまでを一光走査と定義する。
図14は、実施の形態に係る有効走査領域の光走査を複数の光走査に分割して全ての走査角度での測距を行ない、ノイズと物体とを判別する例を説明する図である。ここでは、有効走査領域におけるN分割領域、及びM分割領域について、走査角度という表現も用いて説明する。図14では、有効走査領域を0.1°単位で光走査を行なう。すなわち、有効走査領域を0.1°毎に分割したものがN分割領域である。また、有効走査領域を0.4°毎に分割することでM分割領域としている。すなわち、図14では、N分割領域は、M分割領域に4個含まれる。そして、有効走査領域の光走査の分割数は4である。
図14の上段は、各走査角度において、ある距離に物体又はノイズが存在している例を示す模式図である。上述したように、物体又はノイズを総称してターゲットと表現している。図14の中段は、図14の上段のように存在しているターゲットに対して、4分割の光走査でもって順次測距を繰り返した結果に対してどのように判断されているかを示した図である。図14の下段は、判断の内容を示す図である。なお、本実施の形態では、隣接する走査角度での測距値と±50cm以内に存在すれば、同距離であると判断する。
つまり、図14に示す走査角度「0.1°」の測距は、走査角度「0.2°」の走査に対して一つ前の分割走査により行なわれたものである。同様に、走査角度「0.3°」の測距は、走査角度「0.2°」の走査に対して一つ後の分割走査により行なわれたものである。このようにして、有効走査領域を0.4°毎に分割したM分割領域を4分割し、0.1°毎としたN分割領域を最小の光走査単位とし、有効走査領域の光走査を複数の光走査に分割した測距が行なわれる。
図14に示すように、まず、走査角度「0.1°」の測距結果「6m」については、その前に値がないため、一旦、保留状態にされる。そして、走査角度「0.2°」において、走査角度「0.1°」と同一の測距結果「6m」が確認されたため、この時点で、走査角度「0.1°」の測距結果「6m」については、白三角の判断(一時判断保留後、後ろのデータからのフィードバックで白丸判断)となる。続いて、走査角度「0.6°」までは、白丸の判断(前のデータとの比較で白丸判断)となる。
その後、走査角度「0.7°」の測距結果「3m」については、走査角度「0.6°」の測距結果「6m」とは異なる距離となるため、一旦、保留状態にされる。そして、走査角度「0.8°」において、走査角度「0.7°」と同一の測距結果「3m」が確認されたため、この時点で、走査角度「0.7°」の測距結果「3m」については、白三角の判断となる。
また、走査角度「1.8°」については、走査角度「1.7°」に測距結果が存在しないため、一旦、保留状態にされる。そして、走査角度「1.9°」においても、測距結果が存在しないため、走査角度「1.8°」の測距結果「5m」のターゲットは、バツ印の判断(一時判断保留後、後ろのデータからのフィードバックでバツ印判断)となる。すなわち、走査角度「1.8°」の測距結果「5m」のターゲットは、ノイズとして扱われる。このように、図14では、それぞれの位置におけるターゲットの判断を、分割した複数の光走査を跨いで行なう。
上述したように、図12及び図14では、測距値を利用して、ある走査角度(N分割領域)において測距された測距値に隣接する走査角度(N分割領域)における測距値の確からしさを判断した。測距値として採用する基準を、隣接する走査角度(N分割領域)における距離の差異が所定範囲内かどうかとすることで、隣接する走査角度(N分割領域)同士が同一の物体を測距しているかどうかを効率的に判断することができる。なお、判断に用いる距離の差異の範囲は、同一物体の距離範囲を予め調査して設定された測距値範囲内とすることが望ましい。
さらに、隣接する走査角度(N分割領域)同士が同一物体を測距しているかどうかの判断で、判断を確かなものとするために、ある走査角度での散乱されたパルス光のパルス幅を利用しても良い。すなわち、ノイズ同士が偶然に、略同一距離に発生する場合を考慮して、隣接する走査角度で略同一距離に存在するターゲットに対応するパルス光のパルス幅それぞれが、予め設定された一定のパルス幅範囲内であるかどうかも判断基準として設ける。これにより、ノイズを物体として採用してしまう誤判定の確率を削減することができる。例えば、パルス幅の範囲は、±20%以内とすることができる。
図15は、パルス光のパルス幅を判断基準として設ける例を説明する図である。図15に示すように、ターゲットピークのパルス幅は、安定した幅を示すものとなる。これに対して、ショットノイズ等は、ランダムなパルス幅の大きさを持つものとなる。物体のターゲットピークのパルス幅σの値を予め調査し、例えばそのパルス幅σをもとにしたパルス幅範囲を予め設定しておくことで、その範囲を超えた場合は同一物体からの信号として採用しないこととする。すなわち、隣接する走査角度(N分割領域)におけるノイズが略同位置で観測されたとしても、その場合のパルス幅は設定した幅以上に異なることになるため両者の関連性は低いと判断できる。すなわち、パルス幅を判断基準に加えることで、ノイズと物体とをより確実に判別することができる。なお、パルス幅は、受光したときの信号の立ち上がりから立ち下がりの幅を表す。
図16は、実施の形態に係るターゲット判定処理の流れの例を示すフローチャートである。図16に示すように、距離測定装置100は、スキャン(光走査)によって得られたデータ(例えば、測距結果)を取得する(ステップS101)。そして、距離測定装置100は、一光走査におけるある位置の測距結果に対して、隣接する走査角度に測距結果が存在するか否かを判定する(ステップS102)。
このとき、距離測定装置100は、隣接する走査角度に測距結果が存在しない場合に(ステップS102:No)、自身の位置の測距結果について、一旦、保留状態とする(ステップS103)。保留状態とした後、距離測定装置100は、ステップS101の処理を再度実行し、次の位置の測距結果を取得する。一方、距離測定装置100は、隣接する走査角度に測距結果が存在する場合に(ステップS102:Yes)、隣接する走査角度の測距結果が自身の測距結果の50cm以内である、且つ、隣接する走査角度の測距結果に対応するパルス幅が自身の測距結果に対応するパルス幅の±20%以内であるかを判定する(ステップS104)。すなわち、距離測定装置100は、隣接する走査角度の距離の差異の範囲内(例えば、50cm以内)であるか、隣接する走査角度で略同一距離に存在するターゲットに対応するパルス光のパルス幅それぞれが一定のパルス幅範囲内(例えば、±20%以内)であるかを確認する。
このとき、距離測定装置100は、何れかの条件を満たさない場合に(ステップS104:No)、自身の位置の測距結果について、一旦、保留状態とする(ステップS103)。保留状態とした後、距離測定装置100は、ステップS101の処理を再度実行し、次の位置の測距結果を取得する。一方、距離測定装置100は、何れの条件も満たす場合に(ステップS104:Yes)、自身の位置の測距結果を採用するものとして出力する(ステップS105)。
また、距離測定装置100は、隣接する走査角度の測距結果が出力済みであるか否かを判定する(ステップS106)。このとき、距離測定装置100は、隣接する走査角度の測距結果が出力済みでない場合に(ステップS106:No)、隣接する走査角度の測距結果を採用するものとして出力する(ステップS107)。その後、距離測定装置100は、ステップS101の処理を再度実行し、次の位置の測距結果を取得する。一方、距離測定装置100は、隣接する走査角度の測距結果が出力済みである場合に(ステップS106:Yes)、ステップS101の処理を再度実行し、次の位置の測距結果を取得する。なお、距離測定装置100は、全ての測距結果についての判定が完了した場合に、ターゲット判定処理を終了する。
本実施の形態では、同一物体とみなす隣接する走査角度との距離範囲を±50cm以内である場合を例に挙げたが、これに限られるものではない。距離範囲を少なくする場合は、ノイズの除去をより効果的に実現することができる。例えば、10mの位置に存在する物体に対して0.1°の角度分解能で走査して測距を行ない、物体が距離測定装置100に対して正対している場合は、隣接する走査角度での物体の走査方向分解能は1.7cmである。すなわち、距離測定装置100に対して45°の角度に物体が設置されていても、その距離の差異は1.7cmでしかなく、隣接する走査角度との距離範囲を±10cmにすれば十分であることが分かる。従って、物体との距離の違いが20cmしかない場所に出現するノイズであっても、ノイズとして除去することができるようになる。
但し、100mの位置に存在する物体に対する走査方向の分解能は17cmとなる。このとき、距離測定装置100に対して45°の角度で物体が設置してある場合は、その距離の差異は17cmとなり、±10cmの距離範囲で設定すると、この物体がノイズとして処理されてしまう。さらに、実際には、測距のばらつきも考慮すると、物体をノイズとして誤処理してしまう可能性が高くなってしまう。そこで、本実施の形態では、測距された距離に応じて、隣接する走査角度での物体の測距範囲を変更しても良い。
例えば、測距された距離を「A」、走査方向の角度分解能を「θ1」、基準距離における物体の測距ばらつき標準偏差を「σobj」、標準偏差の倍数を「n」、距離測定装置100に対して測定できる物体の期待角度の上限を「θ2」とする。これらのうち、「A」以外の値については予め決定しておける値であり、リアルタイムに測距される値「A」を、例えば以下の(数1)に適用することにより、隣接する走査角度での物体の測距範囲を即座に適用できることになる。
隣接する走査角度での物体の測距範囲
=(n・σobj^2)^0.5+A・sinθ1・tanθ2 ・・・(数1)
ここで、仮に、θ1=0.1°、σobj=10cm(基準距離50m)、n=2、θ2=60°とすると、測距される値Aと、隣接角度での物体の測距値として採用される測距範囲との関係は、図17に示すものとなる。図17は、測距値と測距範囲との関係の例を示す図である。図17に示すように、測距値が大きくなるほど、物体の測距範囲も広くなることが分かる。
上述したように、距離測定装置100は、ある対象物の測距値と、該対象物に隣接する走査角度で走査された測距値との関連性をもとに、ある対象物がノイズ又は物体であることを判定する。その結果、ある対象物がノイズ又は物体であるかを精度良く判定することができる。また、信号を検知するための閾値を小さく設定することができるので、検出距離を大きくすることができる。
なお、上記実施の形態では、回転ミラー26を用いて回転走査する場合を例に挙げたが、複数の光源を、例えば円弧上に並べて順次光を照射することで走査する構成であっても良い。
100 距離測定装置
10 投光系
12 LD駆動部
20 投光光学系
22 カップリングレンズ
24 反射ミラー
26 回転ミラー
30 受光光学系
40 検出系
42 時間計測用PD
44 PD出力検出部
45 時間計測部
46 測定制御部
47 物体認識部
50 同期系
52 同期レンズ
54 同期検知用PD
56 PD出力検出部
特開2004−184333号公報 特開平11−038137号公報 特開平08−304535号公報

Claims (10)

  1. 対象物に対して光を投光する投光部と、
    前記対象物で反射又は散乱された光を受光する受光部と、
    前記投光部から投光された光を走査領域へ走査する走査部と、
    前記投光部による投光から前記受光部による受光までの時間を計測し、前記対象物までの距離を測定する距離測定部と、
    を備え、
    前記走査領域を複数の分割領域に分割し、該分割した全ての分割領域のうち一つの分割領域の走査開始から全ての分割領域の走査終了までを一走査と定義すると、
    前記一走査の間に前記距離測定部により測定された、第1の分割領域の測定値と、前記第1の分割領域の測定値よりも前に測定された第2の分割領域の測定値とに基づいて、前記第1の分割領域の測定値が前記第1の分割領域の測定結果と出来るか否かを判定し、
    前記第1の分割領域の測定結果と出来ると判定された場合に、前記第1の分割領域の測定値を、前記第1の分割領域における対象物までの距離として出力すること
    を特徴とする距離測定装置。
  2. 前記第1の分割領域の測定値と、前記第2の分割領域の測定値との関係が所定基準を満たさない場合に、前記一走査の間に前記距離測定部により測定された、前記第1の分割領域の測定値と、前記第1の分割領域の測定値よりも後に測定された第3の分割領域の測定値とに基づいて、前記第1の分割領域の測定値が前記第1の分割領域の測定結果と出来るか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の距離測定装置。
  3. 前記第1の分割領域の測定値と、前記第3の分割領域の測定値との関係が所定基準を満たさない場合に、前記第1の分割領域の測定値を前記第1の分割領域の測定結果とはせず、
    前記第1の分割領域の測定値と、前記第3の分割領域の測定値との関係が所定基準を満たす場合に、前記第1の分割領域の測定値を前記第1の分割領域の測定結果とすることを特徴とする請求項2に記載の距離測定装置。
  4. 走査領域をM個(M≧1)の領域に分割したものをM分割領域と定義し、
    前記M分割領域を更にN個(N≧1)の領域に分割したものをN分割領域と定義すると、
    前記走査部は、
    M番目の前記M分割領域内のN番目の前記N分割領域を走査した後に、M+1番目の前記M分割領域内のN番目の前記N分割領域を走査する動作を、前記走査領域内の全てのM分割領域について行ない、
    次に、M番目の前記M分割領域内のN+1番目の前記N分割領域を走査した後に、M+1番目の前記M分割領域内のN+1番目の前記N分割領域を走査する動作を、前記走査領域内の全M分割領域について行なう、という順番で、前記走査領域内の全ての前記N分割領域の走査を行ない、
    前記第1の分割領域の測定値は、前記M分割領域におけるN番目の前記N分割領域の測定値であり、前記第2の分割領域の測定値は、前記M分割領域におけるN−1番目の前記N分割領域の測定値であること
    を特徴とする請求項1に記載の距離測定装置。
  5. 前記M分割領域におけるN番目の前記N分割領域の測定値と、前記M分割領域におけるN+1番目の前記N分割領域の測定値との関係が所定基準を満たさない場合に、前記M分割領域におけるN番目の前記N分割領域の測定値と、前記M分割領域におけるN+1番目の前記N分割領域の測定値とに基づいて、前記M分割領域におけるN番目の前記N分割領域の測定値が前記第1の分割領域の測定結果と出来るか否かを判定すること
    を特徴とする請求項4に記載の距離測定装置。
  6. 前記M分割領域におけるN番目の前記N分割領域の測定値と、前記M分割領域におけるN+1番目の前記N分割領域の測定値との関係が所定基準を満たさない場合に、前記M分割領域におけるN番目の前記N分割領域の測定値を、前記M分割領域におけるN番目の前記N分割領域の測定結果とはせず、
    前記M分割領域におけるN番目の前記N分割領域の測定値と、前記M分割領域におけるN+1番目の前記N分割領域の測定値との関係が所定基準を満たす場合に、前記M分割領域におけるN番目の前記N分割領域の測定値を、前記M分割領域におけるN番目の前記N分割領域の測定結果とすること
    を特徴とする請求項5に記載の距離測定装置。
  7. 前記所定基準は、双方の測定値が所定範囲内であることを特徴とする請求項2、3、5又は6に記載の距離測定装置。
  8. 前記所定範囲は、前記測定値が表す距離が遠距離となるほど広くなることを特徴とする請求項7に記載の距離測定装置。
  9. 前記所定基準は、前記受光部が受光した光の幅が一定の幅範囲内であることを特徴とする請求項2、3、5又は6に記載の距離測定装置。
  10. 対象物に対して光を投光する投光ステップと、
    前記対象物で反射又は散乱された光を受光する受光ステップと、
    前記投光ステップにより投光された光を走査領域へ走査する走査ステップと、
    前記投光ステップによる投光から前記受光ステップによる受光までの時間を計測し、前記対象物までの距離を測定する距離測定ステップと、
    を含み、
    前記走査領域を複数の分割領域に分割し、該分割した全ての分割領域のうち一つの分割領域の走査開始から全ての分割領域の走査終了までを一走査と定義すると、
    前記一走査の間に前記距離測定ステップにより測定された第1の分割領域の測定値と、前記第1の分割領域の測定値よりも前に測定された第2の分割領域の測定値とに基づいて、前記第1の分割領域の測定値が前記第1の分割領域の測定結果と出来るか否かを判定し、
    前記第1の分割領域の測定結果と出来ると判定された場合に、前記第1の分割領域の測定値を、前記第1の分割領域における対象物までの距離として出力すること
    を特徴とする距離測定方法。
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