JP6303950B2 - ガラス板の加工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ガラス板の加工方法、およびガラス板の加工装置に関する。
ガラス板の加工方法として、ガラス板の主面に対しレーザ光を照射すると共にその照射位置を移動させ、且つ、ガラス板の主面に対し冷媒を吹付けると共にその吹付け位置を照射位置に追従して移動させることにより、ガラス板に熱応力を生じさせ、当該熱応力によりガラス板を切断する方法が知られている(例えば特許文献1参照)。特許文献1によれば、ガラス板を板厚方向に貫通する亀裂が形成され、亀裂の先端位置はレーザ光の照射位置よりも後方であって冷媒の吹付け位置付近にある。
特開2010−89143号公報
従来、ガラス板の切断面はガラス板の主面に対し垂直であり、切断面と主面との角を面取加工する必要があり、切断と面取とが別々に行われており、生産性が低かった。
また、面取加工により、ガラス板の切断面は、主面に対して斜めの傾斜部と、主面に対して垂直な垂直部とが形成されるように加工されるが、傾斜部と垂直部との角が欠けることがあった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、生産性を向上でき、且つ、欠けを抑制できる、ガラス板の加工方法の提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一の態様によれば、
ガラス板を一方の主面から他方の主面に透過するレーザ光を前記ガラス板に対し照射すると共にその照射位置を移動させることで、前記ガラス板に熱応力を生じさせ、前記熱応力により前記ガラス板の少なくとも一方の主面に平面視で線状の亀裂を形成する亀裂形成工程を有し、
前記ガラス板の各主面における前記レーザ光の照射領域は、(1)各照射領域にレーザ光のパワー密度のピーク位置を有する場合、各照射領域の前記ピーク位置を通る基準線であって前記ピーク位置の移動方向と平行な基準線を中心に左右非対称なパワー密度分布を有し、(2)各照射領域にレーザ光のパワー密度のピーク位置を有しない場合、各照射領域の面積重心位置を通る基準線であって前記面積重心位置の移動方向と平行な基準線を中心に左右非対称な形状を有し、
前記亀裂形成工程は、平面視において、前記ガラス板の一方の主面に対し、前記照射位置の移動方向斜め前方または前記照射位置の移動方向前方から前記照射位置に前記レーザ光を入射させると共に前記照射位置を移動させることにより、前記ガラス板の両方の主面のうち前記レーザ光の入射する主面のみに平面視で線状の亀裂を形成する第1工程を有し、
前記第1工程において形成される亀裂は、前記レーザ光の入射する主面に斜めに交わる第1亀裂と、前記第1亀裂とは反対側の端部が前記レーザ光の入射する主面に対し前記第1亀裂よりも急な傾きの第2亀裂とを有する、ガラス板の加工方法が提供される。
本発明の一態様によれば、生産性を向上でき、且つ、欠けを抑制できる、ガラス板の加工方法が提供される。
本発明の第1参考形態によるガラス板加工装置を示す側面図である。 図1のガラス板の光源側の主面におけるレーザ光の照射領域を示す平面図である。 図1のガラス板に形成される亀裂を示す図である。 図3のガラス板に形成される中間亀裂を示す図である。 レーザ光の照射によりガラス板に生じる熱応力を示す断面図であり、図6のV−V線に沿った断面図である。 図5のVI−VI線に沿った断面図である。 図1の光学系を示す側面図である。 図7の遮光部の上面と同一平面上におけるレーザ光の位置を示す平面図である。 図2のy軸線(x=0)上におけるパワー密度分布を示す図である。 図7のレーザ光の集光位置をガラス板を挟んで反対側に移動させたときの光学系の側面図である。 図10のガラス板の光源側の主面におけるレーザ光の照射領域を示す平面図である。 第1参考形態の第1変形例による遮光部の上面と同一平面上におけるレーザ光の位置を示す平面図である。 第1参考形態の第1変形例によるガラス板の光源側の主面におけるレーザ光の照射領域を示す平面図である。 第1参考形態の第2変形例による光学系を示す側面図である。 図14のガラス板の光源側の主面におけるレーザ光の照射領域および加熱光の照射領域を示す平面図である。 第1参考形態の第3変形例による光学系を示す側面図である。 図16の遮光部の上面と同一平面上におけるレーザ光の位置を示す平面図である。 図16のガラス板の光源側の主面におけるレーザ光の照射領域を示す平面図である。 図18のy軸線(x=0)上におけるパワー密度分布を示す図である。 第1参考形態の第4変形例による光学系を示す側面図である。 図20の集光レンズの上端と同一平面上におけるレーザ光の位置を示す平面図である。 図20のガラス板の光源側の主面におけるレーザ光の照射領域を示す平面図である。 図22のy軸線(x=0)上におけるパワー密度分布を示す図である。 第1参考形態の第5変形例による光学系を示す側面図である。 図24のガラス板の光源側の主面におけるレーザ光の照射領域を示す平面図である。 図25のy軸線と平行な平行線(x=x3)上におけるパワー密度分布を示す図である。 本発明の第2参考形態によるガラス板の加工方法を示す図である。 図27のガラス板の光源側の主面におけるレーザ光の照射領域と冷媒の吹付け領域との位置関係を示す平面図である。 本発明の第3参考形態によるガラス板の加工方法を示す図であって、ガラス板の光源側の主面におけるレーザ照射位置の移動軌跡とガラス板の端面との位置関係を示す平面図である。 本発明の第1実施形態によるガラス板の加工方法を示す平面図である。 図30のy軸線に対して垂直な断面図である。 図30のx軸線に対して垂直な断面図である。 図30〜図32の加工方法により形成される亀裂を示す図である。 図30〜図32においてガラス板を反転させることによりレーザの入射する主面とレーザの出射する主面とを入れ替えた場合に形成される亀裂を示す図である。 図34に示す亀裂が形成されたガラス板を割断して得られる割断片を示す図である。 本発明の第2実施形態によるガラス板の加工方法を示す平面図である。 図36の加工方法により形成される第1亀裂を示す図である。 第1亀裂を起点として形成される第2亀裂を示す図である。 図36の加工方法においてガラス板を反転することによりレーザ光の入射する主面とレーザ光の出射する主面とを入れ替えた場合に形成される第3亀裂を示す図である。 第3亀裂を起点として形成される第4亀裂を示す図である。 試験例1−1(前傾角度Aβ:0°)による亀裂を示す顕微鏡写真である。 試験例1−2(前傾角度Aβ:15°)による亀裂を示す顕微鏡写真である。 試験例1−3(前傾角度Aβ:30°)による亀裂を示す顕微鏡写真である。 試験例2−1(前傾角度Aβ:0°、光源の出力:120W)による亀裂を示す顕微鏡写真である。 試験例2−2(前傾角度Aβ:15°、光源の出力130W)による亀裂を示す顕微鏡写真である。 試験例2−3(前傾角度Aβ:30°、光源の出力:150W)による亀裂を示す顕微鏡写真である。 試験例3−1(前傾角度Aβ:−30°)による亀裂を示す顕微鏡写真である。 試験例3−2(前傾角度Aβ:30°)による亀裂を示す顕微鏡写真である。 試験例4−1(ローリング角度Aα:0°)による亀裂を示す顕微鏡写真である。 試験例4−2(ローリング角度Aα:15°)による亀裂を示す顕微鏡写真である。 試験例5−1(ローリング角度Aα:0°)による亀裂を示す顕微鏡写真である。 試験例5−2(ローリング角度Aα:15°)による亀裂を示す顕微鏡写真である。 試験例6の1回目のレーザ照射位置の移動により形成される亀裂を示す顕微鏡写真である。 試験例6の2回目のレーザ照射位置の移動により形成される亀裂を示す顕微鏡写真である。 試験例7−1(1回目の照射)による亀裂を示す顕微鏡写真である。 試験例7−2(2回目の照射)による亀裂を示す顕微鏡写真である。 試験例8による亀裂を示す顕微鏡写真である。 図57に示す2つの亀裂のうち上側の亀裂を拡大して示す顕微鏡写真である。 図57に示す2つの亀裂のうち下側の亀裂を拡大して示す顕微鏡写真である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。各図面において、同一の又は対応する構成には、同一の又は対応する符号を付して説明を省略する。以下の説明において、平面視とは、ガラス板の主面に対して垂直な方向から見ることを意味する。また、ガラス板の光源側の主面とは、ガラス板の両方の主面のうちレーザ光の入射する主面のことである。ガラス板の光源とは反対側の主面とは、ガラス板の両方の主面のうちレーザ光の出射する主面のことである。
[第1参考形態]
本参考形態では、ガラス板の一方の主面に対し垂直にレーザ光を入射させる場合であって、ガラス板の各主面におけるレーザ光のパワー密度分布が基準線を中心に左右非対称である場合について説明する。
図1は、本発明の第1参考形態によるガラス板加工装置を示す側面図である。図2は、図1のガラス板の光源側の主面におけるレーザ光の照射領域を示す平面図である。図2において、ガラス板2の光源側の主面2aに、レーザ光のパワー密度のピーク位置の移動方向と平行なx軸線、およびx軸線と垂直なy軸線が設定される。x軸線とy軸線との交点(xy座標系における原点)がピーク位置を示す。x軸線が基準線である。図3は、図1のガラス板に形成される亀裂を示す図である。図4は、図3のガラス板に形成される中間亀裂を示す図である。
ガラス板加工装置10は、ガラス板2を一方の主面2aから他方の主面2bに透過するレーザ光32をガラス板2に対し照射すると共にその照射位置(以下、レーザ照射位置ともいう)を移動させることで、ガラス板2に熱応力を生じさせる。この熱応力によって、ガラス板2の両方の主面2a、2bに平面視で線状の亀裂が形成される。ガラス板2の一方の主面2aには当該主面2aに斜めに交わる亀裂4aが形成され、ガラス板2の他方の主面2bには当該主面2bに斜めに交わる亀裂4bが形成される。これらの亀裂4a、4bは、断面視において、それぞれ略直線状に形成され、ハの字状に形成される。亀裂4a、4bが形成されたガラス板2に応力を加えると、図4に示すように亀裂4a、4b同士を接続する中間亀裂4cが形成され、亀裂4a、4bに沿ってガラス板2が割断される。2つの割断片の一方において亀裂4a、4bは主面2a、2bに鈍角に交わり、2つの割断片の他方において亀裂4a、4bは主面2a、2bに鋭角に交わる。中間亀裂4cは、ガラス板2の主面2a、2bに対し垂直に形成される。尚、詳しくは後述するが、レーザ光32の照射条件によっては、レーザ光32の照射によって生じる熱応力で中間亀裂4cが形成可能である。
ガラス板2の下側の主面2bに亀裂4bが形成されるため、ガラス板2を裏返さずに弾性体に載せ、ガラス板2を上方から押すことで、ガラス板2を割断することができる。また、ガラス板2の上側の主面2aにも亀裂4aが形成されるため、両方の主面2a、2bにおいて切断精度が良い。さらに、1本のレーザ光32で2つの亀裂4a、4bを同時に形成するため、2つの亀裂4a、4bを別々に形成する場合と異なり、2つの亀裂4a、4bの位置関係が所望の位置関係になりやすい。
ガラス板2のガラスとしては、例えばソーダライムガラス、無アルカリガラス等が挙げられる。ガラス板2の厚さは、ガラス板2の用途に応じて適宜設定され、例えば0.005cm〜2.5cmである。ガラス板2は非強化ガラス、強化ガラスのいずれでもよいが、非強化ガラスの方が好ましい。
ガラス板2は、亀裂4a、4bの起点となる初期クラック(不図示)を有する。初期クラックは、ガラス板2の両方の主面2a、2bに形成されてもよいし、ガラス板2の両方の主面2a、2bに交わるようにガラス板2の端面2cに形成されてもよい。尚、初期クラックは、ガラス板2のいずれか一方の主面に形成されてもよいし、ガラス板2のいずれか一方の主面に交わるように端面2cに形成されてもよい。ガラス板2のいずれか一方の主面のみに亀裂を形成することが可能である。
初期クラックの形成方法は、一般的な方法であってよく、例えばカッター、ヤスリ、レーザ等を用いる方法であってよい。ガラス板2の端面2cが回転砥石で研削されたものである場合、研削によって形成されるマイクロクラックが初期クラックとして利用可能である。
ガラス板加工装置10は、例えば図1に示すようにフレーム12、支持台20、光源30、光学系40、照射位置移動部50、遮光位置調整部62、光軸位置調整部64、集光位置調整部66、および制御部70を備える。
支持台20は、ガラス板2を支持するものであって、例えばガラス板2を真空吸着する。支持台20におけるガラス板2を支持する支持面は、フレーム12の床部13に対して平行であってよく、水平に配設されてよい。
光源30は、ガラス板2を一方の主面2aから他方の主面2bに透過するレーザ光32を出射する。光源30の光軸は、フレーム12の床部13に対して垂直であってよく、鉛直に配設されてよい。光源30から出射されるレーザ光32の断面形状は例えば円形であってよい。
光源30は、例えば波長が800nm〜1100nmの近赤外線(以下、単に「近赤外線」という)を出射する近赤外線レーザで構成される。近赤外線レーザとしては、例えば、Ybファイバーレーザ(波長:1000nm〜1100nm)、Ybディスクレーザ(波長:1000nm〜1100nm)、Nd:YAGレーザ(波長:1064nm)、高出力半導体レーザ(波長:808nm〜980nm)が挙げられる。これらの近赤外線レーザは、高出力で安価であり、また、透過率を所望の範囲に調整するのが容易である。
近赤外線レーザの場合、ガラス板2中の鉄(Fe)の含有量、コバルト(Co)の含有量、銅(Cu)の含有量が多くなるほど、吸収係数(α)が大きくなる。また、この場合、ガラス板2中の希土類元素(例えばYb)の含有量が多くなるほど、希土類元素の吸収波長付近で吸収係数(α)が大きくなる。吸収係数(α)の調節にはガラスの透明性、およびコストの観点から鉄が用いられ、コバルト、銅、および希土類元素はガラス板2中に実質的に含まれていなくてもよい。
尚、本参考形態では、光源30として高出力で安価な近赤外線レーザが用いられるが、波長が250nm〜5000nmの光源が使用可能である。例えば、UVレーザ(波長:355nm)、グリーンレーザ(波長:532nm)、Ho:YAGレーザ(波長:2080nm)、Er:YAGレーザ(2940nm)、中赤外光パラメトリック発振器を使用したレーザ(波長:2600nm〜3450nm)等が挙げられる。
レーザ光32がガラス板2中を距離(D)(単位[cm])だけ移動する間にレーザ光32の強度がIからIに変化したとすると、I=I×exp(−α×D)の式が成立する。この式は、ランベルト・ベールの法則と呼ばれるものである。αはレーザ光32に対するガラス板2の吸収係数(単位[cm−1])を表し、レーザ光32の波長やガラス板2の化学組成等で決まる。αは紫外可視近赤外分光光度計等により測定される。
レーザ光32に対するガラス板2の吸収係数(α)(単位[cm−1])と、レーザ光32がガラス板2の一方の主面2aから他方の主面2bまで移動する距離(M)(単位[cm])との積(α×M)は、好ましくは0よりも大きく3.0以下である。ガラス板2に対するレーザ光32の内部透過率が高く、ガラス板2の各主面2a、2bが十分に加熱できる。α×Mは、より好ましくは2.3以下(内部透過率10%以上)、さらに好ましくは1.6以下(内部透過率20%以上)である。α×Mが小さすぎると、内部透過率が高すぎ、吸収効率が低すぎるので、好ましくは0.002以上(内部透過率99.8%以下)、より好ましくは0.01以上(内部透過率99%以下)、さらに好ましくは0.02以上(内部透過率98%以下)である。内部透過率は、ガラス板2の光源側の主面2aで反射がないとしたときの透過率である。
尚、ガラス板2の加熱温度は、ガラスの徐冷点以下の温度であってよい。ガラスの温度がガラスの徐冷点の温度を超えると、ガラスが粘性流動し、熱応力が緩和され、亀裂の形成が困難である。
レーザ光32がガラス板2の主面2aに垂直に入射する場合、上記距離(M)は、ガラス板2の板厚(t)と同じ値となる。尚、レーザ光32がガラス板2の主面2aに斜めに入射する場合、レーザ光32はスネルの法則に従って屈折するので、屈折角をγとすると、上記距離(M)は、M=t/cosγの式で近似的に求められる。
光学系40は、支持台20で支持されるガラス板2に対して光源30から出射したレーザ光32を照射する。光学系40は、例えばレーザ光32の光束の一部を遮光する遮光部42と、レーザ光32の光束の残部を集光する集光レンズ44とを含む。尚、遮光部42と集光レンズ44との配置は逆でもよく、遮光部42は集光レンズ44を通過したレーザ光の一部を遮光してもよい。
遮光部42は、例えば床部13に対して平行に配設される金属板(例えばステンレス板)で構成される。遮光部42は、レーザ光32の光束の一部を遮光する。遮光は、光の吸収、光の反射のいずれによるものでもよい。
集光レンズ44は、レーザ光32の光束の残部を、支持台20で支持されるガラス板2に向けて集光してよい。集光レンズ44の光軸(対称軸)は、光源30の光軸に対して平行であってよく、鉛直に配設されてよい。
照射位置移動部50は、支持台20で支持されるガラス板2におけるレーザ照射位置を移動させる。照射位置移動部50は、例えば床部13に対して支持台20を平行に移動させることによって、ガラス板2におけるレーザ照射位置を移動させる。
照射位置移動部50は、例えば、第1ガイドレール51、第1スライダ52、第1モータ53、第1ボールねじ機構54、第2ガイドレール55、第2スライダ56、第2モータ57、および第2ボールねじ機構58などで構成される。
第1ガイドレール51は、フレーム12の床部13に敷設され、第1スライダ52を第1方向(図1において紙面垂直方向)に案内する。第1スライダ52と第1モータ53との間には第1モータ53の回転運動を第1スライダ52の直線運動に変換する第1ボールねじ機構54が設けられる。
第2ガイドレール55は、第1スライダ52上に敷設され、第2スライダ56を第2方向(図1において左右方向)に案内する。第2スライダ56と第2モータ57との間には第2モータ57の回転運動を第2スライダ56の直線運動に変換する第2ボールねじ機構58が設けられる。
支持台20は、第2スライダ56に固定され、第2スライダ56と共に床部13に対して第1方向および第2方向に移動する。床部13に対して平行に支持台20が移動すると、ガラス板2におけるレーザ照射位置が移動する。尚、第2スライダ56は、支持台20と別に設けられるが、支持台20の一部として設けられてもよい。また、支持台20と第2スライダ56との間に図示しない回動軸が設けられていてもよい。回動軸を回転させることによって支持台20が回転し、ガラス板2を回転させながらレーザ光32を照射することができる。
尚、本参考形態の照射位置移動部50は、床部13に対して平行に支持台20を移動させるが、支持台20の代わりに光源30および光学系40を保持するホルダ15を移動させてもよいし、支持台20とホルダ15の両方を移動させてもよい。ガラス板2におけるレーザ照射位置が調整できる。
遮光位置調整部62は、光源30に対する遮光部42の位置を調整し、支持台20で支持されるガラス板2の各主面2a、2bにおけるレーザ光32の照射領域の形状を調整する。例えば遮光位置調整部62は、床部13に対して平行に遮光部42を移動させることによって、光源30に対する遮光部42の位置を調整する。
遮光位置調整部62は、例えば一端部がホルダ15に固定され、他端部が遮光部42に固定される伸縮シリンダで構成される。伸縮シリンダは、流体圧シリンダ(例えば油圧シリンダ)、電動シリンダのいずれでもよい。伸縮シリンダが第2方向(図1において左右方向)に伸縮することで、床部13に対して平行に遮光部42が移動する。
尚、本参考形態の遮光位置調整部62は、床部13に対して遮光部42を第2方向に移動させるが、第2方向の代わりに第1の方向に移動させてもよいし、第1方向および第2方向に移動させてもよい。また、本参考形態の遮光位置調整部62は、床部13に対して平行に遮光部42を移動させるが、遮光部42の代わりに光源30を移動させてもよいし、遮光部42と光源30の両方を移動させてもよい。光源30に対する遮光部42の位置が調整できる。
光軸位置調整部64は、レーザ光32の光軸に対する集光レンズ44の光軸の位置を調整し、支持台20で支持されるガラス板2の各主面におけるレーザ光32の照射領域の形状を調整する。例えば光軸位置調整部64は、床部13に対して集光レンズ44を水平に移動させることによって、レーザ光32の光軸に対する集光レンズ44の光軸の位置を調整する。
光軸位置調整部64は、例えば一端部がホルダ15に固定され、他端部が集光レンズ44を保持するレンズホルダに固定される伸縮シリンダで構成される。伸縮シリンダが第2方向(図1において左右方向)に伸縮することで、床部13に対して集光レンズ44が水平に移動する。
尚、本参考形態の光軸位置調整部64は、床部13に対して集光レンズ44を第2方向に移動させるが、第2方向の代わりに第1の方向に移動させてもよいし、第1方向および第2方向に移動させてもよい。また、本参考形態の光軸位置調整部64は、床部13に対して集光レンズ44を移動させるが、集光レンズ44の代わりに光源30を移動させてもよいし、集光レンズ44と光源30の両方を移動させてもよい。集光レンズ44に入射するレーザ光32の光軸に対する集光レンズ44の光軸の位置が調整できる。
集光位置調整部66は、支持台20で支持されるガラス板2に対するレーザ光32の集光位置を調整し、ガラス板2の各主面2a、2bにおけるレーザ光32の照射領域の形状を調整する。例えば集光位置調整部66は、ホルダ15を床部13に対して垂直に移動させることによって、支持台20で支持されるガラス板2に対するレーザ光32の集光位置を調整する。
集光位置調整部66は、例えば一端部がフレーム12の天井部14に固定され、他端部がホルダ15に固定される伸縮シリンダで構成される。伸縮シリンダが上下に伸縮することで、床部13に対して垂直にホルダ15が移動する。
尚、本参考形態の集光位置調整部66は、床部13に対して垂直にホルダ15を移動させるが、ホルダ15の代わりに支持台20を移動させてもよいし、ホルダ15および支持台20の両方を移動させてもよい。ガラス板2に対するレーザ光32の集光位置が調整できる。
制御部70は、ガラス板加工装置10の各種動作を制御する。制御部70は、例えばマイクロコンピュータで構成され、CPUやメモリなどを含む。制御部70は、メモリなどに記憶されたプログラムをCPUで実行させることにより、光源30、照射位置移動部50、遮光位置調整部62、光軸位置調整部64、および集光位置調整部66を制御する。
次に、図1〜図3を参照して、上記構成のガラス板加工装置10の動作(ガラス板の加工方法)について説明する。
先ず、制御部70は、照射位置移動部50、および集光位置調整部66を制御し、支持台20で支持されるガラス板2と、光源30との位置合わせを行う。また、制御部70は、遮光位置調整部62を制御し、遮光部42と光源30との位置合わせを行う。さらに、制御部70は、光軸位置調整部64を制御し、集光レンズ44と光源30との位置合わせを行う。位置合わせの順序は特に限定されず、同時に行われてもよい。
次いで、制御部70は、光源30を作動させる。光源30から出射したレーザ光32は、光学系40を介して、支持台20で支持されるガラス板2に対して照射され、ガラス板2に予め形成された初期クラックの近傍に照射される。
続いて、制御部70は、照射位置移動部50を作動させ、ガラス板2におけるレーザ照射位置を移動させる。レーザ照射位置の移動に伴って、初期クラックを起点として亀裂4a、4bが伸展する。亀裂4a、4bは、ガラス板2の主面2a、2b付近に生じる引張応力によって形成される。
図5は、レーザ光の照射によりガラス板に生じる熱応力を示す断面図であり、図6のV−V線に沿った断面図である。図5において、圧縮応力が生じる領域にハッチングを施す。図6は、図5のVI−VI線に沿った断面図である。図5および図6において、ガラス板の熱変形を誇張して示す。ガラス板の熱変形の様子は有限要素法解析によって確認できる。
ガラス板2の上側(光源側)の主面2aは、レーザ光32で局所的に加熱され、図6に示すように、レーザ照射位置の移動軌跡を中心として左右対称に上に凸に膨らむ。上に凸に膨らむ部分では、レーザ照射位置の移動方向と直交する方向の引張応力が生じる。この引張応力によって、初期クラックを起点とする亀裂4aが形成される。亀裂4aは、レーザ照射位置の移動軌跡に沿って伸びる。本参考形態では、亀裂4aが伸展するのに必要な大きさの引張応力はレーザ照射位置またはその前方近傍で形成されるため、亀裂4aの先端はレーザ照射位置またはその前方近傍にある。このように亀裂4aの先端がレーザ照射位置またはその前方近傍にあることで、レーザ照射位置の移動軌跡と亀裂4aの線とがほぼ一致するので、切断精度が向上する。
同様に、ガラス板2の下側の主面2bは、レーザ光32で局所的に加熱され、図6に示すように、レーザ照射位置の移動軌跡を中心として左右対称に下に凸に膨らむ。下に凸に膨らむ部分では、レーザ照射位置の移動方向と直交する方向の引張応力が生じる。この引張応力によって、初期クラックを起点とする亀裂4bが形成される。亀裂4bは、レーザ照射位置の移動軌跡に沿って伸びる。本参考形態では、亀裂4bが伸展するのに必要な大きさの引張応力はレーザ照射位置またはその前方近傍で形成されるため、亀裂4bの先端はレーザ照射位置またはその前方近傍にある。このように亀裂4bの先端がレーザ照射位置またはその前方近傍にあることで、レーザ照射位置の移動軌跡と亀裂4bの線とがほぼ一致するので、切断精度が向上する。
詳しくは後述するが、ガラス板2の各主面2a、2bにおけるレーザ光32のパワー密度分布が基準線を中心に左右非対称であるため、主面2a、2bに斜めに交わる亀裂4a、4bが形成される。
ところで、ガラス板2の上側の主面2aにおいて、レーザ光32の幅Wa(図6参照)が狭いほど、上に凸に膨らむ部分が急峻であり、引張応力が大きい。同様に、ガラス板2の下側の主面2bにおいて、レーザ光32の幅Wb(図6参照)が狭いほど、下に凸に膨らむ部分が急峻であり、引張応力が大きい。ここで、幅とは、レーザ照射位置の移動方向に対して垂直な方向の寸法をいう。
そこで、ガラス板2の各主面2a、2bにおけるレーザ光32の幅が、ガラス板2の板厚よりも小さいことが好ましい。上側の主面2aにおいて上に凸に膨らむ部分、下側の主面2bにおいて下に凸に膨らむ部分が十分に急峻であり、レーザ照射位置またはその前方近傍に亀裂4a、4bの先端が形成される。
亀裂4a、4bの先端近傍において、ガラス板2の内部もレーザ光32により加熱されガラス板2の主面2a、2bと同様に膨張しようとするが、その熱膨張は周囲によって押さえられるため、図5に示すようにガラス板2の内部には圧縮応力が生じる。この圧縮応力が亀裂4a、4bの板厚方向への伸展を抑制する。
一方、亀裂4a、4bの先端からある程度後方に離れた位置では、ガラス板2の板厚全体に引張応力が生じ、その引張応力が大きい場合、亀裂4a、4b同士をつなぐ中間亀裂4cが形成される。中間亀裂4cを形成する引張応力は、上記圧縮応力の反力として形成される。中間亀裂4cの形状は、中間亀裂4cの形成時における熱応力場や基準線の左右における剛性の違いによって決定される。中間亀裂4cが形成されるか否かは、主に、ガラス板2に対するレーザ光32の透過率、光源30の出力などで決まる。
ところで、亀裂4a、4bの形状は、主に、ガラス板2に対するレーザ光32の透過率、ガラス板2の各主面におけるレーザ光32のパワー密度分布やレーザ光32の照射形状などで決まる。ガラス板2の各主面におけるレーザ光32のパワー密度分布やレーザ光32の照射形状は、光学系40の構成などで決まる。
図7は、図1の光学系を示す側面図である。以下の説明において、「前方向」はガラス板2におけるレーザ照射位置の移動方向を表し、「後方向」は前方向とは反対方向を表し、「左方向」および「右方向」はガラス板2の光源側の主面2aにおけるレーザ照射位置に立って前方向を向く観察者から見た方向を表す。
図7に示すように、光学系40は、光源30から出射されたレーザ光32の光束の一部を遮光部42で遮光し、レーザ光32の光束の残部を集光レンズ44で集光し、支持台20で支持されるガラス板2に照射する。レーザ光32の集光位置は、ガラス板2よりも下方にあり、ガラス板2を基準として光源30と反対側にある。光源30と集光レンズ44とは同軸的に配設される。
図8は、図7の遮光部の上面と同一平面上におけるレーザ光の位置を示す平面図である。図8に示すX軸線およびY軸線は遮光部42の上面と同一平面上に設定され、当該平面上におけるレーザ光32のパワー密度のピーク位置をX軸線とY軸線の交点(つまり、原点)とする。図8のX軸線は後述する図2のx軸線と平行とされ、図8のY軸線は図2のy軸線と平行とされる。
遮光部42は、図8に示すように、平面視で、長手方向がY軸方向と平行な長方形状であってよい。遮光部42の幅W1は、遮光部42の上面における円形のレーザ光32の直径Φ1よりも小さい。遮光部42はレーザ光32の光路に左方から挿入される。遮光部42の右端中央(図8において黒丸で示す)の位置を直交座標(X0,Y0)で表す。
図2に示すように、ガラス板2の光源側の主面2aにおいて、レーザ光32の照射領域は、遮光部42により遮光される遮光領域を有する。当該遮光領域の右端中央(図2において黒丸で示す)の位置を直交座標(x0a,y0a)で表す。
図9は、図2のy軸線(x=0)上におけるパワー密度分布を示す図である。図9において、遮光部42でレーザ光32の光束の一部を遮光しないときのy軸線上におけるパワー密度分布(ガウス分布)を一点鎖線で示す。
遮光部42がレーザ光32の光束の一部を遮光することで、図9に実線で示すように、レーザ光32のパワー密度の分布が基準線(x軸線)を中心に左右非対称となる。よって、所望の熱応力場が形成でき、ガラス板2の主面2aに斜めに交わる亀裂4aが形成できる。
ガラス板2の主面2aにおける所望の熱応力場とは、ガラス板2の主面2aにおけるレーザ光32の照射領域のうちの原点よりも後方向において、引張応力が基準線に対して左右のどちらかに偏ることである。この偏りによって、亀裂4aの傾斜の向きが決定される。引張応力が基準線に対して左右のどちらかに偏るとは、基準線の左側と右側とで引張応力の積分値が異なることを意味する。すなわち、基準線の左側の方が引張応力の積分値が大きいか、または、基準線の右側の方が引張応力の積分値が大きい。原点はガラス板2に対して移動するため、原点よりも後方向の引張応力分布は原点よりも前方向で生じた引張応力の影響も含む。
本明細書において、「パワー密度分布」は上記基準線に対して垂直な線上におけるパワー密度の分布のことである。ガラス板2の主面2aにおけるレーザ光32の照射領域はx座標毎に異なるパワー密度分布を有してよく、複数のパワー密度分布のうち少なくとも1つが「基準線を中心に左右非対称なパワー密度分布」であればよい。
同様に、ガラス板2の光源とは反対側の主面2bにおいて、レーザ光32の照射領域は基準線を中心に左右非対称なパワー密度分布を有する。よって、所望の熱応力場が形成でき、ガラス板2の主面2bに斜めに交わる亀裂4bが形成できる。
また、ガラス板の一方の主面2aと他方の主面2bとで、レーザ光の照射領域のうちの原点よりも後方において引張応力が基準線に対して同じ側(左側または右側)に偏る。よって、亀裂4a、4bは断面視においてハの字状に形成される。
尚、ガラス板2の各主面におけるレーザ光32の照射領域は、亀裂形成開始時に基準線を中心に左右非対称なパワー密度分布を有していればよく、常に基準線を中心に左右非対称なパワー分布を有していなくてもよい。亀裂形成開始時に斜めの亀裂4a、4bが形成されれば、その後、レーザ光のパワー密度分布が基準線を中心に左右対称になっても、亀裂形成開始時に形成された亀裂4a、4bの傾きが維持できる。また、亀裂4a、4bは、レーザ照射位置の移動軌跡の少なくとも一部において傾いていればよい。亀裂4a、4bは、製品部分では傾いていることが好ましい。
図10は、図7のレーザ光の集光位置をガラス板を挟んで反対側に移動させたときの光学系の側面図である。図10の遮光部の上面と同一平面上におけるレーザ光の位置を示す平面図は、図8と同様であるので図示を省略する。
図10に示すように、光学系40は、光源30から出射されたレーザ光32の光束の一部を遮光部42で遮光し、レーザ光32の光束の残部を集光レンズ44で集光し、支持台20で支持されるガラス板2に照射する。レーザ光32の集光位置は、ガラス板2よりも上方にあり、ガラス板2を基準として光源30側にある。光源30と集光レンズ44とは同軸的に配設される。
図11は、図10のガラス板の光源側の主面におけるレーザ光の照射領域を示す平面図である。図11に示すx軸線およびy軸線は、図2に示すx軸線およびy軸線と同様のものである。x軸線が基準線である。
レーザ光32の集光位置がガラス板2を挟んで反対側に移動することにより(図7、図10参照)、ガラス板2の光源側の主面2aにおいてレーザ光32の遮光領域が原点を中心に180°回転する(図2、図11参照)。よって、レーザ光32のパワー密度分布が調整できる。
[第1参考形態の第1変形例]
本変形例の光学系は、図8に示す遮光部42の代わりに、図12に示す遮光部142を有する。
図12は、第1参考形態の第1変形例による遮光部の上面と同一平面上におけるレーザ光の位置を示す平面図である。図12に示すX軸線およびY軸線は遮光部142の上面と同一平面上に設定され、該平面上におけるレーザ光32のパワー密度のピーク位置がX軸線とY軸線の交点(つまり、XY座標系における原点)である。図12のX軸線は後述する図13のx軸線と平行とされ、図12のY軸線は図13のy軸線と平行とされる。
遮光部142は、図12に示すように、平面視で長方形状であってよい。遮光部142の幅W2は、遮光部142の上面における円形のレーザ光32の直径Φ1よりも大きい。遮光部142はレーザ光32の光路に挿入され、遮光部142の先端中央(図12において黒丸で示す)と原点とを通る直線AXは遮光部142の長手方向に平行とされる。遮光部142は原点を中心に回転自在とされる。遮光部142の先端中央の位置を極座標(R0,Θ0)で表す。R0は、遮光部142の先端中央の、原点からの距離を示す。Θ0は、遮光部142の先端中央と原点とを通る直線AXと、y軸線とのなす角を示す。
図13は、第1参考形態の第1変形例によるガラス板の光源側の主面におけるレーザ光の照射領域を示す平面図である。図13に示すx軸線およびy軸線は、図2に示すx軸線およびy軸線と同様のものである。x軸線が基準線である。
ガラス板2の光源側の主面2aにおいて、レーザ光32の照射領域は、遮光部142で遮光される遮光領域を有する。当該遮光領域の先端中央(図13において黒丸で示す)の位置を極座標(r0a,θ0a)で表す。r0aは、遮光領域の先端中央の、原点からの距離を示す。θ0aは、遮光領域の先端中央と原点とを通る直線axaと、y軸線とのなす角を示す。
遮光部142が回転すると、r0aが一定のまま、θ0aが変化する。よって、遮光部142の回転により、ガラス板2の光源側の主面2aにおけるレーザ光32のパワー密度分布が調整できる。同様に、ガラス板2の光源とは反対側の主面2bにおけるレーザ光32のパワー密度分布が調整できる。
[第1参考形態の第2変形例]
本変形例では、中間亀裂4cを形成させるために、光源30に加えて図14に示す加熱光源36を用いる。
図14は、第1参考形態の第2変形例による光学系を示す側面図である。図14において、レーザ光32の代表的な光線、および加熱光38の代表的な光線をそれぞれ別の矢印で示す。
加熱光源36は、ガラス板2を基準として光源30と同じ側に配設され、ガラス板2を加熱する加熱光38を出射する。加熱光38は、ガラス板2を加熱できればよく、ガラス板2の光源側の主面2a近傍で吸収され、ガラス板2を透過しないものでもよい。そのため、加熱光源36はCOレーザ(波長10600nm)で構成されてもよく、近赤外線レーザでなくてもよい。加熱光源36から出射された加熱光は、集光レンズ45で集光され、ガラス板2に照射されてよい。
図15は、図14のガラス板の光源側の主面におけるレーザ光の照射領域および加熱光の照射領域を示す平面図である。図15に示すx軸線およびy軸線は、図2に示すx軸線およびy軸線と同様のものである。x軸線が基準線である。
ガラス板2の光源側の主面2aにおいて、加熱光38の照射領域は、レーザ光32の照射領域よりも広く、レーザ光32の照射領域を内部に含んでよい。加熱光38のパワー密度のピーク位置を直交座標(δx,δy)で表す。加熱光38のパワー密度のピーク位置は、レーザ光32のパワー密度のピーク位置からずれていてよい。尚、加熱光38の照射領域の面積重心位置が、レーザ光32の照射領域の面積重心位置からずれていてもよい。
ガラス板2に対する加熱光38の照射位置は、ガラス板2に対するレーザ光32の照射位置と共に移動される。この移動には、図1に示す照射位置移動部50が用いられる。
尚、本変形例では、ガラス板2に対し加熱光を照射するが、ガラス板2に対し空気や水などの冷媒を吹付けてもよい。温度勾配が急になるため、引張応力が発生しやすく、亀裂が生じやすいため、安定した加工が可能である。
冷媒を噴射する冷却ノズルは、レーザ光32の光軸と同軸になるように設けられてよい。レーザ光32は、冷却ノズルの内部を通り、ガラス板2に照射される。尚、冷却ノズルは、ガラス板2を基準に光源とは反対側にも配設されてよく、ガラス板2を挟んで両側に配設されてよい。
[第1参考形態の第3変形例]
本変形例では、遮光部(詳細には遮光膜)がアパーチャ(開口孔)を有しており、レーザ光32はアパーチャを通りガラス板2に照射される。
図16は、第1参考形態の第3変形例による光学系を示す側面図である。図16に示すように、光学系240は、レーザ光32の光束の一部を遮光する遮光部242と、レーザ光32の光束の残部を集光する集光レンズ44とを含む。
図17は、図16の遮光部の上面と同一平面上におけるレーザ光の位置を示す平面図である。図17に示すX軸線およびY軸線は遮光部242の上面と同一平面上に設定され、当該平面上におけるレーザ光32のパワー密度のピーク位置がX軸線とY軸線の交点(つまり、原点)である。図17のX軸線は後述する図18のx軸線と平行とされ、図17のY軸線は図18のy軸線と平行とされる。
遮光部242は透明板と該透明板上に形成される遮光膜とで構成され、遮光膜はレーザ光32の光束の一部を通過させるアパーチャ243を有する。アパーチャ243は例えば図17に示すように平面視で円形状の開口であり、アパーチャ243の直径Φ2はアパーチャ243を通過中のレーザ光32の直径Φ1よりも小さい。アパーチャ243の中心位置(面積重心位置)を直交座標(X1、Y1)で表す。アパーチャ243の中心位置は、原点からずれており、レーザ光32の中心位置からずれている。
図18は、図16のガラス板の光源側の主面におけるレーザ光の照射領域を示す平面図である。図18に示すx軸線およびy軸線は、図2に示すx軸線およびy軸線と同様のものである。x軸線が基準線である。
ガラス板2の光源側の主面2aにおいて、レーザ光32の照射領域は、アパーチャ243により図18に示すように円形に形成される。その円の中心位置を直交座標(x1a,y1a)で表す。円の中心位置は原点(つまり、レーザ光32のパワー密度のピーク位置)からずれる。
図19は、図18のy軸線(x=0)上におけるパワー密度分布を示す図である。図19において、遮光部242でレーザ光32の光束の一部を遮光しないときのy軸線上におけるパワー密度分布(ガウス分布)を一点鎖線で示す。
遮光部242がレーザ光32の光束の一部を遮光することで、図19に実線で示すように、レーザ光32のパワー密度の分布が基準線を中心に左右非対称となる。よって、基準線を中心に左右非対称な熱応力分布が形成される。
このように、ガラス板2の光源側の主面2aにおいて、レーザ光32の照射領域は、基準線を中心に左右非対称なパワー密度分布を有する。よって、所望の熱応力場が形成でき、ガラス板2の主面2aに斜めに交わる亀裂4aが形成できる。
同様に、ガラス板2の光源とは反対側の主面2bにおいて、レーザ光32の照射領域は、基準線を中心に左右非対称なパワー密度分布を有する。よって、所望の熱応力場が形成でき、ガラス板2の主面2bに斜めに交わる亀裂4bが形成できる。
[第1参考形態の第4変形例]
本変形例では、図1に示す遮光部42がなく、集光レンズの光軸(対称軸)と集光レンズに入射するレーザ光の光軸とが平行にずれている。
図20は、第1参考形態の第4変形例による光学系を示す側面図である。図20に示すように、光学系340は、レーザ光32の光束を集光する集光レンズ344を含む。集光レンズ344の光軸344Aと、集光レンズ44に入射するレーザ光32の光軸32Aとが平行にずれている。
図21は、図20の集光レンズの上端と同一平面上におけるレーザ光の位置を示す平面図である。図21に示すX軸線およびY軸線は集光レンズ344の上端と同一平面上に設定され、当該平面上におけるレーザ光32のパワー密度のピーク位置がX軸線とY軸線の交点(つまり、原点)である。図21のX軸線は後述する図22のx軸線と平行とされ、図21のY軸線は図22のy軸線と平行とされる。
集光レンズ344の直径Φ4は、図21に示すように、集光レンズ344の上端と同一平面上におけるレーザ光32の直径Φ3よりも大きい。集光レンズ344の光軸(図21において黒丸で示す)の位置を直交座標(X2,Y2)で表す。
図22は、図20のガラス板の光源側の主面におけるレーザ光の照射領域を示す平面図である。図22に示すx軸線およびy軸線は、図2に示すx軸線およびy軸線と同様のものである。x軸線が基準線である。図22において、集光レンズと光源とが同軸的に配設される場合のレーザ光の照射領域を一点鎖線で示す。
集光レンズ344の光軸(対称軸)344Aと集光レンズ344に入射するレーザ光32の光軸32Aとが平行にずれることで、図22に実線で示すように、ガラス板2の光源側の主面2aにおいてレーザ光32の照射領域が歪んだ円形状に形成される。
図23は、図22のy軸線(x=0)上におけるパワー密度分布を示す図である。図23において、集光レンズ344と光源30とが同軸的に配設される場合のy軸線上におけるパワー密度分布(ガウス分布)を一点鎖線で示す。
集光レンズ344の光軸(対称軸)344Aと集光レンズ344に入射するレーザ光32の光軸32Aとが平行にずれることで、図23に実線で示すように、レーザ光32のパワー密度の分布が基準線を中心に左右非対称となる。よって、基準線を中心に左右非対称な熱応力分布が形成される。
このように、ガラス板2の光源側の主面2aにおいて、レーザ光32の照射領域は、基準線を中心に左右非対称なパワー密度分布を有する。よって、所望の熱応力場が形成でき、ガラス板2の主面2aに斜めに交わる亀裂4aが形成できる。
同様に、ガラス板2の光源とは反対側の主面2bにおいて、レーザ光32の照射領域は、基準線を中心に左右非対称なパワー密度分布を有する。よって、所望の熱応力場が形成でき、ガラス板2の主面2bに斜めに交わる亀裂4bが形成できる。
[第1参考形態の第5変形例]
本変形例の光学系は、図1に示す集光レンズ44の代わりに、図24に示すシリンドリカルレンズを含む。
図24は、第1参考形態の第5変形例による光学系を示す側面図である。図24において、レーザ光32の代表的な光線を矢印で示す。
図24に示すように、光学系440は、レーザ光32の光束を互いに異なる方向に収束する第1シリンドリカルレンズ446および第2シリンドリカルレンズ447を含む。光学系440は、第1シリンドリカルレンズ446および第2シリンドリカルレンズ447を通過したレーザ光32を、支持台20で支持されるガラス板2に照射する。
図25は、図24のガラス板の光源側の主面におけるレーザ光の照射領域を示す平面図である。図25に示すx軸線およびy軸線は、図2に示すx軸線およびy軸線と同様のものである。x軸線が基準線である。図26は、図25のy軸線と平行な平行線(x=x3)上におけるパワー密度分布を示す図である。
レーザ光32が第1シリンドリカルレンズ446および第2シリンドリカルレンズ447を介してガラス板2に照射されることで、図25に示すようにガラス板2の光源側の主面においてレーザ光32の照射領域が楕円状に形成される。楕円の短軸はx軸線に対し斜めとされる。これにより、図26に示すようにガラス板2の光源側の主面においてレーザ光32のパワー密度の分布が基準線(x軸線)を中心に左右非対称となる。よって、所望の熱応力場が形成でき、ガラス板2の主面2aに斜めに交わる亀裂4aが形成できる。
同様に、ガラス板2の光源とは反対側の主面2bにおいて、レーザ光32の照射領域は基準線を中心に左右非対称なパワー密度分布を有する。よって、所望の熱応力場が形成でき、ガラス板2の主面2bに斜めに交わる亀裂4bが形成できる。
別の観点によれば、ガラス板2の各主面2a、2bにおいて、レーザ光32の照射領域は基準線を中心に左右非対称な形状を有する。よって、基準線の左右で異なる熱応力場が形成でき、斜めの亀裂4a、4bが形成できる。
尚、上記第1参考形態およびその第1変形例〜第5変形では、ガラス板2の各主面2a、2bにおいてレーザ光のパワー密度のピーク位置があるが、ピーク位置はなくてもよい。「ピーク位置がない」とは、パワー密度が最大となる位置が1つでなく、複数ある場合を意味し、パワー密度が均一な場合を含む。この場合、基準線としては、各照射領域の面積重心位置を通り、当該面積重心位置の移動方向と平行なものが用いられる。そうして、ガラス板2の各主面2a、2bにおいてレーザ光32の照射領域は基準線の中心に左右非対称な形状を有していれば、所望の応力場が形成でき、斜めの亀裂4a、4bが形成できる。
[第2参考形態]
本参考形態では、ガラス板の各主面に対し冷媒を吹付けると共にその吹付け位置をレーザ光の照射位置に追従して移動させる。ガラス板の各主面におけるレーザ光のパワー密度分布は、基準線を中心に左右対称であるが、左右非対称でもよい。以下、上記第1参考形態との相違点について主に説明する。
図27は、本発明の第2参考形態によるガラス板の加工方法を示す図である。図28は、図27のガラス板の光源側の主面におけるレーザ光の照射領域と冷媒の吹付け領域との位置関係を示す平面図である。図27および図28の加工方法により形成される亀裂は、図3に示す亀裂と同様であるので図示を省略する。
図27に示すガラス板の加工方法は、ガラス板2の各主面2a、2bに対し冷却ノズル80から冷媒82を吹付けると共にその吹付け位置をレーザ光32の照射位置と同期して移動させる。図28に示すように、ガラス板2の各主面2a、2bにおいて、冷媒82の中心は、レーザ光32の中心よりも後方にあり、且つ、レーザ光32の中心の移動軌跡の左右いずれかにずれている。これにより、所望の熱応力場が形成され、その熱応力によって図3に示す亀裂4a、4bが形成される。亀裂4a、4bが形成されたガラス板2に応力を加えると、亀裂4a、4b同士を接続する中間亀裂4c(図4参照)が形成され、亀裂4a、4bに沿ってガラス板2が割断される。2つの割断片の一方(冷媒の中心の移動軌跡が存在する方、例えば図28では左側の方)において亀裂4a、4bは主面2a、2bに鈍角に交わり、2つの割断片の他方において亀裂4a、4bは主面2a、2bに鋭角に交わる。中間亀裂4cは、ガラス板2の主面に対し垂直に形成される。
[第3参考形態]
本参考形態では、ガラス板におけるレーザ照射位置の移動開始点がガラス板の端面にあり、レーザ照射位置の移動方向が移動開始点において端面の法線方向に対し傾斜している。ガラス板2の各主面におけるレーザ光のパワー密度分布は、基準線を中心に左右対称であるが、左右非対称でもよい。以下、上記第1参考形態との相違点について主に説明する。
図29は、本発明の第3参考形態によるガラス板の加工方法を示す図であって、ガラス板の光源側の主面におけるレーザ照射位置の移動軌跡とガラス板の端面との位置関係を示す平面図である。図29において、「AA」は移動開始点における端面の法線方向とレーザ照射位置の移動方向とのなす角(以下、進入角度AAという)を示す。図29の加工方法により形成される亀裂は、図3に示す亀裂と同様であるため、図示を省略する。
図29に示す加工方法では、ガラス板2におけるレーザ照射位置の移動開始点SPがガラス板の端面2cにあり、レーザ照射位置の移動方向が移動開始点SPにおいて端面2cの法線方向に対し傾斜している。これにより、ガラス板2に所望の熱応力場が形成され、その熱応力によって図3に示す亀裂4a、4bが形成される。亀裂4a、4bが形成されたガラス板2に応力を加えると、亀裂4a、4b同士を接続する中間亀裂4c(図4参照)が形成され、亀裂4a、4bに沿ってガラス板2が割断される。2つの割断片の一方(レーザ照射位置の移動軌跡と端面とのなす角が鋭角の方、例えば図29では左側の方)において亀裂4a、4bは主面2a、2bに鈍角に交わり、2つの割断片の他方において亀裂4a、4bは主面2a、2bに鋭角に交わる。中間亀裂4cは、ガラス板2の主面に対し垂直に形成される。
尚、レーザ照射位置の移動方向は、移動開始点SPにおいて端面2cの法線方向に対し傾斜していればよく、途中から平行または垂直になってもよい。亀裂形成開始時に主面に斜めに交わる亀裂4a、4bが形成されれば、その後、レーザ照射位置の移動方向が変化しても、亀裂形成開始時点に形成された亀裂4a、4bの傾きが維持できる。
[第1実施形態]
上記参考形態およびその変形例において、レーザ光はガラス板の一方の主面に対し垂直に入射される。この場合、亀裂4a、4bは、断面視において、主面2a、2bに斜めに交わり、略直線状に形成される。これらの亀裂4a、4bは、断面視においてハの字状に形成される。亀裂4a、4bが形成されたガラス板2に応力を加えると、図4に示すように亀裂4a、4b同士を接続する中間亀裂4cが形成され、亀裂4a、4bに沿ってガラス板2が割断される。2つの割断片の一方は、端面に、主面に鈍角に交わる傾斜部と、主面に対し垂直な垂直部とを有する。
本発明者は、上記参考形態およびその変形例において、ガラス板の一方の主面に対し特定の方向から斜めにレーザ光を入射させることにより、傾斜部と垂直部との角が消失している割断片が得られることを見出した。
本実施形態では、上記第1参考形態の第5変形例と同様に、ガラス板の光源側の主面において、レーザ光の照射領域が楕円状に形成され、且つ特定の方向から斜めにレーザ光が入射される場合について説明する。
以下、図30〜図35を参照して、上記第1参考形態の第5変形例との相違点について主に説明する。尚、その他の参考形態の加工方法やその他の変形例の加工方法に本願発明を適用してもよい。
図30は、本発明の第1実施形態によるガラス板の加工方法を示す平面図である。図30に示すx軸線およびy軸線は、図2に示すx軸線およびy軸線と同様のものである。x軸線が基準線である。図31は、図30のy軸線に対して垂直な断面図である。図32は、図30のx軸線に対して垂直な断面図である。図33は、図30〜図32の加工方法により形成される亀裂を示す図である。図34は、図30〜図32においてガラス板を反転させることによりレーザの入射する主面とレーザの出射する主面とを入れ替えた場合に形成される亀裂を示す図である。図35は、図34に示す亀裂が形成されたガラス板を割断して得られる割断片を示す図である。図35において、破線は上記参考形態の加工方法によって亀裂が形成されたガラス板を割断して得られる割断片を示す。
亀裂形成工程は、図30〜図32に示すようにガラス板2の一方の主面2aにレーザ光32を入射させると共にレーザ照射位置を移動させることにより、図33に示すようにガラス板2の光源側の主面2aのみに平面視で線状の亀裂を形成する第1工程を有する。
図31に示すように、y軸方向視において、ガラス板2の光源側の主面2aの法線に対し、レーザ光32の光軸32Aが前傾している。図31において「Aβ」はy軸方向視における法線と光軸32Aとのなす角(以下、前傾角度Aβという)を表す。尚、以下の説明において、前傾角度Aβが正であることは光軸32Aが前傾していることを表し、前傾角度Aβが負であることは光軸32Aが後傾していることを表す。
図32に示すように、x軸方向視において、ガラス板2の光源側の主面2aの法線に対し、レーザ光32の光軸32Aが傾いている。図32において「Aα」はx軸方向視における法線と光軸32Aとのなす角(以下、ローリング角度Aαという)を表す。
図30に示すように、平面視において、ガラス板2の光源側の主面2aに対し、レーザ光32はレーザ照射位置の移動方向斜め前方からレーザ照射位置に入射する。尚、ローリング角度Aαは0°でもよく、その場合、レーザ光32はレーザ照射位置の移動方向前方からレーザ照射位置に入射する。
また、図30に示すように、ガラス板2の光源側の主面2aにおいて、レーザ光32の照射領域は楕円状に形成される。楕円の長軸はx軸線に対し斜めとされる。図30において、「Aθ」は楕円の長軸の回転角(以下、楕円回転角度Aθという)を表す。楕円回転角度Aθが0°の場合、楕円の長軸とx軸線とが一致する。以下の説明において、楕円の長軸の回転方向は、楕円回転角度Aθの正負で表す。楕円回転角度Aθが正の場合には回転方向が図30に示すように反時計回りであり、楕円回転角度Aθが負の場合には回転方向は時計回りである。楕円の長軸がx軸線に対し斜めとされることにより、レーザ光32のパワー密度の分布が基準線(x軸線)を中心に左右非対称となる。よって、所望の熱応力場が形成でき、ガラス板2の主面2aに斜めに交わる亀裂4aが形成できる。
尚、図31および図32に示すようにレーザ光32を斜めに入射させる場合(ローリング角度Aαが0°ではなく且つ前傾角度Aβが0°ではない場合)、シリンドリカルレンズを用いなくてもよい。この場合、シリンドリカルレンズを用いなくても、楕円の長軸がx軸線に対し斜めとなる。
第1工程では、図31に示すようにガラス板2の光源側の主面2aに対し冷却ノズル80から冷媒82を吹付けると共にその吹付け位置をレーザ照射位置と同期して移動させてもよい。この場合、ガラス板2の光源側の主面2aにおいて、冷媒82の中心は、第2参考形態と同様に、図30に示すようにレーザ光32の中心(パワー密度のピーク位置)よりも後方にあり、且つ、レーザ光32の中心の移動軌跡の左右いずれかにずれてもよい。所望の熱応力場が形成しやすく、斜めの亀裂4aが形成しやすい。
図30において、「Δx」は、ガラス板の光源側の主面における、冷媒82の中心位置のx座標を表す。また、図30において、「Δy」は、ガラス板2の光源側の主面2aにおける、冷媒82の中心位置のy座標を表す。さらに、図31において、「L」は、冷媒82の中心線上における、冷却ノズル80の吹出口と、ガラス板2の光源側の主面2aとの距離を表す。
尚、本実施形態では、ガラス板2の光源側の主面2aにおいて、冷媒82の中心がレーザ光32の中心からずれているが、一致してもよい。つまり、Δxが0(ゼロ)であり、且つΔyが0(ゼロ)でもよい。また、冷却ノズル80がなくてもよい。
第1工程では、ガラス板2の光源側の主面2aにのみ亀裂4aを形成するため、図31や図32に示すようにレーザ光32の集光位置がガラス板2を基準として光源側に配されてよい。ガラス板2の光源とは反対側の主面2bにおいて、温度勾配が緩やかであるため、亀裂の形成が抑制できる。
ガラス板2の光源側の主面2aに形成される亀裂4aは、図33に示すように、第1亀裂4a−1と、第2亀裂4a−2とを有する。第1亀裂4a−1と第2亀裂4a−2とは、同時に形成され、つながっている。第1亀裂4a−1は、断面視において、主面2aに斜めに交わり、略直線状に形成される。一方、第2亀裂4a−2は、断面視において、例えば曲線状に形成される。第2亀裂4a−2における第1亀裂4a−1とは反対側の端部(第2亀裂4a−2の先端部)は、主面2aに対し第1亀裂4a−1よりも急な傾きを有する。ここで、「傾き」とは接線の傾きを意味する。
第2亀裂4a−2は、図31に示すようにレーザ光32の光軸32Aが前傾することで形成される。即ち、平面視において、ガラス板2の光源側の主面2aに対し、レーザ光32がレーザ照射位置の移動方向斜め前方からレーザ照射位置に入射することで、第2亀裂4a−2が形成される。レーザ光32はレーザ照射位置の移動方向前方からレーザ照射位置に入射してもよいが、レーザ照射位置の移動方向斜め前方からレーザ照射位置に入射する方が第2亀裂4a−2における第1亀裂4a−1側の端部の曲率半径が大きい。
亀裂形成工程は、図30〜図32においてガラス板2を反転することによりレーザ光32の入射する主面とレーザ光32の出射する主面とを入れ替え、図34に示すようにガラス板2の光源側の主面2bのみに亀裂4bを形成する第2工程をさらに有する。第2工程では、第1工程と同様に、ガラス板2の光源側の主面2bに冷却ノズル80から冷媒82を吹付けてもよい。
ガラス板2の光源側の主面2bに形成される亀裂4bは、図34に示すように、第3亀裂4b−1と、第4亀裂4b−2とを有する。第3亀裂4b−1と第4亀裂4b−2とは、同時に形成され、つながっている。第3亀裂4b−1は、断面視において、主面2bに斜めに交わり、略直線状に形成される。一方、第4亀裂4b−2は、断面視において、例えば曲線状に形成される。第4亀裂4b−2における第3亀裂4b−1とは反対側の端部(第4亀裂4b−2の先端部)は、主面2bに対し第3亀裂4b−1よりも急な傾きを有する。
図34に示す亀裂4a、4bが形成されたガラス板2を割断することにより、図35に示す2つの割断片102、202が得られる。一方の割断片102は、主面102a、102bに鈍角に交わる傾斜部104a−1、104b−1、主面102a、102bに対し傾斜部104a−1、104b−1よりも急な傾きの湾曲部104a−2、104b−2、および主面102a、102bに対して垂直な垂直部104cを有する。
以上説明したように、本実施形態によれば、ガラス板2の各主面2a、2bにおけるレーザ光のパワー密度分布が基準線を中心に左右非対称であり、且つ、ガラス板2の光源側の主面2aに対し特定の方向から斜めにレーザ光32が入射される。これにより、光源側の主面2aに斜めに交わる第1亀裂4a−1が形成されるため、切断後の面取が不要であり、生産性が向上できる。また、光源側の主面2aに対し第1亀裂4a−1よりも急な傾きの先端部を有する第2亀裂4a−2が形成されるため、第2亀裂4a−2に対応する湾曲部104a−2が図35に実線で示すように形成され、図35に破線で示す傾斜部104a−1と垂直部104cとの角が消失し、欠けが抑制できる。
また、本実施形態によれば、レーザ光32の入射する主面とレーザ光32の出射する主面とを入れ替え、レーザ照射位置を移動させることにより、ガラス板2の光源側の主面2bのみに亀裂4bを形成する。これにより、光源側の主面2bに斜めに交わる第3亀裂4b−1が形成されるため、切断後の面取が不要であり、生産性が向上できる。また、光源側の主面2bに対し第3亀裂4b−1よりも急な傾きの先端部を有する第4亀裂4b−2が形成されるため、第4亀裂4b−2に対応する湾曲部104b−2が図35に実線で示すように形成され、図35に破線で示す傾斜部104b−1と垂直部104cとの角が消失し、欠けが抑制できる。
尚、本実施形態の第2工程において、図1に示す光源30の出力を高めること、または図14に示す加熱光源36を用いることにより、中間亀裂4cを形成することも可能である。
また、本実施形態の第1工程では、レーザ照射位置の移動により、ガラス板2の光源側の主面2aのみに平面視で線状の亀裂4aを形成するが、ガラス板2の光源とは反対側の主面2bにも平面視で線状の亀裂4bを同時に形成してもよい。この場合、亀裂4aは略直線状の第1亀裂4a−1と、先端部が第1亀裂4a−1よりも急な傾きの第2亀裂4a−2とからなるが、亀裂4bは断面視において略直線状の第3亀裂4b−1のみからなる。
[第2実施形態]
上記参考形態およびその変形例において、亀裂4a、4bは、断面視において、略直線状に形成され、主面2a、2bに斜めに交わる。亀裂4a、4bに沿ってガラス板2を割断すると、主面に鈍角に交わる傾斜部と、主面に対し垂直な垂直部とを端面に有する割断片が得られる。
本発明者は、上記参考形態およびその変形例において、ガラス板に対し複数のレーザ光を入射させ、且つ複数のレーザ光の照射位置を略同じ軌跡で移動させることにより、傾斜部と垂直部との角が消失している割断片が得られることを見出した。
ここで、複数のレーザ光の照射位置の移動方向は、同じ方向でも異なる方向でもよい。
本実施形態では、上記第1参考形態の第5変形例と同様に、ガラス板の光源側の主面において、レーザ光の照射領域が楕円状に形成され、且つ複数のレーザ照射位置の移動が行われる場合について説明する。
尚、本実施形態では、ガラス板の光源側の主面に対し、垂直にレーザ光を入射させるが、第1実施形態と同様に、特定の方向から斜めにレーザ光を入射させてもよい。
以下、図36〜図40を参照して、上記第1参考形態の第5変形例との相違点について主に説明する。尚、その他の参考形態の加工方法やその他の変形例の加工方法に本願発明を適用してもよい。
図36は、本発明の第2実施形態によるガラス板の加工方法を示す平面図である。図37は、図36の加工方法により形成される第1亀裂を示す図である。図38は、第1亀裂を起点として形成される第2亀裂を示す図である。図39は、図36の加工方法においてガラス板を反転することによりレーザ光の入射する主面とレーザ光の出射する主面とを入れ替えた場合に形成される第3亀裂を示す図である。図40は、第3亀裂を起点として形成される第4亀裂を示す図である。図40に示す亀裂が形成されたガラス板を割断して得られる割断片は、図35に示す割断片と同様であるので、図示を省略する。
亀裂形成工程は、図36に示すようにガラス板2の一方の主面2aにレーザ光32を入射させると共にレーザ照射位置を移動させることにより、図37に示すようにガラス板2の光源側の主面2aのみに平面視で線状の第1亀裂4a−1を形成する工程を有する。
図36に示すように、ガラス板2の光源側の主面2aにおいて、レーザ光32の照射領域は楕円状に形成される。楕円の長軸はx軸線に対し斜めとされる。図36において、「Aθ」は楕円の長軸とx軸線とのなす角を表す。楕円の長軸がx軸線に対し斜めとされることにより、レーザ光32のパワー密度の分布が基準線(x軸線)を中心に左右非対称となる。よって、所望の熱応力場が形成でき、図37に示すようにガラス板2の主面2aに斜めに交わる第1亀裂4a−1が形成できる。第1亀裂4a−1は、断面視において、略直線状に形成される。
亀裂形成工程は、図36に示すようにガラス板2の一方の主面2aにレーザ光32を入射させると共にレーザ照射位置を移動させることにより、図38に示すように第1亀裂4a−1を起点として第2亀裂4a−2を形成する工程を有する。当該工程では、ガラス板2の光源側の主面2aにおいてレーザ光32のパワー密度分布が基準線を中心に左右非対称となり、所望の熱応力場が形成できる。第2亀裂4a−2は、主面2aに対し斜めの第1亀裂4a−1を起点として形成されるため、第1亀裂4a−1よりも主面2aに対し急な傾きとなる。第1亀裂4a−1と第2亀裂4a−2とで亀裂4aが構成される。
尚、第1亀裂4a−1を形成する工程と第2亀裂4a−2を形成する工程とで、レーザ光32の照射条件を変えてもよく、第2参考形態や第3参考形態と同様にして所望の熱応力場を形成してもよい。
また、亀裂形成工程は、図36においてガラス板2を反転することによりレーザ光32の入射する主面とレーザ光32の出射する主面とを入れ替え、図39に示すようにガラス板2の光源側の主面2bのみに平面視で線状の第3亀裂4b−1を形成する工程を有する。当該工程では、ガラス板2の光源側の主面2aにおいてレーザ光32のパワー密度分布が基準線を中心に左右非対称となり、所望の熱応力場が形成できる。そのため、第3亀裂4b−1は、主面2bに対し斜めに交わる。尚、第2参考形態や第3参考形態と同様にして所望の熱応力場を形成してもよい。
さらに、亀裂形成工程は、第3亀裂4b−1が形成された主面2bにレーザ光32を入射させると共にレーザ照射位置を移動させることにより、図40に示すように第3亀裂4b−1を起点として第4亀裂4b−2を形成する工程を有する。当該工程では、ガラス板2の光源側の主面2bにおいてレーザ光32のパワー密度分布が基準線を中心に左右非対称となり、所望の熱応力場が形成できる。第4亀裂4b−2は、主面2bに対し斜めの第3亀裂4b−1を起点として形成されるため、第3亀裂4b−1よりも主面2bに対し急な傾きとなる。第3亀裂4b−1と第4亀裂4b−2とで亀裂4bが構成される。
尚、第3亀裂4b−1を形成する工程と第4亀裂4b−2を形成する工程とで、レーザ光32の照射条件を変えてもよく、第2参考形態や第3参考形態と同様にして所望の熱応力場を形成してもよい。
このように、亀裂形成工程は、ガラス板2に対し複数のレーザ光32を入射させ、複数のレーザ光32の照射位置を略同じ軌跡で移動させる工程を含む。そうして、亀裂形成工程は、ガラス板2の両方の主面2a、2bにそれぞれ平面視で線状の亀裂を形成する工程を有する。亀裂形成工程は、第1亀裂4a−1、第2亀裂4a−2、第3亀裂4b−1、および第4亀裂4b−2を順番に形成する。
尚、亀裂形成工程は、一のレーザ光32の照射位置の移動により、第1亀裂4a−1と第3亀裂4b−1とを略同時に形成してもよい。また、亀裂形成工程は、一のレーザ光32の照射位置の移動により、第2亀裂4a−2と第4亀裂4b−2とを略同時に形成してもよい。初期クラックの形成位置、レーザ光32の集光位置などを調整することで、これらの亀裂を順番に形成するか、同時に形成するかを選択できる。
以上説明したように、本実施形態によれば、上記第1実施形態と同様に亀裂4a、4bが形成できる。よって、切断後の面取が不要であり、生産性が向上できる。また、図35に破線で示す傾斜部104b−1と垂直部104cとの角が消失し、欠けが抑制できる。
[試験例1−1〜試験例1−3]
試験例1−1〜試験例1−3では、ガラス板に対しレーザ光を照射すると共にその照射位置を移動させ、且つ、ガラス板に対し冷却ノズルから空気を吹付けると共にその吹付け位置を上記照射位置と同期して移動させた。これにより、ガラス板に熱応力を発生させ、ガラス板の光源側の主面にのみ亀裂を形成した。試験例1−1〜試験例1−3では、主面に斜めに交わる亀裂を形成するため、ガラス板の各主面におけるレーザ光のパワー密度分布が基準線を中心に左右非対称とした。
試験例1−1〜試験例1−3では、図31に示す前傾角度Aβ以外、同じ条件で亀裂を形成した。先ず、主な共通条件について説明する。ガラス板は、厚さ3.1mmの旭硝子社製ソーダライムガラスを用いた。レーザ光は、光源がYbファイバーレーザ(波長1070nm)、光源の出力が220W、ガラス板の吸収係数αが2.86cm−1、レーザ光自体のパワー密度分布がガウス分布であった。ガラス板の光源側の主面において、レーザ照射位置の移動速度が100mm/sec、図30に示す楕円回転角度Aθが−60°であった。図32に示すローリング角度Aαは0°、図29に示す進入角度AAは0°とした。レーザ光の光軸に対して垂直な断面であってxyz座標系原点を通る断面において、レーザ光は楕円形(長軸長さ:2mm、短軸長さ:1mm)に形成した。レーザ光の集光位置は、xyz座標系原点から光源に向けて4.2mm離れた位置に設定した。冷却ノズルは、ガラス板を基準として光源と同じ側に配した。冷却ノズルは、吹出口の直径が1mm、流量が20L/min、図31に示す距離Lが10mm、図30に示すx座標Δxが0mm、図30に示すy座標Δyが0mmとした。
試験の結果を図41〜図43に示す。図41は、試験例1−1(前傾角度Aβ:0°)による亀裂を示す顕微鏡写真である。図42は、試験例1−2(前傾角度Aβ:15°)による亀裂を示す顕微鏡写真である。図43は、試験例1−3(前傾角度Aβ:30°)による亀裂を示す顕微鏡写真である。図41〜図52、図56、および図59の顕微鏡写真において、白い線が亀裂である。尚、図53〜図55、図57および図58の顕微鏡写真では、黒い線が亀裂である。
試験例1−1では、ガラス板の光源側の主面に対し垂直にレーザ光を入射させたため、図41に示すように主面に対し斜めに交わる略直線状の第1亀裂のみが形成された。これに対し、試験例1−2〜試験例1−3では、平面視においてレーザ光がレーザ照射位置の移動方向前方からレーザ照射位置に入射するため、図42〜図43に示すように第1亀裂が形成されると同時に、先端部が主面に対し第1亀裂よりも急な傾きの第2亀裂が形成された。
以上より、前傾角度Aβを調整することで、第1亀裂が形成されると同時に、先端部が主面に対し第1亀裂よりも急な傾きの第2亀裂が形成できることが示された。
[試験例2−1〜試験例2−3]
試験例2−1〜試験例2−3では、ガラス板に対しレーザ光を照射すると共にその照射位置を移動させた。これにより、ガラス板に熱応力を発生させ、ガラス板の光源側の主面にのみ亀裂を形成した。冷却ノズルは使用せず、冷却は行わなかった。試験例2−1〜試験例2−3では、主面に斜めに交わる亀裂を形成するため、ガラス板の各主面におけるレーザ光のパワー密度分布が基準線を中心に左右非対称とした。
試験例2−1〜試験例2−3では、図31に示す前傾角度Aβ、および光源の出力以外、同じ条件で亀裂を形成した。先ず、主な共通条件について説明する。ガラス板は、厚さ3.1mmの旭硝子社製ソーダライムガラスを用いた。レーザ光は、光源がYbファイバーレーザ(波長1070nm)、ガラス板の吸収係数αが2.86cm−1、レーザ光自体のパワー密度分布がガウス分布であった。ガラス板の光源側の主面において、レーザ照射位置の移動速度が50mm/sec、図30に示す楕円回転角度Aθが−60°であった。図32に示すローリング角度Aαは0°、図29に示す進入角度AAは0°とした。レーザ光の光軸に対して垂直な断面であってxyz座標系原点を通る断面において、レーザ光は楕円形(長軸長さ:2.4mm、短軸長さ:1.2mm)に形成した。レーザ光の集光位置は、xyz座標系原点から光源に向けて5mm離れた位置に設定した。
試験の結果を図44〜図46に示す。図44は、試験例2−1(前傾角度Aβ:0°、光源の出力:120W)による亀裂を示す顕微鏡写真である。図45は、試験例2−2(前傾角度Aβ:15°、光源の出力130W)による亀裂を示す顕微鏡写真である。図46は、試験例2−3(前傾角度Aβ:30°、光源の出力:150W)による亀裂を示す顕微鏡写真である。
試験例2−1では、ガラス板の光源側の主面に対し垂直にレーザ光を入射させたため、図44に示すように主面に対し斜めに交わる略直線状の第1亀裂のみが形成された。これに対し、試験例2−2〜試験例2−3では、平面視においてレーザ光がレーザ照射位置の移動方向前方からレーザ照射位置に入射するため、図45〜図46に示すように第1亀裂が形成されると同時に、先端部が主面に対し第1亀裂よりも急な傾きの第2亀裂が形成された。
以上より、冷却を行わなくとも、第1亀裂が形成されると同時に、先端部が主面に対し第1亀裂よりも急な傾きの第2亀裂が形成できことが示された。
[試験例3−1〜試験例3−2]
試験例3−1〜試験例3−2では、ガラス板に対しレーザ光を照射すると共にその照射位置を移動させ、且つ、ガラス板に対し冷却ノズルから空気を吹付けると共にその吹付け位置を上記照射位置と同期して移動させた。これにより、ガラス板に熱応力を発生させ、ガラス板の光源側の主面にのみ亀裂を形成した。試験例3−1〜試験例3−2では、主面に斜めに交わる亀裂を形成するため、ガラス板におけるレーザ照射位置の移動開始点がガラス板の端面にあり、レーザ照射位置の移動方向が移動開始点において端面の法線方向に対し傾斜していた。図29に示す進入角度AAは10°とした。ガラス板の各主面におけるレーザ光のパワー分布密度は基準線を中心に左右対称とした。
試験例3−1〜試験例3−2では、図31に示す前傾角度Aβ以外、同じ条件で亀裂を形成した。先ず、主な共通条件について説明する。ガラス板は、厚さ3.1mmの旭硝子社製ソーダライムガラスを用いた。レーザ光は、光源がYbファイバーレーザ(波長1070nm)、光源の出力が270W、ガラス板の吸収係数αが2.86cm−1、レーザー光の光軸と垂直な断面形状はリング状(外径:0.2mm)、ガラス板の光源側の主面におけるレーザ光自体のパワー密度分布は、アキシコンレンズを使用して、ビーム形状の中心部のパワー密度が低く、周辺部が高くなる分布とした。ガラス板の光源側の主面において、レーザ照射位置の移動速度が100mm/secであった。図32に示すローリング角度Aαは0°とした。レーザ光の集光位置は、xyz座標系原点から光源に向けて1.3mm離れた位置に設定した。冷却ノズルは、ガラス板を基準として光源と同じ側に配した。冷却ノズルは、吹出口の直径が1mm、流量が20L/min、図31に示す距離Lが10mm、図30に示すx座標Δxが0mm、図30に示すy座標Δyが0mmとした。
試験の結果を図47〜図48に示す。図47は、試験例3−1(前傾角度Aβ:−30°)による亀裂を示す顕微鏡写真である。図48は、試験例3−2(前傾角度Aβ:30°)による亀裂を示す顕微鏡写真である。
試験例3−1では、レーザ光の光軸が後傾しており、平面視においてレーザ光がレーザ照射位置の移動方向後方からレーザ照射位置に入射するため、図47に示すように主面に対し斜めに交わる略直線状の第1亀裂のみが形成された。これに対し、試験例3−2では、レーザ光の光軸が前傾しており、平面視においてレーザ光がレーザ照射位置の移動方向前方からレーザ照射位置に入射するため、図48に示すように第1亀裂が形成されると同時に、先端部が主面に対し第1亀裂よりも急な傾きの第2亀裂が形成された。
以上より、前傾角度Aβを正とすることで、第1亀裂が形成されると同時に、先端部が主面に対し第1亀裂よりも急な傾きの第2亀裂が形成できることが示された。
[試験例4−1〜試験例4−2]
試験例4−1〜試験例4−2では、ガラス板に対しレーザ光を照射すると共にその照射位置を移動させ、且つ、ガラス板に対し冷却ノズルから空気を吹付けると共にその吹付け位置を上記照射位置と同期して移動させた。これにより、ガラス板に熱応力を発生させ、ガラス板の光源側の主面にのみ亀裂を形成した。試験例4−1〜試験例4−2では、主面に斜めに交わる亀裂を形成するため、ガラス板の各主面におけるレーザ光のパワー密度分布が基準線を中心に左右非対称とした。
試験例4−1〜試験例4−2では、図32に示すローリング角度Aα以外、同じ条件で亀裂を形成した。先ず、主な共通条件について説明する。ガラス板は、厚さ3.1mmの旭硝子社製ソーダライムガラスを用いた。レーザ光は、光源がYbファイバーレーザ(波長1070nm)、光源の出力が170W、ガラス板の吸収係数αが2.86cm−1、パワー密度分布がガウス分布であった。ガラス板の光源側の主面において、レーザ照射位置の移動速度が50mm/sec、図30に示す楕円回転角度Aθが−60°であった。図31に示す前傾角度Aβは45°、図29に示す進入角度AAは0°とした。レーザ光の光軸に対して垂直な断面であってxyz座標系原点を通る断面において、レーザ光は楕円形(長軸長さ:3.2mm、短軸長さ:1.6mm)に形成した。レーザ光の集光位置は、xyz座標系原点から光源に向けて6.7mm離れた位置に設定した。冷却ノズルは、ガラス板を基準として光源と同じ側に配した。冷却ノズルは、吹出口の直径が1mm、流量が20L/min、図31に示す距離Lが10mm、図30に示すx座標Δxが0mm、図30に示すy座標Δyが0mmとした。
試験の結果を図49〜図50に示す。図49は、試験例4−1(ローリング角度Aα:0°)による亀裂を示す顕微鏡写真である。図50は、試験例4−2(ローリング角度Aα:15°)による亀裂を示す顕微鏡写真である。
試験例5−1では、平面視においてレーザ光がレーザ照射位置の移動方向前方からレーザ照射位置に入射するため、図49に示すように、主面に対し斜めに交わる第1亀裂と、先端部が主面に対し第1亀裂よりも急な傾きの第2亀裂とが同時に形成できた。これに対し、試験例5−2では、平面視においてレーザ光がレーザ照射位置の移動方向斜め前方からレーザ照射位置に入射するため、図50に示すように、第2亀裂における第1亀裂側の端部の曲率半径が大きかった。
[試験例5−1〜試験例5−2]
試験例5−1〜試験例5−2では、ガラス板に対しレーザ光を照射すると共にその照射位置を移動させ、且つ、ガラス板に対し冷却ノズルから空気を吹付けると共にその吹付け位置を上記照射位置と同期して移動させた。これにより、ガラス板に熱応力を発生させ、ガラス板の光源側の主面にのみ亀裂を形成した。試験例5−1〜試験例5−2では、主面に斜めに交わる亀裂を形成するため、ガラス板におけるレーザ照射位置の移動開始点がガラス板の端面にあり、レーザ照射位置の移動方向が移動開始点において端面の法線方向に対し傾斜していた。図29に示す進入角度AAは10°とした。ガラス板の各主面におけるレーザ光のパワー分布密度は基準線を中心に左右対称とした。
試験例5−1〜試験例5−2では、図32に示すローリング角度Aα以外、同じ条件で亀裂を形成した。先ず、主な共通条件について説明する。ガラス板は、厚さ3.1mmの旭硝子社製ソーダライムガラスを用いた。レーザ光は、光源がYbファイバーレーザ(波長1070nm)、光源の出力が180W、ガラス板の吸収係数αが2.86cm−1、パワー密度分布がガウス分布であった。ガラス板の光源側の主面において、レーザ照射位置の移動速度が50mm/secであった。図31に示す前傾角度Aβは45°とした。レーザ光の光軸に対して垂直な断面であってxyz座標系原点を通る断面において、レーザ光は円形(直径:1.6mm)に形成した。レーザ光の集光位置は、xyz座標系原点から光源に向けて2mm離れた位置に設定した。冷却ノズルは、ガラス板を基準として光源と同じ側に配した。冷却ノズルは、吹出口の直径が1mm、流量が20L/min、図31に示す距離Lが10mm、図30に示すx座標Δxが0mm、図30に示すy座標Δyが0mmとした。
試験の結果を図51〜図52に示す。図51は、試験例5−1(ローリング角度Aα:0°)による亀裂を示す顕微鏡写真である。図52は、試験例5−2(ローリング角度Aα:15°)による亀裂を示す顕微鏡写真である。
試験例5−1では、平面視においてレーザ光がレーザ照射位置の移動方向前方からレーザ照射位置に入射するため、図51に示すように、主面に対し斜めに交わる第1亀裂と、先端部が主面に対し第1亀裂よりも急な傾きの第2亀裂とが同時に形成できた。これに対し、試験例5−2では、平面視においてレーザ光がレーザ照射位置の移動方向斜め前方からレーザ照射位置に入射するため、図52に示すように、第2亀裂における第1亀裂側の端部の曲率半径が大きかった。
以上より、ローリング角度Aαを調整することで、第2亀裂の形状が調整できることが示された。
[試験例6]
試験例6では、ガラス板に対しレーザ光を照射すると共にその照射位置を移動させ、且つ、ガラス板に対し冷却ノズルから空気を吹付けると共にその吹付け位置を上記照射位置と同期して移動させた。これにより、ガラス板に熱応力を発生させ、ガラス板の光源側の主面にのみ亀裂を形成した。その後、レーザ光の入射する主面と、レーザ光の出射する主面とを入れ替え、再びガラス板の光源側の主面にのみ亀裂を形成した。試験例6では、主面に斜めに交わる亀裂を形成するため、ガラス板の各主面におけるレーザ光のパワー密度分布が基準線を中心に左右非対称とした。
試験例6の主な条件について説明する。ガラス板は、厚さ4.9mmの旭硝子社製ソーダライムガラスを用いた。レーザ光は、光源がYbファイバーレーザ(波長1070nm)、光源の出力が200W、ガラス板の吸収係数αが2.86cm−1、パワー密度分布がガウス分布であった。ガラス板の光源側の主面において、レーザ照射位置の移動速度が50mm/secであった。図31に示す前傾角度Aβは45°、図32に示すローリング角度Aαは15°、図29に示す進入角度AAは0°とした。レーザ光の光軸に対して垂直な断面であってxyz座標系原点を通る断面において、レーザ光は円形(直径:1.8mm)に形成した。レーザ光の集光位置は、xyz座標系原点から光源に向けて2.3mm離れた位置に設定した。冷却ノズルは、ガラス板を基準として光源と同じ側に配した。冷却ノズルは、吹出口の直径が1mm、流量が20L/min、図31に示す距離Lが10mm、図30に示すx座標Δxが0mm、図30に示すy座標Δyが0mmとした。
試験の結果を図53〜図54に示す。図53は、試験例6の1回目のレーザ照射位置の移動により形成される亀裂を示す顕微鏡写真である。図54は、試験例6の2回目のレーザ照射位置の移動により形成される亀裂を示す顕微鏡写真である。
図53〜図54から明らかなように、1回目のレーザ照射位置の移動により、ガラス板の一方の主面に斜めに交わる第1亀裂と、先端部が主面に対し第1亀裂よりも急な傾きの第2亀裂とを同時に形成できることがわかる。また、2回目のレーザ照射位置の移動により、ガラス板の他方の主面に斜めに交わる第3亀裂と、先端部が主面に対し第3亀裂よりも急な傾きの第4亀裂とを同時に形成できることがわかる。
[試験例7−1〜試験例7−2]
試験例7−1では、ガラス板に対しレーザ光を照射すると共にその照射位置を移動させた。これにより、ガラス板に熱応力を発生させ、ガラス板の光源側の主面にのみ亀裂を形成した。冷却ノズルは使用しなかった。試験例7−1では、主面に斜めに交わる亀裂を形成するため、ガラス板の各主面におけるレーザ光のパワー密度分布が基準線を中心に左右非対称とした。
試験例7−2では、試験例7−1と同じ条件で亀裂の形成を行った後、再度、レーザ光の照射位置の移動を略同じ軌跡で行った。
試験例7−2における1回目のレーザ照射位置の移動と、2回目のレーザ照射位置の移動とで共通の条件について先ず説明する。ガラス板は、厚さ3.1mmの旭硝子社製ソーダライムガラスを用いた。レーザ光は、光源がYbファイバーレーザ(波長1070nm)、ガラス板の吸収係数αが2.86cm−1、パワー密度分布がガウス分布であった。ガラス板の光源側の主面において、レーザ照射位置の移動速度が100mm/sec。図30に示す楕円回転角度Aθは−30°、図31に示す前傾角度Aβは0°、図32に示すローリング角度Aαは0°、図29に示す進入角度AAは0°とした。
次に、1回目のレーザ照射位置の移動に固有の条件について説明する。ガラス板の光源側の主面において、レーザ光は楕円形(長軸長さ:2mm、短軸長さ1mm)に形成した。光源の出力は100W、レーザ光の集光位置はxyz座標系原点から光源に向けて4.2mm離れた位置に設定した。
次に、2回目のレーザ照射位置の移動に固有の条件について説明する。ガラス板の光源側の主面において、レーザ光は楕円形(長軸長さ:5.2mm、短軸長さ2.6mm)に形成した。光源の出力は250W、レーザ光の集光位置はxyz座標系原点から光源に向けて10.8mm離れた位置に設定した。
試験の結果を図55〜図56に示す。図55は、試験例7−1(1回目の照射)による亀裂を示す顕微鏡写真である。図56は、試験例7−2(2回目の照射)による亀裂を示す顕微鏡写真である。
図55〜図56から明らかなように、1回目のレーザ照射位置の移動により、ガラス板の一方の主面に斜めに交わる第1亀裂が形成され、2回目のレーザ照射位置の移動により、先端部が主面に対し第1亀裂よりも急な傾きの第2亀裂が形成されることがわかる
[試験例8]
試験例8では、ガラス板に対しレーザ光を照射すると共にその照射位置を移動させることにより、ガラス板に熱応力を発生させ、ガラス板の光源側の主面にのみ亀裂を形成した。その後、レーザ光の入射する主面と、レーザ光の出射する主面とを入れ替え、レーザ照射位置の移動を略同じ軌跡で行い、再びガラス板の光源側の主面にのみ亀裂を形成した。このようにして、ガラス板の両方の主面にそれぞれ亀裂を形成した。その後、2回目のレーザ照射位置の移動により亀裂が形成された主面に対しレーザ光を入射させ、レーザ照射位置の移動を略同じ軌跡で行い、既に形成されている両方の亀裂を起点として新しい亀裂を形成した。各工程において、主面に斜めに交わる亀裂を形成するため、ガラス板の各主面におけるレーザ光のパワー密度分布が基準線を中心に左右非対称とした。
試験例8における1回目のレーザ照射位置の移動と、2回目のレーザ照射位置の移動と、3回目のレーザ照射位置の移動とで共通の条件について先ず説明する。ガラス板は、厚さ3.1mmの旭硝子社製ソーダライムガラスを用いた。レーザ光は、光源がYbファイバーレーザ(波長1070nm)、ガラス板の吸収係数αが2.86cm−1、パワー密度分布がガウス分布であった。ガラス板の光源側の主面において、レーザ照射位置の移動速度が100mm/sec。図30に示す楕円回転角度Aθは−30°、図31に示す前傾角度Aβは0°、図32に示すローリング角度Aαは0°、図29に示す進入角度AAは0°とした。
次に、1回目のレーザ照射位置の移動に固有の条件について説明する。ガラス板の光源側の主面において、レーザ光は楕円形(長軸長さ:2.8mm、短軸長さ1.4mm)に形成した。光源の出力は120W、レーザ光の集光位置はxyz座標系原点から光源に向けて5.8mm離れた位置に設定した。
次に、2回目のレーザ照射位置の移動に固有の条件について説明する。ガラス板の光源側の主面において、レーザ光は楕円形(長軸長さ:2.8mm、短軸長さ1.4mm)に形成した。光源の出力は140W、レーザ光の集光位置はxyz座標系原点から光源に向けて5.8mm離れた位置に設定した。
次に、3回目のレーザ照射位置の移動に固有の条件について説明する。ガラス板の光源側の主面において、レーザ光は楕円形(長軸長さ:3mm、短軸長さ1.5mm)に形成した。また、ガラス板の光源とは反対側の主面において、レーザ光は楕円形(長軸長さ:2mm、短軸長さ1mm)に形成した。光源の出力は290W、レーザ光の集光位置はxyz座標系原点から光源とは反対側に6.2mm離れた位置に設定した。
試験の結果を図57〜図59に示す。図57は、試験例8による亀裂を示す顕微鏡写真である。図58は、図57に示す2つの亀裂のうち上側の亀裂を拡大して示す顕微鏡写真である。図59は、図57に示す2つの亀裂のうち下側の亀裂を拡大して示す顕微鏡写真である。
図57〜図59から明らかなように、3回のレーザ照射位置の移動により、図40に示す第1亀裂4a−1、第2亀裂4a−2、第3亀裂4b−1、および第4亀裂4b−2が形成できることがわかる。
以上、ガラス板加工方法の実施形態などを説明したが、本発明は上記実施形態などに限定されず、特許請求の範囲に記載された要旨の範囲内で、種々の変形および改良が可能である。
上記実施形態のガラス板の加工方法は、光源側の主面に凹凸模様をつけた型板ガラス、金属製の網または線を内部に含む網入りガラス、合わせガラス、強化ガラスにも適用できる。合わせガラスは、ガラス板同士を中間膜を介して圧着したものである。合わせガラスに適用した場合、各ガラス板に亀裂が形成される。この場合、各ガラス板を切断した後、中間膜を切断してよい。
また、ガラス板の加工方法は、レーザ照射位置の移動開始点に、亀裂4a、4bの起点となる初期クラックを形成する工程をさらに有してよい。
さらに、ガラス板の加工方法は、ガラス板2に対し応力を加えることで、ガラス板2を亀裂4a、4bに沿って割断する工程(以下、割断工程という)をさらに有してよい。割断の方法は一般的なものであってよく、割断のための応力は機械的な応力、熱的な応力のいずれでもよい。
割断工程では、垂直な中間亀裂4cを形成するため、亀裂4a、4bの深さ方向先端の位置を基準に応力を加えてよい。亀裂4a、4bの深さ方向先端の位置はレーザ光32の中心の位置と略一致するため、レーザ光32の中心の移動軌跡を基準に応力が加えられる。
割断工程では、例えば、ガラス板2を弾性体に載せ、ガラス板2を上方から押すことで、ガラス板2を割断する。得られる2つの割断片の剛性が異なる場合、ガラス板2を押す位置はレーザ光32の中心の移動軌跡を基準にして剛性の低い方とされる。これにより、垂直な中間亀裂4cが形成できる。
2 ガラス板
2a 主面
2b 主面
4a 亀裂
4b 亀裂
4c 中間亀裂
10 ガラス板加工装置
12 フレーム
20 支持台
30 光源
32 レーザ光
36 加熱光源
38 加熱光
40 光学系
42 遮光部
44 集光レンズ
50 照射位置移動部
62 遮光位置調整部
64 光軸位置調整部
66 集光位置調整部
70 制御部

Claims (18)

  1. ガラス板を一方の主面から他方の主面に透過するレーザ光を前記ガラス板に対し照射すると共にその照射位置を移動させることで、前記ガラス板に熱応力を生じさせ、前記熱応力により前記ガラス板の少なくとも一方の主面に平面視で線状の亀裂を形成する亀裂形成工程を有し、
    前記ガラス板の各主面における前記レーザ光の照射領域は、(1)各照射領域にレーザ光のパワー密度のピーク位置を有する場合、各照射領域の前記ピーク位置を通る基準線であって前記ピーク位置の移動方向と平行な基準線を中心に左右非対称なパワー密度分布を有し、(2)各照射領域にレーザ光のパワー密度のピーク位置を有しない場合、各照射領域の面積重心位置を通る基準線であって前記面積重心位置の移動方向と平行な基準線を中心に左右非対称な形状を有し、
    前記亀裂形成工程は、平面視において、前記ガラス板の一方の主面に対し、前記照射位置の移動方向斜め前方または前記照射位置の移動方向前方から前記照射位置に前記レーザ光を入射させると共に前記照射位置を移動させることにより、前記ガラス板の両方の主面のうち前記レーザ光の入射する主面のみに平面視で線状の亀裂を形成する第1工程を有し、
    前記第1工程において形成される亀裂は、前記レーザ光の入射する主面に斜めに交わる第1亀裂と、前記第1亀裂とは反対側の端部が前記レーザ光の入射する主面に対し前記第1亀裂よりも急な傾きの第2亀裂とを有する、ガラス板の加工方法。
  2. ガラス板を一方の主面から他方の主面に透過するレーザ光を前記ガラス板に対し照射すると共にその照射位置を移動させ、且つ、前記ガラス板の主面に対し冷媒を吹付けると共にその吹付け位置を前記照射位置と同期して移動させることで、前記ガラス板に熱応力を生じさせ、前記熱応力により前記ガラス板の少なくとも一方の主面に平面視で線状の亀裂を形成する亀裂形成工程を有し、
    前記ガラス板の前記冷媒を吹付ける主面において、前記冷媒の中心が、前記レーザ光の中心より後方にあり、且つ、前記レーザ光の中心の移動軌跡の左右いずれかにずれており、
    前記亀裂形成工程は、平面視において、前記ガラス板の一方の主面に対し、前記照射位置の移動方向斜め前方または前記照射位置の移動方向前方から前記照射位置に前記レーザ光を入射させると共に前記照射位置を移動させることにより、前記ガラス板の両方の主面のうち前記レーザ光の入射する主面のみに平面視で線状の亀裂を形成する第1工程を有し、
    前記第1工程において形成される亀裂は、前記レーザ光の入射する主面に斜めに交わる第1亀裂と、前記第1亀裂とは反対側の端部が前記レーザ光の入射する主面に対し前記第1亀裂よりも急な傾きの第2亀裂とを有する、ガラス板の加工方法。
  3. ガラス板を一方の主面から他方の主面に透過するレーザ光を前記ガラス板に対し照射すると共にその照射位置を移動させることで、前記ガラス板に熱応力を生じさせ、前記熱応力により前記ガラス板の少なくとも一方の主面に平面視で線状の亀裂を形成する亀裂形成工程を有し、
    前記照射位置の移動開始点が前記ガラス板の端面にあり、前記照射位置の移動方向が前記移動開始点において前記端面の法線方向に対し傾斜しており、
    前記亀裂形成工程は、平面視において、前記ガラス板の一方の主面に対し、前記照射位置の移動方向斜め前方または前記照射位置の移動方向前方から前記照射位置に前記レーザ光を入射させると共に前記照射位置を移動させることにより、前記ガラス板の両方の主面のうち前記レーザ光の入射する主面のみに平面視で線状の亀裂を形成する第1工程を有し、
    前記第1工程において形成される亀裂は、前記レーザ光の入射する主面に斜めに交わる第1亀裂と、前記第1亀裂とは反対側の端部が前記レーザ光の入射する主面に対し前記第1亀裂よりも急な傾きの第2亀裂とを有する、ガラス板の加工方法。
  4. 記亀裂形成工程は、前記レーザ光の入射する主面と、前記レーザ光の出射する主面とを入れ替え、前記レーザ光の照射位置の移動を行うことにより、前記ガラス板の両方の主面のうち前記レーザ光の入射する主面のみに平面視で線状の亀裂を形成する第2工程をさらに有し、
    前記第2工程において形成される亀裂は、前記レーザ光の入射する主面に斜めに交わる第3亀裂と、前記第3亀裂とは反対側の端部が前記レーザ光の入射する主面に対し前記第3亀裂よりも急な傾きの第4亀裂とを有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のガラス板の加工方法。
  5. ガラス板を一方の主面から他方の主面に透過するレーザ光を前記ガラス板に対し照射すると共にその照射位置を移動させることで、前記ガラス板に熱応力を生じさせ、前記熱応力により前記ガラス板の少なくとも一方の主面に平面視で線状の亀裂を形成する亀裂形成工程を有し、
    前記ガラス板の各主面における前記レーザ光の照射領域は、(1)各照射領域にレーザ光のパワー密度のピーク位置を有する場合、各照射領域の前記ピーク位置を通る基準線であって前記ピーク位置の移動方向と平行な基準線を中心に左右非対称なパワー密度分布を有し、(2)各照射領域にレーザ光のパワー密度のピーク位置を有しない場合、各照射領域の面積重心位置を通る基準線であって前記面積重心位置の移動方向と平行な基準線を中心に左右非対称な形状を有し、
    前記亀裂形成工程は、平面視において、前記ガラス板の一方の主面に対し、前記照射位置の移動方向斜め前方または前記照射位置の移動方向前方から前記照射位置に前記レーザ光を入射させると共に前記照射位置を移動させることにより、前記ガラス板の両方の主面にそれぞれ平面視で線状の亀裂を形成する工程を有し、
    前記ガラス板の両方の主面のうち前記レーザ光の入射する主面に形成される亀裂は、前記レーザ光の入射する主面に斜めに交わる第1亀裂と、前記第1亀裂とは反対側の端部が前記レーザ光の入射する主面に対し前記第1亀裂よりも急な傾きの第2亀裂とを有し、
    前記ガラス板の両方の主面のうち前記レーザ光の出射する主面に形成される亀裂は、前記レーザ光の出射する主面に斜めに交わる第3亀裂を有する、ガラス板の加工方法。
  6. ガラス板を一方の主面から他方の主面に透過するレーザ光を前記ガラス板に対し照射すると共にその照射位置を移動させ、且つ、前記ガラス板の主面に対し冷媒を吹付けると共にその吹付け位置を前記照射位置と同期して移動させることで、前記ガラス板に熱応力を生じさせ、前記熱応力により前記ガラス板の少なくとも一方の主面に平面視で線状の亀裂を形成する亀裂形成工程を有し、
    前記ガラス板の前記冷媒を吹付ける主面において、前記冷媒の中心が、前記レーザ光の中心より後方にあり、且つ、前記レーザ光の中心の移動軌跡の左右いずれかにずれており、
    前記亀裂形成工程は、平面視において、前記ガラス板の一方の主面に対し、前記照射位置の移動方向斜め前方または前記照射位置の移動方向前方から前記照射位置に前記レーザ光を入射させると共に前記照射位置を移動させることにより、前記ガラス板の両方の主面にそれぞれ平面視で線状の亀裂を形成する工程を有し、
    前記ガラス板の両方の主面のうち前記レーザ光の入射する主面に形成される亀裂は、前記レーザ光の入射する主面に斜めに交わる第1亀裂と、前記第1亀裂とは反対側の端部が前記レーザ光の入射する主面に対し前記第1亀裂よりも急な傾きの第2亀裂とを有し、
    前記ガラス板の両方の主面のうち前記レーザ光の出射する主面に形成される亀裂は、前記レーザ光の出射する主面に斜めに交わる第3亀裂を有する、ガラス板の加工方法。
  7. ガラス板を一方の主面から他方の主面に透過するレーザ光を前記ガラス板に対し照射すると共にその照射位置を移動させることで、前記ガラス板に熱応力を生じさせ、前記熱応力により前記ガラス板の少なくとも一方の主面に平面視で線状の亀裂を形成する亀裂形成工程を有し、
    前記照射位置の移動開始点が前記ガラス板の端面にあり、前記照射位置の移動方向が前記移動開始点において前記端面の法線方向に対し傾斜しており、
    前記亀裂形成工程は、平面視において、前記ガラス板の一方の主面に対し、前記照射位置の移動方向斜め前方または前記照射位置の移動方向前方から前記照射位置に前記レーザ光を入射させると共に前記照射位置を移動させることにより、前記ガラス板の両方の主面にそれぞれ平面視で線状の亀裂を形成する工程を有し、
    前記ガラス板の両方の主面のうち前記レーザ光の入射する主面に形成される亀裂は、前記レーザ光の入射する主面に斜めに交わる第1亀裂と、前記第1亀裂とは反対側の端部が前記レーザ光の入射する主面に対し前記第1亀裂よりも急な傾きの第2亀裂とを有し、
    前記ガラス板の両方の主面のうち前記レーザ光の出射する主面に形成される亀裂は、前記レーザ光の出射する主面に斜めに交わる第3亀裂を有する、ガラス板の加工方法。
  8. ガラス板を一方の主面から他方の主面に透過するレーザ光を前記ガラス板に対し照射すると共にその照射位置を移動させることで、前記ガラス板に熱応力を生じさせ、前記熱応力により前記ガラス板の少なくとも一方の主面に平面視で線状の亀裂を形成する亀裂形成工程を有し、
    前記ガラス板の各主面における前記レーザ光の照射領域は、(1)各照射領域にレーザ光のパワー密度のピーク位置を有する場合、各照射領域の前記ピーク位置を通る基準線であって前記ピーク位置の移動方向と平行な基準線を中心に左右非対称なパワー密度分布を有し、(2)各照射領域にレーザ光のパワー密度のピーク位置を有しない場合、各照射領域の面積重心位置を通る基準線であって前記面積重心位置の移動方向と平行な基準線を中心に左右非対称な形状を有し、
    前記亀裂形成工程は、前記ガラス板に対し複数の前記レーザ光を入射させ、複数の前記レーザ光の照射位置を略同じ軌跡で移動させる工程を含
    前記亀裂形成工程は、前記ガラス板の両方の主面にそれぞれ平面視で線状の亀裂を形成する工程を有し、
    前記ガラス板の第1の主面に形成される亀裂は、前記第1の主面に斜めに交わる第1亀裂と、前記第1亀裂とは反対側の端部が前記第1の主面に対し前記第1亀裂よりも急な傾きの第2亀裂とを有し、
    前記第2亀裂は、前記第1亀裂の先端を起点として形成され、
    前記ガラス板の第2の主面に形成される亀裂は、前記第2の主面に斜めに交わる第3亀裂と、前記第3亀裂とは反対側の端部が前記第2の主面に対し前記第3亀裂よりも急な傾きの第4亀裂とを有し、
    前記第4亀裂は、前記第3亀裂の先端を起点として形成される、ガラス板の加工方法。
  9. ガラス板を一方の主面から他方の主面に透過するレーザ光を前記ガラス板に対し照射すると共にその照射位置を移動させ、且つ、前記ガラス板の主面に対し冷媒を吹付けると共にその吹付け位置を前記照射位置と同期して移動させることで、前記ガラス板に熱応力を生じさせ、前記熱応力により前記ガラス板の少なくとも一方の主面に平面視で線状の亀裂を形成する亀裂形成工程を有し、
    前記ガラス板の前記冷媒を吹付ける主面において、前記冷媒の中心が、前記レーザ光の中心より後方にあり、且つ、前記レーザ光の中心の移動軌跡の左右いずれかにずれており、
    前記亀裂形成工程は、前記ガラス板に対し複数の前記レーザ光を入射させ、複数の前記レーザ光の照射位置を略同じ軌跡で移動させる工程を含
    前記亀裂形成工程は、前記ガラス板の両方の主面にそれぞれ平面視で線状の亀裂を形成する工程を有し、
    前記ガラス板の第1の主面に形成される亀裂は、前記第1の主面に斜めに交わる第1亀裂と、前記第1亀裂とは反対側の端部が前記第1の主面に対し前記第1亀裂よりも急な傾きの第2亀裂とを有し、
    前記第2亀裂は、前記第1亀裂の先端を起点として形成され、
    前記ガラス板の第2の主面に形成される亀裂は、前記第2の主面に斜めに交わる第3亀裂と、前記第3亀裂とは反対側の端部が前記第2の主面に対し前記第3亀裂よりも急な傾きの第4亀裂とを有し、
    前記第4亀裂は、前記第3亀裂の先端を起点として形成される、ガラス板の加工方法。
  10. ガラス板を一方の主面から他方の主面に透過するレーザ光を前記ガラス板に対し照射すると共にその照射位置を移動させることで、前記ガラス板に熱応力を生じさせ、前記熱応力により前記ガラス板の少なくとも一方の主面に平面視で線状の亀裂を形成する亀裂形成工程を有し、
    前記照射位置の移動開始点が前記ガラス板の端面にあり、前記照射位置の移動方向が前記移動開始点において前記端面の法線方向に対し傾斜しており、
    前記亀裂形成工程は、前記ガラス板に対し複数の前記レーザ光を入射させ、複数の前記レーザ光の照射位置を略同じ軌跡で移動させる工程を含
    前記亀裂形成工程は、前記ガラス板の両方の主面にそれぞれ平面視で線状の亀裂を形成する工程を有し、
    前記ガラス板の第1の主面に形成される亀裂は、前記第1の主面に斜めに交わる第1亀裂と、前記第1亀裂とは反対側の端部が前記第1の主面に対し前記第1亀裂よりも急な傾きの第2亀裂とを有し、
    前記第2亀裂は、前記第1亀裂の先端を起点として形成され、
    前記ガラス板の第2の主面に形成される亀裂は、前記第2の主面に斜めに交わる第3亀裂と、前記第3亀裂とは反対側の端部が前記第2の主面に対し前記第3亀裂よりも急な傾きの第4亀裂とを有し、
    前記第4亀裂は、前記第3亀裂の先端を起点として形成される、ガラス板の加工方法。
  11. 前記亀裂形成工程は、前記第1亀裂、前記第2亀裂、前記第3亀裂、および前記第4亀裂を順番に形成する、請求項8〜10のいずれか1項に記載のガラス板の加工方法。
  12. 前記亀裂形成工程は、一の前記レーザ光の照射位置の移動により、前記第1亀裂と前記第3亀裂とを略同時に形成する、請求項8〜10のいずれか1項に記載のガラス板の加工方法。
  13. 前記亀裂形成工程は、一の前記レーザ光の照射位置の移動により、前記第2亀裂と前記第4亀裂とを略同時に形成する、請求項8〜10、12のいずれか1項に記載のガラス板の加工方法。
  14. 前記ガラス板の各主面において、前記照射位置の移動方向に対して垂直な方向における前記レーザ光の幅が、前記ガラス板の板厚よりも小さい、請求項1〜13のいずれか1項に記載のガラス板の加工方法。
  15. 前記照射位置の移動開始点に、前記亀裂の起点となる初期クラックを形成する工程をさらに有する、請求項1〜14のいずれか1項に記載のガラス板の加工方法。
  16. 前記ガラス板に対し応力を加えることで、前記ガラス板を前記亀裂に沿って割断する工程をさらに有する、請求項1〜15のいずれか1項に記載のガラス板の加工方法。
  17. 前記レーザ光に対する前記ガラス板の吸収係数(α)(単位[cm−1])と、前記レーザ光が前記ガラス板の光源側の主面から反対側の主面まで移動する距離(M)(単位[cm])との積(α×M)が0よりも大きく3.0以下である、請求項1〜16のいずれか1項に記載のガラス板の加工方法。
  18. 前記レーザ光の波長が250nm〜5000nmである、請求項1〜17のいずれか1項に記載のガラス板の加工方法。
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