JP6303887B2 - 成膜装置、及び硬質膜被覆刃具の製造方法 - Google Patents

成膜装置、及び硬質膜被覆刃具の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、刃具に硬質膜を形成する成膜装置、及び硬質膜被覆刃具の製造方法に関する。
従来、超硬合金、サーメット、高速度工具鋼等を基材とする刃具において、例えば切削部の耐摩耗性の向上を目的としてTiN等の硬質膜をコーティング(成膜処理)する技術が知られている。例えば特許文献1に記載された成膜装置では、アークイオンプレーティング法を用いて成膜処理を行っている。
特開2009−101445号公報
硬質膜のコーティングの方法としては、スパッタ処理や、特許文献1に記載のアークイオンプレーティング処理等のPVD(物理蒸着)法が知られている。これらの方法では、一度に多数の刃具を成膜炉に入れ、刃具の膜厚分布を均一に保つために、刃具を回転させながらコーティングを行っている。さらに、PVD法の他、一般に処理時間の短縮化や、硬質膜の均一化の観点において優れたCVD(化学蒸着)法も行われている。いずれの処理方法においても、刃具の各部位には同一物性の膜がコーティングされるようになっている。
しかしながら、刃具はその刃先部や中間部等、それぞれの部位で必要とされる機能が異なるため、求められる膜物性も異なる。例えば、刃具の刃先部は直接切削する部位であることから耐衝撃性が第一に求められる一方、刃具の中間部は切屑を排出する部位であることから耐衝撃性よりも耐摩耗性が求められる。
ところが、従来の成膜装置及び成膜方法では、刃具のコーティングを施したい部位全体に同一物性の1種類の膜が形成されるのみであり、刃具のそれぞれの部位ごとに最適な物性を有する膜を形成することが出来ないという問題が生じていた。
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、刃具の硬質膜のコーティングにおいて、刃具の部位ごとに最適な物性を有する膜を形成することができる成膜装置及び硬質膜被覆刃具の製造方法を提供することにある。
本発明の成膜装置は、刃具の所望の成膜部に気相処理によって硬質膜を成膜する成膜装置であって、加熱手段と、気相処理部とを備える。
加熱手段は、刃具の成膜部を加熱する。
気相処理部は、刃具を収容するチャンバが内側に形成されるハウジング、及び、ハウジング内で刃具と対向する電極を有し、電極と刃具との間に電圧を印加して生成した電界によりチャンバ内にプラズマを発生させ、プラズマCVDを行う。
さらに、気相処理部には、第1導入部と第2導入部とが形成されている。第1導入部は、チャンバに連通し、硬質膜の原料である第1原料ガスを成膜部である刃具の刃先部に向けて導入することを特徴とする。第2導入部は、チャンバに連通し、硬質膜の原料であって第1原料ガスとは異なる第2原料ガスを成膜部であって刃具の刃先部とは異なる部位に向けて導入することを特徴とする。
本発明の構成によれば、気相処理の際には、第1原料ガスが第1導入部から主に刃具の刃先部へ向けてチャンバ内に導入される。また、第2原料ガスが、第2導入部から刃具の刃先部とは異なる部位、例えば刃具の中間部へ向けてチャンバ内に導入される。第1原料ガスと第2原料ガスとは硬質膜の原料であって、それぞれ異なる物質のガスであるため、刃具の刃先部とその他の部位において異なる物性の膜が形成される。すなわち、本発明では、第1導入部と第2導入部を設け、各導入部から導入する原料ガスを適宜選択することによって、刃具の部位ごとに最適な物性を有する膜を形成することができる。
本発明の第1実施形態による成膜装置の断面模式図。 図1のII−II線断面図。 ガス導入の配管構成を示す模式図。 本発明の第2実施形態による成膜装置の断面模式図。 図4のV−V線断面図。 他の実施形態による成膜装置の断面模式図。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。
〈第1実施形態〉
[構成]
本発明の第1実施形態の成膜装置について、図1〜図3を参照して説明する。図1に示すように、本実施形態の成膜装置101は、超硬合金、サーメット、高速度工具鋼等を基材とする刃具のうち、特に、ドリル、エンドミル、リーマ等、被切削物に対して軸中心に相対回転する回転刃具に適用される。成膜装置101は、主に刃具先端の切削部の耐摩耗性の向上を目的としてTiN及びTiCN等の硬質膜をコーティングし、硬質膜被覆刃具を製造する装置である。
まず、図1、図2を参照して、成膜装置101の全体構成を説明する。ここで、現実の装置が設置される天地方向は、図1、図2の上下方向とは限らない。また、後述するプラズマCVD法で用いられるガスを総称して「CVDガス」と言う。なお、図1以下の各断面模式図において、断面の後方に見える境界線の図示を省略する。
成膜装置101は、気相処理部2、絶縁断熱部3、並びに加熱手段としての誘導加熱コイル4が搭載されたベースブロック5を備えている。また、成膜処理される回転刃具の代表としてドリル10を例示する。なお、ドリル10は、先端角や刃部の形状を省略し、模式的に棒状に図示する。以下、コーティングをするドリル10の刃先部11及び先端側面を含む中間部12を「成膜部」といい、大きな摩擦係数を確保するためにコーティングが不要である保持部分を「非成膜部」という。なお、以下の説明において、ドリル10の中間部12とは、刃先部11よりも基端側の側面部位であって、チャンバ27内に位置する側面部位を含む。中間部12は、特許請求の範囲に記載の「刃先部とは異なる部位」に相当する。
気相処理部2は、ハウジング21、及び、ハウジング21内の電極室22に収容された電極23を有している。ハウジング21及び電極23は、鉄、銅等の導電体で形成され、アースに接続されている。ハウジング21は、電極室22の底壁に連通するガス導入口24、及び、電極室22の側壁に連通するガス排気口25が形成されている。図3に示すように、ガス導入口24は、ガス供給源としてのH2原料タンク51及びTiCl4(四塩化チタン)原料タンク52に接続され、H2原料タンク51からH2ガス、TiCl4原料タンク52からTiCl4ガスがそれぞれ供給される。ガス排気口25は、チャンバ27内の空気、未反応のCVDガス、反応によって生成されたガス等が排出される。
電極23は、ガス導入口24に連通するガス導入穴26が軸方向に貫通した円筒形状をなしている。そして、電極23の内側に形成されるチャンバ27内に、ドリル10の成膜部11,12が収容される。このとき、電極23はドリル10と対向している。電極23の外壁には、電極室22の開口側からCVDガスが回り込み、ガス排気口25に流出可能とする排気段部28が形成されている。
気相処理部2には、チャンバ27内に連通する第1導入管31,32,33が、ハウジング21及び電極23の側壁をドリル10の軸方向と垂直方向に貫通するように、かつ、チャンバ27内に連通する第1導入管31,32,33の先端部位が、ドリル10の刃先部11近傍であって刃先部11より軸方向に若干離れた位置となるように設けられている。
図2に示すように、第1導入管31,32,33は、ドリル10の軸方向と直交する平面上において放射状に略等間隔に3つ設けられている。なお、図2において括弧内に示す符号は、ドリル10の軸方向に第1導入管31,32,33と並列して設けられる第2導入管(詳細後述)を示している。そして、図3に示すように、第1導入管31,32,33は、ガス供給源としてのN2原料タンク53に接続され、N2原料タンク53からN2ガスが供給される。
さらに、気相処理部2には、チャンバ27内に連通する第2導入管41,42,43が、ハウジング21及び電極23の側壁をドリル10の軸方向と垂直方向に貫通するように、かつ、チャンバ27内に連通する第2導入管41,42,43の先端部位が、ドリル10の中間部12の軸方向位置と略同じになるように設けられている。
図2に示すように、第2導入管41,42,43は、第1導入管31,32,33と同様に、ドリル10の軸方向と直交する平面上において放射状に略等間隔に3つ設けられており、第1導入管31,32,33とドリル10の軸方向において並列している。そして、図3に示すように、第2導入管41,42,43は、N2原料タンク53及びCH4原料タンク54に接続され、N2原料タンク53からN2ガス、CH4(メタン)原料タンク54からCH4ガスがそれぞれ供給される。
第1導入管31,32,33から導入されるN2ガスは、特許請求の範囲に記載の「第1原料ガス」に相当し、第2導入管41,42,43から導入されるCH4ガスは特許請求の範囲に記載の「第2原料ガス」に相当する。
絶縁断熱部3は、セラミック等の絶縁性且つ断熱性の材質で形成され、気相処理部2とベースブロック5との間に設けられる。絶縁断熱部3は、電極23とドリル10との間に電源から印加される直流パルス電圧に対し、ベースブロック5を絶縁する。また、誘導加熱コイル4による熱がハウジング21に伝達されることを防止する。
誘導加熱コイル4は、図示しない交流電源から供給される交流電流が巻線を流れることにより、向き及び強度が経時変化する磁力線が誘導加熱コイル内に発生する。すると、誘導加熱コイル4内に設置された導電体のドリル10の非成膜部には、磁力線の影響を受けて金属内部に渦電流が流れ、この渦電流に基づくジュール熱が発生して自己発熱する。これにより、交流電流の電力と加熱時間とに応じて、非成膜部からの熱伝導によってドリル10の成膜部11,12を目標温度に加熱することができる。なお、ドリル10は、ベースブロック5内に設けられる図示しない円筒状のカラー支持部材によって、非成膜部を把持され固定されている。
次に、本実施形態の成膜装置101を用いた成膜方法、硬質膜被覆刃具の製造方法について説明する。一般に、物質の表面に薄膜を形成する気相処理法にはPVD(物理蒸着)法やCVD(化学蒸着)法が知られている。PVD法は、物理的手法により目的とする物質の薄膜を堆積する。CVD法は、中真空状態でガス状の気体原料を送り込み、熱、プラズマ、光等のエネルギーを与えて化学反応を励起、促進して薄膜や微粒子を合成し、物質の表面に吸着、堆積させる。このCVD法のうち、本実施形態では、プラズマをエネルギー源とするプラズマCVD法を採用する。
本実施形態の成膜方法は、加熱工程、気相処理工程を含む。まず、図3に示す真空ポンプ6を用いてチャンバ27内を約10Pa以下まで排気して中真空状態とする。その後、加熱工程で、誘導加熱コイル4によって、誘導加熱の電力及び加熱時間を管理することで、成膜部11,12を約300℃〜800℃に加熱する。
次に、気相処理工程で、成膜部11,12表面のクリーニングのためガス導入口24からH2ガスを導入しつつ、直流パルス電源7からドリル10に電圧を印加し、プラズマを生成させる。そして、原子状水素、水素イオンをドリル10及び電極23に衝突させ、成膜部11,12表面を活性化する。続いてAr、H2ガスをガス導入口24から導入し、プラズマを生成させ、再度クリーニングを行う。
次いで、TiCl4(四塩化チタン)等のチタン系ガス、CH4(メタン)等の炭化水素系ガス、H2ガス、N2ガスを導入し、成膜部11,12表面に硬質膜を形成する。ここで、各原料ガスを第1導入管31,32,33、第2導入管41,42,43及びガス導入口24のいずれから導入するかについては本実施形態の要部であり、以下詳述する。
まず、H2ガス、TiCl4ガスについては、チャンバ27上部のガス導入口24から導入する。これは、H2ガス及びTiCl4ガスが、刃先部11及び中間部12の硬質膜形成に共通して使用されるガスであるためである。導入された各ガスは、ガス導入口24より下流の配管内及びチャンバ27内で混合される。
これに対し、N2ガスは、第1導入管31,32,33から導入し、N2ガス及びCH4ガスは、第2導入管41,42,43から導入する。N2ガスとCH4ガスは、第2導入管41,42,43内及びチャンバ27内で混合される。これにより、刃先部11には主にTiN組成の硬質膜がコーディングされ、中間部12には主にTiCN組成の硬質膜がコーディングされる。
このように、本実施形態において、第1導入管31,32,33、第2導入管41,42,43及びガス導入口24において、導入するガスを変えているのは、耐衝撃性が第一に求められる刃先部11に靱性の高いTiN組成の硬質膜を、耐摩耗性が求められる中間部12に硬度の高いTiCN組成の硬質膜を選択して形成するためである。
[効果]
(1)本実施形態では、ガス導入口24の他に、ドリル10の刃先部11近傍へ向けてガスを導入する第1導入管31,32,33と、ドリル10の中間部12近傍へ向けてガスを導入する第2導入管41,42,43とを設けている。そして、第1導入管31,32,33からN2ガスを導入し、第2導入管41,42,43からは、N2ガスに加えてCH4ガスも導入するようにしている。これにより、ドリル10の刃先部11と中間部12において異なる物性の硬質膜を形成することができる。
すなわち、第1導入管31,32,33から導入するガスと、第2導入管41,42,43から導入するガスを適宜選択することによって、ドリル10の一部位である刃先部11及び中間部12に対して、部位ごとに最適な物性を有する膜を形成することができる。
(2)本実施形態では、第1導入管31,32,33及び第2導入管41,42,43を、チャンバ27の周方向に略等間隔に複数(3つ)設けているため、ドリル10の周方向に均一に硬質膜を形成することができる。
(3)本実施形態では、刃先部11に靱性の高いTiN組成の硬質膜を、中間部12に硬度の高いTiCN組成の硬質膜を形成しているため、刃先部11は耐衝撃性に優れ、中間部12は耐摩耗性に優れたドリル10を製造することができる。これにより、ドリル10全体の寿命を延長することができる。
(4)本実施形態では、誘導加熱コイル4を採用することで、ドリル10の成膜部11,12のみを高速に加熱することができる。
(5)本実施形態では、直流パルス電圧を印加してプラズマCVDを行うため、絶縁物の被覆が可能であり、安定したプラズマを発生させることができる。
〈第2実施形態〉
[構成]
次に、本発明の第2実施形態の成膜装置102について、図4、図5を参照して説明する。なお、第1実施形態と同様の構成については同じ符号を付し、説明を省略する。
本実施形態の成膜装置102は、第1導入管及び第2導入管の構成が第1実施形態とは異なる。図4に示すように、気相処理部2には、チャンバ27内に連通する第1導入管34,35,36,37,38,39が、ハウジング21及び電極23の側壁をドリル10の軸方向と垂直方向に貫通するように、かつ、チャンバ27内に連通する第1導入管34,35,36,37,38,39の先端部位が、ドリル10の刃先部11近傍であって刃先部11より軸方向に若干離れた位置となるように設けられている。
図4に示すように、第1導入管34,35,36,37,38,39は、ドリル10の軸方向と直交する平面上において放射状に略等間隔に6つ設けられている。なお、図6において括弧内に示す符号は、ドリル10の軸方向に第1導入管と並列して設けられる第2導入管(詳細後述)を示している。
さらに、気相処理部2には、チャンバ27内に連通する第2導入管44,45,46,47,48,49が、ハウジング21及び電極23の側壁をドリル10の軸方向と垂直方向に貫通するように、かつ、チャンバ27内に連通する第2導入管44,45,46,47,48,49の先端部位が、ドリル10の中間部12の軸方向位置と略同じになるように設けられている。
図2に示すように、第2導入管44,45,46,47,48,49は、第1導入管34,35,36,37,38,39と同様に、ドリル10の軸方向と直交する平面上において放射状に略等間隔に6つ設けられており、第1導入管34,35,36,37,38,39と軸方向において並列している。
[効果]
本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏し、さらに、第1実施形態と比較して導入管の数を増やして対応しているため、成膜圧力が高い場合等、粒子拡散の効果が小さい領域においても、均一な膜形成を行うことができる。
しかも、各導入管34,35,36,37,38,39,44,45,46,47,48,49はドリル10の軸方向と直交する平面上において放射状に略等間隔に設けられているため、より均一な膜形成を行うことができる。
〈他の実施形態〉
上記各実施形態では、ドリル10の刃先部11へ向けてガスを導入する第1導入管31,32,33,34,35,36,37,38,39と、ドリル10の中間部12へ向けてガスを導入する第2導入管41,42,43,44,45,46,47,48,49との2種類の導入管を設ける構成としたが、例えば図6に示す成膜装置103のように、ドリル10の中間部12よりも基端側となる部位へ向けてガスを導入する第3導入管61をさらに設ける構成としても良い。この場合、第1実施形態と同様に、第3導入管61を放射状に3つ設けても良いし、その他、適宜変更して実施することが可能である。この構成によれば、ドリル10のさらに細かい部位ごとに最適な物性を有する膜を形成することができる。
上記各実施形態において、第1導入管31,32,33,34,35,36,37,38,39と第2導入管41,42,43,44,45,46,47,48,49のドリル10に対する周方向位置はそれぞれ異なっていても良い。すなわち、第1導入管31,32,33,34,35,36,37,38,39と第2導入管41,42,43,44,45,46,47,48,49とがドリル10の軸方向に並列してなくても良く、この場合であっても導入管を放射状に複数設けることによって、ドリル10の周方向に均一に硬質膜を形成することができる。
上記各実施形態では、第2導入管41,42,43,44,45,46,47,48,49内で、N2ガスとCH4ガスを混合する構成としたが、N2ガスとCH4ガスを予め混合した原料タンクに第2導入管41,42,43,44,45,46,47,48,49を接続するようにしても良い。その他、原料タンクや配管の構成及びガスの混合形態については、適宜設定変更が可能である。
上記各実施形態において、各導入管から導入するガスの種類は、コーティングしたい硬質膜の物性に応じて適宜変更可能である。
上記各実施形態では、刃具としてドリル10を例示して説明したが、エンドミル、リーマ等、その他の刃具であっても良い。
上記各実施形態では、第1導入管31,32,33,34,35,36,37,38,39及び第2導入管41,42,43,44,45,46,47,48,49を複数設ける構成としたが、チャンバ27内でCVDガスを均一に充填することができれば、各導入管の数は、2つ以下でも良い。また、必ずしも周方向に略等間隔に設ける必要はない。導入管の数及び配置位置は、成膜圧力等の条件、電極の複雑化、セラミック部材を入れた際のプラズマ均一性への影響等を考慮し、適宜最適な本数及び位置を適用することができる。
上記各実施形態では、成膜部11,12の加熱手段として誘導加熱コイル4を用いたが、例えば伝熱によって非成膜部を加熱して、非成膜部からの熱伝導により成膜部11,12を加熱する構成としても良い。その他、誘導加熱コイル4内に成膜部11,12を配置して成膜部11,12を目標温度まで加熱した後、成膜部11,12がチャンバ27内に位置するようにドリル10を移動手段によって移動させて気相処理を行うようにしても良い。このように、成膜部11,12を加熱する方法は種々の形態が可能である。
上記各実施形態では、直流パルス電圧を用いてプラズマCVDを行っているが、その他の形態では、高周波やマイクロ波を用いたプラズマCVDを行っても良い。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
2 ・・・気相処理部
4 ・・・誘導加熱コイル(加熱手段)
10 ・・・ドリル(刃具)
11 ・・・刃先部(成膜部)
12 ・・・中間部(成膜部)
21 ・・・ハウジング
23 ・・・電極
27 ・・・チャンバ
31,32,33,34 ・・・第1導入管(第1導入部)
41,42,43,44 ・・・第2導入管(第2導入部)
101,102 ・・・成膜装置

Claims (8)

  1. 刃具(10)の所望の成膜部(11,12)に気相処理によって硬質膜を成膜する成膜装置(101,102)であって、
    前記刃具の前記成膜部を加熱する加熱手段(4)と、
    前記刃具を収容するチャンバ(27)が内側に形成されるハウジング(21)、及び、前記ハウジング内で前記刃具と対向する電極(23)を有し、前記電極と前記刃具との間に電圧を印加して生成した電界により前記チャンバ内にプラズマを発生させ、プラズマCVDを行う気相処理部(2)と、
    を備え、
    前記気相処理部は、
    前記チャンバに連通し、前記硬質膜の原料である第1原料ガスを前記成膜部である前記刃具の刃先部(11)に向けて導入する第1導入部(31,32,33,34,35,36,37,38,39)と、
    前記チャンバに連通し、前記硬質膜の原料であって前記第1原料ガスとは異なる第2原料ガスを前記成膜部であって前記刃具の前記刃先部とは異なる部位(12)に向けて導入する第2導入部(41,42,43,44,45,46,47,48,49)と、
    が形成されていることを特徴とする成膜装置。
  2. 前記第1導入部及び前記第2導入部は、複数設けられていることを特徴とする請求項1に記載の成膜装置。
  3. 前記刃具は、円柱の軸部を有する回転体であって、
    前記第1導入部及び前記第2導入部は、前記刃具の軸方向と直交する平面上において放射状に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の成膜装置。
  4. 前記第1導入部及び前記第2導入部は、前記ハウジング及び前記電極の側壁を貫通するように設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の成膜装置。
  5. 前記第1原料ガスはN2ガスであり、前記第2原料ガスはCH4ガスであることを特徴とする請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の成膜装置。
  6. 前記加熱手段は、前記刃具を誘導加熱によって加熱する誘導加熱コイルであることを特徴とする請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載の成膜装置。
  7. 前記気相処理部は、直流パルス電圧を印加してプラズマCVDを行うことを特徴とする請求項1〜請求項6のうちいずれか一項に記載の成膜装置。
  8. 請求項1〜請求項7のうちいずれか一項に記載の成膜装置(101,102)を用い、刃具(10)の所望の成膜部(11,12)に気相処理によって硬質膜を成膜する硬質膜被覆刃具の製造方法であって、
    加熱手段(4)により前記刃具の前記成膜部を加熱する加熱工程と、
    前記刃具を収容するチャンバ(27)が内側に形成されるハウジング(21)、及び、前記ハウジング内で前記刃具と対向する電極(23)を有する気相処理部(2)において、前記電極と前記刃具との間に電圧を印加して生成した電界により前記チャンバ内にプラズマを発生させ、プラズマCVDを行う気相処理工程と、
    を含み、
    前記気相処理工程において、
    前記気相処理部に形成され前記チャンバに連通する第1導入部から前記硬質膜の原料である第1原料ガスを前記成膜部である前記刃具の刃先部(11)に向けて導入し、前記刃先部に前記第1原料ガスの成分を組成に含む前記硬質膜を形成し、
    前記気相処理部に形成され前記チャンバに連通する第2導入部から前記硬質膜の原料であって前記第1原料ガスとは異なる第2原料ガスを前記成膜部であって前記刃先部とは異なる部位に向けて導入し、前記刃先部とは異なる部位に前記第2原料ガスの成分を組成に含む前記硬質膜を形成することを特徴とする硬質膜被覆刃具の製造方法。
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