JP6302446B2 - 黒生姜含有PPARγ発現促進組成物 - Google Patents

黒生姜含有PPARγ発現促進組成物 Download PDF

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Description

本発明は、黒生姜を含有するPPARγ発現促進組成物に関する。
脂質の過剰生産は皮膚の外観に影響を及ぼす。例えば、皮脂の過剰な分泌は、脂性肌、油毛症、にきびなどに関係し、セルライトを引き起こす可能性がある。セルライトは、塊が多く不均等型の脂肪であり、主に臀部と太腿に蓄積され、「みかん膚」や「コテージチーズ」のような外観を生じる原因になる。脂質代謝の一部は、核内受容体であるペルオキシソーム増殖剤応答性受容体(Peroxisome proliferator−activated receptors:PPARs)によって制御される。
PPARsは、核内受容体スーパーファミリーに属する転写因子で、α、σ及びγの3つのタイプと、いくつかのサブタイプに分けられる。PPARsは、レチノイドXレセプター(RXR)とヘテロダイマーを形成し、リガンド依存的にそのプロモーター領域にPPAR応答配列(PPRE)を有する標的遺伝子の発現を誘導することが知られている。
PPARsについて、PPARαは、主として肝臓細胞に発現し、その他、心筋細胞や消化管細胞にも発現が認められ、脂肪酸酸化、ケトン体生成、アポリポタンパク質の生成などに関与している。PPARσは、組織特異性が認められず、体全体に発現しているが、大腸がん細胞での発現が顕著である。PPARγは、γ1型及びγ2型の2つのサブタイプに分類でき、γ1型は脂肪組織、免疫系組織、副腎、小腸で発現し、γ2型は脂肪細胞で特異的に発現しており、脂肪細胞の分化誘導や脂肪合成に重要な役割を担っている。PPARsのうち、とりわけPPARγは脂肪細胞の分化及び肥大を制御することが知られている。また、PPARγは、脂肪細胞によるエネルギーの貯蔵に適したフィードフォワード経路において重要であると考えられている。
脂肪細胞の形成過程は、大まかに次の4つの過程に分けられる:(1)幹細胞が脂肪細胞としての素地を獲得した脂肪芽細胞(adipoblast)に決定される過程、(2)脂肪芽細胞が前駆脂肪細胞(preadipocyte)にコミットメントされる過程、(3)前駆脂肪細胞が未成熟小型脂肪に分化する過程、及び(4)未成熟小型脂肪細胞に脂肪が蓄積し成熟大型脂肪細胞を形成する過程。脂肪芽細胞から前駆脂肪細胞が形成される過程において、分化の開始に関与する遺伝子としてPPARγが発現する(非特許文献1を参照)。
また、PPARγの作用を介して、前駆脂肪細胞から分化した小型脂肪細胞は、インスリン受容体や糖輸送担体(GLUT4)が豊富に発現しており、活発に糖を取り込むことから、インスリン感受性を亢進する方向へと働き得る。また、PPARγを介して、TNF−αやFFAなどのインスリン抵抗性惹起因子を産生する肥大大型脂肪細胞をアポトーシスに導くともいわれている。
そこで、前駆脂肪細胞に存在するPPARγの発現量を促進することにより、肥満者にみられる骨格筋でのインスリン抵抗性を引き起こす肥大脂肪細胞を、正常機能を有する新しく分化した小型脂肪細胞によって置き換えることができれば、脂肪細胞の量は変えないもののそのサイズと質を変え、脂肪細胞由来のインスリン抵抗性惹起因子(TNF−α、FFAなど)の過剰産生を正常化し、結果として肥満及びインスリン抵抗性を改善することができる。
したがって、生体内でPPARγの発現量を促進することができれば、皮下脂肪の過剰な蓄積を抑制しセルライトの発生を予防することができるとともに、肥満を抑止することが可能となる。特許文献1〜6には、このようなPPARγの発現量を促進することが可能であるものが記載されている。
特表2007−512386号公報 特開2008−007406号公報 特表2013−506623号公報 特許第5473191号公報 特許第5546807号公報 国際公開第2010/089874号
日本内科学会雑誌、平成10年9月10日、第87巻、第9号、p165−169
特許文献1〜3に記載のPPARγの発現促進可能な組成物は、基本的には有効成分が化学合成物であり、使用態様が限られるという問題がある。特許文献4〜6に記載のPPARγ活性化剤、PPARγのリガンド剤及びPPARγ発現増強剤は、それぞれ天然物から単離及び精製した特定物質を有効成分として含有する。しかし、これらの特定物質は、薬理作用が強いことから、摂取するに際して注意が必要であり、これらの過剰な摂取により副作用がもたらされる危険性がある。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、副作用の問題がなく、長期的かつ持続的な摂取が可能である、PPARγ発現促進効果を示す組成物を提供することを、発明が解決しようとする課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討したところ、驚くべきことに、黒生姜は、生姜、桂皮、薬用人参、ビタミンBと組み合わせることによって、相加的よりもむしろ相乗的にPPARγのmRNA発現量を促進することを見出した。そして、抗肥満組成物として、黒生姜と、生姜、桂皮、薬用人参及びビタミンBといった成分とを含有する組成物の創作に成功した。本発明は、かかる知見や成功例に基づいて完成された発明である。
したがって、本発明によれば、黒生姜と、生姜、桂皮、薬用人参及びビタミンBからなる群から選ばれる少なくとも1種類の成分とを含有するPPARγ発現促進組成物が提供される。
本発明の別の側面によれば、黒生姜と、生姜、桂皮、薬用人参及びビタミンBからなる群から選ばれる少なくとも1種類の成分とを含有する皮膚外用組成物が提供される。
本発明の別の側面によれば、黒生姜と、生姜、桂皮、薬用人参及びビタミンBからなる群から選ばれる少なくとも1種類の成分とを含有する抗肥満組成物が提供される。
本発明の別の側面によれば、黒生姜と、生姜、桂皮、薬用人参及びビタミンBからなる群から選ばれる少なくとも1種類の成分とを含有する褐色脂肪活性化組成物が提供される。
本発明の別の側面によれば、黒生姜と、生姜、桂皮、薬用人参及びビタミンBからなる群から選ばれる少なくとも1種類の成分とを含有する褐色脂肪増殖組成物が提供される。
本発明の別の側面によれば、黒生姜と、生姜、桂皮、薬用人参及びビタミンBからなる群から選ばれる少なくとも1種類の成分とを含有する熱産生促進組成物が提供される。
本発明の別の側面によれば、黒生姜と、生姜、桂皮、薬用人参及びビタミンBからなる群から選ばれる少なくとも1種類の成分とを含有する冷え症改善組成物が提供される。
本発明の別の側面によれば、黒生姜と、生姜、桂皮、薬用人参及びビタミンBからなる群から選ばれる少なくとも1種類の成分とを含有する代謝促進組成物が提供される。
本発明の別の側面によれば、黒生姜と、生姜、桂皮、薬用人参及びビタミンBからなる群から選ばれる少なくとも1種類の成分とを含有するエネルギー消費促進組成物が提供される。
本発明の別の側面によれば、黒生姜と、生姜、桂皮、薬用人参及びビタミンBからなる群から選ばれる少なくとも1種類の成分とを含有する抗インスリン抵抗性組成物が提供される。
本発明の組成物によれば、PPARγの発現量を促進することにより、肥大脂肪細胞の小型脂肪細胞への容積及び質の転換、脂肪細胞由来のインスリン抵抗性惹起因子(TNF−α、FFAなど)の生産正常化などをもたらし、結果として皮下脂肪の過剰な蓄積を抑制しセルライトの発生を予防することができるとともに、肥満及びインスリン抵抗性を抑制や改善することができる。本発明の組成物は、皮膚に使用した場合に高い安全性を有するものである。また、本発明の組成物は、PPARγの発現量を促進することにより、白色脂肪細胞からの褐色脂肪細胞への分化促進作用、褐色脂肪細胞増加作用、エネルギー消費促進作用、アディポネクチン産生促進作用、中性脂肪低下作用、脂肪分解作用、抗動脈硬化作用、抗炎症作用及び砕骨細胞分化促進作用を有することが期待できる。
本発明の組成物で用いられる黒生姜、生姜、桂皮、薬用人参及びビタミンBは、それぞれ皮膚外用剤などでの使用実績のあるものであることから、本発明の組成物は安全性が高いものである。そこで、本発明の組成物は、PPARγ発現促進;抗肥満;抗インスリン抵抗性;肥満に伴う高脂血症、高血圧、2型糖尿病などの予防や改善;内臓蓄積脂肪の低減や抑制に有効なものとして、非経口的又は経口的な形態で提供することが期待できる。
実施例1〜4に記載の各被験物質のPPARγのmRNAの発現量を示した図である。
実施例5〜8に記載の各被験物質のPPARγのmRNAの発現量を示した図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の組成物は、黒生姜と、生姜、桂皮、薬用人参及びビタミンBからなる群から選ばれる少なくとも1種類の成分とを含有する。本発明の組成物は、その態様によって、PPARγ発現促進組成物、皮膚外用組成物、抗肥満組成物、褐色脂肪活性化組成物、褐色脂肪増殖組成物、冷え症改善組成物、熱産生促進組成物、代謝促進組成物、エネルギー消費促進組成物、及び抗インスリン抵抗性組成物に分けられる。上記代謝促進組成物は特に限定されないが、例えば、脂質代謝促進組成物である。
黒生姜は、東南アジアなどに自生することで知られているショウガ科バンウコン属の植物や、発酵させたショウガ科ショウガ属の植物を含む。黒生姜は、精力増進、滋養強壮、血糖値の低下、体力回復、消化器系の改善、膣帯下、痔核、痔疾、むかつき、口内炎、関節痛、胃痛の改善などの作用があることが知られている。黒生姜は、長期にわたりヒトに摂取されてきた実績のある天然植物であって安全性が高いことから、本発明の組成物は、実用性が高く、そのままで、又は加工することにより、非経口的又は経口的な形態で種々の用途に適用可能である。
黒生姜の使用部位は、所望の薬理作用に寄与する成分を含む部位であれば特に限定されず、例えば、根、葉、茎、花、枝などが挙げられるが、好ましくは5,7−ジメトキシフラボン(57DMF)などのポリメトキシフラボノイド(PMF)を多く含む根茎である。
黒生姜は、採取した状態の未加工のものに加えて、例えば、処理物(乾燥物、裁断物など)又は黒生姜や黒生姜処理物の粉末、搾汁、抽出物などの黒生姜の加工物を包含する。ここで、抽出物とは、黒生姜における成分が抽出された物であれば特に限定されないが、例えば、黒生姜やその処理物を溶媒で抽出して得られる抽出液、その希釈液や濃縮液、又はそれらの乾燥物やその粉末が挙げられる。本発明において用いられる黒生姜は、皮膚外用組成物などの非経口組成物や、経口用組成物などへの適用容易性を考慮すれば、黒生姜の抽出物又は搾汁などのエキスや該エキスの乾燥物であることが好ましい。
黒生姜粉末は、例えば、洗浄後にスライスした黒生姜を天日又は乾燥機を用いて乾燥後、そのままで、又は適当な形状や大きさに裁断して得た処理物を、粉砕装置を用いて粉砕することで得ることができる。粉砕装置としては通常使用されるものが広く使用できるが、例えば、原料ホッパー、粉砕機、分級機、製品ホルダーなどから構成される粉砕機を用いることができる。
黒生姜抽出物は、黒生姜やその処理物を溶媒で抽出することによって得られる。抽出に使用される溶媒としては、例えば、エタノール、メタノール、イソプロパノール、ブタノールなどの低級アルコール;酢酸エチル、酢酸メチルなどの低級エステル;アセトン;これらと水との混合溶媒などが挙げられる。水もまた抽出溶媒として挙げられ、熱水や温水などであってもよい。本発明の組成物は、ヒトが経口的に摂取する可能性があるものであることから、原料である黒生姜の抽出物は、水単独、エタノール単独又は水とエタノールとの混合溶媒(いわゆる含水エタノール)によって抽出されたものであることが好ましい。特に、20〜80%(V/V)の濃度の含水エタノールを溶媒として使用することが好ましく、40〜70%(V/V)の濃度の含水エタノールを溶媒として使用することがより好ましい。
溶媒として混合溶媒を使用する場合は、例えば、アセトン/水(2/8〜8/2、体積比)混合物、エタノール/水(2/8〜8/2、体積比)混合物などを用いることができる。エタノール/水の場合、黒生姜の根茎に対して、その質量の2〜20倍質量の溶媒を加え、室温又は加熱下で10分〜48時間程度抽出することが好ましい。
抽出方法は特に限定されないが、例えば、安全性、利便性及び工業化の観点から、可能な限り緩やかな条件で抽出操作を行うことが好ましい。例えば、黒生姜の部位やその乾燥物を、粉砕、破砕、細断などして、これに2〜20倍質量の溶媒を加え、0℃〜溶媒の還流温度の範囲で10分〜48時間、静置、振盪、攪拌、還流などの任意の条件下にて抽出を行う。抽出作業後、ろ過、遠心分離などの固液分離操作を行い、不溶な固形物を除去する。これに、必要に応じて希釈、濃縮などの操作を行うことにより、抽出液を得る。さらに、不溶物についても同じ操作を繰り返して抽出し、その抽出液を先の抽出液と合わせて用いてもよい。これらの抽出液は、当業者が通常用いる精製方法により、さらに精製して使用してもよい。
得られた抽出液は、そのままで、又は濃縮するなどして、例えば、液状物、濃縮物、さらにこれらを乾燥した乾燥物などの形態で用いることができる。乾燥は特に限定されず、例えば、噴霧乾燥、凍結乾燥、減圧乾燥、流動乾燥などの当業者が通常用いる方法により行われる。さらに、以上の方法で得られた乾燥物を、当業者に知られる方法を用いて粉末化して使用することが可能である。
本発明の組成物において用いられる黒生姜抽出物は特に限定されないが、例えば、抽出物全量に対する57DMF量の割合(57DMF含量)は0.01〜50%(W/W)であり、好ましくは0.1〜40%(W/W)、より好ましくは0.5〜30%(W/W)、さらに好ましくは1〜20%(W/W)である。
本発明の組成物は、上記した黒生姜に加えて、生姜、桂皮、薬用人参及びビタミンBからなる群から選ばれる1種又は2種以上の成分を含有する。
生姜、桂皮、薬用人参及びビタミンBは、それぞれ通常知られているとおりのものであれば特に限定されない。例えば、生姜はショウガ(学名:Zingiber officinale)として知られており、その根茎であることが好ましい。桂皮(ケイヒ)は、シナモン(学名:Cinnamomum)として知られており、その樹脂や周皮であることが好ましい。薬用人参は、セリ目ウコギ科植物として知られており、オタネニンジン、チョウセンニンジン、コウライニンジン、ニンジン(人蔘)などとも呼ばれており、その根茎であることが好ましい。ビタミンBは好ましくはチアミン又はその塩若しくは誘導体であり、CAS登録番号が59−43−8や67−03−8などの化合物であることが好ましい。
生姜、桂皮及び薬用人参は、黒生姜と同様に、採取した状態の未加工のものに加えて、例えば、処理物(乾燥物、裁断物など)又はそれらの粉末、搾汁、抽出物などの加工物であり得る。生姜、桂皮及び薬用人参の加工物は、本願明細書の黒生姜の加工物に関する記載を参照して製造し得る。ビタミンBは、当業者が通常知り得るビタミンBを製造する方法に準じて、製造し得る。
生姜、桂皮、薬用人参及びビタミンBは、後述する実施例に記載のとおりに、市場に流通しているものであってもよい。生姜、桂皮、薬用人参及びビタミンBは、それぞれ生姜抽出物、桂皮粉末、薬用人参抽出物、ビタミンB粉末であることが好ましい。
生姜、桂皮、薬用人参及びビタミンBは、各々単独ではほとんどPPARγの発現促進作用を示さない。しかし、驚くべきことに、黒生姜と組み合わせることで、PPARγの発現量を促進するように作用する。したがって、黒生姜と、生姜、桂皮、薬用人参及びビタミンBの各成分との組み合わせによるPPARγの発現促進作用は、相加的というよりも、相乗的な作用であるということができる。このようなPPARγの発現促進作用により、本発明の組成物は、黒生姜と、生姜、桂皮、薬用人参及びビタミンBからなる群から選ばれる少なくとも1種類の成分とを含有することによって、PPARγ発現促進組成物であり得る。また、このようなPPARγ発現促進作用によって、皮下脂肪の過剰な蓄積を抑制しセルライトの発生を予防することが期待できることから、本発明の組成物は皮膚外用組成物として有用である。
さらに、黒生姜と生姜、桂皮、薬用人参及びビタミンBの各成分との組み合わせによるPPARγ発現促進作用によって、インスリン抵抗性を引き起こす肥大大型脂肪細胞を正常な小型脂肪細胞に置き換えることができ、それにより脂肪細胞の量は変えないもののそのサイズと質を変え、さらに脂肪細胞由来のインスリン抵抗性惹起因子(TNF−α、FFAなど)の過剰産生を正常化することが期待でき、結果として抗肥満効果及び抗インスリン抵抗性効果をもたらす。したがって、本発明の組成物は、黒生姜と、生姜、桂皮、薬用人参及びビタミンBからなる群から選ばれる少なくとも1種類の成分とを含有することによって、抗肥満組成物及び抗インスリン抵抗性組成物であり得る。
また、本発明の組成物は、PPARγの発現促進作用により、褐色脂肪細胞を活性化し;脂肪細胞の熱及びエネルギーの消費を促進し;脂質の代謝を促進し得るものであることから、褐色脂肪活性化組成物、褐色脂肪増殖組成物、熱産生促進組成物、冷え症改善組成物、エネルギー消費促進組成物及び脂質代謝促進組成物であり得る。
そして、本発明の組成物を使用することにより、例えば、脂肪細胞におけるTNF−α及びFFAの分泌抑制;脂肪細胞におけるアディポネクチンの分泌促進;肝臓細胞における脂肪のβ酸化促進;肥大化脂肪細胞のアポトーシス、分化及び小型化などのうち少なくとも1つの作用を誘導し得る。
本発明の抗肥満組成物が奏する抗肥満効果とは、被験体における現在又は将来の肥満若しくは肥満症であるとされる状態になることを抑制若しくは遅滞又はその状態を改善することをいう。インスリン抵抗性とは、肝臓、脂肪細胞、骨格筋などで、インスリンの主な作用である糖の吸収促進作用が弱っている状態をいう。本発明の抗インスリン抵抗性組成物が奏する抗インスリン抵抗性効果とは、被験体におけるSSPG(Steady−state plasma glucose)法などによる現在又は将来のインスリン抵抗性の指標となる値がより悪化することを抑制若しくは遅滞又はその値を改善することをいう。本発明のPPARγ発現促進組成物が奏するPPARγ発現促進効果とは、被験体におけるPPARγ遺伝子の発現量を促進すること、PPARγタンパク質の翻訳量を増大すること及びPPARγを活性化することのうち少なくともいずれか1つの作用をいう。
肥満は様々な疾病の原因となることが知られており、そのような疾病としては2型糖尿病、高血圧症、高脂血症などが挙げられる。さらにこれらの疾病を通じ、脳卒中や虚血性心疾患などがもたらされる場合もある。肥満状態になると、脂肪細胞の肥大が認められ、TNF−α及び遊離脂肪酸(FFA)が分泌され、これらが筋肉細胞や肝臓細胞などのインスリンの標的細胞での糖の取り込みを阻害するとともに、インスリンの働きを促進するアディポネクチンの分泌が抑制され、細胞レベルでインスリン感受性の低下を引き起こし、インスリン抵抗性が生じる。上記の肥満によってもたらされる疾病は、インスリン抵抗性に基づく、一連の代謝異常状態とみられている。そこで、本発明の組成物を用いることにより、肥満や肥満症と関連付けられる2型糖尿病、高血圧症、高脂血症などの疾病を予防又は改善することが可能である。
ここで、2型糖尿病の予防及び改善とは、糖尿病の状態又は境界域の状態になることを抑制若しくは遅滞又はそれらの状態から正常域といわれる状態に近づけることをいう。高血圧症の予防及び改善とは、高血圧とされる状態又は境界域の状態になることを抑制若しくは遅滞又はその状態から正常域といわれる状態に近づけることをいう。高脂血症の予防及び改善とは、高脂血症の状態又は境界域の状態になることを抑制若しくは遅滞又はその状態から正常域といわれる状態に近づけることをいう。
本発明の組成物において、黒生姜と組み合わせられるものは、生姜、桂皮、薬用人参及びビタミンBのうちのいずれか1種であればよいが、これらのうち2種以上が好ましく、3種以上がより好ましく、4種全てがさらに好ましい。特に、後述する実施例に照らせば、黒生姜と薬用人参との組み合わせが好ましく、黒生姜及び薬用人参に加えてビタミンB、桂皮及び/又は生姜を組み合わせることがより好ましい。
本発明の組成物の製造方法は特に限定されず、例えば、室温や加温下で、黒生姜抽出物と、生姜抽出物、桂皮粉末、薬用人参抽出物、ビタミンB粉末などとを混合することにより、固形状組成物とすることができる。または、この固形状組成物を、水などの溶媒に溶解させて液状組成物とすることができる。さらに、黒生姜、生姜、桂皮、薬用人参及びビタミンBのいずれか1種以上の液状物に、他の固形状成分を加えて混合することにより液状組成物とすることができる。なお、得られた液状組成物は、乾燥処理を経て、粉末化しても良い。この場合の乾燥処理の方法としては、噴霧乾燥、凍結乾燥などが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明において、黒生姜抽出物並びに生姜、桂皮、薬用人参及びビタミンBの含有量は特に限定されず、例えば、これらの質量比([黒生姜]:[生姜、桂皮及び薬用人参の各成分の総量])は1:0.001〜20であり、好ましくは1:0.01〜10であり、より好ましくは1:0.05〜5である。また、例えば、黒生姜抽出物及びビタミンBの質量比([黒生姜]:[ビタミンB])は1:0.01〜10であり、好ましくは1:0.01〜5であり、より好ましくは1:0.05〜1であり、さらに好ましくは1:0.05〜0.5である。
本発明の組成物は、用途に応じて、そのままで、又は他の成分と混合して使用することができる。このように、本発明の組成物は、黒生姜並びに生姜、桂皮、薬用人参及びビタミンBの他に、本発明の目的を達成し得る限り、種々のものを配合できる。
例えば、本発明の組成物には、賦形剤、増量剤、結合剤、増粘剤、乳化剤、着色料、香料、香油などの通常の加工に使用される添加物をさらに含有することができる。添加物の使用量は、本発明の課題の解決を妨げない限り特に限定されず、適宜調整される。
本発明の組成物は、通常用いられる形態であれば特に制限されず、例えば、液状、ローション状、ムース状、ゲル状、ゼリー状、乳液状、懸濁液状、クリーム状、軟膏状、シート状、エアゾール状、スプレー状、スティック状、粉状、粒状、顆粒状、錠状、棒状、板状、ブロック状、固形状、飴状、ペースト状、カプセル状、カプレット状などの各形態を採り得る。
本発明の組成物は、非経口用組成物として、例えば、化粧品に適した形態として使用することができる。例えば、本発明の組成物は、そのままで、又は通常化粧品の加工に使用される添加物と混合して、ローション剤、乳剤、ゲル剤、クリーム剤、軟膏剤などの種々の形態に加工され得る。具体的には、化粧水、化粧クリーム、乳液、クリーム、パック、ヘアトニック、ヘアクリーム、シャンプー、ヘアリンス、トリートメント、洗顔剤、ファンデーション、育毛剤、水性軟膏、スプレーなどとして利用できる。
本発明の組成物の成人1日の摂取量は特に限定されず、摂取態様や摂取者の摂取内容や健康状態などに応じて適宜設定され得るが、例えば、黒生姜抽出物の質量換算で、成人1日の摂取量として、1〜10,000mg、好ましくは10〜1,000mg、より好ましくは50〜500mg、さらに好ましくは50〜200mgである。
本発明の組成物に含有される黒生姜の含有量は、PPARγ発現促進作用が認められる量であれば特に限定されないが、化粧品などの非経口用組成物としては、例えば、0.0001〜1wt%、好ましくは0.001〜0.1wt%であり、経口用組成物としては、例えば、0.1〜50wt%、好ましくは1〜30wt%である。
本発明の組成物に含有される生姜、桂皮、薬用人参及びビタミンBの含有量は、黒生姜とともに配合されることによりPPARγ発現促進作用が認められる量であれば特に限定されないが、化粧品などの非経口用組成物としては、例えば、0.0001〜1wt%、好ましくは0.001〜0.1wt%であり、経口用組成物としては、例えば、生姜、桂皮及び薬用人参についてはそれぞれ0.1〜50wt%、好ましくは1〜30wt%であり、ビタミンBについては0.01〜30wt%、好ましくは0.1〜10wt%である。
本発明の組成物の具体的な態様として、例えば、黒生姜を40〜90wt%、生姜、桂皮、薬用人参又はビタミンBを10〜60wt%の割合で含有する組成物が挙げられる。このうち、黒生姜を50〜80wt%、生姜、桂皮、薬用人参又はビタミンBを20〜50wt%の割合で含有する組成物がより好ましい。
本発明の組成物の別の具体的な態様として、黒生姜を40〜90wt%、生姜、桂皮、薬用人参及びビタミンBからなる群から選ばれる2種の成分を合計で10〜60wt%の割合で含有する組成物が挙げられる。このうち、黒生姜を50〜80wt%、薬用人参を10〜30wt%、生姜、桂皮又はビタミンBを10〜20wt%の割合で含有する組成物が挙げられる。
本発明の組成物の別の具体的な態様として、黒生姜を40〜90wt%、生姜、桂皮、薬用人参及びビタミンBからなる群から選ばれる3種の成分を合計で10〜60wt%の割合で含有する組成物が挙げられる。このうち、黒生姜を50〜80wt%、薬用人参を7.5〜20wt%、ビタミンBを7.5〜20wt%、生姜又は桂皮を5〜10wt%の割合で含有する組成物が挙げられる。
本発明の組成物の別の具体的な態様として、黒生姜を40〜90wt%、生姜、桂皮、薬用人参及びビタミンBの4種の成分を合計で10〜60wt%の割合で含有する組成物が挙げられる。このうち、黒生姜を50〜80wt%、薬用人参を7.5〜20wt%、ビタミンBを7.5〜20wt%、桂皮を2.5〜5wt%、生姜を2.5〜5wt%の割合で含有する組成物が挙げられる。
上記した本発明の組成物の具体的な態様は、黒生姜、生姜、桂皮、薬用人参及びビタミンBの総質量に対する割合を示すものである。すなわち、上記の黒生姜、生姜、桂皮、薬用人参及びビタミンBの割合は、添加物を除いた、黒生姜、生姜、桂皮、薬用人参及びビタミンBの総質量に対する、黒生姜、生姜、桂皮、薬用人参及びビタミンBのそれぞれの割合を示すものである。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではなく、本発明の課題を解決し得る限り、本発明は種々の態様をとることができる。
(1)黒生姜粉砕物の製造
黒生姜の根茎を洗浄後、1〜10mm程度にスライスし、1日天日干しにした。その後、40〜100℃に設定したオーブン乾燥機で4〜6時間乾燥し、粗粉砕後、130〜200℃で5〜20秒間殺菌を行った。殺菌した粗粉砕物を粉砕機によって粉砕し、黒生姜の根茎粉砕物を得た。同様の方法により、黒生姜の茎粉砕物、葉粉砕物及び花粉砕物を得た。これらを黒生姜粉砕物とした。
(2)黒生姜抽出物の製造
上記した方法により得た黒生姜粉砕物 300gを秤量し、60%(V/V)エタノール 3Lと共に三角フラスコに入れた。途中で何回か攪拌しながら室温で24時間静置して1回目の抽出を行った。これを減圧ろ過して、1回目の抽出液を得た。減圧ろ過後の残渣を60%(V/V)エタノール 3Lに浸漬して、室温で24時間静置して2回目の抽出を行った。これを減圧ろ過して、2回目の抽出液を得た。これら1回目及び2回目の抽出液を併せた抽出混合液を減圧濃縮して黒生姜抽出物を得た。得られた黒生姜抽出物は、57DMF含量が9.27%(W/W)であった。
(3)被験物質
得られた黒生姜抽出物または発酵黒生姜抽出物、生姜抽出物、桂皮粉末、薬用人参抽出物、ビタミンB粉末を被験物質として用いた。
(4)コラゲナーゼ溶液の調製
コラゲナーゼが0.2%(W/V)、BSAが1%(W/V)となるように調製したDMEM培地を、室温で1時間振盪することによって、コラゲナーゼ溶液を調製した。
(5)褐色脂肪細胞液の調製
Sea:ICRマウスをジエチルエーテルで安楽殺した後、背部から褐色脂肪組織を摘出した。得られた褐色脂肪組織から、ピンセットを用いて、褐色脂肪の周辺に付着している脂肪組織、血管、筋肉などを取り除いた後、褐色脂肪をDMEM中で3回洗浄した。次いで、コラゲナーゼ溶液に褐色脂肪を浸し、溶液中で褐色脂肪をハサミで細かく切り刻む細断処理に供した。細断処理した褐色脂肪をコラゲナーゼ溶液中で、37℃で1時間インキュベートすることにより細胞分散液を得た。得られた細胞分散液を、100μmの孔径のセルストレイナーでろ過し、次いで遠心処理(800rpm、5min、20℃)に供した。次いで、沈殿した細胞をDMEMで懸濁して、細胞懸濁液を得た。次いで、オートクレーブで滅菌処理した25μmフィルターを用いて、得られた細胞懸濁液をろ過した。ろ過上清を遠心(800rpm、5min、20℃)した後、沈殿した細胞を10%(V/V)FBS含有DMEMで懸濁し、褐色脂肪細胞液とした。
(6)培地の調製
増殖培地として、10%(V/V)FBS含有DMEMを用いた。
分化誘導培地として、増殖培地に2.5μM デキサメタゾン、10μg/ml インスリン及び0.5mM IBMXを含有するものを調製した。
維持培地として、上記インスリン溶液を用いて、増殖培地に10μg/ml インスリンを含有するものを調製した。
被験物質含有培地は以下のとおりに調製した。すなわち、各被験物質をDMSOに溶解後、維持培地で希釈して、DMSO終濃度が0.5%(V/V)となるように調製し、フィルター滅菌した。滅菌後、0.5%(V/V)DMSO含有維持培地を用いて所定濃度、すなわち、黒生姜抽出物、発酵黒生姜抽出物、生姜抽出物、桂皮粉末、薬用人参抽出物及びビタミンB粉末を20μg/ml又は40μg/mlとなるように希釈した。
(7)細胞培養
75cmフラスコにコラーゲンコート溶液を5ml入れ、室温で約1時間静置後、コラーゲンコート溶液を吸引除去し、5mlのPBSで2回洗浄を行うことによって、コラーゲンコートフラスコを得た。
褐色脂肪細胞液をコラーゲンコートフラスコに加え、37℃、5%COインキュベーター内で、褐色脂肪細胞を24時間培養した。次いで、培養後の褐色脂肪細胞を、増殖培地を用いて1回洗浄した後、新しい増殖培地に交換し、サブコンフルエントになるまで培養を行った。
培養後の褐色脂肪細胞をトリプシン処理に供し浮遊させた。得られた浮遊細胞を、コラーゲンコート(コラーゲンコート溶液 350μl/ウェル、PBS洗浄 350μl/ウェル×2回)した24ウェルプレートの各ウェルに播種した。
増殖培地を用いてコンフルエントになるまで、褐色脂肪細胞を培養した。各ウェルより培地を除去後、各ウェルに分化誘導培地を500μl添加し、48時間培養した。
分化誘導培地を除去後、20μg/ml 被験物質含有培地の500μlを添加し、8日間培養した。培地は1日おきに交換した。黒生姜抽出物又は発酵黒生姜抽出物と各被験物質とを組み合わせた培地については、それぞれの40μg/ml 被験物質含有培地を250μlもしくは500μl添加し、被験物質が20μg/mlもしくは40μg/mlとなるようにした。なお、陰性コントロールには維持培地を用いた。適用した被験物質の概要を表1および表2に示す。

8日間の培養後、上清を回収し、RNeasy Mini Kit(QIAGEN製)を用いてRNAを回収し、QuantiTect Reverse Transcription Kit(QIAGEN製)を用いてcDNAを合成した。
得られたcDNAを鋳型として、PPARγ遺伝子に対するプライマー(QIAGEN製)を用いて、Rotor−Gene SYBR Green PCR Kit(QIAGEN製)により定量リアルタイムPCRを行い、PPARγのmRNA発現量を測定した。内在性コントロールとして、GAPDHプライマー(QIAGEN製)を用いて、GAPDHのmRNA発現量を測定した。
各被験物質を供した場合における、PPARγのmRNA発現量の測定結果(内在性コントロールに対する相対発現量)を図1に表わした。図1、2が示すように、比較例1〜8である生姜抽出物、桂皮粉末、薬用人参抽出物又はビタミンB粉末の単独物は陰性コントロールとPPARγのmRNA発現量は差異がなかったか、または低いにも関わらず、実施例1〜8である黒生姜抽出物または発酵黒生姜抽出物と生姜抽出物、桂皮粉末、薬用人参抽出物又はビタミンB粉末とを組み合わせた組成物は、参考例1〜3である黒生姜抽出物または発酵黒生姜抽出物の単独物に比べて、PPARγのmRNA発現量を促進した。この結果は、黒生姜抽出物または発酵黒生姜抽出物は、生姜抽出物、桂皮粉末、薬用人参抽出物又はビタミンB粉末と組み合わせることによって、相加的よりもむしろ相乗的にPPARγのmRNA発現量を促進することがわかった。
(配合例1:化粧水)
全体を100質量部として、黒生姜抽出物 0.01質量部、生姜抽出物 0.01質量部、グリセリン 10質量部、ジグリセリン 3質量部、1,3−ブチレングリコール 12質量部、ペンチレングリコール 3質量部、ヒアルロン酸ナトリウム 0.1質量部、クエン酸 0.01質量部、クエン酸ナトリウム 0.02質量部、キサンタンガム 0.1質量部、メチルパラベン 0.15質量部、カルボマー 0.2質量部、水酸化ナトリウム 0.03質量部及び水 残部を混合して、化粧水の態様で本発明の組成物を調製した。
(配合例2:シャンプー)
全体を100質量部として、黒生姜抽出物 0.01質量部、桂皮抽出物 0.02質量部、ラウレス硫酸ナトリウム 7.5質量部、コカミドプロピルベタイン 4.2質量部、コカミドDEA 3質量部、1,3−ブチレングリコール 0.1質量部、ポリクオタニウム−10 0.225質量部、クエン酸 0.15質量部、クエン酸ナトリウム 0.05質量部、フェノキシエタノール 0.9質量部及び水 残部を混合して、シャンプーの態様で本発明の組成物を調製した。
(配合例3:石鹸)
全体を100質量部として、黒生姜粉砕物 0.5質量部、薬用人参抽出物 0.2質量部、グリセリン 2質量部、オリーブ油 1質量部、EDTA−4ナトリウム 0.1質量部、エチドロン酸4ナトリウム 0.2質量部及び石ケン素地 残部を混合及び固化することにより、石鹸の態様で本発明の組成物を調製した。
(配合例4:乳液)
全体を100質量部として、黒生姜抽出物 0.1質量部、チアミン塩酸塩 0.1質量部、ショ糖脂肪酸エステル 3質量部、グリセリン 12質量部、スクアラン 6質量部、ジメチルシリコーンオイル 24質量部、ポリプロピレングリコール 1質量部、増粘剤 0.06質量部、フェノキシエタノール 0.2質量部、エタノール 5質量部、水酸化ナトリウム 0.01質量部及び精製水 残部を混合して、乳液の態様で本発明の組成物を調製した。
(配合例5:化粧用クリーム)
全体を100質量部として、黒生姜抽出物 0.1質量部、オタネニンジンエキス 0.1質量部、スクワラン 15.0質量部、ミリスチン酸オクチルドデシル 4.0質量部、水素添加大豆リン脂質 0.2質量部、ブチルアルコール 2.4質量部、硬化油 1.5質量部、ステアリン酸 1.5質量部、親油型モノステアリン酸グリセリン 1.5質量部、モノステアリン酸ポリグリセリル 0.5質量部、ベヘニルアルコール 0.8質量部、モノミリスチン酸ポリグリセリル 0.7質量部、サラシミツロウ 0.3質量部、d−δ−トコフェロール 0.1質量部、メチルパラベン 0.3質量部、C10〜30アルキル変性カルボキシビニルポリマー 0.2質量部、カルボキシビニルポリマー 0.1質量部、1,3−ブタンジオール 18.0質量部、水酸化ナトリウム 0.1質量部及び精製水 残部を混合して、化粧用クリームの態様で本発明の組成物を調製した。
(配合例6:パック剤)
全体を100質量部として、黒生姜抽出物 0.1質量部、ケイヒエキス 0.01質量部、ポリビニルアルコール 20.0質量部、グリセリン 5.0質量部、エタノール 20.0質量部、カオリン 6.0質量部、防腐剤 0.2質量部、香料 0.1質量部及び精製水 残部を混合して、パック剤の態様で本発明の組成物を調製した。
(配合例7:錠剤)
全体を100質量部として、黒生姜粉末 10質量部、ケイヒ末 8質量部、ビタミンB 5質量部、結晶性セルロース 20質量部、乳糖 50質量部、ステアリン酸マグネシウム 4質量部及びコーンスターチ 残部を混合及び打錠することにより、錠剤の態様で本発明の組成物を調製した。
(配合例8:顆粒剤)
全体を100質量部として、黒生姜粉末 10質量部、薬用ニンジン末 15質量部、乳糖 10質量部、ステアリン酸カルシウム 1質量部及び結晶セルロース 残部を混合及び顆粒化することにより、顆粒剤の態様で本発明の組成物を調製した。
(配合例9:カプセル剤)
全体を100質量部として、黒生姜抽出物 10質量部、生姜抽出物 20質量部、レシチン 8質量部及びオリーブ油 残部を混合して調製したものを内容液として、これをカプセル殻に内包することにより、カプセル剤の態様で本発明の組成物を調製した。
(配合例10:液剤)
全体を100質量部として、黒生姜エキス粉末 0.84質量部、ビタミンB 1質量部、果糖ブドウ糖液糖 10質量部、クエン酸 1質量部、安息香酸ナトリウム 0.02質量部、香料製剤 2質量部、スクラロース 0.05質量部、アセスルファムカリウム 0.03質量部、及び精製水 残部を混合して、液剤の態様で本発明の組成物を調製した。
本発明の組成物は、非経口的及び経口的のいずれの態様においても適用可能な黒生姜並びに生姜、桂皮、薬用人参及びビタミンBからなる群から選ばれる少なくとも1種類の成分を含むものであり、肥満やそれに伴う疾病を被る被験体にとって有用なものであり、このような被験体の健康及び福祉に資するものである。

Claims (1)

  1. 黒生姜及び薬用人参を含有する抗肥満用経口組成物(ただし、金時生姜を含むものを除く)
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