JP6302321B2 - 電池電極用塗料製造用の液体処理装置 - Google Patents

電池電極用塗料製造用の液体処理装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6302321B2
JP6302321B2 JP2014067981A JP2014067981A JP6302321B2 JP 6302321 B2 JP6302321 B2 JP 6302321B2 JP 2014067981 A JP2014067981 A JP 2014067981A JP 2014067981 A JP2014067981 A JP 2014067981A JP 6302321 B2 JP6302321 B2 JP 6302321B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid
intermediate material
defoaming
stabilization
rotor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014067981A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015188827A (ja
Inventor
尚 古市
尚 古市
勇 森本
勇 森本
和彦 飯田
和彦 飯田
潤 野口
潤 野口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
PRIMIX CORP
Original Assignee
PRIMIX CORP
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by PRIMIX CORP filed Critical PRIMIX CORP
Priority to JP2014067981A priority Critical patent/JP6302321B2/ja
Publication of JP2015188827A publication Critical patent/JP2015188827A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6302321B2 publication Critical patent/JP6302321B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Degasification And Air Bubble Elimination (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Description

本発明は、処理対象である液体に対して脱泡処理を含む処理を行う液体処理装置に関する。
処理対象である液体に対して、脱泡処理を含む処理を行う液体処理装置は、様々な産業分野において用いられており、このような処理が施される液体として多様な液体が存在する。このような液体の一例として、たとえば、電極を形成するための電極用基材に対して塗布される電極用塗料が挙げられる。当該電極は、電池を構成する一部品である。リチウムイオン二次電池に代表される電池需要は、ポータブル電子機器用電源のほか、電気自動車用電源、風力・太陽光発電設備によって発電された電力の蓄積等をはじめ、今後ますます増大することが予測される。また、電池自体の小型化、軽量化、安全性の一層の促進が同時に要請されている。たとえば、電気自動車用電源としてリチウムイオン電池を用いる場合、適当な電圧を得るために複数の電池が直列に接続された状態で使用される。これらの電池のいずれかに電極欠陥が存在するものがあると、発火等の危険が増大する。一方、電池自体の大容量小型化を実現するためには、電極のより一層の薄膜化が要請される。
安全性を担保した上で電極のより一層の薄膜化を実現するためには、電極用基材に対して電極用塗料を薄状に、かつ、電極用基材の表面のすべての領域において均一に塗布する必要がある。しかし、その実現は、困難を極めているのが実情である。仮に電極用基材に塗布された電極用塗料が不均一であったり、不純物が点在していたりすると、電極欠陥となり、安全性が一挙に低下してしまう。
二次電池の電極用塗料は、一般的に粉体が高濃度(たとえば50wt%程度)で含有されており相当に高粘度である。このような電極用塗料の製造方法は、たとえば、電極材料を容器内に投入し、攪拌羽根を回転させて分散および攪拌する。次いで、分散および攪拌した後に、電極用塗料の中間材料に含まれた気泡などを除くための脱泡処理を行う。そして、この中間材料を所定の時間静置させることにより、中間材料の含有成分を安定化させ均一に分布させることが好ましい。
図5は、上述した電極料塗料の中間材料をはじめとする液体に対して、専ら脱泡処理を行う従来の液体処理装置を示している(たとえば、特許文献1〜3参照)。同図(a)(b)に示された減圧脱泡装置X1,X2は、いずれも集液槽91、飛散部92、減圧ポンプ93および送液ポンプ94を備えている。集液槽91は、減圧ポンプ93によって内圧が所定の真空度となるように減圧される。飛散部92は、送液されてきた液体を集液槽91内において飛散させる機能を果たす。飛散部92から飛散された液体は、真空中を落下する。この際に、液体に含まれる気泡の除去が図られる。集液槽91の下方から排出された液体は、送液ポンプ94によって、たとえば液体中の含有成分を安定化させ均一に分布させるための装置に送液される。
しかしながら、脱泡処理を終えた液体が送液される際には、この液体は送液ポンプ94などよって非常に強い圧力やせん断力を受ける。これにより、液体に含まれる含有成分の安定化処理が、さらに長い時間に及ぶことが懸念される。また、高粘度の液体を送液する送液ポンプ94やバルブなどにおいては、比較的強い摩耗が生じやすい。このため、摩耗によって生じた金属粉などが、処理対象である液体に混入するおそれがある。このように、脱泡処理を行った後の処理が長時間化してしまうことや、液体への異物混入が問題となる。
さらに、同図(a)に示す減圧脱泡装置X1においては、飛散部92においてある程度液体を滞留させた後に飛散させる原理をとっている(たとえば、特許文献1,2参照)。真空空間とされた集液槽91内において可能な限り広い領域に液体を細かく飛散させることが脱泡促進には好ましい。しかし、飛散させるために液体を滞留させる原理によると、脱泡処理が長時間化してしまう。また、同図(b)に示す減圧脱泡装置X2においては、回転によって飛散された液体が、集液槽91の内面を伝って落下する(特許文献3参照)。このため、液体の相当部分が集液槽91の内面に接した状態で落下することとなり、液体と真空雰囲気との接直面積が減少してしまう。このようなことでは、十分な脱泡が達成できないおそれがある。
登録実用新案3000818号公報 登録実用新案3013544号公報 特開2001−9206号公報
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、液体への異物混入を抑制し処理時間の短縮化を図ることが可能な液体処理装置を提供することをその課題とする。さらに、本発明は、より短時間でより確実に脱泡処理を行うことが可能な液体処理装置を提供することをその課題とする。
本発明によって提供される液体処理装置は、処理対象である電池電極用塗料の中間材料を含む液体に対して脱泡処理を含む処理を行う電池電極用塗料製造用の液体処理装置であって、減圧空間において液体を落下させることによって脱泡処理を行う減圧脱泡機構と、前記減圧脱泡機構と前記減圧空間を共有し、かつ前記減圧空間に前記液体の液面を暴露させた状態で前記液体を滞留させることにより前記液体に対して安定化処理を行うための滞留安定化槽と、を備え、前記減圧脱泡機構は、 前記液体を受ける受液面を有し、かつ前記受液面に対して交差する方向に延びる回転軸廻りに回転自在であるロータと、前記ロータの径方向外方において前記ロータを囲み、かつ前記滞留安定化槽とは別体とされた筒体と、を備え、前記受液面は、半球殻形状又は椀形状であり、
外部から送液された前記液体を前記減圧脱泡機構の前記受液面によって受け、かつ前記減圧脱泡機構を経た液体を、前記筒体によって前記滞留安定化槽の液面に直接落下させることを特徴としている。
本発明によれば、前記減圧脱泡機構による脱泡処理と前記滞留安定化槽による安定化処理とが一つの装置において実行される。このため、異なる複数の装置間において液体を送液する必要がない。これにより、たとえば送液ポンプやバルブなどにおいて、液体に強い圧力やせん断力が作用することを回避することができる。したがって、安定化処理に要する時間を短縮することができる。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
本発明の第一実施形態に基づく液体処理装置を示す装置構成図である。 図1の液体処理装置を示す要部拡大断面図である。 本発明の第二実施形態に基づく液体処理装置を示す要部拡大断面である。 参考例としての減圧脱泡装置を示す断面図である。 (a),(b)は、従来の液体処理装置の例を示す断面図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
図1および図2は、本発明の第一実施形態に基づく液体処理装置を示している。本実施形態の液体処理装置A1は、減圧脱泡機構1および滞留安定化槽5を備えている。本発明に係る液体処理装置によって処理される液体は特に限定されないが、以下においては電極用基材に塗布される電極用塗料、より具体的にはその中間材料を一例として説明する。液体処理装置A1は、このような中間材料に対して、減圧脱泡機構1による脱泡処理と、滞留安定化槽5による安定化処理とを施す。
液体処理装置A1に送られる中間材料には、図1に示す攪拌装置7によって前処理が施される。この前処理は、たとえば、リチウムイオン二次電池用の電極用材料を得るべく選択された活物質としての粉末、溶媒、バインダー等を分散および攪拌する処理である。たとえば、正極用活物質としては、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム、リン酸鉄リチウムおよびそれらの複合体ならびに変性体の粉末が挙げられる。また、負極用活物質としては、天然黒鉛、人造黒鉛、シリコン系化合物や各種合金材料の粉末が挙げられる。
攪拌装置7は、たとえば撹拌槽71および攪拌ロッド72を備えている。撹拌槽71には、中間材料の材料である前記粉末、溶媒、バインダー等が投入される。攪拌ロッド72は、先端に攪拌羽根を有する回転可能な部品である。攪拌ロッド72が回転することにより、撹拌槽71に投入された材料が攪拌ロッド72の前記攪拌羽根によって分散および攪拌される。攪拌装置7によって得られる中間材料は、一般的に粉体が高濃度(たとえば50wt%程度)で含有されており相当に高粘度である。
滞留安定化槽5は、中間材料を滞留させることにより、安定化処理を施すためのものである。また、本実施形態においては、滞留安定化槽5は、中間材料に対する脱泡処理および安定化処理を行いうる減圧空間59を構築するものであり、所定の密閉化方策が施された槽である。この減圧空間59は、減圧脱泡機構1と滞留安定化槽5とによって共有される。本実施形態においては、滞留安定化槽5は、底板部51、天板部52、側板部53からなり、全体として図中上下方向を軸方向とする円筒形状とされている。底板部51および天板部52は、互いに上下方向に離間しており、底板部51が下方に位置し、天板部52が上方に位置している。側板部53は、底板部51および天板部52の端縁どうしを繋いでおり、上下方向に沿って起立している。なお、滞留安定化槽5の形状や構成は特に限定されず、減圧空間59を適切に構築しつつ、安定化処理を行いうる構成であればよい。滞留安定化槽5の材質は、特に限定されないが、一例としてはたとえばステンレスが挙げられる。
滞留安定化槽5には、レベルスイッチ54およびレベルスイッチ55が設置されている。レベルスイッチ54およびレベルスイッチ55は、滞留安定化槽5に滞留する中間材料の液面の高さを所望の範囲に維持するためのものである。レベルスイッチ54は、中間材料の液面の最高位に相当する位置に設置されている。たとえば、レベルスイッチ54に中間材料の液面が到達すると、バルブ73の制御によって滞留安定化槽5への中間材料の送液を停止したり、送液ポンプ63の制御によって滞留安定化槽5からの中間材料の送液を開始する。レベルスイッチ55は、中間材料の液面の最低位に相当する位置に設置されている。
減圧ポンプ61は、滞留安定化槽5内を減圧することにより減圧空間59を実現するためのポンプである。気圧計62は、減圧空間59の気圧を計測するものである。減圧ポンプ61は、気圧計62の計測結果に基づいてたとえばフィードバック制御される。減圧空間59の設定圧力は処理対象となる液体によって適宜設定される。
滞留安定化槽5の底板部51から延びる配管には、送液ポンプ63およびバルブ64が設置されている。送液ポンプ63は、滞留安定化槽5における処理が終了した中間材料を液体処理装置A1外に送液するためのポンプである。バルブ64は、たとえば逆止弁であり、減圧された減圧空間59を内部に有する滞留安定化槽5に、外部から流体が進入することを阻止する。
減圧脱泡機構1は、処理対象である液体としての中間材料に対して脱泡処理を施すためのものである。減圧脱泡機構1は、滞留安定化槽5の内部に設定された減圧空間59において中間材料を落下させることにより脱泡を行う。図2によく表れているように、減圧脱泡機構1は、ロータ2、筒体3、モーター41、送液ノズル42および蓋部43を具備している。
蓋部43は、滞留安定化槽5に対して減圧脱泡機構1を脱着可能とするものであり、天板部52に形成された開口を覆うようにして、たとえばボルトによって気密状態で固定されている。送液ノズル42は、攪拌装置7によって分散および攪拌された中間材料をロータ2に向けて送液するものであり、たとえば直状のパイプからなる。本実施形態においては、蓋部43および筒体3に、送液ノズル42を挿通させるための貫通孔が設けられている。なお、少なくとも蓋部43の貫通孔と送液ノズル42との間には気密処理が施されている。
ロータ2は、送液ノズル42によって送液された中間材料を回転によって飛散させるものである。本実施形態においては、ロータ2は、回転軸21および受液部22を有している。回転軸21は、上下方向に延びており、蓋部43に設けられた貫通孔を通じてモーター41に連結されている。モーター41は、ロータ2を回転させるための駆動源である。なお、モーター41は、滞留安定化槽5の外部に設置されていることが好ましい。また、蓋部43の貫通孔と回転軸21との間には気密処理が施されている。なお、ロータ2の構成としては、部材としての回転軸21を有する構成が挙げられるが、本発明はこれに限定されない。たとえば、受液部22の外周側を環状に支持し、この外周部分に駆動力を伝達することにより、ロータ2が回転する構成であってもよい。この場合、ロータ2は、部材としての回転軸21は有さないが、回転する際には回転軸が明瞭に観念されるものであり、この回転軸廻りに回転自在であるといえる。
受液部22は、回転軸21の下端に取り付けられており、回転軸21とともに回転する。受液部22は、受液面23を有している。本実施形態においては、受液部22は、半球殻形状とされている。受液面23は、受液部22の内面のうち底部付近の領域であり、上下方向において上方を向いている。すなわち、回転軸21は、受液面23に対して交差する方向に延びていると言える。受液部22の材質は特に限定されないが、その一例としてたとえばステンレスが挙げられる。
筒体3は、ロータ2の径方向外方においてロータ2を囲み、かつ滞留安定化槽5とは別体とされている。本実施形態においては、上下方向に延びる回転軸21廻りにロータ2が回転するため、その径方向である水平方向において、筒体3はロータ2を囲んでいる。また、筒体3が滞留安定化槽5と別体であるとは、上述した減圧空間59を構築するための隔壁の一種として機能する滞留安定化槽5とは別に、筒体3が設けられていることを指す。本実施形態においては、より具体的には、回転軸21に対して水平方向に離間して配置された側板部53とは別体として、筒体3がさらに設けられていることがこれに相当する。筒体3の材質は特に限定されないが、その一例としてたとえばステンレスが挙げられる。
図1に示すように、筒体3は、その下端がレベルスイッチ54によって設定される中間材料の最高位液面よりも上方に位置している。また、本実施形態においては、図2に示すように、筒体3の下端は、ロータ2の下端と受液部22の上端との間に位置している。筒体3は、テーパ部31および支持部32を有している。支持部32は、テーパ部31を蓋部43に対して支持するものであり、たとえば複数本のアーム状部材によって構成されている。テーパ部31は、その上端が支持部32によって支持されており、下方に向かうほど直径が大となるコーン状部分である。
次に、液体処理装置A1の動作例について以下に説明する。
図1に示す攪拌装置7によって分散および拡散がなされた電極用塗料の中間材料は、撹拌槽71の下端に取り付けられた配管から排出される。この配管は、バルブ73を介して滞留安定化槽5に固定された送液ノズル42に繋がっている。滞留安定化槽5の内部が減圧ポンプ61によって減圧されることにより減圧空間59が構築された状態でバルブ73を開けると、負圧の作用によって撹拌槽71の中間材料が送液ノズル42から送液される。送液量の一例を挙げると、たとえば2〜16L/min程度である。
図2に示すように、送液ノズル42によって送液された中間材料は、ロータ2の受液面23によって受けられる。この際、ロータ2は、モーター41によって回転されている。このため、中間材料は、遠心力によって受液部22の内面に沿って径方向外方へと移動し、受液部22の端縁から速やかに吹き飛ばされる。この中間材料は、筒体3の内面、特にテーパ部31の内面に衝突し、これに沿って下降する。そして、図1に示すように、筒体3の下端から滞留安定化槽5にすでに滞留している中間材料の液面に向けて落下する。この際、減圧空間59を通過することとなり、脱泡処理がなされる。ロータ2の受液部22の直径の一例を挙げると、たとえば100〜200mm程度である。また、モーター41の回転数は、たとえば3000〜4500rpm程度である。
滞留安定化槽5に落下した中間材料は、その液面を減圧空間59に暴露した状態で、所定時間滞留される。この滞留によって、中間材料の含有成分が安定化される。また、中間材料における含有成分の分布密度が均一化される。なお、安定化処理や均一化処理をより適切に行うために、図示しない攪拌手段によって、滞留安定化槽5内の中間材料をごく緩やかに撹拌してもよい。滞留安定化槽5内の気圧は、たとえば1333Pa以下(10Torr以下)程度である。また、滞留安定化槽5の容積は、たとえば500L〜4000L程度である。滞留安定化槽5における中間材料の滞留時間は、たとえば0.5〜5Hr程度、より好ましくは1〜5Hr程度である。安定化処理を終えた中間材料は、底板部51に接続された配管からバルブ64および送液ポンプ63を介して、後の工程に送液される。これにより、中間材料が電極用塗料となる。なお、液体処理装置A1による脱泡処理および安定化処理の後に、中間材料を電極用塗料とするための他の処理を適宜行ってもよい。
次に、液体処理装置A1の作用について説明する。
本実施形態によれば、減圧脱泡機構1による脱泡処理と滞留安定化槽5による安定化処理とが一つの装置において実行される。このため、異なる複数の装置間において中間材料を送液する必要がない。このため、送液ポンプやバルブなどにおいて、中間材料に強い圧力やせん断力が作用することを回避することができる。これにより、安定化処理に要する時間を短縮することができる。また、減圧脱泡機構1による脱泡処理と滞留安定化槽5による安定化処理とが減圧空間59を共有することにより、これらの処理に要する装置全体の小型化を図ることができる。また、液体処理装置A1の減圧空間59に中間材料を導入することは、大気圧と減圧空間59の圧力との圧力差を利用して、ポンプなどによらず適切に行うことが可能である。このような圧力差を利用した送液においては、送液ノズル42が直状であることが、送液抵抗を低減させる観点から好ましい。
図5(a),(b)に示した減圧脱泡装置X1,X2を利用して液体の脱泡処理を行った後に安定化処理を行う構成の場合、内部が減圧された減圧脱泡装置X1,X2から、滞留安定化槽へと、たとえばポンプを介して中間材料を送液する必要がある。特に、この滞留安定化槽の内部が大気圧である場合、前記ポンプは相当な圧力差に逆らって中間材料を送液することが強いられる。これにより、中間材料の送液が困難となるという問題があった。これに対し、液体処理装置A1によれば、滞留安定化槽5内に減圧脱泡機構1が配置されており、減圧空間59を滞留安定化槽5と減圧脱泡機構1とが共有している。このような構成によれば、圧力差に逆らって中間材料を送液する必要がなく、上記問題が生じるおそれがない。
液体処理装置A1に送液された中間材料は、減圧脱泡機構1を経て滞留安定化槽5に滞留する中間材料の液面に直接落下する。これにより、脱泡処理から安定化処理へと中間材料を送液するための配管、ポンプおよびバルブなどが不要である。したがって、中間材料への異物の混入を好適に防止することができる。また、安定化処理に先立って脱泡処理を完了させることにより、安定化処理中や安定化処理後に、中間材料に強い圧力やせん断力が作用することを回避することができる。特に、リチウムイオン二次電池用の電極用材料を得る際に、正極用活物質としてコバルト酸リチウムが採用された場合、中間材料への摩擦片などの異物混入やせん断力が作用することに起因する問題が顕著となる。本実施形態によれば、このような問題を回避可能であり、リチウムイオン二次電池用の電極用材料の製造に好適である。
図2に示すように、受液面23で受けられた中間材料は、ロータ2が回転していることにより、受液部22の内面に沿って速やかに径方向外方に向けて吹き飛ばされる。このため、受液部22に中間材料を意図的に滞留させる必要がない。したがって、脱泡処理に要する時間を短縮することができる。また、ロータ2から吹き飛ばされた中間材料は、筒体3の内面によって受け止められ、そののちに、筒体3の下端から減圧空間59内を落下する。筒体3が滞留安定化槽5の側板部53などとは別体とされているため、中間材料は、滞留安定化槽5などに触れずに落下する。したがって、中間材料をより広い面積で減圧空間59に暴露することが可能であり、脱泡処理を促進することができる。特に、受液部22が半球殻形状とされていることにより、たとえば単なる平板状の受液部22と比べて、受液部22の受液面23を含む内面がより広いものとなっている。このため、この内面に沿って移動する中間材料の膜厚がより薄くなり、中間材料を減圧空間59とより確実に接触させることが可能である。これは、脱泡処理を促進するのに有利である。
内面が斜め下方を向くテーパ部31を設けることにより、受液部22から径方向外方斜め上方に吹き飛ばされた中間材料を、速やかに下方に向かわせることができる。テーパ部31と支持部32との境界が受液部22の上端よりも下方に位置していることは、中間材料の速やかな落下に好ましい。
図3は、本発明の他の実施形態を示している。なお、本図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。
図3は、本発明の第二実施形態に基づく液体処理装置を示している。本実施形態の液体処理装置A2は、減圧脱泡機構1の構成が上述した液体処理装置A1と異なっている。本実施形態においては、ロータ2の受液部22が上方に向かうほど直径が大となる部分を有する椀形状とされている。より具体的には、受液部22の底部付近は、比較的平板状であり、受液部22は、この平板部分の外周端から上方に向かって広がるテーパ部分を有する。本実施形態においては、受液面23は、受液部22の内面のうち底部付近の比較的平らな領域である。
本実施形態の筒体3は、テーパ部31およびストレート部33を有している。テーパ部31は、その上端が蓋部43に固定されており、下方に向かうほど直径が大となるコーン状部分である。ストレート部33は、テーパ部31の下端に繋がっており、直径が略一定である。本実施形態においては、テーパ部31とストレート部33との境界が、上下方向において受液部22の上端よりも若干下方に位置している。なお、ストレート部33を備える構成は、筒体3の一例である。筒体3は、たとえばストレート部33を備えず、テーパ部31のみによって構成されていてもよい。
このような実施形態によっても、安定化処理の時間短縮が可能であり、脱泡処理を促進することができる。
図4は、減圧脱泡機構1を適用した減圧脱泡装置を参考例として示している。図示された減圧脱泡装置8は、集液槽81および減圧脱泡機構1を備えており、専ら液体の脱泡処理を行うように構成されている。減圧脱泡機構1は、液体処理装置A1における構成を例として採用しているが、液体処理装置A2の減圧脱泡機構1であってもよい。
集液槽81は、減圧脱泡機構1による脱泡処理に供される減圧空間89を構築するとともに、脱泡処理が施された液体を集液するものである。集液槽81は、たとえばストレート部82およびテーパ部83を有している。集液槽81には、たとえば減圧ポンプ84および気圧計85が接続されている。減圧ポンプ84は、減圧空間89を構築するための減圧源であり、気圧計85は、真空度を監視するものである。テーパ部83の下端には、配管が繋げられている。この配管には、バルブ86と減圧脱泡装置8外へと送液するための送液ポンプ87とが設けられている。
このような参考例によっても、脱泡処理を促進することができる。
本発明に係る液体処理装置は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る液体処理装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。また、本発明に係る液体処理装置は、例えば重合反応処理を施した懸濁液から有機溶剤を除去及び回収するための、連続蒸発器としても使用することができる。
A1,A2 液体処理装置
1 減圧脱泡機構
2 ロータ
21 回転軸
22 受液部
23 受液面
3 筒体
5 滞留安定化槽
59 減圧空間
7 攪拌装置
8 減圧脱泡装置

Claims (1)

  1. 処理対象である電池電極用塗料の中間材料を含む液体に対して脱泡処理を含む処理を行う電池電極用塗料製造用の液体処理装置であって、
    減圧空間において液体を落下させることによって脱泡処理を行う減圧脱泡機構と、
    前記減圧脱泡機構と前記減圧空間を共有し、かつ前記減圧空間に前記液体の液面を暴露させた状態で前記液体を滞留させることにより前記液体に対して安定化処理を行うための滞留安定化槽と、を備え、
    前記減圧脱泡機構は、
    前記液体を受ける受液面を有し、かつ前記受液面に対して交差する方向に延びる回転軸廻りに回転自在であるロータと、
    前記ロータの径方向外方において前記ロータを囲み、かつ前記滞留安定化槽とは別体とされた筒体と、を備え、
    前記受液面は、半球殻形状又は椀形状であり、
    外部から送液された前記液体を前記減圧脱泡機構の前記受液面によって受け、かつ前記減圧脱泡機構を経た液体を、前記筒体によって前記滞留安定化槽の液面に直接落下させることを特徴とする、電池電極用塗料製造用の液体処理装置。
JP2014067981A 2014-03-28 2014-03-28 電池電極用塗料製造用の液体処理装置 Active JP6302321B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014067981A JP6302321B2 (ja) 2014-03-28 2014-03-28 電池電極用塗料製造用の液体処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014067981A JP6302321B2 (ja) 2014-03-28 2014-03-28 電池電極用塗料製造用の液体処理装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015188827A JP2015188827A (ja) 2015-11-02
JP6302321B2 true JP6302321B2 (ja) 2018-03-28

Family

ID=54423823

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014067981A Active JP6302321B2 (ja) 2014-03-28 2014-03-28 電池電極用塗料製造用の液体処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6302321B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6950640B2 (ja) * 2018-07-27 2021-10-13 トヨタ自動車株式会社 電極合材ペーストの製造方法

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4097249A (en) * 1976-12-27 1978-06-27 Dresser Industries, Inc. Method of fluid degassing
JPS5676214A (en) * 1979-11-27 1981-06-23 Dainippon Toryo Co Ltd Defoaming processor
JPS56100610A (en) * 1980-01-16 1981-08-12 Dainippon Toryo Co Ltd Defoaming device
JP3013544U (ja) * 1995-01-10 1995-07-18 浅田鉄工株式会社 脱泡装置
JP4349792B2 (ja) * 2002-11-20 2009-10-21 Fdk株式会社 負極ゲル製造方法
KR100583672B1 (ko) * 2004-06-07 2006-05-26 한국전기연구원 리튬이차전지용 고출력 극판의 제조방법
JP4974160B2 (ja) * 2007-05-17 2012-07-11 株式会社イズミフードマシナリ 連続脱気脱泡装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015188827A (ja) 2015-11-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4900544B1 (ja) 剪断式分散装置、循環式分散システム及び循環式分散方法
JP5895853B2 (ja) タンク装置、循環式分散システム、及び分散方法
CN102112565B (zh) 涂料的制造方法和装置
JP6357008B2 (ja) 泡破壊翼付きミキサー
WO2011040620A1 (ja) 処理装置
JP7008656B2 (ja) 攪拌装置
CN204183714U (zh) 一种双轴反向物料混合机
WO2018152803A1 (zh) 一种废干电池的破碎分离装置
CN102083516B (zh) 粉体处理装置
JP6302321B2 (ja) 電池電極用塗料製造用の液体処理装置
JP2015162298A (ja) 混練装置
WO2019225502A1 (ja) 攪拌装置
JP7027625B1 (ja) 攪拌装置
KR101858342B1 (ko) 수중함 연료 전지용 수소 발생장치
CN108854660A (zh) 一种锂离子电池生产原料混料装置
JP2015213886A (ja) 撹拌装置
CN114160270A (zh) 一种锂电池浆料的脱泡研磨设备
CN104258802A (zh) 一种螺杆锥形反应釜
CN217614374U (zh) 一种便于加料的粉末冶金用混料装置
RU173850U1 (ru) Устройство для электрохимической обработки графитовых нанопластин
JP2015008070A (ja) 電極用スラリーの製造方法及び電極用スラリーの製造装置
CN106076165A (zh) 一种乳剂除草剂混合搅拌设备
CN204208560U (zh) 一种化工反应器
CN204147857U (zh) 一种无夹套立方碱吸收筒
RU104486U1 (ru) Шаровая мельница

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170317

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170727

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170808

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20170922

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171129

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180220

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180302

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6302321

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250