JP6300505B2 - 助手席用エアバッグ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車の助手席側に配され、乗員とインストルメントパネルとの間に膨張展開するエアバッグを備えた助手席用エアバッグ装置に関する。
エアバッグ装置は、車両の衝突時にエアバッグの気室が膨張展開することで、乗員を拘束して乗員に対する安全性の向上を目的として用いられている。例えば、自動車の助手席用のエアバッグ装置は、一般に、インストルメントパネルの乗員対向部、あるいはインストルメントパネルの上部などに設けた扉予定部を、エアバッグの膨張圧力によって開くことにより、乗員の正面にエアバッグを膨張展開させて、乗員を緩衝支持する。
特に、従来の助手席用エアバッグ装置では、インストルメントパネル、ウインドシールド(フロントガラス)、及び乗員に囲まれる空間にエアバッグを膨張展開させるが、この場合、エアバッグの位置や挙動を安定させることを目的として、一般的に、エアバッグをウインドシールドに押し当てながらウインドシールドに沿って膨張展開させるようにしている。
ところで、近年では、様々な種類の車両が開発されてきており、車両のタイプや形状によって、ウインドシールドの位置や角度なども設計変更されている。しかし、このようにウインドシールドの位置や角度、また、助手席用エアバッグ装置が組み込まれるインストルメントパネルのデザインなどが車種毎に変化すると、その車種毎に専用のエアバッグ装置を装備する必要がある。
特に、上述のようにエアバッグをウインドシールドに押し当てながらウインドシールドに沿って膨張展開させる場合、エアバッグが膨張展開中にウインドシールドに強く衝突してしまうと、エアバッグが車両上下方向(車高方向)や車両前後方向(車長方向)に振動し、エアバッグの挙動を不安定にする虞がある。このため、助手席用エアバッグ装置は、搭載される車種毎に適切に設計を行う必要があり、エアバッグ装置のコストダウンや部品の共通化を図ることが難しいという問題があった。
更に車両の多様化に伴い、例えばウインドシールドの位置や角度によっては、エアバッグをウインドシールドに押し当てながらウインドシールドに沿って膨張展開させるために、エアバッグの大きさを大きくすることやエアバッグの形状を工夫することが求められる場合があり、エアバッグ装置のコスト増大を招くことや、エアバッグ装置の小型化が妨げられることがあった。
このような課題を解消するために、近年では、エアバッグをウインドシールドに押し当てることなく、自立するようにして膨張展開させることが可能なエアバッグ装置を助手席側に搭載することが考えられている。また、特開2012−144098号公報(特許文献1)には、エアバッグをウインドシールドに接触させないように膨張展開させることにより、膨張展開するエアバッグを、ウインドシールドからの反力を利用せずに自立させることが可能なエアバッグ装置が開示されている。
この特許文献1に開示されているエアバッグ装置は、エアバッグの内部に、インフレータから供給される膨張用ガスの流れを制御する整流手段が配置されて構成されており、その整流手段は、エアバッグにガスを供給する開口部と、その開口部の近傍に配置された係合片とを備えている。また、整流手段の係合片は、整流手段の固定手段に係合可能で、且
つ、整流手段の膨張展開時に破断可能に構成されている。
特許文献1によれば、上述のように構成されたエアバッグ装置によれば、エアバッグをウインドシールドに接触させないように自立させて膨張展開させることが可能となるため、様々なタイプや形状の車両に対してエアバッグ装置の部品の共通化を図ることができ、また、エアバッグ装置のコストダウンも図ることができるとしている。
特開2012−144098号公報
特許文献1のエアバッグ装置では、上述のように、エアバッグの内部に配置される整流手段に、インフレータから供給されるガスをエアバッグに供給するための開口部が予め形成されている。これにより、整流手段によってエアバッグ内に噴出するガスの向きや流量を制御することが可能となる。またこの場合、インフレータからガスが発生すると、その発生したガスは、整流手段を介してエアバッグ内に速やかに噴出して拡散することにより、エアバッグを膨張させる。
しかし、特許文献1のように整流手段に開口部が予め形成されている場合、インフレータから発生したガスが、エアバッグの膨張開始時から整流手段の開口部から大きな流れを作りながら、勢い良くエアバッグ内に噴出するため、そのガスの噴出により膨張展開中のエアバッグを膨張展開開始時から揺らしてエアバッグに振動が生じ易くなる。
特に、エアバッグをウインドシールドに接触させないように自立させて膨張展開させるようなエアバッグ装置においては、膨張展開中のエアバッグに振動が生じる場合には、エアバッグの膨張展開挙動が不安定にならないようにするために、ウインドシールド以外に、振動が大きくならないようにしたり、振動を抑えたりする手段を講じることが必要となる。その結果、エアバッグ装置のコスト増大を招いたり、エアバッグ装置の設計が制限を受けたりすることがあった。
本発明は上記従来の課題に鑑みてなされたものであって、その具体的な目的は、エアバッグをウインドシールドに接触させないように自立させて膨張展開させることが可能で、且つ、膨張展開中のエアバッグに振動を生じさせ難くして、エアバッグを所定の挙動で安定して膨張展開させることが可能な助手席用エアバッグ装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明により提供される助手席用エアバッグ装置は、基本的な構成として、膨張用ガスを発生させるインフレータと、前記インフレータで発生した前記ガスによりインストルメントパネルとフロントウインドシールドとの間の空間に向けて膨張して乗員を拘束するエアバッグと、前記エアバッグの内部に配されるインナーバッグと、前記インフレータ、前記エアバッグ、及び前記インナーバッグを取り付けて収容する収容ケース体と、前記収容ケース体の上蓋として配され、前記インナーバッグの膨張圧力を受けて一部が回転することにより前記エアバッグを膨出させる開口を形成するカバー体とを有し、前記インナーバッグは、前記ガスを前記インフレータから内部に流入させ、噴出口部を介して前記エアバッグ内に噴出することにより前記ガスの流れを制御する助手席用エアバッグ装置であって、前記インナーバッグは、前記ガスを内部に流入させて閉じ込めることにより前記ガスが前記エアバッグ内に噴出することを防ぐ袋部と、前記袋部に形成され、前記袋部内に閉じ込められた前記ガスの圧力上昇により破断可能な破断予定部とを有し、前記インナーバッグは、膨張したときに前記フロントウインドシールドに対して間隔を開けるように配置され、前記インナーバッグは、前記インフレータから発生した前記ガスを前記袋部内に一旦閉じ込めて膨らみ、前記インナーバッグの膨張圧力によって前記インストルメントパネルの一部を破断して前記開口を形成し、前記エアバッグ内に前記ガスが噴出する前に前記収容ケース体から前記開口を介して外側に突出し、前記エアバッグ内部のガス流入部近傍で更に膨らむことにより前記エアバッグの根元部を形成し、前記根元部の形成後、前記袋部内の前記ガスの圧力の増大により前記破断予定部破断して前記袋部に前記噴出口部が形成され、前記エアバッグ内への前記ガスの噴出を開始してなることを最も主要な特徴とするものである。
本発明に係る助手席用エアバッグ装置において、前記破断予定部は、前記袋部の車両進
行方向側の面に配されていることが好ましい。
また、前記破断予定部は、前記袋部を形成する基布に設けられたスリットにより構成されていることが好ましい。一方、前記破断予定部は、破断可能な縫製によって構成されていても良い。
本発明に係る助手席用エアバッグ装置では、インフレータから発生したガスを内部に流入させ、噴出口部を介してエアバッグ内に噴出するインナーバッグがエアバッグの内部に配置されており、そのインナーバッグは、ガスを内部に流入させて閉じ込める袋部と、袋部に形成される破断予定部とを有している。また、インナーバッグは、袋部内に閉じ込められたガスの圧力上昇で破断予定部が破断することにより噴出口部が形成され、その噴出口部を介してエアバッグ内へのガスの噴出を開始する。
このようなインナーバッグ有する本発明の助手席用エアバッグ装置によれば、エアバッグが膨張展開するときに、インフレータから発生した膨張用ガスが、先ずインナーバッグの袋部内に供給されて、インナーバッグと、そのインナーバッグを内包するエアバッグとを膨らませる。
このとき、インナーバッグの袋部内に流入した膨張用ガスは、袋部からエアバッグ内に噴出すことはなく、当該袋部内に閉じ込められてインナーバッグ内に溜められる。このようにガスが袋部内に閉じ込められてインナーバッグをエアバッグ内部のガス流入部近傍で膨らませることにより、エアバッグの根元部をしっかり形成して、膨張展開するエアバッグを安定して支えることができる。
更に本発明の助手席用エアバッグ装置では、インナーバッグの袋部内に膨張用ガスが供給(流入)され続けることにより、袋部内に閉じ込められたガスの圧力が上昇し、袋部内のガス圧力が所定の大きさよりも増大すると、破断予定部が破断してインナーバッグにガスの噴出口部が形成される。これにより、インナーバッグの噴出口部からエアバッグ内にガスが噴き出して、エアバッグを膨張展開させることができる。なお本発明において、破断予定部を破断させるガス圧力の大きさ(破断強度)は、エアバッグ装置が搭載される車両のタイプや形状、また、インフレータの能力やエアバッグの大きさや形状などに応じて任意に変更することができる。
すなわち、本発明では、エアバッグが膨張展開するときに、インフレータから発生したガスがエアバッグ内に直ぐに流れ込むことはなく、エアバッグ内のガス流入部近傍でインナーバッグを一旦膨らませてエアバッグの根元部をしっかりと形成し、その後、インナーバッグを部分的に破断させて、当該インナーバッグを介してガスをエアバッグ内に流し込んでエアバッグを膨張展開させることができる。
このようにエアバッグの根元部をインナーバッグでしっかりと形成してから、そのインナーバッグからガスを噴出させてエアバッグを膨張展開させることにより、例えば特許文献1のように、エアバッグの膨張展開開始時にガスがエアバッグ内に直接勢い良く噴出することを防げるため、製造コストの大幅な増大を招くことや、エアバッグ装置の設計に大きな制限を与えることなく、膨張展開開始時のガスの噴出に起因して膨張展開中のエアバッグが振動することを防止できる。
また、インナーバッグの膨張によってエアバッグの根元部をしっかりと形成してから、ガスをインナーバッグからエアバッグ内に噴出させることにより、エアバッグをウインドシールドに接触させなくても、自立した状態で所定の形状に安定して膨張展開させることができる。更にこの場合、インナーバッグに形成された噴出口部からガスが勢い良くエア
バッグ内に噴出しても、エアバッグの根元部が既にしっかりと形成されているため、エアバッグに振動(特に車長方向の振動)を生じさせ難くすることができる。
このような本発明の助手席用エアバッグ装置において、インナーバッグの破断予定部は、袋部の車両進行方向側の面に配されている。これにより、インナーバッグに噴出口部を形成して、その噴出口部からエアバッグ内にガスを噴出したときに、その噴出したガスをエアバッグ内に、車両前方側から車両後方側に向けて、エアバッグの内面に沿って大きく回るような流れで供給しながら、エアバッグを所定の挙動で安定して膨張展開させることができる。また、エアバッグをこのように膨張展開させることにより、膨張展開するエアバッグに振動(特に車高方向の振動)を生じさせ難くすることができる。
また本発明において、インナーバッグの破断予定部は、袋部を形成する基布に設けられた少なくとも1つのスリットにより構成されている。これにより、インナーバッグの袋部に破断予定部を簡単に低コストで形成でき、また、エアバッグを量産化するときに、インナーバッグの性能にバラツキが出ることを抑制できる。更に、インナーバッグの袋部内にガスが溜まってガス圧力が大きくなったときに、破断予定部を安定して破断させて、インナーバッグに噴出口部を確実に形成することができる。
更に本発明では、インナーバッグの破断予定部は、袋部の破断可能な縫製によって形成される部分により構成されていても良い。これによっても、インナーバッグの袋部に破断予定部を簡単に形成できる。また、インナーバッグの袋部内にガスが溜まってガス圧力が大きくなったときに、破断予定部を安定して破断させて、インナーバッグに噴出口部を確実に形成することができる。
本発明に係る助手席用エアバッグ装置がインストルメントパネルに設置された状態を示す断面図である。 同エアバッグ装置のエアバッグ内に配されるインナーバッグを示す斜視図である。 インナーバッグを構成する基布の平面展開図である。 同エアバッグ装置において、インナーバッグの袋部が膨張する状態を示す断面図である。 同エアバッグ装置において、インナーバッグの破断予定部が破断して噴出口部が形成される状態を示す断面図である。 同エアバッグ装置において、インナーバッグの噴出口部からエアバッグ内にガスが噴出してエアバッグが膨張展開する状態を示す断面図である。 インナーバッグの変形例を示す斜視図である。 インナーバッグの別の変形例を示す斜視図である。 インナーバッグの更に別の変形例を示す斜視図である。 インナーバッグの更に別の変形例を示す斜視図である。 図10に示したインナーバッグの底面図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下で説明する実施例に何ら限定されるものではなく、本発明と実質的に同一な構成を有し、かつ、同様な作用効果を奏しさえすれば、多様な変更が可能である。例えば、エアバッグ装置を構成する各部材の形状や寸法等は、そのエアバッグ装置が用いられる自動車の車種等によって任意に変更することが可能である。
ここで、図1は、本実施例に係る助手席用エアバッグ装置がインストルメントパネルに
設置された状態を示す断面図である。図2は、同エアバッグ装置のエアバッグ内に配されるインナーバッグを示す斜視図であり、図3は、そのインナーバッグを構成する基布の平面展開図である。
なお、以下の説明において、上下方向とは車両の車高方向であり、上方とは天井側の方向で、下方とは地面側の方向を言う。前後方向とは車両の車長方向であり、前方とは車両進行側の方向で、下方とは車両後退側の方向を言う。また、左右方向とは車両の車幅方向であり、助手席に着座した乗員が前方を見たときの左右方向を言う。
本実施例のエアバッグ装置10は、助手席用エアバッグ装置として構成されており、自動車1のインストルメントパネル2の助手席乗員に対向する助手席側上面部の裏面側に配置されている。このインストルメントパネル2の上方には、フロントウインドシールド4が配されている。
この場合、インストルメントパネル2の助手席側上面部の裏面側には、テアライン2aが形成されており、このテアライン2aがエアバッグ11の膨張圧力を受けて破断し、テアライン2aに囲まれた部分が扉部として観音開きのように回転しながら開くことにより、インストルメントパネル2にエアバッグ11を膨出させることが可能な開口が形成される。
更に、インストルメントパネル2の助手席側上面部の裏面側には、エアバッグ装置10のカバー体3が固着されており、エアバッグ装置10の後述する収容ケース体12にエアバッグ11を覆うように取り付けることにより、エアバッグ装置10のケース上蓋として機能する。
このカバー体3は、合成樹脂又はエラストマーにより構成されており、インストルメントパネル2の扉部を形成する部分に固着される平板状の扉補強部3aと、扉補強部3aを囲むように配される枠部3bと、扉補強部3aの回転基端部及び枠部3b間を湾曲状に撓みながら連結するヒンジ部3cと、枠部3bからエアバッグ装置10側に向けて垂設された筒状の周壁部3dとを備えている。
また、カバー体3の周壁部3dには、収容ケース体12に設けたフック部12aを係止可能な係止孔3eが設けられている。なお本発明において、インストルメントパネル2やカバー体3については、本実施例の構成に限定されるものではなく、従来から使用されているものを適宜選択して使用することが可能である。
本実施例のエアバッグ装置10は、後述するように、助手席に着座した乗員と、フロントウインドシールド4と、インストルメントパネル2とにより囲まれる空間に向けて、エアバッグ11をフロントウインドシールド4と接触させずに自立させた状態で膨張展開させるように構成されている。
ここで、エアバッグ11が自立した状態で膨張展開するとは、エアバッグ11がフロントウインドシールド4との接触による反力を利用することなく、前述の空間に所定の形状に膨張展開することを言う。なお、本発明において、膨張展開するエアバッグ11は必ずしも自立している必要はなく、従来のエアバッグ装置と同様にエアバッグ11をウインドシールドに接触させながら膨張展開させても良く、また、エアバッグ11をフロントウインドシールド4に接触させる場合であっても、フロントウインドシールド4との接触による反力が小さいために、エアバッグ11を実質的に自立させた状態で膨張展開させることも可能である。
本実施例のエアバッグ装置10は、所定の手順に従って折り畳まれたエアバッグ11と、エアバッグ11の内部に配されるインナーバッグ20と、エアバッグ11を収容する収容ケース体12と、膨張用ガスを発生させるインフレータ13と、複数本のスタッドボルトが垂設された図示しないリテーナとを有しており、エアバッグ11、インナーバッグ20及びインフレータ13がリテーナによって固定された状態で収容ケース体12に取り付けられている。
エアバッグ11は、例えば複数枚の基布を縫製することにより袋状に形成されている。なお本発明において、エアバッグ11を構成する基布の材質は特に限定されず、従来のエアバッグに使用される基布と同じ材質の基布を用いることができる。
このエアバッグ11のガス流入部となる基端部分には、インフレータ13を挿入して取り付けることが可能な図示しない取付開口部と、取付開口部の周縁部に形成され、リテーナのスタッドボルトを挿通可能な図示しないボルト挿通孔部とが形成されている。また、エアバッグ11には、膨張展開したエアバッグ11に乗員が接触した際に、エアバッグ11内のガスを排気して衝撃を吸収する図示しないベントホールが設けられている。
このエアバッグ11の内部に配置されるインナーバッグ20は、図2に示したように、ガスを内部に閉じ込めることが可能な袋部21を有しており、この袋部21には、袋部21内に閉じ込められたガスの圧力上昇により破断することが可能な破断予定部22と、インフレータ13を挿入して取り付けることが可能な取付開口部23と、取付開口部23の周縁部に形成され、リテーナのスタッドボルトを挿通可能なボルト挿通孔部24とが形成されている。
このようにインナーバッグ20の袋部21に破断予定部22が形成されていることにより、破断予定部22が破断するまでは、インフレータ13から発生したガスを袋部21内に一旦閉じ込めることができるため、ガスの勢いを袋部21内で抑えることができる。また、袋部21内のガスの圧力が増大して破断予定部22を破断させることによって、袋部21にガスの噴出口部25を形成することができ(図5を参照)、それによって、当該噴出口部25を介して袋部21内のガスをエアバッグ11内に噴き出して、エアバッグ11を膨張させることができる。
この場合、破断予定部22は、袋部21を形成する後述の第1基布21aに設けられたスリット(切れ目)により構成されており、この破断予定部(スリット)22は、袋部21の前方側(車両進行方向側)に向いた前面部に、車幅方向に沿って直線状に設けられている。
なお本発明において、この破断予定部22を設ける位置や破断予定部22の形状は特に限定されるものではなく、例えば破断予定部22の位置を図2に示した位置よりも上方又は下方にずらしても良いし、また、破断予定部22を袋部21の前面部だけでなく、左右側面部にも連続するように設けることも可能である。更には、破断予定部22を袋部21の左右側面部や後面部のみに設けることも可能である
更に本発明では、例えば破断予定部22となるスリットを、車幅方向ではなく、車高方向に沿って設けることや、車幅方向に対して斜めに設けることも可能であり、更には、スリットを直線状ではなく、ジグザグ状に湾曲又は屈曲した波線状に設けることや、円形状や矩形状に設けることも可能である。
このような本実施例におけるインナーバッグ20の袋部21は、図3に示すような略十字形状の第1基布21aと、矩形状の第2基布21bとを有しており、これらの第1及び第2基布21a,21bを縫製することにより、縦に細長の四角錘に近い立体的な形状に
形成されている。なお、袋部21を構成する第1基布21aと第2基布21bの材質は特に限定されないが、エアバッグ11と同じ材質の基布を用いることができる。
略十字形状の第1基布21aは、中央部分に配される天井部と、その天井部から十字状に前後左右に延びる4つの延設片部とを有しており、4つの延設片部のうちの1つには、破断予定部22を構成するスリット(切れ目)が設けられている。また、矩形状の第2基布21bには、上述した取付開口部23とボルト挿通孔部24とが設けられている。
このような第1基布21a及び第2基布21bを用いて袋部21を形成する場合、略十字形状の第1基布21aの中央部分が袋部21の天井部を形成するように、その中央部分から十字状に延びる各延設片部の側縁部と、その側縁部に対向する他の延設片部の側縁部とを縫い合わるとともに、各延設片部の先端縁部を、第2基布21bの対応する側縁部と縫い合わる。これによって、図2に示した立体的な形状を有する袋部21を形成することができる。
本実施例において、インナーバッグ20の袋部21の大きさは、袋部21内の容積が収容ケース体12の容積の150%以上となるように設定されていることが好ましい。このように袋部21の大きさが設定されていることにより、後述するようにインフレータ13からガスが発生してインナーバッグ20を膨らませることによって、インナーバッグ20からエアバッグ11内にガスが噴出する前に、エアバッグ11をインナーバッグ20とともに収容ケース体12から上方に容易に押し出せるとともに、そのエアバッグ11の根元部(ガス流入側基端部)をしっかりと形成することができる。
一方、インナーバッグ20の袋部21の大きさは、袋部21内の容積がエアバッグ11内の容積の1/2以下、特に1/3以下となるように設定されていることが好ましい。これにより、インフレータ13でガスが発生してから所定時間内にインナーバッグ20の破断予定部22を破断させ、ガスの噴出口部25を安定して形成することができるため、エアバッグ11を所定の挙動で迅速に膨張展開させることができる。
本実施例の収容ケース体12は、上面側が開口した箱状に形成されている。この収容ケース体12の前面部と後面部にはフック部12aがそれぞれ設けられており、これらのフック部12aをカバー体3の周壁部3dに設けた係止孔3eに係止させることにより、収容ケース体12をカバー体3に取り付けてインストルメントパネル2の裏面側に装着することができる。
また、収容ケース体12の底面部には、インフレータ13を挿入して取り付けることが可能な図示しない取付開口部が設けられており、その取付開口部の周縁部には、リテーナのスタッドボルトを挿通可能な図示しないボルト挿通孔部が形成されている。
インフレータ13は、略円柱形状の外形を有する本体部13aと、本体部13aから外側に延出する取付片部13bとを有しており、取付片部13bには、リテーナのスタッドボルトを挿通可能な図示しないボルト挿通孔部が形成されている。また、インフレータ13の本体部13aにおける上半部の側周面にはガス噴出口13cが設けられている。
このインフレータ13は、本体部13aのガス噴出口13cを有する上端部を、エアバッグ11内に配されるインナーバッグ20内に挿入した状態で、取付片部13bのボルト挿通孔部にリテーナのスタッドボルトを挿通させて、エアバッグ11及びインナーバッグ20とともに収容ケース体12の底面部に固定されている。
また、インフレータ13は、図示しない電子制御ユニットに接続されており、加速度セ
ンサ等の計測値に基づいて制御されている。電子制御ユニットが自動車1の衝突や急減速を感知又は予知したような緊急時には、インフレータ13は電子制御ユニットからの点火電流により点火され、インフレータ13の内部に格納された薬剤を燃焼させて膨張用ガスを発生させてガス噴出口13cから噴き出すことにより、エアバッグ11内(特にインナーバッグ20内)に膨張用ガスを供給する。なお、インフレータ13の形状や固定方法は限定されるものではなく、従来から使用されているものを適宜選択して使用することができる。
以上のような構成を有する助手席用エアバッグ装置10は、以下のようにして組み立てられる。
先ず、インナーバッグ20内に図示しないリテーナを挿入し、インナーバッグ20及びエアバッグ11に形成された各ボルト挿通孔部24に、リテーナのスタッドボルトを挿通させることによって、リテーナにインナーバッグ20とエアバッグ11とを保持する。
このとき、本実施例では、後述するようにしてエアバッグ装置10をインストルメントパネル2に取り付けたときに、インナーバッグ20の袋部21に設けた破断予定部22が前方側を向くようにインナーバッグ20の方向を合わせる。なお、リテーナ及びインナーバッグ20は、エアバッグ11が基布を縫製することによって袋状に作製される前に、エアバッグ11の所定位置に取着することも可能である。
次に、インナーバッグ20及びエアバッグ11をリテーナに保持した状態で、エアバッグ11を所定の手順に従って折り畳む。このとき、インナーバッグ20は、エアバッグ11が折り畳まれる際にエアバッグ11とともに折り畳まれる。なお、エアバッグ11の折り畳み方法は、従来から用いられている折り畳み方法を任意に選択して採用することができる。
続いて、インナーバッグ20及びエアバッグ11を保持したリテーナのスタッドボルトを、収容ケース体12のボルト挿通孔部と、インフレータ13のボルト挿通孔部とに挿入することにより、リテーナに収容ケース体12とインフレータ13とを順番に取り付ける。その後、リテーナの各スタッドボルトにナットをそれぞれ取り付けて締め付けることにより、収容ケース体12に、エアバッグ11、インナーバッグ20、及びインフレータ13を固定する。
このとき、インフレータ13のガス噴出口13cを有する上端部は、収容ケース体12、エアバッグ11、及びインナーバッグ20の各取付開口部23を介して、インナーバッグ20の袋部21内に挿入される。これによって、インフレータ13のガス噴出口13cとインナーバッグ20の袋部21とが連通した状態となる。
以上のような手順に従って組み立て作業を行うことによって、エアバッグ11とインナーバッグ20とを直接縫合しなくても、エアバッグ11、インナーバッグ20、及びインフレータ13がリテーナによって収容ケース体12に固定されるため、本実施例のエアバッグ装置10が一体に組み立てられる。
そして、上述のようにして組み立てられた本実施例のエアバッグ装置10を、インストルメントパネル2の裏面側に固着したカバー体3に、下方から持ち上げるようにして挿し込むことによって、収容ケース体12に設けた前後のフック部12aをカバー体3の係止孔3eに係合させる。更に、収容ケース体12の底面部を、図示しないブラケットを介して車体の構造部材に固定する。これによって、エアバッグ装置10がインストルメントパネル2の裏面側に取り付けられる。
以上のようにしてインストルメントパネル2の助手席側上面部の裏面側に取り付けられた本実施例のエアバッグ装置10は、例えば自動車1が衝突してエアバッグ装置10が作動した場合に、インフレータ13から膨張用ガスが発生し、その膨張用ガスが、先ずインナーバッグ20の内部に連続的に供給される。これにより、供給されたガスによってインナーバッグ20を膨張させるとともに、インナーバッグ20の袋部21内にガスを閉じ込める。ここで、ガスを閉じ込めるとは、ガスがインナーバッグ20内に実質的に閉じ込められる状態を言い、例えばガスが縫製部等から多少漏れても構わない。
更に、インナーバッグ20が膨らむことにより、エアバッグ11が膨らむとともに、インストルメントパネル2の裏面側に形成されたテアライン2aが、インナーバッグ20の膨張圧力を受けて破断して複数の扉部が形成される。続いて、形成された各扉部は、インナーバッグ20の膨張圧力によってそれぞれヒンジ部3cを中心として外側に向けて回転することにより、図4に示したように、インストルメントパネル2にエアバッグ11を膨出させる開口5が形成される。
このとき、インフレータ13からインナーバッグ20の袋部21内にガスが連続して供給されることにより、インナーバッグ20は、膨張しながらインストルメントパネル2に形成された開口を介して外側に突出するとともに、エアバッグ11を収容ケース体12の外側に押し出すことができる。
また、インナーバッグ20の袋部21内にガスが一旦溜められて、インナーバッグ20がエアバッグ11内部のガス流入部近傍で膨らむことにより、エアバッグ11の根元部をしっかり形成することができる。なお、この図4では、膨張したインナーバッグ20の破断予定部22を判り易く表すために細い線で示している。
その後、インナーバッグ20の袋部21内ではガスの圧力が漸増するため、袋部21内のガス圧力が所定の大きさよりも大きくなると、図5に示したように、袋部21に形成されたスリット(破断予定部22)が破断してインナーバッグ20にガスの噴出口部25が形成される。
これにより、インナーバッグ20の噴出口部25からエアバッグ11内にガスが噴き出すため、エアバッグ11を膨張展開させることができる。このとき、本実施例では、膨張展開するエアバッグ11は、フロントウインドシールド4に対して間隔を開けて、自立して膨張展開するように配置されている。
このように、本実施例では、インフレータ13から発生したガスが、ガスの発生直後からエアバッグ11内に直ぐに流れ込むことはなく、エアバッグ11内のガス流入部近傍でインナーバッグ20を一旦膨らませてエアバッグ11の根元部をしっかりと形成してから、インナーバッグ20の破断予定部22を破断させてエアバッグ11を膨張展開させる。このため、ガスがエアバッグ11の膨張展開開始時にエアバッグ11内に直接勢い良く噴出することを防止して、膨張展開するエアバッグ11に振動(特に車長方向の振動)が生じることを防止できる。
更に本実施例では、破断予定部22となるスリットが、前述のように袋部21の前面部(車両進行方向側に向いた基布面)に設けられているため、ガスは、インナーバッグ20の内部から、スリットの破断によって形成された噴出口部25を介して前方側(車両進行方向側)に向けて噴出する。
これにより、エアバッグ11内に噴出したガスは、図6に示したように、エアバッグ11内で車両前方側から車両後方側に向けてエアバッグ11の内面に沿うように大きく回り
ながらエアバッグ11を膨らませることができる。これにより、エアバッグ11が助手席に向けて又は助手席の足元に向けてのめるように膨出することを防いで、エアバッグ11を所定の挙動で安定して膨張展開させるとともに、膨張展開するエアバッグ11に振動(特に車方向の振動)を生じさせ難くすることができる。
以上のように、本実施例の助手席用エアバッグ装置10によれば、ガスを内部に閉じ込める袋部21と、袋部21に形成される破断予定部22とを有するインナーバッグ20がエアバッグ11のガス流入部に配置されているため、エアバッグ11を膨張展開させるときに、先ずインナーバッグ20を膨らませて、エアバッグ11の根元部をしっかり形成するとともに、ガスを内部に閉じ込めてガスの勢いを弱めてからエアバッグ11内にガスを噴出させている。
これにより、膨張したインナーバッグ20がエアバッグ11の根元部でエアバッグ11を安定して支えながら、エアバッグ11を所定の挙動で迅速に且つ安定して膨張展開させるとともに、膨張展開するエアバッグ11に振動を生じることを防止できる。従って、エアバッグ11を、フロントウインドシールド4に接触させなくても、インストルメントパネル2、フロントウインドシールド4、及び乗員に囲まれる空間に、自立した状態で所定の形状に安定して膨張展開させることができる。
このため、助手席に着座した乗員を、所定の形状に膨張展開したエアバッグ11で確実に拘束して、乗員の安全を安定して確保することができる。また、本実施例の助手席用エアバッグ装置10は、自立した状態で膨張展開させることができるため、様々なタイプや形状の自動車1に対して搭載することが可能となり、エアバッグ装置10のコストダウンも図ることができる。更に、エアバッグ11をフロントウインドシールド4に頼らずに膨張展開させることにより、エアバッグ11の容量の削減やインフレータ13の出力の低減を図って、エアバッグ11を小型化することも可能となる。
なお、本発明において、インナーバッグ20の袋部21の大きさや形状、袋部21を構成する基布の形状、袋部21に形成する破断予定部22の形状や構造などは特に限定されるものではなく、任意に変更することができる。
例えば、前述した実施例においてインナーバッグ20の破断予定部22は、スリットにより構成されているが、本発明では、袋部の破断可能な縫製部分により構成されていても良く、例えば、インナーバッグの袋部を形成する基布の縫合部の強度を部分的に弱めることによって破断予定部を構成することも可能である。
ここで、インナーバッグの変形例について、図7〜図11を参照しながら説明する。なお、以下の変形例において、前述の実施例に係るエアバッグ装置10と実質的に同じ構成を有する部材及び部品については同じ符号を用いて表すことによって、その説明を省略することとする。
図7に示すインナーバッグ30は、ガスを内部に閉じ込めることが可能な袋部31を有しており、この袋部31には、袋部31の前面部に車幅方向に沿って直線状に形成された破断予定部32と、取付開口部23と、ボルト挿通孔部24とが配されている。
この場合、破断予定部32は、2枚の基布を外側に折り曲げて、その折り曲げた折り曲げ片の基端部同士を縫い合わせた縫合部により構成されており、この破断予定部32を構成する縫合部は、袋部31の他の縫合部に比べて、縫製糸の強度を弱めること、縫い目を粗くすることなどにより、縫合部の強度が弱められている。
従って、この変形例に係るインナーバッグ30は、インフレータ13から発生した膨張用ガスによって膨張し、その膨張する袋部31内のガス圧力が所定の大きさよりも大きくなると、袋部31に形成された破断予定部32(弱い縫合部)が破断してインナーバッグ30にガスの噴出口部を形成し、当該噴出口部からガスをエアバッグ11内に噴き出すことができる。
このような変形例に係るインナーバッグ30の袋部31は、前述の実施例における袋部21と同様に、略十字形状の第1基布と、矩形状の第2基布とを縫製することにより立体的な形状に形成されているものの、第1基布自体が、第1基布を構成する2つの基布片を、破断予定部32を構成する強度の弱い縫合部で予め縫い合わせられていることに形成されている。
このような図7に示すインナーバッグ30を備えた助手席用エアバッグ装置であっても、前述の実施例に係るエアバッグ装置10と同様の効果を得ることができる。
図8に示すインナーバッグ40は、ガスを内部に閉じ込めることが可能な袋部41を有しており、この袋部41には、袋部41の前面部に車幅方向に沿って直線状に形成された破断予定部42と、取付開口部23と、ボルト挿通孔部24とが配されている。
この場合、破断予定部42は、2枚の基布を内側に折り曲げて、その折り曲げた折り曲げ片の基端部同士を縫い合わせた縫合部により構成されている。この破断予定部42を構成する縫合部は、袋部41の他の縫合部に比べて、縫製糸の強度を弱めること、縫い目を粗くすることなどにより、縫合部の強度が弱められて形成されている。
図9に示すインナーバッグ50は、ガスを内部に閉じ込めることが可能な袋部51を有しており、この袋部51には、袋部51の前面部に車幅方向に沿って直線状に形成された破断予定部52と、取付開口部23と、ボルト挿通孔部24とが配されている。
この場合、破断予定部52は、2枚の基布を内側に折り曲げて、その折り曲げた折り曲げ片の周縁部同士を縫い合わせた縫合部により構成されている。この破断予定部52を構成する縫合部は、袋部51の他の縫合部に比べて、縫製糸の強度を弱めること、縫い目を粗くすることなどにより、縫合部の強度が弱められて形成されている。
これら図8及び図9に示すインナーバッグ40,50を備えた助手席用エアバッグ装置であっても、前述の実施例に係るエアバッグ装置10と同様の効果を得ることができる。
図10及び図11に示すインナーバッグ60は、ガスを内部に閉じ込めることが可能な略球形状の袋部61を有しており、この袋部61には、袋部61の前面部に車幅方向に沿って形成された破断予定部62と、取付開口部23と、ボルト挿通孔部24とが配されている。また、この変形例に係るインナーバッグ60の袋部61は、円形状の2枚の基布を重ね合わせて、その重ね合わせた基布の周縁部同士を縫製することにより、略球形の立体的な形状に形成されている。
この場合、2枚の基布の周縁部には、2枚の基布の全周を縫い合わせる第1縫合部63と、2枚の基布を全周のうちの一部を除いて縫い合わせる第2縫合部64とが形成されている。また、第1縫合部63は、第2縫合部64に比べて、縫製糸の強度を弱めること、縫い目を粗くすることなどにより、その強度が弱められて形成されている。
従って、この変形例に係るインナーバッグ60では、2枚の基布の周縁部のうち、第2縫合部64が形成されてなく、第1縫合部63のみによって縫い合わせられている円弧部分が破断予定部62として形成されている。このようなインナーバッグ60を備えた助手席用エアバッグ装置であっても、前述の実施例に係るエアバッグ装置10と同様の効果を
得ることができる。
なお、上述した実施例や各変形例では、所定の形状を有する複数の基布同士を縫製することによってインナーバッグが形成されているが、本発明では、複数の基布同士を接着材料等で張り合わせることによってインナーバッグを形成しても良いし、また、袋織を利用してインナーバッグを形成しても良い。
1 自動車
2 インストルメントパネル
2a テアライン
3 カバー体
3a 扉補強部
3b 枠部
3c ヒンジ部
3d 周壁部
3e 係止孔
4 フロントウインドシールド
5 開口
10 エアバッグ装置
11 エアバッグ
12 収容ケース体
12a フック部
13 インフレータ
13a 本体部
13b 取付片部
13c ガス噴出口
20 インナーバッグ
21 袋部
21a 第1基布
21b 第2基布
22 破断予定部
23 取付開口部
24 ボルト挿通孔部
25 噴出口部
30 インナーバッグ
31 袋部
32 破断予定部
40 インナーバッグ
41 袋部
42 破断予定部
50 インナーバッグ
51 袋部
52 破断予定部
60 インナーバッグ
61 袋部
62 破断予定部
63 第1縫合部
64 第2縫合部

Claims (4)

  1. 膨張用ガスを発生させるインフレータと、前記インフレータで発生した前記ガスによりインストルメントパネルとフロントウインドシールドとの間の空間に向けて膨張して乗員を拘束するエアバッグと、前記エアバッグの内部に配されるインナーバッグと、前記インフレータ、前記エアバッグ、及び前記インナーバッグを取り付けて収容する収容ケース体と、前記収容ケース体の上蓋として配され、前記インナーバッグの膨張圧力を受けて一部が回転することにより前記エアバッグを膨出させる開口を形成するカバー体とを有し、前記インナーバッグは、前記ガスを前記インフレータから内部に流入させ、噴出口部を介して前記エアバッグ内に噴出することにより前記ガスの流れを制御する助手席用エアバッグ装置であって、
    前記インナーバッグは、前記ガスを内部に流入させて閉じ込めることにより前記ガスが前記エアバッグ内に噴出することを防ぐ袋部と、前記袋部に形成され、前記袋部内に閉じ込められた前記ガスの圧力上昇により破断可能な破断予定部とを有し、
    前記インナーバッグは、膨張したときに前記フロントウインドシールドに対して間隔を開けるように配置され、
    前記インナーバッグは、前記インフレータから発生した前記ガスを前記袋部内に一旦閉じ込めて膨らみ、前記インナーバッグの膨張圧力によって前記インストルメントパネルの一部を破断して前記開口を形成し、前記エアバッグ内に前記ガスが噴出する前に前記収容ケース体から前記開口を介して外側に突出し、前記エアバッグ内部のガス流入部近傍で更に膨らむことにより前記エアバッグの根元部を形成し、
    前記根元部の形成後、前記袋部内の前記ガスの圧力の増大により前記破断予定部破断して前記袋部に前記噴出口部が形成され、前記エアバッグ内への前記ガスの噴出を開始してなる、
    ことを特徴とする助手席用エアバッグ装置。
  2. 前記破断予定部は、前記袋部の車両進行方向側の面に配されてなる請求項1記載の助手席用エアバッグ装置。
  3. 前記破断予定部は、前記袋部を形成する基布に設けられたスリットにより構成されてなる請求項1又は2記載の助手席用エアバッグ装置。
  4. 前記破断予定部は、破断可能な縫製によって構成されてなる請求項1又は2記載の助手席用エアバッグ装置。
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