JP6300265B2 - 樹脂成形品の製造方法及び射出成形用金型 - Google Patents

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本発明は、樹脂成形品の製造方法及び射出成形用金型に関し、特に微細流路等の凹部が形成された板状の樹脂成形品に好適な製造方法に関する。
微細流路等の凹部が形成された板状の樹脂成形品は、雌型と、コアを有する雄型とを含む金型を用いた射出成形により作製することができる。金型から成形品を取り出す離型方法としては、エジェクタピンを用いて成形品を押し出す方法が一般的である。例えば、特許文献1は、固定型と、可動型と、この可動型に付着した成形品を突き出すエジェクタピンと、このエジェクタピンを支持して可動型内に進退移動可能に組み込まれたエジェクタプレートとを備えた射出成形用金型を開示している。
特開2005−53129号公報
ところで、エジェクタピンを用いて離型する場合、エジェクタピンが押し当てられる成形品の面にピン跡が付いてしまう。成形品の用途等によっては、ピン跡が付くことにより種々の不具合を招くことが想定される。
エジェクタピンを用いて微細流路等の凹部が形成された板状成形品を離型する場合は、凹部が形成された主面にピン跡が付く。主面にピン跡が付くと、成形品の意匠性が損なわれるだけでなく、図7に示すように、例えば主面上に樹脂フィルム等の別部材を積層して微細流路を封止する必要がある場合に、成形品と樹脂フィルムとの間にピン跡に起因する意図しない隙間が形成されて気密性が低下するといった問題が生じる。
本発明に係る樹脂成形品の製造方法は、雌型と、コアを有する雄型と、を含む射出成形用金型のキャビティー内に樹脂を射出して、主面に凹部が形成された板状の樹脂成形体を作製する第1工程と、前記雄型と前記雌型の少なくとも一方を互いに離れる方向へ移動させて、前記雄型から前記樹脂成形体を離型する第2工程と、前記雌型から前記樹脂成形体を離型する第3工程と、を備え、前記雌型は、前記コアの高さ方向に対して略垂直な方向に延びた保持部を有し、前記第2工程では、前記保持部が前記樹脂成形体の板厚方向に沿った側面に食い込み、前記雄型と前記樹脂成形体との密着力を超える力で当該側面を保持することを特徴とする。
前記樹脂成形体は、前記主面に形成された前記凹部に起因して、雄型との密着力が強くなる。例えば、前記凹部の立ち壁の総面積が、前記主面の面積(前記凹部が形成された領域を除く)の20%以上であり、雄型と立ち壁との間に大きな摩擦力が作用する。本発明の実施形態の一例では、当該立ち壁の少なくとも一部又は全てが、前記樹脂成形体の板厚方向、即ち前記コアの高さ方向に対して略平行である。また、前記樹脂成形体(樹脂成形品)は、前記主面の投影面積と前記側面の最大投影面積との比率(主面の投影面積/側面の最大投影面積)が100倍以上である。
本発明に係る樹脂成形品の製造方法において、前記保持部は、前記樹脂成形体の互いに対向する前記側面にそれぞれ食い込み、前記樹脂成形体を両側から保持するように設けられていることが好適である。或いは、前記樹脂成形体の前記凹部は、前記側面の1つである第1側面に沿って長く延び、前記保持部は、少なくとも当該第1側面に食い込むように設けられていることが好適である。
本発明に係る樹脂成形品の製造方法において、前記樹脂成形体は、互いに略平行な第1側面及び第2側面と、前記第1側面及び前記第2側面に対して略垂直な第3側面と、を有し、前記保持部は、少なくとも前記第1側面、前記第2側面、及び前記第3側面にそれぞれ食い込むように設けられることが好適である。
本発明に係る樹脂成形品の製造方法において、前記保持部は、前記側面の長手方向に所定間隔をあけて並ぶように複数設けられた小突起であることが好適である。また、当該各小突起の前記長手方向に沿った長さは、前記長手方向に沿った前記側面の長さの10%以下が好ましく、7%以下がより好ましい。前記小突起の前記長手方向に沿った長さの和は、60%以下が好ましい。
本発明に係る射出成形用金型は、前記樹脂成形品の製造方法に使用される金型であって、雌型と、コアを有する雄型とを含み、前記雌型は、前記コアの高さ方向に対して略垂直な方向に延びた保持部を有することを特徴とする。また、前記雌型は、前記保持部が設けられた傾斜スライドを有することが好適である。
本発明によれば、型開き時にエジェクタピンを用いることなく金型から樹脂成形体をスムーズに離型することができる。
本発明によれば、型開き時にエジェクタピンを用いないため、微細流路等の凹部が形成された樹脂成形品の主面にピン跡が付かない。これにより、例えば樹脂成形品の意匠性が向上する。また、主面上に別部材を積層して微細流路を封止する必要がある場合に、成形品と別部材との間にピン跡に起因する意図しない隙間が形成されず、良好な気密性を得ることができる。
本発明の実施形態の一例である樹脂成形品を示す斜視図である。 本発明の実施形態の一例である樹脂成形品を主面側から見た平面図である。 図2のAA線断面の一部を示す図である。 本発明の実施形態の一例である射出成形用金型を示す図である。 本発明の実施形態の一例である樹脂成形品の製造方法を説明するための図である。 本発明の実施形態の一例である樹脂成形品の製造方法を説明するための図である。 本発明の実施形態の一例である樹脂成形品の製造方法を説明するための図である。 本発明の実施形態の一例である樹脂成形品の製造方法を説明するための図である。 本発明の実施形態の一例である射出成形用金型における保持部の構成、及び樹脂成形品に形成される保持跡のパターンを説明するための図である。 従来技術の問題点を説明するための図である。
図面を参照しながら、本発明の実施形態の一例について、以下詳細に説明する。
実施形態において参照する図面は、模式的に記載されたものであり、図面に描画された構成要素の寸法比率などは現物と異なる場合がある。具体的な寸法比率等は、以下の説明を参酌して判断されるべきである。
本明細書において、「略**」との用語は、略平行を例に挙げて説明すると、完全に平行はもとより、実質的に平行と認められる状態を含む意図である。
本実施形態では、板状の樹脂成形品として、主面11が平面視略四角形状の樹脂成形品10を例に挙げて説明する。但し、本発明が適用される樹脂成形品は、樹脂成形品10に限定されず、主面の形状が円形や楕円形、四角形以外の多角形(例えば、三角形や五角形)、その他複雑な形状を有する板状体であってもよい。なお、本明細書において、樹脂成形品、樹脂成形体との用語は、いずれも樹脂が所定の形状に成形されたものであり、互いに略同一の形態を有するものを意味するが、説明の便宜上、前者を金型から取り出されたもの、後者を金型内に存在するものとする。
図1〜図3は、本発明の実施形態の一例である樹脂成形品10を示す図である。
樹脂成形品10は、主面11に凹部13が形成された板状の樹脂製部材である。主面11は、樹脂成形品10の板厚方向に略垂直な面であって、本実施形態では略四角形状を有している。樹脂成形品10の板厚方向に沿った面が側面12である。側面12は、例えば主面11に対して略垂直である。
樹脂成形品10の寸法は、特に限定されず、例えば用途等に応じて適宜変更できる。樹脂成形品10がマイクロtasチップ等の生化学チップである場合は、一辺の長さを20〜100mm程度、板厚を1〜5mm程度とすることが好ましい。樹脂成形品10は、例えば主面11の投影面積と側面12の最大投影面積(面積が最も大きな側面12の投影面積との比率(主面11の投影面積/側面12の最大投影面積)が100倍以上である。
樹脂成形品10は、互いに対向する側面12a(第1側面)及び側面12b(第2側面)を有する。側面12a,12bは、例えば互いに略平行である。本実施形態では、互いに対向する側面12c(第3側面)及び側面12d(第4側面)が、側面12a,12bに対して略垂直である。即ち、側面12c,12dは互いに略平行である。側面12aの長さと側面12bの長さは略同一であり、側面12cの長さと側面12dの長さは略同一である。なお、樹脂成形品は、各側面の形状や長さが互いに異なっていてもよく、また円盤形状の場合など、連続した1つの側面を有していてもよい。
樹脂成形品10の側面12には、後述する射出成形用金型20の保持部25が食い込んでできた跡である保持跡14が形成されている。保持跡14は、少なくとも互いに対向する側面12に形成されることが好適である。本実施形態では、互いに対向する側面12a,12bだけでなく、これらに略垂直な側面12cにも保持跡14が形成され、さらに側面12dにも保持跡14が形成されている。即ち、樹脂成形品10の四方に保持跡14が形成されている。
凹部13は、例えば血液等の検体が流れる微細流路である。本実施形態では、主面11の広い範囲に、蛇行した微細流路(凹部13)が形成されている。凹部13は、側面12a,12bに沿って側面12cの近傍から側面12dの近傍まで延び、側面12dの近傍で略U字状に曲がり再び側面12a,12bに沿って側面12cの近傍まで延びている。このパターンが繰り返されて蛇行した凹部13が形成されている。なお、凹部13の形状は、用途等に応じて適宜変更できる。
凹部13は、幅方向の断面形状が、例えば略コの字状である。即ち、凹部13の立ち壁13fは、板厚方向(側面12)に略平行である。立ち壁13fとは、主面11の最表面から凹部13の底に延びる側壁であって、例えば幅方向の断面形状が底の尖った三角形状である場合は凹部13を形成する全ての壁が立ち壁13fである。なお、凹部13の断面形状は、略コの字状に限定されず、Uの字状や三角形状、台形状等であってもよい。
凹部13は、上記のように、側面12a,12bに沿って長く延びている。即ち、凹部13のうち、側面12a,12bに沿って延びる部分の長さは、側面12c,12dに沿って延びる部分の長さよりも長い。例えば、凹部13の大部分が側面12a,12bに対して略平行に形成され、また立ち壁13fの大部分が側面12a,12bに対して略平行に形成される。樹脂成形品10は、少なくとも略平行に形成される凹部13の長さが長く、また略平行に形成される立ち壁13fの面積が大きな側面12a,12bに、保持跡14が形成されていることが好適である。
凹部13の立ち壁13fの総面積は、例えば主面11の面積(凹部13が形成された領域を除く)の20%以上である。なお、雄型21と樹脂成形体10zとの密着力Fは、主に凹部13の立ち壁13fの総面積に依存し、立ち壁13fの総面積が大きくなるほど密着力Fは大きくなる。
以下、図4〜図6を参照して、樹脂成形品10の製造方法の一例について詳説する。
図4は、樹脂成形品10の製造に使用される射出成形用金型20(以下、単に「金型20」という)を示す図である。図5A〜図5Dは、本製造方法における各工程を示す図であって、金型20及び樹脂成形体10zを側面12d側から見た断面図である。図6は、金型20における保持部25の構成、及び樹脂成形品10(樹脂成形体10z)に形成される保持跡14のパターンを説明するための図である。
図4に示すように、樹脂成形品10の製造工程で使用される金型20は、コア22(図5参照)を有する雄型21と、雌型23とを含む。金型20を閉じることで雄型21と雌型23との間に、樹脂成形品10の形状に対応した空間であるキャビティー26が形成される(図5A参照)。本実施形態では、雄型21が固定型、雌型23が可動型である。金型20は、詳しくは後述するように、傾斜スライド機構を有し、雌型23の傾斜スライド24に複数の保持部25が設けられていることを特徴とする。
図5A〜図5Dに示すように、樹脂成形品10の製造工程は、金型20のキャビティー26内に樹脂を射出して樹脂成形体10zを作製する第1工程と、雄型21と雌型23の少なくとも一方を互いに離れる方向へ移動させて雄型21から樹脂成形体10zを離型する第2工程と、雌型23から樹脂成形体10zを離型する第3工程とを備える。上記のように、雌型23が可動型であるから、第2工程では、雌型23を雄型21から離れる方向に移動させる。
第1工程は、金型20を用いた射出成形工程である。金型20を閉じることで樹脂成形体10zの形状に対応したキャビティー26が形成される(図5A参照)。このキャビティー26内に、例えば溶融した熱可塑性樹脂を射出して板状の樹脂成形体10zを作製する(図5B参照)。樹脂成形体10zを構成する樹脂としては、射出成形可能な樹脂であれば特に限定されず、熱硬化性樹脂を用いることもできる。
第1工程で作製される樹脂成形体10zには、雄型21に設けられた突起であるコア22によって主面11に凹部13が形成される。さらに、雌型23に設けられた突起である保持部25によって側面12に保持跡14が形成される。保持部25は、コア22の高さ方向に対して略垂直な方向に延びている。コア22の高さ方向は雌型23の移動方向と同じ方向であるから、保持部25は雌型23の移動方向に対して略垂直な方向に延びているといえる。
第2工程は、閉じられた金型20を開いてキャビティー26を開放する型開き工程であって、雌型23が樹脂成形体10zを保持して雄型21から樹脂成形体10zを離型させる(図5C参照)。なお、雌型23の移動方向(型開き方向)に沿った立ち壁13fが多い樹脂成形体10zは、コア22を有する雄型21との密着力Fが強く雄型21から外れ難い。そこで、第2工程では、雌型23に設けられた保持部25が樹脂成形体10zの板厚方向に沿った側面12に食い込み、雄型21と樹脂成形体10zとの密着力Fを超える力で側面12を保持する。これにより、主面11を押すエジェクタピンを用いることなく樹脂成形体10zを雄型21から外すことができる。
雌型23は、傾斜スライド24を有することが好適であり、この場合、保持部25は傾斜スライド24に設けられる。保持部25は、例えば傾斜スライド24の先端近傍に設けられる。傾斜スライド24は、図示しない押出し板に取り付けられ、雌型23を雄型21から離間させた後、又は雌型23が雄型21から離間するにつれて、先端が雄型21側に押し出される。
第3工程は、雌型23から樹脂成形体10zを離型する工程である。本実施形態では、金型20に傾斜スライド機構が設けられているため、傾斜スライド24のスライドにより雌型23から樹脂成形体10zが離型する。例えば、雌型23が雄型21から離間するにつれて、傾斜スライド24が外側にスライドし、保持部25が設けられた各傾斜スライド24の先端間距離が広くなる(図5D参照)。これにより、樹脂成形体10zから保持部25が外れて、樹脂成形体10zが雌型23から離型する。
以下、第2工程について、さらに詳説する。
第2工程では、複数の保持部25が樹脂成形体10zの互いに対向する側面12にそれぞれ食い込み、樹脂成形体10zを両側から保持することが好適である。保持部25は、傾斜スライド24において、少なくとも互いに略平行な側面12a,12bに食い込むようにそれぞれ設けられる。これにより、樹脂成形体10zの保持性が向上し、樹脂成形体10zを雄型21から引き離すことが容易になる。
樹脂成形体10zの凹部13は、側面12a,12bに沿って長く延びるように形成され、立ち壁13fの大部分が側面12a,12bに対して略平行に形成されている。即ち、第2工程では、保持部25が略平行に存在する凹部13(立ち壁13f)の長さが長い側面12a,12bに食い込むように設けられていることが好適である。
第2工程では、さらに、側面12a,12bに対して略垂直な側面12cに保持部25が食い込み、樹脂成形体10zを保持することが好適である。側面12a,12bの保持のみで樹脂成形体10zを雄型21から離型するための保持力としては十分であったとしても、側面12cを保持することで、例えば樹脂成形体10zの反りを抑制することができる。また、生産性等に支障がなければ、側面12dにも保持部25が食い込み、樹脂成形体10zを保持することが特に好適である。即ち、各側面に保持部25が食い込んで、四方から樹脂成形体10zを保持することが特に好適である。
図6に示すように、保持部25は、側面12の長手方向に所定間隔をあけて並ぶように複数設けられた小突起とすることが好適である。保持部25は側面12の長手方向に長く延びた突起とすることもできるが、この場合は、例えば樹脂成形品10の端部の強度低下を招くことがある。小突起状の保持部25を複数設けることで、側面12の長手方向に沿って大きな穴(保持跡14)は形成されず、小さな穴が所定間隔をあけて多数形成される。これにより、樹脂成形品10の強度を低下させることなく、型開き時において十分な保持力を得ることができる。
保持部25の長さL25(側面12の長手方向に沿った長さ)は、側面12の長手方向長さの10%以下であることが好ましく、7%以下であることがより好ましい。長さL25の和は、側面12の長手方向長さの60%以下であることが好ましい。また、上記所定間隔D25(保持部25同士の間隔)は、長さL25以下であることが好ましい。保持部25の突出長さH25は、長さL25の10%以上であることが好ましい。
保持部25の配置の好ましい具体例としては、各側面12a〜12dの長手方向中央を挟んで所定範囲が挙げられる。保持部25は、例えば当該所定範囲に略均等な間隔で複数設けられる。
保持部25は、側面12に対して10%以上の領域に食い込むことが好ましい。保持部25が食い込む領域の割合Pは、保持跡14が形成された領域の面積A14と、側面12の外形寸法から求めた面積A12(保持跡14が形成された領域を含む面積)とに基づいて、次式により求める。
割合P(%)=(面積A14/面積A12)×100
好ましい割合Pは、保持部25の配置や雄型21と樹脂成形体10zとの密着力F等によっても異なるが、少なくとも10%であり、密着力超過による成形品主面、及び保持跡14の変形抑制等を考慮すると、例えば10〜30%である。
保持部25の荷重受け面25fには、第2工程において雄型21と樹脂成形体10zとの密着力Fを超える力が作用する。なお、荷重受け面25fとは、コア22の高さ方向に略垂直で雄型21と反対側に向いた面である。荷重受け面25fの面積が大きいほど、密着力Fに対抗して樹脂成形体10zを保持する力が大きくなる。上記のように、密着力Fは凹部13の立ち壁13fの総面積に影響する。ゆえに、荷重受け面25fの総面積は、立ち壁13fの総面積に対して、少なくとも10倍とすることが好ましく、20倍以上がより好ましい。
以上のように、本製造方法によれば、第2工程において雌型23の保持部25が樹脂成形体10zの側面12に食い込み、雄型21と樹脂成形体10zとの密着力Fを超える力で側面12を保持する。このため、エジェクタピンを用いることなく雄型21から樹脂成形体10zをスムーズに離型することができる。
本製造方法により製造される樹脂成形品10は、側面12に保持部25の跡が形成されるが、凹部13が形成された主面11にはピン跡が付かない。このため、主面11にピン跡が形成される場合と比べて、例えば樹脂成形品10の意匠性が向上する。また、主面11上に樹脂フィルム等を積層して微細流路等の凹部13を封止する必要がある場合に、樹脂成形品10と樹脂フィルムとの間にピン跡に起因する意図しない隙間が形成されず、良好な気密性を得ることができる。
10 樹脂成形品、10z 樹脂成形体、11 主面、12,12a,12b,12c,12d 側面、13 凹部、13f 立ち壁、14 保持跡、20 射出成形用金型(金型)、21 雄型、22 コア、23 雌型、24 傾斜スライド、25 保持部、25f 荷重受け面、26 キャビティー

Claims (9)

  1. 雌型と、コアを有する雄型とを含む、エジェクタピンを有さない射出成形用金型のキャビティー内に樹脂を射出して、主面に凹部が形成された板状の樹脂成形体を作製する第1工程と、
    前記雄型と前記雌型の少なくとも一方を互いに離れる方向へ移動させて、前記雄型から前記樹脂成形体を離型する第2工程と、
    前記雌型から前記樹脂成形体を離型する第3工程と、
    を備え、
    前記雌型は、前記コアの高さ方向に対して略垂直な方向に延びた保持部を有し、
    前記第2工程では、前記保持部が前記樹脂成形体の板厚方向に沿った側面に食い込み、前記雄型と前記樹脂成形体との密着力を超える力で当該側面を保持した状態で、前記雄型から前記樹脂成形体を離型することを特徴とする樹脂成形品の製造方法。
  2. 前記保持部は、前記樹脂成形体の互いに対向する前記側面にそれぞれ食い込み、前記樹脂成形体を両側から保持するように設けられている、請求項1に記載の樹脂成形品の製造方法。
  3. 前記樹脂成形体の前記凹部は、前記側面の1つである第1側面に沿って長く延び、
    前記保持部は、少なくとも前記第1側面に食い込むように設けられている、請求項1に記載の樹脂成形品の製造方法。
  4. 前記樹脂成形体は、互いに略平行な第1側面及び第2側面と、前記第1側面及び前記第2側面に対して略垂直な第3側面と、を有し、
    前記保持部は、少なくとも前記第1側面、前記第2側面、及び前記第3側面にそれぞれ食い込むように設けられる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂成形品の製造方法。
  5. 前記保持部は、前記側面の長手方向に所定間隔をあけて並ぶように複数設けられた小突起である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂成形品の製造方法。
  6. 前記保持部は、前記側面に対して10%以上の領域に食い込む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂成形品の製造方法。
  7. 前記保持部は、前記コアの高さ方向に略垂直で前記雄型と反対側に向いた荷重受け面を有し、
    前記荷重受け面の総面積が、前記樹脂成形体に形成される前記凹部の立ち壁の総面積に対して10倍以上に設定される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂成形品の製造方法。
  8. 前記雌型は、前記保持部が設けられた傾斜スライドを有し、
    前記第3工程では、前記傾斜スライドのスライドにより前記雌型から前記樹脂成形体が離型する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂成形品の製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の樹脂成形品の製造方法に使用される射出成形用金型。
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