上述した本発明の内容を明確にするために、本発明を「セブン機」や「デジパチ」と呼ばれるタイプのパチンコ機(遊技機)に適用した実施例について説明する。尚、実施例においては、特に断りがない限りは、パチンコ機正面に向かって右側を「右」と表現し、左側を「左」と表現する。
また、以下の実施例は次のような順序に従って説明する。
A.パチンコ機の装置構成:
A−1.装置前面側の構成:
A−2.遊技盤の構成:
A−3.制御回路の構成:
B.遊技の進行態様:
C.裏ユニットの取り付け態様:
C−1.遊技盤20の締結部位20A、裏ユニット70の締結部位70A:
C−2.遊技盤20の締結部位20D、裏ユニット70の締結部位70D:
C−3.遊技盤20の締結部位20E、裏ユニット70の締結部位70E:
D.変形例:
A.パチンコ機の装置構成 :
A−1.装置前面側の構成 :
図1は、本実施例のパチンコ機1の正面図である。図1に示すように、パチンコ機1の前面部には、前面枠4が設けられている。前面枠4は、一端(図1における左側)が中枠3に対して回動可能に軸支されている。中枠3の前面側には遊技盤20(図2参照)が着脱可能に取り付けられており、前面枠4が中枠3に対してパチンコ機1前方側に回動(開放)されると、遊技盤20が露出された状態となる。中枠3は、一端(図1における左側)が本体枠2に対して回動可能に軸支されている。本体枠2は、木製の板状部材を組み立てて構成された略長方形の枠体であり、パチンコ機1の外枠を形成している。
前面枠4の略中央部には窓部4aが形成されており、この窓部4aにはガラス板等の透明板4bが嵌め込まれている。遊技者は、窓部4a(透明板4b)を通して奥側に配置される遊技盤20の遊技領域21(図2参照)を視認可能である。また、前面枠4における窓部4aの右下方には、小窓部4cが形成されており、この小窓部4cには合成樹脂板等の透明板4dが嵌め込まれている。遊技者は、小窓部4c(透明板4d)を通して奥側に配置された遊技盤20のセグメント表示部50(図2参照)を視認可能である。詳しくは後述するが、セグメント表示部50(図2参照)とは、複数のLEDの組合せによって遊技に係る情報を表示する表示部である。
前面枠4における窓部4aの上方には上部ランプ5aが設けられ、窓部4aの周縁部における右部には右サイドランプ5bが設けられ、窓部4aの周縁部における左部には左サイドランプ5cが設けられている。また、前面枠4における窓部4aの左右上方には上部スピーカー6aが設けられており、本体枠2の下部の前面(いわゆる幕板)には下部スピーカー6bが設けられている。これらの上部ランプ5a、右サイドランプ5b、左サイドランプ5c、上部スピーカー6a、下部スピーカー6bは、遊技上の演出効果を高めるために駆動される。
前面枠4における窓部4aの下方には、上皿部7が設けられている。上皿部7には、カードユニット242(図4参照)を介して貸し出される遊技球や、パチンコ機1から払い出される遊技球が貯留される。また、上皿部7の下方には下皿部8が設けられており、上皿部7の容量を超えて貸し出された遊技球や、上皿部7の容量を超えて払い出された遊技球が貯留される。
前面枠4における下皿部8の右方には、発射ハンドル9が設けられている。発射ハンドル9の回転軸は、発射ハンドル9の奥側に搭載された発射装置ユニット261(図4参照)に接続されている。この発射装置ユニット261には、上皿部7に貯留された遊技球が供給される。そして、遊技者が発射ハンドル9を回転させると、その回転が発射装置ユニット261に伝達され、発射装置ユニット261に内蔵された発射モーター262(図4参照)が回転して、回転角度に応じた強さで遊技球が発射される。
また、上皿部7の縁部には遊技者による押下操作が可能な演出ボタン10aが設けられており、下皿部8の左方には遊技者による押込操作や回転操作が可能なジョグシャトル10bが設けられている。これらの演出ボタン10aやジョグシャトル10bは、何れも遊技者によって操作される演出操作部であり、所定の条件成立時に遊技者によって操作されると、所定の遊技演出が行われる。
A−2.遊技盤の構成 :
図2は、遊技盤20の盤面構成(前面側)を示す説明図である。前述したように、遊技盤20は中枠3の前面側に着脱可能に取り付けられている。図2に示すように、遊技盤20の中央には略円形状の遊技領域21が形成されている。発射装置ユニット261(図4参照)から発射された遊技球は、外レール22と内レール23との間を通って遊技領域21に放出された後、遊技領域21を流下する。遊技領域21は、前面枠4の窓部4aを通して遊技者に視認されるので、当然ながら、遊技領域21を流下する遊技球の様子も窓部4aを通して遊技者に視認されることとなる。
遊技領域21の略中央には中央装置40が設けられており、中央装置40のほぼ中央には、演出表示装置41が設けられている。演出表示装置41は液晶表示器によって構成されており、その表示画面上には、演出用の種々の画像を表示することが可能である。尚、演出表示装置41の詳しい表示内容については、後述する遊技の進行態様において説明する。
遊技領域21における中央装置40(演出表示装置41)の下方には、開口部の大きさが不変(一定)であり遊技球が常時入球可能な始動口である第1始動口24が設けられている。第1始動口24に入球した遊技球は、内部に設けられた通路を通って遊技盤20の裏面側に導かれる。第1始動口24の内部の通路には第1始動口センサー24s(図4参照)が設けられており、第1始動口24に入球した遊技球を検知可能である。
また、遊技領域21における第1始動口24の下方には、遊技球の入球可能性が変化する入球口(始動口)である第2始動口25が設けられている。すなわち、第2始動口25は、パチンコ機1の前後方向に回動可能な開閉扉26を備えており、開閉扉26が略直立して遊技球が入球不能(または入球困難)な閉鎖状態と、開閉扉26がパチンコ機1の前方側に回動して遊技球が入球可能(または入球容易)な開放状態とに変化可能である。図2では、第2始動口25が開放状態となっている様子が示されている。第2始動口25に入球した遊技球は、内部に設けられた通路を通って遊技盤20の裏面側に導かれる。第2始動口25の内部の通路には第2始動口センサー25s(図4参照)が設けられており、第2始動口25に入球した遊技球を検知可能である。
また、遊技領域21において中央装置40(演出表示装置41)の右方には、普通図柄作動ゲート27が設けられており、普通図柄作動ゲート27の内部には、遊技球の通過を検知するゲートセンサー27s(図4参照)が設けられている。
また、遊技領域21における第1始動口24の右方には、略長方形状に大きく開口された大入賞口28(可変入球口)が設けられている。大入賞口28は、パチンコ機1の前後方向に回動可能な開閉扉29を備えており、開閉扉29が略直立して遊技球が入球不能な閉鎖状態と、開閉扉29がパチンコ機1の前方側に回動して遊技球が入球可能な開放状態とに変化可能である。図2では、大入賞口28が開放状態となっている様子が示されている。大入賞口28に入球した遊技球は、内部に設けられた通路を通って遊技盤20の裏面側に導かれる。大入賞口28の内部の通路には大入賞口センサー28s(図4参照)が設けられており、大入賞口28に入球した遊技球を検知可能である。
また、上述した各遊技装置(遊技部品)の周辺には、遊技球が入球可能なその他入球口30や、遊技球の流下経路に影響を与える風車型ホイール31や多数の障害釘32が設けられている。遊技領域21の最下部であって第2始動口25の左下方と右下方には、2つのアウト口33が設けられており、上述した第1始動口24、第2始動口25、大入賞口28、その他入球口30の何れにも入球しなかった遊技球は、アウト口33から遊技盤20の裏側に排出される。
上述した第1始動口24には、中央装置40(演出表示装置41)の左方の領域を流下する遊技球が入球可能である。これに対して、第2始動口25、普通図柄作動ゲート27、大入賞口28には、中央装置40(演出表示装置41)の右方の領域を流下する遊技球が入球可能(または通過可能)である。以下では、中央装置40(演出表示装置41)の左方の領域を流下するように遊技球を発射させることを「左打ち」とも表現し、中央装置40(演出表示装置41)の右方の領域を流下するように遊技球を発射させることを「右打ち」とも表現する。尚、本実施例のパチンコ機1では、第1始動口24、第2始動口25、その他入球口30の何れかに遊技球が入球した場合は、3個の遊技球が遊技者に払い出され、大入賞口28に遊技球が入球した場合は、13個の遊技球が遊技者に払い出される。
遊技盤20における遊技領域21の右下方には、LEDの組合せによって遊技に係る情報を表示するセグメント表示部50が設けられている。セグメント表示部50は、前面枠4に設けられた小窓部4c(図1参照)を通して遊技者に視認される。尚、セグメント表示部50の詳しい表示内容については、後述する遊技の進行態様において説明する。
遊技盤20の後面側には、上述した遊技装置を動作させるための各種基板や、各種機構などが設けられている。例えば、図4を用いて後述する主制御基板200やサブ制御基板220等の各種基板などが設けられている。また、遊技盤20の後面側には、これらの各種基板や各種機構を覆うように裏ユニット70が取り付けられている。図3には、遊技盤20の後面側が示されており、図中のハッチング部分が裏ユニット70である。裏ユニット70は、前方(遊技盤20側)が開放された箱状に形成されており、図3に示すように、遊技盤20の後面側の略全領域を覆うように取り付けられている。裏ユニット70の内部や外側には、各種基板や各種機構が取り付けられており、裏ユニット70を遊技盤20に取り付けることによって、これらの各種基板や各種機構も遊技盤20の後面側に取り付けられることとなる。尚、本実施例のパチンコ機1は、遊技盤20に裏ユニット70を取り付ける態様に主な特徴を有する。そこで、この態様については後に(「C.裏ユニットの取り付け態様」欄にて)詳しく説明する。
A−3.制御回路の構成 :
次に、本実施例のパチンコ機1における制御回路の構成について説明する。図4は、本実施例のパチンコ機1における制御回路の構成を示すブロック図である。図示されているようにパチンコ機1の制御回路は、多くの制御基板や、各種基板、中継端子板などから構成されている。詳しくは、遊技の基本的な進行に係る制御を司る主制御基板200や、遊技の演出に係る制御を司るサブ制御基板220、サブ制御基板220の制御下で画像の表示や音声の出力に係る制御を司る画像音声制御基板230、サブ制御基板220の制御下でランプの発光に係る制御を司るランプ制御基板226、遊技球の貸し出しや払い出しに係る制御を司る払出制御基板240、遊技球の発射に係る制御を司る発射制御基板260などから構成されている。これら制御基板は、各種論理演算および算出演算を実行するCPU(図4におけるCPU206、306、406等)や、CPUで実行される各種プログラムやデータが記憶されているROM(図4におけるROM207、307、407等)、プログラムの実行に際してCPUが一時的なデータを記憶するRAM(図4における208、308、408等)、入出力用回路など、種々の周辺LSIがバスで相互に接続されて構成されている。
主制御基板200には、第1始動口24へ入球した遊技球を検知する第1始動口センサー24sや、第2始動口25へ入球した遊技球を検知する第2始動口センサー25s、大入賞口28へ入球した遊技球を検知する大入賞口センサー28s、普通図柄作動ゲート27を通過する遊技球を検知するゲートセンサー27sなどが接続されている。主制御基板200のCPU206は、第1始動口センサー24sや、第2始動口センサー25s、大入賞口センサー28s、ゲートセンサー27sなどから遊技球の検知信号の入力があると、その検知信号の入力のあったセンサーに対応するコマンドを、サブ制御基板220や、払出制御基板240、発射制御基板260などに向けて送信する。
また、主制御基板200には、第2始動口25に設けられた開閉扉26に開閉動作を行わせるための(第2始動口25を開放状態、閉鎖状態にするための)始動口ソレノイド26mや、大入賞口28に設けられた開閉扉29に開閉動作を行わせるための(大入賞口28を開放状態、閉鎖状態にするための)大入賞口ソレノイド29m、セグメント表示部50などが接続されている。主制御基板200のCPU206は、始動口ソレノイド26m、大入賞口ソレノイド29m、セグメント表示部50に向けて駆動信号を送信することにより、これらの動作の制御を行う。
サブ制御基板220には、画像音声制御基板230や、ランプ制御基板226、演出操作基板228が接続されている。サブ制御基板220のCPU306は、主制御基板200からの各種コマンドを受信すると、コマンドの内容を解析して、その内容に応じた遊技演出を行う。すなわち、画像音声制御基板230に対しては、出力画像や出力音声を指定するコマンドを送信し、ランプ制御基板226に対しては、上部ランプ5a、右サイドランプ5b、左サイドランプ5c(以下「各種ランプ5a〜5c」ともいう)の発光パターンを指定するコマンドを送信したりすることによって、遊技の演出を行う。また、サブ制御基板220のCPU306は、演出操作基板228を介して、演出ボタン10aやジョグシャトル10bに対する遊技者の操作を検知すると、該操作に対応する遊技演出を行う。
画像音声制御基板230は、CPU406、ROM407、RAM408に加えて、VDP409、画像ROM410、音声ROM411を備えている。画像音声制御基板230のCPU406は、サブ制御基板220からコマンドを受信すると、そのコマンドに対応する画像の表示をVDP409に指示する。VDP409は、指示された画像の表示に利用する画像データ(例えば、スプライトデータや動画データなど)を画像ROM410から読み出して画像を生成し、演出表示装置41の表示画面に出力する。また、画像音声制御基板230のCPU406は、サブ制御基板220からコマンドを受信すると、そのコマンドに対応する音声データを音声ROM411から読み出して、該音声データに基づく音声を、アンプ基板224を介して、上部スピーカー6aおよび下部スピーカー6b(以下「各種スピーカー6a,6b」ともいう)から出力する。
払出制御基板240には、上皿部7に設けられた球貸ボタン241(図1では図示省略)や、パチンコ機1に並設されたカードユニット242、払出モーター243などが接続されている。球貸ボタン241が操作されると、この信号は、払出制御基板240を介してカードユニット242に伝達される。カードユニット242は、払出制御基板240とデータを通信しながら、払出モーター243を駆動して遊技球の貸し出しを行う。また、主制御基板200から遊技球の払い出しを指示する払出コマンドを受信した場合も、払出モーター243を駆動して遊技球の払い出しを行う。
また、払出制御基板240には発射制御基板260が接続されており、発射制御基板260には、遊技球を発射させるための発射モーター262や遊技者が発射ハンドル9に触れていることを検知するタッチスイッチ263等を有する発射装置ユニット261が接続されている。発射制御基板260は、タッチスイッチ263を介して遊技者が発射ハンドル9に触れていることを検知すると、発射モーター262を駆動することによって、発射ハンドル9の回転角度に応じた強さで遊技球を発射する。
B.遊技の進行態様 :
本実施例のパチンコ機1では、次のようにして遊技が進行する。上皿部7に遊技球が貯留された状態で発射ハンドル9が回転されると、上皿部7に貯留された遊技球が1球ずつ発射装置ユニット261に供給されて、図2を用いて前述した遊技領域21に発射される。遊技球を打ち出す強さは発射ハンドル9の回転角度に対応するので、遊技者は発射ハンドル9の回転角度を変化させることによって、遊技者は所望する領域に遊技球を流下させることができる。例えば、中央装置40(演出表示装置41)の左方の領域を流下するように遊技球を発射させたり(左打ちを行ったり)、中央装置40(演出表示装置41)の右方の領域を流下するように遊技球を発射させたり(右打ちを行ったり)することができる。
<特別図柄の変動表示>
図2を用いて前述したように、第1始動口24には左打ちされた遊技球が入球可能である。左打ちされた遊技球が第1始動口24に入球し、その入球した遊技球が第1始動口センサー24sにより検知されると、所定の判定乱数(大当り判定乱数など)を取得し、該判定乱数に基づいて大当りであるか外れであるかを判定する大当り判定を行う。そして、この大当り判定の結果に基づいて、第1の特別図柄(以下「第1特図」ともいう)を変動表示させた後に停止表示させる。また、図2を用いて前述したように、第2始動口25には右打ちされた遊技球が入球可能である。右打ちされた遊技球が第2始動口25に入球し、その入球した遊技球が第2始動口センサー25sにより検知されると、所定の判定乱数(大当り判定乱数など)を取得し、該判定乱数に基づいて大当りであるか外れであるかを判定する大当り判定を行う。そして、この大当り判定の結果に基づいて、第2の特別図柄(以下「第2特図」ともいう)を変動表示させた後に停止表示させる。ここで、第1特図、第2特図について説明する。
図5は、セグメント表示部50を拡大して示す説明図である。前述したように、セグメント表示部50は遊技盤20における遊技領域21の右下方に設けられており(図2参照)、遊技者は前面枠4の小窓部4c(図1参照)を通してセグメント表示部50を視認可能である。図5に示すように、セグメント表示部50には、第1特図を表示する第1特図表示部51と、第2特図を表示する第2特図表示部52が設けられており、これらの表示部にはそれぞれ8個のLEDが配置されている。第1特図および第2特図(以下、これらを特に区別をしない場合は、まとめて「特別図柄」という)は、それぞれの表示部において、8個のLEDのうち点灯するLEDを切り換えることによって変動表示され、8個のLEDのうち所定のLEDを点灯した状態とすることで停止表示される。本実施例のパチンコ機1では、第1特図として、大当り図柄1〜100、外れ図柄101の101種類の図柄を停止表示可能であり、第2特図として、大当り図柄201〜300、外れ図柄301の101種類の図柄を停止表示可能である。また、これらの図柄の種類は、点灯するLEDの組合せの相違によって識別可能である。遊技球が第1始動口24に入球することに基づく大当り判定(以下「第1特図についての大当り判定」ともいう)の結果が大当りである場合は、第1特図が大当り図柄1〜100の何れかで停止表示され、第1特図についての大当り判定の結果が外れである場合は、第1特図が外れ図柄101で停止表示される。また、遊技球が第2始動口25に入球することに基づく大当り判定(以下「第2特図についての大当り判定」ともいう)の結果が大当りである場合は、第2特図が大当り図柄201〜300の何れかで停止表示され、第2特図についての大当り判定の結果が外れである場合は第2特図が外れ図柄301で停止表示される。こうして特別図柄(第1特図または第2特図)を大当り図柄または外れ図柄で停止表示したら、停止表示された図柄を確定させるべく、図柄が停止表示された状態を所定の時間が経過するまで維持する表示(以下「確定表示」ともいう)を行う。以下では、特別図柄が変動表示を開始してから、所定の変動時間の経過により当該変動表示が終了して、特別図柄が大当り図柄または外れ図柄で確定表示されるまでの遊技、すなわち1回の変動表示の結果が得られるまでの遊技を「図柄変動遊技」とも表現する。
<大当り遊技>
第1特図または第2特図が何れかの大当り図柄で停止表示されると、大入賞口28が開放状態となるラウンド遊技が複数回行われる大当り遊技を開始する。図2を用いて前述したように、大入賞口28には右打ちされた遊技球が入球可能であるので、大当り遊技中は右打ちが行われることとなる。
本実施例のパチンコ機1では、停止表示された大当り図柄の種類によって、1回の大当り遊技におけるラウンド遊技の回数が異なる。すなわち、第1特図が大当り図柄1〜50で停止表示された場合は(第1特図が大当り図柄で停止表示される場合は50%の確率で)、4回のラウンド遊技が行われる4ラウンド大当り遊技が行われ、第1特図が大当り図柄51〜90で停止表示された場合は(第1特図が大当り図柄で停止表示される場合は40%の確率で)、6回のラウンド遊技が行われる6ラウンド大当り遊技が行われ、第1特図が大当り図柄91〜94で停止表示された場合は(第1特図が大当り図柄で停止表示される場合は4%の確率で)、7回のラウンド遊技が行われる7ラウンド大当り遊技が行われ、第1特図が大当り図柄95〜100で停止表示された場合は(第1特図が大当り図柄で停止表示される場合は6%の確率で)、16回のラウンド遊技が行われる16ラウンド大当り遊技が行われる。また、第2特図が大当り図柄201〜250で停止表示された場合は(第2特図が大当り図柄で停止表示される場合は50%の確率で)4ラウンド大当り遊技が行われ、第2特図が大当り図柄251〜290で停止表示された場合は(第2特図が大当り図柄で停止表示される場合は40%の確率で)6ラウンド大当り遊技が行われ、第2特図が大当り図柄291〜294で停止表示された場合は(第2特図が大当り図柄で停止表示される場合は4%の確率で)7ラウンド大当り遊技が行われ、第2特図が大当り図柄295〜300で停止表示された場合は(第2特図が大当り図柄で停止表示される場合は6%の確率で)16ラウンド大当り遊技が行われる。
本実施例のパチンコ機1において、1回のラウンド遊技は、9個の遊技球が入球した場合(9カウント)または30秒が経過した場合に終了するので、ほとんどの場合において1回のラウンド遊技では117個(9カウント×払出数13個)の遊技球が払い出される。従って、当然ながら、ラウンド遊技回数の多い大当り遊技の方が、ラウンド遊技回数が少ない大当り遊技よりも遊技者に多くの遊技球が払い出されることとなる。このため、ラウンド遊技回数のより多い大当り遊技が行われることを遊技者に期待させることができる。尚、このことは、遊技者にとっての有利度合が互いに異なる複数の大当り遊技(特定遊技)を実行可能であると捉えることができる。
上述した大当り遊技の実行中は、セグメント表示部50のラウンド表示部55に実行中の大当り遊技の種類(ラウンド遊技回数)が表示される。すなわち、図5に示すように、ラウンド表示部55には3個のLEDが配置されており、このラウンド表示部55では、3個のLEDのうち左のLEDを点灯することで4ラウンド大当り遊技の実行中であることを示し、中のLEDを点灯することで6ラウンド大当り遊技の実行中であることを示し、右のLEDを点灯することで7ラウンド大当り遊技の実行中であることを示し、3個全てのLEDを点灯することで16ラウンド大当り遊技の実行中であることを示す。
<特別図柄の保留>
遊技球が第1始動口24に入球すると、上述したように第1特図についての大当り判定や変動表示が行われるものの、これらの大当り判定や変動表示は、遊技球が第1始動口24に入球後に直ぐに行われるのではなく、取得された判定乱数を第1特図保留として一旦記憶する。そして、所定の条件が成立したら、記憶した第1特図保留に基づいて大当り判定や第1特図の変動表示を行う。このような第1特図保留は4個を上限として記憶される。第1特図保留の記憶数(第1特図保留数)は、セグメント表示部50の第1特図保留表示部53に表示される。すなわち、図5に示すように、第1特図保留表示部53には2個のLEDが配置されており、この第1特図保留表示部53では、2個のLEDのうち1個のLEDを点灯することで第1特図保留数が1個であることを示し、2個のLEDを点灯することで第1特図保留数が2個であることを示し、1個のLEDを点滅することで第1特図保留数が3個であることを示し、2個のLEDを点滅することで第1特図保留数が4個であることを示す。
また、遊技球が第2始動口25に入球すると、上述したように第2特図についての大当り判定や変動表示が行われるものの、これらの大当り判定や変動表示も、遊技球が第2始動口25に入球後に直ぐに行われるのではなく、取得された判定乱数を第2特図保留として一旦記憶する。そして、所定の条件が成立したら、記憶した第2特図保留に基づいて大当り判定や第2特図の変動表示を行う。このような第2特図保留も4個を上限として記憶される。第2特図保留の記憶数(第2特図保留数)は、セグメント表示部50の第2特図保留表示部54に表示される。すなわち、図5に示すように、第2特図保留表示部54にも2個のLEDが配置されており、この第2特図保留表示部54では、2個のLEDのうち1個のLEDを点灯することで第2特図保留数が1個であることを示し、2個のLEDを点灯することで第2特図保留数が2個であることを示し、1個のLEDを点滅することで第2特図保留数が3個であることを示し、2個のLEDを点滅することで第2特図保留数が4個であることを示す。
尚、本実施例のパチンコ機1では、何れかの特別図柄の変動表示中や、何れかの特別図柄の確定表示中、大当り遊技中は、第1特図保留や第2特図保留が記憶されていても、これらの保留に係る大当り判定や変動表示は行わない。また、第1特図保留および第2特図保留のうち第1特図保留のみが記憶されている場合は、最先に記憶された第1特図保留に係る大当り判定および第1特図の変動表示を行うが、第2特図保留が記憶されている場合は第1特図保留が記憶されているか否かに拘わらず、最先に記憶された第2特図保留に係る大当り判定および第2特図の変動表示を行う。すなわち、第2特図を第1特図に優先して変動表示させる(いわゆる第2特図の優先変動機能を有する)。
<普通図柄の変動表示、普図当り遊技>
図2を用いて前述したように、普通図柄作動ゲート27は右打ちされた遊技球が通過可能である。右打ちされた遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過し、その遊技球がゲートセンサー27sにより検知されると、所定の判定乱数(普図当り判定乱数など)を取得し、該判定乱数に基づいて普図当りであるか外れであるかを判定する普図当り判定を行う。そして、この普図当り判定の結果に基づいて、普通図柄を変動表示させた後に停止表示させる。図5に示すように、セグメント表示部50には、普通図柄を表示する普図表示部56が設けられており、普図表示部56には2個のLEDが配置されている。普通図柄は、普図表示部56において、2個のLEDのうち点灯するLEDを切り換えることによって変動表示され、2個のLEDのうち所定のLEDを点灯した状態とすることで停止表示される。本実施例のパチンコ機1では、普通図柄として、2個のLEDのうち左のLEDを点灯させた普図当り図柄と、右のLEDを点灯させた普図外れ図柄の2種類の図柄を停止表示可能である。普図当り判定の結果が普図当りである場合は普通図柄が普図当り図柄で停止表示され、普図当り判定の結果が普図外れである場合は普通図柄が普図外れ図柄で停止表示される。こうして普通図柄を当り図柄または外れ図柄で停止表示したら、停止表示された図柄を確定させるべく、図柄が停止表示された状態を所定の時間が経過するまで維持する表示(確定表示)を行う。そして、普通図柄が普図当り図柄で停止表示された場合は、第2始動口25が開放状態となった後に閉鎖状態となる普図当り遊技が行われる。
<普通図柄の保留>
遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過すると、普図当り判定や普通図柄の変動表示が行われるものの、これらの普図当り判定や変動表示は、遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過後に直ぐに行われるのではなく、取得された判定乱数を普図保留として一旦記憶する。そして、所定の条件が成立したら、記憶した普図保留に基づいて普図当り判定や普通図柄の変動表示を行う。このような普図保留も4個を上限として記憶される。普図保留の記憶数(普図保留数)は、セグメント表示部50の普図保留表示部57に表示される。すなわち、図5に示すように、普図保留表示部57には2個のLEDが配置されており、この普図保留表示部57では、2個のLEDのうち1個のLEDを点灯することで普図保留数が1個であることを示し、2個のLEDを点灯することで普図保留数が2個であることを示し、1個のLEDを点滅することで普図保留数が3個であることを示し、2個のLEDを点滅することで普図保留数が4個であることを示す。尚、本実施例のパチンコ機1では、普図保留が記憶されている場合において、普通図柄の変動表示中、普通図柄の確定表示中、普図当り遊技中の何れでもなければ、最先に記憶された普図保留に係る普図当り判定および普通図柄の変動表示を行う。
<遊技状態>
ここで、本実施例のパチンコ機1では、大当り判定において大当りと判定される確率に係る遊技状態と、第2始動口25への遊技球の入球頻度に係る遊技状態とが適宜設定される。これらのうち大当り判定において大当りと判定される確率に係る遊技状態は、「大当り判定において大当りと判定される確率が低い(99.9分の1の確率である)低確率状態」または「大当り判定において大当りと判定される確率が高い(11.9分の1の確率である)高確率状態」に設定される。また、第2始動口25への遊技球の入球頻度に係る遊技状態は、「第2始動口25への遊技球の入球頻度が低い非電サポ状態」または「第2始動口25への遊技球の入球頻度が高い電サポ状態」に設定される。尚、以下では、高確率状態が設定された状態で実行可能な図柄変動遊技(特別図柄の変動表示)の回数を「高確回数」とも表現し、電サポ状態が設定された状態で実行可能な図柄変動遊技(特別図柄の変動表示)の回数を「電サポ回数」とも表現する。
本実施例のパチンコ機1では、何れの大当り遊技が行われた場合であっても、大当り遊技終了後は高確率状態と電サポ状態が併せて設定されるものの、電サポ回数は、大当り遊技の開始契機となった大当り図柄の種類によって異なる。すなわち、高確回数については、何れの大当り図柄が停止表示された場合であっても6回に設定される。これに対して、電サポ回数については、第1特図が大当り図柄1〜45で停止表示された場合は(第1特図が大当り図柄で停止表示される場合は45%の確率で)25回に設定され、第1特図が大当り図柄46〜50、51〜90、91〜94で停止表示された場合は(第1特図が大当り図柄で停止表示される場合は5%+40%+4%=49%の確率で)50回に設定され、第1特図が大当り図柄95〜100で停止表示された場合は(第1特図が大当り図柄で停止表示される場合は6%の確率で)100回に設定される。また、第2特図が大当り図柄201〜245で停止表示された場合は(第2特図が大当り図柄で停止表示される場合は45%の確率で)25回に設定され、第2特図が大当り図柄246〜250、251〜290、291〜294で停止表示された場合は(第2特図が大当り図柄で停止表示される場合は5%+40%+4%=49%の確率で)50回に設定され、第2特図が大当り図柄295〜300で停止表示された場合は(第2特図が大当り図柄で停止表示される場合は6%の確率で)100回に設定される。
尚、高確回数が6回に設定された後に図柄変動遊技(特別図柄の変動表示)が6回行われた場合は、高確率状態は終了し、電サポ状態が設定されたまま低確率状態が設定される。また、25回、50回、100回の電サポ回数が設定された後に該電サポ回数と同数の図柄変動遊技(特別図柄の変動表示)が行われた場合は、電サポ状態は終了し、非電サポ状態が設定される。遊技者にとっては、電サポ状態の方が非電サポ状態よりも有利な状態であることから、より多くの電サポ回数が設定されることを遊技者に期待させることができる。
ここで、セグメント表示部50には、上述した電サポ状態の設定中であることを示す電サポ表示部58が設けられている。すなわち、図5に示すように、電サポ表示部58には、3個のLEDが配置されており、電サポ状態の設定中は、この3個のLEDを点灯することによって電サポ状態の設定中であることを示す。また、図5に示すように、セグメント表示部50には、右打ちを行うことを示す右打ち表示部59が設けられている。電サポ状態の設定中は第2始動口25への遊技球の入球頻度が高く、且つ、第2始動口25は右打ちされた遊技球が入球可能であるので、電サポ状態の設定中は右打ちを行うことが遊技者にとって有益である。また、大入賞口28も右打ちされた遊技球が入球可能であるので、大当り遊技中も右打ちを行うことが遊技者にとって有益である。そこで、電サポ状態の設定中および大当り遊技中は、右打ち表示部59に配置された2個のLEDを点灯することによって右打ちを行うことを示す。
<演出表示装置41の表示内容>
上述したような遊技の進行は、主に主制御基板200のCPU206によって行われる。本実施例のパチンコ機1では、上述したような遊技の進行に合わせて、演出表示装置41に種々の画像を表示する演出を行う。このような演出は、主にサブ制御基板220のCPU306によって行われる。
例えば、演出表示装置41では、第1特図または第2特図の変動表示(図柄変動遊技)に合わせた各種の演出(以下「図柄変動演出」ともいう)が行われる。すなわち、第1特図表示部51または第2特図表示部52にて特別図柄(第1特図または第2特図)の変動表示(図柄変動遊技)の開始タイミングと同期して、演出表示装置41においても3つの識別図柄41a,41b,41cの変動表示を一斉に開始し、その後、特別図柄の変動時間が経過するまで種々の態様で変動表示を行う。そして、特別図柄の変動表示の終了タイミング(特別図柄の停止表示)と同期して3つの識別図柄41a,41b,41cの変動表示を終了する。本実施例のパチンコ機1では、識別図柄として「1」〜「9」までの9つの数字を意匠化した図柄を表示可能である。
図6(a)には、3つの識別図柄41a,41b,41cが一斉に変動表示している様子が概念的に示されている。変動表示が開始された後、所定時間が経過すると、初めに左識別図柄41aが「1」〜「9」のいずれかの図柄で停止表示され、次に、右識別図柄41cが停止表示され、最後に中識別図柄41bが停止表示される。これら演出表示装置41で停止表示される3つの識別図柄41a,41b,41cの組合せは、前述した第1特図表示部51または第2特図表示部52で停止表示される特別図柄(第1特図または第2特図)と対応するように構成されている。例えば、第1特図または第2特図が大当り図柄で停止表示される場合は、演出表示装置41の3つの識別図柄41a,41b,41cが同じ図柄となる図柄組合せ(以下「ゾロ目」ともいう)で停止表示される。また、第1特図または第2特図が「外れ図柄」で停止表示される場合は、3つの識別図柄41a,41b,41cは同じ図柄で揃わない図柄組合せ(以下「バラケ目」ともいう)で停止表示される。尚、停止表示された識別図柄41a、41b、41cは、特別図柄の確定表示時間が経過するまで停止表示された状態となる(確定表示される)。
このように、第1特図表示部51または第2特図表示部52で表示される特別図柄と、演出表示装置41で表示される3つの識別図柄41a,41b,41cとは、表示内容が互いに対応しており、変動表示中の特別図柄が停止表示する際には、3つの識別図柄41a,41b,41cも停止表示するようになっている。しかも、図2に示すように、演出表示装置41は、第1特図表示部51または第2特図表示部52(セグメント表示部50)よりも目に付き易い位置に設けられており、表示画面も大きく、表示内容も分かり易いので、遊技者は演出表示装置41の画面を見ながら遊技を行うことが通常である。従って、図6(b)に示すように、演出表示装置41の表示画面上で初めに停止表示される左識別図柄41aと、続いて停止表示される右識別図柄41cとが同じ図柄であった場合には、最後に停止表示される中識別図柄41bも同じ図柄で停止して、「大当り遊技が開始されるのではないか」と、遊技者は識別図柄の変動表示(図柄変動演出)を注視することになる。このように、2つの識別図柄(一の識別図柄を除いた識別図柄)を同じ図柄(ゾロ目となり得る態様)で停止させて最後の識別図柄(一の識別図柄)を変動表示させた状態で行われる演出は「リーチ演出」と呼ばれており、このリーチ演出を発生させることで遊技興趣を高めている。
また、演出表示装置41の表示画面上の下部には、第1特図保留数を示すための第1保留表示領域41dと、第2特図保留数を示すための第2保留表示領域41eとが設定されている。本実施例のパチンコ機1では、第1保留表示領域41dに第1特図保留数と同数の「保留図柄(図中、小さい円形の図柄)」を表示することで第1特図保留数を示し、第2保留表示領域41eに第2特図保留数と同数の「保留図柄」を表示することで第2特図保留数を示す。従って、図6に示す例では、第1特図保留数および第2特図保留数が共に4個であることが示されている。尚、当然ながら、演出表示装置41の表示画面上に表示された保留図柄によって示される保留数と、セグメント表示部50の第1特図保留表示部53および第2特図保留表示部54にて示される保留数とは一致することとなる。
C.裏ユニットの取り付け態様 :
次に、本実施例のパチンコ機1の主な特徴である裏ユニット70の取り付け態様について説明する。裏ユニット70は、図3を用いて前述したように、遊技盤20の後面側に各種基板や各種機構を覆うように取り付けられている。
図7は、遊技盤20に裏ユニット70が取り付けられる様子を示す後方斜視図であり、図8は、その前方斜視図である。図7および図8では、遊技盤20および裏ユニット70以外の構成(各種基板や各種機構等)については、その図示を省略している。また、本発明と直接的には関係のない遊技盤20および裏ユニット70の細かい形状についても、その図示を省略している。
図7および図8に示すように、裏ユニット70は、前方(遊技盤20側)が開放された箱状に形成されている。そして、裏ユニット70における開口部の左右縁部には、遊技盤の後面に対向する対向面が設けられており、その対向面には締結部位70A,70B,70C,70D,70E(70A〜70E)が設けられている。これに対して、遊技盤20は、その四隅部であって締結部位70A〜70Eに対応する位置に、締結部位20A,20B,20C,20D,20E(20A〜20E)が設けられている。また、詳しくは後述するが、裏ユニット70の締結部位70A〜70E、遊技盤20の締結部位20A〜Eのそれぞれにはビス穴H(締結穴)が設けられている。裏ユニット70のビス穴Hと遊技盤20のビス穴HとにビスS(締結部材)を締結させることによって(図中、一点鎖線)、裏ユニット70は遊技盤20の後面側に取り付けられている。
尚、遊技盤20(第1の遊技部品)の締結部位20A〜20Eに設けられたビス穴Hを「第1の締結穴」として捉えることができ、裏ユニット70(第2の遊技部品)の締結部位70A〜70Eに設けられたビス穴Hを「第2の締結穴」として捉えることができる。
図7および図8に拡大して示すように、裏ユニット70の締結部位70A〜70E、遊技盤20の締結部位20A〜20Eには、ビスSが締結されるビス穴Hの他にも、本発明独特の構成が設けられている。これらの構成は、ビス穴HにビスSが締結される前において、遊技盤20に対する裏ユニット70の「裏ユニット70の取り付け方向と直交する方向(以下「ズレ方向」ともいう)」への移動を所定の範囲に制限するための構成である。この構成によって、遊技盤20のビス穴Hに裏ユニット70のビス穴Hが重なるように、遊技盤20に対して裏ユニット70を配置することができる。
すなわち、裏ユニット70は大型(少なくとも遊技盤20と同程度の大きさ)の遊技部品であるので、単に裏ユニット70を遊技盤20に押さえつけてビス穴HにビスSを締結しようとしても、遊技盤20のビス穴Hに裏ユニット70のビス穴Hを重ねることが困難であり、ひいては、双方のビス穴HにビスSを締結することが困難である。そこで、上述したように、遊技盤20に裏ユニット70を取り付けるに際しては、裏ユニット70の「ズレ方向」への移動を所定の範囲に制限することとしており、裏ユニット70の締結部位70A〜70E、遊技盤20の締結部位20A〜20Eには、このような制限を行うための構成が設けられている。このように、遊技盤20のビス穴Hと裏ユニット70のビス穴HとにビスSを締結させる前において、遊技盤20に対する裏ユニット70の「ズレ方向」への移動を所定の範囲に制限することを「位置決め」とも表現する。以下では、このような位置決めを行うための構成について詳しく説明する。
尚、遊技盤20は「第1の遊技部品」として捉えることができ、裏ユニット70は「第2の遊技部品」として捉えることができる。
C−1.遊技盤20の締結部位20A、裏ユニット70の締結部位70A :
図9は、遊技盤20の締結部位20Aと、この締結部位20Aに締結される裏ユニット70の締結部位70Aを抜き出して示す説明図である。なかでも、図9(a)は、締結部位20Aおよび締結部位70Aの後方斜視図であり、図9(b)は、その前方斜視図である。尚、図9では、位置決めに係る構成以外の構成については、その形状を簡略化している。
<遊技盤20の締結部位20A>
図9に示すように、遊技盤20の締結部位20Aには、後方(裏ユニット70側)に向かって突出した遊技盤側挿入部201,202が上下に2つ並べて設けられている。それぞれの遊技盤側挿入部201,202にはビス穴Hが設けられており、このビス穴Hは、遊技盤側挿入部201,202および遊技盤20を前後方向(裏ユニット70の取り付け方向)に貫通させて形成されている。従って、遊技盤側挿入部201,202は、少なくとも後方(裏ユニット70側、本実施例では前方および後方)が開口された円筒形状を有している。
また、2つの遊技盤側挿入部201,202の下方には、後方(裏ユニット70側)に向かって突出した遊技盤側被挿入部203が設けられている。この遊技盤側被挿入部203には、後方(裏ユニット70側)が開放されると共に前後方向(裏ユニット70の取り付け方向)に伸びる円柱状の被挿入空間203aが設けられている。従って、遊技盤側被挿入部203も、少なくとも後方(裏ユニット70側)が開口された円筒形状を有している。
また、2つの遊技盤側挿入部201,202の外壁間には、後方(裏ユニット70側)に向かって突出すると共に2つの遊技盤側挿入部201,202を連結する第1リブ部204が形成されており、下側の遊技盤側挿入部202の外壁と遊技盤側被挿入部203の外壁との間にも、後方(裏ユニット70側)に向かって突出すると共に下側の遊技盤側挿入部202と遊技盤側被挿入部203とを連結する第2リブ部205が形成されている。
上述した2つの遊技盤側挿入部201,202、遊技盤側被挿入部203、第1リブ部204、第2リブ部205の先端部(裏ユニット70側の端部)は平面状(平坦)に形成されており、且つ、遊技盤20の後面からこれらの先端部までの距離(高さ)は互いに同じである。すなわち、2つの遊技盤側挿入部201,202、遊技盤側被挿入部203、第1リブ部204、第2リブ部205の先端部(裏ユニット70側の端部)は、いわゆる面一に形成されている。
<裏ユニット70の締結部位70A>
一方、裏ユニット70の締結部位70Aには、2つの遊技盤側挿入部201,202、第1リブ部204、第2リブ部205の外郭(輪郭)に沿った形状であると共に前方(遊技盤20側)に突出した裏ユニット側被挿入部701が設けられている。この裏ユニット側被挿入部701の形状は、詳しくは、2つの遊技盤側挿入部201,202、第1リブ部204、第2リブ部205の形状を裏ユニット70に投影し、この形状が投影された領域(投影領域)の外郭(輪郭)に沿わせた形状(あるいは投影領域の少なくとも一部を囲繞する形状)である。裏ユニット側被挿入部701をこのような形状とすることによって、この裏ユニット側被挿入部701に、2つの遊技盤側挿入部201,202、第1リブ部204、第2リブ部205がまとめて挿入される被挿入空間701aを設けている。
裏ユニット70のビス穴Hは、遊技盤20のビス穴Hに対応する裏ユニット70の部位を貫通させて設けられている。ここで、遊技盤20のビス穴Hは、2つの遊技盤側挿入部201,202に設けられているので、これらのビス穴Hに対応する裏ユニット70の部位は、上述の投影領域内であり、換言すると、裏ユニット側被挿入部701(被挿入空間701a)が設けられた部位である。従って、裏ユニット70のビス穴Hは、上述の投影領域内に設けられており、換言すると、裏ユニット側被挿入部701(被挿入空間701a)に設けられていることとなる。
裏ユニット側被挿入部701の下方には、遊技盤側被挿入部203(被挿入空間203a)に対応する位置に裏ユニット側挿入部702が設けられている。裏ユニット側挿入部702は、前方(遊技盤20側)に突出した円錐台形状を有しており、遊技盤側被挿入部203の被挿入空間203aに挿入される。
上述した裏ユニット側被挿入部701の高さ(裏ユニット70の前面から裏ユニット側被挿入部701の先端部までの距離)は、裏ユニット側挿入部702の高さ(裏ユニット70の前面から裏ユニット側挿入部702の先端部までの距離)よりも高く(長い距離に)形成されている。こうすることよって、遊技盤20(先端部が面一に形成された2つの遊技盤側挿入部201,202、遊技盤側被挿入部203、第1リブ部204、第2リブ部205)に、裏ユニット70(裏ユニット側被挿入部701、裏ユニット側挿入部702)を取り付けるに際して、先に、裏ユニット側挿入部702が遊技盤側被挿入部203に挿入(係合)され、続いて、2つの遊技盤側挿入部201,202、第1リブ部204、第2リブ部205が、裏ユニット側被挿入部701に挿入(係合)されることとなる。
<締結部位20Aに対する締結部位70Aの取り付け>
次に、上述した「遊技盤20の締結部位20A」に「裏ユニット70の締結部位70A」を取り付ける際の工程について説明する。図10および図11は、この取り付け過程を説明するための説明図であり、なかでも、図10(b)は、図10(a)に示す面Xにおける断面図である。遊技盤20に裏ユニット70を取り付ける工程が開始された当初は、当然ながら、図10(b)に示すように、裏ユニット70(締結部位70A)は遊技盤20(締結部位20A)から離されて配置される。
その後、裏ユニット70(締結部位70A)を遊技盤20(締結部位20A)に近づけていき、図11(a)に示すように、裏ユニット側挿入部702の先端側を遊技盤側被挿入部203(被挿入空間203a)に挿入する(係合する)。ここで、裏ユニット側挿入部702の先端側の外径は、遊技盤側被挿入部203の開口部の内径(被挿入空間203aの開口部の径)よりも、H1(第1の範囲、第1の長さ、例えば1.0〜2.5mm)だけ小さく形成されている。従って、裏ユニット側挿入部702の先端側が遊技盤側被挿入部203(被挿入空間203a)に挿入された状態においては、裏ユニット側挿入部702の外壁から遊技盤側被挿入部203(被挿入空間203a)の内壁までの「ズレ方向」の長さ、すなわち、裏ユニット側挿入部702の外壁と遊技盤側被挿入部203(被挿入空間203a)の内壁との間に形成される間隙の「ズレ方向」の長さは、最大でH1(例えば1.0〜2.5mm)となる。この状態において、裏ユニット70を「ズレ方向」に最大でH1移動させると、裏ユニット側挿入部702の外壁が遊技盤側被挿入部203(被挿入空間203a)の内壁に当接することとなる。つまり、この状態は、遊技盤20に対する裏ユニット70の「ズレ方向」への移動がH1以内に制限された状態である。
上述のように、裏ユニット側挿入部702の先端側を遊技盤側被挿入部203(被挿入空間203a)に挿入することによって、遊技盤20(第1の遊技部品)に対する裏ユニット70(第2の遊技部品)の「ズレ方向」への移動をH1以内(第1の範囲)に制限する(位置決めを行う)工程は、本実施例における「第1段階目の位置決め」であり、「第1位置決め工程」として捉えることができる。
このように「第1段階目の位置決め」を行うことによって、裏ユニット70の「ズレ方向」への移動がH1以内に制限された状態としたら、この状態のまま、さらに裏ユニット70(締結部位70A)を遊技盤20(締結部位20A)に近づけていく。そして、図11(b)に示すように、裏ユニット側被挿入部701(被挿入空間701a)に、遊技盤側挿入部201,202、第1リブ部204、第2リブ部205の先端側を挿入する(係合する)。ここで、上述したように、裏ユニット側被挿入部701の形状は、遊技盤側挿入部201,202、第1リブ部204、第2リブ部205の形状を裏ユニット70に投影し、この形状が投影された領域(投影領域)の外郭(輪郭)に沿わせた形状である。従って、裏ユニット側被挿入部701(被挿入空間701a)に、遊技盤側挿入部201,202、第1リブ部204、第2リブ部205の先端側を挿入された状態においては、これらの外壁から裏ユニット側被挿入部701(被挿入空間701a)の内壁までの「ズレ方向」の長さ、すなわち、これらの外壁と裏ユニット側被挿入部701(被挿入空間701a)の内壁との間に形成される間隙の「ズレ方向」の長さは、最大でもH1よりも短いH2(第2の長さ、第2の範囲、例えば0〜0.2mm)となる。この状態において、遊技盤側挿入部201,202、第1リブ部204、第2リブ部205を「ズレ方向」に最大でH2移動させると、これらの外壁が裏ユニット側被挿入部701(被挿入空間701a)の内壁に当接することとなる。つまり、この状態は、遊技盤20に対する裏ユニット70の「ズレ方向」への移動がH1よりも短いH2以内に制限された状態である。
上述のように、裏ユニット側被挿入部701(被挿入空間701a)に、遊技盤側挿入部201,202、第1リブ部204、第2リブ部205の先端側を挿入することによって、遊技盤20(第1の遊技部品)に対する裏ユニット70(第2の遊技部品)の「ズレ方向」への移動をH1よりも短いH2以内(第1の範囲より狭い第2の範囲)に制限する(位置決めを行う)工程は、本実施例における「第2段階目の位置決め」であり、「第2位置決め工程」として捉えることができる。
このように「第2段階目の位置決め」を行うことによって、裏ユニット70の「ズレ方向」への移動がH2以内に制限された状態としたら、この状態のまま、さらに裏ユニット70(締結部位70A)を遊技盤20(締結部位20A)に近づけていく。そして、図11(c)に示すように、遊技盤側挿入部201,202、第1リブ部204、第2リブ部205の先端部が、裏ユニット側被挿入部701(被挿入空間701a)のビス穴Hが形成された面(投影領域)に当接して、遊技盤側挿入部201,202のビス穴Hと裏ユニット側被挿入部701(被挿入空間701a)のビス穴Hとが連通したら、図11(d)に示すように、これらのビス穴HにビスSを締結させる。
以上は、締結部位70Aおよび締結部位20Aについて説明したが、締結部位70Bおよび締結部位20B、締結部位70Cおよび締結部位20Cについては、締結部位70Aおよび締結部位20Aと同様の構成であるので、その説明を省略する。
ここで、従来技術においても、遊技盤に裏ユニットを取り付けるに際しては、裏ユニットの四隅に設けられた位置決めボスを、遊技盤の四隅に設けられた位置決め穴に挿入することで位置決めを行う(裏ユニットの「ズレ方向」への移動を制限する)。そして、遊技盤および裏ユニットの双方に設けられたビス穴を重ねて、この重なったビス穴にビスを締結させることで、裏ユニットを遊技盤に固定する。しかしながら、この従来技術では、位置決め穴の径と位置決めボスの径との差が大きい場合は、位置決めを行っても、裏ユニットの「ズレ方向」への移動の範囲が十分に制限されず、双方に設けられたビス穴が重ならないことがある。この場合は、ビス穴にビスを締結させることが困難になってしまうという問題があった。一方、位置決め穴の径と位置決めボスの径との差が小さいと、位置決め穴に位置決めボスを挿入することができれば裏ユニットの「ズレ方向」への移動の範囲を十分に制限することができるものの、そもそも位置決め穴に位置決めボスを挿入すること、すなわち、位置決め作業自体が困難になってしまうという問題があった。
これに対して、本実施例のパチンコ機1では、裏ユニット70の位置決めを行うに際しては、先ず、裏ユニット側挿入部702の先端側を遊技盤側被挿入部203(被挿入空間203a)に挿入することによって、裏ユニット70(遊技盤側挿入部201,202、第1リブ部204、第2リブ部205)の「ズレ方向」への移動をH1以内に制限する「第1段階目の位置決め」を行う(図11(a)参照)。そして、このように裏ユニット70の「ズレ方向」への移動がH1以内に制限された状態において、裏ユニット側被挿入部701(被挿入空間701a)に遊技盤側挿入部201,202、第1リブ部204、第2リブ部205の先端側を挿入することによって、裏ユニット70の「ズレ方向」への移動をH1よりも短いH2以内に制限する「第2段階目の位置決め」を行う(図11(b)参照)。
このように本実施例のパチンコ機1では、「第1段階目の位置決め」だけでは位置決めを終了しないので、「第1段階目の位置決め」を行った結果としてビス穴H同士(遊技盤20のビス穴Hと裏ユニット70のビス穴H)が互いにズレていてもよい。このため、「第1段階目の位置決め」においては、裏ユニット70の「ズレ方向」への移動の制限を厳格にする必要がない(高精度の位置決めを行う必要がない)。従って、「第1段階目の位置決め」を容易に行うことができ、ひいては、位置決め作業を容易に開始することができる。例えば、裏ユニット側挿入部702の外壁から遊技盤側被挿入部203(被挿入空間203a)の内壁までの「ズレ方向」の長さH1が長くてもよいので、裏ユニット側挿入部702の先端側の外径と、遊技盤側被挿入部203の開口部の内径(被挿入空間203aの開口部の径)との差を大きくすることができる。この結果、「第1段階目の位置決め」において、裏ユニット側挿入部702の先端側を遊技盤側被挿入部203(被挿入空間203a)に挿入し易くなる。
一方、「第2段階目の位置決め」においては、その後にビスSが締結されるので、ビス穴H同士(遊技盤20のビス穴Hと裏ユニット70のビス穴H)を重ねる必要がある。すなわち、「第2段階目の位置決め」においては、裏ユニット70の「ズレ方向」への移動の制限を厳格にする必要がある(高精度の位置決めを行う必要がある)。このような高精度の位置決めを行うことは、従来技術であれば上述したように困難である。もっとも、本実施例の「第2段階目の位置決め」は、「第1段階目の位置決め」で裏ユニット70(遊技盤側挿入部201,202、第1リブ部204、第2リブ部205)の「ズレ方向」への移動がH1以内に制限された状態で行われるので、「第2段階目の位置決め」においては、裏ユニット70(遊技盤側挿入部201,202、第1リブ部204、第2リブ部205)が「ズレ方向」へ大きくズレることがない。このため、容易に遊技盤側挿入部201,202、第1リブ部204、第2リブ部205を裏ユニット側被挿入部701(被挿入空間701a)に挿入することができ、ひいては、容易に高精度の位置決め(第2段階目の位置決め)を行うことができる。例えば、遊技盤側挿入部201,202、第1リブ部204、第2リブ部205の外壁から裏ユニット側被挿入部701(被挿入空間701a)の内壁までの「ズレ方向」の長さH2を小さくすることで高精度の位置決めを行うようにしたとしても、裏ユニット70(遊技盤側挿入部201,202、第1リブ部204、第2リブ部205)の「ズレ方向」への移動がH1以内に制限された状態で行われるので、容易に遊技盤側挿入部201,202、第1リブ部204、第2リブ部205を裏ユニット側被挿入部701(被挿入空間701a)に挿入することができる。
以上のように本実施例のパチンコ機1では、「第1段階目の位置決め」および「第2段階目の位置決め」を行うので、容易に高精度の位置決めを行うことができる。この結果、遊技盤20に裏ユニット70を取り付ける際の作業性を向上させることが可能となる。
また、本実施例のパチンコ機1では、裏ユニット側被挿入部701(被挿入空間701a)には、遊技盤側挿入部を1つだけ挿入するのではなく、2つの遊技盤側挿入部201,202、遊技盤側被挿入部203、第1リブ部204、第2リブ部205を挿入する。従って、更に高い精度で位置決め(第2段階目の位置決め)を行うことができる。
また、本実施例のパチンコ機1では、遊技盤20のビス穴Hは遊技盤側挿入部201,201に設けられ、裏ユニット70のビス穴Hは遊技盤側挿入部201,201が挿入される裏ユニット側被挿入部701(被挿入空間701a)に設けられている。換言すると、「第2段階目の位置決め」が行われる際に係合する部位にビス穴が設けられている。
ここで、従来技術においては、位置決めが行われる部位(位置決め穴、位置決めボス)から離れた位置にビス穴が設けられているため、遊技盤や裏ユニットに製造誤差があったり、これらが変形したりすると、位置決めを行っても、双方に設けられたビス穴が重ならないことがあるという問題があった。
これに対して、パチンコ機1では、上述のように「第2段階目の位置決め」が行われる際に係合する部位にビス穴Hが設けられているので、位置決めに係る部位からビス穴Hが離れることがない。この結果、「第2段階目の位置決め」を行えば高い精度で遊技盤20のビス穴Hと裏ユニット70のビス穴Hが重なることとなり、これらのビス穴HにビスSを締結させ易くなる。この結果、遊技盤20に裏ユニット70を取り付ける際の作業性を向上させることが可能となる。
また、本実施例のパチンコ機1では、2つの遊技盤側挿入部201,202の間にはこれらを連結する第1リブ部204が設けられており、下側の遊技盤側挿入部202と遊技盤側被挿入部203の間にはこれらを連結する第2リブ部205が設けられている。このため、遊技盤側挿入部201,202、遊技盤側被挿入部203にかかる「ズレ方向」の力に抗することができ、これらを補強することができる。特に、遊技盤側挿入部201,202は、裏ユニット側被挿入部701との間に形成される間隙が小さいので、裏ユニット側被挿入部701の内壁に当接し易い。このため、遊技盤側挿入部201,202は、所定の大きさ以上のズレ方向の力を受けて変形してしまう虞がある。また、遊技盤側挿入部201,202は、内部にビス穴Hが形成されているため(中空であるため)、「ズレ方向」の力に屈しやすくなり、この場合は変形してしまう虞がある。この点、遊技盤側挿入部201,202は上述のように補強されているので、これらの虞を軽減することができる。
さらに、遊技盤20に裏ユニット70を取り付けた後においても、第1リブ部204、第2リブ部205が設けられているので、遊技盤側挿入部201,202、遊技盤側被挿入部203にかかる「ズレ方向」の力に抗することができる。例えば、遊技盤20に裏ユニット70を取り付けた後に、遊技盤20や裏ユニット70にズレ方向の力がかかった場合や、上述した2本のビスSのうち1本しか締結されていない場合であっても、遊技盤側挿入部201,202が変形してしまう虞を軽減することができる。
また、本実施例のパチンコ機1では、裏ユニット側被挿入部701の開口部は、遊技盤側挿入部201,202だけでなく、第1リブ部および第2リブ部も受け入れ可能な形状を有しているので、第1リブ部および第2リブ部を大型化することができる。この結果、遊技盤側挿入部201,202、遊技盤側被挿入部203を更に補強することが可能となる。
また、本実施例のパチンコ機1では、裏ユニット側被挿入部701(被挿入空間701a)に挿入される「遊技盤側挿入部201,202、遊技盤側被挿入部203、第1リブ部204、第2リブ部205」の先端部(裏ユニット70側の端部)は平面状(平坦)に形成されており、且つ、遊技盤20の後面からこれらの先端部までの距離は互いに同じである。すなわち、遊技盤側挿入部201,202、遊技盤側被挿入部203、第1リブ部204、第2リブ部205の先端部(裏ユニット70側の端部)は、いわゆる面一に形成されている。このため、「第2段階目の位置決め」を行った結果、図11(c)に示すように、遊技盤側挿入部201,202、遊技盤側被挿入部203、第1リブ部204、第2リブ部205の先端部全てを裏ユニット70の前面に当接させることができる。この結果、裏ユニット70(締結部位70A)にかかる前方向(遊技盤20側)の力に抗することができ、裏ユニット70(締結部位70A)を補強することが可能となる。例えば、図11(d)に示すようにビスSを締結させた際に、その締結力によって裏ユニット70(締結部位70A)が歪んだり破損したりすることを抑制することが可能となる。
また、上述したように、遊技盤側挿入部201,202、遊技盤側被挿入部203、第1リブ部204、第2リブ部205の先端部(ここではまとめて「遊技盤側先端面」という)は、面一に形成されているので、「第1段階目の位置決め」がされた後においては、裏ユニット側被挿入部701の先端部(遊技盤20側の端部)を「遊技盤側先端面」に当接させつつ裏ユニット70を「ズレ方向」に移動させて(スライドさせて)、「第2段階目の位置決め」が行われる位置を探ることができる。この結果、「第2段階目の位置決め」を円滑に行うことができる。
また、本実施例のパチンコ機1では、締結部位20Aの第1リブ部204、第2リブ部205は、裏ユニット70の開口部を囲む外壁(側壁)に沿って(平行に)形成されている。ここで、裏ユニット70のように外壁を有する遊技部品は、当然ながら、その外壁に対して力を受けることが多い。この点、本実施例では、この外壁に沿って第1リブ部204、第2リブ部205が設けられているので、締結部位20Aにおいて上述の力のかかる面積を大きくすることができ(力を分散させることができ)、裏ユニット70(締結部位70A)が歪んだり破損したりすることを抑制することが可能となる。尚、互いに異なる方向(例えば外壁と平行な方向と直交する方向)に延びるリブ部を複数設けることとしてもよく、こうした場合は、複数の方向からの力に抗することができる。
C−2.遊技盤20の締結部位20D、裏ユニット70の締結部位70D :
次に、「遊技盤20の締結部位20D(図7参照)」および「裏ユニット70の締結部位70D(図8参照)」について説明する。図12は、遊技盤20の締結部位20Dと、この締結部位20Dに締結される裏ユニット70の締結部位70Dを抜き出して示す説明図である。なかでも、図12(a)は、締結部位20Dおよび締結部位70Dの後方斜視図であり、図12(b)は、その前方斜視図である。尚、図12では、位置決めに係る構成以外の構成については、その形状を簡略化している。
<遊技盤20の締結部位20D>
図12に示すように、遊技盤20の締結部位20Dには、後方(裏ユニット70側)に向かって突出した遊技盤側挿入部211が設けられている。遊技盤側挿入部211にはビス穴Hが設けられており、このビス穴Hは、遊技盤側挿入部211および遊技盤20を前後方向(裏ユニット70の取り付け方向)に貫通させて形成されている。従って、遊技盤側挿入部211は、少なくとも後方(裏ユニット70側、本実施例では前方および後方)が開口された円筒形状を有している。
また、遊技盤側挿入部211の斜め上方には、後方(裏ユニット70側)に向かって突出した遊技盤側被挿入部212が設けられている。この遊技盤側被挿入部212には、後方(裏ユニット70側)が開放されると共に前後方向(裏ユニット70の取り付け方向)に伸びる円柱状の被挿入空間212aが設けられている。従って、遊技盤側被挿入部212も、少なくとも後方(裏ユニット70側)が開口された円筒形状を有している。
また、遊技盤側挿入部211の外壁と遊技盤側被挿入部212の外壁との間には、後方(裏ユニット70側)に向かって突出すると共に遊技盤側挿入部211と遊技盤側被挿入部212とを連結するリブ部213が形成されている。
上述した遊技盤側挿入部211、遊技盤側被挿入部212、リブ部213の先端部(裏ユニット70側の端部)は平面状(平坦)に形成されており、且つ、遊技盤20の後面からこれらの先端部までの距離は互いに同じである。すなわち、遊技盤側挿入部211、遊技盤側被挿入部212、リブ部213の先端部(裏ユニット70側の端部)は、いわゆる面一に形成されている。
<裏ユニット70の締結部位70D>
一方、裏ユニット70の締結部位70Dには、遊技盤側挿入部211、リブ部213の外郭(輪郭)に沿った形状であると共に前方(遊技盤20側)に突出した裏ユニット側被挿入部711が設けられている。この裏ユニット側被挿入部711の形状は、詳しくは、遊技盤側挿入部211、リブ部213の形状を裏ユニット70に投影し、この形状が投影された領域(投影領域)の外郭(輪郭)に沿わせた形状(あるいは投影領域の少なくとも一部を囲繞する形状)である。裏ユニット側被挿入部711をこのような形状とすることによって、この裏ユニット側被挿入部711に、遊技盤側挿入部211、リブ部213がまとめて挿入される被挿入空間711aを設けている。
裏ユニット70のビス穴Hは、遊技盤20のビス穴Hに対応する裏ユニット70の部位を貫通させて設けられている。ここで、遊技盤20のビス穴Hは、遊技盤側挿入部211に設けられているので、このビス穴Hに対応する裏ユニット70の部位は上述の投影領域内であり、換言すると、裏ユニット側被挿入部711(被挿入空間711a)が設けられた部位である。従って、裏ユニット70のビス穴Hは、上述の投影領域内に設けられており、換言すると、裏ユニット側被挿入部711(被挿入空間711a)に設けられていることとなる。
裏ユニット側被挿入部711の斜め上方には、遊技盤側被挿入部212(被挿入空間212a)に対応する位置に裏ユニット側挿入部712が設けられている。裏ユニット側挿入部712は、前方(遊技盤20側)に突出した円錐台形状を有しており、遊技盤側被挿入部212の被挿入空間212aに挿入される。
<締結部位20Dに対する締結部位70Dの取り付け>
以上のように、遊技盤20の締結部位20Dは、締結部位20Aから遊技盤側挿入部201と第1リブ部204を取り除いた構成を有しており、この締結部位20Dにおいては、遊技盤側挿入部211が締結部位20Aの遊技盤側挿入部202に相当し、遊技盤側被挿入部212が締結部位20Aの遊技盤側被挿入部203に相当し、リブ部213が締結部位20Aの第2リブ部205に相当する。また、裏ユニット70の締結部位70Dでは、裏ユニット側被挿入部711の形状が締結部位70Aの裏ユニット側被挿入部701の形状と異なっており、この締結部位70Dにおいては、裏ユニット側被挿入部711が締結部位70Aの裏ユニット側被挿入部701に相当し、裏ユニット側挿入部712が締結部位70Aの裏ユニット側挿入部702に相当する。
すなわち、締結部位20Dおよび締結部位70Dには、締結部位20Aおよび締結部位20Aにおける「第1段階目の位置決め」に係る構成に相当する構成、および、締結部位20Aおよび締結部位20Aにおける「第2段階目の位置決め」に係る構成に相当する構成が設けられている。従って、締結部位20Eに締結部位70Eを取り付けるに際しても、「第1段階目の位置決め」および「第2段階目の位置決め」が行われる。尚、これらの工程については、締結部位20Aに締結部位70Aを取り付ける際の上述の工程と近似しているので、以下に簡単に説明する。
先ず、「第1段階目の位置決め」として、裏ユニット側挿入部712の先端側を遊技盤側被挿入部212(被挿入空間212a)に挿入する(係合する)。こうすることによっても、遊技盤20に対する裏ユニット70の「ズレ方向」への移動がH1以内に制限された状態となる。続いて、「第2段階目の位置決め」として、裏ユニット側被挿入部711(被挿入空間711a)に、遊技盤側挿入部211、リブ部213の先端側を挿入する。こうすることによっても、遊技盤20に対する裏ユニット70の「ズレ方向」への移動がH1よりも短いH2以内に制限された状態となる。そして、遊技盤側挿入部211、リブ部213の先端側が裏ユニット側被挿入部711(被挿入空間711a)のビス穴Hが形成された面(投影領域)に当接して、遊技盤側挿入部211のビス穴Hと裏ユニット側被挿入部711(被挿入空間711a)のビス穴Hとが連通したら、これらのビス穴HにビスSを締結させる。
このように遊技盤側挿入部211を1つしか有していない場合であっても、「第1段階目の位置決め」および「第2段階目の位置決め」を行うことができ、これらの位置決めに係る上述の効果(締結部位20Aおよび締結部位20Aを締結させる場合と同様の効果)を奏することができる。
C−3.遊技盤20の締結部位20E、裏ユニット70の締結部位70E :
次に、「遊技盤20の締結部位20E(図7参照)」および「裏ユニット70の締結部位70E(図8参照)」について説明する。図13は、遊技盤20の締結部位20Eと、この締結部位20Eに締結される裏ユニット70の締結部位70Eを抜き出して示す説明図である。なかでも、図13(a)は、締結部位20Eおよび締結部位70Eの後方斜視図であり、図13(b)は、その前方斜視図である。尚、図13では、位置決めに係る構成以外の構成については、その形状を簡略化している。
<遊技盤20の締結部位20E>
図13に示すように、遊技盤20の締結部位20Eには、後方(裏ユニット70側)に向かって突出した遊技盤側挿入部221,222が上下に2つ並べて設けられている。それぞれの遊技盤側挿入部221,222にはビス穴Hが設けられており、このビス穴Hは、遊技盤側挿入部221,222および遊技盤20を前後方向(裏ユニット70の取り付け方向)に貫通させて形成されている。従って、遊技盤側挿入部221,222は、少なくとも後方(裏ユニット70側、本実施例では前方および後方)が開口された円筒形状を有している。
また、2つの遊技盤側挿入部221,222の外壁間には、後方(裏ユニット70側)に向かって突出すると共に2つの遊技盤側挿入部221,222を連結するリブ部223が形成されている。
上述した2つの遊技盤側挿入部221,222、リブ部223の先端部(裏ユニット70側の端部)は平面状(平坦)に形成されており、且つ、遊技盤20の後面からこれらの先端部までの距離は互いに同じである。すなわち、2つの遊技盤側挿入部221,222、リブ部223の先端部(裏ユニット70側の端部)は、いわゆる面一に形成されている。
<裏ユニット70の締結部位70E>
一方、裏ユニット70の締結部位70Eには、2つの遊技盤側挿入部221,222、リブ部223の外郭(輪郭)に沿った形状であると共に前方(遊技盤20側)に突出した裏ユニット側被挿入部721が設けられている。この裏ユニット側被挿入部721の形状は、詳しくは、2つの遊技盤側挿入部221,222、リブ部223の形状を裏ユニット70に投影し、この形状が投影された領域(投影領域)の外郭(輪郭)に沿わせた形状(あるいは投影領域の少なくとも一部を囲繞する形状)である。裏ユニット側被挿入部721をこのような形状とすることによって、この裏ユニット側被挿入部721に、2つの遊技盤側挿入部221,222、リブ部223がまとめて挿入される被挿入空間721aを設けている。
裏ユニット70のビス穴Hは、遊技盤20のビス穴Hに対応する裏ユニット70の部位を貫通させて設けられている。ここで、遊技盤20のビス穴Hは、2つの遊技盤側挿入部221,222に設けられているので、これらのビス穴Hに対応する裏ユニット70の部位は上述の投影領域内であり、換言すると、裏ユニット側被挿入部721(被挿入空間721a)が設けられた部位である。従って、裏ユニット70のビス穴Hは、上述の投影領域内に設けられており、換言すると、裏ユニット側被挿入部721(被挿入空間721a)に設けられていることとなる。
<締結部位20Eに対する締結部位70Eの取り付け>
以上のように、遊技盤20の締結部位20Eは、締結部位20Aから遊技盤側被挿入部203と第2リブ部205を取り除いた構成を有しており、この締結部位20Eにおいては、遊技盤側挿入部221,222が締結部位20Aの遊技盤側挿入部201,202に相当し、リブ部223が締結部位20Aの第1リブ部204に相当する。また、裏ユニット70の締結部位70Eでは、締結部位70Aから裏ユニット側挿入部702を取り除いた形状であり、且つ、裏ユニット側被挿入部721の形状が締結部位70Aの裏ユニット側被挿入部701の形状と異なっており、この締結部位70Eにおいては、裏ユニット側被挿入部721が締結部位70Aの裏ユニット側被挿入部701に相当する。
すなわち、締結部位20Eおよび締結部位70Eには、締結部位20Aおよび締結部位20Aにおける「第1段階目の位置決め」に係る構成に相当する構成は設けられておらず、締結部位20Aおよび締結部位20Aにおける「第2段階目の位置決め」に係る構成に相当する構成が設けられている。従って、締結部位20Eおよび締結部位70Eにおいては「第1段階目の位置決め」は行われず、他の締結部位において「第1段階目の位置決め」が行われた状態で「第2段階目の位置決め」が行われる。尚、この工程については、締結部位20Aに締結部位70Aを取り付ける際の上述の工程と近似しているので、以下に簡単に説明する。
他の締結部位において「第1段階目の位置決め」が行われた状態となったら、「第2段階目の位置決め」として、裏ユニット側被挿入部721(被挿入空間721a)に、遊技盤側挿入部221,222、リブ部223の先端側を挿入する。こうすることによっても、遊技盤20に対する裏ユニット70の「ズレ方向」への移動がH1よりも短いH2以内に制限された状態となる。そして、遊技盤側挿入部221,222、リブ部223の先端側が裏ユニット側被挿入部721(被挿入空間721a)のビス穴Hが形成された面(投影領域)に当接して、遊技盤側挿入部221,222のビス穴Hと裏ユニット側被挿入部721(被挿入空間721a)のビス穴Hとが連通したら、これらのビス穴HにビスSを締結させる。
以上のように、「第2段階目の位置決め」が行われる部位(締結部位20Eおよび締結部位70E)が「第1段階目の位置決め」が行われる部位(他の締結部位)から離れた位置にあっても、「第2段階目の位置決め」を行うことができ、「第2段階目の位置決め」に係る上述の効果(締結部位20Aおよび締結部位20Aを締結させる場合と同様の効果)を奏することができる。
尚、本実施例の裏ユニット側挿入部702,712は「第1の挿入部」として捉えることができ、遊技盤側被挿入部203、212は「第1の被挿入部」として捉えることができる。また、本実施例の遊技盤側挿入部201,202,211,221,222は「第2の挿入部」および「第1の部位」として捉えることができ、裏ユニット側被挿入部701,711,721は「第2の被挿入部」および「第2の部位」として捉えることができる。また、本実施例の第1リブ部204、第2リブ部205、リブ部213、リブ部223は「補強部」として捉えることができる。また、裏ユニット側挿入部702,712、遊技盤側被挿入部203、212は「第1の移動制限手段」として捉えることができ、遊技盤側挿入部201,202,211,221,222、裏ユニット側被挿入部701,711,721は「第2の移動制限手段」として捉えることができる。
D.変形例 :
次に、本発明の変形例について説明する。本発明においては、上述した締結部位の一部または全部として、次のような締結部位を採用してもよい。
図14は、変形例における遊技盤20の締結部位20Fと、この締結部位20Fに締結される裏ユニット70の締結部位70Fを抜き出して示す説明図である。なかでも、図14(a)は、変形例の締結部位の後方斜視図であり、図14(b)は、その前方斜視図である。尚、図14では、位置決めに係る構成以外の構成については、その形状を簡略化している。
<遊技盤20の締結部位20F>
変形例における遊技盤20の締結部位20Fには、遊技盤20の後面の円形状領域が前方側に一段階押し下げられた大径被挿入部231(大径の円柱状の空間)が設けられており、この大径被挿入部231の前面の円形状領域(上述の円形状領域より小径の領域)が更に前方側に一段階押し下げられた小径被挿入部232(小径の円柱状の空間)が設けられている。また、小径被挿入部232の前面の中心位置には、該前面を有する前壁(遊技盤20)を前後方向(裏ユニット70の取り付け方向)に貫通させてビス穴Hが形成されている。
<裏ユニット70の締結部位70F>
一方、変形例における裏ユニット70の締結部位70Fには、小径被挿入部232に対応する位置に前方(遊技盤20側)に突出した挿入部731が設けられている。この挿入部731の形状は、小径被挿入部232の形状(小径の円形)を裏ユニット70に投影し、この形状が投影された領域(投影領域)を前方(遊技盤20側)に突出させた形状となっている。また、挿入部731の内部にはビス頭収納部732が設けられている。ビス頭収納部732は、ビスSの頭部の径より大きな径の円柱状の空間であり、後方側に開口部が形成されている。ビス頭収納部732には、ビス穴HにビスSを締結するに際して、開口部からビスS全体(頭部も含む)が挿入される。そして、ビス穴HにビスSが締結された後は、ビス頭収納部732にビスSの頭部が収納されることとなる。
<締結部位20Fに対する締結部位70Fの取り付け>
次に、上述した「遊技盤20の締結部位20F」に「裏ユニット70の締結部位70F」を取り付ける際の工程について説明する。図15および図16は、この取り付け過程を説明するための説明図であり、なかでも、図15(b)は、図15(a)に示す面Yにおける断面図である。遊技盤20に裏ユニット70を取り付ける工程が開始された当初は、当然ながら、図15(b)に示すように、裏ユニット70(締結部位70F)は遊技盤20(締結部位20F)から離されて配置される。
その後、裏ユニット70(締結部位70F)を遊技盤20(締結部位20F)に近づけていき、図16(a)に示すように、挿入部731の先端側を大径被挿入部231に挿入する(係合する)。ここで、挿入部731の先端側の外径は、大径被挿入部231の開口部の内径よりも、H1(例えば1.0〜2.5mm)だけ小さく形成されている。従って、挿入部731の先端側が大径被挿入部231に挿入された状態においては、挿入部731の外壁から大径被挿入部231の内壁までの「ズレ方向」の長さ、すなわち、挿入部731の外壁と大径被挿入部231の内壁との間に形成される間隙の「ズレ方向」の長さは、最大でH1(例えば1.0〜2.5mm)となる。この状態において、裏ユニット70を「ズレ方向」に最大でH1移動させると、挿入部731の外壁が大径被挿入部231の内壁に当接することとなる。つまり、この状態は、遊技盤20に対する裏ユニット70の「ズレ方向」への移動がH1以内に制限された状態である。
上述のように、挿入部731の先端側を大径被挿入部231に挿入することによって、遊技盤20(第1の遊技部品)に対する裏ユニット70(第2の遊技部品)の「ズレ方向」への移動をH1以内(第1の範囲)に制限する工程は、変形例における「第1段階目の位置決め」であり、「第1位置決め工程」として捉えることができる。
このように変形例における「第1段階目の位置決め」を行うことによって、裏ユニット70の「ズレ方向」への移動がH1以内に制限された状態としたら、この状態のまま、さらに裏ユニット70(締結部位70F)を遊技盤20(締結部位20F)に近づけていく。そして、図16(b)に示すように、挿入部731の先端側を小径被挿入部232に挿入する(係合する)。ここで、上述したように、挿入部731の形状は、小径被挿入部232の形状(小径の円形)を裏ユニット70に投影し、この形状が投影された領域(投影領域)を前方(遊技盤20側)に突出させた形状である。従って、挿入部731の先端側が小径被挿入部232に挿入された状態においては、挿入部731の外壁から小径被挿入部232の内壁までの「ズレ方向」の長さ、すなわち、挿入部731の外壁と小径被挿入部232の内壁との間に形成される間隙の「ズレ方向」の長さは、最大でもH1よりも短いH2(例えば0〜0.2mm)となる。この状態において、挿入部731を「ズレ方向」に最大でH2移動させると、挿入部731の外壁が小径被挿入部232の内壁に当接することとなる。つまり、この状態は、遊技盤20に対する裏ユニット70の「ズレ方向」への移動がH1よりも短いH2以内に制限された状態である。
上述のように、挿入部731の先端側を小径被挿入部232に挿入することによって、遊技盤20(第1の遊技部品)に対する裏ユニット70(第2の遊技部品)の「ズレ方向」への移動をH1よりも短いH2以内(第1の範囲より狭い第2の範囲)に制限する(位置決めを行う)工程は、変形例における「第2段階目の位置決め」であり、「第2位置決め工程」として捉えることができる。
このように「第2段階目の位置決め」を行うことによって、裏ユニット70の「ズレ方向」への移動がH2以内に制限された状態としたら、この状態のまま、さらに裏ユニット70(締結部位70F)を遊技盤20(締結部位20F)に近づけていく。そして、図16(c)に示すように、挿入部731の先端部が小径被挿入部232のビス穴Hが形成された面に当接して、挿入部731のビス穴Hと小径被挿入部232のビス穴Hとが連通したら、図16(d)に示すように、ビスS全体をビス頭収納部732に挿入し、これらのビス穴HにビスSを締結させる。
以上のように、変形例において裏ユニット70の位置決めを行うに際しては、先ず、挿入部731の先端側を大径被挿入部231に挿入することによって、裏ユニット70(挿入部731)の「ズレ方向」への移動をH1以内に制限する「第1段階目の位置決め」を行う(図16(a)参照)。そして、このように裏ユニット70の「ズレ方向」への移動がH1以内に制限された状態において、挿入部731の先端側を小径被挿入部232に挿入することによって、裏ユニット70の「ズレ方向」への移動をH1よりも短いH2以内に制限する「第2段階目の位置決め」を行う(図16(b)参照)。
このように変形例でも、「第1段階目の位置決め」だけでは位置決めを終了しないので、「第1段階目の位置決め」を行った結果としてビス穴H同士(遊技盤20のビス穴Hと裏ユニット70のビス穴H)が互いにズレていてもよい。このため、「第1段階目の位置決め」においては、裏ユニット70の「ズレ方向」への移動の制限を厳格にする必要がない(高精度の位置決めを行う必要がない)。従って、「第1段階目の位置決め」を容易に行うことができ、ひいては、位置決め作業を容易に開始することができる。例えば、挿入部731の外壁から大径被挿入部231の内壁までの「ズレ方向」の長さH1が長くてもよいので、挿入部731の先端側の外径と、大径被挿入部231の開口部の内径(被挿入空間203aの開口部の径)との差を大きくすることができる。この結果、「第1段階目の位置決め」において、挿入部731の先端側を大径被挿入部231に挿入し易くなる。
一方、「第2段階目の位置決め」においては、その後にビスSが締結されるので、ビス穴H同士(遊技盤20のビス穴Hと裏ユニット70のビス穴H)を重ねる必要がある。すなわち、「第2段階目の位置決め」においては、裏ユニット70の「ズレ方向」への移動の制限を厳格にする必要がある(高精度の位置決めを行う必要がある)。この点、「第2段階目の位置決め」は、「第1段階目の位置決め」で裏ユニット70(挿入部731)の「ズレ方向」への移動がH1以内に制限された状態で行われるので、「第2段階目の位置決め」において裏ユニット70(挿入部731)がズレ方向へ大きくズレることがない。このため、容易に挿入部731を小径被挿入部232に挿入することができ、ひいては、容易に高精度の位置決め(第2段階目の位置決め)を行うことができる。例えば、挿入部731の外壁から小径被挿入部232の内壁までの「ズレ方向」の長さH2を小さくすることで高精度の位置決めを行うようにしたとしても、裏ユニット70(挿入部731)の「ズレ方向」への移動がH1以内に制限された状態で行われるので、容易に挿入部731を小径被挿入部232に挿入することができる。
以上のように変形例でも、「第1段階目の位置決め」および「第2段階目の位置決め」を行うので、容易に高精度の位置決めを行うことができる。この結果、遊技盤20に裏ユニット70を取り付ける際の作業性を向上させることが可能となる。
また、変形例では、裏ユニット70のビス穴Hは挿入部731に設けられ、遊技盤20のビス穴Hは挿入部731が挿入される小径被挿入部232に設けられている。換言すると、「第2段階目の位置決め」が行われる際に係合する部位にビス穴が設けられている。このため、「第2段階目の位置決め」が行われる部位からビス穴Hが離れることがない。この結果、「第2段階目の位置決め」を行えば高い精度で遊技盤20のビス穴Hと裏ユニット70のビス穴Hが重なることとなり、これらのビス穴HにビスSを締結させ易くなる。この結果、遊技盤20に裏ユニット70を取り付ける際の作業性を向上させることが可能となる。
また、変形例では、挿入部731の内部にビス頭収納部732が設けられているので、ビス穴Hの前後方向(裏ユニット70の取り付け方向)の長さを短くすることができる。この結果、ビスSの長さを短くすることができ、遊技盤20に裏ユニット70を取り付ける際の作業性を向上させることが可能となる。
また、変形例では、「第1段階目の位置決め」がされた後においては、挿入部731の先端部を大径被挿入部231の前面に当接させつつ裏ユニット70を「ズレ方向」に移動させて(スライドさせて)、「第2段階目の位置決め」が行われる位置を探ることができる。この結果、「第2段階目の位置決め」を円滑に行うことができる。
尚、変形例の大径被挿入部231は「第1の被挿入部」として捉えることができ、小径被挿入部232は「第2の被挿入部」として捉えることができる。
以上、本発明の実施例および変形例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
例えば、上述した実施例および変形例においては、遊技盤20に形成された遊技領域21に向けて遊技球を発射することによって遊技を行うパチンコ機1に本発明を適用したが、外周面に複数種類の図柄が描かれた回胴を回転させ、該回胴を停止させることによって遊技を行うスロットマシン(回胴式遊技機)に本発明を適用することとしてもよい。
また、上述した実施例および変形例においては、本発明における「第1の遊技部品」として遊技盤20を採用し、「第2の遊技部品」として裏ユニット70を採用したが、種々の遊技部品を本発明における「第1の遊技部品」や「第2の遊技部品」として採用することができる。例えば、「第1の遊技部品」として制御基板を収納する収納ケースを採用し、「第2の遊技部品」として該収納ケースに収納される制御基板を採用することとしてもよい。
また、上述した実施例および変形例における遊技盤20の締結部位の構成を裏ユニット70の締結部位とし、裏ユニット70の締結部位の構成を遊技盤20の構成としてもよい。
また、上述した実施例および変形例では、「第1段階目の位置決め」および「第2段階目の位置決め」を行うこととしたが、これらの位置決めのうち「第2段階目の位置決め」のみを行うこととしてもよい。例えば、上述した実施例において、締結部位20A〜20Dを締結部位20Eと同様の構成とし、締結部位70A〜70Dを締結部位70Eと同様の構成としてもよい。このような構成とした場合であっても、当然ながら、「第2段階目の位置決め」を行うことによる効果を奏することができる。
また、上述した実施例では、締結部位20A〜20C,20Eには、2つの遊技盤側挿入部201,202が設けられていることとしたが、これらのうち何れか一方のみを設けることとしてもよい。この場合であっても、遊技盤側挿入部の外壁にリブ部を設けることとすると、この遊技盤側挿入部を補強することができる。
また、上述した実施例および変形例では、「第2段階目の位置決め」の際に互いに係合する第1の部位と第2の部位として、挿入部(遊技盤側挿入部201,202,211,221,222、挿入部731)と該挿入部に挿入される被挿入部(裏ユニット側被挿入部701,711,721、小径被挿入部232)を例示したが、第1の部位と第2の部位としては互いに係合する(係わり合う)ものであればよく、種々の構成を採用することができる。例えば、第1の部位として上向きのフック部を設け、第2の部位として下向きのフック部を設け、上向きのフック部に下向きのフック部を掛けることによって、「第2段階目の位置決め」を行うこととしてもよい。もちろん、この場合は、それぞれのフック部にビス穴Hが設けられる。また、第1の部位として両面テープや接着剤などの粘着剤が付された部位を設け、第2の部位として第1の部位の配置箇所を示す目印(マーク)が付された部位を設け、第1の部位を第2の部位に貼り付けることによって、「第2段階目の位置決め」を行うこととしてもよい。もちろん、この場合は、粘着剤が付された部位と、目印が付された部位とにビス穴Hが設けられる。
また、上述した実施例では、遊技ホールの島設備から供給される遊技球を払い出すことによって、遊技の結果としての利益(遊技価値)を遊技者に付与するパチンコ機1に本発明を適用した例を説明した。これに限らず、「遊技球の払い出し」とは異なる形態で遊技上の利益を付与するタイプの遊技機にも、本発明を適用することができる。例えば、各種入球口への遊技球の入球が発生することで、その入球に対応する利益の量(遊技価値の大きさ)を示すデータを記憶することによって、遊技上の利益(遊技価値)を遊技者に付与するタイプのパチンコ機にも本発明を適用することができ、この場合にも、上述した実施例と同様の効果を得ることができる。尚、遊技上の利益(遊技価値)をデータ化して遊技者に付与するタイプのパチンコ機としては、パチンコ機に内蔵された複数個の遊技球を循環させて使用する遊技機、具体的には、各種入球口あるいはアウト口を経て遊技盤の裏面に排出された遊技球を、再度、発射位置に戻して発射するように構成されたパチンコ機(いわゆる封入式遊技機)を例示できる。
また、上述した実施例または変形例のパチンコ機は、次のような遊技機として把握することもできる。すなわち、
<把握例1>
遊技媒体を利用して遊技を行う遊技機であって、
第1の遊技部品と、
前記第1の遊技部品に取り付けられた第2の遊技部品と、
前記第1の遊技部品に前記第2の遊技部品が取り付けられる前において、前記第1の遊技部品に対する前記第2の遊技部品の移動を第1範囲に制限する第1移動制限手段と、
前記第1の遊技部品に前記第2の遊技部品が取り付けられる前、且つ、前記第1移動制限手段によって前記第2の遊技部品の移動が前記第1の範囲に制限された後において、前記第1の遊技部品に対する前記第2の遊技部品の移動を前記第1の範囲よりも狭い第2の範囲に制限する第2移動制限手段と、
を備える
ことを特徴とする。
このような遊技機では、第2の遊技部品を第1の遊技部品に取り付ける際には、第1の遊技部品に対する第2の遊技部品の移動を制限する位置決めを行う。本発明では、この位置決めとして、第1の遊技部品に対する第2の遊技部品の移動を第1の範囲に制限することと、その状態で第2の遊技部品の移動を第1の範囲よりも狭い第2の範囲に制限することが行われる。このように本発明では、第2の遊技部品の移動を第1の範囲に制限するだけでは位置決めを終了しないので、この制限を行った結果として第2の遊技部品の取り付け位置がズレていてもよく、この制限においては、第2の遊技部品の移動を厳格に制限する必要がない。従って、第2の遊技部品の移動を第1の範囲に制限することを容易に行うことができ、ひいては、位置決め作業を容易に開始することができる。一方、第2の遊技部品の移動を第2の範囲に制限する場合は、その後に第2の遊技部品の取り付けが行われるので、第2の遊技部品の移動の制限を厳格にする必要がある(高精度の位置決めを行う必要がある)。このような高精度の位置決めを行うことは、従来技術であれば上述したように困難である。もっとも、本発明において第2の遊技部品の移動を第2の範囲に制限する場合は、既に第2の遊技部品の移動が第1の範囲に制限されているので、容易に高精度の位置決めを行うことができる。この結果、第1の遊技部品に第2の遊技部品を取り付ける際の作業性を向上させることが可能となる。
<把握例2>
また、本発明の遊技機は、
前記第1移動制限手段は、
前記第1の遊技部品および前記第2の遊技部品のうち、一方に設けられた第1の被挿入部と、他方に設けられると共に前記第1の被挿入部に挿入された第1の挿入部とを備え、
前記第2移動制限手段は、
前記第1の遊技部品および前記第2の遊技部品のうち、一方に設けられた第2の被挿入部と、他方に設けられると共に前記第2の被挿入部に挿入された第2の挿入部とを備え、
前記第1の遊技部品に前記第2の遊技部品が取り付けられる前において、
前記第1の被挿入部に前記第1の挿入部が挿入されている状態、且つ、前記第2の被挿入部に前記第2の挿入部が挿入されていない状態では、前記第1の被挿入部の内壁と前記第1の挿入部の外壁との間隔は第1の長さであり、
前記第1の被挿入部に前記第1の挿入部が挿入されている状態、且つ、前記第2の被挿入部に前記第2の挿入部が挿入されている状態では、前記第2の被挿入部の内壁と前記第2の挿入部の外壁との間隔は前記第1の長さより短い第2の長さである
こととしてもよい。
このような遊技機では、第1の被挿入部に第1の挿入部が挿入されている状態、且つ、第2の被挿入部に第2の挿入部が挿入されていない状態では、第1の被挿入部の内壁と第1の挿入部の外壁との間隔は第1の長さであるので、第1の遊技部品に対する第2の遊技部品の移動を第1の長さに制限することができる。これに対して、第1の被挿入部に第1の挿入部が挿入されている状態、且つ、第2の被挿入部に第2の挿入部が挿入されている状態では、第2の被挿入部の内壁と第2の挿入部の外壁との間隔は第2の長さであるので、第1の遊技部品に対する第2の遊技部品の移動を第2の長さに制限することができる。
<把握例3>
また、本発明の遊技機は、
前記第1の遊技部品は第1の締結穴を有し、
前記第2の遊技部品は第2の締結穴を有し、
前記第1の締結穴と前記第2の締結穴とに締結部材が締結されることによって、前記第2の遊技部品は前記第1の遊技部品に取り付けられており、
前記第1の締結穴および前記第2の締結穴のうち、一方は前記第2の挿入部に設けられており、他方は前記第2の被挿入部に設けられている
こととしてもよい。
従来技術においては、位置決めに係る部位(例えば位置決め穴、位置決めボス)から離れた位置に締結穴が設けられているため、第1の遊技部品や第2の遊技部品に製造誤差があったり、これらが変形したりすると、位置決めを行っても、双方に設けられた締結穴が重ならないことがあるという問題があった。この点、本発明は、第2の遊技部品の移動を第2の範囲に制限するための部位である第2の挿入部と第2の被挿入部に締結穴が設けられているので、これらの部位から締結穴が離れることがない。この結果、第2の遊技部品の移動を第2の範囲に制限すれば高い精度で第1の遊技部品の締結穴と第2の遊技部品の締結穴が重なることとなり、これらの締結穴に締結部材を締結させ易くなる。この結果、第1の遊技部品に第2の遊技部品を取り付ける際の作業性を向上させることが可能となる。
<把握例4>
また、本発明の遊技機は、
前記第2の挿入部の外壁には補強部が設けられており、
前記第2の被挿入部の開口部は、前記第2の挿入部と前記補強部とを受け入れ可能な形状を有している
こととしてもよい。
このような遊技機では、第2の被挿入部の内壁と第2の挿入部の外壁との間隔が第1の長さより短い第2の長さであるため、第2の挿入部が第2の被挿入部の内壁に当接し易い。このため、第2の挿入部は、所定の大きさ以上の力を受けて変形してしまう虞がある。この点、本発明では、第2の挿入部に補強部が設けられているので、この虞を軽減することができる。
<把握例5>
また、本発明の遊技機は、
前記第2の挿入部は複数設けられており、
前記補強部は、該複数の前記第2の挿入部を互いに連結するリブ部であり、
前記第2の被挿入部の開口部は、前記リブ部と該リブ部によって連結された複数の前記第2の挿入部とを受け入れ可能な形状を有している
こととしてもよい。
このような遊技機では、挿入部に複数の第2の挿入部を挿入するので、更に高い精度で第2の遊技部品の移動を第2の長さに制限することができる。また、リブ部を備えているので、これら複数の第2の挿入部が変形してしまう虞を軽減することができる。
<把握例6>
また、本発明の遊技機は、
前記第1移動制限手段の一部および前記第2移動制限手段の一部として、前記第1の遊技部品および前記第2の遊技部品のうち一方の遊技部品に設けられた挿入部を備え、
前記第1移動制限手段は、
前記挿入部に加え、前記第1の遊技部品および前記第2の遊技部品のうち前記一方の遊技部品と異なる遊技部品に設けられた第1の被挿入部を備え、
前記第2移動制限手段は、
前記挿入部に加え、前記第1の被挿入部よりも前記一方の遊技部品から離れた位置に設けられると共に前記第1の被挿入部に連通する第2の被挿入部を備え、
前記挿入部は、前記第1の被挿入部および前記第2の被挿入部に挿入されており、
前記第1の遊技部品に前記第2の遊技部品が取り付けられる前において、
前記第1の被挿入部に前記挿入部が挿入されている状態、且つ、前記第2の被挿入部に前記挿入部が挿入されていない状態では、前記第1の被挿入部の内壁と前記挿入部の外壁との間隔は第1の長さであり、
前記第1の被挿入部に前記挿入部が挿入されている状態、且つ、前記第2の被挿入部に前記挿入部が挿入されている状態では、前記第2の被挿入部の内壁と前記挿入部の外壁との間隔は前記第1の長さより短い第2の長さである
こととしてもよい。
このような遊技機では、第1の被挿入部に挿入部が挿入されている状態、且つ、第2の被挿入部に挿入部が挿入されていない状態では、第1の被挿入部の内壁と挿入部の外壁との間隔は第1の長さであるので、第1の遊技部品に対する第2の遊技部品の移動を第1の長さに制限することができる。これに対して、第1の被挿入部に挿入部が挿入されている状態、且つ、第2の被挿入部に挿入部が挿入されている状態では、第2の被挿入部の内壁と挿入部の外壁との間隔は第2の長さであるので、第1の遊技部品に対する第2の遊技部品の移動を第2の長さに制限することができる。