JP4203625B2 - 制御基板装置及び遊技機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、制御基板装置及び遊技機に関し、特に、制御基板装置をケースに対して円滑に組付けるための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
制御基板の中には、種々の目的で、所定のケース内に封止されて用いられるものがある。例えば、電子制御方式を採用する遊技機(パチンコ機等)においては、制御基板に実装された電子部品(ROM等)の不正な交換を防止したり、監督官庁等の検査機関の検査の際に、検査の容易化・効率化を図る必要がある。また、遊技機を設置する遊技場(パチンコホール)側が、制御基板に不正な改造を加えていないことを検査機関に示すことも必要となる。このため、開閉可能に連結される第1のケース部と第2のケース部とからなるケース内に制御基板を収納すると共に、連結状態とされた第1のケース部と第2のケース部との間に封止手段を介在させ、ケースを封止することが行われている。
【0003】
このように、制御基板をケース内に収納・封止して制御基板装置として用いる場合には、以下のような問題を生ずることがある。即ち、この種の制御基板装置においては、ケースを構成する2個のケース部のうちの一方において、その内壁面から複数の取付部を突出させるのが一般的である。そして、制御基板に貫通状に穿設された複数の取付孔を、この複数の取付部に位置合わせする。更に、各取付部の突端面に開口する雌ネジ部に対して、制御基板の上方から各取付孔を通じ、固定用のビスを螺合することで、制御基板を「一方のケース部」に固定する。次いで、第1のケース部と第2のケース部とを連結し、両ケース部間に封止手段を介在させるのが一般的である。
【0004】
ところが、この手法を用いると、制御基板に隠れてブラインド状態となる各取付部(特に、雌ネジ部)と、各取付孔との位置合わせを行うことが必要なため、制御基板装置の組付作業の効率が悪くなり、制御基板装置を効率良く量産することが困難である。特に、機械を用いた自動組付を行う場合には、制御基板の取付位置がずれ易いことが、大きな問題となっている。そして、このような問題を解決することを意図して、上記「一方のケース部」の内壁面から位置決め用のピンを突出させ、このピンを制御基板の位置決め用の孔に挿通させ、制御基板と上記「一方のケース部」との位置決め作業を行う制御基板装置が開示されている。(特開2001−178935)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この従来例においても、制御基板の下方に隠れてブラインド状態となる「位置決め用のピン」と、制御基板の位置決め用の孔との位置合わせが必要となる。従って、この従来例によると、制御基板装置の組付作業、ひいては、遊技機の製造作業の効率を向上させることは困難である。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、制御基板装置の組付作業の効率を向上させる制御基板装置の組付方法を提供することを目的とする。
【0007】
本発明の他の目的は、十分な突出量を備えた位置決め手段を用いることで、制御基板装置の組付作業の効率を更に高くすることである。
【0008】
本発明の更に他の目的は、位置決め用ランドの形成上の手間を低減することである。
【0009】
本発明の更に他の目的は、位置決め用ハンダ層の形成上の手間を低減することである。
【0010】
本発明の更に他の目的は、組付作業の効率を向上させることができる制御基板装置を提供することである。
【0011】
本発明の更に他の目的は、十分な突出量を備えた位置決め手段を備えることで、組付作業の効率が更に高まる制御基板装置を提供することにある。
【0012】
本発明の更に他の目的は、制御基板をケースによって確実に封止できる制御基板装置を提供することにある。
【0013】
本発明の更に他の目的は、主制御部を含んだ制御基板装置を備えた遊技機において、制御基板装置の組付作業の効率を向上させることである。
【0014】
本発明の更に他の目的は、主制御部と、この主制御部に電気的に接続された払出制御部とを含んだ制御基板装置を備えた遊技機において、制御基板装置の組付作業の効率を向上させることである。
【0015】
本発明の更に他の目的は、主制御部と、この主制御部に電気的に接続された払出制御部との一方又は双方を含んだ制御基板装置を備えた遊技機において、制御基板装置の組付作業の効率を向上させることである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本明細書において参考的に開示する第1の参考発明(以下、「参考発明1」という。)の制御基板装置の組付方法は、制御基板をケース内に封止するようにした制御基板装置の組付方法であって、
基板用基材に位置決め用ランドを形成する位置決め用ランド形成工程と、
前記ケースに設けられた位置決め用突部及び前記位置決め用ランドを位置合わせして、前記基板用基材を用いて構成される制御基板及び該ケースの位置決めを行う位置決め工程と、
を含むことを特徴とする。
【0017】
参考発明1では、基板用基材(絶縁基板)に形成される位置決め用ランドと、ケースの位置決め用突部とを位置合わせして、制御基板とケースとの位置決めを行う。即ち、位置決め用突部が制御基板によって隠蔽されていても、制御基板を適宜、左右・前後等に移動すれば、位置決め用ランドと位置決め用突部とが位置合わせされ、制御基板とケースとの位置決めを簡単に行うことができる。このように、参考発明1によると、制御基板とケースとの位置決めが簡単なため、制御基板装置の組付作業の効率が向上する。
【0018】
特に、位置決め用突部及び位置決め用ランドの位置合わせによって、確実に制御基板の位置決めを行うことができるため、機械を用いた自動組付を行うことが容易となり、制御基板装置の量産を効率的に行うことができる。
【0019】
本明細書において参考的に開示する第2の参考発明(以下、「参考発明2」という。)の制御基板装置の組付方法は、参考発明1の制御基板装置の組付方法において、前記位置決め用ランドに位置決め用ハンダ層を積層形成する工程を含むと共に、
前記位置決め工程は、前記位置決め用ランド及び該位置決め用ハンダ層を含んで構成される位置決め手段と、前記位置決め用突部と、の位置合わせによって行われることを特徴とする。
【0020】
参考発明2は、位置決め用ランドと、この位置決め用ランドに積層形成された位置決め用ハンダ層と、を備えた位置決め手段を構成し、この位置決め手段を用いて、制御基板とケースとの位置決めを行う。即ち、位置決め用ハンダ層の形成分だけ、突出量が多くなった位置決め手段を用いて制御基板とケースとの位置決めを行うため、この位置決めの作業がより容易となり、制御基板装置の組付作業の効率が更に高くなる。尚、位置決め用ハンダ層は、位置決め用ランド(位置決め用ランド上にメッキ層等の中間層があれば、位置決め用ランド及び中間層)よりも、厚手に形成することが容易である分だけ、位置決め用ハンダ層の付加された位置決め手段の突出量を多くすることが容易である。
【0021】
本明細書において参考的に開示する第3の参考発明(以下、「参考発明3」という。)の制御基板装置の組付方法は、参考発明1又は参考発明2の制御基板装置の組付方法において、前記位置決め用ランドの形成は、基板用基材への導体パターンの形成と同時に行われることを特徴とする。
【0022】
参考発明3では、導体パターンの形成(例えば、エッチング工程)の際に、位置決め用ランドをあわせて形成する。例えば、表裏面の少なくとも一方に導体層(銅箔等)を配置した基板用基材に対して、エッチングを施し、この基板用基材に導体パターンを形成するときに、この導体層(銅箔等)の一部を用いて、前記位置決め用ランドを同時形成する。即ち、位置決め用ランドの形成工程を、別途独立の工程として、制御基板の製造工程に付加することが必要とされないため、位置決め用ランドの形成が原因で、制御基板装置の製造上の手間を多くすることはない。
【0023】
本明細書において参考的に開示する第4の参考発明(以下、「参考発明4」という。)の制御基板装置の組付方法は、参考発明2又は参考発明3の制御基板装置の組付方法において、前記位置決め用ハンダ層は、前記基板用基材に、ハンダを用いて電子部品を実装するときに同時に形成されることを特徴とする。
【0024】
参考発明4によると、ハンダを用いて電子部品を実装する際に、位置決め用ハンダ層をあわせて形成する。即ち、位置決め用ハンダ層の形成工程を、別途独立の工程として制御基板の製造工程に付加することが必要とされないため、位置決め用ハンダ層の形成が原因となり、制御基板装置の製造上の手間を多くすることはない。
【0025】
請求項1記載の制御基板装置は、
底板部から位置決め用突部が立ち上げられた第1のケース部と該第1のケース部に開閉可能に連結される第2のケース部とを有するケース内に、取付孔が表裏を貫通する状態に設けられた遊技機用の制御基板を封止して構成されるとともに、
前記位置決め用突部の突端面が前記制御基板の裏面に当接する状態に前記制御基板及び前記第1のケース部の位置決めを行い、前記位置決め用突部の突端面で開口する雌ネジ部と前記取付孔とを連通するように位置合わせし、ビスの雄ネジ部を前記制御基板の表面側から前記取付孔を通過させて前記雌ネジ部に螺合することで、前記制御基板が第1のケース部に固定される制御基板装置であって
前記取付孔を取り囲む状態で、若しくは、切り欠き部が設けられつつ前記取付孔を取り囲む状態で、前記制御基板の裏面から突出し、平面形状が回転対称軸を備えない形状とされる位置決め用ランドを備え、
記位置決め用突部を前記位置決め用ランドに嵌入することで、前記制御基板と前記第1のケース部とが位置決めされるとともに、前記雌ネジ部と前記取付孔とが連通するように位置合わせされることを特徴とする。
請求項2記載の制御基板装置は、請求項1に記載の制御基板装置において、
前記位置決め用突部と前記位置決め用ランドを1組だけ設けたことを特徴とする。
本明細書において参考的に開示する第5の参考発明(以下、「参考発明5」という。)の制御基板装置は、制御基板をケース内に封止するようにした制御基板装置であって、
前記制御基板が、前記ケースに設けられた位置決め用突部と位置合わせされる位置決め用ランドを備えることを特徴とする。
【0026】
請求項の発明及び参考発明5は、参考発明1の発明と同様に、基板用基材(絶縁基板)に形成される位置決め用ランドと、ケースの位置決め用突部とを位置合わせして、制御基板とケースとの位置決めを行うため、制御基板装置の組付作業の効率が向上する。
【0027】
明細書において参考的に開示する第6の参考発明(以下、「参考発明6」という。)の制御基板装置は、参考発明5の制御基板装置において、前記位置決め用ランドに積層形成された位置決め用ハンダ層を備えると共に、
前記位置決め用ランド及び該位置決め用ハンダ層を含んで構成される位置決め手段と、前記ケースに設けられた位置決め用突部とが位置合わせされることを特徴とする。
【0028】
参考発明6においても、参考発明2と同様に、位置決め用ランドと、この位置決め用ランドに積層形成された位置決め用ハンダ層とで位置決め手段を構成し、この位置決め手段を用いて、制御基板とケースとの位置決めを行う。即ち、位置決め用ハンダ層の形成分だけ、突出量が多くなった位置決め手段を用いて制御基板とケースとの位置決めを行うため、この位置決めの作業がより容易となり、制御基板装置の組付作業の効率が更に高くなる。尚、位置決め用ランド上にメッキ層等の中間層が積層形成されていれば、この位置決め手段は、位置決め用ランドと、中間層と、位置決め用ハンダ層とを備えたものとなる。
【0029】
本明細書において参考的に開示する第7の参考発明(以下、「参考発明7」という。)の制御基板装置は、参考発明5又は参考発明6の制御基板装置において、前記ケースは、第1のケース部と、該第1のケース部に開閉可能に連結される少なくとも1つの第2のケース部とを有し、
連結状態とされた該第1のケース部と該第2のケース部との間に封止手段を介在させ、前記ケースが開放されることを禁止することを特徴とする。
【0030】
参考発明7においては、第1のケース部と第2のケース部との間に封止手段を介在させるため、制御基板をケースによって確実に封止できる。尚、参考発明7の第2のケース部は、1つ以上であればその数は特に問わない。
【0031】
本明細書において参考的に開示する第8の参考発明(以下、「参考発明8」という。)の遊技機は、参考発明5、参考発明6及び参考発明7のうちの何れかの発明に係る制御基板装置を備えた遊技機であって、
前記制御基板装置は、制御プログラムが格納された記憶手段から前記制御プログラムを読み出して遊技に関する作動制御を司る主制御部を含むことを特徴とする。
【0032】
参考発明8は、参考発明5、参考発明6及び参考発明7のうちの何れか発明に係る制御基板装置を適用した遊技機を示している。主制御部を含んだ制御基板装置を備えた遊技機において、この遊技機にとって最も重要で、不正の対象とされ易い制御部、即ち、主制御部を構成する制御基板をケース内に確実に保護すると共に、この制御基板装置の組付作業の効率を向上させることができる。
【0033】
請求項3に記載の遊技機は、請求項1又は請求項2に記載の制御基板装置を備えることを特徴とする。
本明細書において参考的に開示する第9の参考発明(以下、「参考発明9」という。)の遊技機は、参考発明5、参考発明6及び参考発明7のうちの何れかの発明に係る制御基板装置と、制御プログラムが格納された記憶手段から前記制御プログラムを読み出して遊技に関する作動制御を司る主制御部とを備えた遊技機であって、
前記制御基板装置は、前記主制御部に電気的に接続され、遊技球の賞球払出制御を司る払出制御部を含むことを特徴とする。
【0034】
参考発明9も、参考発明5、参考発明6及び参考発明7のうちの何れか発明に係る制御基板装置を適用した遊技機を示している。主制御部と、この主制御部に電気的に接続された払出制御部とを含んだ制御基板装置を備えた遊技機において、この遊技機にとって主制御部と並んで重要で、不正の対象とされ易い制御部、即ち、払出制御部を構成する制御基板をケース内に確実に保護すると共に、この制御基板装置の組付作業の効率を向上させることができる。
【0035】
本明細書において参考的に開示する第10の参考発明(以下、「参考発明10」という。)の遊技機は、参考発明5、参考発明6及び参考発明7のうちの何れかの発明に係る制御基板装置を備えた遊技機であって、
前記制御基板装置は、制御プログラムが格納された記憶手段から前記制御プログラムを読み出して遊技に関する作動制御を司る主制御部と、前記主制御部に電気的に接続され、遊技球の賞球払出制御を司る払出制御部との一方又は両方を含むことを特徴とする。
【0036】
参考発明10も、参考発明5、参考発明6及び参考発明7のうちの何れか発明に係る制御基板装置を適用した遊技機を示している。即ち、主制御部及び払出制御部は、共に不正の対象とされ易い制御部であるため、主制御部及び払出制御部の少なくとも一方を、ケース内に確実に保護すると共に、この制御基板装置の組付作業の効率を向上させることができる。
【0037】
ここで、請求項1〜の各発明、及び、参考発明1〜参考発明10において、「制御基板」とは、「導体パターンや位置決め用ランド等の形成」、「電子部品の実装」等を完了し、ケース内に収納可能な状態となった基板、即ち、完成品となった基板を指す。また、基板用基材とは、「電子部品の実装工程」前の基板を指す。更に、参考発明1〜参考発明10において、「位置決め用突部」は、制御基板とケースとの位置決めのために、ケースに対して別途設けられるものであってもよいが、制御基板とケースとの固定のために、ケースに設けられる取付部を、そのまま位置決め用突部として用いてもよい。例えば、ケースの内壁面から取付部を突出させ、取付部の突端面に雌ネジ部を開口させる。そして、制御基板がケースに収納されたときに、この制御基板における「取付部の雌ネジ部と位置合わせされる個所」に取付孔を設ける。更に、制御基板の「取付部の突端面が当接する側の面」において、取付孔の周囲に位置決め用ランドや位置決め用手段を形成すればよい。
【0038】
尚、参考発明1〜参考発明4うちの何れかの発明の「構成要件」を含む「制御基板装置の製造方法」を得ることもできる。即ち、「制御基板をケース内に封止するようにした制御基板装置の製造方法」において、「基板用基材に位置決め用ランドを形成する位置決め用ランド形成工程」と、「前記ケースに設けられた位置決め用突部及び前記位置決め用ランドを位置合わせして、前記基板用基材を用いて構成される制御基板及び該ケースの位置決めを行う位置決め工程」と、を含むことを特徴としてもよい(以下、第1の製造方法という。)。
【0039】
また、この第1の製造方法において、「前記位置決め用ランドに、位置決め用ハンダ層を積層形成する工程」を含むと共に、「前記位置決め工程は、前記位置決め用ランド及び該位置決め用ハンダ層を含んで構成される位置決め手段と、前記位置決め用突部と、の位置合わせによって行われること」を特徴としてもよい(以下、第2の製造方法という。)。更に、第1の製造方法若しくは第2の製造方法において、「前記位置決め用ランドの形成は、基板用基材への導体パターンの形成と同時に行われること」を特徴としてもよい(以下、第3の製造方法という。)。また、第2の製造方法又は第3の製造方法において、「前記位置決め用ハンダ層は、前記基板用基材に、ハンダを用いて電子部品を実装するときに同時に形成されること」を特徴としてもよい。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した実施態様について図面を参照して説明する。ここでは、本発明の一実施例による制御基板装置が適用された遊技機を例示する。また、この遊技機としては、いわゆる「フィーバー機」と呼ばれるタイプの第一種パチンコ機(弾球遊技機)を例にとり、先ず、その構造を図1〜図11を参照して説明する。
【0041】
(1)パチンコ機1の前面構造
本パチンコ機1の前面部は、図1に示すように、本体枠2と、中枠3と、前面枠4と、上皿部5と、下皿部6と、施錠装置7とを備える。このうち、本体枠2は、木製の板状体を略長方形の額縁状に組み立て固着したものである。また、中枠3は、略全体がプラスチック製で、枠体部(図示略)と下板部(図示略)とを有して本体枠2の内周側に嵌合し取り付けられている。ここで、枠体部は、上端から下方へ中枠3全体の略2/3程度に略長方形の額縁状に形成され、上端部には、開口部4aの上端部の円弧部分に沿って枠飾りランプが設けられ、これらに対応して、枠飾りランプ基板4g(図3参照)が設置されている。それらの左側上方には、ストップ表示LED及びストップ表示LED基板4i(図3参照)が設けられている。
【0042】
また、下板部は、下端から上方へ中枠3全体の略1/3程度を占め、左側には、上皿部5に形成されたスピーカ面5aに対応すべく、遊技状態に応じた効果音その他の音(以下、音声情報等という。)を発生させるスピーカ137が配設され、略右側には、遊技球を発射する発射装置ユニットへ上皿部5に貯留された遊技球を供給する供給装置等(図示略)が設けられている。更に、下方には、下皿部6が設けられ、右端中央には施錠装置7が設けられている。
【0043】
下皿部6は、灰皿6cや下皿球抜きレバー6d等を備えて、プラスチック製の下皿外枠6bで、皿部の外側を覆っている。また、パチンコ機1の内部から遊技球を排出するための排出口6aが開設され、右端に発射装置を制御する発射ハンドル10が設けられている。この発射ハンドル10は、把持部10dと、発射レバー55を備え、把持部10dの先端に遊技者がタッチしていることを検出するタッチスイッチ10aが装着されている。また、この発射ハンドル10の近傍には、発射停止を一時的に指令する発射停止スイッチ10bが配置されている。尚、施錠装置7は、正面視すると、鍵穴を備えた略長方形状を呈し、前面枠4を閉鎖した場合に施錠するためのものである。
【0044】
前面枠(主要部がプラスチック製)4は、遊技盤8を前方から視認すべく、遊技盤8に形成された遊技領域9の形状に対応して上側が略円弧状を呈し、全体が略弾丸形状に開設された開口部4aを有している。そして、その裏面には、開口部4aに応じてガラス板が嵌められた略長方形状のガラス枠(図示略)が装着されている。また、この前面枠4は、パチンコ機1の前面全体の2/3を占め、中枠3の左端に軸着され開閉可能に形成されている。
【0045】
上皿部5は、前面枠4の下側で、中枠3の左端に軸着され開閉可能に形成されている。また、皿外縁部5bの上面には、球抜きボタンや遊技球貸出・返却ボタン等が配設されている。更に、パチンコ機1の内部から遊技球を排出するための排出口5cが開設されている。また、左端には、複数の長孔を有するスピ−カ面5aが形成され、その裏面には、音量スイッチ基板が設けられている。そして、パチンコ機1の左端側には、プリペイドカードユニット2pが装着されている。
【0046】
(2)遊技盤8の表面構造
次に、遊技盤8の表面構造を説明する。この遊技盤8は、図1に示すように、略長方形の木製の板状体であって、中枠3により保持されている。また、遊技盤8の表面に設けられた外レール14と、内レール15とにより略円形状に形成される遊技領域9内に、特別図柄表示装置16と、第一種始動口(普通電動役物)17と、変動入賞装置18と、左入賞口19と、右入賞口20と、多数の障害釘11と、一対の風車24,25等が配設されて、構成されている。
【0047】
特別図柄表示装置16は、遊技領域9の略中央部に配置され、センター役物12と、液晶表示盤12aとを備えている。この液晶表示盤12aの映像画面は、略長方形状を呈しており、その表示画面上に、1又は複数の特別図柄を所定の形態で次々と変動させながら表示した後、確定表示する特別図柄表示領域が形成されている。即ち、左特別図柄を表示する左特別図柄表示領域、中特別図柄を表示する中特別図柄表示領域、及び右特別図柄を表示する右特別図柄表示領域が、横一列に設定された配置方向においてこの順序で並んで形成されている。
【0048】
各特別図柄表示領域は、これらの表示領域の配置方向と略直交する向き若しくは略平行方向、この場合、上下方向若しくは水平方向に図柄変動方向が設定され、その向きで変動しているように識別情報としての複数の図柄(特別図柄)が順次表示されていく。また、この液晶表示盤12aは、遊技球が第一種始動口(普通電動役物)17に入球することにより、その映像画面の前記表示領域に表示される各特別図柄をそれぞれ変動させて確定表示させるものである。そして、図柄が、「7、7、7」の如く、同一図柄で揃って確定表示すると、変動入賞装置18に配設された大入賞口23が開放される。また、センター役物12は、液晶表示盤12aの前面周辺部に額縁状に突設して装着され、普通図柄表示装置13と、特別図柄保留表示LED16aと、ステージ12eと、図示しないステージ飾り通路とを備えている。
【0049】
普通図柄表示装置13は、センター役物12の上部中央に配置され、7セグメント表示器13bと、普通図柄保留表示LED13cとを備えている。このうち、7セグメント表示器13bは、1〜9の奇数数字を変動表示させるもので、センター役物12の下側部の左右の普通図柄作動通過口26、27の何れかを遊技球が通過することにより変動して、所定時間経過後に1種類の奇数数字が確定表示される。そして、例えば、「7」で確定表示すると、第一種始動口(普通電動役物)17のチューリップ型開放扉が、第一種始動口開口ソレノイド17c(図3参照)により、所定時間(例えば、0.5秒)拡開口される。
【0050】
普通図柄作動通過口26、27と通過口出口間には、それぞれ図示しない通過筒部が設けられている。そして、前記普通図柄作動通過口26、27へ入球した遊技球は、内部に配設された左、右普通図柄作動通過口通過検知器26s、27sで検出される(図3参照)。更に、左、右普通図柄作動通過口通過検知器26s、27sの何れかの検出により、普通図柄表示装置13における7セグメント表示器13bの変動表示が開始される。
【0051】
特別図柄保留表示LED16aは、センター役物12の上部中央に配設され、4個の赤色LEDで構成されている。これは、第一種始動口(普通電動役物)17に入球した遊技球の数を最多4個まで保留とし、入球ごとに順次点灯し、シフト(追加)表示するものである。そして、次の特別図柄の変動が開始するたびに、未始動回数が消化され、1個の特別図柄保留表示LED16aは消灯される。
【0052】
第一種始動口(普通電動役物)17は、センター役物12の中央真下に配設されている。また、変動入賞装置18は、上記第一種始動口(普通電動役物)17の下方に配設され、大入賞口23と、左下入賞口21と、右下入賞口22と共に取り付けられている。更に、変動入賞装置18は、略中央に形成され、帯状に開口された大入賞口23と、この大入賞口23を開放・閉鎖する開閉板23bと、この開閉板23bを開閉するための大入賞口ソレノイド23cと、特定領域(図示略)と、連動杆(図示略)と、特定領域開閉シャッター(図示略)と、この特定領域開閉シャッターを作動させるための特定領域開閉ソレノイド(図示略)と、カウント検知器23sと、特定領域通過検知器23v(図3参照)と、裏箱(図示略)と、大入賞口中継基板(図示略)等から構成されている。
【0053】
左下入賞口21の下方では、複数個の左下入賞口LED(図示略)が左下入賞口LED基板21fに取り付けられると共に、飾りレンズ21aによって被覆されている。同様に、右下入賞口22の下方では、複数個の右下入賞口LED(図示略)が右下入賞口LED基板22fに取り付けられると共に、飾りレンズ22aによって被覆されている。
【0054】
ファール球防止部材28は、内レール15の先端部に取り付けられ、返しゴム29は、ファール球防止部材28の位置とは反対側の、遊技盤8の右半分側の位置であって、外レール14に沿って嵌合状に取り付けられている。
【0055】
左入賞口19及び右入賞口20はそれぞれ、特別図柄表示装置16の左右両側の下方に配置されている。そして、その内部にはそれぞれ、左入賞口通過検知器19s、右入賞口通過検知器20sが設けられている(図3参照)。また、左入賞口19及び右入賞口20はそれぞれ、特別図柄表示装置16から左右斜め下方に配置されている。尚、多数の障害釘11は、以上説明した各装置との位置バランスを考慮して、遊技領域9にパチンコ遊技に適するべく、配設されている。
【0056】
(3)パチンコ機1の裏面構造
本実施例の遊技機1の裏面構造について、図2を中心にして説明する。前面枠4は、図1に示すように、中枠3にあって前面枠4の上下端の位置に設けられた一対のヒンジ30により、開閉可能に支持されている。また、機構盤31は、図2に示すように、中枠にあって機構盤31の上下端の位置に設けられた一対のヒンジ32により、開閉可能に支持されている。更に、遊技盤8は、中枠3の裏面側から着脱可能に取り付けられている。また、上端側にあるヒンジ32の配置位置からみて左側には、タンク球切れ検知器33sをタンク底部に備えた賞球タンク33と、この賞球タンク33に接続されるタンクレール34とが取り付けられている。更に、このタンクレール34の右側には、球抜きレバー35が設けられ、その下流側には、補給球切れ検知器36が、更に、その下流側には、賞球払出装置37が配設されている。
【0057】
また、遊技球の振分部(図示略)が賞球払出装置37の下流側に設けられている。そして、タンクレール34の下側には、特別図柄表示装置16における液晶表示盤12aの表示態様を制御する特別図柄制御部110(図3参照)を格納した蓋付きの裏ケース41が、着脱可能に設けられている。また、この裏ケース41の下側には、主制御基板ケース200に、主制御部90(図3参照)を格納して構成される第1の制御基板装置42が、着脱可能に装着されている。更に、主制御基板ケース60の下側には、発射装置制御部43a(図3参照)を格納した発射装置制御基板ケース43と、発射中継基板43b(図3参照)とが設けられている。また、機構盤31の右下方部には、枠制御基板ケース400に、枠制御部100(図3参照)を格納して構成される第2の制御基板装置44が、着脱可能に装着されている。この枠制御部100は、「補給球詰まり」、「下皿部満タン」、「主電源圧異常」、「発射停止」、「主制御基板通信異常」、「賞球モータ異常」等を7セグメントLEDで表示する枠状態表示器117を備えている。また、この枠制御部100は、後述するように、主制御部90に電気的に接続されると共に、遊技球の賞球払出制御を司る払出制御部100a(図3参照)としても機能する。
【0058】
ここで、主制御基板ケース200及び枠制御基板ケース400は、本各発明の「ケース」の一具体例を示しており、これらのケース200、400の詳細に関しては、後述する。また、主制御基板ケース200に収納された主制御部90は、参考発明〜参考発明9に示す「主制御部」の一具体例を示しており、枠制御基板ケース400に格納された枠制御部100(払出制御部100a)は、参考発明9及び参考発明10に示す「払出制御部」の一具体例を示している。
【0059】
機構盤31の右上端部には、ヒューズボックス45、電源スイッチ46a及び電源ターミナル基板47により構成される電源ユニット46(図3)と、大当たり情報、発射装置制御情報、球切れ情報、扉開放情報、賞球情報、球貸し情報用等の遊技機の遊技状況を外部に送信するための外部接続端子を備えた外部接続端子基板48等、が設けられている。また、外部からの電力の供給を受けるための電源ケーブル50用の電源ケーブル端子50aが、外部接続端子基板48の下側部に配設されている。更に、枠制御基板ケース44からは、接続ケーブル51が上方へ延出され、この接続ケーブル51は、CR電源ケーブル52を備えたプリぺイドカードユニット2pに接続されている。また、機構盤31の略中央下端部には、排出口6aを構成する排出口部材53が設けられている。
【0060】
(4)電子制御装置
本実施例のパチンコ機1の電子制御装置80について、図3〜図5を参照して説明する。この電子制御装置80は、図3に示すように、主制御部90と、枠制御部100と、特別図柄の表示制御を行う特別図柄制御部110と、を含んで構成されている。
【0061】
主制御部90は、CPU91とRAM92とROM93とを有する主回路部90aと、入出力回路部94と、を内部バス95aにより相互に接続したものである{図4(a)、図10及び図11参照}。そして、CPU91は、ROM93に格納された制御プログラムにより、内蔵RAM92をワークエリアとしてパチンコ機1の遊技を制御する。また、主制御部90は、特別図柄制御部110と共に、表示態様制御を行う。しかも、ROM93に記憶された当否判定プログラムにより、CPU91が主体となって当否判断制御を行う。
【0062】
主制御部90は、各種検知器からの出力信号に基づいて遊技状態を判断し、また、その遊技状態に基づいて当否判定を行うと共に、判定内容に対応する図柄表示態様で、普通図柄表示制御を行うべくデータを読み込み、特別図柄表示装置の表示態様を定める指令信号を特別図柄制御部110へ送信する。例えば、主制御部90は、第一種始動口(普通電動役物)入賞検知器17s、上記した各種入賞検知器19s〜23s、23v等の検知結果や、特別図柄当否判定乱数の取得値等を使用して、「遊技が行われていない客待ちの状態」、「遊技は行われているが始動入賞がない状態(変動準備状態)」、「始動入賞があった状態」、及び「特別遊技状態」等を判断する。
【0063】
第一種始動口(普通電動役物)入賞検知器17sにより、始動入賞が検知されると、乱数値に基づいて当否判定が行われ、その判定結果に基づいて特別図柄の変動(リーチ表示態様を含む)、又は確定等の表示態様制御のためのデータが読み込まれる。このデータは、特別図柄制御部110を作動指令対象とする指令信号として、共有バス95を介して送信される。
【0064】
発射中継基板43bには、タッチスイッチ10a、発射スイッチ10c、発射停止スイッチ10bの出力が接続されている。また、左普通図柄作動通過口検知器26s、右普通図柄作動通過口検知器27s、第一種始動口(普通電動役物)入賞検知器17s、カウント検知器23e、特定領域通過検知器23v、左入賞口通過検知器19s、右入賞口通過検知器20s、左下入賞口通過検知器21s、右下入賞口通過検知器22sの検知信号は、主制御部90へ送信されるようになっている。更に、補給球切れ検知器36等は、端子基板49を経由して前記枠制御部100へ接続され{図4(b)参照}、発射中継基板43bの出力端子は、発射装置制御部43aと接続されている。
【0065】
枠制御部100は、主制御部90と同様な演算回路を含んで構成されている。即ち、主回路部101及び出力回路部104を含んだ第1周辺基板108で構成され{図4(b)参照}、その入力端子が入出力回路部104と接続されると共に、出力端子は入出力回路部104から端子基板49、ランプ制御部120を経由して枠飾りランプ基板4g、各種LED基板4d、4f、音量スイッチ基板136、普通図柄表示装置基板13d、各種ソレノイド17c、23c等、サウンドジェネレーター135{図5(c)参照}と接続されたり、直接、賞球払出装置37、発射装置制御部43a等と接続されている。
【0066】
賞球動作は、以下の手順で実行される。即ち、主制御部90は、(1)遊技球がカウント検知器23s又は特定領域通過検知器23vを通過したら15個の賞球個数データを、(2)遊技球が第一種始動口(普通電動役物)17を通過したら6個の賞球個数データを、(3)遊技球が、左入賞口19、右入賞口20、左下入賞口21、右下入賞口22に入賞したことを、各々の入賞口検知器19s〜22sが検知した場合においては10個の賞球個数データを、枠制御部100に対してその検知順に、枠制御部100を作動指令対象とする指令信号として送信する(即ち、固有賞球個数は、ここでは、6個、10個或いは15個である。)。そして、枠制御部100は、主制御部90からの賞球個数データを受け取り、賞球払出装置37への賞球払出信号の送信により賞球払出装置37を作動させる。
【0067】
特別図柄制御部110は、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)116を含んだ第2周辺基板118で構成されている。また、VDP116は、演算回路構成要素として、CPU111と、RAM112と、ROM113と、入出力ポート114等を有し、この演算回路構成要素はバス115により相互に接続して構成され、入出力ポート114において共有バス95に接続されている。更に、入出力ポート114には、液晶表示盤12aが接続されている{図5(a)参照}。また、VDPは、CPU111でもってROM113に格納された制御プログラムにより、RAM112をワークエリアとして主制御部90から送信されてきた指令コマンドに基づき表示基板である液晶画面に表示可能な信号に演算し、解析され、その解析に基づいて特別図柄表示装置16(液晶表示盤12a)の作動制御(即ち、表示装置の表示制御)を行っている。
【0068】
ランプ制御部120は、特別図柄制御部110と同様な演算回路構成要素121〜124を含んだ第三周辺制御基板128で構成され、入出力ポート124{図5(b)参照}において共有バス95に接続されている。この入出力ポート124には、枠飾りランプ基板4g、各種ランプ基板4h、4i、各種LED基板4d、4f、21f、22f等が接続されている。これらの各種基板にランプ或いはLEDが、1個又は複数個接続されている。そして、これらのランプ等は、ゲームの進行に対応して点灯・消灯または点滅する。
【0069】
音声制御部130は、特別図柄制御部110と同様な演算回路構成要素131〜134、及びサウンドジェネレーター135を含んだ第四周辺制御基板138で構成され、入出力ポート134において共有バス95に接続されている{図5(c)参照}。また、サウンドジェネレーター135は、格納された音声データと音声モジュールとに基づいて、音量スイッチ基板136を介して接続されたスピーカー137より、ゲームの進行に対応した各種の音声出力を行う。更に、入出力ポート134に接続された音量スイッチ基板136は、図示しない音量スイッチの操作に伴い、出力音声の設定を行うものである。
【0070】
枠飾りランプ基板4g等の各種ランプやサウンドジェネレーター135は、特別図柄制御部110の制御による特別図柄の変動・停止表示態様、リーチ発生の有無、リーチ表示態様、特別遊技態様、及び遊技モード(確率変動、時短等)等に応じて、その態様は制御される。その制御信号は、ランプ制御部120或いは音声制御部130を作動指令対象とする指令信号として、前記共有バス95を介して、主制御部90又は特別図柄制御部110(インテリジェント制御の場合)から送信される。尚、特別図柄制御部110、ランプ制御部120及び音声制御部130は、主制御部90や枠制御部100と同様の回路から構成されるものとすることができる。即ち、主回路部と入出力回路部とから構成されるものとし、内部にROM、RAMが内蔵されたCPUを用いることもできる。
【0071】
遊技機1の遊技の進行を司る制御方法は、主制御部90により遊技の基本制御を実行し、該主制御部90の基本制御による基本実行指令は、入出力回路部94を経て、特別図柄制御部110、ランプ制御部120、音声制御部130へ送信される。そして、該特別図柄制御部110、ランプ制御部120、音声制御部130は、基本実行指令に基づき、該基本実行指令で定められた作動を、定められた作動態様により実行する。
【0072】
例えば、前記主制御部90の内蔵RAM92に格納された各種メモリに対応する作動を実行するに要する時間だけ所定の表示動作、音声出力、ランプの点灯/点滅等を実行し、その所定時間経過後、当たりの場合は対応するソレノイド(例えば、大入賞口の開閉板開閉用ソレノイド23c)を駆動したりする。この場合、主制御部90は、タッチスイッチ10a、発射スイッチ10c及び発射停止スイッチ10bを除く各種検知器からの信号と、主制御部90のCPU91で発生させている乱数とにより、遊技を制御する。そして、その制御した結果を、特別図柄制御部110、ランプ制御部120及び音声制御部130へ作動信号として送信しており、逆に、特別図柄制御部110、ランプ制御部120及び音声制御部130から主制御部90へは送信しないし、送信できないように構成している。
【0073】
以下に、主制御部90により実行されるメインジョブについての一例を、図6を参照して説明する。これは、主制御部90のROM93(図11)に格納されたプログラムに基づき、CPU91により実行されるジョブの一例である。即ち、スタックポインタを内蔵RAM92の所定のアドレスに設定した後{S(ステップ)10}、初期化終了の判定が行われる(S20)。初期化が終了していれば(S20:YES)、LEDジョブ(S30)からスイッチジョブ(70)までのジョブが実行される。また、初期化が終了していなければ(S20:NO)、初期化ジョブ(S190)が実行される。
【0074】
LEDジョブ(S30)においては、普通図柄及び普通図柄未始動回数の表示態様データや、特別図柄未始動回数の表示態様データ等が出力される。また、等速乱数ジョブ(S40)では、内蔵RAM92の特別図柄当否判定乱数メモリや汎用カウントメモリ等が更新される。更に、非等速乱数ジョブ(S50)では、外れ普通図柄乱数メモリ(図示略)が更新される。尚、汎用カウントメモリ(図示略)は、例えば、ユーザーリセットごとの「0」〜「255」の値の作成や、飾りジョブの実行等に使用される。
【0075】
音声ジョブ(S60)では、音楽や音声に関するデータの読み込みが行われ、スイッチジョブ(S70)では、各種検知器の読み込みが行われる。即ち、(1)左右入賞口通過検知信号等の各種信号が主制御部90に、(2)発射停止スイッチ信号、タッチスイッチ信号、発射スイッチ信号等の各種信号が発射中継基板43bを介して発射装置制御基板43aに、それぞれ取り込まれる。また、第一種始動口(普通電動役物)入賞検知器17sから第一種始動口入賞検知信号、変動入賞装置18から入賞検知信号、及び普通図柄作動通過口検知信号が主制御部90に取り込まれる。
【0076】
カウント検知器23s、特定領域通過検知器23v等に異常があるか否かが判定され(S80)、異常がなければ(S80:YES)、特別図柄メインジョブ(S90)から音声ジョブ(S110)までジョブが実行される。また、異常(球詰まりや断線等)があれば(S80:NO)、エラージョブ(S130)が実行される。更に、特別図柄メインジョブ(S90)においては、主制御部90と特別図柄制御部110とが協調して動作するための必要なデータに関するジョブが実行される。また、普通図柄メインジョブ(S100)では、普通図柄及び普通図柄未始動回数の表示態様データの読み込みが行われる。また、音声ジョブ(S110)では、遊技状態に応じた音声データが出力される。
【0077】
各フラグ状態がバックアップメモリにセットされ(S140)、賞球信号ジョブ(S150)、情報信号ジョブ(S160)、コマンドジョブ(S170)、及び残余時間ジョブ(S180)が実行される。ここで、賞球信号ジョブ(S150)においては、賞球払出しに関するデータの読み込みや出力が行われ、情報信号ジョブ(S160)では、他の制御部への情報出力に必要なデータの読み込みが行われる。また、コマンドジョブ(S170)では、特別図柄管理のためのコマンド出力が行われ、残余時間ジョブ(S180)では、非等速乱数の呼び出しや、汎用乱数メモリの更新が行われる。
【0078】
上記メインジョブの一連の流れの中で実行される始動入賞{第一種始動口(普通電動役物)17への入賞}時の当否判定ジョブに関して図7を参照して説明する。これらのジョブで使用する各種メモリは、図3に示す主制御部90の内蔵RAM92(図11参照)に格納され、代表的なもの(92a〜92m)を図8に示す。
【0079】
S200において始動入賞があったか否かを確認し、YESであれば、S210において特別図柄保留数メモリ92b(図8参照)に記憶されている保留数(未始動回数)を1インクリメントする。この保留数(未始動回数)が一定値(本実施例では、「4」)を越えていれば、その始動入賞は無効となり、S250へスキップする。また、一定値内の保留数(未始動回数)であれば、S230において、特別図柄当否判定乱数(以下、当否用乱数、又は判定乱数ともいう。)を発生させ{プログラムを発生させても、所定の乱数発生回路を用いても何れでもよい(当否用乱数発生手段)}、読み込んだ判定乱数値を、S240において、特別図柄当否判定乱数メモリ92a(図8参照:以下、判定乱数メモリともいう。)に記憶する。このメモリは、読み込んだ判定乱数値を始動入賞の時系列にシフトメモリ形式で記憶している。
【0080】
S250において、判定乱数メモリ92a(図8参照)から記憶している最も古い先頭の乱数値を読み出す。また、S260において、大当たり番号メモリ92g(図8参照)から大当たり番号(当たり用判定値)を読み出す。そして、S270において、上記判定乱数値との比較を行い、両者が一致していれば「大当たり判定」となり、一致しなければ、「外れ判定」となる。ここで、「大当たり判定」の場合には、S280に進み、大当り図柄決定乱数(識別情報決定用乱数)を発生させ、これを読み込んでその決定乱数値を大当たり図柄決定乱数メモリ92cに記憶する。
【0081】
尚、大当たり図柄決定乱数の読み込みは、始動入賞時に当否用乱数と同時に読み込まれているが、当たり判定決定と同時に、或いは、当たり判定決定後の所定の時間後に読み込むものとしてもよい。また、S300において、「大当たり」という判定結果(本実施例では、「1」)を判定結果メモり92i(図8参照)に記憶する。更に、大当たり図柄決定乱数と同時に、リーチ態様決定乱数を発生させ、これを読み込んで、その決定乱数値をリーチ態様決定乱数メモリ92j(図8参照)に記憶している(S295)。
【0082】
この大当たり図柄決定乱数値で指定される特別図柄は、特別図柄表示部110のROM113{図3及び図5(a)参照}に格納されている特別図柄画像データに基づいて、前記液晶表示盤12aに、変動表示状態を経た後、定められた配列態様で表示される(例えば、「7、7、7」の3桁同一図柄の配列態様)。尚、上記特別図柄画像データを、大当たり図柄決定乱数値と対応付けて識別情報決定用値とし、主制御部90の内蔵RAM92に記憶しておく。そして、読み込んだ大当たり図柄決定乱数値と、この識別情報決定用値とを比較することで、停止表示する図柄を決定するものとしてもよい。
【0083】
リーチ態様決定乱数値で指定されるリーチ表示態様は、特別図柄表示部110のROM113{図3及び図5(a)参照}に格納されているリーチ表示態様画像データに基づいて、前記液晶表示盤12aに、変動表示状態を経た後、定められたリーチ態様で表示される。尚、この場合も、上記リーチ表示態様画像データを、リーチ態様決定乱数値と対応付けてリーチ態様決定用値とし、主制御部90の内蔵RAM92のリーチ表示態様決定用値メモリ92kに記憶しておく。そして、読み込んだリーチ態様決定乱数値と、このリーチ態様決定用値とを比較することで、表示するリーチ態様を決定するものとしてもよい。
【0084】
外れ判定となった場合には、S270からS310に進み、外れリーチジョブを行うかどうかを乱数値により決定する。即ち、S310において、リーチ態様決定乱数を発生させ、これを読み込み、他方、S320において、リーチ番号メモリ92h(図8参照)に記憶されているリーチ番号を読み出す。そして、S330において、両者が一致していれば外れリーチジョブとなり、一致していなければ通常外れジョブとなる。
【0085】
外れリーチジョブの場合は、S340へ進み、少なくとも揃えるべき2つの特別図柄(例えば、3種類の特別図柄のうち、左図柄と右図柄)を、外れリーチ図柄決定乱数(また、左図柄の乱数を参照し、それに右図柄を一致させるようにしてもよい。)を使用して決定し(S340)、外れリーチ図柄番号メモリ921に記憶する(S350)。また、S360において、外れ中図柄を乱数により同様に決定し、S370において決定した乱数値を、中図柄番号メモリ92fに記憶する。更に、S380において、「外れリーチ」という判定結果(本実施例では「2」)を、判定決定メモリ92iに記憶する。
【0086】
一方、通常外れジョブの場合は、S390に進み、各特別図柄(例えば、左図柄、右図柄及び中図柄)を、それぞれ乱数により決定し、決定した各乱数値をそれぞれ対応する外れ左図柄メモリ92d、外れ右図柄メモリ92e、外れ中図柄メモリ92fに、夫々記憶する(S390〜S440)。また、S450において、「通常外れ」という判定結果(本実施例では「3」)を、判定決定メモリ92iに記憶する。
【0087】
上記メインジョブの一連の流れの中で実行される、特別図柄メインジョブの概略の流れについて、図9を参照して説明する。S500において、第一種始動口(普通電動役物)17への遊技球の入賞に基づき、特別図柄表示装置16における液晶表示盤12aで各特別図柄の変動表示を開始させる。例えば、左右及び中の図柄を、上から下、下から上へスクロール変動させる。次いで、S510において、判定決定メモリ92iから図7に示す当否判定ジョブで得られた各入賞に対する判定結果を読み出す。
【0088】
具体的には、大当たり判定(「1」)の場合(S520:YES)、S580に進み、上述したリーチ態様決定乱数値に対応するリーチ態様決定用値メモリ92kに記憶されているリーチ態様決定用値を読み出す。更に、S600に進み、大当たり番号(識別情報決定用値)を大当たり番号メモリ(決定用値記憶手段)92g(図6参照)から読み出し、S610に進んで、例えば、左図柄及び右図柄を同一図柄に揃えて所定のリーチ表示態様を経た後に、中図柄を、左図柄及び右図柄を同一図柄に揃えて停止表示させ、確定させる。
【0089】
一方、外れ判定(「2」)の場合(S530:YES)、S570に進み、上述した外れリーチ図柄番号メモリ92lから外れリーチ図柄番号と、外れ中図柄番号メモリ92fから外れ中図柄番号を読み出す。そして、S571において、読み出した外れリーチ図柄番号と外れ中図柄番号とを比較し、それらの差異に基づき、外れリーチ態様を決定する(S572)。
【0090】
具体的には、S571において、それらの番号の差(即ち、例えば、左図柄と中図柄との差)を算出し、その差に基づいて外れリーチ態様メモリ92mから外れリーチ態様データを読み出す。例えば、差が「−1」の場合(即ち、例えば、中図柄が左図柄の1つ前の図柄となる場合)、複数種類(例えば、3種類)の外れスーパーリーチの中から1種が選択され(例えば、所定の乱数取得により選択することができる。)、読み出される。その後、例えば、左図柄及び右図柄を同一図柄に揃えて、所定のリーチ表示態様を経た後に、中図柄を、他の図柄とは異なる図柄で停止表示させ、確定させる。
【0091】
通常外れ判定(「3」)の場合(S540)、S550に進み、外れ各図柄番号を、外れ図柄番号メモリ92e、外れ中図柄番号メモリ92fからそれぞれ読み出し、S560に進んで、各特別図柄(例えば、左図柄、右図柄及び中図柄)を、相互にずれたタイミングで停止表示させ、確定させる。尚、通常外れ判定の場合も、表示態様を「すべり表示」等により種々の態様に変化させることも可能である。この場合、その表示態様画像データを、上記リーチ態様決定乱数値と対応付け、通常外れ表示態様決定用値として、主制御部90の内蔵RAM92の通常外れ表示態様決定用メモリ(図示略)に記憶しておく。そして、読み込んだリーチ態様決定乱数値と通常外れ表示態様決定用値とを比較することで、表示する通常外れ態様を決定するものとしてもよい。
【0092】
大当たり判定により、液晶表示盤12aには、所定の配列態様で特別図柄が確定表示され(例えば、「7、7、7」の3桁同一図柄の配列態様)、その後、特別遊技が実行される(特別遊技状態若しくは大当たり遊技状態)。そして、特別遊技状態においては、先ず、変動入賞装置18の開閉板23bが開放状態となり、大入賞口23への遊技球の入賞が、遊技者にとって優位な遊技球受入状態となる。
【0093】
尚、インテリジェント制御方式の場合には、前記S330までのステップを主制御部90で実行し、それ以降のステップを特別図柄制御部110で実行させる。これにより、主制御部90と特別図柄制御部110等の周辺制御部(第一周辺制御基板〜第四周辺制御基板等)との制御負担割合を均等化し、資源の効率的な活用を図ることができる。この場合は、例えば、S500からS530のステップは主制御部90で実行し、それ以降は特別図柄制御部110で実行させることになる。
【0094】
上記特別遊技状態において、大入賞口23の遊技球受入状態は、終了条件が成立するまで継続される。例えば、解放状態が所定時間t1 (例えば、30秒)経過したとき、若しくはカウント検知器23sに所定数n1 (例えば、10個)の入賞が検知されたときに、終了条件が成立し、遊技球受入状態は一旦終了して、開閉板23bが閉鎖状態となって1ラウンドが終了する。この開閉板23bが閉鎖された所定時間t2 (例えば、1秒)経過した後に、所定の継続条件(図示しない特定領域への通過)が成立していれば、再び、開閉板23bが解放状態となり、大入賞口23は遊技球受入状態となる。尚、このような終了条件までを1ラウンドとする遊技球受入状態は、所定の最高継続ラウンド数(本実施例では180ラウンド)まで、繰り返し継続される。また、終了条件成立時に、継続条件が不成立の場合は、特別遊技状態が、そのラウンドで終了(いわゆるパンク)するものとなっている。
【0095】
パチンコ機1においては、当たり判定により前記特別図柄表示装置16の前記表示盤12aに停止表示された特別図柄の種類に基づき、上記特別遊技状態の終了後、次の大当たりまで当否判定の確率(大当たり確率)を変更(向上)させる確率変更手段が備えられている。具体的には、予め記憶されている上記大当たり図柄決定乱数値が、確率変更用乱数値と非確率変更用乱数値とから構成され、各乱数値の取得に応じて確率変更用図柄又は非確率変更用図柄が停止表示される。その停止表示された図柄が確率変更用図柄の場合、上記特別遊技状態の終了後、次の大当たりまで当否判定の確率(大当たり確率)が、通常の約4〜10倍に向上するものとされている。
【0096】
(5)制御基板装置の構造と組付方法
次に、前述の第1の制御基板装置42と、第2の制御基板装置44とについて詳細に説明する。ここで、第1の制御基板装置42は、図12及び13に示すように、主制御部90を構成する制御基板(主制御基板)98{図4(a)参照}を、ケース(主制御基板ケース)200内に封止するように組み付けて構成されるものである。また、第2の制御基板装置44も、枠制御部100(払出制御部100a)を構成する制御基板(第1周辺基板)108{図4(b)参照}を、ケース(枠制御基板ケース)400に封止するように組み付けて構成されるものである。
【0097】
先ず、図14及び15を中心にして、第1の制御基板装置42を構成する主制御基板98について説明する。この主制御基板98は、導体パターン309等の形成された基板用基材300に、所定の電子部品320等を実装して構成されるものである{図18(a)参照}。また、この基板用基材300(主制御基板98)は、図14(a)及び(b)に示すように、略矩形状の平面形状を備えており、一側縁側の領域を接続端子(例えば、コネクター)321(図12を参照)が配設される端子領域300aとし、その他の領域を電子部品320等の実装が行われる実装領域300bとしている。
【0098】
実装領域300bの略4隅には、基板用基材300(主制御基板98)をケース(主制御基板ケース)200に取り付けるときに用いる取付孔302が、実装領域300bの表裏を貫通する状態に設けられている。また、実装領域300bの裏面においては、位置決め手段303が取付孔302を略取り囲む状態に突出形成されている。この位置決め手段303は、図15(a)及び(b)に示すように、切り欠き部を備えた円形部303dを主体に構成されている。即ち、略虫眼鏡形状に設けられ、基板用基材300の側縁側に切り欠き部を備えた円形部303dと、この切り欠き部から基板用基材300の側縁側に設けられた一対の直線部303eとを備えている。
【0099】
次に、図16〜18を用いて、この主制御基板98の製造方法を簡単に説明する。先ず、基板用基材(絶縁基板)300の表裏面に、銅箔304bを接着して構成される銅張積板{図16(a)}に、NC多軸ボール盤等を用いて「孔あけ」が施される{図16(b)}。この「孔あけ」は、基板用基材300のうちで、部品孔(スルーホール)308の形成部位や、取付孔302の形成部位等に施される。次いで、この基板用基材300に触媒の付与、無電解銅メッキ{図16(c)}を施した後に、電解銅メッキを施し、銅箔304b上にメッキ層305を形成する{図16(d)}。
【0100】
続いて、この基板用基材300の表裏面に、エッチングレジスト(例えば、ドライフィルム)306aを装着する{図17(a)}。そして、製造用マスク(フォトマスク)306b{図17(a)}を利用しつつ、エッチングレジスト306aのうちで、導体パターン309に対応する部分と、位置決め用ランド303aに対応する部分とを露光・現像し、この露光した部分に耐エッチング性被膜306cを残す{図17(b)}。尚、位置決め用ランド303aは、前述の位置決め手段303のうちの下層部を構成する部分である。
【0101】
次いで、エッチング液を銅箔304b面に噴射し、銅箔304bのうちで不要な部分を溶解除去する{図17(c)}。このとき、銅箔304bのうちで必要な部分、即ち、導体パターン309に対応する部分と、位置決め用ランド303aに対応する部分とが、溶解されずに残る。更に、薬品を用いて、エッチングレジスト(耐エッチング性被膜306c)を除去すると、導体パターン309と、位置決め用ランド303aとが露出する{図17(d)}。
【0102】
続いて、図18(a)に示すように、基板用基材300の適所に、ハンダレジスト307を塗布した後に、この基板用基材300に電子部品320等を搭載しつつ、ハンダ漕(図示を省略)を用いて、ハンダ付けを行えば、導体パターン309の適所(例えば、部品孔308周りのランド部分)に、ハンダ層308aが積層形成されると共に、部品孔308内に、ハンダ層308aが充填形成され、電子部品320の実装が完了し、主制御基板98を完成する。本実施例では、この電子部品320の実装と同時に、位置決め用ランド303aの表面に、メッキ層305を介在させた状態の位置決め用ハンダ層303bが形成される。即ち、電子部品320の実装と同時に、基板用基材300に、位置決め用ランド303aと、位置決め用ハンダ層303b等とで構成される位置決め手段303が形成される。
【0103】
ところで、上述のように、本実施例の製造方法によると、簡単な改良が施された製造用マスク306bを用いるだけで、位置決め手段303(位置決め用ランド303aだけでもよい。)を備えた制御基板(主制御基板)98が得られる。即ち、位置決め手段を備えない通常の制御基板を製造する場合には、導体パターンに対応する部分に耐エッチング性被膜を残すような製造用マスクが使用されるが、本実施例では、導体パターン309に対応する部分に加えて、位置決め用ランド303aに対応する部分に耐エッチング性被膜306cを残すような製造用マスク306bが使用される。このように、簡単な改良が加えられた製造用マスク306bを用いる他は、通常の制御基板を製造する場合と同様な製造工程を実施すれば、位置決め手段303(位置決め用ランド303aだけでもよい。)が得られる。即ち、通常の制御基板を製造方法を実施する場合に比べて、その工程を大きく変更するまでもなく、本実施例に係る制御基板(主制御基板98)が得られる。
【0104】
尚、制御基板の製造工程は、本実施例で例示するものに限定されない。また、本実施例では、制御基板として両面プリント基板を例示したが、この制御基板は片面プリント基板であってもよい。更に、本実施例では、制御基板として単層基板を例示したが、この制御基板は多層基板であってもよい。また、本実施例では、遊技機用の制御基板を例示する。更に、図18(a)は、挿入実装方式を図示するが、電子部品の実装方式は表面実装方式であっても、挿入実装方式及び表面実装方式が混在してもよい。
【0105】
次に、図12、13、19〜25を用いて、ケース(主制御基板ケース)200について説明する。このケース200は、第1のケース部210と、第2のケース部230と、第3のケース部260と、封止手段270とを備えている。
【0106】
第1のケース部(ケース本体)210は樹脂を用いて作製した一体成形品であり、図20に示すように、上方部に開口部211を有する略容器形状を備え、略矩形状の底板部212の外縁から4角枠状の外壁部213を立ち上げている。また、底板部212のうちで、外壁部213の内側の部位からは、4角枠状の内壁部214を立ち上げている。この内壁部214は、背の高い平面形状が略コの字状の内壁板214aと、背の低い平面形状が略コの字状の内壁板214bとを4角枠状に組み合わせて構成されている。
【0107】
第1のケース部210の内部空間のうちで、内壁部214に取り囲まれた部分は、基板用基材300(主制御基板98)の収納部を構成している。また、この収納部のうちで、背の高い内壁板214aで取り囲まれた部位が、実装領域300bを収納するための実装領域収納部位214cであり、背の低い内壁板214bで取り囲まれた部位が、端子領域300aを収納するための端子領域収納部位214dである。
【0108】
底板部212のうちで、実装領域収納部位214cの4隅側に位置する部位からは、略円筒状の取付部215が立ち上げられている。但し、図19及び20においては、2つの取付部215のみを図示している。この取付部215は、本来の制御基板の取付部材としての機能の他に、位置決め用突部としても機能する。また、この取付部215は、上端面(突端面)に、雌ネジ部215aを開口させる(図13参照)と共に、側面を平面略矩形状のリブ215bによって内壁部214と一体化させている{図15(c)参照}。そして、取付部215とリブ215bとの一体品が、前述の位置決め手段303内に嵌入可能な形状・サイズ(略虫眼鏡状の平面形状)を備えている。また、実装領域収納部位214c内に補強用リブ216aが配設されていると共に、端子配設領域214d内にも補強用リブ216bが配設されている。
【0109】
外壁部213は、4つの外壁板213a〜213dで構成され、このうちの1個の外壁板213aからは、第1の重ね合わせ部217が薄肉状のリブ217aを介在させた状態で配置されている。この重ね合わせ部217は、図21(b)及び図22に示すように、下方に開口する円筒容器形状を備えており、上方の天板部217bの中心位置に挿通孔217cを有している。本実施例では、このような重ね合わせ部217を4つ備えており、各重ね合わせ部217は、薄肉状のリブ217aを介して外壁板213aに固定されていると共に、連接する他の重ね合わせ部に対しても、薄肉状のリブ217aを介して固定されている。
【0110】
また、図20及び25に示すように、この外壁板213aにおいて第1の重ね合わせ部217の両脇の部位からは、第1の雄型のスライド嵌合部218が突出している。また、底板部212の外面において、外壁板213aに近接する2個所からは、略L字状の係止部219aが突出している。この係止部219aは、底板部212を始点に垂下した後に屈曲し、突端を外壁板213aの外側に突出させる状態となっている。更に、外壁部213aと対向する外壁部213bにおいては、上端面上に5つの第2の雌型のスライド嵌合部220が並設されている。また、底板部212の外面において、外壁板213bに近接する2個所からは、略L字状の係止部219bが突出している。この係止部219bは、底板部212を始点に垂下した後に屈曲し、突端を外壁板213bの外側に突出させる状態となっている。
【0111】
また、残りの一対の外壁板213c、213dでは、図20に示すように、長手方向に沿ってレール部222を各々配置している。このレール部222は、図24に示すように、開口部を上方に向けた略Lの字状の縦断面を備えており、このレール部222内に、複数のスライド係合部223を略等間隔に配置している。このスライド係合部223は、図23に示すように、レール部222の底面から垂設される縦板状のストッパ223bと、横板状の摺動部223aと、を一体的に備えた略L字形状に形成されている。尚、ストッパ223bは、第1のケース部210と、第2のケース部230とを相対的に摺動させ、両ケース部210、230をスライド係合させる際に、スライド方向に沿った終端側に配置されている。
【0112】
第2のケース部(ケース蓋)230も、樹脂を用いて作製した一体成形品であり、図19に示すように、下方側に開口部231を有する略容器形状を備えている。但し、この第2のケース部を単なる蓋状に形成してもよいし、前述の第1のケース部210が蓋状に形成されてもよい。また、略矩形状の上板部232の外縁から略4角枠状の外壁部233を垂下させている。また、この外壁部233は、4つの外壁板233a〜233dで構成されている。更に、上板部232には、第2のケース部230と、第1のケース部210とを重ね合わせてケース200を閉鎖したときに、端子配設領域300aと対向する部位に通過窓234aを形成している。また、上板部232の残部は、この通過窓234aよりも隆起した隆起部234bとされている。
【0113】
図19に示すように、外壁部233を構成する1つの外壁板233aの近傍には、第2の重ね合わせ部237が配置されている。即ち、図21(a)及び図22に示すように、第2の重ね合わせ部237は、外壁板233aから略水平に突出する板状部237bから上方に立ち上げられると共に、重ね合わせ部237、外壁板233a及び板状部237b間に形成されたリブ237aによって補強されている。この重ね合わせ部237は柱形状を備え、外壁板233aの幅方向に沿って4個立ち上げられている。また、重ね合わせ部237の下面では、案内穴237cが開口されている。また、図19に示すように、この外壁板233aにおいて、第2の重ね合わせ部237の両脇の部位には、前述の「第1の雄型のスライド嵌合部218」と雌雄を反転させた第1の雌型のスライド嵌合部240が、この雄型のスライド嵌合部218と同間隔に同数配置されている。
【0114】
また、図19に示すように、外壁部233aと対向する外壁部233bにおいては、前述の「第2の雌型のスライド嵌合部220」と雌雄を反転させた第2の雄型のスライド嵌合部238が、この雌型のスライド嵌合部220と同間隔に同数配置されている。また、残りの一対の外壁板233c、233dでは、長手方向に沿ってレール部242を各々配置している。このレール部242は、図24に示すように、外壁板233c、233dの下端から略水平に突出する水平板部242aと、水平板部242aの突端から垂下する垂下板部242bとによって断面略L字形状とされている。また、図23に示すように、このレール部242内にも、複数のスライド係合部243が略等間隔に配置されている。このスライド係合部243は、レール部242の上面部から垂下するストッパ243bと、横板状の摺動部243aと、を一体的に備えた略L字形状に形成されている。尚、このストッパ243bも、1のケース部210と、第2のケース部230とを相対的に摺動させ、両ケース部210、230をスライド係合させる際に、スライド方向に沿った終端側に配置されている。
【0115】
第3のケース部(接続端子装着部材)260も、樹脂を用いて作製した一体成形品である。また、図13に示すように、端子配設領域300aの上方に配置される装着本体部261と、装着本体部261の長手方向に沿った一個の端縁から立ち上げられた第1のリブ262と、この一個の端縁の両脇側から水平に突出する取付代263と、装着本体部261の裏面側において、上記「一個の端縁」以外の端縁から垂下する第2のリブ265とを備えている。また、図19に示すように、装着本体部261には、3個の接続端子通過窓261aが設けられ、更に、取付代263には、挿通孔263aが貫通状に設けられている。
【0116】
次に、制御基板(主制御基板)98を、ケース(主制御基板ケース)200内に組み付けるための手順について簡単に説明する。先ず、図13に示すように、制御基板98を、開口部211を通じて第1のケース部210内に挿入・固定する。このとき、制御基板98の裏面の位置決め手段303と、取付部215及びリブ215bと、を位置合わせすれば、制御基板98の第1のケース部210への位置決めを円滑に行うことができ、これにより、取付孔302と取付部(位置決め用突部)215の雌ネジ部215aとが、容易に位置合わせされる。位置決め手段303は、制御基板98の裏面から略虫眼鏡形状に垂下する壁状物として構成され、また、取付部215及びリブ215bの一体品の上端面は、この壁状物内に嵌入可能な形状(即ち、略虫眼鏡状の平面形状)を備えるからである。
【0117】
即ち、制御基板98を第1のケース部210に位置合わせする際に、取付部215や雌ネジ部215aは制御基板98に隠蔽されるが、制御基板98を、第1のケース部210を基準に適宜、前後・左右に摺動させれば、位置決め手段303に、「取付部215及びリブ215bの一体品」を容易に嵌入させることができる。これにより、制御基板98及び第1のケース部210の位置決め、ひいては、取付孔302と雌ネジ部215aとの位置合わせを円滑に行うことができる。しかも、本実施例では、位置決め手段303と、「取付部215及びリブ215bの一体品」とが、回転非対称な方向性を持った平面形状を備えると共に、位置決め手段303及び一体品の数が複数(本実施例では4つを例示)であるため、制御基板98及び第1のケース部210間の位置決め精度が高くなっている。
【0118】
この制御基板98の第1のケース部210への位置合わせによって、制御基板98の実装領域300bが、第1のケース部210の実装領域収納部位214cに収納され、制御基板98の端子配設領域300aが、第1のケース部210の端子領域収納部位214dに収納される。
【0119】
次いで、第3のケース部(接続端子装着部材)260が、端子領域収納部位214dに配置される。このとき、図13に示すように、第2のリブ265の下端面が、底板部212に当接し、第3のケース部260の装着本体部261と、「内壁板214c及び補強用リブ216b」との間に空間部227が形成される。そして、この空間227に端子配設領域300aが収容される。同時に、制御基板98の端子配設領域300aに配設された接続端子(例えば、コネクター)321を、接続端子通過窓261aに挿通させる。
【0120】
また、2個の取付代263が、実装領域300b上に進入し、この2個の取付代263の挿通孔263aが、取付孔302のうちで端子配設領域300aに近接する2個の上方に位置合わせされる。そして、この2個の取付孔302においては、上方から取付代263、制御基板98、取付部215の順に重ね合わせた状態で、ビス201の雄ネジ部を、挿通孔263a、取付孔302の順に通過させた後、雌ネジ部215aに螺合させる。これにより、第3のケース部260を第1のケース部210に固定する。併せて、端子配設領域300aから離間する2個の取付孔302においては、制御基板98、取付部215の順に重ね合わせた状態で、ビス201の雄ネジ部を雌ネジ部215aに螺合する。そして、制御基板98の実装領域300bの4隅が対応する4つの取付部215に螺子止めされ、制御基板98の第1のケース部210への固定を完了する。この螺子止作業においては、前述の如く、位置決め手段303への 「取付部215及びリブ215bの一体品」の嵌入によって、制御基板98及びケース200間の位置決め状態が堅固に維持されているため、機械(組付機)を用いても、この作業中に制御基板98の位置ずれを生ずることはなく、この作業が円滑に行われる。
【0121】
続いて、第1のケース部210の開口部211に、第2のケース部230の開口部231を重ね合わせてケース200を閉鎖する。この閉鎖作業に際しては、先ず、図23に示すように、第1のケース部210の各レール部222上に、第2のケース部230の対応関係にある各レール部242を対向状態で配置する。このとき、第2のケース部230を、第1のケース部210に対して相対的に、第2の重ね合わせ部237の方向に位置ズレを生じた状態とする。
【0122】
これにより、図23に示すように、各レール部242内の各スライド係合部243は、各レール部222内の各スライド係合部243のうちで、対応関係にあるものよりも後退した状態となる。また、図24に示すように、レール部242の水平板部242aは、外壁部213a(外壁板213c、213d)の上端面に摺動可能に支持されると共に、各レール部242の垂下板部242bは各レール部222内に挿入されながら、各レール部222の垂設板部222bと摺動可能な状態で当接する。このため、第1のケース部210及び第2のケース部230は、各ケース部210(230)において隣り合う他のレール部242(レール部222)の方向(底板部212や上板部232の表裏面と平行な平面内)に、相対的な移動を行うことが禁止される。
【0123】
次いで、両ケース部210、230の重ね合わせ部217、237を重ね合わせる方向に向かって、両ケース部210、230を相対的にスライドさせると、対応するレール部222、242内において、対応関係にあるスライド係合部223、243がスライド状に係合する。そして、スライド量を増加させると、対応関係にあるスライド係合部223、243のストッパー(223a及び243a)同士が当接し、第1のケース部210と第2のケース部230とのスライド量を更に増加させることが禁止される。尚、上記「スライド係合」とは、第1のケース部210のスライド係合部223と、第2のケース部230のスライド係合部243とがスライド状に係合すると共に、重ね合わされた第1のケース部210と、第2のケース部230とが、重ね合わされた方向と逆方向(ケース200の開放方向であって、底板部212や上板部232と垂直な方向)へ離間することを禁止するように係合することである。また、スライドとは、重ね合わせ方向と垂直な方向に移動させることをいう。
【0124】
また、同時に、図25に示すように、第1の雄型のスライド嵌合部218が第1の雌型のスライド嵌合部240に嵌合し、第2の雄型のスライド嵌合部238が第2の雌型のスライド嵌合部220に嵌合する。尚、上記「スライド嵌合」とは、第1のケース部210のスライド嵌合部218、220と、第2のケース部230のスライド嵌合部238、240とがスライド状に嵌合すると共に、重ね合わされた第1のケース部210と、第2のケース部230とが、重ね合わされた方向と逆方向(ケース200の開放方向であって、底板部212や上板部232と垂直な方向)へ離間することを禁止するように嵌合することである。また、スライドとは、重ね合わせ方向と垂直な方向に移動させることをいう。
【0125】
また、図22に示すように、両ケース部210、230の重ね合わせ部217、237が重ね合わされた状態となる。即ち、4つの第1の重ね合わせ部217の天板部217bと、4つの第2の重ね合わせ部237とが重ね合わされた状態となり、対応関係にある挿通孔217cと案内穴237cとが位置合わせされる。そして、所定の一個の重ね合わせ部217の開口部から、封止手段(戻り止めボルト)270を挿入し、この封止手段270の雄ネジ部を挿通孔217c及び案内穴237cに螺入する。尚、この挿通孔217c及び案内穴237cの内径は、封止手段(戻り止めボルト)270の外径よりも小さくされている。また、封止手段(戻り止めボルト)270は、挿通孔217c及び案内穴23を通じて、重ね合わせ部217、237に一旦、ねじこまれると(螺入される)、取り外し方向へは回転不能となっている。これにより、第1のケース部210と第2のケース部230とは、重ね合わせを行う方向と逆方向(底板部212や上板部232の表裏面と直交する方向)への離間を禁止された状態となる。同時に、各スライド係合部223、243の係合を解除する方向へのスライドも禁止された状態となり、ケース200の封止状態が堅固に維持される。
【0126】
また、監督官庁等の検査機関の検査等の際には、第1のケース部210と、第2のケース部230とを離間させ、ケース200の封止状態を解除することが必要となる。このとき、使用状態にある第1の重ね合わせ部217(即ち、封止手段270を用いている重ね合わせ部217)において、隣接する他の第1の重ね合わせ部217との間に介在されたリブ217a、及び、外壁部213(外壁板213a)との間に介在された217aを、ニッパー等の工具で切断する。これにより、第1の重ね合わせ部217と、第2の重ね合わせ部237との固定が解除される。そして、対応するスライド係合部間(223及び243)の係合と、対応するスライド嵌合部間(218及び240、220及び240)の嵌合と、を解除する方向に向かって、第1のケース部210と第2のケース部230とを相対的にスライドさせると、第1のケース部210及び第2のケース部230を離間させることができる。
【0127】
尚、制御基板(第1周辺基板)108においても、制御基板98と同様な位置決め手段303を同様な方法で形成している。また、ケース(枠制御基板ケース)400も、ケース200と同様な構造を備える。このため、本実施例においては、制御基板(第1周辺基板)108及びケース(枠制御基板ケース)400の説明を省略する。また、本実施例では、主制御部90を構成する制御基板98を1個のケース200に収納し、払出制御部100aを含む(を構成する)制御基板108を他のケース400に収納する態様を例示したが、主制御部90を構成する制御基板98と払出制御部100aを含む(を構成する)制御基板108とを同一のケースに収納することもできる。また、主制御部90や払出制御部100a以外の制御部を構成する制御基板を、本実施例に例示したケース200、400に収納してもよい。
【0128】
以上のように構成される制御基板装置42(44)では、位置決め手段303と、取付部(位置決め用突部)215とを位置合わせして、制御基板98(108)とケース200(400)との位置決めを行う。即ち、制御基板98(108)をケース200(400)内に収納する際に、取付部(位置決め用突部)215が、制御基板98(108)の下方に隠蔽される。ところが、制御基板98(108)を適宜、左右・前後等に移動すると、取付部(位置決め用突部)215の上端側が、位置決め手段303内に容易に嵌入するため、制御基板98(108)とケース200(400)との位置決めを簡単に行うことができ、制御基板装置42(44)の組付作業の効率が向上する。特に、本実施例では、位置決め用ランド303aに、位置決め用ハンダ層303bを積層形成し、突出量が多くなった位置決め手段303を用いて制御基板98(108)とケース200(400)との位置決めを行うため、制御基板装置42(44)の組付作業の効率を更に高くしている。また、このように、制御基板98(108)とケース200(400)との位置決めを確実に行うことができるため、機械を用いた自動組付を行うが容易となり、制御基板装置42(44)の量産を効率的に行うことができる。
【0129】
また、本実施例では、導体パターン309を形成する際に、位置決め用ランド303aをあわせて形成する。即ち、位置決め用ランド303aの形成工程を、別途独立の工程として、制御基板98(108)の製造工程に付加することが必要とされないため、この位置決め用ランド303aの形成が原因で、制御基板装置42(44)の製造上の手間を多くすることはない。更に、本実施例では、ハンダを用いて電子部品320を実装する際に、位置決め用ハンダ層303bをあわせて形成する。即ち、位置決め用ハンダ層303bの形成工程を、別途独立の工程として制御基板98(108)の製造工程に付加することが必要とされないため、位置決め用ハンダ層303bの形成が原因となり、制御基板装置42(44)の製造上の手間を多くすることはない。
【0130】
本実施例では、第1のケース部210と、第2のケース部230とを重ね合わせて連結し、閉鎖状態のケース200としている。このとき、第1のケース部210と第2のケース部230とを直ちに閉鎖状態となるように重ね合わせるのではなく、第1のケース部210と、第2のケース部230とを、意識的に位置ズレを生じた状態で重ね合わせてから、第1のケース部210と第2のケース部230とを相対的にスライドさせ、第1のケース部210と第2のケース部230を閉鎖状態に連結している。
【0131】
即ち、(a)第1のケース部210に、第2のケース部230を装着して構成されるケース200において、(b)第1のケース部210にスライド係合部223を設けると共に、第2のケース部230に該スライド係合部223とスライド係合するスライド係合部243を設ける。そして、(c)第1のケース部210と、第2のケース部230とを位置ズレ(重ね合わせ方向と垂直な方向、例えば、底板部212や上板部232の表裏面と平行な方向への位置ずれ)を生じた状態で重ね合わせた後、(d)第1のケース部210と、第2のケース部230とを相対的にスライドさせて、両ケース部210、230のスライド係合部223、243をスライド係合しつつ、第1のケース部210と、第2のケース部230とを閉鎖状態に連結することを特徴とするケース200であってもよい。また、この(a)〜(d)の構成要件を備えるケース200において、(e)第1のケース部210の1個の側面部(例えば、本実施例の外壁板213a)と、該1個の側面部と連結される第2のケース部230の1個の側面部(例えば、外壁板233a)と、に重ね合わせ部を配設し、連結状態とされた該第1のケース部210の重ね合わせ部217と、該第2のケース部230の重ね合わせ部237との間に封止手段270を介在させ、前記ケース200が開放されることを禁止してもよい。尚、(a)〜(d)の構成要件を備えるケース200において、第1のケース部210及び第2のケース部230の双方を略容器形状としてもよいが、第1のケース部210及び第2のケース部230の一方を単なる略板状の蓋体としてもよい。
【0132】
また、(f)第1のケース部210に、第2のケース部230を装着して構成されるケース200において、(g)第1のケース部210にスライド嵌合部218、220を設けると共に、第2のケース部230に該スライド嵌合部218、220とスライド嵌合するスライド嵌合部238、240を設ける。そして、(h)第1のケース部210と、第2のケース部230とを位置ズレ(重ね合わせ方向と垂直な方向、例えば、底板部212や上板部232の表裏面と平行な方向への位置ずれ)を生じた状態で重ね合わせた後、(i)第1のケース部210と、第2のケース部230とを相対的にスライドさせて、前記両者のスライド嵌合部(218及び240、220及び238)をスライド嵌合しつつ、第1のケース部210と、第2のケース部230とを閉鎖状態に連結することを特徴とするケース200であってもよい。また、この(f)〜(i)の構成要件を備えるケース200において、(j)第1のケース部210の1個の側面部(例えば、本実施例の外壁板213a)と、該1個の側面部と連結される第2のケース部230の1個の側面部(例えば、外壁板233a)と、に重ね合わせ部を配設し、連結状態とされた該第1のケース部210の重ね合わせ部217と、該第2のケース部230の重ね合わせ部237との間に封止手段270を介在させ、前記ケース200が開放されることを禁止してもよい。また、この(f)〜(i)の構成要件を備えるケース200において、第1のケース部210及び第2のケース部230の双方を略容器形状としてもよいが、第1のケース部210及び第2のケース部230の一方を単なる略板状の蓋体としてもよい。
【0133】
本実施例と異なり、第1のケース部210と、第2のケース部230とを、直ちに閉鎖状態となるように重ね合わせるタイプのケース200であると、ケース200の封止状態を確実に維持するためには、第1のケース部210の複数の側面部と、該複数の側面部と各々連結される第2のケース部230の複数の側面部と、に重ね合わせ部を配設することが必要となる。そして、第1のケース部210と第2のケース部230とが連結状態とされたときに、両ケース部210、230の複数の側面部に配設された重ね合わせ部217、237毎に、封止手段270を介在させ、前記ケース200が開放されることを禁止することが必要である。このように、第1のケース部210及び第2のケース部230の複数の側面部に、重ね合わせ部217、237を配設することになると、その分、ケース200の構造が複雑化するおそれがある。また、制御基板装置42(44)に封止作業を施すときに、第1のケース部210及び第2のケース部230の複数の側面部に配設された重ね合わせ部217、237間に、各々封止手段270を介在させることが必要なため、この封止作業が煩雑となるおそれがある。更に、制御基板装置42(44)の封止を解除する作業を施すときに、第1のケース部210及び第2のケース部230の複数の側面部において、解除作業(例えば、リブ217aをニッパー等で工具で切断する作業)を行うことが必要なため、この解除作業が煩雑となるおそれがある。
【0134】
一方、上記(a)〜(d)の構成要件、及び、上記(f)〜(i)の構成要件のうちの少なくとも一方を具備するケース200においては(本実施例では双方を具備している。)、第1のケース部210のスライド係合部223と、第2のケース部230のスライド係合部243とのスライド係合(第1のケース部210のスライド嵌合部218、220と、第2のケース部230のスライド嵌合部238、240とのスライド嵌合)によって、少なくとも、第1のケース部21と、第2のケース部230と、が重ね合わせ方向と逆方向に離間することを禁止される。従って、第1のケース部210及び第2のケース部230の一個の側面部に重ね合わせ部を配設し、この一個の側面部の重ね合わせ部間に封止手段を介在させれば、十分な封止状態が得られる。このように、第1のケース部210及び第2のケース部230、ひいては、ケース200の構造を単純化できる。また、制御基板装置42(44)に封止作業を施したり、封止を解除する作業を施すときに、第1のケース部210及び第2のケース部230の1個の側面部において、これらの作業を行えば足りるため、これらの作業を円滑に行うことができる。
【0135】
更に、(k)略容器形状に構成される第1のケース部210の開口部211側に第2のケース部230を装着して構成されるケース200において、(l)前記第1のケース部210が、接続端子(例えば、コネクター)321を収納する端子領域収納部位214dを備え、(m)第2のケース部230の前記端子領域収納部位214dと対向する部位に開放部(本実施例では、通過窓234aを例示)を設けると共に、(n)接続端子321と位置合わせされる接続用窓(本実施例では、接続端子通過窓261aを例示)を備えた第3のケース部(接続端子装着部材)260を前記第2のケース部230の開放部に装着することを特徴とするケース200であってもよい。尚、第2のケース部230は、開口部231を有する略容器形状であっても、単なる略板状の蓋体であってもよい。また、開放部は、本実施例の通過窓234aのように、窓状(孔状)のものに限定されず、例えば、切り欠き状のものであってもよい。
【0136】
ケース200を第1のケース部210と、第2のケース部230のみで構成する場合には、第2のケース部230に直接、接続用窓を形成することが必要である。ところが、各制御基板に配設される接続端子(例えば、コネクター)のサイズ、形状、数、配置間隔等は、個々の制御基板毎に異なるのが一般的である。よって、第2のケース部230に直接、接続用窓を形成する場合には、ケース200の汎用性が低くなる。即ち、接続端子のサイズ、形状、数、配置間隔等が異なる制御基板毎に、異なる大きさ、形状、数、配置間隔等を異にする接続用窓を備えたケースを使い分けることが必要である。
【0137】
これに対して、上記(k)〜(n)の構成要件を具備するケース200では、接続用窓を、第3のケース部260に形成する。このため、対象となる制御基板に配設される接続端子のサイズ、形状、数、配置間隔等に応じて、第3のケース部のみを、この接続端子のサイズ、形状、数、配置間隔等に対応する接続用窓を備えたものに変更すればよい。即ち、ケース200の構成部材として、第3のケース部を付加することで、1種類の「第1のケース部210及び第2のケース部230」を、接続端子のサイズ、形状、数、配置間隔等が異なる種々の制御基板の共通部品として汎用的に用いることができる。
【0138】
尚、上記(a)〜(d)の構成要件を具備するケース200、上記(f)〜(i)の構成要件を具備するケース200、上記(k)〜(n)の構成要件を具備するケース200等において、参考発明〜参考発明10のうちの何れかの発明に係る構成要件を更に具備していてもよい。
【0139】
位置決め手段303の平面形状は、本実施例に示すものに限定されず、例えば、円形、楕円形、三角形、多角形、半円状、円弧形、半多角形状等の種々の形状を選択できる。但し、本実施例の如く、円形部303dに切り欠き部を設ける等として位置決め手段303に方向性を付与すれば(回転対称軸を備えない形状とする。)、この位置決め手段303を頼りに、制御基板98(108)と、ケース200との位置決めをより円滑に行うことができる。
【0140】
また、本実施例では、取付部215が、位置決め用突部として使用される態様を例示したが、図18(b)に示すように、取付部275と、位置決め用突部276とを別体としてもよい。また、本実施例では、位置決め手段303によって形成される壁状の部分に、位置決め用突部を挿入(嵌入)する態様を例示した。
【0141】
また、本実施例では、4つの位置決め手段303(位置決め用ランドであっても同様)を用いて位置合わせを行う態様を例示したが、位置決め手段303(位置決め用ランド)の数は特に問わない。即ち、位置決め手段303(位置決め用ランド)を対称性が乏しい形状とすれば、最小数の位置決め手段303(位置決め用ランド)を用いて、制御基板98(108)と、ケース200との位置決めをより円滑に行うことができる。例えば、位置決め手段303(位置決め用ランド)の平面形状を不等辺三角形とし、位置決め用突部の突端面に、この位置決め手段303(位置決め用ランド)と凹凸が反転した部分を設け、この部分を位置決め手段303(位置決め用ランド)を挿入(嵌入)するものとすれば、位置決め手段303(位置決め用ランド)の数が、たとえ、1つであっても、制御基板98(108)と、ケース200との位置決めをより円滑に行うことができるからである。
【0142】
更に、本実施例では、封止手段270として、戻り止めボルトを用いたが、通常のボルトとこのボルトに戻り止め状態で螺合される戻り止めナットとで、封止手段を構成してもよい。具体的には、重ね合わせ状態とされる重ね合わせ部217、237を、通常のボルトの頭部と、戻り止めナットとで挟持すればよい。この態様では、戻り止めナットを破壊しない限り、ケース200の封止状態を解除することはできない。
【0143】
(6)制御基板装置等の配設態様
次に、図2に示す機構盤31に配設すべき遊技装置、例えば遊技の制御を行うための制御基板(例えば、主制御基板98)、電源供給のための電源ユニット46等の、該機構盤31への配設態様について説明する。図26に示すように、機構盤31には、その略中央部に開口した中央窓部860が形成されており、その開口の下縁部861は、図29に示すように、金属板870を懸架可能な金属板懸架部861とされている。
【0144】
具体的には、図29に示すように機構盤31の金属板懸架部861は、縁部が断面コの字状に折り返された形態の引掛用リブ861とされている。また、金属板懸架部(引掛用リブ)861の外縁角861aは、角を取った形態で鈍角状に又は円弧状に曲げられており、これにより懸架する金属板870との摩擦等による機構盤31の摩耗等を防止ないし抑制している。前記金属板懸架部861の断面形状を円弧状861b、861cとした変形例を図33(a)、(b)に示す。
【0145】
金属板870は、図27及び28に示すように、その上辺部の一部を鉤状ないしコ字状に折り曲げないし屈曲させた形態の鉤状部(屈曲部)871、871を備える。このような鉤状部871、871を機構盤31の金属板懸架部861に懸架させることにより、金属板870を機構盤31に対して着脱自在に配設することが可能となり得る。また、金属板870の下辺部には、1ないし複数箇所(本実施例では2箇所)の丸孔872、872が設けられている。この丸孔872、872に図31及び32に示す釦式固定具830を挿入して、該金属板870を機構盤31に固定することが可能とされている。
【0146】
釦式固定具830は、操作部831と作用部834とからなり、工具等を用いずに操作部831を操作可能とされており、操作があった場合には作用部834が所定の作用をなし、該作用に基づいて2つの目的物、本実施例の場合は金属板870と機構盤31との締結・離脱が行われるものとされている。具体的には、作用部834は拡径部とされ、複数に分割(通常4つ)された拡径子を備えており、操作部831は摘み部とされ、該摘み部を押し込むと摘み部の先端部835が前記拡径子を内部から押し広げるように作用する。この作用に基づいて、例えば作用部834の外径が丸孔872の孔径よりも大きくなり、金属板870と機構盤31とが固定される。
【0147】
次に、金属板870の中央やや右寄りには段部873が形成され、段部873よりも左寄りには低段の左領域873aが、段部873よりも右寄りには高段の右領域873bがそれぞれ形成されている。これは、機構盤31に配設される遊技装置において、例えば右領域873bには比較的高さの高い遊技装置、例えば賞球払出装置37(図2及び3参照)及び賞球払出用の通路、払い出す遊技球を上皿5と下皿6に振り分ける振分装置、第四周辺制御基板(音声制御基板)138{図3及び図5(c)参照}、電源ユニット46(図3参照)等が配設されており、その内、特に上皿5と下皿6の振分装置の高さが高く出っ張っており、金属板870が一平面であると前記振分装置に接触し、金属板870を遊技盤8(図1参照)と平行に設置できないようになるためである。そこで、金属板870に段差を設け、振分装置等のように比較的高さの高い遊技装置と接触しなくなるようにして、金属板870が遊技盤8、ひいては遊技機本体とほぼ平行に配置することができるようにしたものである。段部873の高さは、遊技機に配設される各遊技装置の寸法と配設位置により適宜決定されるが、概ね5〜40mm程度とするのがよい。しかして、金属板870の左辺側には高さの高い遊技装置を配設しても、遊技機全体の奥行きが大きくなることを回避可能となった。
【0148】
また、図27によると、金属板870には、略L字孔状の複数の被係止部874〜877と、金属板870の周縁部から内方に向かった切込み878〜880と、略舌形状に構成される可撓片881〜883と、切込孔部884〜886と、が設けられている。そして、これらの被係止部874〜877等に、前述の制御基板装置42(44)等の遊技装置が係止され、遊技装置を機構盤31に配設することが可能となっている。尚、金属板870の上下方向に沿って隣り合う被係止部(874及び877、875及び876)は、L字を相互に逆方向に向けている。
【0149】
尚、金属板870に装着乃至取り付けられる制御基板装置42(44)においては、接続端子(コネクタ)321を、ケース200(400)等の一つの側面側に集中させることが好ましい。即ち、接続端子321を一側部に集めると、この接続端子321に接続されているリード線の長さに僅かな余裕を持たせることにより、例えば釦式固定具830(図30参照)の操作部831を手前に引き出す操作を行い、金属板870の下辺部の機構盤31に対する固定を解放すれば、図31に模式的に示すように、鉤状部871,871を支軸として金属板870の下辺部を上方へ回動させて持ち上げることが可能となり得る。これにより、金属板870の裏面側又はその裏面側に対応する機構盤31に装着されている各種遊技装置、機器の点検、交換を容易に行うことができるようになる。また、接続端子321が制御基板98の上辺部以外にある場合には、リード線長に大きな余裕を持たせるか、リード線長に十分な余裕がない時は、リード線を接続端子321から離脱すれば、金属板870を回動して持ち上げることが可能となり得る。
【0150】
制御基板装置42は、金属板870の左領域873aに、以下の要領で取り付けられる。即ち、第1のケース部210の底面を金属板870側に向け、第2のケース部230の上面を手前に向け、しかも、接続端子321(通過窓234a)を手前に向けた状態とする。そして、ケース200の上方において、左右に並ぶ係止部219bを、金属板870の左領域873a上方側の左右に並ぶ被係止部874に位置合わせする。また、ケース200の下方において左右に並ぶ係止部219aのうちの一方(本実施例では、向かって左側の係止部219a)を、左領域873a下方側の被係止部877に位置合わせし、他方(本実施例では、向かって左側の係止部219a)を、可撓片881に位置合わせする。そして、ケース200のうちで、可撓片881の前方に位置する個所を押さえ、可撓片881を背後に撓ませながら、ケース200を所定の方向(本実施例では、向かって右方向)へ移動することにより、被係止部874に位置合わせされた係止部219bは、被係止部874の小孔部へ移行し、被係止部877に位置合わせされた係止部219aは、被係止部877の小孔部へ移行すると共に、可撓片881に位置合わせされた係止部219aは、切込孔部884に嵌入する。
【0151】
更に、可撓片881は元の位置に戻り、切込孔部884に嵌入した係止部219aの側面に衝立することとなり、制御基板装置42は金属板870に固定される。また、金属板870の下方を釦式固定具830(図30参照)等の固定手段にて着脱自在に固定する。このような方法により取り付けられた制御基板装置42は、可撓片881を背後に撓ませ、同時に、制御基板装置42を所定方向(本実施例では、向かって右方向)へ移動しない限り金属板870から取り外すことができない。
【0152】
制御基板装置42の配設態様として以上の態様を採用すると、この制御基板装置42を、ビス等の部品を用いることなく、ドライバー等の工具も用いることなく、金属板870へ取り付けたり、取り外したりすることができる。尚、制御基板装置44も、制御基板装置42と同様な手法によって、金属板870の右領域873bの下半側に取り付けることができる。
【0153】
また、金属板870の右領域873bの上半側には、端子基板49等を収納した制御基板装置890、即ち、制御基板装置42、44よりも、小型の制御基板装置890を取り付けることができる。即ち、図32は、この小型の制御基板装置890の側面図(a)及び底面図(b)である。この制御基板装置890の底面には、L字状の係止部892,892,893及びI字状の係止部894が設けられている。尚、この小型の制御基板装置890についても、参考発明1〜参考発明10うちの何れかの発明を適用することができる。
【0154】
この場合、係止部892,892を金属板870の係止孔887,887に、係止部893を係止孔888に、係止部894は、略舌状の可撓片882に、各々当て嵌め押えながら制御基板装置890を所定方向(本実施例では、左方向)へ移動すると、各々の各係止部892,892,893が、係止孔887,887、888に嵌合し、係止部894は切込879に嵌め込まれる。そして、可撓片882がフリー位置(定常状態)に戻り、係止部894の側面に衝立して、制御基板装置890が金属板870に固定装着される。
【0155】
本実施例では、以上のように、制御基板装置42,44、890の金属板870への装着を嵌め込みスライド式で行った。即ち、本実施例においては、L字状の突起爪(係止部)を用い、制御基板装置42,44、890等の金属板870への取付け(嵌合)は、制御基板装置42,44、890を上下左右に移動して行われる。したがって、制御基板装置42,44、890を確実且つ簡便に金属板870に組付けることが可能となる。また、金属板870に対する制御基板装置42,44、890の装着/取外しを多数回繰り返した場合において、可撓片の劣化が生じた場合においても確実に制御基板装置42,44、890の固定保持がなされる。
【0156】
また、面替え時においては、主制御基板98は交換しなければならないが、金属板870は非交換部品とすることができる。主制御基板を収容する主制御基板ケースの多くは主制御基板とともに交換されるが、主制御基板98とケース200との接続部の仕様を同一とした場合には、そのケース200を開放して主制御基板98のみ交換すると、ケース200も非交換部品とすることができるため、省資源化に寄与することも可能となり得る。さらに、本実施例の遊技機においては、機構盤31に懸架された金属板870に対してケース200を配設したため、金属板870が例えば静電気等により発生するノイズ(電磁波)を遮蔽し、例えば主制御基板98における作動制御信号へのノイズの混入を防止ないし抑制することが可能となり、より正常な遊技進行を行うことが可能となり得る。
【0157】
【発明の効果】
以上記述したように本発明によれば、制御基板装置の組付作業の効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による制御基板装置を適用したパチンコ機を示す正面図である。
【図2】本実施例のパチンコ機を示す裏面図である。
【図3】本実施例のパチンコ機が備える電子制御装置を示すブロック図である。
【図4】(a)は図3の電子制御装置を構成する主制御部の説明図であり、(b)は図3の電子制御装置を構成する枠制御部の説明図である。
【図5】(a)は図3の電子制御装置を構成する特別図柄制御部の説明図であり、(b)は図3の電子制御装置を構成するランプ制御部の説明図であり、(c)は図3の電子制御装置を構成する音声制御部の説明図である。
【図6】主制御部が行うメインジョブを説明するためのフローチャートである。
【図7】当否判定ジョブを説明するためのフローチャートである。
【図8】主制御部の内蔵ROMに格納された各種メモリの代表例を示す説明図である。
【図9】特別図柄メインジョブの概略を説明するためのフローチャートである。
【図10】本実施例の主制御部を示す説明図である。
【図11】本実施例の主制御部を構成するCPUを示す説明図である。
【図12】本実施例の制御基板装置を示す平面図である。
【図13】図12の1−1縦断面図である。
【図14】(a)は本実施例の制御基板(導体パターン、電子部品等は省略)を示す平面図であり、(b)は底面図である。
【図15】(a)は図13の10−10縦断面図であり、(b)は図13の20−20縦断面図であり、(c)は図13の30−30縦断面図である。
【図16】(a)〜(d)は、本実施例の制御基板の製造工程を示す説明図である。
【図17】(a)〜(d)は、本実施例の制御基板の製造工程を示す説明図である。
【図18】(a)は電子部品の実装工程と位置決め手段とを示す説明図であり、(b)は変形例に係る位置決め手段を示す説明図である。
【図19】本実施例のケースを示す分解斜視図である。
【図20】図19の第1のケース部を示す拡大斜視図である。
【図21】(a)は第2のケース部の重ね合わせ部を説明するための一部平面図であり、(b)は第1のケース部の重ね合わせ部を説明するための一部平面図である。
【図22】(a)及び(b)はケースの封止方法を説明するためのものであり、図12の5−5縦断面図である。
【図23】スライド係合部を説明するためのものであり、図12の2−2縦断面図である。
【図24】(a)及び(b)は、レール部を説明するためのものであり、図12の3−3縦断面図である。
【図25】(a)及び(b)は、スライド嵌合部を説明するためのものであり、図12の4−4縦断面図である。
【図26】本実施例の金属板を懸架させた機構盤を示す正面図である。
【図27】本実施例の金属板を示す正面図である。
【図28】本実施例の金属板を示す斜視図である。
【図29】(a)は機構盤の金属板懸架部を示す拡大斜視図であり、(b)は側面図である。
【図30】(a)及び(b)は、釦式固定具の構成を示す説明図である。
【図31】金属板の回動態様を示す説明図である。
【図32】(a)は小型の制御基板装置を示す側面図であり、(b)は小型の制御基板装置を示す底面図である。
【図33】(a)及び(b)は、機構盤の金属板懸架部の断面を円弧状にした変形例を示す側面断面図である。
【符号の説明】
1;パチンコ機(遊技機)
42、44;制御基板装置
90;主制御部
98,108;制御基板
100a;払出制御部
200、400;ケース
210;第1のケース部
230;第2のケース部
215;位置決め用突部(取付部)
260;第3のケース部
270;封止手段
276;位置決め用突部
303;位置決め手段
303a;位置決め用ランド
303b;位置決め用ハンダ層。

Claims (3)

  1. 底板部から位置決め用突部が立ち上げられた第1のケース部と該第1のケース部に開閉可能に連結される第2のケース部とを有するケース内に、取付孔が表裏を貫通する状態に設けられた遊技機用の制御基板を封止して構成されるとともに、
    前記位置決め用突部の突端面が前記制御基板の裏面に当接する状態に前記制御基板及び前記第1のケース部の位置決めを行い、前記位置決め用突部の突端面で開口する雌ネジ部と前記取付孔とを連通するように位置合わせし、ビスの雄ネジ部を前記制御基板の表面側から前記取付孔を通過させて前記雌ネジ部に螺合することで、前記制御基板が第1のケース部に固定される制御基板装置であって
    前記取付孔を取り囲む状態で、若しくは、切り欠き部が設けられつつ前記取付孔を取り囲む状態で、前記制御基板の裏面から突出し、平面形状が回転対称軸を備えない形状とされる位置決め用ランドを備え、
    記位置決め用突部を前記位置決め用ランドに嵌入することで、前記制御基板と前記第1のケース部とが位置決めされるとともに、前記雌ネジ部と前記取付孔とが連通するように位置合わせされることを特徴とする制御基板装置。
  2. 前記位置決め用突部と前記位置決め用ランドを1組だけ設けたことを特徴とする請求項1に記載の制御基板装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の制御基板装置を備えることを特徴とする遊技機。
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