JP2019088677A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 防犯性を高めることができる遊技機を提供する。【解決手段】 払出制御基板633のRWMクリアボタン633zの操作に関する情報が案内されるようになっているため、設定変更基板の設定キースイッチと払出制御基板633のRWMクリアボタン633zとを別体に設けても、設定キースイッチとRWMクリアボタン633zとを操作する者が操作手順に戸惑わずに済む。設定キースイッチとRWMクリアボタン633zとを別体に設けることにより防犯性を高めることができる。【選択図】 図77

Description

本発明は、遊技機に関するものである。
従来より、遊技の制御を行う主制御基板がケースに収容された状態で裏側に配置される遊技機が提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2016−214975号公報(段落[0030]、段落[0031]、及び図2)
ところで、特許文献1に記載される遊技機のように、主制御基板は、遊技を制御する重要なものであるため防犯対策としてケースに収容されて封印された状態で裏側に配置されており、防犯上重要なものに対して防犯性を高めることが求められる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、防犯性を高めることができる遊技機を提供することにある。
上述の目的を達成するための有効な解決手段を以下に示す。なお、必要に応じてその作用等の説明を行う。また、理解の容易のため、発明の実施の形態において対応する構成等についても適宜示すが、何ら限定されるものではない。
(解決手段1)
遊技を行う遊技機であって、所定の操作を受け付け可能な第1操作部及び第2操作部と、前記第1操作部が操作された後、前記第2操作部が操作されることで遊技者にとって有利となる確率が設定される設定値の変更を行うことができる設定変更手段と、を備え、前記第2操作部は前記第1操作部とは別体に設けられ、前記第2操作部の操作に関する情報を案内する案内手段をさらに備えることを特徴とする遊技機。
この遊技機では、遊技を行うことができるものであり、所定の操作を受け付け可能な第1操作部及び第2操作部と、第1操作部が操作された後、第2操作部が操作されることで遊技者にとって有利となる確率が設定される設定値の変更を行うことができる設定変更手段と、を備えている。第2操作部は、第1操作部とは別体に設けられている。この遊技機では、第2操作部の操作に関する情報を案内する案内手段をさらに備えている。
このように、第2操作部の操作に関する情報が案内されるようになっているため、第1操作部と第2操作部とを別体に設けても、第1操作部と第2操作部とを操作する者が操作手順に戸惑わずに済む。第1操作部と第2操作部とを別体に設けることにより防犯性を高めることができる。したがって、防犯性を高めることができる。
本実施形態では、例えば、図1のパチンコ機1が遊技機に相当し、図111の設定変更基板1311の設定キースイッチ1311aが第1操作部に相当し、図77の払出制御基板633のRWMクリアボタン633zが第2操作部に相当し、図111の主制御基板1310の主制御MPU1310aが設定変更手段に相当し、「RWMクリアボタン633zの配置場所を伝えることができる所在情報となる表記」等が案内手段に相当する。
(解決手段2)
解決手段1に記載の遊技機であって、前記遊技機は、回胴式遊技機であることを特徴とする遊技機。
本発明の遊技機において、遊技機が回胴式遊技機であるため、回胴式遊技機において、解決手段1の作用効果が得られる。回胴式遊技機の基本構成としては、複数の図柄情報からなる図柄情報列(例えば、複数の図柄情報を付した複数のリール列)を変動表示した後に、図柄情報の表示結果を停止表示する変動表示手段を備えると共に、始動用操作手段(例えば、始動レバー)の操作に基づいて図柄情報の変動表示を開始し、停止用操作手段(例えば、停止ボタン)の操作あるいは所定時間の経過に基づいて図柄情報の変動表示を停止する。そして、図柄情報が予め定めた特定表示態様となることを条件として利益付与状態(大当り遊技状態)を発生させる利益付与状態発生手段を備えると共に、遊技媒体としてメダルが使用され、利益付与状態の発生時に多量のメダルが払い出されるように構成されたものである。
(解決手段3)
解決手段1に記載の遊技機であって、前記遊技機は、パチンコ遊技機と回胴式遊技機とを融合させた融合遊技機であることを特徴とする遊技機。
本発明の遊技機において、遊技機がパチンコ遊技機と回胴式遊技機とを融合させた融合遊技機であるため、パチンコ遊技機と回胴式遊技機とを融合させた融合遊技機において、解決手段1の作用効果が得られる。パチンコ遊技機と回胴式遊技機とを融合させた融合遊技機の基本構成としては、複数の図柄情報からなる図柄情報列(例えば、複数の図柄を付した複数のリール列)を変動表示した後に、図柄情報の表示結果を停止表示する変動表示手段を備えると共に、始動用操作手段(例えば、始動レバー)の操作に基づいて図柄情報の変動表示を開始し、停止用操作手段(例えば、停止ボタン)の操作あるいは所定時間の経過に基づいて図柄情報の変動表示を停止する。そして、図柄情報が予め定めた特定表示態様となることを条件として利益付与状態(大当り遊技状態)を発生させる利益付与状態発生手段を備えると共に、遊技媒体として遊技球が使用され、利益付与状態の発生時に多量の遊技球が払い出されるように構成されたものである。
本発明の遊技機においては、防犯性を高めることができる。
本発明の一実施形態であるパチンコ機の正面図である。 パチンコ機の右側面図である。 パチンコ機の左側面図である。 パチンコ機の背面図である。 パチンコ機を右前から見た斜視図である。 パチンコ機を左前から見た斜視図である。 パチンコ機を後ろから見た斜視図である。 演出操作ユニットの押圧操作部が上昇位置の時のパチンコ機の正面図である。 演出操作ユニットの押圧操作部が上昇位置の時のパチンコ機を右前から見た斜視図である。 本体枠から扉枠を開放させると共に、外枠から本体枠を開放させた状態で前から見たパチンコ機の斜視図である。 パチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して前から見た分解斜視図である。 パチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して後ろから見た分解斜視図である。 パチンコ機における外枠の正面図である。 外枠の背面図である。 外枠の右側面図である。 外枠を前から見た斜視図である。 外枠を後ろから見た斜視図である。 外枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 外枠の外枠左組立体及び外枠右組立体を夫々分解して前から見た分解斜視図である。 外枠の外枠下組立体を分解して前から見た分解斜視図である。 (a)は外枠2の外枠上ヒンジ組立体を分解して前上から見た分解斜視図であり、(b)は(a)を前下から見た分解斜視図である。 パチンコ機における扉枠の正面図である。 扉枠の背面図である。 扉枠の左側面図である。 扉枠の右側面図である。 扉枠を右前から見た斜視図である。 扉枠を左前から見た斜視図である。 扉枠を後ろから見た斜視図である。 扉枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 扉枠を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 (a)は扉枠の扉枠ベースユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉枠ベースユニットを後ろから見た斜視図である。 扉枠ベースユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 扉枠ベースユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 (a)は扉枠ベースユニットの球送給ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は球送給ユニットを後ろから見た斜視図である。 (a)は球送給ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は球送給ユニットの後ケースと不正防止部材を外して後から見た分解斜視図である。 (a)は扉枠ベースユニットのファールカバーユニットを前から見た斜視図であり、(b)はファールカバーユニットを後ろから見た斜視図である。 蓋部材を外した状態のファールカバーユニットの正面図である。 (a)は扉枠におけるハンドルユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)はハンドルユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。 扉枠の皿ユニットを見た斜視図である。 皿ユニットを後ろから見た斜視図である。 皿ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 皿ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 皿ユニットにおける皿ベースユニットを前から見た斜視図である。 皿ユニットにおける皿ベースユニットを後ろから見た斜視図である。 皿ベースユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 皿ベースユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 皿ユニットにおける皿装飾ユニットを前から見た斜視図である。 皿装飾ユニットを後ろから見た斜視図である。 皿装飾ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 皿装飾ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 皿ユニットにおける演出操作ユニットを演出操作部ボタンユニットの進退方向から見た平面図である。 (a)は演出操作ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は演出操作ユニットを後ろから見た斜視図である。 演出操作ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 演出操作ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 (a)は演出操作ユニットの演出操作リングを上前から見た斜視図であり、(b)は演出操作リングを下前から見た斜視図である。 (a)は演出操作リングを分解して上前から見た分解斜視図であり、(b)は演出操作リングを分解して下前から見た分解斜視図である。 (a)は演出操作ユニットの回転駆動ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は回転駆動ユニットを後ろから見た斜視図である。 回転駆動ユニットを分解して右前から見た分解斜視図である。 回転駆動ユニットを分解して左前から見た分解斜視図である。 演出操作ユニットの演出操作ボタンユニットを分解して前上から見た分解斜視図である。 演出操作ボタンユニットを分解して前下から見た分解斜視図である。 (a)は押圧操作部が下降位置の時の演出操作ボタンユニットの断面図であり、(b)押圧操作部が上昇位置の時の演出操作ボタンユニットの断面図である。 演出操作ユニットの左側面図において演出操作リングと回転駆動ユニットとの関係を示す説明図である。 演出操作ユニットを押圧操作部の押圧方向から見た平面図において演出操作リングと演出操作リング装飾基板との関係を示す説明図である。 (a)は通常の状態で示す皿ユニットの正面図であり、(b)は押圧操作部が上昇位置の時の皿ユニットの正面図であり、(c)は押圧操作部の中央押圧操作部を押圧した時の皿ユニットの正面図である。 (a)は扉枠の扉枠左サイドユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉枠左サイドユニットを後ろから見た斜視図である。 扉枠左サイドユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 扉枠左サイドユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。 (a)は扉枠の扉枠右サイドユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉枠右サイドユニットを後ろから見た斜視図である。 扉枠右サイドユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 扉枠右サイドユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。 (a)は扉枠における扉枠トップユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉枠トップユニットを後ろから見た斜視図であり、(c)はトップ下カバーを外した状態で示す扉枠トップユニットの底面図である。 扉枠トップユニットを分解して前上から見た分解斜視図である。 扉枠トップユニットを分解して前下から見た分解斜視図である。 各装飾基板と共に示す扉枠の正面図である。 パチンコ機における本体枠の正面図である。 パチンコ機における本体枠の背面図である。 本体枠を右前から見た斜視図である。 本体枠を左前から見た斜視図である。 本体枠を後ろから見た斜視図である。 本体枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 本体枠を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 (a)は本体枠における正面左下隅を示す拡大斜視図であり、(b)は本体枠に対して扉枠を開いた時の本体枠の正面左下隅を示す拡大斜視図である。 本体枠に対する扉枠の開閉時における本体枠の接続ケーブル案内部材の動作を示す説明図である。 (a)は本体枠における球発射装置を前から見た斜視図であり、(b)は球発射装置を後ろから見た斜視図である。 (a)は本体枠の払出ベースユニットを前から見た斜視図であり、(b)は払出ベースユニットを後ろから見た斜視図である。 (a)は本体枠における払出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は払出ユニットを後ろから見た斜視図である。 (a)は払出ユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は払出ユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 払出ユニットの払出装置を払出羽根の前後方向中央で切断した背面断面図である。 (a)は球抜可動片が開状態の時に払出装置を払出羽根の前後方向中央で切断した背面断面図であり、(b)は(a)におけるA−A線で切断した断面図である。 扉枠のファールカバーユニットと下部満タン球経路ユニットとの関係を示す説明図である。 本体枠における遊技球の流れを示す説明図である。 (a)は本体枠の基板ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は基板ユニットを後ろから見た斜視図である。 基板ユニットを後ろ下から見た斜視図である。 基板ユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図である。 基板ユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 左右方向中央で切断したパチンコ機の下部を示す拡大側面断面図である。 (a)は本体枠の施錠ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は施錠ユニットを後ろから見た斜視図である。 (a)は本体枠の平面図であり、(b)は(a)におけるB−B線で切断した断面図である。 本体枠を後ろから見た斜視図において上部を拡大して示す拡大図である。 (a)は球タンクにタンクレール等を組立てた状態で前上から見た斜視図であり、(b)は(a)を前下から見た斜視図である。 図101(a)を分解して前から見た分解斜視図である。 本体枠上部における球タンクから溢れた遊技球が流通する領域を示す説明図である。 本体枠上部における球タンクから溢れた遊技球の流れを示す説明図である。 本体枠上部における迂回通路への遊技球の流れを示す説明図である。 本体枠をヒンジ側の後ろから見た斜視図においてタンクレール付近を拡大して示す拡大図である。 パチンコ機においてセンター役物等を不透明にした遊技盤の正面図である。 図107の遊技盤を右前から見た斜視図である。 図107の遊技盤を左前から見た斜視図である。 遊技盤を後ろから見た斜視図である。 主制御基板における機能表示ユニットからの配線の引き回しの概略説明図である。 センター役物等を透明にした状態の遊技盤の正面図である。 遊技盤を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 遊技盤を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 図107におけるC−C線で切断した断面図である。 図107におけるD−D線で切断した断面図である。 遊技パネルの面と平行に表ユニットを切断して遊技球が流通する遊技領域内と障害釘とを現した状態で示す遊技盤の正面図である。 (a)は遊技盤における前構成部材及び遊技パネルを前から見た斜視図であり、(b)は前構成部材及び遊技パネルを後ろから見た斜視図である。 (a)は遊技盤における表ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は遊技盤における表ユニットを後ろから見た斜視図である。 表ユニットにおける右側の遊技球の流路を示す説明図である。 (a)は案内通路群における第一案内通路を流通する遊技球の流れを示す説明図であり、(b)は案内通路群における第二案内通路を流通する遊技球の流れを示す説明図である。 (a)は役物入賞口に受け入れられた遊技球の流れを示す説明図であり、(b)は(a)における第三振分装置の部位を平面から示す説明図であり、(c)は(a)における第二振分装置の部位を示す説明図である。 「小当り」の種類に応じた役物入賞口と第一振分装置及び第二振分装置の動作のタイミングを示す説明図である。 (a)はアタッカユニットにおける遊技球の流れを示す説明図であり、(a)におけるE−E線で切断した断面図である。 (a)〜(d)は図117とは異なる案内通路群の実施形態を示す説明図である。 (e)及び(f)は更に異なる案内通路群の実施形態を示す説明図である。 (a)は裏ユニットにおけるアウト球検知ユニットの正面図であり、(b)はアウト球検知ユニットの右側面図であり、(c)はアウト球検知ユニットの背面図であり、(d)はアウト球検知ユニットを前から見た斜視図であり、(e)はアウト球検知ユニットを後ろから見た斜視図であり、(f)はアウト球検知ユニットと右前下寄りの位置から見た斜視図であり、(g)はアウト球検知ユニットを右下後方から見た斜視図である。 (a)はアウト球検知ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)はアウト球検知ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。 (a)は遊技パネルとアウト球検知ユニットとの関係を示す斜視図であり、(b)は遊技パネルにアウト球検知ユニットを当接させた状態で示す斜視図である。 遊技盤に組立ててアウト口右センサの中心で上下に切断して右側から見た拡大断面図である。 遊技盤に組立てた状態で前方からアウト口の付近を示す斜視図である。 (a)は裏ユニットの導光板演出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は導光板演出ユニットを後ろから見た斜視図である。 導光板演出ユニットにおける導光板と絵柄用基板との関係を正面から示す説明図である。 (a)は導光板の第一絵柄を発光させた状態を示す説明図であり、(b)は導光板の第二絵柄を発光させた状態を示す説明図である。 裏ユニットの導光板演出ユニットの導光板において第二絵柄を発光装飾させた状態で示す遊技盤の正面図である。 裏ユニットの導光板演出ユニットの導光板において第一絵柄を発光装飾させた状態で示す遊技盤の正面図である。 パチンコ機の制御構成を概略で示すブロック図である。 SMDタイプの電子部品が主制御基板の表面(実装面)に実装される領域の一部分を拡大した図(a)、この拡大した図を主制御基板の右側から見た図(b)である。 リードタイプの電子部品を代替のSMDタイプの電子部品を所定領域に集約した基板の表面(実装面)の概略図(a)であり、リードタイプの電子部品を代替のSMDタイプの電子部品を集約して小型化した基板の表面(実装面)及び裏面(ハンダ面)を示す概略図(b)である。 図138(a)の拡大した図を主制御基板の裏面(ハンダ面)を示す図である。 主制御ユニットの主制御基板ボックスの斜視図である。 主制御側電源投入時処理の一例を示すフローチャートである。 図142の主制御側電源投入時処理のつづきを示すフローチャートである。 主制御側タイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートである。 設定変更処理の一例を示すフローチャートである。 エラー表示処理の一例を示すフローチャートである。 設定値確認表示処理の一例を示すフローチャートである。 払出制御部電源投入時処理の一例を示すフローチャートである。 図148の払出制御部電源投入時処理のつづきを示すフローチャートである。 図149に続いて払出制御部電源投入時処理のつづきを示すフローチャートである。 払出制御部タイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートである。 周辺制御部電源投入時処理の一例を示すフローチャートである。 周辺制御部Vブランク割り込み処理の一例を示すフローチャートである。 周辺制御部1msタイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートである。 周辺制御部コマンド受信割り込み処理の一例を示すフローチャートである。 周辺制御部停電予告信号割り込み処理の一例を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される特別図柄及び特別電動役物制御処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される第一始動口通過処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される事前判定処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される第二始動口通過処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される第一特別図柄プロセス処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される第一特別図柄通常処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される当り判定処理についてその手順を示すフローチャートである。 (A)は、大当りについての抽選処理に用いられる当り判定テーブルであり、(B)は、大当りの種類についての抽選処理に用いられる大当り図柄図柄決定テーブルであり、(C)は、小当りの種類についての抽選処理に用いられる小当り図柄図柄決定テーブルである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される第一特別図柄停止図柄設定処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される第一変動パターン設定処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される第一特別図柄変動処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される第一特別図柄停止処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される大当り制御処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される小当り制御処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される普通図柄及び普通電動役物制御処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される小当り開始処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される小当り中処理についてその手順を示すフローチャートである。 エラー報知の態様例である。 音量調節及び所定の周波数帯域の音出力抑制のタイミングを示すタイミング図である。 音量調節及び所定の周波数帯域の音出力抑制のタイミングを示すタイミング図である。 音量調節及び所定の周波数帯域の音出力抑制のタイミングを示すタイミング図である。 遊技機の設定値に応じた当選確率等を示すテーブルである。 設定値を変更する手順について示す説明図である。 変動パターンの決定に用いられる変動パターンテーブルである。 第一案内通路に右検出センサが設けられる実施形態を示す説明図である。 右検出センサを用いた警告演出の実行時における具体的な演出例である。 第一案内通路と第二案内通路とに検出センサが設けられる実施形態を示す説明図である。 右検出センサ及び左検出センサを用いた警告演出の実行時における具体的な演出例である。 第一案内通路および第二案内通路に球詰まり解消穴が設けられる実施形態を示す説明図である。 第一案内通路および第二案内通路に球詰まり解消穴が設けられる実施形態を示す説明図である。 第一案内通路および第二案内通路の入口付近に第二アウト口が設けられる実施形態を示す説明図である。 第一案内通路の内部の出口付近に第二アウト口が設けられる実施形態を示す説明図である。 異常が発生した場合における演算の実行状態を示す説明図である。 異常が発生した場合における演算の実行状態を示す説明図である。 アウト口とは別に第二アウト口および第三アウト口が設けられる実施形態を示す説明図である。 アウト口とは別に第二アウト口および第三アウト口が設けられた場合における演算の実行状態を示す説明図である。 導光板の発光色パターンが設定された発光色パターンテーブルである。 演出表示装置の表示領域の周囲に複数の装飾体が設けられる実施形態を示す説明図である。 発光演出の実行時における導光板および複数の装飾体での具体的な演出例である。 模倣演出の実行時における導光板および演出表示装置に表示される絵柄である。 模倣演出の実行時における導光板および演出表示装置での具体的な演出例である。 主制御基板から周辺制御基板へ送信される各種コマンドの一例を示すテーブルである。 主制御基板から周辺制御基板へ送信される各種コマンドの一例を示すテーブルである。 主制御基板から周辺制御基板へ送信される各種コマンドの一例を示すテーブルである。 主制御MPUによって実行される設定情報判定処理についてその手順を示すフローチャートである。 設定値保留示唆演出の一例を示す説明図である。 保留予告演出の表示態様と設定値保留示唆演出の表示態様とを組み合わせた画像データの一例を示す説明図である。 設定値連続示唆演出の一例を示す説明図である。 遊技機の設定値に応じた当選確率等を示すテーブルである。 遊技機の設定値に応じた当選確率等を示すテーブルである。 設定値の設定変更中における不正行為の監視状態を示すタイムチャートである。 設定値の確認表示中に不正行為を監視していない場合における不正行為の監視状態を示すタイムチャートである。 設定値の確認表示中に不正行為を一部で監視している場合における不正行為の監視状態を示すタイムチャートである。 設定値の設定変更中に不正行為を一部で監視している場合における不正行為の監視状態を示すタイムチャートである。 変形例の遊技盤の正面図である。 抽選処理で用いられるテーブルの一例である。 設定値示唆演出の変形例である。 スロットマシンの概略斜視図である。
[1.パチンコ機の全体構造]
本発明の一実施形態であるパチンコ機1について、図面を参照して詳細に説明する。まず、図1乃至図12を参照して本実施形態のパチンコ機1の全体構成について説明する。図1は本発明の一実施形態であるパチンコ機の正面図である。図2はパチンコ機の右側面図であり、図3はパチンコ機の左側面図であり、図4はパチンコ機の背面図である。図5はパチンコ機を右前から見た斜視図であり、図6はパチンコ機を左前から見た斜視図であり、図7はパチンコ機を後ろから見た斜視図である。図8は演出操作ユニットの押圧操作部が上昇位置の時のパチンコ機の正面図であり、図9は演出操作ユニットの押圧操作部が上昇位置の時のパチンコ機を右前から見た斜視図である。また、図10は、本体枠から扉枠を開放させると共に、外枠から本体枠を開放させた状態で前から見たパチンコ機の斜視図である。図11はパチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して前から見た分解斜視図であり、図12はパチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して後ろから見た分解斜視図である。
本実施形態のパチンコ機1は、遊技ホールの島設備(図示しない)に設置される枠状の外枠2と、外枠2の前面を開閉可能に閉鎖する扉枠3と、扉枠3を開閉可能に支持していると共に外枠2に開閉可能に取付けられている本体枠4と、本体枠4に前側から着脱可能に取付けられると共に扉枠3を通して遊技者側から視認可能とされ遊技者によって遊技球B(図90を参照)が打込まれる遊技領域5aを有した遊技盤5と、を備えている。なお、扉枠3と本体枠4とから構成されるものを前面枠という。
外枠2は、正面視の形状が上下に延びた四角形の枠に形成されている。外枠2は、左右に離間しており上下に延びている外枠左組立体10及び外枠右組立体20と、外枠左組立体10及び外枠右組立体20の上端同士を連結している外枠上部材30と、外枠左組立体10及び外枠右組立体20の下端同士を連結している外枠下組立体40と、外枠上部材30の上面左端に取付けられている外枠上ヒンジ組立体50と、外枠左組立体10の右側面下部と外枠下組立体40の上面左端に取付けられている外枠下ヒンジ部材60と、を備えている。
外枠2は、パチンコ機1が設置される遊技ホールの島設備に取付けられ、外枠上ヒンジ組立体50と外枠下ヒンジ部材60とによって、本体枠4の本体枠上ヒンジ部材510と本体枠下ヒンジ組立体520とを同軸上で回転可能に支持して、本体枠4を正面視左側を中心にして前方へ開閉可能に取付けるためのものである。
また、扉枠3は、本体枠4を閉じた時に、外枠下組立体40が、本体枠4における基板ユニット620のスピーカユニット620aと協働して、本体枠スピーカ622のエンクロージャ624の一部を形成し、本体枠スピーカ622の後方へ出力されたサウンドを、位相反転させて前方へ放射することで、より重低音のサウンドを遊技者に聴かせることができるものである。
扉枠3は、遊技球Bが打込まれる遊技盤5の遊技領域5aを前側から視認可能に閉鎖し、遊技領域5a内に打込むための遊技球Bを貯留すると共に、貯留している遊技球Bを遊技領域5a内へ打込むために遊技者が操作するハンドル182を備えているものである。また、扉枠3は、パチンコ機1の前面全体を装飾するものである。
また、扉枠3は、ハンドル182とは別に遊技者が操作可能な演出操作部301を備えており、遊技者参加型演出が実行された際に、遊技者が演出操作部301を操作することで遊技者が演出に参加できるようになり、遊技球Bによる遊技に加えて、演出操作部301の操作によっても遊技者を楽しませることができるようにしている。
本体枠4は、後部が外枠2の枠内に挿入可能とされると共に遊技盤5の外周を支持可能とされた枠状の本体枠ベースユニット500と、本体枠4を外枠2に対して開閉可能に取付けると共に扉枠3を開閉可能に取付けるための本体枠上ヒンジ部材510及び本体枠下ヒンジ組立体520と、本体枠ベースユニット500を補強している本体枠補強フレーム530と、遊技盤5の遊技領域5a内に遊技球Bを打込むための球発射装置540と、遊技ホールの島設備から供給される遊技球Bを受取る払出ベースユニット550と、払出ベースユニット550で受取った遊技球Bを遊技者側へ払出すための払出ユニット560と、パチンコ機1の電源投入を行うことができる電源スイッチ630aを備える電源基板630のほかに払出制御基板633を有している基板ユニット620と、本体枠ベース501に取付けられた遊技盤5の後側を覆う裏カバー640と、外枠2と本体枠4、及び扉枠3と本体枠4の間を施錠する施錠ユニット650と、を備えている。
本体枠4は、遊技球Bを打込むことで遊技が行われる遊技領域5aを有した遊技盤5を保持すると共に、遊技球Bを遊技者側へ払出したり、遊技に使用された遊技球Bをパチンコ機1の後方(遊技ホールの島設備側)へ排出したり、するためのものである。本体枠4は、前方が開放された箱状に形成されており、内部に前方から遊技盤5が着脱可能に収容される。また、本体枠4は、正面左辺側前端の上下において、遊技ホールの島設備に取付けられる枠状の外枠2に開閉可能に取付けられると共に、開放された前面側が閉鎖されるように扉枠3が開閉可能に取付けられる。
遊技盤5は、遊技者の操作によって遊技球Bが行われる遊技領域5aと、遊技領域5aの外周を区画し外形が正面視略四角形状とされた前構成部材1000と、前構成部材1000の後側に取付けられており遊技領域5aの後端を区画する板状の遊技パネル1100と、遊技パネル1100の後側下部に取付けられている基板ホルダ1200と、基板ホルダ1200の後面に取付けられており主制御基板1310及び設定変更基板1311を有している主制御ユニット1300と、主制御基板1310からの制御信号に基づいて遊技状況を表示する機能表示ユニット1400と、遊技パネル1100の後側に配置されている周辺制御ユニット1500(図12を参照)と、正面視において遊技領域5aの中央に配置されており所定の演出画像を表示可能な演出表示装置1600と、遊技パネル1100の前面に取付けられる表ユニット2000と、遊技パネル1100の後面に取付けられる裏ユニット3000と、を備えている。裏ユニット3000には、遊技状態に応じて可動演出や発光演出を行うことが可能な各種の演出ユニットを備えている。
遊技盤5の遊技領域5a内には、遊技球Bと当接し所定のゲージ配列で植設されている複数の障害釘と、遊技球Bの受け入れ又は通過により遊技者に対して所定の特典(例えば、所定数の遊技球Bの払出し)を付与する一般入賞口2001、第一始動口2002、普通入賞口2003、第二始動口2004、及び大入賞口2005と、を備えている。障害釘Nは、遊技パネル1100の前面に植設されている。一般入賞口2001、第一始動口2002、普通入賞口2003、第二始動口2004、及び大入賞口2005は、表ユニット2000に備えられている。
遊技盤5の遊技領域5a内には、遊技者がハンドルユニット180のハンドル182を操作することで、遊技球Bを打込むことができる。これにより、遊技球Bが、遊技領域5a内の一般入賞口2001、第一始動口2002、普通入賞口2003、第二始動口2004、及び大入賞口2005等に、受け入れられたり通過したりするように、遊技者に対してハンドル182の打込操作を楽しませることができる。
また、遊技盤5は、遊技領域5a内に遊技球Bを打込むことで変化する遊技状態に応じて、演出表示装置1600に所定の演出画像を表示させたり、導光板演出ユニット3100、裏演出ユニット3200、等により発光演出を行わせたりして、遊技者を楽しませることができる。
[2.外枠の全体構成]
パチンコ機1の外枠2について、図13乃至図18を参照して説明する。図13はパチンコ機における外枠の正面図であり、図14は外枠の背面図であり、図15は外枠の右側面図である。また、図16は外枠を前から見た斜視図であり、図17は外枠を後ろから見た斜視図である。図18は、外枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。外枠2は、遊技ホール等のパチンコ機1が設置される島設備(図示は省略)に取付けられるものである。外枠2は、正面視の形状が上下に延びた四角形の枠に形成されている。
外枠2は、図示するように、左右に離間しており上下に延びている外枠左組立体10及び外枠右組立体20と、外枠左組立体10及び外枠右組立体20の上端同士を連結している外枠上部材30と、外枠左組立体10及び外枠右組立体20の下端同士を連結している外枠下組立体40と、外枠上部材30の上面左端に取付けられている外枠上ヒンジ組立体50と、外枠左組立体10の右側面下部と外枠下組立体40の上面左端に取付けられている外枠下ヒンジ部材60と、を備えている。
外枠2は、本体枠4を閉じた時に、外枠下組立体40が、本体枠4における基板ユニット620のスピーカユニット620aと協働して、本体枠スピーカ622のエンクロージャ624の一部を形成していると共に、本体枠スピーカ622の後方へ出力されたサウンドを、位相反転させて前方へ放射することができるものである。
外枠2は、外枠上ヒンジ組立体50が、本体枠4の本体枠上ヒンジ部材510を着脱可能に支持することができる。外枠2は、外枠上ヒンジ組立体50と外枠下ヒンジ部材60とによって、本体枠4の本体枠上ヒンジ部材510と本体枠下ヒンジ組立体520とを同軸上で回転可能に支持することができ、本体枠4を正面視左側を中心にして前方へ開閉可能に取付けることができる。
[2−1.外枠左組立体及び外枠右組立体]
外枠2の外枠左組立体10及び外枠右組立体20について、主に図19を参照して詳細に説明する。図19は、外枠の外枠左組立体及び外枠右組立体を夫々分解して前から見た分解斜視図である。外枠2の外枠左組立体10及び外枠右組立体20は、夫々が上下に延びており、互いに左右に離間して配置されている。外枠左組立体10及び外枠右組立体20は、本体枠4の本体枠上ヒンジ部材510及び本体枠下ヒンジ組立体520を同軸上で回転可能に支持して、外枠2に対して本体枠4を開閉可能に取付けるためのものである。
まず、外枠左組立体10は、前後方向が一定の幅(奥行)で上下に延びている外枠左部材11と、外枠左部材11の右側面上端に取付けられている左上連結部材12と、外枠左部材11の右側面下端に取付けられている左下連結部材13と、を備えている。
外枠左部材11は、一定の断面形状で上下に延びており、アルミ合金の押出型材によって形成されている。外枠左部材11は、左側面における前後方向を三等分したうちの後側の部位において平坦状に右方へ窪んでいる凹部11aと、右側面における凹部11aとは反対側の部位から右方へ膨出している膨出部11bと、膨出部11bを上下に貫通している空洞部11cと、を備えている。外枠左部材11は、凹部11aや膨出部11bによって、強度・剛性が高められていると共に、空洞部11cによって、重量が軽減されている。
また、外枠左部材11は、左右両側面において、上下に延びた複数の溝が形成されている。左側面の複数の溝は、V字状に形成されており、右側面の複数の溝は、半円形状に形成されている。外枠左部材11は、後述する外枠右組立体20の外枠右部材21と左右対称形状に形成されている。
左上連結部材12は、外枠左部材11の上端と外枠上部材30の左端とを連結するためのものである。左上連結部材12は、水平に延びた平板状の水平固定部12aと、水平固定部12aの左辺における前後方向の中間から上方へ延出している平板状の上横固定部12bと、水平固定部12aの左辺における上横固定部12bの前後両側から下方へ延出している平板状の一対の下横固定部12cと、を備えている。左上連結部材12は、平板状の金属板を屈曲させて形成されている。
左上連結部材12は、後側の下横固定部12cを外枠左部材11の空洞部11c内に挿入させると共に、水平固定部12aを外枠左部材11の上端に当接させ、更に、前側及び後側の下横固定部12cを外枠左部材11の右側面に当接させた状態で、外枠左部材11の左側面の外側から下横固定部12cにビスを捩じ込むことで、外枠左部材11に取付けられる。また、左上連結部材12は、水平固定部12aを外枠上部材30の左端側の下面に当接させると共に、上横固定部12bを外枠上部材30の左側面の切欠部30a内に挿入させた状態で、水平固定部12a及び上横固定部12bを通して外枠上部材30にビスを捩じ込むことで、外枠上部材30に取付けられる。
左下連結部材13は、外枠左部材11の下端と外枠下組立体40(外枠下部材41)の左端とを連結するためのものである。左下連結部材13は、水平に延びた平板状の水平固定部13aと、水平固定部13aの左辺から上方へ延出していると共に水平固定部13aよりも後方へ延出している平板状の上横固定部13bと、上横固定部13bの下辺における水平固定部よりも後側の部位から下方へ延出している平板状の下横固定部13cと、上横固定部13bの後辺から右方へ短く延出している平板状の当接部13dと、を備えている。左下連結部材13は、平板状の金属板を屈曲させて形成されている。
左下連結部材13は、当接部13dの後面を外枠左部材11の膨出部11bの前面に当接させると共に、上横固定部13bの左側面を外枠左部材11の右側面に当接させ、水平固定部13aの下面を外枠左部材11の下端と一致させた状態で、外枠左部材11の左側面の外側から上横固定部13bにビスを捩じ込むことで、外枠左部材11に取付けられる。また、左下連結部材13は、水平固定部13aを外枠下部材41の左端側の上面に当接させると共に、下横固定部13cを外枠下部材41の左側面の切欠部41aに挿入させた状態で、水平固定部13a及び下横固定部13cを通して外枠下部材にビスを捩じ込むことで、外枠下部材41に取付けられる。
次に、外枠右組立体20は、前後方向が一定の幅(奥行)で上下に延びている外枠右部材21と、外枠右部材21の左側面上端に取付けられている右上連結部材22と、外枠右部材21の左側面下端に取付けられている右下連結部材23と、外枠右部材21の左側面上部に取付けられている上鉤掛部材24と、外枠右部材21の左側面下部に取付けられている下鉤掛部材25と、を備えている。
外枠右部材21は、一定の断面形状で上下に延びており、アルミ合金の押出型材によって形成されている。外枠右部材21は、右側面における前後方向を三等分したうちの後側の部位において平坦状に左方へ窪んでいる凹部21aと、左側面における凹部21aとは反対側の部位から左方へ膨出している膨出部21bと、膨出部21bを上下に貫通している空洞部21cと、を備えている。外枠右部材21は、凹部21aや膨出部21bによって、強度・剛性が高められていると共に、空洞部21cによって、重量が軽減されている。
また、外枠右部材21は、左右両側面において、上下に延びた複数の溝が形成されている。右側面の複数の溝は、V字状に形成されており、左側面の複数の溝は、半円形状に形成されている。外枠右部材21は、外枠左組立体10の外枠左部材11と左右対称形状に形成されている。
右上連結部材22は、外枠右部材21の上端と外枠上部材30の右端とを連結するためのものである。右上連結部材22は、水平に延びた平板状の水平固定部22aと、水平固定部22aの右辺における前後方向の中間から上方へ延出している平板状の上横固定部22bと、水平固定部22aの右辺における上横固定部22bの前後両側から下方へ延出している平板状の一対の下横固定部22cと、を備えている。右上連結部材22は、平板状の金属板を屈曲させて形成されている。
右上連結部材22は、後側の下横固定部22cを外枠右部材21の空洞部21c内に挿入させると共に、水平固定部22aを外枠右部材21の上端に当接させ、更に、前側及び後側の下横固定部22cを外枠右部材21の左側面に当接させた状態で、外枠右部材21の右側面の外側から下横固定部22cにビスを捩じ込むことで、外枠右部材21に取付けられる。また、右上連結部材22は、水平固定部22aを外枠上部材30の右端側の下面に当接させると共に、上横固定部22bを外枠上部材30の右側面の切欠部30a内に挿入させた状態で、水平固定部22a及び上横固定部22bを通して外枠上部材30にビスを捩じ込むことで、外枠上部材30に取付けられる。
右下連結部材23は、外枠右部材21の下端と外枠下組立体40(外枠下部材41)の右端とを連結するためのものである。右下連結部材23は、水平に延びた平板状の水平固定部23aと、水平固定部23aの右辺から上方へ延出していると共に水平固定部23aよりも後方へ延出している平板状の上横固定部23bと、上横固定部23bの下辺における水平固定部よりも後側の部位から下方へ延出している平板状の下横固定部23cと、上横固定部23bの後辺から左方へ短く延出している平板状の当接部23dと、を備えている。右下連結部材23は、平板状の金属板を屈曲させて形成されている。
右下連結部材23は、当接部23dの後面を外枠右部材21の膨出部21bの前面に当接させると共に、上横固定部23bの右側面を外枠右部材21の左側面に当接させ、水平固定部23aの下面を外枠右部材21の下端と一致させた状態で、外枠右部材21の右側面の外側から上横固定部23bにビスを捩じ込むことで、外枠右部材21に取付けられる。また、右下連結部材23は、水平固定部23aを外枠下部材41の右端側の上面に当接させると共に、下横固定部23cを外枠下部材41の右側面の切欠部41aに挿入させた状態で、水平固定部23a及び下横固定部23cを通して外枠下部材にビスを捩じ込むことで、外枠下部材41に取付けられる。
上鉤掛部材24及び下鉤掛部材25は、後述する本体枠4における施錠ユニット650の外枠用鉤653が掛止されるものである。上鉤掛部材24は、前後方向に一定の幅で上下に延びており外枠右部材21の左側面に取付けられる平板状の取付部24aと、取付部24aの前辺から左方へ延出しており上側の外枠用鉤653が掛止される平板状の掛止片部24bと、を備えている。
下鉤掛部材25は、前後方向に一定の幅で上下に延びており外枠右部材21の左側面に取付けられる平板状の取付部25aと、取付部25aの前辺から左方へ延出しており下側の外枠用鉤653が掛止される平板状の掛止片部25bと、掛止片部25bを前後に貫通しており下側の外枠用鉤653が挿通可能な挿通口25cと、を備えている。
[2−2.外枠上部材]
外枠2の外枠上部材30について、主に図18を参照して詳細に説明する。外枠上部材30は、左右に離間している外枠左組立体10及び外枠右組立体20の上端同士を連結するためのものである。外枠上部材30は、前後方向の幅が、外枠左部材11及び外枠右部材21の前後方向と略同じ幅で、上下方向の厚さが一定で、左右方向に延びており、木材によって形成されている。外枠上部材30は、左右方向の長さが、後述する外枠下組立体40の外枠下部材41の左右方向の長さと同じに形成されている。
外枠上部材30は、左右両側面における前後方向の中央において、上下に貫通した状態で左右方向中央側へ夫々窪んでいる切欠部30aを備えている。これら左右両端の切欠部30aには、左上連結部材12の上横固定部12b及び右上連結部材22の上横固定部22bが夫々挿入された状態で取付けられる。
また、外枠上部材30は、左側端部において、上面と前面が一般面よりも窪んだ取付段部30bを備えている。この取付段部30bには、後述する外枠上ヒンジ組立体50が取付けられる。
[2−3.外枠下組立体]
外枠2の外枠下組立体40について、主に図20を参照して詳細に説明する。図20は、外枠の外枠下組立体を分解して前から見た分解斜視図である。外枠下組立体40は、左右に離間している外枠左組立体10及び外枠右組立体20の下端同士を連結すると共に、パチンコ機1において扉枠3よりも下側を閉鎖して装飾するためのものである。
外枠下組立体40は、左右に離間している外枠左組立体10及び外枠右組立体20の下端同士を連結しており左右に延びている外枠下部材41と、外枠下部材41の前方に配置されており外枠下部材41に沿って左右に延びていると共に後方が開放されている箱状の幕板前部材42と、幕板前部材42の後側に取付けられていると共に外枠下部材41の上面に取付けられており前方が開放されている左右に延びた箱状の幕板後部材43と、幕板後部材43の上面における左端に形成されている球噛防止機構44と、を備えている。
外枠下部材41は、前後方向の幅が、外枠左部材11及び外枠右部材21の前後方向と略同じ幅で、上下方向の厚さが一定で、左右方向に延びており、木材によって形成されている。外枠下部材41は、左右方向の長さが、外枠上部材30の左右方向の長さと同じに形成されている。
外枠下部材41は、左右両側面における前後方向の中央において、上下に貫通した状態で左右方向中央側へ夫々窪んでいる切欠部41aを備えている。これら左右両端の切欠部41aには、左下連結部材13の下横固定部13c及び右下連結部材23の下横固定部23cが夫々挿入された状態で取付けられる。これにより、外枠左部材11及び外枠右部材21の下端同士を連結することができる。
また、外枠下部材41は、上面から凹んでおり、幕板後部材43の下部が挿入される凹部41bを備えている。凹部41bは、左右に延びていると共に、前後方向中央の後ろ寄りの位置から前端側へ抜けている。この凹部41bにより、幕板前部材42及び幕板後部材43により形成される幕板内部空間40aの容積を可及的に広くしている。
幕板前部材42は、左右方向の長さが外枠下部材41と同じ長さに延びており、高さに対して前後方向の奥行が短い横長の直方体状の箱状に形成されており、後側の全面が開放されている。幕板前部材42は、開放されている後側を、幕板後部材43によって閉鎖することで、幕板後部材43と協働して本体枠スピーカ622のエンクロージャ624の一部となる幕板内部空間40aを形成する。幕板前部材42は、右端付近の前面において、前後に貫通していると共に左右に延びている長孔状の開口部42aを備えている。
幕板後部材43は、左右方向の長さが外枠下部材41よりも若干短く延びており、前方が開放された箱状に形成されている。幕板後部材43は、前面に幕板前部材42を取付けることで、幕板前部材42と協働して本体枠スピーカ622のエンクロージャ624の一部となる幕板内部空間40aを形成する。幕板後部材43は、上面における左右方向中央部において、左右に延びていると共に上方へ突出しており幕板内部空間40aと連通している筒状の接続筒部43aを有している。接続筒部43aは、上端が、幕板後部材43の一般的な上面と一致している前端側から後方へ向かうほど上方へ位置するように傾斜している。本実施形態では、接続筒部43aの上端は、45度の角度で傾斜している。
この接続筒部43aは、左右方向の長さが、幕板後部材43全体の約1/3の長さに形成されていると共に、前後方向の奥行が、幕板後部材43全体の奥行よりも若干短く形成されている。接続筒部43a内には、前端側と後端側とを結ぶ複数のリブ43bが備えられている。この接続筒部43aの上端には、外枠2に対して本体枠4を閉じた時に、本体枠4における基板ユニット620のスピーカユニット620aにおけるスピーカカバー621の接続部621cが接続されて、スピーカユニット620aの内部空間と連通した状態となり、エンクロージャ624を形成する。
球噛防止機構44は、幕板後部材43の上面における左端において、外枠下ヒンジ部材60の部位に遊技球Bが滞留することで、外枠2と本体枠4との間に遊技球Bが挟まれるのを防止するためのものである。
球噛防止機構44は、幕板後部材43の上面における左端に形成されており、後述する外枠下ヒンジ部材60が際されるように平坦に形成された載置部44aと、載置部44aの左端において上方へ向かって開口している第一排出口44bと、載置部44aにおける第一排出口44bよりも右方で上方へ向かって開口している第二排出口44cと、載置部44aの後辺及び右辺から上方へ延出している立壁部44dと、立壁部44dの上端から前方へ突出していると共に上面が後方へ向かうに従って上方に位置するように傾斜している上端突出部44eと、を備えている。
第一排出口44bは、後述する外枠下ヒンジ部材60の排出孔60dと一致する位置に形成されている。第一排出口44b及び第二排出口44cは、遊技球Bが通過可能な大きさに形成されている。第一排出口44b及び第二排出口44cは、幕板内部空間40aとは連通しておらず、幕板後部材43の後面に開口している。従って、第一排出口44b及び第二排出口44cに進入した遊技球Bを、幕板後部材43の後方へ排出することができる。
この球噛防止機構44は、球噛防止機構44は、外枠下ヒンジ部材60と後述する本体枠下ヒンジ組立体520との間の隙間を通して、ピアノ線等の不正な工具が挿入された場合、載置部44aの後端から立上っている立壁部44dにより、不正な工具の侵入を阻止することができる。仮に、不正な工具の先端が立壁部44dに当接することで、上方へ曲がったとしても、立壁部44dの上端に備えられている前方へ突出した上端突出部44eに当接し、これ以上の侵入を阻止することができる。従って、外枠下ヒンジ部材60の部位を介して、不正行為が行われるのを防止することができる。
ところで、載置部44aの後端に立壁部44dを備えた場合、外枠2に対して本体枠4を開けた時に、何らかの理由により載置部44a上に落下した遊技球Bが、立壁部44dによって外枠2の後方への移動が阻止されるため、載置部44a上に遊技球Bが滞留し易くなる。そして、載置部44a上に遊技球Bが滞留していると、外枠2に対して本体枠4を閉じる際に、外枠2と本体枠4との間に遊技球Bが挟み込まれてしまい、本体枠4を閉じることができなくなる問題が発生する。
これに対して、本実施形態の球噛防止機構44では、外枠下ヒンジ部材60上や載置部44a上に落下した遊技球Bを、外枠下ヒンジ部材60の排出孔60dと第一排出口44bを通して、又は、第二排出口44cを通して、遊技球Bを幕板後部材43の後方(外枠2の後方)へ排出することができ、外枠2と本体枠4との間に遊技球Bが挟まれるのを防止することができる。
外枠下組立体40は、幕板前部材42及び幕板後部材43の上面に左右に離間して配置されている一対の案内部材45と、幕板前部材42の開口部42aを後側から閉鎖している平板状のグリル部材46と、グリル部材46を挟んで開口部42aを閉鎖するように幕板前部材42の内部に取付けられており前後に延びた二つの円筒を有したポート部材47と、幕板後部材43の接続筒部43aの上端に配置される枠状のシール部材48と、を備えている。
一対の案内部材45は、外枠2に対して本体枠4を閉じた時に、扉枠3の下端が当接するものである。案内部材45は、摩擦抵抗の低い低摩擦材料によって形成されており、本体枠4の下端を滑り易くして、開閉を容易にしている。
グリル部材46は、無数の小穴を有したパンチングメタルにより形成されている。ポート部材47は、二つの円筒により、グリル部材46を介して幕板内部空間40a(エンクロージャ624)と外枠2の前方とを連通させている。ポート部材47は、二つの円筒が、所定の内径で所定の長さに形成されており、ヘルムホルツ共鳴の原理により本体枠スピーカ622から後方(エンクロージャ624内)へ発せられた低音を共振・増幅させて、豊かな低音を外枠2の前方(遊技者側)へ放射することができる。つまり、本実施形態では、本体枠スピーカ622のエンクロージャ624がバスレフ型とされており、遊技者に対して重低音を聞かせることができる。
シール部材48は、外枠2に対して本体枠4を閉じた時に、接続筒部43aの上端と本体枠4におけるスピーカカバー621の接続部621cの下端との間に挟まれて圧縮されるものであり、接続筒部43aと接続部621cとの間からスピーカのエンクロージャ内の音が漏れるのを防止するものである。
[2−4.外枠上ヒンジ組立体]
外枠2の外枠上ヒンジ組立体50について、主に図21を参照して詳細に説明する。図21(a)は外枠2の外枠上ヒンジ組立体を分解して前上から見た分解斜視図であり、(b)は(a)を前下から見た分解斜視図である。外枠上ヒンジ組立体50は、外枠左組立体10の上端と外枠上部材30の左端に取付けられるものであり、外枠2に対して本体枠4をヒンジ回転可能に取付けるためのものである。外枠上ヒンジ組立体50は、外枠左部材11の凹部11aの上端と外枠上部材30の取付段部30bとに取付けられる外枠上ヒンジ部材51と、外枠上ヒンジ部材51に取付けられているロック部材52と、ロック部材52を外枠上ヒンジ部材51に取付けている取付ビス53と、を備えている。
外枠上ヒンジ部材51は、水平に延びた平板状で外枠上部材30の取付段部30bの上面に取付けられる上固定部51aと、上固定部51aの前辺から前方へ延出している平板状の前方延出部51bと、前方延出部51bの右辺の途中から前方へ向かうに従って前方延出部51bの左右中央へ延びており上下に貫通している軸受溝51cと、上固定部51aの左辺から下方へ延びている平板状の横固定部51dと、前方延出部51bの左辺から前辺を周って軸受溝51cが開口している部位までの端縁から下方へ延びており横固定部51dと連続している平板状の端縁壁部51eと、を備えている。外枠上ヒンジ部材51は、金属板をプレス成型により打抜き・屈曲させて形成されている。外枠上ヒンジ部材51は、軸受溝51c内において、本体枠上ヒンジ部材510の後述する本体枠上ヒンジピン512を回転可能に支持することができる。
ロック部材52は、前後に延びている帯板状のロック本体52aと、ロック本体52aの後端から右方へ突出している操作片52bと、ロック本体52aの後端から左方へ延びた後に斜め左前方へ延びている弾性変形可能な棒状の弾性部52cと、ロック本体52aの後端付近で上下に貫通している取付孔52dと、を備えている。ロック部材52は、合成樹脂によって形成されている。ロック部材52は、取付ビス53によって、外枠上ヒンジ部材51における前方延出部51bの下面で、軸受溝51cよりも後側の部位に回動可能に取付けられる。
ロック部材52は、外枠上ヒンジ部材51に取付けた状態で、ロック本体52aが、平面視で軸受溝51cを遮ることができると共に、前端付近の右側面が、外枠上ヒンジ部材51の端縁壁部51eにおける軸受溝51cの開口まで延びている部位と当接可能となるように前方へ延びている。また、ロック本体52aの後端から左方へ延びている弾性部52cの先端は、外枠上ヒンジ部材51における端縁壁部51eの内周面に当接している。このロック部材52は、弾性部52cの付勢力によって取付孔52dを中心に、前端が左方へ回動する方向に付勢されている。従って、通常の状態では、ロック部材52のロック本体52aの前端付近の右側面が、端縁壁部51eに当接している。この状態では、軸受溝51cにおけるロック本体52aよりも前側の部位に、本体枠上ヒンジ部材510の本体枠上ヒンジピン512を収容可能な空間が形成される。
このロック部材52は、操作片52bを操作することで、弾性部52cの付勢力に抗してロック本体52aを回動させることができる。そして、操作片52bの操作によって、ロック本体52aを、その前端が左方へ移動する方向へ回動させることで、平面視において軸受溝51cからロック本体52aを後退させることができ、軸受溝51cが全通している状態とすることができる。これにより、軸受溝51c内に本体枠上ヒンジピン512を挿入したり、軸受溝51c内から本体枠上ヒンジピン512を外したりすることができる。
[2−5.外枠下ヒンジ部材]
外枠2の外枠下ヒンジ部材60について、主に図18を参照して詳細に説明する。外枠下ヒンジ部材60は、水平に延びた平板状の水平部60aと、水平部60aの左辺において前後方向中央よりも後側の部位から上方へ立上っている平板状の立上部60bと、水平部60aの前端付近から上方へ突出している外枠下ヒンジピン60cと、水平部60aを上下に貫通しており遊技球Bが一つのみ通過可能な大きさの排出孔60dと、を備えている。この外枠下ヒンジ部材60は、金属板をプレス成型により打抜き・屈曲させて形成されている。
外枠下ヒンジ部材60の水平部60aは、平面視において、左辺を底辺とした台形に形成されている。外枠下ヒンジピン60cは、円柱状で、上下方向中央よりも上部が、上端が窄まった円錐台状に形成されている。この外枠下ヒンジピン60cは、水平部60aの前端付近における左寄りの位置に取付けられている。排出孔60dは、水平部60aにおいて、立上部60bの前後方向中央の部位と接し、水平部60aの左辺から右方へ逆U字状に延びるように形成されている。この排出孔60dは、外枠下組立体40における球噛防止機構44の第一排出口44bと、略同じ大きさに形成されている。
外枠下ヒンジ部材60は、外枠2に組立てた状態で、水平部60aの後部が、外枠下組立体40における幕板後部材43の載置部44a上に載置され、図示しないビスによって幕板後部材43に固定されている。また、立上部60bが、外枠左部材11の右側面における膨出部11bよりも前側の部位に、図示しないビスによって取付けられている。この外枠下ヒンジ部材60は、外枠下ヒンジピン60cを、本体枠4の本体枠下ヒンジ組立体520における外枠用下ヒンジ孔521aに挿通させることで、外枠上ヒンジ部材51と協働して本体枠4を開閉可能に取付けることができる。
また、外枠2を組立てた状態では、排出孔60dが、外枠下組立体40における球噛防止機構44の第一排出口44bと一致している。これにより、水平部60a上の遊技球Bを、排出孔60d及び第一排出口44bを通して、外枠2の後方へ落下(排出)させることができる。詳述すると、外枠2に対して本体枠4を閉じる時に、外枠2と本体枠4との間に落下した遊技球Bが、本体枠4が閉じられるのに従って、外枠2と本体枠4との間が徐々に狭くなることから、間隔が広い後方側へ転動とすることとなり、排出孔60dから排出させることができる。この際に、排出孔60dが、パチンコ機1に組立てた状態で、外枠2に対して本体枠4を閉じた時に、本体枠4の後端と略同じとなる位置に形成されているため、外枠2と本体枠4との間に落下した遊技球Bを、排出孔60dから排出させることで本体枠4よりも後側へ転動するのを阻止し易くすることができ、外枠下ヒンジ部材60の部位に遊技球Bが留まり難くすることができる。
[3.扉枠の全体構成]
パチンコ機1の扉枠3について、主に図22乃至図30を参照して詳細に説明する。図22はパチンコ機における扉枠の表面図であり、図23は扉枠の背面図であり、図24は扉枠の左側面図であり、図25は扉枠の右側面図である。図26は扉枠を右前から見た斜視図であり、図27は扉枠を左前から見た斜視図であり、図28は扉枠を後ろから見た斜視図である。図29は扉枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図30は扉枠を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
扉枠3は、外枠2の枠内と略同じ大きさで正面視において上下に延びた四角形に形成されており、本体枠4を介して外枠2の枠内を前側から開閉可能に取付けられている。扉枠3は、遊技球Bが打込まれる遊技盤5の遊技領域5aを前側から視認可能に閉鎖し、遊技領域5a内に打込むための遊技球Bを貯留すると共に、貯留している遊技球Bを遊技領域5a内へ打込むために遊技者が操作するハンドル182を備えているものである。また、扉枠3は、パチンコ機1の前面全体を装飾するものである。
扉枠3は、正面視の外形が上下に延びた四角形で枠状の扉枠ベースユニット100と、扉枠ベースユニット100に着脱可能に取付けられており本体枠4に取付けられた遊技盤5の遊技領域5aを前方から視認可能に閉鎖しているガラスユニット160と、ガラスユニット160の下部を後側から覆うように扉枠ベースユニット100に取付けられている防犯カバー170と、扉枠ベースユニット100の前面右下隅に取付けられているハンドルユニット180と、扉枠ベースユニット100の前面下部に取付けられている皿ユニット200と、皿ユニット200の上側で扉枠ベースユニット100の前面左部に取付けられている扉枠左サイドユニット400と、皿ユニットの上側で扉枠ベースユニット100の前面右部に取付けられている扉枠右サイドユニット410と、扉枠左サイドユニット400及び扉枠右サイドユニット410の上側で扉枠ベースユニット100の前面上部に取付けられている扉枠トップユニット450と、を備えている。
扉枠ベースユニット100は、正面視の外形が上下に延びた四角形(長方形)に形成されており前後に貫通している扉窓101aを有した扉枠ベース101と、扉枠ベース101の前面右下に取付けられているハンドル取付部材102と、扉枠ベース101の後側で背面視右下隅に取付けられているスピーカダクト103と、扉枠ベース101の後側の下部における背面視右端付近に取付けられている扉枠主中継基板104と、扉枠主中継基板104の背面視左方に取付けられている扉枠副中継基板105と、扉枠副中継基板105の背面視左方に取付けられているハンドル後中継基板106と、扉枠主中継基板104と扉枠副中継基板105の一部とを後側から被覆する扉枠中継基板カバー107と、ハンドル後中継基板106を後側から被覆するハンドル後中継基板カバー108と、配線ケーブルを被覆するケーブルカバー109と、を備えている。
また、扉枠ベースユニット100は、扉枠ベース101の後側に取付けられている枠状の扉枠補強ユニット110と、扉枠補強ユニット110に取付けられている扉枠上ヒンジ組立体120及び扉枠下ヒンジ部材125と、扉枠補強ユニット110に取付けられている開閉用のシリンダ錠130と、扉枠ベース101の後側でハンドル後中継基板106の上方に取付けられている球送給ユニット140と、扉枠ベース101の後側の下部における背面視右側に取付けられているファールカバーユニット150と、を備えている。
扉枠補強ユニット110は、扉枠ベース101の後側に取付けられることで、扉枠ベース101を補強して剛性を付与するものである。扉枠上ヒンジ組立体120及び扉枠下ヒンジ部材125は、扉枠3を本体枠4に対して開閉可能に取付けるためのものである。シリンダ錠130は、本体枠4の施錠ユニット650と協働して、扉枠3と本体枠4との開閉、及び、外枠2と本体枠4との開閉施錠に使用されるものである。
また、球送給ユニット140は、上皿201内の遊技球Bを一つずつ本体枠4の球発射装置540へ供給するためのものである。ファールカバーユニット150は、球発射装置540により発射されて遊技盤5の遊技領域5a内に到達しなかった遊技球B(ファール球)を、下皿202に誘導すると共に、払出装置580から払出された遊技球Bを、上皿201又は下皿202に誘導するためのものである。
ガラスユニット160は、透明なガラス板162を有しており扉枠ベース101の扉窓101aを閉鎖している。防犯カバー170は、ガラスユニット160の下部を後方から覆うように扉枠ベース101に取付けられている。ハンドルユニット180は、遊技者が回転操作可能なハンドル182を備えており、ハンドル182を操作することで、上皿201内の遊技球Bを、球発射装置540によって遊技盤5の遊技領域5a内に打込む遊技を行うためのものである。
[3−1.扉枠ベースユニットの全体構成]
扉枠3の扉枠ベースユニット100について、主に図31乃至図33を参照して詳細に説明する。図31(a)は扉枠の扉枠ベースユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉枠ベースユニットを後ろから見た斜視図である。図32は扉枠ベースユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図33は扉枠ベースユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
扉枠ベースユニット100は、正面視左辺側が本体枠4に対してヒンジ回転可能に取付けられ、本体枠4の前面を開閉可能に閉鎖していると共に、本体枠4に取付けられている遊技盤の遊技領域を前方から視認可能としている。扉枠ベースユニット100は、外形が上下に延びた四角形で平板状の扉枠ベース101と、扉枠ベース101の前面右下に取付けられておりハンドルユニット180を取付けるためのハンドル取付部材102と、扉枠ベース101の後側で背面視右下隅に取付けられているスピーカダクト103と、を備えている。
また、扉枠ベースユニット100は、扉枠ベース101の後側の下部における背面視右端付近に取付けられている扉枠主中継基板104と、扉枠ベース101の後側の下部における扉枠主中継基板104の背面視左方に取付けられている扉枠副中継基板105と、扉枠ベース101の後側の下部における扉枠副中継基板105の背面視左方に取付けられているハンドル後中継基板106と、扉枠ベース101の後側に取付けられており扉枠主中継基板104と扉枠副中継基板105の一部とを後側から被覆する扉枠中継基板カバー107と、扉枠ベース101の後側に取付けられておりハンドル後中継基板106を後側から被覆するハンドル後中継基板カバー108と、扉枠ベース101の後側に取付けられており配線ケーブルを被覆するケーブルカバー109と、を備えている。
更に、扉枠ベースユニット100は、扉枠ベース101の後側に取付けられている枠状の扉枠補強ユニット110と、扉枠補強ユニット110に取付けられている扉枠上ヒンジ組立体120及び扉枠下ヒンジ部材125と、扉枠補強ユニット110に取付けられている開閉用のシリンダ錠130と、扉枠ベース101の後側でハンドル後中継基板106の上方に取付けられている球送給ユニット140と、扉枠ベース101の後側の下部における背面視右側に取付けられているファールカバーユニット150と、を備えている。
この扉枠ベースユニット100には、前面下隅にハンドルユニット180が、扉窓101aの下側前面に皿ユニット200が、扉窓101aの左外側前面に扉枠左サイドユニット400が、扉窓101aの右外側前面に扉枠右サイドユニット410が、扉窓101aの上外側前面に扉枠トップユニット450が、夫々取付けられるものである。
また、扉枠ベースユニット100には、扉窓101aを後方から閉鎖するようにガラスユニット160が取付けられると共に、ガラスユニット160の下部を後方から覆うように透明な防犯カバー170が取付けられるものである。
[3−1a.扉枠ベース]
扉枠3における扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101について、主に図31乃至図33を参照して詳細に説明する。扉枠ベース101は、正面視の外形が上下に延びた四角形(長方形)に形成されている。扉枠ベース101は、前後に貫通しており、正面視における内周形状が上下に延びた略四角形に形成された扉窓101aを備えている。扉窓101aは、内周を形成している上辺及び左右両辺が、扉枠ベース101の外周辺に夫々接近しており、内周を形成している下辺が、扉枠ベース101の下端から上下方向の約1/3の高さに位置している。このように、扉枠ベース101は、前後に貫通している扉窓101aにより全体が枠状に形成されている。この扉枠ベース101は、合成樹脂により一体成形されている。
扉枠ベース101は、前面における正面視右下隅に形成されており左端側が右端側よりも前方へやや突出するように傾斜しているハンドル取付座面101bと、ハンドル取付座面101bと扉窓101aとの間で正面視右端付近に後面から前方へ向かって窪み、扉枠補強ユニット110のシリンダ取付フレーム115が挿入される挿入凹部101cと、挿入凹部101cにおいて前後に貫通しておりシリンダ錠130のシリンダ本体131が挿通されるシリンダ挿通孔101dと、シリンダ挿通孔101d及びハンドル取付座面101bの正面視左側で前後に貫通しており球送給ユニット140の進入口141a及び球抜口141bを前方に臨ませるための球送給開口101eと、を備えている。
また、扉枠ベース101は、左右方向中央より左寄りで且つハンドル取付座面101bと略同じ高さで前後に貫通しておりファールカバーユニット150の球放出口150dを前方に臨ませる下皿用球通過口101fと、正面視左端付近で扉窓101aの下辺に隣接するように前後に貫通しておりファールカバーユニット150の貫通球通路150aを前方に臨ませる上皿用球通過口101gと、扉窓101aの内周に沿って後面から前方へ向かって窪み、ガラスユニット160のガラス枠161が挿入されるガラスユニット取付部101hと、を備えている。
また、扉枠ベース101は、正面視左下隅(上皿用球通過口101gの下方)に形成されており前後に貫通した縦長の複数のスリット101iを、備えている。複数のスリット101iの後側にスピーカダクト103が取付けられる。また、複数のスリット101iは、パチンコ機1を組立てた状態で、前方に皿ユニット200における皿ユニットベース211のスピーカ口211bが位置していると共に、後方に本体枠4のスピーカユニット620aにおける本体枠スピーカ622が位置しており、本体枠スピーカ622からの音を前方へ放射することができる。
更に、扉枠ベース101は、扉窓101aの下方でハンドル取付座面101bの上方において、前後に貫通している貫通孔101jを備えている。この貫通孔101jは、扉枠ベースユニット100側と皿ユニット200側とを接続する配線ケーブル(図示は省略)が挿通されるものであり、後述する扉枠補強ユニット110における中間補強フレーム114の貫通部114bと一致するように形成されている。
[3−1b.ハンドル取付部材]
扉枠ベースユニット100のハンドル取付部材102について、主に図31乃至図33を参照して詳細に説明する。ハンドル取付部材102は、扉枠ベース101の前面にハンドルユニットを取付けるためのものであり、扉枠ベース101の前面のハンドル取付座面101bに取付けられる。
ハンドル取付部材102は、前後方向へ延びた円筒状の筒部102aと、筒部102aの後端から筒部102aの軸に対して直角方向外方へ延びた円環状のフランジ部102bと、筒部102a内に突出していると共に筒部102aの軸方向全長に亘って延びており筒部102aの周方向に対して不等間隔に配置された複数(本例では三つ)の突条102cと、筒部102aの外周面とフランジ部102bの前面とを繋ぎ、筒部102aの周方向に対して複数配置された補強リブ102dと、を備えている。
ハンドル取付部材102は、フランジ部102bの後面を、扉枠ベース101におけるハンドル取付座面101bの前面に当接させた状態で、ビスによってハンドル取付座面101bに取付けられる。
筒部102aは、内径がハンドルユニット180におけるハンドルベース181の基部181aの外径よりも若干大きく形成されている。三つの突条102cは、一つが筒部102aの上部に備えられており、残り二つが筒部102aの下部に備えられている。これら三つの突条102cは、ハンドルベース181における三つの溝部181cと対応する位置に形成されている。従って、ハンドル取付部材102は、三つの突条102cと、ハンドルベース181の三つの溝部181cとを一致させた状態でのみ、筒部102a内にハンドルベース181の基部181aを挿入させることができ、扉枠ベース101に対してハンドルベース181(ハンドルユニット180)の回転位置を規制することができる。
なお、ハンドル取付部材102は、フランジ部102bの後面に対して、筒部102aの軸線が垂直に延びていることから、扉枠ベース101の傾斜しているハンドル取付座面101bに取付けることで、筒部102aの軸線が右前方へ延びるように傾いた状態となり、ハンドルユニット180を同様に傾いた状態で扉枠ベース101に取付けることができる。
[3−1c.スピーカダクト]
扉枠ベースユニット100のスピーカダクト103について、主に図31乃至図33を参照して詳細に説明する。このスピーカダクト103は、筒状に形成されており、扉枠ベース101の後側において複数のスリット101iが形成されている部位に取付けられる。スピーカダクト103は、パチンコ機1を組立てた状態で、筒状の部位の後端が、本体枠4の本体枠スピーカ622の前方に位置している。これにより、本体枠4の本体枠スピーカ622から放射(出力)された音(サウンド)を、拡散させることなく前方へ誘導することができ、扉枠ベース101の複数のスリット101i及び皿ユニット200の皿ユニットベース211におけるスピーカ口211bを通して、パチンコ機1の前方(遊技者側)へ良好に誘導することができる。
また、スピーカダクト103は、筒状の部位の下方の後面に、接続ケーブル503を保持するケーブルホルダ103aを備えている。ケーブルホルダ103aは、扉枠中継基板カバー107よりも正面視左方に配置されており、扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105に接続されている接続ケーブル503を、扉枠3の左端側へ延びるように保持している。
[3−1d.扉枠主中継基板・扉枠副中継基板・ハンドル後中継基板]
扉枠ベースユニット100の扉枠主中継基板104、扉枠副中継基板105、ハンドル後中継基板106について、主に図32及び図33等を参照して説明する。扉枠主中継基板104は、外形が上下に延びた四角形に形成されており、扉枠ベース101の後側の下部における背面視右下隅に取付けられる。扉枠主中継基板104は、ハンドル後中継基板106と本体枠4の基板ユニット620におけるインターフェイス基板635との接続を中継するためのものであり、本体枠4から延びている接続ケーブル503(図83及び図84を参照)の一部が接続される。
扉枠副中継基板105は、外形が、上下に延びた四角形の上部の正面視右側に左右に延びた四角形が組み合された逆L字状に形成されており、上下に延びているが扉枠主中継基板104の背面視左方に隣接するように、扉枠ベース101の後側に取付けられている。扉枠副中継基板105は、ハンドルユニット180のハンドル装飾基板184、皿ユニット200の皿ユニット中継基板214、扉枠左サイドユニット400の扉枠左サイド装飾基板402、扉枠右サイドユニット410のサイド窓内装飾部装飾基板413及び扉枠右サイド装飾基板418、扉枠トップユニット450の扉枠トップ中継基板467等と、本体枠4のインターフェイス基板635との接続を中継するためのものであり、本体枠4から延びている接続ケーブル503の残りが接続される。
扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105は、接続端子が後方へ向かって突出するように、扉枠ベース101に取付けられる。扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105は、扉枠ベースユニット100を組立てた状態で、扉枠主中継基板104と扉枠副中継基板105の上下に延びている部位とが、扉枠中継基板カバー107によって後側が被覆された状態となり、扉枠副中継基板105の残りの部位が、ファールカバーユニット150によって後側が被覆された状態となる。
ハンドル後中継基板106は、外形が左右に延びた四角形に形成されており、扉枠ベース101の後側における球送給開口101eの下方でハンドル取付座面101bの後側に取付けられる。ハンドル後中継基板106は、扉枠主中継基板104とハンドルユニット180のハンドル回転検知センサ189、ハンドルタッチセンサ192、単発ボタン操作センサ194、及び球送給ユニット140の球送給ソレノイド145との接続を中継するためのものである。ハンドル後中継基板106は、扉枠ベースユニット100を組立てた状態で、ハンドル後中継基板カバー108によって後側が被覆された状態となる。
[3−1e.扉枠中継基板カバー・ハンドル後中継基板カバー・ケーブルカバー]
扉枠ベースユニット100の扉枠中継基板カバー107、ハンドル後中継基板カバー108、及びケーブルカバー109について、主に図31乃至図33を参照して説明する。扉枠中継基板カバー107は、扉枠ベース101の後側に取付けることで、扉枠主中継基板104と扉枠副中継基板の一部(逆L字状の上下に延びている部位)の後側を被覆するものである。扉枠中継基板カバー107は、前方及び正面視左方が開放された箱状に形成されている。扉枠ベースユニット100に組立てた状態では、後側を被覆している扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105の接続端子が扉枠中継基板カバー107の内部に露出しており、開放されている左側から接続ケーブル503を内部に挿入して、それら端子に接続することができる。
ハンドル後中継基板カバー108は、ハンドル後中継基板106の後側を被覆するように扉枠ベース101の後側に取付けられるものである。ケーブルカバー109は、扉枠補強ユニット110における中間補強フレーム114の後側に取付けられ、扉枠主中継基板104と皿ユニット200の球貸操作ユニット220とを接続する配線ケーブル(図示は省略)を被覆するためのものである。ケーブルカバー109は、左右に延びた箱状に形成されており、前面の左端付近と下面の左右方向中央に、配線ケーブルを通すための開口が形成されている。
[3−1f.扉枠補強ユニット]
扉枠ベースユニット100の扉枠補強ユニット110について、主に図31乃至図33を参照して詳細に説明する。扉枠補強ユニット110は、扉枠ベース101の後側に取付けられることで、平板状の扉枠ベース101を補強して、扉枠ベースユニット100に剛性を付与している。扉枠補強ユニット110は、左右に離間して配置されている上下に延びた左補強フレーム111及び右補強フレーム112と、左補強フレーム111及び右補強フレーム112の上端同士を連結している左右に延びた上補強フレーム113と、左補強フレーム111の下端から上寄りの位置に左端側が取付けられており右補強フレーム112付近まで右方へ延びた中間補強フレーム114と、中間補強フレーム114の右端と右補強フレーム112とを連結しているシリンダ取付フレーム115と、右補強フレーム112の後側に上下に離間して複数取付けられており本体枠4の施錠ユニット650の扉枠用鉤652が掛止される鉤掛部材116と、を備えている。
左補強フレーム111及び右補強フレーム112は、左右方向が一定の幅で、扉枠ベース101の上下の高さと略同じ長さで上下に延びている。右補強フレーム112には、上下方向に離間しており、前後方向に貫通している複数の挿通孔が形成されている。これら挿通孔は、本体枠4に対して扉枠3を閉めた時に、施錠ユニット650の扉枠用鉤652の先端が挿通される。上補強フレーム113は、上下方向が一定の幅で、扉枠ベース101の左右の幅と略同じ長さで左右に延びている。
中間補強フレーム114は、上下方向が上補強フレーム113の上下の幅よりも広い幅で左右に延びている。中間補強フレーム114は、左端付近において上端から下方へ四角く切欠かれた切欠部114aと、右端付近において前後に貫通している貫通部114bと、を有している。切欠部114aは、扉枠ベース101の上皿用球通過口101gと、貫通部114bは、扉枠ベース101の貫通孔101jと、夫々一致する位置に形成されている。
シリンダ取付フレーム115は、左右に離間して配置されており正面視において上下に延びた四角形の平板状に形成されている一対の後片部と、一対の後片部の対面している夫々の辺から前方へ平板状に延出している一対の側片部と、一対の前方延出部の前端の辺同士を連結している平板状の前片部と、を備えている。このシリンダ取付フレーム115は、平面視の形状が前方へ突出した凸形状に形成されている。シリンダ取付フレーム115は、左側の後片部が中間補強フレーム114の右端に取付けられ、右側の後片部が右補強フレーム112に取付けられる。このシリンダ取付フレーム115は、前片部にシリンダ錠130が取付けられる。
鉤掛部材116は、右補強フレーム112の後側において、前後に貫通している挿通孔の部位に取付けられている。これら鉤掛部材116は、施錠ユニット650の扉枠用鉤652が掛止される。
扉枠補強ユニット110を構成している左補強フレーム111、右補強フレーム112、上補強フレーム113、中間補強フレーム114、シリンダ取付フレーム115、及び鉤掛部材116は、金属板をプレス成型によって打抜き・屈曲することで形成されている。これらは、リベットによって組立てられている。
扉枠補強ユニット110は、左補強フレーム111、右補強フレーム112、及び上補強フレーム113が、扉枠ベース101の左辺、右辺、及び上辺に沿うように組立てられていると共に、中間補強フレーム114が、扉枠ベース101の扉窓101aの下方に位置するように組立てられている。
扉枠補強ユニット110は、図示しない複数のビスにより扉枠ベース101の後側に取付けられる。この扉枠補強ユニット110は、扉枠ベース101に取付けた状態で、中間補強フレーム114の切欠部114a及び貫通部114bが、扉枠ベース101の上皿用球通過口101g及び貫通孔101jと一致した状態となると共に、シリンダ取付フレーム115が、扉枠ベース101の挿入凹部101c内に挿入された状態となる。
[3−1g.扉枠上ヒンジ組立体]
扉枠ベースユニット100の扉枠上ヒンジ組立体120について、主に図31乃至図33を参照して説明する。扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠補強ユニット110の正面視左上隅に取付けられる。扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠3を、扉枠下ヒンジ部材125と協働して本体枠4に対してヒンジ回転可能に取付けるためのものである。扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠補強ユニット110に取付けられるヒンジブラケット121と、ヒンジブラケット121に上下方向へ移動可能に取付けられる扉枠上ヒンジピン122と、扉枠上ヒンジピン122に取付けられる鍔部材123と、扉枠上ヒンジピン122を上方へ移動するように付勢しているロックバネ124と、を備えている。
ヒンジブラケット121は、正面視四角形の平板状の取付片121aと、取付片121aの上辺及び下辺から前方へ延出している平板状の突出片121bと、を備えている。ヒンジブラケット121は、取付片121aが扉枠補強ユニット110に取付けられる。ヒンジブラケット121は、金属板を屈曲させて形成されている。
扉枠上ヒンジピン122は、円柱状の金属棒をL字状に屈曲させたものである。扉枠上ヒンジピン122は、扉枠上ヒンジ組立体120に組立てた状態で、上下に延びている部位が、ヒンジブラケット121における一対の突出片121bの前端付近において下方から貫通し、上端が上側の突出片121bよりも上方へ延び出していると共に、水平に延びている部位が下側の突出片121bの下面に当接している。扉枠上ヒンジピン122は、上端が本体枠4の本体枠上ヒンジ部材510における上ヒンジ本体511の扉枠用上ヒンジ孔511aに回転可能に挿通される。
鍔部材123は、Eリングとされており、扉枠上ヒンジピン122における一対の突出片121bの間となる部位に取付けられている。ロックバネ124は、コイル状に形成されており、鍔部材123とヒンジブラケット121における下側の突出片121bとの間において扉枠上ヒンジピン122の上下に延びている部位の周りに被せられている。このロックバネ124により、鍔部材123を介して扉枠上ヒンジピン122が上方へ付勢されている。
扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠上ヒンジピン122がロックバネ124により上方へ付勢された状態となっており、扉枠上ヒンジピン122における下端の水平に延びている部位が下側の突出片121bの下面に当接することで、これ以上の上方への移動が規制されている。この状態では、扉枠上ヒンジピン122の上端が、上側の突出片121bの上面よりも所定量上方に突出している。
扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠上ヒンジピン122における下端の水平に延びている部位を、ロックバネ124の付勢力に抗してその部位を下方へ移動させると、扉枠上ヒンジピン122を全体的に下方へ移動させることができ、扉枠上ヒンジピン122の上端を、上側の突出片121bの上面よりも下方へ没入させることができる。従って、扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠上ヒンジピン122の上端を、本体枠上ヒンジ部材510の扉枠用上ヒンジ孔511aに対して下方から挿入させたり、下方へ抜いたりすることができる。これにより、扉枠上ヒンジピン122の上端を、本体枠上ヒンジ部材510の扉枠用上ヒンジ孔511aに挿入させることで、扉枠3の正面視上部左端を、本体枠4に対してヒンジ回転可能に支持させることができる。
また、扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠上ヒンジピン122における上下に延びている部位が、後述する扉枠下ヒンジ部材125の扉枠下ヒンジピン126と同軸上に位置している。これにより、扉枠上ヒンジピン122と扉枠下ヒンジピン126とによって、扉枠3を本体枠4に対して良好な状態でヒンジ回転させることができる。
[3−1h.扉枠下ヒンジ部材]
扉枠ベースユニット100の扉枠下ヒンジ部材125について、主に図31乃至図33を参照して説明する。扉枠下ヒンジ部材125は、扉枠補強ユニット110の正面視左下隅に取付けられる。扉枠下ヒンジ部材125は、扉枠3を、扉枠上ヒンジ組立体120と協働して本体枠4に対してヒンジ回転可能に取付けるためのものである。
扉枠下ヒンジ部材125は、扉枠補強ユニット110に取付けられ正面視四角形で平板状の取付片125aと、取付片125aの下辺から前方へ延出している平板状の突出片125bと、突出片125bの前端付近の下面から下方へ突出している扉枠下ヒンジピン126(図22等を参照)と、を備えている。
扉枠下ヒンジ部材125の取付片125a及び突出片125bは、金属板を屈曲させて形成されている。扉枠下ヒンジピン126は、円柱状の金属棒で、下端部の外周にテーパ状の面取りが施されている。この扉枠下ヒンジピン126は、扉枠ベースユニット100に組立てた状態で、突出片125bにおける扉枠上ヒンジ組立体120の扉枠上ヒンジピン122の上下に延びている部位と同軸上となる部位に取付けられている。
この扉枠下ヒンジ部材125は、扉枠下ヒンジピン126を本体枠側下ヒンジ部材の扉枠用ヒンジ孔に挿入することで、扉枠3を本体枠4に対してヒンジ回転可能に支持することができる。
[3−1i.シリンダ錠]
扉枠ベースユニット100のシリンダ錠130について、主に図31乃至図33を参照して詳細に説明する。シリンダ錠130は、扉枠補強ユニット110のシリンダ取付フレーム115に取付けられ、後述する施錠ユニット650と協働して、扉枠3と本体枠4との開閉、及び、外枠2と本体枠4との開閉施錠に使用されるものである。シリンダ錠130は、前後に延びた円柱状のシリンダ本体131と、シリンダ本体131の前端面に形成されている鍵穴132と、シリンダ本体131の後側に取付けられており鍵穴132に挿入され正規の鍵を回転させると一緒に回転する回転伝達部材133と、を備えている。
シリンダ錠130のシリンダ本体131は、シリンダ取付フレーム115の前片部を後方から貫通して後端が前片部に取付けられている。回転伝達部材133は、後方が開放された円筒状(詳しくは、後方へ向かうに従って直径が大きくなる円錐筒状)に形成されており、中心軸を挟んで対向した位置に後端から前方へ向かって切欠かれた一対の切欠部を有している。回転伝達部材133は、本体枠4における施錠ユニット650の伝達シリンダ654が後方から挿入されるように形成されており、伝達シリンダ654の一対の突起が一対の切欠部内に挿入されることで、回転伝達部材133(鍵穴132に挿入された鍵)の回転を、伝達シリンダ654に伝達させて回転させることができる。
シリンダ錠130は、扉枠3に組立てた状態で、シリンダ本体131の前端が皿ユニット200における皿ユニット本体252のシリンダ挿通口252hの前端と略一致した状態となる(図22等を参照)。
[3−1j.球送給ユニット]
扉枠ベースユニット100の球送給ユニット140について、主に図34及び図35を参照して詳細に説明する。図34(a)は扉枠ベースユニットの球送給ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は球送給ユニットを後ろから見た斜視図である。図35(a)は球送給ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は球送給ユニットの後ケースと不正防止部材を外して後から見た分解斜視図である。球送給ユニット140は、皿ユニット200の上皿201から供給される遊技球Bを一つずつ本体枠4の球発射装置540へ供給することができると共に、上皿201内に貯留された遊技球Bを、上皿球抜ボタン222の操作によって下皿202へ抜くことができるものである。
球送給ユニット140は、皿ユニット200の上皿201から遊技球Bが供給され前後方向に貫通している進入口141a、及び進入口141aの下側に開口する球抜口141bを有し後方が開放された箱状の前カバー141と、前カバー141の後端を閉鎖すると共に前方が開放された箱状で、前後方向に貫通している前カバー141の進入口141aから進入した遊技球Bを球発射装置540へ供給するための打球供給口142aを有した後カバー142と、後カバー142及び前カバー141の間で前後方向へ延びた軸周りに回動可能に軸支され前カバー141の後側で進入口141aと球抜口141bとの間を仕切る仕切部143aを有した球抜部材143と、球抜部材143の仕切部143a上の遊技球Bを一つずつ後カバー142の打球供給口142aへ送り、前カバー141と後カバー142との間で上下方向へ延びた軸周りに回動可能に支持された球送給部材144と、球送給部材144を回動させる球送給ソレノイド145と、を備えている。
この球送給ユニット140は、図示するように、正面視で、球送給部材144が進入口141aの右側に配置されており、球送給部材144の左側に球抜部材143が、球送給部材144の右側に球送給ソレノイド145が夫々配置されている。
球送給ユニット140の前カバー141は、正面視で球抜口141bの左側に、球抜部材143の回転中心に対して同心円状に形成された円弧状のスリット141cを備えており、このスリット141cから後述する球抜部材143の作動棹143cが前方へ延びだすようになっている。また、前カバー141は、進入口141aの上縁から上側が上方へ延びだしており、扉枠3を組立てた際に、上皿球抜後ユニット240における後ベース241の球送給誘導路241b及び球抜誘導路241cの上流端側の後方へ開放されている部位を後側から閉鎖するように形成されている。
球抜部材143は、進入口141aよりも下側で進入口141aと球抜口141bとの間を仕切り上面が球送給部材144の方向へ向かって低くなる仕切部143aと、仕切部143aの球送給部材144とは反対側の端部から下方へ延出すると共に上下方向の中間付近から球抜口141bの下側中央へ向かってく字状に屈曲し下端が前後方向へ延びた軸周りに回動可能に支持される回動棹部143bと、回動棹部143bの上端から前方へ向かって突出する棒状の作動棹143cと、作動棹143cよりも下側で回動棹部143bの側面から仕切部143aとは反対側へ突出した錘部143dと、を備えている。球抜部材143の作動棹143cは、前カバー141に形成された円弧状のスリット141cを通して前方へ突出するように形成されている(図34(a)を参照)。作動棹143cは、扉枠ベース101の球送給開口101eを介して皿ユニット200の上皿球抜ボタン222の押圧操作によって下方へ移動する上皿球抜スライダ242の作動伝達部242bの上端(上面)と当接する。
球送給部材144は、進入口141a及び球抜部材143の仕切部143aの方を向き上下方向へ延びた回転軸芯を中心とした平面視が扇状の遮断部144aと、遮断部144aの後端から回転軸芯側へ円弧状に窪んだ球保持部144bと、球保持部144bの後端から下方へ延出する棒状の棹部144cと、を備えている。球送給部材144における遮断部144aと球保持部144bは、夫々回転軸芯を中心とした約180゜の角度範囲内に隣接して形成されている。また、球送給部材144の球保持部144bは、一つの遊技球Bを保持可能な大きさとされている。球送給部材144は、球送給ソレノイド145の駆動によって回転軸芯と偏芯した位置に配置された棹部144cが左右方向へ移動させられることで、回転軸芯周りに回動する。
この球送給部材144は、遮断部144aが仕切部143aの方向を向くと同時に球保持部144bが打球供給口142aと連通した方向を向いた供給位置と、球保持部144bが仕切部143aの方向へ向いた保持位置との間で回動するようになっている。球送給部材144が供給位置の時には、球保持部144bに保持された遊技球Bが、打球供給口142aから球発射装置540へ供給されると共に、進入口141aから仕切部143a上に進入した遊技球Bが、遮断部144aによって球保持部144b(打球供給口142a)側への移動が遮断されて仕切部143a上に留まった状態となる。一方、球送給部材144が保持位置へ回動すると、球保持部144bが仕切部143aの方向を向くと共に、球保持部144bの棹部144c側の端部が打球供給口142aを閉鎖した状態となり、仕切部143a上の遊技球Bが一つだけ球保持部144b内に保持される。
また、球送給ユニット140は、球送給ソレノイド145の駆動(通電)によって先端が上下方向へ揺動する球送給作動桿146と、球送給作動桿146における上下方向へ揺動する先端の動きによって前後方向へ延びた軸周りに回動すると共に、球送給部材144を上下方向へ延びた軸周りに回動させる球送給クランク147と、を備えている。
球送給作動棹146は、球送給ソレノイド145の下方の部位に鉄板146aを備えている。球送給作動棹146は、左右に延びており、球送給クランク147とは反対側の端部(右端部)が前後に延びた軸周りに回転可能に前カバー141及び後カバー142に取付けられている。球送給作動棹146は、球送給ソレノイド145が駆動されると、発生する磁力によって鉄板146aが球送給ソレノイド145の方(上方)へ引寄せられ、右端部を中心にして球送給クランク147に近い左端部側が上方へ移動するように回動する。その後、球送給ソレノイド145の駆動が解除されると、磁力が消滅することによって鉄板146aの自重が作用して、右端部を中心にして球送給クランク147に近い左端部側が下方へ移動するように回動して初めの状態に復帰する。これにより、球送給作動棹146は、球送給ソレノイド145によって、球送給クランク147に近い左端部(先端)が上下方向に揺動することとなる。
球送給クランク147は、球送給作動桿146の上下動する先端と係合可能とされ左右方向へ延びた係合部147aと、係合部147aの球送給作動桿146と係合する側とは反対側に配置され前カバー141と後カバー142との間で前後方向へ延びた軸周りに回動可能に軸支される軸部147bと、軸部147bから上方へ延出しており、球送給部材144における回動中心に対して偏芯した位置から下方へ突出する棒状の棹部144c(図35(b)を参照)と係合する伝達部147cと、を備えている。
この球送給ユニット140は、球送給ソレノイド145の駆動により球送給作動棹146の先端(左端)を上方へ移動させることで、球送給作動棹146を介して球送給クランク147を前後に延びた軸周りに回動させることができる。
球送給ユニット140は、球送給ソレノイド145の非駆動時(通常時)では、球送給作動桿146が球送給ソレノイド145の下端から離れて先端が下方へ位置した状態となり、この状態では球送給部材144が供給位置に位置した状態となる。また、球送給ソレノイド145の駆動時では、球送給作動桿146が球送給ソレノイド145の下端に吸引されて先端(左端)が上方へ位置した状態となり、球送給部材144が保持位置へ回動する。つまり、球送給ソレノイド145が駆動される(ONの状態)と、球送給部材144が遊技球Bを一つ受け入れ、球送給ソレノイド145の駆動が解除される(OFFの状態)と、球送給部材144が受け入れた遊技球Bを球発射装置540側へ送る(供給する)ことができる。この球送給ユニット140における球送給ソレノイド145の駆動は、払出制御基板633の発射制御部633b(図137を参照)により発射ソレノイド542の駆動制御と同期して制御される。
また、球送給ユニット140は、回動可能に軸支されている球抜部材143か、錘部143dによって正面視反時計周りの方向へ回転するようなモーメントがかかるようになっている。しかしながら、球抜部材143の前方へ突出している作動棹143cが、皿ユニット200の上皿球抜ボタン222の押圧操作によって動作する上皿球抜スライダ242の作動伝達部242bの上端と当接することで、その回動が規制されているため、通常の状態では、球抜部材143の仕切部143aが進入口141aと球抜口141bとの間に位置して仕切っており、球抜口141b側へ遊技球Bが侵入することはない。
そして、遊技者が、皿ユニットの上皿球抜ボタンを下方へ押圧操作すると、上皿球抜スライダが作動伝達部と共に下方へスライドし、作動伝達部の下方への移動に伴って作動棹143cも相対的に下方へ移動することとなる。作動伝達部と共に作動棹143cが下方へ移動すると、球抜部材143が正面視反時計周りの方向へ回動し、仕切部143aが進入口141aと球抜口141bとの間から移動して仕切りが解除される。これにより、進入口141aから進入した遊技球Bが、球抜口141b側へ落下し、球抜口141bから皿ユニット200における上皿球抜後ユニット240の球抜誘導路241cへと排出され、下皿球供給口211cを介して下皿202へ排出(供給)させることができる。
なお、球抜部材143の作動棹143cが当接する作動伝達部242bが形成されている上皿球抜スライダ242は、バネ243によって上方へ付勢されているので、仕切部143a上に遊技球Bが勢い良く供給されても、その衝撃を、作動棹143cを介してバネ243によって吸収させることができ、球抜部材143等が破損するのを防止することができると共に、遊技球Bが仕切部143aで跳ね返るのを防止することができる。
また、球送給ユニット140は、後カバー142における打球供給口142aの背面視で右上に前方へ窪んだ矩形状の取付凹部142b(図35(b)等を参照)が形成されていると共に、その取付凹部142b内に不正防止部材148が取付けられている。球送給ユニット140の不正防止部材148は、工具鋼やステンレス等の硬質の金属板により形成されており、後カバー142の取付凹部142b内に対して後側から脱着可能に取付けられている。
不正防止部材148は、正面視の外形が左右に延びた長方形状に形成されており、右辺から左方へ所定距離の間において、上下方向略中央で上下に分離している上片部148a及び下片部148bと、上片部148a及び下片部148bの互いに対向している辺の先端側(正面視右端側)でC面取り状に夫々形成されている傾斜部148cと、を備えている。不正防止部材148の上片部148aは、不正防止部材148の一般面に対して、正面視右端が後方へ突出するように屈曲させられている。下片部148bは、不正防止部材148の一般面と同一面上に延びている。これにより、平面視において、上片部148aと下片部148bとによって、右方に向かうに従って広がるV字状の溝を形成している。
不正防止部材148は、後カバー142の取付凹部142bに取付けられることで、上片部148aと下片部148bとで形成されるV字状の溝が、打球供給口142a内と連通した状態となる。
この不正防止部材148によれば、紐を取付けた不正な遊技球Bを、上皿から球送給ユニット140を介して球発射装置540により遊技領域5a内に打込み、不正な遊技球Bに取付けられた紐を操作して、不正な遊技球Bを第一始動口等に出し入れさせるような不正行為が行われる際に、球発射装置540により発射(打球)された不正な遊技球Bの勢いによって、不正な遊技球Bに取付けられた紐を、上片部148aと下片部148bとの間に挿入させた上で、上片部148aと下片部148bとによって形成されたV字状の狭くなった部位により切断させることができ、紐を取付けた不正な遊技球Bを用いた不正行為が行われるのを防止することができる。
[3−1k.ファールカバーユニット]
扉枠ベースユニット100のファールカバーユニット150について、主に図36及び図37を参照して詳細に説明する。図36(a)は扉枠ベースユニットのファールカバーユニットを前から見た斜視図であり、(b)はファールカバーユニットを後ろから見た斜視図である。また、図37は、蓋部材を外した状態のファールカバーユニットの正面図である。ファールカバーユニット150は、扉枠ベース101の後側の下部における背面視右側に取付けられている。ファールカバーユニット150は、球発射装置540により発射されて遊技盤5の遊技領域5a内に到達しなかった遊技球B(ファール球)を、下皿202に誘導すると共に、払出装置580から払出された遊技球Bを、上皿201又は下皿202に誘導するためのものである。ファールカバーユニット150は、図示するように、扉枠ベース101の後側に取付けられ前側が開放された浅い箱状のユニット本体151と、ユニット本体151の前面に取付けられている平板状の蓋部材152と、を備えている。
ファールカバーユニット150は、正面視左上隅において前後に貫通しており本体枠4の下部満タン球経路ユニットの通常誘導路と皿ユニットの上皿球供給口とを連通させる貫通球通路150aと、貫通球通路150aの正面視右下側で後方へ向かって開口しており本体枠4の下部満タン球経路ユニットの満タン誘導路と連通可能な満タン球受口150bと、を備えている。
また、ファールカバーユニット150は、満タン球受口150bの正面視右側で上方へ向かって開口しており本体枠4の球発射装置により発射されにも関わらず遊技領域5a内へ到達しなかった遊技球B(ファール球)を受けるファール球受口150cと、正面視右下隅付近で前方へ向かって開口しており満タン球受口150b及びファール球受口150cに受け入れられた遊技球Bを前方へ放出すると共に皿ユニットの下皿球供給口と連通する球放出口150dと、を備えている。
更に、ファールカバーユニット150は、ユニット本体151及び蓋部材152によって、満タン球受口150b及びファール球受口150cと球放出口150dとの間に形成されており所定量の遊技球Bを貯留可能な広さを有している貯留通路150eを、備えている。
貫通球通路150aは、ユニット本体151と蓋部材152の両方に跨って形成されている。満タン球受口150b及びファール球受口150cは、ユニット本体151に形成されている。球放出口150dは、蓋部材152に形成されている。貯留通路150eは、ユニット本体151と蓋部材152とで形成されている。
また、ファールカバーユニット150は、貯留通路150eの内壁の一部を構成しており下端が回動可能にユニット本体151及び蓋部材152に取付けられている平板状の可動片153と、可動片153の貯留通路150eから遠ざかる方向への回動を検知する満タン検知センサ154と、可動片153を貯留通路150e側へ付勢しているバネ155と、を備えている。
このファールカバーユニット150は、皿ユニット200の下皿202内が遊技球Bで一杯になって、球放出口150dから遊技球Bが下皿202側へ放出されなくなると、貯留通路150e内にある程度の数の遊技球Bを貯留することができる。そして、貯留通路150e内にある程度の数の遊技球Bが貯留されると、遊技球Bの重さによって可動片153の上端がバネ155の付勢力に抗して貯留通路150eから遠ざかる方向へ移動するように可動片153が回動し、その回動が満タン検知センサ154によって検知される。これにより、下皿202が遊技球Bで満タンになっていると判断することができるため、満タン検知センサ154により満タンが検知されると、これ以上の遊技球Bの払出しを停止させると共に、その旨を遊技者や遊技ホールの係員等に報知して、下皿202の満タンを解消させるように促すことができる。
また、ファールカバーユニット150は、ユニット本体151の後側で貫通球通路150aの下側に取付けられており、本体枠4の後述する払出ユニット560における下部満タン球経路ユニット610の払出通路開閉扉613の作動突部613aが当接可能な扉開閉当接部150fを備えている(図91を参照)。扉開閉当接部150fは、後面が下方へ向かうに従って前方へ移動するように傾斜している。この扉開閉当接部150fに払出通路開閉扉613の作動突部613aが当接することで、払出通路開閉扉613を回動させて下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの下流端(前側開口)を開放させることができる。
[3−2.ガラスユニット]
扉枠3におけるガラスユニット160について、主に図29及び図30等を参照して詳細に説明する。ガラスユニット160は、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース101の扉窓101aを閉鎖するように、後方からガラスユニット取付部101h内に挿入されて着脱可能に取付けられている。このガラスユニット160は、扉枠3を本体枠4に対して閉めた時に、本体枠4に取付けられている遊技盤5の遊技領域5aを遊技者側(前方)から視認可能とすると共に、遊技領域5aの前方を閉鎖するものである。
ガラスユニット160は、扉枠ベース101の扉窓101aの内周形状よりも大きくガラスユニット取付部101hに取付可能な枠状のガラス枠161と、ガラス枠161の枠内を閉鎖し外周がガラス枠161に取付けられている透明な二つのガラス板162と、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース101の後側に回転可能に取付けられガラス枠161を扉枠ベース101に取付けるための一対のガラスユニット取付部材163と、を備えている。
ガラス枠161は、正面視左右上隅よりも下側の位置から外方へ平板状に延出している一対の取付片161aと、下端から下方へ突出していると共に下辺に沿って延びている帯板状の係止片161bと、を有している。ガラス枠161の取付片161aは、ガラスユニット取付部材163の突出部163bと当接可能とされている。係止片161bは、扉枠ベース101と扉枠補強ユニット110の中間補強フレーム114との間の空間内に挿入可能とされている(図97を参照)。二つのガラス板162は、ガラス枠161の前端側と後端側とに夫々取付けられており、互いの間に空間が形成されるように前後に離間している(図97を参照)。
ガラスユニット取付部材163は、扉枠ベース101の後側で前後に延びた軸線周りに対して回転可能に取付けられる円盤状の基部163aと、基部163aから回転軸線に対して直角方向へ棒状に突出している突出部163bと、を有している。ガラスユニット取付部材163は、扉枠ベース101の後面における扉窓101aの四隅のうち上側の二つの隅の外側に、夫々回転可能に取付けられる。
ガラスユニット160を扉枠ベース101に取付けるには、まず、扉枠ベース101に取付けられているガラスユニット取付部材163を、突出部163bが基部163aよりも上方に位置するように回転させた状態とする。そして、扉枠ベース101の後側から、ガラスユニット160のガラス枠161の係止片161bを、扉枠ベース101と扉枠補強ユニット110の中間補強フレーム114との間の隙間に上方から挿入した上で、ガラス枠161の前端を扉枠ベース101のガラスユニット取付部101hの後面に当接させる。その後、ガラスユニット取付部材163を、突出部163bが基部163aよりも下方に位置するように回転させて、突出部163bをガラス枠161の取付片161aの後面と当接させる。これにより、ガラスユニット160が扉枠ベース101に取付けられる。
ガラスユニット160を扉枠ベース101から取外す場合は、上記と逆の手順により、取外すことができる。これにより、ガラスユニット160は、扉枠ベース101(扉枠ベースユニット100)に対して着脱可能となっている。
なお、ガラスユニット160では、ガラスユニット取付部材163の突出部163bが、基部163aよりも下方に位置している回転位置の時に、突出部163bによりガラス枠161の後方への移動を規制しているため、ガラスユニット取付部材163に振動等が作用しても、突出部163bが基部163aよりも上方となるように位置へ回転することはない。従って、ガラス枠161の後方への移動の規制が自然に解除されることはなく、ガラスユニット160が扉枠ベース101から自然に外れることはない。
[3−3.防犯カバー]
扉枠3における防犯カバー170について、主に図29及び図30等を参照して詳細に説明する。防犯カバー170は、ガラスユニット160の後面下部を覆うように扉枠ベースユニット100の後側に取付けられ、透明な合成樹脂により形成されている。防犯カバー170は、外周が所定形状に形成された平板状の本体部171と、本体部171の外周縁に沿って後方へ短く突出した平板状の後方突片172と、左右に離間して配置され本体部171よりも前方に突出し、扉枠ベース101の後側に係止可能とされている一対の係止片173と、を備えている。
防犯カバー170の本体部171は、扉枠ベースユニット100に取付けた状態で下端がガラスユニット160の下端よりも下方へ突出するように形成されている。また、本体部171は、上端が、パチンコ機1に組立てた状態で、遊技盤5における遊技領域5aの下端に沿った形状に形成されている。詳述すると、本体部171の上端は、後述する前構成部材1000の内レール1002の一部、アウト誘導部1003、右下レール1004の一部、及び右レール1005に沿った形状に形成されており、パチンコ機1に組立てた状態で遊技領域5a内に突出しないように形成されている。
後方突片172は、本体部171の外周縁の略全周に亘って形成されている。従って、防犯カバー170は、本体部171と後方突片172とによって、後方へ開放された浅い箱状に形成されており、強度・剛性が高くなっている。また、後方突片172は、本体部171の外周縁とは異なる本体部171の後面の一部からも後方に突出している。この本体部171の後面の一部から後方に突出している後方突片172は、パチンコ機1に組立てた状態で遊技盤5の前構成部材1000における外レール1001の一部と沿うように形成されている。
なお、後方突片172は、パチンコ機1に組立てた状態で、遊技盤5における外レール1001と内レール1002との間に位置する部位には形成されていない。これにより、外レール1001と内レール1002との間を通る遊技球B(球発射装置540により発射された遊技球B)が、防犯カバー170の後方突片172に当接することはなく、遊技領域5a内への遊技球Bの打込みを阻害することはない。
一対の係止片173は、扉枠ベースユニット100(スピーカダクト103及びケーブルカバー109)の後側に弾性係止される。これにより、防犯カバー170は、扉枠ベースユニット100に対して容易に着脱することができる。
防犯カバー170は、パチンコ機1に組立てた状態で、本体部171の前面がガラスユニット160の後面(ガラス枠161の後端)と当接し、本体部171の下辺から後方へ突出している部位を除いた後方突片172が、前構成部材1000の防犯凹部1009内に挿入された状態となる。また、防犯カバー170は、本体部171の下辺から後方に突出している後方突片172が、前構成部材1000の下面と接するように前構成部材1000の前面よりも後方へ突出している状態となる。これにより、防犯カバー170と遊技盤5(前構成部材1000)との間が、防犯カバー170の後方突片172と前構成部材1000の防犯凹部1009とによって複雑に屈曲した状態となるため、遊技盤5の前面下方より防犯カバー170と前構成部材1000との間を通してピアノ線等の不正な工具を遊技領域5a内に侵入させようとしても、後方突片172や防犯凹部1009に阻まれることとなり、遊技領域5a内への不正な工具の侵入を阻止することができる。
[3−4.ハンドルユニット]
扉枠3におけるハンドルユニット180について、主に図38等を参照して詳細に説明する。図38(a)は扉枠におけるハンドルユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)はハンドルユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。ハンドルユニット180は、扉枠ベースユニット100のハンドル取付部材102に取付けられ、遊技者が操作することで、上皿201内の遊技球Bを遊技盤5の遊技領域5a内に打込むことができるものである。
ハンドルユニット180は、扉枠ベースユニット100におけるハンドル取付部材102の筒部102aに取付けられるハンドルベース181と、ハンドルベース181の前端に回転可能に取付けられるハンドル182と、ハンドル182の前端側を覆うようにハンドルベース181に取付けられる円盤状のカバー台座183と、カバー台座183の前側に取付けられており前面に複数のLEDが実装されているハンドル装飾基板184と、ハンドル装飾基板184の前側を覆うようにカバー台座183に取付けられているハンドルカバー185と、を備えている。
また、ハンドルユニット180は、ハンドル182の後側でハンドルベース181の前面に取付けられるインナーベース186と、前端にハンドル182が取付けられると共にインナーベース186とハンドルベース181とによって回転可能に取付けられ外周に駆動ギア部187aを有している軸部材187と、軸部材187の駆動ギア部187aと噛合している伝達ギア188と、伝達ギア188と一体回転する検知軸189aを有しハンドルベース181とインナーベース186との間に挟持されているハンドル回転検知センサ189と、を備えている。
更に、ハンドルユニット180は、一端側がハンドルベース181に取付けられると共に他端側がハンドル182に取付けられハンドル182を初期回転位置(正面視で反時計周りの方向への回転端)へ復帰させるように付勢しているハンドル復帰バネ190と、一端側がインナーベース186に取付けられると共に他端側が伝達ギア188に取付けられ伝達ギア188を介してハンドル回転検知センサ189の検知軸189aを正面視で時計回りの方向へ付勢している補助バネ191と、を備えている。
また、ハンドルユニット180は、インナーベース186の後方でハンドルベース181に取付けられているハンドルタッチセンサ192と、先端側がハンドルベース181の前端外周面の正面視おける左側から外方に突出していると共に基端側がインナーベース186の後方でハンドルベース181に前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられている単発ボタン193と、単発ボタン193の押圧操作を検知しハンドルベース181に取付けられている単発ボタン操作センサ194と、を備えている。
ハンドルユニット180のハンドルベース181は、前後に延びた円筒状の基部181aと、基部181aの前端から半径方向へ突出している円盤状の前端部181bと、円筒状の基部181aの外周面から窪んでいると共に軸方向に延びており周方向へ不等間隔で三つ形成されている溝部181cと、を備えている。ハンドルベース181の基部181aは、外径がハンドル取付部材102の筒部102aの内径よりも若干小さく形成されている。また、三つの溝部181cは、ハンドル取付部材102における筒部102aの三つの突条102cと対応した位置に形成されている。従って、三つの溝部181cを三つの突条102cと一致させた状態で、基部181aをハンドル取付部材102の筒部102a内に挿入させることができると共に、三つの溝部181c内に夫々突条102cが挿入されることで、ハンドルベース181がハンドル取付部材102に対して相対回転不能な状態となる。
ハンドル182は、外周面から周方向に離れて外方へ突出している四つの第一突起182a、第二突起182b、第三突起182c、及び第四突起182dと、回転軸(軸部材187)を中心として円弧状に延びていると共に前後方向に貫通している二つのスリット182eと、スリット182eよりも回転中心に対して内側の位置から後方に突出しておりハンドル復帰バネ190の他端側が係止される係止突部182fと、を備えている。
四つの第一突起182a、第二突起182b、第三突起182c、及び第四突起182dは、正面視において時計回りの方向に順番に備えられている。詳述すると、第一突起182aは、ハンドル182の一般外周面から最も突出した部位の正面視時計回りの方向の側面が、外側へ膨らむように膨出しており、反対側である反都決周りの方向の側面が、内側へ湾曲するように凹んでいる(抉れている)。第二突起182bは、ハンドル182の一般外周面から最も突出した部位が、第一突起182aの最も突出した部位から時計回りの方向へ約85度の回転角度で離れており、第一突起182aよりはやや低く突出している。この第二突起182bは、最も突出した部位の正面視時計回りの方向の側面が、外側へ膨らむように膨出しており、反対側である反時計周りの方向の側面が、内側へ湾曲するように凹んでおり、第一突起182aと相似した形状に形成されている。
第三突起182cは、ハンドル182の一般外周面から最も突出した部位が、第二突起182bの最も突出した部位から時計回りの方向へ約70度の回転角度で離れており、第一突起182aの約半分の高さで突出している。この第三突起182cは、両側の側面が略直線状に傾斜しており、時計回りの方向の側面が反対側である反時計回りの方向の側面よりもなだらかに傾斜している。第四突起182dは、ハンドル182の一般外周面から最も突出した部位が、第三突起182cの最も突出した部位から時計回りの方向へ約55度の回転角度で離れており、第一突起182aよりもやや高く突出している。この第四突起182dは、両側の側面が略直線状に傾斜しており、略二等辺三角形に形成されている。
カバー台座183は、円盤状に形成されており、後面から後方へ突出している三つの取付ボス183aを備えている。三つの取付ボス183aは、ハンドル182のスリット182eを前方から貫通してハンドルベース181の前面に取付けられる。ハンドルカバー185の取付ボス183aが、ハンドル182のスリット182eを貫通していることから、取付ボス183aがスリット182eの周方向端部に当接することとなり、ハンドル182の回転角度を規制している。本例では、ハンドル182を、約120度の回転角度の範囲内で回転させることができる。
ハンドルカバー185は、前面が前方へ丸く膨出しており、透光性を有している。ハンドルカバー185は、内部に、透明な部材で立体的に形成されたレンズ部材が備えられている。このハンドルカバー185は、ハンドル装飾基板184の前面のLEDを適宜発光させることで、発光装飾させられる。
このハンドルユニット180は、扉枠ベース101のハンドル取付座面101bに対して、ハンドル取付部材102を介して取付けられる。この扉枠ベース101のハンドル取付座面101bは、平面視において、右端側が左端側よりも後方に位置するように傾斜しており、外側(開放側)を向いているため、ハンドル取付部材102を介して取付けられるハンドルユニット180も平面視で外側に傾斜(換言すると、パチンコ機1の前面に直交する線に対してその先端部がパチンコ機1の外側に向かうように傾斜している。)して扉枠3に取付固定される。これにより、遊技者がハンドルユニット180のハンドル182が握り易く、違和感がなく回動操作を行わせることができる。
ハンドルユニット180のハンドル回転検知センサ189は、可変抵抗器とされており、ハンドル182を回転させると、軸部材187及び伝達ギア188を介してハンドル回転検知センサ189の検知軸189aが回転する。この検知軸189aの回転角度に応じてハンドル回転検知センサ189の内部抵抗が変化し、ハンドル回転検知センサ189の内部抵抗に応じて後述する球発射装置540における発射ソレノイド542の駆動力が変化して、ハンドル182の回転角度に応じた強さで遊技球Bが遊技領域5a内へ打込まれる。
ハンドルタッチセンサ192は、ハンドルユニット180に作用する静電気を検知するものであり、遊技者がハンドル182等に接触することで、遊技者から作用する静電気を検知し、遊技者のハンドル182等への接触を検出する。そして、ハンドルタッチセンサ192が遊技者の接触を検出している時に、ハンドル182を回動させると、ハンドル回転検知センサ189の検知が受付けられ、ハンドル182の回転角度に応じた強さで発射ソレノイド542の駆動が制御されて、遊技球Bを打込むことができる。つまり、遊技者がハンドル182に触れずに、何らかの方法でハンドル182を回転させて遊技球Bを遊技領域5a内に打込もうとしても、ハンドルタッチセンサ192が遊技者の接触を検知していないことから、発射ソレノイド542は駆動されず、遊技球Bを打込むことができないようになっている。これにより、遊技者が本来とは異なる方法でハンドル182を回転させて遊技が行われるのを防止することができ、パチンコ機1を設置する遊技ホールに係る負荷(負担)を軽減させることができる。
また、ハンドルユニット180は、遊技者がハンドル182を回転操作中に、単発ボタン193を押圧すると、単発ボタン操作センサ194が単発ボタン193の操作を検知し、払出制御基板633の発射制御部633bによって発射ソレノイド542の駆動が停止させられる。これにより、ハンドル182の回転操作を戻さなくても、遊技球Bの発射を一時的に停止させることができると共に、単発ボタン193の押圧操作を解除することで、単発ボタン193を操作する前の打込強さで再び遊技球Bを遊技領域5a内に打込むことができる。
更に、ハンドルユニット180は、ハンドル182に、四つの第一突起182a、第二突起182b、第三突起182c、及び第四突起182dを備えており、ハンドル182を正面視時計回りの方向へ最も回転させて、遊技球Bを最も強く遊技領域5a内に打込むようにした(所謂、「右打ち」した)時に、第四突起182dが、ハンドル182を回転させていない時の第一突起182aの位置と、略同じ位置となるため、第四突起182dを第一突起182aとしてハンドル182を持ち替えることで、遊技者が楽な状態で「右打ち」の位置でハンドル182を維持させることができ、遊技者の疲労感を軽減させて遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
[3−5.皿ユニットの全体構成]
扉枠3における皿ユニット200について、主に図39乃至図42を参照して詳細に説明する。図39は扉枠の皿ユニットを見た斜視図であり、図40は皿ユニットを後ろから見た斜視図である。図41は皿ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図42は皿ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。皿ユニット200は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面における扉窓101aよりも下側の部位に取付けられる。皿ユニット200は、遊技領域5a内に打込むための遊技球Bを貯留する上皿201と、上皿201の下側に配置されており上皿201やファールカバーユニット150から供給される遊技球Bを貯留可能な下皿202と、を備えている。
皿ユニット200は、上皿201を有しており扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面に取付けられている皿ベースユニット210と、皿ベースユニット210の前面に取付けられており下皿202を有している皿装飾ユニット250と、皿装飾ユニット250及び皿ベースユニット210の前面に取付けられており遊技者が操作可能な演出操作ユニット300と、を備えている。
皿ベースユニット210は、左右に延びた平板状の皿ユニットベース211と、皿ユニットベース211の前面上部に取付けられ上皿201を有している上皿本体212と、上皿本体212の右方に取付けられており前方へ突出している取付ベース213と、取付ベース213の右方に取付けられている皿ユニット中継基板214と、取付ベース213の上面に取付けられている球貸操作ユニット220と、取付ベース213の下方に取付けられている上皿球抜前ユニット230と、上皿球抜前ユニット230の後方に取付けられている上皿球抜後ユニット240と、を備えている。
皿装飾ユニット250は、皿ユニットベース211の前面下部に取付けられており下皿202を有している下皿本体251と、下皿本体251の外周を覆うように皿ユニットベース211の前面に取付けられる皿ユニット本体252と、下皿本体251の下面に取付けられている下皿球抜ユニット260と、皿ユニット本体252の前面上部に左右に離間して夫々取付けられている皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275と、皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275の夫々の下方に取付けられている皿左下装飾ユニット280及び皿右下装飾ユニット285と、を備えている。
演出操作ユニット300は、遊技者が操作可能な演出操作部301として、遊技者が回転操作可能な回転操作部302と、遊技者が押圧操作可能な押圧操作部303と、を備えている。演出操作ユニット300は、皿装飾ユニット250の前面に取付けられる演出操作部カバーユニット310と、演出操作部カバーユニット310に内に収容される操作部ベース320と、操作部ベース320の上面に取付けられており回転操作部302を有している円環状の演出操作リング330と、回転操作部302を回転させる回転駆動ユニット340と、回転駆動ユニット340の回転を回転操作部302に伝達させる操作リング用伝達ギア350と、操作リング用伝達ギア350を回転可能に取付けているギア取付部材351と、を備えている。
また、演出操作ユニット300は、演出操作リング330を発光装飾させる演出操作リング装飾基板352と、演出操作リング装飾基板352の上側を覆う装飾基板カバー353と、操作部ベース320の下面に取付けられている振動スピーカ354と、演出操作リング330の環内に臨むように操作部ベース320に取付けられている演出操作ボタンユニット360と、操作部ベース320の後面に取付けられている操作部中継基板ユニット390と、を備えている。
皿ユニット200は、全体が前方へ膨出しており、左右方向中央において演出操作部301の上面が斜め上前方を向くように演出操作ユニット300が配置されており、上面における演出操作ユニット300の左側に上皿201が演出操作ユニット300の右側に球貸操作ユニット220が配置されていると共に、上皿201の下側で演出操作ユニット300の左側に下皿202が配置されている。
[3−5a.上皿]
皿ユニット200の上皿201について、主に図39乃至図42等を参照して詳細に説明する。上皿201は、皿ユニットベース211と上皿本体212とによって形成されており、正面視左右の中央より左側の方が大きく前方へ膨出し、上方へ開放された容器状に形成されている。上皿201(上皿本体212)は、扉枠3の左右方向の幅に対して左端から右方へ約1/3の部位が最も前方に膨出している。上皿201は、最も膨出した部位から正面視右方へ向かうに従って、前端が後方へ後退しており、前後方向の奥行が遊技球Bの外径よりも若干大きい誘導通路部201a(図46を参照)を有している。上皿201は、誘導通路部201aを含む底面の全体が、右端側が低くなるように傾斜しており、誘導通路部201aの正面視右端側が、球貸操作ユニット220の下方へ潜り込んでいる。
上皿201は、皿ユニット200に組立てた状態で、その底面が、皿ユニットベース211の上皿球供給口211aよりも下側の位置から上皿球送給口211eの上端に対して遊技球Bの外径よりも若干下側の位置へ向かって低くなるように傾斜している。これにより、上皿球供給口211aから前方へ放出された遊技球Bが、上皿201内に受けられて貯留させることができると共に、受けられた遊技球Bを誘導通路部201aの右端側から上皿球送給口211eを通って球送給ユニット140側へ供給させることができる。
なお、誘導通路部201aには、パチンコ機1において電気的に接地(アース)されている金属製のアース金具201bが備えられており、遊技球Bが接触(転動)することで、遊技球Bに帯電した静電気を除去させることができる。
[3−5b.下皿]
皿ユニット200の下皿202について、主に図39乃至図42等を参照して詳細に説明する。下皿202は、上皿201の下方で、正面視おいて皿ユニット200(扉枠3)の左右方向中央よりも左側に配置されている。下皿202は、下皿本体251と皿ユニットベース211とで形成されている。下皿202は、遊技球Bを貯留可能な容器状に形成されており、底壁に上下に貫通し遊技球Bを排出可能とされた下皿球抜孔202aを備えている。下皿202の下皿球抜孔202aは、下皿球抜ユニット260によって開閉可能に閉鎖されている。
下皿202は、平面視の形状が左右に延びた略四角形に形成されており、左右方向中央より左側の前端が右側よりも前方へ突出している。下皿202は、上下に貫通している下皿球抜孔202aが、右端付近の前端付近に配置されている。この下皿202は、底面が下皿球抜孔202aへ向かって低くなるように傾斜している。下皿202の下皿球抜孔202aは、皿ユニット200に組立てた状態で、下皿球供給口211cの前方で演出操作ユニット300の下方に位置している。
下皿202は、下皿球抜孔202aを閉鎖している状態で、下皿球供給口211cから前方へ放出された遊技球Bを貯留することができると共に、下皿球抜孔202aを開放することで貯留されている遊技球Bを皿ユニット200の下方(例えば、ドル箱)へ排出させることができる。また、下皿202の下皿球抜孔202aが開放されている状態では、下皿球抜孔202aが下皿球供給口211cの前方に配置されていることから、下皿球供給口211cから前方へ放出された遊技球Bを、最短距離の移動で速やかに下皿球抜孔202aから下方へ排出させることができる。
[3−5c.皿ベースユニット]
皿ユニット200における皿ベースユニット210について、主に図43乃至図46を参照して詳細に説明する。図43は皿ユニットにおける皿ベースユニットを前から見た斜視図であり、図44は皿ユニットにおける皿ベースユニットを後ろから見た斜視図である。また、図45は皿ベースユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図46は皿ベースユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。皿ベースユニット210は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面における扉窓101aの下方に取付けられると共に、前面に、皿装飾ユニット250及び演出操作ユニット300が取付けられるものである。
皿ベースユニット210は、扉枠ベースユニット100の前面下部に取付けられ左右に延びた平板状の皿ユニットベース211と、皿ユニットベース211の前面上部に取付けられ上皿201を有している上皿本体212と、皿ユニットベース211の前面上部における上皿本体212の右方に取付けられており前方へ突出している取付ベース213と、皿ユニットベース211の前面で取付ベース213の右方に取付けられている皿ユニット中継基板214と、を備えている。
また、皿ベースユニット210は、取付ベース213の上面に取付けられている球貸操作ユニット220と、取付ベース213の下方で皿ユニットベース211の前面に取付けられている上皿球抜前ユニット230と、上皿球抜前ユニット230の後方で皿ユニットベース211の後側に取付けられている上皿球抜後ユニット240と、を備えている。
[3−5c−1.皿ユニットベース]
皿ベースユニット210の皿ユニットベース211について、主に図45及び図46を参照して詳細に説明する。皿ユニットベース211は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面における扉窓101aの下方に取付けられ、扉枠ベース101の全幅に亘って左右に延びた平板状(後方が開放された浅い箱状)に形成されている。
皿ユニットベース211は、正面視左上隅付近で前後に貫通していると共に後方へ筒状に延びている上皿球供給口211aと、上皿球供給口211aの下方で前後に貫通しており前側にパンチングメタルが取付けられているスピーカ口211bと、正面視左右中央に対して左寄りの下部において前後に貫通していると共に後方へ筒状に延びている下皿球供給口211cと、下皿球供給口211cの後方へ筒状に延びている部位の右側壁において遊技球Bが通過可能な大きさに切欠かれている切欠部211dと、下皿球供給口211cの正面視右上側で前後に貫通していると共に上下に延びており上部が上皿本体212の右端に位置する上皿球送給口211eと、を備えている。
また、皿ユニットベース211は、上皿球送給口211eの右方で前方へ突出しており取付ベースが載置される載置突部211fと、上皿球送給口211eの左方で上皿本体の下方において前後に貫通しており上皿球抜後ユニット240における上皿球抜スライダ242の作動伝達部242bが挿通されるスライダ挿通口211gと、正面視右下隅で前後に貫通しており扉枠ベースユニット100のハンドル取付部材102の筒部102aが挿通されるハンドル挿通口211hと、正面視右隅付近で前後に貫通しておりシリンダ錠130のシリンダ本体131が挿通されるシリンダ挿通口211iと、を備えている。
皿ユニットベース211の上皿球供給口211aは、扉枠3に組立てた状態で、前端が上皿201の後壁に開口し、筒状の後端が扉枠ベース101の上皿用球通過口101gを前側から貫通してファールカバーユニット150の貫通球通路150aの前端と接続している。これにより、払出ユニット560の払出装置580から払出された遊技球Bが、上皿球供給口211aを通って上皿201内に供給(払出)される。
下皿球供給口211cは、扉枠3に組立てた状態で、前端が下皿202の後壁に開口し、筒状の後端が扉枠ベース101の下皿用球通過口101fを前側から貫通してファールカバーユニット150の球放出口150dの前端と接続している。これにより、ファールカバーユニット150の貯留通路150e内を流通する遊技球Bが、下皿球供給口211cを通って下皿202内に供給される。また、下皿球供給口211cの筒状に延びている部位に形成されている切欠部211dには、上皿球抜後ユニット240の後ベース241における球抜誘導路241cの下流端が接続されている。これにより、上皿201に貯留されている遊技球Bが、上皿球抜ボタン222の操作により、上皿球送給口211e、球送給ユニット140の進入口141a及び球抜口141b、上皿球抜後ユニット240の球送給誘導路241b及び球抜誘導路241c、及び切欠部211dを介して、下皿球供給口211cから下皿202内に排出される。
上皿球送給口211eは、皿ベースユニット210に組立てた状態で、上皿球抜後ユニット240における後ベース241の球受口241aの前方に位置しており、上皿201内の遊技球Bが、上皿球抜後ユニット240の球受口241aから球送給誘導路241bへ供給される。
[3−5c−2.上皿本体]
皿ベースユニット210の上皿本体212について、主に図45及び図46等を参照して詳細に説明する。上皿本体212は、皿ユニットベース211の前面に取付けられ、皿ユニットベース211と協働して上皿201を形成するものである。上皿本体212は、上方及び後方が開放された容器状(皿状)に形成されている。上皿本体212は、左右に延びており、正面視左右の中央より左側の方が大きく前方へ膨出している。上皿本体212は、最も前方へ膨出した部位から正面視右方へ向かうに従って、前端が後方へ後退しており、前後方向の奥行が遊技球Bの外径よりも若干大きい幅に形成されている。上皿本体212の底面は、右端が最も低くなるように傾斜している。上皿本体212は、右端付近の上方が閉鎖されている。
上皿本体212は、皿ユニット200に組立てた状態で、右端付近の上方が閉鎖されている部位が、球貸操作ユニット220の下方に潜り込むように取付けられている。また、上皿本体212は、上部における左右方向の中間部に、演出操作ユニット取付部212aが形成されており、この演出操作ユニット取付部212aに演出操作ユニット300の一部が取付けられる。
[3−5c−3.取付ベース]
皿ベースユニット210の取付ベース213について、主に図45及び図46を参照して詳細に説明する。取付ベース213は、皿ユニットベース211の載置突部211fの上面に載置された状態で皿ユニットベース211の前面に取付けられると共に、上側に球貸操作ユニット220が取付けられるものである。取付ベース213は、上方が開放された浅い箱状に形成されている。取付ベース213は、左端付近において上下に貫通している挿通口213aと、後端右隅において上下に貫通している貫通口213bと、を備えている。
取付ベース213の挿通口213aは、上皿球抜前ユニット230の前スライダ232が挿通されるものである。また、貫通口213bは、球貸操作ユニット220と扉枠主中継基板104とを接続するための配線ケーブルが挿通されるものである。
[3−5c−4.皿ユニット中継基板]
皿ベースユニット210の皿ユニット中継基板214は、扉枠ベースユニット100における扉枠副中継基板105と、皿左上装飾基板273、皿右上装飾基板278、皿左下装飾基板283、皿右下装飾基板288、及び操作部中継基板392との接続を中継するためのものである。皿ユニット中継基板214は、皿ユニットベース211の前面における載置突部211fより右側に取付けられる。この皿ユニット中継基板214は、皿ユニットベース211に取付けた状態では、後面が皿ユニットベース211の後側に臨んでいる。
[3−5c−5.球貸操作ユニット]
皿ベースユニット210の球貸操作ユニット220について、主に図39乃至図46等を参照して詳細に説明する。球貸操作ユニット220は、取付ベース213を介して皿ユニットベース211の前面に取付けられている。この球貸操作ユニット220は、上皿201に貯留されている遊技球Bを下皿202へ排出したり、パチンコ機1に隣接して設けられた球貸機(図示は省略)に対して現金やプリペイドカードを投入した上で、所定数の遊技球Bを皿ユニット200の上皿201内へ貸出したり、球貸機に投入された現金やプリペイドカードの残量を表示したり、球貸機に投入された現金やプリペイドカードを貸出された遊技球Bの分を差し引いて返却したり、するためのものである。
球貸操作ユニット220は、取付ベース213の上側に取付けられるベース部221と、ベース部221の上面の左端付近に配置されている上皿球抜ボタン222と、ベース部221の上面における上皿球抜ボタン222の右方に配置されており透光性を有した円盤状の球貸操作ベース223と、球貸操作ベース223の前部左側に配置されている球貸ボタン224と、球貸操作ベース223の前部右側に配置されている返却ボタン225と、球貸操作ベース223の後部下方に配置されている球貸表示部(図示は省略)と、を備えている。
上皿球抜ボタン222は、ベース部221の上面から円柱状に上方へ突出しており、遊技者が押圧操作することで下方へ移動することができる。球貸ボタン224は、円形状に形成されている。返却ボタン225は、三角形状に形成されている。球貸表示部は、三つの7セグメントLEDにより構成されており、発光している状態で透明な球貸操作ベース223を通して視認することができる。
球貸操作ユニット220は、上皿球抜ボタン222を押圧操作することで、上皿201に貯留されている遊技球Bを下皿へ排出することができる。また、球貸機に現金や残金のあるプリペイドカードを投入した上で、球貸ボタン224を押圧操作すると、所定数の遊技球Bが上皿201に供給される。返却ボタン225を押圧操作すると、球貸機に投入されている現金やプリペイドカードに対して、貸出された遊技球Bの分を差し引いて返却する。球貸表示部には、球貸機に投入されている現金やプリペイドカードの残量が表示される。また、球貸表示部には、球貸機が故障した時にエラーコードが表示される。
[3−5c−6.上皿球抜前ユニット及び上皿球抜後ユニット]
皿ベースユニット210における上皿球抜前ユニット230及び上皿球抜後ユニット240について、主に図45及び図46等を参照して詳細に説明する。上皿球抜前ユニット230及び上皿球抜後ユニット240は、球貸操作ユニット220の上皿球抜ボタン222が押圧操作された時に、球送給ユニット140と協働して、上皿201内に貯留されている遊技球Bを下皿202へ排出させるためのものである。
上皿球抜前ユニット230は、皿ユニットベース211の前面における載置突部211fの左方で球貸操作ユニット220の下方に取付けられる。上皿球抜後ユニット240は、皿ユニットベース211の後面における上皿球抜前ユニット230の後方となる部位に取付けられる。
上皿球抜前ユニット230は、皿ユニットベース211の前面に取付けられており上下に延びた筒状の前ベース231と、前ベース231の筒内に上下方向へ移動可能に挿入されている前スライダ232と、を備えている。前ベース231は、皿ユニットベース211の前面における上皿球送給口211e及びスライダ挿通口211gの前方付近に取付けられている。前スライダ232は、上下に延びており、上端が上皿球抜ボタン222の下端と当接していると共に、下端が上皿球抜後ユニット240の上皿球抜スライダ242の作動受部242aの上面と当接している。
上皿球抜後ユニット240は、上皿球送給口211e及びスライダ挿通口211gを後方から閉鎖するように皿ユニットベース211の後面に取付けられる後ベース241と、後ベース241の前面に上下方向へスライド可能に取付けられている上皿球抜スライダ242と、上皿球抜スライダ242を上方へ付勢しているバネ243と、後ベース241の後側に取付けられている後カバー244と、を備えている。
後ベース241は、上皿球抜スライダ242をスライド可能に取付ける部位から上方へ突出していると共に前方へ向かって開口しており遊技球Bが通過可能な球受口241aと、球受口241aに受け入れられた遊技球Bを後ベース241の後面において下方へ誘導した後に後方へ誘導する球送給誘導路241bと、後ベース241の後面において球送給誘導路241bよりも下側の位置から遊技球Bを下方へ誘導した後に背面視右方へ誘導する球抜誘導路241cと、を備えている。
球受口241aは、皿ベースユニット210に組立てた状態で、上皿201の誘導通路部201a下流端(正面視右端)において、皿ユニットベース211の上皿球送給口211eを通して前方へ向かって開口する位置に形成されている。球送給誘導路241bは、扉枠3に組立てた状態で、下部の後方に球送給ユニット140の進入口141aが位置するように形成されている。これにより、上皿201に供給された遊技球Bが、球受口241a及び球送給誘導路241bを通って球送給ユニット140の進入口141aに進入するようになっている。
球抜誘導路241cの左右に延びている部位は、上皿球抜スライダ242をスライド可能に取付けている部位よりも背面視右方へ突出していると共に、背面視右端側が低くなるように傾斜しており、背面視右側面に開口している。球抜誘導路241cの左右に延びている部位は、後側が後カバー244によって閉鎖される。球抜誘導路241cは、扉枠3に組立てた状態で、球送給誘導路241bの下方で上下に延びている部位の上部が、球送給ユニット140の球抜口141bの前方に位置すると共に、左右に延びている部位の背面視右端が皿ユニットベース211における下皿球供給口211cの切欠部211dに接続されるように形成されている。これにより、球送給ユニット140の球抜口141bから排出された遊技球Bは、球抜誘導路241c及び切欠部211dを介して下皿球供給口211cから下皿202内へ放出される。
上皿球抜スライダ242は、正面視の形状が四角形に形成されており、左上隅から前方へ突出している作動受部242aと、作動受部242aの後側となる後面から後方へ突出している作動伝達部242bと、を備えている。作動受部242aは、上面が平坦に形成されている。また、作動伝達部242bは、上面が後方へ向かうに従って下方へ位置するように傾斜しており、上面の後端と繋がるように下面が水平に延びている。
上皿球抜スライダ242は、扉枠3に組立てた状態で、作動受部242aが、皿ユニットベース211のスライダ挿通口211gを後側から貫通して前方へ突出していると共に、作動受部242aの上面に上皿球抜前ユニット230の前スライダ232の下端が当接している。また、上皿球抜スライダ242は、扉枠3に組立てた状態で、作動伝達部242bが、後ベース241の後方に突出していると共に、上面に球送給ユニット140の球抜部材143における作動棹143cが当接している。
バネ243は、上端が後ベース241に取付けられていると共に、下端が上皿球抜スライダ242に取付けられており、上皿球抜スライダ242を上方へ付勢している。従って、上皿球抜スライダ242は、バネ243の付勢力により上方への移動端に位置しており、バネ243の付勢力に抗することで下方へ移動することができる。
上皿球抜前ユニット230及び上皿球抜後ユニット240は、バネ243の付勢力により、上皿球抜スライダ242が上方への移動端に位置させていると共に、上皿球抜スライダ242の作動受部242aの上面に当接している前スライダ232を介して上皿球抜ボタン222を上方へ移動端に位置させている。また、バネ243の付勢力により、上皿球抜スライダ242が上方への移動端に位置させていることから、作動伝達部242bの上面に当接している作動棹143cの下方への移動を阻止しており、球抜部材143の仕切部143aを進入口141aと球抜口141bとの間に位置させて、両者の間を仕切っている。
従って、上皿球抜ボタン222を押圧していない状態では、球送給ユニット140において進入口141aと球抜口141bとの間が仕切られており、上皿201から球受口241aへ送られた遊技球Bを、進入口141a及び球送給部材144を介して打球供給口142aから球発射装置540側へ送ることができる。
一方、上皿球抜ボタン222を、バネ243の付勢力に抗して下方へ押圧すると、前スライダ232を介して上皿球抜スライダ242が下方へ移動し、上皿球抜スライダ242の作動伝達部242bの上面に当接している球抜部材143の作動棹143cが下方へ移動できるようになり、球抜部材143の錘部143dの荷重により球抜部材143が回動して仕切部143aが進入口141aと球抜口141bとの間から後退する。これにより、上皿201から球受口241a及び球送給誘導路241bを通って進入口141aに進入した遊技球Bが、進入口141aの下方に開口している球抜口141bから前方へ排出されることとなる。そして、球抜口141bから前方へ排出された遊技球Bは、球抜誘導路241cを通って切欠部211dから下皿球供給口211c内へ誘導された後に、下皿球供給口211cから下皿202内へ放出され、上皿201内の遊技球Bが下皿202内へ排出されることとなる。
上皿球抜ボタン222の下方への押圧を解除すると、バネ243の付勢力により上皿球抜スライダ242が上方へ移動し、作動受部242aと当接している前スライダ232を介して上皿球抜ボタン222が上昇すると共に、作動伝達部242bと当接している作動棹143cにより球抜部材143が回動して進入口141aと球抜口141bとの間に仕切部143aが位置して元の状態に復帰することとなる。
このように、上皿球抜前ユニット230及び上皿球抜後ユニット240によって、上皿201内の遊技球Bを、球送給ユニット140を介して球発射装置540側へ送給したり、下皿202側へ排出したりすることができる。
[3−5d.皿装飾ユニット]
皿ユニット200における皿装飾ユニット250について、主に図47乃至図50等を参照して詳細に説明する。図47は皿ユニットにおける皿装飾ユニットを前から見た斜視図であり、図48は皿装飾ユニットを後ろから見た斜視図である。また、図49は皿装飾ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図50は皿装飾ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。皿装飾ユニット250は、下皿202を有しており皿ベースユニット210の前面に取付けられると共に、左右方向中央に前方から演出操作ユニット300が取付けられるものである。皿装飾ユニット250は、皿ユニット200の略全体を装飾している。
皿装飾ユニット250は、皿ユニットベース211の前面下部に取付けられ皿ユニットベース211と協働して下皿202を形成する下皿本体251と、下皿本体251の外周を覆うように皿ユニットベース211の前面に取付けられる皿ユニット本体252と、下皿本体251の下面に取付けられている下皿球抜ユニット260と、皿ユニット本体252の前面上部に左右に離間して夫々取付けられている皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275と、皿ユニット本体252の全面で皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275の夫々の下方に取付けられている皿左下装飾ユニット280及び皿右下装飾ユニット285と、を備えている。
[3−5d−1.下皿本体]
皿装飾ユニット250における下皿本体251について、主に図47乃至図50等を参照して詳細に説明する。下皿本体251は、皿ベースユニット210の皿ユニットベース211と協働して下皿202を形成するものである。下皿本体251は、左右に延びていると共に、上方及び後方が開放された容器状(皿状)に形成されている。この下皿本体251は、皿ユニットベース211の前面下部における左右方向中央より左側の部位に、開放されている後方が閉鎖されるように取付けられる。
下皿本体251は、平面視の形状が左右に延びた略四角形に形成されており、左右方向中央より左側の前端が右側よりも前方へ突出している。下皿本体251には、平面視において、右端の前端付近において、上下に貫通している下皿球抜孔202aが形成されている。下皿本体251は、底面が、下皿球抜孔202aへ向かって低くなるように傾斜している。下皿球抜孔202aは、下皿球抜ユニット260の下皿球抜蓋265によって開閉可能に閉鎖される。
下皿本体251は、皿装飾ユニット250に組立てた状態で、外周と下面の一部とが皿ユニット本体252に覆われた状態となる。また、下皿本体は、皿ユニット200に組立てた状態で、底面が皿ユニットベース211の下皿球供給口211cよりも下方に位置していると共に、下皿球抜孔202aが下皿球供給口211cの前方に位置している。これにより、下皿球供給口211cから前方へ放出された遊技球Bを、貯留することができる。
[3−5d−2.皿ユニット本体]
皿装飾ユニット250における皿ユニット本体252について、主に図47乃至図50等を参照して詳細に説明する。皿ユニット本体252は、皿ベースユニット210における皿ユニットベース211の前面に取付けられ、皿ユニット200の前面を装飾するものである。皿ユニット本体252は、上部側では左右方向の中央が前方へ突出するように膨出しており、下部側では左右方向の左側が前方へ突出するように膨出している。また、皿ユニット本体252は、上面が、左右方向の中央が最も低くなるように湾曲している。皿ユニット本体252は、後方へ開放された箱状に形成されている。
皿ユニット本体252は、上部において左右両端から左右方向中央へ向かうに従って前方へ膨出していると共に下方へ延びており左右に離間している上部サイド膨出部252aと、下部において左右方向中央より左側が下皿本体251の外周を被覆するように前方へ膨出している下部前面装飾部252bと、下部前面装飾部252bの下端から後方へ平板状に延びている底板部252cと、を備えている。
左右の上部サイド膨出部252aは、後方が開放された箱状に形成されており、夫々の前面に皿左上装飾ユニット270及び皿左下装飾ユニット280と皿右上装飾ユニット275及び皿右下装飾ユニット285が取付けられる。左側の上部サイド膨出部252aは、下面の右端が下部前面装飾部252bと接続されている。また、右側の上部サイド膨出部252aは、下端が下部前面装飾部252bと接続されている。
皿ユニット本体252は、左側の上部サイド膨出部252aと下部前面装飾部252bとの間で前後に貫通している下皿開口部252dが形成されている。下皿開口部252dは、遊技者の手指が挿入可能な大きさで、左方へ向かうに従って上下が広くなるように形成されている。下皿開口部252dは、下皿本体251と左側の上部サイド膨出部252aの下面とによって、前後に延びた筒状に形成されている。
また、皿ユニット本体252は、下部前面装飾部252bにおける下皿本体251の外周を被覆している部位の前面下端から上方へ切欠かれている前面切欠部252eと、底板部252cにおける下皿本体251の下方となる部位において切欠かれている底面切欠部252fと、を備えている。前面切欠部252e及び底面切欠部252fには、下皿球抜ユニット260が挿入される。
更に、皿ユニット本体252は、下部前面装飾部252bの右下隅において前後に貫通しておりハンドル取付部材102の筒部102aが挿通されるハンドル挿通口252gと、ハンドル挿通口252gの上方で下部前面装飾部252bを前後に貫通しておりシリンダ錠130のシリンダ本体131が挿通されるシリンダ挿通口252hと、左右方向中央となる一対の上部サイド膨出部252aの間に形成されており演出操作ユニット300が取付けられる演出操作ユニット取付部252iと、を備えている。演出操作ユニット取付部252iは、皿ユニット本体252の左右方向の幅の約1/3の幅に形成されている。
皿ユニット本体252は、皿ユニット200に組立てた状態で、皿ベースユニット210の前面を全体的に覆うように形成されており、下皿開口部252dを通してスピーカ口211bが前方へ臨んだ状態となる。また、皿装飾ユニット250に組立てた状態では、前面切欠部252eから下皿球抜ユニット260の下皿球抜ボタン263が前方へ臨むと共に、下皿球抜ユニット260の下皿球抜ベース261が底面切欠部252fを閉鎖して下面同士が同一面上の状態となる。
[3−5d−3.下皿球抜ユニット]
皿装飾ユニット250における下皿球抜ユニット260について、主に図47乃至図50等を参照して詳細に説明する。下皿球抜ユニット260は、下皿本体251の下面に取付けられ、下皿球抜孔202aを開閉させることで、下皿202に遊技球Bを貯留させたり、下皿202から遊技球Bを排出させたりするためのものである。
下皿球抜ユニット260は、下皿本体251の下面に取付けられており平面視右前隅に上下に貫通している貫通孔を有した平板状の下皿球抜ベース261と、下皿球抜ベース261の上面側において前後へスライド可能に取付けられているスライダ262と、スライダ262の前端に取付けられている下皿球抜ボタン263と、スライダ262を前方へ付勢しているバネ264と、スライダ262の前後方向への移動によって貫通孔を開閉する下皿球抜蓋265と、スライダ262を介して下皿球抜蓋265を開状態に保持する保持機構266と、を備えている。
下皿球抜ベース261は、皿ユニット本体252の底面切欠部252fを閉鎖する大きさに形成されており、下皿202(下皿本体251)の下皿球抜孔202aと一致する位置に上下に貫通している貫通孔が形成されている。下皿球抜ベース261の貫通孔は、下皿球抜孔202aと同じ大きさに形成されている。スライダ262は、前後に延びた平板状に形成されており、下皿球抜ベース261における左右方向中央から左寄りの部位に、前後へスライド可能に取付けられている。スライダ262は、上方へ円柱状に突出している突ピンを備えている。
下皿球抜蓋265は、左端側が、スライダ262よりも左方の位置で、上下に延びた軸周りに対して回転可能に下皿球抜ベース261に取付けられており、右端側が、スライダ262を越えて右方へ延出しており右端側が貫通孔を閉鎖可能に形成されている。下皿球抜蓋265には、スライダ262の突ピンが摺動可能に挿入される左右に延びたスリットが形成されている。
下皿球抜ユニット260は、皿装飾ユニット250に組立てた状態で、下皿球抜ベース261が皿ユニット本体252の底面切欠部252fを閉鎖していると共に、下皿球抜ベース261の下面が底板部252cの下面と同一面上に位置している。また、下皿球抜ボタン263が、皿ユニット本体252の前面切欠部252eから前方に臨んでいる。下皿球抜ユニット260は、通常の状態では、スライダ262がバネ264の付勢力により前方側の移動端に位置していると共に、下皿球抜蓋265の右端側が貫通孔の直上に位置しており、貫通孔(下皿球抜孔202a)を閉鎖している。
この通常の状態では、下皿球抜孔202aが下皿球抜蓋265によって閉鎖されており、下皿202に遊技球Bを貯留させることができる。また、通常の状態では、下皿球抜ボタン263の前面が、下部前面装飾部252bの前面における前面切欠部252eの周囲の前面と略一致している。
通常の状態において、下皿球抜ボタン263を後方へ押圧して、バネ264の付勢力に抗して後方へ移動させると、下皿球抜ボタン263と伴にスライダ262が後方へ移動することとなる。このスライダ262が後方へ移動することで、スライダ262の突ピンがスリットを介して下皿球抜蓋265を後方へ押圧し、下皿球抜蓋265が左端側を中心にして右端側が後方へ移動する方向へ回動することとなる。そして、貫通孔の直上に位置していた下皿球抜蓋265の右端側が、貫通孔の位置から後方へ移動することで、貫通孔が開放されて下皿球抜孔202aが開いた状態となり、下皿球抜孔202aを通して下皿202内の遊技球Bを皿ユニット200の下方へ排出させることができる。
なお、下皿球抜ボタン263の押圧によりスライダ262を後方へ移動させると、スライダ262の後端が保持機構266によって保持されるようになっており、下皿球抜ボタン263の押圧を解除しても、スライダ262がバネ264の付勢力によって前方へ移動することはない。これにより、下皿球抜蓋265の右端側が後方へ回動したままの状態となり、下皿球抜孔202aが開放されたままの状態で維持され、下皿202内の遊技球Bを連続して下方へ排出させることができる。
この状態から下皿球抜孔202aを閉鎖するには、下部前面装飾部252bの前面よりも後退している下皿球抜ボタン263を後方へ押圧すると、保持機構266によるスライダ262の保持が解除される。そして、下皿球抜ボタン263の押圧を放すと、スライダ262がバネ264の付勢力により前方へ移動し、下皿球抜ボタン263の前面が下部前面装飾部252bの前面と一致した状態に復帰すると共に、下皿球抜蓋265が回動して右端側が貫通孔の直上に位置し、下皿球抜孔202aが下皿球抜蓋265により閉鎖された状態となる。これにより、下皿202内に遊技球Bを貯留させることができる。
[3−5d−4.皿左上装飾ユニット及び皿右上装飾ユニット]
皿装飾ユニット250における皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275について、主に図47乃至図50等を参照して詳細に説明する。皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275は、皿ユニット本体252の上部サイド膨出部252aにおける前面の上部に取付けられる。皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275は、皿ユニット200の上部で演出操作ユニット300の左右両側を装飾するものである。
皿左上装飾ユニット270は、半円筒状で左右に延びており透光性を有している皿左上装飾体271と、皿左上装飾体271の後側に取付けられている皿左上リフレクタ272と、皿左上リフレクタ272の後側に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている皿左上装飾基板273と、を備えている。
皿左上装飾体271は、左端から右端へ向かうに従って、前方へ移動すると共に下方へ移動するように曲線状に延びており、左側の上部サイド膨出部252aの上部に取付けられる。皿左上装飾体271は、前方へ膨出した半円弧が、左端では中心軸が斜め左上に延びていると共に、右端では中心軸が左右に延びており、半円筒が捩れているような形状に形成されている。この皿左上装飾体271は、乳白色に形成されている。
皿左上リフレクタ272は、皿左上装飾体271の内部に後方から挿入されており、皿左上装飾基板273のLEDと対応している部位に貫通孔が形成されている。皿左上装飾基板273に実装されている複数のLEDは、フルカラーLEDとされており、発光させることで、皿左上装飾体271を発光装飾させることができる。
皿左上装飾ユニット270は、扉枠3に組立てた状態で、左端が扉枠左サイドユニット400の下端と連続し、右端が演出操作ユニット300におけるユニット前カバー312の皿中央上装飾体312aの左端と連続している。皿左上装飾ユニット270は、皿左上装飾体271において長手方向の途中にリブを有していないことから、皿左上装飾基板273の複数のLEDを発光させると、皿左上装飾体271の前面全体を略均一に発光装飾させることができ、蛍光灯が埋め込まれているように見せることができる。
皿右上装飾ユニット275は、半円筒状で左右に延びており透光性を有している皿右上装飾体276と、皿右上装飾体276の後側に取付けられている皿右上リフレクタ277と、皿右上リフレクタ277の後側に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている皿右上装飾基板278と、を備えている。
皿右上装飾体276は、右端から左端へ向かうに従って、前方へ移動すると共に下方へ移動するように曲線状に延びており、右側の上部サイド膨出部252aの上部に取付けられる。皿右上装飾体276は、前方へ膨出した半円弧が、右端では中心軸が斜め右上に延びていると共に、左端では中心軸が左右に延びており、半円筒が捩れているような形状に形成されている。この皿右上装飾体276は、乳白色に形成されている。
皿右上リフレクタ277は、皿右上装飾体276の内部に後方から挿入されており、皿右上装飾基板278のLEDと対応している部位に貫通孔が形成されている。皿右上装飾基板278に実装されている複数のLEDは、フルカラーLEDとされており、発光させることで、皿右上装飾体276を発光装飾させることができる。
皿右上装飾ユニット275は、扉枠3に組立てた状態で、右端が扉枠右サイドユニット410の下端と連続し、左端が演出操作ユニット300におけるユニット前カバー312の皿中央上装飾体312aの右端と連続している。皿右上装飾ユニット275は、皿右上装飾体276において長手方向の途中にリブを有していないことから、皿右上装飾基板278の複数のLEDを発光させると、皿右上装飾体276の前面全体を略均一に発光装飾させることができ、蛍光灯が埋め込まれているように見せることができる。
皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275は、扉枠3に組立てた状態で、皿装飾ユニット250の皿ユニット本体252における上部サイド膨出部252aの前端よりも一部が上方へ突出しており、上部サイド膨出部252aとの間で皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275側が高くなった段差を形成することができる。これにより、皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275と上部サイド膨出部252aとの段差を利用して、遊技者が指を引掛けることができ、上皿201内の遊技球Bを均したり、後述する演出操作部301を操作したり、する際の指掛りとすることができる。また、皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275と上部サイド膨出部252aとの段差により、上部サイド膨出部252a上の遊技球Bが、前方へ流出することを防止することができる。
[3−5d−5.皿左下装飾ユニット及び皿右下装飾ユニット]
皿装飾ユニット250における皿左下装飾ユニット280及び皿右下装飾ユニット285について、主に図47乃至図50等を参照して詳細に説明する。皿左下装飾ユニット280及び皿右下装飾ユニット285は、皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275に夫々沿って延びるように、皿ユニット本体252の上部サイド膨出部252aにおける前面の下部に取付けられる。皿左下装飾ユニット280及び皿右下装飾ユニット285は、皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275と協働して、皿ユニット200の前面と演出操作ユニット300の左右両側を装飾するものである。
皿左下装飾ユニット280は、半円筒状で左右に延びており透光性を有している皿左下装飾体281と、皿左下装飾体281の後側に取付けられている皿左下リフレクタ282と、皿左下リフレクタ282の後側に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている皿左下装飾基板283と、を備えている。
皿左下装飾体281は、左端から右端へ向かうに従って、前方へ移動すると共に下方へ移動するように曲線状に延びていると共に、平面視において後方に中心を有した円弧状に延びており、左側の上部サイド膨出部252aの下部に取付けられる。皿左下装飾体281は、皿左上装飾体271及び皿右上装飾体276よりも小さい半径で前方へ膨出した半円弧が、左端では中心軸がやや斜め左上後方に延びていると共に、右端では中心軸が左右に延びており、半円筒が曲げられているような形状に形成されている。皿左下装飾体281は、左端が球面状に形成されている。皿左下装飾体281は、左端側へ向かうに従って細くなるように半円弧の曲率が変化している。この皿左下装飾体281は、乳白色に形成されている。
皿左下リフレクタ282は、皿左下装飾体281の内部に後方から挿入されており、皿左下装飾基板283のLEDと対応している部位に貫通孔が形成されている。皿左下装飾基板283に実装されている複数のLEDは、フルカラーLEDとされており、発光させることで、皿左下装飾体281を発光装飾させることができる。
皿左下装飾ユニット280は、扉枠3に組立てた状態で、左端が皿左上装飾ユニット270の左端の下方に位置し、右端が演出操作ユニット300におけるユニット前カバー312の皿中央下装飾体312bの左端と連続している。皿左下装飾ユニット280は、皿左下装飾体281の左端が球面状に形成されていることから、左端が扉枠3内へ潜り込んでいるように見える。皿左下装飾ユニット280は、皿左下装飾体281において長手方向の途中にリブを有していないことから、皿左下装飾基板283の複数のLEDを発光させると、皿左下装飾体281の前面全体を略均一に発光装飾させることができ、蛍光灯が埋め込まれているように見せることができる。
皿右下装飾ユニット285は、半円筒状で左右に延びており透光性を有している皿右下装飾体286と、皿右下装飾体286の後側に取付けられている皿右下リフレクタ287と、皿右下リフレクタ287の後側に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている皿右下装飾基板288と、を備えている。
皿右下装飾体286は、右端から左端へ向かうに従って、前方へ移動すると共に下方へ移動するように曲線状に延びていると共に、平面視において後方に中心を有した円弧状に延びており、右側の上部サイド膨出部252aの下部に取付けられる。皿右下装飾体286は、皿左上装飾体271及び皿右上装飾体276よりも小さい半径で前方へ膨出した半円弧が、右端では中心軸がやや斜め右上後方に延びていると共に、左端では中心軸が左右に延びており、半円筒が曲げられているような形状に形成されている。皿右下装飾体286は、右端が球面状に形成されている。皿右下装飾体286は、右端側へ向かうに従って細くなるように半円弧の曲率が変化している。この皿右下装飾体286は、乳白色に形成されている。
皿右下リフレクタ287は、皿右下装飾体286の内部に後方から挿入されており、皿右下装飾基板288のLEDと対応している部位に貫通孔が形成されている。皿右下装飾基板288に実装されている複数のLEDは、フルカラーLEDとされており、発光させることで、皿右下装飾体286を発光装飾させることができる。
皿右下装飾ユニット285は、扉枠3に組立てた状態で、右端が皿右上装飾ユニット275の右端の下方に位置し、左端が演出操作ユニット300におけるユニット前カバー312の皿中央下装飾体312bの右端と連続している。皿右下装飾ユニット285は、皿右下装飾体286の右端が球面状に形成されていることから、右端が扉枠3内へ潜り込んでいるように見える。皿右下装飾ユニット285は、皿右下装飾体286において長手方向の途中にリブを有していないことから、皿右下装飾基板288の複数のLEDを発光させると、皿右下装飾体286の前面全体を略均一に発光装飾させることができ、蛍光灯が埋め込まれているように見せることができる。
[3−5e.演出操作ユニットの全体構成]
皿ユニット200における演出操作ユニット300の全体構成について、主に図51乃至図54等を参照して詳細に説明する。図51は、皿ユニットにおける演出操作ユニットを演出操作ボタンの進退方向から見た平面図である。図52(a)は演出操作ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は演出操作ユニットを後ろから見た斜視図である。図53は演出操作ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図54は演出操作ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。演出操作ユニット300は、皿ユニット200における左右方向中央に備えられており、皿ユニット200を装飾していると共に、遊技者参加型演出が実行された際に遊技者が操作して演出に参加することができるものである。演出操作ユニット300は、皿ベースユニット210と皿装飾ユニット250とに取付けられている。
演出操作ユニット300は、遊技者が操作可能な演出操作部301を備えている。演出操作部301は、遊技者が回転操作可能な回転操作部302と、遊技者が押圧操作可能な押圧操作部303と、から構成され、遊技者の操作を受付けたり、回転操作部302を可動したりすることができ、遊技者に対して遊技球の打込操作だけでなく、遊技中の演出にも参加することができるようにするものである。演出操作部301は、回転操作部302が、外径に対して約3/5の大きさの内径を有した円環状に形成されており、その環内に押圧操作部303が配置されている。押圧操作部303は、回転操作部302の中心に配置され、回転操作部302の内径の半分よりも若干大きい直径の中央押圧操作部303aと、中央押圧操作部303aの外周と回転操作部302の内周との間に配置されている円環状の外周押圧操作部303bとで構成されている。
演出操作ユニット300は、皿装飾ユニット250の前面に取付けられる演出操作部カバーユニット310と、演出操作部カバーユニット310に内に収容される操作部ベース320と、操作部ベース320の上面に取付けられており回転操作部302を有している円環状の演出操作リング330と、演出操作リング330の回転操作部302を回転させる回転駆動ユニット340と、回転駆動ユニット340と演出操作リング330の回転操作部302との間で回転を伝達させる操作リング用伝達ギア350と、操作リング用伝達ギア350を回転可能に操作部ベース320に取付けているギア取付部材351と、を備えている。
また、演出操作ユニット300は、演出操作リング330の下方で操作部ベース320の上面に取付けられており上面に複数のLEDが実装されている演出操作リング装飾基板352と、演出操作リング装飾基板352の上側を覆うように操作部ベース320に取付けられている装飾基板カバー353と、操作部ベース320の下面に取付けられている振動スピーカ354と、演出操作リング330の環内に臨むように操作部ベース320に取付けられている演出操作ボタンユニット360と、操作部ベース320の後面に取付けられている操作部中継基板ユニット390と、を備えている。
[3−5e−1.演出操作部カバーユニット]
演出操作ユニット300の演出操作部カバーユニット310について、主に図53及び図54等を参照して詳細に説明する。演出操作部カバーユニット310は、皿装飾ユニット250の皿ユニット本体252の演出操作ユニット取付部252iに取付けられ、皿ユニット200の左右方向中央で演出操作ユニット300の前面を装飾するものである。演出操作部カバーユニット310は、上方及び後方が開放された容器状に形成されている。
演出操作部カバーユニット310は、下方へ窪んだ半球状のユニット下カバー311と、ユニット下カバー311の前側上端に取付けられており前方へ膨出した半円環状のユニット前カバー312と、ユニット前カバー312の皿中央上装飾体312a内に後方から取付けられている皿中央上リフレクタ313と、皿中央上リフレクタ313に取付けられており前方へ向かって光を照射可能な複数のLEDが実装されている皿中央上装飾基板314と、ユニット前カバー312の皿中央下装飾体312b内に後方から取付けられている皿中央下リフレクタ315と、皿中央下リフレクタ315に取付けられており前方へ向かって光を照射可能な複数のLEDが実装されている皿中央下装飾基板316と、を備えている。
ユニット下カバー311は、ユニット下カバー311は、前後方向中央後寄りから前側が、下方へ膨出した半球面状に形成されており、これより後側が、皿ユニット本体252の演出操作ユニット取付部252iに、上方から載置されるように取付けられる。ユニット下カバー311は、前部の半円弧状に延びている上端縁に形成される仮想の平面に垂直な軸線が、上方へ向かうに従って前方へ位置するように、傾斜した状態で取付けられる。本実施形態では、鉛直線に対して約18度(18.65度)の角度で傾斜している。ユニット下カバー311は、皿ユニット200に組立てた時に、最も低くなる部位に複数の排水孔311aが形成されている。
ユニット前カバー312は、ユニット前カバー312は、平面視の形状がユニット下カバー311の前端に沿うように前方へ膨出した半円弧状に形成されており、ユニット下カバー311の前部上端に取付けられている。ユニット前カバー312は、前方へ膨出した半円弧がユニット下カバー311の前端に沿うように半円弧状に延びている皿中央上装飾体312aと、皿中央上装飾体312aの下方で前方へ膨出した半円弧がユニット下カバー311の前端に沿うように半円弧状に延びている皿中央下装飾体312bと、を備えている。ユニット前カバー312は、皿中央下装飾体312bの下端がユニット下カバー311に取付けられている。
ユニット前カバー312の皿中央上装飾体312aと皿中央下装飾体312bは、略同じ太さ(半径)の円筒を、半割にした上で割面を中心側へ向けて半円弧状に延びるように屈曲させた形状に形成されている。皿中央上装飾体312aに対して皿中央下装飾体312bは、大きい曲率で半円弧状に延びていると共に、皿中央上装飾体312aに対して皿中央下装飾体312bは、若干細い太さの半円筒状に形成されている。ユニット前カバー312は、皿ユニット200に組立てた状態で、皿中央上装飾体312aの前端が、皿中央下装飾体312bの前端よりも前方へ突出している。また、皿ユニット200に組立てた状態では、皿中央上装飾体312aの左右両端が、皿左上装飾ユニット270の右端及び皿右上装飾ユニット275の左端と夫々連続していると共に、皿中央下装飾体312bの左右両端が、皿左下装飾ユニット280の右端及び皿右下装飾ユニット285の左端と夫々連続している。ユニット前カバー312は、透光性を有し、乳白色に形成されている。
また、ユニット前カバー312は、扉枠3に組立てた状態で、その前端が扉枠3の前端となっており、扉枠ベース101の前面からユニット前カバー312の前端までの距離が、扉枠ベース101の左右方向の全幅の約1/2の距離となっている。
皿中央上リフレクタ313は、前方へ膨出した半円弧状に形成されており、ユニット前カバー312の皿中央上装飾体312a内に後方から挿入されて取付けられる。皿中央上リフレクタ313は、皿中央上装飾基板314に実装されているLEDからの光が、後方(内側)へ漏れるのを遮断している。皿中央上装飾基板314は、皿中央上装飾体312aに沿うように半円弧状に形成されており、上面に前方(外側)へ向かって光を照射可能な複数のLEDが実装されている。皿中央上装飾基板314の複数のLEDは、フルカラーLEDとされており、発光させることで皿中央上装飾体312aを発光装飾させることができる。
皿中央下リフレクタ315は、前方へ膨出した半円弧状に形成されており、ユニット前カバー312の皿中央下装飾体312b内に後方から挿入されて取付けられる。皿中央下リフレクタ315は、皿中央下装飾基板316に実装されているLEDからの光が、後方(内側)へ漏れるのを遮断している。皿中央下装飾基板316は、皿中央下装飾体312bに沿うように半円弧状に形成されており、上面に前方(外側)へ向かって光を照射可能な複数のLEDが実装されている。皿中央下装飾基板316の複数のLEDは、フルカラーLEDとされており、発光させることで皿中央下装飾体312bを発光装飾させることができる。
演出操作部カバーユニット310は、ユニット前カバー312の皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bにおいて、半円弧状に延びている途中に補強用のリブを有していないことから、皿中央上装飾基板314のLED及び皿中央下装飾基板316のLEDを発光させると、夫々の全体を略均一に発光装飾させることができ、蛍光灯が埋め込まれているように見せることができる。
演出操作部カバーユニット310は、皿ユニット200に組立てた状態で、前端が、上皿201や下皿202よりも前方へ大きく突出している。また、演出操作部カバーユニット310は、皿中央上装飾体312aが皿左上装飾体271及び皿右上装飾体276と連続していると共に、皿中央下装飾体312bが皿左下装飾体281及び皿右下装飾体286と連続している。これにより、演出操作ユニット300を目立たせていると共に、一体的な装飾により見栄えを良くしている。
[3−5e−2.操作部ベース]
演出操作ユニット300の操作部ベース320について、主に図53及び図54等を参照して詳細に説明する。操作部ベース320は、演出操作部カバーユニット310内に上方から挿入され、下端が演出操作部カバーユニット310に取付けられると共に、上部後端が皿ベースユニット210における上皿本体212の演出操作ユニット取付部212aに取付けられる。操作部ベース320は、上方が開放された容器状に形成されている。
操作部ベース320は、外形が略立方体の箱状に形成されており上方が開放されている本体部321と、本体部321の上端から外方へ延出しており外周が円形状に形成されているフランジ部322と、本体部321の底面から下方へ突出している複数(ここでは四つ)の脚部323と、フランジ部322の後端に形成されており皿ベースユニット210に取付けられる上部取付部324と、本体部321の左外側でフランジ部322を貫通して上方に開口しており操作リング用伝達ギア350を回転可能に支持するためのギア軸受部325と、を備えている。
操作部ベース320は、本体部321が、内部に演出操作ボタンユニット360を収容可能な大きさに形成されている。本体部321は、底壁に下側から振動スピーカ354が取付けられると共に、下面における振動スピーカ354が取付けられる部位が平坦面に形成されている。本体部321の底壁は、振動スピーカ354からの振動に対して共振し易く形成されており、振動を増幅させることができると共に、振動を音声や音楽等のサウンドに変換して出力させることができる。
本体部321の底壁の上面には、演出操作ボタンユニット360におけるボタンユニットベース361の脚部361bが取付けられる。また、本体部321は、底壁の外周縁において、本体部321内に侵入した液体を排出させる貫通孔が形成されている。本体部321は、左側壁外側に回転駆動ユニット340が取付けられると共に、後側壁外側に操作部中継基板ユニット390が取付けられる。
フランジ部322は、外周がユニット前カバー312の皿中央上装飾体312aの内周と略一致する直径に形成されている。フランジ部322の上面には、演出操作リング装飾基板352及び装飾基板カバー353が取付けられると共に、演出操作リング330のリング取付ベース331が取付けられる。複数の脚部323は、下端が演出操作部カバーユニット310におけるユニット下カバー311の上面に取付けられる。
ギア軸受部325は、ギア取付部材と協働して操作リング用伝達ギアを、左右に延びた軸周りに対して回転可能に取付けることができる。ギア軸受部325に操作リング用伝達ギア350を取付けた状態では、操作リング用伝達ギア350の上部が上方へ突出した状態となると共に、操作リング用伝達ギア350の駆動側ギア部350bがフランジ部322の下方において外側に露出した状態となる。
操作部ベース320は、演出操作ユニット300に組立てた状態で、フランジ部322の上面が、ユニット前カバー312の皿中央上装飾体312aの上面よりも若干下方に位置している。また、演出操作ユニット300に組立てた状態では、本体部321の下面に振動スピーカ354が接した状態で取付けられている。
[3−5e−3.演出操作リング]
演出操作ユニット300の演出操作リング330について、主に図55及び図56等を参照して詳細に説明する。図55(a)は演出操作ユニットの演出操作リングを上前から見た斜視図であり、(b)は演出操作リングを下前から見た斜視図である。図56(a)は演出操作リングを分解して上前から見た分解斜視図であり、(b)は演出操作リングを分解して下前から見た分解斜視図である。演出操作リング330は、操作部ベース320におけるフランジ部322の上面に取付けられ、遊技者が回転操作可能な回転操作部302を有している。演出操作リング330(回転操作部302)は、直径(外径)が上皿201の前後方向の寸法の約2倍の大きさとされており、内径が外径の約3/5の大きさの円環状に形成されている。本実施形態では、演出操作リング330の外径が約13cmとされている。
演出操作リング330は、操作部ベース320のフランジ部322の上面に取付けられる円環状のリング取付ベース331と、リング取付ベース331に回転可能に載置される円環状の回転ベース332と、回転ベース332の外周面と当接しリング取付ベース331に上下に延びた軸周りに回転可能に取付けられている複数のブッシュ333と、リング取付ベース331に取付けられており回転ベース332の上方への移動を規制しているリング抜止部材334と、を備えている。
また、演出操作リング330は、回転ベース332の上面に取付けられており回転操作部302の一部を構成しているリング外上カバー335と、リング外上カバー335の下側に取付けられており回転操作部302の一部を構成しているリング外下カバー336と、リング外上カバー335の内周側で回転ベース332の上面に取付けられており回転操作部302の一部を構成しているリング内カバー337と、を備えている。リング外上カバー335、リング外下カバー336、及びリング内カバー337は、夫々透光性を有した円環状に形成されている。
リング取付ベース331は、外径が操作部ベース320のフランジ部322の外径よりも若干大きく、内径がフランジ部322の内径と略同じ大きさに形成されている。リング取付ベース331は、内周縁に沿った上面側に回転ベース332が周方向へ摺動可能に載置される載置部331aと、上面における載置部331aよりも外側で周方向へ離間して複数(ここでは四つ)の部位から上方へ円筒状に突出しておりブッシュ333を回転可能に取付けるためのボス部331bと、上面における載置部331aよりも外側で周方向へ間隔をあけて複数の部位において上下に貫通している貫通口331cと、を備えている。複数の貫通口331cは、演出操作リング装飾基板352のLEDと対応する位置に形成されている。
回転ベース332は、外径がリング取付ベース331の載置部331aの直径(外径)よりも若干小さく、内径がリング取付ベース331の内径よりも小さく形成されている。回転ベース332は、下面から下方へ突出していると共に周方向へ延びているリングギア332aを備えている。リングギア332aは、回転ベース332の中心側へ向かうに従って下方へ突出するように傘歯車に形成されている。リングギア332aは、リング取付ベース331の内径よりも外径が小さく形成されており、演出操作リング330に組立てた状態では、リング取付ベース331の内周側から下方へ臨んだ状態となる。このリングギア332aは、演出操作ユニット300に組立てた状態で、操作リング用伝達ギア350のリング側ギア部350aと噛合する。
リング外上カバー335は、円形における外部且つ上部を構成している円弧が円環状に延びている外上表面部335aと、外上表面部335aに立体的に形成されており周方向へ複数配置されている装飾部335bと、外上表面部335aの内周端から下方へ延出した後に中心側へ延出しており周方向へ複数配置されている外上カバー取付部335cと、を備えている。リング外上カバー335の外上表面部335aは、円の1/4の範囲の円弧が円環状に延びた形状に形成されている。装飾部335bは、外形が六角形に形成されている。外上カバー取付部335cは、外上表面部335aの下端よりも若干下方へ延出しており、回転ベース332の上面に取付けられるものである。
リング外下カバー336は、円形における外部且つ下部を構成している円弧が円環状に延びている外下表面部336aと、外下表面部336aの内側から上方且つ中心側へ突出しており周方向へ複数配置されている外下カバー取付部336bと、を備えている。リング外下カバー336の外下表面部336aは、円の1/8の範囲の円弧が円環状に延びた形状に形成されている。外下カバー取付部336bは、リング外上カバー335に取付けられるものである。
リング内カバー337は、円形における内部且つ上部を構成している円弧が円環状に延びている内表面部337aと、内表面部337aの内側端部から中心軸に平行に下方へ延びている筒状の筒表面部337bと、筒表面部337bの外周に形成されており周方向へ複数配置されている内カバー取付部337cと、を備えている。リング内カバー337の内表面部337aは、円の1/8の範囲の円弧が円環状に延びた形状に形成されている。筒表面部337bは、円筒状の内径が回転ベース332の内径と同じ大きさである。内カバー取付部337cは、回転ベース332の上面に取付けられるものである。
リング外上カバー335、リング外下カバー336、及びリング内カバー337は、演出操作リング330に組立てた状態で、外上表面部335a、外下表面部336a、及び内表面部337aが、連続するように形成されており、外上表面部335a、外下表面部336a、及び内表面部337aによって、円の1/2以上の範囲の部位を構成し、全体がドーナツ状となる。演出操作リング330は、演出操作リング装飾基板352によって発光装飾可能とされている。
[3−5e−4.回転駆動ユニット]
演出操作ユニット300における回転駆動ユニット340について、主に図57乃至図59等を参照して詳細に説明する。図57(a)は演出操作ユニットの回転駆動ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は回転駆動ユニットを後ろから見た斜視図である。図58は回転駆動ユニットを分解して右前から見た分解斜視図であり、図59は回転駆動ユニットを分解して左前から見た分解斜視図である。回転駆動ユニット340は、演出操作リング330の回転操作部302を回転駆動させたり、回転操作部302の回転操作を検知したりするためのものである。回転駆動ユニット340は、操作部ベース320の本体部321における左側面の外側に取付けられる。
回転駆動ユニット340は、操作部ベース320の本体部321に取付けられる回転駆動ベース341と、回転駆動ベース341の右側面後部に回転軸が左方へ突出するように取付けられる操作リング駆動モータ342と、操作リング駆動モータ342の回転軸に取付けられる駆動ギア343と、駆動ギア343により回転させられる変速ギア344と、変速ギア344により回転させられると共に操作リング用伝達ギア350を回転させる伝達検知ギア部材345と、変速ギア344及び伝達検知ギア部材345を回転駆動ベースを協働して回転可能に取付けていると共に駆動ギア343、変速ギア344及び伝達検知ギア部材345左方から被覆しているギアカバー346と、を備えている。
また、回転駆動ユニット340は、ギアカバー346に取付けられており伝達検知ギア部材345の回転位置を検知している第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348と、第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348を左方から覆うようにギアカバー346に取付けられているセンサカバー349と、を備えている。
回転駆動ベース341は、左右方向が短く前後方向へ長く延びており左方へ開放されている浅い箱状に形成されている。操作リング駆動モータ342は、ステッピングモータとされている。駆動ギア343は、平歯車とされている。変速ギア344は、駆動ギアと噛合する平歯車状の第一ギア344aと、第一ギア344aと一体回転すると共に大径に形成されている平歯車状の第二ギア344bと、から構成されている。変速ギア344の第二ギア344bは、伝達検知ギア部材345のギア部345aと噛合する。
伝達検知ギア部材345は、変速ギア344よりも大径(第二ギア344bの直径の2倍の大きさ)のギア部345aと、ギア部345aの左側面から左方へ突出しており周方向に一定の間隔で列設されている複数の検知片345bと、を備えている。ギア部345aは、変速ギア344の第二ギア344bと噛合すると共に、操作リング用伝達ギア350の駆動側ギア部350bと噛合する。複数の検知片345bは、周方向の長さが周方向へ離間している間隔と同じ長さとされている。本実施形態では、検知片345bは、45度の回転角度の間隔で、周方向に八つ配置されている。これら検知片345bは、第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348によって検知される。
第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348は、伝達検知ギア部材345の検知片345bを検知するものである。第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348は、周方向へ列設されている検知片345bの間隔に対して、整数倍とは異なる間隔で周方向へ離間して配置されている。本実施形態では、第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348は、101.25度の回転角度で離間している。これにより、伝達検知ギア部材345が回転した時に、第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348が同じタイミングで検知片345bを検知することはなく、一方が先に検知片345bを検知するようになっている。これにより、伝達検知ギア部材345を介して演出操作リング330における回転操作部302の回転方向や回転速度を検知することができる。
回転駆動ユニット340は、組立てた状態で、伝達検知ギア部材345のギア部345aの上部が上方へ露出しており、ギア部345aの露出した部位が操作リング用伝達ギア350の駆動側ギア部350bと噛合する。また、回転駆動ユニット340は、演出操作ユニット300に組立てた状態で、全体が演出操作部カバーユニット310内に位置している。
回転駆動ユニット340は、操作リング駆動モータ342の駆動により、駆動ギア343、変速ギア344、伝達検知ギア部材345、及び操作リング用伝達ギアを介して、演出操作リング330の回転操作部302を任意の方向へ回転させることができる。また、回転駆動ユニット340は、操作リング駆動モータ342により駆動ギア343を、所定の回転角度の範囲で正転・逆転を繰返させることで、回転操作部302を往復回動させて振動させることができる。
また、回転駆動ユニット340は、遊技者により演出操作リング330の回転操作部302が回転させられると、操作リング用伝達ギア350を介して伝達検知ギア部材345が回転し、伝達検知ギア部材345の検知片345bが第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348によって検知され、回転操作部302の回転操作を検知することができる。従って、回転操作部302の回転方向に応じて遊技者参加型演出の内容を変化させることができる。
また、回転駆動ユニット340では、第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348によって回転操作部302の回転操作を検知することができるため、回転操作された回転方向と同じ方向へ操作リング駆動モータ342を駆動させることで、遊技者の回転操作をアシストすることができる。或いは、回転操作部302の回転方向とは反対の方向へ操作リング駆動モータ342を駆動させることで、遊技者の回転操作に負荷を与えることができる。従って、これらを適宜組合せることで、回転操作部302に、遊技者参加型演出の内容に応じた操作感を付与したり、クリック感を付与したりすることができる。
[3−5e−5.操作リング用伝達ギア]
演出操作ユニット300の操作リング用伝達ギア350について、主に図53及び図54等を参照して詳細に説明する。操作リング用伝達ギア350は、回転駆動ユニット340の伝達検知ギア部材345と演出操作リング330の回転操作部302の回転ベース332との間で回転を伝達させるものであり、操作部ベース320のギア軸受部325に回転可能に取付けられるものである。
操作リング用伝達ギア350は、演出操作リング330の回転ベース332におけるリングギア332aと噛合する傘歯車状のリング側ギア部350aと、リング側ギア部350aと一体回転し回転駆動ユニット340の伝達検知ギア部材345におけるギア部345aと噛合する平歯車状の駆動側ギア部350bと、を備えている。リング側ギア部350aと駆動側ギア部350bは、ピッチ円が同じ直径に形成されている。傘歯車状のリング側ギア部350aは、回転ベース332の回転軸の方向へ窄まっている。
操作リング用伝達ギア350は、回転軸が左右方向へ延びていると共に、演出操作リング330の回転ベース332の回転軸と交わるように、操作部ベース320に取付けられる。操作リング用伝達ギア350は、操作部ベース320のギア軸受部325に上方から挿入された上で、ギア取付部材351が操作部ベース320に取付けられることで、操作部ベース320に回転可能に取付けられる。
操作リング用伝達ギア350は、演出操作ユニット300に組立てられた状態で、リング側ギア部350aが演出操作リング330における回転ベース332のリングギア332aと噛合していると共に、駆動側ギア部350bが回転駆動ユニット340における伝達検知ギア部材345のギア部345aと噛合している。従って、操作リング用伝達ギア350は、演出操作リング330の回転操作部302の回転操作を回転駆動ユニット340側へ伝達させることができると共に、回転駆動ユニット340の操作リング駆動モータ342の回転駆動を演出操作リング330の回転操作部302に伝達させて回転させることができる。
[3−5e−6.演出操作リング装飾基板]
演出操作ユニット300における演出操作リング装飾基板352について、主に図53及び図54等を参照して説明する。演出操作リング装飾基板352は、操作部ベース320におけるフランジ部322の上面に取付けられ、上面に複数のLEDが実装されている。演出操作リング装飾基板352は、演出操作リング330の下方に取付けられており、複数のLEDを適宜発光させることで演出操作リング330(回転操作部302)を発光装飾させることができる。
演出操作リング装飾基板352は、円環を前後に分割したような形態に形成されており、前側の前装飾基板352aと、後側の後装飾基板352bとで構成されている。前装飾基板352a及び後装飾基板352bの上面の夫々に、複数のLEDが外周に沿って列設されている。演出操作リング装飾基板352の複数のLEDは、フルカラーLEDとされている。
演出操作リング装飾基板352は、演出操作ユニット300に組立てた状態で、演出操作リング330のリング取付ベース331の下方に位置している。演出操作リング装飾基板352は、上側が透明な装飾基板カバー353によって被覆されている。装飾基板カバー353は、演出操作リング装飾基板352と同様に、前後に分割された形態に形成されており、前装飾基板352aを上側から覆い操作部ベース320のフランジ部322に取付けられる前基板カバー353aと、後装飾基板352bを上側から覆い操作部ベース320のフランジ部322に取付けられる後基板カバー353bと、で構成されている。
演出操作リング装飾基板352は、上面に実装されている複数のLEDを発光させることで、装飾基板カバー353及びリング取付ベース331の貫通口331cを通して、回転操作部302を構成しているリング外上カバー335、リング外下カバー336、及びリング内カバー337を、内部から発光装飾させることができる。従って、回転操作部302内にLEDが備えられているような発光装飾を遊技者に見せることができる。
[3−5e−7.振動スピーカ]
演出操作ユニット300における振動スピーカ354について、主に図53及び図54等を参照して詳細に説明する。振動スピーカ354は、操作部ベース320における本体部321の下面に出力方向を上方へ向けて取付けられており、音声や音楽等のサウンドに加えて、多彩な周波数の振動を出力することができるものである。
振動スピーカ354は、操作部ベース320の底壁を振動板として振動させることで、音声や音楽等のサウンド(音)を出力することができる。また、振動スピーカ354は、操作部ベース320を介して演出操作ユニット300全体を振動させることができる。この振動スピーカ354は、偏芯させた錘をモータで回転させる振動装置と比較して、様々な周波数の振動を発生させることができ、より多彩な演出を遊技者に提示することができる。
[3−5e−8.演出操作ボタンユニット]
演出操作ユニット300における演出操作ボタンユニット360について、主に図60乃至図62等を参照して詳細に説明する。図60は演出操作ユニットの演出操作ボタンユニットを分解して前上から見た分解斜視図であり、図61は演出操作ボタンユニットを分解して前下から見た分解斜視図である。図62(a)は押圧操作部が下降位置の時の演出操作ボタンユニットの断面図であり、(b)押圧操作部が上昇位置の時の演出操作ボタンユニットの断面図である。演出操作ボタンユニット360は、演出操作リング330の環内に臨むように操作部ベース320に取付けられており、遊技者が押圧操作可能な押圧操作部303を有している。演出操作ボタンユニット360の押圧操作部303は、円柱状の中央押圧操作部303aと、中央押圧操作部303aの外周を覆うように形成されている円筒状の外周押圧操作部303bと、で構成されている。
演出操作ボタンユニット360は、外周が略円形状に形成されており操作部ベース320の本体部321内に取付けられるボタンユニットベース361と、ボタンユニットベース361の中心軸を境にして対象に配置されており上方へ円柱状に延出している一対のガイドシャフト362と、一対のガイドシャフト362の上端同士を連結しており外周がボタンユニットベース361よりも小さい円形状に形成されている円盤状の上部ベース363と、上部ベース363とボタンユニットベース361との間において一対のガイドシャフト362によって上下方向へ移動可能に取付けられており外周がボタンユニットベース361と略同じ大きさの円形状に形成されている円盤状の昇降ベース364と、一対のガイドシャフト362が夫々挿通されており昇降ベース364を上方へ付勢している一対の昇降バネ365と、を備えている。
また、演出操作ボタンユニット360は、ボタンユニットベース361の中心から上方へ円柱状に延出しており上端が上部ベース363に取付けられている中央シャフト366と、ボタンユニットベース361の下面に回転軸が上方へ突出するように取付けられている操作ボタン昇降駆動モータ367と、操作ボタン昇降駆動モータ367の回転軸に取付けられている平歯車状の昇降駆動ギア368と、昇降駆動ギア368と噛合しておりボタンユニットベース361の上側に回転可能に取付けられている平歯車状の従動ギア369と、従動ギア369により回転させられ中央シャフト366が挿通されて回転可能に取付けられている昇降カム駆動ギア部材370と、昇降カム駆動ギア部材370と下端が連結されていると共に中央シャフト366が挿通されて回転可能に取付けられており回転することで昇降ベース364を昇降させる昇降カム部材371と、昇降駆動ギア368、従動ギア369、及び昇降カム駆動ギア部材370を上方から覆うようにボタンユニットベース361の上側に取付けられている円盤状のギアカバー372と、を備えている。
更に、演出操作ボタンユニット360は、内径が上部ベースよりも大径で上下に延びた有底筒状に形成されており昇降ベース364より上側で一対のガイドシャフト362によって上下方向へ移動可能に取付けられている中央ボタン本体373と、中央ボタン本体373と昇降ベース364との間に配置されており中央ボタン本体373を上方へ付勢している一対のボタンバネ374と、中央ボタン本体373と略同じ径で上端側が閉鎖された有底筒状に形成されており上部ベース363の上方を覆うように中央ボタン本体373の上端に取付けられている中央ボタンカバー375と、上部ベース363の上面に取付けられており上方へ光を照射可能な複数のLEDが実装されている中央ボタン装飾基板376と、を備えている。演出操作ボタンユニット360は、中央ボタン本体373と中央ボタンカバー375とで中央押圧操作部303aを構成している。
また、演出操作ボタンユニット360は、昇降ベース364の上面における中央ボタン本体373よりも外側の部位に取付けられており上面に複数のLEDが実装されている円環状の外周ボタン装飾基板377と、外周ボタン装飾基板377の上側を覆うと共に中央ボタン本体373の外周を覆うように昇降ベース364に取付けられている外周基板カバー378と、外周基板カバー378における中央ボタン本体373の外周を覆っている部位の外周側で外周ボタン装飾基板377の上方に配置されており立体的な装飾が施された透光性を有する円筒状の外周装飾レンズ379と、外周装飾レンズ379の外周及び上面を覆うように昇降ベース364に取付けられており中央において中央ボタンカバー375が上方へ臨む透明な外周ボタンカバー380と、を備えている。演出操作ボタンユニット360は、外周基板カバー378と外周装飾レンズ379と外周ボタンカバー380とで、外周押圧操作部303bを構成している。
また、演出操作ボタンユニット360は、ボタンユニットベース361に取付けられており押圧操作部303の押圧操作を検知する押圧検知センサ381と、ボタンユニットベース361に取付けられており昇降カム駆動ギア部材370の回転位置を検知することで昇降ベース364の昇降を検知する昇降検知センサ382と、を備えている。
ボタンユニットベース361は、円盤状に形成されているベース本体361aと、ベース本体361aから下方へ突出している複数の脚部361bと、を備えている。ボタンユニットベース361のベース本体361aは、外径が、操作部ベース320における本体部321の内周径よりも若干小さい大きさに形成されている。このベース本体361aは、上面に、一対のガイドシャフト362、中央シャフト366、従動ギア369、昇降カム駆動ギア部材370、及びギアカバー372が取付けられ、下面に、押圧検知センサ381及び昇降検知センサ382が取付けられる。ボタンユニットベース361は、脚部361bの下端が操作部ベース320における本体部321の底壁に取付けられる。
一対のガイドシャフト362は、ボタンユニットベース361のベース本体361aの上面において、中心から前方及び後方へ、ベース本体361aの直径の半分の距離の位置に夫々取付けられている。一対のガイドシャフト362及び中央シャフト366は、金属棒によって形成されている。一対のガイドシャフト362は、中央シャフト366よりも太く形成されている。
上部ベース363は、外径がボタンユニットベース361のベース本体361aの外径の約1/2の大きさに形成されている。一対の昇降バネ365は、コイルスプリングとされており、下端がボタンユニットベース361のベース本体361aに当接していると共に、上端が昇降ベース364に当接している。昇降バネ365は、ボタンバネ374よりも付勢力の強いバネとされている。
昇降ベース364は、外径がボタンユニットベース361のベース本体361aの外径と略同じ大きさに形成されている。昇降ベース364は、一対のガイドシャフト362が夫々摺動可能に挿入される一対のガイド孔364aと、中央において昇降カム部材371が通過可能な大きさで上下に貫通している中央孔364bと、中央孔364bの周縁から上方へ円筒状に突出している立壁部364cと、立壁部364cの下端付近において中央孔364bの内へ互いに対向するように突出している一対の案内ピン364dと、を備えている。一対の案内ピン364dは、同一軸芯上で互いに対向していると共に、軸芯周りに回転可能に取付けられている。
昇降ベース364は、一対のガイド孔364aに一対のガイドシャフト362が挿通されることで、上下方向へ昇降可能に案内される。昇降ベース364は、立壁部364cの上端が上部ベース363に当接することで、上方への移動が規制されると共に、上部ベース363との間に中央ボタン本体373の底部373bが移動可能な空間を形成している。また、昇降ベース364は、一対の案内ピン364dが、昇降カム部材371のカム部371aに案内されることで、上下方向へ移動させられる。
昇降カム駆動ギア部材370は、従動ギア369と噛合する平歯車状のギア部370aと、ギア部370aから上方へ突出しており昇降カム部材371の下端が連結される連結部370bと、ギア部370aから下方へ筒状に突出していると共に対向している二箇所が切欠かれており昇降検知センサ382により検知される昇降検知片370cと、を備えている。昇降カム駆動ギア部材370は、ギア部370aの中心に中央シャフト366が挿入されることで、回転可能に取付けられる。
昇降カム部材371は、中心に中央シャフト366が挿通されることで、回転可能に取付けられる。昇降カム部材371は、円柱状の外周面において周方向へ180度離間しており、外方へ突出している一対のカム部371aを備えている。一対のカム部371aは、昇降ベース364の案内ピン364dを案内するものである。
カム部371aは、下端付近において軸芯に対して直角方向へ延びている第一カム371bと、第一カム371bの中間で上方へ窪んでいる係止部371cと、第一カム371bの一方の端部から軸芯と平行に上方へ延びている第二カム371dと、第一カム371bの第二カム371dとは反対側の端部から螺旋状に上方へ延びている第三カム371eと、を備えている(図62を参照)。第二カム371dと第三カム371eは、同じ高さまで上方へ延びており、隣接するカム部371a同士の間では、昇降ベース364の案内ピン364dの直径よりも小さい距離で離間している。
また、昇降カム部材371は、下端に昇降カム駆動ギア部材370の連結部370bと連結する被連結部371fを備えている。
昇降カム部材371は、カム部371aにおいて、第二カム371dが、昇降カム部材371を平面視において反時計回りの方向へ回転させた時に、第一カム371bの後端側から上方へ延出するように形成されている。昇降カム部材371は、回転することで、カム部371aにより昇降ベース364の案内ピン364dを案内して昇降ベース364を昇降させることができる。
中央ボタン本体373は、中央ボタン本体373は、上下に延びた円筒状の筒部373aと、筒部373aの下端側を閉鎖している底部373bと、底部373bを貫通しており一対のガイドシャフト362が摺動可能に挿入される一対のガイド孔373cと、底部373bの中央において昇降ベース364の立壁部364cの外径よりも大きい径で貫通している中央口373dと、底部373bから下方へ突出しており押圧検知センサ381により検知される押圧検知片373eと、底部373bから後方へ円柱状に突出しておりボタンバネ374に挿通される一対のガイドボス373fと、を備えている。
中央ボタン本体373は、筒部373aと底部373bとによって、有底筒状に形成されている。中央ボタン本体373は、底部373bが上部ベース363と昇降ベース364との間に配置されると共に、筒部373aの上端が上部ベース363よりも上方へ突出するように形成されている。中央口373dは、下方へ短く延びた円筒状に形成されており、下端が昇降ベース364の上面に当接することで、中央ボタン本体373の下方への移動が規制される。中央ボタン本体373の中央口373dを通って、昇降ベース364の立壁部364cの上端が上部ベース363に当接する。
中央ボタン本体373は、一対のガイドボス373fが挿通されている一対のボタンバネ374によって上方へ付勢されている。一対のガイドボス373fは、下端が昇降ベース364を貫通して下方へ延出するように形成されており、下端にワッシャが挿通されたビスが取付けられる。ガイドボス373fの下端に取付けられたワッシャが昇降ベース364の下面に当接することで、中央ボタン本体373の上方への移動が規制される。
中央ボタン本体373の押圧検知片373eは、一対のボタンバネ374の付勢力に抗して中央ボタン本体373の底部373b(中央口373dの下端)が昇降ベース364の上面に当接した時に、昇降ベース364を貫通して下方へ突出するように形成されている。この中央ボタン本体373は、不透明に形成されている。一対のボタンバネ374は、昇降バネ365よりも付勢力の弱いコイルバネとされている。
中央ボタンカバー375は、中央ボタン本体373の筒部373aと略同じ直径の円盤状の天板部375aと、天板部375aの外周から下方へ延出している筒状の周壁部375bと、を備えており、透光性を有するように形成されている。中央ボタンカバー375は、天板部375aと周壁部375bとによって有底筒状に形成されている。この中央ボタンカバー375は、周壁部375bの下端が中央ボタン本体373における筒部373aの上端に取付けられる。
中央ボタン装飾基板376は、上面に実装されている複数のLEDがフルカラーLEDとされている。中央ボタン装飾基板376は、複数のLEDを適宜発光させることで、中央ボタンカバー375を発光装飾させることができる。外周ボタン装飾基板377は、上面に実装されている複数のLEDがフルカラーLEDとされている。外周ボタン装飾基板377は、複数のLEDを適宜発光させることで、外周装飾レンズ379及び外周ボタンカバー380を発光装飾させることができる。
外周基板カバー378は、外周ボタン装飾基板377の上側を覆い昇降ベース364に取付けられる円環状の基板部378aと、基板部378aの内周から上方へ筒状に延出しており中央ボタン本体373の外周を覆う円筒部378bと、を備えている。外周基板カバー378は、透明に形成されている。
外周装飾レンズ379は、上方へ向かうに従って周方向へ移動するように延びている捩れた部位が、周方向に一定の間隔で列設されている。外周装飾レンズ379は、外周基板カバー378における基板部378aの上側に取付けられている。外周ボタンカバー380は、外周装飾レンズ379の外周を覆う円筒状の筒状部380aと、筒状部380aの上端から中心側へ延出している円環状の環状部380bと、を備えている。外周ボタンカバー380は、筒状部380aの下端が昇降ベース364に取付けられる。環状部380bは、内径が外周基板カバー378の円筒部378bと略同じ大きさに形成されている。
演出操作ボタンユニット360は、組立てた状態では、図62(a)に示すように、昇降ベース364が一対の昇降バネ365によって上方へ付勢された状態で、昇降ベース364の案内ピン364dが、昇降カム部材371のカム部371aにおける係止部371cに下方から挿入されている。この状態では、昇降ベース364が下方へ移動した下降位置の状態となっており、一対の昇降バネ365が圧縮されている。また、この状態では、中央ボタン本体373がボタンバネ374の付勢力により上方側への移動端に位置しており、中央ボタンカバー375の上面が、外周ボタンカバー380の上面よりも上方へ突出した状態となっている。
従って、演出操作ユニット300に組立てた状態では、外周ボタンカバー380の上面が演出操作リング330の上面よりも僅かに上方へ突出していると共に、中央ボタンカバー375の上面が外周ボタンカバー380の上面よりも上方へ突出している(図63等を参照)。
この状態(図62(a)の状態)で、中央ボタンカバー375(中央押圧操作部303a)を下方へ押圧して、ボタンバネ374の付勢力に抗して下方へ移動させると、中央ボタン本体373の押圧検知片373eが押圧検知センサ381により検知され、中央押圧操作部303aの押圧操作が検知される。中央押圧操作部303aを押圧操作した状態では、中央ボタンカバー375の上面が、外周ボタンカバー380の上面と略一致した高さとなっている(図65(c)を参照)。
また、この状態で、外周ボタンカバー380(外周押圧操作部303b)を下方へ押圧操作しても、外周ボタンカバー380は下方へ移動することはなく、中央ボタン本体373の押圧検知片373eが押圧検知センサ381に検知されることもない。つまり、押圧操作部303の押圧操作が検知されない。
この下降位置の状態で、操作ボタン昇降駆動モータ367により昇降駆動ギア368を平面視において反時計回りの方向へ回転させると、昇降駆動ギア368と噛合している従動ギア369を介して昇降カム駆動ギア部材370が平面視反時計回りの方向へ回転し、昇降カム駆動ギア部材370と連結されている昇降カム部材371も同じ方向へ回転することとなる。この昇降カム部材371が反時計回りの方向へ回転すると、図62において正面に見えているカム部371aが右方へ移動することとなり、昇降ベース364の案内ピン364dが、係止部371cから第一カム371bにおける係止部371cの左方の部位へ転動すると共に、案内ピン364dを介して昇降ベース364が昇降バネ365の付勢力に抗して下方へ移動する。
そして、昇降カム部材371の回転に伴って、第一カム371bに沿って相対的に左方へ転動する案内ピン364dが、第一カム371bの左端から第二カム371d側へ位置すると、第二カム371dが第一カム371bに対して垂直に上方へ延びていることから、昇降バネ365の付勢力により案内ピン364dが第二カム371dに沿って上方へ移動することとなり、案内ピン364dと一緒に昇降ベース364が上昇して上昇位置の状態となる。
上昇位置の状態では、図62(b)に示すように、昇降ベース364の案内ピン364dが、一方のカム部371aの第二カム371dと残りのカム部371aの第三カム371eとに接した状態となっている。この状態で、操作ボタン昇降駆動モータ367の駆動が一旦停止される。
上昇位置の状態では、昇降ベース364の立壁部364cの上端が上部ベース363の下面に当接しており、昇降ベース364のこれ以上の上方への移動が規制されている。また、上昇位置の状態では、下降位置の時の中央ボタンカバー375(中央押圧操作部303a)と外周ボタンカバー380(外周押圧操作部303b)との位置関係が保持されており、中央ボタンカバー375及び外周ボタンカバー380を含む押圧操作部303全体が上方へ移動していると共に、中央ボタンカバー375の上面が外周ボタンカバー380の上面よりも上方へ突出している。
演出操作ユニット300に組立てた状態で、上昇位置へ移動させると、中央ボタンカバー375及び外周ボタンカバー380が、演出操作リング330の上面よりも大きく突出した状態となる(図65(b)等を参照)。
この上昇位置の状態で、中央ボタンカバー375(中央押圧操作部303a)を、ボタンバネ374の付勢力よりも強い力で下方へ押圧した場合、中央ボタンカバー375及び中央ボタン本体373がボタンバネ374の付勢力に抗して下方へ移動し、中央ボタン本体373が昇降ベース364に当接することとなる。中央ボタン本体373が昇降ベース364に当接している状態では、中央ボタン本体373の押圧検知片373eが昇降ベース364よりも下方へ突出した状態となっているが、昇降ベース364がボタンユニットベース361から離れているため、押圧検知片373eが押圧検知センサ381によって検知されることはない。
中央ボタンカバー375(中央押圧操作部303a)を、昇降バネ365の付勢力よりも強い力で下方へ押圧した場合、中央ボタンカバー375及び中央ボタン本体373がボタンバネ374の付勢力に抗して、中央ボタン本体373が昇降ベース364に当接した上で、昇降ベース364が、昇降バネ365の付勢力に抗して下方へ移動し、昇降ベース364の下端がボタンユニットベース361に当接することとなる。昇降ベース364がボタンユニットベース361に当接することで、昇降ベース364が下降位置の状態となり、昇降ベース364と共に外周ボタンカバー380(外周押圧操作部303b)も下降位置の状態となる。
このように、中央ボタン本体373が昇降ベース364に当接した状態で、昇降ベース364がボタンユニットベース361に当接すると、昇降ベース364から下方へ突出している中央ボタン本体373の押圧検知片373eが、押圧検知センサ381に検知された状態となり、中央ボタンカバー375(中央押圧操作部303a)の押圧が検知される。
一方、上昇位置の状態で、外周ボタンカバー380(外周押圧操作部303b)を、昇降バネ365の付勢力よりも力で下方へ押圧した場合、外周ボタンカバー380を介して昇降ベース364が昇降バネ365の付勢力に抗して下方へ移動し、昇降ベース364の下端がボタンユニットベース361に当接することとなる。この状態では、昇降ベース364と共に外周ボタンカバー380が下降位置の状態となるが、中央ボタンカバー375(中央押圧操作部303a)がボタンバネ374の付勢力により上方へ突出していることから、中央ボタン本体373の押圧検知片373eが昇降ベース364から下方へ突出しておらず、押圧検知片373eが押圧検知センサ381により検知されない。
中央ボタンカバー375及び外周ボタンカバー380を(押圧操作部303を)、上昇位置から下降位置へ戻すには、操作ボタン昇降駆動モータ367により、昇降カム部材371を平面視反時計回りの方向へ回転させると、図62(b)において、昇降ベース364の案内ピン364dの左上と当接している第三カム371eが、右方(案内ピン364dの方向)へ移動することとなるため、第三カム371eによって案内ピン364dが下方へ押圧され、案内ピン364dを介して昇降ベース364が昇降バネ365の付勢力に抗して下方へ移動することとなる。
そして、昇降カム部材371の回転に伴って案内ピン364dが第三カム371eの下端から第一カム371b側へ移動すると、昇降ベース364の下方への移動が停止し、案内ピン364dが第一カム371bに沿って転動する。その後、案内ピン364dが第一カム371bの途中の係止部371cの位置に到達すると、昇降バネ365の付勢力により案内ピン364dが上方へ窪んだ係止部371c内に挿入されると共に、操作ボタン昇降駆動モータ367による昇降カム部材371の回転を停止させることで、元の下降位置の状態となる。
[3−5e−9.操作部中継基板ユニット]
演出操作ユニット300における操作部中継基板ユニット390について、主に図53及び図54等を参照して詳細に説明する。操作部中継基板ユニット390は、操作部ベース320の後面に取付けられている。操作部中継基板ユニット390は、操作部ベース320における本体部321の後面に取付けられる箱状の基板ボックス391と、基板ボックス391内に取付けられている操作部中継基板392と、を備えている。
基板ボックス391は、演出操作ユニット300に組立てた時に、回転駆動ユニット340の操作リング駆動モータ342を後側から覆うモータカバー部391aを有している。操作部中継基板392は、皿中央上装飾基板314、皿中央下装飾基板316、操作リング駆動モータ342、第一回転検知センサ347、第二回転検知センサ348、演出操作リング装飾基板352、振動スピーカ354、操作ボタン昇降駆動モータ367、中央ボタン装飾基板376、外周ボタン装飾基板377、押圧検知センサ381、及び昇降検知センサ382と、皿ベースユニット210の皿ユニット中継基板214との接続を中継している。
[3−5e−10.演出操作ユニットの作用]
次に、演出操作ユニット300の作用について、主に図63乃至図65等を参照して詳細に説明する。図63は、演出操作ユニットの左側面図において演出操作リングと回転駆動ユニットとの関係を示す説明図である。図64は、演出操作ユニットを押圧操作部の押圧方向から見た平面図において演出操作リングと演出操作リング装飾基板との関係を示す説明図である。図65(a)は通常の状態で示す皿ユニットの正面図であり、(b)は押圧操作部が上昇位置の時の皿ユニットの正面図であり、(c)は押圧操作部の中央押圧操作部を押圧した時の皿ユニットの正面図である。
演出操作ユニット300は、上面に遊技者が操作可能な演出操作部301を備えている。演出操作部301は、大きな円環状の回転操作部302と、回転操作部302の環内に配置されている押圧操作部303とで構成されている。押圧操作部303は、回転操作部302の中心に位置する円柱状の中央押圧操作部303aと、中央押圧操作部303aと回転操作部302との間に配置されている円環状の外周押圧操作部303bとで構成されている。
回転操作部302は、演出操作リング330のリング外上カバー335、リング外下カバー336、及びリング内カバー337によって形成されている。中央押圧操作部303aは、演出操作ボタンユニット360の中央ボタンカバー375及び中央ボタン本体373によって形成されており、外周押圧操作部303bは、外周ボタンカバー380及び外周基板カバー378によって形成されている。
演出操作ユニット300は、円環状の回転操作部302(演出操作リング330)の上面によって形成される仮想の平面の前方側が低くなるように傾斜した状態で皿ユニット200に組立てられる。従って、回転操作部302の環内に配置されている押圧操作部303の押圧方向が、下方へ向かうに従って後方へ移動する(換言すると、上方へ向かうに従って前方へ移動する)ように傾斜している。
演出操作ユニット300は、通常の状態では、回転操作部302の上面よりも押圧操作部303が僅かに上方へ突出した状態となっている。詳しくは、演出操作リング330の上面よりも外周ボタンカバー380の上面が僅かに上方へ突出していると共に、外周ボタンカバー380の上面よりも中央ボタンカバー375の上面が上方へ突出した状態となっている(図63等を参照)。
この通常の状態で、回転駆動ユニット340の操作リング駆動モータ342により、伝達検知ギア部材345を左側面視で時計回りの方向へ回転させると、操作リング用伝達ギア350を介して演出操作リング330の回転操作部302が、平面視において時計周りの方向へ回転する。一方、操作リング駆動モータ342により、伝達検知ギア部材345を左側面視で反時計周りの方向へ回転させると、演出操作リング330の回転操作部302が平面視において反時計回りの方向へ回転する。
操作リング駆動モータ342は、ステッピングモータとされており、所定の回転角度の範囲で正転・逆転を繰返させることで、回転操作部302を往復回動させて振動させることができる。この振動は、振動スピーカ354による振動とは異なり、回転操作部302のみが振動する。
演出操作リング330の回転操作部302は、操作リング駆動モータ342により回転させられるだけでなく、遊技者によっても回転させることができる。回転操作部302を平面視において時計回りの方向へ回転させると、操作リング用伝達ギア350を介して回転駆動ユニット340の伝達検知ギア部材345が左側面視において時計回りの方向へ回転し、回転操作部302を平面視において反時計回りの方向へ回転させると、伝達検知ギア部材345が左側面視において反時計回りの方向へ回転する。この伝達検知ギア部材345は、第一回転検知センサ347と第二回転検知センサ348の二つのセンサによって回転を検知している。
伝達検知ギア部材345の回転は、複数の検知片345bを第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348によって検知することで、回転を検知している。詳述すると、周方向に等間隔で列設されている複数の検知片345bの間隔に対して、周方向に離間している第一回転検知センサ347と第二回転検知センサ348との間隔が、整数倍とならない間隔とされている。これにより、第一回転検知センサ347と第二回転検知センサ348とが、同じタイミングで検知片345bを検知しないように構成されている。
本実施形態では、伝達検知ギア部材345が左側面視において時計回りの方向へ回転すると、第二回転検知センサ348が検知片345bを検知してから第一回転検知センサ347が検知片345bを検知する。これに対して、伝達検知ギア部材345が左側面視において反時計回りの方向へ回転すると、第一回転検知センサ347が検知片345bを検知してから第二回転検知センサ348が検知片345bを検知する。従って、第一回転検知センサ347と第二回転検知センサ348とが、検知片345bを検知する順番によって、伝達検知ギア部材345(回転操作部302)の回転方向を検知することができる。また、第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348における検知片345bの検知時間によって、伝達検知ギア部材345(回転操作部302)の回転速度を検知することができる。
このように、回転操作部302の回転操作を検知することができるため、回転操作部302の回転方向に応じて遊技者参加型演出の内容を変化させることができる。また、回転操作部302の回転操作を検知した時に、操作リング駆動モータ342により、回転操作部302を回転操作方向と同じ方向へ回転駆動させることで、回転操作を軽くしてアシストすることができる。或いは、操作リング駆動モータ342により、回転操作部302を回転操作方向と反対方向へ回転駆動させることで、回転操作を重くしたり、クリック感を付与したりすることができる。
演出操作リング330の回転操作部302は、リング外上カバー335、リング外下カバー336、及びリング内カバー337によって形成されており、円の半分以上の円弧が環状に延びている形状に形成されている。換言すると、回転操作部302がドーナツ状に形成されている。そして、回転操作部302は、図示するように、外周面、上面、及び内周面の一部、が露出した状態で取付けられているため、遊技者の手で掴み易い形状に形成されている。
これにより、回転操作部302に対して遊技者が様々な方向から触れることができるため、遊技者のやり易い思い思いの仕方で回転操作部302を回転操作させることができ、回転操作部302の操作性が高められている。また、回転操作部302は、押圧操作部303が下降位置又は上昇位置の何れの状態の時でも、回転操作することができる。なお、回転操作部302は、下面側が操作部ベース320に取付けられているため、自動車のハンドルのように握ることはできない。
演出操作ユニット300は、図64に示すように、演出操作リング330の下方に、複数のLEDが円環状に列設されている演出操作リング装飾基板352を備えている。これにより、演出操作リング装飾基板352のLEDを発光させることで、演出操作リング330の回転操作部302を発光装飾させることができる。また、演出操作リング装飾基板352では、複数のLEDを回転操作部302に沿って環状に列設しているため、回転操作部302の回転に合わせて、列設されている複数のLEDを順次発光させることで、回転している回転操作部302の特定の部位のみを発光装飾させることができる。これにより、回転する回転操作部302内に、LED(装飾基板)が備えられているように遊技者を錯覚させることができる。
演出操作ユニット300は、通常の状態では、図65(a)に示すように、回転操作部302の環内に配置されている押圧操作部303が、その上面が回転操作部302の上面よりも僅かに上方に突出した下降位置の状態となっている。この状態では、回転操作部302を回転させることができると共に、押圧操作部303における中央押圧操作部303aを押圧操作することができる。中央押圧操作部303aを下方へ押圧操作すると、中央押圧操作部303a(中央ボタンカバー375)の上面が、外周押圧操作部303b(外周ボタンカバー380)の上面と略同じ高さまで下降し、押圧検知センサ381により押圧が検知される。
この通常(下降位置)の状態では、押圧操作部303における外周押圧操作部303bを下方へ押圧しても、外周押圧操作部303b(外周ボタンカバー380)が下方へ移動することはなく、押圧検知センサ381により押圧が検知されることはない。
通常の状態で、操作ボタン昇降駆動モータ367により、昇降カム部材371を平面視において反時計回りの方向へ回転させると、昇降ベース364の案内ピン364dがカム部371a(第一カム371b)から外れて、一対の昇降バネ365の付勢力により、昇降ベース364と共に押圧操作部303が勢いよく上方へ突出して上昇位置の状態となる(図65(b)を参照)。この上昇位置の状態では、押圧操作部303の上面が回転操作部302の上面よりも大きく上方に位置している。換言すると、中央ボタンカバー375及び外周ボタンカバー380が、演出操作リング330の上面よりも大きく上方へ突出している。
押圧操作部303が上昇位置の状態で、中央押圧操作部303aを下方へ押圧すると、まず、ボタンバネ374の付勢力に抗して中央押圧操作部303aが下方へ移動し、中央押圧操作部303aの上面と外周押圧操作部303bの上面とが略同じ高さの状態となる。この状態では、押圧検知センサ381が押圧を検知しない。更に、昇降バネ365の付勢力に抗して中央押圧操作部303aが外周押圧操作部303bと一緒に下方へ移動し、中央押圧操作部303a及び外周押圧操作部303bの上面が回転操作部302の上面と略同じ高さの状態となる(図65(c)を参照)。この状態では、押圧検知センサ381が押圧を検知する。
また、押圧操作部303が上昇位置の状態で、外周押圧操作部303bを下方へ押圧すると、中央押圧操作部303aの上面が外周押圧操作部303bの上面よりも上方へ突出している状態のまま、外周押圧操作部303bと中央押圧操作部303aとが下方へ移動し、外周押圧操作部303bの上面が回転操作部302の上面と略同じ高さの状態となる(図65(a)を参照)。この状態では、押圧検知センサ381が押圧を検知しない。
このように、本実施形態の押圧操作部303は、下降位置或いは上昇位置に関わらず、中央押圧操作部303aを、下方への移動端まで押圧しないと、押圧検知センサ381により検知されないようになっている。従って、遊技者に対して、中央押圧操作部303aをしっかりと押圧操作させることを促すことが可能となるため、遊技者参加型演出において演出操作部301の操作に注意を引付けさせることができ、遊技者参加型演出をより楽しませることができる。
なお、押圧操作部303が上昇位置の状態でも、回転操作部302を回転させることができる。従って、押圧操作部303を上昇位置の状態とした時では、遊技者によっては、押圧操作部303を手がかりにして回転操作が楽になったり、押圧操作部303が邪魔になって回転操作がし難くなったりすることから、回転操作部302の操作性を変化させることができ、より多彩な操作を楽しませることができる。
[3−6.扉枠左サイドユニット]
扉枠3における扉枠左サイドユニット400について、主に図66乃至図68を参照して詳細に説明する。図66(a)は扉枠の扉枠左サイドユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉枠左サイドユニットを後ろから見た斜視図である。図67は扉枠左サイドユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図68は扉枠左サイドユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。扉枠左サイドユニット400は、皿ユニット200の上側で扉枠ベースユニット100の前面左部に取付けられており、正面視において遊技領域5aの左外側を装飾するものである。
扉枠左サイドユニット400は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面における扉窓101aの左外側に取付けられる扉枠左サイドベース401と、扉枠左サイドベース401の前面に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている扉枠左サイド装飾基板402と、扉枠左サイド装飾基板402の前側を覆うように扉枠左サイドベース401に取付けられている左サイドリフレクタ403と、左サイドリフレクタ403の前側を覆うように扉枠左サイドベース401に取付けられている扉枠左サイド装飾体404と、を備えている。
扉枠左サイドベース401は、上下に延びており前方へ開放された箱状に形成されている。扉枠左サイド装飾基板402は、上下に延びた帯板状に形成されており、左サイド上装飾基板402aと左サイド下装飾基板402bとで構成されている。扉枠左サイド装飾基板402は、前面に実装されている複数のLEDが、フルカラーLEDとされている。扉枠左サイド装飾基板402は、複数のLEDを適宜発光させることで、扉枠左サイド装飾体404を発光装飾させることができる。
左サイドリフレクタ403は、扉枠左サイド装飾基板402に実装されているLEDと対応する位置に前後に貫通している貫通孔403aが形成されている。扉枠左サイド装飾体404は、透光性を有した乳白色に形成されている。扉枠左サイド装飾体404は、前方へ膨出した半円弧が上下に延びた形態に形成されている。これにより、扉枠左サイド装飾体404は、後方へ開放された半チューブ状に形成されている。
扉枠左サイドユニット400は、下端が皿ユニット200における皿左上装飾ユニット270の皿左上装飾体271の左端と連続するように形成されており、上端が扉枠トップユニット450扉枠トップ装飾体453の左側下端と連続するように形成されている。
扉枠左サイドユニット400は、左右方向の幅と前後方向の奥行が、略同じ距離に形成されている。扉枠左サイドユニット400は、扉枠3に組立てた状態で、扉枠ベース101の扉窓101aの左外側を装飾しており、円柱状の蛍光灯が埋め込まれているように見せている。
[3−7.扉枠右サイドユニット]
扉枠3における扉枠右サイドユニット410について、主に図69乃至図71を参照して詳細に説明する。図69(a)は扉枠の扉枠右サイドユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉枠右サイドユニットを後ろから見た斜視図である。図70は扉枠右サイドユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図71は扉枠右サイドユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。扉枠右サイドユニット410は、皿ユニット200の上側で扉枠ベースユニット100の前面右部に取付けられており、正面視において遊技領域5aの右外側を装飾するものである。
扉枠右サイドユニット410は、扉枠3の右辺から皿ユニット200の上皿201や下皿202と略同じ位置まで前方へ平板状に延出しており、左右方向へ貫通しているサイド窓410aと、サイド窓410a内に複数配置されている発光可能なサイド窓内装飾部410bと、を備えている。この扉枠右サイドユニット410は、パチンコ機1が設置された遊技ホール等において、右側に配置されているパチンコ機の遊技領域内を見え難くしたり、右側のパチンコ機で遊技している遊技者から本パチンコ機1の遊技領域5a内を見え難くしたりすることができ、遊技のプライバシーを保護するような遊技者のパーソナル空間を形成することができる。
扉枠右サイドユニット410は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面における扉窓101aの右外側に取付けられ上下に延びている扉枠右サイドベース411と、扉枠右サイドベース411の前面に取付けられており前方へ円筒状に延出し上下に列設されている複数のサイド窓内装飾部410bを有するサイド窓内装飾部材412と、前面におけるサイド窓内装飾部材412の複数のサイド窓内装飾部410bと対応する部位に複数のLEDが実装されており扉枠右サイドベース411の前側に取付けられているサイド窓内装飾部装飾基板413と、サイド窓内装飾部材412の複数のサイド窓内装飾部410bの内部に夫々挿入されている内部リフレクタ414と、を備えている。
また、扉枠右サイドユニット410は、サイド窓内装飾部材412の前端よりも前方に配置されており上下に延びている右サイドリフレクタ415と、扉枠右サイドベース411に取付けられており扉枠右サイドベース411と右サイドリフレクタ415の右側面を被覆するように上下方向及び前後方向へ平板状に延びていると共に左右方向へ貫通しサイド窓410aを構成する貫通口416aが形成されている扉枠右サイド外パネル416と、扉枠右サイドベース411及び右サイドリフレクタ415に取付けられており扉枠右サイドベース411と右サイドリフレクタ415の左側面を被覆するように上下方向及び前後方向へ平板状に延びていると共に左右方向へ貫通しサイド窓410aを構成する貫通口417aが形成されている扉枠右サイド内パネルと417と、を備えている。
更に、扉枠右サイドユニット410は、右サイドリフレクタ415の後面に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている扉枠右サイド装飾基板418と、右サイドリフレクタ415の前側を覆うように右サイドリフレクタ415に取付けられている扉枠右サイド装飾体419と、を備えている。
扉枠右サイドベース411は、上下に延びており後方へ開放された箱状に形成されている。サイド窓内装飾部材412は、上下方向に列設されている複数(ここでは三つ)のサイド窓内装飾部410bの下端同士を連結している平板状の連結ベース412aを有している。サイド窓内装飾部材412のサイド窓内装飾部410bは、前端側が後端側よりも外径がやや小さくなった円錐台状の円筒に形成されていると共に、円筒の前端が半球状に形成されている。サイド窓内装飾部材412は、サイド窓内装飾部410bの前端が扉枠右サイド外パネル416に取付けられる。サイド窓内装飾部材412は、扉枠右サイドベース411の前面において、上下方向中央に対して下寄りの位置から上側の部位に取付けられる。サイド窓内装飾部材412は、透光性を有した乳白色に形成されている。
サイド窓内装飾部装飾基板413は、扉枠右サイドベース411の前面において、サイド窓内装飾部材412の連結ベース412aの後方となる部位に取付けられる。サイド窓内装飾部装飾基板413に備えられている複数のLEDは、フルカラーLEDとされている。サイド窓内装飾部装飾基板413は、複数のサイド窓内装飾部410bの夫々の後方となる部位に、四つのLEDがサイド窓内装飾部410bの軸芯を中心として上下左右の十字状に配置されている。
内部リフレクタ414は、正面視の形状がX状に形成されており、挿入されるサイド窓内装飾部410bの内面に沿うように前後方向に延びている。内部リフレクタ414は、サイド窓内装飾部410bの内部を、上下左右の四つに仕切っている。
右サイドリフレクタ415は、扉枠右サイドベース411と同じ高さで上下に延びており、前後方向の形状が、上端から下端へ向かうに従って、前方へ移動した後に後方へ移動するような波状に形成されている。右サイドリフレクタ415は、前後に貫通し、扉枠右サイド装飾基板418のLEDが前方へ臨む複数の貫通孔415aが形成されている。
扉枠右サイド外パネル416は、平板状で上下及び前後に延びており、後辺が鉛直に直線状に延びていると共に、前辺が右サイドリフレクタ415に沿って波状に延びている。扉枠右サイド外パネル416は、左右方向へ貫通している貫通口416aが、上下に延びた変楕円形状に形成されていると共に、サイド窓内装飾部材412の連結ベース412aの前側と扉枠右サイド装飾基板418(右サイドリフレクタ415)の後側とを被覆可能に形成されている。扉枠右サイド外パネル416は、不透光性に形成されている。
扉枠右サイド内パネル417は、平板状で上下及び前後に延びており、後辺が鉛直に直線状に延びていると共に、前辺が右サイドリフレクタ415に沿って波状に延びている。扉枠右サイド内パネル417は、左右方向へ貫通している貫通口417aが、上下に延びた変楕円形状に形成されていると共に、サイド窓内装飾部材412の連結ベース412aの前側と扉枠右サイド装飾基板418(右サイドリフレクタ415)の後側とを被覆可能に形成されている。扉枠右サイド内パネル417は、不透光性に形成されている。
扉枠右サイド装飾基板418は、上下に延びた帯板状に形成されており、右サイド上装飾基板418aと、右サイド下装飾基板418bとで構成されている。扉枠右サイド装飾基板418は、前面に実装されている複数のLEDが、フルカラーLEDとされている。扉枠右サイド装飾基板418は、複数のLEDを適宜発光させることで、扉枠右サイド装飾体419を発光装飾させることができる。
扉枠右サイド装飾体419は、透光性を有した乳白色に形成されている。扉枠右サイド装飾体419は、前方へ膨出した半円弧が、右サイドリフレクタ415に沿うように波状に上下に延びた形態に形成されている。これにより、扉枠右サイド装飾体419は、後方へ開放された半チューブ状に形成されている。
扉枠右サイドユニット410は、下端が皿ユニット200における皿右上装飾ユニット275の皿右上装飾体276の右端と連続するように形成されていると共に、上端が扉枠トップユニット450の扉枠トップ装飾体453の右側下端と連続するように形成されている。
扉枠右サイドユニット410は、扉枠3に組立てた状態で、扉枠ベース101の扉窓101aの右外側を装飾しており、扉枠右サイド装飾体419の部位が円柱状の蛍光灯が埋め込まれているように見える。扉枠右サイドユニット410は、上から1/4の部位が最も前方へ突出するように前端(前辺)が波状に前方へ延びており、衝立状に形成されている。扉枠右サイドユニット410は、左右方向へ貫通しているサイド窓410aを有しており、サイド窓410aを通して反対側を視認することができる。
扉枠右サイドユニット410は、サイド窓410a内に、前後に延びた円筒状(円柱状)のサイド窓内装飾部410bを備えており、サイド窓内装飾部装飾基板413のLEDを発光させることで、サイド窓内装飾部410bを発光装飾させることができる。そして、サイド窓内装飾部410bを発光装飾させることで、サイド窓410a内を眩しくすることができ、サイド窓410aを通して反対側を見え難くすることができる。
本実施形態の扉枠右サイドユニット410によれば、通常の状態では、複数のサイド窓内装飾部410bを発光装飾させるサイド窓内装飾部装飾基板413のLEDが消灯しているため、サイド窓410aにおける三つのサイド窓内装飾部410bの間を通して、本パチンコ機1の横(島設備の端)から遊技領域5a内を視認することができる。従って、遊技をするパチンコ機として本パチンコ機1(本遊技盤5)を探している遊技者が、島設備に沿って本パチンコ機1の前方まで移動しなくても、本パチンコ機1を簡単に見つけることができ、本パチンコ機1での遊技に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。
また、扉枠右サイドユニット410にサイド窓410aが貫通していてもサイド窓内装飾部410bを含むその他の部位によって、近隣に位置している遊技者の視線を遮ることができるため、他の遊技者から遊技領域5aの全体を見え辛くすることができ、他の遊技者から見られているような感じを受け難くすることで他の遊技者に気兼ねすることなく遊技を行わせることができる。
更に、サイド窓内装飾部装飾基板413のLEDにより三つのサイド窓内装飾部410bを発光させると、その光によりサイド窓410a内を眩しくすることができ、サイド窓410aを通した視認性を変化させる。この際に、三つのサイド窓内装飾部410bを、円柱状としていることから、光が帯状且つ放射状に放射されることとなるため、サイド窓内装飾部410bを眩しくさせて間から反対側を視認し難くすることができ、隣等の他の遊技者から遊技領域5a内を覗かれ難くすることができる。このように、遊技領域5a内を覗かれ難くすることができることから、他の遊技者が本パチンコ機1に注目するのを回避させることができるため、注目されることで他の遊技者が気になって遊技に専念できないことから不快感を覚えたり、ミスが誘発されることで損した気分になったりするのを防止することができ、遊技者を遊技に専念させることで遊技をより楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
[3−8.扉枠トップユニット]
扉枠3における扉枠トップユニット450について、主に図72乃至図74等を参照して詳細に説明する。図72(a)は扉枠における扉枠トップユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉枠トップユニットを後ろから見た斜視図であり、(c)はトップ下カバーを外した状態で示す扉枠トップユニットの底面図である。図73は扉枠トップユニットを分解して前上から見た分解斜視図であり、図74は扉枠トップユニットを分解して前下から見た分解斜視図である。扉枠トップユニット450は、扉枠左サイドユニット400及び扉枠右サイドユニット410の上側で扉枠ベースユニット100の前面上部に取付けられるものである。
扉枠トップユニット450は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面における扉窓101aよりも上側に取付けられる扉枠トップベース451と、扉枠トップベース451の左右両側と前面上部を覆うように扉枠トップベース451に取付けられているトップ上カバー452と、トップ上カバー452の前端に取付けられている扉枠トップ装飾体453と、扉枠トップ装飾体453の下端と扉枠トップベース451の下端とを連結している扉枠トップ底板454と、を添えている。
また、扉枠トップユニット450は、扉枠トップ装飾体453の後方でトップ上カバー452の前面中央に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている扉枠トップ中央装飾基板455と、扉枠トップ装飾体453の後方でトップ上カバー452の前面における扉枠トップ中央装飾基板455の左方に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている扉枠トップ左装飾基板456と、扉枠トップ装飾体453の後方でトップ上カバー452の前面における扉枠トップ中央装飾基板455の右方に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている扉枠トップ右装飾基板457と、を備えている。
また、扉枠トップユニット450は、扉枠トップ装飾体453と扉枠トップ中央装飾基板455との間に配置されトップ上カバー452の前面に取付けられているトップ中央リフレクタ458と、扉枠トップ装飾体453と扉枠トップ左装飾基板456との間に配置されトップ上カバー452の前面に取付けられているトップ左リフレクタ459と、扉枠トップ装飾体453と扉枠トップ右装飾基板457との間に配置されトップ上カバー452の前面に取付けられているトップ右リフレクタ460と、を備えている。
更に、扉枠トップユニット450は、扉枠トップ底板454の上面中央に取付けられている中央スピーカボックス461と、中央スピーカボックス461に下方へ向けて取付けられている一対のトップ中央スピーカ462と、扉枠トップベース451の前面左右両端付近に取付けられている一対のスピーカブラケット463と、一対のスピーカブラケット463に夫々取付けられている一対のトップサイドスピーカ464と、扉枠トップ底板454を下方から覆うように扉枠トップ底板454に取付けられているトップ下カバー465と、トップ下カバー465の外周縁を下方から押圧するように扉枠トップ底板454に取付けられている下カバー枠466と、扉枠トップベース451の上部右端付近に取付けられている扉枠トップ中継基板467と、扉枠トップベース451の上方を覆うようにトップ上カバー452に取付けられている扉枠トップ天板468と、を備えている。
扉枠トップベース451は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の左右方向の幅と同じ長さで左右に延びている平板状の本体部451aと、本体部451aの前面における左右両端付近から前方へ突出している前方突出部451bと、を備えている。本体部451aは、下辺が、扉枠ベース101における扉窓101aの上縁と沿うように、左右方向の中央が上方へ位置するような湾曲状に形成されている。左右の前方突出部451bは、前端が下方へ向かうに従って後方へ移動するように傾斜しており、後方へ開放された箱状に形成されている。正面視右側の前方突出部451bは、上方にも開放されている。
トップ上カバー452は、正面視の形状が、扉枠トップベース451と略同じ形状に形成されている。トップ上カバー452は、扉枠トップベース451の左右の前方突出部451bの夫々の外側を覆うと共に、左右の前方突出部451bの前端上部の間を結ぶような形状に形成されている。トップ上カバー452の前端は、左右方向中央が前方へ最も突出しており、左右方向中央から左右方向両端へ向かうに従って、下方及び後方へ移動するように湾曲状に延びている。また、トップ上カバー452は、上面に後端から前方へ向かって大きく切欠かれた開口部452aを有している。この開口部452aは、扉枠トップ天板468によって閉鎖される。
扉枠トップ装飾体453は、透光性を有した乳白色に形成されている。扉枠トップ装飾体453は、前方へ膨出した半円弧が、左右両端から左右方向中央へ向かうに従って曲率が小さくなると共に、トップ上カバー452の前端に沿うように、左右方向へ延びた形態に形成されている。これにより、扉枠トップ装飾体453は、後方へ開放された半チューブ状に形成されている。扉枠トップ装飾体453は、左右方向の両端が下方へ延びるように向いており、扉枠左サイド装飾体404及び扉枠右サイド装飾体419の上端と夫々連続するように形成されている。
扉枠トップ底板454は、扉枠トップ装飾体453の下端と扉枠トップベース451の本体部451aの下端同士を連結するように前後方向へ延びていると共に、左右方向中央が上方へ膨出するように左右方向へ延びている。扉枠トップ底板454は、前後方向の中央が下方へ突出するように折れ曲がった形態に形成されている。扉枠トップ底板454は、左右方向へ離間しており前端と後端とを結ぶと共に上方へ平板状に延びている一対の補強リブ454aと、一対の補強リブ454aの間において上下に貫通しておりトップ中央スピーカ462が臨む一対の中央スピーカ口454bと、一対の補強リブ454aの夫々の左右方向外側において上下に貫通しておりトップサイドスピーカ464が臨む一対のサイドスピーカ口454cと、を有している。扉枠トップ底板454の上面における一対の補強リブ454aの間に中央スピーカボックス461が取付けられる。
扉枠トップ中央装飾基板455は、左右に延びた帯板状に形成されている。扉枠トップ中央装飾基板455は、前面に実装されている複数のLEDが、フルカラーLEDとされている。この扉枠トップ中央装飾基板455は、複数のLEDを適宜発光させることで、扉枠トップ装飾体453の中央部分を発光装飾させることができる。
扉枠トップ左装飾基板456は、左右に延びた帯板状に形成されている。扉枠トップ左装飾基板456は、前面に実装されている複数のLEDが、フルカラーLEDとされている。この扉枠トップ左装飾基板456は、複数のLEDを適宜発光させることで、扉枠トップ装飾体453の左部分を発光装飾させることができる。
扉枠トップ右装飾基板457は、左右に延びた帯板状に形成されている。扉枠トップ右装飾基板457は、前面に実装されている複数のLEDが、フルカラーLEDとされている。この扉枠トップ右装飾基板457は、複数のLEDを適宜発光させることで、扉枠トップ装飾体453の右部分を発光装飾させることができる。
トップ中央リフレクタ458、トップ左リフレクタ459、及びトップ右リフレクタ460は、夫々左右方向に延びており、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、及び扉枠トップ右装飾基板457に夫々実装されているLEDと対応する位置に前後に貫通している貫通孔が形成されている。
中央スピーカボックス461は、左右に延びた箱状に形成され、一対のトップ中央スピーカ462が下前を向くように取付けられる。この中央スピーカボックス461は、扉枠トップ底板454の上面における一対の補強リブ454aの間に取付けられる。トップ中央スピーカ462は、フルレンジスピーカとされており、広い周波数帯域で音声や音楽等のサウンドを出力するものである。
スピーカブラケット463は、扉枠トップベース451における左右の前方突出部451bの下面に取付けられる。トップサイドスピーカ464は、ツイータとされており、音声や音楽等のサウンドの高音域を出力するものである。
トップ下カバー465は、無数の貫通孔を有した金属板からなるパンチングメタルによって形成されている。トップ下カバー465を通して、トップ中央スピーカ462やトップサイドスピーカ464から出力されたサウンドが、前方且つ下方へ向けて放射される。
扉枠トップ中継基板467は、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、扉枠トップ右装飾基板457、トップ中央スピーカ462、及びトップサイドスピーカ464と、扉枠ベースユニット100の扉枠副中継基板105との接続を中継するためのものである。
扉枠トップ天板468は、トップ上カバー452の開口部452aを閉鎖するものであり、前端がトップ上カバー452に係止されると共に、後端が扉枠ベースユニット100に取付けられる。
扉枠トップユニット450は、扉枠3に組立てた状態で、扉枠ベース101の扉窓101aの上外側を装飾している。扉枠トップユニット450は、扉枠トップ装飾体453の左右両端が、扉枠左サイド装飾体404及び扉枠右サイド装飾体419の上端と夫々連続しており、一体的な装飾を形成している。また、扉枠トップユニット450は、一対のトップ中央スピーカ462及び一対のトップサイドスピーカ464によって、音声や音楽等のサウンドを遊技者側へ出力することができる。
[3−9.扉枠の装飾]
扉枠3における装飾について、主に図75等を参照して詳細に説明する。図75は、各装飾基板と共に示す扉枠の正面図である。扉枠3は、図示するように、正面視中央に、ガラスユニット160の透明なガラス板162によって閉鎖されている上下に延びた略四角形の扉窓101aを有している。扉枠3は、皿ユニット200の皿左上装飾体271、皿右上装飾体276、演出操作ユニット300の皿中央上装飾体312a、扉枠左サイドユニット400の扉枠左サイド装飾体404、扉枠右サイドユニット410の扉枠右サイド装飾体419、及び扉枠トップユニット450の扉枠トップ装飾体453によって、扉窓101aの外周が全周に亘って囲まれている。
扉窓101aの外周を囲っている皿左上装飾体271、皿右上装飾体276、皿中央上装飾体312a、扉枠左サイド装飾体404、扉枠右サイド装飾体419、及び扉枠トップ装飾体453は、半チューブ状に形成されているため、扉窓101aの全周が蛍光灯で囲まれているような装飾を遊技者に見せることができる。
扉枠3では、扉窓101aの外周を囲っている皿左上装飾体271、皿右上装飾体276、皿中央上装飾体312a、扉枠左サイド装飾体404、扉枠右サイド装飾体419、及び扉枠トップ装飾体453の後方に、皿左上装飾基板273、皿右上装飾基板278、皿中央上装飾基板314、扉枠左サイド装飾基板402、扉枠右サイド装飾基板418、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、及び扉枠トップ右装飾基板457が配置されているため、それら装飾基板のLEDを適宜発光させることで、扉窓101aの外周全体を発光装飾させたり、扉窓101aの外周に沿って光が移動するように発光演出を遊技者に見せたり、することができる。
扉枠3の皿ユニット200では、上面に、上皿201の前後方向の距離よりも直径が大きい円環状でドーナツ形状の回転操作部302と、回転操作部302の環内に同軸状に配置された円筒状の外周押圧操作部303bと円柱状の中央押圧操作部303aとからなる押圧操作部303とが取付けられていると共に、回転操作部302の下方に回転操作部302と同じような半円弧のドーナツ形状(半円筒状、若しくは、半チューブ状)で直径の大きな二つの皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bが上下に二つ離間して取付けられていると共に、皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bの両端と連続するように同じような形状の扉枠左サイドユニット400の扉枠左サイド装飾体404、扉枠右サイドユニット410の扉枠右サイド装飾体419、及び扉枠トップユニット450の扉枠トップ装飾体453が遊技領域5aの外周を囲むように扉枠ベース101の扉窓101aの外側に取付けられている。
これにより、皿ユニット200において、回転操作部302と二つの皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bとで三つのドーナツ形状の部材が上下に並んでいると共に、回転操作部302、外周押圧操作部303b、及び中央押圧操作部303aが同心円状に並んでいるため、見た目のインパクトを高めることができ、回転操作部302や押圧操作部303を目立たせることができる。
また、皿左上装飾体271、皿右上装飾体276、及び皿中央上装飾体312aの下方に配置されている皿左下装飾体281、皿右下装飾体286及び皿中央下装飾体312bを、半チューブ状のチューブの太さを若干細くしていると共に、皿中央下装飾体312bの下方に半球面状のユニット下カバー311を備えている。これにより、演出操作ユニット300では下端から上方へ向かうほど大きくなっているため、上下方向に対する遠近感を強調することが可能となり、上側に配置されている遊技者が操作可能な回転操作部302や押圧操作部303を大きく見せることができ、遊技者の関心を皿ユニット200の上面の演出操作ユニット300における回転操作部302や押圧操作部303へ強く引付けさせて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、皿ユニット200の上面に、ドーナツ形状の回転操作部302を上方へ向かうに従って前方へ位置するように延びている軸周りに回転可能に取付けており、回転操作部302の上面が、前端側が低くなるように傾斜した状態となるため、回転操作部302や押圧操作部303の上面が本パチンコ機1の前方に着座した遊技者の頭(顔)の方向を向くこととなり、遊技者から回転操作部302や押圧操作部303の全容を見え易くすることができ、回転操作部302や押圧操作部303を大きく見せることができる。また、上述したように、回転操作部302や押圧操作部303の全容が判り易くなるため、遊技者に対して回転操作部302がドーナツ形状であることを認識させ易くすることができる。従って、遊技者に対して、ドーナツ形状の回転操作部302が回転操作するものであることを即座に認識させることができるため、遊技者参加型演出が実行された時に、即座に遊技者が回転操作部302を回転操作することができ、回転操作部302の操作により遊技者参加型演出を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、回転操作部302の直径を上皿201の前後方向の距離よりも大きくしていると共に、皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bの直径を回転操作部302よりも大きくしており、パチンコ機1の皿ユニット200において、回転操作部302や皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bの前端側が上皿201よりも前方へ大きく突出した状態となると共に、皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bが回転操作部302の外周を装飾している状態となるため、回転操作部302や皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bを大きく目立たせることができると同時に、皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bによって回転操作部302周りの見栄えを良くすることができる。従って、遊技者に対して、一見して他のパチンコ機とは異なるパチンコ機1であることを認識させることができ、遊技者の関心を強く引付けさせることができると共に、遊技者に対する訴求力を高めることができ、遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択させ易くすることができる。
[4.本体枠の全体構成]
パチンコ機1における本体枠4の全体構成について、主に図76乃至図82を参照して詳細に説明する。図76はパチンコ機における本体枠の正面図であり、図77はパチンコ機における本体枠の背面図である。図78は本体枠を右前から見た斜視図であり、図79は本体枠を左前から見た斜視図であり、図80は本体枠を後ろから見た斜視図である。図81は本体枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図82は本体枠を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
本体枠4は、遊技球Bを打込むことで遊技が行われる遊技領域5aを有した遊技盤5を保持すると共に、遊技球Bを遊技者側へ払出したり、遊技に使用された遊技球Bをパチンコ機1の後方(遊技ホールの島設備側)へ排出したり、するためのものである。本体枠4は、図示するように、前方が開放された箱状に形成されており、内部に前方から遊技盤5が着脱可能に収容される。本体枠4は、正面左辺側前端の上下において、遊技ホールの島設備に取付けられる枠状の外枠2に開閉可能に取付けられると共に、開放された前面側が閉鎖されるように扉枠3が開閉可能に取付けられる。
本体枠4は、後部が外枠2の枠内に挿入可能とされると共に遊技盤5の外周を支持可能とされた枠状の本体枠ベースユニット500と、本体枠ベースユニット500の正面視左側の上端に取付けられ外枠2の外枠上ヒンジ組立体50に回転可能に取付けられると共に扉枠3の扉枠上ヒンジ組立体120が回転可能に取付けられる本体枠上ヒンジ部材510と、本体枠ベースユニット500の正面視左側の下端に取付けられ外枠2の外枠下ヒンジ部材60に回転可能に取付けられると共に扉枠3の扉枠下ヒンジ部材125が回転可能に取付けられる本体枠下ヒンジ組立体520と、を備えている。
また、本体枠4は、本体枠ベースユニット500の正面視左側面に取付けられる本体枠補強フレーム530と、本体枠ベースユニット500の前面下部に取付けられており遊技盤5の遊技領域5a内に遊技球Bを打込むための球発射装置540と、本体枠ベースユニット500の後側における正面視上辺及び左辺に沿って取付けられている逆L字状の払出ベースユニット550と、払出ベースユニット550の後側に取付けられており遊技者側へ遊技球Bを払出すための払出ユニット560と、本体枠ベースユニット500の後面下部に取付けられている基板ユニット620と、本体枠ベースユニット500の後側に開閉可能に取付けられ本体枠ベース501に取付けられた遊技盤5の後側を覆う裏カバー640と、本体枠ベースユニット500の正面視右側面に取付けられており外枠2と本体枠4、及び扉枠3と本体枠4の間を施錠する施錠ユニット650と、を備えている。
本体枠ベースユニット500は、正面視の形状が上下に延びた長方形の枠状に形成されている本体枠ベース501と、扉枠3側と接続するための接続ケーブル503を案内する接続ケーブル案内部材502と、遊技盤5を着脱可能に保持するための遊技盤ロック部材505と、を備えている。
払出ベースユニット550は、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501の後側に取付けられる払出ベース551と、払出ベース551に取付けられており左右に延びた箱状で上方へ開放されている球タンク552と、球タンク552の左側に取付けられており上方へ開放された溝状に左方へ延びているタンクレール553と、タンクレール553の上端に取付けられている第一レールカバー554と、第一レールカバー554から正面視左方に離間してタンクレール553の上端に取付けられている第二レールカバー555と、第一レールカバー554と第二レールカバー555の間の位置でタンクレール553の上端に取付けられている球整流部材556と、タンクレール553の下流側端に取付けられている球止部材557と、を備えている。
払出ユニット560は、タンクレール553からの遊技球Bを蛇行状に下方へ誘導する球誘導ユニット570と、球誘導ユニット570により誘導された遊技球Bを払出制御基板633からの指示に基づいて一つずつ払出す払出装置580と、払出装置580を通った遊技球Bを下方へ誘導する上部満タン球経路ユニット600と、上部満タン球経路ユニット600を通った遊技球Bを扉枠3側又は基板ユニット620側へ誘導する下部満タン球経路ユニット610と、を備えている。
基板ユニット620は、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501に取付けられるスピーカユニット620aと、本体枠ベース501の後面に取付けられるベースユニット620bと、ベースユニット620bの後側に取付けられている電源ユニット620cと、電源ユニット620cの後側に取付けられている払出制御ユニット620dと、スピーカユニット620aの後面に取付けられているインターフェイスユニット620eと、を備えている。
施錠ユニット650は、本体枠ベース501に取付けられるユニットベース651と、ユニットベース651から前方へ突出しており扉枠3と係止可能な複数の扉枠用鉤652と、ユニットベース651から後方へ突出しており外枠2と係止可能な複数の外枠用鉤653と、扉枠用鉤652又は外枠用鉤653を上下方向へ移動させる伝達シリンダ654と、扉枠用鉤652を下方へ付勢していると共に外枠用鉤653を上方へ付勢している錠バネ655と、外枠用鉤653を下方へ移動させる外枠用開錠レバー656と、を備えている。
[4−1.本体枠ベースユニット]
本体枠4における本体枠ベースユニット500について、主に図76乃至図84等を参照して詳細に説明する。図83(a)は本体枠における正面左下隅を示す拡大斜視図であり、(b)は本体枠に対して扉枠を開いた時の本体枠の正面左下隅を示す拡大斜視図である。図84は、本体枠に対する扉枠の開閉時における本体枠の接続ケーブル案内部材の動作を示す説明図である。本体枠ベースユニット500は、前方から後部が外枠2の枠内に挿入されると共に、前方から挿入された遊技盤5の外周を保持するものである。
本体枠ベースユニット500は、正面視の形状が上下に延びた長方形の枠状に形成されている本体枠ベース501と、本体枠ベース501の前面における左下隅に取付けられており接続ケーブル503を案内する接続ケーブル案内部材502と、本体枠ベース501の前面下部に前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられており遊技盤5を着脱可能に保持するための遊技盤ロック部材505と、を備えている。
本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501は、正面視の形状が上下に延びた長方形に形成されているベース本体501aと、ベース本体501aの上端よりやや下側の位置から全高の約3/4の高さの範囲で前後に貫通しており遊技盤5が前側から挿入される遊技盤挿入口501bと、遊技盤挿入口501bの下辺を形成しており遊技盤5が載置される遊技盤載置部501cと、遊技盤載置部501cの左右方向中央から上方へ突出しており遊技盤5の下端の左右及び後方への移動を規制する遊技盤規制部501dと、を備えている。
また、本体枠ベース501は、ベース本体501aの前面における遊技盤載置部501cの正面視右下側で後方へ窪んでおり球発射装置540を取付けるための発射装置取付部501eと、発射装置取付部501eの正面視右側で前後に貫通しており施錠ユニット650の伝達シリンダ654が挿通されるシリンダ挿通口501fと、遊技盤載置部501cの正面視左下側で前後に貫通しており基板ユニット620におけるスピーカユニット620aの本体枠スピーカ622を前方へ臨ませる円形状のスピーカ用開口部501gと、本体枠ベース501は、スピーカ用開口部501gの下方で後方へ窪んでいると共に左右に延びており接続ケーブル案内部材502が取付けられるケーブル取付凹部501hと、ケーブル取付凹部501hの正面視右端上部において前後に貫通しているケーブル挿通口501iと、を備えている。
更に、本体枠ベース501は、ベース本体501aにおける遊技盤挿入口501bの正面視右辺から後方へ板状に延出しており、右側面に施錠ユニット650が取付けられると共に、後端に裏カバー640が回動可能に取付けられる後方延出部501jと、ベース本体501aの後面における正面視左端の上下両端部付近に形成されており、本体枠上ヒンジ部材510及び本体枠下ヒンジ組立体520を取付けるための上ヒンジ取付部501k及び下ヒンジ取付部501lと、を備えている。
また、本体枠ベース501は、ベース本体501aの前面における施錠ユニット650の伝達シリンダ654が挿通されるシリンダ挿通口501fの下方の位置に、本体枠4に対する扉枠3の開放を検出するための扉枠開放スイッチ4aが取り付けられている。扉枠開放スイッチ4aは、本体枠4に対して扉枠3が開かれる(開放される)と、その押圧が解除されて扉枠3の開放を検出することができるようになっている。扉枠開放スイッチ4aからの検出信号は、払出制御基板633を介して、主制御基板1310へ入力されている。また、本体枠ベース501は、扉枠開放スイッチ4aが取り付けられた位置よりも下方のベース本体501aの後面において、外枠2に対する本体枠4の開放を検出するための本体枠開放スイッチ4bが取り付けられている。本体枠開放スイッチ4bは、外枠2に対して本体枠4が開かれる(開放される)と、その押圧が解除されて本体枠4の開放を検出することができるようになっている。本体枠開放スイッチ4bからの検出信号は、払出制御基板633を介して、主制御基板1310へ入力されている。
本体枠ベース501には、前面における遊技盤載置部501cの下方でスピーカ用開口部501gの右方の位置に、遊技盤ロック部材505が前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられる。遊技盤ロック部材505は、遊技盤挿入口501bに挿通された遊技盤5の前方への移動を規制可能とすることで、遊技盤挿入口501bに挿入された遊技盤5を着脱可能としている。
本体枠ベース501のケーブル取付凹部501hは、下ヒンジ取付部501lの右端側からスピーカ用開口部501gよりも右方で遊技盤ロック部材505が取付けられ部位の下方の位置まで左右方向に延びている。ケーブル取付凹部501hは、接続ケーブル案内部材502を収容可能な大きさに形成されており、接続ケーブル案内部材502の右端側を上下に延びた軸周りに回転可能に取付けることができる。
本体枠ベースユニット500の接続ケーブル案内部材502は、左右に延びた平板状の案内本体502aと、案内本体502aの上下両辺において夫々前方へ突出していると共に案内本体502aの右端よりも右方へ延出している帯板状の一対の枠片502bと、一対の枠片502bの右端同士を連結している円柱状の取付軸502cと、案内本体502aの上下両端において前後に貫通していると共に左右方向へ列設されている複数の貫通孔502dと、を備えている。
接続ケーブル案内部材502は、左右方向の長さが、本体枠ベース501のケーブル取付凹部501hの左右方向の長さよりも若干短い長さとされており、ケーブル取付凹部501h内に収容可能な大きさに形成されている。接続ケーブル案内部材502は、取付軸502cが、ケーブル取付凹部501h内における右端付近において上下に延びた軸周りに回転可能に取付けられる。これにより、接続ケーブル案内部材502は、左端側が前方へ突出するように回動(ヒンジ回転)することができる。
この接続ケーブル案内部材502は、接続ケーブル503を案内するためのものである。接続ケーブル503は、複数の配線コードからなり、一方の端部が基板ユニット620のインターフェイス基板635に接続されると共に、反対側の端部が扉枠3の扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105に接続される。
続いて、接続ケーブル案内部材502による作用効果について説明する。接続ケーブル案内部材502は、図84等に示すように、本体枠ベース501に対して、左右方向における扉枠3をヒンジ回転可能に取付ける側(左側)とは反対側の端部(右側端部)が、扉枠3のヒンジ軸と平行に延びた軸周りに回転可能に取付けられる。
そして、本体枠4のインターフェイス基板635と扉枠3の扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105とを接続する接続ケーブル503は、インターフェイス基板635に接続されている側が、接続ケーブル案内部材502の案内本体502aの右方から左方へ延びるように案内本体502aの前面に当接させた状態で、案内本体502aの上下両端側に形成されている複数の貫通孔502dのうち左右方向が同じ位置の一組の貫通孔502dに挿通した結束バンド504により、案内本体502aと一緒に締付けられることで、案内本体502aに取付けられる。
本体枠4の接続ケーブル案内部材502は、パチンコ機1に組立て扉枠3を本体枠4に対して閉じた状態で、扉枠3の扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105の後方に位置している(図84(a)を参照)。この状態では、接続ケーブル503が、接続ケーブル案内部材502から左方へ延び出した後、下ヒンジ取付部501lの前方で曲げ返されて扉枠3のケーブルホルダ103aを通って扉枠中継基板カバー107内へ延出している。扉枠3のケーブルホルダ103aは、接続ケーブル案内部材502の左端よりも左方に配置されている。
この状態で、扉枠3を本体枠4に対して開くようにヒンジ回転させると、接続ケーブル案内部材502の左端側が、接続ケーブル503における扉枠3に取付けられている側によって前方へ引っ張られ、接続ケーブル案内部材502が右端の取付軸502cを中心にして回動することとなる。この際に、本実施形態では、扉枠3の開角度αと、接続ケーブル案内部材502の開角度βとの関係が、 α/2≧β (望ましくは、α/3≧β) を満たすように形成されている(図84(b)を参照)。
接続ケーブル案内部材502の開角度βは、扉枠3が閉じている状態(扉枠3の開角度αが0度の状態)では、0度となっている。接続ケーブル案内部材502の開角度βは、扉枠3を開いて開角度αが大きくなるに従って、大きくなるが、開角度αがある程度(例えば、約90度)よりも大きくなると、増加が停止するように推移する。本実施形態では、開角度βの最大角度が、45度未満とされている。
このように、扉枠3を開けた時に、接続ケーブル案内部材502の左端側が、本体枠ベース501よりも前方へ移動するように接続ケーブル案内部材502が回動するため、接続ケーブル案内部材502に接続ケーブル503が案内されることで、扉枠3と本体枠4との間で接続ケーブル503が垂れ下がってしまうのを防止することができる。
開いた扉枠3を閉める時には、接続ケーブル503における扉枠3に取付けられている部位が相対的に後方へ移動することとなるため、接続ケーブル503によって接続ケーブル案内部材502の左端側が後方へ押圧され、接続ケーブル案内部材502が取付軸502cを中心にして左端側が後方へ移動するように回動することとなる。この際に、接続ケーブル案内部材502が、45度未満の開角度βで開いているため、接続ケーブル案内部材502が扉枠3の閉じる方向への移動を阻害することはなく、扉枠3をスムーズに閉めることができる。また、接続ケーブル503が接続ケーブル案内部材502に案内されているため、扉枠3を閉める際に、接続ケーブル503が扉枠3と本体枠4との間に挟まれることはなく、接続ケーブル503に不具合が生じるのを防止することができる。
また、本体枠4に対して扉枠3を閉じた時に、接続ケーブル案内部材502に案内されている接続ケーブル503を、180度折返していることから、接続ケーブル503の折返している部位に、折り癖を付けることができる。これにより、扉枠3を開くことで、接続ケーブル503の180度折返されている部位が開くように変化した時に、折り癖により接続ケーブル503に対して閉じようとする力が作用することとなるため、扉枠3を閉じる際に、その折り癖により接続ケーブル503(接続ケーブル案内部材502)が開く方向へ移動するのを阻止することができると共に、接続ケーブル503(接続ケーブル案内部材502)を閉じる方向へ誘導させることができ、扉枠3を円滑に閉じさせることができる。
更に、扉枠3側において、折返されている接続ケーブル503を接続ケーブル案内部材502の先端よりも扉枠上ヒンジピン122及び扉枠下ヒンジピン126の中心軸(軸芯)に近い位置でケーブルホルダ103aによって保持していることから、本体枠4に対して扉枠3を閉じる際に、ケーブルホルダ103aによって保持されている接続ケーブル503により、接続ケーブル案内部材502の先端側を扉枠上ヒンジピン122及び扉枠下ヒンジピン126の中心軸(軸芯)側へ引寄せることができる。
また、本実施形態では、接続ケーブル案内部材502の回転中心を通り、扉枠上ヒンジピン122及び扉枠下ヒンジピン126の中心軸(軸芯)を中心として、スピーカダクト103におけるケーブルホルダ103aよりも扉枠上ヒンジピン122及び扉枠下ヒンジピン126の中心軸(軸芯)側で後方へ突出している部位(押圧部)を通る円に接する接線と、本体枠4の前面と交差する角度が、45度以下となるように構成している。これにより、これにより、本体枠4に対して扉枠3を閉じる時に、押圧部が接続ケーブル503に当接することにより、接続ケーブル503を介して開いている接続ケーブル案内部材502の先端側を閉じる方向へ押圧することができるため、扉枠3の閉方向への移動に伴って接続ケーブル案内部材502をスムーズに閉じさせることができ、扉枠3を確実に閉じることができる。また、扉枠3の開閉に伴って回転(開閉)する接続ケーブル案内部材502の最大開角度βを、45度以下とすることができるため、扉枠3を閉じる際に、接続ケーブル案内部材502を閉じる方向へ確実に回転させることができ、上述と同様の作用効果を奏することができる。
[4−2.本体枠上ヒンジ部材]
本体枠4における本体枠上ヒンジ部材510について、主に図81及び図82等を参照して詳細に説明する。本体枠上ヒンジ部材510は、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501における上ヒンジ取付部501kに取付けられ、外枠2の外枠上ヒンジ組立体50に回転可能に取付けられると共に、扉枠3の扉枠上ヒンジ組立体120を回転可能に取付けるものである。
本体枠上ヒンジ部材510は、水平に延びた平板状の板材の後部が下方へL字状に折り曲げられている上ヒンジ本体511と、上ヒンジ本体511の前端から上方へ円柱状に突出しており外枠上ヒンジ組立体50に軸支される本体枠上ヒンジピン512と、を備えている。上ヒンジ本体511は、水平に延びた部位における本体枠上ヒンジピン512の正面視左側で上下方向に貫通しており扉枠上ヒンジ組立体120を軸支するための扉枠用上ヒンジ孔511aを備えている。
本体枠上ヒンジ部材510は、上ヒンジ本体511における下方へ折り曲げられて上下に延びている部位が、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501における上ヒンジ取付部501kに取付けられる。本体枠上ヒンジ部材510は、本体枠上ヒンジピン512が、外枠上ヒンジ組立体50における外枠上ヒンジ部材51の軸受溝51c内に挿入されて軸支される。上ヒンジ本体511の扉枠用上ヒンジ孔511aには、扉枠3の扉枠上ヒンジ組立体120における扉枠上ヒンジピン122が下方から回転可能に挿入される。
この本体枠上ヒンジ部材510は、本体枠下ヒンジ組立体520と協働して、本体枠4を外枠2に対してヒンジ回転可能に取付けることができると共に、本体枠4に対して扉枠3をヒンジ回転可能に取付けることができる。
[4−3.本体枠下ヒンジ組立体]
本体枠4における本体枠下ヒンジ組立体520について、主に図81及び図82等を参照して詳細に説明する。本体枠下ヒンジ組立体520は、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501における下ヒンジ取付部501lに取付けられ、外枠2の外枠下ヒンジ部材60に回転可能に取付けられると共に、扉枠3の扉枠下ヒンジ部材125が回転可能に取付けられる。
本体枠下ヒンジ組立体520は、水平に延びた平板状の板材の後部が上方へL字状に折り曲げられている下ヒンジ第一本体521と、下ヒンジ第一本体521の上側に配置されており水平に延びた平板状の板材の後部が上方へL字状に折り曲げられている下ヒンジ第二本体522と、を備えている。本体枠下ヒンジ組立体520は、下ヒンジ第一本体521の水平に延びている部位から上方へ間隔をあけて下ヒンジ第二本体522の水平に延びている部位が配置されていると共に、下ヒンジ第一本体521の垂直に延びている部位の前面に、下ヒンジ第二本体522の垂直に延びている部位が当接している。
下ヒンジ第一本体521は、水平に延びている部位の前端付近で上下に貫通しており外枠2の外枠下ヒンジ部材60における外枠下ヒンジピン60cが下方から挿入される外枠用下ヒンジ孔521aを有している。外枠用下ヒンジ孔521aは、本体枠上ヒンジ部材510の本体枠上ヒンジピン512と同軸上に形成されている。
下ヒンジ第二本体522は、水平に延びている部位の前端付近で上下に貫通しており扉枠3の扉枠下ヒンジ部材125の扉枠下ヒンジピン126が上方から挿入される扉枠用下ヒンジ孔522aと、水平に延びている部位の左辺における扉枠用下ヒンジ孔522aよりも後側の位置から上方へ延出しており扉枠3の回動範囲を規制するための規制片522bと、を備えている。扉枠用下ヒンジ孔522aは、本体枠上ヒンジ部材510の上ヒンジ本体511における扉枠用上ヒンジ孔511aと同軸上に形成されている。
本体枠下ヒンジ組立体520は、下ヒンジ第一本体521と下ヒンジ第二本体522とにおける垂直に延びている部位が、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501における下ヒンジ取付部501lに取付けられる。本体枠下ヒンジ組立体520は、本体枠上ヒンジ部材510と協働して、本体枠4を外枠2に対してヒンジ回転可能に取付けることができると共に、本体枠4に対して扉枠3をヒンジ回転可能に取付けることができる。
[4−4.本体枠補強フレーム]
本体枠4における本体枠補強フレーム530について、主に図81及び図82等を参照して詳細に説明する。本体枠補強フレーム530は、本体枠ベースユニット500における本体枠ベース501の左側面に取付けられる。本体枠補強フレーム530は、平面視の断面形状が、右側が開放されたコ字状に形成されており、一定の断面形状で上下に延びている。本実施形態では、本体枠補強フレーム530が、金属の押出型材によって形成されている。
本体枠補強フレーム530には、前端から右方へ延びている部位の後側に、本体枠ベース501の遊技盤挿入口501bに挿入された遊技盤5が前方及び上下に移動するのを規制する左位置規制部材531が、上下に離間して二つ取付けられている。
本体枠補強フレーム530は、平面視において右側が開放されたコ字状に形成されている前側に、右方へ開放されていると共に上下に延びている溝部530aを有している。この溝部530aは、本体枠4に対して扉枠3を閉じた時に、扉枠3における扉枠補強ユニット110の左補強フレーム111の後部左端が挿入されるものである。溝部530a内に左補強フレーム111が挿入されることで、平面視において、本体枠補強フレーム530と左補強フレール111との間の隙間が蛇行した状態となり、パチンコ機1の左側面から不正な工具が内部に挿入されることを防止することができる。本体枠補強フレーム530は、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501の左側(ヒンジ側)を補強していると共に、外枠2と本体枠4の間を通した左側からの本体枠4内(遊技盤5)への不正な工具の差し込みを防止している。
[4−5.球発射装置]
本体枠4における球発射装置540について、主に図85等を参照して詳細に説明する。図85(a)は本体枠における球発射装置を前から見た斜視図であり、(b)は球発射装置を後ろから見た斜視図である。球発射装置540は、本体枠ベースユニット500の前面下部に取付けられており、扉枠3における皿ユニット200の上皿201に貯留されている遊技球Bを、本体枠4に取付けられた遊技盤5の遊技領域5a内に打込むためのものである。球発射装置540は、扉枠3の前面右下隅のハンドルユニット180のハンドル182の回動角度に応じた強さで遊技球Bを打込むことができる。
球発射装置540は、本体枠ベースユニット500における本体枠ベース501の発射装置取付部501eに取付けられる平板状の発射ベース541と、発射ベース541の正面視右部の後面に取付けられており回動軸が発射ベース541を貫通して前方へ延出しているロータリーソレノイドからなる発射ソレノイド542と、発射ソレノイド542の回転軸に基端が取付けられている打球槌543と、打球槌543の先端付近から左斜め上方へ延出するように発射ベース541の前面に取付けられており遊技球Bが転動可能な発射レール544と、を備えている。
球発射装置540は、扉枠3の球送給ユニット140から遊技球Bが発射レール544の上面右端に供給されるようになっており、発射レール544の上面右端に遊技球Bが供給されている状態で、ハンドル182を回動操作すると、その回動操作角度に応じた強さで発射ソレノイド542が駆動して、打球槌543により遊技球Bを打球する。そして、打球槌543により打たれた遊技球Bは、発射レール544を通って遊技盤5の外レール1001及び内レール1002に案内されて遊技領域5a内に打込まれる。
なお、遊技球Bの打込強さ等の関係で、打球した遊技球Bが遊技領域5a内に到達しなかった場合は、発射レール544と遊技盤5(外レール1001及び内レール1002)との間から、下方のファールカバーユニット150のファール球受口150cへ落下し、ファールカバーユニット150内を通って下皿202に排出される。
[4−6.払出ベースユニット]
本体枠4における払出ベースユニット550について、主に図86等を参照して詳細に説明する。図86(a)は本体枠の払出ベースユニットを前から見た斜視図であり、(b)は払出ベースユニットを後ろから見た斜視図である。払出ベースユニット550は、逆L字状に形成されており、本体枠ベースユニット500の後側に取付けられる。
払出ベースユニット550は、本体枠ベースユニット500における本体枠ベース501の後側に取付けられる払出ベース551を備えている。払出ベース551は、前後方向が略一定の幅で左右に延びている天板部551aと、天板部551aの正面視左辺から前後方向の幅が天板部と略同じ幅で下方へ長く延びている左側板部551bと、天板部551aの正面視右辺から前後方向の幅が天板部551aと略同じ幅で下方へ短く延びている右側板部551cと、天板部551aの後辺から右側板部551cの下辺と同じ位置まで下方へ延びている背板上部551dと、左側板部551bの後辺よりも前方寄りの位置から右方へ略一定の幅で下端付近まで延びている背板左部551eと、背板左部551eの右辺から後方へ左側板部551bの後辺と同じ位置まで延びている内側板部551fと、左側板部551bの下辺の前部から右方へ背板左部551eの右辺と略同じ位置まで延びている底板部551gと、底板部551gの右辺と内側板部551fの下辺とを連結している連結板部551hと、を備えている。払出ベース551は、正面視において逆L字状に形成されており、前方とL字の内方へ開放された箱状に形成されている。
払出ベース551は、天板部551aが本体枠ベース501の遊技盤挿入口501bの左右方向の幅と略同じ長さで左右に延びていると共に、左側板部551bが遊技盤挿入口501bの上下方向の高さと略同じ長さで上下に延びている。払出ベース551は、天板部551a、左側板部551b、及び右側板部551cの前端が本体枠ベース501の後側に取付けられる。
また、払出ベース551は、左側板部551b、背板左部551e、及び内側板部551fによって、後方へ開放されており上下に延びている浅い凹部状の部位を備えており、その部位に払出ユニット560が取付けられる。また、払出ベース551は、内側板部551fの正面視右側面の上部において右方へ突出しており、裏カバー640が取付けられる裏カバー取付部551iを有している。
払出ベースユニット550は、払出ベース551の天板部551aの上面に取付けられており左右に延びた箱状で上方へ開放されている球タンク552と、払出ベース551の左右に延びている部位の上側における球タンク552の左側に取付けられており上方へ開放された溝状に左方へ延びているタンクレール553と、を備えている。
また、払出ベースユニット550は、タンクレール553の上端における左右方向の途中に取付けられている第一レールカバー554と、第一レールカバー554から正面視左方に離間してタンクレール553の上端に取付けられておりタンクレール553の左端まで延びている第二レールカバー555と、第一レールカバー554と第二レールカバー555の間の位置でタンクレール553の上端に取付けられている球整流部材556と、タンクレール553の下端における正面視左端付近に取付けられている球止部材557と、を備えている。
球タンク552は、左右方向が払出ベース551の天板部551aの左右方向の幅の約半分の長さに形成されていると共に、前後方向が天板部551aの前後方向の奥行よりも短い長さに形成されている。球タンク552は、天板部551aの上面において、左右方向の右寄りの位置に取付けられている。球タンク552の底面は、左端側が低くなるように傾斜している。球タンク552は、左端側がタンクレール553と連通している。
タンクレール553は、払出ベース551の天板部551aの上面における左右方向中央より左側の後端付近に取付けられている。タンクレール553は、平面視の形状が、球タンク552と連通している右端から左方且つ後方へ斜めで前後方向の奥行が遊技球Bの外径の数倍の奥行から略一つ分の奥行になるように延びた後に、前後方向の奥行が遊技球Bの外径よりも若干大きい奥行で左方へ真直ぐに延びた形状に形成されている。タンクレール553は、左端側が低くなるように底面が傾斜しており、底面の左端が遊技球Bの外径よりも若干大きい大きさで下方へ向かって開口している。タンクレール553の底面の左端の開口が、払出ユニット560の球誘導ユニット570における誘導通路570aの上端開口と連通している。
また、タンクレール553は、左方へ真直ぐに延びている部位の上端が、左端側の高さが遊技球Bの外径よりも若干大きい高さとなるように、底面よりも水平に対して急な角度で左端側が低くなるように傾斜している。タンクレール553は、左方へ真直ぐに延びている部位の後端が、天板部551aの後辺と略一致するように天板部551aの上面に取付けられる。また、タンクレール553は、左方へ真直ぐ延びている部位の上端に、第一レールカバー554、第二レールカバー555、球整流部材556、及び球止部材557が取付けられる。
第一レールカバー554及び第二レールカバー555は、タンクレール553における左方へ真直ぐに延びている部位の上端に取付けられる。第一レールカバー554及び第二レールカバー555は、タンクレール553の上端の前後方向の奥行が、タンクレール553内の遊技球Bの圧力によって、広がったり、狭くなったりするのを防止するためのものである。
球整流部材556は、タンクレール553の上端における第一レールカバー554と第二レールカバー555との間に部位において、第一レールカバー554側の端部が前後方向に延びた軸周りに対して回転可能に取付けられている。球整流部材556は、タンクレール553内へ突出し左右方向に延びている整流片556aを備えている(図92を参照)。この整流片556aによって上下二段になって流通している遊技球Bの上段側の遊技球Bの流れを遅らせて、下流側では一段となって流れるように整流することで、タンクレール553内の高さが低くなっても球詰りしないようにしている。
球止部材557は、タンクレール553の下面における正面視左端付近において、左右方向へスライド可能に取付けられており、左方へスライドさせることで、タンクレール553の底面左端の開口を閉鎖して、タンクレール553から下流の払出ユニット側へ遊技球Bが流通しないようにすることができる。
更に、払出ベースユニット550は、払出ベース551の左右に延びている部位の上面における球タンク552の正面視左方に取付けられている外部端子板558を、更に備えている。外部端子板558は、パチンコ機1とパチンコ機1が設置される遊技ホールの島設備との間で電気的な接続を行うためのものである。外部端子板558は、図示は省略するが、本体枠ベース501の遊技盤挿入口501b側へ臨んだアース接続部を備えている。アース接続部には、遊技盤5側から延びたアース線が接続される。
[4−7.払出ユニットの全体構成]
本体枠4における払出ユニット560の全体構成について、主に図87及び図88等を参照して詳細に説明する。図87(a)は本体枠における払出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は払出ユニットを後ろから見た斜視図である。図88(a)は払出ユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は払出ユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。払出ユニット560は、払出ベースユニット550の払出ベース551の背板左部551eの後面に取付けられるものである。
払出ユニット560は、タンクレール553からの遊技球Bを蛇行状に下方へ誘導する球誘導ユニット570と、球誘導ユニット570の下側に配置されており球誘導ユニット570により誘導された遊技球Bを払出制御基板633からの指示に基づいて一つずつ払出す払出装置580と、払出装置580を通った遊技球Bを下方へ誘導する上部満タン球経路ユニット600と、上部満タン球経路ユニット600を通った遊技球Bを扉枠3側又は基板ユニット620側へ誘導する下部満タン球経路ユニット610と、を備えている。
球誘導ユニット570は、タンクレール553により一列に整列された遊技球Bを、払出装置580へ供給する。払出装置580は、球誘導ユニット570から供給された遊技球Bが流通可能な払出通路580aと、払出通路580aの途中から分岐している球抜通路580bとを有しており、通常の状態では、払出制御基板633からの指示に基づいて払出通路580aから上部満タン球経路ユニット600側へ遊技球Bを放出し、球抜レバー593が操作される球抜通路580bから上部満タン球経路ユニット600側へ遊技球Bを放出するものである。
上部満タン球経路ユニット600は、払出装置580の払出通路580aから放出された遊技球Bと、球抜通路580bから放出された遊技球Bとを、分けて下方へ誘導するものである。下部満タン球経路ユニット610は、上部満タン球経路ユニット600を介して、払出装置580の払出通路580aから放出された遊技球Bを扉枠3側へ誘導し、球抜通路580bから放出された遊技球Bを基板ユニット620側へ誘導するものである。
[4−7a.球誘導ユニット]
払出ユニット560における球誘導ユニット570について、主に図87及び図88等を参照して詳細に説明する。球誘導ユニット570は、払出ベースユニット550における払出ベース551の背板左部551eの後面上部に後方から取付けられ、タンクレール553からの遊技球Bを受取って払出装置580側へ遊技球Bを誘導するためのものである。
球誘導ユニット570は、遊技球Bが流通可能な蛇行状に延びた誘導通路570aを有しており前方へ開放されている箱状の誘導ユニットベース571と、誘導ユニットベース571の前側を閉鎖している平板状の誘導通路前蓋572と、誘導通路570a内を流通する遊技球Bにより可動する可動片部材573と、可動片部材573の可動を検知することで誘導通路570a内の遊技球Bの有無を検知する球切検知センサ574と、を備えている(図92を参照)。
球誘導ユニット570は、誘導ユニットベース571及び誘導通路前蓋572の正面視の形状が、上下に延びた四角形に形成されている。誘導通路570aは、誘導ユニットベース571の上面の左端付近において上方へ開口しており、上端から誘導ユニットベース571の高さ方向中央付近まで垂直に下方へ延びた後に、右方へ屈曲し、誘導ユニットベース571の左右方向の幅の間で折返しを繰返しながら蛇行状に下方へ延びて、誘導ユニットベース571の下面の左端付近において下方へ開口している。
誘導通路570aは、遊技球Bが流通する流通方向に対して、前後右方の奥行と、左右方向の幅とが、遊技球Bの外径よりも若干大きく形成されており、遊技球Bを一列で誘導することができる。
球誘導ユニット570は、上部付近において、可動片部材573が誘導通路570a内へ進退可能に取付けられている。詳しくは、可動片部材573は、上部が誘導通路570aの正面視右外側の部位で前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられており、自重により下端の一部が誘導通路570a内へ突出するように形成されている。この可動片部材573は、誘導通路570a内へ突出している部位に遊技球Bが当接することで、突出している部位が遊技球Bに押されて誘導通路570a内から後退して突出していない状態となる。
球切検知センサ574は、可動片部材573の一部が誘導通路570a内へ突出している時には、可動片部材573を検知せず、可動片部材573の一部が誘導通路570a内から後退して突出していない時には、可動片部材573を検知する。従って、球切検知センサ574は、誘導通路570a内に遊技球Bが存在している時には検知の状態となり、誘導通路570a内に遊技球Bが存在していない時には非検知の状態となる。
球誘導ユニット570は、本体枠4に組立てた状態で、誘導通路570aの上流端が、タンクレール553の下流端と連通していると共に、誘導通路570aの下流端が、払出装置580の払出通路580aの上流端と連通している。球誘導ユニット570は、遊技球Bを誘導する誘導通路570aが蛇行状に延びていることから、球誘導ユニット570の全高によりも誘導通路570aが長く延びており、誘導通路570a内に多くの遊技球Bを貯留することができる。また、球誘導ユニット570は、球切検知センサ574によって誘導通路570a内の遊技球Bの有無を検知することができるため、誘導通路570aを介して球タンク552内の遊技球Bの有無を検知することができる。
[4−7b.払出装置]
払出ユニット560における払出装置580について、主に図87乃至図90等を参照して詳細に説明する。図89は、払出ユニットの払出装置を払出羽根の前後方向中央で切断した背面断面図である。図90(a)は球抜可動片が開状態の時に払出装置を払出羽根の前後方向中央で切断した背面断面図であり、(b)は(a)におけるA−A線で切断した断面図である。払出装置580は、払出ベースユニット550の払出ベース551における背板左部551eの後面の球誘導ユニット570の下側に後方から着脱可能に取付けられる。
払出装置580は、後方へ開放された箱状で遊技球Bが流通可能な払出通路580a及び払出通路580aの途中から分岐している球抜通路580bを有している払出装置本体581と、払出装置本体581を後側から閉鎖している平板状の払出装置後蓋582と、払出装置本体581の前側に取付けられており後方へ開放された浅い箱状の払出装置前蓋583と、を備えている。
また、払出装置580は、払出装置本体581の後面に取付けられており回転軸が払出装置本体581と払出装置前蓋583との間に突出している払出モータ584と、払出モータ584の回転軸に取付けられている平歯車状の駆動ギア585と、駆動ギア585と噛合しており払出装置本体581と払出装置前蓋583とによって回転可能に取付けられている平歯車状の第一伝達ギア586と、第一伝達ギア586と噛合しており払出装置本体581と払出装置前蓋583とによって回転可能に取付けられている平歯車状の第二伝達ギア587と、第二伝達ギア587と噛合している平歯車状の払出ギア588a及び払出ギア588aよりも外方へ延出している複数の検知片588bを有し払出装置本体581と払出装置前蓋583との間で回転可能に取付けられている払出ギア部材588と、払出装置本体581と払出装置後蓋582との間で払出ギア部材588と一体回転し払出通路580a内に突出している複数の羽根片589aを有した払出羽根589と、払出装置本体581の後側に取付けられており払出ギア部材588の検知片588bを検知する羽根回転検知センサ590と、を備えている。
更に、払出装置580は、払出通路580aの下流端において払出装置本体581と払出装置後蓋582とによって取付けられており遊技球Bを検知する払出検知センサ591と、払出装置本体581と払出装置後蓋582とによって払出通路580aから分岐する部位で球抜通路580bを開閉可能に取付けられている球抜可動片592と、球抜可動片592が球抜通路580bを閉鎖している位置で保持可能とされており払出装置本体581と払出装置後蓋582とによって上下方向へスライド可能に取付けられている球抜レバー593と、を備えている。
払出装置580は、平面視の形状が上下に延びた四角形に形成されている。払出装置580は、左右方向の幅が、球誘導ユニット570の左右方向の幅よりも正面視右方へ大きく形成されている。
払出装置580の払出通路580aは、図89に示すように、背面視において、上流端が左右方向の中央から左寄りの位置で上方へ開口しており、下流端が左右方向の右端付近の位置で下方へ開口している。払出通路580aは、上流端から下方へ向かうに従って少しずつ左方へ移動するように上から全高の約1/3の高さほど下方へ斜めに延び、そこから右方やや斜め下へ折れ曲がった後に、左右の幅の約1/3のところで折れ曲がって払出羽根589の中心(回転軸)へ向かうように下方へ略垂直に延びている。そして、払出羽根589の中心よりも上側において、遊技球Bの外径よりも若干大きい幅で背面視右方へ折れ曲がった後に、払出羽根589の外周との間に遊技球Bよりも若干大きい隙間が形成されるように払出羽根589と同心円の円弧状に下方へ延びた上で、払出羽根589の中心よりも背面視右方の位置で下流端まで下方へ垂直に延びている。
払出通路580a内において、払出羽根589よりも下方で下流端の直上に払出検知センサ591が配置されている。
球抜通路580bは、払出通路580a内における上流端から斜め下方へ延びて右方へ折れ曲がっている部位で分岐して、背面視左辺に沿って下端まで垂直に延びており、底面の背面視における左端付近で下方へ開口している。
払出装置本体581及び払出装置後蓋582は、払出通路580aと球抜通路580bとが分岐している部位における球抜可動片592が取付けられている側において、互いに対向し遊技球Bの外径よりも狭い隙間を形成するように夫々から後方及び前方へ突出していると共に、夫々が払出通路580aと球抜通路580bの背面視における左側壁と連続するように形成されている本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aを備えている。本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aは、払出通路580aにおける球抜通路580bと分岐して上から約1/3の高さの位置で背面視右方へ延びている部位の背面視左方の位置に形成されている。本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aは、背面視において左斜め上へ窪むように湾曲しており、主に球抜通路580bの側壁を構成するように形成されている。本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間を通って球抜可動片592が回動する。
払出モータ584は、払出装置本体581における払出通路580aが上流端から斜め下方へ延びている部位の背面視右方に取付けられている。駆動ギア585、第一伝達ギア586、第二伝達ギア587、及び払出ギア部材588は、払出装置本体581の前方に配置されており、前側が払出装置前蓋583によって被覆されている。払出ギア部材588は、外方へ延出している平板状の検知片588bが、周方向へ120度の角度の間隔で三つ備えられている。
払出羽根589は、払出装置本体581と払出装置後蓋582との間に配置されている。払出羽根589は、外方へ平板状に延出している複数の羽根片589aが、周方向へ120度の角度の間隔で三つ備えられている。羽根片589aは、払出通路580a内における上方から回転軸に向かって延びた後に背面視右方へ延びている部位において、払出通路の側壁との間が遊技球Bの外径よりも狭くなるように、払出通路580a内へ突出している。払出羽根589は、三つの羽根片589aの間に、中心側へ遊技球Bの半径よりも若大きい半径の円弧で窪んだ球収容部589bを備えている。この球収容部589bには、遊技球Bを一つのみ収容可能とされている。これにより、払出羽根589は、羽根片589aによって払出通路580a内の遊技球Bが、払出羽根589よりも下流側へ移動するのを規制することができると共に、背面視時計回りの方向へ回転することで球収容部589bに収容された遊技球Bを下流側へ移動させることができる。
払出ギア部材588と払出羽根589は、払出装置後蓋582と払出装置前蓋583とによって同軸上で一体回転可能に取付けられている。羽根回転検知センサ590は、背面視において、払出ギア部材588の回転軸の背面視左方に配置されている。羽根回転検知センサ590は、払出羽根589と一体回転する払出ギア部材588の検知片588bを検知することで、払出羽根589の回転を検知するためのものである。
球抜可動片592は、上端が、本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aの上端において前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられている。球抜可動片592は、く字状に屈曲しており、窪んでいる側が払出通路580a内を向くように取付けられている。球抜可動片592は、前後方向の奥行が、本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間の隙間よりも小さく形成されており、本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aの間の隙間を通って、球抜通路580b内へ突出したり球抜通路580b外へ後退したりすることができる。
球抜レバー593は、球抜可動片592の上端付近の背面視左方において上下方向へスライド可能に、払出装置本体581及び払出装置後蓋582に取付けられている。球抜レバー593は、一部が払出装置後蓋582を貫通して後方へ突出しており、その突出している部位を操作することで、スライドさせることができる。球抜レバー593は、下降端に位置させることで、下部が球抜可動片592と当接可能となり、球抜可動片592の背面視時計回りの方向への回動を規制することができ、球抜可動片592によって球抜通路580bを閉鎖させることができる。また、球抜レバー593は、上昇端に位置させることで、球抜可動片592を球抜通路580bの外側へ回動できるようにすることができ、球抜通路580bを開くことができる(図90を参照)。
球抜レバー593を上昇させて球抜可動片592を回動可能な状態とすると、球抜可動片592の上流側で数珠繋ぎのような状態となっていた遊技球Bが、球抜可動片592を越えて球抜通路580b側へ流下することとなる。この際に、球抜通路580bが払出通路580aの上流側から真直ぐに直線状に延びているため、払出通路580aの上流から流下してきた遊技球Bが、真直ぐに球抜通路580b側へ流下すると共に、球抜通路580bの下流側が島設備側に連通していることから、払出羽根589のように遊技球Bの流れを抑制するようなものがないため、遊技球Bが払出通路580a側よりも早く流下することとなる。
このように、球抜可動片592を回動可能としている状態では、球抜通路580b内を遊技球Bが早い速度で流下することから、球抜通路580b内に突出している球抜可動片592の下端側に遊技球Bが勢い良く当接することとなるが、球抜可動片592が払出装置本体581の本体側ガイド壁581aと払出装置後蓋582の後蓋側ガイド壁582aとの間を通して球抜通路580bの内面よりも外側へ移動することができることから、その当接の力によって球抜可動片592が球抜通路580bの外側へ移動することとなるため、球抜可動片592が球抜通路580bの壁面と遊技球Bとの間に挟まれることはなく、遊技球Bにより球抜可動片592に強い力が作用しないようにすることができ、遊技球Bの衝突による球抜可動片592の耐久性の低下や破損を抑制させることができる。
このようなことから、球抜可動片592を破損し難くすることができることから、球抜通路580bの下流側の島設備側へより多くの遊技球Bをより早く排出させることができるため、パチンコ機1の交換やメンテナンス等にかかる時間の増加を抑制させることができ、遊技ホール側の負担を軽減させることができる。
また、球抜可動片592が回動可能な状態の時に、球抜可動片592が遊技球Bよりも狭い間隔の本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間を通して球抜通路580bの外側へ移動するため、球抜通路580b内に突出している球抜可動片592に遊技球Bが当接することで球抜可動片592が本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間を通して外側へ移動する際に、球抜可動片592と一緒に遊技球Bが本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間側へ移動しても、遊技球Bよりも間隔の狭い本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間により、遊技球Bのみが外側への移動を阻止することができる。
そして、本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間によって遊技球Bの外側への移動が阻止されることで、球抜可動片592から遊技球Bが離れることとなり、その後の球抜可動片592の移動が慣性力によることとなるため、球抜可動片592に対して強い力が作用することはなく、球抜可動片592を破損し難くすることができると共に、本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間から遊技球Bが球抜通路580bの外側へ飛び出すことはなく、遊技球Bを球抜通路580bの下流側へ確実に流通させることができる。
[4−7c.上部満タン球経路ユニット]
払出ユニット560における上部満タン球経路ユニット600について、主に図87及び図88等を参照して詳細に説明する。上部満タン球経路ユニット600は、払出ベースユニット550における払出ベース551の背板左部551eの後面下部で払出装置580の下側に後方から取付けられる。上部満タン球経路ユニット600は、払出装置580から下方へ放出され遊技球Bを、下部満タン球経路ユニット610へ誘導するためのものである。上部満タン球経路ユニット600は、正面視の形状が上下に延びた四角形に形成されている。
上部満タン球経路ユニット600は、払出ベース551に取付けられ後側が開放された箱状の上部満タンベース601と、上部満タンベース601の後側に取付けられており前側が開放された箱状の上部満タンカバー602と、上部満タンカバー602の上端付近に回転可能に取付けられており払出装置580を上方へ押圧可能な払出装置押圧部材603と、を備えている。上部満タンベース601は、正面視右辺から右方へ突出しており、裏カバーを取付けるための裏カバー取付部601aを備えている。
また、上部満タン球経路ユニット600は、上面における正面視左端付近において上方へ開口しており下から全高の約2/3の高さの位置まで左辺に沿って下方へ延出している上部払出球受通路600aと、上部払出球受通路600aと連通しており正面視右方へ全幅の約3/4ほど延びていると共に下から全高の約1/6の高さまで下方へ延出している上部球貯留通路600bと、上部球貯留通路600bの左右方向中央より正面視左側から下方へ延びており下面において下方へ開口している上部通常払出通路600cと、上部通常払出通路600cと隣接し上部球貯留通路600bの左右方向中央より正面視右側から下方へ延びており下面において下方へ開口している上部満タン払出通路600dと、上面における正面視右端付近において上方へ開口して下方へ略垂直に延びた後に下面の右端付近において下方へ開口している上部球抜通路600eと、を備えている(図92を参照)。
上部満タン球経路ユニット600は、下面において、正面視左側から、上部通常払出通路600c、上部満タン払出通路600d、及び上部球抜通路600eが、順に並んで下方へ開口している。上部満タン球経路ユニット600は、払出ユニット560に組立てた状態で、上部払出球受通路600aの上流端が、払出装置580における払出通路580aの下流端の直下で開口しており、上部球抜通路600eの上流端が、払出装置580における球抜通路580bの下流端の直下で開口している。これにより、払出装置580の払出通路580aから放出(払出)された遊技球Bは、上部払出球受通路600a及び上部球貯留通路600bを通って、上部通常払出通路600c又は上部満タン払出通路600dの何れかから下方へ放出される。また、払出装置580の球抜通路580bから下方へ放出された遊技球Bは、上部球抜通路600eを通って下方へ放出される。
[4−7d.下部満タン球経路ユニット]
払出ユニット560における下部満タン球経路ユニット610について、主に図87及び図88等を参照して詳細に説明する。下部満タン球経路ユニット610は、払出ベースユニット550における払出ベース551の底板部551gに載置されると共に、上部満タン球経路ユニット600の下部に取付けられる。下部満タン球経路ユニット610は、上部満タン球経路ユニット600から下方へ放出された遊技球Bを、扉枠3側へ誘導したり、基板ユニット620側へ誘導したりするものである。下部満タン球経路ユニット610は、前端側が低くなるように前後方向に延びていると共に、後端が上方へ延びている。
下部満タン球経路ユニット610は、下部通常払出通路610a、下部満タン払出通路610b、及び下部球抜通路610cを有しており前後方向に延びていると共に上方へ開放されている下部満タンベース611と、下部満タンベース611の上側に取付けられている下部満タンカバー612と、下部満タンベース611の前端に前後に延びた軸周りに回動可能に取付けられており下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの下流端開口を開閉可能としている払出通路開閉扉613と、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの下流端開口を閉鎖する方向へ払出通路開閉扉613を付勢している閉鎖バネ614と、を備えている。
下部満タン球経路ユニット610は、後端の上方へ延びている部位の上面に、正面視左から順に、下部通常払出通路610a、下部満タン払出通路610b、及び下部球抜通路610cが並んだ状態で、夫々の上流端が上方へ向かって開口している。下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bは、左右に並んだ状態で前方へ延びた上で、下部満タン球経路ユニット610の前端において前方へ向かって開口している。下部満タン払出通路610bは、下部通常払出通路610aよりも若干低い状態で前方へ延びている。下部球抜通路610cは、下部満タン払出通路610bの正面視右側面に沿って前方へ延びており、前後方向の途中において右方へ向かって開口している。
払出通路開閉扉613は、下部通常払出通路610aと下部満タン払出通路610bとの夫々の前端開口の間の位置で回動可能に取付けられている。この払出通路開閉扉613は、閉鎖バネ614によって正面視時計回りの方向へ付勢されており、通常の状態では、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの夫々の前端開口(下流端開口)を閉鎖している。払出通路開閉扉613は、前方へ突出している作動突部613aを備えている。作動突部613aは、正面視の形状が、払出通路開閉扉613の回動中心を中心とした短い円弧状に形成されており、前端面が、反時計回りの方向の端部側へ近付くに従って前方へ突出するように傾斜している。この作動突部613aは、本体枠4に対して扉枠3を閉めた時に、扉枠3におけるファールカバーユニット150の扉開閉当接部150fと当接するように形成されている。
下部満タン球経路ユニット610は、払出ユニット560に組立てた状態で、後部上端において上方へ開口している下部通常払出通路610a、下部満タン払出通路610b、下部球抜通路610cが、夫々上部満タン球経路ユニット600の上部通常払出通路600c、上部満タン払出通路600d、及び上部球抜通路600eの下流端の直下に位置している。これにより、上部通常払出通路600cから下方へ放出された遊技球Bは、下部通常払出通路610aを流通し、上部満タン払出通路600dから下方へ放出された遊技球Bは下部満タン払出通路610bを流通し、上部球抜通路600eから下方へ放出された遊技球Bは下部球抜通路610cを流通することとなる。
また、下部満タン球経路ユニット610は、パチンコ機1に組立てた状態で、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの前端(下流端)が、扉枠3におけるファールカバーユニット150の貫通球通路150a及び満タン球受口150bの直後で開口している。また、下部球抜通路610cの下流端は、基板ユニット620のベースユニット620bにおける左方へ開口した球抜誘導部627と対向するように開口している。
下部満タン球経路ユニット610は、通常の状態(本体枠4に対して扉枠3を閉じている状態)では、払出通路開閉扉613の作動突部613aがファールカバーユニット150の扉開閉当接部150fと当接することで、閉鎖バネ614の付勢力に抗して正面視反時計回りの方向へ回動している。これにより、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの夫々の下流端の開口が開いた状態となっており、ファールカバーユニット150の貫通球通路150a及び満タン球受口150bと連通した状態となっている。
一方、本体枠4に対して扉枠3を開いた状態とすると、払出通路開閉扉613の作動突部613aがファールカバーユニット150の扉開閉当接部150fから離れることとなり、払出通路開閉扉613が閉鎖バネ614の付勢力によって正面視時計回りの方向へ回動し、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの夫々の下流端の開口が閉じられた状態となる。この状態では、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610b内の遊技球Bが、夫々の前端開口から前方へ移動することができなくなる。これにより、本体枠4に対して扉枠3を開けても、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bから遊技球Bがこぼれることはない。
[4−7e.払出ユニットにおける遊技球の流れ]
続いて、払出ユニット560における遊技球Bの流れについて、主に図92を参照して詳細に説明する。払出ユニット560は、本体枠4に組立てた状態では、払出ベース551の後面に取付けられている。通常の状態では、払出装置580の球抜レバー593が下降端に位置しており、払出通路580aから分岐している球抜通路580bを分岐部分において閉鎖している。また、下部満タン球経路ユニット610では、払出通路開閉扉613が開状態となっている。
上方へ開放されている球タンク552には、パチンコ機1を設置している遊技ホール島設備から、例えば、球誘導ユニット570の球切検知センサ574による球切れの検知に基づいて、所定数の遊技球Bが供給される。球タンク552に供給・貯留された遊技球Bは、タンクレール553によって一列に整列された状態で、球誘導ユニット570の誘導通路570aを通って払出装置580の払出通路580a内へと送られる。払出モータ584が回転していない状態では、遊技球Bが払出羽根589よりも下流側へ移動(流下)することができず、払出羽根589よりも上流側に複数の遊技球Bが滞留した状態となる。
そして、球誘導ユニット570の誘導通路570a内の遊技球Bが可動片部材573を押圧し、球切検知センサ574が可動片部材573を検知することなる。これにより、少なくとも可動片部材573から払出羽根589までの間の通路内に遊技球Bが貯留されていることが判る。
この状態で、払出モータ584により払出羽根589が背面視時計周りの方向へ回転すると、球収容部589bに収容された遊技球Bが背面視時計回りの方向へ移動し、払出通路580aにおける払出羽根589よりも下流側へ放出される。そして、払出羽根589(球収容部589b)から放出された遊技球Bは、払出検知センサ591に検知された後に、上部満タン球経路ユニット600の上部払出球受通路600aへと送られる。
上部満タン球経路ユニット600の上部払出球受通路600aへ送られた遊技球Bは、通常の状態では、上部球貯留通路600bを通って、上部払出球受通路600aの直下に配置されている上部通常払出通路600cへと流下する。そして、上部通常払出通路600cへと流下した遊技球Bは、下部満タン球経路ユニット610の下部通常払出通路610a、扉枠3のファールカバーユニット150の貫通球通路150aを通って、皿ユニット200における皿ユニットベース211の上皿球供給口211aから上皿201内へ放出される。
払出装置580から多くの遊技球Bが払出されて、上皿201内が遊技球Bで一杯になると、上皿球供給口211aから前方へ遊技球Bを放出することができなくなるため、払出装置580から払出された遊技球Bが、下部満タン球経路ユニット610の下部通常払出通路610a内に滞留するようになり、更に遊技球Bが払出されると、下部通常払出通路610aと上流側で連通している上部満タン球経路ユニット600の上部通常払出通路600c内にも滞留することとなる。そして、上部通常払出通路600c内が遊技球Bで一杯になった状態で、更に遊技球Bが払出されると、上部通常払出通路600cの上流側で連通している上部球貯留通路600b内に遊技球Bが滞留し始める共に、遊技球Bが上部通常払出通路600cと隣接している上部満タン払出通路600d側へ流下し初める。
そして、上部満タン払出通路600d側へ流下した遊技球Bは、下部満タン球経路ユニット610の下部満タン払出通路610bを通って、扉枠3のファールカバーユニット150における満タン球受口150bに受けられる。その後、満タン球受口150bに受けられた遊技球Bは、貯留通路150e、球放出口150d、及び皿ユニットベース211の下皿球供給口211cを通って下皿202内へ放出される。これにより、上皿201が遊技球Bで満タンになった状態で、更に遊技球Bが払出された場合、遊技球Bを自動的に下皿202へ払出させることができる。
なお、下皿202が遊技球Bで一杯になって、下皿球供給口211cから前方へ遊技球Bを放出することができなくなった状態で、更に遊技球Bが払出されると、下皿球供給口211cの上流側のファールカバーユニット150の貯留通路150e内に遊技球Bが滞留して貯留されることとなる。そして、貯留通路150e内にある程度の数の遊技球Bが貯留されると、可動片153が可動して満タン検知センサ154に検知され、上皿201及び下皿202が遊技球Bで満杯(満タン)になっていることを遊技者に音声(例えば「球を抜いてください!」等)で案内すると共に、払出装置580の払出モータ584を、満タン検知センサ154が非検知の状態となるまで一時的に停止させる。
パチンコ機1のメンテナンスや交換等の際に、球タンク552内に貯留されている遊技球Bをパチンコ機1から排出する場合は、払出装置580の球抜レバー593を下降端の位置から上方へスライドさせて上昇端の位置の状態とする。その後、球抜可動片592の下端側が遊技球Bに押されて、背面視時計回りの方向へ回動することとなり、球抜可動片592が本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間を通って、球抜通路580bの外側へ押し出された状態となる。これにより、払出通路580aから分岐している球抜通路580bへ遊技球Bが進入可能となり、上流側の遊技球Bが球抜通路580bを通って下方へ放出される。
この際に、球抜可動片592の部位では、流下する遊技球Bが、球抜可動片592よりも本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aに強く当接するため、球抜可動片592が破損し難くなっている。
そして、払出装置580の球抜通路580bから下方へ放出された遊技球Bは、上部満タン球経路ユニット600の上部球抜通路600e、及び下部満タン球経路ユニット610の下部球抜通路610cを通って、下部球抜通路610cの下流端開口から基板ユニット620の球抜誘導部627へ放出された後に、排出球受部628及び球排出口629を通ってパチンコ機1の後方外部(遊技ホールの島設備側)に排出される。
[4−8.基板ユニット]
本体枠4における基板ユニット620について、主に図93乃至図97等を参照して詳細に説明する。図93(a)は本体枠の基板ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は基板ユニットを後ろから見た斜視図である。図94は、基板ユニットを後ろ下から見た斜視図である。図95は基板ユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図96は基板ユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。図97は、左右方向中央で切断したパチンコ機の下部を示す拡大側面断面図である。基板ユニット620は、本体枠ベースユニット500の後面下部に取付けられている。
基板ユニット620は、本体枠ベースユニット500における本体枠ベース501の後面における遊技盤載置部501cよりも下側に取付けられるスピーカユニット620aと、スピーカユニット620aの一部を後方から覆うように本体枠ベース501の後面に取付けられるベースユニット620bと、ベースユニット620bの後側に取付けられている電源ユニット620cと、電源ユニット620cの後側に取付けられている払出制御ユニット620dと、払出制御ユニット620dの一部を後方から覆うようにスピーカユニット620aの後面に取付けられているインターフェイスユニット620eと、を備えている。
スピーカユニット620aは、本体枠ベースユニット500における本体枠ベース501の後面における遊技盤載置部501cよりも下側に取付けられるスピーカカバー621と、スピーカカバー621の後面における正面視左端付近において前方へ向けて取付けられている本体枠スピーカ622と、本体枠スピーカ622の後側を覆うようにスピーカカバー621の後側に取付けられており前方へ開放された容器状のスピーカボックス623と、を備えている。
スピーカカバー621は、左右方向へ延びており、正面視左端付近において前後に貫通しており上下に延びた複数のスリットにより構成されている円形状のスピーカ取付部621aと、スピーカ取付部621aの正面視右方側で後方から前方へ膨出するように窪んでいる空間用前凹部621bと、空間用前凹部621bの下面から下方へ突出していると共に左右方向へ延びており斜め下後へ向けて開口している接続部621cと、を備えている。
スピーカカバー621のスピーカ取付部621aに、後側から本体枠スピーカ622が前方へ向けて取付けられる。また、スピーカカバー621の接続部621cは、下端が外枠2の外枠下組立体40における幕板後部材43の接続筒部43aの上端と一致するように45度の角度で傾斜している。本体枠スピーカ622は、主に低音を出力するコーン型スピーカとされている
スピーカボックス623は、前方へ開放された容器状に形成されており、本体枠スピーカ622の後側となる部位が後方へ最も大きく突出しており、正面視右方へ向かうに従って、階段状に後方への突出が小さくなるように形成されている。これにより、スピーカボックス623の正面視中央より右側の後方の空間を十分に確保することができ、ベースユニット620bや電源ユニット620c等が配置できるようにしている。スピーカボックス623は、スピーカカバー621の接続部621cを除いた後面の全体を被覆する(閉じる)ように形成されている。
スピーカユニット620aは、スピーカカバー621とスピーカボックス623とで本体枠スピーカ622から後方へ出力されるサウンドを封じ込めるエンクロージャ624の一部を形成している。このエンクロージャ624は、スピーカカバー621においてスピーカ取付部621aの正面視右方に前方へ膨出した空間用前凹部621bが形成されていることから、スピーカボックス623が右方へ向かうに従って後方への突出量が小さくなるように階段状に形成されていても、本体枠スピーカ622よりも右方の空間を充分に広く確保されている。
スピーカユニット620aは、外枠2に対して本体枠4を閉じた状態とすると、スピーカカバー621の接続部621cがシール部材48を挟むように接続筒部43aに接続され、本体枠スピーカ622の後方の空間と、外枠2の幕板内部空間40aとが連通した状態となる。従って、本体枠スピーカ622の後側に、スピーカカバー621、スピーカボックス623、幕板前部材42、及び幕板後部材43によって、広い空間のエンクロージャ624を形成することができ、本体枠スピーカ622の後方へ出力されたサウンドを幕板前部材42の開口部42aから前方へ出力(放射)させることができる。
詳述すると、上述したように、スピーカユニット620aでは、本体枠スピーカ622の後方の空間(エンクロージャ624の一部)を、比較的広い奥行で正面視右方まで延出させて、接続部621c及び接続筒部43aを介して外枠下組立体40側へ連通させていることから、本体枠スピーカ622から後方へ出力されたサウンドにおいて、特に低音域を減衰させることなく、外枠下組立体40側へ伝達させることができると共に、伝達された低音域を二つのポート部材47を通すことで共振・増幅させて幕板前部材42の開口部42aから前方へ放射することができる。
この際に、幕板前部材42の開口部42aから前方へ放射されるサウンドは、位相が反転された状態で、放射されるようにしているため、本体枠スピーカ622の前面から出力されて皿ユニット200のスピーカ口211bから放射されたサウンドに対して、増幅させるように共振することとなり、本体枠スピーカ622の口径が小さくても重低音が響く大きなサウンドを出力することができる。
つまり、本実施形態では、本体枠スピーカ622のエンクロージャ624がバスレフ型とされており、遊技者に対して重低音を聞かせることができる。これにより、本体枠スピーカ622の前面から出力されて皿ユニット200のスピーカ口211bから放射されるサウンドと、本体枠スピーカ622の後面から出力されて外枠2のグリル部材46から放射されるサウンドとによって、豊かな低音を有したサウンドを遊技者に聴かせることができる。
また、スピーカユニット620aは、スピーカカバー621に、スピーカ取付部621aの下部と空間用前凹部621bとの間の位置で前後方向に貫通している貫通口621dが形成されていると共に、スピーカボックス623に、貫通口621dと連通して筒状に延びており前後に貫通している貫通筒623aが形成されている。スピーカユニット620aに組立てた状態では、貫通口621dと貫通筒623aが互いに連通し、エンクロージャ624とは独立した状態となる。これら貫通口621d及び貫通筒623aには、接続ケーブル503が挿通される。
基板ユニット620のベースユニット620bは、スピーカボックス623の一部を後方から覆うように本体枠ベース501の後面に取付けられる前ベース625と、前ベース625の後側に取付けられており後面に電源ユニット620cが取付けられる後ベース626と、を備えている。
また、ベースユニット620bは、前ベース625と後ベース626とで協働して形成しており、下部満タン球経路ユニット610の下部球抜通路610cから放出された遊技球Bを受取って正面視右方へ誘導する球抜誘導部627と、球抜誘導部627の下流側で正面視右方において上方へ開口しており遊技盤5から下方に排出された遊技球Bを受ける排出球受部628と、球抜誘導部627及び排出球受部628を通った遊技球Bを下方へ排出する球排出口629と、を備えている。
球抜誘導部627は、上流端が正面視において左側面の上部に左方へ向けて開口しており、下流端が排出球受部628の左端側に開口している。球抜誘導部627は、本体枠4に組立てた状態で、上流端の開口が、下部満タン球経路ユニット610の下部球抜通路610cの下流端開口と一致するように対向しており、下部球抜通路610cから放出された遊技球Bを受取って、排出球受部628へ誘導することができる。
排出球受部628は、上方へ開放されていると共に、左右に長く延びている。排出球受部628の底面は、正面視左端が球抜誘導部627の底面と連続しており、右方へ向かうに従って低くなるように傾斜している。
ベースユニット620bは、球タンク552から抜かれた遊技球Bや、遊技盤5から排出された遊技球Bを、球抜誘導部627や排出球受部628によって正面視右方へ誘導した後に、球排出口629から下方へ排出するようにしているため、正面視において左右方向中央より左側の空間を広く確保し易くすることができる。これにより、スピーカユニット620aのエンクロージャ624の空間を広くすることができ、従来のパチンコ機よりも豊かな低音を有したサウンドを遊技者に聴かせることができる。
基板ユニット620の電源ユニット620cは、ベースユニット620bの後ベース626の後側に取付けられている電源基板630と、電源基板630の後側を覆うように後ベース626に取付けられている電源基板カバー631と、を備えている。
払出制御ユニット620dは、電源ユニット620cにおける電源基板カバー631の後側に着脱可能に取付けられる箱状の透明な払出制御基板ボックス632と、払出制御基板ボックス632内に収容されている払出制御基板633(図97を参照)と、を備えている。払出制御基板ボックス632は、透明なカバー体と透明なベース体とから構成されている。払出制御基板633は、皿ユニット200における球貸操作ユニット220の球貸ボタン224の押圧操作や、遊技盤5の主制御基板等からの払出コマンドに応じて、払出装置580の払出モータ584を制御して、指示された数の遊技球Bを遊技者側(上皿201又は下皿202)に払出すためのものである。なお、払出制御基板633は、払出制御基板ボックス632に収容されており、カシメケースとして構成されている。
また、払出制御基板633は、パチンコ機1の状態を表示するエラーLED表示器(図示しない)のほかに、複数の機能を兼ねる押圧操作部を有するRWMクリアボタン633z等を備えている。本実施形態では、RWMクリアボタン633zとしてリードタイプのものが採用されていおり、RWMクリアボタン633zの各リードが払出制御基板633の裏面(ハンダ面)にハンダ付けされる。RWMクリアボタン633zの押圧操作部は、透明なカバー体に形成される開口部から露出されており、払出制御基板633が払出制御基板ボックス632に収容された状態でRWMクリアボタン633zの押圧操作部を押圧操作することができるようになっている。
RWMクリアボタン633zは、払出制御基板633に備えるマイクロプロセッサである払出制御MPUに内蔵されているRAM、及び主制御基板1310に備えるマイクロプロセッサである主制御MPUに内蔵されているRAMにそれぞれ記憶された情報を完全に消去するためのRAMクリアスイッチとしての機能と、設定値を選択して切り替えるための設定切替ボタンとしての機能と、エラーLED表示器に表示されているエラーを解除するためのエラー解除スイッチとしての機能と、を兼ね備えている。つまり、本実施形態では、遊技仕様に関わる設定変更機能(設定値を選択して切り替えるための設定切替ボタンとしての機能)は、主制御基板1310と別体の基板である払出制御基板633に搭載されている。また、別体の基板は払出制御基板633で無くても良く、基板ケースに収納されていない基板、基板ケースに収納されている基板、カシメケースとして構成されている基板ケースに収納されている基板が考えられる。しかしながら設定変更機能(設定値を選択して切り替えるための設定切替ボタンとしての機能)は遊技機として重要な機能なので、セキュリティーが高い方が望ましく、基板ケースに収納されていない基板よりも基板ケースに収納されている基板の方がセキュリティーが高く、さらにセキュリティーが高い基板はカシメケースとして構成されている基板ケースに収納されている基板である。払出制御基板633はカシメケースとして構成されている基板ケースに収納されている基板であるので、セキュリティーが高いといえる。また、主制御基板1310は遊技パネル1100に取り付けられており、一方、払出制御基板633は本体枠4に取り付けられていることもセュリティーの向上に寄与している。
インターフェイスユニット620eは、スピーカユニット620aにおけるスピーカボックス623の後側に取付けられている基板ベース634と、基板ベース634の後面に取付けられているインターフェイス基板635と、インターフェイス基板635の後側を覆うように基板ベース634に取付けられているインターフェイス基板カバー636と、を備えている。
基板ベース634は、スピーカボックス623の後面における本体枠スピーカ622の後方となる後方へ最も突出している部位に取付けられている。インターフェイス基板635は、接続ケーブル503の一方(本体枠4側)の端部が接続されている。インターフェイス基板635は、電源基板630、払出制御基板633、主制御基板、周辺制御基板、等が接続されると共に、パチンコ機1の外部に設置されているCRユニットと接続される。インターフェイス基板カバー636は、払出制御ユニット620dの一部を覆うように基板ベース634(インターフェイス基板635)よりも正面視右方へ延出している。
[4−9.裏カバー]
本体枠4における裏カバー640について、主に図76乃至図82を参照して詳細に説明する。裏カバー640は、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501の遊技盤挿入口501b内に前方から挿入されて取付けられた遊技盤5の後側を覆うものである。裏カバー640は、正面視における右辺が、本体枠ベース501の後方延出部501jの上下に延びている後端に、上下に延びた軸周りに回転可能に取付けられ、左辺が、払出ベース551の裏カバー取付部551iと上部満タン球経路ユニット600の裏カバー取付部601aとに開閉自在に軸支されて取付けられる。裏カバー640の左辺側であって上部満タン球経路ユニット600の裏カバー取付部601aと対応する部分にロック用ネジ642が設けられている。裏カバー640の左辺が払出ベース551の裏カバー取付部551iと上部満タン球経路ユニット600の裏カバー取付部601aとに取付けられ、ロック用ネジ642が裏カバー取付部601aに螺着されて裏カバー640が固定される。裏カバー640は、遊技盤5の後側を覆う閉じた状態から遊技盤5の後側を開放する開いた状態へ向かって約180度回転することができるようになている。
裏カバー640は、上下左右に延びた平板の正面視右辺側が前方へ折り曲げられたような形状に形成されており、本体枠4に組立てた状態で、後面が払出ベース551の背板上部551dの後面と略同一面上に位置するように形成されている。裏カバー640は、前後に貫通し上下に延びている複数のスリット641が形成されている。本実施形態では、裏カバー640は、透明な合成樹脂によって形成されており、パチンコ機1の後側から本体枠4内を視認することができる。なお、スリット641は、後述する主制御基板ボックス1320と対応する領域に全く形成されていない。
[4−10.施錠ユニット]
本体枠4における施錠ユニット650について、主に図98を参照して詳細に説明する。図98(a)は本体枠の施錠ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は施錠ユニットを後ろから見た斜視図である。施錠ユニット650は、本体枠4の本体枠ベース501に取付けられ、本体枠4と扉枠3、本体枠4と外枠2、との間を施錠するものである。
施錠ユニット650は、本体枠ベース501の後方延出部501jの右側面に取付けられ上下に延びているユニットベース651と、ユニットベース651から前方へ突出しており扉枠3と係止可能な複数の扉枠用鉤652と、ユニットベース651から後方へ突出しており外枠2と係止可能な複数の外枠用鉤653と、ユニットベース651の前端下部から前方へ突出しており回転方向によって扉枠用鉤652又は外枠用鉤653を上下方向へ移動させる伝達シリンダ654と、を備えている。
また、施錠ユニット650は、扉枠用鉤652を下方へ付勢していると共に外枠用鉤653を上方へ付勢している錠バネ655と、ユニットベース651の前端における伝達シリンダ654よりも上方の位置から前方へ突出しており下方へスライドさせることで、外枠用鉤653を下方へ移動させる外枠用開錠レバー656と、を備えている。
施錠ユニット650は、本体枠4に組立てた状態で、複数(三つ)の扉枠用鉤652、伝達シリンダ654、及び外枠用開錠レバー656が、本体枠ベース501の前面よりも前方へ突出している。伝達シリンダ654は、本体枠ベース501のシリンダ挿通口501fを通って前方へ突出し、本体枠4に対して扉枠3を閉じた状態とすることで、前端が扉枠3のシリンダ錠130の回転伝達部材133と係合し、鍵穴132に挿入された鍵の回転が伝達されて回転する。
施錠ユニット650は、複数(三つ)の扉枠用鉤652が、扉枠3の扉枠ベースユニット100における扉枠補強ユニット110の鉤掛部材116に係止され、複数(二つ)の外枠用鉤653が、外枠2における外枠右組立体20の上鉤掛部材24と下鉤掛部材25とに係止される。
施錠ユニット650は、パチンコ機1に組立てた状態で、シリンダ錠130の鍵穴132に対応している鍵を差し込んで、正面視反時計回りの方向へ回転させると、伝達シリンダ654を介して複数の扉枠用鉤652が上方へ移動し、本体枠4に対して扉枠3が開錠される。一方、鍵を正面視時計回りの方向へ回転させると、伝達シリンダ654を介して複数の外枠用鉤653が下方へ移動し、外枠2に対して本体枠4が開錠される。本体枠4に対して扉枠3を開いた状態では、外枠用開錠レバー656を下方へスライドさせると、複数の外枠用鉤653が下方へ移動し、外枠2に対して本体枠4が開錠される。このようにして、本体枠4と扉枠3との間や、本体枠4と外枠2との間の施錠を、開錠することができる。
本体枠4と扉枠3との間や、本体枠4と外枠2との間を施錠する場合は、扉枠用鉤652及び外枠用鉤653の先端側が細くなるように傾斜しているため、本体枠4に対して扉枠3を閉じたり、外枠2に対して本体枠4を閉じたりすると、扉枠用鉤652や外枠用鉤653が、鉤掛部材116や上鉤掛部材24及び下鉤掛部材25を乗り越えるように下方や上方へ移動した後に、錠バネ655の付勢力によって施錠状態となる。
[4−11.本体枠上部の詳細な構成]
続いて、本体枠4の上部の詳細な構成について、主に図99乃至図106を参照して詳細に説明する。図99(a)は本体枠の平面図であり、(b)は(a)におけるB−B線で切断した断面図である。図100は、本体枠を後ろから見た斜視図において上部を拡大して示す拡大図である。図101(a)は球タンクにタンクレール等を組立てた状態で前上から見た斜視図であり、(b)は(a)を前下から見た斜視図である。図102は、図101(a)を分解して前から見た分解斜視図である。図103は、本体枠上部における球タンクから溢れた遊技球が流通する領域を示す説明図である。図104は、本体枠上部における球タンクから溢れた遊技球の流れを示す説明図である。図105は、本体枠上部における迂回通路への遊技球の流れを示す説明図である。図106は、本体枠をヒンジ側の後ろから見た斜視図においてタンクレール付近を拡大して示す拡大図である。
本体枠4は、上述したように、後部が外枠2の枠内に挿入可能とされると共に本体枠上ヒンジ部材510及び本体枠下ヒンジ組立体520により外枠2に対して着脱可能且つヒンジ回転可能に取付けられ遊技盤5の外周を支持可能とされた枠状の本体枠ベース501と、本体枠ベース501の後側における正面視上辺及び左辺に沿って取付けられている逆L字状の払出ベース551と、払出ベース551に取付けられており左右に延びた箱状(容器状)で上方へ開放されている球タンク552と、球タンク552の左側に取付けられており上方へ開放された溝状に左方へ延びているタンクレール553と、タンクレール553の上端の一部に取付けられている第一レールカバー554と、第一レールカバー554から正面視左方に離間してタンクレール553の上端に取付けられている第二レールカバー555と、第一レールカバー554と第二レールカバー555の間の位置でタンクレール553の上端に取付けられている球整流部材556と、タンクレール553の下流側端に取付けられている球止部材557と、払出ベース551の後側でタンクレール553の下流側に取付けられており遊技者側へ遊技球Bを払出すための払出装置580と、を備えている。
球タンク552は、平面視の形状が左右方向へ延びた四角形に形成されており正面視において左側が低くなるように傾斜している底壁552aと、底壁552aの前辺及び後辺から夫々上方へ延びている前壁552b及び後壁552cと、底壁552aの左右両辺から夫々上方へ延びている左側壁552d及び右側壁552eと、を有し、上側が開放されている容器状に形成されている。球タンク552には、パチンコ機1が設置される遊技ホール等の島設備から供給される遊技球Bが貯留される。
また、球タンク552は、前壁552bにおいて上方から切欠いて残りの外周上端縁よりも低く形成されている越流部552fを有している。この越流部552fは、前壁552bにおける左側壁552dの端部側から反対側(右側壁552e側)の端部へ向かって、前壁552bの左右方向の長さの約3/4の長さに亘って形成されている。
タンクレール553は、正面視において右端側(上流側)が球タンク552の内部と連通していると共に、球タンク552から遠ざかるように下流側が左右方向の一方側(左方側)へ延びている。タンクレール553は、底部において上流付近から下流端まで延びており遊技球Bの流通方向に直交する幅方向が遊技球Bを一つのみ流通可能に形成されている樋状の主誘導部553aを有している。主誘導部553aは、正面視左方へ向かうほど低くなるように傾斜している。また、主誘導部553aは、平面視において、右端側から左方へ左右方向に延びた軸線に対して平行に右端から左右方向の全長の約1/10の位置まで延びた後に、左方へ向かうに従って後方へ移動するように右端から左右方向の全長の約4/10の位置まで斜めに延び、そこから左右方向に延びた軸線に対して平行に左端まで延びたクランク状に形成されている。タンクレール553は、主誘導部553aにおいて、左端から右方へ左右方向に延びた軸線に対して平行に延びている部位が、同じ幅で上端まで延びており、この部位の上端に第一レールカバー554、第二レールカバー555、及び球整流部材556が取付けられることで上側が閉鎖される。また、タンクレール553は、上側が閉鎖される部位において、遊技球Bが流通する流路の高さが下流端(左端)へ向かうに従って低くなるように形成されており、下流端では遊技球Bが一つのみ流通可能な高さ(遊技球Bの外径よりも若干高い高さ)に形成されている。
また、タンクレール553は、主誘導部553aよりも上方で上流端から上側が閉鎖される部位まで延びており、遊技球Bの流通方向に直交する幅方向へ遊技球Bが複数並ぶように主誘導部553aの幅よりも広く膨出していると共に上流端から下流側へ向かって幅方向が狭くなって主誘導部553aの幅と一致するように変化している膨出部553bを有している。この膨出部553bによって、上流側では幅方向に広がっていた複数の遊技球Bを、下流側へ向かうに従って、幅方向を遊技球B一つ分の幅となるように整列させることができる。また、膨出部553bは、上端側から下方の主誘導部553aへ向かうに従って幅方向が狭くなるように形成されている。このようなことから、タンクレール553は、膨出部553bを流通している複数の遊技球Bを、下流側及び下方側へ向かうに従って、幅方向が一列となるように整列させることができる。
タンクレール553の膨出部553bは、曲率の中心が内部側に配置されており、三次元的に湾曲した形状に形成されている。膨出部553bは、湾曲している曲率の中心が、主誘導部553aよりも上方に配置されているため、タンクレール553では、主誘導部553aと膨出部553bとの境に、わずかに面取りされた角が形成されている。また、膨出部553bは、上流側よりも下流側の方が、湾曲している曲率が大きく形成されている。このようなことから、三次元的に湾曲している膨出部553bを流通する遊技球Bでは、当接する膨出部553bの位置によって、膨出部553b側からの反力が作用する向きが様々に方向へ変化することとなり、膨出部553b内において球ガミの発生を抑制させることができる。詳述すると、膨出部553bを一定に延びている形状に形成した場合、膨出部553b内を流通する遊技球Bには、膨出部553bの内面から常に一定の方向へ反力が作用することとなり、反力が分散し難くなるため、内部の遊技球Bが常に一定の方向へ押されることで、遊技球Bが逃げ難くなり、球詰り(球ガミ)が発生し易くなる。これに対して、膨出部553bを三次元的な湾曲面としていることから、遊技球Bの位置によって膨出部553bの内面から作用する反力の向きが区々となるため、内部を流通する複数の遊技球Bの押される方向が分散されることで、押された遊技球Bを逃げ易くすることができ、球詰り(球ガミ)を発生し難くすることができる。
また、タンクレール553は、透明な素材により形成されており、外側から内部を視認することができるように構成されている。これにより、仮に、タンクレール553内において球詰り(球ガミ)が発生しても、外側からタンクレール553内の遊技球Bの状態を見ることができるため、球詰りしている場所を素早く特定することができる。従って、タンクレール553内での球詰りを、素早く解消させることができるため、球詰りの発生による遊技の中断を可及的に短くすることができ、遊技の中断による遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。また、タンクレール553を透明にしていることから、後方からタンクレール553を通して本体枠4に取付けられている遊技盤5の後側(裏ユニット3000)を視認することができるため、遊技盤5の可動演出ユニット等において可動の不具合が発生した時に、遊技盤5を本体枠4に取付けたままの状態で、駆動モータやギアやベルト等の伝達機構の状況を確認することができ、上記と同様の作用効果を奏することができる。
本体枠4は、球タンク552の前側に備えられ、前後方向へ延びていると共に左右方向におけるタンクレール553の下流側と同じ側(正面視において左側)が球タンク552の左側壁552dよりも外方(左方)へ延びており、球タンク552から前方へ溢れた遊技球Bを球タンク552へ戻すために後端側が越流部552fと同じ高さで前端側が高くなるように傾斜している越流面部501mと、越流面部501mの後端における球タンク552の左側壁552dの外側からタンクレール553における上側が開放されている膨出部553bの上方まで後方へ延び、後端側が低くなるように傾斜していると共に、左右方向において球タンク552から遠ざかっている側(左側)が低くなるように傾斜しており、球タンク552から越流面部501mに溢れた遊技球Bの一部を誘導する迂回通路552gと、を備えている。
また、本体枠4は、迂回通路552gの左右方向両外側のうち球タンク552の左側壁552dとは反対側に備えられており、左右方向の間隔が遊技球の外径よりも広く、底面の高さがタンクレール553における上側が開放されている部位よりも低い排出部551jと、排出部551jを間にして迂回通路552gとは反対側で、越流面部501mよりも低い位置に備えられており、後方から電気配線を接続可能とされている複数の電線接続端子558aを有した外部端子板558と、複数の電線接続端子558a(外部端子板558)の上側を覆い、上面が越流面部501mよりも高い位置で水平に延びている端子カバー551kと、を備えている。
越流面部501mは、本体枠ベース501に形成されている。越流面部501mは、正面視の形状が上下に延びた長方形に形成されているベース本体501aの後面における上辺から遊技球Bの外径の2倍〜4倍の距離低い位置から後方へ平板状に延出している。越流面部501mは、左右方向の長さが、本体枠ベース501の左右方向の長さの約1/3の長さに形成されており、正面視における左端が、本体枠ベース501の左端から左右方向の全長の1/3よりも右方に位置している。越流面部501mは、前端から後端までの高さが、遊技球Bの外径の約1/2の高さに形成されている。この越流面部501mは、本体枠4を外枠2に対して閉じた状態で、外枠上部材30との間に、遊技球Bの外径の約2倍の距離の隙間が形成される。
本体枠ベース501は、越流面部501mの左右両側に配置されており、越流面部501mの前端と同じ高さで略水平に延びている平板状の左段部501n及び右段部501oと、左段部501n及び右段部501oの夫々の左右方向両外側において左段部501n及び右段部501oよりも上端が高く前後方向へ帯板状に延びており、左右方向へ遊技球Bの外径よりも狭い間隔で列設されている複数のリブ501pと、を有している。左段部501nは、前後方向の長さに対して、左右方向の長さが短く形成されている。また、左段部501nは、水平面に対して、正面視において後端右隅が僅かに低くなるように傾斜している。右段部501oは、前後方向の長さに対して、左右方向の長さが長く形成されている。また、右段部501oは、水平面に対して、正面視において後端左隅が僅かに低くなるように傾斜している。
本体枠ベース501の複数のリブ501pは、端子カバー551kの上面よりも高く形成されており、本体枠4を外枠2に対して閉じた状態では、外枠2の外枠上部材30の下面との間の隙間が、遊技球Bの外径よりも狭くなる高さに形成されている。
本体枠ベース501は、本体枠4に組立てた状態で、正面視において、越流面部501mの右端が球タンク552における越流部552fの右端と左右方向が一致していると共に、越流面部501mの左端が迂回通路552gの左端と左右方向が度一致しており、右段部501oの右端が球タンク552の右側壁552eと左右方向が一致している。
迂回通路552gは、球タンク552と一体に形成されている。なお、以下では、底壁552a、前壁552b、後壁552c、左側壁552d、及び右側壁552eで囲まれた容器状の領域を、単に球タンク552とも称する。迂回通路552gは、球タンク552の左側壁552dの外側から左方へ平板状に延出しており前端が越流部552fと同じ高さで後端が低くなるように傾斜している通路面552hと、通路面552hにおける左側壁552dとは反対側の端辺から上方へ左側壁552dと同じ高さまで延出している堰部と、を有している。迂回通路552gの通路面552hの後端辺は、正面視において後端辺の左端側(堰部552i側)が、球タンク552の後壁552cと同じ位置まで後方に延びており、その左端側から右端側へ向かうに従って前方へ移動するように斜めに延びている。なお、迂回通路552gの通路面552hは、左右方向の傾斜を水平にしてもよい。
迂回通路552gは、本体枠4に組立てた状態で、後端が、左右方向へクランク状に延びているタンクレール553において、左右方向に対して斜めに延びている部位の前端側と沿うように延びている。つまり、迂回通路552gの後端は、左右方向に対して斜めに延びている。これにより、迂回通路552gにより後方へ誘導された遊技球Bは、斜めになっている後端より、その流通方向が斜めの後端に対して垂直方向となるように変化することとなる。迂回通路552gの斜めに延びている後端は、タンクレール553の斜めに延びている部位と、略平行(タンクレール553内における遊技球Bの流通方向)に延びている。従って、迂回通路552gの後端からは、タンクレール553の流通方向(幅方向)に対して略垂直な方向へ遊技球Bが放出されるため、タンクレール553で幅の広い部位で迂回通路552gからの遊技球Bを受けることができる。また、迂回通路552gからタンクレール553内へは、遊技球Bの流通方向に対して略垂直方向(直角方向)に遊技球Bが供給されるため、迂回通路552gからの遊技球Bによるタンクレール553内での球詰りを発生し難くすることができる。
迂回通路552gは、後端が、タンクレール553の下流側へ向かうに従って後方へ移動するように、左右方向に対して斜めに延びているため、迂回通路552gからタンクレール553側へ遊技球Bが放出される際に、斜めに延びている後端により、遊技球Bを、タンクレール553の幅が狭くなっている下流側よりも幅の広くなっている上流側へ放出することができ、幅の広い部位に放出することでタンクレール553内での球ガミの発生を抑制することができる。
また、迂回通路552gにより遊技球Bを誘導する部位は、タンクレール553において、球タンク552の左側壁552dの後部と後壁552cの正面視左部の外側に該当している。この部位には、球タンク552内から、球タンク552の案内面部552jの下側(開口部552kの天井側)を潜った遊技球Bが流通する。このようなことから、タンクレール553における迂回通路552gの後方となる部位では、上下方向に積み重なった複数の遊技球Bの高さが、開口部552kの天井の高さ(タンクレール553の壁の高さ)を越えることはない。従って、タンクレール553における球タンク552の下流側、つまり、迂回通路552gの後端側において、上側へ遊技球Bを積み重ねることが可能なスペース(空き)を確保することができるため、迂回通路552gにより後方へ誘導された遊技球Bを、タンクレール553において確実に受取ることができ、タンクレール553から遊技球Bが後方へこぼれることはない。
球タンク552は、前壁552b、後壁552c、及び左側壁552dに囲まれた内側において、左側壁552dにおける越流部552fよりも若干低い位置から右方へ低くなるように延びている平板状の案内面部552jを有している。案内面部552jは、前後方向が前壁552bから後壁552cまで延びている。また、案内面部552jは、正面視において右端辺が、前壁552bにおける左端から前壁552bの左右方向の全長の約1/3の位置から、前壁552bにおける左端から前壁552bの左右方向の全長の約1/9で前壁552bから左側壁552dの前後方向の全長の約1/2付近の位置まで後方へ斜めに延びた後に、左側壁552dと平行に後壁552cの近傍まで延び、そこから後壁552cに平行に前後方向が一定の幅で後壁552cの左端から後壁552cの左右方向の全長の約1/3の位置まで延びた形状に形成されている。
球タンク552には、平面視において、上記のような形状に形成されている案内面部552jの右端辺と、当該右端辺の前壁552b側の端と後壁552c側の端とを結んだ直線とで囲まれた領域が、上下方向に貫通するように形成された開口部552kを有している。また、球タンク552は、右側壁552eの前端側と迂回通路552gの堰部552iの前端側に、夫々前壁552bと同一面上で左右方向外方及び上下方向に延びている平板状のフランジ部552lを有している。球タンク552は、前壁552bにおける越流部552fを除いた部位の上端縁と、二つのフランジ部552lの上端縁の高さが、左側壁552dや後壁552cの上端縁(本体枠ベース501の左段部501n及び右段部501oの上面)よりも高く形成されている。
球タンク552とタンクレール553は、互いに組立てた状態では、球タンク552の開口部552kに、タンクレール553の上流端(正面視において右端)が接続されている。また、平面視においてクランク状に左右方向へ延びているタンクレール553の斜めに延びている部位とその左側の左右方向へ真直ぐに延びている部位とは、球タンク552よりも後方に位置(突出)している。そして、球タンク552の左側壁552dの左側の迂回通路552gの後端辺は、クランク状に左右方向へ延びているタンクレール553の斜めに延びている部位の前端に位置している。
排出部551jは、払出ベース551の上面に形成されている。排出部551jは、本体枠4に組立てた状態で、迂回通路552gよりも低い高さから球タンク552の底壁552aと同じ高さまで後方へ向かって階段状に低くなるように、球タンク552における正面視左側のフランジ部552lの後側からタンクレール553まで後方へ延びた後に、タンクレール553に沿って左方へタンクレール553の上端よりも高くなる位置(第二レールカバー555の左右方向中央付近の位置)まで延びた上で、後方へ向かって延びている。
外部端子板558は、後面に複数の電線接続端子558aが左右方向へ並んだ状態で取付けられている。この電線接続端子558aは、レバーの操作により把持部が開いて電気配線の先端を把持することができワンタッチターミナルである。外部端子板558は、本体枠4に組立てた状態で、タンクレール553における上側が第一レールカバー554、第二レールカバー555、及び球整流部材556により閉鎖される部位の前方に配置されている。外部端子板558(複数の電線接続端子558a)の上側を覆う端子カバー551kは、払出ベース551の上面に形成されている。端子カバー551kの上面は、球タンク552におけるフランジ部552lの上端と略同じ高さに形成されている。
次に、パチンコ機1における本体枠4の上部の作用効果について説明する。まず、越流面部501m、左段部501n、右段部501o、及び迂回通路552gは、図103において白抜きの矢印で示すように、越流面部501mと迂回通路552gは後端側が低くなるように傾斜しており、左段部501nは後端右隅が、右段部501oは後端左隅が、夫々低くなるように傾斜している。また、球タンク552の底壁552a及びタンクレール553(主誘導部553a)は、正面視において、夫々左端側が低くなるように傾斜している。また、球タンク552の案内面部552jは、底壁552aとは逆方向の右端側が低くなるように傾斜している。
そして、島設備から供給されることで球タンク552内に貯留されている遊技球Bの量が増えてくると、まず初めに、外周上端縁のうち最も高さの低い越流部552fを越えて球タンク552の外側(前方)へ流出させることができ、球タンク552から溢れた遊技球Bを越流面部501mに逃すことができると共に、球タンク552から前方の越流面部501mへ流出させた遊技球Bを、越流面部501mの傾斜により球タンク552内へ戻すことができる(図104を参照)。従って、球タンク552内でのこれ以上の遊技球Bの増加を防止することができるため、球タンク552内において遊技球B同士が強く押し合うこと(球圧の増加)を抑制させることができ、球タンク552内において遊技球B同士の噛み合いによる詰り(所謂、球ガミ)の発生を防止することができる。
また、迂回通路552gを備えていることから、図105に示すように、球タンク552から越流面部501mに溢れた遊技球Bを、迂回通路552gを介してタンクレール553へ送ることができる。これにより、越流面部501mに溜った遊技球Bにより球タンク552内の遊技球Bに後方への押圧力が強く作用することを回避させることができ、球タンク552内における遊技球Bの詰りを防止することができる。また、迂回通路552gを介して遊技球Bをタンクレール553へ送ることができるため、球タンク552や越流面部501mから溢れた遊技球Bが本体枠4の外側(後側)にこぼれるのを防止することができる。従って、本体枠4の外側にこぼれた遊技球Bが、外枠2と本体枠4との間に挟まれて本体枠4が開閉できなくなるような不具合の発生を回避させることができる。
更に、球タンク552から越流面部501mに溢れた遊技球Bの一部を、迂回通路552gによりタンクレール553の下流側へ誘導することができると共に、球タンク552から遠ざかっている左側に沿った一定の位置から遊技球Bをタンクレール553へ送ることができるため、迂回通路552gによってタンクレール553へ送られた遊技球Bによる流れ(圧力)をタンクレール553の下流側へ向けさせることができ、タンクレール553内において遊技球B同士が強く押し合うのを抑制して遊技球Bが詰まるのを防止することができる。
また、球タンク552の外周上端縁において、越流部552f以外の残りの上端縁の高さを越流部552fよりも高くしていることから、球タンク552と迂回通路552gとの間の球タンク552における左右方向の一方側の左側壁552dの上端縁が、越流部552f、つまり、越流面部501mの後端よりも高くなっている。これにより、球タンク552から越流部552fを越えて越流面部501mに溢れた上で、越流面部501mから迂回通路552gへ流通している遊技球Bが、球タンク552の一方側の左側壁552dにより遮られることで、迂回通路552gから球タンク552側へ戻ってしまうことを防止することができ、迂回通路552g側の遊技球Bが球タンク552内の遊技球Bを押圧して球タンク552内において遊技球Bの詰りが発生することを防止することができる。
更に、上述したように、球タンク552と迂回通路552gとの間の左側壁552dの上端縁が、越流面部501mの後端(迂回通路552gにおける遊技球Bが転動する通路面552h)よりも高くなっているため、越流面部501mを介することなく遊技球Bが球タンク552から迂回通路552gへ溢れてしまうことを防止することができる。これにより、迂回通路552gに対して横(球タンク552)からの遊技球Bの流入を防止することができるため、迂回通路552gにおける遊技球Bの流れを、前端側の越流面部501mから後端側のタンクレール553へ向かう一定の方向の流れとすることができ、迂回通路552gからタンクレール553へ誘導される遊技球Bの圧力を一定方向とすることができる。従って、タンクレール553内において、遊技球Bにかかる圧力の向きがばらばらとなることで遊技球B同士が押し合って噛み込んでしまうことを防止することができ、遊技球Bの詰りの発生を防止することができる。
また、タンクレール553の底部に、下流端まで延びている主誘導部553aを備えていることから、タンクレール553内の遊技球Bが主誘導部553aに到達することで、左右方向へ一列に並んだ状態となるため、タンクレール553内の遊技球Bを整列させることができ、遊技球Bを下流側の払出装置580へ確実に誘導することができる。また、タンクレール553における上側が開放されている部位において、複数の遊技球Bが並ぶことが可能な幅の広い膨出部553bを備えているため、迂回通路552gの後端から放出された遊技球Bを確実に受けることができ、上述した作用効果を確実に奏することができる。
また、タンクレール553の膨出部553bを、上流端から上側が閉鎖されている部位まで延びるようにすると共に、上流端から下流側へ向かって幅方向が狭くなって主誘導部553aの幅と一致するように変化させるようにしているため、複数の遊技球Bが膨出部553b内において下流側へ向かうに従って、それらが幅方向に対して一列となるように整列させられることができる。また、タンクレール553における上側が閉鎖されている部位を、遊技球Bが流通する流路の高さが下流端へ向かうに従って低くなるように形成しているため、上流側(球タンク552側)において高さ方向へ複数段に積み重なっていた複数の遊技球Bを、タンクレール553における上側が閉鎖されている部位を通って下流側へ流通させることで、高さ方向の段数を少なくして一列に整列させることができる。従って、タンクレール553により、複数の遊技球Bを、一列に整列させた状態で下流側(払出装置580側)へ誘導することができる。
更に、越流面部501m及び迂回通路552gを備えていることから、それらにおいて或る程度の数の遊技球Bを貯留することが可能となると共に、タンクレール553に膨出部553bを備えていることから、タンクレール553内の容積を大きくすることができるため、球タンク552と合わせてより多くの遊技球Bを貯留することができる。
また、迂回通路552g及び排出部551jを間にして球タンク552とは反対側に、電気配線が接続される複数の電線接続端子558aを備えた外部端子板558と、複数の電線接続端子558a(外部端子板558)の上側を覆う端子カバー551kとを備えているため、島設備から遊技球Bが供給される球タンク552に対して、電線接続端子558a及び端子カバー551kを遠くすることができるため、島設備から供給された遊技球Bが、球タンク552や越流面部501mにおいて跳ねたり勢いよく供給されたりしても、電線接続端子558a等に到達(当接)し難くすることができ、遊技球Bの当接によりショートしたり電気配線が外れたりするような不具合が発生することはない。
また、複数の電線接続端子558aを後方へ向けると共に、端子カバー551kの上面を、越流面部501mよりも高くしているため、島設備から球タンク552に供給された遊技球Bが球タンク552や越流面部501mで跳ねても、端子カバー551kの上面に乗り難くすることができると共に、端子カバー551kの上面に遊技球Bが乗っても、後側から落下し難くすることができ上述したような不具合の発生を回避させ易くすることができる。
更に、越流面部501mから球タンク552の案内面部552jに戻された遊技球Bは、案内面部552jの傾斜により球タンク552の上流側(図104において右方向)へ送られる。これにより、案内面部552j上の遊技球Bが、球タンク552内の遊技球Bに対して下流方向へ押圧することを防止することができ、球タンク552内において遊技球Bの詰りが発生することを防止することができる。
また、島設備から球タンク552に供給された遊技球Bが、球タンク552や越流面部501mで跳ねて、越流面部501mの左右両側にある左段部501nや右段部501oに乗っても、図104に示すように、それらの傾斜により遊技球Bを越流面部501mや迂回通路552gへ誘導することができ、本体枠4の外側に遊技球Bがこぼれることで不具合が発生するのを防止することができる。
また、球タンク552からタンクレール553側へ遊技球Bが流通する際に、遊技球Bが案内面部552jの下側を通る構成としているため、案内面部552jによりタンクレール553において上側に積み重なる遊技球Bの量(高さ)を、案内面部552jの下面よりも高くならないように規制することができる。従って、タンクレール553における球タンク552(案内面部552j)の下流側、つまり、迂回通路552gの後端側において、上側へ遊技球Bを積み重ねることが可能なスペース(空き)を確保することができ、迂回通路552gにより誘導された遊技球Bを確実に受取ることができる。
更に、複数の電線接続端子558a及び端子カバー551kを、タンクレール553における上側が閉鎖されている部位の前方に配置しているため、端子カバー551kから後方へ遊技球Bが落下しても、その遊技球Bがタンクレール553に受入られることはなく、当該遊技球Bがタンクレール553内の遊技球Bに影響を与えて不具合が発生することを防止することができる。
[5.遊技盤の全体構成]
パチンコ機1における遊技盤5の全体構成について、主に図107乃至図117を参照して詳細に説明する。図107は、パチンコ機においてセンター役物等を不透明にした遊技盤の正面図である。図108は図107の遊技盤を右前から見た斜視図であり、図109は図107の遊技盤を左前から見た斜視図であり、図110は遊技盤を後ろから見た斜視図である。図111は、主制御基板における機能表示ユニットからの配線の引き回しの概略説明図である。図112は、センター役物等を透明にした状態の遊技盤の正面図である。図113は遊技盤を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図114は遊技盤を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。図115は図107におけるC−C線で切断した断面図であり、図116は図107におけるD−D線で切断した断面図である。図117は、遊技パネルの面と平行に表ユニットを切断して遊技球が流通する遊技領域内と障害釘とを現した状態で示す遊技盤の正面図である。
パチンコ機1の遊技盤5は、遊技者がハンドルユニット180のハンドル182を操作することで遊技球Bが打込まれる遊技領域5aを有している。遊技領域5aには、遊技球Bの受け入れ又は通過により遊技者に対して所定の特典(例えば、所定数の遊技球Bの払出し)を付与する一般入賞口2001、第一始動口2002、普通入賞口2003、第二始動口2004、大入賞口2005、及び役物入賞口2006が備えられている。この遊技盤5は、遊技球Bが、遊技領域5a内の一般入賞口2001、第一始動口2002、普通入賞口2003、第二始動口2004、大入賞口2005、及び役物入賞口2006等に、受け入れられるように、ハンドル182の打込操作と遊技領域5a内での遊技球Bの流通とを楽しませる遊技を行うためのものである。
遊技盤5は、遊技領域5aの外周を区画し外形が正面視略四角形状とされた前構成部材1000と、前構成部材1000の後側に取付けられており遊技領域5aの後端を区画する板状の遊技パネル1100と、を備えている。遊技パネル1100の前面における遊技領域5a内となる部位には、遊技球Bと当接する複数の障害釘N(図117等を参照)が所定のゲージ配列で植設されている。また、遊技盤5は、遊技パネル1100の後側下部に取付けられている基板ホルダ1200と、基板ホルダ1200の後面に取付けられており遊技球Bを遊技領域5a内へ打込むことで行われる遊技内容を制御する主制御基板1310(図115及び図137等を参照)を有している主制御ユニット1300と、を備えている。
また、遊技盤5は、主制御基板1310からの制御信号に基づいて遊技状況を表示し前構成部材1000の左上隅に遊技者側へ視認可能に取付けられている機能表示ユニット1400と、遊技パネル1100の後側に配置されている周辺制御ユニット1500と、正面視において遊技領域5aの中央に配置されており所定の演出画像を表示可能な演出表示装置1600と、遊技パネル1100の後側に配置されており主制御基板1310と周辺制御基板1510との接続を中継しているパネル中継基板1710と、遊技パネル1100の前面に取付けられる表ユニット2000と、遊技パネル1100の後面に取付けられる裏ユニット3000と、を更に備えている。
裏ユニット3000の後面に演出表示装置1600が取付けられていると共に、演出表示装置1600の後面に周辺制御ユニット1500が取付けられている。裏ユニット3000の後面における演出表示装置1600の下方に、パネル中継基板1710が取付けられている。パネル中継基板1710は、主制御基板1310と、一般入賞口センサ3001、第一始動口センサ3002、第二始動口センサ2402、普通入賞口センサ2401、大入賞口センサ2403、役物入賞口センサ2513、第一V入賞口センサ2514、第一ハズレ口センサ2515、第二V入賞口センサ3003、第三ハズレ口センサ3004、アウト口左センサ3032、及びアウト口右センサ3033、始動口ソレノイド2412、アタッカソレノイド2414、役物入賞口ソレノイド2512、第一振分ソレノイド2532、第二振分ソレノイド2545、及び第三振分駆動モータ2555、等との接続を中継するためのものである。
表ユニット2000は、遊技領域5a内に打込まれた遊技球Bを受入可能に常時開口している複数(ここでは三つ)の一般入賞口2001と、複数の一般入賞口2001とは遊技領域5a内の異なる位置で遊技球Bを受入可能に常時開口している第一始動口2002と、遊技領域5a内の更に異なる位置で遊技球Bを受入可能に常時開口している普通入賞口2003と、遊技球Bが普通入賞口2003に受け入れられることにより抽選される普通抽選結果に応じて遊技球Bの受け入れが可能となる第二始動口2004と、第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球Bの受け入れにより抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて遊技球Bの受け入れが可能となる大入賞口2005と、第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球Bの受け入れにより抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて遊技球Bの受け入れが可能となる役物入賞口2006と、役物入賞口2006に受け入れられた遊技球Bに対して受入の機会が付与される第一V入賞口2007及び第二V入賞口2008と、遊技領域5a内において不正に作用する磁気を検知する複数の磁気センサ2010と、を備えている。
また、表ユニット2000は、遊技領域5a内の左右方向中央で遊技領域5aの下端の直上に取付けられており第一始動口2002を有している始動口ユニット2100と、始動口ユニット2100の正面視左方で内レール1002に沿うように取付けられており三つの一般入賞口2001を有しているサイドユニット2200と、サイドユニット2200の正面視左方のやや上側に取付けられているサイド左上ユニット2300と、遊技領域5a内の正面視右下隅となる始動口ユニット2100の正面視右方に取付けられており普通入賞口2003、第二始動口2004、及び大入賞口2005を有しているアタッカユニット2400と、始動口ユニット2100及びサイドユニット2200よりも上方で、遊技領域5a内の正面視略中央やや上寄りに取付けられており役物入賞口2006、第一V入賞口2007及び第二V入賞口2008を有している枠状のセンター役物2500と、を備えている。
アタッカユニット2400には、普通入賞口2003に受け入れられた遊技球Bを検知する普通入賞口センサ2401と、第二始動口2004に受け入れられた遊技球Bを検知する第二始動口センサ2402と、大入賞口2005に受け入れられた遊技球Bを検知する大入賞口センサ2403と、を備えている。センター役物2500は、役物入賞口2006に受け入れられた遊技球Bを検知する役物入賞口センサ2513と、第一V入賞口2007に受け入れられた遊技球Bを検知する第一V入賞口センサ2514と、第一ハズレ口2535に受け入れられた遊技球Bを検知する第一ハズレ口センサ2515と、を備えている。
裏ユニット3000は、パネルホルダ1120の後面に取付けられ前方が開放されている箱状で後壁に四角い開口部3010aを有している裏箱3010と、裏箱3010の後面に取付けられており演出表示装置1600を着脱可能に取付けるためのロック機構3020と、を備えている。また、裏ユニット3000は、表ユニット2000のサイドユニット2200に設けられている一般入賞口2001に受け入れられた遊技球Bを検知する一般入賞口センサ3001と、始動口ユニット2100に設けられている第一始動口2002に受け入れられた遊技球Bを検知する第一始動口センサ3002と、センター役物2500の第二V入賞口2008に受け入れられた遊技球Bを検知する第二V入賞口センサ3003と、センター役物2500の第三ハズレ口2556に受け入れられた遊技球Bを検知する第三ハズレ口センサ3004と、を備えている(図137を参照)。
また、裏ユニット3000は、遊技領域5a内に打込まれ、一般入賞口2001、第一始動口2002、普通入賞口2003、第二始動口2004、大入賞口2005、及び役物入賞口2006に受け入れられなかった遊技球B(特典が付与されなかった遊技球B)を検知するアウト球検知ユニット3030と、裏箱3010の前端に取付けられている導光板演出ユニット3100と、導光板演出ユニット3100の後方で裏箱3010内に取付けられている裏演出ユニット3200と、を備えている。
裏ユニット3000の導光板演出ユニット3100には、始動口ユニット2100の第一始動口2002、サイドユニット2200の三つの一般入賞口2001、及びセンター役物2500における第三振分装置2550の第二V入賞口2008や第三ハズレ口2556に、受け入れられた遊技球Bを受取って下方へ排出する裏下球排出ユニット3120と、センター役物2500における第一ハズレ口2535、及び第一V入賞口2007に受け入れられた遊技球Bを受取って下方へ排出する裏右球排出ユニット3130と、センター役物2500におけるワープ入口2501に対して不正に作用する磁気を検知する磁気センサ(図示は省略)と、を備えられている。
[5−1.前構成部材]
遊技盤5における前構成部材1000について、主に図118を参照して詳細に説明する。図118(a)は遊技盤における前構成部材及び遊技パネルを前から見た斜視図であり、(b)は前構成部材及び遊技パネルを後ろから見た斜視図である。
前構成部材1000は、全体が透明に形成されている。前構成部材1000は、正面視の外形が略正方形とされ、内形が略円形状に前後方向へ貫通しており、内形の内周によって遊技領域5aの外周を区画している。この前構成部材1000は、正面視で左右方向中央から左寄りの下端から時計回りの周方向へ沿って円弧状に延び正面視左右方向中央上端を通り過ぎて右斜め上部まで延びた外レール1001と、外レール1001に略沿って前構成部材1000の内側に配置され正面視左右方向中央下部から正面視左斜め上部まで円弧状に延びた内レール1002と、内レール1002の下端の正面視右側で遊技領域5aの最も低くなった位置に形成されており後方へ向かって低くなるように傾斜しているアウト誘導部1003と、を備えている。
また、前構成部材1000は、アウト誘導部1003の正面視右端から前構成部材1000の右辺付近まで右端側が僅かに高くなるように直線状に傾斜している右下レール1004と、右下レール1004の右端から前構成部材1000の右辺に沿って外レール1001の上端の下側まで延びており上部が前構成部材1000の内側へ湾曲している右レール1005と、右レール1005の上端と外レール1001の上端とを繋いでおり外レール1001に沿って転動して来た遊技球Bが当接する衝止部1006と、を備えている。
また、前構成部材1000は、内レール1002の上端に回動可能に軸支され、外レール1001との間を閉鎖するように内レール1002の上端から上方へ延出した閉鎖位置と正面視時計回りの方向へ回動して外レール1001との間を開放した開放位置との間でのみ回動可能とされると共に閉鎖位置側へ復帰するように図示しないバネによって付勢された逆流防止部材1007を、備えている。
更に、前構成部材1000は、枠内における正面視左右方向中央下部で、アウト誘導部1003の後端において前後に貫通しているアウト口1008を備えている。アウト誘導部1003によって後方へ誘導された遊技球Bは、アウト口1008及び後述する裏ユニット3000のアウト球検知ユニット3030を通って前構成部材1000(遊技パネル1100)の後方へ排出される。
また、前構成部材1000は、外レール1001及び内レール1002における下端から略垂直に延びた付近の部位の外側、アウト誘導部1003及び右下レール1004の下側、及び右レール1005の外側、の夫々の部位において、前端から後方へ窪んだ防犯凹部1009を備えている。この防犯凹部1009は、遊技盤5を本体枠4に取付けて、本体枠4に対して扉枠3を閉じた状態とすると、扉枠3における防犯カバー170の後方へ突出した後方突片172が挿入された状態となる。これにより、防犯カバー170と遊技盤5(前構成部材1000)との間が、防犯カバー170の後方突片172と前構成部材1000の防犯凹部1009とによって複雑に屈曲した状態となるため、遊技盤5の前面下方より防犯カバー170と前構成部材1000との間を通してピアノ線等の不正な工具を遊技領域5a内に侵入させようとしても、後方突片172や防犯凹部1009に阻まれることとなり、遊技領域5a内への不正な工具の侵入を阻止することができる。
また、前構成部材1000は、正面視左下隅において下端から上方へ切欠かれている切欠部1010を備えている。この切欠部1010は、遊技パネル1100の切欠部1103と一致しており、遊技盤5を本体枠4に取付けた時に、切欠部1010及び切欠部を貫通して下部満タン球経路ユニット610の下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの前端開口が前方へ臨むようになっている。
更に、前構成部材1000は、正面視において左上隅に形成されており、機能表示ユニット1400が取付けられる機能表示ユニット取付部1011と、左下隅に形成されている証紙貼付部1012と、を備えている。
また、前構成部材1000は、略全体が透明に形成されており、後側に配置されている遊技パネル1100を前方から視認することができる。
[5−2.遊技パネル]
遊技盤5における遊技パネル1100について、主に図118等を参照して詳細に説明する。遊技パネル1100は、前構成部材1000の後面に取付けられており、表ユニット2000及び裏ユニット3000が取付けられるものである。遊技パネル1100の前面には、所定のゲージ配列で複数の障害釘Nが植設されている(図117等を参照)。
遊技パネル1100は、所定厚さ(例えば、18mm〜21mm)のベニヤ合板等の木質板材によって形成されており、外形が前構成部材1000の外形と略同形状に形成されている。遊技パネル1100は、遊技領域5a内において最も低い位置となり前構成部材1000のアウト口1008と対応した位置に下端から上方へ窪んだアウト凹部1101が形成されている。また、遊技パネル1100には、前後に貫通しており表ユニット2000を取付けるための開口部1102が複数形成されている。
また、遊技パネル1100は、正面視左下隅において下端から上方へ切欠かれている切欠部1103を備えている。この切欠部1103は、前構成部材1000の切欠部1010と一致するように形成されており、遊技盤5を本体枠4に取付けた時に、切欠部1010及び切欠部を貫通して貫通して下部満タン球経路ユニット610の下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの前端開口が前方へ臨むようになっている。なお、詳細な図示は省略するが、遊技パネル1100の前面には、パチンコ機1のコンセプトに沿った絵柄や装飾が施された装飾シートが貼り付けられている。
[5−3.基板ホルダ]
遊技盤5における基板ホルダ1200について、主に図113及び図114等を参照して詳細に説明する。基板ホルダ1200は、上方及び前方が開放された横長の箱状に形成されており、底面が左右方向中央へ向かって低くなるように傾斜している。基板ホルダ1200は、底面における左右方向中央において、前端から後方へ向かって切欠かれている排出部1201を有している。この基板ホルダ1200は、遊技盤5に組立てた状態で、遊技パネル1100の後側に取付けられている裏ユニット3000の下部を下側及び後側から覆っていると共に、後面に主制御ユニット1300の主制御基板ボックス1320が取付けられている。
基板ホルダ1200は、パチンコ機1に組立てた状態で、排出部1201が、本体枠4の基板ユニット620におけるベースユニット620bの排出球受部628の直上に位置している。これにより、アウト口1008及び裏ユニット3000のアウト球検知ユニット3030を通って遊技パネル1100の後側へ排出された遊技球B、及び、表ユニット2000及び裏ユニット3000から下方へ排出された遊技球B、を全て受けることができ、底面に形成された排出部1201から下方の排出球受部628へ排出させることができる。
[5−4.主制御基板ユニット]
遊技盤5における主制御ユニット1300について、主に図110、図111、図113乃至図115を参照して詳細に説明する。主制御ユニット1300は、基板ホルダ1200の後面に着脱可能に取付けられている。主制御ユニット1300は、遊技内容及び遊技球Bの払出し等を制御する主制御基板1310と、遊技性能を設定することができる設定変更基板1311と、主制御基板1310と設定変更基板1311とを収容しており基板ホルダ1200に取付けられる主制御基板ボックス1320と、を備えている。
主制御基板ボックス1320が基板ホルダ1200の後面に取付けられた状態では、遊技盤5を後ろから見ると、左右方向に長い矩形状の主制御基板1310が主制御基板ボックス1320のカバー体の左辺、上辺、右辺、及び下辺により囲まれた領域のうち左辺から右辺へ向かって5分の4程度の領域を占有する大きさに形成されて配置されると共に、残りの5分の1程度の領域であって主制御基板ボックス1320のカバー体の上辺及び右辺が接続される角部分の領域に正方形状の設定変更基板1311が配置される。
外枠2は、上述したように、外枠上ヒンジ組立体50と外枠下ヒンジ部材60とによって、本体枠4の本体枠上ヒンジ部材510と本体枠下ヒンジ組立体520とを同軸上で回転可能に支持して本体枠4を正面視左側を中心にして前方へ開閉することができるようになっているため、本体枠4の本体枠上ヒンジ部材510と本体枠下ヒンジ組立体52とが配置される本体枠4の上下方向の正面視左辺側が本体枠4の軸支側(閉鎖側)となり、これと反対側となる本体枠4の上下方向の正面視右辺側が本体枠4の開放側となる。つまり、遊技盤5が本体枠4の本体枠ベース501に取付けられた状態では、本体枠4の開放側に主制御基板1310が配置されているのに対して、本体枠4の軸支側(閉鎖側)に設定変更基板1311が配置されている。
また、本体枠4の本体枠ベースユニット500の後側に開閉可能に取付けられる裏カバー640は、上述したように、本体枠4の本体枠ベース501に取付けられた遊技盤5の後側を覆うものである。つまり、遊技盤5が本体枠4の本体枠ベース501に取付けられた状態では、主制御基板ボックス1320が裏カバー640により覆われた状態となっている。また、裏カバー640は、上述したように、正面視における右辺が、本体枠ベース501の後方延出部501jの上下に延びている後端に、上下に延びた軸周りに回転可能に取付けられ、左辺が、払出ベース551の裏カバー取付部551iと上部満タン球経路ユニット600の裏カバー取付部601aとに取付けられるようになっているため、正面視右辺側が裏カバー640の軸支側(閉鎖側)であり、これと反対側となる正面視左辺側が裏カバー640の開放側となる。つまり、遊技盤5が本体枠4の本体枠ベース501に取付けられた状態では、裏カバー640の軸支側(閉鎖側)に主制御基板1310が配置されているのに対して、裏カバー開放側に設定変更基板1311が配置されている。
本実施形態では、主制御基板1310のレジストとして緑色を採用しており、主制御基板1310の表面(実装面)全体及び裏面(ハンダ面)全体が緑色のレジストで各種ランドパターンを除いてベタ塗りされているのに対して、設定変更基板1311のレジストとして主制御基板1310のレジストと異なる色となる白色を採用し、設定基板1311の表面(実装面)及び裏面(ハンダ面)全体が白色のレジストで各種ランドパターンを除いてベタ塗りされている。
ここで、設定変更基板1311のレジストとして主制御基板1310のレジストとして採用される色と異なる色を採用している点について説明する。主制御基板1310と設定変更基板1311とは、ともに主制御基板ボックス1320に収容される基板である。遊技ホールの店長、遊技ホールの店員等の係員は、主制御基板1310が遊技の進行を制御する(遊技内容及び遊技球Bの払出し等を制御する)防犯上重要度が高い基板であるという点についての認知度が非常に高い。このため、この基板が主制御基板1310であるという点を他の基板と区別して注意喚起する必要がない。これに対して、設定変更基板1311は、遊技性能を設定することができるというパチンコ機1において全く新しい機能を有する基板であるため、主制御基板ボックス1320に収容されるものの、防犯上重要度が高い基板であるという点についての認知度が極めて低い。このため、この基板が設定変更基板1311であるという点を他の基板と区別して注意喚起する必要がある。
そこで、本実施形態では、基板のレジストとして一般に利用されている緑色を主制御基板1310のレジストとして採用し、設定変更基板1311のレジストとして主制御基板1310のレジストとして採用される色と異なる白色を採用した。これにより、主制御基板ボックス1320に収容される基板のうち、主制御基板1310と比べて設定変更基板1311が目立つ存在となり、主制御基板1310に加えて設定変更基板1311も防犯上重要度が高い基板であるという点についての認知度を高めることに寄与することができる。
なお、上述した本実施形態では、設定変更基板1311のレジストとして主制御基板1310のレジストとして採用される緑色と異なる白色を採用したが、主制御基板1310と設定変更基板1311とを区別することができるものであれば、黄色、赤色、青色、及び透明等にしてもよい。
また、上述した本実施形態では、設定変更基板1311のレジストとして主制御基板1310のレジストとして採用される緑色と異なる白色を採用したが、設定変更基板1311のレジストに代えて、設定変更基板1311の表面(実装面)及び/又は裏面(ハンダ面)のほぼ全体を覆うように白色でシルク印刷として印刷してもよいし、黒色、青色、黄色、及び赤色のうちいずれかの色でシルク印刷として印刷してもよい。
次に、主制御基板1310と設定変更基板1311とを収容する主制御基板ボックス1320について説明する。主制御基板ボックス1320は、カバー体とベース体とから構成されている。カバー体とベース体とは、ポリカーボネートの樹脂製であり、透明に成型されている。カバー体とベース体とにより形成される内部空間には、主制御基板1310及び設定変更基板1311を収容することができるようになっている。カバー体とベース体とがポリカーボネートの樹脂製により透明に成型されていることにより、主制御基板1310及び設定変更基板1311の表面側や裏面側の状態(不正な改変が行われているか否か、又は不正ICが実装されているか否か)を、主制御基板ボックス1320の外側から確認することができるようになっている。また、主制御基板ボックス1320は、カバー体とベース体とにそれぞれ対応するように複数の封印機構を備えており、一つの封印機構を用いて主制御基板ボックス1320を閉じると、次に、主制御基板ボックス1320を開けるためにはその封印機構を破壊する必要があり、主制御基板ボックス1320の開閉の痕跡を残すことができる。したがって、開閉の痕跡を見ることで、主制御基板ボックス1320の不正な開閉を発見することができ、主制御基板1310及び設定変更基板1311への不正行為に対する抑止力が高められている。なお、カバー体には、主制御基板ボックス1320内の空気を外気へ放出することができる放熱用の通気孔が複数形成されている。
主制御ユニット1300の主制御基板1310は、インターフェイス基板635、周辺制御基板1510、設定変更基板1311と、接続されている。また、主制御基板1310は、機能表示ユニット1400、一般入賞口センサ3001、第一始動口センサ3002、普通入賞口センサ2401、第二始動口センサ2402、大入賞口センサ2403、役物入賞口センサ2513、第一V入賞口センサ2514、第一ハズレ口センサ2515、第二V入賞口センサ3003、第三ハズレ口センサ3004、アウト口左センサ3032、アウト口右センサ3033、始動口ソレノイド2412、アタッカソレノイド2414、役物入賞口ソレノイド2512、第一振分ソレノイド2532、第二振分ソレノイド2545、第三振分駆動モータ2555、磁気センサ2010、アウト口左センサ3032、アウト口右センサ3033、等と接続されている。
主制御ユニット1300の設定変更基板1311は、パチンコ機1の設定値の切り替えと設定値の確認とを行うことができる設定キースイッチ1311aを備えている。設定変更基板1311のコネクタSMCNは、主制御基板1310のコネクタMSCNとコネクタ接続(基板間接続)されている(設定変更基板1311のコネクタSMCNと主制御基板1310のコネクタMSCNとのコネクタ間を、ハーネス(電気配線)を介して、電気的に接続してもよい。設定キースイッチ1311aへの操作に伴う力をハーネス(電気配線)により吸収して(和らげて)設定変更基板1311から主制御基板1310へ伝わり難くすることができる)。このコネクタ接続(基板間接続)されることにより、設定キースイッチ1311aからの信号は、主制御基板1310と電気的に接続される。なお、基板間接続であるコネクタ接続には、フローティング機構を備えていない通常コネクタを用いる接続と、フローティング機構を備えている特殊コネクタを用いる接続と、がある。フローティング機構を備えていない通常コネクタは、ソケットとプラグとから構成され、ソケットにプラグを挿入して押し込むことによりソケットとプラグとが嵌合するものであり、ソケットがプラグと嵌合する際に、プラグを挿入して押し込む方向に対して垂直方向(例えば、上下方向)へ移動する量が全くない構造となっている。これに対して、フローティング機構を備えている特殊コネクタは、ソケットとプラグとから構成され、ソケットをプラグに挿入して押し込むことによりソケットとプラグとが嵌合するものであり、ソケットがプラグと嵌合する際に、ソケットを挿入して押し込む方向に対して垂直方向(例えば、上下方向)へ向かって所定距離範囲を動くことによって押し込む際に生ずる誤差(嵌合軸ズレ)を吸収することができる構造となっている。本実施形態では、基板間接続であるコネクタ接続として、フローティング機構を備えていない通常コネクタを採用しているが、フローティング機構を備えている特殊コネクタを採用してもよい。
設定変更基板1311は、その一辺の距離寸法が主制御基板ボックス1320のカバー体の横方向の距離寸法の約5分の1程度を有して正方形状に形成され、その上辺が主制御基板1310の上辺と同一の直線上に配置されているとともに、その下辺が主制御基板1310の右辺と左辺とのそれぞれの中点を通る中心線より上方に配置されている。
設定変更基板1311のコネクタSMCNは、設定変更基板1311の左辺に沿って、その上下方向の距離寸法の中心となる位置に配置されているとともに、主制御基板1310のコネクタMSCNは、主制御基板1310の右辺であって、設定変更基板1311のコネクタSMCNと対応する位置に配置されている。正方形状の設定変更基板1311の上下左右方向の各中心線が交わる中心点に設定キーが挿入されて回動操作される設定キーシリンダを有する設定キースイッチ1311aが配置されている。主制御基板1310には、設定変更基板1311の左右方向の中心線上より上方であってコネクタMSCN寄りに単色(例えば、赤色)に発光することができる設定変更許可ランプ1310zが配置されている。主制御基板1310の中心線より上方であってコネクタMSCNの近傍に小数点付き(いわゆる、ドット付き)7セグメントLED表示器単体で構成される設定表示器1310gが配置され、主制御基板1310の中心線より下方であって中央から右辺へ向かって小数点付き(いわゆる、ドット付き)7セグメントLED表示器が6つ一列に連なって構成されるベースモニタ1310hが配置されている。
本実施形態では、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダに形成される差し込み口に設定キーが差し込まれる準備が整っている位置(例えば、矩形状を有する差し込み口の長手方向が上下方向へ沿う位置)において、初期位置として設定キースイッチ1311aをOFFとする状態となっている。設定キーシリンダが初期位置にあるときにおいて、差し込み口に設定キーを差し込むことができるとともに、差し込み口から設定キーを抜き取ることができるようになっている。なお、本実施形態では、差し込み口に設定キーが差し込まれた状態のまま、外枠2に対して本体枠4を閉鎖したとしても、遊技ホールの島設備に背向かいで列設される他のパチンコ機の部材(又は遊技ホールの島設備の部材)と設定キーとが互いに干渉せずに損傷しないように設定キースイッチ1311aの奥行き方向の距離寸法を採用している。
設定キーシリンダが初期位置から時計方向へ向かって60度回動操作されて第1のON操作されることにより設定キースイッチ1311aを設定キーONとすることができ、この設定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力される。また、設定キーシリンダが初期位置から反時計方向へ向かって60度回転操作されて第2のON操作されることにより設定キースイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力される。また、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように設定キーシリンダが反時計方向へ向かって60度回転操作されてOFF操作されることにより設定キースイッチ1311aをOFFとすることができるとともに、設定キースイッチ1311aを決定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回転操作されてOFF操作されることにより設定キースイッチ1311aをOFFとすることができる。このOFFの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力される。本実施形態では、設定キーONという機能と決定キーONという機能とが全く異なる2つの機能を、設定キーシリンが回動操作される方向によって、設定キースイッチ1311aという単体のみで実現することができ、設定キースイッチ1311aという単体のみによって、設定キーONとする操作と決定キーONとする操作とをまとめて行うことができる。
設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの前面は、対応する主制御基板ボックス1320のカバー体に形成される開口部を介して露出されているものの、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの前面と対応する開口部とに形成される「すき間」から針金などを侵入して設定変更基板1311及び主制御基板1310を改変することができないように、この開口部に対して針金侵入防止部がカバー体に成型されている構造となっている。設定表示器1310g、及びベースモニタ1310hは、カバー体とベース体とにより形成される内部空間に収容されて全く触れることができないものの、カバー体が、上述したように、透明に成型されているため、カバー体を通して、設定表示器1310gが表示する設定値と、ベースモニタ1310hが表示する球数と、を視認することができるようになっている。
なお、不正な改変を防止するために、設定キースイッチ1311aの設定キーONの信号が伝送される配線パターンと、設定キースイッチ1311aの決定キーONの信号が伝送される配線パターンと、設定キースイッチ1311aのOFFの信号が伝送される配線パターンと、の引き回しとして、設定変更基板1311において相互に近づけないように(相互に離間して)形成されるとともに、設定変更基板1311のコネクタSMCNの端子(主制御基板1310のコネクタMSCNの端子)への接続も離間して形成され、主制御基板1310においても、設定キースイッチ1311aからの各種信号が伝送される配線パターン(つまり、設定キースイッチ1311aの設定キーONの信号が伝送される配線パターン、設定キースイッチ1311aの決定キーONの信号が伝送される配線パターン、及び設定キースイッチ1311aのOFFの信号が伝送される配線パターン)の引き回しも相互に近づけないように(相互に離間して)形成されているとともに、払出制御基板633のRWMクリアボタン633zからの信号が伝送される配線パターンとの引き回しも相互に近づけないように(相互に離間して)形成されている。
ここで、設定変更基板1311の設定キースイッチ1311aにアクセス(操作)するまでの手順を簡単に説明する。遊技盤5が本体枠4の本体枠ベース501に取付けられた状態では、上述したように、本体枠4の開放側に主制御基板1310が配置されているのに対して、本体枠4の軸支側(閉鎖側)に設定変更基板1311が配置されている。また、遊技盤5が本体枠4の本体枠ベース501に取付けられた状態では、上述したように、主制御基板ボックス1320が裏カバー640により覆われた状態となっている。また、遊技盤5が本体枠4の本体枠ベース501に取付けられた状態では、裏カバー640の軸支側(閉鎖側)に主制御基板1310が配置されているのに対して、裏カバー開放側に設定変更基板1311が配置されている。つまり、裏カバー640を開放する場合には、裏カバー640の裏カバー開放側が本体枠4の軸支側(閉鎖側)となっているため、外枠2に対して本体枠4を大きく(約90度近く)開放しなければ、裏カバー640の開放側が外枠2と干渉して裏カバー640が遊技盤5の後側を覆う状態を開放することができない構造となっている。換言すると、設定変更基板1311の設定キースイッチ1311aにアクセス(操作)する者は、単に腕を挿入することができる程度のすき間だけ外枠2に対して本体枠4を開放して設定変更基板1311の設定キースイッチ1311aにアクセス(操作)しようとしても、裏カバー640を開放することができない。つまり、設定変更基板1311の設定キースイッチ1311aにアクセス(操作)する者は、まず、裏カバー640が遊技盤5の後側を覆う状態を開放することができる空間を確保するために、外枠2に対して本体枠4を大きく(約90度近く)開放する必要がある。
このように、本体枠4の軸支側(閉鎖側)に設定変更基板1311が配置されているため、本体枠4の開放側に設定変更基板1311を配置する場合と比べると、設定変更基板1311の設定キースイッチ1311aに不正にアクセス(操作)しようとする不正行為者がピアノ線や針金等の不正な工具を用いる場合には、外枠2と本体枠4との間であって本体枠4の開放側から仮に不正な工具を挿入して送り込んでも本体枠4の開放側から設定キースイッチ1311aまでに亘る経路が長くなることで不正な工具を深く送り込む必要がある。これにより、不正な工具を設定キースイッチ1311aへ送り込んでいる動作時間も長くなるため、このような不正行為を遊技ホールの店員等の係員が発見し易くすることができる。
また、主制御基板ボックス1320が裏カバー640により覆われた状態となっているため、設定変更基板1311の設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口が裏カバー640により覆われた状態となっている。これにより、設定変更基板1311の設定キースイッチ1311aに不正にアクセス(操作)しようとする不正行為者がピアノ線や針金等の不正な工具を用いて外枠2と本体枠4との間であって本体枠4の開放側から仮に不正な工具を挿入して送り込んでも、不正な工具が設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に達する前に裏カバー640により阻止されるため、不正な工具が設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に挿入されることを防止することができる。
また、設定変更基板1311の設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダには設定キーを差し込むための差し込み口が設けられ、この設定キーシリンダの差し込み口が裏カバー640により覆われた状態となっているため、設定変更基板1311の設定キースイッチ1311aにアクセス(操作)するためには裏カバー640を開放するという作業を行う必要がある。この裏カバー640を開放するためには外枠2に対して本体枠4を大きく(約90度近く)開放する作業を行う必要がある。このような複数の作業を伴うことで設定変更基板1311の設定キースイッチ1311aに対するアクセス(操作)の防犯性を高めることで不正な工具による不正行為に対する抑止力を高めることができる。
なお、裏カバー640は、上述したように、その正面視左辺が払出ベース551の裏カバー取付部551iと上部満タン球経路ユニット600の裏カバー取付部601aとに開閉自在に軸支されて取付けられ、ロック用ネジ642が裏カバー取付部601aに螺着されて裏カバー640が固定されるようになっており、ロック用ネジ642も裏カバー640の開放側に配置されることにより本体枠4の開放側と反対側となる本体枠4の軸支側(閉鎖側)に配置されている。このため、設定変更基板1311の設定キースイッチ1311aに不正にアクセス(操作)しようとする不正行為者が不正な工具を外枠2と本体枠4との間であって本体枠4の開放側から挿入して送り込んでも本体枠4の開放側から裏カバー640のロック用ネジ642までに亘る経路が長くなることで不正な工具を深く送り込む必要がある。この点においても、不正な工具をロック用ネジ642へ送り込んでいる動作時間も長くなるため、このような不正行為を遊技ホールの店員等の係員が発見し易くすることができるし、設定変更基板1311の設定キースイッチ1311aに対するアクセス(操作)の防犯性を高めることで不正な工具による不正行為に対する抑止力を高めることができる。
設定キースイッチ1311aが配置される設定変更基板1311は、主制御基板1310と共に、主制御基板ボックス1320に収容されて、この主制御基板ボックス1320が遊技盤5の基板ホルダ1200の後側に取付けられている。これに対して、RWMクリアボタン633zが配置される払出制御基板633は、払出制御基板ボックス632に収容されて、この払出制御基板ボックス632が本体枠4の基板ユニット620における電源基板カバー631の後側に取付けられている。このように、設定キースイッチ1311a、及びRWMクリアボタン633zをそれぞれ別々の基板に配置すると共に、基板が取付けられる対象も異なるようにすることで設定キースイッチ1311a、及びRWMクリアボタン633zを離間させることができる。1つの基板に設定キースイッチ1311a、及びRWMクリアボタン633zを集約して配置する場合には、1つの基板に対してのみ不正な改変を行えばよく、防犯上好ましくない。そこで、本実施形態では、設定キースイッチ1311a、及びRWMクリアボタン633zをそれぞれ別々の基板に配置すると共に、基板が取付けられる対象も異なるような構成を採用したことにより、設定キースイッチ1311a、及びRWMクリアボタン633zに対する防犯性を高めている。
なお、主制御基板1310(主制御MPU1310a)は、遊技準備の制御と遊技の制御とを行う(遊技準備の制御に続いて、遊技の制御を行う)。遊技準備の制御は、設定変更基板1311の設定キースイッチ1311aからの信号に基づいて、設定値の変更可能状態とすることができる第1工程(後述する主制御側電源投入時処理におけるステップS14の判定、ステップS16Aの処理)と、この第1工程に続いて、払出制御基板633のRWMクリアボタン633z(ここでは、設定値を選択して切り替えるための設定切替ボタンとしての機能する。)からの信号に基づいて、設定値を選択して切り替えることができる第2工程(後述する設定変更処理におけるステップS216の判定、ステップS218の処理)と、から構成されている。遊技準備の制御に続いて、遊技の制御は、後述する主制御側電源投入時処理における主制御側メイン処理や後述する主制御側タイマ割込処理等から構成されている。
このような防犯性を高めることができるものの、設定キースイッチ1311a、及びRWMクリアボタン633zをそれぞれ別々の基板に配置すると共に、基板が取付けられる対象も異なるような構成を採用したことにより、設定キースイッチ1311aが主制御基板ボックス1320に収容されているため、特に設定キースイッチ1311aがどこに配置されているのかを伝える必要がないのに対して、設定切替ボタンの機能を兼ねるRWMクリアボタン633zがどこに配置されているのかを、遊技ホールの店長、遊技ホールの店員等の係員は、不慣れな場合もあるため、わかり難い場合がある。
そこで、本実施形態では、RWMクリアボタン633zの配置場所を伝えることができる所在情報となる表記が主制御基板ボックス1320に付されている。具体的には、主制御基板ボックス1320のカバー体には、RWMクリアボタン633zの配置場所を伝えることができるシールが貼られている。このシールは透明な矩形シートであり、この矩形シートには、例えば、赤色の半透明な文字(高さ:7mm)で「RWMクリアボタン(設定切替ボタン)は払出制御基板にあります」と印刷されている。これにより、RWMクリアボタン633z(設定切替ボタン)の配置場所を、遊技ホールの店長、遊技ホールの店員等の係員に伝えることができるため、遊技ホールの店長、遊技ホールの店員等の係員は、RWMクリアボタン633zの操作する際に、RWMクリアボタン633zを容易に見つけ出すことができることにより目が回らずに済む。したがって、RWMクリアボタン633zの所在を容易に知ることができる。
なお、このシールは、主制御基板ボックス1320のカバー体に貼られても、主制御基板1310の視認性を妨げるものでもない。また、このシールの矩形シートに印刷される文字に代えて、矢印などの記号でもよい。
また、上述した実施形態では、RWMクリアボタン633zの配置場所を伝えることができる所在情報となる表記として主制御基板ボックス1320のカバー体にシールが貼られていたが、これに代えて、主制御基板ボックス1320のカバー体を成型するときに、凹状の文字又は凸状の文字を併せて成型するようにしてもよい(つまり、カバー体と文字とを一体成型してするようにしてもよい)。このように構成しても、RWMクリアボタン633zの所在を容易に知ることができる。
また、上述した実施形態では、RWMクリアボタン633zの配置場所を伝えることができる所在情報となる表記として主制御基板ボックス1320のカバー体にシールが貼られていたが、これに代えて、設定変更基板1311の表面(実装面)に文字(高さ:7mm)「RWMクリアボタン(設定切替ボタン)は払出制御基板にあります」を白色でシルク印刷として印刷してもよいし、払出制御基板633の表面(実装面)に文字(高さ:7mm)「RWMクリアボタン(設定切替ボタン)」を白色でシルク印刷として印刷してもよい。なお、シルク印刷の色は、同一色でもよいし、異なる色でもよい。また、シルク印刷される文字に代えて、矢印などの記号でもよい。このように構成しても、RWMクリアボタン633zの所在を容易に知ることができる。
また、上述した実施形態では、RWMクリアボタン633zの配置場所を伝えることができる所在情報となる表記として主制御基板ボックス1320のカバー体にシールが貼られていたが、これに代えて、設定変更基板1311の表面(実装面)に文字部分をマスクして抜き文字(高さ:7mm)「RWMクリアボタン(設定切替ボタン)は払出制御基板にあります」としてレジストにより形成してもよいし、払出制御基板633の表面(実装面)に文字部分をマスクして抜き文字(高さ:7mm)「RWMクリアボタン(設定切替ボタン)」としてレジストにより形成してもよい。なお、レジストの色は同一色でもよいが、異なる色とした方が基板の区別ができて好ましい。また、抜き文字に代えて、矢印などの記号をマスクした抜き記号でもよい。このように構成しても、RWMクリアボタン633zの所在を容易に知ることができる。
また、上述した実施形態では、RWMクリアボタン633zの配置場所を伝えることができる所在情報となる表記として主制御基板ボックス1320のカバー体にシールが貼られていたが、これに代えて、主制御基板1310の表面(実装面)又は設定変更基板1311の表面(実装面)に同様のシール(このシールは透明な矩形シートであり、この矩形シートには、例えば、赤色の半透明な文字(高さ:7mm)で「RWMクリアボタン(設定切替ボタン)は払出制御基板にあります」と印刷されている。)を貼ってもよいし、払出制御基板633の表面(実装面)に赤色の半透明な文字(高さ:7mm)で「RWMクリアボタン(設定切替ボタン)」という透明な矩形シートを貼ってもよい。このように構成しても、RWMクリアボタン633zの所在を容易に知ることができる。
また、上述した実施形態では、RWMクリアボタン633zの配置場所を伝えることができる所在情報となる表記として主制御基板ボックス1320のカバー体にシールが貼られていたが、これに代えて、RWMクリアボタン633zがどこに配置されているのかを、アナウンス音声を各種スピーカから流すようにしてもよいし、演出表示装置1600にアナウンス画像を表示するようにしてもよい。具体的には、例えば、パチンコ機1が電源投入された状態で、遊技ホールの店長、遊技ホールの店員等の係員が演出操作ユニット300の演出操作部301を操作して、演出表示装置1600に各種設定画面を表示して、RWMクリアボタン633z(設定切替ボタン)の配置場所についての項目を選択する。これにより、及びRWMクリアボタン633zがどこに配置されているのかを伝える「RWMクリアボタンは払出制御基板にあります。RWMクリアボタンは設定切替ボタンを兼ねています。」というアナウンス音声が各種スピーカから流れるとともに、RWMクリアボタン633zの配置場所を伝えるアナウンス画像(写真で撮影したものでもよい。)が演出表示装置1600に表示される。遊技ホールの店長、遊技ホールの店員等の係員は、このようなアナウンス音声やアナウンス画像によりRWMクリアボタン633zの配置場所を把握した後に、パチンコ機1の電源を遮断して、設定値の変更をスムーズに行うことができる。このように構成しても、RWMクリアボタン633zの所在を容易に知ることができる。
また、上述した実施形態では、RWMクリアボタン633zの配置場所を伝えることができる所在情報となる表記として主制御基板ボックス1320のカバー体にシールが貼られていたが、これに代えて、設定値の設定変更を行う場合に、設定切替ボタンの機能を兼ねるRWMクリアボタン633zがどこに配置されているのかを、アナウンス音声を各種スピーカから流すようにしてもよい。具体的には、例えば、パチンコ機1が電源投入されて主制御MPU1310aが設定値を変更決定することができる設定変更処理を行うときに所定のコマンドを周辺制御基板1510へ送信することにより、周辺制御基板1510の制御によりRWMクリアボタン633zがどこに配置されているのかを伝える「RWMクリアボタンは払出制御基板にあります。RWMクリアボタンは設定切替ボタンを兼ねています。RWMクリアボタンを操作して設定値を変更してください。」というアナウンス音声が各種スピーカから繰り返し流れる。主制御MPU1310aは、設定変更処理を完了すると、周辺制御基板1510へ所定のコマンドを送信することにより、周辺制御基板1510は、アナウンス音声を停止して受信した所定のコマンドに基づいて各種処理を進行することとなる。このように構成しても、RWMクリアボタン633zの所在を容易に知ることができる。なお、このようなアナウンス音声に続けて、設定値を決定した後に設定キーの操作方法を伝えるアナウンス音声を各種スピーカから流すようにしてもよい。また、アナウンス音声を流しているときに、演出表示装置1600に「設定中」という画像を表示するようにしてもよい。
また、上述した実施形態では、RWMクリアボタン633zの配置場所を伝えることができる所在情報となる表記として主制御基板ボックス1320のカバー体にシールが貼られていたが、これに加えて、設定値の設定変更を行う場合に、設定切替ボタンの機能を兼ねるRWMクリアボタン633zがどこに配置されているのかを、アナウンス音声を各種スピーカから流すようにしてもよい。具体的には、例えば、パチンコ機1が電源投入されて主制御MPU1310aが設定値を変更決定することができる設定変更処理を行うときに所定のコマンドを周辺制御基板1510へ送信することにより、周辺制御基板1510の制御によりRWMクリアボタン633zがどこに配置されているのかを伝える「RWMクリアボタンは払出制御基板にあります。RWMクリアボタンは設定切替ボタンを兼ねています。RWMクリアボタンを操作して設定値を変更してください。」というアナウンス音声が各種スピーカから繰り返し流れる。これにより、主制御基板ボックス1320のカバー体に貼られたシールを探す必要がなくなる。なお、このようなアナウンス音声が各種スピーカから繰り返し流れるものの、アナウンス音声の内容を聞き漏らす場合も想定して、次回のアナウンス音声が流れる始めるまえに、主制御基板ボックス1320のカバー体に貼られたシールを目視することにより、RWMクリアボタン633zの配置場所を知ることができるようになっている。アナウンス音声には、「RWMクリアボタンは払出制御基板にあります。RWMクリアボタンは設定切替ボタンを兼ねています。RWMクリアボタンを操作して設定値を変更してください。」に加えて、RWMクリアボタンの所在を示すシールが貼られている場所を伝える内容も案内するようにしてもよい。主制御MPU1310aは、RWMクリアボタンが操作されると、周辺制御基板1510へ所定のコマンドを送信することにより、周辺制御基板1510は、アナウンス音声を停止する。設定値の設定変更を行う者は、その作業により設定値の設定変更に慣れてきて耳障りとなっている場合にも、その作業を開始してすぐにRWMクリアボタンを操作すると、これを契機として、アナウンス音声を速やかに停止することができるし、また、やむを得ず遊技ホールの営業開始した後にその作業を行う必要があった場合にも遊技者に迷惑が掛からないように、その作業を開始してすぐにRWMクリアボタンを操作すると、これを契機として、アナウンス音声を速やかに停止することができる。なお、このようなアナウンス音声に続けて、設定値を決定した後に設定キーの操作方法を伝えるアナウンス音声を各種スピーカから流すようにしてもよい。また、アナウンス音声を流しているときに、演出表示装置1600に「設定中」という画像を表示するようにしてもよい。
また、上述した実施形態では、設定キースイッチ1311a、及びRWMクリアボタン633zをそれぞれ別々の基板に配置すると共に、基板が取付けられる対象も異なるようにすることで設定キースイッチ1311a、及びRWMクリアボタン633zを離間させていたが、防犯性を高めることができる場合には、1つの基板に、設定キースイッチ1311a、及び設定切替ボタン(この場合、払出制御基板633のRWMクリアボタン633zから設定切替ボタンの機能が除去される。)を集約して配置することができる。例えば、設定変更基板1311は、その右辺及び左辺の上下方向の距離寸法が主制御基板1310の右辺及び左辺の上下方向の距離寸法とほぼ同一であり、その左右方向の距離寸法が主制御基板1310の左右方向の距離寸法と比べて短く、主制御基板1310の右辺と左辺とのそれぞれの中点を通る中心線と、設定変更基板1311の右辺と左辺とのそれぞれの中点を通る中心線と、が合致する形状を有しいている。つまり、設定変更基板1311は、上下方向に長い矩形形状を有している。設定変更基板1311のコネクタSMCNは、設定変更基板1311の左辺に沿って、その上下方向の距離寸法の中心となる位置が中心線上に配置されているとともに、主制御基板1310のコネクタMSCNは、主制御基板1310の右辺に沿って、その上下方向の距離寸法の中心となる位置が中心線上に配置されている。設定変更基板1311の中心線より下方であって、設定変更基板1311の下辺寄りに設定キーが挿入されて回動操作される設定キーシリンダを有する設定キースイッチ1311aが配置され、設定変更基板1311の中心線より上方であって設定変更基板1311の上辺寄りに押圧操作部を有する設定切替ボタンが配置される。つまり、設定変更基板1311という同一の基板における、下辺寄りに設定キースイッチ1311aが配置されるのに対して、上辺寄りに設定切替ボタンが配置されており、相互に離間されて配置されている。このように同一の基板において相互に離間されて設定キースイッチ1311aと設定切替ボタンとが別体に配置される場合には、1つの基板に集約しているものの、設定キースイッチ1311aと設定切替ボタンとを相互に近づけて別体に配置する場合と比べて、不正な改変を行え難くすることができるため、設定キースイッチ1311aと設定切替ボタンとを1つの基板に集約して別体に配置するものであっても防犯性を高めることができる場合がある。
次に、設定変更基板1311の設定キースイッチ1311a、払出制御基板633のRWMクリアボタン633z、及び主制御基板1310の設定表示器1310gについて簡単に説明する。ここで、まず設定値の設定変更を行う場合について簡単に説明し、現在の設定値の確認表示を行う場合について簡単に説明する。なお、設定キーは、設定値の変更のほかに、設定されている現状の設定値の確認等を行うことができる重要なキーであるため、遊技ホールの店長を含め限られた者のみ所持が許可され、2〜3人に限定されている。
設定値の設定変更を行う場合には、パチンコ機1の電源投入時や停電(瞬間的に停電が発生する瞬停)後の電力回復時における復電時において、外枠2に対して本体枠4が開放され、かつ、設定変更基板1311の設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回動操作されて第1のON操作されることで設定キースイッチ1311aが設定キーONされているという「予め定めた設定値変更許可条件」が成立する必要がある。つまり、実際に設定値の設定変更を行う者は、まずパチンコ機1が電源投入されていない状態(パチンコ機1の電源が遮断されている状態)を確認してから、外枠2に対して本体枠4を開放する作業を行い、続いて設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーを差し込んで時計方向へ向かって60度回動操作して第1のON操作することにより設定キースイッチ1311aを設定キーONし、パチンコ機1の電源投入を行うこととなる。なお、上述した「予め定めた設定値変更許可条件」として、さらにRWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されて操作信号が入力されていることを条件としてもよい。つまり、パチンコ機1の電源投入時や停電(瞬間的に停電が発生する瞬停)後の電力回復時における復電時において、外枠2に対して本体枠4が開放され、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回動操作されて第1のON操作されることで設定キースイッチ1311aが設定キーONされ、かつRWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されているという「予め定めた設定値変更許可条件」が成立する場合に設定値の設定変更を実行可能としてもよい。
設定値の設定変更を行う者は、まずパチンコ機1が電源投入されていない状態(パチンコ機1の電源が遮断されている状態)を確認してから、外枠2に対して本体枠4を開放する作業を行い、続いて設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーを差し込み、設定キーシリンダを時計方向へ向かって60度回動操作して第1のON操作することにより設定キースイッチ1311aを設定キーONとする。続いて図7の電源スイッチ630aを操作してパチンコ機1の電源投入を行う。これにより、設定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力される。主制御MPU1310aは、その内蔵されているRAMの特定領域に格納されている現状の設定値(設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダが第1のON操作された時点における設定値1〜設定値6のうち設定されている値)を設定表示器1310gに表示し、設定変更許可ランプ1310zを消灯した状態から点灯する状態へと切り替える。
設定値の設定変更を行う者は、払出制御基板633のRWMクリアボタン633zの押圧操作部を押圧操作すると、RWMクリアボタン633zからの検出信号が払出制御基板633から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力される。設定値の設定変更を行う者がRWMクリアボタン633zの押圧操作部を押圧操作するごとに、主制御MPU1310aは、RWMクリアボタン633zからの検出信号に基づいて、現状の設定値から値1ずつ増加し、最大値である設定値6に達すると、初期値である設定値1へ戻り、再び値1ずつ増加し、設定値を設定表示器1310gに表示する制御を行う。
設定値の設定変更を行う者は、設定値を決定する場合には、設定キーシリンダを反時計方向へ向かって120度回動操作して(つまり、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定キースイッチ1311aを決定キーONとする。この決定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力される。これにより、主制御MPU1310aは、設定変更して決定した設定値を主制御MPU1310aに内蔵されているRAMの特定領域に格納する。
なお、設定キーシリンダを反時計方向へ向かって120度回動操作して(つまり、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻したときに決定キーのONの信号を設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力するようにしてもよく、この場合にはRWMクリアボタン633zの押圧操作部を押圧操作して設定値を設定表示器1310gに表示させた後、設定キースイッチ1311aをOFFするだけで設定値を決定してそのまま設定キーを設定キーシリンダから抜くことができるようになり、作業性が向上する。
設定値の設定変更を行う者は、設定キースイッチ1311aを決定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作することにより設定キースイッチ1311aをOFFとする。この設定キーOFFの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力される。これにより、主制御MPU1310aは、設定表示器1310gに対して設定値を表示する状態から非表示する状態へ切り替え、設定変更許可ランプ1310zを点灯する状態から消灯する状態へ切り替える。
設定値の設定変更を行う者は、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口から設定キーを抜き取り、外枠2に対して本体枠4を閉鎖する作業を行い、設定値の設定変更の作業を完了する。
現在設定されている設定値の確認表示を行う場合には、パチンコ機1の電源投入時や停電(瞬間的に停電が発生する瞬停)後の電力回復された復電後において、外枠2に対して本体枠4が開放され、かつ、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回動操作されて第1のON操作されることで設定キースイッチ1311aが設定キーONされているという「予め定めた設定値表示許可条件」が成立する必要がある。つまり、実際に現在設定されている設定値の確認表示を行う者は、まずパチンコ機1が電源投入されている状態(停電や瞬停が発生して電力が回復した状態)を確認してから、外枠2に対して本体枠4を開放する作業を行い、続いて設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーを差し込んで時計方向へ向かって60度回動操作して第1のON操作することにより設定キースイッチ1311aを設定キーONすることとなる。
現在設定されている設定値の確認表示を行う者は、まずパチンコ機1が電源投入されている状態(停電や瞬停が発生して電力が回復した状態)を確認してから、外枠2に対して本体枠4を開放する作業を行い、続いて設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーを差し込んで時計方向へ向かって60度回動操作して第1のON操作することにより設定キースイッチ1311aを設定キーONする。この設定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力される。主制御MPU1310aは、その内蔵されているRAMの特定領域に格納されている現状の設定値(設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダが第1のON操作された時点における設定値1〜設定値6のうち設定されている値)を設定表示器1310gに表示する。このとき、設定変更許可ランプ1310zを消灯した状態が維持され、また現在設定されている設定値の確認表示を行う者が払出制御基板633のRWMクリアボタン633zの押圧操作部を押圧操作しても、この押圧操作に対応して設定値が全く変更されないし、設定表示器1310gに表示された内容も変更されない。
現在設定されている設定値の確認表示を行う者は、現在設定されている設定値の確認を完了すると、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作する。この設定キーOFFの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力される。
主制御MPU1310aは、設定表示器1310gに対して設定値を表示する状態から非表示する状態へ切り替える。
現在設定されている設定値の確認表示を行う者は、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口から設定キーを抜き取り、外枠2に対して本体枠4を閉鎖する作業を行い、現在設定されている設定値の確認表示の作業を完了する。
なお、予め定めた設定値変更許可条件は、上述したように、パチンコ機1の電源投入時や停電(瞬間的に停電が発生する瞬停)後の電力回復時における復電時において、外枠2に対して本体枠4が開放され、かつ、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回動操作されて第1のON操作されることで設定キーON操作されていることが必要であるのに対して、予め定めた設定値表示許可条件は、上述したように、パチンコ機1の電源投入時や停電(瞬間的に停電が発生する瞬停)後の電力回復された復電後において、外枠2に対して本体枠4が開放され、かつ、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回動操作されて第1のON操作されることで設定キーON操作されていることが必要である。このように、予め定めた設定値変更許可条件と予め定めた設定値表示許可条件とは、外枠2に対して本体枠4が開放され、かつ、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回動操作されて第1のON操作されることで設定キーON操作されているという点で共通する要件があり、予め定めた設定値変更許可条件には「復電時」を要件とするのに対して、予め定めた設定値表示許可条件には「復電後」を要件とする点で相違する。
また、設定キースイッチとしては、リードタイプのものと、面実装タイプ(いわゆる、SMDタイプ)のものと、の2つのタイプがある。本実施形態における設定キースイッチ1311aでは、基本的に、リードタイプのものを採用している。設定キースイッチ1311aは、差し込み口に設定キーが差し込まれたり、抜き取られたりする動作がある。このため、この動作に伴う力が設定キースイッチ1311aが設けられる基板に働くことによって、この基板がたわむこととなる。リードタイプのものでは、設定キースイッチの各リードが設定キースイッチの外形より内側に配置されて基板の裏面(ハンダ面)にハンダ付けされる。これに対して、SMDタイプのものでは、設定キースイッチの各リードが設定キースイッチの外形より外側へ向かって突出して配置されて基板の表面(実装面)にハンダ付けされる。
これにより、リードタイプのものでは、仮に差し込み口から設定キーを抜き取るときに設定キーが差し込み口内において引っ掛かると、設定キースイッチの各リードが設定キースイッチの外形より内側に配置されて基板の裏面(ハンダ面)にハンダ付けされているため、設定キースイッチのリードが外形へ向かって突出して配置されて基板の表面(実装面)にハンダ付けされるSMDタイプのものと比べると、設定キースイッチの各リードが基板の裏面(ハンダ面)にハンダ付けされた部分にかかる負荷が大きくなり、この負荷が基板の裏面(ハンダ面)から表面(実装面)へ向かって強く働き基板自体が大きくたわむこととなる。これに対して、SMDタイプのものでは、仮に差し込み口から設定キーを抜き取るときに設定キーが差し込み口内において引っ掛かっても、設定キースイッチの各リードが設定キースイッチの外形より外側へ向かって突出して配置されて基板の表面(実装面)にハンダ付けされているため、設定キースイッチの各リードが設定キースイッチの外形より内側に配置されて基板の裏面(ハンダ面)にハンダ付けされるリードタイプのものと比べると、設定キースイッチの各リードが基板の表面(実装面)にハンダ付けされた部分にかかる負荷が小さくなり、この負荷が基板の裏面(ハンダ面)から表面(実装面)へ向かって働いても基板自体がたわみ難い。
また、基板に外力が働くことで基板自体が大きくたわむ場合にはSMDタイプの電子部品がハンダ付けされたハンダ部がランドパターンの剥離負荷が大きく剥離する懸念があるため、設定キースイッチとしてリードタイプのものを使用する場合はSMDタイプの電子部品が実装されていない基板に実装することが望ましい。また、設定キースイッチの各リード部が基板の裏面(ハンダ面)にハンダ付けされたハンダ部における配線パターンやランドパターンの剥離負荷がSMDタイプのものと比べて小さく、設定キースイッチのハンダ部の剥離に対して強くすることができるため、ハンダ部の強度を考えると、設定キースイッチとしてリードタイプのものを使用することが望ましい。
そこで、本実施形態では、基本的には、設定キースイッチ1311aとして、リードタイプのものを採用している。本実施形態では、設定変更基板1311にSMDタイプの電子部品が実装されずにリードタイプの電子部品が実装されているため、設定キースイッチ1311aとしてリードタイプのものを設定変更基板1311に実装して仮に差し込み口から設定キーを抜き取るときに設定キーが差し込み口内において引っ掛かって基板自体が上述したように大きくたわむことが生じたとしても、設定変更基板1311の裏面(ハンダ面)にハンダ付けされたリードタイプの他の電子部品が設定変更基板1311の裏面(ハンダ面)から剥がれるおそれがない。なお、設定変更基板1311のコネクタSMCNは、上述したように、主制御基板1310のコネクタMSCNとコネクタ接続(基板間接続)されている(設定変更基板1311のコネクタSMCNと主制御基板1310のコネクタMSCNとのコネクタ間を、ハーネスを介して、電気的に接続してもよい)ため、設定キースイッチ1311aからの信号等は、主制御基板1310と電気的に接続される。
主制御基板ボックス1320のカバー体の左右方向に長い矩形状の主制御基板1310が主制御基板ボックス1320のカバー体の左辺、上辺、右辺、及び下辺により囲まれた領域のうち左辺から右辺へ向かって5分の4程度の領域を占有する大きさに形成されて配置されると共に、残りの5分の1程度の領域であって主制御基板ボックス1320のカバー体の上辺及び右辺が接続される角部分の領域に正方形状の設定変更基板1311が配置される。設定変更基板1311は、その一辺の距離寸法が主制御基板ボックス1320のカバー体の横方向の距離寸法の約5分の1程度を有して正方形状に形成されており、左右方向に長い矩形状の主制御基板1310と比べると、小さいものとなっている。本実施形態では、このように小さい形状を有する正方形状の設定変更基板1311にリードタイプの設定キースイッチ1311aが実装されており、仮に、設定キースイッチ1311aの差し込み口に設定キーを挿入して押し込んで基板自体がたわむ場合、又は設定キースイッチ1311aの差し込み口から設定キーを抜き取るときに設定キーが差し込み口内において引っ掛かって基板自体がわたむ場合があっても、設定変更基板1311が小さい基板に形成されていることにより、たわみの大きさを、主制御基板1310と比べて小さく抑えることができるようになっている。これにより、主制御基板ボックス1320のカバー体やベース体であって設定変更基板1311と対応する位置に、設定変更基板1311の表面(実装面)や裏面(ハンダ面)と当接してたわみを防止することができるリブをそれぞれ設ける必要がなくなることで設定キースイッチ1311aが実装される位置周辺にネジ止め穴を設定変更基板1311に設けることができるし、透明な主制御基板ボックス1320に収容される設定変更基板1311の表面(実装面)及び裏面(ハンダ面)の視認性に寄与することができる。
このように、本実施形態では、設定キースイッチ1311aとしてリードタイプのものを採用して主制御基板1310と別体の設定変更基板1311に配置しているため、設定値の変更を行うことができる設定キーが設定キースイッチ1311aの差し込み口に抜き差しされるという動作(操作)に伴って設定変更基板1311にたわみが生じても主制御基板1310にたわみが生じることがない。したがって、リードタイプの設定キースイッチ1311aが操作されたことに伴って主制御基板1310にたわみが生じることを防止することができる。
これに対して、設定変更基板1311に代えて、設定キースイッチ1311aを、主制御基板1310、払出制御基板633、及び電源基板630等の基板のうちいずれかに配置する場合であって、これらの基板にSMDタイプの電子部品が実装されている場合には、設定キースイッチ1311aとしてリードタイプのものに代えて、SMDタイプのものを採用して基板の表面(実装面)に実装して仮に差し込み口から設定キーを抜き取るときに設定キーが差し込み口内において引っ掛かっても、基板自体が上述したようにたわみ難いため、基板の表面(実装面)にハンダ付けされるSMDタイプの他の電子部品が基板の表面(実装面)から剥がれるおそれがない。
ここで、設定値について簡単に説明すると、「設定値」とは、大当りか否かを抽選判定するための確率や小当りか否かを抽選判定するための確率のほかに、確変時から通常時へ移行する際に抽選判定するための確率、遊技者にとって有利となる領域への振り分け率等を変更することができるものであり、遊技者にとって有利となる(つまり、遊技者が獲得することができる遊技球の球数を増やすことができる)確率(有利度合い)が予め設定されているものである。本実施形態では、設定値として、設定値1、設定値2、設定値3、設定値4、設定値5、及び設定値6が予め用意されており、設定値1から設定値6へ向かって遊技者にとって有利となる確率(有利度合い)が予め設定されている。主制御基板1310の主制御MPU1310aは、設定値と対応付けた各種抽選判定で用いられる各種テーブル(例えば、大当りに当選したことを示す大当り判定値の割合が規定される大当り判定テーブル、大当り図柄の決定の判定値の割合が規定される大当り図柄決定テーブル、小当りに当選したことを示す小当り判定値の割合が規定される小当り判定テーブル、小当り図柄の決定の判定値の割合が規定される小当り図柄決定テーブル、確変時から通常時への移行決定の判定値の割合が規定される通常時移行判定テーブル等)を選択したり、設定値と対応付けた各種振り分け率で用いられる各種テーブル(例えば、振り分ける時間が規定される振り分けテーブル、モータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動を管理するブロック等)を選択したりする。設定値と対応付けた各種抽選判定で用いられる各種テーブルには、各種判定値には所定の割合で割り振られている。なお、各種抽選判定で用いられる各種テーブルは、相互に少なくとも一部の値が異なるように設定され、各種振り分け率で用いられる各種テーブルは、相互に少なくとも一部の値が異なるように設定されているものもあれば、一の電気的駆動源の駆動を管理するブロックに対応するテーブルと他の電気的駆動源の駆動を管理するブロックに対応するテーブルとの関係性に基づいて値が異なるように設定されているものもある。また、上述した設定値としては、設定値1から設定値6までに亘る範囲の6つの設定値(整数)としていたが、これと比べて少ない範囲のものでもあってもよいし、多い範囲のものであってもよい。例えば、設定値1〜設定値4までに亘る範囲の4つの設定値(整数)としてもよいし、設定値1〜設定値8までに亘る範囲の8つの設定値(整数)としてもよい。
設定表示器1310gは、上述したように、設定値の表示を行うほかに、主制御MPU1310aが復電時に自身に内蔵されているRAMの内容をチェックして異常があるか否かを判定して異常があると判定した場合、電源遮断時に主制御側電源断時処理が正常に終了していない場合には、自身に内蔵されているRAMに格納されている内容に異常がある(又は信用することができないものである)として、その旨を伝えるエラー表示を行う。本実施形態では、主制御MPU1310aがエラー表示として英字Eを設定表示器1310gに表示するようになっている。
次に、ベースモニタ1310hについて簡単に説明すると、ベースモニタ1310hは、遊技領域5aに発射された遊技球のうち、遊技盤5に区画形成される遊技領域5aに設けられるアウト口1008により回収された遊技球の球数が表示されるものである。遊技領域5aに発射された遊技球のうち、アウト口1008により回収された遊技球は、アウト口左センサ3032、及びアウト口右センサ3033のうち、いずれか一方で検出され、この検出信号がパネル中継基板1710を介して主制御MPU1310aへ入力される。
主制御MPU1310aは、アウト口1008により回収された遊技球の球数を計数し、計数結果(総数)を、その内蔵されているRAMの特定領域に格納するとともに、ベースモニタ1310hに表示するようになっている。
なお、上述した実施形態では、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定キースイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、この設定キースイッチ1311aを初期位置から設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置までに亘る範囲のみ回動操作することができる設定キースイッチ1311a’としてもよい。この場合、設定キースイッチ1311a’を設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作することにより設定キースイッチ1311a’を決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されるようにしてもよい(設定キースイッチ1311a’の態様を「決定キーの変形例(1)」と記載する場合がある)。
また、上述した実施形態では、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定キースイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、これに代えて、設定変更基板1311に押圧操作部を有する決定キーボタンを設けてもよい。この場合、決定キーボタンの押圧操作部は、決定キーボタンと対応する主制御基板ボックス1320のカバー体に形成される開口部を介して露出され、決定キーボタンの押圧操作部と、これに対応する開口部と、に形成される「すき間」から針金などを侵入して設定変更基板1311及び主制御基板1310を改変することができないように、開口部に対して針金侵入防止部がカバー体に成型される構造となる。決定キーボタンの押圧操作部が押圧操作されると、この操作信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力される。主制御MPU1310aは、決定キーボタンからの検出信号に基づいて決定キーボタンの押圧操作部が押圧操作されているときには決定キーONであると判定することができる一方、決定キーボタンの押圧操作部が押圧操作されていないときには決定キーONでないと判定することができる。
なお、設定変更基板1311に決定キーボタンを配置する位置は、設定キースイッチ1311aの近傍であってもよい。主制御基板ボックス1320のカバー体には、決定キーボタンのほかに他のボタンが主制御基板1310に配置される場合において、決定キーボタンと他のボタンとが混同されないように決定キーボタンと他のボタンとにそれぞれ対応する位置に、各ボタンの名称が印刷されたシールが貼られている(このシールに替えてカバー体に各ボタンの名称が成型されていてもよい)。また、決定キーボタンと他のボタンとが混同されないように、決定キーボタンと他のボタンとのうちいずれか一方の押圧操作部を覆うカバー付きのボタン(押圧操作部を押圧操作するためにカバーを開放する必要がある。)を採用してもよいし、押圧操作部の色を異なるものを採用してもよいし、決定キーボタンと他のボタンとの外形の形状又は押圧操作部の形状が異なるものを採用してもよいし、決定キーボタンとして押圧操作部を有するものでない他の種類のスイッチを採用してもよい。決定キーボタンとして押圧操作部を有するものでない他の種類のスイッチとしては、例えば、レバーを有するトグルスイッチ、スライド部を有するスライドスイッチ、回転操作部を有するロータリースイッチ、ロッカスイッチ、タッチスイッチ等の各種スイッチを挙げることができる。また、設定変更基板1311に決定キーボタンと他のボタンとを設ける場合には、不正な改変を防止するために、決定キーボタンへの配線パターンと他のボタンへの配線パターンとの引き回しとして設定変更基板1311において相互に近づけないように(相互に離間して)形成されるとともに、設定変更基板1311のコネクタSMCNの端子(主制御基板1310のコネクタMSCNの端子)への接続も離間して形成され、主制御基板1310においても、決定キーボタンからの検出信号が伝送される配線パターンと他のボタンからの検出信号が伝送される配線パターンとの引き回しも相互に近づけないように(相互に離間して)形成されている。また、設定変更基板1311に決定キーボタンを設ける場合には、設定キースイッチ1311aを初期位置から設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置までに亘る範囲のみ回動操作することができる設定キースイッチ1311a’としてもよい(決定キーボタンの態様(設定キースイッチ1311a’の態様を含めてもよい。)を「決定キーの変形例(2)」と記載する場合がある)。
また、上述した実施形態では、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定キースイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、これに代えて、ハンドルユニット180おける、ハンドル182に手のひらや指が触れているか否かを検出するハンドルタッチセンサ192からの検出信号、及び遊技者の意志によって遊技球Bの打ち出しを強制的に停止するか否かを検出する単発ボタン操作センサ194からの検出信号が、払出制御基板633において分岐されて払出制御基板633を介して、主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力され、これらの検出信号に基づいて決定キーONの有無を判定してもよい。この場合、主制御MPU1310aは、ハンドルタッチセンサ192からの検出信号に基づいてハンドル182に手のひらや指が触れているときには決定キーONであると判定することができる一方、ハンドル182に手のひらや指が触れていないときには決定キーONでないと判定することができるし、及び/又は、単発ボタン操作センサ194からの検出信号に基づいて遊技球Bの打ち出しを強制的に停止しているときには決定キーONであると判定することができる一方、遊技球Bの打ち出しを強制的に停止していないときには決定キーONでないと判定することができる(ハンドルタッチセンサの態様(単発ボタン操作センサの態様を含めてもよい。)を「決定キーの変形例(3)」と記載する場合がある)。
また、上述した実施形態では、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定キースイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、これに代えて、払出制御基板633の発射制御部633bに備える発射タイミング制御回路から発射基準パルスが払出制御基板633において分岐されて払出制御基板633を介して、主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力され、これらの発射基準パルスに基づいて決定キーONの有無を判定してもよい。発射基準パルスは、1分当たり100個の遊技球Bが遊技領域5aに向かって打ち出すことができる基準パルスであり、発振回路からのクロック信号に基づいて生成されるものである。この場合、主制御MPU1310aは、払出制御基板633からの発射基準パルスが入力されると、決定キーONであると判定することができる一方、発射基準パルスが入力されないと、決定キーONでないと判定することができる(発射基準パルスの態様を「決定キーの変形例(4)」と記載する場合がある)。
また、上述した実施形態では、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定キースイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、パチンコ機1の対面に着座する遊技者の動作を検出することができる測距センサが遊技盤5に設けられ、この測距センサからの検出信号が中継基板を介して周辺制御基板1510へ入力されている場合には、この測距センサからの検出信号が中継基板において分岐されて中継基板を介して主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力され、この検出信号に基づいて決定キーONの有無を判定してもよい。測距センサは、発光部が発した光が扉枠3におけるガラスユニット160の透明なガラス板162を通過して、予め定めた距離寸法内において、遊技者の腕又は手等に反射し、この反射した光が再び透明なガラス板162を通過して受光部で受光されることにより遊技者の動作を検出することができるものである。この場合、主制御MPU1310aは、測距センサからの検出信号が中継基板を介して入力されると、この検出信号に基づいて動作の有無を判定し、動作があると判定したときには決定キーONであると判定することができる一方、動作がないと判定したときには決定キーONでないと判定することができる(測距センサの態様を「決定キーの変形例(5)」と記載する場合がある)。
また、上述した実施形態では、設定キーシリンダが初期位置から時計方向へ向かって60度回動操作されて第1のON操作されることにより設定キースイッチ1311aを設定キーONとすることができ、この設定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力され、また、設定キーシリンダが初期位置から反時計方向へ向かって60度回転操作されて第2のON操作されることにより設定キースイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力され、また、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように設定キーシリンダが反時計方向へ向かって60度回転操作されてOFF操作されることにより設定キースイッチ1311aをOFFとすることができるとともに、設定キースイッチ1311aを決定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回転操作されてOFF操作されることにより設定キースイッチ1311aをOFFとすることができ、このOFFの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、設定キーON、決定キーON、及びOFFを伝える情報を、シリアル情報として、外部へシリアル出力することができるシリアル出力回路を、設定キースイッチ1311aに設けてもよい。これにより、設定キースイッチ1311aからの信号に対してセキュリティーを向上することができる。このシリアル出力回路が設けられる設定キースイッチ1311aは、設定変更基板1311に備えていたが、これに代えて、主制御基板1310に備えていてもよいし、払出制御基板633に備えていてもよい。このシリアル出力回路からシリアル出力されるシリアル情報が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されると、主制御MPU1310aは、受信したシリアル情報から設定キーON、決定キーON、及びOFFのうち、いずれを伝えるものであるかを判別することができる(シリアル回路を有する設定キースイッチ1311aの態様を「決定キーの変形例(6)」と記載する場合がある)。
また、上述した実施形態では、設定キーシリンダが初期位置から時計方向へ向かって60度回動操作されて第1のON操作されることにより設定キースイッチ1311aを設定キーONとすることができ、この設定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力され、また、設定キーシリンダが初期位置から反時計方向へ向かって60度回転操作されて第2のON操作されることにより設定キースイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力され、また、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように設定キーシリンダが反時計方向へ向かって60度回転操作されてOFF操作されることにより設定キースイッチ1311aをOFFとすることができるとともに、設定キースイッチ1311aを決定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回転操作されてOFF操作されることにより設定キースイッチ1311aをOFFとすることができ、このOFFの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、設定キーON、決定キーON、及びOFFを伝える情報を、パルス信号として、外部へ出力することができるパルス出力回路を、設定キースイッチ1311aに設けてもよい。これにより、設定キースイッチ1311aからの信号に対してセキュリティーを向上することができる。このパルス出力回路が設けられる設定キースイッチ1311aは、設定変更基板1311に備えていたが、これに代えて、主制御基板1310に備えていてもよいし、払出制御基板633に備えていてもよい。このパルス出力回路から出力されるパルス信号は、例えば、設定キーONを伝える情報である場合にはパルス幅が1msに設定され、決定キーONを伝える情報である場合にはパルス幅が3msに設定され、OFFを伝える情報である場合にはパルス幅が5msに設定される。このパルス出力回路から出力されるパルス信号は、設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されると、主制御MPU1310aは、入力されたパルス信号から設定キーON、決定キーON、及びOFFのうち、いずれを伝える情報であるかを判別することができる(パルス出力回路を有する設定キースイッチ1311aの態様を「決定キーの変形例(7)」と記載する場合がある)。
また、上述した実施形態では、設定キーシリンダが初期位置から時計方向へ向かって60度回動操作されて第1のON操作されることにより設定キースイッチ1311aを設定キーONとすることができ、この設定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力され、また、設定キーシリンダが初期位置から反時計方向へ向かって60度回転操作されて第2のON操作されることにより設定キースイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力され、また、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように設定キーシリンダが反時計方向へ向かって60度回転操作されてOFF操作されることにより設定キースイッチ1311aをOFFとすることができるとともに、設定キースイッチ1311aを決定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回転操作されてOFF操作されることにより設定キースイッチ1311aをOFFとすることができ、このOFFの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、設定キーONの信号の電圧レベル、決定キーONの信号の電圧レベル、及びOFFの信号の電圧レベルを、設定変更基板1311から主制御基板1310までに亘る基板間において、中間電位(例えば、ゼロVから5Vまでのうち、2Vから3Vまでの電位)を用い、主制御基板1310においてコンパレータ回路を設けて、コンパレータ回路による比較結果が主制御MPU1310aへ入力されることで、主制御MPU1310aが設定キーONの信号のON/OFF、決定キーONの信号のON/OFF、及びOFFの信号のON/OFFを判定してもよい。これにより、設定キースイッチ1311aからの信号に対してセキュリティーを向上することができる(中間電位を用いる設定キースイッチの態様を「決定キーの変形例(8)」と記載する場合がある)。
また、上述した実施形態では、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定キースイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、これに代えて、払出制御基板633に押圧操作部を有する決定キーボタンを設けてもよい。この場合、決定キーボタンの押圧操作部は、決定キーボタンと対応する払出制御基板ボックス632のカバー体に形成される開口部を介して露出され、決定キーボタンの押圧操作部と、これに対応する開口部と、に形成される「すき間」から針金などを侵入して払出制御基板633を改変することができないように、開口部に対して針金侵入防止部がカバー体に成型される構造となる。決定キーボタンの押圧操作部が押圧操作されると、この操作信号が払出制御基板633から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力される。主制御MPU1310aは、決定キーボタンからの検出信号に基づいて決定キーボタンの押圧操作部が押圧操作されているときには決定キーONであると判定することができる一方、決定キーボタンの押圧操作部が押圧操作されていないときには決定キーONでないと判定することができる。
なお、払出制御基板633に決定キーボタンを配置する位置は、押圧操作部を有するRWMクリアボタン633zの近傍であってもよい。払出制御基板633のカバー体には、決定キーボタンとRWMクリアボタン633zとが混同されないように決定キーボタンとRWMクリアボタン633zとにそれぞれ対応する位置に、各ボタンの名称が印刷されたシールが貼られている(このシールに替えてカバー体に各ボタンの名称が成型されていてもよい)。また、決定キーボタンとRWMクリアボタン633zとが混同されないように、決定キーボタンとRWMクリアボタン633zとのうちいずれか一方の押圧操作部を覆うカバー付きのボタン(押圧操作部を押圧操作するためにカバーを開放する必要がある。)を採用してもよいし、押圧操作部の色を異なるものを採用してもよいし、決定キーボタンとRWMクリアボタン633zとの外形の形状又は押圧操作部の形状が異なるものを採用してもよいし、決定キーボタンとして押圧操作部を有するものでない他の種類のスイッチを採用してもよい。決定キーボタンとして押圧操作部を有するものでない他の種類のスイッチとしては、例えば、レバーを有するトグルスイッチ、スライド部を有するスライドスイッチ、回転操作部を有するロータリースイッチ、ロッカスイッチ、タッチスイッチ等の各種スイッチを挙げることができる。また、払出制御基板633に決定キーボタンとRWMクリアボタン633zとを設ける場合には、不正な改変を防止するために、決定キーボタンへの配線パターンとRWMクリアボタン633zへの配線パターンとの引き回しとして払出制御基板633において相互に近づけないように(相互に離間して)形成されるとともに、払出制御基板633のコネクタの端子(主制御基板1310のコネクタの端子)への接続も離間して形成され、主制御基板1310においても、決定キーボタンからの検出信号が伝送される配線パターンとRWMクリアボタン633zからの検出信号が伝送される配線パターンとの引き回しも相互に近づけないように(相互に離間して)形成されている。また、払出制御基板633に決定キーボタンを設ける場合には、設定キースイッチ1311aを初期位置から設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置までに亘る範囲のみ回動操作することができる設定キースイッチ1311a’としてもよい(決定キーボタンの態様(設定キースイッチ1311a’の態様を含めてもよい。)を「決定キーの変形例(9)」と記載する場合がある)。
また、上述した実施形態では、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定キースイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、これに代えて、RWMクリアボタン633zの3つの機能を兼用する機能(RAMクリアスイッチ、設定切替ボタン、及びエラー解除スイッチ)のうち、払出制御基板633に、押圧操作部を有するエラー解除スイッチをRWMクリアボタン633zと別体に設けて、エラー解除スイッチからの信号が、払出制御基板633において分岐されて払出制御基板633を介して、主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力され、この信号に基づいて決定キーONの有無を判定してもよい。エラー解除スイッチは、上述したように、払出制御基板633のエラーLED表示器に表示されているエラーを解除するためのものであり、復電後においてパチンコ機1のシステムが起動完了し(各種制御基板の電源時投入時処理を完了して割り込み処理を行っている状態となり)、パチンコ機1の状態としてエラーが発生していない場合には、エラー解除スイッチの押圧操作部を操作することが全くない。そこで、主制御MPU1310aは、エラー解除スイッチからの信号に基づいてエラー解除スイッチの押圧操作部が操作されているときには決定キーONであると判定することができる一方、エラー解除スイッチからの信号に基づいてエラー解除スイッチの押圧操作部が操作されていないときには決定キーONでないと判定することができる。これにより、決定キーONの有無に対してセキュリティーを向上することができる(エラー解除スイッチの態様を「決定キーの変形例(10)」と記載する場合がある)。
また、上述した実施形態では、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定キースイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、これに代えて、RWMクリアボタン633zの3つの機能を兼用する機能(RAMクリアスイッチ、設定切替ボタン、及びエラー解除スイッチ)のうち、払出制御基板633に、押圧操作部を有するエラー解除スイッチをRWMクリアボタン633zと別体に設けて、エラー解除スイッチからの信号の論理を払出制御基板633の払出制御MPU633aaが後述する払出制御部電源投入時処理のポート入力処理において監視してコマンドを作成し、後述する払出制御部電源投入時処理のコマンド送信処理において作成したコマンドを主制御基板1310へ送信し、このコマンドを受信した主制御基板1310の主制御MPU1310aが決定キーONの有無を判定してもよい。エラー解除スイッチは、上述したように、払出制御基板633のエラーLED表示器に表示されているエラーを解除するためのものであり、復電後においてパチンコ機1のシステムが起動完了し(各種制御基板の電源時投入時処理を完了して割り込み処理を行っている状態となり)、パチンコ機1の状態としてエラーが発生していない場合には、エラー解除スイッチの押圧操作部を操作することが全くない。そこで、主制御MPU1310aは、後述する主制御タイマ割り込み処理における枠コマンド受信処理において、エラー解除スイッチからの信号に基づいて押圧操作部が操作されていると払出制御MPU633aaが判定してその旨を伝えるコマンドを受信したときには決定キーONであると判定することができる一方、エラー解除スイッチからの信号に基づいて押圧操作部が操作されていないと払出制御MPU633aaが判定してその旨を伝えるコマンドを受信したときには決定キーONでないと判定することができる。これにより、決定キーONの有無に対してセキュリティーを向上することができる(エラー解除スイッチの態様2を「決定キーの変形例(11)」と記載する場合がある)。
また、上述した実施形態では、RWMクリアボタン633z(RWMクリアボタン633zがRAMクリアスイッチとして作動する状態となっている。)が払出制御基板633に備えられ、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定キースイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、これに代えて、RWMクリアボタン633zの機能のうち、RAMクリアスイッチの機能を別体のRAMクりアスイッチとして払出制御基板633に備えるようにして、このRAMクリアスイッチの押圧操作部が操作された旨を伝える信号(RAMクリア信号)が払出制御基板633の払出制御MPU633aaへ入力されるとともに、払出制御基板633において分岐されて払出制御基板633を介して主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力され、主制御MPU1310aが入力される操作信号に基づいて決定キーONの有無を判定してもよい。RAMクリアスイッチは、後述するように、復電時に押圧操作部が操作されている場合(正確には、RAMクリアスイッチの押圧操作部を押圧操作しながらパチンコ機1の電源投入を行う場合)、設定値を変更決定することができる設定変更を行う場合(主制御MPU1310aが後述する設定変更処理を行った場合)には、主制御MPU1310aが自身に内蔵されているRAMの所定領域(RAMの全領域のうち特定領域を除く領域。)を必ずクリアする。そこで、RAMクリアスイッチの押圧操作部が押圧操作されながらパチンコ機1の電源投入が行われることで主制御MPU1310aが自身に内蔵されているRAMの所定領域を必ずクリアするため、RAMクリアスイッチを決定キーとして流用することができ、主制御MPU1310aは、払出制御基板633に備えるRAMクリアスイッチの押圧操作部が操作された旨を伝える信号(RAMクリア信号)に基づいてRAMクリアスイッチの押圧操作部が押圧操作されているときには決定キーONであると判定することができる一方、払出制御基板633に備えるRAMクリアスイッチの押圧操作部が操作された旨を伝える信号(RAMクリア信号)に基づいてRAMクリアスイッチの押圧操作部が押圧操作されていないときには決定キーONでないと判定することができる。これにより、決定キーONの有無に対してセキュリティーを向上することができる。
払出制御基板633に備えるRAMクリアスイッチの押圧操作部は、RAMクリアスイッチと対応する払出制御基板ボックス632のカバー体に形成される開口部を介して露出され、RAMクリアスイッチの押圧操作部と、これに対応する開口部と、に形成される「すき間」から針金などを侵入して払出制御基板633を改変することができないように、開口部に対して針金侵入防止部がカバー体に成型される構造となる。
なお、払出制御基板633にRAMクリアスイッチを配置する位置は、RWMクリアボタン633zの近傍であってもよい。払出制御基板633のカバー体には、RAMクリアスイッチとRWMクリアボタン633zとが混同されないようにRAMクリアスイッチとRWMクリアボタン633zとにそれぞれ対応する位置に、各ボタンの名称が印刷されたシールが貼られている(このシールに替えてカバー体に各ボタンの名称が成型されていてもよい)。また、RAMクリアスイッチとRWMクリアボタン633zとが混同されないように、RAMクリアスイッチとRWMクリアボタン633zとのうちいずれか一方の押圧操作部を覆うカバー付きのボタン(押圧操作部を押圧操作するためにカバーを開放する必要がある。)を採用してもよいし、押圧操作部の色を異なるものを採用してもよいし、RAMクリアスイッチとRWMクリアボタン633zとの外形の形状又は押圧操作部の形状が異なるものを採用してもよいし、RAMクリアスイッチとして押圧操作部を有するものでない他の種類のスイッチを採用してもよい。RAMクリアスイッチとして押圧操作部を有するものでない他の種類のスイッチとしては、例えば、レバーを有するトグルスイッチ、スライド部を有するスライドスイッチ、回転操作部を有するロータリースイッチ、ロッカスイッチ、タッチスイッチ等の各種スイッチを挙げることができる。また、払出制御基板633にRAMクリアスイッチとRWMクリアボタン633zとを設ける場合には、不正な改変を防止するために、RAMクリアスイッチへの配線パターンとRWMクリアボタン633zへの配線パターンとの引き回しとして払出制御基板633において相互に近づけないように(相互に離間して)形成されるとともに、払出制御基板633のコネクタの端子(主制御基板1310のコネクタの端子)への接続も離間して形成され、主制御基板1310においても、RAMクリアスイッチからの操作信号が伝送される配線パターンとRWMクリアボタン633zからの検出信号が伝送される配線パターンとの引き回しも相互に近づけないように(相互に離間して)形成されている。また、払出制御基板633にRAMクリアスイッチを設ける場合には、設定キースイッチ1311aを初期位置から設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置までに亘る範囲のみ回動操作することができる設定キースイッチ1311a’としてもよい(RAMクリアスイッチの態様(設定キースイッチ1311a’の態様を含めてもよい。)を「決定キーの変形例(12)」と記載する場合がある)。
また、上述した実施形態では、RWMクリアボタン633z(RWMクリアボタン633zがRAMクリアスイッチとして作動する状態となっている。)が払出制御基板633に備えられ、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定キースイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、これに代えて、RWMクリアボタン633zの機能のうち、RAMクリアスイッチの機能を別体のRAMクりアスイッチとして払出制御基板633に備えるようにして、このRAMクリアスイッチの押圧操作部が操作された旨を伝える信号(RAMクリア信号)の論理を払出制御基板633の払出制御MPU633aaが後述する払出制御部電源投入時処理のポート入力処理において監視してコマンドを作成し、後述する払出制御部電源投入時処理のコマンド送信処理において作成したコマンドを主制御基板1310へ送信し、このコマンドを受信した主制御基板1310の主制御MPU1310aが決定キーONの有無を判定してもよい。RAMクリアスイッチは、後述するように、復電時に押圧操作部が操作されている場合(正確には、RAMクリアスイッチの押圧操作部を押圧操作しながらパチンコ機1の電源投入を行う場合)、設定値を変更決定することができる設定変更を行う場合(主制御MPU1310aが後述する設定変更処理を行った場合)には、主制御MPU1310aが自身に内蔵されているRAMの所定領域(RAMの全領域のうち特定領域を除く領域。)を必ずクリアする。そこで、RAMクリアスイッチの押圧操作部が押圧操作されながらパチンコ機1の電源投入が行われることで主制御MPU1310aが自身に内蔵されているRAMの所定領域を必ずクリアするため、RAMクリアスイッチを決定キーとして流用することができ、主制御MPU1310aは、後述する主制御タイマ割り込み処理における枠コマンド受信処理において、払出制御基板633に備えるRAMクリアスイッチの押圧操作部が操作された旨を伝える信号(RAMクリア信号)に基づいてRAMクリアスイッチの押圧操作部が操作されていると払出制御MPU633aaが判定してその旨を伝えるコマンドを受信したときには決定キーONであると判定することができる一方、払出制御基板633に備えるRAMクリアスイッチの押圧操作部が操作された旨を伝える信号(RAMクリア信号)に基づいてRAMクリアスイッチの押圧操作部が操作されていないと払出制御MPU633aaが判定してその旨を伝えるコマンドを受信したときには決定キーONでないと判定することができる。これにより、決定キーONの有無に対してセキュリティーを向上することができる(RAMクリアスイッチの態様2(設定キースイッチ1311a’の態様を含めてもよい。)を「決定キーの変形例(13)」と記載する場合がある)。
また、上述した実施形態では、アウト口左センサ3032、及びアウト口右センサ3033がパネル中継基板1710を介して主制御基板1310に入力され、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定キースイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、これに代えて、アウト口左センサ3032、及びアウト口右センサ3033が払出制御基板633を介して(経由して)、主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力され、主制御MPU1310aが入力されるアウト口左センサ3032、及びアウト口右センサ3033からの検出信号に基づいて決定キーONの有無を判定してもよい。遊技盤5に区画形成される遊技領域5aに発射された遊技球は、上述したように、この遊技領域5aに設けられるアウト口1008により回収される。このアウト口1008により回収された遊技球は、上述したように、アウト口左センサ3032、及びアウト口右センサ3033のうち、いずれか一方で検出される。そこで、主制御MPU1310aは、扉枠開放スイッチ4aからの検出信号に基づいて、本体枠4に対して扉枠3が開放されている場合であって、かつ、アウト口左センサ3032、及びアウト口右センサ3033のうち、いずれか一方からの検出信号に基づいて、アウト口1008が遊技球を回収したときには決定キーONであると判定することができる一方、本体枠4に対して扉枠3が開放されていない(つまり閉鎖されている)場合、及び/又は、アウト口左センサ3032とアウト口右センサ3033との検出信号に基づいて、いずれもアウト口1008が遊技球を回収していないときには決定キーONでないと判定することができる。この場合、設定キースイッチ1311aを初期位置から設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置までに亘る範囲のみ回動操作することができる設定キースイッチ1311a’としてもよい(アウト口スイッチの態様(設定キースイッチ1311a’の態様を含めてもよい。)を「決定キーの変形例(14)」と記載する場合がある)。なお、この場合、設定値の設定変更を行う者は、決定キーONとするために、本体枠4に対して扉枠3を開放して、遊技球Bをアウト口1008へ送り込む必要がある。
また、上述した実施形態では、アウト口左センサ3032、及びアウト口右センサ3033がパネル中継基板1710を介して主制御基板1310に入力され、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定キースイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、これに代えて、アウト口左センサ3032、及びアウト口右センサ3033からの検出信号の論理を払出制御基板633の払出制御MPU633aaが後述する払出制御部電源投入時処理のポート入力処理において監視してコマンドを作成し、後述する払出制御部電源投入時処理のコマンド送信処理において作成したコマンドを主制御基板1310へ送信し、このコマンドを受信した主制御基板1310の主制御MPU1310aが決定キーONの有無を判定してもよい。遊技盤5に区画形成される遊技領域5aに発射された遊技球は、上述したように、この遊技領域5aに設けられるアウト口1008により回収される。このアウト口1008により回収された遊技球は、上述したように、アウト口左センサ3032、及びアウト口右センサ3033のうち、いずれか一方で検出される。そこで、主制御MPU1310aは、後述する主制御タイマ割り込み処理における枠コマンド受信処理において、アウト口左センサ3032、及びアウト口右センサ3033からの検出信号に基づいて、アウト口1008により遊技球が回収されたと払出制御MPU633aaが判定してその旨を伝えるコマンドを受信したときには決定キーONであると判定することができる一方、アウト口1008により遊技球が回収されていないと払出制御MPU633aaが判定してその旨を伝えるコマンドを受信したときには決定キーONでないと判定することができる。この場合、設定キースイッチ1311aを初期位置から設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置までに亘る範囲のみ回動操作することができる設定キースイッチ1311a’としてもよい(アウト口スイッチの態様2(設定キースイッチ1311a’の態様を含めてもよい。)を「決定キーの変形例(15)」と記載する場合がある)。なお、この場合、設定値の設定変更を行う者は、決定キーONとするために、本体枠4に対して扉枠3を開放して、遊技球Bをアウト口1008へ送り込む必要がある。
また、上述した実施形態では、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定キースイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、これに代えて、満タン検知センサ154、球切検知センサ574、又は払出検知センサ591からの検出信号が払出制御基板633の払出制御MPU633aaへ入力されるとともに、払出制御基板633において分岐されて払出制御基板633を介して主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力され、これらの検出信号に基づいて主制御MPU1310aが決定キーONの有無を判定してもよいし、満タン検知センサ154、球切検知センサ574、又は払出検知センサ591からの検出信号の論理を払出制御基板633の払出制御MPU633aaが後述する払出制御部電源投入時処理のポート入力処理において監視してコマンドを作成し、後述する払出制御部電源投入時処理のコマンド送信処理において作成したコマンドを主制御基板1310へ送信し、このコマンドを受信した主制御基板1310の主制御MPU1310aが決定キーONの有無を判定してもよい。この場合、設定キースイッチ1311aを初期位置から設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置までに亘る範囲のみ回動操作することができる設定キースイッチ1311a’としてもよい(払出ユニットの態様(設定キースイッチ1311a’の態様を含めてもよい。)を「決定キーの変形例(16)」と記載する場合がある)。
また、上述した実施形態では、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定キースイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、これに代えて、主制御MPU1310aは、本体枠開放スイッチ4bからの検出信号に基づいて、外枠2に対して本体枠4が閉鎖されたときには決定キーONであると判定することができる一方、外枠2に対して本体枠4が開放されたままの状態が維持されているときには決定キーONでないと判定することができる。この場合、設定キースイッチ1311aを初期位置から設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置までに亘る範囲のみ回動操作することができる設定キースイッチ1311a’としてもよい(本体枠開放スイッチの態様(設定キースイッチ1311a’の態様を含めてもよい。)を「決定キーの変形例(17)」と記載する場合がある)。なお、この場合、設定値の設定変更を行う者は、決定キーONとするために、外枠2に対して本体枠4を閉鎖する必要があり、決定キーONした後に、外枠2に対して本体枠4を再び開放して、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口から設定キーを抜き取り、外枠2に対して本体枠4を再び閉鎖する必要がある。
また、上述した実施形態では、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定キースイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、これに代えて、主制御MPU1310aは、扉枠開放スイッチ4aからの検出信号に基づいて、本体枠4に対して扉枠3が開放されたときには決定キーONであると判定することができる一方、本体枠4に対して扉枠3が閉鎖されたままの状態が維持されているときには決定キーONでないと判定することができる。この場合、設定キースイッチ1311aを初期位置から設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置までに亘る範囲のみ回動操作することができる設定キースイッチ1311a’としてもよい(扉枠開放スイッチの態様(設定キースイッチ1311a’の態様を含めてもよい。)を「決定キーの変形例(17)」と記載する場合がある)。なお、この場合、設定値の設定変更を行う者は、決定キーONとするために、本体枠4に対して扉枠3を開放する必要があり、決定キーONした後に、本体枠4に対して扉枠3を再び閉鎖し、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口から設定キーを抜き取り、外枠2に対して本体枠4を閉鎖する必要がある。
また、上述した実施形態では、設定変更基板1311に備える設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定キースイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、この設定キースイッチ1311aを主制御基板1310に備えるようにしてもよい(設定キースイッチの態様を「決定キーの変形例(18)」と記載する場合がある)。
また、上述した実施形態では、設定変更基板1311に備える設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定キースイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、この設定キースイッチ1311aを主制御基板1310に備えるとともに、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から初期位置へ回動操作されてOFF操作されることにより設定キースイッチ1311aをOFFとすることができ、このOFFの信号が主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されることで、主制御MPU1310aは、OFFの信号が入力されたときには決定キーONであると判定することができる一方、OFFの信号が入力されていないときには決定キーONでないと判定することができる。この場合、設定キースイッチ1311aを初期位置から設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置までに亘る範囲のみ回動操作することができる設定キースイッチ1311a’としてもよい(設定キースイッチの態様2(設定キースイッチ1311a’の態様を含めてもよい。)を「決定キーの変形例(19)」と記載する場合がある)。
また、上述した実施形態では、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定キースイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、これに代えて、主制御基板1310に押圧操作部を有する決定キーボタンを設けてもよい。この場合、決定キーボタンの押圧操作部は、決定キーボタンと対応する主制御基板ボックス1320のカバー体に形成される開口部を介して露出され、決定キーボタンの押圧操作部と、これに対応する開口部と、に形成される「すき間」から針金などを侵入して主制御基板1310を改変することができないように、開口部に対して針金侵入防止部がカバー体に成型される構造となる。決定キーボタンの押圧操作部が押圧操作されると、この操作信号が主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力される。主制御MPU1310aは、決定キーボタンからの検出信号に基づいて決定キーボタンの押圧操作部が押圧操作されているときには決定キーONであると判定することができる一方、決定キーボタンの押圧操作部が押圧操作されていないときには決定キーONでないと判定することができる。
なお、主制御基板1310に決定キーボタンを配置する位置は、決定キーボタンのほかに他のボタンが主制御基板1310に配置される場合において、他のボタンの近傍であってもよい。主制御基板ボックス1320のカバー体には、決定キーボタンと他のボタンとが混同されないように決定キーボタンと他のボタンとにそれぞれ対応する位置に、各ボタンの名称が印刷されたシールが貼られている(このシールに替えてカバー体に各ボタンの名称が成型されていてもよい)。また、決定キーボタンと他のボタンとが混同されないように、決定キーボタンと他のボタンとのうちいずれか一方の押圧操作部を覆うカバー付きのボタン(押圧操作部を押圧操作するためにカバーを開放する必要がある。)を採用してもよいし、押圧操作部の色を異なるものを採用してもよいし、決定キーボタンと他のボタンとの外形の形状又は押圧操作部の形状が異なるものを採用してもよいし、決定キーボタンとして押圧操作部を有するものでない他の種類のスイッチを採用してもよい。決定キーボタンとして押圧操作部を有するものでない他の種類のスイッチとしては、例えば、レバーを有するトグルスイッチ、スライド部を有するスライドスイッチ、回転操作部を有するロータリースイッチ、ロッカスイッチ、タッチスイッチ等の各種スイッチを挙げることができる。また、主制御基板1310に決定キーボタンと他のボタンとを設ける場合には、不正な改変を防止するために、決定キーボタンへの配線パターンと他のボタンへの配線パターンとの引き回しとして主制御基板1310において相互に近づけないように(相互に離間して)形成されている。また、主制御基板1310に決定キーボタンを設ける場合には、設定キースイッチ1311aを初期位置から設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置までに亘る範囲のみ回動操作することができる設定キースイッチ1311a’としてもよい(決定キーボタンの態様2(設定キースイッチ1311a’の態様を含めてもよい。)を「決定キーの変形例(20)」と記載する場合がある)。
また、上述した実施形態では、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定キースイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、これに代えて、主制御MPU1310aに入力されるRWMクリアボタン633z(RWMクリアボタン633zがRAMクリアスイッチとして作動する状態となっている。)の押圧操作部が操作された旨を伝える信号(RAMクリア信号)に基づいて決定キーONの有無を判定してもよい。RWMクリアボタン633zは、後述するように、復電時に押圧操作部が操作されている場合(正確には、RWMクリアボタン633zの押圧操作部を押圧操作しながらパチンコ機1の電源投入を行う場合)、設定値を変更決定することができる設定変更を行う場合(主制御MPU1310aが後述する設定変更処理を行った場合)には、主制御MPU1310aが自身に内蔵されているRAMの所定領域(RAMの全領域のうち特定領域を除く領域。)を必ずクリアする。そこで、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が押圧操作されながらパチンコ機1の電源投入が行われることで主制御MPU1310aが自身に内蔵されているRAMの所定領域を必ずクリアするため、RWMクリアボタン633zを決定キーとして流用することができ、主制御MPU1310aは、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作された旨を伝える信号(RAMクリア信号)に基づいてRWMクリアボタン633zの押圧操作部が押圧操作されているときには決定キーONであると判定することができる一方、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作された旨を伝える信号(RAMクリア信号)に基づいてRWMクリアボタン633zの押圧操作部が押圧操作されていないときには決定キーONでないと判定することができる。これにより、決定キーONの有無に対してセキュリティーを向上することができる。この場合、設定キースイッチ1311aを初期位置から設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置までに亘る範囲のみ回動操作することができる設定キースイッチ1311a’としてもよい(RAMクリアスイッチの態様3(設定キースイッチ1311a’の態様を含めてもよい。)を「決定キーの変形例(21)」と記載する場合がある)。
また、上述した実施形態では、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定キースイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、これに代えて、遊技盤5に設けられる、普通入賞口2003の普通入賞口センサ2401、各種入賞口の各種センサ(例えば、第二始動口センサ2402、大入賞口センサ2403、第1受入口センサ2406、一般入賞口センサ3001、第一始動口センサ3002)、アウト口1008のアウト口左センサ3032及びアウト口右センサ3033からの検出信号が入力される主制御MPU1310aがこれらの検出信号に基づいて決定キーONの有無を判定してもよい。この場合、設定キースイッチ1311aを初期位置から設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置までに亘る範囲のみ回動操作することができる設定キースイッチ1311a’としてもよい(各種センサ等の態様(設定キースイッチ1311a’の態様を含めてもよい。)を「決定キーの変形例(22)」と記載する場合がある)。なお、この場合、設定値の設定変更を行う者は、決定キーONとするために、本体枠4に対して扉枠3を開放して、普通入賞口2003へ遊技球Bを送り込んだり、各種入賞口へ遊技球Bを送り込んだり、アウト口1008へ遊技球Bを送り込んだりする必要がある。
また、上述した実施形態では、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定キースイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、これに代えて、主制御MPU1310aがステッピングモータ、DCモータ、ソレノイド等の電気的駆動源の駆動制御を行って可動体(役物)の作動を制御し、光学式センサ(フォトセンサや測距センサ等)から検出信号に基づいて可動体(役物)の原位置や作動位置等を判定する場合には、この光学式センサからの検出信号に基づいて主制御MPU1310aが決定キーONの有無を判定してもよい。この場合、設定キースイッチ1311aを初期位置から設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置までに亘る範囲のみ回動操作することができる設定キースイッチ1311a’としてもよい(光学式役物センサの態様(設定キースイッチ1311a’の態様を含めてもよい。)を「決定キーの変形例(23)」と記載する場合がある)。なお、この場合、設定値の設定変更を行う者は、決定キーONとするために、本体枠4に対して扉枠3を開放して、光学式センサが可動体(役物)の原位置や作動位置等を検知するように、可動体(役物)を移動させる必要がある。
また、上述した実施形態では、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定キースイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、これに代えて、遊技領域5a内における不正な磁気を検知する磁気センサ2010からの検出信号が入力される主制御MPU1310aが磁気センサ2010からの検出信号に基づいて決定キーONの有無を判定してもよい。この場合、設定キースイッチ1311aを初期位置から設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置までに亘る範囲のみ回動操作することができる設定キースイッチ1311a’としてもよい(磁気センサの態様(設定キースイッチ1311a’の態様を含めてもよい。)を「決定キーの変形例(24)」と記載する場合がある)。なお、この場合、設定値の設定変更を行う者は、決定キーONとするために、パチンコ機1の正面から遊技盤5の前面へ向かって磁石を近づける必要がある。
また、上述した実施形態では、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定キースイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、これに代えて、パチンコ機1をゆすったり、叩いたりすることでパチンコ機1に振動を加えて遊技盤5に区画形成される遊技領域5aを流下する遊技球の進路を変更して遊技盤5に設けられる各種入賞口やゲート部(ゲート)に入球させる不正行為を検知する振動センサを遊技盤5に設ける場合には、主制御MPU1310aが振動センサからの検出信号に基づいて不正行為の有無を判定するとともに、振動センサからの検出信号に基づいて決定キーONの有無を判定してもよい。この場合、設定キースイッチ1311aを初期位置から設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置までに亘る範囲のみ回動操作することができる設定キースイッチ1311a’としてもよい(振動センサの態様(設定キースイッチ1311a’の態様を含めてもよい。)を「決定キーの変形例(25)」と記載する場合がある)。なお、この場合、設定値の設定変更を行う者は、決定キーONとするために、パチンコ機1をゆすったり、叩いたりする必要がある。
また、上述した実施形態では、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定キースイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、これに代えて、パチンコ機1に電波を照射して遊技盤5に設けられる各種入賞口の各種センサや払出装置580に設けられる各種センサの誤動作をさせて遊技球Bを不正に獲得する不正行為を検知する電波センサを遊技盤5や払出装置580に設ける場合には、主制御MPU1310aが電波センサからの検出信号に基づいて不正行為の有無を判定するとともに、電波センサからの検出信号に基づいて決定キーONの有無を判定してもよい。この場合、設定キースイッチ1311aを初期位置から設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置までに亘る範囲のみ回動操作することができる設定キースイッチ1311a’としてもよい(電波センサの態様(設定キースイッチ1311a’の態様を含めてもよい。)を「決定キーの変形例(26)」と記載する場合がある)。なお、この場合、設定値の設定変更を行う者は、決定キーONとするために、パチンコ機1に電波を照射する必要がある。
また、上述した実施形態では、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定キースイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、これに代えて、演出操作ボタンユニット360の押圧操作部303の押圧操作を検知する押圧検知センサ381からの検出信号、演出操作ボタンユニット360の回転操作部302の回転方向を検知する第一回転検知センサ347と第二回転検知センサ348とからの検出信号が周辺制御基板1510へ入力されるとともに、周辺制御基板1510において分岐されて主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力され、これらの検出信号に基づいて主制御MPU1310aが決定キーONの有無を判定してもよい。この場合、設定キースイッチ1311aを初期位置から設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置までに亘る範囲のみ回動操作することができる設定キースイッチ1311a’としてもよい(演出操作ボタンユニットの態様(設定キースイッチ1311a’の態様を含めてもよい。)を「決定キーの変形例(27)」と記載する場合がある)。
また、上述した実施形態では、カバー体とベース体とから構成されている主制御基板ボックス1320の内部空間に主制御基板1310及び設定変更基板1311が収容されていたが、設定変更基板1311を別体の設定変更基板ボックスに収容して主制御基板ボックス1320の周囲又は隣接して配置してもよい。主制御基板ボックス1320は、カバー体とベース体とがカシメ部のワンウェイネジ等によりカシメられている。このカシメ部は、封印機構であり、複数備えている。一つの封印機構を用いてカバー体とベース体とがカシメ部のワンウェイネジ等によりカシメられることで主制御基板ボックス1320を閉じることができ、次に、主制御基板ボックス1320を開けるためにはその封印機構を破壊する必要がある。つまり、その封印機構を破壊しない限り、カバー体をベース体から取り外すことができない。このような主制御基板ボックス1320の構造は、設定変更基板ボックスの構造においても、適用することができる。この場合、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの前面、及び決定キーボタンの押圧操作部は、それぞれと対応する主制御基板ボックス1320のカバー体に形成される開口部を介して露出されているものの、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの前面、及び決定キーボタンの押圧操作部とそれぞれ対応する開口部とに形成される「すき間」から針金などを侵入して設定変更基板1311を改変することができないように、開口部に対して針金侵入防止部がカバー体に成型される構造となる。なお、設定変更基板ボックスの構造として、上述した主制御基板ボックス1320の構造と異なり、カバー体をベース体から開放又は閉鎖することができるように構成されている場合には、ベース体に対してカバー体の開放を検出することができる設定変更基板カバー体用開閉スイッチを設けてもよい。この場合、設定変更基板カバー体用開閉スイッチからの検出信号を主制御基板1310へ直接入力されるように構成してもよいし、設定変更基板1311を介して主制御基板1310へ(間接)入力されるように構成してもよい。設定変更基板カバー体用開閉スイッチからの検出信号に基づいて、カバー体をベース体から開放されていることを、上述した予め定めた設定値変更許可条件に含むことができる(設定変更基板ボックスの態様を「決定キーの変形例(28)」と記載する場合がある)。
また、上述した実施形態では、設定変更基板1311のコネクタSMCNと主制御基板1310のコネクタMSCNの端子とが接続されるように構成され、不正な改変を防止するために、設定キースイッチ1311aの設定キーONの信号が伝送される配線パターンと、設定キースイッチ1311aの決定キーONの信号が伝送される配線パターンと、設定キースイッチ1311aのOFFの信号が伝送される配線パターンと、の引き回しとして、設定変更基板1311において相互に近づけないように(相互に離間して)形成されるとともに、設定変更基板1311のコネクタSMCNの端子(主制御基板1310のコネクタMSCNの端子)への接続も離間して形成され、主制御基板1310においても、設定キースイッチ1311aからの各種信号が伝送される配線パターン(つまり、設定キースイッチ1311aの設定キーONの信号が伝送される配線パターン、設定キースイッチ1311aの決定キーONの信号が伝送される配線パターン、及び設定キースイッチ1311aのOFFの信号が伝送される配線パターン)と払出制御基板633のRWMクリアボタン633zからの信号が伝送される配線パターンとの引き回しも相互に近づけないように(相互に離間して)形成されていたが、設定キースイッチ1311aの設定キーONの信号が伝送される配線パターンと、設定キースイッチ1311aの決定キーONの信号が伝送される配線パターンと、のうち、いずれか一方の配線パターンついては、設定変更基板1311のコネクタSMCNと別体に設定変更基板1311に設けられる他のコネクタを介して、主制御基板1310のコネクタMSCNと別体に主制御基板1310に設けられる他のコネクタとコネクタ接続(基板間接続)されてもよし、この設定変更基板1311に設けられるの他のコネクタと主制御基板1310に設けられる他のコネクタとを、ハーネスを介して、電気的に接続されてもよい(配線パターンの引き回しの態様を「決定キーの変形例(29)」と記載する場合がある)。
また、上述した決定キーの変形例(1)〜(29)のうち、適宜選択して組み合わせた態様を採用してもよい(変形例の選択組み合わせの態様を「決定キーの変形例(30)」と記載する場合がある)。
また、上述した設定値では、大当りか否かを抽選判定するための確率や小当りか否かを抽選判定するための確率のほかに、確変時から通常時へ移行する際に抽選判定するための確率、遊技者にとって有利となる領域への振り分け率等を変更することができるものであり、遊技者にとって有利となる(つまり、遊技者が獲得することができる遊技球の球数を増やすことができる)確率(有利度合い)が予め設定されている。本実施形態では、設定値として、設定値1、設定値2、設定値3、設定値4、設定値5、及び設定値6が予め用意されており、設定値1から設定値6へ向かって遊技者にとって有利となる確率(有利度合い)が予め設定されていた。ところで、本実施形態のパチンコ機1には、設定値1〜設定値6までに亘って複数の設定値が存在するものの、他のパチンコ機には遊技者にとって有利となる確率(有利度合い)が予め設定される単一の設定値が存在するものもある。つまり、本実施形態のパチンコ機1のように遊技者にとって有利となる確率(有利度合い)が予め複数の設定値として存在して設定変更が必要な遊技仕様のものと、遊技者にとって有利となる確率(有利度合い)が予め単一の設定値のみが存在して設定変更が全く必要ない遊技仕様のものと、がある。ところが、このような遊技仕様に応じて主制御基板1310のハードウェア構成を設計変更するとともに、設定変更基板1311のハードウェア構成を設計変更又は不使用とすると、主制御基板1310及び設定変更基板1311が遊技仕様に依存されることとなるため、遊技仕様に応じてハードウェア構成が類似する又は異なる主制御基板1310及び設定変更基板1311を有することとなる。そこで、主制御基板1310及び設定変更基板1311を、遊技仕様に依存されない、つまりハードウェア構成の設計変更を伴わずに共通して使用することができるものが求められる。
例えば、遊技者にとって有利となる確率(有利度合い)が予め単一の設定値のみが存在して設定変更が全く必要ない遊技仕様においては、設定値を遊技者にとって有利となる確率(有利度合い)として使用する必要が全くなくなるため、設定値1、設定値2、設定値3、設定値4、設定値5、及び設定値6を、次のような内容として割り当てるソフトウェアによる設計変更により対応することができる。
例えば、主制御MPU1310aが自身に内蔵されているRAMの所定領域(RAMの全領域のうち特定領域を除く領域。)をクリアした後に実機確認動作パターンを複数設定することができる(RAMクリア後におけるパチンコ機1の起動方法にバリエーションを持たせることができる)設定値として使用することができる。この場合には、主制御MPU1310aが制御する対象となっている可動体(役物)の動作、ランプやLED等の発光体の点灯に対して、設定値1として「全動作(可動体(役物)の動作、発光体の点灯)」を指定する実機確認動作パターン1が割り当てられ、設定値2として「可動体(役物)の動作」を指定する実機確認動作パターン2が割り当てられ、設定値3として「発光体の点灯」を指定する実機確認動作パターン3が割り当てられ、設定値4として「可動体(役物)の詳細動作(移動速度の可変、作動領域全体に亘る移動、他の構造体や他の可動体(役物)との干渉チェック、他の可動体(役物)との作動順番などの動作)」を指定する実機確認動作パターン4が割り当てられ、設定値5として「発光体1ポート単位(主制御MPU1310aの所定の出力ポート単位(つまり、1つの出力ポートごと)による発光体の点灯)の点灯」を指定する実機確認動作パターン5が割り当てられ、設定値6として「動作なし」を指定する実機確認動作パターン6が割り当てられる(RAMクリア後の実機確認動作の変更設定の態様を「共通ハードウェア構成による変形例(1)」と記載する場合がある)。なお、主制御MPU1310aは、RAMクリア後の実機確認動作を、後述する主制御側タイマ割り込み処理を繰り返し行うことにより可動体(役物)の動作、ランプやLED等の発光体の点灯を行う。主制御MPU1310aからの設定変更コマンド(図145には設定変更完了コマンドと記載)を受信する周辺制御基板1510は、設定変更コマンドに含まれる設定値に応じた内容(実機確認動作パターン)で周辺制御基板1510が制御する対象となっている可動体(役物)の動作、発光体の点灯を行うことができる。このRAMクリア後の実機確認動作の変更設定の態様により、RAMクリア後におけるパチンコ機1の起動方法にバリエーションを持たせることができる。
また、例えば、図柄の変動終了後からデモンストレーション(遊技者待ち状態となって行われるデモ演出)となるまでの時間を複数設定することができる設定値として使用することができる。この場合には、設定値1として「10秒」を指定する時間設定パターン1が割り当てられ、設定値2として「15秒」を指定する時間設定パターン2が割り当てられ、設定値3として「20秒」を指定する時間設定パターン3が割り当てられ、設定値4として「25秒」を指定する時間設定パターン4が割り当てられ、設定値5として「30秒」を指定する時間設定パターン5が割り当てられ、設定値6として「35秒」を指定する時間設定パターン6が割り当てられる(図柄の変動終了後から遊技者待ち状態となるでの時間の変更設定の態様を「共通ハードウェア構成による変形例(2)」と記載する場合がある)。なお、主制御MPU1310aからの設定変更コマンドを受信する周辺制御基板1510は、設定変更コマンドに含まれる設定値に応じた時間(時間設定パターン)でデモンストレーションを開始することができる。この図柄の変動終了後から遊技者待ち状態となるでの時間の変更設定の態様により、図柄の変動終了後からデモンストレーションとなるまでの時間にバリエーションを持たせることができる。
また、例えば、図柄の変動終了後に行われるデモンストレーション(遊技者待ち状態となって行われるデモ演出)の内容を複数設定することができる設定値として使用することができる。この場合には、設定値1として「コミカル演出」を指定するデモ演出設定パターン1が割り当てられ、設定値2として「コミカル演出、可動体(役物)の動作演出」を指定するデモ演出設定パターン2が割り当てられ、設定値3として「シリアス演出」を指定するデモ演出設定パターン3が割り当てられ、設定値4として「シリアル演出、可動体(役物)の動作演出」を指定するデモ演出設定パターン4が割り当てられ、設定値5として「時代劇風演出」を指定するデモ演出設定パターン5が割り当てられ、設定値6として「時代劇風演出、可動体(役物)」を指定するデモ演出設定パターン6が割り当てられる(デモ演出の内容の変更設定の態様を「共通ハードウェア構成による変形例(3)」と記載する場合がある)。なお、主制御MPU1310aからの設定変更コマンドを受信する周辺制御基板1510は、設定変更コマンドに含まれる設定値に応じたデモ演出(デモ演出設定パターン)でデモンストレーションを行うことができる。このデモ演出の内容の変更設定の態様により、図柄の変動終了後に行われるデモ演出の内容にバリエーションを持たせることができる。
また、例えば、周辺制御基板1510に備える音量調整スイッチにより調整されるデフォルト音量を複数設定することができる設定値として使用することができる。音量調整スイッチが回転操作されることでデフォルト音量から音量を大きくしたり、小さくしたりすることができる。この場合には、設定値1として「音量1」を指定する音量設定パターン1が割り当てられ、設定値2として「音量2」を指定する音量設定パターン2が割り当てられ、設定値3として「音量3」を指定する音量設定パターン3が割り当てられ、設定値4として「音量4」を指定する音量設定パターン4が割り当てられ、設定値5として「音量5」を指定する音量設定パターン5が割り当てられ、設定値6として「音量6」を指定する音量設定パターン6が割り当てられる(デフォルト音量の変更設定の態様を「共通ハードウェア構成による変形例(4)」と記載する場合がある)。なお、設定値1から設定値6へ向かって音量が大きくなるように設定されている。主制御MPU1310aからの設定変更コマンドを受信する周辺制御基板1510は、設定変更コマンドに含まれる設定値に応じた音量(音量設定パターン)でデフォルト音量が設定される。また、設定値1に割り当てられる「音量1」のデフォルト音量は、音量調整スイッチが音量を小さくする方向へ移動され(音量を大きくする方向と反対方向へ移動され)、音量最小側末端へ移動完了されて最小側音量に調整されたときには、消音となるようにしてもよいし、パチンコ機の前面で立ち止まると、音を認識することができる音量としてもよい。また、設定値6に割り当てられる「音量6」のデフォルト音量は、音量調整スイッチが音量を大きくする方向へ移動され(音量を小さくする方向と反対方向へ移動され)、音量最大側末端へ移動完了されて最大側音量に調整されたときには、最大音量としてもよいし、最大音量の所定割合(例えば、85%)の音量としてもよい。このデフォルト音量の変更設定の態様により、周辺制御基板1510に備える音量調整スイッチにより調整されるデフォルト音量にバリエーションを持たせることができる。
また、例えば、各種の不具合、ゴト、及びエラー等のエラー報知におけるエラー報知音の音量を複数設定することができる設定値として使用することができる。各種エラー報知音は、周辺制御基板1510に備える音量調整スイッチの操作により調整することができないもの(つまり、依存されないもの)であり、最大音量とすることでエラー報知音が発するパチンコ機を遊技ホールの店員等の係員が気付きやすいものの、他のパチンコ機で遊技を行っている遊技者に対して、耳障りに感じる場合もある。そこで、各種エラー報知音の音量を調整することができるものも求められる。この場合には、設定値1として「エラー報知音量1」を指定するエラー報知音量設定パターン1が割り当てられ、設定値2として「エラー報知音量2」を指定するエラー報知音量設定パターン2が割り当てられ、設定値3として「エラー報知音量3」を指定するエラー報知音量設定パターン3が割り当てられ、設定値4として「音量4」を指定するエラー報知音量設定パターン4が割り当てられ、設定値5として「エラー報知音量5」を指定するエラー報知音量設定パターン5が割り当てられ、設定値6として「エラー報知音量6(最大音量)」を指定するエラー報知音量設定パターン6が割り当てられる(エラー報知音の音量の変更設定の態様を「共通ハードウェア構成による変形例(5)」と記載する場合がある)。なお、設定値1(消音とならない音量であって、エラー報知音を発するパチンコ機の前面で立ち止まると、そのエラー報知音を認識することができる音量)から設定値6(最大音量であって、エラー報知音を発するパチンコ機から数メートル離れてもそのエラー報知音を十分に認識することができる音量)へ向かってエラー報知音の音量が大きくなるように設定されている。主制御MPU1310aからの設定変更コマンドを受信する周辺制御基板1510は、設定変更コマンドに含まれる設定値に応じたエラー報知音の音量(エラー報知音量設定パターン)でエラー報知音を発する制御を行う。このエラー報知音の音量の変更設定の態様により、エラー報知におけるエラー報知音の音量にバリエーションを持たせることができる。
また、例えば、ランプやLED等の発光体のデフォルト輝度を複数設定することができる設定値として使用することができる。主制御MPU1310aが制御する対象となっている発光体に対して、デフォルト輝度から輝度を高くしたり、低くしたりすることができる。この場合には、設定値1として「輝度1」を指定するデフォルト輝度設定パターン1が割り当てられ、設定値2として「輝度2」を指定するデフォルト輝度設定パターン2が割り当てられ、設定値3として「輝度3」を指定するデフォルト輝度設定パターン3が割り当てられ、設定値4として「輝度4」を指定するデフォルト輝度設定パターン4が割り当てられ、設定値5として「輝度5」を指定するデフォルト輝度設定パターン5が割り当てられ、設定値6として「輝度6」を指定するデフォルト輝度設定パターン6が割り当てられる(デフォルト輝度の変更設定の態様を「共通ハードウェア構成による変形例(6)」と記載する場合がある)。なお、主制御MPU1310aは、デフォルト輝度の変更設定を、後述する主制御側タイマ割り込み処理を繰り返し行うことにより発光体の輝度を調整して発光体の点灯、点滅、階調点等を行う。主制御MPU1310aからの設定変更コマンドを受信する周辺制御基板1510は、設定変更コマンドに含まれる設定値に応じたデフォルト輝度(デフォルト輝度設定パターン)に基づいて周辺制御基板1510が制御する対象となっている発光体の輝度を調整して発光体の点灯、点滅、階調点等を行うことができる。このデフォルト輝度の内容の変更設定の態様により、ランプやLED等の発光体のデフォルト輝度にバリエーションを持たせることができる。
また、例えば、各種の不具合、ゴト、及びエラー等のエラー報知におけるランプやLED等の発光体の輝度を複数設定することができる設定値として使用することができる。主制御MPU1310aが制御する対象となっているランプに対して、設定値1として「エラー報知輝度1」を指定するエラー報知輝度設定パターン1が割り当てられ、設定値2として「エラー報知輝度2」を指定するエラー報知輝度設定パターン2が割り当てられ、設定値3として「エラー報知輝度3」を指定するエラー報知輝度設定パターン3が割り当てられ、設定値4として「エラー報知輝度4」を指定するエラー報知輝度設定パターン4が割り当てられ、設定値5として「エラー報知輝度5」を指定するエラー報知輝度設定パターン5が割り当てられ、設定値6として「エラー報知輝度6(最大輝度)」を指定するエラー報知輝度設定パターン6が割り当てられる(エラー報知における発光体の輝度の変更設定の態様を「共通ハードウェア構成による変形例(7)」と記載する場合がある)。なお、設定値1(消灯とならないものの、ランプの輝度が低く、パチンコ機の前面で立ち止まると、エラー報知を認識することができるランプの輝度)から設定値6(最大輝度)へ向かってランプの輝度が高くなるように設定されている。主制御MPU1310aは、エラー報知における発光体の輝度の変更設定を、後述する主制御側タイマ割り込み処理を繰り返し行うことにより発光体の輝度を調整して発光体の点灯、点滅、階調点等を行う。主制御MPU1310aからの設定変更コマンドを受信する周辺制御基板1510は、設定変更コマンドに含まれる設定値に応じたエラー報知輝度(エラー報知輝度設定パターン)に基づいて周辺制御基板1510が制御する対象となっている発光体の輝度を調整して発光体の点灯、点滅、階調点等を行うことができる。このエラー報知における発光体の輝度の変更設定の態様により、エラー報知におけるランプやLED等の発光体の輝度にバリエーションを持たせることができる。
また、上述した共通ハードウェア構成による変形例(1)〜(7)に割り当てられる各種設定値は、主制御MPU1310aが行う後述する設定値確認表示処理において予め定めた設定値表示許可条件が成立したときに設定表示器1310gに表示されるようになっているが、パチンコ機1の電源投入後から電源遮断時までに亘って常に設定表示器1310gに表示されるようにしてもよい(設定値表示の態様を「共通ハードウェア構成による変形例(8)」と記載する場合がある)。
また、上述した共通ハードウェア構成による変形例(1)〜(8)のうち、いずれか1つを適宜選択して、上述した決定キーの変形例(30)に採用してもよい。
また、上述した予め定めた設定値変更許可条件は、パチンコ機1の電源投入時や停電(瞬間的に停電が発生する瞬停)後の電力回復時における復電時において、外枠2に対して本体枠4が開放され、かつ、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回動操作されて第1のON操作されることで設定キーON操作されていることが必要であった。払出制御基板633のRWMクリアボタン633zの押圧操作部を押圧操作しながらパチンコ機1の電源投入が行われると、主制御MPU1310aは、後述する主制御側電源投入時処理において主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いてクリアし、その後、割り込み許可設定などを行うことで遊技を進行する。また、パチンコ機1の復電時において上述した予め定めた設定値変更許可条件が成立すると、主制御MPU1310aは、後述する主制御側電源投入時処理において設定変更処理を行って主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いてクリアし、その後、割り込み許可設定などを行うことで遊技を進行する。つまり、払出制御基板633のRWMクリアボタン633zの押圧操作部を押圧操作しながらパチンコ機1の電源投入を行う場合、パチンコ機1の復電時において上述した予め定めた設定値変更許可条件が成立する場合には、いずれにおいても、主制御MPU1310aは、後述する主制御側電源投入時処理において主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いてクリアし、その後、割り込み許可設定などを行うことで遊技を進行することとなる。そこで、上述した予め定めた設定値変更許可条件として、パチンコ機1の電源投入時や停電(瞬間的に停電が発生する瞬停)後の電力回復時における復電時において、外枠2に対して本体枠4が開放され、かつ、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回動操作されて第1のON操作されることで設定キーON操作されていることに加えて、払出制御基板633のRWMクリアボタン633zの押圧操作部が押圧操作されていてもよい(「予め定めた設定値変更許可条件の変形例」と記載する場合がある)。
また、上述した予め定めた設定値表示許可条件は、パチンコ機1の電源投入時や停電(瞬間的に停電が発生する瞬停)後の電力回復された復電後において、外枠2に対して本体枠4が開放され、かつ、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回動操作されて第1のON操作されることで設定キーON操作されていることが必要であった。主制御MPU1310aは、この予め定めた設定値表示許可条件が成立すると、後述する主制御側タイマ割り込み処理の一処理として行われる設定値確認表示処理において、設定されている現状の設定値を設定表示器1310gに表示する。また、払出制御基板633のRWMクリアボタン633zは、上述したように、パチンコ機1の電源投入を行うときに押圧操作部が押圧操作されている必要があり、押圧操作される期間が限定されていた。そこで、上述した予め定めた設定値表示許可条件として、パチンコ機1の電源投入時や停電(瞬間的に停電が発生する瞬停)後の電力回復時における復電時において、外枠2に対して本体枠4が開放され、かつ、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回動操作されて第1のON操作されることで設定キーON操作されていることに加えて、払出制御基板633のRWMクリアボタン633zの押圧操作部が押圧操作されていなくてもよい(「予め定めた設定値表示許可条件の変形例」と記載する場合がある)。この場合、主制御MPU1310aは、予め定めた設定値表示許可条件の変形例が成立すると、設定値確認表示処理を後述する主制御側タイマ割り込み処理の一処理として行わずに後述する主制御側電源投入時処理において、内蔵WDTの初期設定及び起動設定を行う前までに行い、その後、割り込み許可設定などを行うことで遊技を進行することとなる。なお、主制御MPU1310aは、予め定めた設定値表示許可条件の変形例が成立して設定値確認表示処理を行う場合には、まだ割り込み許可設定を行っていないため、主制御側タイマ割り込み処理を行わず、外枠2に対する本体枠4の開放を検出するための本体枠開放スイッチ4bからの検出信号と、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダが初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)から時計方向へ向かって60度回動操作されて第1のON操作されることで設定キースイッチ1311aが設定キーONされ、設定キースイッチ1311aからの設定キーONの信号と、を読み取って後述する入力情報として主制御内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶していない。このため、主制御MPU1310aは、予め定めた設定値表示許可条件の変形例が成立して設定値確認表示処理を行う場合に、外枠2に対する本体枠4の開放を検出するための本体枠開放スイッチ4bからの検出信号と、設定キースイッチ1311aからの設定キーONの信号と、を読み取る。
上述した予め定めた設定値変更許可条件の変形例と上述した予め定めた設定値表示許可条件の変形例とを共に採用することにより、パチンコ機1の電源投入時や停電(瞬間的に停電が発生する瞬停)後の電力回復時における復電時において、外枠2に対して本体枠4が開放され、かつ、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回動操作されて第1のON操作されることで設定キーON操作されていることを前提として、払出制御基板633のRWMクリアボタン633zの押圧操作部が押圧操作されているときには、主制御MPU1310aは、後述する主制御側電源投入時処理において設定変更処理を行って主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いてクリアし、その後、割り込み許可設定などを行うことで遊技を進行するのに対して、払出制御基板633のRWMクリアボタン633zの押圧操作部が押圧操作されていないときには、主制御MPU1310aは、後述する主制御側電源投入時処理において設定値確認表示処理を行い、その後、割り込み許可設定などを行うことで遊技を進行する。この態様を採用することにより、主制御MPU1310aは、遊技の進行を開始すると、設定値確認表示処理が一度も行われない。つまり、主制御MPU1310aは、割り込み許可設定などを行うことで遊技の進行を開始すると、設定されている現状の設定値を設定表示器1310gに表示することが一度もない。主制御MPU1310aは、後述する主制御側電源投入時処理の球数計数処理において遊技盤5に区画形成される遊技領域5aに設けられるアウト口1008により回収された遊技球の球数を計数して後述する主制御側電源投入時処理のポート出力処理においてベースモニタ1310hに出力してアウト口1008により回収された遊技球の球数をベースモニタ1310hに表示する。そこで、設定表示器1310gが表示する設定されている現状の設定値を、上述したベースモニタ1310hに表示するようにしてもよい(「ベースモニタの利用方法の変形例」と記載する場合がある)。これにより、主制御MPU1310aは、ベースモニタ1310hを用いて、復電してから割り込み許可設定などを行うことで遊技の進行を開始するまでの期間において、設定されている現状の設定値を表示することができるとともに、復電してから割り込み許可設定などを行うことで遊技の進行を開始すると、アウト口1008により回収された遊技球の球数を表示することができるため、設定表示器1310gを設ける必要がなくなりコスト削減に寄与することができる。
また、上述した予め定めた設定値変更許可条件の変形例、上述した予め定めた設定値表示許可条件の変形例、及び上述したベースモニタの利用方法の変形例のうち、いずれか一つを適宜選択して、上述した決定キーの変形例(30)に採用してもよい。
また、上述した予め定めた設定値変更許可条件の変形例、上述した予め定めた設定値表示許可条件の変形例、及び上述したベースモニタの利用方法の変形例のうち、いずれか一つを適宜選択して、上述した共通ハードウェア構成による変形例(1)〜(8)に採用してもよい。
[5−5.機能表示ユニット]
遊技盤5における機能表示ユニット1400について、主に図107、図110、及び図111を参照して詳細に説明する。機能表示ユニット1400は、遊技領域5aの外側で前構成部材1000の左上隅に取付けられている。機能表示ユニット1400は、パチンコ機1に組立てた状態で、扉枠3の扉窓101aを通して前方(遊技者側)から視認することができる。この機能表示ユニット1400は、主制御基板1310からの制御信号に基づき複数のLEDを用いて、遊技状態(遊技状況)や、普通抽選結果や特別抽選結果等を表示するものである。
機能表示ユニット1400は、詳細な図示は省略するが、遊技状態を表示する三つのLEDからなる状態表示器と、普通入賞口2003への遊技球Bの受け入れにより抽選される普通抽選結果を表示する二つのLEDからなる普通図柄表示器と、普通入賞口2003への遊技球Bの受け入れに係る保留数を表示する二つのLEDからなる普通保留表示器と、を備えている。
また、機能表示ユニット1400は、第一始動口2002への遊技球Bの受け入れにより抽選された第一特別抽選結果を表示する八つのLEDからなる第一特別図柄表示器と、第一始動口2002への遊技球Bの受け入れに係る保留数を表示する二つのLEDからなる第一特別保留数表示器と、第二始動口2004への遊技球Bの受け入れにより抽選された第二特別抽選結果を表示する八つのLEDからなる第二特別図柄表示器と、第二始動口2004への遊技球Bの受け入れに係る保留数を表示する二つのLEDからなる第二特別保留数表示器と、を備えている。
更に、機能表示ユニット1400は、第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果が「当り」等の時に、大入賞口2005の開閉パターンの繰返し回数(ラウンド数)を表示する五つのLEDからなるラウンド表示器、を備えている。
この機能表示ユニット1400では、備えられているLEDを、適宜、点灯、消灯、及び、点滅、等させることにより、保留数や図柄等を表示することができる。
ここで、機能表示ユニット1400が遊技領域5aの外側で前構成部材1000の左上隅に取付けられる場合におけるノイズ対策として、特に機能表示ユニット1400と主制御基板1310とを電気的に接続して、主制御基板1310から機能表示ユニット1400へ制御信号を伝える複数の配線(以下、単に「配線」と記載する場合がある。)について詳細に説明する。
機能表示ユニット1400の裏面側に設けられた接続コネクタ1400aを介して電気的に接続される配線FCBLは、図110及び図111に示すように、遊技盤5の右上隅から裏箱3010の後面の上辺まで引き回されると、裏箱3010の後面の下方へ向かって曲げられ、裏箱3010の後面の右辺側に沿って上下方向に複数形成される配線処理片3011によりそれぞれ纏められて遊技パネル1100の後側下部に取付けられている基板ホルダ1200の後面の上辺に達する前に屈曲されて又はそのまま基板ホルダ1200の後面に取付けられる主制御ユニット1300の主制御基板ボックス1320の右辺側に沿って下方へ向かって引き回される。
そして、その配線FCBLは、主制御基板ボックス1320の下辺まで引き回されると、主制御基板ボックス1320の左辺へ向かって曲げられ、主制御基板ボックス1320の下辺に沿って機能表示ユニット用コネクタMFCNの下方までに引き回された後、機能表示ユニット用コネクタMFCNへ電気的に接続されるようになっている。
このように、機能表示ユニット1400と主制御基板1310とを電気的に接続する配線FCBLは、その配線長が長くなるとともに、特に、遊技盤5の右上隅から遊技パネル1100の後面、そして裏箱3010の後面の上辺まで引き回される配線FCBLは、裏箱3010の後面の下方へ向かって曲げられ、裏箱3010の後面の右辺側に沿って上下方向に複数形成される配線処理片3011によりそれぞれ纏められて遊技パネル1100の後側下部に取付けられている基板ホルダ1200の後面であって主制御基板ボックス1320の右辺側に沿って主制御基板ボックス1320の下辺まで引き回されている。このように配線FCBLが引き回される領域は、遊技盤5がパチンコ機1に装着された状態では、図81に示した本体枠4における払出ベースユニット550に取付けられている払出ユニット560の前方に配置されることとなる。
機能表示ユニット1400の後方には、複数の装飾用LEDが実装されている装飾基板1131が配置されている。装飾基板1131の裏面側に設けられた接続コネクタ1131aを介して電気的に接続される接続ケーブルである配線UPCBLは、遊技パネル1100の後面上側へ屈曲されると、裏箱3010の前面の上辺で裏箱3010の後面へ向かって曲げられ、上述した配線FCBLと共に近接した状態(又は接触した状態)で、裏箱3010の後面の上辺まで引き回されると、裏箱3010の後面の下方へ向かって曲げられ、裏箱3010の後面の右辺側に沿って上下方向に複数形成される配線処理片3011によりそれぞれ纏められて周辺制御ユニット1500の下方であって駆動基板ユニット1700の上辺まで引き回される。そして、その配線UPCBLは、上述した配線FCBLの経路と別れて、周辺制御ユニット1500の下方であって駆動基板ユニット1700の上辺において左辺へ向かって曲げられて駆動基板ユニット1700の上辺側に沿って引き回され、駆動基板ユニット1700におけるパネル駆動基板1720の所定コネクタの上方までに引き回された後、その所定コネクタへ電気的に接続されるようになっている。
このように、機能表示ユニット1400の後方に配置される装飾基板1131とパネル駆動基板1720とを電気的に接続する配線UPCBLは、その配線長が長くなるとともに、特に、遊技盤5の右上隅から遊技パネル1100の後面、そして裏箱3010の後面の上辺まで引き回される配線FCBLは、裏箱3010の後面の下方へ向かって曲げられ、裏箱3010の後面の右辺側に沿って上下方向に複数形成される配線処理片3011によりそれぞれ纏められて周辺制御ユニット1500の下方であって駆動基板ユニット1700の上辺まで引き回されている。このように配線UPCBLが引き回される領域は、上述した配線FCBLと同様に、遊技盤5がパチンコ機1に装着された状態では、図97に示した本体枠4における払出ベースユニット550に取付けられている払出ユニット560の前方に配置されることとなる。
払出ユニット560は、上述したように、タンクレール553からの遊技球Bを蛇行状に下方へ誘導する1条の誘導通路を有する球誘導ユニット570と、球誘導ユニット570の1条の誘導通路により誘導された遊技球Bを払出制御基板633からの指示に基づいて一つずつ払出す払出装置580と、払出装置580を通った遊技球Bを下方へ誘導する上部満タン球経路ユニット600と、上部満タン球経路ユニット600を通った遊技球Bを扉枠3側又は基板ユニット620側へ誘導する下部満タン球経路ユニット610と、を備えている。
また、遊技球Bは、上述したように、遊技ホールの島設備において研磨されたり、島設備とパチンコ機1との循環において互いにこすれ合ったりして、帯電して静電放電することにより電磁波ノイズを放出する。このため、遊技球Bを滞留することができる球タンク552や払出ユニット560を取付ける領域及びその周囲は静電気が溜まりやすい。
また、主制御基板1310は、その詳細な説明を後述するが、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである主制御MPU1310a等を備えている。この主制御MPU1310aは、電気的なノイズの影響を受けると、ハードウェアによって強制的にリセットがかかる回路が内蔵されており(以下、「内蔵リセット回路」と記載する。)、このような内蔵リセット回路による強制リセットは、ユーザプログラムによって制御して無効化することができない仕組みとなっている。このため、主制御MPU1310aは、内蔵リセット回路による強制リセットがかかると、後述する主制御側電源断時処理を実行することなく、リセットがかかり、再び、後述する主制御側電源投入時処理を実行することとなる。この場合、主制御側電源断時処理が実行されていないため、必ず主制御MPU1310aに内蔵されているRAMのチェックサム(サム値)エラーとなるため、主制御MPU1310aに内蔵されているRAMの内容が完全に消去(クリア)されることとなる。つまり、内蔵リセット回路により強制リセットされると、再び主制御MPU1310aが起動する際にRAMクリアを実行することとなる。
また、本実施形態では、主制御MPU1310aのパッケージとしてZIP(Zigzag Inline Package)タイプのものが採用されており、主制御基板1310の実装面に主制御MPU1310aを実装すると、主制御MPU1310aの各種ピンが主制御基板1310のハンダ付け面(実装面と反対側の面)から突出した状態となる。つまり、主制御MPU1310aの各種ピンが主制御基板ボックス1320の底板へ向かって突出する状態となる。
このように、球タンク552や払出ユニット560を取付ける領域及びその周囲は静電気が溜まりやすいため、静電放電することにより電磁波ノイズが放出されると、払出ユニット560の前方に配置される、機能表示ユニット1400と主制御基板1310とを電気的に接続する配線FCBLに侵入する場合があるし、機能表示ユニット1400の後方に配置される左上パネル装飾基板1131と周辺制御基板1510とを電気的に接続する配線UPCBLに侵入する場合がある。これにより、配線FCBLに侵入した電磁波ノイズが飛び出して配線UPCBLへ侵入する場合もあるし、これとは反対に、配線UPCBLに侵入した電磁波ノイズが飛び出して配線FCBLへ侵入する場合もある。
例えば、機能表示ユニット1400と主制御基板1310とを電気的に接続する配線FCBLが、仮に、基板ホルダ1200の後面と主制御基板ボックス1320の底板との間に形成される配線空間内を、主制御基板ボックス1320の右辺側の所定位置から主制御基板ボックス1320の左辺へ向かって直線上に引き回され(例えば、主制御基板ボックス1320の右辺であって、主制御基板ボックス1320の上辺から約4分の1の長さを有するところで、主制御基板ボックス1320の上辺、又は下辺と平行となるように主制御基板ボックス1320の左辺へ向かって曲げられ)、主制御基板1310の下辺中央から左辺寄りに配置された機能表示ユニット用コネクタMFCNの上方を通り過ぎた段階で主制御基板ボックス1320の下辺へ向かって曲げられ、主制御基板ボックス1320の下辺から引き出された後、機能表示ユニット用コネクタMFCNへ電気的に接続される場合には、この配線FCBLに電磁波ノイズが侵入すると、配線FCBLが基板ホルダ1200の後面と主制御基板ボックス1320の底板との間に形成される配線空間内を引き回されると、主制御MPU1310aの実装位置と対応する、主制御基板1310の前方(つまり、主制御基板ボックス1320の底板の前方)の領域を通ると、その配線FCBLを介して、電磁波ノイズが主制御基板ボックス1320の底板へ向かって突出する主制御MPU1310aの各種ピンに侵入し、この侵入した電磁波ノイズの影響を受けて主制御MPU1310aが自身の内蔵リセット回路により強制リセットがかかるおそれがある。
なお、基板ホルダ1200の後面と主制御基板ボックス1320の底板との間に形成される配線空間内に代えて、基板ホルダ1200の後面に配線収容溝が形成されている場合には、配線FCBLは、基板ホルダ1200の後面と主制御基板ボックス1320の底板との間に形成される配線空間ではなく、配線収容溝に沿って収容され、主制御基板ボックス1320の下辺から引き出された後、機能表示ユニット用コネクタMFCNへ電気的に接続される。この場合にも、この配線FCBLに電磁波ノイズが侵入すると、上述したように、配線FCBLが基板ホルダ1200の後面に形成される配線収容溝に沿って収容されて引き回されると、主制御MPU1310aの実装位置と対応する、主制御基板1310の前方(つまり、主制御基板ボックス1320の底板の前方)の領域を通ると、その配線FCBLを介して、電磁波ノイズが主制御基板ボックス1320の底板へ向かって突出する主制御MPU1310aの各種ピンに侵入し、この侵入した電磁波ノイズの影響を受けて主制御MPU1310aが自身の内蔵リセット回路により強制リセットがかかるおそれがある。
そこで、本実施形態では、配線FCBLが電気的に接続される機能表示ユニット用コネクタMFCNの実装位置と、主制御MPU1310aの実装位置と、の位置関係として、機能表示ユニット用コネクタMFCNを主制御基板1310の下辺中央から左辺寄りに配置しているとともに、主制御MPU1310aを主制御基板1310の右辺と左辺とのそれぞれの中点を通る中心線より上方に配置している。つまり、本実施形態では、主制御MPU1310aを主制御基板1310の右辺と左辺とのそれぞれの中点を通る中心線より下方に機能表示ユニット用コネクタMFCNを配置しているのに対して、この中心線より上方に主制御MPU1310aを配置していることによって、機能表示ユニット用コネクタMFCNと主制御MPU1310aとを主制御基板1310において離間する配置となっている。
これにより、配線FCBLが電気的に接続される機能表示ユニット用コネクタMFCNから主制御MPU1310aを離して配置することができるため、配線FCBLに侵入した電磁波ノイズが、機能表示ユニット用コネクタMFCNと主制御MPU1310aとを主制御基板1310において離間する空間を介して、主制御基板ボックス1320の底板へ向かって突出する主制御MPU1310aの各種ピンに侵入することを防止することができる。したがって、電磁波ノイズが侵入することができる配線FCBLから主制御MPU1310aを保護することができる。
また、配線FCBLが電気的に接続される機能表示ユニット用コネクタMFCNから主制御MPU1310aを離して配置することにより、配線FCBLに電磁波ノイズが侵入しても、主制御MPU1310aに影響が及ばないように、主制御基板1310上において、又は機能表示ユニット用コネクタMFCNと主制御MPU1310aとを主制御基板1310において離間する空間において、この配線FCBLを介して侵入する電磁波ノイズを減衰させることができるようになっている。この点においても、電磁波ノイズが侵入することができる配線FCBLから主制御MPU1310aを保護することができる。
なお、本実施形態では、主制御MPU1310aは、そのパッケージ右辺が主制御基板1310の右辺から少なくとも所定の距離寸法(以下、「第1配線離間距離寸法」と記載する。)だけ離間して配置されている。これは、機能表示ユニット1400と主制御基板1310とを電気的に接続する配線FCBLが主制御基板ボックス1320の右辺側に沿って下方へ向かって引き回されるため、この配線FCBLに侵入した電磁波ノイズが、この配線FCBLから第1配線離間距離寸法を有する空間を介して、主制御基板ボックス1320の底板へ向かって突出する主制御MPU1310aの各種ピンに侵入することを防止するためである。
また、機能表示ユニット1400と主制御基板1310とを電気的に接続する配線FCBLは、上述したように、基板ホルダ1200の後面と主制御基板ボックス1320の底板との間に形成される配線空間内(又は、基板ホルダ1200の後面に形成される配線収容溝に沿って収容されて)を引き回れずに、基板ホルダ1200の後面に取付けられる主制御ユニット1300の主制御基板ボックス1320の右辺側に沿って下方へ向かって引き回されると、主制御基板ボックス1320の左辺へ向かって曲げられ、主制御基板ボックス1320の下辺に沿って機能表示ユニット用コネクタMFCNの下方までに引き回された後、機能表示ユニット用コネクタMFCNへ電気的に接続されるようになっているため、主制御基板ボックス1320の下辺に沿って引き回される配線FCBLと、主制御基板ボックス1320の底板へ向かって突出する主制御MPU1310aの各種ピンと、の距離寸法(以下、「第2配線離間距離寸法」と記載する。)を大きく確保することができる。この第2配線離間距離寸法は、第1配線離間距離寸法と比べて大きい距離寸法を有している。これにより、この配線FCBLに侵入した電磁波ノイズが、この配線FCBLから第2配線離間距離寸法を有する空間を介して、主制御基板ボックス1320の底板へ向かって突出する主制御MPU1310aの各種ピンに侵入することを防止することができる。この点においても、電磁波ノイズが侵入することができる配線FCBLから主制御MPU1310aを保護することができる。
なお、本実施形態では、機能表示ユニット1400と主制御基板1310とを配線FCBLにより直接電気的に接続していたが、機能表示ユニット1400と主制御基板1310とをパネル中継基板1710を介して電気的に接続するように構成することもできる。この場合、パネル中継基板1710に、上述した配線FCBLに侵入した電磁波ノイズを低減若しくは除去することができる素子を設けることが好ましい(つまり、主制御基板1310から機能表示ユニット1400へ制御信号を伝える複数の配線FCBLに対して電磁波ノイズを低減若しくは除去することができる素子をそれぞれ設けることが好ましい)。これにより、配線FCBLを介して侵入する電磁波ノイズを主制御MPU1310aに影響が及ばないようにすることができる。したがって、電磁波ノイズが侵入することができる配線FCBLから主制御MPU1310aを保護することができる。
このような素子として、抵抗、フィルタ回路等を挙げることができる。電磁波ノイズの波形の観測結果から電磁波ノイズの波形幅が2マイクロ秒(μs)程度内に収まることがわかっており、フィルタ回路としては、このような波形幅と比べて大きな波形幅を有する信号を通過するものとして設計される。
また、このような素子として、抵抗、フィルタ回路等のほかに、EMC対策部品(コイル、ビーズ、コンデンサ等)も挙げることができ、コイルやビーズを用いる場合には複数の配線FCBLに対して電気的にそれぞれ直列接続するように挿入され、コンデンサを用いる場合には複数の配線FCBLに対して電気的にそれぞれ並列接続するように挿入される。また、より急崚な減衰特性が必要となる場合には、複数の配線FCBLに対して、コイルとコンデンサとを組み合わせて構成した回路がそれぞれ挿入されるようにしてもよいし、ビーズとコンデンサとを組み合わせて構成した回路がそれぞれ挿入されるようにしてもよい。
[5−6.周辺制御ユニット]
遊技盤5における周辺制御ユニット1500について、主に図110及び図114等を参照して説明する。周辺制御ユニット1500は、裏ユニット3000の裏箱3010の後面に取付けられている演出表示装置1600の後側に取付けられている。周辺制御ユニット1500は、主制御基板1310からの制御信号に基づいて遊技者に提示する演出を制御する周辺制御基板1510(図137を参照)と、周辺制御基板1510を収容している周辺制御基板ボックス1520と、を備えている。周辺制御基板1510は、発光演出、サウンド演出、及び可動演出、等を制御するための周辺制御部1511と、演出画像を制御するための演出表示制御部1512と、を備えている。
周辺制御ユニット1500の周辺制御基板1510は、主制御基板1310、演出操作ユニット300、扉枠3側の各種装飾基板、演出表示装置1600、等と接続されている。
[5−7.演出表示装置]
遊技盤5における演出表示装置1600について、主に図113及び図114等を参照して説明する。演出表示装置1600は、正面視において遊技領域5aの中央に配置されており、遊技パネル1100の後側に、裏ユニット3000の裏箱3010を介して取付けられている。演出表示装置1600は、裏箱3010の後壁の略中央の後面に対して、着脱可能に取付けられている。演出表示装置1600は、遊技盤5を組立てた状態で、枠状のセンター役物2500の枠内を通して、前側(遊技者側)から視認することができる。演出表示装置1600は、白色LEDをバックライトとした15inchのフルカラーの液晶表示装置である。演出表示装置は、周辺制御基板1510に接続されており、所定の静止画像や動画を表示することができる。
演出表示装置1600は、左側面から左方へ突出している二つの左固定片1601と、右側面から右方へ突出している一つの右固定片1602と、を備えている。この演出表示装置1600は、液晶画面を前方へ向けた状態で、後述する裏箱3010の枠状の液晶取付部3010b内の左内周面に開口している二つの固定溝3010cに、裏箱3010の斜め後方から二つの左固定片1601を挿入した上で、右固定片1602側を前方へ移動させて、右固定片1602をロック機構3020の開口部内に挿入し、ロック機構3020を背面視において上方へスライドさせることにより、裏箱3010に取付けられる。
[5−8.表ユニットの全体構成]
遊技盤5における表ユニット2000について、主に図119乃至図124等を参照して詳細に説明する。図119(a)は遊技盤における表ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は遊技盤における表ユニットを後ろから見た斜視図である。図120は表ユニットにおける右側の遊技球の流路を示す説明図である。図121(a)は案内通路群における第一案内通路を流通する遊技球の流れを示す説明図であり、(b)は案内通路群における第二案内通路を流通する遊技球の流れを示す説明図である。図122(a)は役物入賞口に受け入れられた遊技球の流れを示す説明図であり、(b)は(a)における第三振分装置の部位を平面から示す説明図であり、(c)は(a)における第二振分装置の部位を示す説明図である。
また、図123は、「小当り」の種類に応じた役物入賞口と第一振分装置及び第二振分装置の動作のタイミングを示す説明図である。図124(a)はアタッカユニットにおける遊技球の流れを示す説明図であり、(a)におけるE−E線で切断した断面図である。表ユニット2000は、遊技パネル1100に、前方から取付けられており、前端が遊技パネル1100の前面よりも前方へ突出していると共に、後端の一部が遊技パネル1100の開口部1102内に突出している。
表ユニット2000は、遊技領域5a内に打込まれた遊技球Bを受入可能としており常時開口している複数(ここでは三つ)の一般入賞口2001と、複数の一般入賞口2001とは遊技領域5a内の異なる位置で遊技球Bを受入可能に常時開口している第一始動口2002と、遊技領域5a内の更に異なる位置に取付けられており遊技球Bを受入可能に常時開口している普通入賞口2003と、遊技球Bが普通入賞口2003に受け入れられることにより抽選される普通抽選結果に応じて遊技球Bの受け入れが可能となる第二始動口2004と、第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球Bの受け入れにより抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて遊技球Bの受け入れが可能となる大入賞口2005と、第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球Bの受け入れにより抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて遊技球Bの受け入れが可能となる役物入賞口2006と、役物入賞口2006に受け入れられた遊技球Bに対して受入の機会が付与される第一V入賞口2007及び第二V入賞口2008と、を備えている。
複数(ここでは三つ)の一般入賞口2001は、遊技領域5a内の上下方向中央よりも下側で、左右方向中央に対して左側に配置されている。第一始動口2002は、遊技領域5a内の左右方向中央で最下端にあるアウト口1008の直上に配置されている。普通入賞口2003は、遊技領域5a内の右端付近で、上下方向の中央に対して下寄りに配置されている。第二始動口2004は、普通入賞口2003の左下に配置されている。大入賞口2005は、第二始動口2004と第一始動口2002との間で第一始動口2002によりも若干低い高さに配置されている。役物入賞口2006は、普通入賞口2003の上方に配置されている。第一V入賞口2007は、役物入賞口2006と普通入賞口2003との間の高さに配置されている。第二V入賞口2008は、遊技領域5a内の左右方向中央で第一始動口2002の直上に配置されている。
表ユニット2000は、遊技領域5a内の左右方向中央で遊技領域5aの下端の直上に取付けられており第一始動口2002を有している始動口ユニット2100と、始動口ユニット2100の正面視左方で内レール1002に沿うように取付けられており三つの一般入賞口2001を有しているサイドユニット2200と、サイドユニット2200の正面視左方のやや上側に取付けられているサイド左上ユニット2300と、遊技領域5a内の正面視右下隅となる始動口ユニット2100の正面視右方に取付けられており普通入賞口2003、第二始動口2004、及び大入賞口2005を有しているアタッカユニット2400と、始動口ユニット2100及びサイドユニット2200よりも上方で、遊技領域5a内の正面視略中央やや上寄りに取付けられており役物入賞口2006、第一V入賞口2007及び第二V入賞口2008を有している枠状のセンター役物2500と、を備えている。
[5−8a.始動口ユニット]
表ユニット2000の始動口ユニット2100は、遊技領域5a内において、左右方向中央の下端部付近でアウト口1008の直上に配置されており、遊技パネル1100に前方から取付けられている。始動口ユニット2100は、遊技球Bが一つのみ受入可能な幅で上方へ向かって常時開口している第一始動口2002を有している。
始動口ユニット2100は、遊技パネル1100に取付けることで、第一始動口2002が、遊技パネル1100の前面よりも前方に突出した上で、上方へ開放された状態となり、センター役物2500のステージ2503の中央の直下に位置する。従って、ステージ2503の中央放出部2503aから下方へ遊技球Bが放出されると、極めて高い確率で第一始動口2002に受け入れられる。
始動口ユニット2100は、遊技パネル1100に取付けた状態で、第一始動口2002に受け入れられた遊技球Bを遊技パネル1100の後方へ誘導し、裏ユニット3000における導光板演出ユニット3100の裏下球排出ユニット3120に受け渡すことができる。
[5−8b.サイドユニット]
表ユニット2000のサイドユニット2200は、遊技領域5a内において、始動口ユニット2100の左方で内レール1002に沿うように延びており、遊技パネル1100に前方から取付けられている。サイドユニット2200は、遊技球Bを常時受入可能に開口している三つの一般入賞口2001を備えている。サイドユニット2200の三つの一般入賞口2001は、内レール1002に沿うように円弧状に列設されている。右側の二つの一般入賞口2001は上方へ向けて開口しており、左側の一般入賞口2001は左上へ向けて開口している。
サイドユニット2200は、遊技盤5に組立てた状態で、三つの一般入賞口2001が遊技パネル1100の前面よりも前方に突出している。このサイドユニット2200は、一般入賞口2001に受け入れられた遊技球を、遊技パネル1100の後方に誘導し、裏ユニット3000における導光板演出ユニット3100の裏下球排出ユニット3120に受け渡すことができる。
[5−8c.サイド左上ユニット]
表ユニット2000のサイド左上ユニット2300は、遊技領域5a内において、サイドユニット2200の左方で内レール1002に接するように、遊技パネル1100に前方から取付けられている。サイド左上ユニット2300は、右方へ低くなるように傾斜した棚部2301を有している。
サイド左上ユニット2300は、遊技盤5に組立てた状態で、棚部2301が遊技パネル1100の前面よりも前方へ突出している。サイド左上ユニット2300は、センター役物2500の左側を流下してきた遊技球Bを、棚部2301により、センター役物2500の下方となる右方側へ誘導することができる。
[5−8d.アタッカユニット]
表ユニット2000のアタッカユニット2400は、遊技領域5a内において、正面視右下隅となる始動口ユニット2100の正面視右方に配置されており、遊技パネル1100の前面に前方から取付けられている。このアタッカユニット2400は、普通入賞口2003、第二始動口2004、及び大入賞口2005を備えている(図120等を参照)。
アタッカユニット2400は、正面視における外形形状が、右方へ向かうほど下辺からの高さが高くなる三角形状に形成されている。このアタッカユニット2400では、普通入賞口2003が右上隅において上方へ向かって常時開口している。第二始動口2004は、普通入賞口2003から遊技球B一つ分よりも大きく間隔をあけた左下に設けられており、前方へ向かって常時開口している。大入賞口2005は、第二始動口2004の左下の下端付近に設けられており、前方へ向かって開閉可能に開口可能としている。
アタッカユニット2400は、普通入賞口2003が遊技球Bよりも若干大きい大きさで開口している。また、アタッカユニット2400は、第二始動口2004が遊技球よりも若干大きい大きさで開口していると共に、大入賞口2005が左右方向へ遊技球の外径の約3倍〜6倍の幅で開口している。
アタッカユニット2400は、普通入賞口2003に受け入れられた遊技球Bを検知する普通入賞口センサ2401と、第二始動口2004に受け入れられた遊技球Bを検知する第二始動口センサ2402と、大入賞口2005に受け入れられた遊技球Bを検知する大入賞口センサ2403と、不正な磁気を検知する磁気センサ2010と、を備えている(図137等を参照)。
アタッカユニット2400は、第二始動口2004へ遊技球Bを誘導可能な第二始動口扉2411と、第二始動口扉2411を普通入賞口2003への遊技球Bの受け入れにより抽選される普通抽選結果に応じて開閉させる始動口ソレノイド2412と、大入賞口2005を開閉可能な大入賞口扉2413と、大入賞口扉2413を第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球Bの受け入れにより抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて開閉させるアタッカソレノイド2414と、を備えている。
アタッカユニット2400は、図120、図121、及び図124等に示すように、普通入賞口2003の左下で第二始動口2004の上方に設けられており、左方へ向かって低くなるように傾斜している第二始動口上誘導棚2421と、第二始動口上誘導棚2421の左方に設けられており上下に延びている第二始動口左立壁部2422と、第二始動口上誘導棚2421の右端から下方へ延びている第二始動口右立壁部2423と、第二始動口上誘導棚2421及び第二始動口左立壁部2422の下方で大入賞口2005よりも右方に設けられており、左方へ向かって低くなるように傾斜している大入賞口誘導棚2424と、を備えている。
第二始動口上誘導棚2421は、第二始動口2004の右端よりも右側の部位から、第二始動口2004の左端を越えて、左右方向における第二始動口2004と大入賞口2005との中央付近まで左方へ延びている。この第二始動口上誘導棚2421により、第二始動口2004への上方からの遊技球Bの受け入れが阻止されている。
第二始動口左立壁部2422は、第二始動口上誘導棚2421から左方へ、遊技球Bが一つ通過可能な間隔をあけて設けられている。第二始動口左立壁部2422は、第二始動口上誘導棚2421よりも高い位置から、第二始動口上誘導棚2421よりも低く第二始動口2004の下端よりも高い位置まで垂直に上下に延びている。第二始動口左立壁部2422は、上端が右方へ屈曲されている。
第二始動口右立壁部2423は、第二始動口上誘導棚2421の右端から下方へ、第二始動口2004の下端と略同じ高さまで垂直に延びている。この第二始動口右立壁部2423により、第二始動口2004への右方からの遊技球Bの受け入れが阻止されている。
大入賞口誘導棚2424は、第二始動口2004の下端よりも若干低い高さで、第二始動口2004の左端よりも左寄りの部位から、第二始動口2004の下端から遊技球B一つ分下方の高さで、左右方向が第二始動口左立壁部2422よりも左方で大入賞口2005の右端と略同じ部位まで、左端側が低くなるように左右方向に延びている。大入賞口誘導棚2424は、図示するように、右端側が、上方へ立上るように湾曲しており、右方へ向かうほど傾斜角度がきつくなっている。
また、アタッカユニット2400は、普通入賞口2003の右側において、左方へ向かって開口しており、遊技球Bを大入賞口誘導棚2424の下方で大入賞口2005よりも低い位置へ誘導するアタッカ右通路2430を、備えている。
アタッカ右通路2430は、普通入賞口2003の右側の上方において上下に長く左方に向けて開口している第一開口部2431と、普通入賞口2003と第二始動口上誘導棚2421との間で左上方へ向けて開口している第二開口部2432と、第二始動口2004の下側で上方に向けて開口している第三開口部2433と、大入賞口誘導棚2424の下方における大入賞口2005の右方で上下に長く左方に向けて開口している第四開口部2434と、第四開口部2434の下端と連通しており左方に向けて開口している放出口部2435と、を有している。アタッカ右通路2430は、第一開口部2431、第二開口部2432、第三開口部2433、及び第四開口部2434から、遊技球Bが内部に進入可能とされていると共に、放出口部2435からのみ遊技球Bを外部へ放出可能とされている。
アタッカ右通路2430は、左方側が下がった複数段の階段状に形成されている。詳述すると、アタッカ右通路2430は、普通入賞口2003の右側における普通入賞口2003よりも上方の部位から下方へ延びて、普通入賞口2003よりも下側の高さの部位で、左方へ屈曲して普通入賞口2003の下側へ回り込み、普通入賞口2003の下側で、第二始動口右立壁部2423を左側の壁の一部として下方へ屈曲した後に、大入賞口誘導棚2424よりも下側の高さの部位で、再び左方へ屈曲して大入賞口誘導棚2424の中央より右側の部位の下側において下方へ屈曲してアタッカユニット2400の下端まで延びている。
アタッカ右通路2430は、上下に延びている部位の前側と後側の内壁に、通路内に突出し左右に延びた複数の突条2436が、上下方向へ間隔をあけて設けられている。複数の突条2436は、前側と後側とでは、高さが互い違いとなるように設けられている。これら複数の突条2436は、遊技球Bが当接することで、遊技球Bの下方への速度の増加を抑制させながら、ジグザグ状に下方へ誘導することができる。
アタッカ右通路2430は、大入賞口2005の右方となり上下に長く第四開口部2434が開口している部位に設けられている複数の突条2436には、第四開口部2434側の端部から更に通路内に突出している突起部2437を有している(図124等を参照)。この突起部2437の存在により、アタッカ右通路2430内の遊技球Bを、第四開口部2434から外部(左方)へ放出されることを防止することができると共に、第四開口部2434を通って外部からアタッカ右通路2430内へ遊技球Bを進入させることができる。従って、アタッカ右通路2430に進入した遊技球Bは、普通入賞口2003、第二始動口2004、及び大入賞口2005に受け入れられる機会もなく、アタッカユニット2400から遊技領域5a内に放出される。
また、アタッカ右通路2430は、大入賞口2005の右方を通る部位に、第四開口部2434を上下に長く開口させているため、大入賞口誘導棚2424から左方へ放出された遊技球Bが、大入賞口2005の上方に植設されている複数の障害釘Nに当接して、大入賞口2005の上方へ大入賞口2005よりも右方へ流れた遊技球Bを、第四開口部2434により受けてアタッカ右通路2430内へ進入させることができる。そして、上述したように、アタッカ右通路2430内に進入した遊技球Bは、下端の放出口部2435からしか外部へ放出されないため、大入賞口2005の上方において障害釘Nにより右方へ誘導された遊技球Bがアタッカ右通路2430の存在により大入賞口2005側へ跳ね返ることはない。
従って、大入賞口2005が開状態の時に、大入賞口誘導棚2424から放出された遊技球Bが、障害釘Nによって大入賞口2005よりも右方へ誘導された場合、アタッカ右通路2430に進入して大入賞口2005に受け入れられることはない。このようなことから、大入賞口2005に隣接して遊技球Bの通路(ここでは、アタッカ右通路2430)を設けても、当該通路の壁(第四開口部2434)で大入賞口2005側へ跳ね返って大入賞口2005に受け入れられることはなく、大入賞口2005への過度の遊技球Bの受け入れを抑制しつつ、大入賞口2005に隣接して遊技球Bの通路を設けることができ、これまでのパチンコ機では見られなかった通路を有するパチンコ機1とすることができる。
第二始動口扉2411は、第二始動口2004の下側から第二始動口左立壁部2422付近まで左右に延びた板状で、始動口ソレノイド2412により前後に進退するものである。第二始動口扉2411は、左端側から右方の第二始動口2004側へ向かって低くなるように傾斜していると共に、第二始動口2004の部位では後方へ向かって低くなるように傾斜している。この第二始動口扉2411は、通常の状態(閉状態)では、後退している。そのため、第二始動口上誘導棚2421と第二始動口左立壁部2422との間に進入した遊技球Bは、第二始動口扉2411に当接することなく、大入賞口誘導棚2424上へ落下するため、第二始動口2004に進入する(受け入れられる)ことはない。
一方、普通当りの状態(開状態)では、第二始動口扉2411は前進しているため、第二始動口上誘導棚2421と第二始動口左立壁部2422との間に進入した遊技球Bが、第二始動口扉2411に当接し、第二始動口扉2411により第二始動口2004側へ誘導されて、第二始動口2004に進入する(受け入れられる)こととなる。このように、第二始動口扉2411の進退により、第二始動口2004が開閉することとなる。第二始動口扉2411は、始動口ソレノイド2412がOFF(非通電時)の時は第二始動口2004を閉鎖し、始動口ソレノイドがON(通電時)の時は第二始動口2004を開放させる。
大入賞口扉2413は、左右に長い長方形で、一方側の長辺を軸芯として左右方向の軸周りに回動可能に取付けられている。大入賞口扉2413は、アタッカソレノイド2414により、短辺を直立させた状態とすることで、前方へ向かって開口している大入賞口2005を閉鎖することができ、他方の長辺側が前方へ移動するように回動させることで、大入賞口2005を開放することができ、遊技球Bを受け入れることができる。この大入賞口扉2413は、アタッカソレノイド2414がOFF(非通電時)の時は大入賞口2005を閉鎖し、アタッカソレノイド2414がON(通電時)の時は大入賞口2005を開放させる。
アタッカユニット2400では、普通入賞口2003に受け入れられた遊技球Bを、遊技パネル1100の後側において、普通入賞口センサ2401により検知した後に、下方の基板ホルダ1200上に排出する。また、第二始動口2004に受け入れられた遊技球Bは、遊技パネル1100の後側において、第二始動口センサ2402により検知さけた後に、下方の基板ホルダ1200上に排出される。更に、大入賞口2005に受け入れられた遊技球Bは、遊技パネル1100の後側において、大入賞口センサ2403により検知さけた後に、下方の基板ホルダ1200上に排出される。
このアタッカユニット2400は、遊技パネル1100の前面に取付けた状態で、普通入賞口2003が、後述するセンター役物2500における右上側の案内通路群2520の二つの出口の下方でセンター役物2500のステージ2503によりも上方の高さに位置しており、第二始動口2004が普通入賞口2003の左下でセンター役物2500のステージ2503との間の高さに位置していると共に、大入賞口2005が始動口ユニット2100の第一始動口2002よりも下方に位置している。また、遊技パネル1100に取付けた状態では、普通入賞口2003、第二始動口2004(第二始動口上誘導棚2421)、及び大入賞口2005の上方の部位には、複数の障害釘Nが植設されている。
[5−8e.センター役物]
表ユニット2000のセンター役物2500は、遊技領域5a内において、始動口ユニット2100よりも上方で、正面視略中央やや上寄りに配置されており、遊技パネル1100の前面に取付けられている。センター役物2500は、枠状に形成されており、枠内を通して遊技パネル1100の後方に配置された演出表示装置1600や裏ユニット3000に備えられている各種演出ユニット等を前方から視認することができる。
枠状のセンター役物2500は、下辺を除いた全周が、遊技パネル1100の前面よりも前方へ突出しており、遊技領域5a内に打込まれた遊技球Bが、枠内に侵入できないようになっている。
センター役物2500は、正面視左側の外周面に、遊技領域5a内の遊技球Bが進入可能に開口しているワープ入口2501と、ワープ入口2501に進入した遊技球Bを放出可能とされ枠内に開口しているワープ出口2502と、ワープ出口2502から放出された遊技球Bを左右方向に転動させた後に遊技領域5a内へ放出可能なステージ2503と、を備えている(図117等を参照)。
センター役物2500のステージ2503は、左右方向の中央側が窪んだ湾曲状で、始動口ユニット2100の第一始動口2002の直上と対応した位置、つまり、センター役物2500を遊技パネル1100に取付けた状態で左右方向の略中央の位置が、その左右両側よりも若干高くなるような波状(W字状)に形成されている。このステージ2503は、左右方向中央の左右両側よりも若干高くなっている部位(中央放出部2503a)と、その左右両側の最も低くなっている部位(サイド放出部2503b)とが、前方へ向かって低くなるように傾斜しており、それらの部位から遊技球Bを遊技領域5a内へ放出させることができる。
センター役物2500は、遊技盤5に組立てた状態で、ステージ2503の左右方向中央の高くなっている部位(中央放出部2503a)が、始動口ユニット2100の第一始動口2002の直上に位置している。これにより、ステージ2503の中央の中央放出部2503aから遊技球Bが放出されると、極めて高い確率で第一始動口2002に受け入れられる。
また、センター役物2500は、上側の外周面の一部を構成しており、左右方向の中央よりも左寄りの位置から右方へ向かって低くなるように傾斜している上右周壁部2510と、右上隅に設けられており遊技球Bが流通可能な二つの通路からなる案内通路群2520と、を備えている。上右周壁部2510は、遊技盤5に組立てた状態で、前構成部材1000の外レール1001との間に遊技球Bが流通可能な所定広さの上流空間部2505を形成するものである。案内通路群2520は、アタッカユニット2400の上方へ遊技球Bを案内するものである。
また、センター役物2500は、案内通路群2520の一つの通路の途中に設けられており、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球Bが受け入れられることで抽選される第一特別抽選結果及び第二特別抽選結果に応じて遊技球Bが受入可能となる役物入賞口2006と、役物入賞口2006に受け入れられた遊技球BをV入賞側及びハズレ側の何れかに振分ける第一振分装置2530と、第一振分装置2530によりV入賞側に振分けられた遊技球Bを第一V入賞口2007及び第二V入賞口側の何れかに振分ける第二振分装置2540と、第二振分装置2540により第二V入賞口側に振分けられた遊技球Bを第二V入賞口2008及びハズレ側の何れかに振分ける第三振分装置2550と、を備えている。
また、センター役物2500は、役物入賞口2006を開閉可能な役物入賞口扉2511と、役物入賞口扉2511を第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球Bの受け入れにより抽選された第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて開閉させる役物入賞口ソレノイド2512と、役物入賞口2006に受け入れられた遊技球Bを検知する役物入賞口センサ2513と、第一ハズレ口2535に受け入れられた遊技球Bを検知する第一ハズレ口センサ2515と、第二振分装置2540により振分けられて第一V入賞口2007に受け入れられた遊技球Bを検知する第一V入賞口センサ2514と、を備えている。
案内通路群2520は、図120及び図121等に示すように、センター役物2500の枠外に設けられており、上部の入口が衝止部1006の部位に設けられている第一案内通路2521と、上部の入口が第一案内通路2521の入口の左側に隣接して設けられている第二案内通路2522と、から構成されている。案内通路群2520(第一案内通路2521及び第二案内通路2522)は、何れも無色透明な部材により形成されており、内部を流通する遊技球Bを、前方から視認することができる。
第一案内通路2521は、前構成部材1000の衝止部1006から垂直に短く下方へ延びた後に右方へ直角に屈曲し、右レール1005に突き当ると、下方へ屈曲して右レール1005に沿って延び、遊技領域5aの高さの下から3/4の高さ付近で左方へ屈曲して、緩い角度で低くなるように左方へ延び、第二案内通路2522の入口よりも遊技球B一つ分左側の位置で下方へ屈曲して遊技領域5aの中央の高さまで延びた上で、右方へ屈曲して右レール1005付近まで延び、その後下方へ屈曲して出口が下方へ向かって開口した形状に形成されている。第一案内通路2521は、前後方向へは屈曲しておらず、遊技パネル1100の前面と略同一面上で遊技球Bを下方へ案内している。
役物入賞口2006は、第一案内通路2521における左方へ延びている部位に設けられており、当該部位の左右方向の略全長に亘って左右に延びていると共に、上方へ向かって開口している。役物入賞口扉2511は、前後に延びていると共に、左端が低くなるように左右に延びた板状に形成されており、前後に進退することで上方へ開口している役物入賞口2006を開閉可能としている。役物入賞口扉2511は、前進することで役物入賞口2006を閉鎖することができ、役物入賞口2006を閉鎖している状態では、第一案内通路2521における左方へ延びている部位の底面を形成して、上流側から流通してきた遊技球Bを、第一案内通路2521の出口側へ誘導することができる。
役物入賞口扉2511は、役物入賞口ソレノイド2512の駆動によって後退することで役物入賞口2006を開放して、第一案内通路2521を流通してきた遊技球Bを、役物入賞口2006に受け入れさせることができる。この役物入賞口扉2511は、役物入賞口ソレノイド2512がOFF(非通電時)の時は役物入賞口2006を閉鎖し、役物入賞口ソレノイド2512がON(通電時)の時は役物入賞口2006を開放させる。
第二案内通路2522は、上右周壁部2510の右端側において、第一案内通路2521の入口から左方へ間隔をあけた部位に、上方へ向かって入口が開口している。第二案内通路2522は、上端の入口から略真直ぐに下方へ延び、第一案内通路2521が最初に右方へ屈曲する部位の高さよりも低い高さの位置で後方へ屈曲した上で、遊技パネル1100の前面よりも後側で下方へ屈曲して第一案内通路2521と前後方向に並んだ状態で、第一案内通路2521における役物入賞口2006よりも左側の下方へ延びている部位と左右方向が略一致するように下方へ延び、遊技領域5aの中央の高さの部位でクランク状に右方へ屈曲した上で下方へ屈曲し、そして、第一案内通路2521における下側の右方へ延びている部位よりも下方の部位で前方へ屈曲した後に、第一案内通路2521と前後方向が同一面となった状態で、第一案内通路2521における下側の右方へ延びている部位の下側に沿って延びるように右方へ屈曲し、その後、第一案内通路2521の出口の左側に隣接するように下方へ屈曲して、出口が下方へ向かって開口した形状に形成されている。
第一案内通路2521及び第二案内通路2522は、第一案内通路2521における役物入賞口2006よりも左側で上下に延びている部位に、互いに前後方向に並ぶことにより前方から重なって見える重見部2520aを有している。この重見部2520aでは、第一案内通路2521を流通している遊技球Bと、第二案内通路2522を流通している遊技球Bの何れも、前方から良好に視認することができるため、遊技者に対して、重見部2520aを流通している遊技球Bが、何れの通路を流通しているのかを判別し辛くすることができる。
案内通路群2520は、第一案内通路2521と第二案内通路2522とが、重見部2520aの上側において、上下方向の軸周りに90度ひねられており、重見部2520aの下側において、上下方向の軸周りに上側とは反対方向に90度ひねられている。第一案内通路2521及び第二案内通路2522の夫々の出口は、アタッカユニット2400における普通入賞口2003の上方で、下方へ向かって開口している。
第一案内通路2521及び第二案内通路2522は、夫々遊技球Bの流通方向へ間隔をあけて複数の突起2520bが設けられており、遊技球Bが突起2520bに当接することで、その流通速度の増加を抑制させることができる(図112を参照)。
第一振分装置2530は、役物入賞口2006と第一案内通路2521における下側の右方へ延びている部位との間の高さに設けられていると共に、第一案内通路2521(遊技パネル1100の前面)よりも後方に設けられている。
第一振分装置2530は、遊技球Bを一つのみ収容可能な収容部2531aを外周面に有し、前後方向の軸周りに回動可能な振分回転体2531と、振分回転体2531の収容部2531aが右方を向いている状態と上方を向いている状態との間で振分回転体2531を回動させるための第一振分ソレノイド2532(図137等を参照)と、振分回転体2531の外周を覆っている円筒状の周壁部2533と、役物入賞口2006に受け入れられた遊技球Bを、周壁部2533における振分回転体2531の上側の部位を貫通して振分回転体2531の上側の外周面へ誘導する第一振分誘導路2534と、第一振分誘導路2534の下部において後方へ向かって開口しており、振分回転体2531の収容部2531aに収容されなかった遊技球Bが進入する第一ハズレ口2535と、振分回転体2531の収容部2531aに収容された球技球Bが流通し、周壁部2533における振分回転体2531の右側の部位を貫通して右方へ延びている第一アタリ通路2536と、を備えている。
振分回転体2531は、外周面が後方へ窄まった円錐台状に形成されている。第一アタリ通路2536は、右端側が、後方へ屈曲した後に下方へ屈曲して第二振分装置2540側に連通している。
第一振分装置2530は、第一振分ソレノイド2532がOFF(非通電)の状態では、振分回転体2531の収容部2531aが右方を向いている。この状態で、役物入賞口2006に受け入れられた遊技球Bが、第一振分誘導路2534を通って振分回転体2531の外周面の上部に当接すると、振分回転体2531の外周面が、後方へ窄まった円錐台状に形成されているため、外周面の傾斜により遊技球が後方へ誘導され、第一ハズレ口2535へ進入することとなる。
一方、第一振分ソレノイド2532がON(通電)の状態では、振分回転体2531が反時計回りの方向へ回動して、収容部2531aが上方を向いている(図122(a)を参照)。この状態で、役物入賞口2006に受け入れられた遊技球Bが、第一振分誘導路2534を通ると、収容部2531aに一つのみ収容される。振分回転体2531の収容部2531aに遊技球Bが収容されている状態で、役物入賞口2006側から更に遊技球Bが第一振分誘導路2534により誘導されてくると、当該遊技球Bが収容部2531aに収容されている遊技球Bに当接した後に、後方の第一ハズレ口2535に進入することとなる。第一ハズレ口2535に進入した遊技球Bは、裏ユニット3000における導光板演出ユニット3100の裏右球排出ユニット3130に受け渡され、裏右球排出ユニット3130に設けられている第一ハズレ口センサ2515により検知された後に、基板ホルダ1200上に排出される。
収容部2531aに遊技球Bが収容されている状態で、第一振分ソレノイド2532により振分回転体2531が時計回りの方向へ回動して、収容部2531aが右方を向くと、収容部2531aに収容されている遊技球Bが、収容部2531aから右方の第一アタリ通路2536側へ転動し、第一アタリ通路2536を流通することとなる。第一アタリ通路2536を流通した遊技球Bは、次の第二振分装置2540へ送られる。
このように、第一振分装置2530では、役物入賞口2006に受け入れられた遊技球Bを、第二振分装置2540側、又は、第一ハズレ口2535側の何れかに振分けることができる。
第二振分装置2540は、図117及び図120等に示すように、第一振分装置2530よりも下方で、案内通路群2520の出口付近の後方に設けられている。第二振分装置2540は、第一振分装置2530の第一振分誘導路2534及び第一アタリ通路2536等よりも後方に設けられている。
第二振分装置2540は、図122に示すように、第一振分装置2530において振分回転体2531の収容部2531aに収容されて第一アタリ通路2536側に振分けられた遊技球Bが流通する上下に延びた第二振分誘導路2541と、第二振分誘導路2541の下部の右側面で開口している第一V入賞口2007と、第一V入賞口2007から右方へ延びた後に下方へ延びている第一V入賞通路2542と、第一V入賞通路2542内に設けられており、第一V入賞口2007に受入らた遊技球Bを検知する第一V入賞口センサ2514と、を備えている。
また、第二振分装置2540は、第二振分誘導路2541の下端において上方へ向かって開口している第二ハズレ口2543と、第二ハズレ口2543の上側に設けられており、第二ハズレ口2543を開閉可能な振分扉2544と、振分扉2544を進退させて第二ハズレ口2543を開閉させるための第二振分ソレノイド2545と、第二ハズレ口2543から左方へ延びた後に下方へ屈曲している第二ハズレ通路2546と、を備えている。振分扉2544は、前後に進退する平板状で、右側が低くなるように傾斜している。
第二振分装置2540は、第二振分ソレノイド2545がOFF(非通電)の状態では、振分扉2544が後退しており、第二ハズレ口2543が上方へ向かって開放されている。この状態で、第一振分装置2530側からの遊技球Bが、第二振分誘導路2541を流下してくると、第二ハズレ口2543に進入し、第二ハズレ通路2546を通って第三振分装置2550側へ送られる。
一方、第二振分ソレノイド2545がON(通電)の状態では、振分扉2544が第二ハズレ口2543の上方で前進しており、振分扉2544により第二ハズレ口2543が閉鎖されて遊技球Bの受入が不能となっている。この状態で、第一振分装置2530側からの遊技球Bが、第二振分誘導路2541を流下してくると、振分扉2544の上面に当接した上で、振分扉2544の傾斜により右方に誘導されて、第一V入賞口2007に進入する(受け入れられる)こととなる。そして、第一V入賞口2007に進入した遊技球Bは、第一V入賞通路2542を流通して第一V入賞口センサ2514により検知された上で、裏ユニット3000における導光板演出ユニット3100の裏右球排出ユニット3130を介して基板ホルダ1200上に排出される。
第一振分装置2530からの球技球Bが、第一V入賞口2007に受け入れられて第一V入賞口センサ2514により検知されると、アタッカユニット2400の大入賞口2005が所定の開閉パターンで開閉する「大当り遊技」が実行される。この第二振分装置2540は、透明な案内通路群2520を通して前方から視認することができる。
このように、第二振分装置2540では、第一振分装置2530において振分回転体2531の収容部2531aに収容された遊技球Bを、第一V入賞口2007、又は、第二ハズレ口2543(第三振分装置2550)側の何れかに振分けることができる。
第三振分装置2550は、図120及び図122等に示すように、センター役物2500の枠内におけるステージ2503の上方に設けられている。第三振分装置2550は、第二振分装置2540の第二ハズレ通路2546の下端と連通しており、遊技球Bを左方へ誘導するクランク状の第三振分誘導路2551と、第三振分誘導路2551の途中に設けられており、内部を流通している遊技球Bを検知する第三振分検知センサ2552と、センター役物2500の枠内でステージ2503の上方に設けられており、下方へ窪んだ容器状で第三振分誘導路2551により誘導された遊技球Bが供給されるクルーン2553と、を備えている。
また、第三振分装置2550は、クルーンの上面の平面視中央において上下方向の軸周りに回転可能に設けられている振分回転羽根2554と、クルーン2553の下方に設けられており振分回転羽根2554を回転させる第三振分駆動モータ2555(図115を参照)と、クルーン2553の周壁の前端において開口している第二V入賞口2008と、クルーン2553の周壁における第二V入賞口2008の左右両側で開口している第三ハズレ口2556と、第二V入賞口2008及び第三ハズレ口2556に受入られた遊技球Bを、夫々区別して下方へ誘導する第三振分球排出通路2557と、を備えている。
更に、第三振分装置2550は、図示は省略するが、クルーン2553よりも下側において振分回転羽根2554と一体回転する平歯車状の回転ギアと、回転ギアと噛合している平歯車状の従動ギアと、従動ギアの下面の周縁付近から下方へ突出している平板状の検知片と、検知片を検知する第三振分回転検知センサと、を備えている。
第三振分誘導路2551は、第二ハズレ通路2546の下端の直下から短く下方へ延びた後に、左方へ屈曲してクルーン2553の右端付近まで延びた上で、クルーン2553内へ向かって下方へ屈曲した、クランク状に形成されている。この第三振分誘導路2551は、平面視において、クルーン2553内の右前隅に遊技球Bを放出するように形成されている。第三振分検知センサ2552は、第三振分誘導路2551の入口に設けられている。
クルーン2553は、中央が最も低い、横長の楕円形の皿状に形成されている。振分回転羽根2554は、回転軸に対して直角に突出している一対の突片2554a(図108等を参照)と、上部に設けられており、球体から複数の突起が突出した金平糖状の装飾部2554bと、を有している。この振分回転羽根2554は、第三振分駆動モータ2555により、一定の方向へ常時回転しており、第三振分回転検知センサにより振分回転羽根2554が回転しているか否かを監視している。振分回転羽根2554が回転している状態で、クルーン2553内の遊技球Bが突片2554aに当接すると、遊技球Bをクルーン2553の周壁側へ弾くことができる。第二V入賞口2008の左右両側に設けられている第三ハズレ口2556は、夫々第二V入賞口2008と同じ大きさに形成されている。
第三振分装置2550は、第三振分駆動モータ2555によりクルーン2553中央の振分回転羽根2554が常時回転している。そして、第二振分装置2540により遊技球Bが第二ハズレ口2543に振分けられると、第二ハズレ通路2546から第三振分誘導路2551を通ってクルーン2553に供給される。その際に、第三振分検知センサ2552によりクルーン2553に供給される遊技球Bが検知される。この第三振分検知センサ2552による遊技球Bの検知に基いて、クルーン2553による遊技球Bの振分けに対応した演出が実行される。
第三振分誘導路2551からクルーン2553に供給された遊技球Bは、旋回半径を狭めながらクルーン2553内を旋回(周回)し、振分回転羽根2554の突片2554aに当接すると、クルーン2553の周壁側へ弾かれる。そして、遊技球Bが振分回転羽根2554により前方へ弾かれると、第二V入賞口2008及び二つの第三ハズレ口2556の何れかに進入する(受け入れられる)こととなる。この第三振分装置2550では、1/3の確率で第二V入賞口2008へ遊技球Bが振分けられる。
第二V入賞口2008に進入した遊技球Bは、第三振分球排出通路2557を介して裏ユニット3000における導光板演出ユニット3100の裏下球排出ユニット3120に受け渡され、裏下球排出ユニット3120に設けられている第二V入賞口センサ3003により検知された後に、基板ホルダ1200上に排出される。一方、第三ハズレ口2556に受け入れられた遊技球Bは、第三振分球排出通路2557を介して裏ユニット3000における導光板演出ユニット3100の裏下球排出ユニット3120に受け渡され、裏下球排出ユニット3120に設けられている第三ハズレ口センサ3004により検知された後に、基板ホルダ1200上に排出される。
このように、第三振分装置2550では、第二振分装置2540により第二ハズレ口2543に振分けられた遊技球Bを、第二V入賞口2008、又は、第三ハズレ口2556の何れかに振分けることができる。
[5−8f.遊技領域内での遊技球の流れ]
次に、遊技領域5a内での遊技球Bの流れについて、主に図117、図120乃至図124等を参照して詳細に説明する。遊技盤5に組立てた状態では、センター役物2500が遊技領域5aの中央に対して右上寄りに設けられている。遊技領域5a内において、センター役物2500よりも左側の部位と下側の部位、及びアタッカユニット2400とセンター役物2500との間の部位に、複数の障害釘Nが所定のゲージ配列で植設されている。また、センター役物2500の左側でサイド左上ユニット2300の上方に、遊技球Bの当接により回転する風車Wが設けられている。
センター役物2500の左側に植設されている複数の障害釘Nは、センター役物2500の左側に打込まれた遊技球Bを、センター役物2500のワープ入口2501、風車Wの中心よりも右側の部位、へ主に進入するように調整されていると共に、それらより低い確率で、風車Wの中心よりも左側の部位へ進入するように調整されている。
センター役物2500における案内通路群2520の下端とアタッカユニット2400の普通入賞口2003との間に植設されている複数の障害釘Nは、案内通路群2520の第一案内通路2521を流通した遊技球Bが、アタッカ右通路2430の第一開口部2431、普通入賞口2003、普通入賞口2003の左側、の何れにも同じような確率で進入するように調整されていると共に、第二案内通路2522を流通した遊技球Bが、普通入賞口2003及び普通入賞口2003の左側へ、アタッカ右通路2430の第一開口部2431よりも高い確率で進入するように調整されている。
遊技領域5a内には、遊技球Bが、外レール1001と内レール1002とに案内されて左側から遊技領域5aの周縁に沿って上部に打込まれる。遊技領域5a内に対してセンター役物2500の左側を流通するように遊技球Bを打込んだ場合、図117に示すように、センター役物2500の左側に植設されている複数の障害釘Nにより、センター役物2500のワープ入口2501、又は、風車Wの中心よりも右側の部位、の何れかに進入するように誘導され、それらよりも低い確率で風車Wの中心よりも左側の部位に進入するように誘導される。
風車Wの中心よりも左側の部位に誘導された遊技球Bは、サイド左上ユニット2300の棚部2301により、右方へ誘導されてサイドユニット2200へ流下する。そして、サイドユニット2200に設けられている三つの一般入賞口2001に受け入れられる可能性がある。一般入賞口2001に受け入れられた遊技球Bは、遊技パネル1100の後方へ誘導された後に、裏ユニット3000における導光板演出ユニット3100の裏下球排出ユニット3120に受け渡されて、一般入賞口センサ3001により検知された上で基板ホルダ1200上に排出される。一般入賞口センサ3001により遊技球Bが検知されると、所定数の遊技球Bが払出される特典が付与される。風車Wの中心よりも左側の部位へ誘導された遊技球Bは、第一始動口2002に受け入れられることは殆んどない。そして、一般入賞口2001に受け入れられなかった遊技球Bは、アウト口1008から遊技領域5a外へ排出される。
風車Wの中心よりも右側に誘導された遊技球Bは、センター役物2500の下辺に沿って斜めに列設されている複数の障害釘Nにより、左右方向の中央(第一始動口2002)側へ誘導され、第一始動口2002に受け入れられる可能性がある。また、風車Wの中心よりも右側に誘導された遊技球Bは、斜めに列設されている複数の障害釘Nの間を通って、サイドユニット2200上へ流下することがあり、サイドユニット2200の一般入賞口2001に受け入れられる可能性がある。
センター役物2500のワープ入口2501に進入した(受け入れられた)遊技球Bは、ワープ出口2502からステージ2503に供給される。ステージ2503に供給された遊技球Bは、ステージ2503上を転動して左右に行ったり来たりして、左右方向中央部分から前方へ放出される。ステージ2503の中央の中央放出部2503aから遊技球Bが遊技領域5a内に放出されると、その中央放出部2503aが第一始動口2002の直上に位置していることから、高い確率で第一始動口2002に受け入れられる。中央放出部2503aの左右両側のサイド放出部2503bから遊技球Bが放出されると、或る程度の確率で第一始動口2002に受け入れられる。
第一始動口2002に受け入れられた遊技球Bは、遊技パネル1100の後方へ誘導された後に、裏ユニット3000における導光板演出ユニット3100の裏下球排出ユニット3120に受け渡されて、第一始動口センサ3002により検知された上で基板ホルダ1200上に排出される。第一始動口センサ3002により遊技球Bが検知されると、第一特別抽選結果の抽選が行われると共に所定数の遊技球Bが払出される等の特典が付与される。ステージ2503から放出されて第一始動口2002に受け入れられなかった遊技球Bは、アウト口1008から遊技領域5a外へ排出される。
なお、遊技領域5a内におけるセンター役物2500の左側に遊技球Bは、普通入賞口2003や第二始動口2004に受け入れられる可能性はないと共に、まれに、開放されている大入賞口2005に受け入れられることがある。
本実施形態の遊技盤5では、センター役物2500の右側へ打込んだ遊技球Bが第二始動口2004に受け入れられる確率に対して、センター役物2500の左側へ打込んだ遊技球Bが第一始動口2002に受け入れられる確率の方が、高く設定されている。
上記に対して、本実施形態の遊技盤5では、センター役物2500の上右周壁部2510の上方(上流空間部2505)に遊技球Bが進入する強さで遊技球Bを打込むと、案内通路群2520の第一案内通路2521又は第二案内通路2522の何れかを遊技球Bが流通する。
具体的に詳述すると、遊技球Bを、遊技領域5aの周縁の一部を構成する外レール1001から内方へ突出している衝止部1006に当接する強さで打込む(所謂、右打ちする)と、衝止部1006に当接した遊技球Bが第一案内通路2521に進入する(図121(a)を参照)。この第一案内通路2521に進入した遊技球Bは、第一案内通路2521の途中の役物入賞口2006を閉鎖している役物入賞口扉2511の上面を転動した上で、案内通路群2520の下端の右側の出口から下方のアタッカユニット2400側へ放出される。
第一案内通路2521の出口から下方へ放出された遊技球Bは、アタッカユニット2400との間に植設されている複数の障害釘Nにより、アタッカ右通路2430の第一開口部2431、普通入賞口2003、及び普通入賞口2003の左側の部位、の何れかに対して、同じような確率で進入するように誘導される。
一方、上流空間部2505に打込まれた遊技球Bが第二案内通路2522の入口に進入して、第二案内通路2522を流通すると、後方へひねられて重見部2520aにおいて第一案内通路2521と前後方向に並んだ後に、前方へひねられて第一案内通路2521の出口の左側の出口から下方のアタッカユニット2400側へ放出される。
第二案内通路2522の出口から下方へ放出された遊技球Bは、アタッカユニット2400との間に植設されている複数の障害釘Nにより、普通入賞口2003又は普通入賞口2003の左側の部位の何れかに進入するように誘導され、まれに、アタッカ右通路2430の第一開口部2431に進入するように誘導される。
そして、普通入賞口2003の右側の第一開口部2431を通ってアタッカ右通路2430に進入した遊技球Bは、大入賞口2005よりも下側となる放出口部2435から右下レール1004上に放出され、アウト口1008から遊技領域5a外へ排出される。また、普通入賞口2003に進入した遊技球Bは、普通入賞口センサ2401により検知されて遊技領域5a外の基板ホルダ1200上に排出される。この普通入賞口センサ2401による遊技球Bの検知により、普通抽選が行われると共に所定数の遊技球Bが払出される等の特典が付与される。
また、普通入賞口2003の左側の部位に進入した遊技球Bは、更に複数の障害釘Nに当接して、第二始動口上誘導棚2421上に流下する。なお、普通入賞口2003の左側の部位に進入した遊技球Bは、まれに普通入賞口2003と第二始動口上誘導棚2421との間の第二開口部2432を通って、アタッカ右通路2430に進入することがある。そして、第二始動口上誘導棚2421上に流下した遊技球Bは、第二始動口上誘導棚2421と第二始動口左立壁部2422との間を通って大入賞口誘導棚2424上へ流下する。
この際に、普通入賞口2003に遊技球Bが受け入れられて普通抽選結果として「普通当り」が抽選されている場合、第二始動口2004が所定のパターンで開状態となるため、第二始動口上誘導棚2421と第二始動口左立壁部2422との間を通った遊技球Bが、第二始動口2004に受け入れられる可能性がある。そして、遊技球Bが第二始動口2004に受け入れられると、第二始動口センサ2402に検知された後に、遊技領域5a外となる基板ホルダ1200上に排出される。第二始動口センサ2402により遊技球Bが検知されると、第二特別抽選結果の抽選が行われると共に所定数の遊技球Bが払出される等の特典が付与される。
第二始動口上誘導棚2421と第二始動口左立壁部2422との間を通って大入賞口誘導棚2424上に流下した遊技球Bは、大入賞口誘導棚2424の左端から大入賞口2005の上方の部位へ放出される。そして、大入賞口誘導棚2424から遊技球Bが放出された際に、第一始動口2002や第二始動口2004に遊技球Bが受け入れられて第一特別抽選結果や第二特別抽選結果として「大当り」が抽選されている場合、或いは、第一V入賞口2007や第二V入賞口2008に遊技球Bが受け入れられた場合、大入賞口2005が所定のパターンで開閉するため、大入賞口誘導棚2424から左方へ放出された遊技球Bが、高い確率で大入賞口2005に受け入れられることとなる。
大入賞口2005に受け入れられた遊技球Bは、大入賞口センサ2403により検知された上で、遊技領域5a外の基板ホルダ1200上に排出される。この大入賞口センサ2403による遊技球Bの検知により、所定数の遊技球Bが払出される特典が付与される。なお、第一案内通路2521及び第二案内通路2522を通ってアタッカユニット2400側に放出された遊技球Bが、普通入賞口2003、第二始動口2004、及び大入賞口2005の何れにも受け入れられなかった場合は、遊技領域5aの下端のアウト口1008から、遊技領域5a外となる遊技パネル1100の後方の下方へ排出される。
なお、上記では、右打ちした場合を説明したが、上右周壁部2510の右端付近で開口している第二案内通路2522の入口を飛び越えるような強さで打込まれた遊技球Bも、第一案内通路2521に進入することとなり、上記と同様の結果となる。
上記のように、案内通路群2520とアタッカユニット2400との間に植設されている複数の障害釘Nにより、第一案内通路2521よりも第二案内通路2522を流通した遊技球Bの方が、普通入賞口2003に受け入れられる可能性が高くなっている。
ところで、第一始動口2002や第二始動口2004に遊技球Bが受け入れられて第一特別抽選結果や第二抽選結果として「小当り」が抽選された場合、第一案内通路2521の途中に設けられている役物入賞口2006が所定のパターンで開閉すると共に、第一振分装置2530の振分回転体2531及び第二振分装置2540の振分扉2544が所定のパターンで動作する。従って、「小当り」が抽選された場合、役物入賞口2006が開閉することから、遊技者に対して、遊技球Bが役物入賞口2006に受け入れられるようにするために、役物入賞口2006が設けられている第一案内通路2521に遊技球Bが流通するように、「右打ち」を行わせることができる。
本実施形態では、「小当り」は、「大当り」よりも抽選される確率が高く、「小当り」として、「第一小当り」、「第二小当り」、「第三小当り」の三つのパターンが設定されており、何れのパターンも役物入賞口2006が大別して2回開閉する。
まず、各「小当り」における役物入賞口2006の開閉について詳述する。図123に示すように、「第一小当り」は、実行開始から一定時間(3000ms)経過した後に、役物入賞口2006が、短い時間(80ms)開状態となり、その後、閉状態となって短い時間(1252ms)経過した後に、再び短い時間(80ms)開状態となった上で閉状態となって完了する。「第二小当り」は、実行開始から一定時間(3000ms)経過した後に、役物入賞口2006が、短い時間(80ms)開状態となり、その後、閉状態となって「第一小当り」よりも長い時間(5420ms)経過した後に、長い時間(9414ms)開状態となった上で閉状態となって完了する。「第三小当り」は、実行開始から一定時間(3000ms)経過した後に、役物入賞口2006が、短い時間(80ms)開状態となり、その後、閉状態となって「第二小当り」よりも長い時間(19366ms)経過した後に、長い時間(9404ms)開状態となった上で閉状態となって完了する。
「第一小当り」における役物入賞口2006の2回目の開状態は、実行開始から「第一小当り」が完了する時間よりも後に開始される。また、「第三小当り」における役物入賞口2006の2回目の開状態は、実行開始から「第二小当り」が完了する時間よりも後に開始される。
なお、図123において、「第二小当り」及び「第三小当り」における2回目の長い時間の開状態では、8回の開状態(80ms)が一定の間隔(1252ms)で繰り返されている。つまり、役物入賞口2006は、「第一小当り」では2回、「第二小当り」及び「第三小当り」では9回、開閉する(開状態となる)。
次に、「小当り」における第一振分装置2530の振分回転体2531の動作は、実行開始と同時に反時計回りに回動して所定時間(3020ms)収容部2531aを上方へ向けた1回目の収容可能状態となり、その後、時計回りに回動して収容部2531aを右方へ向けた収容不能状態となって所定時間(4560ms)経過すると、1回目よりも長い時間(13446ms)2回目の収容可能状態となり、短時間(500ms)収容不能状態となった後に、2回目と同じ時間(13446ms)3回目の収容可能状態となった上で、収容不能状態となる。
この振分回転体2531は、1回目の収容可能状態が、「小当り」における役物入賞口2006の1回目の開状態の途中で終了して収容不能状態となる。また、振分回転体2531は、実行開始から「第一小当り」が完了する時間よりも後に2回目の収容可能状態となる。従って、「第一小当り」の時には、2回目の収容可能状態となる前に、振分回転体2531の制御が終了し、2回目と3回目の収容可能状態は実行されない。この振分回転体2531は、2回目の収容可能状態が、「第二小当り」における役物入賞口2006の2回目の開状態よりも前に開始され、当該2回目の開状態が閉状態となった後で、収容不能状態となる。
また、振分回転体2531は、実行開始から「第二小当り」が完了する時間よりも後に3回目の収容可能状態となる。従って、「第二小当り」の時には、3回目の収容可能状態となる前に、振分回転体2531の制御が終了し、3回目の収容可能状態は実行されない。つまり、振分回転体2531は、「第一小当り」の時には1回、「第二小当り」の時には2回、「第三小当り」の時には3回、夫々収容可能状態となる。この振分回転体2531は、3回目の収容可能状態が、「第三小当り」における役物入賞口2006の2回目の開状態よりも前に開始され、当該2回目の開状態が終了して閉状態となった後で、収容不能状態となる。
次に、「小当り」における第二振分装置2540の振分扉2544の動作は、実行開始と同時に前方へ突出して所定時間(3020ms)第二ハズレ口2535を閉鎖する1回目の閉状態(第一V入賞口2007へ振分可能な状態)となり、その後、後退して第二ハズレ口2535が開放された開状態(第三振分装置2550へ振分ける状態)となって所定時間(23006ms)経過すると、1回目の開状態よりも長い時間(13446ms)2回目の閉状態となった上で、開状態となる。
この振分扉2544は、1回目の閉状態が、「小当り」における役物入賞口2006の1回目の開状態の途中で終了して開状態となる。また、第二振分装置2540は、振分扉2544の2回目の閉状態が、「第三小当り」における役物入賞口2006の2回目の開状態の途中から開始され、役物入賞口2006の2回目の開状態が閉状態となった後で、振分扉2544が閉状態から開状態となる。従って、第二振分装置2540では、「第三小当り」の時のみ、振分扉2544の2回目の閉状態が実行され、「第一小当り」や「第二小当り」の時には振分扉2544の2回目の閉状態は実行されない。
このようなことから、「第一小当り」では、役物入賞口2006の開閉が、短時間に2回、実行されるため、「右打ち」により第一案内通路2521を流通している遊技球Bが、役物入賞口2006の受け入れられる可能性は低い。また、「第二小当り」及び「第三小当り」における役物入賞口2006の1回目の開状態も、短時間であることから、遊技球Bが役物入賞口2006の受け入れられる可能性は低い。また、第一振分装置2530おける振分回転体2531の1回目の収容可能状態が、「小当り」における役物入賞口2006の1回目の開状態と重なっている時間が、役物入賞口2006の1回目の開状態の時間よりも短いため、役物入賞口2006の1回目の開状態の時に、役物入賞口2006に受け入れられた遊技球Bが、振分回転体2531の収容部2531aに収容される可能性は更に低い。そして、振分回転体2531の1回目の収容可能状態と、第二振分装置2540における振分扉2544の1回目の閉状態とが終了する時間が同じであるため、振分回転体2531の1回目の収容可能状態の時に、収容部2531aに収容された遊技球Bが、第一V入賞口2007側へ振分けられることはない。
一方、「第二小当り」及び「第三小当り」における役物入賞口2006の2回目の開状態は、時間が長いため、第一案内通路2521を通って、遊技球Bが役物入賞口2006に受け入れられる可能性は高い。この際に、第一振分装置2530の振分回転体2531が、役物入賞口2006が開状態となる前に収容可能状態となった上で、役物入賞口2006が開状態から閉状態となった後に収容不能状態となるため、2回目の開状態の時の役物入賞口2006に受け入れられた遊技球Bが、振分回転体2531の収容部2531aに収容される可能性は高い。
このように、本例では「第二小当り」及び「第三小当り」における役物入賞口2006の1回目の開状態において遊技球Bが役物入賞口2006の受け入れられる可能性は低いことに加えて、役物入賞口2006の1回目の開状態の時に、役物入賞口2006に受け入れられた遊技球Bが、振分回転体2531の収容部2531aに収容される可能性は更に低いにもかかわらず、小当り遊技状態の実行開始と同時に振分回転体2531を反時計回りに回動して収容部2531aを上方へ向けた収容可能状態とし、所定期間(3020ms)収容部2531aを上方へ向けた後に時計回りに回動して収容部2531aを右方へ向けた収容不能状態としている。即ち、小当り遊技状態の開始直後には振分回転体2531が遊技球Bを第一アタリ通路2536側に振り分ける可能性は低いものの、振分回転体2531が遊技球Bを第一アタリ通路2536側に振り分ける動作を実行して振分回転体2531による振り分け動作を事前に示すようになっている。
同様に、小当り遊技状態の開始直後には振分回転体2531が遊技球Bを第一アタリ通路2536側に振り分ける可能性は低いものの、小当り遊技状態の実行開始と同時に第二振分装置2540の振分扉2544を前方へ突出して第二ハズレ口2535を閉鎖することで第一V入賞口2007へ振分可能な状態とし、所定時間(3020ms)経過後に後退して第二ハズレ口2535が開放することで第三振分装置2550へ振分ける状態とするようになっている。即ち、小当り遊技状態の開始直後には振分扉2544が遊技球Bを第一V入賞口2007側に振り分ける可能性は低いものの、振分扉2544が遊技球Bを第一V入賞口2007側に振り分ける動作を実行して振分扉2544による振り分け動作を事前に示すようになっている。
本例では振分回転体2531及び振分扉2544は小当り遊技状態の実行開始と同時、即ち小当り遊技状態開始時の演出(小当り遊技状態のオープニング演出であって例えば「役物入賞口2006を狙ってね」等の小当り遊技状態における遊技の説明等が行われる演出)の実行中に動作し、振分回転体2531及び振分扉2544の動作後に役物入賞口2006が1回目の開状態となる。これにより、振分回転体2531による遊技球Bの第一アタリ通路2536側への振り分けと、振分扉2544による遊技球Bの第一V入賞口2007側への振り分けと、の可能性を低くしている。なお、振分回転体2531による遊技球Bの第一アタリ通路2536側への振り分けと、振分扉2544による遊技球Bの第一V入賞口2007側への振り分けと、の可能性がない、若しくは限りなく低いものであれば、振分回転体2531及び振分扉2544の動作と同時に役物入賞口2006を1回目の開状態としてもよい。
また、振分回転体2531と振分扉2544との一方のみを事前に動作させ、他方については事前に動作させないようにしてもよい。即ち、役物入賞口2006に入賞した遊技球の振り分けを行う複数の可動部(振分回転体2531、振分扉2544)のうち一部の可動部について事前に動作させて振り分け動作を示し、他の可動部については事前に動作させないようにしてもよい。例えば、動作することでV入賞口(この例では第一V入賞口2007)へ遊技球を進入させる可能性が高い(V入賞期待度が高い)振分扉2544については事前に動作させないようにし、振分扉2544よりもV入賞口(この例では第二V入賞口2008)へ遊技球を進入させる可能性が低い(V入賞期待度が低い)振分回転体2531についてのみ事前に動作させるようにしてもよい。これにより、可変入賞口2006に入賞した遊技球の振り分け先の一部について事前に知ることができるものの、他の振り分け先については未知の状態とすることができ、他の振り分け先が明らかになったときに振り分け先が増えたことにより遊技者を驚かせて期待感を高めさせることができると共に、振り分けられる遊技球に注目させてその動きを楽しませることができ、遊技興趣の低下を抑制することができる。
また、V入賞期待度の高い可動部(振分扉2544)については事前に動作させないことでその存在を隠蔽して、第三振分装置2550へ遊技球が進入すると遊技者に思い込ませることで第三小当りが実行されたときにV入賞期待度の高い可動部(振分扉2544)が動作して遊技球をV入賞口(この例では第一V入賞口2007)に進入させることで意外性を与えると共に、予想もしていなかった振り分け先に遊技球が進入することで遊技興趣を向上させることができる。また、振り分け先として第一V入賞口2007側への振り分けが隠蔽され、第一ハズレ口2535側と第三振分装置2550側との2つだけと思い込ませることができ、第三小当りよりもV入賞期待度が低い第二小当りが実行されて第三振分装置2550側に遊技球が振り分けられても遊技者を落胆させない。
また、本例では振分回転体2531については遊技者が容易に視認できる態様で配置するのに対し、振分扉2544については遊技盤5の前後に進退する平板状とされて前面側の面積が狭いため、動作していてもその動作を気付かれにくい。ひいては、振分扉2544が前方に突出することで進入可能となる第一V入賞口2007側の通路について遊技者に気付かれにくい。そのため、第三小当りとなった場合に振分扉2544が動作して第一V入賞口2007に遊技球が進入されたときに遊技球の挙動に気付かれ難くなり、遊技球が第一V入賞口2007に進入したことに気付かせることなく、突然V入賞が発生して15R大当りが実行されたかのような感覚を遊技者に与えることができる。
また、小当り遊技状態のオープニング演出中に振分回転体2531が事前に動作させることで、オープニング演出における指示内容、例えば「役物入賞口2006を狙ってね」に加えて振分回転体2531の動作によっても打ち込み先、即ち小当り遊技状態中に狙うべき位置を遊技者に容易に認識させることができる。
上記のように「小当り」が抽選されることで、役物入賞口2006が開状態となった時に、第一案内通路2521を流下してきた遊技球Bが、役物入賞口2006に受け入れられると、役物入賞口センサ2513により検知された後に、第一振分装置2530の第一振分誘導路2534へ送られる。役物入賞口センサ2513により遊技球Bが検知されると、所定数の遊技球Bが払出される等の特典が付与される。
「小当り」のうち、「第二小当り」では、役物入賞口2006が2回目の開状態の時に、第二振分装置2540の振分扉2544が開状態であるため、振分回転体2531が収容可能状態から収容不能状態に回動すると、収容部2531aに収容されている遊技球Bが、第一アタリ通路2536を通って第二振分装置2540の第二振分誘導路2541を流下し、下端の第二ハズレ口2543から第二ハズレ通路2546を流通して第三振分装置2550側へ送られることとなる。
第三振分装置2550側へ送られた遊技球Bは、第三振分検知センサ2552により検知された上で、第三振分誘導路2551を通ってクルーン2553上に供給され、クルーン2553内を旋回する。そして、第三振分駆動モータ2555により常時回転している振分回転羽根2554に弾かれることで、第二V入賞口2008及び二つの第三ハズレ口2556の何れかに受け入れられることとなる。そして、第二V入賞口2008に受け入れられた遊技球Bは、第三振分球排出通路2557を通って裏ユニット3000における導光板演出ユニット3100の裏下球排出ユニット3120に受け渡され、第二V入賞口センサ3003により検知された上で基板ホルダ1200上に排出される。一方、第三ハズレ口2556に受け入れられた遊技球Bは、第三振分球排出通路2557を通って裏ユニット3000における導光板演出ユニット3100の裏下球排出ユニット3120に受け渡され、第三ハズレ口センサ3004により検知された上で基板ホルダ1200上に排出される。第二V入賞口センサ3003により遊技球Bが検知されると、大入賞口2005が所定のパターンで開閉する特典が付与される。
これに対して、「第三小当り」では、役物入賞口2006が2回目の開状態の時に、第二振分装置2540の振分扉2544が閉状態であるため、振分回転体2531が収容可能状態から収容不能状態に回動すると、収容部2531aに収容されている遊技球Bが、第一アタリ通路2536を通って第二振分装置2540の第二振分誘導路2541を流下し、閉状態の振分扉2544の上面に当接して右方へ誘導され、第一V入賞口2007に進入する(受け入れられる)こととなる。第一V入賞口2007に進入した遊技球Bは、第一V入賞通路2542を通って第一V入賞口センサ2514により検知された後に、裏ユニット3000における導光板演出ユニット3100の裏右球排出ユニット3130を介して基板ホルダ1200上に排出される。第一V入賞口センサ2514により遊技球Bが検知されると、大入賞口2005が所定のパターンで開閉する特典が付与される。
このようなことから、アタッカユニット2400の大入賞口2005を開閉させるためには、第一始動口2002又は第二始動口2004に遊技球Bを受け入れさせて、「小当り」や「大当り」等の第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果の抽選を行わせる必要がある。センター役物2500の左側を流下するように遊技球Bを打込んだ時には、第一始動口2002に受け入れられる機会があるものの、第二始動口2004に受け入れられる機会がない。
一方、センター役物2500の右側を流下するように遊技球Bを打込む場合、センター役物2500の右側には第一案内通路2521及び第二案内通路2522の二つからなる案内通路群2520が設けられており、何れも通路を通っても第二始動口2004を開閉させるための普通入賞口2003に受け入れられる機会があるものの、打込操作が容易な「右打ち」をして第一案内通路2521を流通させると、普通入賞口2003等に受入られる機会もなくアウト口1008へ送られてしまうアタッカ右通路2430へ進入する可能性があり、第二案内通路2522に遊技球Bを流通させるためには、遊技球Bの打込強さを調整する必要がある。また、第二始動口2004に遊技球Bを受け入れさせるためには、普通入賞口2003に遊技球Bを受け入れさせて、「普通当り」の普通抽選結果を導出させる必要があるため、遊技球Bの受け入れ確率が、第一始動口2002よりも第二始動口2004が低くなっている。
従って、通常の状態では、遊技者に対して、第一始動口2002に遊技球Bが受け入れられるように、センター役物2500の左側を遊技球Bが流下するように、遊技球Bの打込操作を行わせることができ、複数の障害釘Nにより案内される遊技球Bの動きを見せてパチンコ機1による本来の遊技を楽しませることができると共に、第一始動口2002への遊技球Bの受け入れに対する期待感を高めさせることができる。
そして、第一始動口2002へ遊技球Bが受け入れられることで、第一特別抽選結果として「小当り」が抽選されると、役物入賞口2006が開閉するため、役物入賞口2006に遊技球Bが受け入れられるように、遊技球Bの打込操作を「右打ち」に変更して、役物入賞口2006が設けられている第一案内通路2521に遊技球Bを打込ませることができ、役物入賞口2006への遊技球Bの受け入れに対する期待感を高めさせることができる。
センター役物2500の右側に打込まれた遊技球Bは、役物入賞口2006に受け入れられなかった場合でも、下流側の普通入賞口2003に受け入れられる可能性があり、更に、普通入賞口2003への遊技球Bの受け入れにより抽選された普通抽選結果に応じて開状態となった第二始動口2004に受け入れられる可能性があると共に、第二特別抽選結果として「小当り」や「大当り」が抽選される可能性がある。
この第一案内通路2521に打込んだ遊技球Bが、役物入賞口2006に受け入れられると、第一振分装置2530へ送られるため、振分回転体2531の収容部2531aに遊技球Bが収容されるか否かで遊技者のハラハラ・ドキドキさせることができる。
第一振分装置2530に送られた遊技球Bが、振分回転体2531の収容部2531aに収容されると、当該遊技球Bが次の第二振分装置2540へ送られるため、第二振分装置2540において遊技球Bが第一V入賞口2007及び第二ハズレ口2543の何れに振分けられるかで遊技者をワクワク・ドキドキさせることができる。この第二振分装置2540において、遊技球Bが第二ハズレ口2543へ振分けられても、当該遊技球Bが第二ハズレ通路2546を通って第二V入賞口2008を備えている第三振分装置2550へ送られるため、第二V入賞口2008への期待感を抱かせることができ、興趣の低下を抑制させることができる。
第二振分装置2540において第二ハズレ口2543に振分けられた遊技球Bは、第三振分装置2550のクルーン2553に供給され、クルーン2553上を旋回することとなる。そして、クルーン2553の中央の振分回転羽根2554により周壁側へ弾かれた時に、第二V入賞口2008に受け入れられるか否かによって遊技者をハラハラ・ドキドキさせることができ、遊技者を楽しませることができる。
そして、遊技球Bが、第一V入賞口2007又は第二V入賞口2008に受け入れられた場合、或いは、第一始動口2002及び第二始動口2004への遊技球Bの受け入れにより第一特別抽選結果及び第二特別抽選結果として「大当り」が抽選された場合、アタッカユニット2400の大入賞口2005が所定のパターンで開閉することで多くの遊技球Bが払出される機会が到来するため、開閉している大入賞口2005に遊技球Bが受け入れられるように、センター役物2500の右側を狙った遊技球Bの打込操作を行わせることができる。
この際に、大入賞口2005に遊技球Bが到達する確率は、第一案内通路2521を流通させた方よりも、第二案内通路2522を流通させた方が高いため、遊技者に対して「右打ち」するのを控えさせて、第二案内通路2522に遊技球Bが進入するように打込強さを調整させることができ、遊技球Bの打込操作を楽しませることができる。
ところで、センター役物2500の右側の案内通路群2520には、第一案内通路2521と第二案内通路2522とが前後方向に並んでいる重見部2520aを有していることから、重見部2520aを見ると、遊技球Bがどちらの通路を流通しているかが判別し辛いため、遊技者に対して第二案内通路2522に打込んだはずが第一案内通路2521に進入してしまったのではないかと思わせることができ、案内通路群2520を流通している遊技球Bに注目させることができる。また、案内通路群2520の第二案内通路2522を狙って打込んだ遊技球Bが、第二案内通路2522の出口から遊技球Bが出てくるのか否かで遊技者をドキドキさせることができ、遊技に対する期待感を高めさせることができると共に、想定外の第一案内通路2521の出口から出てくると、遊技者に意外性を付与して驚かせることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
[5−8g.センター役物の流通通路群の別の実施形態]
続いて、上記とは異なる実施形態のセンター役物2500の案内通路群2520について、主に図125及び図126を参照して詳細に説明する。図125(a)〜(d)は図117とは異なる案内通路群の実施形態を示す説明図であり、図126(e)及び(f)は更に異なる案内通路群の実施形態を示す説明図である。なお、図125及び図126では、上記と同様の構成部分については、同一の符号を付している。
図125(a)に示す実施形態は、図117と比較して、第二案内通路2522の上端の入口を、第一案内通路2521の入口に対して左方への離隔している距離を長くしたものである。この案内通路群2520によっても上記と同様の作用効果を奏することができる。
図125(b)に示す実施形態は、前構成部材1000における衝止部1006を、当接した遊技球Bが第二案内通路2522の入口側へ跳ね返り易くなるように、衝止部1006の角度を変更していると共に、上右周壁部2510における第一案内通路2521の入口と第二案内通路2522の入口との間の部位を、第二案内通路2522側(左側)が低くなるように傾斜させたものである。これにより、第二案内通路2522側へ遊技球Bが進入し易くなることから、第二案内通路2522に遊技球Bが進入する遊技球Bの打込強さの調整範囲が広くなるため、第二案内通路2522の入口を狙った遊技球Bの打込操作を行い易いものとすることができる。
図125(c)に示す実施形態は、図117や図125(a)及び(b)の案内通路群2520では、第一案内通路2521や第二案内通路2522の夫々の入口を上方へ向けて開口させているのに対して、第一案内通路2521及び第二案内通路2522の上流側を、センター役物2500の上方の左右方向中央付近まで延び出させて、夫々の入口を上下に並んだ状態で左方へ向けて開口させるようにしたものである。
この実施形態では、外レール1001(遊技領域5aの周縁)の一部が第一案内通路2521の一部を構成していると共に、上右周壁部2510の一部が第二案内通路2522の一部を構成している。また、この実施形態では、上右周壁部2510と外レール1001(遊技領域5aの周縁)との間の上流空間部2505の左右方向の長さが、上右周壁部2510の左端から第一案内通路2521及び第二案内通路2522の夫々の入口までの長さとなり、図117等の上記に示す上流空間部2505よりも狭くなっている。
この実施形態では、遊技球Bを第二案内通路2522の入口に進入させるためには、上右周壁部2510における第二案内通路2522の入口よりも左側の狭い部位に当接する打込強さか、左方へ向かって開口している第二案内通路2522の入口に直接進入する打込強さで、遊技球Bを打込む必要があるため、図117等の実施形態と比較して、遊技球Bの打込強さの調整範囲が狭くなる。また、第一案内通路2521の入口と第二案内通路2522の入口の左方の上流空間部2505に打込まれた遊技球Bが、第一案内通路2521と第二案内通路2522とを仕切っている壁部の左端(二つの入口の間の部位)に当接した場合、跳ね返った遊技球Bの左方への勢いや角度によっては上流空間部2505から逸脱する可能性がある。つまり、上流空間部2505へ進入する強さで遊技球Bを打込んでも、上流空間部2505から左方へ逸脱して第一案内通路2521及び第二案内通路2522の何れにも進入することなくセンター役物2500の左側を流通してしまう可能性がある。このようなことから、遊技球Bの打込操作に対する難易度が高くなるため、遊技者の遊技球Bの打込操作に対する意欲を高めさせることができ、遊技者に対して遊技媒体の打込操作を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
図125(d)に示す実施形態は、図125(c)の実施形態において、第一案内通路2521の途中に、第二案内通路2522と一方通行で連通している分岐部2524を設けたものである。分岐部2524は、第二案内通路2522における左右に延びている部位(上右周壁部2510)の右端から下方へ折れ曲がっている部位の直上に設けられている。この実施形態では、第一案内通路2521へ進入する強さで遊技球Bを打込んでも、その打込強さによっては(打込強さが弱いと)分岐部2524において遊技球Bが第二案内通路2522側へ分岐するため、第二案内通路2522に対する遊技球Bの流通の難易度を、図125(c)の実施形態よりも低くすることができる。
なお、第二案内通路2522に遊技球Bを進入させるためには、第一案内通路2521へ進入される遊技球Bの打込強さよりも弱く打込む必要があると共に、第一案内通路2521と連通している分岐部2524が、第二案内通路2522における下方へ折れ曲がっている部位の上方に設けられているため、第二案内通路2522に進入した遊技球Bが、下方へ折れ曲がっている部位で上方(分岐部2524側)へ跳ねることはなく、分岐部2524を通って第一案内通路2521側へ進入することはない。つまり、分岐部2524は、第一案内通路2521から第二案内通路2522へ一方通行で連通している。
また、この実施形態では、途中に分岐部2524を有している第一案内通路2521の入口に進入して第一案内通路2521を流通すると、分岐部2524の部位において、第一案内通路2521側又は第二案内通路2522側の何れかに分岐することとなるため、分岐部2524において遊技球Bが何れの側へ分岐するか否かにより遊技者をハラハラ・ドキドキさせることができ、第一案内通路2521内での遊技球Bの流れを楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、この実施形態では、遊技者が、第二案内通路2522を狙って遊技球Bを打込んだのにも関わらず、第一案内通路2521の入口に遊技球Bが進入してしまっても、第一案内通路2521の分岐部2524において、第二案内通路2522側へ分岐する可能性があるため、分岐部2524において第二案内通路2522側へ分岐するか否かで、遊技者をハラハラ・ドキドキさせることができ、遊技者を楽しませることができると共に、分岐部2524において第二案内通路2522側へ分岐すると、遊技者の打込操作のミスがカバーされて所望の第二案内通路2522を遊技球Bが流通することとなり、遊技者に対して得した気分にさせることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
図126(e)に示す実施形態は、第二案内通路2522に、センター役物2500の枠内を横断するバイパス部2525を有するようにしたものである。この実施形態では、第二案内通路2522の入口が、上右周壁部2510の左端よりも左方の位置で、上方へ向かって開口している。従って、上右周壁部2510の上方の上流空間部2505に打込まれた遊技球Bは全て第一案内通路2521を流通することとなる。この実施形態によれば、遊技球Bが第二案内通路2522の入口に進入してバイパス部2525を流通すると、その遊技球Bがセンター役物2500の枠内を横断することから、遊技者側から遊技球Bの流通を目立たせることができるため、遊技者に対して遊技球Bがバイパス部2525を流通すると、その後に何かよいことがあるのではないかと思わせることが可能となり、遊技者にバイパス部2525を有した第二案内通路2522の入口を狙った遊技球Bの打込操作を行わせることができ、遊技球Bの打込操作を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
図126(f)に示す実施形態は、第一案内通路2521の後方に、第二案内通路2522の入口を設けたものであり、夫々の入口が前後方向に並んでいるものである。第一案内通路2521の入口は、遊技パネル1100の前面より前方側に設けられており、第二案内通路2522の入口は、遊技パネル1100の前面より後方側に設けられている。この実施形態では、上流空間部2505における前構成部材1000の衝止部1006の近傍において、遊技パネル1100の前面が右後方へ傾斜しており、遊技パネル1100の前面に沿って流通してきた遊技球Bを、第二案内通路2522側へ誘導するようにしている。また、前構成部材1000の衝止部1006は、第一案内通路2521の入口付近の部位が、後方へ向かうに従って右方へ移動するように傾斜しており、第一案内通路2521の入口に向かって勢い良く打込まれた遊技球Bを、第二案内通路2522の入口側へ反射させることができる。この実施形態では、第一案内通路2521の入口と、第二案内通路2522の入口とが、前後方向に並んで重なって見えるため、センター役物2500の上方の上流空間部2505に打込んだ遊技球Bが、何れの通路に進入したのかを判別し辛いものとすることができ、遊技者を注目させることができる。
[5−9.裏ユニットの全体構成]
遊技盤5における裏ユニット3000の全体構成について、主に図113乃至図116等を参照して説明する。裏ユニット3000は、遊技パネル1100の後面に取付けられており、後側に周辺制御ユニット1500、及び演出表示装置1600が取付けられている。
裏ユニット3000は、表ユニット2000のサイドユニット2200に設けられている三つの一般入賞口2001に受け入れられた遊技球Bを検知する一般入賞口センサ3001と、始動口ユニット2100に設けられている第一始動口2002に受け入れられた遊技球Bを検知する第一始動口センサ3002と、センター役物2500の第二V入賞口2008に受け入れられた遊技球Bを検知する第二V入賞口センサ3003と、センター役物2500の第三ハズレ口2556に受け入れられた遊技球Bを検知する第三ハズレ口センサ3004と、を備えている(図137を参照)。
また、裏ユニット3000は、パネルホルダ1120の後面に取付けられ前方が開放されている箱状で後壁に四角い開口部3010aを有している裏箱3010と、裏箱3010の後面に取付けられており演出表示装置1600を着脱可能に取付けるためのロック機構3020と、を備えている。
また、裏ユニット3000は、遊技領域5a内に打込まれ、一般入賞口2001、第一始動口2002、普通入賞口2003、第二始動口2004、大入賞口2005、及び役物入賞口2006に受け入れられなかった遊技球B(特典が付与されなかった遊技球B)を検知するアウト球検知ユニット3030と、裏箱3010の前端に設けられている導光板演出ユニット3100と、導光板演出ユニット3100の後方で裏箱3010内に設けられている裏演出ユニット3200と、を備えている。
裏ユニット3000の裏箱3010は、前方が開放されている箱状で後壁に四角く貫通している開口部3010aと、開口部3010aの周縁から間隔を開けて後方へ突出している平板枠状の液晶取付部3010bと、液晶取付部3010bにおける左辺において枠内の内側から左方へ向かって窪んでおり演出表示装置1600の左固定片1601が挿入される二つの固定溝3010cと、液晶取付部3010bの右辺の左右方向中央付近において後端から裏箱3010の後壁まで切欠かれロック機構3020が取付けられる切欠部3010dと、を備えている。
裏箱3010の開口部3010aは、演出表示装置1600の表示画面と略同じ大きさに形成されている。また、液晶取付部3010bは、枠内に演出表示装置1600を嵌め込むことが可能な大きさに形成されている。裏箱3010は、後面における切欠部3010dの背面視左側にロック機構3020が上下にスライド可能に取付けられる。
また、裏箱3010は、前端から外方へ延出している平板状の固定片部3010eを備えている。この固定片部3010eは、前面が遊技パネル1100の後面に当接した状態で、遊技パネル1100に取付けられる。裏箱3010は、導光板演出ユニット3100や裏演出ユニット3200等を取付けるためのボスや取付孔等が適宜位置に形成されている。
[5−9a.アウト球検知ユニット]
次に、裏ユニット3000におけるアウト球検知ユニット3030について、主に図127乃至図131等を参照して詳細に説明する。図127(a)は裏ユニットにおけるアウト球検知ユニットの正面図であり、(b)はアウト球検知ユニットの右側面図であり、(c)はアウト球検知ユニットの背面図であり、(d)はアウト球検知ユニットを前から見た斜視図であり、(e)はアウト球検知ユニットを後ろから見た斜視図であり、(f)はアウト球検知ユニットと右前下寄りの位置から見た斜視図であり、(g)はアウト球検知ユニットを右下後方から見た斜視図である。図128(a)はアウト球検知ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)はアウト球検知ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。
また、図129(a)は遊技パネルとアウト球検知ユニットとの関係を示す斜視図であり、(b)は遊技パネルにアウト球検知ユニットを当接させた状態で示す斜視図である。図130は、遊技盤に組立ててアウト口右センサの中心で上下に切断して右側から見た拡大断面図である。図131は、遊技盤に組立てた状態で前方からアウト口の付近を示す斜視図である。
裏ユニット3000のアウト球検知ユニット3030は、遊技領域5a内に打込まれ、一般入賞口2001、第一始動口2002、普通入賞口2003、第二始動口2004、大入賞口2005、及び役物入賞口2006に受け入れられなかった遊技球B(特典が付与されなかった遊技球B、「アウト球」とも称する)を検知するためのものである。本実施形態では、アウト口1008から排出された遊技球Bを検知するものである。このアウト球検知ユニット3030は、導光板演出ユニット3100における裏下球排出ユニット3120の前面に取付けられている。
アウト球検知ユニット3030は、遊技パネル1100におけるアウト凹部1101内に後方から挿入されると共に、導光板演出ユニット3100の前面に取付けられるユニット本体3031と、ユニット本体3031に取付けられているアウト口左センサ3032及びアウト口右センサ3033と、アウト口左センサ3032及びアウト口右センサ3033の後側を覆うようにユニット本体3031に取付けられているカバー3034と、を備えている。
ユニット本体3031は、遊技パネル1100のアウト凹部1101内に挿入され、前後方向へ筒状に延びている筒状の筒部3031aと、筒部3031aの内部を左右に分割している仕切部3031bと、筒部3031aの後端から左右方向へ平板状に突出しているフランジ部3031cと、筒部の後端側から前方へ向かって窪んでおりアウト口左センサ3032及びアウト口右センサ3033が挿入される挿入凹部3031dと、を備えている。筒部3031aは、前端が前構成部材1000におけるアウト口1008と略同じ大きさで、左右に長く、下側の内面が後方側へ向かって低くなるように傾斜している。
仕切部3031bは、筒部3031aの後端付近に設けられており、左右両側において遊技球Bが一つ通過可能な大きさに仕切っている。仕切部3031bは、前端側が、下方へ向かうに従って前方へ突出するように湾曲しており、遊技球Bの直径よりも短く前方へ突出している。挿入凹部3031dは、前面側が、筒部3031aにおける下側の傾斜している内面と垂直になるように、上方へ向かうに従って後方へ移動するように傾斜している。
アウト口左センサ3032は、ユニット本体3031の筒部3031a内における仕切部3031bの左側を流通した遊技球Bを検知するものである。アウト口右センサ3033は、ユニット本体3031の筒部3031a内における仕切部3031bの右側を流通した遊技球Bを検知するものである。アウト口左センサ3032及びアウト口右センサ3033は、非接触タイプの電磁式の近接スイッチである。
カバー3034は、アウト口左センサ3032及びアウト口右センサ3033を通過した遊技球Bを下方へ誘導するように湾曲しており、左右方向の中央に仕切板3034aを有している。
このアウト球検知ユニット3030は、ユニット本体3031のフランジ部3031cが導光板演出ユニット3100の裏下球排出ユニット3120の前面に取付けられる(図130を参照)。また、アウト球検知ユニット3030は、遊技盤5に組立てた状態で、ユニット本体3031の筒部3031aが遊技パネル1100のアウト凹部1101内に挿入されていると共に、フランジ部3031cの前面が遊技パネル1100の後面に当接している(図129及び図130を参照)。
アウト球検知ユニット3030は、遊技盤5に組立てた状態で、ユニット本体3031の筒部3031aの前端上部が、前構成部材1000のアウト誘導部1003の後端よりも前方に突出している(図130を参照)。つまり、ユニット本体3031の筒部3031a内に、アウト誘導部1003の後端が挿入されている。また、カバー3034の下端は、基板ホルダ1200の排出部1201を通って基板ホルダ1200の下面よりも下方に突出している(図130を参照)。
このアウト球検知ユニット3030は、遊技領域5a内において、前構成部材1000の内レール1002又は右下レール1004の下流端まで流下した後に、アウト誘導部1003により後方へ誘導された遊技球Bが、筒部3031a内に供給され、アウト口左センサ3032及びアウト口右センサ3033の何れかに検知された上で、カバー3034により下方へ排出される。アウト球検知ユニット3030は、遊技球Bを、基板ホルダ1200上に当接させることなく、パチンコ機1が設置されている遊技ホールの島設備側へ排出する。
本実施形態のアウト球検知ユニット3030によれば、遊技領域5a内に打込まて、一般入賞口2001、第一始動口2002、普通入賞口2003、第二始動口2004、大入賞口2005、及び役物入賞口2006の何れにも受け入れられなかった遊技球B(「アウト球」)を検知することができるため、例えば、特定の入賞口への遊技球Bの受け入れが継続的に検知されているのにも関わらず、「アウト球」が検知されないような場合、特定の入賞口に対して不正行為が行われていることとなり、不正行為が行われている旨を報知することができる。
また、「アウト球」の検知により、その数をカウントすることができるため、一般入賞口2001、第一始動口2002、普通入賞口2003、第二始動口2004、大入賞口2005、及び役物入賞口2006に受け入れられた遊技球Bの検知によりカウントされた「セーフ球」の数と、「アウト球」の数とから、パチンコ機1における「セーフ球」の割合を知ることができる。
更に、アウト球検知ユニット3030では、左右に備えられているアウト口左センサ3032及びアウト口右センサ3033の間を仕切部3031bで仕切っているため、センター役物2500の左側を流下した遊技球Bをアウト口左センサ3032側へ誘導することができると共に、センター役物2500の右側を流下してきた遊技球Bをアウト口右センサ3033側へ誘導することができ、アウト口左センサ3032によりセンター役物2500の左側を流下した遊技球Bを主に検知させることができると共に、アウト口右センサ3033によりセンター役物2500の右側を流下してきた遊技球Bを主に検知させることができる。従って、アウト口左センサ3032及びアウト口右センサ3033により時間当りに検知される遊技球Bの数により、遊技者が「左打ち」の傾向にあるのか「右打ち」の傾向にあるのかを判別することができ、その判別に基づいて、遊技状況に最適な打込操作を促して、意図した遊技を楽しませることができる。
また、仕切部3031bの前方への突出を短くして遊技球Bが乗り越え易いものとしているため、時間当りに多くの遊技球Bがアウト口1008に進入した時に、仕切部3031bの比較的遊技球Bの流通量が少ない左側又は右側へ遊技球Bを逃がすことができ、アウト口1008において遊技球Bが滞ることなく排出することができる。
また、カバー3034の下端を、基板ホルダ1200の排出部1201よりも下方へ突出させているため、一般入賞口2001、第一始動口2002、普通入賞口2003、第二始動口2004、大入賞口2005、及び役物入賞口2006に受け入れられて基板ホルダ1200上に排出された遊技球B(「セーフ球」)が、アウト球検知ユニット3030で逆流してアウト口左センサ3032やアウト口右センサ3033で検知されてしまうことを防止することができ、「アウト球」のみを正確に検知することができる。
なお、本実施形態では、アウト球検知ユニット3030を、裏ユニット3000に取付けるものを示したが、これに限定するものではなく、アウト球検知ユニット3030を遊技パネル1100に取付けるものとしてもよい。この際に、遊技パネル1100として、アウト凹部1101を有しているものであれば、アウト球検知ユニット3030を取付けることができるため、アウト凹部1101を有した既存の遊技パネル1100に対応することができると共に、既存の遊技盤5に対して後付けすることができる。
また、遊技盤5において、遊技領域5a内に打込まれた全ての遊技球B(「全球」)を検知するようにしたり、遊技領域5a内から排出された全ての遊技球B(「全球」)を検知するようにしたりした場合、アウト球検知ユニット3030により「アウト球」のみを検知しているため、「アウト球」、「セーフ球」、及び「全球」、の夫々の数を比較することで、遊技盤5内における球詰りの発生を検知することができる。
[5−9b.導光板演出ユニット]
続いて、裏ユニット3000の導光板演出ユニット3100について、主に図132乃至図134を参照して詳細に説明する。図132(a)は裏ユニットの導光板演出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は導光板演出ユニットを後ろから見た斜視図である。図133は導光板演出ユニットにおける導光板と絵柄用基板との関係を正面から示す説明図である。図134(a)は導光板の第一絵柄を発光させた状態を示す説明図であり、(b)は導光板の第二絵柄を発光させた状態を示す説明図である。
裏ユニット3000の導光板演出ユニット3100は、裏箱3010の前端に取付けられている。導光板演出ユニット3100は、裏箱3010の前端に取付けられる四角い枠状のユニットベース3101と、ユニットベース3101に取付けられている透明平板状の導光板3102と、導光板3102の上方でユニットベース3101に取付けられており、導光板3102の上面に向かって光を照射可能な複数のLEDが実装されている第一絵柄用基板3103と、導光板3102の左方でユニットベース3101に取付けられており、導光板3102の左側面に向かって光を照射可能な複数のLEDが実装されている第二絵柄用基板3104と、を備えている。
また、導光板演出ユニット3100は、第一絵柄用基板3103と導光板3102との間に設けられている透明板状の拡散レンズ3105と、第一絵柄用基板3103及び拡散レンズ3105の前方を覆うようにユニットベース3101の上辺に取付けられており、前面にレリーフ状の装飾が施されている裏上装飾体3106と、第二絵柄用基板3104の前方を覆うようにユニットベース3101の左辺に取付けられている帯板状の左基板カバー3107と、を備えている。
また、導光板演出ユニット3100は、ユニットベース3101の前面下部に取付けられており、始動口ユニット2100の第一始動口2002、サイドユニット2200の三つの一般入賞口2001、及びセンター役物2500における第三振分装置2550の第二V入賞口2008や第三ハズレ口2556に、受け入れられた遊技球Bを受取って下方へ排出する裏下球排出ユニット3120と、ユニットベース3101の右辺下部に取付けられており、センター役物2500における第一ハズレ口2535、及び第一V入賞口2007に受け入れられた遊技球Bを受取って下方へ排出する裏右球排出ユニット3130と、裏下球排出ユニット3120に取付けられており、センター役物2500の第三振分駆動モータ2555を冷却するための冷却ファン3140と、センター役物2500におけるワープ入口2501の後方となる部位に設けられており、不正に作用する磁気を検知する磁気センサ(図示は省略)と、を備えている。
導光板3102は、上方からの光のみを前方へ反射させる凹凸状の無数の第一反射部により形成されている第一絵柄3102a(図134(a)を参照)と、左方からの光のみを前方へ反射させる凹凸状の無数の第二反射部により形成されている第二絵柄3102b(図134(b)を参照)と、を備えている。つまり、導光板演出ユニット3100は、第一絵柄用基板3103のLEDを発光させると、第一絵柄3102aを発光表示させることができ、第二絵柄用基板3104のLEDを発光させると、第二絵柄3102bを発光表示させることができる。
導光板3102は、第一絵柄3102aを形成している無数の第一反射部や、第二絵柄3102bを形成している無数の第二反射部が、夫々の凹凸が微細に形成されており、第一絵柄用基板3103のLEDや第二絵柄用基板3104のLEDを発光させていない状態では、透明に見えて、後側に配置されている裏ユニット3000の裏演出ユッニト3200や演出表示装置1600に表示されている演出画像等を、良好な状態で視認することができる。
第一絵柄3102aは、図134(a)に示すように、パチンコ機1のコンセプトに沿った所定のキャラクタの一方の目の周りを模した絵柄である。また、第二絵柄3102bは、図134(b)に示すように、「CHANCE!」の文字からなる絵柄である。
また、導光板3102は、下辺から上方へ切欠かれている下切欠部3102cと、右辺から左方へ切欠かれている右切欠部3102dと、を備えている。下切欠部3102cは、センター役物2500における第三振分装置2550のクルーン2553と当接しないようにするためのものであり、右切欠部3102dは、センター役物2500の案内通路群2520における後方へひねられた第二案内通路2522と当接しないようにするためのものである。
第一絵柄用基板3103は、左右方向へ三つに分割されている。第二絵柄用基板3104は、上下方向へ二つの分割されている。なお、第一絵柄用基板3103及び第二絵柄用基板3104に実装されている複数のLEDは、フルカラーLEDである。
裏下球排出ユニット3120は、一般入賞口2001に受け入れられた遊技球Bを検知する一般入賞口センサ3001と、第一始動口2002に受け入れられた遊技球Bを検知する第一始動口センサ3002と、第二V入賞口2008に受け入れられた遊技球Bを検知する第二V入賞口センサ3003と、第三ハズレ口2556に受け入れられた遊技球Bを検知する第三ハズレ口センサ3004と、が設けられている。
裏下球排出ユニット3120は、一般入賞口2001、第一始動口2002、第二V入賞口2008、及び第三ハズレ口2556に受け入れられた遊技球Bを、基板ホルダ1200上に排出することができる。この裏下球排出ユニット3120の前面に、アウト球検知ユニット3030が取付けられている。
[5−9c.裏演出ユニット]
続いて、裏ユニット3000における裏演出ユニット3200について、主に図113等を参照して説明する。裏演出ユニット3200は、導光板演出ユニット3100の後方で、裏箱3010内に取付けられている。裏演出ユニット3200は、正面視において、裏箱3010の開口部3010aを囲むように、半球状の複数の装飾体を有している。これら装飾体の後方には前方へ向けて光を照射可能な複数のLEDが実装されている装飾基板が設けられている。従って、装飾基板のLEDを適宜発光させることで、複数の装飾体を発光装飾させることができ、装飾体による発光演出を遊技者に見せることができる。
[5−10.遊技盤における演出]
次に、遊技盤5における主な演出について、主に図135及び図136等を参照して詳細に説明する。図135は、裏ユニットの導光板演出ユニットの導光板において第二絵柄を発光装飾させた状態で示す遊技盤の正面図である。図136は、裏ユニットの導光板演出ユニットの導光板において第一絵柄を発光装飾させた状態で示す遊技盤の正面図である。遊技盤5は、第一始動口2002や第二始動口2004に遊技球Bが受け入れられることで抽選される第一特別抽選結果や第二特別抽選結果に応じて、裏ユニット3000の導光板演出ユニット3100、裏演出ユニット3200が、所定の発光演出を行う。
具体的には、裏ユニット3000の導光板演出ユニット3100を用いた発光演出としては、例えば、図135に示すように、導光板3102の正面視左側に配置された第二絵柄用基板3104に実装されている複数のLEDを発光させて、第二絵柄3102bを発光装飾させる。これにより、演出表示装置1600の表示画面よりも前方で、「CHAHCE!」の文字が発光装飾されることで、遊技者に対してチャンスの到来を示唆させることができ、よいことがあるのではないかと思わせて遊技に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。
また、導光板演出ユニット3100を用いた発光演出として、例えば、図136に示すように、導光板3102の上側に配置された第一絵柄用基板3103に実装されている複数のLEDを発光させて、第一絵柄3102aを発光装飾させる。これにより、演出表示装置1600の表示画面よりも前方で、パチンコ機1のコンセプトに沿った所定のキャラクタの目が発光表示されることで、遊技者を驚かせることができ、遊技者に対して強いインパクトを与えることができると共に、「大当り遊技」等の有利遊技状態が発生すると思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせることができる。
なお、本実施形態の遊技盤5では、上記したような導光板3102による発光演出と、装飾体の発光演出とを適宜組合せることができる共に、演出表示装置1600の表示画面に表示される演出画像(表示演出)とも組合せることができる。これにより、発光演出、表示演出、等を適宜組合せることで多彩なパターンの演出を遊技者に提示することができ、遊技者を飽きさせ難くすることができると共に、各種の演出によって遊技者を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
[6.制御構成]
次に、パチンコ機1の各種制御を行う制御構成について、図137を参照して説明する。図137は、パチンコ機の制御構成を概略で示すブロック図である。パチンコ機1の主な制御構成は、図示するように、遊技盤5に取付けられる主制御基板1310及び周辺制御基板1510と、本体枠4に取付けられる払出制御基板633と、から構成されており、夫々の制御が分担されている。主制御基板1310は、遊技動作(遊技の進行)を制御する。周辺制御基板1510は、主制御基板1310からのコマンドに基づいて遊技中の各種演出を制御する周辺制御部1511と、周辺制御部1511からのコマンドに基づいて演出表示装置1600での演出画像の表示を制御する演出表示制御部1512と、を備えている。払出制御基板633は、遊技球Bの払出し等を制御する払出制御部633aと、ハンドル182の回転操作による遊技球Bの発射を制御する発射制御部633bと、を備えている。
[6−1.主制御基板]
遊技の進行を制御する主制御基板1310は、詳細な図示は省略するが、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである主制御MPU1310aと、入出力デバイス(I/Oデバイス)としての主制御I/Oポートと、各種検出スイッチからの検出信号が入力される主制御入力回路と、各種ソレノイドを駆動するための主制御ソレノイド駆動回路と、設定値の表示やエラー表示を行うための設定表示器1310g、遊技盤5に区画形成される遊技領域5aに設けられるアウト口1008により回収された遊技球の球数を表示するためのベースモニタ1310hと、を備えている。主制御MPU1310aは、その内蔵されたROMやRAMのほかに、その動作(システム)を監視するウォッチドックタイマや不正を防止するための機能等も内蔵されている。
主制御MPU1310aには、その内蔵されているRAM(以下、「主制御内蔵RAM」と記載する。)や、その内蔵されているROM(以下、「主制御内蔵ROM」と記載する。)のほかに、その動作(システム)を監視するウォッチドックタイマ(以下、「主制御内蔵WDT」と記載する。)や不正を防止するための機能等も内蔵されている。
また、主制御MPU1310aは、不揮発性のRAMが内蔵されている。この不揮発性のRAMには、主制御MPU1310aを製造したメーカによって個体を識別するためのユニークな符号(世界で1つしか存在しない符号)が付された固有のIDコードが予め記憶されている。この一度付されたIDコードは、不揮発性のRAMに記憶されるため、外部装置を用いても書き換えることができない。主制御MPU1310aは、不揮発性のRAMからIDコードを取り出して参照することができるようになっている。
また、主制御MPU1310aは、電気的なノイズの影響を受けると、ハードウェアによって強制的にリセットがかかる回路も内蔵されている(以下、「内蔵リセット回路」と記載する)。内蔵リセット回路は、主制御MPU1310aの所定のレジスタの内容を監視して、つじつまの合わない内容にレジスタが変化した場合に、電気的なノイズの影響を受けたとして、主制御MPU1310aを強制的にリセットする回路である。このような内蔵リセット回路による強制リセットは、ユーザプログラムによって制御して無効化することができない仕組みとなっている。このため、主制御MPU1310aは、内蔵リセット回路による強制リセットがかかると、後述する主制御側電源断時処理を実行することなく、リセットがかかり、再び、後述する主制御側電源投入時処理を実行することとなる。この場合、主制御側電源断時処理が実行されていないため、後述するように、必ず主制御内蔵RAMのチェックサム(サム値)エラーとなるため、主制御内蔵RAMの内容が完全に消去(クリア)されることとなる。なお、主制御MPU1310aが内蔵リセット回路により強制リセットがかかったとしても、主制御MPU1310aの内蔵リセット回路から払出制御基板633に対してリセット信号を出力することがないため、主制御基板1310(主制御MPU1310a)のみが再起動することとなり、払出制御基板633は起動した状態が維持されている。
また、主制御MPU1310aは、遊技に関する各種乱数のうち、大当り遊技状態を発生させるか否かの決定に用いるための大当り判定用乱数をハードウェアにより更新するハード乱数回路(以下、「主制御内蔵ハード乱数回路」と記載する。)が内蔵されている。この主制御内蔵ハード乱数回路は、予め定めた数値範囲(本実施形態では、最小値として値0〜最大値として値65535という数値範囲が予め設定されている。)内において乱数を生成し、初期値として予め定めた値が固定されず(つまり、初期値が固定されず)、主制御MPU1310aがリセットされるごとに異なる値がセットされるように回路構成されている。具体的には、主制御内蔵ハード乱数回路は、主制御MPU1310aがリセットされると、まず、予め定めた数値範囲内における一の値を初期値として、主制御MPU1310aに入力されるクロック信号(主制御MPU1310aと別体に設けた図示しない水晶発振器から出力されるクロック信号)に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を重複することなく次々に抽出し、予め定めた数値範囲内におけるすべての値を抽出し終えると、再び、予め定めた数値範囲内における一の値を抽出して、主制御MPU1310aに入力されるクロック信号に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を重複することなく次々に抽出する。このような高速な抽選を主制御内蔵ハード乱数回路が繰り返し行い、主制御MPU1310aは、主制御内蔵ハード乱数回路から値を取得する時点における主制御内蔵ハード乱数回路が抽出した値を大当り判定用乱数としてセットするようになっている。
主制御入力回路は、その各種入力端子に各種センサからの検出信号がそれぞれ入力された情報を強制的にリセットするためのリセット端子が設けられず、リセット機能を有していない。このため、主制御入力回路は、図示しない主制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力されない回路として構成されている。つまり、主制御入力回路は、その各種入力端子に入力されている各種センサからの検出信号に基づく情報が主制御システムリセットによりリセットされないことによって、その情報に基づく各種信号がその各種出力端子から出力される回路として構成されている。
主制御基板1310の主制御MPU1310aは、第一始動口2002に受け入れられた遊技球Bを検出する第一始動口センサ3002、第二始動口2004に受け入れられた遊技球Bを検出する第二始動口センサ2402、一般入賞口2001に受け入れられた遊技球Bを検出する一般入賞口センサ3001、普通入賞口2003に受け入れられた遊技球Bを検知する普通入賞口センサ2401、大入賞口2005に受け入れられた遊技球Bを検知する大入賞口センサ2403、役物入賞口2006に受け入れられた遊技球Bを検知する役物入賞口センサ2513、第一V入賞口2007に受け入れられた遊技球Bを検知する第一V入賞口センサ2514、第一ハズレ口2535に受け入れられた遊技球Bを検知する第一ハズレ口センサ2515、第二V入賞口2008に受け入れられた遊技球Bを検知する第二V入賞口センサ3003、第三ハズレ口2556に受け入れられた遊技球Bを検知する第三ハズレ口センサ3004、アウト口1008に受け入れられた遊技球Bを検知するアウト口左センサ3032及びアウト口右センサ3033、及び遊技領域5a内における不正な磁気を検知する磁気センサ2010、遊技盤5に区画形成される遊技領域5aに設けられるアウト口1008により回収される遊技球Bをいずれか一方で検出するアウト口左センサ3032及びアウト口右センサ3033、等からの検出信号は、主制御入力回路を介して主制御MPU1310aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。
また、設定変更基板1311に備える設定キー1311aからの検出信号は、主制御入力回路を介して主制御MPU1310aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。また、払出制御基板633に備えるRWMクリアボタン633zからの信号も、主制御入力回路を介して主制御MPU1310aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。
なお、RWMクリアボタン633zは、払出制御基板633に備えるマイクロプロセッサである払出制御MPUに内蔵されているRAM、及び主制御基板1310に備える主制御MPU1310aに内蔵されているRAM(主制御内蔵RAM)の所定領域にそれぞれ記憶された情報を完全に消去するためのRAMクリアスイッチとしての機能と、エラーLED表示器に表示されているエラーを解除するためのエラー解除スイッチとしての機能と、設定値を選択して切り替えるための設定切替ボタンとしての機能と、を兼ね備えている。このため、主制御基板1310に入力されるRWMクリアボタン633zからの信号には、RAMクリアスイッチとしてRAMクリアを伝える信号(RAMクリア信号)と、エラー解除スイッチとしてエラーを解除した旨を伝える信号(エラー解除信号)と、設定切替ボタンとして設定値の選択切替を伝える信号(設定値の選択切替信号)と、があるものの、主制御基板1310は、自身に関する重要な信号となるRAMクリア信号と設定値の設定変更信号との入力を監視する一方、自身に関しない払出制御基板633が受け持つ制御対象となっているエラー解除信号の入力を監視していない。
また、扉枠開放スイッチ4aからの検出信号と本体枠開放スイッチ4bからの検出信号とは、払出制御基板633を介して(経由して、つまり、後述する、払出制御入力回路633ab、そして払出制御出力回路633acを介すことなく、そのまま)、主制御基板1310へそれぞれ入力されると、主制御入力回路を介して、主制御MPU1310aの所定の入力ポートの入力端子にそれぞれ入力されている。
なお、第一始動口センサ3002、及び第二始動口センサ2402からのそれぞれの検出信号は、他の基板を介すことなく、つまり直接、主制御基板1310に入力され、主制御入力回路を介して主制御MPU1310aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。これに対して、一般入賞口センサ3001、普通入賞口センサ2401、第1受入口センサ2406、大入賞口センサ2403、磁気センサ2010、アウト口左センサ3032、及びアウト口右センサ3033からのそれぞれの検出信号は、パネル中継基板1710を介して、つまり間接的に、主制御基板1310に入力され、主制御入力回路を介して主制御MPU1310aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。
主制御MPU1310aは、これらの検出信号に基づいて、その所定の出力ポートの出力端子から主制御ソレノイド駆動回路に制御信号を出力することにより、主制御ソレノイド駆動回路から始動口ソレノイド2412、アタッカソレノイド2414、役物入賞口ソレノイド2512、第一振分ソレノイド2532、及び第二振分ソレノイド2545、へそれぞれの駆動信号を、パネル中継基板1710を介して、つまり間接的に、出力したり、その所定の出力ポートの出力端子から機能表示ユニット1400の状態表示器、普通図柄表示器、普通保留表示器、第一特別図柄表示器、第一特別保留数表示器、第二特別図柄表示器、第二特別保留数表示器、ラウンド表示器、へそれぞれの駆動信号を、他の基板を介すことなく、つまり直接、出力したりする。また、主制御MPU1310aは、これらの検出信号に基づいて、その所定の出力ポートの出力端子から駆動信号を出力することにより、設定変更基板1311の設定変更許可ランプ1310zへ駆動信号を出力する。
また、主制御MPU1310aは、その所定の出力ポートの出力端子から遊技に関する各種情報(遊技情報)を出力することにより、払出制御基板633に対して遊技に関する各種情報(遊技情報)を出力したり、その所定の出力ポートの出力端子から信号(停電クリア信号)を出力することにより、停電監視回路1310eに対して信号(停電クリア信号)を出力したり、その所定の出力ポートの出力端子から遊技球Bの発射を許可する旨を伝える発射許可信号を出力することにより、払出制御基板633に対して遊技球Bの発射を許可する旨を伝える発射許可信号を出力したりする。この発射を許可する旨を伝える発射許可信号の論理は、発射を許可するときには発射許可論理に設定される一方、発射を許可しないときには発射許可論理を反転させた発射停止論理(発射非許可論理)に設定される。なお、発射許可信号の論理は、初期値(デフォルト)として、パチンコ機1が電源投入されてから(復電してから)後述する主制御側タイマ割り込み処理における発射許可信号設定処理が開始されるまでに亘って、発射許可論理を反転させた発射停止論理(発射非許可論理)に設定されるようにリセット機能付き主制御出力回路を含むハードウェアにより構成されている。
なお、本実施形態おいて、第一始動口センサ3002、第二始動口センサ2402、普通入賞口センサ2401、大入賞口センサ2403、役物入賞口センサ2513、第一V入賞口センサ2514、第一ハズレ口センサ2515、第二V入賞口センサ3003、第三ハズレ口センサ3004、アウト口左センサ3032、及びアウト口右センサ3033には、非接触タイプの電磁式の近接スイッチを用いているのに対して、一般入賞口センサ3001には、接触タイプのON/OFF動作式のメカニカルスイッチを用いている。これは、遊技球Bが、第一始動口2002や第二始動口2004、普通入賞口2003には頻繁に入球するするため、第一始動口センサ3002、第二始動口センサ2402、及び普通入賞口センサ2401による遊技球Bの検出も頻繁に発生する。このため、第一始動口センサ3002、第二始動口センサ2402、及び普通入賞口センサ2401には、耐久性が高く寿命の長い近接スイッチを用いている。
また、遊技者にとって有利となる有利遊技状態(「大当り」遊技、等)が発生すると、大入賞口2005が開放されて遊技球Bが頻繁に入球するため、大入賞口センサ2403による遊技球Bの検出も頻繁に発生する。このため、大入賞口センサ2403にも、耐久性が高く寿命の長い近接スイッチを用いている。また、遊技領域5aに発射された遊技球Bは、遊技盤5に区画形成される遊技領域5aに設けられるアウト口1008により多量に回収されるため、アウト口左センサ3032による遊技球Bの検出、及びアウト口右センサ3033による遊技球Bの検出も頻繁に発生する。このため、アウト口左センサ3032、及びアウト口右センサ3033に対しても、耐久性が高く寿命の長い近接スイッチを用いている。これに対して、遊技球Bが頻繁に入球しない一般入賞口2001には、一般入賞口センサ3001による検出も頻繁に発生しない。このため、一般入賞口センサ3001には、近接スイッチより寿命が短いメカニカルスイッチを用いている。なお、一般入賞口2001に遊技球Bが頻繁に入球するしないに関係なく、耐久性が高く寿命の長い近接スイッチを用いてもよい。
また、主制御MPU1310aは、遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払出しに関する各種コマンド等を払出制御基板633に送信したり、この払出制御基板633からのパチンコ機1の状態に関する各種コマンド等を受信したりする。更に、主制御MPU1310aは、遊技演出の制御に関する各種コマンド及びパチンコ機1の状態に関する各種コマンドを、主制御I/Oポートを介して周辺制御基板1510の周辺制御部1511に送信したりする。なお、主制御MPU1310aは、その詳細な説明は後述するが、払出制御基板633からパチンコ機1の状態に関する各種コマンドを受信すると、これらの各種コマンドを整形して周辺制御部1511に送信する。
主制御基板1310には、基板ユニット620の電源基板630から各種電圧が供給されている。この主制御基板1310に各種電圧を供給する電源基板630は、電源遮断時にでも所定時間、主制御基板1310に電力を供給するためのバックアップ電源としての電気二重層キャパシタ(以下、単に「主制御側キャパシタ」と記載する。)を備えている。この主制御側キャパシタにより主制御MPU1310aは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報を主制御内蔵RAMに記憶することができる。主制御内蔵RAMの所定領域に記憶された各種情報は、電源投入時に払出制御基板633のRWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作された旨を伝える信号(RAMクリア信号)が主制御MPU1310aへ入力されると、主制御内蔵RAMから完全に消去(クリア)される。
また、主制御基板1310には、停電監視回路が設けられている。この停電監視回路は、電源基板630から供給される各種電圧の低下を監視しており、それらの電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号を出力する。この停電予告信号は、主制御I/Oポートを介して主制御MPU1310aに入力される他に、払出制御基板633等にも出力されている。
[6−2.払出制御基板]
遊技球Bの払出し等を制御する払出制御基板633は、払出しに関する各種制御を行う払出制御部633aと、発射ソレノイド542による発射制御を行うとともに、球送給ソレノイド145による球送給制御を行う発射制御部633bと、パチンコ機1の状態を表示するエラーLED表示器と、複数の機能を兼ねる押圧操作部を有するRWMクリアボタン633zと、を備えている。RWMクリアボタン633zは、払出制御基板633に備えるマイクロプロセッサである払出制御MPUに内蔵されているRAM、及び主制御基板1310に備えるマイクロプロセッサである主制御MPU1310aに内蔵されているRAM(主制御内蔵RAM)の所定領域にそれぞれ記憶された情報を完全に消去するためのRAMクリアスイッチとしての機能と、エラーLED表示器に表示されているエラーを解除するためのエラー解除スイッチとしての機能と、設定値を選択して切り替えるための設定切替ボタンとしての機能と、を兼ね備えている。
RWMクリアボタン633zがRAMクリアスイッチとして作動する期間は、パチンコ機1が電源投入されてからRAMクリア判別期間(パチンコ機1が電源投入されてから主制御MPU1310aにより後述する主制御側電源投入時処理が開始されて同処理におけるステップS14の判定が行われるまでの期間)に限定されている。
RWMクリアボタン633zが設定切替ボタンとして作動する期間は、RAMクリア判別期間が経過してから設定切替有効期間(主制御MPU1310aにより、RAMクリア判別期間が経過してから後述する主制御側電源投入時処理におけるステップS37の設定変更処理において、設定変更基板1311に備える設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に差し込まれた設定キーにより、設定キースイッチ1311aを決定キーONした設定キーシリンダの回転位置から初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回転操作されたと判定されるまでの期間)に限定されている。
RWMクリアボタン633zがエラー解除スイッチとして作動する期間は、RAMクリア判別期間、そして設定切替有効期間が経過した時点から有効な期間となる。なお、RAMクリア判別期間、及び設定切替有効期間において、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作された旨を伝える信号が払出制御部633a(後述する払出制御MPU)へ入力されても、無効化されている。
なお、RWMクリアボタン633zが設定切替ボタンとして作動する期間は、上述したように、RAMクリア判別期間が経過してから設定切替有効期間に限定されている。ところが、この設定切替有効期間では、主制御MPU1310aは、RAMクリア判別期間が経過してから後述する主制御側電源投入時処理におけるステップS37の設定変更処理において、設定変更基板1311に備える設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に差し込まれた設定キーにより、設定キーシリンダの回転位置を監視し続ける処理を行っているため、後述する主制御側タイマ割り込み処理の開始許可するための割り込み許可設定(主制御側電源投入時処理におけるステップS52)を行うことができず、後述する主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS112の不正行為検出処理を行うことができない状態となる。換言すると、設定切替有効期間は、不正行為検出不能期間となっている。
この設定切替有効期間、つまり不正行為検出不能期間では、設定変更基板1311の設定キースイッチ1311aに不正行為者が何らかの不正な改変を行うおそれがある。
そこで、本実施形態では、設定変更基板1311の設定キースイッチ1311aにアクセス(操作)には、上述したように、まず、裏カバー640が遊技盤5の後側を覆う状態を開放することができる空間を確保するために、外枠2に対して本体枠4を大きく(約90度近く)開放しなければならない構造となっている。これにより、設定切替有効期間、つまり不正行為検出不能期間では、外枠2に対して本体枠4が大きく(約90度近く)開放された状態となるため、設定変更基板1311の設定キースイッチ1311aに何らかの不正な改変を行おうとすると、その不正行為が遊技ホールにおいて極めて目立つ存在となるため、このような不正行為対策を講ずることができる。したがって、不正行為の防止に寄与することができる。
[6−2a.払出制御部]
払出制御基板633における払出しに関する各種制御を行う払出制御部633aは、詳細な図示は省略するが、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである払出制御MPUと、I/Oデバイスとしての払出制御I/Oポートと、払出制御MPUが正常に動作しているか否かを監視するための外部WDT(外部ウォッチドックタイマ)と、払出装置580の払出モータ584に駆動信号を出力するための払出モータ駆動回路と、払出しに関する各種検出スイッチからの検出信号が入力される払出制御入力回路と、を備えている。
払出御MPUには、その内蔵されているRAM(以下、「払出制御内蔵RAM」と記載する。)や、その内蔵されているROM(以下、「払出制御内蔵ROM」と記載する。)のほかに、その動作(システム)を監視するウォッチドックタイマ(以下、「払出制御内蔵WDT」と記載する。)や不正を防止するための機能等も内蔵されている。
払出制御部633aの払出制御MPUは、主制御基板1310からの遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払い出しに関する各種コマンドを払出制御I/Oポートを介してシリアル方式で受信したり、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作された旨を伝える信号が払出制御I/Oポートを介して入力されたりする他に、満タン検知センサ154からの検出信号が入力されたり、球切検知センサ574、払出検知センサ591、及び羽根回転検知センサ590からの検出信号が入力される。なお、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作された旨を伝える信号は、主制御基板1310にも出力される。
球誘導ユニット570の球切検知センサ574、払出装置580の払出検知センサ591及び羽根回転検知センサ590からの検出信号は、払出制御入力回路に入力され、払出制御I/Oポートを介して払出制御MPUに入力される。
また、本体枠4に対する扉枠3の開放を検出する扉枠開放スイッチ、及び外枠2に対する本体枠4の開放を検出する本体枠開放スイッチからの検出信号は、払出制御入力回路に入力され、払出制御I/Oポートを介して払出制御MPUに入力される。
また、ファールカバーユニット150の満タン検知センサ154からの検出信号、払出装置580の羽根回転検知センサ590からの検出信号、払出装置580の払出検知センサ591からの検出信号、主制御基板1310の停電監視回路1310eからの停電予告信号は、払出制御入力回路を介して、払出制御MPUの所定の入力ポートへ入力されている。
払出制御MPUは、払出モータ584を駆動するための駆動信号を、払出制御I/Oを介して払出モータ584に出力したり、パチンコ機1の状態をエラーLED表示器に表示するための信号を、払出制御I/Oポートを介してエラーLED表示器に出力したり、パチンコ機1の状態を示すためのコマンドを、払出制御I/Oポートを介して主制御基板1310にシリアル方式で送信したり、実際に払出した遊技球Bの球数を払出制御I/Oポートを介して外部端子板558に出力したりする。この外部端子板558は、遊技ホール側に設置されたホールコンピュータに接続されている。このホールコンピュータは、パチンコ機1が払出した遊技球Bの球数やパチンコ機1の遊技情報等を把握することにより遊技者の遊技を監視している。
エラーLED表示器(図示は省略)は、セグメント表示器であり、英数字や図形等を表示してパチンコ機1の状態を表示している。エラーLED表示器が表示して報知する内容としては、次のようなものがある。例えば、図形「−」が表示されているときには「正常」である旨を報知し、数字「0」が表示されているときには「接続異常」である旨(具体的には、主制御基板1310と払出制御基板633との基板間の電気的な接続に異常が生じている旨)を報知し、数字「1」が表示されているときには「球切れ」である旨(具体的には、球切検知センサ574からの検出信号に基づいて払出装置580内に遊技球Bがない旨)を報知し、数字「2」が表示されているときには「球がみ」である旨(具体的には、羽根回転検知センサ590からの検出信号に基づいて払出装置580の払出通路580aと払出羽根589との間に遊技球Bがかみ込んで払出羽根589が回転困難となっている旨)を報知し、数字「3」が表示されているときには「計数スイッチエラー」である旨(具体的には、払出検知センサ591からの検出信号に基づいて払出検知センサ591に不具合が生じている旨)を報知し、数字「5」が表示されているときには「リトライエラー」である旨(具体的には、払出し動作のリトライ回数が予め設定された上限値に達した旨)を報知し、数字「6」が表示されているときには「満タン」である旨(具体的には、満タン検知センサ154からの検出信号に基づいてファールカバーユニット150内に貯留された遊技球Bで満タンである旨)を報知し、数字「7」が表示されているときには「CR未接続」である旨(払出制御基板633からCRユニットまでに亘るいずれかにおいて電気的な接続が切断されている旨)を報知し、数字「9」が表示されているときには「ストック中」である旨(具体的には、まだ払出していない遊技球Bの球数が予め定めた球数に達している旨)を報知している。
球貸ボタン224からの遊技球Bの球貸要求信号、及び返却ボタン225からのプリペイドカードの返却要求信号は、CRユニットに入力される。CRユニットは、球貸要求信号に従って貸し出す遊技球Bの球数を指定した信号を、払出制御基板633にシリアル方式で送信し、この信号が払出制御I/Oポートで受信されて払出制御MPUに入力される。またCRユニットは、貸出した遊技球Bの球数に応じて挿入されたプリペイドカードの残度を更新するとともに、その残度の表示信号を球貸操作ユニット220へ出力し、この信号が球貸操作ユニット220の球貸表示部に入力されて表示される。
払出制御基板633には、基板ユニット620の電源基板630から各種電圧が供給されている。この払出制御基板633に各種電圧を供給する電源基板630は、電源遮断時にでも所定時間、払出制御基板633に電力を供給するためのバックアップ電源としての電気二重層キャパシタ(以下、単に「払出制御側キャパシタ」と記載する。)を備えている。この払出制御側キャパシタにより払出制御MPUは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報を払出制御内蔵RAMに記憶することができる。払出制御内蔵RAMの所定領域に記憶された各種情報は、電源投入時にRWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作された旨を伝える信号(RAMクリア信号)が払出制御MPUへ入力されると、払出制御内蔵RAMから完全に消去(クリア)される。このRWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作された旨を伝える信号(RAMクリア信号)は、主制御基板1310にも出力される。
[6−2b.発射制御部]
発射制御部633bは、発射ソレノイド542による発射制御と、球送給ソレノイド145による球送給制御と、を行う。発射制御部633bは、詳細に図示は省略するが、発射に関する各種検出スイッチからの検出信号が入力される発射制御入力回路と、定時間毎にクロック信号を出力する発振回路と、このクロック信号に基づいて遊技球Bを遊技領域5aに向かって打ち出すための発射基準パルスを出力する発射タイミング制御回路と、この発射基準パルスに基づいて発射ソレノイド542に駆動信号を出力する発射ソレノイド駆動回路と、発射基準パルスに基づいて球送給ソレノイド145に駆動信号を出力する球送給ソレノイド駆動回路と、を備えている。発射タイミング制御回路は、発振回路からのクロック信号に基づいて、1分当たり100個の遊技球Bが遊技領域5aに向かって打ち出されるよう発射基準パルスを生成して発射ソレノイド駆動回路に出力するとともに、発射基準パルスを所定数倍した球送基準パルスを生成して球送給ソレノイド駆動回路に出力する。
ハンドルユニット180の関係では、ハンドル182に手のひらや指が触れているか否かを検出するハンドルタッチセンサ192、及び遊技者の意志によって遊技球Bの打ち出しを強制的に停止するか否かを検出する単発ボタン操作センサ194からの検出信号は、発射制御入力回路に入力された後に、発射タイミング制御回路に入力される。またCRユニットとCRユニット接続端子板とが電気的に接続されると、CR接続信号として発射制御入力回路に入力され、発射タイミング制御回路に入力される。遊技球Bの発射を許可する旨を伝える主制御基板1310からの発射許可信号は、発射制御入力回路に入力された後に、発射タイミング制御回路に入力される。ハンドル182の回転位置に応じて遊技球Bを遊技領域5aに向かって打ち出す強度を電気的に調節するハンドル回転検知センサ189からの信号は、発射ソレノイド駆動回路に入力され。
発射タイミング制御回路は、ハンドルタッチセンサ192からの検出信号に基づいてハンドル182に手のひらや指が触れているという発射条件1が成立し、CR接続信号に基づいてCRユニットとCRユニット接続端子板とが電気的に接続されるという発射条件2が成立し、主制御基板1310からの発射許可信号に基づいて遊技球Bの発射が許可されているという発射条件3が成立しなければ、遊技球Bを遊技領域5aに向かって打ち出すための発射基準パルスを出力しないため、例えば、発射ソレノイド駆動回路が発射ソレノイド542に駆動信号を出力せず遊技球Bを発射することができない。
この発射ソレノイド駆動回路は、ハンドル回転検知センサ189からの信号に基づいて、ハンドル182の回転位置に見合う打ち出し強度で遊技球Bを遊技領域5aに向かって打ち出すための駆動電流を、発射基準パルスが入力されたことを契機として、発射ソレノイド542に出力する。一方、球送給ソレノイド駆動回路は、球送基準パルスが入力されたことを契機として、球送給ソレノイド145に一定電流を出力することにより、皿ユニット200の上皿201に貯留された遊技球Bを球送給ユニット140内に1球受け入れ、その球送基準パルスの入力が終了したことを契機として、その一定電流の出力を停止することにより受け入れた遊技球Bを球発射装置540側へ送る。このように、発射ソレノイド駆動回路から発射ソレノイド542に出力される駆動電流は可変に制御されるのに対して、球送給ソレノイド駆動回路から球送給ソレノイド145に出力される駆動電流は一定に制御されている。
なお、本実施形態では、発射ソレノイド542による発射制御を行うと共に球送給ソレノイド145による球送給制御を行う発射制御部633bを、払出制御基板633に備えたが、電源基板630に備えるように構成してもよい。この場合、主制御基板1310からの発射許可信号は、電源基板630に直接入力されるように構成してもよいし、払出制御基板633を介して電源基板630へ入力されてもよいし、図示しない中継基板を介して電源基板630へ入力されてもよい。
[6−3.周辺制御基板]
周辺制御基板1510は、図137に示すように、主制御基板1310からのコマンドに基づいて演出制御を行う周辺制御部1511と、この周辺制御部1511からの制御データに基づいて、演出表示装置1600の描画制御を行う演出表示制御部1512と、を備えている。
[6−3a.周辺制御部]
周辺制御基板1510における演出制御を行う周辺制御部1511は、詳細な図示は省略するが、CPU、RAM、VDP、VRAM、音源、SATAコントローラ、そして各種I/Oインターフェイス等が1つの半導体チップ上に集積された周辺制御ICと、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶する周辺制御ROMと、高音質の演奏を行う音源ICと、この音源ICが参照する音楽、音声、及び効果音等の音情報が記憶されている音ROMと、を備えている。
周辺制御ICには、1つの半導体チップ上にパラレルI/Oポート、シリアルI/Oポート等を複数集積されており、主制御基板1310から各種コマンドを受信すると、この各種コマンドに基づいて、周辺制御ICのCPUは遊技盤5の各装飾基板に設けられたカラーLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データをランプ駆動基板用シリアルI/Oポートから駆動基板ユニット1700におけるパネル駆動基板1720を介して遊技盤5の各装飾基板に送信したり、遊技盤5に設けられた各種演出ユニットを作動させる駆動モータへの駆動信号を出力するための遊技盤側駆動データを遊技盤装飾駆動基板用シリアルI/Oポートからパネル駆動基板1720を介して遊技盤5の駆動モータ或いは駆動ソレノイドに送信したり、扉枠3に設けられた操作リング駆動モータ342、及び操作ボタン昇降駆動モータ367等への駆動信号を出力するための扉側駆動データと、扉枠3の各装飾基板に設けられたカラーLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための扉側発光データと、から構成される扉側駆動発光データを枠装飾駆動基板用シリアルI/Oポートから扉枠3側に送信したり、演出表示装置1600に表示させる画面を示す制御データ(表示コマンド)を表示制御部用シリアルI/Oポートから演出表示制御部1512に送信したり、するほかに、音ROMから音情報を抽出するための制御信号(音コマンド)を音源ICに出力したりする。
遊技盤5に設けられたセンター役物2500の第三振分検知センサ2552からの検知信号は、パネル駆動基板1720を介して周辺制御ICに入力されている。また、扉枠3に設けられた演出操作ユニット300の押圧検知センサ381、第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348からの検知信号は、周辺制御ICに入力されている。
また周辺制御ICのCPUは、演出表示制御部1512が正常に動作している旨を伝える信号(動作信号)が演出表示制御部1512から入力されており、この動作信号に基づいて演出表示制御部1512の動作を監視している。
音源ICは、周辺制御ICのCPUからの制御データ(音コマンド)に基づいて音ROMから音情報を抽出し、扉枠3や本体枠4等に設けられた振動スピーカ354、トップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464や、本体枠4の本体枠スピーカ622等から各種演出に合せた音楽及び効果音等のサウンドが流れるように制御を行う。なお、周辺制御基板1510が収容された周辺制御基板ボックスから後方へ突出している音量調整スイッチを回転操作することで、音量を調整することができるようになっている。本実施形態では、扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622とに、音情報としての音響信号(例えば、2chステレオ信号、4chステレオ信号、2.1chサラウンド信号、或いは、4.1chサラウンド信号、等)を送ることで、従来よりも臨場感のある音響効果(音響演出)を提示することができる。
なお、周辺制御部1511は、周辺制御ICのCPUに内蔵された内蔵WDT(ウォッチドックタイマ)のほかに、図示しない、外部WDT(ウォッチドックタイマ)も備えており、周辺制御ICのCPUは、内蔵WDTと外部WDTとを併用して自身のシステムが暴走しているか否かを診断している。
この周辺制御ICのCPUから演出表示制御部1512に出力される表示コマンドはシリアル入出力ポートにより行われ、本実施形態では、ビットレート(単位時間あたりに送信できるデータの大きさ)として19.2キロ(k)ビーピーエス(bits per second、以下、「bps」と記載する)が設定されている。一方、周辺制御ICのCPUから遊技盤5側に出力される、初期データ、扉枠側点灯点滅コマンド、遊技盤側点灯点滅コマンド、可動体駆動コマンド等は、表示コマンドと異なる複数のシリアル入出力ポートにより行われ、本実施形態では、ビットレートとして250kbpsが設定されている。
[6−3b.演出表示制御部]
演出表示制御部1512は、演出表示装置1600の描画制御を行うものである。演出表示制御部1512は、詳細な図示は省略するが、マイクロプロセッサとしての表示制御MPUと、各種処理プログラム、各種コマンド及び各種データを記憶する表示制御ROMと、演出表示装置1600を表示制御するVDP(Video Display Processorの略)と、演出表示装置1600に表示される画面の各種データを記憶する画像ROMと、この画像ROMに記憶されている各種データが転送されてコピーされる画像RAMと、を備えている。
この表示制御MPUは、パラレルI/Oポート、シリアルI/Oポート等を内蔵しており、周辺制御部1511からの制御データ(表示コマンド)に基づいてVDPを制御して演出表示装置1600の描画制御を行っている。なお、表示制御MPUは、正常に動作していると、その旨を伝える動作信号を周辺制御部1511に出力する。また表示制御MPUは、VDPから実行中信号が入力されており、この実行中信号の出力が16msごとに停止されたことを契機として、割り込み処理を行っている。
表示制御ROMは、演出表示装置1600に描画する画面を生成するための各種プログラムのほかに、周辺制御部1511からの制御データ(表示コマンド)と対応するスケジュールデータ、その制御データ(表示コマンド)と対応する非常駐領域転送スケジュールデータ等を複数記憶している。スケジュールデータは、画面の構成を規定する画面データが時系列に配列されて構成されており、演出表示装置1600に描画する画面の順序が規定されている。非常駐領域転送スケジュールデータは、画像ROMに記憶されている各種データを画像RAMの非常駐領域に転送する際に、その順序を規定する非常駐領域転送データが時系列に配列されて構成されている。この非常駐領域転送データは、スケジュールデータの進行に従って演出表示装置1600に描画される画面データを、前もって、画像ROMから画像RAMの非常駐領域に各種データを転送する順序が規定されている。
表示制御MPUは、周辺制御部1511からの制御データ(表示コマンド)と対応するスケジュールデータの先頭の画面データを表示制御ROMから抽出してVDPに出力した後に、先頭の画面データに続く画面データを表示制御ROMから抽出してVDPに出力する。このように、表示制御MPUは、スケジュールデータに時系列に配列された画面データを、先頭の画面データから1つずつ表示制御ROMから抽出してVDPに出力する。
VDPは、表示制御MPUから出力された画面データが入力されると、この入力された画面データに基づいて画像RAMからスプライトデータを抽出して演出表示装置1600に表示する描画データを生成し、この生成した描画データを、演出表示装置1600に出力する。またVDPは、演出表示装置1600が、表示制御MPUからの画面データを受け入れないときに、その旨を伝える実行中信号を表示制御MPUに出力する。なお、VDPは、ラインバッファ方式が採用されている。この「ラインバッファ方式」とは、演出表示装置1600の左右方向を描画する1ライン分の描画データをラインバッファに保持し、このラインバッファに保持した1ライン分の描画データを、演出表示装置1600に出力する方式である。
画像ROMには、極めて多くのスプライトデータが記憶されており、その容量が大きくなっている。画像ROMの容量が大きくなると、つまり、演出表示装置1600に描画するスプライトの数が多くなると、画像ROMのアクセス速度が無視できなくなり、演出表示装置1600に描画する速度に影響することとなる。そこで、本実施形態では、アクセス速度の速い画像RAMに、画像ROMに記憶されているスプライトデータを転送してコピーし、この画像RAMからスプライトデータを抽出している。なお、スプライトデータは、スプライトをビットマップ形式に展開する前のデータである基データであり、圧縮された状態で画像ROMに記憶されている。
ここで、「スプライト」について説明すると、「スプライト」とは、演出表示装置1600に、纏まった単位として表示されるイメージである。例えば、演出表示装置1600に、種々の人物(キャラクタ)を表示させる場合には、夫々の人物を描くためのデータを「スプライト」と呼ぶ。これにより、演出表示装置1600に複数人の人物を表示させる場合には、複数のスプライトを用いることとなる。また人物のほかに、背景を構成する家、山、道路等もスプライトであり、背景全体を1つのスプライトとすることもできる。これらのスプライトは、画面に配置される位置やスプライト同士が重なる場合の上下関係(以下、「スプライトの重ね合わせの順序」と記載する。)が設定されて演出表示装置1600に描画される。
なお、スプライトは縦横それぞれ64画素の矩形領域を複数張り合わせて構成されている。この矩形領域を描くためのデータを「スプライトキャラクタ」と呼ぶ。小さなスプライトの場合には1つのスプライトキャラクタを用いて表現することができるし、人物など比較的大きいスプライトの場合には、例えば横2×縦3などで配置した合計6個のスプライトキャラクタを用いて表現することができる。背景のように更に大きいスプライトの場合には更に多数のスプライトキャラクタを用いて表現することができる。このように、スプライトキャラクタの数及び配置は、スプライトごとに任意に指定することができるようになっている。
演出表示装置1600は、その正面から見て左から右に向かって順次、画素に沿った一方向に画素ごとの表示状態を設定する主走査と、その一方向と交差する方向に主走査を繰り返し行う副走査と、によって駆動される。演出表示装置1600は、演出表示制御部1512から出力された1ライン分の描画データが入力されると、主走査として演出表示装置1600の正面から見て左から右に向かって順次、1ライン分の画素にそれぞれ出力する。そして1ライン分の出力が完了すると、演出表示装置1600は、副走査として直下のラインに移行し、同様に次ライン分の描画データが入力されると、この次ライン分の描画データに基づいて主走査として演出表示装置1600の正面から見て左から右に向かって順次、1ライン分の画素にそれぞれ出力する。
[6−4.SMDタイプの電子部品の実装]
ここで、製造中止電子部品対策について説明する。まず、パチンコ機1の諸事情により、電源基板、主制御基板、払出制御基板などの主基板として扱われる基板については、その表面側である実装面にリードタイプの電子部品を実装して、裏面側であるハンダ面でハンダ付けする必要がある。ところが、リードタイプの電子部品は、上述したように、パチンコ機、スロット、融合遊技機等の遊技機を製造するメーカにおいては、重要なものであるものの、他の一般電機メーカは、小型化可能な面実装タイプ(いわゆる、SMDタイプ)のものを使用している。このため、リードタイプの電子部品の生産数が減少することで製造中止となる場合がある。そこで、SMDタイプの電子部品をリードタイプの電子部品として構成することができるリードタイプ化電子部品を主基板として扱われる基板の実装面に実装することができる。
ところが、このリードタイプ化電子部品として構成すると、リードタイプ化電子部品の外形(形状)は、リードタイプの電子部品の外形(形状)と比べて大きくなるとともに、その一部又は複数に突出部が形成されて歪な外形(形状)となる場合がる。このような外形(形状)を有するリードタイプ化電子部品が主基板として扱われる基板の実装面に実装されると、他の電子部品との位置関係で相互に基板における配置が困難となる場合があるため、SMDタイプの電子部品を上述したリードタイプ化電子部品として構成することが困難となるものがある。そこで、このようなリードタイプ化電子部品に加えて、抵抗、コンデンサ、ダイオード、コイル、LED等のリードタイプの電子部品のうち、限定的に、SMDタイプの電子部品を主基板として扱われる基板の実装面に実装することが認められる場合がある。
ここでは、主制御基板1310に実装されるSMDタイプのシュミットトリガインバータについて、図138〜図141を参照して説明する。図138はSMDタイプの電子部品が主制御基板の表面(実装面)に実装される領域の一部分を拡大した図(a)、この拡大した図を主制御基板の右側から見た図(b)であり、図139はリードタイプの電子部品を代替のSMDタイプの電子部品を所定領域に集約した基板の表面(実装面)の概略図(a)であり、リードタイプの電子部品を代替のSMDタイプの電子部品を集約して小型化した基板の表面(実装面)及び裏面(ハンダ面)を示す概略図(b)であり、図140は図138(a)の拡大した図を主制御基板の裏面(ハンダ面)を示す図であり、図141は主制御ユニットの主制御基板ボックスの斜視図である。なお、図138及び図140には、図面の見やすさから、説明に必要な電子部品を除いて、他の各種電子部品を省略した。
主制御基板1310に実装されるSMDタイプのシュミットトリガインバータは、リードタイプのシュミットトリガインバータ(DIP(Dual Inline Package)タイプ)と同一の機能を有する代替のものであり、このリードタイプのシュミットトリガインバータが実装された領域であって主制御基板1310の表面(実装面)に配置されている。主制御基板1310に実装されるSMDタイプのシュミットトリガインバータは、上述した各種センサからの検出信号が入力される主制御入力回路を構成する主要回路の1つであり、何らかの不正な手段により主制御基板1310から欠落されると、主制御基板1310の主制御MPU1310aは、各種センサのうち、遊技球の入球を伝えるものについては常に入球なしと判別し、不正は磁石の接近や不正な振動等の不正行為を伝えるものについては常に不正行為が行われていると判別するようになっている。なお、主制御基板1310には、リードタイプの電子部品として、抵抗、コンデンサ、ダイオード、コイル、LED等の複数種類の電子部品が複数実装されている。
本実施形態では、主制御基板1310のレジストとして緑色を採用しており、主制御基板1310の表面(実装面)全体及び裏面(ハンダ面)全体が緑色のレジストで各種ランドパターンを除いてベタ塗りされている。
主制御基板1310の表面(実装面)1310xには、図138(b)に示すように、SMDタイプのシュミットトリガインバータMIC30(以下、単に「シュミットトリガインバータMIC30」と記載する。)と、シュミットトリガインバータMIC30の近傍にシュミットトリガインバータMIC30自身が発生する雑音電圧を除去することができるリードタイプの高周波バイパスコンデンサMC30(以下、単に「コンデンサMC30」と記載する。)と、が実装されるようになっている。なお、図138(a)には、シュミットトリガインバータMIC30、及びコンデンサMC30を図面の見やすさから省略している。
シュミットトリガインバータMIC30は、6つのシュミットトリガインバータ回路が集積されて1つのSMDパッケージに収容されている。本実施形態では、シュミットトリガインバータMIC30のSMDパッケージとして14ピンを有するSOP(Small Outline Package)を採用している(以下、シュミットトリガインバータMIC30のSMDパッケージを「SOP14」と記載する場合がある)。シュミットトリガインバータMIC30は、SMDパッケージ本体の対向する2辺から7本のリードがリード間距離寸法(いわゆる「リードピッチ」、本実施形態では、1.27mm)を有して外部へ向かって屈曲して突出して形成され、各リードと対応する主制御基板1310の表面(実装面)1310xにのみに形成される矩形状のランドパターンに載置された後に、各リードと主制御基板1310の表面(実装面)1310xにのみに形成される矩形状のランドパターンとがそれぞれハンダ付けされる。各リードの幅寸法は、0.43mmであり、矩形状のランドパターンの幅寸法は、各リードの幅寸法より大きく、0.76mm(矩形状のランドパターンの長さ寸法は、1.27mm)である。なお、SMDパッケージ本体の大きさは、本実施形態では、幅寸法が5.3mm、長さ寸法が10.8mm、高さ寸法が1.5mmを有しており、SMDパッケージ本体の2辺から突出するリードの長さを含めると、シュミットトリガインバータMIC30の幅寸法が7.8mmを有する。
なお、主制御基板1310の表面(実装面)1310xにシュミットトリガインバータMIC30がハンダ付けされるものの、リードタイプの電子部品を主制御基板1310に実装するため、主制御基板1310の裏面をハンダ面とし「主制御基板1310の裏面(ハンダ面)」として記載する(以下、同じ)。
コンデンサMC30は、直方体形状を有する本体から突出する2本のリードがリード間距離寸法(いわゆる「リードピッチ」、本実施形態では、5mm)を有して外部へ向かって平行な直線状に突出して形成され、2本のリードと対応する主制御基板1310の表面(実装面)1310x及び裏面(ハンダ面)1310yを貫通して両面(表面(実装面)及び裏面(ハンダ面))にそれぞれ形成されるリング状のランドパターン(スルーホールともいう。以下、同じ。)のうち、主制御基板1310の表面(実装面)1310xに形成されるリング状のランドパターンから裏面(ハンダ面)1310yに形成されるリング状のランドパターンへ向かって2本のリードが挿入された後に、主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310yに形成されるリング状のランドパターンから突出する2本のリードと主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310yに形成されるリング状のランドパターンとがそれぞれハンダ付けされる。2本のリードの径は、0.5mmであり、リング状のランドパターンの内径は、2本のリードの径より大きく、0.7mmである(リング状のランドパターンの外径は、1.3mm)。
なお、主制御基板1310の表面(実装面)1310xは、制御信号を伝送する配線パターン、電源を供給する配線パターン、各種ランドパターンが形成される領域を除く他の領域をグランド(GND)とする、いわゆるベタアースとして形成されているとともに、主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310yも、制御信号を伝送する配線パターン、電源を供給する配線パターン、各種ランドパターンが形成される領域を除く他の領域をグランド(GND)とする、いわゆるベタアースとして形成されている。主制御基板1310の表面(実装面)1310xに形成されるベタアースと、主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310yに形成されるベタアースとは、主制御基板1310の両面(表面(実装面)及び裏面(ハンダ面))に形成される複数のスルーホール(主制御基板1310の両面(表面(実装面)及び裏面(ハンダ面))を貫通する孔(銅メッキされる孔))により電気的に接続されることにより、同一のグランド(GND)となっている。スルーホールの径は、リング状のランドパターンの内径と比べて小さく、0.3mmである。なお、スルーホールには、主制御基板1310の表面(実装面)1310xに形成されるベタアースと、主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310yに形成されるベタアースと、を同一のグランド(GND)とするもののほかに、各種配線パターンを主制御基板1310の両面(表面(実装面)及び裏面(ハンダ面))に引き回すために用いられるものも複数ある。
主制御基板1310の表面(実装面)1310xには、図138(a)に示すように、シュミットトリガインバータMIC30を配置する位置(向きの指定も含む。)を示す領域MSLKMIC30がシルク印刷として白色の実線(又は、黒色の実線)で印刷されるとともに、この領域MSLKMIC30の近傍であって左下方にシュミットトリガインバータMIC30と対応する部品番号がシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷されている。具体的には、領域MSLKMIC30は、シュミットトリガインバータMIC30の長手方向が図138(a)における左右方向となるように、シュミットトリガインバータMIC30の1番端子となるリードを左下側、7番端子(グランド(GND)端子)となるリードを右下側、8番端子となるリードを右上側、そして14番端子(電源端子)となるリードを左上側へそれぞれ配置する旨を指示するものとなっている。
シュミットトリガインバータMIC30の1番端子〜6番端子、及び8番端子〜13端子となる各リードと対応する矩形状のランドパターンは、それぞれ対応する制御信号を伝送する各配線パターンと電気的に接続され、シュミットトリガインバータMIC30の7番端子(グランド(GND)端子)となるリードと対応する矩形状のランドパターンは、主制御基板1310の表面(実装面)に形成されるベタアースと電気的に接続され、シュミットトリガインバータMIC30の14番端子(電源端子)となるリードと対応する矩形状のランドパターンは、電源を供給する配線パターンと電気的に接続される。
シュミットトリガインバータMIC30のパッケージ本体表面には、製造会社名(略称や記号も含む。例えば、「ABC」)及び品番(カタログに掲載される番号であり、例えば、「74XXYYZZ」)が刻印されていたり、又は所定の色(製造会社によって異なる)で印刷されていたりする。ところが、シュミットトリガインバータMIC30は、SOP14というSMDパッケージであり、小型であるため、シュミットトリガインバータMIC30のパッケージ本体表面積が小さい。
また、主制御基板1310は、その詳細な後述するが、遊技の進行を制御する重要な制御基板であるため、不正な改変を行って不正な遊技球を獲得する者から主制御基板1310を防止する必要があり、放熱用の通気孔が複数形成される透明なカバー体と透明なベース体とから構成される主制御基板ボックス1320に収容されて封印されている。この放熱用の通気孔は、主制御基板ボックス1320内の空気を外気へ放出することができるものである。
そうすると、主制御基板1310の各種電子部品の品番(カタログに掲載される番号)を確認する場合には、主制御基板1310が主制御基板ボックス1320に収容された状態において主制御基板1310の表面(実装面)側を透明なカバー体を通して目視する際に、シュミットトリガインバータMIC30のパッケージ本体表面に刻印又は印刷される製造会社名(略称や記号も含む。)や品番(カタログに掲載される番号)が小さく視認し難い。
そこで、本実施形態では、主制御基板1310の表面(実装面)1310xには、図138(a)における領域MSLKMIC30の近傍であって右方に情報領域を設けてこの情報領域内にシュミットトリガインバータMIC30の品番(カタログに掲載される番号)MSLKMIC30pがシュミットトリガインバータMIC30のパッケージ本体表面に刻印又は印刷される品番(カタログに掲載される番号)の大きさと比べて視認し易い大きさとなるようにシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷されている。したがって、シュミットトリガインバータMIC30の品番(カタログに掲載される番号)を確実に視認することができる。
なお、品番(カタログに掲載される番号)とともに、製造会社名(略称や記号も含む。)がシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷されていてもよい。この場合、シュミットトリガインバータMIC30のパッケージ本体表面に刻印又は印刷される製造会社名(略称や記号も含む。)の大きさと比べて視認し易い大きさとなるようにシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷されていることが好ましい。これにより、シュミットトリガインバータMIC30の製造会社名(略称や記号も含む。)を確実に視認することができる。
また、主制御基板1310の表面(実装面)1310xには、シュミットトリガインバータMIC30の14番端子(電源端子)となるリードと対応する矩形状のランドパターンの近傍に配置されるように、コンデンサMC30を配置する位置(コンデンサMC30に極性がないため向きの指定がない。)を示す領域MSLKMC30がシルク印刷として白色の実線(又は、黒色の実線)で印刷されているとともに、この領域MSLKMC30の近傍であって右上方にコンデンサMC30と対応する部品番号がシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷されている。具体的には、領域MSLKMC30は、コンデンサMC30の2本のリードが図138(a)における上下方向となるように、一方のリードを、電源を供給する配線パターンと電気的に接続される上側のリング状のランドパターン、そして他方のリードを、この上側のリング状のランドパターンと対をなす下側のリング状のランドパターンへそれぞれ挿入する旨を指示するものとなっている。
上側のリング状のランドパターンが電気的に接続される配線パターンは、シュミットトリガインバータMIC30の14番端子(電源端子)となるリードと対応する矩形状のランドパターンとも電気的に接続されている。また、下側のリング状のランドパターンは、主制御基板1310の表面(実装面)に形成されるベタアースと電気的に接続されている。
ここで、SMDタイプの電子部品を主基板として扱われる基板の表面(実装面)に実装する利点について簡単に説明する。SMDタイプの電子部品は、上述したように、リードタイプの電子部品と比べて小型化可能であるため、SMDタイプの電子部品が基板の表面(実装面)に実装される場合における電子部品実装密度は、リードタイプの電子部品が基板の表面(実装面)に実装される場合における電子部品実装密度と比べると、極めて抑制することができる。このため、リードタイプの電子部品が実装される基板の表面(実装面)の領域に対してこのリードタイプの電子部品と同一の機能を有する代替のSMDタイプの電子部品を実装する場合には、SMDタイプの電子部品が小型であることから、SMDタイプの電子部品が実装される基板の表面(実装面)の周囲領域を大きくすることができるとともに、リードタイプの電子部品からSMDタイプの電子部品に代替した部品間の領域も大きくすることができる(つまり、代替した部品間によって基板の表面(実装面)にすき間が多い電子部品の実装態様とすることができる)。これにより、基板の表面(実装面)に実装されるSMDタイプの電子部品を多方向から目視することができるため、SMDタイプの電子部品の不正改変、基板の表面(実装面)とSMDタイプの電子部品との実装状態(ハンダ付け状態)、SMDタイプの電子部品への各種配線パターンや各種ランドパターンの状態を確認することができる。したがって、SMDタイプの電子部品を使用することで不正改変の発見容易性に寄与することができる。
また、SMDタイプの電子部品が実装される基板の表面(実装面)の周囲領域を大きくすることができるとともに、リードタイプの電子部品からSMDタイプの電子部品に代替した部品間の領域も大きくすることができるため、これらの領域(基板の表面(実装面))に対して、SMDタイプの電子部品の品番(カタログに掲載される番号)を、SMDタイプの電子部品のパッケージ本体表面に刻印又は印刷される品番(カタログに掲載される番号)の大きさと比べて視認し易い大きさとなるようにシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷することができるし、この品番(カタログに掲載される番号)とともに、製造会社名(略称や記号も含む。)をシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷することもできる。したがって、SMDタイプの電子部品の認識容易性に寄与することができる。
なお、SMDタイプの電子部品が基板の表面(実装面)が実装されると、SMDタイプの電子部品の本体裏面と基板の表面(実装面)との距離寸法が極めて短いため(例えば、シュミットトリガインバータMIC30では、その本体裏面と主制御基板1310の表面(実装面)との距離寸法が0.1mm〜0.2mmとなっている。)、SMDタイプの電子部品の本体裏面と基板の表面(実装面)とのすき間に何らかの不正な回路を形成するというゴト行為が行われても、このような不正な回路を発見し難いという問題がある。
そこで、本実施形態では、SMDタイプの電子部品の本体裏面と基板の表面(実装面)とのすき間に何らかの不正な回路が形成されることを防止する方法として次のような構成を採用した。
SMDタイプの電子部品の本体裏面と対応する基板の表面(実装面)の領域に制御信号を伝送する各配線パターンを全く配置しない構成を採用した。具体的には、図138(a)に示すように、シュミットトリガインバータMIC30の本体裏面と対応する主制御基板1310の表面(実装面)の領域(換言すると、シュミットトリガインバータMIC30の本体の下部分を通過する領域)に、制御信号を伝送する各配線パターンを全く配置しない構成を採用した。
SMDタイプの電子部品の本体裏面と対応する基板の表面(実装面)の領域に、グランド(GND)と電気的に接続する配線パターン、及び電源を供給する配線パターンを全く配置しない構成を採用した。具体的には、図138(a)に示すように、シュミットトリガインバータMIC30の本体裏面と対応する主制御基板1310の表面(実装面)の領域(換言すると、シュミットトリガインバータMIC30の本体の下部分を通過する領域)に、グランド(GND)と電気的に接続する配線パターン、及び電源を供給する配線パターンを全く配置しない構成を採用した。
SMDタイプの電子部品の本体裏面と対応する基板の表面(実装面)の領域にスルーホールを全く配置しない構成を採用した。具体的には、図138(a)に示すように、シュミットトリガインバータMIC30の右上と左上とにスルーホールMTHが配置されており、シュミットトリガインバータMIC30の本体裏面と対応する主制御基板1310の表面(実装面)の領域(換言すると、シュミットトリガインバータMIC30の本体の下部分を通過する領域)にスルーホールMTHを全く配置しない構成を採用した。このスルーホールMTHは、上述したように、主制御基板1310の両面(表面(実装面)及び裏面(ハンダ面))を貫通する孔(銅メッキされる孔))により電気的に接続されることにより、同一のグランド(GND)とすることができるものである。なお、このスルーホールMTHのほかに、各種配線パターンを主制御基板1310の両面(表面(実装面)及び裏面(ハンダ面))に引き回すために図示しないスルーホールMTH’も主制御基板1310に複数存在するものの、このようなスルーホールMTH’も、シュミットトリガインバータMIC30の本体裏面と対応する主制御基板1310の表面(実装面)の領域(換言すると、シュミットトリガインバータMIC30の本体の下部分を通過する領域)にスルーホールMTH’を全く配置しない構成を採用した。
SMDタイプの電子部品の各リードのうち、一のリードと電気的に接続する配線パターンを、SMDタイプの電子部品の本体裏面と対応する基板の表面(実装面)の領域に形成してSMDタイプの電子部品の外部へ引き出さない構成を採用した。具体的には、図138(a)に示すように、シュミットトリガインバータMIC30の各リードへの各種配線パターンをシュミットトリガインバータMIC30の本体裏面と対応する主制御基板1310の表面(実装面)の領域(換言すると、シュミットトリガインバータMIC30の本体の下部分を通過する領域)に全く配置せず、シュミットトリガインバータMIC30の上方や下方から配置する構成を採用した。
SMDタイプの電子部品の各リードのうち、一のリードと他のリードとを電気的に接続する配線パターンを短くするために、SMDタイプの電子部品の本体裏面と対応する基板の表面(実装面)の領域に制御信号を伝送する各配線パターンを全く配置しない構成を採用した。具体的には、図138(a)に示すように、シュミットトリガインバータMIC30の各リードへの各種配線パターンをシュミットトリガインバータMIC30の本体裏面と対応する主制御基板1310の表面(実装面)の領域(換言すると、シュミットトリガインバータMIC30の本体の下部分を通過する領域)に全く配置せず、シュミットトリガインバータMIC30の上方や下方から配置する構成を採用した。
SMDタイプの電子部品の各リードを主制御基板1310の表面(実装面)に形成される矩形状のランドパターンにハンダ付けすることでランドパターンと電気的に接続される各配線パターンを介すことなく、制御信号を取り出すことができない構成を採用した。具体的には、図138(a)に示すように、シュミットトリガインバータMIC30の各リードを主制御基板1310の表面(実装面)に形成される矩形状のランドパターンにハンダ付けすることでランドパターンと電気的に接続される各配線パターンを介すことなく、制御信号を取り出すことができない構成を採用した。換言すると、シュミットトリガインバータMIC30の各リードと異なる部位から制御信号を取り出すことができない構成を採用した。
このような構成を採用したことにより、SMDタイプの電子部品の本体裏面と基板の表面(実装面)とのすき間に、短絡する回路、断線する回路等の新たな回路を不正に形成することが困難とすることができる。また、SMDタイプの電子部品への各種配線パターンを目視することができるようになっているため、SMDタイプの電子部品に対して不正な回路を設けようとする不正行為者の意思を断念させることができる。したがって、SMDタイプの電子部品に対する不正行為を防止することができる。
また、SMDタイプの電子部品の本体裏面と対応する基板の表面(実装面)の領域に制御信号を伝送する各配線パターンを全く配置しないことにより、SMDタイプの電子部品の本体裏面と、このSMDタイプの電子部品の本体裏面と対応する基板の表面(実装面)と、の間に、不正な他のIC(SMDタイプの電子部品)が実装されないように、SMDタイプの電子部品への制御信号と不正な他のICへの制御信号とをSMDタイプの電子部品の本体裏面と対応する基板の表面(実装面)の領域において組み合わせて利用することができないようにすることができる。
また、SMDタイプの電子部品の本体裏面と対応する基板の表面(実装面)の領域に制御信号を伝送する各配線パターンを全く配置しないことにより、不正な他のIC(SMDタイプの電子部品)の種類として、SMDタイプの電子部品の本体裏面と、このSMDタイプの電子部品の本体裏面と対応する基板の表面(実装面)と、の間に、制御信号の取り回しが容易となる配置し易いものを選択することができないようにすることができる。
また、SMDタイプの電子部品の各リードのうち、一のリードと電気的に接続する配線パターンを、SMDタイプの電子部品の本体裏面と対応する基板の表面(実装面)の領域に形成してSMDタイプの電子部品の外部へ引き出さないことにより、この外部へ引き出される配線パターンを伝送する制御信号を、不正に利用することができないようにすることができる。
また、SMDタイプの電子部品の各リードを主制御基板1310の表面(実装面)に形成される矩形状のランドパターンにハンダ付けすることでランドパターンと電気的に接続される各配線パターンを介すことなく、制御信号を取り出すことでSMDタイプの電子部品の各リードと異なる部位から制御信号を取り出すことができないことにより、配線パターンを伝送する制御信号を、不正に利用することができないようにすることができる。
また、SMDタイプの電子部品の各リードのうち、一のリードと他のリードとを電気的に接続する配線パターンを短くするために、SMDタイプの電子部品の本体裏面と対応する基板の表面(実装面)の領域に制御信号を伝送する各配線パターンを全く配置しないことにより、SMDタイプの電子部品の各リードと電気的に接続される各配線パターンをSMDタイプの電子部品の上方や下方から配置することで、リードの周辺に不正な回路を形成することができないようにすることができる。なお、SMDタイプの電子部品の各リードのうち、利用しないリード(「空き端子」ともいう。)に対しては、グランド(GND)と電気的に接続する配線パターンと電気的に接続したり、又は電源を供給する配線パターンと電気的に接続したりする場合に、SMDタイプの電子部品の上方や下方から配置することで空き端子の周辺に不正な回路を形成することができないようにすることができる。
また、SMDタイプの電子部品の本体裏面と対応する基板の表面(実装面)の領域にスルーホールを全く配置しないことにより、SMDタイプの電子部品の本体裏面と、このSMDタイプの電子部品の本体裏面と対応する基板の表面(実装面)と、の間に、不正な他のIC(SMDタイプの電子部品)が実装されないように、スルーホールを介して制御信号を取り出すことができないようにすることができ、スルーホールに不正な他のICを固定(ハンダ付け)できないようにすることができ、スルーホールを通し孔として基板の裏面(ハンダ面)から表面(実装面)への制御信号の取り出しとして利用することができないようにすることができる。
また、SMDタイプの電子部品の本体裏面と対応する基板の表面(実装面)の領域に、グランド(GND)と電気的に接続する配線パターン、及び電源を供給する配線パターンを全く配置しないことにより、SMDタイプの電子部品の本体裏面と、このSMDタイプの電子部品の本体裏面と対応する基板の表面(実装面)と、の間に、不正な他のIC(SMDタイプの電子部品)が実装されないように、不正な他のICに対する駆動源とならないようにすることができる。
次に、SMDタイプの電子部品を主基板として扱われる基板の表面(実装面)に集約して実装する構成について説明する。SMDタイプの電子部品は、上述したように、小型化することができるため、集約して実装されることで基板自体の大きさも小型化することができる。ここでは、主基板として主制御基板1310について説明し、この主制御基板1310が主制御基板ボックス1320に収容された状態で目視する際に、SMDパッケージによる品番の視認性対策が講じられる本発明の他の構成(以下、「第2乃至第3実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成」と記載する。)について説明する。なお、図139(a),(b)では、図138(a),(b)に示した実施形態(以下、「第1実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成」と記載する。)と同じ機能を奏するものに対しては、同じ符号を付して表すとともに、上述した、設定表示器1310g、及びベースモニタ1310h等を図面の見やすさから省略した。
[第1実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成と第2実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成との対比]
第1実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成では、リードタイプの電子部品であるシュミットトリガインバータが実装される主制御基板1310の表面(実装面)1310xの領域に対してこのリードタイプの電子部品と同一の機能を有する代替のSMDタイプの電子部品であるシュミットトリガインバータMIC30を配置する位置(向きの指定も含む。)を示す領域MSLKMIC30がシルク印刷として白色の実線(又は、黒色の実線)で印刷されるとともに、この領域MSLKMIC30の近傍であって左下方にシュミットトリガインバータMIC30と対応する部品番号がシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷されている。
また、第1実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成では、主制御基板1310の表面(実装面)1310xには、上述したように、領域MSLKMIC30の近傍であって右方に情報領域を設けてこの情報領域内にシュミットトリガインバータMIC30の品番(カタログに掲載される番号)MSLKMIC30pがシュミットトリガインバータMIC30のパッケージ本体表面に刻印又は印刷される品番(カタログに掲載される番号)の大きさと比べて視認し易い大きさとなるようにシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷されている。
これに対して、第2実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成では、図139(a)に示すように、リードタイプの電子部品である主制御MPU1310a、及びリードタイプの各種コネクタを除いて、リードタイプの各種IC、抵抗、コンデンサ、ダイオード、コイル、LED等の電子部品と同一の機能を有する代替のSMDタイプの電子部品を集約して主制御基板1310’の表面(実装面)1310x’に実装されている。この主制御基板1310’の外形寸法(縦寸法、横寸法、及び厚み寸法)は、第1実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成における主制御基板1310の外形寸法と同一である。
主制御基板1310’は、その上辺及びその下辺の中点をそれぞれ通る直線を中心線として、この中心線から左側における主制御基板1310’の表面(実装面)1310x’の領域には各種電子部品及び各種コネクタを配置するための部品配置領域1310xa’として形成されるとともに、この中心線から右側における主制御基板1310’の表面(実装面)の領域には部品番号と品番(カタログに掲載される番号)とを整列した態様で構成される電子部品の部品リストのように表記される情報領域である部品リスト領域1310xb’として形成される。
具体的には、部品配置領域1310xa’には、リードタイプに含まれるZIP(Zigzag Inline Package)タイプの主制御MPU1310a、リードタイプの各種コネクタMCN1〜MCN4(その他の図示しない複数のコネクタ)、抵抗MR0〜MR4(その他の図示しない複数の抵抗)、コンデンサMC0〜MC5,MC30(その他の図示しない複数のコンデンサ)、ダイオードD0(その他の図示しない複数のダイオード)、シュミットトリガインバータMIC30(その他の図示しない各種IC)が実装されている。部品配置領域1310xa’には、これらの各種電子部品及び各種コネクタを配置する位置(向きの指定も含む場合がある。)を示す図示しない領域がシルク印刷として白色の実線(又は、黒色の実線)で印刷されているとともに、これらの各種電子部品及び各種コネクタの近傍には、それぞれ対応する部品番号がシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷されている。また、各種コネクタは、リードタイプのものを使用しているが、これは、コネクタに配線を接続すると、この配線によるストレス(このストレスは、配線がコネクタに接続されるまでの配線経路における引き回しに伴って生ずる配線の反力がコネクタに働くことによるもの。)により基板から剥がれることを防止するためである。
部品リスト領域1310xb’には、部品番号と品番(カタログに掲載される番号)とを整列した態様で構成される電子部品の部品リストがシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷されている。部品番号及び品番の大きさは、部品配置領域1310xa’にシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷されている部品番号の大きさと比べて大きく(例えば、3倍〜5倍程度大きく)シルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷される。部品番号と品番(カタログに掲載される番号)との間に区切り記号「:」が設けられ、部品番号と品番(カタログに掲載される番号)とが連続したものとして識別されないようになっている。この区切り記号により、部品番号と品番(カタログに掲載される番号)とを区別して識別することができる。
なお、品番(カタログに掲載される番号)とともに、製造会社名(略称や記号も含む。)をシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷されていてもよい。また、このような部品の情報を記載することに加えて、遊技機の関する注意事項などを記載してもよい。例えば、「主制御基板は、セキュリティー上重要な基板であり、取り扱いには十分注意してください」等の注意喚起を目的とした記載を行ってもよい。
このように、主制御基板1310’の表面(実装面)の領域を、部品配置領域1310xa’と部品リスト領域1310xb’とに区分することができるため、主制御基板1310’の表面(実装面)に実装される各種電子部品及び各種コネクタを認識し易くすることができる。
なお、主制御基板1310’の表面(実装面)1310x’に印刷さされるシルク印刷に代えて、後述する第5実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成における箔抜き領域及び箔抜き文字を採用してもよいし、第6実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成における2度塗りのレジストを利用したレジスト抜き領域と2度塗りのレジストを利用した白色レジスト抜き文字とを採用してもよい。
[第1実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成と第3実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成との対比]
第1実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成では、リードタイプの電子部品であるシュミットトリガインバータが実装される主制御基板1310の表面(実装面)1310xの領域に対してこのリードタイプの電子部品と同一の機能を有する代替のSMDタイプの電子部品であるシュミットトリガインバータMIC30を配置する位置(向きの指定も含む。)を示す領域MSLKMIC30がシルク印刷として白色の実線(又は、黒色の実線)で印刷されるとともに、この領域MSLKMIC30の近傍であって左下方にシュミットトリガインバータMIC30と対応する部品番号がシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷されている。
また、第1実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成では、主制御基板1310の表面(実装面)1310xには、上述したように、領域MSLKMIC30の近傍であって右方に情報領域を設けてこの情報領域内にシュミットトリガインバータMIC30の品番(カタログに掲載される番号)MSLKMIC30pがシュミットトリガインバータMIC30のパッケージ本体表面に刻印又は印刷される品番(カタログに掲載される番号)の大きさと比べて視認し易い大きさとなるようにシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷されている。
これに対して、第3実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成では、図139(b)に示すように、リードタイプの電子部品である主制御MPU1310a、及びリードタイプの各種コネクタを除いて、リードタイプの各種IC、抵抗、コンデンサ、ダイオード、コイル、LED等の電子部品と同一の機能を有する代替のSMDタイプの電子部品を集約して主制御基板1310’の表面(実装面)1310x’に実装されている。SMDタイプの電子部品を集約して主制御基板1310’の表面(実装面)1310x’に実装することにより、主制御基板1310’の大きさを小型化することができる。この主制御基板1310’の外形寸法(縦寸法、横寸法、及び厚み寸法)は、第1実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成における主制御基板1310の外形寸法のうち、横寸法のみ半分(縦寸法、及び厚み寸法は同一。)の長さとなっている。
主制御基板1310’の表面(実装面)1310x’には、各種電子部品及び各種コネクタが配置されている。これらの各種電子部品及び各種コネクタの配置は、上述した第2実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成における主制御基板1310’に形成される部品配置領域1310xa’に配置されるものと同一の配置であり(つまり、これらの各種電子部品及び各種コネクタを配置する位置(向きの指定も含む場合がある。)を示す図示しない領域が同一の配置となってシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷されている。)、これらの各種電子部品及び各種コネクタの近傍にそれぞれ対応する部品番号も同一の配置となってシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷されている。また、各種コネクタは、リードタイプのものを使用しているが、これは、コネクタに配線を接続すると、この配線によるストレス(このストレスは、配線がコネクタに接続されるまでの配線経路における引き回しに伴って生ずる配線の反力がコネクタに働くことによるもの。)により基板から剥がれることを防止するためである。
主制御基板1310’の裏面(ハンダ面)1310y’には、上述した第2実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成における主制御基板1310’に形成される情報領域である部品リスト領域1310xb’にシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷される部品番号と品番(カタログに掲載される番号)とを整列した態様で構成される電子部品の部品リストがシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷されている。部品番号及び品番(カタログに掲載される番号)の大きさは、主制御基板1310’の表面(実装面)にシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷されている部品番号の大きさと比べて大きく(例えば、3倍〜5倍程度大きく)シルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷される。部品番号と品番(カタログに掲載される番号)との間に区切り記号「:」が設けられ、部品番号と品番(カタログに掲載される番号)とが連続したものとして識別されないようになっている。この区切り記号により、部品番号と品番(カタログに掲載される番号)とを区別して識別することができる。なお、品番(カタログに掲載される番号)とともに、製造会社名(略称や記号も含む。)をシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷されていてもよい。また、このような部品の情報を記載することに加えて、遊技機の関する注意事項などを記載してもよい。例えば、「主制御基板は、セキュリティー上重要な基板であり、取り扱いには十分注意してください」等の注意喚起を目的とした記載を行ってもよい。
また、主制御基板1310’の裏面(ハンダ面)1310y’には、上述したZIPタイプの主制御MPU1310a(図中、部品番号「MIC1」として記載。)の各リード、及びリードタイプの電子部品であるコンデンサMC0〜MC5,MC30、抵抗MR0〜MR4の各リードが主制御基板1310’の裏面(ハンダ面)1310y’から突出して主制御基板1310’の裏面(ハンダ面)1310y’にハンダ付けされている部分(図中、中黒丸(●)として記載。)を有するが、この部分と重ならないように(避けるように)、部品番号及び品番(カタログに掲載される番号)が主制御基板1310’に形成される部品リスト領域1310xb’にシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷されている。
このように、主制御基板1310’の表面(実装面)1310x’を部品配置のための領域とするとともに、主制御基板1310’の裏面(ハンダ面)1310y’を部品番号と品番(カタログに掲載される番号)とを整列した態様で構成される電子部品の部品リストとして利用するための領域とすることにより、主制御基板1310’の表面(実装面)1310x’と主制御基板1310’の裏面(ハンダ面)1310y’との役割を区分することができるため、主制御基板1310’の表面(実装面)1310x’に実装される各種電子部品及び各種コネクタを認識し易くすることができる。
また、SMDタイプの電子部品を集約して主制御基板1310’の表面(実装面)1310x’に実装することにより、主制御基板1310’の大きさを小型化することができるため、リードタイプの電子部品を実装する時に必要となるリング状のランドパターンの数を決めて低減することができる。これにより、主制御基板1310’の裏面(ハンダ面)1310y’には、リードタイプの電子部品の各種リードが突出してハンダ付けされた部分の数も少なくなることにより主制御基板1310’の裏面(ハンダ面)1310y’をフラットな面として形成することができる。
また、主制御基板1310’の裏面(ハンダ面)1310y’から突出したリードタイプの電子部品の各種リードは、ハンダ付けされているため、蛍光灯などの光があたると反射して眩しく感じてハンダ付け部分を視認し難くなるという弊害が生ずる場合があるものの、上述したように、主制御基板1310’の裏面(ハンダ面)1310y’には、リードタイプの電子部品の各種リードが突出してハンダ付けされた部分の数も少なくなることにより主制御基板1310’の裏面(ハンダ面)1310y’をフラットな面として形成することができるため、このフラットな面において蛍光灯などの光があたっても、シルク印刷された部品番号と品番(カタログに掲載される番号)とを整列した態様で構成される電子部品の部品リストが視認し難くなるという弊害が生じない。
なお、主制御基板1310’の表面(実装面)1310x’及び裏面(ハンダ面)1310y’に印刷さされるシルク印刷に代えて、後述する第5実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成における箔抜き領域及び箔抜き文字を採用してもよいし、第6実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成における2度塗りのレジストを利用したレジスト抜き領域と2度塗りのレジストを利用した白色レジスト抜き文字とを採用してもよい。
ところで、一般電機メーカでは、各層に各種配線パターンを形成することができる多層基板を使用している。しかし、遊技機に使用される主制御基板や払出制御基板は、セキュリティーを高めるために基板の表面(実装面)と裏面(ハンダ面)とに各種配線パターンを形成する2層基板(「両面基板」ともいう。)が採用され、リードタイプの電子部品又はSMDタイプの電子部品であるか否かを問わず、基板の表面(実装面)にのみ各種電子部品を実装する必要がある。例えば、セキュリティーを高めるために、主制御基板の表面(実装面)には、リードタイプに含まれるZIPタイプの主制御MPU1310aが実装される必要があるとともに、リードタイプの電子部品を実装して利益があるものに対しては、SMDタイプの電子部品を使用せず、このリードタイプの電子部品が実装される。
主制御基板や払出制御基板の表面(実装面)にSMDタイプの電子部品とリードタイプの電子部品とが同居して実装される場合には、主制御基板や払出制御基板の表面(実装面)にリードタイプの電子部品のみが実装される場合と比べると、主制御基板や払出制御基板の裏面(ハンダ面)から突出するリードタイプの電子部品の各リードの数が少なくなる。これにより、主制御基板や払出制御基板の裏面(ハンダ面)に各種配線パターンを形成する領域として使用する面積を増やすことができるとともに、他の機能に利用する領域として使用する面積も獲得することができる。
そこで、例えば、主制御基板の裏面(ハンダ面)における上述した面積が増えた領域に、量産機として生産される主制御基板には実装しないが、SMDタイプの各種ICやSMDタイプの各種コネクタを実装するための各種ランドパターンを形成したり、信号を取り出すパッドパターンを形成したりすることができる実装用ランドパターン等形成領域1310ya’(図139(b)を参照。)を設けることができる。量産機として生産される主制御基板では、実装用ランドパターン等形成領域1310ya’における各種ランドパターンやパッドパターンにSMDタイプの電子部品が実装されないため、実装用ランドパターン等形成領域1310ya’における各種ランドパターンやパッドパターンが未実装パターンとなり、実装用ランドパターン等形成領域1310ya’が空き領域となる。
このような未実装パターンが主制御基板の表面(実装面)に形成される場合には、未実装パターンが形成される領域により、主制御基板の表面(実装面)における各種電子部品及び各種コネクタの配置や各種配線パターンの引き回しが制限を受けることとなるのに対して、このような未実装パターンが主制御基板の裏面(ハンダ面)に形成される場合には、主制御基板の表面(実装面)における各種電子部品及び各種コネクタの配置や各種配線パターンの引き回しの制限を受けずに済み主制御基板の表面(実装面)の領域全体を有効的に利用することができる。
また、このような未実装パターンが主制御基板の裏面(ハンダ面)に形成されることにより、主制御基板の表面(実装面)から視認できず、未実装パターンの存在を隠すことができるため、セキュリティー上好ましい。
なお、このような未実装パターンのうち一部を都合により主制御基板の表面(実装面)に形成するようにしてもよい。例えば、コネクタ(SMDタイプのコネクタ)は、主制御基板の表面(実装面)に配置された方が配線との接続がし易い場合がある。
また、このような未実装パターンのうち一部を都合によりリードタイプの電子部品やリードタイプのコネクタとして形成するようにしてもよい。例えば、抜き差し回数が多いコネクタ等のようにハンダ付け強度が必要となる場合を挙がることができる。
次に、主制御基板1310が主制御基板ボックス1320に収容された状態で目視する際に、SMDパッケージである小型のシュミットトリガインバータMIC30のパッケージ本体表面積が小さいことにより製造会社名(略称や記号も含む。)及び品番(カタログに掲載される番号)が小さくなって視認し難いというSMDパッケージによる品番の視認性対策が講じられる本発明の他の構成(以下、「第4乃至第6実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成」と記載する。)について説明する。なお、図140(a)〜(c)では、図138(a),(b)に示した実施形態(以下、「第1実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成」と記載する。)と同じ機能を奏するものに対しては、同じ符号を付して表した。
[第1実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成と第4実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成との対比]
第1実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成では、主制御基板1310の表面(実装面)1310xには、上述したように、シュミットトリガインバータMIC30を配置する位置(向きの指定も含む。)を示す領域MSLKMIC30がシルク印刷として白色の実線(又は、黒色の実線)で印刷されるとともに、この領域MSLKMIC30の近傍であって左下方にシュミットトリガインバータMIC30と対応する部品番号がシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷されている。
また、第1実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成では、主制御基板1310の表面(実装面)1310xには、上述したように、領域MSLKMIC30の近傍であって右方に情報領域を設けてこの情報領域内にシュミットトリガインバータMIC30の品番(カタログに掲載される番号)MSLKMIC30pがシュミットトリガインバータMIC30のパッケージ本体表面に刻印又は印刷される品番(カタログに掲載される番号)の大きさと比べて視認し易い大きさとなるようにシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷されている。
また、第1実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成では、主制御基板1310の表面(実装面)1310xには、上述したように、シュミットトリガインバータMIC30の14番端子(電源端子)となるリードと対応する矩形状のランドパターンの近傍に配置されるように、コンデンサMC30を配置する位置(コンデンサMC30に極性がないため向きの指定がない。)を示す領域MSLKMC30がシルク印刷として白色の実線(又は、黒色の実線)で印刷されているとともに、この領域MSLKMC30の近傍であって右上方にコンデンサMC30と対応する部品番号がシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷されている。
これに対して、第4実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成では、主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310yには、図140(a)に示すように、さらに、主制御基板1310の表面(実装面)1310xに印刷される領域MSLKMIC30と対応する位置に、シュミットトリガインバータMIC30を配置する位置(向きの指定も含む。)を示す領域MSLKMIC30’がシルク印刷として白色の鎖線(又は、黒色の鎖線)で印刷されるとともに、この領域MSLKMIC30’の近傍であって左上方にシュミットトリガインバータMIC30と対応する部品番号がシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷されている。この部品番号は、主制御基板1310の表面(実装面)1310xに印刷される大きさと比べて大きく印刷されている。これは、主制御基板1310の表面(実装面)1310xには各種電子部品が複数実装されているため、部品番号の大きさを小さくして対応する電子部品の近傍に配置して印刷する必要があるのに対して、主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310yには電子部品が実装されないため、部品番号の大きさを大きくして印刷することができるからである。
また、第4実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成では、第1実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成において主制御基板1310の表面(実装面)1310xに印刷される品番MSLKMIC30pに代えて、この品番MSLKMIC30pが、主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310yであって領域MSLKMIC30’の近傍下方に情報領域を設けてこの情報領域内に、シュミットトリガインバータMIC30のパッケージ本体表面に刻印又は印刷される品番(カタログに掲載される番号)の大きさと比べて視認し易い大きさとなるようにシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷されている。したがって、シュミットトリガインバータMIC30の品番(カタログに掲載される番号)を確実に視認することができる。
品番MSLKMIC30pは、第1実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成において主制御基板1310の表面(実装面)1310xに印刷される品番MSLKMIC30pの大きさと同一であってもよいし、大きくてもよい。これは、主制御基板1310の表面(実装面)1310xには各種電子部品が複数実装されているため、品番MSLKMIC30pの大きさを小さくして対応する電子部品の近傍に配置して印刷する必要があるのに対して、主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310yには電子部品が実装されないため、品番MSLKMIC30pの大きさを大きくして印刷することができるからである。
なお、品番(カタログに掲載される番号)とともに、製造会社名(略称や記号も含む。)がシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷されていてもよい。この場合、シュミットトリガインバータMIC30のパッケージ本体表面に刻印又は印刷される製造会社名(略称や記号も含む。)の大きさと比べて視認し易い大きさとなるようにシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷されていることが好ましい。これにより、シュミットトリガインバータMIC30の製造会社名(略称や記号も含む。)を確実に視認することができる。
また、第4実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成では、主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310yには、さらに、主制御基板1310の表面(実装面)1310xに印刷される領域MSLKMC30と対応する位置に、コンデンサMC30を配置する位置(コンデンサMC30に極性がないため向きの指定がない。)を示す領域MSLKMC30’がシルク印刷として白色の実線(又は、黒色の実線)で印刷されているとともに、この領域MSLKMC30’の近傍であって左上方にコンデンサMC30と対応する部品番号がシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷されている。この部品番号は、主制御基板1310の表面(実装面)1310xに印刷される大きさと比べて大きく印刷されている。これは、主制御基板1310の表面(実装面)1310xには各種電子部品が複数実装されているため、第1実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成では部品番号の大きさを小さくして対応する電子部品の近傍に配置して印刷する必要があるのに対して、主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310yには電子部品が実装されないため、部品番号の大きさを大きくして印刷することができるからである。
[第1実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成と第5実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成との対比]
第1実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成では、主制御基板1310の表面(実装面)1310xには、上述したように、シュミットトリガインバータMIC30を配置する位置(向きの指定も含む。)を示す領域MSLKMIC30がシルク印刷として白色の実線(又は、黒色の実線)で印刷されるとともに、この領域MSLKMIC30の近傍であって左下方にシュミットトリガインバータMIC30と対応する部品番号がシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷されている。
また、第1実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成では、主制御基板1310の表面(実装面)1310xには、上述したように、領域MSLKMIC30の近傍であって右方に情報領域を設けてこの情報領域内にシュミットトリガインバータMIC30の品番(カタログに掲載される番号)MSLKMIC30pがシュミットトリガインバータMIC30のパッケージ本体表面に刻印又は印刷される品番(カタログに掲載される番号)の大きさと比べて視認し易い大きさとなるようにシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷されている。
また、第1実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成では、主制御基板1310の表面(実装面)1310xには、上述したように、シュミットトリガインバータMIC30の14番端子(電源端子)となるリードと対応する矩形状のランドパターンの近傍に配置されるように、コンデンサMC30を配置する位置(コンデンサMC30に極性がないため向きの指定がない。)を示す領域MSLKMC30がシルク印刷として白色の実線(又は、黒色の実線)で印刷されているとともに、この領域MSLKMC30の近傍であって右上方にコンデンサMC30と対応する部品番号がシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷されている。
これに対して、第5実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成では、主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310yには、図140(b)に示すように、さらに、主制御基板1310の表面(実装面)1310xに印刷される領域MSLKMIC30と対応する位置に、シュミットトリガインバータMIC30を配置する位置(向きの指定も含む。)を示す領域MSLKMIC30’が箔抜き領域として鎖線で形成されるとともに、この領域MSLKMIC30’の近傍であって左上方にシュミットトリガインバータMIC30と対応する部品番号が箔抜き文字として形成されている。
箔抜き領域は、各種配線パターンが形成される層(銅プレーン)において、制御信号を伝送する配線パターン、電源を供給する配線パターン、及び各種ランドパターンを除いて、銅箔である配線パターンで鎖線を作りその周囲の銅箔を抜いて形成される領域である。箔抜き領域として形成される領域MSLKMIC30’は、図140(b)における左側の一部に切り欠き部1310yMIC30がされている。これにより、領域MSLKMIC30’がカタカナのコ字状となり、切り欠き部1310yMIC30を介して、主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310yに形成されるベタアースと、コ字状の領域MSLKMIC30’の内側領域とが電気的に接続された状態とすることができる。これは、主制御基板1310の表面(実装面)1310xにはシュミットトリガインバータMIC30が実装されているため、この実装される領域と対応するシュミットトリガインバータMIC30の裏面(ハンダ面)においてグランド(GND)の領域をできるだけ確保することでシュミットトリガインバータMIC30がノイズによる誤動作することを防止する(ノイズに対して強くする)ことができるからである。
箔抜き文字は、配線パターンが形成される層(銅プレーン)において銅箔である配線パターンで文字を作りその周囲の銅箔を抜いて形成される抜き文字として形成されている。箔抜き文字として形成される部品番号は、主制御基板1310の表面(実装面)1310xに印刷される大きさと比べて大きく箔抜き文字として形成されている。これは、主制御基板1310の表面(実装面)1310xには各種電子部品が複数実装されているため、部品番号の大きさを小さくして対応する電子部品の近傍に配置して印刷する必要があるのに対して、主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310yには電子部品が実装されないため、部品番号の大きさを大きくして箔抜き文字として形成することができるからである。
また、第5実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成では、第1実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成において主制御基板1310の表面(実装面)1310xに印刷される品番MSLKMIC30pに代えて、この品番MSLKMIC30pが、主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310yであって領域MSLKMIC30’の近傍下方に情報領域を設けてこの情報領域内に、シュミットトリガインバータMIC30のパッケージ本体表面に刻印又は印刷される品番(カタログに掲載される番号)の大きさと比べて視認し易い大きさとなるように箔抜き文字として形成されている。箔抜き文字は、配線パターンが形成される層(銅プレーン)において銅箔である配線パターンで文字を作りその周囲の銅箔を抜いて形成される抜き文字として形成されている。したがって、シュミットトリガインバータMIC30の品番(カタログに掲載される番号)を確実に視認することができる。
箔抜き文字として形成される品番MSLKMIC30pは、第1実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成において主制御基板1310の表面(実装面)1310xに印刷される品番MSLKMIC30pの大きさと同一であってもよいし、大きくてもよい。これは、主制御基板1310の表面(実装面)1310xには各種電子部品が複数実装されているため、第1実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成では品番MSLKMIC30pの大きさを小さくして対応する電子部品の近傍に配置して印刷する必要があるのに対して、主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310yには電子部品が実装されないため、品番MSLKMIC30pの大きさを大きくして箔抜き文字として形成することができるからである。
なお、品番(カタログに掲載される番号)とともに、製造会社名(略称や記号も含む。)が箔抜き文字として形成されていてもよい。この場合、シュミットトリガインバータMIC30のパッケージ本体表面に刻印又は印刷される製造会社名(略称や記号も含む。)の大きさと比べて視認し易い大きさとなるように箔抜き文字として形成されていることが好ましい。これにより、シュミットトリガインバータMIC30の製造会社名(略称や記号も含む。)を確実に視認することができる。
また、第5実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成では、主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310yには、さらに、主制御基板1310の表面(実装面)1310xに印刷される領域MSLKMC30と対応する位置に、コンデンサMC30を配置する位置(コンデンサMC30に極性がないため向きの指定がない。)を示す領域MSLKMC30’が箔抜き領域として鎖線で形成されるとともに、この領域MSLKMC30’の近傍であって左上方にコンデンサMC30と対応する部品番号が箔抜き文字として形成されている。箔抜き領域は、各種配線パターンが形成される層(銅プレーン)において、制御信号を伝送する配線パターン、電源を供給する配線パターン、及び各種ランドパターンを除いて、銅箔である配線パターンで鎖線を作りその周囲の銅箔を抜いて形成される領域である。箔抜き文字は、配線パターンが形成される層(銅プレーン)において銅箔である配線パターンで文字を作りその周囲の銅箔を抜いて形成される抜き文字として形成されている。箔抜き文字として形成される部品番号は、主制御基板1310の表面(実装面)1310xに印刷される大きさと比べて大きく箔抜き文字として形成されている。これは、主制御基板1310の表面(実装面)1310xには各種電子部品が複数実装されているため、部品番号の大きさを小さくして対応する電子部品の近傍に配置して印刷する必要があるのに対して、主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310yには電子部品が実装されないため、部品番号の大きさを大きくして箔抜き文字として形成することができるからである。
なお、箔抜き領域、及び箔抜き文字をそれぞれ形成する配線パターンは、各種電子部品と電気的に絶縁されて形成されているとともに、制御信号を伝送する配線パターン、電源を供給する配線パターン、各種ランドパターン、及び主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310yに形成されるベタアースと電気的に絶縁されて形成されている。
[第1実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成と第6実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成との対比]
第1実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成では、主制御基板1310の表面(実装面)1310xには、上述したように、シュミットトリガインバータMIC30を配置する位置(向きの指定も含む。)を示す領域MSLKMIC30がシルク印刷として白色の実線(又は、黒色の実線)で印刷されるとともに、この領域MSLKMIC30の近傍であって左下方にシュミットトリガインバータMIC30と対応する部品番号がシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷されている。
また、第1実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成では、主制御基板1310の表面(実装面)1310xには、上述したように、領域MSLKMIC30の近傍であって右方に情報領域を設けてこの情報領域内にシュミットトリガインバータMIC30の品番(カタログに掲載される番号)MSLKMIC30pがシュミットトリガインバータMIC30のパッケージ本体表面に刻印又は印刷される品番(カタログに掲載される番号)の大きさと比べて視認し易い大きさとなるようにシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷されている。
また、第1実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成では、主制御基板1310の表面(実装面)1310xには、上述したように、シュミットトリガインバータMIC30の14番端子(電源端子)となるリードと対応する矩形状のランドパターンの近傍に配置されるように、コンデンサMC30を配置する位置(コンデンサMC30に極性がないため向きの指定がない。)を示す領域MSLKMC30がシルク印刷として白色の実線(又は、黒色の実線)で印刷されているとともに、この領域MSLKMC30の近傍であって右上方にコンデンサMC30と対応する部品番号がシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷されている。
また、第1実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成では、主制御基板1310のレジストとして緑色を採用しており、主制御基板1310の表面(実装面)全体及び裏面(ハンダ面)全体が緑色のレジストで各種ランドパターンを除いてベタ塗りされている。
これに対して、第6実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成では、主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310yには、図140(c)に示すように、さらに、主制御基板1310の表面(実装面)1310xに印刷される領域MSLKMIC30と対応する位置に、シュミットトリガインバータMIC30を配置する位置(向きの指定も含む。)を示す領域MSLKMIC30’が2度塗りの白色のレジストを利用した白色レジスト抜き領域として鎖線で形成されるとともに、この領域MSLKMIC30’の近傍であって左上方にシュミットトリガインバータMIC30と対応する部品番号が2度塗りの白色のレジストを利用した白色レジスト抜き文字として形成されている。
また、第6実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成では、第1実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成において主制御基板1310の表面(実装面)1310xに印刷される品番MSLKMIC30pに代えて、この品番MSLKMIC30pを、主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310yであって領域MSLKMIC30’の近傍下方に、シュミットトリガインバータMIC30のパッケージ本体表面に刻印又は印刷される品番(カタログに掲載される番号)の大きさと比べて視認し易い大きさとなるように2度塗りの白色のレジストを利用した白色レジスト抜き文字として形成されている。
また、第6実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成では、主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310yには、さらに、主制御基板1310の表面(実装面)1310xに印刷される領域MSLKMC30と対応する位置に、コンデンサMC30を配置する位置(コンデンサMC30に極性がないため向きの指定がない。)を示す領域MSLKMC30’が2度塗りの白色のレジストを利用した白色レジスト抜き領域として鎖線で形成されるとともに、この領域MSLKMC30’の近傍であって左上方にコンデンサMC30と対応する部品番号が2度塗りの白色のレジストを利用した白色レジスト抜き文字として形成されている。
具体的には、主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310yは、2度塗りの白色のレジストのうち1度目として、全体が白色のレジストにより覆われる(つまり、2度塗りの白色のレジストのうち1度目として、主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310yが各種ランドパターンを除いて全体に白色のレジストがベタ塗りされている)。そして、主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310yは、2度塗りの白色のレジストのうち2度目として、主制御基板1310の表面(実装面)1310xに印刷される領域MSLKMIC30と対応する位置に、シュミットトリガインバータMIC30を配置する位置(向きの指定も含む。)を示す領域MSLKMIC30’が鎖線状に白色レジスト抜き領域としてマスクされ、この領域MSLKMIC30’の近傍であって左上方にシュミットトリガインバータMIC30と対応する部品番号が白色レジスト抜き文字としてマスクされ、この領域MSLKMIC30’の近傍であって下方に情報領域を設けてこの情報領域内に、シュミットトリガインバータMIC30の品番MSLKMIC30pが白色レジスト抜き文字としてマスクされ、主制御基板1310の表面(実装面)1310xに印刷される領域MSLKMC30と対応する位置に、コンデンサMC30を配置する位置(コンデンサMC30に極性がないため向きの指定がない。)を示す領域MSLKMC30’が鎖線状に白色レジスト抜き領域としてマスクされ、この領域MSLKMC30’の近傍であって左上方にコンデンサMC30と対応する部品番号が白色レジスト抜き文字としてマスクされる。
このようにマスクされた状態で、主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310yの全体が各種ランドパターンを除いて白色のレジストがベタ塗りされることで白色のレジストにより覆われている。つまり、第6実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成では、主制御基板1310の裏面(ハンダ面)全体が白色のレジストで各種ランドパターンを除いてベタ塗りされているのに対して、主制御基板1310の表面(実装面)全体は、緑色のレジストで各種ランドパターンを除いてベタ塗りされている。
これにより、主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310yには、2層の白色のレジストが形成されるものの、第1層目の白色のレジストにより全体が覆われるとともに、第2層目の白色のレジストによりマスクされた領域を除いて全体が覆われることにより、そのマスクされた領域が凹部として窪み、シュミットトリガインバータMIC30を配置する位置(向きの指定も含む。)を示す領域MSLKMIC30’が白色レジスト抜き領域として鎖線で形成され、シュミットトリガインバータMIC30と対応する部品番号が白色レジスト抜き文字として形成され、シュミットトリガインバータMIC30のパッケージ本体表面に刻印又は印刷される品番(カタログに掲載される番号)MSLKMIC30pが白色レジスト抜き文字として形成され、コンデンサMC30を配置する位置(コンデンサMC30に極性がないため向きの指定がない。)を示す領域MSLKMC30’が鎖線で形成され、コンデンサMC30と対応する部品番号が白色レジスト抜き文字として形成される。したがって、シュミットトリガインバータMIC30の品番(カタログに掲載される番号)を確実に視認することができる。
シュミットトリガインバータMIC30と対応する部品番号を白色レジスト抜き文字として形成する場合には、主制御基板1310の表面(実装面)1310xに印刷される大きさと比べて大きなものとして形成されている。これは、主制御基板1310の表面(実装面)1310xには各種電子部品が複数実装されているため、部品番号の大きさを小さくして対応する電子部品の近傍に配置して印刷する必要があるのに対して、主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310yには電子部品が実装されないため、部品番号の大きさを大きくして白色レジスト抜き文字として形成することができるからである。
品番MSLKMIC30pを白色レジスト抜き文字として形成する場合には、第1実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成における主制御基板1310の表面(実装面)1310xに印刷される品番MSLKMIC30pの大きさと同一であってもよいし、大きくてもよい。これは、主制御基板1310の表面(実装面)1310xには各種電子部品が複数実装されているため、第1実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成では品番MSLKMIC30pの大きさを小さくして対応する電子部品の近傍に配置して印刷する必要があるのに対して、主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310yには電子部品が実装されないため、品番MSLKMIC30pの大きさを大きくして白色レジスト抜き文字として形成することができるからである。
なお、品番(カタログに掲載される番号)とともに、製造会社名(略称や記号も含む。)が白色レジスト抜き文字として形成されていてもよい。この場合、シュミットトリガインバータMIC30のパッケージ本体表面に刻印又は印刷される製造会社名(略称や記号も含む。)の大きさと比べて視認し易い大きさとなるように白色レジスト抜き文字として形成されていることが好ましい。これにより、シュミットトリガインバータMIC30の製造会社名(略称や記号も含む。)を確実に視認することができる。
コンデンサMC30と対応する部品番号を白色レジスト抜き文字として形成する場合には、主制御基板1310の表面(実装面)1310xに印刷される大きさと比べて大きく印刷されている。これは、主制御基板1310の表面(実装面)1310xには各種電子部品が複数実装されているため、部品番号の大きさを小さくして対応する電子部品の近傍に配置して印刷する必要があるのに対して、主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310yには電子部品が実装されないため、部品番号の大きさを大きくして白色レジスト抜き文字として形成することができるからである。
なお、第6実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成では、主制御基板1310の裏面(ハンダ面)全体が白色のレジストで各種ランドパターンを除いてベタ塗りされているのに対して、主制御基板1310の表面(実装面)全体は、緑色のレジストで各種ランドパターンを除いてベタ塗りされているが、主制御基板1310の表面(実装面)全体も白色のレジストで各種ランドパターンを除いてベタ塗りされているように構成してもよい。この場合、主制御基板1310の表面(実装面)に実装される各種電子部品の配置する位置(向きの指定も含む場合がある。)を示す領域がシルク印刷として主制御基板1310の表面(実装面)に濃い緑色、黒色、灰色等の暗色の実線で印刷されるとともに、各種電子部品と対応する部品番号がシルク印刷として主制御基板1310の表面(実装面)に濃い緑色、黒色、灰色等の暗色の文字として印刷される。このように構成することにより、他の基板の表面(実装面)及び裏面(ハンダ面)が緑色のレジストで各種ランドパターンを除いてベタ塗りされていることでこれらの他の基板に対して主制御基板1310を際立たせることができるという特徴を持たせることができる。また、主制御基板1310の表面(実装面)に実装される各種電子部品のうち、SMDタイプの電子部品の品番(この品番に加えて製造会社名(略称や記号も含む。)も併記する場合)も、主制御基板1310の表面(実装面)にシルク印刷として印刷されるようにしてもよい。
なお、主制御基板1310の表面(実装面)全体を白色のレジストで各種ランドパターンを除いてベタ塗りされているように構成するほかに、主制御基板1310の表面(実装面)全体を、1度目(下地)と2度目とのレジストの色を異なる色とする2度塗りの異色のレジストを利用してシルク印刷として印刷されるように構成してもよい。1度目(下地)として主制御基板1310の表面(実装面)全体を、各種ランドパターンを除いて、白色でシルク印刷として印刷したのちに、続いて、主制御基板1310の表面(実装面)に実装される各種電子部品の配置する位置(向きの指定も含む場合がある。)を示す領域と、各種電子部品と対応する部品番号と、をそれぞれマスクした状態で、2度目として主制御基板1310の表面(実装面)全体を、各種ランドパターンを除いて、黒色、青色、黄色、及び赤色のうちいずれかの色でシルク印刷として印刷してもよい。このように構成しても、他の基板の表面(実装面)及び裏面(ハンダ面)が緑色のレジストで各種ランドパターンを除いてベタ塗りされていることでこれらの他の基板に対して主制御基板1310を際立たせることができるという特徴を持たせることができる。また、各種電子部品の配置する位置(向きの指定も含む場合がある。)を示す領域と、各種電子部品と対応する部品番号と、を視認することができる。
また、第6実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成では、主制御基板1310の裏面(ハンダ面)全体が白色のレジストで各種ランドパターンを除いてベタ塗りされているのに対して、主制御基板1310の表面(実装面)全体は、緑色のレジストで各種ランドパターンを除いてベタ塗りされているが、主制御基板1310の表面(実装面)全体も白色のレジストで各種ランドパターンを除いてベタ塗りされているように構成してもよい。この場合、主制御基板1310の表面(実装面)に実装される各種電子部品の配置する位置(向きの指定も含む場合がある。)を示す領域を主制御基板1310の表面(実装面)に白色レジスト抜き領域として実線で形成するとともに、各種電子部品と対応する部品番号を主制御基板1310の表面(実装面)に白色レジスト抜き文字として形成する。また、主制御基板1310の表面(実装面)に実装される各種電子部品のうち、SMDタイプの電子部品の品番(この品番に加えて製造会社名(略称や記号も含む。))も、主制御基板1310の表面(実装面)に白色レジスト抜き文字として形成してもよい。
[SMDタイプの電子部品の改変防止対策]
次に、SMDタイプの電子部品という小型化された電子部品が主制御基板1310の表面(実装面)に実装されることにより、不正な電子部品に交換して、不正な遊技球を獲得する不正行為を防止する点について説明する。
主制御基板1310の表面(実装面)に実装されるSMDタイプの電子部品であるシュミットトリガインバータMIC30は、上述したように、SMDパッケージ本体の大きさとして、幅寸法が5.3mm、長さ寸法が10.8mm、高さ寸法が1.5mmを有しており、SMDパッケージ本体の2辺から突出するリードの長さを含めると、シュミットトリガインバータMIC30の幅寸法が7.8mmを有する。
主制御基板1310は、遊技の進行を制御する重要な制御基板であるため、不正な改変を行って不正な遊技球を獲得する者から主制御基板1310を防止する必要があり、放熱用の通気孔が複数形成される透明なカバー体と透明なベース体とから構成される主制御基板ボックス1320に収容されて封印されている。主制御基板ボックス1320は、図141に示すように、カバー体1301とベース体1302とがカシメ部1303のワンウェイネジ等によりカシメられている。このカシメ部1303は、封印機構であり、複数備えている。一つの封印機構を用いてカバー体1301とベース体1302とがカシメ部1303のワンウェイネジ等によりカシメられることで主制御基板ボックス1320を閉じることができ、次に、主制御基板ボックス1320を開けるためにはその封印機構を破壊する必要がある。つまり、その封印機構を破壊しない限り、カバー体1301をベース体1302から取り外すことができない構造となっている。
ところが、主制御基板ボックス1320に細い針金等の何らかの不正な手段によって、主制御基板1310の表面(実装面)からSMDタイプのシュミットトリガインバータMIC30を剥がして、このSMDタイプのシュミットトリガインバータMIC30から不正な電子部品へ交換されると、このような不正な改変を行う者に不正な遊技球が獲得されるおそれがある。
そこで、本実施形態では、図141に示すように、SMDタイプのシュミットトリガインバータMIC30の大きさと比べて小さい内径(本実施形態では、2mm)を有する通気孔1301zを透明なカバー体1301に複数形成する構成を採用した。これにより、仮に、主制御基板ボックス1320に細い針金等の何らかの不正な手段によって、主制御基板1310の表面(実装面)からSMDタイプのシュミットトリガインバータMIC30が剥がされたとしても、SMDタイプのシュミットトリガインバータMIC30を、通気孔1301zを介して、主制御基板ボックス1320から取り出すことができない。したがって、SMDタイプのシュミットトリガインバータMIC30から不正な電子部品へ交換されることを防止することができる。
また、シュミットトリガインバータMIC30は、上述したように、各種センサからの検出信号が入力される主制御入力回路を構成する主要回路の1つであり、何らかの不正な手段により主制御基板1310から欠落されると、主制御MPU1310aは、各種センサのうち、遊技球の入球を伝えるものについては常に入球なしと判別し、不正は磁石の接近や不正な振動等の不正行為を伝えるものについては常に不正行為が行われていると判別するようになっている。これにより、主制御基板1310の表面(実装面)からSMDタイプのシュミットトリガインバータMIC30が剥がされることにより、シュミットトリガインバータMIC30が欠落すると、不正な改変を行う者に対して、入球なしの状状態が維持されることで不正な遊技球が獲得されることがないし、不正行為の報知が実行されることで不正な改変が行われた旨を遊技状(ホール)のホールコンピュータへ伝えるとともに遊技ホールの店員等の係員へも伝えることができる。また、主制御MPU1310aは、各種センサのうち、不正は磁石の接近や不正な振動等の不正行為を伝えるものについては常に不正行為が行われていると判別すると、上述したように、発射許可信号の論理を発射停止論理(発射非許可論理)に設定して遊技球を遊技領域5aに向かって打ち出すことができないように制御するようになっているため、不正な改変が行われると、遊技を全く行うことができない状態となる。
なお、上述した実施形態では、SMDタイプの電子部品としてSMDタイプのシュミットトリガインバータMIC30を主制御基板1310の表面(実装面)に実装する点について説明したが、他のSMDタイプの電子部品として、例えば抵抗を主制御基板1310の表面(実装面)に実装する場合には、このSMDタイプの抵抗が主制御基板1310の表面(実装面)から剥がれて通気孔1301zを介して主制御基板ボックス1320の内部から外部へ飛び出さないように、通気孔1301zの内径をSMDタイプの抵抗の大きさより小さくする必要がある。
このようなSMDタイプの抵抗は、小型であるため、主制御基板1310の表面(実装面)から剥がれ落ちても、主制御基板1310の表面(実装面)に実装されているか否かを視認して判別することが難しい場合がある。また、主制御基板1310の表面(実装面)から剥がれ落ちたSMDタイプの抵抗が通気孔1301zを介して主制御基板ボックス1320の内部から外部へ飛び出すと、主制御基板ボックス1320の内部下側にその剥がれ落ちたSMDタイプの抵抗の痕跡がなくなるため、主制御基板1310の表面(実装面)に実装されているか否かを視認して判別することがますます難しくなる。
そこで、SMDタイプの抵抗として、例えば、JIS規格1/8ワット2012タイプを採用した場合には、この2012タイプでは、長さ寸法が2.0mm、幅寸法が1.2mmとなる。このような小型のSMDタイプの抵抗では、主制御基板1310のたわみによって主制御基板1310の表面(実装面)から剥がれ落ちるという不具合が発生した場合であっても、主制御基板ボックス1320の内部から外部へ飛び出さないように、通気孔1301zの内径を小型のSMDタイプの抵抗の長さ寸法及び幅寸法のうちいずれか小さい方の寸法(ここでは、幅寸法の1.2mm)と比べて小さいもの(ここでは、例えば、1.0mm)とする。
これにより、小型のSMDタイプの抵抗が主制御基板1310の表面(実装面)から剥がれ落ちても、通気孔1301zを介して、主制御基板ボックス1320の内部から外部へ飛び出すことを確実に防止することができるため、この剥がれ落ちた小型のSMDタイプの抵抗を主制御基板ボックス1320の内部で視認する機会を得ることができるし、主制御基板ボックス1320を上下方向又は左右方向へ振れば、この剥がれ落ちが小型のSMDタイプの抵抗が主制御基板ボックス1320の内壁や主制御基板1310に衝突することで音が発生し、この音により、剥がれ落ちた小型のSMDタイプの抵抗を認識する機会を得ることができる。なお、この小型のSMDタイプの抵抗のほかに、リードタイプのコンデンサ、ダイオード、コイル、LED等の電子部品に代えて、SMDタイプのコンデンサ、ダイオード、コイル、LED等の電子部品を採用した場合には、通気孔1301zの内径を、これらのうち最も小さい寸法と比べて小さいものとする。
このように、小型のSMDタイプの電子部品が主制御基板1310の表面(実装面)から剥がれ落ちても、通気孔1301zを介して、主制御基板ボックス1320の内部から外部へ飛び出すことを確実に防止することができる。したがって、主制御基板1310のたわみによって主制御基板1310の表面(実装面)からSMDタイプの電子部品が剥がれ落ちるという不具合を発見することができる蓋然性を高めることができる。
なお、上述した実施形態(第1〜第6実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成を含む。)では、SMDタイプの電子部品を主制御基板1310の表面(実装面)に実装する点について説明したが、電源基板630、払出制御基板633などの主基板として扱われる基板についてもSMDタイプの電子部品を表面(実装面)に実装することができる。
[試験用コネクタ]
パチンコ機1は、特定の試験機関において試験され、この特定の試験機関の認可を受けない限り遊技ホールに出荷することができない。主制御基板1310は、遊技に関する各種信号を取り出すための試験用コネクタ1310kが設けられている。この試験用コネクタ1310kは、SMDタイプの電子部品である。試験用コネクタ1310kは、ストレートSMDタイプのコネクタ(コネクタの各ピンが主制御基板の表面(実装面)及び裏面(ハンダ面)に対して垂直方向に平行して配置されるタイプ。)であって、パチンコ機1が特定の試験機関で試験される試験機として生産されるときには主制御基板1310の表面(実装面)に通常実装されるとともに、試験用コネクタ1310kと対向する透明なカバー体1301に試験用ハーネスを試験用コネクタ1310kへ取り付けるための試験用ハーネスカバー体側開口部1301kが形成されるのに対して、パチンコ機1が遊技ホールに出荷される量産機として生産されるときには主制御基板1310に実装されず、かつ、透明なカバー体1301に試験用ハーネスカバー体側開口部1301kが形成されないようになっている。このため、量産機として生産される主制御基板1310は、試験用コネクタ1310kを実装する領域が主制御基板1310の表面(実装面)に空き領域として形成されることとなる。
そこで、本実施形態では、パチンコ機1が特定の試験機関で試験される試験機として生産されるときには試験用コネクタ1310kを主制御基板1310の裏面(ハンダ面)における実装用ランドパターン等形成領域1310ya’(図139(b)を参照。)に実装するとともに、試験用コネクタ1310kと対向する透明なベース体1302に試験用ハーネスを試験用コネクタ1310kへ取り付けるための試験用ハーネスベース体側開口部1302kを形成する構成を採用した。これにより、パチンコ機1が特定の試験機関で試験される試験機として生産されるとき場合、及びパチンコ機1が遊技ホールに出荷される量産機として生産される場合でも、主制御基板1310の表面(実装面)に試験用コネクタ1310kを実装する領域が空き領域として形成されることがなくなることにより、主制御基板1310の表面(実装面)に他のSMDタイプの電子部品を実装することができる。したがって、主制御基板1310の表面(実装面)における各種電子部品の配置の自由度を高めることができる。
また、このように構成することにより、特定の試験機関でパチンコ機1の試験を開始する準備として、試験作業者は、まず図145に示した遊技盤5の基板ホルダ1200から主制御基板ボックス1320を取り外したのちに、続いて、特定の試験機関に設置される試験装置と電気的に接続された試験用ハーネスを、透明なベース体1302に形成される試験用ハーネスベース体側開口部1302kを介して、主制御基板1310の裏面(ハンダ面)における実装用ランドパターン等形成領域1310ya’に実装される試験用コネクタ1310kと電気的に接続する。続いて、試験作業者は、主制御基板ボックス1320を基板ホルダ1200に取り付ける。この状態では、試験用ハーネスが主制御基板ボックス1320の透明なベース体1302と基板ホルダ1200とにより挟持されて保持された(ホールドされた)状態とすることがきるため、試験用コネクタ1310kへ向かって試験用ハーネスが押し込む方向に負荷を加えることによりパチンコ機1に備える各種電気的駆動源により作動する可動体による振動により試験用コネクタ1310kと試験用ハーネスとの電気的な接続が不安定となることを防止することができるとともに、パチンコ機1の試験において遊技に関する重要な各種信号を取り出す試験用ハーネスがねじれて断線することを防止することもできる。
なお、本実施形態では、試験用コネクタ1310kとして、ストレートSMDタイプのコネクタ(コネクタの各ピンが主制御基板の表面(実装面)及び裏面(ハンダ面)に対して垂直方向に平行して配置されるタイプ。)を採用したが、ライトアングルSMDタイプのコネクタ(コネクタの各ピンが主制御基板の表面(実装面)及び裏面(ハンダ面)に対して平行して配置されるタイプ。)を主制御基板の裏面(ハンダ面)であって左辺、下辺、右辺、及び上辺のうちいずれかの近傍に実装するとともに、試験用コネクタ1310kと対向する透明なカバー体1301の側壁(透明なカバー体1301の左側壁、下側壁、右側壁、及び上側壁のうち試験用コネクタ1310kと対向する側壁)に試験用ハーネスを試験用コネクタ1310kへ取り付けるための試験用ハーネスカバー体側開口部1301kを形成する構成を採用してもよい。このように構成しても、パチンコ機1が特定の試験機関で試験される試験機として生産されるとき場合、及びパチンコ機1が遊技ホールに出荷される量産機として生産される場合でも、主制御基板1310の表面(実装面)に試験用コネクタ1310kを実装する領域が空き領域として形成されることがなくなることにより、主制御基板1310の表面(実装面)に他のSMDタイプの電子部品を実装することができる。したがって、主制御基板1310の表面(実装面)における各種電子部品の配置の自由度を高めることができる。また、特定の試験機関でパチンコ機1の試験を開始する準備として、試験作業者は、まず図114に示した遊技盤5の基板ホルダ1200から主制御基板ボックス1320を取り外すことなく、特定の試験機関に設置される試験装置と電気的に接続された試験用ハーネスを、透明なカバー体1301に形成される試験用ハーネスカバー体側開口部1301kを介して、主制御基板の裏面(ハンダ面)に実装される試験用コネクタ1310kと電気的に接続することができる。
因みに、従来より、遊技情報を特定の試験機関における試験装置に伝送するためのケーブルが接続される試射試験端子(試験用コネクタ)が遊技制御装置(遊技制御基板)に設けられる遊技機が提案されている(例えば、特開2013−128621号公報(段落[0054]、及び図6))。ところで、この文献に記載される遊技機では、特定の試験機関で試験される場合には遊技制御基板の表面に試験用コネクタが実装されるのに対して、遊技ホールで使用される場合には遊技制御基板の表面に試験用コネクタが実装されずに空き領域となるため、この空き領域により遊技制御基板の表面における各種電子部品の配置の自由度を高めることができないという問題があった。
また、従来より、表面実装タイプの電子部品を基板に実装する遊技機が提案されている(例えば、特開2014−144218号公報(段落[0042]、及び図4))。ところで、この文献に記載される遊技機における表面実装タイプの電子部品では、表面実装タイプの電子部品と対応する品番等の識別子が付されている場合があるものの、表面実装タイプの電子部品の大きさが小さくて識別子を視認し難いという問題があった。
また、従来より、表面実装タイプの電子部品を基板に実装する遊技機が提案されている(例えば、特開2014−144218号公報(段落[0042]、及び図4))。ところで、この文献に記載される遊技機における表面実装タイプの電子部品が遊技の進行を制御することができる遊技制御基板に実装される場合には、何らかの不正な手段により表面実装タイプの電子部品を遊技制御基板から剥がして不正な電子部品と交換して不正な遊技球が獲得されるというおそれがあった。
また、従来より、押圧操作部を操作して操作時のクリック感でスイッチがオン又はオフとなるのを体感することができるタクトスイッチ等を基板に設ける遊技機が提案されている(例えば、特開2017−023427号公報(段落[0071]、及び図20))。ところで、この文献に記載されるタクトスイッチ等の電子部品は、その各リートが基板に設けたスルーホールに基板の表面から裏面へ向かって挿入されて基板の裏面側でハンダ付けされるリードタイプの電子部品である。このようなリードタイプの電子部品が例えば遊技の進行を制御する遊技制御基板等の基板に実装されると、リードタイプの電子部品が操作されたことに伴って基板がたわむと、このたわみにより基板に実装された他の電子部品のハンダ付け部分が剥がれて電気的な不具合が発生するおそれがあった。
また、従来より、各種制御基板が遊技盤背面の所定位置に配設される遊技機が提案されている(例えば、特開2013−128621号公報(段落[0032]〜段落[0034]、及び図3))。ところで、遊技の進行を制御する遊技制御基板は、遊技者に利益を付与するか否かを判定する重要な基板であるため、封印構造を有する基板ケースに収容され、不正改変等の不正行為の防止対策が求められている。
また、従来より、表面実装部品を基板に実装する遊技機が提案されている(例えば、特開2014−144218号公報(段落[0042]、及び図4))。ところで、この文献に記載される遊技機における表面実装部品が遊技の進行を制御することができる遊技制御基板に実装される場合には、表面実装部品が実装される遊技制御基板の表面の領域内に配線パターンを引き回すと、表面実装部品の裏面と遊技制御基板の表面との距離寸法が小さいため、この配線パターンに何らかの不正な手段により改変されても、視認困難となり、表面実装タイプの電子部品に対する不正行為を防止することができないという問題が生ずる。
[7.遊技内容]
本実施形態のパチンコ機1による遊技内容について、図117、図120乃至図124等を参照して説明する。本実施形態のパチンコ機1は、扉枠3の前面右下隅に配置されたハンドルユニット180のハンドル182を遊技者が回転操作することで、皿ユニット200の上皿201に貯留された遊技球Bが、遊技盤5における外レール1001と内レール1002との間を通って遊技領域5a内の上部へと打ち込まれて、遊技球Bによる遊技が開始される。遊技領域5a内の上部へ打ち込まれた遊技球Bは、その打込強さによってセンター役物2500の左側、或いは、右側の何れかを流下する。なお、遊技球Bの打込強さは、ハンドル182の回転量によって調整することができ、時計回りの方向へ回転させるほど強く打込むことができ、連続で一分間に最大100個の遊技球B、つまり、0.6秒間隔で遊技球Bを打込むことができる。
また、遊技領域5a内には、適宜位置に所定のゲージ配列で複数の障害釘Nが遊技パネル1100の前面に植設されており、遊技球Bが障害釘Nに当接することで、遊技球Bの流下速度が抑制されると共に、遊技球Bに様々な動きが付与されて、その動きを楽しませられるようになっている。また、遊技領域5a内には、障害釘Nの他に、遊技球Bの当接により回転する風車Wがサイド左上ユニット2300の上方でセンター役物2500の左方に設けられている。
センター役物2500の上部へ打込まれた遊技球Bは、センター役物2500の外周面のうち、最も高くなった部位よりも正面視左側(上右周壁部2510よりも左側)へ進入すると、複数の障害釘Nに当接しながら、センター役物2500よりも左側の領域を流下することとなる。そして、センター役物2500の左側の領域を流下する遊技球Bが、センター役物2500の外周面に開口しているワープ入口2501に進入すると、ワープ出口2502からステージ2503に供給される。
ステージ2503に供給された遊技球Bは、ステージ2503上を転動して左右に行ったり来たりして、左右方向中央部分から前方へ放出される。ステージ2503の中央の中央放出部2503aから遊技球Bが遊技領域5a内に放出されると、その中央放出部2503aが第一始動口2002の直上に位置していることから、高い確率で第一始動口2002に受け入れられる。この第一始動口2002に遊技球Bが受け入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板633を介して払出装置580から所定数(例えば、3個)の遊技球Bが、上皿201に払出される。
センター役物2500のステージ2503から遊技領域5a内に放出された遊技球Bは、始動口ユニット2100の第一始動口2002や一般入賞口2001、開状態の大入賞口2005に受け入れられる可能性がある。
ところで、センター役物2500の左側へ流下した遊技球Bが、ワープ入口2501に進入しなかった場合、サイド左上ユニット2300の棚部2301や障害釘Nにより左右方向中央側へ寄せられ、サイドユニット2200の一般入賞口2001、或いは、始動口ユニット2100の第一始動口2002等、に受け入れられる可能性がある。そして、一般入賞口2001に遊技球Bが受け入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板633を介して払出装置580から所定数(例えば、10個)の遊技球Bが、上皿201に払出される。
一方、遊技領域5a内においてセンター役物2500の上部に打込まれた遊技球Bが、センター役物2500の外周面の最も高くなった部位よりも右側(上右周壁部2510の上方の上流空間部2505)に進入すると、センター役物2500の案内通路群2520の第一案内通路2521又は第二案内通路2522の何れかを通って、センター役物2500の普通入賞口2003の上方に放出され、普通入賞口2003の上方に植設されている複数の障害釘Nに当接した上で、ある程度の確率で普通入賞口2003に受け入れられる。
センター役物2500の案内通路群2520は、衝止部1006の近傍に入口が開口している第一案内通路2521と、第一案内通路2521の入口から左方へ間隔をあけて入口が開口している第二案内通路2522と、から構成されている。これにより、衝止部1006に当接する強さで遊技球Bを打込む(所謂、右打ちする)と、第一案内通路2521に進入し、上流空間部2505に進入し衝止部1006に当接しない強さ(右打ちよりもある程度弱い強さ)で遊技球Bを打込むと、高い確率で第二案内通路2522に進入する。つまり、上流空間部2505内に打込まれた遊技球Bは、その打込強さに応じて、第一案内通路2521又は第二案内通路2522の何れかを流通する。
本実施形態では、第一案内通路2521よりも第二案内通路2522を流通させた方が、高い確率で普通入賞口2003に受け入れられるように構成されている。
この普通入賞口2003に遊技球Bが受け入れられて普通入賞口センサ2401により検知されると、主制御基板1310及び払出制御基板633を介して払出装置580から所定数(例えば、1個)の遊技球Bが、上皿201に払出されると共に、主制御基板1310において普通抽選が行われ、抽選された普通抽選結果が「普通当り」の場合、アタッカユニット2400における閉鎖されている第二始動口2004が所定時間(例えば、0.3〜10秒)の間、開状態となり、第二始動口2004への遊技球Bの受け入れが可能となる。
本実施形態では、普通入賞口2003に遊技球Bが受け入れられることで行われる普通抽選において、普通抽選を開始してから普通抽選結果を示唆するまでにある程度の時間を設定している(例えば、0.01〜60秒、普通変動時間とも称す)。この普通抽選結果の示唆は、遊技盤5の機能表示ユニット1400に表示される。第二始動口2004では、普通変動時間の経過後に開状態となる。
なお、遊技球Bが普通入賞口2003に受け入れられてから普通抽選結果が示唆されるまでの間に、遊技球Bが普通入賞口2003に受け入れられると、普通抽選結果の示唆を開始することができないため、普通抽選結果の示唆の開始を、先の普通抽選結果の示唆が終了するまで保留するようにしている。また、普通抽選結果の保留数は、4つまでを上限とし、それ以上については、普通入賞口2003に遊技球Bが受け入れられても、保留せずに破棄している。これにより、保留が貯まることで遊技ホール側の負担の増加を抑制している。
普通入賞口2003の右側のアタッカ右通路2430に進入した遊技球Bは、第二始動口2004や大入賞口2005に受け入れられる機会もなく、前構成部材1000の右下レール1004上に放出され、アウト口1008から遊技領域5a外へ排出される。一方、普通入賞口2003の左側を通過した遊技球Bは、第二始動口上誘導棚2421と第二始動口左立壁部2422との間を通った上で、大入賞口誘導棚2424を介して、閉状態の大入賞口2005の前方を通過して右下レール1004上に放出される。
そして、遊技球Bが第二始動口上誘導棚2421と第二始動口左立壁部2422との間を通った時に、普通入賞口2003での遊技球Bの受け入れにより抽選された普通抽選結果が「普通当り」で、第二始動口扉2411が前進していると、当該遊技球Bが第二始動口扉2411により誘導されて第二始動口2004に遊技球Bが受け入れられる。この第二始動口2004に遊技球Bが受け入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板633を介して払出装置580から所定数(例えば、4個)の遊技球Bが、上皿201に払出される。
第二始動口扉2411により誘導されなかった遊技球Bは、大入賞口誘導棚2424上に落下し、大入賞口誘導棚2424の左端から閉状態の大入賞口扉2413の前方を通って右下レール1004上に放出され、アウト口1008から遊技領域5a外へ排出される。
一方、第二始動口扉2411により第二始動口2004側へ誘導されたものの、途中で第二始動口扉2411が後退して第二始動口2004に受け入れられなかった遊技球Bは、第二始動口2004の下側の第三開口部2433からアタッカ右通路2430内に進入し、閉状態の大入賞口扉2413の前方を通ることなく右下レール1004上に放出されて、アウト口1008から遊技領域5a外へ排出される。
なお、普通入賞口2003と第二始動口上誘導棚2421との間には、複数の障害釘Nが植設されていると共に、アタッカ右通路2430の第二開口部2432が開口しているため、普通入賞口2003の左側を通った遊技球Bが、低い確率で第二開口部2432を通ってアタッカ右通路2430に進入する。このアタッカ右通路2430に進入した遊技球Bは、大入賞口2005に関わることなくアウト口1008から遊技領域5a外に排出される。
上記のようなことから、第一案内通路2521を流通した遊技球Bは、普通入賞口2003にあまり受け入れられることはないため、普通入賞口2003への遊技球Bの受け入れにより第二始動口2004が開状態となる普通抽選結果が導出されることはあまりないと共に、第二始動口2004に遊技球Bがあまり受け入れられない。一方、第二案内通路2522を流通した遊技球Bは、第一案内通路2521よりも高い確率で普通入賞口2003に受け入れられるため、遊技球Bの普通入賞口2003の通過により第二始動口2004が開状態となる普通抽選結果(「普通当り」)が抽選される可能性が高いと共に、第二始動口2004に遊技球Bが受け入れられる可能性が高い。
このようなことから、遊技者が、第二案内通路2522の入口を狙った遊技球Bの打込操作を行うようになることから、上流空間部2505に遊技球Bが進入する打込強さで、且つ、遊技球Bが第二案内通路2522に進入する打込強さで、遊技球Bが遊技領域5a内に打込まれるように、遊技球Bの打込強さを調整しなければならない。これにより、遊技球Bの打込操作に対して変化を付与させて遊技者を飽きさせ難くすることができ、遊技者に対して遊技球Bの打込操作を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
ところで、本実施形態のパチンコ機1は、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球Bが受け入れられると、主制御基板1310において、遊技者に有利な有利遊技状態(例えば、「大当り」、「小当り」、「時間短縮(時短)当り」)を発生させる特別抽選結果の抽選が行われる。そして、抽選された特別抽選結果を、所定時間(例えば、0.1〜360秒、特別変動時間とも称す)かけて遊技者に示唆する。なお、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球Bが受け入れられることで抽選される特別抽選結果には、「ハズレ」、「第一小当り」、「第二小当り」、「第三小当り」、「2R大当り」、「15R大当り」、等がある。本実施形態では、第一特別抽選結果よりも第二特別抽選結果の方が、「小当り」(「第一小当り」、「第二小当り」、「第三小当り」)の抽選確率が高く設定されている。
第一始動口2002及び第二始動口2004への遊技球Bの受け入れにより抽選された特別抽選結果(第一特別抽選結果及び第二特別抽選結果)が、「小当り」の場合、「小当り」の種類に応じて、役物入賞口2006が、所定の開閉パターンで開閉する(図123を参照)。役物入賞口2006は、センター役物2500の右側における第一案内通路2521の途中に設けられていることから、「小当り」が抽選された場合は、「右打ち」して第一案内通路2521に遊技球Bを打込む。
「小当り」が「第一小当り」の場合は、役物入賞口2006の開閉時間が短く、遊技球Bを受け入れさせることはほとんどできない。「第二小当り」や「第三小当り」の場合は、役物入賞口2006が開状態となる時間が長く、「右打ち」することで役物入賞口2006へ遊技球Bが受け入れられる可能性が高い。この役物入賞口2006に遊技球Bが受け入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板633を介して払出装置580から所定数(例えば、4個)の遊技球Bが、上皿201に払出される。
「小当り」が「第二小当り」や「第三小当り」の時に役物入賞口2006へ遊技球Bを受け入れさせると、受け入れられた遊技球Bのうちの一つが、第一振分装置2530における振分回転体2531の収容部2531aに収容される。そして、「小当り」が「第二小当り」の場合は、振分回転体2531の収容部2531aに収容された遊技球Bが、第二振分装置2540を通って第三振分装置2550のクルーン2553上に供給される。その後、振分回転羽根2554に弾かれて、第二V入賞口2008又は第三ハズレ口2556の何れかに振分けられる。第二V入賞口2008に遊技球Bが受け入れられる(振分けられる)と、「15R大当り」が実行される。これに対して、第三ハズレ口2556に遊技球Bが受け入れられると、「15R大当り」等は実行されず、前の状態に戻る。
一方、「小当り」が「第三小当り」の場合は、振分回転体2531の収容部2531aに収容された遊技球Bが、第二振分装置2540において第一V入賞口2007側へ振分けられ、「15R大当り」が実行される。
第一V入賞口2007や第二V入賞口2008への遊技球Bの受け入れ、第一始動口2002及び第二始動口2004への遊技球Bの受け入れにより抽選された第一特別抽選結果及び第二特別抽選結果が「2R大当り」や「15R大当り」であると、大入賞口2005が、遊技球Bを受入可能な開状態となった後に、所定時間(例えば、29秒)経過、或いは、大入賞口2005への所定個数(例えば、10個)の遊技球Bの受け入れ、の何れかの条件が充足すると、遊技球Bを受入不能な閉状態とする開閉パターン(一回の開閉パターンを1ラウンドと称す)を、所定回数(所定ラウンド数、例えば、2ラウンド、又は15ラウンド)繰返す「大当り」遊技が実行される。
この大入賞口2005は、主にセンター役物2500の右側を流下する遊技球Bの流路上にあるため、センター役物2500の右側を狙った遊技球Bの打込操作を遊技者にさせることができる。大入賞口2005が開状態の時に、大入賞口2005に遊技球Bが受け入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板633によって払出装置580から所定数(例えば、10個、又は、13個)の遊技球Bが、上皿201に払出される。従って、大入賞口2005が遊技球Bを受入可能としている時に、大入賞口2005に遊技球Bを受け入れさせることで、多くの遊技球Bを払出させることができ、遊技者を楽しませることができる。
なお、センター役物2500の右側に設けられている案内通路群2520は、第一案内通路2521側の方が、第二案内通路2522側よりも打込操作を行い易い反面、第二案内通路2522側よりも大入賞口2005に受け入れられる可能性が低いため、何れの通路を狙った打込操作を行うのかを遊技者に選択させることができ、多様な遊技により遊技者を飽きさせ難くして興趣の低下を抑制させることができる。
また、「15R大当り」や時短状態中に「2R大当り」となった場合は、「大当り」遊技の終了後に、第一始動口2002及び第二始動口2004への遊技球Bの受け入れにより抽選された第一特別抽選結果及び第二特別抽選結果を遊技者に示唆するための特別図柄の変動時間を、所定の変動回数(例えば、100回)に到達するまで、通常よりも短くして、次の「当り」が抽選されるまでの時間を早くする。
また、大入賞口2005を狙う「大当り」遊技では、遊技球Bが大入賞口2005に至るまでの途中に、普通入賞口2003や第二始動口2004が存在するため、大入賞口2005を狙った遊技球Bが第二始動口2004に受れられる可能性が高く、「大当り」遊技中に、次の「大当り」や「小当り」が抽選されると、遊技者が有利な有利遊技状態が長く続くこととなり、遊技者をより楽しませることができる。
本実施形態では、第一始動口2002及び第二始動口2004への遊技球Bの受け入れにより特別抽選の開始から抽選された特別抽選結果が示唆されるまでの間に、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球Bが受け入れられると、特別抽選結果の示唆を開始することができないため、先に抽選された特別抽選結果の示唆が完了するまで、特別抽選結果の示唆の開始が保留される。この保留される特別抽選結果の保留数は、第一始動口2002及び第二始動口2004に対して、夫々4つまでを上限とし、それ以上については、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球Bが受け入れられても特別抽選結果を保留せずに、破棄している。これにより、保留が貯まることで遊技ホール側の負担の増加を抑制している。
ところで、第一始動口2002及び第二始動口2004への遊技球Bの受け入れにより抽選された特別抽選結果の示唆は、機能表示ユニット1400と演出表示装置1600とで行われる。機能表示ユニット1400では、主制御基板1310によって直接制御されて特別抽選結果の示唆が行われる。機能表示ユニット1400での特別抽選結果の示唆は、複数のLEDを、点灯・消灯を繰返して所定時間点滅させ、その後に、点灯しているLEDの組合せによって特別抽選結果を示唆する。
一方、演出表示装置1600では、主制御基板1310からの制御信号に基づいて、周辺制御基板1510によって間接的に制御され演出画像として特別抽選結果の示唆が行われる。演出表示装置1600での特別抽選結果を示唆する演出画像は、複数の絵柄からなる絵柄列を、左右方向へ三つ並べて表示した状態で、各絵柄列を変動させ、変動表示されている絵柄列を順次停止表示させ、停止表示される三つの絵柄列の絵柄が、特別抽選結果と対応した組合せとなるように夫々の絵柄列が停止表示される。特別抽選結果が「ハズレ」以外の場合は、三つの絵柄列が停止して各絵柄が停止表示された後に、特別抽選結果を示唆する確定画像が演出表示装置1600に表示されて、抽選された特別抽選結果に応じた有利遊技状態(例えば、「小当り」遊技、「大当り」遊技、等)が発生する。
なお、機能表示ユニット1400での特別抽選結果を示唆する時間(LEDの点滅時間(変動時間))と、演出表示装置1600での特別抽選結果を示唆する時間(絵柄列が変動して確定画像が表示されるまでの時間)とは、異なっており、機能表示ユニット1400の方が長い時間に設定されている。
また、周辺制御基板1510では、演出表示装置1600による特別抽選結果を示唆するための演出画像の表示の他に、抽選された特別抽選結果に応じて、扉枠3における演出操作ユニット300における演出操作部301の回転操作部302や押圧操作部303を操作させる遊技者参加型演出を行うことができる。遊技者参加型演出では、操作リング駆動モータ342により回転操作部302を回転させたり、振動させたり、回転操作をアシストしたり、回転操作を阻害したりすることができると共に、操作ボタン昇降駆動モータ367により押圧操作部303を上昇させて目立たせることができ、演出操作部301の操作により遊技者参加型演出を楽しませることができる。
また、周辺制御基板1510では、扉枠3に備えられている各装飾基板や、遊技盤5に備えられている各装飾基板、演出表示装置1600、及び裏ユニット3000の導光板演出ユニット3100、裏演出ユニット3200、等を適宜用いて、発光演出や表示演出等を行うことが可能であり、各種の演出によっても遊技者を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、周辺制御基板1510では、回転操作部302や押圧操作部303を操作する遊技者参加型演出において、遊技者が操作すべき操作を間違えたり、行わなかったりした時に、正しい操作を行わせるように遊技者にその旨を告知する。具体的には、例えば、中央押圧操作部303aの押圧操作が要求されている時に、外周押圧操作部303bを押圧操作したり、回転操作部302を回転操作した場合、振動スピーカ354により振動させたり演出表示装置1600にその旨を表示させたりする。
[8.本実施形態と本発明の関係]
本実施形態の表ユニット2000のセンター役物2500における案内通路群2520の第一案内通路2521及び第二案内通路2522は本発明の案内通路に、本実施形態におけるアタッカユニット2400の普通入賞口2003、第二始動口2004、及び大入賞口2005は本発明の特典付与部に、夫々相当している。
[9.本実施形態の特徴的な作用効果]
このように、本実施形態のパチンコ機1によると、左側から周縁に沿って遊技領域5a内の上部に打込まれた遊技球Bが、センター役物2500の右側の案内通路群2520における第一案内通路2521又は第二案内通路2522の何れかを通って、下流側に設けられているアタッカユニット2400の普通入賞口2003に受け入れられると、所定の特典(所定数の遊技球Bの払出しと共に、第二始動口2004を開閉させるか否かの普通抽選)が付与されるため、遊技者に対して普通入賞口2003のあるセンター役物2500の右側を狙った遊技球Bの打込操作をさせる遊技を行わせることができる。
センター役物2500の右側の第一案内通路2521及び第二案内通路2522は、左右方向に並んでいる途中の重見部2520aにおいて、前後方向に並ぶように位置関係がひねられていることから、上部の入口側では、夫々の第一案内通路2521及び第二案内通路2522が左右方向に並んでおり、夫々の第一案内通路2521及び第二案内通路2522を明確に判別することができるため、遊技球Bの打込操作により打分けの行い易いものとすることができ、所望の第一案内通路2521又は第二案内通路2522を狙った遊技球Bの打込操作を楽しませることができる。
一方、第一案内通路2521及び第二案内通路2522の途中では、重見部2520aにおいて前後方向に並ぶようにひねられているため、当該部位を流通している遊技球Bに対して、遊技者からは何れの案内通路を流通しているのかを判別し辛くすることができ、第一案内通路2521又は第二案内通路2522を流通している遊技球Bに対して遊技者を注目させることができる。これら第一案内通路2521及び第二案内通路2522は、案内(流通)している遊技球Bを前方から視認可能としており、第一案内通路2521及び第二案内通路2522が透明な部材により形成されていることから、前後に並んでいる重見部2520aの部位では、第一案内通路2521及び第二案内通路2522が重なって見えるため、一見しただけでは、各案内通路の経路を認識させ難くいものとすることができる。更に、第一案内通路2521及び第二案内通路2522の下部の出口側では、第一案内通路2521及び第二案内通路2522が左右方向に並ぶようにひねられていることから、出口側の夫々の第一案内通路2521及び第二案内通路2522を明確に判別することができるものの、この上流側では二回ひねられているため、入口側の第一案内通路2521及び第二案内通路2522の並びと、出口側の第一案内通路2521及び第二案内通路2522の並びとの関係が判別し辛く不明確にすることができる。
従って、センター役物2500の右側では、第一案内通路2521及び第二案内通路2522の一つに遊技球Bを打込んだ(進入させた)時に、何処から出てくるのか判り難く、案内通路群2520を流通した後の遊技結果がどのようになるのか認識し辛くすることができ、第一案内通路2521及び第二案内通路2522のうち、どの案内通路に遊技球Bを打込むと普通入賞口2003に受け入れられる可能性が高いのかが判り難いため、遊技球Bを打込んだ時に、遊技球Bがどの案内通路を流通しているのかを気に掛けさせることができ、遊技者を流通している遊技球Bに注目させることができる。
また、遊技者が第一案内通路2521及び第二案内通路2522の何れかを流通している遊技球Bに注目することにより、普通入賞口2003に受け入れられる可能性の高い案内通路(第二案内通路2522)の出口から遊技球Bが出てくるのか否かで遊技者をドキドキさせることができ、遊技に対する期待感を高めさせることができると共に、想定外の出口(第一案内通路2521の出口)から出てくると、遊技者に意外性を付与して驚かせることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、普通入賞口2003に受け入れられる可能性の高い出口を有する第二案内通路2522に遊技球Bを進入させるためには、遊技球Bの打込強さを調整する必要があるため、遊技者に対して遊技球Bの打込強さを調整させて打込ませることができる。従って、遊技球Bの打込操作に対して難易度を付与することができ、遊技球Bの打込操作の変化により遊技者を飽きさせ難くすることができると共に、遊技者に対して遊技球Bの打込操作を楽しませることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、第一案内通路2521及び第二案内通路2522に、前後方向に並んでいる重見部2520aの部位を有するようにしていることから、当該部位では案内通路群2520の左右方向の幅を可及的に狭くすることができるため、相対的にセンター役物2500の右側にスペースを確保し易くすることができ、確保したスペースに、役物入賞口2006や第一振分装置2530等を配置したり演出装置を配置したりすることが可能となり、より遊技者を楽しませられるパチンコ機1とすることができる。
[10.主制御基板の各種制御処理]
次に、パチンコ機1の遊技の進行に応じて、図137に示した主制御基板1310が行う各種制御処理について、図142〜図147を参照して説明する。図142は主制御側電源投入時処理の一例を示すフローチャートであり、図143は図142の主制御側電源投入時処理のつづきを示すフローチャートであり、図144は主制御側タイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートであり、図145は設定変更処理の一例を示すフローチャートであり、図146はエラー表示処理の一例を示すフローチャートであり、図147は設定値確認表示処理の一例を示すフローチャートである。まず、遊技制御に用いられる各種乱数について説明し、続いて初期値更新型のカウンタの動き、主制御側電源投入時処理、主制御側タイマ割り込み処理、設定変更処理、エラー表示処理、設定値確認表示処理について説明する。なお、以下の説明において主制御MPU1310aを単に「主制御MPU」と記載する場合がある。
[10−1.各種乱数]
遊技制御に用いられる各種乱数として、大当り遊技状態や小当り遊技状態を発生させるか否かの決定に用いるための特別乱数と、この特別乱数の初期値の決定に用いるための当り判定用初期値決定乱数と、大当り遊技状態を発生させないときにリーチ(リーチはずれ)を発生させるか否かの決定に用いるためのリーチ判定用乱数と、機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器及び第二特別図柄表示器で変動表示される特別図柄の変動表示パターンの決定に用いるための変動表示パターン用乱数と、大当り遊技状態を発生させるときに機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器及び第二特別図柄表示器で導出表示される大当り図柄や小当り図柄の決定(当り種別の決定)に用いるための図柄乱数と、この図柄乱数の初期値の決定に用いるための大当り図柄用初期値決定用乱数等が用意されている。またこれらの乱数に加えて、第二始動口2004の遊技球の受け入れが可能とする可動片を開閉動作させるか否かの決定に用いるための普通図柄当り判定用乱数と、この普通図柄当り判定用乱数の初期値の決定に用いるための普通図柄当り判定用初期値決定乱数と、機能表示ユニット1400の普通図柄表示器で変動表示される普通図柄の変動表示パターンの決定に用いるための普通図柄変動表示パターン用乱数等が用意されている。
このような遊技制御に用いられる各種乱数のうち、特別乱数はハードウェアにより更新されるのに対して、他の各種乱数はソフトウェアにより更新されるようになっている。
例えば、特別乱数は、主制御MPUに内蔵される主制御内蔵ハード乱数回路によりハードウェアにより直接更新されるようになっている。この主制御内蔵ハード乱数回路は、主制御MPUがリセットされると、まず、予め定めた数値範囲内における一の値を初期値として、主制御MPUに入力されるクロック信号に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を次々に抽出し、予め定めた数値範囲内におけるすべての値を抽出し終えると、再び、予め定めた数値範囲内における一の値を抽出して、主制御MPUに入力されるクロック信号に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を次々に抽出する。このような高速な抽選を主制御内蔵ハード乱数回路が繰り返し行い、主制御MPUは、主制御内蔵ハード乱数回路から値を取得する時点における主制御内蔵ハード乱数回路が抽出した値を特別乱数としてセットするようになっている。
これに対して、普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタは、最小値から最大値までに亘る予め定めた固定数値範囲内において更新され、この最小値から最大値までに亘る範囲を、後述する主制御側タイマ割り込み処理が行われるごとに値1ずつ加算されることでカウントアップする。このカウンタは、普通図柄当り判定用初期値決定乱数から最大値に向かってカウントアップし、続いて最小値から普通図柄当り判定用初期値決定乱数に向かってカウントアップする。普通図柄当り判定用乱数の最小値から最大値までに亘る範囲をカウンタがカウントアップし終えると、普通図柄当り判定用初期値決定乱数は更新される。このようなカウンタの更新方法を「初期値更新型のカウンタ」という。普通図柄当り判定用初期値決定乱数は、普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの固定数値範囲から一の値を抽選する初期値抽選処理を実行して得ることができるようになっている。
なお、本実施形態では、払出制御基板633のRWMクリアボタン633zが電源投入時に操作された場合や、後述する、主制御側電源投入時処理において主制御MPUの主制御内蔵RAMに記憶されている各種情報を数値とみなしてその合計を算出して得たチェックサムの値(サム値)が主制御側電源断時処理(電源断時)において記憶されているチェックサムの値(サム値)と一致していない場合など、主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いてをクリアする場合には、普通図柄当り判定用初期値決定乱数は、主制御MPUがその内蔵する不揮発性のRAMからIDコードを取り出し、この取り出したIDコードに基づいて普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの固定数値範囲から常に同一の固定値を導出する初期値導出処理を実行し、この導出した固定値がセットされる仕組みとなっている。つまり、普通図柄当り判定用初期値決定乱数は、初期値導出処理の実行によりIDコードに基づいて導出された同一の固定値が常に上書き更新されるようになっている。このように、普通図柄当り判定用初期値決定乱数にセットされる値は、IDコードを利用して導出されており、主制御MPUを製造したメーカによって主制御MPUに内蔵する不揮発性のRAMにIDコードを記憶させるとIDコードが外部装置を用いても書き換えられないという第1のセキュリティー対策と、主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いてをクリアする場合に初期値導出処理を実行することによってIDコードに基づいて同一の固定値を導出するという第2のセキュリティー対策と、による2段階のセキュリティー対策が講じられることよって解析されるのを防止している。
ここで、主制御MPUに内蔵する不揮発性のRAMからIDコードを取り出し、この取り出したIDコードを普通図柄当り判定用初期値決定乱数として用いる利点について説明する。例えば、賞球として払い出される遊技球を不正に獲得しようとする者が何らかの方法で遊技盤5を入手して分解し、主制御MPUに内蔵する不揮発性のRAMに予め記憶されているIDコードを不正に取得し、普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの値と普通図柄当り判定値とが一致するタイミングを把握することができたとしても、そのIDコードが個体を識別するためのユニークな符号が付されたものであるため、他の遊技盤5’に備える主制御MPU’に内蔵する不揮発性のRAMに予め記憶されているIDコードとまったく異なるものとなる。つまり他の遊技盤5’においては、普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの値と普通図柄当り判定値とが一致するタイミングも、入手した遊技盤5のものとまったく異なる。換言すると、入手した遊技盤5を分解して解析して得たIDコードは、他の遊技盤5’、つまり他のパチンコ機1’において、まったく役に立たないものであるため、分解して解析した得た所定間隔ごとに瞬停を発生させ、その所定間隔ごとに、普通入賞口2003に遊技球を通過させたとしても、可動片を開閉動作させて第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態を発生させることができない。
[10−2.主制御側電源投入時処理]
まず、パチンコ機1に電源が投入されると、デフォルトとして予め定めたアドレスにスタックポインタが設定されるように主制御MPUが回路構成されている。このスタックポインタは、例えば、使用中の記憶素子(レジスタ)の内容を一時記憶するためにスタックに積んだアドレスを示したり、サブルーチンを終了して本ルーチンに復帰するときの本ルーチンの復帰アドレスを一時記憶するためにスタックに積んだアドレスを示したりするものであり、スタックが積まれるごとにスタックポインタが進む。
主制御MPUによる制御の下、図142及び図143に示すように、主制御側電源投入時処理を行う。この主制御側電源投入時処理が開始されると、主制御MPUは、RAMアクセス許可の設定を行う(ステップS10)。このRAMアクセス許可の設定により主制御内蔵RAMに対する更新を行うことができる。
ステップS10に続いて、主制御MPUは、停電クリア処理を行う(ステップS12)。この停電クリア処理では、ウェイトタイマ処理を行い、停電監視回路1310eからの停電予告信号が入力されているか否かを判定する。電源投入時から所定電圧となるまでの間では電圧がすぐに上がらない。一方、停電又は瞬停(電力の供給が一時停止する現象)となるときでは電圧が下がり、停電予告電圧より小さくなると、停電監視回路1310eから停電予告として停電予告信号が入力される。電源投入時から所定電圧に上がるまでの間では同様に電圧が停電予告電圧より小さくなると、停電監視回路1310eから停電予告信号が入力される。そこで、ウェイトタイマ処理では、電源投入後、電圧が停電予告電圧より大きくなって安定するまで待つための処理であり、本実施形態では、待ち時間(ウェイトタイマ)として200ミリ秒(ms)が設定されている。
ステップS12に続いて、主制御MPUは、払出制御基板633のRWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されているか否かを判定する(ステップS14)。RWMクリアボタン633zは、上述したように、3つの機能を兼用する機能(RAMクリアスイッチ、設定切替ボタン、及びエラー解除スイッチ)を有し、ここでは、主制御内蔵RAMの所定領域に記憶された情報を完全に消去するためのRAMクリアスイッチの機能として作動する。この判定では、主制御MPUは、払出制御基板633のRWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作された旨を伝える信号(RAMクリア信号)の論理がHIであるときにはRAMクリアを行わないと判断してRWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されていないと判定する一方、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作された旨を伝える信号(RAMクリア信号)の論理がLOWであるときにはRAMクリアを行うと判断してRWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されていると判定する。なお、本ルーチンである主制御側電源投入時処理が開始されてからステップS14の判定までに亘る期間内において、極めて短時間であるため、実際には、RWMクリアボタン633zの押圧操作部を押圧操作する者は、RWMクリアボタン633zの押圧操作部を押圧操作しながらパチンコ機1の電源投入を行うこととなる。
ステップS14の判定において、主制御MPUは、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されていると判定したときには、RAMクリア報知フラグRCL−FLGに値1をセットする(ステップS16A)。一方、ステップS14の判定において、主制御MPUは、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されていないと判定したときには、RAMクリア報知フラグRCL−FLGに値0をセットする(ステップS16B)。つまり、主制御MPUは、電源投入時から所定時間に亘って、主制御MPUに内蔵されたRAM(つまり、主制御内蔵RAM)の初期化を行うRAMクリア処理を実行可能な状態とする。上述したRAMクリア報知フラグRCL−FLGは、主制御MPUの主制御内蔵RAMに記憶されている、確率変動、未払い出し賞球等の遊技に関する遊技情報、及びその他の情報(例えば、メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を示す情報等)を含む各種情報を消去するか否かを示すフラグであり、各種情報を消去するとき値1、各種情報を消去しないとき値0にそれぞれ設定される。なお、ステップS16A及びステップS16BでセットされたRAMクリア報知フラグRCL−FLGの値は、主制御MPUの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶される。
ステップS16A又はステップS16Bに続いて、本体枠4の開放及び設定キーのON操作があるか否かを判定する(ステップS18)。この判定では、主制御MPUは、外枠2に対する本体枠4の開放を検出するための本体枠開放スイッチ4bからの検出信号と、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダが初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)から時計方向へ向かって60度回動操作されて第1のON操作されることで設定キースイッチ1311aが設定キーONされ、設定キースイッチ1311aからの設定キーONの信号と、に基づいて行う。主制御MPUは、本体枠開放スイッチ4bからの検出信号により外枠2に対して本体枠4が開放されていると判定し、かつ、設定キーONの信号により設定キースイッチ1311aが設定キーONされていると判定したことによって、予め定めた設定値変更許可条件が成立していると判定する一方、本体枠開放スイッチ4bからの検出信号により外枠2に対して本体枠4が開放されていないと判定し、及び/又は、設定キーONの信号により設定キースイッチ1311aが設定キーONされていないと判定したことによって、予め定めた設定値変更許可条件が成立していないと判定する。
ステップS18の判定において、主制御MPUは、予め定めた設定値変更許可条件が成立していると判定したときには、設定変更許可フラグCS−FLGに値1をセットする(ステップS20A)。一方、ステップS18の判定において、主制御MPUは、予め定めた設定値変更許可条件が成立していないと判定したときには、設定変更許可フラグCS−FLGに値0をセットする(ステップS20B)。設定変更許可フラグCS−FLGは、主制御MPUの主制御内蔵RAMの所定領域(後述する、特定領域における設定値専用領域)に格納されている現状の設定値(設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダが第1のON操作された時点における設定値1〜設定値6のうち設定されている値)の設定変更を行うことを許可するか否かを示すフラグであり、設定値の設定変更を行うことを許可するとき値1、設定値の設定変更を行うことを許可しないとき値0にそれぞれ設定される。なお、ステップS20A及びステップS20Bでセットされた設定変更許可フラグCS−FLGの値は、主制御MPUの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶される。
ステップS20A又はステップS20Bに続いて、主制御MPUは、ウェイト時間待機処理を行う(ステップS22)。このウェイト時間待機処理では、周辺制御基板1510の描画制御を行うシステムが起動する(ブートする)まで待っている。本実施形態では、ブートするまでの待機時間(ブートタイマ)として2.5秒(s)が設定されている。周辺制御基板1510は、主制御MPUがウェイト時間待機処理を完了する時点において、主制御基板1310(主制御MPU)からの各種コマンドを受信することができる状態となっている。なお、主制御MPUがウェイト時間待機処理を完了する時点において、払出制御基板633が周辺制御基板1510と比べて短時間でブート完了するため、払出制御基板633は、主制御基板1310(主制御MPU)からの各種コマンドを受信することができる状態となっている。
ステップS22に続いて、主制御MPUは、停電予告信号が入力されているか否かを判定する(ステップS24)。上述したように、パチンコ機1の電源を遮断したり、停電又は瞬停したりするときには、電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号が停電監視回路1310eから入力される。ステップS24の判定は、この停電予告信号に基づいて行う。ステップS24の判定において、主制御MPUは、停電予告信号の入力があると判定したときには、ステップS24の判定に再び戻り、停電予告信号の入力があり続ける限り、ステップS24の判定を繰り返し行う。なお、ステップS24の判定がステップS22のウェイト時間待機処理に続いて行われる点についての詳細な説明を後述する。
ステップS24の判定において、主制御MPUは、停電予告信号の入力がないと判定したときには、設定変更許可フラグCS−FLGが値0であるか否かを判定する(ステップS25)。設定変更許可フラグCS−FLGは、設定値の設定変更を行うことを許可するとき値1、設定値の設定変更を行うことを許可しないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS25の判定において、主制御MPUは、設定変更許可フラグCS−FLGが値0とき、つまり設定値の設定変更を行うことを許可しないときには、RAMクリア報知フラグRCL−FLGが値0である否かを判定する(ステップS26)。RAMクリア報知フラグRCL−FLGは、上述したように、各種情報を消去するとき値1、各種情報を消去しないとき値0にそれぞれ設定される。ステップS26の判定において、主制御MPUは、RAMクリア報知フラグRCL−FLGが値0であるとき、つまり各種情報を消去しないと判定したときには、チェックサムの算出を行う(ステップS28)。このチェックサムは、主制御内蔵RAMに記憶されている各種情報を数値とみなしてその合計を算出するものである。
ステップS28に続いて、主制御MPUは、算出したチェックサムの値(サム値)が後述する主制御側電源断時処理(電源断時)において記憶されているチェックサムの値(サム値)と一致しているか否かを判定する(ステップS30)。ステップS30において、主制御MPUは、一致していると判定したときには、バックアップフラグBK−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS32)。このバックアップフラグBK−FLGは、各種情報、チェックサムの値(サム値)及びバックアップフラグBK−FLGの値等の遊技バックアップ情報を後述する主制御側電源断時処理において主制御内蔵RAMに記憶保持したか否かを示すフラグであり、主制御側電源断時処理を正常に終了したとき値1、主制御側電源断時処理を正常に終了していないとき値0にそれぞれ設定される。なお、主制御基板1310の製造ラインの検査工程において、検査のために製造してから最初に主制御基板1310が電源投入される際における、ステップS28のチェックサムの算出と、ステップS30の判定と、についての詳細な説明を後述する。
ステップS30の判定において、主制御MPUは、チェックサムの値(サム値)が一致していないと判定したときには、又はステップS32の判定において、主制御MPUは、バックアップフラグBK−FLGが値1でない(値0である)とき、つまり主制御側電源断時処理を正常に終了していないと判定したときには、エラー表示処理を行い(ステップS33)、無限ループに入る。この無限ループにより、エラー表示処理が終了した状態を維持することとなり、遊技を進行することが全くできない状態となり、パチンコ機1の電源を遮断して、再び電源を投入することとなる。このエラー表示処理では、その詳細な説明を後述するが、主制御内蔵RAMの内容に異常があると判定した場合、又は、電源遮断時に主制御側電源断時処理が正常に終了していないと判定した場合には、主制御内蔵RAMに格納されている内容に異常がある(又は信用することができないものである)として、その旨を伝えるエラー表示を行う。本実施形態では、主制御MPUがエラー表示として英字Eを設定表示器1310gに表示するようになっている。
なお、パチンコ機1の電源遮断を行い、外枠2に対して本体枠4が開放し、かつ、設定キーシリンダが初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)から時計方向へ向かって60度回動操作して第1のON操作したのちに、パチンコ機1の電源投入を行うことにより、再び本ルーチンである主制御側電源投入時処理が開始される。主制御MPUは、上述したステップS18の判定において、本体枠開放スイッチ4bからの検出信号により外枠2に対して本体枠4が開放されていると判定し、かつ、設定キーONの信号により設定キースイッチ1311aが設定キーONされていると判定したことによって、予め定めた設定値変更許可条件が成立していると判定して、上述したステップS20Aにおいて、設定変更許可フラグCS−FLGに値1をセットするため、上述したステップS25の判定において、設定変更許可フラグCS−FLGが値1であるとして、つまり設定値の設定変更を行うことを許可すると判定して、後述するステップS37の設定変更処理に続いて、後述するステップS38の処理において、主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いてクリアすることによりRAMエラーを解除して遊技を進行することができるようになっている(以下、「第1のRAMエラー解除方法」と記載する)。
この第1のRAMエラー解除方法とは別の方法として、パチンコ機1の電源遮断を行い、払出制御基板633のRWMクリアボタン633zの押圧操作部を押圧操作しながらパチンコ機1の電源投入を行うことにより、再び本ルーチンである主制御側電源投入時処理が開始される。主制御MPUは、上述したステップS14の判定において、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されていると判定して、上述したステップS16Aにおいて、RAMクリア報知フラグRCL−FLGに値1をセットするため、上述したステップS26の判定において、RAMクリア報知フラグRCL−FLGが値1であるとして、つまり各種情報を消去すると判定して、後述するステップS38の処理において、主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いてクリアすることによりRAMエラーを解除して遊技を進行することができるようになっている(以下、「第2のRAMエラー解除方法」と記載する)。
このように、本実施形態では、ステップS30の判定において、主制御MPUは、チェックサムの値(サム値)が一致していないと判定したときには、又はステップS32の判定において、主制御MPUは、バックアップフラグBK−FLGが値1でない(値0である)とき、つまり主制御側電源断時処理を正常に終了していないと判定したときには、ステップS33のエラー表示を行って、主制御内蔵RAMに格納されている内容に異常がある(又は信用することができないものである)の旨を伝える場合には、第1のRAMエラー解除方法と第2のRAMエラー解除方法との2つの解除方法により行うことができるようになっている。これにより、設定値の設定変更を全く行う必要がない場合には、RWMクリアボタン633zによる第2のRAMエラー解除方法を行うことによりRAMエラーを解除することができるようになっている。
一方、ステップS32の判定において、主制御MPUは、バックアップフラグBK−FLGが値1であるとき、つまり主制御側電源断時処理を正常に終了したと判定したときには、復電時として主制御内蔵RAMの作業領域を設定する(ステップS34)。この設定は、主制御MPUに内蔵されたROM(つまり、主制御内蔵ROM)から復電時情報を読み出し、この復電時情報を主制御内蔵RAMの作業領域にセットする。これにより、遊技バックアップ情報から各種情報を読み出してこの各種情報に応じた各種コマンドを主制御内蔵RAMの所定記憶領域に記憶する。また、主制御MPUは、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値に基づいて遊技を進行することとなる。なお、「復電」とは、電源を遮断した状態から電源を投入した状態のほかに、停電又は瞬停からその後の電力の復旧した状態、不正手段(例えば、不正行為者が腕の裾に隠した高周波出力装置)からの高周波が主制御基板1310に照射されて主制御MPU自体がリセットし、その後に復帰した状態も含める。
ステップS34に続いて、主制御MPUは、バックアップフラグBK−FLGに値0をセットする(ステップS36)。これにより、これ以後の各種処理が行われることにより各種情報、チェックサムの値(サム値)等が変更されるため、後述する主制御側電源断時処理を正常に終了してバックアップフラグBK−FLGに値1がセットされないと、後述するように、主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いてがクリアされることとなる。
一方、ステップS25の判定において、主制御MPUは、設定変更許可フラグCS−FLGが値0でない(値1である)とき、つまり設定値の設定変更を行うことを許可するときには、設定変更処理を行う(ステップS37)。この設定変更処理では、その詳細な説明を後述するが、払出制御基板633のRWMクリアボタン633zからの信号に基づいてい行う。RWMクリアボタン633zは、上述したように、3つの機能を兼用する機能(RAMクリアスイッチ、設定切替ボタン、及びエラー解除スイッチ)を有し、ここでは、設定値を選択して切り替えるための設定切替ボタンの機能として作動する。RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されるごとにその旨を伝える信号(設定値の選択切替信号)が入力されて、設定値を変更して設定表示器1310gに表示し、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダが第1のON操作から第2のON操作されたことで設定キースイッチ1311aからの決定キーONの信号に基づいて、変更した設定値を決定し、主制御MPUに内蔵されているRAMの所定領域に格納する。
ステップS37の処理、又はステップS26の判定において、主制御MPUは、RAMクリア報知フラグRCL−FLGが値0でない(値1である)とき、つまり各種情報を消去すると判定したときには、主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いてクリアする(ステップS38)。ここでは、主制御MPUは、値0を主制御内蔵RAMの所定領域(主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除く領域。)に書き込むことよって行う。本実施形態では、RAMクリア報知フラグRCL−FLGが値0でない(値1である)とき、つまり各種情報を消去すると判定したときに加えて、設定変更処理を終了すると、必ず、主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いて(主制御内蔵RAMの所定領域(主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除く領域。)を)クリアするようになっている。ここで、「特定領域」とは、設定値が格納される設定値専用領域と、遊技盤5に区画形成される遊技領域5aに設けられるアウト口1008により回収された遊技球の球数の計数結果(総数)が格納されるアウト球計数専用領域と、から構成されている。設定値専用領域は、後述する設定変更処理において設定変更される設定値が格納され、アウト球計数専用領域は、後述する球数計数処理において計数されるアウト口1008により回収された遊技球の球数の計数結果(総数)が格納される。
なお、主制御MPUは、初期値として主制御内蔵ROMから所定値を読み出して、セットしてもよい。また、主制御MPUは、払出制御基板633のRWMクリアボタン633zがRAMクリアスイッチとして作動するときであってRWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作された旨を伝える信号(RAMクリア信号)の論理がRAMクリアを指示するもので各種情報を消去するとき、サム値が一致していないとき、又は主制御側電源断時処理を正常に終了していないときには、主制御MPUの不揮発性のRAMに予め記憶された固有のIDコードを取り出し、この取り出したIDコードに基づいて普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの固定数値範囲から常に同一の固定値を導出する初期値導出処理を行い、この固定値を、上述した普通図柄当り判定用乱数の初期値の決定に用いるための普通図柄当り判定用初期値決定乱数にセットする。
ステップS38に続いて、主制御MPUは、初期設定として主制御内蔵RAMの作業領域を設定する(ステップS40)。この設定は、主制御内蔵ROMから初期情報を読み出してこの初期情報を主制御内蔵RAMの作業領域にセットされることにより実施される。これにより、遊技バックアップ情報が初期化され、例えばメイン賞球数情報出力判定用カウンタの値は、初期値である値0に設定(セット)される。また、主制御MPUは、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値に基づいて遊技を進行することとなる。
ステップS36又はステップS40に続いて、主制御MPUは、主制御内蔵WDTの初期値設定及び起動設定を行う(ステップS41)。ここでは、主制御MPUの動作(システム)が正常動作しているか否かを監視する主制御内蔵WDTに初期値を設定するために主制御MPUに内蔵されるウォッチドックタイマコントロールレジスタ(以下、「WDTコントロールレジスタ」と記載する。)にタイマ設定値を設定して主制御内蔵WDTを起動させて主制御MPUをリセットするまでの計時を開始する。主制御内蔵WDTが起動すると、主制御内蔵WDTによる計時が開始され、この計時された時間がタイマ設定値で設定された時間に達するまでに、主制御MPUに内蔵されるウォッチドックタイマクリアレジスタ(以下、「WDTクリアレジスタ」と記載する。)にタイマクリア設定値をセットしないと、主制御内蔵WDTにより主制御MPUが強制的にリセットされるようになっている。これに対して、主制御内蔵WDTが起動して計時が開始されると、この計時された時間がタイマ設定値で設定された時間に達するまでにWDTクリアレジスタにタイマクリア設定値をセットすると、主制御内蔵WDTによる計時がクリアされて、再び計時が開始されるようになっている。このように、主制御内蔵WDTによる計時をタイマ設定値で設定された時間に達するまでにクリアして再び計時を開始するという処理を繰り返し行うことにより主制御MPUの動作(システム)が正常動作しているか否かを監視することができる。
ステップS41に続いて、主制御MPUは、割り込み初期設定を行う(ステップS42)。この設定は、後述する主制御側タイマ割り込み処理が行われるときの割り込み周期を設定するものである。本実施形態では、4ミリ秒(ms)に設定されている。
ステップS42に続いて、主制御MPUは、シリアル通信初期設定を行う(ステップS44)。ここでは、主制御MPUに内蔵される各種シリアル入出力ポート(例えば、払出制御基板633に対するシリアル入出力ポート(受信チャンネル及び送信チャンネル)、周辺制御基板1510に対するシリアル入出力ポート(受信チャンネル及び送信チャンネル)に対応する、送信シリアルポートプリスケーラに通信速度の設定やパリティ有無の設定等を行うとともに、送信シリアルポートコントロールレジスタに送信回路の初期化の設定や送信許可の設定等を行う。
ステップS44に続いて、主制御MPUは、試験信号出力ポート初期化設定を行う(ステップS46)。ここでは、遊技機の試験機関において、各種検査情報を出力するための図示しない試験信号出力ポートを、電源投入時に初期化設定(OFFデータ出力に設定)等を行う。
ステップS46に続いて、主制御MPUは、主制御内蔵ハード乱数回路の起動設定を行う(ステップS48)。ここでは、遊技に関する各種乱数のうち、大当り遊技状態を発生させるか否かの決定に用いるための特別乱数を、ハードウェアにより更新するために主制御MPUに内蔵されるハード乱数コントロールレジスタに乱数をラッチして取得するという設定等を行うとともに、ハード乱数設定レジスタに主制御内蔵ハード乱数回路の起動等を設定する。これらの設定により主制御内蔵ハード乱数回路が起動すると、主制御MPUに入力されるクロック信号に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を重複することなく次々に抽出し、予め定めた数値範囲内におけるすべての値を抽出し終えると、再び、予め定めた数値範囲内における一の値を抽出して、主制御MPUに入力されるクロック信号に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を重複することなく次々に抽出する。なお、主制御MPUは、主制御内蔵ハード乱数回路から乱数(乱数値)を取得するときには、主制御内蔵ハード乱数回路にラッチ信号を出力し、このラッチ信号が入力された際における主制御内蔵ハード乱数回路が抽出した乱数(乱数値)を、主制御MPUに内蔵されるハード乱数ラッチレジスタから取得するようになっている。主制御MPUは、この取得した乱数値を特別乱数としてセットする。
ステップS48に続いて、主制御MPUは、電源投入時に送信するコマンドの予約設定を行う(ステップS50)。ここでは、ステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において主制御内蔵RAMの作業領域にセットされた復電時情報に基づいて、電源投入(復電)した旨を伝えるために、電源投入に区分される電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶する。主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域には、ステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において、遊技バックアップ情報から各種情報を読み出してこの各種情報に応じた各種コマンドが記憶されている場合もある。このような場合には、まず各種情報のうち遊技情報に応じた各種コマンドの送信完了後に、続いて電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドが送信されることとなる。これらのコマンドは、後述する主制御側タイマ割り込み処理において送信されるようになっている。なお、ステップS50において電源投入時に送信するコマンドの予約設定が行われる点についての詳細な説明を後述する。
ステップS50に続いて、主制御MPUは、割り込み許可設定を行う(ステップS52)。この設定によりステップS42で設定した割り込み周期、つまり4msごとに後述する主制御側タイマ割り込み処理が繰り返し行われる。
ステップS52に続いて、主制御MPUは、停電予告信号が入力されているか否かを判定する(ステップS54)。パチンコ機1の電源を遮断したり、停電又は瞬停したりするときには、上述したように、電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号が停電監視回路1310eから主制御MPUに入力される。ステップS54の判定は、この停電予告信号に基づいて行う。
ステップS54の判定において、主制御MPUは、停電予告信号の入力がないと判定したときには、非当落乱数更新処理を行う(ステップS56)。この非当落乱数更新処理では、上述した、リーチ判定用乱数、変動表示パターン用乱数、大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数等を更新する。このように、非当落乱数更新処理では、当落判定(大当り判定)にかかわらない乱数をソフトウェアにより更新する。なお、上述した、普通図柄当り判定用乱数、普通図柄当り判定用初期値決定乱数及び普通図柄変動表示パターン用乱数等もこの非当落乱数更新処理により更新される。
ステップS56に続いて、再びステップS54に戻り、主制御MPUは、停電予告信号の入力があるか否かを判定し、この停電予告信号の入力がなければ、ステップS56で非当落乱数更新処理を行い、ステップS54〜ステップS56を繰り返し行う。なお、このステップS54〜ステップS56の処理を「主制御側メイン処理」という。
一方、ステップS54の判定において、主制御MPUは、停電予告信号の入力があったと判定したときには、割り込み禁止設定を行う(ステップS58)。この設定により後述する主制御側タイマ割り込み処理が行われなくなり、主制御内蔵RAMへの書き込みを防ぎ、上述した、遊技情報、及びその他の情報を含む各種情報の書き換えを保護している。
ステップS58に続いて、主制御MPUは、停電クリア信号を出力開始する(ステップS60)。ここでは、ステップS12の停電クリア処理において停電クリア信号を出力開始した処理と同一の処理を行う。
ステップS60に続いて、主制御MPUは、例えば、機能表示ユニット1400の各種表示器、始動口ソレノイド2404、アタッカソレノイド2405、ベースモニタ1310h等に出力している駆動信号を停止する(ステップS62)。
ステップS62に続いて、主制御MPUは、チェックサムの算出を行ってこの算出した値を記憶する(ステップS64)。このチェックサムは、上述したチェックサムの値(サム値)及びバックアップフラグBK−FLGの値の記憶領域を除く、主制御内蔵RAMの作業領域の遊技情報を数値とみなしてその合計を算出する。
ステップS64に続いて、主制御MPUは、バックアップフラグBK−FLGに値1をセットする(ステップS66)。これにより、遊技バックアップ情報の記憶が完了する。
ステップS66に続いて、主制御MPUは、RAMアクセス禁止の設定を行う(ステップS68)。このRAMアクセス禁止の設定により主制御内蔵RAMに対するアクセスが行うことができなくなることよって主制御内蔵RAMの内容の更新を防止することができる。
ステップS68に続いて、無限ループに入る。この無限ループでは、ステップS41において起動した主制御内蔵WDTに対して主制御MPUに内蔵されるWDTクリアレジスタにタイマクリア設定値をセットし、主制御内蔵WDTによる計時をクリアして再び計時を開始させることができなくなることによって、主制御内蔵WDTにより主制御MPUが強制的にリセットされることとなる。その後、主制御MPUは、この主制御側電源投入時処理を再び行う。なお、ステップS58〜ステップS68の処理及び無限ループを「主制御側電源断時処理」という。
主制御MPUは、上述したように、電気的なノイズの影響を受けると、内蔵リセット回路による強制リセットがかかる。この場合、主制御MPUは、ステップS54の判定を行うことができず、主制御側電源断時処理を行うことができない。このため、主制御MPUは、内蔵リセット回路による強制リセットがかかると、主制御側電源断時処理を実行することなく、リセットがかかり、再び、主制御側電源投入時処理を実行することとなる。つまり、主制御側電源断時処理が実行されないことにより、内蔵リセット回路による強制リセットがかかる直前に基づく主制御側電源断時処理におけるチェックサムの値(サム値)が記憶されていないため、前回電源遮断時において主制御側電源断時処理が実行されて記憶されたチェックサムの値(サム値)と、内蔵リセット回路による強制リセットがかかって再起動するときにステップS28で算出したチェックサムの値(サム値)と、が一致するはずがなく、必ず主制御内蔵RAMのチェックサム(サム値)エラーとなって、ステップS38の処理において主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いて完全に消去(クリア)されることとなる。
パチンコ機1(主制御MPU)は、停電したとき又は瞬停したときにはリセットがかかり、その後の電力の復旧により、この主制御側電源投入時処理を行う。
なお、ステップS30では主制御内蔵RAMに記憶されている遊技バックアップ情報が正常なものであるか否かを検査し、続いてステップS32では主制御側電源断時処理が正常に終了された否かを検査している。このように、主制御内蔵RAMに記憶されている遊技バックアップ情報を2重にチェックすることにより遊技バックアップ情報が不正行為により記憶されたものであるか否かを検査している。
また、ステップS25の判定において、設定変更許可フラグCS−FLGが値0でない(値1である)とき、つまり設定値の設定変更を行うことを許可するときには、ステップS37の設定変更処理を行い、ステップS38の処理において主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いて完全に消去(クリア)し、ステップS26の判定において、RAMクリア報知フラグRCL−FLGが値0でない(値1である)とき、つまり各種情報を消去すると判定したときには、ステップS38の処理において主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いて完全に消去(クリア)する。このように、復電時に押圧操作部が操作されている場合(正確には、払出制御基板633のRWMクリアボタン633zがRAMクリアスイッチとして作動するときであってRWMクリアボタン633zの押圧操作部を押圧操作しながらパチンコ機1の電源投入を行う場合)、設定値を変更決定することができる設定変更を行う場合(主制御MPUが設定変更処理を行った場合)には、主制御MPUが主制御内蔵RAMの所定領域を必ずクリアする。これは、RWMクリアボタン633zがRAMクリアスイッチとして作動するときであってRWMクリアボタン633zの押圧操作部が押圧操作される場合には、例えば、遊技ホールの営業が終了した際に、パチンコ機1が遊技者にとって有利な状態(例えば、確率変動(確変)当りとなっている状態等)である場合には、次の営業開始までに、上述した遊技バックアップ情報を消去(クリア)する必要があるため、遊技ホールの店員等の係員は、RWMクリアボタン633zがRAMクリアスイッチとして作動するときであってRWMクリアボタン633zの押圧操作部を押圧操作しながらパチンコ機1の電源投入する必要がある。また、設定値を変更決定する場合には、設定変更処理が行われると、(結果的に現状の設定値が維持される場合であっても、設定変更処理が行われる前の設定値により得た遊技情報等の各種情報を含む遊技バックアップ情報を主制御内蔵RAMから消去(クリア)する必要がある。設定キーは、上述したように、設定値の変更のほかに、設定されている現状の設定値の確認等を行うことができる重要なキーであるため、遊技ホールの店長を含め限られた者のみ所持が許可され、2〜3人に限定されている。本実施形態では、設定値が変更決定されなくても、つまり限定された特定の者だけが所持する設定キーがなくても、遊技ホールの店員等の係員は、遊技バックアップ情報を消去(クリア)する必要があるときにRWMクリアボタン633zがRAMクリアスイッチとして作動するときであってRWMクリアボタン633zの押圧操作部を押圧操作しながらパチンコ機1の電源投入を行うことにより、遊技バックアップ情報を主制御内蔵RAMから消去(クリア)することができるようになっている。
ここで、ステップS24の停電予告信号の有無の判定をステップS22のウェイト時間待機処理に続いて行う点について説明する。まず、ステップS24の停電予告信号の有無の判定がない場合における問題点について、つまりステップS22のウェイト時間待機処理の後に、ステップS26のRAMクリアフラグの値の判定を行ってその後の処理をすすめる場合における問題点について説明する。
主制御MPUの電源端子であるVDD端子には、上述したように、停電又は瞬停が発生して遊技ホールの島設備からの電源が遮断された場合に、電解コンデンサMC2に充電された電荷が停電又は瞬停が発生してから約7ミリ秒(ms)という期間に亘って直流+5Vとして印加されるようになっている。つまり、瞬停や停電により遊技ホールの島設備からの電源が遮断された状態であっても、電解コンデンサMC2というハードウェアに充電された電荷が直流+5Vとして印加されることにより、遊技ホールの島設備からの電源が遮断されてから約7msという時間が経過するまでの期間内に、主制御側電源断時処理を完了することができるようになっている。これは、遊技者が遊技を行っている際に、つまり、主制御側メイン処理又は後述する主制御側タイマ割り込み処理を行っている際に、停電又は瞬停が発生して遊技ホールの島設備からの電源が遮断された場合において、主制御側電源断時処理を確実に完了することができるようになっている。
ところが、極めて稀な現象として、復電時にステップS22のウェイト時間待機処理において、周辺制御基板1510の描画制御を行うシステムが起動する(ブートする)までの待機時間(ブートタイマ:本実施形態では、2.5秒が設定されている。)を計時開始し、その待機時間に達する直前で、仮に瞬停又は停電が発生すると、主制御MPUの電源端子であるVDD端子に電解コンデンサMC2というハードウェアに充電された電荷が直流+5Vとして印加されるものの、約7msという期間内に、ステップS42で割り込み初期設定が行われ、その後、ステップS52で割り込み許可設定が行われることにより、後述する主制御側タイマ割り込み処理が行われて、主制御内蔵RAMの内容が更新されても、主制御側電源投入時処理における主制御側電源断時処理を完了することができなくなる場合がある。このため、主制御内蔵RAMの内容に基づく、チェックサムを算出した値が記憶されることなく再び復電時に主制御側電源投入時処理を開始することとなる。
そうすると、今回の復電時において主制御側電源投入時処理を開始して、瞬停や停電が発生することなく、ステップS22のウェイト時間待機処理を完了し、その後、ステップS28で主制御内蔵RAMの内容に基づくチェックサムを算出した値と、瞬停又は停電が発生した直前における主制御内蔵RAMに記憶されている値と、をステップS30で比較判定すると、チェックサムの値が一致するはずがなく、ステップS38で主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いてクリアすることなる。換言すると、復電時に払出制御基板633のRWMクリアボタン633zがRAMクリアスイッチとして作動するときであってRWMクリアボタン633zの押圧操作部が遊技ホールの店員等の係員により操作されてRAMクリアという遊技ホールの店員等の係員による意思表示がなくても、強制的に主制御内蔵RAMに記憶されている上述した遊技バックアップ情報を消去(クリア)することとなるという問題がある。
そこで、本実施形態では、ステップS22のウェイト時間待機処理の直後に、停電予告信号が入力されているか否かの判定を行う処理をステップS24として設けて、停電予告信号が入力されているときには、ステップS24の判定に再び戻り、停電予告信号の入力があり続ける限り、ステップS24の判定を繰り返し行うようになっている。これにより、遊技の進行を行うことができないようになっている。ステップS22のウェイト時間待機処理を行う前に、ステップS16A又はステップS16BにおいてRAMクリア報知フラグRCL−FLGに値が設定されるものの、RAMクリア報知フラグRCL−FLGの値は、上述したように、主制御MPUの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶されるため、ステップS10でRAMアクセス許可の設定が行われていても、主制御内蔵RAMの内容(遊技情報)が全く変更されない。
このように、ステップS22のウェイト時間待機処理の直後に、停電予告信号が入力されているか否かの判定を行う処理をステップS24として設けて、停電予告信号が入力されているときには(つまり、ステップS22のウェイト時間待機処理で待機した後にパチンコ機1への電源が遮断されるとステップS24の判定により判定されたときには)、ステップS24の判定に再び戻り、停電予告信号の入力があり続ける限り、ステップS24の判定を繰り返し行うことにより、遊技の進行を行うことができず、遊技情報、及びその他の情報(例えば、メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を示す情報等)を含む各種情報が更新されることを防止することができ、チェックサムの算出結果に変動が生ずることがないようになっている。これにより、主制御基板1310の主制御MPUは、再起動した際に、ステップS28のチェックサムの算出結果と、ステップS64のチェックサムの算出記憶した値と、が一致していると判定することとなるため、主制御内蔵RAMに記憶保持される瞬停や停電が発生する直前の遊技情報を初期化することがない。したがって、復電時において、瞬停や停電が発生する直前の遊技情報が初期化されることを防止することができる。
また、ステップS22のウェイト時間待機処理の直後に、停電予告信号が入力されているか否かの判定を行う処理をステップS24として設けて、停電予告信号が入力されていないときには(つまり、ステップS22のウェイト時間待機処理で待機した後にパチンコ機1への電源が遮断されないとステップS24の判定により判別されたときには)、主制御基板1310の主制御MPUが遊技の進行を行っている際に、パチンコ機1への電源が遮断されても、主制御MPUの電源端子であるVDD端子に、電解コンデンサMC2による電源の供給により、この遊技の進行による遊技情報、及びその他の情報(例えば、メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を示す情報等)を含む各種情報を記憶するためのバックアップ処理であるステップS58〜ステップS68の処理及び無限ループにより構成される主制御側電源断時処理を主制御基板1310の主制御MPUが完了することができるようになっているため、主制御MPUの主制御MPUは、再起動した際に、ステップS28のチェックサムの算出結果と、バックアップ処理においてチェックサムの算出結果(つまり、ステップS64のチェックサムの算出記憶した値)と、が一致していると判定することとなるため、主制御内蔵RAMに記憶保持される瞬停や停電が発生する直前の遊技情報を初期化することがない。つまり、瞬停や停電が発生する直前の遊技情報に復元されて主制御基板1310を起動することができるようになっている。
更に、ステップS22のウェイト時間待機処理の直後に、ステップS24で停電予告信号が入力されていると判定したときには主制御内蔵WDTにより主制御MPUが強制的にリセットさせることで主制御内蔵RAMの内容を全く更新することなく再び主制御側電源断時処理を開始することができる一方、ステップS22のウェイト時間待機処理の直後に、ステップS24で停電予告信号が入力されていないと判定したときにはこれまで通りハードウェアによる約7msという「瞬停又は停電時電源確保期間」以内に主制御側電源断時処理を確実に完了することができるようになっている。つまり、本実施形態では、復電時に主制御側電源投入時処理を行っている際に瞬停や停電が発生して遊技ホールの島設備からの電源が遮断された場合であって、主制御MPUの電源端子であるVDD端子に、電解コンデンサMC2に充電された電荷が停電又は瞬停が発生してから約7ミリ秒(ms)という期間に亘って直流+5Vとして印加されるようになっているため、電解コンデンサMC2というハードウェアによる約7msという「瞬停又は電源確保期間」内において主制御側電源断時処理を完了することができない場合においては、ステップS22のウェイト時間待機処理の直後におけるステップS24で停電予告信号が入力されているか否かの判定を行い、停電予告信号が入力されているときには、ステップS24の判定に再び戻り、停電予告信号の入力があり続ける限り、ステップS24の判定を繰り返し行うことにより、遊技の進行を行うことができないようになっている。
このようなソフトウェアにより遊技の進行が行うことができないようにされることでステップS24より後のステップ(具体的には、ステップS42で割り込み初期設定を行って、その後に、ステップS52で割り込み許可を設定して後述する主制御側タイマ割り込み処理を開始するという制御フロー)への進行を阻止することで主制御内蔵RAMの内容(遊技情報、及びその他の情報(例えば、メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を示す情報等)を含む各種情報)が更新されることを回避することができるという仕組みを採用した。このように停電又は瞬停が発生して遊技ホールの島設備からの電源が遮断された際に、主制御内蔵RAMの内容(遊技情報、及びその他の情報(例えば、メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を示す情報等)を含む各種情報)が全く変更されないようにソフトウェアで賄う部分と、主制御側電源断時処理を確実に完了して主制御内蔵RAMの内容(遊技情報、及びその他の情報(例えば、メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を示す情報等)を含む各種情報)が全く変更されないようにハードウェアで賄う部分と、に2つに分けて構成することにより、主制御内蔵RAMの内容(遊技情報、及びその他の情報(例えば、メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を示す情報等)を含む各種情報)が変更されることを確実に防止することができるようになっている。
次に、ステップS50において電源投入時に送信するコマンドの予約設定が行われる点について説明する。ステップS50では、上述したように、ステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において主制御内蔵RAMの作業領域にセットされた復電時情報に基づいて、電源投入(復電)した旨を伝えるために、電源投入に区分される電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶する。この電源投入時主制御復帰先コマンドは、始動口ソレノイド2404の駆動状態を指示する情報と、アタッカソレノイド2405の駆動状態を指示する情報と、から主として構成されている。ここでは、まず電源投入時主制御復帰先コマンドに、始動口ソレノイド2404の駆動状態を指示する情報と、アタッカソレノイド2405の駆動状態を指示する情報と、が含まれていない場合における問題点、つまり、ステップS50において電源投入時主制御復帰先コマンドが電源投入時に送信するコマンドの予約設定が行われない場合における問題点について説明する。
例えば、周辺制御基板1510が大当り遊技状態の画面(例えば、大当り遊技演出の画面)を演出表示装置1600の表示領域に表示制御している際に、主制御基板1310がアタッカソレノイド2405を駆動して大入賞口2005が開閉部材により開放されているときに瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、主制御基板1310は、ステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において主制御内蔵RAMの作業領域にセットされた復電時情報に基づいて、瞬停又は停電が発生する直前の遊技状態に復元されることにより、アタッカソレノイド2405の駆動を開始して大入賞口2005が開閉部材により閉鎖されている状態から開放されている状態へ移行することとなる。
ところが、瞬停や停電が発生すると、周辺制御基板1510は、復電時において、主制御基板1310からの各種コマンドを受信して復帰するようになっているため、瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、周辺制御基板1510は、復電時において主制御基板1310から受信した電源投入時状態コマンドが指示する確率及び時短状態に基づいて復帰することができる。しかし、主制御基板1310が遊技状態として大当り遊技状態を発生させているときに、瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、周辺制御基板1510は、復電時において主制御基板1310から受信した電源投入時状態コマンドが指示する確率及び時短状態に基づいて、確率及び時短状態に応じて画面を演出表示装置1600の表示領域に表示して復帰することができても、大当り遊技状態のどのラウンドであるか全く表示することができない。つまり、例えば大入賞口2005に遊技球が入球して大入賞口センサ2403によって検出され、大入賞口2005に入球した遊技球の球数を伝える大入賞口1カウント表示コマンドを主制御基板1310が周辺制御基板1510に送信して周辺制御基板1510が受信したとしても、周辺制御基板1510は、確率及び時短状態に応じて画面に大入賞口2005に入球した遊技球の球数が演出表示装置1600の表示領域に表示することができても、大当り遊技状態のどのラウンド(つまり、何回目のラウンド)であるか全く表示することができない。
このような状況において、主制御基板1310は、例えば大当り遊技状態の4ラウンド(4回目のラウンド)を終了するときには、アタッカソレノイド2405の駆動を停止して大入賞口2005が開閉部材により開放されている状態から閉鎖されている状態へ移行する旨(つまり、アタッカユニット2100の大入賞口2005のラウンド間の閉鎖開始)を指示する大入賞口1閉鎖表示コマンドを主制御基板1310から周辺制御基板1510に送信し、主制御基板1310が大当り遊技状態の5ラウンド(5回目のラウンド)を開始するときには、アタッカソレノイド2405の駆動を開始して大入賞口2005が開閉部材により閉鎖されている状態から開放されている状態へ移行する旨(つまり、大入賞口2005の5回目のラウンドの開放開始)を指示する大入賞口開放5回目表示コマンドを主制御基板1310から周辺制御基板1510へ送信する。これにより、周辺制御基板1510は、大当り遊技状態の5ラウンドの開始という画面を、上述した確率及び時短状態に応じた画面からようやく切り替えて演出表示装置1600の表示領域に表示することとなる。
また、例えば、第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態となって遊技者に有利な遊技状態となっている旨を伝える画面(例えば、可動片が開いている旨を遊技者に伝える画面)を周辺制御基板1510が演出表示装置1600の表示領域に表示制御している際に、主制御基板1310が始動口ソレノイド2404を駆動して可動片を開動作させて第二始動口2004を開放する状態となっているときに瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、主制御基板1310は、ステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において主制御内蔵RAMの作業領域にセットされた復電時情報に基づいて、瞬停又は停電が発生する直前の遊技状態に復元されることにより、始動口ソレノイド2404の駆動を開始して可動片を閉動作させて第二始動口2004を閉鎖する状態へ移行することとなる。
ところが、瞬停や停電が発生すると、周辺制御基板1510は、復電時において、主制御基板1310からの各種コマンドを受信して復帰するようになっているため、瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、周辺制御基板1510は、復電時において主制御基板1310から受信した電源投入時状態コマンドに基づいて復帰することができる。しかし、主制御基板1310が遊技状態として第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態となって遊技者に有利な遊技状態を発生させているときに、瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、周辺制御基板1510は、復電時において主制御基板1310から受信した電源投入時状態コマンドが指示する確率及び時短状態に基づいて、確率及び時短状態に応じて画面を演出表示装置1600の表示領域に表示して復帰することができても、第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態となって遊技者に有利な遊技状態となっている旨を伝える画面を周辺制御基板1510が演出表示装置1600の表示領域に全く表示することができない。このため、パチンコ機の前面に着座する遊技者は、瞬停や停電が発生したことに驚いて、復電時において、瞬停や停電が発生する直前における第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態であることを忘れている場合もあり、このような場合には、復電時における遊技状態として第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態に復帰されているにもかかわらず、復電時に演出表示装置1600の表示領域に遊技を指示する画面(つまり、第二始動口2004へ遊技球を入球させるという遊技を指示する画面)が表示されないことにより、遊技者がどのような遊技を行えば分からなくなるという問題もあった。
このように、上述した2つの例においては、瞬停又は停電直前における遊技状態に、復電後、速やかに復帰することができないという問題があった。換言すると、パチンコ機の前面に着座する遊技者は、瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、パチンコ機のシステムがかたまった状態、いわゆるフリーズした状態に見えて故障したと勘違いするという問題があった。
そこで、本実施形態では、主制御基板1310が電源投入時(電源投入する場合のほかに、停電や瞬停が発生して電力が回復する復電時も含む。)において、電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとを周辺制御基板1510に送信するために、ステップS50において、電源投入に区分される電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶するようになっている。そして、これらのコマンドは、後述する主制御側タイマ割り込み処理において送信されるようになっている。
これにより、周辺制御基板1510は、主制御基板1310から受信した電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとに基づいて、例えば、上述した例では、大当り遊技状態の4ラウンドにおいて、瞬停や停電が発して、その後に復電すると、主制御基板1310の復帰先として、アタッカソレノイド2405の駆動を開始して大入賞口2005が開閉部材により閉鎖されている状態から開放されている状態へ移行する旨を周辺制御基板1510に伝えることができるため、周辺制御基板1510は、大当り遊技状態の4ラウンドである旨を特定した画面(つまり、何回目のラウンドであるかを示す画面)を演出表示装置1600の表示領域に表示することができないものの、大当り遊技状態であってアタッカソレノイド2405の駆動を開始して大入賞口2005が開閉部材により開放されている状態である旨を伝える画面(例えば、「大当りです。大入賞口が開放されています。大入賞口に遊技球を入球させるように遊技を行ってください。」というメッセージを遊技者に伝える画面)を演出表示装置1600の表示領域に表示してパチンコ機の前面に着座する遊技者に復電後において大入賞口2005に遊技球を入球させるという遊技を指示することができるし、また例えば、上述した例では、第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態となって遊技者に有利な遊技状態となっている状態において、瞬停や停電が発して、その後に復電すると、主制御基板1310の復帰先として、始動口ソレノイド2404の駆動を開始して可動片を開動作させて第二始動口2004を開放させた状態となっている旨を伝える画面(例えば、「可動片が開いています。第二始動口に遊技球を入球させるように遊技を行ってください。」というメッセージを遊技者に伝える画面)を周辺制御基板1510が演出表示装置1600の表示領域に表示してパチンコ機の前面に着座する遊技者に復電後において第二始動口2004へ遊技球を入球させるという遊技を指示することができる。
これにより、瞬停や停電が発して、その後に復電する際に、周辺制御基板1510の復帰先を主制御基板1310側で細かく指示することができる。したがって、瞬停又は停電直前における遊技状態に、復電後、速やかに復帰することができる。換言すると、パチンコ機の前面に着座する遊技者は、瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、パチンコ機のシステムがかたまった状態、いわゆるフリーズした状態に見えて故障したと勘違いすることを防止することができる。
次に、主制御基板1310の製造ラインの検査工程である主制御基板検査工程において、検査のために製造してから最初に主制御基板1310が電源投入される際における、ステップS28のチェックサムの算出と、ステップS30の判定と、について説明する。主制御基板検査工程において、検査のために製造してから最初に主制御基板1310が電源投入されると、上述した、バックアップ処理であるステップS58〜ステップS68の処理及び無限ループにより構成される主制御側電源断時処理を主制御基板1310の主制御MPUは、一度も実行していない状態であるため、ステップS28で主制御内蔵RAMの内容に基づくチェックサムを算出しても、ステップS30で比較判定において、チェックサムの値が一致するはずがなく、ステップS38で主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いて必ずクリアすることなる。
これにより、ステップS50において電源投入時に送信するコマンドの予約設定が行われると、電源投入に区分される電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶することにより、電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドという3つのコマンドのみが送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶される状態となる。そして、これらのコマンドは、後述する主制御側タイマ割り込み処理において、まず電源投入時状態コマンドが送信され、続いて電源投入時主制御復帰先コマンドが送信され、続いて電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドが送信されるようになっている。これを利用して、主制御基板検査工程においては、検査のために製造してから最初に主制御基板1310が電源投入されると、主制御基板1310から最初のコマンドとして電源投入時状態コマンドが主制御基板検査工程の検査装置へ送信されることとなる。
ところで、電源投入時状態コマンドは、電源投入時(電源投入する場合のほかに、停電や瞬停が発生して電力が回復する復電時も含む。)に、払出制御基板633のRWMクリアボタン633zがRAMクリアスイッチとして作動するときであってRWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されてRAMクリアを行う場合にその旨を指示する情報と、電源投入時(電源投入する場合のほかに、停電や瞬停が発生して電力が回復する復電時も含む。)に、上述した、低確率時短状態、高確率時短状態、低確率非時短状態、及び高確率非時短状態のうち、いずれの状態(確率及び時短状態)で復帰するかを指示する情報と、パチンコ機の機種コードを示す情報と、から構成されている。ここでは、電源投入時状態コマンドにパチンコ機の機種コードを示す情報が含まれていない場合における問題点について説明する。
パチンコ機の機種コードは、パチンコ機1(正確には、主制御基板1310)として、いわゆる、マックスタイプ、ミドルタイプ、甘デジタイプをそれぞれ作成するときに、どの作品の版権に対するものであるのか、どのような遊技仕様(例えば、確率変動が生ずると、次回大当り遊技状態が発生するまでその状態が継続されるという遊技仕様のほかに、特別図柄の変動回数が限定(例えば、30回や70回)された状態で確率変動が生ずるという遊技仕様(いわゆる、ST機)など))であるのか、を特定することができるものである。
パチンコ機1を製造するメーカの製造ラインにおいては、主制御基板1310を製造する際に、複数種類の作品の版権に対する主制御基板1310が混在する場合がある。そうすると、製造ラインの作業者は、複数種類の作品の版権(例えば、映画A、映画B、ドラマC、映画D、漫画E、及び漫画Fという作品の版権)のうち、どの作品の版権に対する主制御基板1310を製造するために主制御基板1310が製造ラインに流れているのか分からなくなったり、複数種類の作品の版権のうち、一の版権(例えば、映画Dという作品の版権)に対する主制御基板1310を製造するために主制御基板1310が製造ラインに流れているにもかかわらず、他の版権(例えば、漫画Fという作品の版権)に対する主制御基板1310を製造するために主制御基板1310が製造ラインに流れているという思い込みや勘違いもある。
このため、パチンコ機1を製造するメーカの製造ラインにおいて、主制御基板1310を製造する際に、複数種類の作品の版権に対する主制御基板1310が混在すると、製造ラインの作業者は、製造ラインで製造した主制御基板1310がどの作品の版権に対するものなのかを確認することができないし、同一作品の版権に対しても、どの機種タイプ(マックスタイプ、ミドルタイプ、甘デジタイプのうち、いずれのタイプ)であるのか、そしてどのような遊技仕様(確率変動が生ずると、次回大当り遊技状態が発生するまでその状態が継続されるという遊技仕様やST機)であるのかを確認することもできない。
これにより、パチンコ機1を製造するメーカの製造ラインにおいて、主制御基板1310を製造する際に、複数種類の作品の版権に対する主制御基板1310が混在すると、複数種類の作品の版権に対する主制御基板1310が混在したまま、遊技盤5に主制御基板1310を取り付けるための遊技盤組立ラインへ送られることとなる。このため、遊技盤組立ラインの作業者は、作品の版権に対する遊技盤5と対応しない主制御基板1310を遊技盤5に取り付ける場合もあった。これにより、結果として、遊技盤5の生産効率が低下するという問題があった。
そこで、本実施形態では、主制御基板1310が電源投入時(電源投入する場合のほかに、停電や瞬停が発生して電力が回復する復電時も含む。)において、パチンコ機の機種コードを示す情報を含む電源投入時状態コマンドを周辺制御基板1510に送信するために、ステップS50において、電源投入に区分される電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶するようになっている。そして、これらのコマンドは、後述する主制御側タイマ割り込み処理において送信されるようになっている。
これにより、パチンコ機1を製造するメーカの製造ラインの作業者は、製造ラインの検査工程である主制御基板検査工程において、主制御基板1310を電源投入することにより、検査装置が主制御基板1310から受信した電源投入時状態コマンドに含まれるパチンコ機の機種コードを示す情報に基づいて、つまり、パチンコ機の機種コードを示す情報を構成する、上述した、機種タイプを示すマックスタイプ、ミドルタイプ、及び甘デジタイプのうち、いずれのタイプであるかを特定するためのシリーズコードと、作品の版権を特定するための版権コードと、遊技仕様(例えば、確率変動が生ずると、次回大当り遊技状態が発生するまでその状態が継続されるという遊技仕様のほかに、特別図柄の変動回数が限定された状態で確率変動が生ずるという遊技仕様(ST機)など)を特定するための遊技仕様コードと、に基づいて、検査モニタに表示する詳細な機種情報を目視することにより、主制御基板1310がどの作品の版権に対するものなのかを判別することができるとともに、同一作品の版権に対しても、どの機種タイプ(マックスタイプ、ミドルタイプ、及び甘デジタイプのうち、いずれのタイプ)であるのか、そしてどのような遊技仕様(確率変動が生ずると、次回大当り遊技状態が発生するまでその状態が継続されるという遊技仕様やST機)であるのかを判別することもできるようになっている。
これにより、パチンコ機1を製造するメーカの製造ラインにおいて、主制御基板1310を製造する際に、複数種類の作品の版権に対する主制御基板1310が混在しても、製造ラインの主制御基板検査工程の作業者は、検査モニタを目視して主制御基板1310の機種タイプ、作品の版権、及び遊技仕様を正確に判別することができることによって、作品の版権に対する主制御基板1310ごとに分別して後続の遊技盤組立ラインへ送ることができる。そして、遊技盤組立ラインの作業者は、作品の版権に対する遊技盤5と対応する主制御基板1310を遊技盤5に確実に取り付けることができ、作品の版権に対する遊技盤5と対応しない主制御基板1310を遊技盤5に取り付けるという作業によって生ずる遊技盤5の生産効率の低下を防止することができる。したがって、遊技盤5の生産効率の向上に寄与することができる。
[10−3.主制御側タイマ割り込み処理]
次に、主制御側タイマ割り込み処理について説明する。この主制御側タイマ割り込み処理は、図142及び図143に示した主制御側電源投入時処理において設定された割り込み周期(本実施形態では、4ms)ごとに繰り返し行われる。
主制御側タイマ割り込み処理が開始されると、主制御MPUは、図144に示すように、レジスタバンクの切替を行う(ステップS100)。主制御MPUの汎用記憶素子(汎用レジスタ)には、第1のレジスタバンクと第2のレジスタバンクとから構成される2つのレジスタバンクがある。第1のレジスタバンクは上述した主制御側電源投入時処理における主制御メイン処理において使用される一方、第2のレジスタバンクは本ルーチンである主制御側タイマ割り込み処理において使用される。ステップS100では、本ルーチンである主制御側タイマ割り込み処理において第2のレジスタバンクを使用するため、主制御側電源投入時処理における主制御メイン処理において使用されている第1のレジスタバンクから第2のレジスタタンクへのレジスタバンクの切り替えを行う。なお、本実施形態では、本ルーチンである主制御側タイマ割り込み処理が開始されるときに、各レジスタをスタックに退避する処理は必要ないようになっている。
ステップS100に続いて、主制御MPUは、タイマ減算処理を行う(ステップS102)。このタイマ減算処理では、例えば、後述する特別図柄及び特別電動役物制御処理で決定される変動表示パターンに従って機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器及び第二特別図柄表示器が点灯する時間、後述する普通図柄及び普通電動役物制御処理で決定される普通図柄変動表示パターンに従って機能表示ユニット1400の普通図柄表示器が点灯する時間のほかに、主制御基板1310(主制御MPU)が送信した各種コマンドを払出制御基板633が正常に受信した旨を伝える払主ACK信号が入力されているか否かを判定する際にその判定条件として設定されているACK信号入力判定時間等の時間管理を行う。具体的には、変動表示パターン又は普通図柄変動表示パターンの変動時間が5秒間であるときには、タイマ割り込み周期が4msに設定されているので、このタイマ減算処理を行うごとに変動時間を4msずつ減算し、その減算結果が値0になることで変動表示パターン又は普通図柄変動表示パターンの変動時間を正確に計っている。
本実施形態では、ACK信号入力判定時間が100msに設定されている。このタイマ減算処理を行うごとにACK信号入力判定時間が4msずつ減算し、その減算結果が値0になることでACK信号入力判定時間を正確に計っている。なお、これらの各種時間及びACK信号入力判定時間は、時間管理情報として主制御内蔵RAMの時間管理情報記憶領域に記憶される。
ステップS102に続いて、主制御MPUは、スイッチ入力処理を行う(ステップS104)。このスイッチ入力処理では、主制御MPUの各種入力ポートの入力端子に入力されている各種信号を読み取り、入力情報として主制御内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶する。具体的には、主制御MPUは、例えば、普通入賞口センサ2401からの検出信号、一般入賞口センサ3001からの検出信号、第一始動口センサ3002からの検出信号、第二始動口センサ2402からの検出信号、大入賞口センサ2403からの検出信号、役物入賞口センサ2513からの検出信号、第一V入賞口センサ2514からの検出信号、第一ハズレ口センサ2515からの検出信号、第二V入賞口センサ3003からの検出信号、第三ハズレ口センサ3004からの検出信号、アウト口左センサ3032及びアウト口右センサ3033からの検出信号、磁気センサ2010からの検出信号、払出制御基板633のRWMクリアボタン633zからの信号(このRWMクリアボタン633zからの信号は、本ルーチンである主制御側タイマ割込処理においては、重要な信号ではないため、マスクして読み込みを省いてもよい。)、扉枠開放スイッチ4aからの検出信号、本体枠開放スイッチ4bからの検出信号、設定キースイッチ1311aからの信号、アウト口左センサ3032からの検出信号、アウト口右センサ3033からの検出信号、後述する賞球制御処理で送信した賞球コマンドを払出制御基板633が正常に受信した旨を伝える払出制御基板633からの払主ACK信号、をそれぞれ読み取り、入力情報として主制御内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶する。また、第一始動口センサ3002からの検出信号、第二始動口センサ2402からの検出信号をそれぞれ読み取ると、これと対応するその他に区分される始動口入賞コマンドを送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶する。つまり、第一始動口センサ3002からの検出信号があると、これと対応する始動口入賞コマンドが送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶されるし、第二始動口センサ2402からの検出信号があると、これと対応する始動口入賞コマンドが送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶されるようになっている。
なお、本実施形態では、主制御MPUの各種入力ポートのすべての入力端子に入力されている状態(空き端子処理が施されているものも含める。)は、このスイッチ入力処理が開始されると、まず1回目としてそれぞれ読み取られ、所定時間(例えば、10μs)経過した後、2回目としてそれぞれ再び読み取られる。そして、この2回目に読み取られた結果と、1回目に読み取られた結果と、を比較する。この比較結果のうち、同結果となっているものがあるか否かを判定する。同結果でないものについては、さらに、3回目として再び読み取られ、この3回目に読み取られた結果と、2回目に読み取られた結果と、を比較する。この比較結果のうち、同結果となっているものがあるか否かを再び判定する。同結果でないものについては、さらに、4回目として再び読み取られ、この4回目に読み取られた結果と、3回目に読み取られた結果と、を比較する。この比較結果のうち、同結果となっているものがあるか否かを再び判定する。同結果とならいものについては、遊技球の入球がないものとして、又は入力を無視するものとして扱う。
このように、スイッチ入力処理では、主制御MPUの各種入力ポートのすべての入力端子に入力されている状態(空き端子処理が施されているものも含める。)を、1回目〜3回目に亘って比較する2度読み取りと、2回目〜4回目に亘って比較する2度読み込みと、による計2回の2度読み取りを行うことによって、チャタリングやノイズ等の影響による誤検出を回避することができるようになっているため、普通入賞口センサ2401からの検出信号、一般入賞口センサ3001からの検出信号、第一始動口センサ3002からの検出信号、第二始動口センサ2402からの検出信号、大入賞口センサ2403からの検出信号、役物入賞口センサ2513からの検出信号、第一V入賞口センサ2514からの検出信号、第一ハズレ口センサ2515からの検出信号、第二V入賞口センサ3003からの検出信号、第三ハズレ口センサ3004からの検出信号、アウト口左センサ3032及びアウト口右センサ3033からの検出信号、磁気センサ2010からの検出信号、払出制御基板633のRWMクリアボタン633zからの信号(例えば、RWMクリアボタン633zが設定切替ボタンとして作動するときには設定値を選択して切り替えるための設定値の選択切替信号となる。)、扉枠開放スイッチ4aからの検出信号、本体枠開放スイッチ4bからの検出信号、設定キースイッチ1311aからの信号、アウト口左センサ3032からの検出信号、アウト口右センサ3033からの検出信号、後述する賞球制御処理で送信した賞球コマンドを払出制御基板633が正常に受信した旨を伝える払出制御基板633からの払主ACK信号の信頼性を高めることができる。
ステップS104に続いて、主制御MPUは、入力端子不具合監視処理を行う(ステップS105)。この入力端子不具合監視処理では、主制御MPUの各種入力ポートの入力端子のうち、空き端子処理が施されているものの状態を、ステップS104のスイッチ入力処理において取得した情報に基づいて行う。具体的には、例えば、主制御MPUの入力ポートPAの入力端子PA7は、空き端子処理としてグランド(GND)に接地されているため、常に論理状態がLOWとなっている。そこで、入力端子不具合監視処理では、各種入力ポートの入力端子のうち、空き端子処理が施されている入力端子の論理状態がLOWとなっているか否かをステップS104のスイッチ入力処理において取得した情報に基づいて行う。主制御MPUは、空き端子処理が施されている入力端子の論理状態がLOWとなっていないと判定したときには、主制御MPUの周辺回路に不具合が発生している旨を伝える報知表示に区分される不具合コマンドを送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶する。
ステップS105に続いて、主制御MPUは、当落乱数更新処理を行う(ステップS106)。この当落乱数更新処理では、上述した、図柄乱数を更新する。またこれらの乱数に加えて、図143に示した主制御側電源投入時処理(主制御側メイン処理)におけるステップS56の非当落乱数更新処理で更新される、大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数も更新する。これらの大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数は、主制御側メイン処理及びこの主制御側タイマ割り込み処理においてそれぞれ更新されることでランダム性をより高めている。これに対して、図柄乱数は、当落判定(当り判定)にかかわる乱数であるためこの当落乱数更新処理が行われるごとにのみ、それぞれのカウンタがカウントアップする。なお、上述した、普通図柄当り判定用乱数、普通図柄当り判定用初期値決定乱数もこの当落乱数更新処理により更新される。
例えば、普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタは、上述したように、初期値更新型のカウンタであり、最小値から最大値までに亘る予め定めた固定数値範囲内において更新され、この最小値から最大値までに亘る範囲を、この主制御側タイマ割り込み処理が行われるごとに値1ずつ加算されることでカウントアップする。普通図柄当り判定用初期値決定乱数から最大値に向かってカウントアップし、続いて最小値から普通図柄当り判定用初期値決定乱数に向かってカウントアップする。普通図柄当り判定用乱数の最小値から最大値までに亘る範囲をカウンタがカウントアップし終えると、この当落乱数更新処理により当り判定用初期値決定乱数は更新される。普通図柄当り判定用初期値決定乱数は、普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの固定数値範囲から一の値を抽選する初期値抽選処理を実行して得ることができるようになっている。
本実施形態では、大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数を、図143に示した主制御側電源投入時処理(主制御側メイン処理)におけるステップS56の非当落乱数更新処理、及び本ルーチンである主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS106の当落乱数更新処理でそれぞれ更新しているが、割り込みタイマが発生するごとに本ルーチンの処理時間にムラが生じて次の割り込みタイマが発生するまでの残り時間内において主制御側メイン処理を繰り返し実行することによりステップS56の非当落乱数更新処理の実行回数がランダムとなる場合には、大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数をステップS56の非当落乱数更新処理においてのみ更新する仕組みとしてもよい。
ステップS106に続いて、主制御MPUは、球数計数処理を行う(ステップS107)。この球数計数処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、アウト口左センサ3032からの検出信号が入力されて遊技盤5に区画形成される遊技領域5aに設けられるアウト口1008により回収された遊技球をアウト口左センサ3032が検出した場合にはアウト口1008により回収された遊技球の球数の計数をカウントする回収球カウンタの値に値1を加算する(インクリメントする)演算を行うとともに、アウト口右センサ3033からの検出信号が入力されて遊技盤5に区画形成される遊技領域5aに設けられるアウト口1008により回収された遊技球をアウト口右センサ3033が検出した場合には、アウト口1008により回収された遊技球の球数の計数をカウントする回収球カウンタの値に値1を加算する(インクリメントする)演算を行う。つまり、球数計数処理では、アウト口左センサ3032がアウト口1008により回収された遊技球を検出し、かつ、アウト口右センサ3033がアウト口1008により回収された遊技球を検出した場合には、回収球カウンタの値に値2を加算する演算を行う。主制御MPUは、演算結果である回収球カウンタの値を、アウト口1008により回収された遊技球の球数の計数結果(総数)として、主制御内蔵RAMの特定領域におけるアウト球計数専用領域に格納するとともに、ベースモニタ1310hに表示する点灯信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶する。また、主制御MPUは、回収球カウンタの値が値10で割り切れる場合、つまり、アウト口1008で回収される遊技球の球数が10球に達するごとに、その旨を伝える球回収コマンドを作成し、送信情報として出力情報記憶領域に記憶する。なお、主制御MPUは、演算結果である回収球カウンタの値が最大値(本実施形態では、値65535)に達して、さらに回収球カウンタの値に値1だけ加算(インクリメント)すると、回収球カウンタの値がオーバーフローして値0となり、この値0から加算する演算を行う。
ステップS107に続いて、主制御MPUは、賞球制御処理を行う(ステップS108)。この賞球制御処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて遊技球を払い出すための賞球コマンドを作成したり、主制御基板1310と払出制御基板633との基板間の接続状態を確認するためのセルフチェックコマンドを作成したりする。そして作成した賞球コマンドやセルフチェックコマンドを主払シリアルデータとして払出制御基板633に送信する。例えば、大入賞口2005に遊技球が1球、入球すると、賞球として15球を払い出す賞球コマンドを作成するとともに、賞球として払い出す予定の遊技球の球数が10球に達しているため、その旨を伝えるためにメイン賞球数情報出力信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶し、賞球コマンドを払出制御基板633に送信したり、この賞球コマンドを払出制御基板633が正常に受信完了した旨を伝える払主ACK信号が所定時間内に入力されないときには主制御基板1310と払出制御基板633との基板間の接続状態を確認するセルフチェックコマンドを作成して払出制御基板633に送信したりする。
また、ステップS108の賞球制御処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、賞球として払い出す予定の遊技球の球数が10球に達している場合には、その旨を伝えるためにその他に区分されるメイン賞球数情報出力コマンドを作成し、送信情報として送信情報記憶領域に記憶する。メイン賞球数情報出力コマンドは、メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値に基づいて作成されるようになっている。このメイン賞球数情報出力判定用カウンタの値は、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、つまり遊技盤5に設けられる一般入賞口2001、普通入賞口2003、第一始動口2002、第二始動口2004、及び大入賞口2005等の各種入賞口(以下、「遊技盤5に設けられる各種入賞口」と記載する。)に入球した遊技球に基づいて、賞球として払い出す予定の遊技球の球数をカウントするものであり、ステップS108の賞球制御処理において、主制御内蔵RAMの賞球予定情報記憶領域に記憶更新されるようになっている。ステップS108の賞球制御処理では、主制御内蔵RAMの賞球予定情報記憶領域に記憶されるメイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を読み出し、この読み出したメイン賞球数情報出力判定用カウンタの値に、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、賞球として払い出す予定の遊技球の球数を加算し、この加算した球数を示す値が値10を超えているときには(つまり、賞球として払い出す予定の遊技球の球数が10球に達しているときには)、その旨を伝えるためにメイン賞球数情報出力コマンドを作成し、送信情報として出力情報記憶領域に記憶するとともに、その超えた球数を示す値を、メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値として、上述した主制御内蔵RAMの賞球予定情報記憶領域に記憶更新するようになっている。
ステップS108に続いて、主制御MPUは、枠コマンド受信処理を行う(ステップS110)。払出制御基板633は、状態表示に区分される1バイト(8ビット)の各種コマンド(例えば、枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド、及び枠状態2コマンド)を送信する。枠コマンド受信処理では、各種コマンドを払主シリアルデータとして正常に受信すると、その旨を払出制御基板633に伝える情報を、出力情報として主制御内蔵RAMの出力情報記憶領域に記憶する。また、主制御MPUは、その正常に払主シリアルデータとして受信したコマンドを2バイト(16ビット)のコマンドに整形し(状態表示に区分される各種コマンド(枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド、及び枠状態2コマンド))、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶する。
ステップS110に続いて、主制御MPUは、不正行為検出処理を行う(ステップS112)。この不正行為検出処理では、賞球に関する異常状態を確認する。電波照射による不正行為(以下、「電波照射ゴト」と記載する。)が行われていると判断すると、電波照射ゴトカウンタの値を値1だけ加算(インクリメント)する。この電波ゴトカウンタの値は、不正行為検出処理において電波照射ゴトが行われると判断されるごとに、インクリメントされるものであり、RAMクリアされると、初期値として値0(ゼロ)がセットされるようになっている。電波照射ゴトカウンタの値が上限値に達すると(本実施形態では、不正行為検出処理が主制御側タイマ割り込み処理が行われる割り込み周期である4msに基づいて、上限値として値250が設定されている。)、電波照射ゴトが行われている旨を伝える報知表示に区分される電波照射ゴト報知コマンドを作成し、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶する。
また、ステップS112の不正行為検出処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出し、磁気センサ2010からの検出信号が入力されているときには、磁石を用いた不正行為(以下、「磁石ゴト」と記載する。)が行われていると判断し、磁石ゴトカウンタの値を値1だけ加算(インクリメント)する。この磁石ゴトカウンタの値は、不正行為検出処理において電波照射ゴトが行われると判断されるごとに、インクリメントされるものであり、遊技バックアップ情報に含まれるものであり、RAMクリアされると、初期値として値0(ゼロ)がセットされるようになっている。磁石ゴトカウンタの値が上限値に達すると(本実施形態では、不正行為検出処理が主制御側タイマ割り込み処理が行われる割り込み周期である4msに基づいて、上限値として値250が設定されている。)、電波照射ゴトが行われている旨を伝える報知表示に区分される磁石ゴト報知コマンドを作成し、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶する。本実施形態では、このような仕組みによって磁石ゴトを確実に検出して報知することにより、遊技ホールの店員等の係員が磁石ゴトを早い段階で発見することができることに寄与することができるようになっている。
また、ステップS112の不正行為検出処理では、例えば、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出し、大当り遊技状態でない場合に大入賞口センサ2403からの検出信号が入力されているとき(大入賞口2005に遊技球が入球するとき)等の大入賞口異常入賞発生には、異常状態として報知表示に区分される入賞異常表示コマンドを作成し、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶する。
なお、ステップS112の不正行為検出処理では、電波照射ゴト及び/又は、磁石ゴトを検出したときには、不正行為の検出として不正行為検出フラグFD−FLGに値1をセットする一方、電波照射ゴト及び磁石ゴトを検出していないときには、不正行為の未検出として不正行為検出フラグFD−FLGに値0をセットする。この不正行為検出フラグFD−FLGは、遊技バックアップ情報に含まれるものであり、RAMクリアされると、初期値として値0(ゼロ)がセットされるようになっている。また、大入賞口異常入賞発生を検出したときにも、不正行為の検出として、不正行為検出フラグFD−FLGに値1をセットするようにしてもよい。
ステップS112に続いて、主制御MPUは、発射許可信号設定処理を行う(ステップS113)。この発射許可信号設定処理では、遊技球Bの発射を払出制御基板633の発射制御部633bに対して許可する旨を伝える発射許可信号の論理を設定する。具体的には、主制御MPUは、上述した不正行為検出フラグFD−FLGの値に基づいて、不正行為検出フラグFD−FLGが値0であるとき、つまり不正行為の未検出であると判定したときには発射許可信号の論理として発射許可論理に設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する一方、不正行為検出フラグFD−FLGが値0でない(値1である)とき、つまり不正行為の検出であると判定したときには発射許可信号の論理として発射許可論理を反転させた発射停止論理(発射非許可論理)に設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。なお、主制御MPUは、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、扉枠開放スイッチ4aからの検出信号が入力されて本体枠4に対して扉枠3が開放されていると扉枠開放スイッチ4aが検出した場合、本体枠開放スイッチ4bからの検出信号が入力されて外枠2に対して本体枠4が開放されていると本体枠開放スイッチ4bが検出した場合には、発射許可信号の論理として発射許可論理を反転させた発射停止論理(発射非許可論理)に設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。発射許可信号の論理は、初期値(デフォルト)として、パチンコ機1が電源投入されてから(復電してから)本ルーチンである主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS113の発射許可信号設定処理が開始されるまでに亘って、発射許可論理を反転させた発射停止論理(発射非許可論理)に設定されるようにリセット機能付き主制御出力回路を含むハードウェアにより構成されている。
ステップS113に続いて、主制御MPUは、特別図柄及び特別電動役物制御処理を行う(ステップS114)。この特別図柄及び特別電動役物制御処理では、主制御内蔵ハード乱数回路にラッチ信号を出力し、ラッチ信号が入力された際における主制御内蔵ハード乱数回路が抽出した乱数(乱数値)を、主制御MPUに内蔵されるハード乱数ラッチレジスタから取得し、この取得した乱数値を特別乱数としてセットする。そして特別乱数(つまり、主制御MPUに内蔵されるハード乱数ラッチレジスタから取得した乱数値)と、主制御内蔵ROMに予め記憶されている大当り判定値と、が一致するか否かを判定(大当り遊技状態を発生させるか否かを判定(「特別抽選」という。))したり、図柄乱数を更新するカウンタの値を取り出して主制御内蔵ROMに大当り種別や小当り種別に応じて予め記憶されている当り種別判定値のいずれと一致するか否かを判定(当り種別を決定)したりする。
これらの判定結果(抽選結果)が第一始動口センサ3002によるものである場合には特図1同調演出関連の各種コマンドを作成する一方、その判定結果(抽選結果)が第二始動口センサ2402によるものである場合には特図2同調演出関連の各種コマンドを作成し、送信情報として送信情報記憶領域に記憶するとともに、特別図柄の変動表示パターンを上述した変動表示パターン用乱数に基づいて決定し、その決定した特別図柄の変動表示パターンに従って機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器又は第二特別図柄表示器を点灯させるよう機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器又は第二特別図柄表示器への点灯信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。また、発生させる遊技状態に応じて、例えば大当り遊技状態となるときには、大当り関連に区分される各種コマンド(大当りオープニングコマンド、大入賞口1開放N回目表示コマンド、大入賞口1閉鎖表示コマンド、大入賞口1カウント表示コマンド、大当りエンディングコマンド、及び大当り図柄表示コマンド)を作成し、送信情報として送信情報記憶領域に記憶したり、例えば、開閉部材を開閉動作させるようアタッカソレノイド2414への駆動信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶したり、大入賞口2005が閉鎖状態から開放状態となる回数(ラウンド)が2回であるときには、機能表示ユニット1400のラウンド表示器の2ラウンド表示ランプを点灯させるよう2ラウンド表示ランプへの点灯信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶したり、ラウンドが15回であるときには、機能表示ユニット1400のラウンド表示器の15ラウンド表示ランプを点灯させるよう15ラウンド表示ランプへの点灯信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶したり、時短発生の有無を所定の色で点灯させるよう機能表示ユニット1400の状態表示器への点灯信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶したりする。
ステップS114に続いて、主制御MPUは、普通図柄及び普通電動役物制御処理を行う(ステップS116)。この普通図柄及び普通電動役物制御処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて普通入賞口入賞処理を行う。この普通入賞口入賞処理では、入力情報から普通入賞口センサ2401からの検出信号が入力ポートの入力端子に入力されていたか否かを判定する。この判定結果に基づいて、検出信号が入力ポートの入力端子に入力されていたときには、上述した普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの値等を抽出して普通入賞口入賞情報として主制御内蔵RAMの普通入賞口入賞情報記憶領域に記憶する。
この普通入賞口入賞情報記憶領域には、第0区画〜第3区画(4つの区画)が設けられており、第0区画、第1区画、第2区画、そして第3区画の順に普通入賞口入賞情報が格納されるようになっている。例えば普通入賞口入賞情報が普通入賞口入賞情報記憶の第0区画〜第2区画に格納されている場合、普通入賞口センサ2401からの検出信号が入力ポートの入力端子に入力されていたときには普通入賞口入賞情報を普通入賞口入賞情報記憶の第3区画に格納する。
普通入賞口入賞情報は普通入賞口入賞情報記憶の第0区画に格納されているものが主制御内蔵RAMの作業領域にセットされる。この普通入賞口入賞情報がセットされると、普通入賞口入賞情報記憶の第1区画の普通入賞口入賞情報が普通入賞口入賞情報記憶の第0区画に、普通入賞口入賞情報記憶の第2区画の普通入賞口入賞情報が普通入賞口入賞情報記憶の第1区画に、普通入賞口入賞情報記憶の第3区画の普通入賞口入賞情報が普通入賞口入賞情報記憶の第2区画に、それぞれシフトされて普通入賞口入賞情報記憶の第3区画が空き領域となる。例えば、普通入賞口入賞情報記憶の第1区画〜第2区画に普通入賞口入賞情報が記憶されている場合には、普通入賞口入賞情報記憶の第1区画の普通入賞口入賞情報が普通入賞口入賞情報記憶の第0区画に、普通入賞口入賞情報記憶の第2区画の普通入賞口入賞情報が普通入賞口入賞情報記憶の第1区画にそれぞれシフトされて普通入賞口入賞情報記憶の第2区画及び普通入賞口入賞情報記憶の第3区画が空き領域となる。ここで、普通入賞口入賞情報記憶の第1区画〜第3区画に普通入賞口入賞情報が格納されていると、格納された普通入賞口入賞情報の総数を保留球として機能表示ユニット1400の普通保留表示器を点灯させるよう、上述した普通入賞口入賞情報に基づいて機能表示ユニット1400の普通保留表示器の点灯信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。
普通入賞口入賞処理に続いて、主制御内蔵RAMの作業領域にセットされた普通入賞口入賞情報を読み出し、この読み出した普通入賞口入賞情報から普通図柄当り判定用乱数の値を取り出して主制御内蔵ROMに予め記憶されている普通図柄当り判定値と一致するか否かを判定する(「普通抽選」という)。この判定結果(普通抽選による抽選結果)により可動片を開閉動作させるか否かが決定する。この決定で開閉動作をさせる場合には、可動片が開動作した状態となることで第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態となって遊技者に有利な遊技状態なる。この決定と対応する普通図柄の変動表示パターンを上述した普通図柄変動表示パターン用乱数に基づいて決定し、普図同調演出関連に区分される各種コマンドを作成し、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶するとともに、その決定した普通図柄の変動表示パターンに従って機能表示ユニット1400の普通図柄表示器を点灯させるよう機能表示ユニット1400の普通図柄表示器への点灯信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。
また、例えばその取り出した普通図柄当り判定用乱数の値が主制御内蔵ROMに予め記憶されている普通図柄当り判定値と一致しているときには、普通電役演出関連の各種コマンドを作成し、送信情報として送信情報記憶領域に記憶するとともに、可動片を開閉動作させるよう始動口ソレノイド2412への駆動信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する一方、その取り出した普通図柄当り判定用乱数の値が主制御内蔵ROMに予め記憶されている普通図柄当り判定値と一致していないときには、上述した普通図柄変動表示パターン用乱数に基づいて普通図柄変動表示パターンを決定し、普図同調演出関連に区分される各種コマンドを作成し、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶するとともに、その決定した普通図柄変動表示パターンに従って機能表示ユニット1400の普通図柄表示器を点灯させるよう機能表示ユニット1400の普通図柄表示器への点灯信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。なお、本例では普通抽選の当選確率(普通当りとなる確率)は2分の1となっている。
ステップS116に続いて、主制御MPUは、設定値確認表示処理を行う(ステップS117)。この設定値確認表示処理では、その詳細な説明を後述するが、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、外枠2に対する本体枠4の開放を検出するための本体枠開放スイッチ4bからの検出信号と、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダが初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)から時計方向へ向かって60度回動操作されて第1のON操作されることで設定キースイッチ1311aが設定キーONされ、設定キースイッチ1311aからの設定キーONの信号と、により、外枠2に対して本体枠4が開放されていると判定し、かつ、設定キーONの信号により設定キースイッチ1311aが設定キーONされていると判定したことによって、予め定めた設定値表示許可条件が成立していると判定する一方、本体枠開放スイッチ4bからの検出信号により外枠2に対して本体枠4が開放されていないと判定し、及び/又は、設定キーONの信号により設定キースイッチ1311aが設定キーONされていないと判定したことによって、予め定めた設定値表示許可条件が成立していないと判定する。設定値確認表示処理では、設定値表示許可条件が成立しているときには、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値を設定表示器1310gに表示するための点灯信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶する一方、設定値表示許可条件が成立しているときには、そのまま終了し、本ルーチンへ戻る。
ステップS117に続いて、主制御MPUは、ポート出力処理を行う(ステップS118)。このポート出力処理では、主制御MPUの各種出力ポートの出力端子から、上述した出力情報記憶領域から出力情報を読み出してこの出力情報に基づいて各種信号を出力する。この主制御MPUは、例えば、出力情報に基づいて主制御MPUの所定の出力ポートの出力端子から、払出制御基板633からの各種コマンドを正常に受信完了したときには主払ACK信号を払出制御基板633に出力したり、大当り遊技状態であるときには大入賞口2005の開閉部材の開閉動作を行うアタッカソレノイド2414に駆動信号を出力したり、可動片の開閉動作を行う始動口ソレノイド2412に駆動信号を出力したりするほかに、15ラウンド大当り情報出力信号、2ラウンド大当り情報出力信号、小当り情報出力信号、特別図柄表示情報出力信号、普通図柄表示情報出力信号、時短中情報出力信号、始動口入賞情報出力信号等の遊技に関する各種情報(遊技情報)信号を払出制御基板633に出力したり、発射許可論理又は発射停止論理(発射非許可論理)に設定された発射許可信号を払出制御基板633に出力したり、アウト口1008により回収された遊技球の球数の計数結果(総数)を表示するベースモニタ1310hに表示信号を出力したり、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値を設定表示器1310gに表示するための点灯信号を出力したりする。
ステップS118に続いて、主制御MPUは、周辺制御基板コマンド送信処理を行う(ステップS120)。この周辺制御基板コマンド送信処理では、上述した送信情報記憶領域から送信情報を読み出してこの送信情報を主周シリアルデータとして周辺制御基板1510に送信する。この送信情報には、本ルーチンである主制御側タイマ割り込み処理で作成した、特図1同調演出関連に区分される各種コマンド、特図2同調演出関連に区分される各種コマンド、大当り関連に区分される各種コマンド(例えば、大入賞口2005に入球した遊技球を検出した際に大入賞口センサ2403からの検出信号に基づいて大入賞口カウントコマンドに相当する大入賞口1カウント表示コマンド)、電源投入に区分される各種コマンド、普図同調演出関連に区分される各種コマンド、普通電役演出関連に区分される各種コマンド、報知表示に区分される各種コマンド、状態表示に区分される各種コマンド、テスト関連に区分される各種コマンド及びその他に区分される各種コマンド(例えば、主制御基板1310が遊技盤5に設けられる各種入賞口に入球した遊技球に基づいて賞球として払い出す予定の遊技球の球数が10球に達するごとにその旨をメイン賞球数情報としてメイン賞球数情報出力信号を、外部端子板558を介して、ホールコンピュータへ伝えることを指示するメイン賞球数情報出力コマンドなど)、及び特定履歴に区分される各種コマンド(例えば、アウト口1008で回収される遊技球の球数が10球に達するごとにその旨を伝える球回収コマンド、設定値が設定変更された旨を伝える設定変更コマンド、主制御内蔵RAMに格納されている内容に異常がある(又は信用することができないものである)旨を伝えるエラー表示コマンド、主制御内蔵RAMの特定領域における後述する設定値専用領域に格納されている設定値を確認する旨を伝える設定キーのON操作コマンド等)が記憶されている。主周シリアルデータは、1パケットが3バイトに構成されている。具体的には、主周シリアルデータは、1バイト(8ビット)の記憶容量を有するコマンドの種類を示すステータスと、1バイト(8ビット)の記憶容量を有する演出のバリエーションを示すモードと、ステータス及びモードを数値とみなしてその合計を算出したサム値と、から構成されており、このサム値は、送信時に作成されている。
この周辺制御基板コマンド送信処理では、主周シリアルデータとして各種コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板1510に送信する。主制御MPUの電源端子であるVDD端子には、上述したように、停電又は瞬停が発生した場合に、電解コンデンサMC2に充電された電荷が直流+5Vとして印加されるようになっているため、主制御MPUに内蔵される主周シリアル送信ポートは、少なくとも、その送信バッファレジスタにセットされたコマンドをシリアル管理部により送信シフトレジスタに転送して送信シフトレジスタから主周シリアルデータとして送信完了することができるようになっている。パチンコ機1への電源投入するときや、電源投入後に停電又は瞬停が発生して電力が回復する復電時には、図143に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS50の電源投入時に送信するコマンドの予約設定において、復電した旨を伝えるために、電源投入に区分される電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶しているため、主周シリアルデータとして、電源投入時状態コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板1510に送信し、続いて電源投入時主制御復帰先コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板1510に送信し、続いて電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板1510に送信する。なお、主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域には、主制御側電源投入時処理におけるステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において、遊技バックアップ情報から各種情報を読み出してこの各種情報に応じた各種コマンドが記憶されている場合もある。このような場合には、まず各種情報のうち遊技情報に応じた各種コマンドの送信完了後に、続いて電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドが送信されることとなる。
なお、アウト口1008で回収される遊技球の球数が10球に達するごとにその旨を伝える球回収コマンドを周辺制御基板1510へ送信すると、周辺制御基板1510における周辺制御IC1510aのCPUは、受信した球回収コマンドごとに、アウト口1008で回収される遊技球の球数を計数して、図示しないリアルタイムクロックICの内蔵RAMに記憶保持される球回収情報(計数した値(つまりアウト口1008で回収される遊技球の球数の総数)と更新した日時とを対応付けた情報)を更新する。なお、球回収コマンドを受信できずに、遊技ホールの営業時間が終了してパチンコ機1が電源遮断されると、結果的に、最後に計数した値(つまりアウト口1008で回収される遊技球の球数の総数)と更新した日時とを対応付けた球回収情報が図示しないリアルタイムクロックICの内蔵RAMに記憶保持される。遊技ホールの営業を開始するときにパチンコ機1が電源投入されると、周辺制御基板1510における周辺制御IC1510aのCPUは、図示しないリアルタイムクロックICの内蔵RAMに記憶保持される球回収情報を、営業開始した日から再び球回収情報を作成するようになっており、図示しないリアルタイムクロックICの内蔵RAMに球回収情報が球回収履歴情報として記憶保持されるようになっている。なお、図示しないリアルタイムクロックICの内蔵RAMに球回収情報として記憶保持される計数した値は、その日に値0(ゼロ)から計数した値を用いてもよいし、その日に値0(ゼロ)から計数した値とこれまでの計数した値の総和との両方を用いてもよい。
ステップS120に続いて、主制御MPUは、主制御内蔵WDTのクリアを行い(ステップS122)、このルーチンを終了する。ステップS122の主制御内蔵WDTのクリアは、主制御MPUに内蔵されるWDTクリアレジスタにタイマクリア設定値をセットすることにより行う。これにより、主制御内蔵WDTによる計時がクリアされる。そして、主制御内蔵WDTによる計時が再び開始されることによって、主制御内蔵WDTにより主制御MPUが強制的にリセットされずに済む。
なお、主制御基板1310は、上述したように、遊技の進行を行っている際に、パチンコ機1への電源が遮断される前に、遊技の進行による遊技情報を記憶するための上述したバックアップ処理を実行して完了することができるとともに、復電時において、主制御基板1310による遊技の進行の復帰先として、バックアップ処理を実行した遊技情報に基づいて、パチンコ機1への電源が遮断される際における、本ルーチンにおけるステップS118のポート出力処理による電気的駆動源である始動口ソレノイド2412やアタッカソレノイド2414の駆動状態を指示する電源投入時主制御復帰先コマンドを周辺制御基板1510へ出力することができるようになっている。つまり、主制御基板1310は、図143に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS50の電源投入時に送信するコマンドの予約設定において、図142に示した同処理におけるステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において主制御内蔵RAMの作業領域にセットされた復電時情報に基づいて、電源投入(復電)した旨を伝えるために、電源投入に区分される電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶し、本ルーチンにおけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理において、主周シリアルデータとして、電源投入時状態コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板1510に送信し、続いて電源投入時主制御復帰先コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板1510に送信し、続いて電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板1510に送信する。
このため、周辺制御基板1510は、主制御基板1310からの電源投入時主制御復帰先コマンドに基づいて、復電時における主制御基板1310による遊技の進行の復帰先を演出表示装置1600の表示領域において演出表示することができる。これにより、遊技者が遊技を行っている際に、瞬停や停電が発生して、その後に復電するときに、瞬停又は停電直前における遊技状態に、復電後、速やかに復帰することができるとともに、主制御基板1310による遊技の進行の復帰先を演出表示装置1600の表示領域において演出表示して報知することができるため、パチンコ機1のシステムがかたまった状態、いわゆるフリーズした状態に遊技者に見えて故障したと勘違いされることを防止することができる。したがって、瞬停又は停電直前における遊技状態に、復電後、速やかに復帰することにより、遊技者に故障したと勘違いされることを防止することができる。
また、主制御基板1310の製造ラインの検査工程である主制御基板検査工程において、検査のために製造してから最初に主制御基板1310が電源投入されると、上述したように、図142に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS38で主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いて必ずクリアすることなる。これにより、図143に示した同処理におけるステップS50の電源投入時に送信するコマンドの予約設定において、電源投入時に送信するコマンドの予約設定が行われると、電源投入に区分される電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶することにより、電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドという3つのコマンドのみが送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶される状態となり、本ルーチンにおけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理において、主周シリアルデータとして、電源投入時状態コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で主制御基板検査工程の検査装置に送信し、続いて電源投入時主制御復帰先コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で主制御基板検査工程の検査装置に送信し、続いて電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で主制御基板検査工程の検査装置に送信する。主制御基板検査工程の検査装置は、主制御基板1310から受信した電源投入時状態コマンドに含まれるパチンコ機の機種コードを示す情報に基づいて、つまり、パチンコ機の機種コードを示す情報を構成する、上述した、機種タイプを示すマックスタイプ、ミドルタイプ、及び甘デジタイプのうち、いずれのタイプであるかを特定するためのシリーズコードと、作品の版権を特定するための版権コードと、遊技仕様(例えば、確率変動が生ずると、次回大当り遊技状態が発生するまでその状態が継続されるという遊技仕様のほかに、特別図柄の変動回数が限定された状態で確率変動が生ずるという遊技仕様(ST機)など)を特定するための遊技仕様コードと、に基づいて、主制御基板検査工程の検査モニタに詳細な機種情報を表示するようになっている。
[16−4.設定変更処理]
次に、設定変更処理について説明する。この設定変更処理は、図142に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS37において行われる処理である。
設定変更処理が開始されると、主制御MPUは、図145に示すように、現状の設置値を取得する(ステップS200)。ここでは、主制御MPUは、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値を取得する。この設定値を取得するときには、読み出してもよいし、取り出してもよいが、設定値を取り出す場合には、取り出した設定値を所定領域にセットする。
ステップS200に続いて、主制御MPUは、チェックサムの算出を行う(ステップS202)。このチェックサムは、主制御内蔵RAMに記憶されている各種情報を数値とみなしてその合計を算出するものであり、図142に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS28において行われるチェックサムの算出と同一の処理である。
ステップS202に続いて、主制御MPUは、算出したチェックサムの値(サム値)が図143に示した主制御側電源投入時処理における主制御側電源断時処理(電源断時)において記憶されているチェックサムの値(サム値)と一致しているか否かを判定する(ステップS204)。ステップS204において、主制御MPUは、一致していると判定したときには、バックアップフラグBK−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS206)。ステップS204の判定、及びステップS206の判定は、図142に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS30の判定、及びステップS32の判定とそれぞれ同一の判定である。バックアップフラグBK−FLGは、上述したように、各種情報、チェックサムの値(サム値)及びバックアップフラグBK−FLGの値等の遊技バックアップ情報を後述する主制御側電源断時処理において主制御内蔵RAMに記憶保持したか否かを示すフラグであり、主制御側電源断時処理を正常に終了したとき値1、主制御側電源断時処理を正常に終了していないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS204の判定において、主制御MPUは、チェックサムの値(サム値)が一致していないと判定したときには、又はステップS206の判定において、主制御MPUは、バックアップフラグBK−FLGが値1でない(値0である)とき、つまり主制御側電源断時処理を正常に終了していないと判定したときには、ステップS200で取得した設定値が正常範囲であるか否かを判定する(ステップS208)。ここで、「正常範囲」とは、設定値が設定変更することができる値であり、本実施形態では、設定値1、設定値2、設定値3、設定値4、設定値5、及び設定値6までの値に予め設定されている。ステップS208の判定へフローチャートがすすむことにより、主制御内蔵RAMの内容に異常があると判定した場合、又は、電源遮断時に主制御側電源断時処理が正常に終了していないと判定した場合となっているため、主制御内蔵RAMに格納されている内容に異常がある(又は信用することができないものである)。そこで、ステップS208の判定において、主制御MPUは、ステップS200で取得した、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値が正常範囲である設定値1〜設定値6のうちいずれかの値となっているか否かを判定し、正常範囲であると判定したときにはその設定値をそのまま使用する。
一方、ステップS208の判定において、主制御MPUは、正常範囲でないと判定したときにはステップS200で取得した設定値に対して初期値である設定値1を設定する(ステップS210)。なお、ステップS208の判定では、ステップS200で取得した、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値が正常範囲である設定値1〜設定値6のうちいずれかの値となっているか否かを判定しているが、このステップS208の判定を行わずに、ステップS204の判定において、主制御MPUは、チェックサムの値(サム値)が一致していないと判定したときには、又はステップS206の判定において、主制御MPUは、バックアップフラグBK−FLGが値1でない(値0である)とき、つまり主制御側電源断時処理を正常に終了していないと判定したときには、ステップS210の処理にすすみ、ステップS200で取得した設定値に対して初期値である設定値1を設定するようにしてもよい。
ステップS206の判定において、主制御MPUは、バックアップフラグBK−FLGが値1であるとき、つまり主制御側電源断時処理を正常に終了したと判定したときには、又はステップS208の判定において、主制御MPUは、正常範囲であると判定したときには、又はステップS210に続いて、主制御MPUは、設定変更許可ランプ1310zに点灯信号を出力して設定変更許可ランプ1310zを点灯する(ステップS212)。
ステップS212に続いて、主制御MPUは、設定値を設定表示器1310gに表示するための点灯信号を設定表示器1310gに出力して設定表示器1310gに対して設定値を表示する(ステップS214)。
ステップS214に続いて、主制御MPUは、払出制御基板633のRWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されているか否かを判定する(ステップS216)。RWMクリアボタン633zは、上述したように、3つの機能を兼用する機能(RAMクリアスイッチ、設定切替ボタン、及びエラー解除スイッチ)を有し、ここでは、設定値を選択して切り替えるための設定切替ボタンの機能として作動する。この判定は、払出制御基板633のRWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作された旨を伝える信号(設定値の選択切替信号)を読み取り、RWMクリアボタン633zからの設定値の設定変更信号が入力されているか否かを判定する。主制御MPUは、RWMクリアボタン633zからの設定値の選択切替信号が入力されているときにはRWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されていると判定する一方、RWMクリアボタン633zからの設定値の選択切替信号が入力されていないときにはRWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されていないと判定する。
ステップS216の判定において、主制御MPUは、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されていると判定したときには、設定値に値1を加算する(インクリメントする)演算を行って更新する(ステップS218)。このとき、ステップS200で設定値を取得するときにおいて、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値を取り出して所定領域にセットしている場合には、この所定領域にセットした設定値に値1を加算する(インクリメントする)こととなる。
ステップS218に続いて、主制御MPUは、ステップS216で更新した設定値を設定表示器1310gに表示するための点灯信号を設定表示器1310gに出力して設定表示器1310gに対して更新した設定値を表示する(ステップS220)。
ステップS220に続いて、又はステップS216の判定において、主制御MPUは、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されていないと判定したときには、主制御MPUは、決定キーが操作されたか否かを判定する(ステップS222)。この判定では、主制御MPUは、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれ、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から反時計方向へ向かって設定キーシリンダが120度回動操作されて(つまり、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作されてOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作されて)第2のON操作することによりことで設定キースイッチ1311aが決定キーONされ、設定キースイッチ1311aからの決定キーONの信号に基づいて行い、設定キースイッチ1311aからの決定キーONの信号が入力されているときには決定キーが操作されたと判定する一方、設定キースイッチ1311aからの決定キーONの信号が入力されていないときには決定キーが操作されていないと判定する。
ステップS222の判定において、主制御MPUは、決定キーが操作されていないと判定したときには、ステップS216の判定に再び戻り、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されているか否かを判定する。ステップS216の判定において、主制御MPUは、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されていると判定したときには、ステップS218、そしてステップS220の処理を再び行い、ステップS222の判定を行い、決定キーが操作されていないと判定したときには、ステップS216の判定に再び戻り、決定キーが操作されるまで、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されると、操作されるごとに設定値が値1ずつ加算され更新されて設定表示器1310gに表示され、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されないと、直前にRWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作され更新された設定値が設定表示器1310gに表示される。なお、ステップS222の判定で決定キーが操作されたと判定されるまでに、仮に停電や瞬停が発生して復電しても、停電や瞬停が発生する直前に更新した設定値が主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されないため、破棄され、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納される設定値が変更されない。
一方、ステップS222の判定において、主制御MPUは、決定キーが操作されたと判定したときには、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に更新した設定値を格納する(ステップS224)。このとき、ステップS200で設定値を取得するときにおいて、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値を取り出して所定領域にセットしている場合には、この所定領域にセットした設定値に対して更新されるため、この更新された設定値を、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域へ戻すこととなる。このステップS224の処理完了の後に、仮に停電や瞬停が発生して復電しても、停電や瞬停が発生する前に決定キーが操作されたときにおける更新した設定値が主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている。
ステップS224に続いて、主制御MPUは、設定キーのOFF操作があるか否かを判定する(ステップS226)。この判定では、主制御MPUは、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれ、設定キースイッチ1311aを決定キーONした設定キーシリンダの回転位置から初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回転操作されてしてOFF操作することで設定キースイッチ1311aがOFFされ、設定キースイッチ1311aからのOFFの信号に基づいて行い、設定キースイッチ1311aからのOFFの信号が入力されているときには設定キーがOFF操作されたと判定する一方、設定キースイッチ1311aからのOFFの信号が入力されていないときには設定キーがOFF操作されていないと判定する。
ステップS226の判定において、主制御MPUは、設定キーがOFF操作されていないと判定したときには、ステップS226の判定に再び戻り、設定キーがOFF操作されるまで、ステップS226の判定を繰り返し行う。
一方、ステップS226の判定において、主制御MPUは、設定キーがOFF操作されたと判定したときには、更新した設定値を設定表示器1310gに表示するための点灯信号の設定表示器1310gへの出力を停止して設定表示器1310gに対して更新した設定値を非表示とする(ステップS228)。
ステップS228に続いて、主制御MPUは、設定変更許可ランプ1310zへの点灯信号を停止して設定変更許可ランプ1310zを消灯する(ステップS230)。
ステップS230に続いて、主制御MPUは、設定変更許可フラグCS−FLGに値0をセットする(ステップS232)。この設定変更許可フラグCS−FLGは、上述したように、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている現状の設定値(設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダが第1のON操作された時点における設定値1〜設定値6のうち設定されている値)の設定変更を行うことを許可するか否かを示すフラグであり、設定値の設定変更を行うことを許可するとき値1、設定値の設定変更を行うことを許可しないとき値0にそれぞれ設定される。ステップS232の処理では、設定変更許可フラグCS−FLGに値0をセットすることにより、これより以後、設定値の設定変更を行うことを許可しない。
ステップS232に続いて、主制御MPUは、ステップS224で格納した設定値が正常範囲であるか否かを判定する(ステップS233)。「正常範囲」とは、ステップS208の判定のものと同一であり、上述したように、本実施形態では、設定値1、設定値2、設定値3、設定値4、設定値5、及び設定値6までの値に予め設定されている。ステップS233の判定において、主制御MPUは、設定値が異常な値となっていないか再確認するために、ステップS224で主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納した設定値が正常範囲である設定値1〜設定値6のうちいずれかの値となっているか否かを判定し、正常範囲であると判定したときにはその設定値をそのまま使用する。
ステップS233の判定において、主制御MPUは、正常範囲であると判定したときにはシリアル通信初期設定を行い(ステップS234)、続いて、設定変更コマンドを作成して送信情報を設定し(ステップS236)、続いて、ステップS236で設定した送信情報(設定変更コマンド)を主周シリアルデータとして周辺制御基板1510に送信する周辺制御基板送信コマンド送信処理を行い(ステップS238)、本ルーチンを終了する。ステップS234のシリアル通信初期設定は、図143に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS44のシリアル通信初期設定と同一の処理であり、ステップS238の周辺制御基板送信コマンド送信処理は、図144に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板送信コマンド送信処理と同一の処理である。ここで、ステップS234のシリアル通信初期設では、ステップS44のシリアル通信初期設より先に行って、ステップS238の周辺制御基板送信コマンド送信処理においてステップS236で設定した送信情報(設定変更コマンド)を主周シリアルデータとして周辺制御基板1510に送信しているが、これは、図143に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS50において電源投入時に送信するコマンドの予約設定される前に、優先して、設定値が設定変更された旨を設定変更コマンドにより周辺制御基板1510へ伝えるためである。なお、設定変更コマンドは、設定変更された設定値と設定値格納完了とを伝えるコマンドである。周辺制御基板1510における周辺制御IC1510aのCPUは、設定変更コマンドを受信すると、図示しないリアルタイムクロックICの内蔵RAMに記憶保持される設定値履歴情報(設定値と日時とを対応付けた情報)を更新する。
一方、ステップS233の判定において、主制御MPUは、正常範囲でないと判定したときにはエラー表示処理を行い(ステップS240)、無限ループに入る。この無限ループにより、エラー表示処理が終了した状態を維持することとなり、遊技を進行することが全くできない状態となり、パチンコ機1の電源を遮断して、再び電源を投入することとなる。このエラー表示処理では、その詳細な説明を後述するが、主制御内蔵RAMの内容に異常があると判定した場合、又は、電源遮断時に主制御側電源断時処理が正常に終了していないと判定した場合には、主制御内蔵RAMに格納されている内容に異常がある(又は信用することができないものである)として、その旨を伝えるエラー表示を行う。本実施形態では、主制御MPUがエラー表示として英字Eを設定表示器1310gに表示するようになっている。
[16−5.設定値確認表示処理]
次に、設定値確認表示処理について説明する。この設定値確認表示処理は、図144に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS117において行われる処理である。
設定値確認表示処理が開始されると、主制御MPUは、図146に示すように、確認表示フラグDCS−FLGが値0であるか否かを判定する(ステップS350)。この確認表示フラグDCS−FLGは、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値を確認するためのフラグであり、設定値を確認表示しているとき値1、設定値を確認表示していないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS350の判定において、主制御MPUは、確認表示フラグDCS−FLGが値0であるとき、つまり設定値を確認表示していないときには、本体枠4の開放及び設定キーのON操作があるか否かを判定する(ステップS352)。この判定では、主制御MPUは、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、外枠2に対する本体枠4の開放を検出するための本体枠開放スイッチ4bからの検出信号と、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダが初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)から時計方向へ向かって60度回動操作されて第1のON操作されることで設定キースイッチ1311aが設定キーONされ、設定キースイッチ1311aからの設定キーONの信号と、により、外枠2に対して本体枠4が開放されていると判定し、かつ、設定キーONの信号により設定キースイッチ1311aが設定キーONされていると判定したことによって、予め定めた設定値表示許可条件が成立していると判定する一方、本体枠開放スイッチ4bからの検出信号により外枠2に対して本体枠4が開放されていないと判定し、及び/又は、設定キーONの信号により設定キースイッチ1311aが設定キーONされていないと判定したことによって、予め定めた設定値表示許可条件が成立していないと判定する。
ステップS352の判定において、主制御MPUは、予め定めた設定値表示許可条件が成立していないと判定したときには、そのまま本ルーチンを終了する一方、予め定めた設定値表示許可条件が成立していると判定したときには、設定値を確認表示するとして確認表示フラグDCS−FLGに値1をセットし(ステップS354)、続いて、現状の設置値を取得する(ステップS356)。ここでは、主制御MPUは、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値を取得する。
ステップS356に続いて、主制御MPUは、ステップS356で取得した設定値が正常範囲であるか否かを判定する(ステップS357)。「正常範囲」とは、図182の設定変更処理におけるステップS208の判定、及びステップS233の判定のものと同一であり、上述したように、本実施形態では、設定値1、設定値2、設定値3、設定値4、設定値5、及び設定値6までの値に予め設定されている。ステップS357の判定において、主制御MPUは、設定値が異常な値となっていないか再確認するために、ステップS356で取得した設定値(つまり、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値)が正常範囲である設定値1〜設定値6のうちいずれかの値となっているか否かを判定し、正常範囲であると判定したときにはその設定値をそのまま使用する。
ステップS357の判定において、主制御MPUは、正常範囲であると判定したときにはステップS356で取得した設定値を設定表示器1310gに表示するための点灯信号を設定表示器1310gに出力して設定表示器1310gに対して設定値を表示する(ステップS358)。
ステップS360に続いて、主制御MPUは、設定キーのON操作コマンドを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶し、設定キーのON操作コマンドの設定を行い(ステップS360)、本ルーチンを終了する。この設定キーのON操作コマンドは、図144に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理において送信されるようになっている。設定キーのON操作コマンドは、本ルーチンである設定値確認表示処理が開始された旨(つまり、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値を確認する旨)を伝えるコマンドである。
なお、周辺制御基板1510における周辺制御IC1510aのCPUは、設定キーのON操作コマンドを受信すると、図示しないリアルタイムクロックICの内蔵RAMに記憶保持される設定キーのON操作履歴情報(設定値を確認した旨と日時とを対応付けた情報)を更新する。
また、周辺制御基板1510における周辺制御IC1510aのCPUは、設定キーのON操作コマンドを受信すると、上述した、球回収履歴情報、設定値履歴情報、エラー表示履歴情報、及び設定キーのON操作履歴情報等の特定履歴情報を表示許可することができるという予め定めた特定履歴情報表示許可条件が成立する状態となる。周辺制御基板1510における周辺制御IC1510aのCPUは、この予め定めた特定履歴情報表示許可条件が成立する状態において特定履歴情報を確認する者が回転操作部302の回転操作及び押圧操作部303の押圧操作を行うことにより、これまで表示していた画像から特定履歴情報を選択表示する特定履歴情報表示画像へ切り替えて演出表示装置1600の表示領域に表示する制御を行う。
一方、ステップS350の判定において、主制御MPUは、確認表示フラグDCS−FLGが値0でない(値1である)とき、つまり設定値を確認表示しているときには、設定キーのOFF操作があるか否かを判定する(ステップS362)。この判定では、主制御MPUは、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれ、設定キースイッチ1311aを決定キーONした設定キーシリンダの回転位置から初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回転操作されてしてOFF操作することで設定キースイッチ1311aがOFFされ、設定キースイッチ1311aからのOFFの信号により行い、設定キースイッチ1311aからのOFFの信号が入力されているときには設定キーがOFF操作されたと判定する一方、設定キースイッチ1311aからのOFFの信号が入力されていないときには設定キーがOFF操作されていないと判定する。
ステップS362の判定において、主制御MPUは、設定キーがOFF操作されていないと判定したときには、そのまま本ルーチンを終了する一方、設定キーがOFF操作されたと判定したときには、設定値を確認表示しないとして確認表示フラグDCS−FLGに値0をセットし(ステップS364)、続いて、ステップS356で取得した設定値を設定表示器1310gに表示するための点灯信号の設定表示器1310gへの出力を停止して設定表示器1310gに対してその取得した設定値を非表示とし(ステップS366)、続いて、設定キーのOFF操作コマンドを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶し、設定キーのOFF操作コマンドの設定を行い(ステップS368)、本ルーチンを終了する。この設定キーのOFF操作コマンドは、図144に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理において送信されるようになっている。設定キーのOFF操作コマンドは、本ルーチンである設定値確認表示処理が終了された旨(つまり、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値を確認完了した旨)を伝えるコマンドである。
なお、周辺制御基板1510における周辺制御IC1510aのCPUは、設定キーのOFF操作コマンドを受信すると、上述した予め定めた特定履歴情報表示許可条件が成立しない状態となる。このとき、周辺制御基板1510における周辺制御IC1510aのCPUは、上述した特定履歴情報表示画像を演出表示装置1600の表示領域に表示する制御を行っていた場合には、特定履歴情報表示画像に切り替える直前まで演出表示装置1600の表示領域に表示されていた画像へ切り替えて元へ戻す制御を行う。
一方、ステップS357の判定において、主制御MPUは、正常範囲でないと判定したときには割り込み非許可設定を行う(ステップS370)。この設定により、4msごとに繰り返し行われていた図144に示した主制御側タイマ割り込み処理が停止されることとなる。
ステップS370に続いて、主制御MPUは、エラー表示処理を行い(ステップS372)、続いて、主制御内蔵WDTのクリアを行い続ける無限ループに入る(ステップS374)。この無限ループにより、主制御内蔵WDTのクリアを行い続けることとなるが、これは、主制御内蔵WDTを一度起動すると停止することができないため、主制御内蔵WDTのクリアを行い続けることにより、主制御MPUに内蔵されるWDTクリアレジスタにタイマクリア設定値をセットすることで主制御内蔵WDTによる計時がクリアされ、主制御内蔵WDTによる計時が再び開始されることによって、主制御内蔵WDTにより主制御MPUが強制的にリセットされずに済む。また、この無限ループにより、エラー表示処理が終了した状態を維持することとなり、遊技を進行することが全くできない状態となり、パチンコ機1の電源を遮断して、再び電源を投入することとなる。このエラー表示処理では、その詳細な説明を後述するが、主制御内蔵RAMの内容に異常があると判定した場合、又は、電源遮断時に主制御側電源断時処理が正常に終了していないと判定した場合には、主制御内蔵RAMに格納されている内容に異常がある(又は信用することができないものである)として、その旨を伝えるエラー表示を行う。本実施形態では、主制御MPUがエラー表示として英字Eを設定表示器1310gに表示するようになっている。
[16−6.エラー表示処理]
次に、エラー表示処理について説明する。このエラー表示処理は、図142に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS33において行われる処理であり、図142に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS37において行われる処理(図145に示した設定変更処理におけるステップS240において行われる処理)であり、図146に示した設定値確認表示処理におけるステップS372において行われる処理である。
エラー表示処理が開始されると、主制御MPUは、図147に示すように、発射許可信号の停止を行う(ステップS400)。発射許可信号は、上述したように、遊技球Bの発射を払出制御基板633の発射制御部633bに対して許可する旨を伝えるものであり、その論理が発射許可論理に設定されると、発射を許可する旨を伝えることができる一方、その論理が発射許可論理を反転させた発射停止論理(発射非許可論理)に設定されると、発射を停止(非許可)する旨を伝えることができる。
本ルーチンであるエラー表示処理が図142に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS33において行われる処理又は図142に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS37において行われる処理の一処理(具体的には、図145に示した設定変更処理におけるステップS240において行われる処理)として開始されると、主制御MPUは、図143に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS52の割り込み許可設定を行うことができないため、図144に示した主制御側タイマ割り込み処理を行うことができず、同処理におけるステップS113の発射許可信号設定処理を行うことができない。発射許可信号は、主制御MPUの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路を介して払出制御基板633の発射制御部633bに出力されるため、復電時において、リセット機能付き主制御出力回路がリセットされ、その論理は、発射許可論理を反転させた発射停止論理(発射非許可論理)となっている。
そこで、本ルーチンであるエラー表示処理が図142に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS33において行われる処理又は図142に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS37において行われる処理の一処理(具体的には、図145に示した設定変更処理におけるステップS240において行われる処理)として開始されると、主制御MPUは、ステップS400において、復電してから本ルーチンであるエラー表示処理が開始された後においても、遊技球Bが発射されることを確実に防止するために、発射許可信号の論理を発射停止論理(発射非許可論理)に設定して、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路を介して払出制御基板633の発射制御部633bに出力する。
本ルーチンであるエラー表示処理が図146に示した設定値確認表示処理におけるステップS372において行われる処理として開始されると、主制御MPUは、図146に示した設定値確認表示処理におけるステップS357の判定において主制御内蔵RAMの内容に異常があると判定している。主制御MPUは、図143に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS52の割り込み許可設定をすでに行っているものの、本ルーチンであるエラー表示処理が開始される前にすでに図146に示した設定値確認表示処理におけるステップS370において割り込み非許可設定が行われているため、本ルーチンであるエラー表示処理を終了すると、上述したように、無限ループに入るため、図144に示した主制御側タイマ割り込み処理を行うことができず、同処理におけるステップS113の発射許可信号設定処理を行うことができない。
そこで、本ルーチンであるエラー表示処理が図146に示した設定値確認表示処理におけるステップS372において行われる処理として開始されると、主制御MPUは、ステップS400において、主制御内蔵RAMの内容に異常がある状態で遊技球Bが発射されることを確実に防止するために、発射許可信号の論理を発射停止論理(発射非許可論理)に設定して、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路を介して払出制御基板633の発射制御部633bに出力する。
ステップS400に続いて、エラー表示として英字Eを設定表示器1310gに表示するための点灯信号を設定表示器1310gに出力して設定表示器1310gに対してエラー表示する(ステップS402)。
ステップS402に続いて、主制御MPUは、機能表示ユニット1400に対してエラー表示を行う(ステップS404)。このステップS404では、機能表示ユニット1400のの各種表示器をすべて点灯するための点灯信号を機能表示ユニット1400に出力して、機能表示ユニット1400に対してエラー表示する。
ステップS404に続いて、主制御MPUは、シリアル通信初期設定を行い(ステップS406)、続いて、エラー表示コマンドを作成して送信情報を設定し(ステップS408)、続いて、ステップS406で設定した送信情報(エラー表示コマンド)を主周シリアルデータとして周辺制御基板1510に送信する周辺制御基板送信コマンド送信処理を行い(ステップS410)、本ルーチンを終了する。
ステップS406のシリアル通信初期設定は、図145に示した設定変更処理におけるステップS234のシリアル通信初期設定と、図143に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS44のシリアル通信初期設定と、同一の処理であり、ステップS410の周辺制御基板送信コマンド送信処理は、図145に示した設定変更処理におけるステップS238の周辺制御基板送信コマンド送信処理と、図144に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板送信コマンド送信処理と同一の処理である。本ルーチンであるエラー表示処理が図142に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS33において行われる処理、図142に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS37において行われる処理(図145に示した設定変更処理におけるステップS240において行われる処理)、及び図146に示した設定値確認表示処理におけるステップS372において行われる処理としてそれぞれ開始されて終了すると、上述したように、無限ループに入り、この無限ループにより、エラー表示処理が終了した状態を維持することとなり、遊技を進行することが全くできない状態となる。
そこで、本実施形態では、ステップS406のシリアル通信初期設を行って、ステップS410の周辺制御基板送信コマンド送信処理においてステップS408で設定した送信情報(エラー表示コマンド)を主周シリアルデータとして周辺制御基板1510に送信している。
なお、エラー表示コマンドは、主制御内蔵RAMに格納されている内容に異常がある(又は信用することができないものである)旨を伝えるコマンドである。周辺制御基板1510における周辺制御IC1510aのCPUは、エラー表示コマンドを受信すると、図示しないリアルタイムクロックICの内蔵RAMに記憶保持されるエラー表示履歴情報(エラー表示コマンドと受信した日時とを対応付けた情報)を更新する。
また、周辺制御基板1510における周辺制御IC1510aのCPUは、エラー表示コマンドを受信すると、演出表示装置1600の表示領域に、青色の背景画像に「RAMエラーが発生しました。係員をお呼びください。」という白色の文字のメッセージ画像を表示する制御を行うとともに、「RAMエラーが発生しました。係員をお呼びください。」というアナウンスを、周辺制御基板1510に備える音量調整スイッチが回転操作されることにより調整された音量に依存されず、最大音量となるように強制的に設定して各種スピーカ(振動スピーカ354、トップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464、本体枠スピーカ622等)から流す制御を行う。エラー表示コマンドによるRAMエラー報知を行う処理は、優先順位が最も高い処理であり、周辺制御基板1510における周辺制御IC1510aのCPUが他のエラーを伝えるコマンドを受信した後にエラー表示コマンドを受信すると、RAMエラー報知を最優先で行う。
[11.払出制御基板の各種制御処理]
次に、図137に示した払出制御基板633が行う各種制御処理について、図148〜図151を参照して説明する。図148は払出制御部電源投入時処理の一例を示すフローチャートであり、図149は図148の払出制御部電源投入時処理のつづきを示すフローチャートであり、図150は図149に続いて払出制御部電源投入時処理のつづきを示すフローチャートであり、図151は払出制御部タイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートである。まず、払出制御部電源投入時処理について説明し、続いて払出制御部タイマ割り込み処理について説明する。
[11−1.払出制御部電源投入時処理]
まず、パチンコ機1に電源が投入されると、払出制御基板633における払出制御部633aの払出制御MPUによる制御の下、図148〜図150に示すように、払出制御部電源投入時処理を行う。この払出制御部電源投入時処理が開始されると、払出制御MPUは、割り込みモードの設定を行う(ステップS500)。この割り込みモードは、払出制御MPUの割り込みの優先順位を設定するものである。本実施形態では、後述する払出制御部タイマ割り込み処理が優先順位として最も高く設定されており、この払出制御部タイマ割り込み処理の割り込みが発生すると、優先的にその処理を行う。
ステップS500に続いて、払出制御MPUは、入出力設定(I/Oの入出力設定)を行う(ステップS502)。このI/Oの入出力設定では、払出制御MPUの各種入力ポート及び各種出力ポートの設定等を行う。
ステップS502に続いて、払出制御MPUは、ウェイトタイマ処理1を行い(ステップS506)、停電予告信号が入力されているか否かを判定する(ステップS508)。電源投入時から所定電圧となるまでの間では電圧がすぐに上がらない。一方、停電又は瞬停(電力の供給が一時停止する現象)となるときでは電圧が下がり、停電予告電圧より小さくなると、主制御基板1310の停電監視回路から停電予告として停電予告信号が入力される。電源投入時から所定電圧に上がるまでの間では同様に電圧が停電予告電圧より小さくなると主制御基板1310の停電監視回路から停電予告信号が入力される。そこで、ステップS506のウェイトタイマ処理1は、電源投入後、電圧が停電予告電圧より大きくなって安定するまで待つための処理であり、本実施形態では、待ち時間(ウェイトタイマ)として200ミリ秒(ms)が設定されている。ステップS508の判定では、主制御基板1310の停電監視回路からの停電予告信号に基づいて行う。
ステップS508に続いて、払出制御MPUは、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されているか否かを判定する(ステップS512)。RWMクリアボタン633zは、上述したように、3つの機能を兼用する機能(RAMクリアスイッチ、設定切替ボタン、及びエラー解除スイッチ)を有し、ここでは、払出制御内蔵RAMの所定領域に記憶された情報を完全に消去するためのRAMクリアスイッチの機能として作動する。この判定は、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作された旨を伝える信号(RAMクリア信号)の論理がHIであるときにはRAMクリアを行わないと判断してRWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されていないと判定する一方、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作された旨を伝える信号(RAMクリア信号)の論理がLOWであるときにはRAMクリアを行うと判断してRWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されていると判定する。
ステップS512の判定において、払出制御MPUは、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されていると判定したときには、払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGに値1をセットする(ステップS514)。つまり、払出制御MPUは、電源投入時から所定時間に亘って、払出制御MPUに内蔵されたRAM(つまり、払出制御内蔵RAM)の初期化を行うRAMクリア処理を実行可能な状態とする。
一方、ステップS512の判定において、払出制御MPUは、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されていないと判定したときには、払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGに値0をセットする(ステップS516)。この払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGは、払出制御MPUの払出制御内蔵RAMに記憶されている、例えば、各種フラグ、各種情報記憶領域に記憶されている各種情報等(例えば、賞球情報記憶領域に記憶されている、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等や、CR通信情報記憶領域に記憶されている、PRDY信号の論理の状態が設定されているPRDY信号出力設定情報等)の払い出しに関する払出情報を消去するか否かを示すフラグであり、払出情報を消去するとき値1、払出情報を消去しないとき値0にそれぞれ設定される。なお、ステップS514及びステップS516でセットされた払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGは、払出制御MPUの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶される。
ステップS514又はステップS516に続いて、払出制御MPUは、払出制御内蔵RAMへのアクセスを許可する設定を行う(ステップS518)。この設定により払出制御内蔵RAMへのアクセスができ、例えば払出情報の書き込み(記憶)又は読み出しを行うことができる。
ステップS518に続いて、払出制御MPUは、スタックポインタの設定を行う(ステップS520)。スタックポインタは、例えば、使用中の記憶素子(レジスタ)の内容を一時記憶するためにスタックに積んだアドレスを示したり、サブルーチンを終了して本ルーチンに復帰するときの本ルーチンの復帰アドレスを一時記憶するためにスタックに積んだアドレスを示したりするものであり、スタックが積まれるごとにスタックポインタが進む。ステップS520では、スタックポインタに初期アドレスをセットし、この初期アドレスから、レジスタの内容、復帰アドレス等をスタックに積んで行く。そして最後に積まれたスタックから最初に積まれたスタックまで、順に読み出すことによりスタックポインタが初期アドレスに戻る。
ステップS520に続いて、払出制御MPUは、払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGが値0である否かを判定する(ステップS522)。払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGは、上述したように、払出情報を消去するとき値1、払出情報を消去しないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS522の判定において、払出制御MPUは、払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGが値0であるとき、つまり払出情報を消去しないと判定したときには、チェックサムの算出を行う(ステップS524)。このチェックサムは、払出制御内蔵RAMに記憶されている払出情報を数値とみなしてその合計を算出するものである。
ステップS524に続いて、払出制御MPUは、算出したチェックサムの値が後述する払出制御部電源断時処理(電源断時)において記憶されているチェックサムの値と一致しているか否かを判定する(ステップS526)。ステップS526において、払出制御MPUは、一致していると判定したときには、払出バックアップフラグHBK−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS528)。この払出バックアップフラグHBK−FLGは、払出情報、チェックサムの値等の払出バックアップ情報を後述する払出制御部電源断時処理において払出制御内蔵RAMに記憶保持したか否かを示すフラグであり、払出制御部電源断時処理を正常に終了したとき値1、払出制御部電源断時処理を正常に終了していないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS528の判定において、払出制御MPUは、払出バックアップフラグHBK−FLGが値1であるとき、つまり払出制御部電源断時処理を正常に終了したと判定したときには、復電時として払出制御内蔵RAMの作業領域を設定する(ステップS530)。この設定では、払出バックアップフラグHBK−FLGに値0がセットされるほかに、払出制御MPUに内蔵されたROM(つまり、払出制御内蔵ROM)から復電時情報が読み出され、この復電時情報が払出制御内蔵RAMの作業領域にセットされる。これにより、払出制御内蔵RAMに記憶されている上述した払出バックアップ情報である、各種フラグ、各種情報記憶領域に記憶されている各種情報等(例えば、賞球情報記憶領域に記憶されている、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等や、CR通信情報記憶領域に記憶されている、PRDY信号の論理の状態が設定されているPRDY信号出力設定情報、時間管理情報記憶領域に記憶されている不整合カウンタリセット判定時間等)の払い出しに関する払出情報に基づいて各種処理に使用する情報が設定される。なお、「復電」とは、電源を遮断した状態から電源を投入した状態のほかに、停電又は瞬停からその後の電力の復旧した状態も含める。
一方、ステップS522の判定において、払出制御MPUは、払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGが値0でない(値1である)とき、つまり払出情報を消去すると判定したときには、又はステップS526の判定において、払出制御MPUは、チェックサムの値が一致していないと判定したときには、又はステップS528の判定において、払出制御MPUは、払出バックアップフラグHBK−FLGが値1でない(値0である)とき、つまり払出制御部電源断時処理を正常に終了していないと判定したときには、払出制御内蔵RAMの全領域をクリアする(ステップS532)。これにより、払出制御内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報がクリアされる。
ステップS532に続いて、払出制御MPUは、初期設定として払出制御内蔵RAMの作業領域を設定する(ステップS534)。この設定は、払出制御内蔵ROMから初期情報を読み出してこの初期情報を払出制御内蔵RAMの作業領域にセットする。
ステップS530又はステップS534に続いて、払出制御MPUは、割り込み初期設定を行う(ステップS536)。この設定は、後述する払出制御部タイマ割り込み処理が行われるときの割り込み周期を設定するものである。本実施形態では、2msに設定されている。
ステップS536に続いて、払出制御MPUは、割り込み許可設定を行う(ステップS538)。この設定によりステップS536で設定した割り込み周期、つまり2msごとに払出制御部タイマ割り込み処理が繰り返し行われる。
ステップS538に続いて、払出制御MPUは、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Aをセットする(ステップS539)。このウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに、値A、値Bそして値Cを順にセットすることによりウォッチドックタイマがクリア設定される。
ステップS539に続いて、払出制御MPUは、停電予告信号が入力されているか否かを判定する(ステップS540)。パチンコ機1の電源を遮断したり、停電又は瞬停したりするときには、上述したように、電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号が主制御基板1310の停電監視回路から入力される。ステップS540の判定は、この停電予告信号に基づいて行う。
ステップS540の判定において、払出制御MPUは、停電予告信号の入力がないと判定したときには、2ms経過フラグHT−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS542)。この2ms経過フラグHT−FLGは、後述する、2msごとに処理される払出制御部タイマ割り込み処理で2msを計時するフラグであり、2ms経過したとき値1、2ms経過していないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS542の判定において、払出制御MPUは、2ms経過フラグHT−FLGが値0であるとき、つまり2ms経過していないと判定したときには、ステップS540に戻り、払出制御MPUは、停電予告信号が入力されているか否かを判定する。
一方、ステップS542の判定において、払出制御MPUは、2ms経過フラグHT−FLGが値1であるとき、つまり2ms経過したと判定したときには、2ms経過フラグHT−FLGに値0をセットする(ステップS544)。
ステップS544に続いて、払出制御MPUは、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Bをセットする(ステップS546)。このとき、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLには、ステップS539においてセットされた値Aに続いて値Bがセットされる。
ステップS546に続いて、払出制御MPUは、ポート出力処理を行う(ステップS548)。このポート出力処理では、払出制御内蔵RAMの出力情報記憶領域から各種情報を読み出してこの各種情報に基づいて各種信号を払出制御MPUの各種出力ポートの出力端子から出力する。出力情報記憶領域には、例えば、主制御基板1310からの払い出しに関する各種コマンド(賞球コマンドやセルフチェックコマンド)を正常に受信した旨を伝える払主ACK情報、払出モータ584への駆動制御を行う駆動情報、払出モータ584が実際に遊技球を払い出した球数の賞球数情報、エラーLED表示器に表示するLED表示情報等の各種情報が記憶されており、この出力情報に基づいて払出制御MPUの所定の出力ポートの出力端子から、主制御基板1310からの払い出しに関する各種コマンドを正常に受信したときには払主ACK信号を主制御基板1310に出力したり、払出モータ584に駆動信号を出力したり、払出モータ584が実際に遊技球を払い出した球数を賞球数情報出力信号として外部端子板558に出力したり(本実施形態では、払出モータ584が実際に10個の遊技球を払い出すごとに外部端子板558に賞球数情報出力信号を出力している。
具体的には、賞球数情報を出力するか否かを判定するための賞球数情報出力判定用カウンタが設けられており、この賞球数情報出力判定用カウンタは、払出モータ584が実際に払い出した遊技球の球数を、後述するステップS550のポート入力処理で払出検知センサ591からの検出信号に基づいて、カウントするものであり、払出モータ584が実際に払い出した遊技球の球数を監視するための図示しない処理(プログラム)により払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域に記憶更新されるようになっている。
この払出モータ584が実際に払い出した遊技球の球数を監視するための図示しない処理(プログラム)では、払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域に記憶される賞球数情報出力判定用カウンタの値に、後述するステップS550のポート入力処理で払出検知センサ591からの検出信号に基づいて、払出モータ584が実際に払い出した遊技球の球数を加算して記憶更新する。
ステップS548のポート出力処理では、この賞球情報記憶領域から賞球数情報出力判定用カウンタの値を読み出し、この読み出した賞球数情報出力判定用カウンタの値が値10を超えているときには(つまり、払出モータ584が実際に払い出した遊技球の球数が10球に達しているときには)外部端子板558に賞球数情報出力信号を出力するとともに(このとき、その超えた球数を示す値を、賞球数情報出力判定用カウンタの値として上述した払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域に記憶更新する。)、エラーLED表示器に表示信号を出力する。
ステップS548に続いて、払出制御MPUは、ポート入力処理を行う(ステップS550)。このポート入力処理では、払出制御MPUの各種入力ポートの入力端子に入力されている各種信号を読み取り、入力情報として払出制御内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶する。例えば、RWMクリアボタン633zからの信号(例えば、RWMクリアボタン633zがエラー解除スイッチとして作動するときにはエラーLED表示器に表示されているエラーを解除した旨を伝えるためのエラー解除信号となる。)、羽根回転検知センサ590からの検出信号、払出検知センサ591からの検出信号、満タン検知センサ154からの検出信号、CRユニットからのBRQ信号、BRDY信号及びCR接続信号、後述するコマンド送信処理で送信した各種コマンドを主制御基板1310が正常に受信した旨を伝える主制御基板1310からの主払ACK信号等、をそれぞれ読み取り、入力情報として入力情報記憶領域に記憶する。
ステップS550に続いて、払出制御MPUは、タイマ更新処理を行う(ステップS552)。このタイマ更新処理では、払出モータ584の回転軸の回転が伝達される払出羽根589による球ガミ状態が生じているか否かの判定を行う際にその判定条件として設定されている球ガミ判定時間、払出羽根589の定位置判定を行わない際に設定されているスキップ判定時間、下皿202が貯留された遊技球で満タンであるか否かの判定を行う際にその判定条件として設定されている満タン判定時間、球切検知センサ574からの検出信号により球誘導ユニット570の誘導通路570a内に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上となっているか否かの判定を行う際にその判定条件として設定されている球切れ判定時間等の時間管理を行うほかに、払出羽根589の球収容部589bに受け止められて払い出された遊技球の球数と、実際に払出検知センサ591で検出された球数と、の不一致によるつじつまの合わない遊技球の払い出しを、繰り返し行っているか否かを監視するための不整合カウンタINCCをリセットするか否かの判定を行う際にその判定条件と設定されている不整合カウンタリセット判定時間の時間管理を行う。例えば、球ガミ判定時間が5005msに設定されているときには、タイマ割り込み周期が2msに設定されているので、このタイマ更新処理を行うごとに球ガミ判定時間を2msずつ減算し、その減算結果が値0になることで球ガミ判定時間を正確に計っている。なお、これらの各種判定時間は、時間管理情報として払出制御内蔵RAMの時間管理情報記憶領域に記憶される。
ステップS552に続いて、払出制御MPUは、CR通信処理を行う(ステップS554)。このCR通信処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、CRユニットからの各種信号(BRQ信号、BRDY信号及びCR接続信号)が入力されているか否かを判定する。CRユニットからの各種信号に基づいて、払出制御MPUは、CRユニットと各種信号のやり取りを行う。ステップS530の払出制御内蔵RAMの作業領域を設定する処理において、上述したように、払出制御内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報である、各種フラグ、各種情報記憶領域に記憶されている各種情報等(例えば、賞球情報記憶領域に記憶されている、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等や、CR通信情報記憶領域に記憶されている、PRDY信号の論理の状態が設定されているPRDY信号出力設定情報等)の払い出しに関する払出情報に基づいて各種処理に使用する情報が設定される。
この処理によって、例えば、瞬停又は停電しても、復電時における、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等の値を、払出バックアップ情報として記憶した、瞬停又は停電する直前における、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等の値に復元することができる。これにより、払出装置580による遊技球の払出動作を実行している際に、瞬停又は停電して払出動作を続行することができなくなっても、復電時に、その払出動作を続行することができるため、過不足なく遊技球を上皿201や下皿202に払い出すことができる。換言すれば、払出制御MPUは、CR通信処理において、CRユニットと各種信号のやり取りを行いながら、遊技球を上皿201や下皿202に払い出している際に、瞬停又は停電してCRユニットと各種信号のやり取りが遮断され、遊技球の払い出しを続行することができなくなっても、復電時における、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等の値が、払出バックアップ情報として記憶された、瞬停又は停電する直前における、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等の値に復元されることによって、瞬停又は停電する直前における、パチンコ機1(払出制御MPU)とCRユニットとによる各種信号のやり取りを、復電時から継続することができるとともに、遊技球の払い出しを引き続き行うことができるようになっている。
このように、パチンコ機1(払出制御MPU)とCRユニットとによる各種信号のやり取りは、瞬停又は停止しても、復電時に、瞬停又は停止する直前の状態に復元されるようになっており、瞬停又は停止による影響によってパチンコ機1(払出制御MPU)とCRユニットとによる各種信号が変化しないようになっている。したがって、パチンコ機1(払出制御MPU)とCRユニットとによる各種信号のやり取りの信頼性を高めることができる。
また、CR通信情報記憶領域に記憶される各種情報は、払出バックアップ情報に含まれている。CR通信処理では、復電時に、ステップS530の払出制御内蔵RAMの作業領域を設定する処理において設定された、払出制御内蔵RAMに記憶されているCR通信情報記憶領域からPRDY信号出力設定情報を読み出してこの読み出したPRDY信号出力設定情報が、例えば貸球を払い出すための払出動作が不可能である旨を伝えるPRDY信号の論理の状態に設定されている場合には、そのPRDY信号を払出制御MPUの所定の出力ポートの出力端子からCRユニットへ出力する。そして、主要動作設定処理の一処理として行われる、例えばリトライ動作監視処理において、払出バックアップ情報に含まれている、払出制御内蔵RAMに記憶されている賞球情報記憶領域の不整合カウンタINCCの値に基づいて、この不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTHより小さいか否かを判定し、不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTHより小さくないときには、リトライ動作が異常動作していると判断して、つまり払出装置580による遊技球の払出動作が異常状態であると判断して、リトライエラーフラグRTERR−FLGに値1をセットし、払出球ガミ動作判定設定処理において、CRユニットへのエラー状態の出力の設定として、例えばCRユニットと通信中でないときには貸球を払い出すための払出動作が不可能である旨を伝えるPRDY信号の論理の状態(LOW)をPRDY信号出力設定情報に設定してCR通信情報記憶領域に記憶する。
これにより、CR通信処理では、復電時から次のタイマ割り込みで、このPRDY信号の論理の状態を、CR通信情報記憶領域から読み出してそのPRDY信号を払出制御MPUの所定の出力ポートの出力端子からCRユニットへ出力する。このように、例えば、瞬停する直前において、払出装置580による遊技球の払出動作が異常状態であった場合には、復電時に、その状態が復元されるため、復電してから極めて早い段階で、貸球を払い出すための払出動作が不可能である旨を伝えるPRDY信号を払出制御MPUの所定の出力ポートの出力端子からCRユニットへ出力することができ、CRユニットに払出装置580による遊技球の払出動作が異常状態である旨を伝えることができる。これにより、復電時から極めて早い段階で、CRユニットからの無駄な貸球要求信号であるBRDYが出力されるのを防止することができる。
また、CR通信処理では、ステップS550のポート入力処理で、払出制御内蔵RAMの入力情報記憶領域からCR接続信号を読み出してこのCR接続信号に基づいて、その論理がHIであるとき、つまりパチンコ機1が電源投入されているときであって、払出制御基板633とCRユニットとが電気的に接続されているときには、貸球を払い出すための払出動作が可能である旨を伝えるために、PRDY信号の論理の状態をHIとして払出制御MPUの所定の出力ポートの出力端子からCRユニットへ出力する一方、その論理がLOWであるとき、つまりパチンコ機1が電源投入されているときであって、払出制御基板633とCRユニットとが電気的に接続されていないときには、貸球を払い出すための払出動作が不可能である旨を伝えるために、PRDY信号の論理の状態をLOWとして払出制御MPUの所定の出力ポートの出力端子からCRユニットへ出力する。なお、1回の払出動作を開始した旨又は終了した旨を伝えるEXS信号の論理の状態は、EXS信号出力設定情報として払出制御内蔵RAMのCR通信情報記憶領域に記憶され、払出制御基板633とCRユニットとが電気的に接続されているか否かを伝えるCR接続信号は、CR接続情報として状態情報記憶領域に記憶されるようになっている。
ステップS554に続いて、払出制御MPUは、満タン及び球切れチェック処理を行う(ステップS556)。この満タン及び球切れチェック処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、満タン検知センサ154からの検出信号により上述した下皿202が貯留された遊技球で満タンとなっているか否かを判定したり、球切検知センサ574からの検出信号により上述した球誘導ユニット570の誘導通路570a内に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上となっているか否かを判定したりする。例えば、下皿202が貯留された遊技球で満タンとなっているか否かの判定は、タイマ割り込み周期2msを利用して、今回の満タン及び球切れチェック処理で満タン検知センサ154からの検出信号がON、前回(2ms前)の満タン及び球切れチェック処理で満タン検知センサ154からの検出信号がOFFとなったとき、つまり満タン検知センサ154からの検出信号がOFFからONに遷移したときには、ステップS552のタイマ更新処理で上述した満タン判定時間の計時を開始する。そしてタイマ更新処理で満タン判定時間が値0となったとき、つまり満タン判定時間となったときには、この満タン及び球切れチェック処理で満タン検知センサ154からの検出信号がONであるか否かを判定する。この判定では、満タン検知センサ154からの検出信号がONであるときには、下皿202が貯留された遊技球で満タンであるとしてその旨を伝える満タン情報を上述した状態情報記憶領域に記憶する。一方、満タン検知センサ154からの検出信号がOFFであるときには、下皿202が貯留された遊技球で満タンでないとしてその旨を伝える満タン情報を状態情報記憶領域域に記憶する。
球誘導ユニット570の誘導通路570a内に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上となっているか否かの判定も、タイマ割り込み周期2msを利用して、今回の満タン及び球切れチェック処理で球切れスイッチからの検出信号がON、前回(2ms前)の満タン及び球切れチェック処理で球切れスイッチからの検出信号がOFFとなったとき、つまり球切検知センサ574からの検出信号がOFFからONに遷移したときには、ステップS552のタイマ更新処理で上述した球切れ判定時間の計時を開始する。そしてタイマ更新処理で球切れ判定時間が値0となったとき、つまり球切れ判定時間となったときには、この満タン及び球切れチェック処理で球切検知センサ574からの検出信号がONであるか否かを判定する。この判定では、球切検知センサ574からの検出信号がONであるときには、球誘導ユニット570の誘導通路570a内に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上であるとしてその旨を伝える球切れ情報を状態情報記憶領域に記憶する一方、球切検知センサ574からの検出信号がOFFであるときには、球誘導ユニット570の誘導通路570a内に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上でないとしてその旨を伝える球切れ情報を状態情報記憶領域に記憶する。
ステップS556に続いて、払出制御MPUは、コマンド受信処理を行う(ステップS558)。このコマンド受信処理では、主制御基板1310からの払い出しに関する各種コマンド(賞球コマンドやセルフチェックコマンド)を受信する。この各種コマンドを正常に受信したときには、その旨を伝える払主ACK情報を上述した出力情報記憶領域に記憶する。一方、各種コマンドを正常に受信できなかったときには、主制御基板1310と払出制御基板633との基板間の接続に異常が生じている(各種コマンド信号に異常が生じている)旨を伝える接続異常情報を上述した状態情報記憶領域に記憶する。
ステップS558に続いて、払出制御MPUは、コマンド解析処理を行う(ステップS560)。このコマンド解析処理では、ステップS558で受信したコマンドの解析を行い、その解析したコマンドを受信コマンド情報として払出制御内蔵RAMの受信コマンド情報記憶領域に記憶する。
ステップS560に続いて、払出制御MPUは、主要動作設定処理を行う(ステップS562)。この主要動作設定処理では、賞球、貸球、球抜き及び球ガミ等の動作設定を行ったり、リトライ動作の判定を行ったり、未払い出しの球数(賞球ストック数)を監視したりする。
ステップS562に続いて、払出制御MPUは、LED表示データ作成処理を行う(ステップS564)。このLED表示データ作成処理では、上述した状態情報記憶領域から各種情報を読み出し、払出制御基板633のエラーLED表示器に表示する表示データを作成してLED表示情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。例えば、状態情報記憶領域から上述した球切れ情報を読み出し、この球切れ情報に基づいて、球誘導ユニット570の誘導通路570a内に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上でないときには、対応する表示データ(本実施形態では、表示値1(数字「1」))を作成してLED表示情報を出力情報記憶領域に記憶する。
ステップS564に続いて、払出制御MPUは、コマンド送信処理を行う(ステップS566)。このコマンド送信処理では、上述した状態情報記憶領域から各種情報を読み出し、この各種情報に基づいて状態表示に区分される各種コマンド(枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド及び枠状態2コマンド)を作成して主制御基板1310に送信する。例えば、状態情報記憶領域から球切れ情報を読み出すと、この球切れ情報に基づいて、球誘導ユニット570の誘導通路570a内に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上でないときには、枠状態1コマンドを作成して主制御基板1310に送信したりする。
ステップS566に続いて、払出制御MPUは、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Cをセットする(ステップS568)。ステップS568でウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Cがセットされることにより、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLには、ステップS546においてセットされた値Bに続いて値Cがセットされる。これにより、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLには、値A、値Bそして値Cが順にセットされ、ウォッチドックタイマがクリア設定される。
ステップS568に続いて、再びステップS539に戻り、払出制御MPUは、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Aをセットし、ステップS540で停電予告信号が入力されているか否かを判定し、この停電予告信号の入力がなければ、ステップS542で2ms経過フラグHT−FLGが値1であるか否かを判定し、この2ms経過フラグHT−FLGが値1であるとき、つまり2ms経過したときには、ステップS544で2ms経過フラグHT−FLGに値0をセットし、ステップS546でウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Bをセットし、ステップS548でポート出力処理を行い、ステップS550でポート入力処理を行い、ステップS552でタイマ更新処理を行い、ステップS554でCR通信処理を行い、ステップS556で満タン及び球切れチェック処理を行い、ステップS558でコマンド受信処理を行い、ステップS560でコマンド解析処理を行い、ステップS562で主要動作設定処理を行い、ステップS564でLED表示データ作成処理を行い、ステップS566でコマンド送信処理を行い、ステップS568でウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Cをセットし、ステップS539〜ステップS568を繰り返し行う。なお、このステップS539〜ステップS568の処理を「払出制御部メイン処理」という。
主制御基板1310による遊技の進行に応じて払出制御部メイン処理の処理内容が異なってくる。このため、払出制御MPUの処理に要する時間が変動することとなる。そこで、払出制御MPUは、ステップS548のポート出力処理において、主制御基板1310からの払い出しに関する各種コマンドを正常に受信した旨を伝える払主ACK信号を、優先して主制御基板1310に出力している。これにより、払出制御MPUは、変動する他の処理を十分に行えるよう、その処理時間を確保している。
一方、ステップS540の判定において、払出制御MPUは、停電予告信号の入力があったと判定したときには、割り込み禁止設定を行う(ステップS570)。この設定により後述する払出制御部タイマ割り込み処理が行われなくなり、払出制御内蔵RAMへの書き込みを防ぎ、上述した払出情報の書き換えを保護している。
ステップS570に続いて、払出制御MPUは、払出モータ584への駆動信号の出力を停止する(ステップS574)。これにより、遊技球の払い出しを停止する。
ステップS574に続いて、払出制御MPUは、ウォッチドックタイマのクリア設定を行う(ステップS576)。このクリア設定は、上述したように、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値A、値Bそして値Cを順にセットすることにより行われる。
ステップS576に続いて、払出制御MPUは、チェックサムの算出を行ってこの算出した値を記憶する(ステップS578)。このチェックサムは、ステップS524で算出したチェックサムの値及び払出バックアップフラグHBK−FLGの値の記憶領域を除く、払出制御内蔵RAMの作業領域の払出情報を数値とみなしてその合計を算出する。
ステップS578に続いて、払出制御MPUは、払出バックアップフラグHBK−FLGに値1をセットする(ステップS580)。これにより、払出バックアップ情報の記憶が完了する。
ステップS580に続いて、払出制御MPUは、払出制御内蔵RAMへのアクセスの禁止設定を行う(ステップS582)。この設定により払出制御内蔵RAMへのアクセスが禁止され書き込み及び読み出しができなくなり、払出制御内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報が保護される。
ステップS582に続いて、払出制御MPUは、無限ループに入る。この無限ループでは、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値A、値Bそして値Cを順にセットしないためウォッチドックタイマがクリア設定されなくなる。このため、払出制御MPUにリセットがかかり、その後、この払出制御部電源投入時処理を再び行う。なお、ステップS570〜ステップS582の処理及び無限ループを「払出制御部電源断時処理」という。
パチンコ機1(払出制御MPU)は、停電したとき又は瞬停したときにはリセットがかかり、その後の電力の復旧により払出制御部電源投入時処理を行う。
なお、ステップS526では払出制御内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報が正常なものであるか否かを検査し、続いてステップS528では払出制御部電源断時処理が正常に終了されたか否かを検査している。このように、払出制御内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報を2重にチェックすることにより払出バックアップ情報が不正行為により記憶されたものであるか否かを検査している。
[11−2.払出制御部タイマ割り込み処理]
次に、払出制御部タイマ割り込み処理について説明する。この払出制御部タイマ割り込み処理は、図148〜図150に示した払出制御部電源投入時処理において設定された割り込み周期(本実施形態では、2ms)ごとに繰り返し行われる。
払出制御部タイマ割り込み処理が開始されると、払出制御MPUは、図151に示すように、タイマ割り込みを禁止に設定してレジスタの切替(退避)を行う(ステップS590)。ここでは、上述した払出制御部メイン処理で使用していた汎用記憶素子(汎用レジスタ)から補助レジスタに切り替える。この補助レジスタを払出制御部タイマ割り込み処理で使用することにより汎用レジスタの値が上書きされなくなる。これにより、払出制御部メイン処理で使用していた汎用レジスタの内容の破壊を防いでいる。
ステップS590に続いて、払出制御MPUは、2ms経過フラグHT−FLGに値1をセットする(ステップS592)。この2ms経過フラグHT−FLGは、この払出制御部タイマ割り込み処理が行われるごとに、つまり2msごとに2msを計時するフラグであり、2ms経過したとき値1、2ms経過していないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS592に続いて、払出制御MPUは、レジスタの切替(復帰)を行う(ステップS594)。この復帰は、払出制御部タイマ割り込み処理で使用していた補助レジスタから汎用記憶素子(汎用レジスタ)に切り替える。この汎用レジスタを払出制御部メイン処理で使用することにより補助レジスタの値が上書きされなくなる。これにより、払出制御部タイマ割り込み処理で使用していた補助レジスタの内容の破壊を防いでいる。
ステップS594に続いて、払出制御MPUは、割り込み許可の設定を行い(ステップS596)、このルーチンを終了する。
[12.周辺制御基板の各種制御処理]
次に、図137に示した、主制御基板1310(主制御MPU)から各種コマンドを受信する周辺制御基板1510の各種処理について、図152〜図156を参照して説明する。図152は周辺制御部電源投入時処理の一例を示すフローチャートであり、図153は周辺制御部Vブランク割り込み処理の一例を示すフローチャートであり、図154は周辺制御部1msタイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートであり、図155は周辺制御部コマンド受信割り込み処理の一例を示すフローチャートであり、図156は周辺制御部停電予告信号割り込み処理の一例を示すフローチャートである。まず、周辺制御部電源投入時処理について説明し、続いて周辺制御部Vブランク割り込み処理、周辺制御部1msタイマ割り込み処理、周辺制御部コマンド受信割り込み処理、周辺制御部停電予告信号割り込み処理について説明する。なお、本実施形態では、割り込み処理の優先順位として、周辺制御部停電予告信号割り込み処理が最も高く設定され、続いて周辺制御部1msタイマ割り込み処理、周辺制御部コマンド受信割り込み処理、そして周辺制御部Vブランク割り込み処理という順番に設定されている。
周辺制御基板1510の周辺制御ICは、上述したように、CPU、RAM、VDP、VRAM、音源、SATAコントローラ、そして各種I/Oインターフェイス等が1つの半導体チップ上に集積されている。
[12−1.周辺制御部電源投入時処理]
まず、周辺制御部電源投入時処理について、図152を参照して説明する。パチンコ機1に電源が投入されると、周辺制御基板1510の周辺制御ICのCPUによる制御の下、図152に示すように、周辺制御部電源投入時処理を行う。この周辺制御部電源投入時処理が開始されると、周辺制御ICのCPUは、初期設定処理を行う(ステップS1000)。この初期設定処理では、周辺制御IC自身を初期化する処理と、ホットスタート/コールドスタートの判定処理と、リセット後のウェイトタイマを設定する処理、各種の制御情報(周辺データ)を転送する処理等を行う。周辺制御ICのCPUは、まず周辺制御IC自身を初期化する処理を行うが、周辺制御ICを初期化する処理にかかる時間は、マイクロ秒(μs)オーダーであり、極めて短い時間で周辺制御ICを初期化することができる。これにより、周辺制御ICのCPUは、割り込み許可が設定された状態となることによって、例えば、後述する周辺制御部コマンド受信割り込み処理において、主制御基板1310から出力される、遊技演出の制御に関するコマンドやパチンコ機1の状態に関するコマンド等の各種コマンドを受信することができる状態となる。
ステップS1000に続いて、周辺制御ICのCPUは、現在時刻情報取得処理を行う(ステップS1002)。この現在時刻情報取得処理では、図示しないリアルタイムクロックICの内蔵RAMから、年月日を特定するカレンダー情報と時分秒を特定する時刻情報とを取得して、周辺制御ICのRAMに、現在のカレンダー情報、現在の時刻情報をセットする。
本実施形態では、周辺制御ICのCPUがリアルタイムクロックICの内蔵RAMからカレンダー情報と時刻情報とを取得するのは、電源投入時の1回のみとなっている。また周辺制御ICのCPUは、この現在時刻情報取得処理を行った後に、図示しない外部WDTにクリア信号を出力して周辺制御ICのCPUにリセットがかからないようにしている。
ステップS1002に続いて、周辺制御ICのCPUは、Vブランク信号検出フラグVB−FLGに値0をセットする(ステップS1004)。このVブランク信号検出フラグVB−FLGは、後述する周辺制御部定常処理を実行するか否かを決定するためのフラグであり、周辺制御部定常処理を実行するとき値1、周辺制御部定常処理を実行しないとき値0にそれぞれ設定される。Vブランク信号検出フラグVB−FLGは、周辺制御ICのCPUからの画面データ(画面の構成を規定する情報)を受け入れることができる状態である旨を伝えるVブランク信号が周辺制御ICのVDPから入力されたことを契機として実行される後述する周辺制御部Vブランク信号割り込み処理において値1がセットされるようになっている。このステップS1004では、Vブランク信号検出フラグVB−FLGに値0をセットすることによりVブランク信号検出フラグVB−FLGを一度初期化している。また周辺制御ICのCPUは、このVブランク信号検出フラグVB−FLGに値0をセットした後に、外部WDTにクリア信号を出力して周辺制御ICのCPUにリセットがかからないようにしている。
ステップS1004に続いて、周辺制御ICのCPUは、Vブランク信号検出フラグVB−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS1006)。周辺制御ICのCPUは、Vブランク信号検出フラグVB−FLGが値1でない(値0である)と判定したときには、再びステップS1006に戻ってVブランク信号検出フラグVB−FLGが値1であるか否かを繰り返し判定する。このような判定を繰り返すことにより、周辺制御部定常処理を実行するまで待機する状態となる。また周辺制御ICのCPUは、このVブランク信号検出フラグVB−FLGが値1であるか否かを判定した後に、外部WDTにクリア信号を出力して周辺制御ICのCPUにリセットがかからないようにしている。
ステップS1006の判定において、周辺制御ICのCPUは、Vブランク信号検出フラグVB−FLGが値1であるとき、つまり周辺制御部定常処理を実行すると判定したときには、まず定常処理中フラグSP−FLGに値1をセットする(ステップS1008)。この定常処理中フラグSP−FLGは、周辺制御部定常処理を実行中であるとき値1、周辺制御部定常処理を実行完了したとき値0にそれぞれセットされる。
ステップS1008に続いて、周辺制御ICのCPUは、1ms割り込みタイマ起動処理を行う(ステップS1010)。この1ms割り込みタイマ起動処理では、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理を実行するための1ms割り込みタイマを起動するとともに、この1ms割り込みタイマが起動して周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行された回数をカウントするための1msタイマ割り込み実行回数STNに値1をセットして1msタイマ割り込み実行回数STNの初期化も行う。この1msタイマ割り込み実行回数STNは周辺制御部1msタイマ割り込み処理で更新される。
ステップS1010に続いて、周辺制御ICのCPUは、演出操作ユニット監視処理を行う(ステップS1014)。この演出操作ユニット監視処理では、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理における演出操作ユニット情報取得処理において、演出操作ユニット300に設けられた第一回転検知センサ347、第二回転検知センサ348、押圧検知センサ381、昇降検知センサ382等の各種検知センサ(以下、「演出操作ユニット300に設けられた各種センサ」と記載する。)からの検出信号に基づいて回転操作部302の回転(回転方向)及び押圧操作部303の操作等を取得した各種情報(例えば、演出操作ユニット300に設けられた各種センサからの検出信号に基づいて作成する回転操作部302の回転(回転方向)履歴情報、及び押圧操作部303の操作履歴情報など。)がセットされる周辺制御ICのRAMに基づいて、回転操作部302の回転方向や押圧操作部303の操作有無を監視し、回転操作部302の回転方向や押圧操作部303の操作の状態を遊技演出に反映するか否かを適宜決定する。具体的には、演出操作ユニット情報取得処理で音量が調節されていれば調節後の音量に応じて音生成用スケジュールデータを書き換え、輝度が調節されていれば調節後の輝度に応じて発光態様生成用スケジュールデータを書き換る。これにより、音量や輝度の調節がリアルタイムに反映されて調節後の音量や輝度で演出が進行するようになる。
なお、周辺制御ICのCPUは、演出操作ユニット監視処理の一処理としてランプパレット設定処理も行う。ランプパレット設定処理では、輝度指定値、通常パレット値、及び特殊パレット値から構成されるランプパレット設定テーブルに基づいて、直接光として用いられるLEDの輝度と、間接光として用いられるLEDの輝度と、をそれぞれ設定する。演出の進行中において、ランプパレット設定処理を実行して、遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)が演出操作部301(回転操作部302、押圧操作部303)を操作して、第1輝度指定値から最大輝度となる第31輝度指定値までに亘る一の輝度指定値を設定した場合には、その設定した輝度指定値となるように、周辺制御ICのRAMにセットした上述した階調情報を更新することができるようになっている。
ここで、ランプパレット設定テーブルを構成する輝度指定値、通常パレット値、及び特殊パレット値について簡単に説明する。輝度指定値は、最小輝度(消灯)となる第0(ゼロ)輝度指定値から最大輝度となる第31輝度指定値までに亘る32段階の範囲のうち、一の輝度指定値を設定することができる値であり、第0(ゼロ)輝度指定値〜第31輝度指定値と対応して後述する通常パレット値、及び特殊パレット値がそれぞれ予め設定されている。遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)は、操作可能な演出操作部301(回転操作部302、押圧操作部303)を操作して、第1輝度指定値から最大輝度となる第31輝度指定値までに亘る一の輝度指定値を設定することができる。
例えば、遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)は、回転操作部302を時計回りに回転操作する場合であって現状の輝度が仮に最小輝度(消灯)となる第0(ゼロ)輝度指定値の次に輝度が高い段階となる第1輝度指定値に設定されているときには、第1輝度指定値から最大輝度である第31輝度指定値へ向かって予め定めた数式(例えば、直線的なトーンカーブ、又はスプライン曲線的なトーンカーブ)に沿って、間接光として用いられるLEDの輝度と、直接光として用いられるLEDの輝度と、を高くするように変化する一方、回転操作部302を反時計回りに回転操作する場合であって現状の輝度が最大輝度に設定されているときには、最大輝度である第31輝度指定値から第1輝度指定値へ向かって予め定めた数式(例えば、直線的なトーンカーブ、又はスプライン曲線的なトーンカーブ)に沿って、間接光として用いられるLEDの輝度と、直接光として用いられるLEDの輝度と、を低くするように変化する。遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)が回転操作部302を回転操作して所望の輝度を選択して押圧操作部303を押圧操作すると、選択した所望の輝度が確定する。なお、本実施形態では、演出の進行中において、遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)が輝度を設定できる場合が予め用意されており、このときに、遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)が回転操作部302、及び押圧操作部303の操作により所望の輝度に設定することができるようになっている。また、演出の進行中における演出表示装置1600の表示領域の所定位置には、遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)が回転操作部302を操作すると、第1輝度指定値〜第31輝度指定値までの位置を示す棒状のインジケータが表示されることで、遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)の所望の輝度がどの程度のものであるかを画像として視覚的に示すことができるようになっている。また、本実施形態では、初期値(デフォルト)として第14輝度指定値が設定されるようになっている。
通常パレット値は、直接光として照射される遊技盤側に設けられる各種装飾基板や扉枠側に設けられる各種装飾基板に実装される各種LEDの輝度が上述した階調情報として設定されるものである。通常パレット値は、最小値である最小パレット値(20%)から最大値である最大パレット値(100%)へ向かって5%刻みで17段階のうち、一の段階が選択され、上述した輝度指定値である第0(ゼロ)輝度指定値〜第31輝度指定値までに亘る32段階の範囲のうち、一の輝度指定と対応するパレット値が予め定めた数式(例えば、直線的なトーンカーブ、又はスプライン曲線的なトーンカーブ)に沿ってそれぞれ設定されている。
最小パレット値(20%)は、上述した輝度指定値である第0(ゼロ)輝度指定値〜第31輝度指定値までに亘る32段階の範囲のうち、一の輝度指定と対応する最大パレット値(100%)に対して20%の値であり、他のパレット値も同様に、括弧書きに記載される値(%)が、上述した輝度指定値である第0(ゼロ)輝度指定値〜第31輝度指定値までに亘る32段階の範囲のうち、一の輝度指定と対応する最大パレット値(100%)に対しての値となる。
本実施形態では、通常パレット値は、直接光として照射される遊技盤側に設けられる各種装飾基板や扉枠側に設けられる各種装飾基板に対して、最大パレット値(100%)が予め選択され上述した階調情報として設定されていると共に、直接光として照射される遊技盤側に設けられる各種装飾基板のうち、図示しない特定の装飾基板(遊技者に眩しく感じられるLED)に対して、パレット値(50%)が予め選択され上述した階調情報として設定されている。
特殊パレット値は、間接光として照射される導光板に利用される各種装飾基板に実装される各種LEDの輝度が上述した階調情報として設定されるものである。特殊パレット値は、通常パレット値と異なり、1段階のみ存在し、上述した輝度指定値である第0(ゼロ)輝度指定値〜第31輝度指定値までに亘る32段階の範囲のうち、一の輝度指定と対応するパレット値が予め定めた数式(例えば、直線的なトーンカーブ、又はスプライン曲線的なトーンカーブ)に沿って上述した階調情報として設定されている。
間接光として用いられるLEDの輝度は、上述したように、直接光として用いられるLEDの輝度と同一のものとすると、導光板による間接光が直接光と比べて暗くなる。そこで、本実施形態では、間接光として用いられるLEDの輝度は、直接光として用いられるLEDの輝度に対して設定される通常パレット値を用いず、特殊パレット値を用いて設定されるようになっており、最小輝度(消灯)となる第0(ゼロ)輝度指定値の次に輝度が高い段階となる第1輝度指定値を、導光板が間接光により発光している状態を視認することができる最低の輝度として、通常パレット値が最大パレット値(100%)に設定された場合における第18輝度指定値とほぼ等しい値に設定され、第1輝度指定値から第31輝度指定値までの範囲のうち、一の輝度指定値と対応するパレット値が予め定めた数式(例えば、直線的なトーンカーブ、又はスプライン曲線的なトーンカーブ)に沿って設定されるようになっている。
このように、ランプパレット設定処理では、輝度指定値、通常パレット値、及び特殊パレット値から構成されるランプパレット設定テーブルに基づいて、直接光として用いられるLEDの輝度と、間接光として用いられるLEDの輝度と、をそれぞれ設定する際に、直接光として用いられるLEDの輝度に対して、遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)が回転操作部302、及び押圧操作部303の操作による輝度指定値と対応する通常パレット値に沿って設定される一方、間接光として用いられるLEDの輝度に対して、遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)が回転操作部302、及び押圧操作部303の操作による輝度指定値と対応する特殊パレット値に沿って設定されるようになっている。これにより、直接光として用いられるLEDの輝度が眩しいと感じて、その輝度を小さくするために、遊技者が回転操作部302、及び押圧操作部303を操作して設定する場合において、直接光として用いられるLEDの輝度を最も小さい輝度(つまり、最小輝度(消灯)となる第0(ゼロ)輝度指定値の次に輝度が高い段階となる第1輝度指定値)に設定し、これに連動して、間接光として用いられるLEDの輝度も最も小さい輝度(つまり、最小輝度(消灯)となる第0(ゼロ)輝度指定値の次に輝度が高い段階となる第1輝度指定値)に設定したとしても、間接光として用いられるLEDの輝度は、通常パレット値が最大パレット値(100%)に設定された場合における第18輝度指定値とほぼ等しい値に設定されるようになっているため、導光板が間接光により発光している状態を視認することができる最低の輝度が設定される。
また、発光態様を設計するプログラマーは、直接光として用いられるLEDに対して、遊技盤側に設けられる各種装飾基板や扉枠側に設けられる各種装飾基板に実装される各種LEDの輝度を個別に設定しなくても、演出の流れに伴う発光態様を設定して、遊技盤側に設けられる各種装飾基板や扉枠側に設けられる各種装飾基板に実装される各種LEDの発光態様による演出の流れを見てから、眩しすぎる(又は、少し暗い輝度の方が演出効果をより発揮できる)特定の装飾基板に対して通常パレット値を小さいパレット値(例えば、50%)に設定するとともに、他の装飾基板に対して通常パレット値を最大パレット値(100%)に設定することで、全体の発光態様のバランスを極めて簡単に変更することができる。つまり、遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)は、操作可能な演出操作部301(回転操作部302、押圧操作部303)を操作して第1輝度指定値から最大輝度となる第31輝度指定値までに亘る一の輝度指定値を設定したとしても、特定の装飾基板に対しては一の輝度指定値と対応する小さいパレット値(例えば、50%)が設定されるのに対して、他の装飾基板に対しては一の輝度指定値と対応する最大パレット値(100%)がそれぞれ設定されるようになっているため、相互に設定された発光態様の関係(明るい、又は暗いという関係)を崩すことなく、極めて簡単に輝度調整を行うことができる。
更に、導光板による間接光は、直接光と比べて輝度の調整が難しいものの、間接光として用いられるLEDに対しては、通常パレット値と異なる(つまり、通常パレット値と独立した)特殊パレット値により輝度を設定することができるようになっている。これにより、間接光として用いられるLEDの輝度は特殊パレット値により管理されるとともに、直接光として用いられるLEDの輝度は通常パレット値により管理されるようになっているため、間接光として用いられるLEDの輝度と、直接光として用いられるLEDの輝度と、を容易にそれぞれ調整することができる。
ステップS1014に続いて、周辺制御ICのCPUは、表示データ出力処理を行う(ステップS1016)。この表示データ出力処理では、後述する表示データ作成処理において、周辺制御ICのVDPが周辺制御ICのCPUからの指示に基づいてSDRAMから画像データを読み出して周辺制御ICのVRAM上に生成した1画面分(1フレーム分)の描画データを液晶出力基板1530に出力する。これにより、演出表示装置1600にさまざまな画面(画像)が描画(表示)される。なお、表示データ出力処理では、周辺制御ICのVDPの描画能力を超える描画を行った場合には、生成した1画面分(1フレーム分)の描画データを出力することをキャンセルするようになっている。これにより、処理時間の遅れを防止することができるが、いわゆるコマ落ちが発生することとなるものの、後述する音データ出力処理による、振動スピーカ354、トップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464、本体枠スピーカ622等の各種スピーカ(以下、「各種スピーカ」と記載する。)から各種演出に合わせた音楽や効果音等の演出音による演出を優先することができる仕組みとなっている。
ステップS1016に続いて、周辺制御ICのCPUは、音データ出力処理を行う(ステップS1018)。この音データ出力処理では、後述する音データ作成処理において、周辺制御ICの音源が周辺制御ICのCPUからの指示に基づいてSDRAMから音データを読み出し、設定される出力チャンネルから各種スピーカに出力する。これにより、各種スピーカから各種演出に合せた音楽及び効果音等のサウンドが流れる。
ステップS1018に続いて、周辺制御ICのCPUは、スケジューラ更新処理を行う(ステップS1020)。このスケジューラ更新処理では、周辺制御ICのRAMにセットされた各種スケジュールデータを更新する。例えば、スケジューラ更新処理では、画面生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された画面データのうち、先頭の画面データから何番目の画面データを周辺制御ICのVDPに出力するのかを指示するために、ポインタを更新する。
またスケジューラ更新処理では、発光態様生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された発光データのうち、先頭の発光データから何番目の発光データを出力対象とするのかを指示するために、ポインタを更新する。
またスケジューラ更新処理では、音生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された、音楽や効果音等の演出音の音データ、報知音や告知音の音データを指示する音指令データのうち、先頭の音指令データから何番目の音指令データを周辺制御ICの音源に出力するのかを指示するために、ポインタを更新する。
またスケジューラ更新処理では、電気的駆動源スケジュールデータを構成する時系列に配列されたモータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データのうち、先頭の駆動データから何番目の駆動データを出力対象とするのかを指示するために、ポインタを更新する。電気的駆動源スケジュールデータを構成する時系列に配列されたモータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データは、後述する、1msタイマ割り込みが発生するごとに繰り返し実行される周辺制御部1msタイマ割り込み処理におけるモータ及びソレノイド駆動処理で更新される。この1msタイマ割り込みが発生するごとに繰り返し実行されるモータ及びソレノイド駆動処理では、ポインタが指示する駆動データに従ってモータやソレノイド等の電気的駆動源を駆動するとともに、時系列に規定された次の駆動データにポインタを更新し、自身の処理を実行するごとに、ポインタを更新する。つまり、モータ及びソレノイド駆動処理において更新したポインタの指示する駆動データは、スケジューラ更新処理において強制的に更新される仕組みとなっているため、仮に、モータ及びソレノイド駆動処理においてポインタが何らかの原因で本来指示するはずの駆動データから他の駆動データを指示することとなっても、スケジューラ更新処理において本来指示するはずの駆動データに指示するように強制的に更新されるようになっている。
ステップS1020に続いて、周辺制御ICのCPUは、受信コマンド解析処理を行う(ステップS1022)。この受信コマンド解析処理では、主制御基板1310から送信された各種コマンドを、後述する周辺制御部コマンド受信割り込み処理において受信してその受信した各種コマンドの解析を行うとともに、演出の各種設定に用いられる乱数(例えば保留先読み関連の演出に用いられる乱数)の更新を行う。主制御基板1310からの各種コマンドは、周辺制御部コマンド受信割り込み処理で受信されて周辺制御ICのRAMに記憶されるようになっており、この受信コマンド解析処理では、周辺制御ICのRAMに記憶された各種コマンドの解析を行う。周辺制御ICのCPUは、解析した各種コマンドに基づいて、画面生成用スケジュールデータ、発光態様生成用スケジュールデータ、音生成用スケジュールデータ、及び電気的駆動源スケジュールデータ等を、周辺制御ROMから読み出して(抽出して)周辺制御ICのRAMにセットする。
なお、周辺制御ICのCPUは、受信コマンド解析処理の一処理としてランプパレット設定処理も行う。ランプパレット設定処理では、上述した輝度指定値、通常パレット値、及び特殊パレット値から構成されるランプパレット設定テーブルに基づいて、直接光として用いられるLEDの輝度と、間接光として用いられるLEDの輝度と、をそれぞれ設定する。周辺制御ICは、主制御基板1310からの各種コマンドを解析し、この解析した各種コマンドに基づいて、発光態様生成用スケジュールデータを周辺制御ROMから読み出して(抽出して)、ランプパレット設定処理を実行して、遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)が演出操作部301(回転操作部302、押圧操作部303)を操作して、上述した、第1輝度指定値から最大輝度となる第31輝度指定値までに亘る一の輝度指定値を設定した場合には、その設定した輝度指定値となるように、上述した階調情報を更新して周辺制御ICのRAMにセットすることができるようになっている。
また、周辺制御ICのCPUは、この周辺制御部コマンド割り込み処理で受信された主制御基板1310からのコマンドが、例えば、始動口入賞演出の開始を指示するための始動口入賞コマンド、普通図柄の保留数(0〜4個)を識別するための普通図柄記憶コマンド、特別図柄の変動表示に同期して演出表示装置1600において装飾図柄の変動表示等の変動演出の開始を指示するための変動パターンコマンド、始動保留数が変化すると出力される図柄記憶コマンド、大入賞口2005に遊技球が受け入れられる度に出力された大入賞口1カウント表示コマンドであるか否かを解析し、現在、どの遊技状態であるかを認識する。
主制御基板1310からの各種コマンドは、周辺制御部コマンド受信割り込み処理で受信されて周辺制御ICのRAMに記憶されるようになっており、受信コマンド解析処理では、周辺制御ICのRAMに記憶された各種コマンドの解析を行う。各種コマンドには、特図1同調演出関連に区分される各種コマンド、特図2同調演出関連に区分される各種コマンド、大当り関連に区分される各種コマンド、電源投入に区分される各種コマンド、普図同調演出関連に区分される各種コマンド、普通電役演出関連に区分される各種コマンド、報知表示に区分される各種コマンド、状態表示に区分される各種コマンド、テスト関連に区分される各種コマンド及びその他に区分される各種コマンドがある。また、周辺制御基板1510は受信したコマンドに基づいて予告等に関する抽選処理を実行し、該抽選結果に基づいて画面生成用スケジュールデータ、発光態様生成用スケジュールデータ、音生成用スケジュールデータ、及び電気的駆動源スケジュールデータ等を、周辺制御ROMから読み出して(抽出して)周辺制御ICのRAMにセットする。これにより周辺制御基板1510の抽選結果に応じた演出が実行されるようになる。
なお、周辺制御ROMには、周辺制御部1511、演出表示制御部1511等を制御する各種制御プログラム、各種データ、各種制御データ、及び各種スケジュールデータが予め記憶されている。各種スケジュールデータには、演出表示装置1600に描画する画面を生成する画面生成用スケジュールデータ、各種LEDの発光態様を生成する発光態様生成用スケジュールデータ、音楽や効果音等の演出音を生成する音生成用スケジュールデータ、及びモータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動態様を生成する電気的駆動源スケジュールデータ等がある。画面生成用スケジュールデータは、画面の構成を規定する画面データが時系列に配列されて構成されており、演出表示装置1600に描画する画面の順序が規定されている。発光態様生成用スケジュールデータは、各種LEDの発光態様を規定する発光態様データが時系列に配列されて構成されている。音生成用スケジュールデータは、音指令データが時系列に配列されて構成されており、音楽や効果音が流れる順番が規定されている。この音指令データには、周辺制御ICの内蔵音源における複数の出力チャンネルのうち、どの出力チャンネルを使用するのかを指示するための出力チャンネル番号と、周辺制御ICの内蔵音源における複数のトラックのうち、どのトラックに音楽及び効果音等の音データを組み込むのかを指示するためのトラック番号と、が規定されている。電気的駆動源スケジュールデータは、モータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データが時系列に配列されて構成されており、モータやソレノイド等の電気的駆動源の動作が規定されている。
ステップS1022に続いて、周辺制御ICのCPUは、警告処理を行う(ステップS1024)。この警告処理では、ステップS1022の受信コマンド解析処理で解析したコマンドに、報知表示に区分される各種コマンドが含まれているときには、各種異常報知を実行するための異常表示態様に設定されている、画面生成用スケジュールデータ、発光態様生成用スケジュールデータ、音生成用スケジュールデータ、及び電気的駆動源スケジュールデータ等を、周辺制御ROMから読み出して(抽出して)周辺制御ICのRAMにセットする。なお、警告処理では、複数の異常が同時に発生した場合には、予め登録した優先度の高い順から異常報知から行われ、その異常が解決して残っている他の異常報知に自動的に遷移するようになっている。これにより、一の異常が発生した後であってその異常を解決する前に他の異常が発生して一の異常が発生しているという情報を失うことなく、複数の異常を同時に監視することができる。
ステップS1024に続いて、周辺制御ICのCPUは、RCT取得情報更新処理を行う(ステップS1026)。このRTC取得情報更新処理では、ステップS1002の現在時刻情報取得処理で取得して周辺制御ICのRAMに記憶されたカレンダー情報と時刻情報とを更新する。このRCT取得情報更新処理により、周辺制御ICのRAMに記憶される時刻情報である時分秒が更新され、この更新される時刻情報に基づいて周辺制御ICのRAMに記憶されるカレンダー情報である年月日が更新される。
ステップS1026に続いて、周辺制御ICのCPUは、表示データ作成処理を行う(ステップS1030)。この表示データ作成処理では、ステップS1020のスケジューラ更新処理においてポインタが更新されて、画面生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された画面データのうち、そのポインタが示す画面データを、周辺制御ROMから読み出して(抽出して)周辺制御ICのVDPに出力する。
周辺制御ICのVDPは、周辺制御ICのCPUから画面データが入力されると、この入力された画面データに基づいて、SDRAMから画像データを読み出して演出表示装置1600に描画(表示)する1画面分(1フレーム分)の描画データを内蔵VRAMに生成する。
ステップS1030に続いて、周辺制御ICのCPUは、音データ作成処理を行う(ステップS1032)。この音データ作成処理では、ステップS1020のスケジューラ更新処理においてポインタが更新されて、音生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された音指令データのうち、そのポインタが指示する音指令データを、周辺制御ROMから読み出して(抽出して)周辺制御ICのRAMにセットする。周辺制御ICの音源は、周辺制御ICのCPUから音指令データが入力されると、SDRAMから音データを読み出して音指令データに規定されたトラック番号に従って音楽及び効果音等の音データを組み込むとともに、出力チャンネル番号に従って使用する出力チャンネルを設定する。
なお、音データ作成処理では、この音データ作成処理を行うごとに(つまり、周辺制御部定常処理を行うごとに)、音量調整スイッチからの音量調整操作信号に基づいて、音量調整スイッチの回転位置を特定している。周辺制御ICのCPUは、音量調整スイッチの回転位置と対応する音量となるように、周辺制御ICの音源を制御して、ステップS1018の音データ出力処理において、この音データ作成処理で設定した出力チャンネルから音データを各種スピーカに出力する。これにより、各種スピーカから各種演出に合せた音楽及び効果音等のサウンドが流れるようになっている。
具体的には、音量調整スイッチを回動操作することにより抵抗値が可変し、音量スイッチの回転位置における抵抗値により分圧された電圧を、アナログ値からデジタル値に変換して、値0〜値1023までの1024段階の値に変換している。本実施形態では、1024段階の値を7つに分割して基板ボリューム0〜6として管理している。基板ボリューム0では消音、基板ボリューム6では最大音量に設定されており、基板ボリューム0から基板ボリューム6に向かって音量が大きくなるようにそれぞれ設定されている。基板ボリューム0〜6に設定された音量となるように周辺制御ICの音源を制御して扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622から音楽や効果音が流れるようになっている。このように、音量調整スイッチの回動操作に基づく音量調整により扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622から音楽や効果音が流れるようになっている。
なお、音指令データには、音データを組み込むトラックの音量を調節するためのサブボリューム値も含まれており、周辺制御ICの内蔵音源における複数のトラックには、音楽や効果音等の演出音の音データとその音量を調節するサブボリューム値のほかに、パチンコ機1の不具合の発生やパチンコ機1に対する不正行為をホールの店員等に報知するための報知音の音データとその音量を調節するサブボリューム値が組み込まれる。
具体的には、演出音に対しては、上述した、音量調整スイッチが回動操作されて調節された基板ボリュームがサブボリューム値として設定され、報知音に対しては、音量調整スイッチの回動操作に基づく音量調整に全く依存されず最大音量がサブボリューム値として設定されるようになっている。演出音のサブボリューム値は、電源投入後の所定期間(具体的には周辺制御部が初期設定処理(ステップS1000)及び現在時刻設定処理(ステップS1002)を終了するまでの期間)や特別図柄表示器(第一特別図柄表示器、第二特別図柄表示器)において特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示を開始又は停止するときの一定期間(この例では周辺制御部にて変動パターンコマンドを受信してから装飾図柄の変動表示開始後に0.5秒経過するまでや、周辺制御部にて停止表示コマンドを受信してから装飾図柄の確定表示後に0.5秒経過するまで)を除き、演出操作ユニット300の回転操作部302や押圧操作部303を操作することで調節することができるようになっている。
このように、本例のパチンコ機1では電源投入後の所定期間(具体的には周辺制御部が初期設定処理(ステップS1000)及び現在時刻設定処理(ステップS1002)を終了するまでの期間)や特別図柄表示器(第一特別図柄表示器、第二特別図柄表示器)において特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示を開始又は停止するときの一定期間(この例では周辺制御部にて変動パターンコマンドを受信してから装飾図柄の変動表示開始後に0.5秒経過するまでや、周辺制御部にて停止表示コマンドを受信してから装飾図柄の確定表示後に0.5秒経過するまで)を除き、演出操作ユニット300の回転操作部302や押圧操作部303を操作することで、音データ作成処理において音量調整スイッチの回転位置における抵抗値により分圧された電圧を基板ボリューム0〜6の7段階の値に変換し、さらに音量調整スイッチの回転位置における抵抗値により分圧された電圧に対して、演出操作ユニット300の回転操作部302や押圧操作部303の操作に応じて所定値を加算又は減算することによって、基板ボリュームの値を増やしたり、又は減らしたりして基板ボリュームを設定することで演出音のサブボリューム値を調節できるようになっている。
また、音指定データには、出力するチャンネルの音量を調節するためのマスターボリューム値も含まれており、周辺制御ICの内蔵音源における複数の出力チャンネルには、周辺制御ICの内蔵音源における複数のトラックうち、使用するトラックに組み込まれた演出音の音データと、使用するトラックに組み込まれた演出音の音量を調節するサブボリューム値と、を合成して、この合成した演出音の音量を、実際に、扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622から流れる音量となるマスターボリューム値まで増幅し、この増幅した演出音をシリアル化してオーディオデータとして出力するようになっている。
本実施形態では、マスターボリューム値は一定値に設定されており、合成した演出音の音量が最大音量であるときに、マスターボリューム値まで増幅されることにより、扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622から流れる音量が許容最大音量となるように設定されている。具体的には、演出音に対しては、周辺制御ICの内蔵音源における複数のトラックのうち、使用するトラックに組み込まれた演出音の音データと、使用するトラックに組み込まれた演出音の音量を調節するサブボリューム値として設定された音量調整スイッチが回動操作されて調節された基板ボリュームと、を合成して、この合成した演出音の音量を、実際に、扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622から流れる音量となるマスターボリューム値まで増幅し、この増幅した演出音をシリアル化してオーディオデータとして出力し、報知音に対しては、使用するトラックに組み込まれた報知音の音データと、使用するトラックに組み込まれた報知音の音量を調節するサブボリューム値として設定された音量調整スイッチの回動操作に基づく音量調整に全く依存されず最大音量と、を合成して、この合成した報知音の音量を、実際に、扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622から流れる音量となるマスターボリューム値まで増幅し、この増幅した報知音をシリアル化してオーディオデータとして出力する。
ここで、演出音が扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622から流れている場合に、パチンコ機1の不具合の発生やパチンコ機1に対する不正行為をホールの店員等に報知するため報知音を流す制御について簡単に説明すると、まず演出音が組み込まれているトラックのサブボリューム値を強制的に消音に設定し、この演出音が組み込まれたトラックの音データと、その消音に設定したサブボリューム値と、報知音が組み込まれたトラックの音データと、報知音の音量が最大音量に設定されたサブボリューム値と、を合成し、この合成した演出音の音量と報知音の音量とを、実際に、扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622から流れる音量となるマスターボリューム値まで増幅し、この増幅した演出音及び報知音をシリアル化してオーディオデータとして出力する。つまり、実際に、扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622から流れる音は、最大音量の報知音だけが流れることとなる。このとき、演出音は消音となっているため、扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622から流れないものの、演出音は、上述した音生成用スケジュールデータに従って進行している。
本実施形態では、報知音は所定期間(例えば、90秒)だけ扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622から流れるようになっており、この所定期間経過すると、これまで消音に強制的に設定された音生成用スケジュールデータに従って進行している演出音の音量が、音量調整スイッチが回動操作されて調節された基板ボリュームがサブボリューム値として再び設定され(このとき、演出操作ユニット300の回転操作部302や押圧操作部303を操作することで演出音の音量が調節されている場合には、その調節された演出音のサブボリューム値に設定され)、扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622から流れるようになっている。
このように、演出音が扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622から流れている場合に、パチンコ機1の不具合の発生やパチンコ機1に対する不正行為をホールの店員等に報知するため報知音が流れるときには、演出音の音量が消音になって報知音が扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622から流れるものの、この消音となった演出音は、音生成用スケジュールデータに従って進行しているため、報知音が所定期間経過して扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622から流れなくなると、演出音は、報知音が流れ始めたところから再び流れ始めるのではなく、報知音が流れ始めて所定期間経過した時点まで音生成用スケジュールデータに従って進行したところから再び流れ始めるようになっている。
また、報知音や告知音は、音量調整スイッチの回転操作に基づく音量調整に全く依存されずに流れる仕組みとなっており、消音から最大音量までの音量をプログラムにより周辺制御ICのCPUが周辺制御ICの音源を制御して調整することができるようになっている。このプログラムにより調整される音量は、消音から最大音量までを滑らかに変化させることができるようになっている。例えば、遊技ホールの店員等の係員が音量調整スイッチを回転操作して音量を小さく設定した場合であっても、各種スピーカから流れる音楽や効果音等の演出音が小さくなるものの、パチンコ機1に不具合が発生しているときや遊技者が不正行為を行っているときには大音量(本実施形態では、最大音量)に設定した報知音を流すことができる。したがって、演出音の音量を小さくしても、報知音により遊技ホールの店員等の係員が不具合の発生や遊技者の不正行為を気付き難くなることを防止することができる。
ステップS1032に続いて、周辺制御ICのCPUは、バックアップ処理を行う(ステップS1034)。このバックアップ処理では、周辺制御ICのRAMに記憶されている内容を周辺制御ICのRAMに設けられる定常処理用バックアップ領域にコピーしてバックアップするとともに、SDRAMに記憶されている内容をSDRAMに設けられる定常処理用バックアップ領域にコピーしてバックアップする。
ステップS1034に続いて、周辺制御ICのCPUは、WDTクリア処理を行う(ステップS1036)。このWDTクリア処理では、外部WDTにクリア信号を出力して周辺制御ICのCPUにリセットがかからないようにしている。
ステップS1036に続いて、周辺制御ICのCPUは、周辺制御部定常処理の実行完了として定常処理中フラグSP−FLGに値0をセットし(ステップS1038)、再びステップS1004に戻り、Vブランク信号検出フラグVB−FLGに値0をセットして初期化し、後述する周辺制御部Vブランク信号割り込み処理においてVブランク信号検出フラグVB−FLGに値1がセットされるまで、ステップS1006の判定を繰り返し行う。つまりステップS1006では、Vブランク信号検出フラグVB−FLGに値1がセットされるまで待機し、ステップS1006でVブランク信号検出フラグVB−FLGが値1であると判定されると、ステップS1008〜ステップS1038の処理を行い、再びステップS1004に戻る。このように、ステップS1006でVブランク信号検出フラグVB−FLGが値1であると判定されると、ステップS1008〜ステップS1038の処理を行うようになっている。ステップS1008〜ステップS1038の処理を「周辺制御部定常処理」という。
この周辺制御部定常処理では、まずステップS1008で周辺制御部定常処理を実行中であるとして定常処理中フラグSP−FLGに値1をセットすることから開始し、ステップS1010で1ms割り込みタイマ起動処理を行い、ステップS1014、・・・、そしてステップS1036の各処理を行って最後にステップS1038において周辺制御部定常処理の実行完了として定常処理中フラグSP−FLGに値0をセットすると、完了することとなる。周辺制御部定常処理は、ステップS1006でVブランク信号検出フラグVB−FLGが値1であるときに実行される。このVブランク信号検出フラグVB−FLGは、上述したように、周辺制御ICのCPUからの画面データを受け入れることができる状態である旨を伝えるVブランク信号が周辺制御ICのVDPから周辺制御ICのCPUに入力されたことを契機として実行される後述する周辺制御部Vブランク信号割り込み処理において値1がセットされるようになっている。本実施形態では、演出表示装置1600のフレーム周波数(1秒間あたりの画面更新回数)として、上述したように、概ね秒間30fpsに設定しているため、Vブランク信号が入力される間隔は、約33.3ms(=1000ms÷30fps)となっている。つまり、周辺制御部定常処理は、約33.3msごとに繰り返し実行されるようになっている。
[12−2.周辺制御部Vブランク信号割り込み処理]
次に、周辺制御ICのCPUからの画面データを受け入れることができる状態である旨を伝えるVブランク信号が周辺制御ICのVDPから入力されたことを契機として実行する周辺制御部Vブランク信号割り込み処理について説明する。この周辺制御部Vブランク信号割り込み処理が開始されると、周辺制御ICのCPUは、図153に示すように、定常処理中フラグSP−FLGが値0であるかを判定する(ステップS1045)。この定常処理中フラグSP−FLGは、上述したように、図152の周辺制御部電源投入時処理におけるステップS1008〜ステップS1038の周辺制御部定常処理を実行中であるとき値1、周辺制御部定常処理を実行完了したとき値0にそれぞれセットされる。
ステップS1045の判定において、周辺制御ICのCPUは、定常処理中フラグSP−FLGが値0でない(値1である)とき、つまり周辺制御部定常処理を実行中であると判定したときには、そのままこのルーチンを終了する。一方、ステップS1045の判定において、周辺制御ICのCPUは、定常処理中フラグSP−FLGが値0であるとき、つまり周辺制御部定常処理を実行完了したと判定したときには、Vブランク信号検出フラグVB−FLGに値1をセットし(ステップS1050)、このルーチンを終了する。このVブランク信号検出フラグVB−FLGは、上述したように、周辺制御部定常処理を実行するか否かを決定するためのフラグであり、周辺制御部定常処理を実行するとき値1、周辺制御部定常処理を実行しないとき値0にそれぞれ設定される。
本実施形態では、ステップS1045の判定で定常処理中フラグSP−FLGが値0であるか否か、つまり周辺制御部定常処理を実行完了したか否かを判定し、周辺制御部定常処理を実行完了したときにはステップS1050でVブランク信号検出フラグVB−FLGに値1をセットするようになっているが、これは、周辺制御部定常処理を実行中であるときに、Vブランク信号が入力されてVブランク信号検出フラグVB−FLGに値1をセットすると、図152の周辺制御部電源投入時処理におけるステップS1006の判定で周辺制御部定常処理を実行するものとして、現在実行中の周辺制御部定常処理を途中で強制的にキャンセルして周辺制御部定常処理を最初から実行開始するため、これを防止する目的で、図152の周辺制御部電源投入時処理(周辺制御部定常処理)におけるステップS1008で定常処理中フラグSP−FLGに値1をセットすることで周辺制御部定常処理を実行中である旨を、本ルーチンである周辺制御部Vブランク信号割り込み処理に伝えるとともに、図152の周辺制御部電源投入時処理(周辺制御部定常処理)におけるステップS1038で定常処理中フラグSP−FLGに値0をセットすることで周辺制御部定常処理を実行完了した旨を、本ルーチンである周辺制御部Vブランク信号割り込み処理に伝えることにより、本ルーチンである周辺制御部Vブランク信号割り込み処理におけるステップS1045の判定で定常処理中フラグSP−FLGが値0であるか否か、つまり周辺制御部定常処理を実行完了したか否かを判定するようになっている。換言すると、Vブランク信号が入力されて次のVブランク信号が入力されるまでに周辺制御部定常処理を実行完了することができず、いわゆる処理落ちした場合の処置である。
これにより、今回の周辺制御部定常処理においては、約33.3msという時間でその処理を完了できず処理落ちした場合には、図152の周辺制御部電源投入時処理におけるステップS1006の判定で次回のVブランク信号が入力されるまで待機する状態となる。つまり、処理落ちした今回の周辺制御部定常処理を実行するための時間が約66.6msとなる。通常、図152の周辺制御部電源投入時処理(周辺制御部定常処理)におけるステップS1010で1ms割り込みタイマの起動により1ms割り込みタイマが発生するごとに繰り返し実行する、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理は1回の周辺制御部定常処理に対して32回だけ実行されるものの、上述した処理落ちした今回の周辺制御部定常処理が存在する場合には、周辺制御部1msタイマ割り込み処理が64回ではなく、32回だけ実行されるようになっている。つまり、周辺制御部定常処理が処理落ちした場合であっても、周辺制御部定常処理による演出の進行状態とタイマ割り込み制御である周辺制御部1msタイマ割り込み処理による演出の進行状態との整合性が崩れないようになっている。したがって、周辺制御部定常処理が処理落ちした場合であっても演出の進行状態を確実に整合させることができる。
[12−3.周辺制御部1msタイマ割り込み処理]
次に、図152の周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1010で1ms割り込みタイマの起動により1ms割り込みタイマが発生するごとに繰り返し実行する周辺制御部1msタイマ割り込み処理について説明する。この周辺制御部1msタイマ割り込み処理が開始されると、周辺制御ICのCPUは、図154に示すように、1msタイマ割り込み実行回数STNが33回より小さいか否かを判定する(ステップS1100)。この1msタイマ割り込み実行回数STNは、上述したように、図152の周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1010の1ms割り込みタイマ起動処理で1ms割り込みタイマが起動して本ルーチンである周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行された回数をカウントするカウンタである。本実施形態では、演出表示装置1600のフレーム周波数(1秒間あたりの画面更新回数)として、上述したように、概ね秒間30fpsに設定しているため、Vブランク信号が入力される間隔は、約33.3ms(=1000ms÷30fps)となっている。つまり、周辺制御部定常処理は、約33.3msごとに繰り返し実行されるようになっているため、周辺制御部定常処理におけるステップS1010で1ms割り込みタイマを起動した後、次の周辺制御部定常処理が実行されるまでに、周辺制御部1msタイマ割り込み処理が32回だけ実行されるようになっている。具体的には、周辺制御部定常処理におけるステップS1010で1ms割り込みタイマが起動されると、まず1回目の1msタイマ割り込みが発生し、2回目、・・・、そして32回目の1msタイマ割り込みが順次発生することとなる。
ステップS1100の判定において、周辺制御ICのCPUは、1msタイマ割り込み実行回数STNが33回より小さくないとき、つまり33回目の1msタイマ割り込みが発生してこの周辺制御部1msタイマ割り込み処理が開始されたと判定したときには、そのままこのルーチンを終了する。33回目の1msタイマ割り込みの発生が次回のVブランク信号の発生よりたまたま先行した場合には、本実施形態では、割り込み処理の優先順位として、周辺制御部1msタイマ割り込み処理の方が周辺制御部Vブランク割り込み処理と比べて高く設定されているものの、この33回目の1msタイマ割り込みによる周辺制御部1msタイマ割り込み処理の開始を強制的にキャンセルするようになっている。換言すると、本実施形態では、Vブランク信号が周辺制御基板1510のシステム全体を支配する信号であるため、33回目の1msタイマ割り込みの発生が次回のVブランク信号の発生よりたまたま先行した場合には、周辺制御部Vブランク割り込み処理を実行するために33回目の1msタイマ割り込みによる周辺制御部1msタイマ割り込み処理の開始が強制的にキャンセルさせられている。そして、Vブランク信号の発生により周辺制御部定常処理におけるステップS1010で1ms割り込みタイマを再び起動した後、新たに1回目の1msタイマ割り込みの発生による周辺制御部1msタイマ割り込み処理を開始するようになっている。
一方、ステップS1100の判定において、周辺制御ICのCPUは、1msタイマ割り込み実行回数STNが33回より小さいと判定したときには、1msタイマ割り込み実行回数STNに値1だけ足す(インクリメントする、ステップS1102)。この1msタイマ割り込み実行回数STNに値1が足されることにより、図152の周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1010の1ms割り込みタイマ起動処理で1ms割り込みタイマが起動して本ルーチンである周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行された回数が1回分だけ増えることとなる。
ステップS1102に続いて、モータ及びソレノイド駆動処理を行う(ステップS1104)。このモータ及びソレノイド駆動処理では、周辺制御ICのRAMにセットされた電気的駆動源スケジュールデータを構成する時系列に配列されたモータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データのうち、ポインタが指示する駆動データに従って、モータやソレノイド等の電気的駆動源を駆動するとともに、時系列に規定された次の駆動データにポインタを更新し、このモータ及びソレノイド駆動処理を実行するごとに、ポインタを更新する。これにより、周辺制御ICのCPUが管理するモータやソレノイド等の電気的駆動源(例えば、扉枠3に設けられる電気的駆動源や遊技盤5に設けられる各種演出ユニットに備える電気的駆動源等)は、電気的駆動源スケジュールデータに従って駆動される。
ステップS1104に続いて、周辺制御ICのCPUは、可動体情報取得処理を行う(ステップS1106)。この可動体情報取得処理では、遊技盤5に設けられる各種演出ユニットに備える各種センサからの検出信号が入力されているか否かを判定することにより各種センサからの検出信号の履歴情報(例えば、原位置履歴情報、可動位置履歴情報など。)を作成し、周辺制御ICのRAMにセットする。周辺制御ICのCPUは、周辺制御ICのRAMにセットされる各種センサからの検出信号の履歴情報に基づいて、遊技盤5に設けられる各種演出ユニットに備える各種可動体の原位置(待機位置)を設定したり、可動位置を取得したりすることにより、可動位置を把握する。
ステップS1106に続いて、周辺制御ICのCPUは、演出操作ユニット情報取得処理を行う(ステップS1108)。この演出操作ユニット情報取得処理では、演出操作ユニット300に設けられた各種センサからの検出信号が入力されているか否かを判定することにより各種センサからの検出信号の履歴情報(例えば、回転操作部302の回転(回転方向)履歴情報、及び押圧操作部303の操作履歴情報など。)を作成し、周辺制御ICのRAMにセットする。周辺制御ICのRAMにセットされる各種センサからの検出信号の履歴情報から回転操作部302の回転方向や押圧操作部303の操作有無を取得することができる。本実施形態のパチンコ機1では、演出操作部301を操作することにより、振動スピーカ354、トップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464や、本体枠4の本体枠スピーカ622から出力される演出音の音量を調節したり、扉枠3や遊技盤5に備える各種装飾基板に複数実装される各種LEDの輝度を調節したりすることができるようになっている。
ステップS1108に続いて、周辺制御ICのCPUは、バックアップ処理を行い(ステップS1110)、このルーチンを終了する。このバックアップ処理では、周辺制御ICのRAMに記憶されている内容を周辺制御ICのRAMに設けられる1msタイマ割り込み処理用バックアップ領域にコピーしてバックアップするとともに、SDRAMに記憶されている内容をSDRAMに設けられる1msタイマ割り込み処理用バックアップ領域にコピーしてバックアップする。なお、本実施形態では、周辺制御ICのRAMに設けられる1msタイマ割り込み処理用バックアップ領域と、周辺制御ICのRAMに設けられる定常処理用バックアップ領域と、は異なる領域に設定されているとともに、SDRAMに設けられる1msタイマ割り込み処理用バックアップ領域と、SDRAMに設けられる定常処理用バックアップ領域と、は異なる領域に設定されている。
このように、周辺制御部1msタイマ割り込み処理では、1msという期間内において、演出の進行としてステップS1104〜ステップS1108の演出に関する各種処理を実行している。これに対して、図152の周辺制御部電源投入時処理における周辺制御部定常処理では、約33.3msという期間内において、演出の進行としてステップS1014〜ステップS1032の演出に関する各種処理を実行している。周辺制御部1msタイマ割り込み処理では、ステップS1100で1msタイマ割り込み実行回数STNが値33より小さくないとき、つまり33回目の1msタイマ割り込みが発生してこの周辺制御部1msタイマ割り込み処理が開始されたときには、そのままこのルーチンを終了するようになっているため、仮に、33回目の1msタイマ割り込みの発生が次回のVブランク信号の発生よりたまたま先行した場合でも、この33回目の1msタイマ割り込みによる周辺制御部1msタイマ割り込み処理の開始を強制的にキャンセルし、Vブランク信号の発生により周辺制御部定常処理におけるステップS1010で1ms割り込みタイマを再び起動した後、新たに1回目の1msタイマ割り込みの発生による周辺制御部1msタイマ割り込み処理を開始するようになっている。つまり、周辺制御部定常処理による演出の進行状態とタイマ割り込み制御である周辺制御部1msタイマ割り込み処理による演出の進行状態との整合性が崩れないようになっている。したがって、演出の進行状態を確実に整合させることができる。
また、上述したように、Vブランク信号が出力される間隔は、演出表示装置1600の液晶サイズによって多少変化するし、周辺制御ICが実装された周辺制御基板1510の製造ロットにおいてもVブランク信号が出力される間隔が多少変化する場合もある。本実施形態では、Vブランク信号が周辺制御基板1510のシステム全体を支配する信号であるため、33回目の1msタイマ割り込みの発生が次回のVブランク信号の発生よりたまたま先行した場合には、周辺制御部Vブランク割り込み処理を実行するために33回目の1msタイマ割り込みによる周辺制御部1msタイマ割り込み処理の開始が強制的にキャンセルさせられている。つまり本実施形態では、Vブランク信号が出力される間隔が多少変化する場合であっても、33回目の1msタイマ割り込みによる周辺制御部1msタイマ割り込み処理の開始を強制的にキャンセルすることによって、このVブランク信号が出力される間隔が多少変化することによる時間ズレを吸収することができるようになっている。
[12−4.周辺制御部コマンド受信割り込み処理]
次に、主制御基板1310からの各種コマンドを受信する周辺制御部コマンド受信割り込み処理について説明する。周辺制御ICのCPUは、主制御基板1310からの各種コマンドがシリアルデータとして送信開始されると、これを契機として、主周シリアルデータを周辺制御ICのシリアルI/Oポートで1バイト(8ビット)の情報を受信バッファに取り込み、この取り込みが完了すると、これを契機として割り込みが発生し、周辺制御部コマンド受信割り込み処理を行う。主周シリアルデータは、1パケットが3バイトに構成されており、1バイト目としてステータスが割り振られ、2バイト目としてモードが割り振られ、3バイト目としてステータスとモードとを数値とみなしてその合計を算出したサム値が割り振られている。
周辺制御部コマンド受信割り込み処理が開始されると、周辺制御ICのCPUは、図155に示すように、1バイト受信期間タイマがタイムアウトしたか否かを判定する(ステップS1200)。この1バイト受信期間タイマは、主制御基板1310から送信される主周シリアルデータのうち、1バイト(8ビット)の情報を受信し得る期間を設定するものである。
ステップS1200の判定において、周辺制御ICのCPUは、1バイト受信期間タイマがタイムアウトしていないとき、つまり主制御基板1310から送信される主周シリアルデータのうち、1バイト(8ビット)の情報を受信し得る期間内であると判定したときには、周辺制御ICのシリアルI/Oポートの受信バッファから受信した1バイトの情報を取り込み(ステップS1202)、受信カウンタSRXCに値1を加える(インクリメントする、ステップS1204)。この受信カウンタSRXCは、受信バッファから取り出した回数を示すカウンタであり、主周シリアルデータの1バイト目であるステータスを受信バッファから取り出すと値1、主周シリアルデータの2バイト目であるモードを受信バッファから取り出すと値2、主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を受信バッファから取り出すと値3となる。なお、受信カウンタSRXCは、電源投入時等に初期値0がセットされる。
ステップS1204に続いて、受信カウンタSRXCが値3であるか否か、つまり主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を受信バッファから取り出したか否かを判定する(ステップS1206)。この判定では、主周シリアルデータの1バイト目であるステータスに続いて、主周シリアルデータの2バイト目であるモード、そして主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を、順に受信バッファから取り出したか否かを判定している。
ステップS1206の判定において、周辺制御ICのCPUは、受信カウンタSRXCが値3でないとき、つまり主周シリアルデータの1バイト目であるステータスに続いて、まだ主周シリアルデータの2バイト目であるモード、そして主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を、順に受信バッファから取り出していないと判定したときには、1バイト受信期間タイマのセットを行い(ステップS1208)、このルーチンを終了する。ステップS1208で1バイト受信期間タイマがセットされることで、主周シリアルデータの2バイト目であるモード又は主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を受信し得る期間が設定される。
一方、ステップS1206の判定において、周辺制御ICのCPUは、受信カウンタSRXCが値3であるとき、つまり主周シリアルデータの1バイト目であるステータスに続いて、主周シリアルデータの2バイト目であるモード、そして主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を、順に受信バッファから取り出したと判定したときには、受信カウンタSRXCに初期値0をセットし(ステップS1210)、サム値を算出する(ステップS1212)。この算出は、ステップS1202で受信バッファからすでに取り出した、主周シリアルデータの1バイト目であるステータスと、主周シリアルデータの2バイト目であるモードと、を数値とみなしてその合計(サム値)を算出する。
ステップS1212に続いて、ステップS1202で受信バッファからすでに取り出した主周シリアルデータの3バイト目であるサム値と、ステップS1212で算出したサム値と、が一致しているか否かを判定する(ステップS1214)。ステップS1202で受信バッファからすでに取り出した主周シリアルデータの3バイト目であるサム値は、主制御基板1310からの主周シリアルデータのうち、主周シリアルデータの3バイト目として割り振られたサム値であるため、ステップS1212で算出したサム値と一致しているはずである。ところが、パチンコ機1は、遊技ホールの島設備から遊技球が供給されており、遊技球は、互いにこすれ合って帯電すると、静電放電してノイズを発生するため、パチンコ機1はノイズの影響を受けやすり環境下にある。
そこで、本実施形態では、周辺制御基板1510側において、受信した主周シリアルデータの1バイト目として割り振られたステータスと、主周シリアルデータの2バイト目として割り振られたモードと、を数値とみなしてその合計(サム値)を算出し、この算出したサム値が、主制御基板1310からの主周シリアルデータのうち、主周シリアルデータの3バイト目として割り振られたサム値と一致しているか否かを判定している。これにより、周辺制御ICのCPUは、主制御基板1310と周辺制御基板1510との基板間において、主周シリアルデータがノイズの影響を受けて正規と異なる主周シリアルデータに変化したか否かを判定することができる。
ステップS1214の判定において、周辺制御ICのCPUは、ステップS1202で受信バッファからすでに取り出した主周シリアルデータの3バイト目であるサム値と、ステップS1212で算出したサム値と、が一致していると判定したときには、受信した、主周シリアルデータの1バイト目として割り振られたステータスと、主周シリアルデータの2バイト目として割り振られたモードとを、周辺制御ICのRAMに記憶し(ステップS1216)、このルーチンを終了する。
一方、ステップS1200の判定において、周辺制御ICのCPUは、1バイト受信期間タイマがタイムアウトしていないとき、つまり主制御基板1310から送信される主周シリアルデータのうち、1バイト(8ビット)の情報を受信し得る期間を超えていると判定したときには、又はステップS1214の判定において、周辺制御ICのCPUは、ステップS1202で受信バッファからすでに取り出した主周シリアルデータの3バイト目であるサム値と、ステップS1212で算出したサム値と、が一致していないと判定したときには、そのままこのルーチンを終了する。
[12−5.周辺制御部停電予告信号割り込み処理]
次に、主制御基板1310の停電監視回路からの停電予告信号が主制御基板1310から入力されたことを契機として実行する周辺制御部停電予告信号割り込み処理について説明する。この周辺制御部停電予告信号割り込み処理が開始されると周辺制御ICのCPUは、図156に示すように、まず2マイクロ秒タイマを起動し(ステップS1300)、停電予告信号が入力されているか否かを判定する(ステップS1302)。ステップS1302の判定において、周辺制御ICのCPUは、停電予告信号が入力されていないと判定したときには、そのままこのルーチンを終了する。
一方、ステップS1302の判定において、周辺制御ICのCPUは、停電予告信号が入力されていると判定したときには、2マイクロ秒経過したか否かを判定する(ステップS1304)。この判定では、ステップS1300で起動したタイマが2マイクロ秒経過した否かを判定している。ステップS1304の判定において、周辺制御ICのCPUは、2マクロ秒経過していないときには、ステップS1302に戻り、停電予告信号が入力されているか否かを判定し、停電予告信号が入力されていないと判定したときにはそのままこのルーチンを終了する一方、停電予告信号が入力されていると判定したときには、再びステップS1304で2マイクロ秒経過したか否かを判定する。つまりステップS1304の判定では、本ルーチンである周辺制御部停電予告信号割り込み処理が開始されて2マイクロ秒間、停電予告信号が入力され続けているか否かを判定している。
ステップS1304の判定において、周辺制御ICのCPUは、本ルーチンである周辺制御部停電予告信号割り込み処理が開始されて2マイクロ秒間、停電予告信号が入力され続けていると判定したときには、節電処理を行う(ステップS1306)。この節電処理では、演出表示装置1600のバックライトの消灯、遊技盤5に設けられるモータやソレノイドへの励磁OFF、各種LEDの消灯等を順次実行することによりパチンコ機1のシステム全体の消費電力を抑えることによって、パチンコ機1の電力が遮断されても周辺制御ICのCPUが動作可能な時間である20ミリ秒の期間だけ安定動作を確保している。
ステップS1306に続いて、周辺制御ICのCPUは、コマンド受信待機処理を行う(ステップS1308)。このコマンド受信待機処理では、主制御基板1310が送信中の各種コマンドがある場合を想定して、送信中のコマンドを周辺制御ICが受信することができるように、少なくとも、17ミリ秒の期間だけ待機するようになっている。コマンドを受信すると、上述した、周辺制御部コマンド受信割り込み処理が開始されて周辺制御ICのRAMに受信したコマンドが記憶される。
ステップS1308に続いて、周辺制御ICのCPUは、コマンドのバックアップ処理を行う(ステップS1310)。このコマンドのバックアップ処理では、周辺制御ICのRAMに記憶されているコマンドを周辺制御ICのRAMに設けられる定常処理用バックアップ領域にコピーしてバックアップする。
ステップS1310に続いて、周辺制御ICのCPUは、停電予告信号が入力されているか否かを判定する(ステップS1312)。ステップS1312の判定において、周辺制御ICのCPUは、停電予告信号が入力されていると判定したときには、WDTクリア処理を行う(ステップS1314)。このWDTクリア処理では、外部WDTにクリア信号を出力して周辺制御ICのCPUにリセットがかからないようにする。
一方、ステップS1312の判定において、周辺制御ICのCPUは、停電予告信号が入力されていないと判定したとき、又はステップS1314に続いて、再びステップS1312に戻り、停電予告信号が入力されているか否かを判定する。つまり、停電予告信号が入力されているか否かを無限に判定し続けることとなる。このように無限に判定し続けることにより、ステップS1312の判定において、周辺制御ICのCPUは、停電予告信号が入力されていないと判定したときには、外部WDTにクリア信号を出力することができなくなり、周辺制御ICのCPUにリセットがかかる一方、ステップS1312の判定において、周辺制御ICのCPUは、停電予告信号が入力されていると判定したときには、ステップS1314でWDTクリア処理を行い、周辺制御ICのCPUにリセットがかからない。なお、周辺制御ICのCPUにリセットがかかると、図152に示した周辺制御部電源投入時処理が再び開始されることとなる。
このように、ステップS1312による判定で無限ループにおいて停電予告信号の入力が継続する場合には、ステップS1314でWDTクリア処理が実行されることによって停電状態になる直前で周辺制御ICのCPUにリセットがかからないようになっている。これに対して、ステップS1312による判定で無限ループにおいて停電予告信号の入力が継続されず解除された場合には、WDTクリア処理が実行されないため、外部WDTにクリア信号を出力が中断されるようになっている。これにより、ノイズなどで本ルーチンである周辺制御部停電予告信号割り込み処理が誤って開始され、そのノイズが2マイクロ秒の期間を超えて発生することでステップS1302の判定を通過したとしても、ステップS1312による判定で無限ループにおいて停電予告信号の入力が継続されず解除された場合には、ステップS1314のWDTクリア処理が実行されないことにより周辺制御ICのCPUにリセットがかかるようになっているため、そのようなノイズに対して自動的にリセット復帰することで対応することができるようになっている。
[13.主制御基板の制御処理]
次に、主制御基板1310(特に主制御MPU)で実行される制御処理の例について説明する。図157は、上記特別図柄及び特別電動役物制御処理(ステップS114)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、各種の抽選処理に供される乱数が更新されたとすると(ステップS106)、同図157に示されるように、この主制御基板1310の主制御MPUはまず、上記第一始動口センサ3002による検出信号がオン状態(第一始動口2002への入球あり)にあることを条件に(ステップS231)、第一特別図柄の第一特別乱数を上記乱数カウンタから取得してこれをRAMの第一特別図柄保留記憶領域に格納するなどの第一始動口通過処理を実行する(ステップS232)。また、上記第二始動口センサ2402による検出信号がオン状態(第二始動口2004への入球あり)にあることを条件に(ステップS233)、第二特別図柄の第二特別乱数を上記乱数カウンタから取得してこれをRAMの第二特別図柄保留記憶領域に格納するなどの第二始動口通過処理を実行する(ステップS234)。
次いで、大当り遊技状態に制御している旨を示す大当り実行中フラグがセットされているか否かを判別し(ステップS235)、大当り実行中フラグがセットされていれば、大当り遊技状態の制御を行う大当り制御処理(ステップS235A)を実行する。なお、大当り制御処理では、特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果が「15R大当り」を示唆する態様となったときに、15R大当り遊技状態に応じて大入賞口2005を開閉制御する処理を実行する。また、「2R大当り」を示唆する態様となったときに、2R大当り遊技状態に応じて大入賞口2005を開閉制御する処理を実行する。
また、大当り制御処理(ステップS235A)では、大入賞口2005の開放制御を行った後、時短フラグ、及び時短回数カウンタの各セット処理を実行する。時短フラグは、時短状態であることを示すフラグであり、時短状態中に第一特別図柄の変動停止時における抽選処理の結果が「2R大当り」を示唆する態様となったことに基づく2R大当り遊技状態を終了するとき、時短状態中及び非時短状態中に15R大当り遊技状態を終了するときにセットされる。そして、時短フラグは、次に大当りとなったとき、又は時短回数カウンタのカウンタ値が「0」になったときに後述する図168に示す第一特別図柄停止処理又は図示しない第二特別図柄停止処理でリセットされる。
また、時短回数カウンタは、時短状態の継続回数としての特別図柄(第一特別図柄及び第二特別図柄)の変動表示の残り回数を示すカウンタであり、大当り遊技状態の終了後に時短状態に制御する場合には当該大当り遊技状態を終了するときに、その時短状態の継続回数がセットされる。そして、時短回数カウンタは、そのカウンタ値が「0」になるまで特別図柄の変動表示を実行するごとにカウントダウンされるが、カウンタ値が「0」になるよりも前に次の大当りとなったときには、後述する図168に示す第一特別図柄停止処理又は図示しない第二特別図柄停止処理でリセットされる(カウンタ値を「0」に戻す)。
また、大当り実行中フラグがセットされていなければ、第二特別図柄保留記憶領域に記憶される第二特別乱数の個数を示す第二特別保留数カウンタの値が「0」であることを条件に(ステップS237)、第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様にかかる抽選処理を含む第一特別図柄プロセス処理を実行し(ステップS238)、第二特別図柄保留記憶領域に記憶される第二特別乱数の個数を示す第二特別保留数カウンタの値が「0」でないことを条件に(ステップS237)、第二特別図柄の変動表示停止時における表示態様にかかる抽選処理を含む第二特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS239)。このようにこの例では、第二特別保留数カウンタの値が「0」でないときには第二特別図柄の変動表示を優先的に実行するように構成されている。
図158は、上記第一始動口通過処理(ステップS232)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、上記ステップS231の処理において、上記第一始動口センサ3002がオン状態にあり、上記第一始動口2002への遊技球の入球があったと判断されたとすると、同図158に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、ステップS241の処理として、まず、上記第一特別乱数、上記リーチ乱数、上記第一図柄乱数、上記変動乱数を上記乱数カウンタから取得する。
次いで上記主制御基板1310の主制御MPUは、第一特別図柄保留記憶領域に記憶される第一特別乱数の個数を示す第一特別保留数カウンタによるカウンタ値を主制御内蔵RAMから取得し、このカウンタ値に基づいて上記第一保留記憶数がその最大値(上限値)である「4」であるか否かの判断を行う(ステップS242)。このステップS242の処理において、上記第一保留記憶数がその最大値でないと判断された場合には、上記第一特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすべく、以下のステップS243〜S245の処理を行うこととなる。すなわち、まず、上記ステップS243の処理として、上記第一特別保留数カウンタをカウントアップ(1加算)する。次いで、ステップS244の処理として、上記ステップS241で取得された各乱数を、上記主制御内蔵RAMの記憶領域のうちの上記第一特別保留数カウンタによるカウンタ値に対応する第一特別図柄保留記憶領域に格納する。
また、主制御基板1310の主制御MPUは、ステップS241で取得した上記第一特別乱数、上記リーチ乱数、上記第一図柄乱数、上記変動乱数に基づいて、第一特別図柄の変動表示の表示結果を大当りとするか否か、大当りとなる場合には大当りの種類、大当りとならない場合には演出表示装置1600で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行するか、実行する遊技演出の態様種別(変動パターンの種別)などの事前判定情報を、当該始動入賞に応じた変動表示を開始する以前に判定する演出事前判定処理を実行した後(ステップS245)、処理を終了する。
ただし、上記ステップS242の処理において、上記第一保留記憶数がその最大値であると判断された場合には、上記第一特別図柄の変動表示制御は新たに保留されない。すなわち、ステップS243〜ステップS245の処理を実行することなく処理を終了することで、上記第一特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態としない。
また、第一始動口2002へ遊技球が入球したことに基づいて第一保留記憶数が変化すると機能表示ユニット1400における第一特別保留数表示器の二つのLEDの点灯状態を第一保留記憶数に対応するように更新するとともに、上記周辺制御基板コマンド送信処理(ステップS120)にて第一保留記憶数を指示するコマンド(第一保留数指定コマンド0〜4(特別図柄1記憶コマンド0〜4))をセットして周辺制御基板1510に送信するようになっている。なお、周辺制御基板1510の周辺制御ICは第一保留数指定コマンド0〜4(特別図柄1記憶コマンド0〜4)を受信したことに基づいて第一保留記憶数を演出表示装置1600に表示するようになっている。
図159は、上記演出事前判定処理(ステップS245)についてその手順を示すフローチャートである。主制御基板1310の主制御MPUは、演出事前判定処理を開始すると、図示しない事前判定テーブルと上記ステップS241で取得した乱数、具体的には第一特別乱数、第一図柄乱数、リーチ乱数、変動乱数とを比較することにより大当りとなるか否か、大当りとなる場合には大当りの種類、大当りとならない場合には演出表示装置1600で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行するか、実行する遊技演出の態様種別、を特定する(ステップS261)。
そして、特定した事前判定情報(大当りとなるか否か、大当りとなる場合には大当りの種類、大当りとならない場合には演出表示装置1600で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行するか、実行する遊技演出の態様種別など)と、取得した特別乱数の種別(第一特別乱数)と、取得した特別乱数に対応して記憶される保留記憶数(保留数カウンタの値)と、に応じた事前判定コマンドをセットする。例えば、第一始動口通過処理のステップS245で実行される第一特別図柄に関する演出事前判定処理では、特定した事前判定情報と、第一特別乱数を取得したことと、第一保留記憶数(第一特別保留数カウンタの値)と、に応じた第一特別図柄事前判定コマンドをセットする(ステップS262)。
そして、上記周辺制御基板コマンド送信処理(ステップS120)で主制御基板1310から周辺制御基板1510に事前判定コマンドが送信されることにより、始動入賞が発生した第一始動口2002に対応して記憶される保留記憶数に加え、発生した始動入賞に基づく特別図柄の変動表示の表示結果を大当りとするか否か、大当りとなる場合には大当りの種類、大当りとならない場合には演出表示装置1600で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行するか、実行する遊技演出の態様種別などの事前判定情報を、当該始動入賞に応じた変動表示を開始する以前に周辺制御基板1510に搭載される周辺制御ICが把握できるようになる。
なお、周辺制御基板1510に搭載される周辺制御ICは主制御基板1310から事前判定コマンドを受信すると、受信した事前判定コマンドによって示される事前判定情報を記憶するようになっている。具体的には、周辺制御ICのRAMには、第一特別図柄の変動表示に関する事前判定情報を記憶する第一保留記憶領域が設けられている。
また、第一保留記憶領域は保留記憶数に対応する1〜4の記憶領域を有しており、周辺制御ICは受信した事前判定コマンドによって示される事前判定情報を1番目(最先)の記憶領域から順に格納する。そして、n番目(n=1〜3)の記憶領域に事前判定情報が格納されている場合に事前判定コマンドを受信するとn+1番目(n=1〜3)の記憶領域に通知された事前判定情報を格納し、第一特別図柄の変動表示開始を通知する第一変動パターンコマンドを受信すると受信した第一変動パターンコマンドに応じて第一保留記憶領域の1番目の記憶領域に格納されている事前判定情報を破棄してN番目(N=2〜4)の記憶領域に格納されている事前判定情報をN−1番目(N=2〜4)番目の記憶領域に移動させる(保留記憶領域に格納されている事前判定情報をシフトする)。これにより、上記第一特別図柄の事前判定情報が、変動表示開始の保留が発生した順序を特定可能に記憶されるとともに最先の事前判定情報から順に破棄されるようになる。
このように変動表示制御が保留の状態とされた時点では、その変動表示制御を未実行の状態(保留状態)にて維持するにもかかわらず、その変動表示制御の大当り期待度(疑似当選確率)についてはこれを先行して、例えば、その保留表示の新規出力時や保留消化に応じた保留表示のシフト表示時などの予め定められたタイミングにて報知することが可能とされるようになる。
図160は、上記第二始動口通過処理(ステップS234)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、上記ステップS233の処理において、上記第二始動口センサ2402がオン状態にあり、上記第二始動口2004への遊技球の入球があったと判断されたとすると、同図160に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、ステップS251の処理として、まず、上記第二特別乱数、上記リーチ乱数、上記第二図柄乱数、上記変動乱数を上記乱数カウンタから取得する。
次いで上記主制御基板1310の主制御MPUは、上記第二特別保留数カウンタによるカウンタ値を主制御内蔵RAMから取得し、このカウンタ値に基づいて上記第二保留記憶数がその最大値(上限値)である「1」であるか否かの判断を行う(ステップS252)。このステップS252の処理において、上記第二保留記憶数がその最大値でないと判断された場合には、上記第二特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすべく、以下のステップS253〜S254の処理を行うこととなる。すなわち、まず、上記ステップS253の処理として、上記第二特別保留数カウンタをカウントアップ(1加算)する。次いで、ステップS254の処理として、上記ステップS251で取得された各乱数を、上記主制御内蔵RAMの記憶領域のうちの上記第二特別保留数カウンタによるカウンタ値に対応する第二特別図柄保留記憶領域に格納する。
ただし、上記ステップS252の処理において、上記第二保留記憶数がその最大値であると判断された場合には、上記第二特別図柄の変動表示制御は新たに保留されない。すなわち、ステップS253〜ステップS254の処理を実行することなく処理を終了することで、上記第二特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態としない。
また、第二始動口2004へ遊技球が入球したことに基づいて第二保留記憶数が変化すると機能表示ユニット1400における第二特別保留数表示器の二つのLEDの点灯状態を第二保留記憶数に対応するように更新するとともに、上記周辺制御基板コマンド送信処理(ステップS120)にて第二保留記憶数を指示するコマンド(第二保留数指定コマンド0〜1(特別図柄2記憶コマンド0〜1))をセットして周辺制御基板1510に送信するようになっている。なお、周辺制御基板1510の周辺制御ICは第二保留数指定コマンド0〜1(特別図柄2記憶コマンド0〜1)を受信したことに基づいて第二保留記憶数を演出表示装置1600に表示するようになっている。
このように、本例のパチンコ機1では第一始動口2002へ遊技球が入球したことに基づく第一保留記憶数の上限は「4」にされる一方、第二始動口2004へ遊技球が入球したことに基づく第二保留記憶数の上限は「1」にされている。なお、第二始動口2002は時短状態中に多数の遊技球が入球可能になるものであり、第二特別図柄の変動時間が通常状態時よりも短縮されるため、第二保留記憶数の上限が「1」とされていても第二特別図柄の変動表示が行われない期間が長く続いたり、第二保留記憶数が上限となっている期間が長く続くことで第二始動口2002に遊技球が入球しても大当りの抽選の機会が得られなかったりという遊技者に不利な状態となることは抑制されている。
図161は、第一特別図柄プロセス処理(ステップS238)についてその手順を示すフローチャートである。なお、特別図柄プロセス処理のステップS238で実行される第一特別図柄プロセス処理と特別図柄プロセス処理のステップS239で実行される第二特別図柄プロセス処理とは同様のプログラムモジュールであり、判定に用いる乱数やテーブルが異なるだけであるため、ここでは特別図柄プロセス処理のステップS238で実行される第一特別図柄プロセス処理についてのみ説明する。第一特別図柄プロセス処理では、上述の第一特別図柄プロセスフラグに応じて、以下の5つのプロセス処理の1つを選択的に実行することとなる。
1.主制御MPUのRAMに格納されている第一特別乱数を読み出し、読み出した第一特別乱数に基づいて上記第一特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理などが行われる第一特別図柄通常処理(ステップS280)
2.第一特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理の結果に基づいて第一特別図柄の変動制御停止時の態様の決定処理などが行われる第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS281)
3.変動乱数に基づいて上記機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器に表示される第一特別図柄の変動態様や、上記演出表示装置1600に特別図柄に対応して実行される演出表示の変動態様についての抽選処理などが行われる第一変動パターン設定処理(ステップS282)
4.機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器における上記第一特別図柄の変動表示が停止されるまで待機する第一特別図柄変動処理(ステップS283)
5.第一特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理の結果に基づいて決定された第一特別図柄の変動制御停止時の態様が上記機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器に表示されるように上記第一特別図柄の変動表示を停止させる第一特別図柄停止処理(ステップS284)
なお、上記第一特別図柄プロセスフラグは、上記主制御側電源投入時処理(図142参照)において、上記第一特別図柄通常処理(ステップS280)を行うべき旨を示すよう操作されている。
図162は、上記第一特別図柄通常処理(ステップS280)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄通常処理を行うべき旨を示しているときは、同図162に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、まず、ステップS301の処理として、上記第一特別保留数カウンタによるカウンタ値に基づいて保留の状態にある第一特別図柄の変動表示制御があるか否かの判断を行う。この結果、保留の状態にある第一特別図柄の変動表示制御があると判断された場合には、次にステップS302の処理として、上記主制御MPUのRAMの第一特別図柄保留記憶領域に格納されている第一特別図柄の表示態様に関わる乱数(例えば、第一特別乱数、第一図柄乱数、リーチ乱数、変動乱数)のうちの最先の記憶領域に格納された乱数を同RAMから読み出す。そして次に、ステップS303及びS304の処理として、上記第一特別保留数カウンタをカウントダウンするとともに、上記主制御MPUのRAMの第一特別図柄保留記憶領域の各記憶領域に格納されている上記第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様に関わる乱数(第一特別乱数、第一図柄乱数、リーチ乱数、変動乱数)を先入れ先出し(First−In First−Out)の態様にてシフト操作する。
具体的には、第一特別図柄保留記憶領域は1〜4の4つの記憶領域を有し、始動入賞の発生に応じて抽出した乱数を1番目(最先)の領域から順に記憶する。そして、n番目(n=1〜3)の記憶領域に乱数が記憶されている場合に始動入賞が発生するとn+1番目(n=1〜3)の記憶領域に抽出した乱数を記憶し、1番目の記憶領域に格納された乱数に基づく変動表示の開始条件が成立すると1番目の記憶領域に記憶されている各種乱数を読み出すとともにN番目(N=2〜4)の記憶領域に記憶されている各種乱数をN−1番目(N=2〜4)番目の記憶領域に移動させる。これにより、上記第一特別図柄の変動表示制御の保留が発生した順序を特定可能に記憶されるとともに最先の保留(最も先に発生した保留)から順に変動表示制御の保留が解除されるようになる。
そしてその後、ステップS305の処理として、上記読み出された第一特別図柄の第一特別乱数に基づいて上記大当りの当落についての抽選処理である当り判定処理を行う。その後、上記第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS281)にプロセス移行されるよう上述の第一特別図柄プロセスフラグが更新された時点で(ステップS306)、この処理を終了する。
図163は、上記当り判定処理(ステップS305)についてその手順を示すフローチャートである。
上記主制御基板1310の主制御MPUは、図189(A)に示す当り判定テーブルと特別乱数(第一特別図柄通常処理を実行している場合にはステップS302で読み出した第一特別乱数、第二特別図柄通常処理を実行している場合には当該第二特別図柄通常処理で読みだした第二特別乱数)とを比較する(ステップS311)。
図164(A)に示す当り判定テーブルは、特別乱数の種類毎(第一特別乱数、第二特別乱数)に設けられている。そして、第一特別乱数と比較するために参照される当り判定テーブルでは、1種類の第一特別乱数が大当りに当選したことを示す大当り判定値と一致し、大当り判定値とは異なる3種類の第一特別乱数が小当りに当選したことを示す大当り判定値と一致し、315種類の第一特別乱数が上記ハズレであることを示すハズレ判定値と一致するように上記第一特別乱数がそれぞれ関連付けされている(大当り確率;319分の1、小当り確率;319分の3)。また、本例では第二特別図柄プロセス処理内において、第二特別乱数と比較するために参照される当り判定テーブルでは、1種類の第二特別乱数が大当りに当選したことを示す大当り判定値と一致し、大当り判定値とは異なる144種類の第二特別乱数が小当りに当選したことを示す小当り判定値と一致し、174種類の第二特別乱数が上記ハズレであることを示すハズレ判定値と一致するように上記第二特別乱数がそれぞれ関連付けされている(大当り確率;319分の1、小当り確率;319分の144)。即ち、第一特別乱数と比較するために参照される当り判定テーブルに比べて第二特別乱数と比較するために参照される判定テーブルでは、小当りと判定される確率が高くなるように構成され、第一始動口2002への始動入賞に基づく第一特別図柄の変動表示が実行された場合よりも第二始動口2004への始動入賞に基づく第二特別図柄の変動表示が実行された場合の方が遊技者に有利な状態とされるようになっている。
上記主制御基板1310の主制御MPUは、上記当り判定テーブルと特別乱数(第一特別図柄通常処理のステップS302で読み出した第一特別乱数、または第二特別図柄通常処理で読みだした第二特別乱数)との比較の結果、大当りとすると判定した場合には(ステップS312)、当該変動が大当りに当選していることを示す大当りフラグをセットし(ステップS313)、当り判定処理を終了する。
また、選択した当り判定テーブルと特別乱数(第一特別図柄通常処理のステップS302で読み出した第一特別乱数、または第二特別図柄通常処理で読みだした第二特別乱数)との比較の結果、小当りとすると判定した場合には(ステップS314)、当該変動が小当りに当選していることを示す小当りフラグをセットし(ステップS315)、当り判定処理を終了する。
一方、大当りと小当りとのいずれにも当選していない場合、即ちハズレとすると判定した場合には、リーチ判定テーブルとステップS302で読み出したリーチ乱数とを比較する(ステップS316)。
図示しないリーチ判定テーブルは、上記主制御内蔵ROMに記憶され、遊技状態が時短状態時の場合に使用する時短状態時のリーチ判定テーブルと、遊技状態が非時短状態時の場合に使用する非時短状態時のリーチ判定テーブルと、を備えている。そして、時短状態時のリーチ判定テーブルでは、1種類のリーチ乱数がリーチすることを示すリーチ判定値と一致し、71種類のリーチ乱数がリーチしないことを示すリーチ判定値と一致するように上記リーチ乱数がそれぞれ関連付けされている。
また、非時短状態時のリーチ判定テーブルでは、時短状態時のリーチ判定テーブルに設定されるリーチ乱数と同一のリーチ乱数を含む5種類のリーチ乱数がリーチすることを示すリーチ判定値と一致し、67種類のリーチ乱数がリーチしないことを示すリーチ判定値と一致するように上記リーチ乱数がそれぞれ関連付けされている。このように、この実施の形態では、非時短状態時では、リーチすることを示すリーチ判定値が時短状態時よりも高められる。
上記主制御基板1310の主制御MPUは、選択したリーチ判定テーブルとステップS302で読み出したリーチ乱数との比較の結果(ステップS316)、リーチハズレとすると判定した場合には(ステップS317)、当該変動がリーチとなることを示すリーチフラグをセットして処理を終了する(ステップS318)。
図165は、上記第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS281)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄停止図柄設定処理を行うべき旨を示しているときは、同図165に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、まず、第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様の抽選処理の結果、すなわち上記当り判定処理(ステップS305)の結果を判別する。抽選処理結果の判別は、大当りフラグがセットされているか否か(ステップS321)や小当りフラグがセットされているか否か(ステップS324)を判別することにより行う。
主制御MPUは、ステップS321で大当りフラグがセットされていれば、第一特別図柄通常処理のステップS302で読み出した第一図柄乱数と図164(B)に示す大当り図柄決定テーブルとを比較することにより大当りの種類を決定し、該決定した大当りの種類に対応する第一特別図柄の変動制御停止時の態様(第一特別図柄の停止図柄)を決定する(ステップS322)。
具体的には、
1.大入賞口2005を長時間開放(例えば29秒)した後又は大入賞口2005に遊技球.が10個入賞したことが上記大入賞口センサ2403で検出されたときに閉鎖させる開閉パターンを15回(15ラウンド)繰り返すことで遊技球が大入賞口2005に入球可能(容易)な15R大当り遊技状態に制御し、大当り遊技状態の終了後に特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示が77回実行されるまでの間に大当りとならなければ終了される時短状態に制御する15R大当り
2.大入賞口2005を長時間開放(例えば29秒)した後又は大入賞口2005に遊技球が10個入賞したことが上記大入賞口センサ2403で検出されたときに閉鎖させる開閉パターンを2回(2ラウンド)繰り返すことで遊技球が大入賞口2005に入球可能(容易)な2R大当り遊技状態に制御し、2R大当り遊技状態の開始前に時短状態に制御されていれば大当り遊技状態の終了後に特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示が77回実行されるまでの間に大当りとならなければ終了される時短状態に制御し、2R大当り遊技状態の開始前に非時短状態に制御されていれば大当り遊技状態の終了後に通常状態に制御する2R大当り、の2種類の大当りの中からいずれかの大当りに決定する。
なお、第一図柄乱数と比較される大当り図柄決定テーブルは、15R大当りとなる場合に8個の判定値が振り分けられ、2R大当りとなる場合に192個の判定値が振り分けられている。即ち、第一特別乱数に基づく抽選により大当りとする抽選結果が得られた場合には4%の確率で15R大当りとなり、96%の確率で2R大当りとなる。同様に、第二図柄乱数と比較される大当り図柄決定テーブルは、15R大当りとなる場合に196個の判定値が振り分けられ、2R大当りとなる場合に4個の判定値が振り分けられている。即ち、第二特別乱数に基づく抽選により大当りとする抽選結果が得られた場合には98%の確率で15R大当りとなり、2%の確率で2R大当りとなる。このように、本例のパチンコ機1では第一図柄乱数と比較される大当り図柄決定テーブルに比べて第二図柄乱数と比較される大当り図柄決定テーブルでは、15R大当りと判定される確率が高くなるように構成され、第一始動口2002への始動入賞に基づく第一特別図柄の変動表示よりも第二始動口2004への始動入賞に基づく第二特別図柄の変動表示が実行された場合に遊技者に有利な状態となるようになっている。
また、大当りの種類を決定すると大当りの種類に応じた停止図柄を第一特別図柄の停止時の態様として決定する。具体的には、2R大当りに決定した場合には大当り図柄として2R大当り図柄に決定する。なお、図示しない第二特別図柄停止図柄設定処理において、15R大当りに決定した場合には大当り図柄として15R大当り図柄に決定し、2R大当りに決定した場合には大当り図柄として2R大当り図柄に決定する。
また、主制御基板1310の主制御MPUは、ステップS131で大当りフラグがセットされていない場合に、小当りフラグがセットされていれば(ステップS324)、第一特別図柄通常処理のステップS302で読み出した第一図柄乱数と図164(C)に示す小当り図柄決定テーブルとを比較することにより小当りの種類を決定し、該決定した大当りの種類に対応する第一特別図柄の変動制御停止時の態様(第一特別図柄の停止図柄)を決定する(ステップS325)。
具体的には、
1.役物入賞口2006を短時間開放(例えば80ms)した後に閉鎖させる開閉パターンを2回実行して遊技球が役物入賞口2006に入球可能(容易)な小当り遊技状態に制御し、当該小当り遊技状態中に役物入賞口2006に入賞した遊技球を全て第一ハズレ口2535に誘導することで第一V入賞口2007及び第二V入賞口2008への遊技球の受け入れが困難な第一小当り
2.役物入賞口2006を短時間開放(例えば80ms)した後に閉鎖させる開閉パターンを9回実行して遊技球が役物入賞口2006に入球可能(容易)な小当り遊技状態に制御し、当該小当り遊技状態中に役物入賞口2006に入賞した遊技球のうちの1個の遊技球を役物入賞口2006の閉鎖後に第三振分装置2550に誘導することで第二V入賞口2008への遊技球の受け入れが可能にすると共に、遊技球が第二V入賞口2008に受け入れられた場合には当該小当り遊技状態後に大入賞口2005を長時間開放(例えば29秒)した後又は大入賞口2005に遊技球が10個入賞したことが上記大入賞口センサ2403で検出されたときに閉鎖させる開閉パターンを15回(15ラウンド)繰り返して遊技球が大入賞口2005に入球可能(容易)な15R大当り遊技状態に制御し、当該大当り遊技状態の終了後に特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示が77回実行されるまでの間に大当りとならなければ終了される時短状態に制御する第二小当り
3.役物入賞口2006を短時間開放(例えば80ms)した後に閉鎖させる開閉パターンを9回実行することで遊技球が役物入賞口2006に入球可能(容易)な小当り遊技状態に制御し、当該小当り遊技状態中に役物入賞口2006に入賞した遊技球のうちの1個の遊技球を役物入賞口2006の閉鎖後に第一V入賞口2007に誘導して、遊技球が第一V入賞口2007に受け入れられたことに基づいて当該小当り遊技状態後に大入賞口2005を長時間開放(例えば29秒)した後又は大入賞口2005に遊技球.が10個入賞したことが上記大入賞口センサ2403で検出されたときに閉鎖させる開閉パターンを15回(15ラウンド)繰り返して遊技球が大入賞口2005に入球可能(容易)な15R大当り遊技状態に制御し、当該大当り遊技状態の終了後に特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示が77回実行されるまでの間に大当りとならなければ終了される時短状態に制御する第三小当り
の3種類の小当りの中からいずれかの大当りに決定する。
なお、第一図柄乱数と比較される小当り図柄決定テーブルは、第二小当りとなる場合に199個の判定値が振り分けられ、第三小当りとなる場合に1個の判定値が振り分けられている。即ち、第一特別乱数に基づく抽選により小当りとする抽選結果が得られた場合には99.5%の確率で第二小当りとなり、0.5%の確率で第三小当りとなり、第一小当りには当選しない。一方、第二図柄乱数と比較される小当り図柄決定テーブルは、第一小当りとなる場合に20個の判定値が振り分けられ、第二小当りとなる場合に130個の判定値が振り分けられ、第三小当りとなる場合に50個の判定値が振り分けられている。即ち、第二特別乱数に基づく抽選により小当りとする抽選結果が得られた場合には、10%の確率で第一小当りとなり、65%の確率で第二小当りとなり、25%の確率で第三小当りとなる。このように、本例のパチンコ機1では第一図柄乱数と比較される小当り図柄決定テーブルに比べて第二図柄乱数と比較される小当り図柄決定テーブルでは、役物入賞口2006に入賞した遊技球のうちの1個の遊技球を第一V入賞口2007に誘導することで小当り遊技状態の終了後に必ず15R大当り遊技状態となる第三小当りに決定される確率が高くなるように構成され、第一始動口2002への始動入賞に基づく第一特別図柄の変動表示よりも第二始動口2004への始動入賞に基づく第二特別図柄の変動表示が実行された場合に遊技者に有利な状態となるようになっている。
また、小当りの種類を決定すると小当りの種類に応じた停止図柄を第一特別図柄の停止時の態様として決定する。具体的には、第二小当りに決定した場合には小当り図柄として第二小当り図柄に決定し、第三小当りに決定した場合には小当り図柄として第三小当り図柄に決定する。なお、図示しない第二特別図柄停止図柄設定処理において、第一小当りに決定した場合には小当り図柄として第一小当り図柄に決定し、第二小当りに決定した場合には小当り図柄として第二小当り図柄に決定し、第三小当りに決定した場合には小当り図柄として第三小当り図柄に決定する。
主制御基板1310の主制御MPUは、大当りフラグと小当りフラグとのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄に決定する(ステップS327)。そして、こうして停止図柄についての決定処理が行われた後は、主制御基板1310の主制御MPUは、ステップS328の処理として、上記抽選結果(大当りの種類、小当り、リーチはずれ、はずれのいずれかを指示(第一特別図柄の停止図柄の態様を指示するものであってもよい))が上記周辺制御基板1510に送信されるよう抽選結果それぞれに応じた判定結果通知コマンドをセットする(ステップS328)。そしてその後は、ステップS329の処理として、上記第一変動パターン設定処理(ステップS282)にプロセス移行されるよう上記第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
周辺制御部1511は、受信した判定結果通知コマンド及び変動パターンコマンドに基づいて演出表示装置1600を表示制御する(左・中・右の装飾図柄を変動表示して左装飾図柄→右装飾図柄→中装飾図柄の順序で停止表示させる(なお左・中・右の装飾図柄を同一図柄で同期して変動表示し同時に停止表示する場合もある))。具体的には、周辺制御部1511は、演出表示装置1600に表示される装飾図柄の変動停止時の態様(停止図柄)として、受信した判定結果通知コマンドから小当りを特定した場合には小当り図柄(「最終決戦」)に決定し、2R大当りを特定した場合には2R大当り図柄(左・中・右の装飾図柄が「0」〜「9」の図柄のうち同一の偶数図柄となる組合せ)に決定し、15R大当りを特定した場合には15R大当り図柄(左・中・右の装飾図柄が「0」〜「9」の図柄のうち同一の奇数図柄となる組合せ)に決定する。また、リーチはずれを特定した場合にはリーチを伴ったはずれ図柄(左・右の装飾図柄が「0」〜「9」の同一の図柄の組み合わせであって中装飾図柄が異なる図柄の組み合わせ;リーチハズレ図柄)に決定し、はずれを特定した場合には、リーチを伴わないはずれ図柄(左・中・右の装飾図柄のうち少なくとも左・右の装飾図柄が異なる図柄となる組合せ)に決定し、変動パターンコマンドから特定される変動時間の経過時(遊技演出の終了時)においてその決定された停止図柄を演出表示装置1600に表示制御する。
なお、本例のパチンコ機1では大当り遊技状態後に特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示が最大で77回実行されるまで時短状態に制御可能とされるが、時短状態に移行制御された後に所定回数の大当りが発生したことに基づいて時短状態を終了させるようにしてもよい。具体的には、大当り遊技状態後に時短状態に制御し、その後に所定回数(例えば2回)の大当りが発生した場合には、所定回数目の大当り遊技状態の終了後に時短状態に制御することなく、通常状態に制御するようにしてもよい。また、大当りの発生回数が所定回数未満の場合であっても大当り遊技状態中は非時短状態に制御し、大当り遊技状態後に再び時短状態の制御を行うようにしてもよい。
図166は、上記第一変動パターン設定処理(ステップS282)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一変動パターン設定処理を行うべき旨を示しているときは、同図166に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、大当りフラグがセットされていれば(ステップS341)、第一特別図柄停止図柄設定処理のステップS323で決定した大当りの種類に応じた大当り時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択し(ステップS342)、小当りフラグがセットされて入れば(ステップS343)、第一特別図柄停止図柄設定処理のステップS325で決定した小当りの種類に応じた小当り時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択し(ステップS344)、リーチフラグがセットされていれば(ステップS345)、リーチ時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択し(ステップS346)、大当りフラグとリーチフラグとのいずれもセットされていない場合、すなわち通常のハズレ(リーチ演出を実行しないハズレ)となる場合には、ハズレ時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択する(ステップS347)。
そして、選択した変動パターンテーブルと第一特別図柄通常処理のステップS302で読み出した変動乱数とを比較することにより実行する変動パターンを決定し(ステップS348)、決定した変動パターンを開始することを周辺制御基板1510に通知する変動パターンコマンドをセットして機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器に表示される第一特別図柄の変動表示を開始する(ステップS349)。また、主制御MPUは、変動パターンを決定すると決定した変動パターンに対応して設定されている変動時間を変動タイマに設定する(ステップS350)。これにより、こうして決定された変動時間だけ機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器及び上記演出表示装置1600にて演出制御が行われるようになる。
なお、本例の変動パターンテーブルは、特別乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)及び図柄乱数(第一図柄乱数、第二図柄乱数)に基づく判定結果毎に複数種類設けられている。また、各変動パターンテーブルに設定される変動パターンには上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示制御に要する所定の時間(変動時間)を示す複数の変動時間情報が上記変動乱数にそれぞれ対応して関連付けされるかたちで記憶されている。しかして、主制御MPUは、特別乱数及び図柄乱数に基づく判定結果に応じた複数種類の変動パターンテーブルのうち、選択した変動パターンテーブルと第一特別図柄通常処理のステップS302で読み出した変動乱数とを比較し、上記読み出した変動乱数に関連付けされている変動時間情報をこのテーブルから取得することで、上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動パターンを決定する。これにより、上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動パターンについての抽選処理が行われるようになる。なお、上記変動パターンテーブルは、上記主制御MPUのROMに記憶されている。
また、本例のリーチ時の変動パターンテーブルでは、いずれのリーチ演出を実行するかを示す判定値と変動乱数とを比較することにより実行するリーチ演出の態様種別を決定するように設定されている。例えば、リーチ演出のうちスーパーリーチ演出は、ノーマルリーチ演出よりも大当り期待度が高く、スーパーリーチ演出が実行されたときには、大当り遊技状態に対する遊技者の期待度が高まるようになっている。
また、第一特別図柄の変動表示制御が開始されると、次にステップS351の処理として、時短状態の継続回数がセットされる時短回数カウンタのカウンタ値が「0」であるか否かを判断する。そして、このカウンタ値が「0」でなければ、該時短回数カウンタをカウントダウンした後(ステップS352)、同時短回数カウンタのカウンタ値が「0」であるか否かをさらに判断する(ステップS353)。そしてこの結果、同カウンタ値が「0」であれば、上記時短制御を終了することを示す時短終了フラグをセットする(ステップS354)。
上記ステップS351の処理にて時短回数カウンタのカウンタ値が「0」であると判断された場合、上記ステップS353の処理にて時短回数カウンタが「0」でないと判断された場合には、その時点でステップS355の処理に移行する。そして、上記第一特別図柄変動処理(ステップS283)にプロセス移行されるよう上述の第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
本例では、はずれ時の変動パターンテーブルにおいて、時短状態時には1秒程度に設定された特別図柄の変動時間情報が上記特別図柄乱数(第一特別図柄、第二特別図柄)に関連付けされる一方、非時短状態時には12秒程度に設定された特別図柄の変動時間情報が上記特別図柄乱数(第一特別図柄、第二特別図柄)に関連付けされるかたちで、特別図柄の変動パターンが設定されている。すなわち、時短状態時に選択されるはずれ時の変動パターンには、非時短状態時に選択されるはずれ時の変動パターンと比べると、上記特別図柄の変動表示制御に要する時間が極めて短時間となるよう、上記特別図柄の変動時間情報が設定されている。
図167は、上記第一特別図柄変動処理(ステップS283)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄変動処理を行うべき旨を示しているときは、同図167に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、まず、ステップS371の処理として、上記変動パターンについての抽選処理(ステップS282)で決定した変動パターンに応じた変動時間が設定される変動タイマを1減算する。そして、変動時間タイマが0、すなわち、上記抽選された変動時間が経過したと判断されると(ステップS372)、次にステップS373の処理に移行する。すなわち、このステップS373の処理において、上記第一特別図柄停止処理(ステップS284)にプロセス移行されるよう上述の第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
図168は、上記第一特別図柄停止処理(ステップS284)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄停止処理を行うべき旨を示しているときは、同図168に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、まず、ステップS381の処理として、上記第一特別図柄停止図柄設定処理にて決定された停止図柄を上記機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器に表示させるための表示制御を行うとともに、上記演出表示装置1600に第一特別図柄の停止図柄に応じた装飾図柄の表示結果の導出表示を指示する停止表示コマンドを上記周辺制御基板1510へのコマンドとしてセットする(ステップS382)。
次いで、主制御基板1310の主制御MPUは、上記時短終了フラグがセットされているときには(ステップS383)、時短終了フラグをリセットするとともに(ステップS384)、時短フラグをリセットする(ステップS385)。これにより特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の所定回数(本例では、77回)の変動表示が実行されたときに時短制御(時短状態の制御)を終了させて非時短制御(通常状態の制御)を開始するようになる。
また、上記主制御基板1310の主制御MPUは、上記大当りフラグがセットされているときは(ステップS386)、大当り遊技を開始することを示す大当り開始コマンドをセットし(ステップS387)、大当り遊技の開始までの待機時間(大当り遊技を開始する旨の表示等を行う時間)をインターバルタイマにセットする(ステップS388)。なお、図示しないがステップS388では大当りの種類に応じたラウンド数を、ラウンドの残り回数を示す大当り回数カウンタにセットする処理も実行される。大当り回数カウンタは後述する大当り制御処理においてラウンドの実行毎に1ずつ減算され、大当り回数カウンタが「0」になったときに主制御基板1310の主制御MPUが規定ラウンド数を実行したと判断して大当り遊技を終了させるように制御する。具体的には後述する大当り制御処理において大当り回数カウンタが「0」になるまでは大入賞口開放前処理(ステップS401)と大入賞口開放中処理(ステップS402)とを繰り返し実行し、大入賞口開放中処理(ステップS402)でラウンドを終了するときに大当り回数カウンタを1減算して「0」なったことに基づいて大入賞口開放後処理(ステップS403)に移行して大当り遊技を終了させる制御を実行する。
そして、大当り遊技の実行中であることを示す大当り実行中フラグをセットする(ステップS389)。なお、大当り開始コマンドは、周辺制御基板1510に送信されるコマンドであり、大当りの種類に応じて個々に用意されている。ステップS387では、大当りの種類(15R大当り、2R大当り)に応じた大当り開始コマンド(15R大当り開始コマンド、2R大当り開始コマンド)をセットする。これにより、大当り開始コマンドによって指示された大当りの種類に応じた大当り遊技の演出が演出表示装置1600、ランプ・LED及びスピーカ等により実行される。また、第二特別図柄プロセス処理の第二特別図柄停止処理でも同様に、大当りの種類(15R大当り、2R大当り)に応じた大当り開始コマンド(15R大当り開始コマンド、2R大当り開始コマンド)をセットするようになっている。
また、大当り遊技の実行中であることを示す大当り実行中フラグは、大当り遊技を終了するとき、具体的には大当り制御処理(ステップS235A)の大入賞口開放後処理(ステップS403)で大当りの種類に応じた第一大入賞口2005の開閉制御(例えば第一大入賞口2005を長時間開放(例えば29秒)した後又は第一大入賞口2005に遊技球が10個入賞したことが上記大入賞口センサ2403で検出されたときに閉鎖させる開閉パターンを2回又は15回繰り返す開閉制御)を終了したとき(大当り遊技で実行可能な全てのラウンド)にリセットされる。大当り実行中フラグがリセットされることにより特別図柄及び特別電動役物制御処理(ステップS114)のステップS235で大当り制御処理(ステップS235A)を実行しないようにされる一方、機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器における第一特別図柄の変動表示及び機能表示ユニット1400の第二特別図柄表示器における第二特別図柄の変動表示を実行可能な状態になる。
また、大当りフラグがセットされていない場合に(ステップS386)、上記小当りフラグがセットされていれば(ステップS390)、主制御基板1310の主制御MPUは、小当り遊技を開始することを示す小当り開始コマンドをセットし(ステップS391)、小当り遊技の開始までの待機時間(小当り遊技を開始する旨の表示等を行う時間)をインターバルタイマにセットする(ステップS392)。そして、小当り遊技の実行中であることを示す小当り実行中フラグをセットする(ステップS393)。なお、小当り開始コマンドは、周辺制御基板1510に送信されるコマンドであり、小当りの種類に応じて個々に用意されている。ステップS391では、小当りの種類(第一小当り、第二小当り、第三小当り)に応じた小当り開始コマンド(第一小当り開始コマンド、第二小当り開始コマンド、第三小当り開始コマンド)をセットする。これにより、小当り開始コマンドによって指示された小当りの種類に応じた小当り遊技の演出が演出表示装置1600、ランプ・LED及びスピーカ等により実行される。また、第二特別図柄プロセス処理の第二特別図柄停止処理でも同様に、小当りの種類(第一小当り、第二小当り、第三小当り)に応じた小当り開始コマンド(第一小当り開始コマンド、第二小当り開始コマンド、第三小当り開始コマンド)をセットするようになっている。
また、小当り遊技の実行中であることを示す小当り実行中フラグは、小当り遊技を終了するとき、具体的には後述する小当り制御処理(ステップS236A)の小当り中処理(ステップS411)で小当りの種類に応じた役物入賞口2006の開閉制御(例えば役物入賞口2006を短時間開放(例えば80ms)した後に閉鎖させる開閉パターンを2回又は9回繰り返す開閉制御)を終了したときにリセットされる。小当り実行中フラグがリセットされることにより特別図柄及び特別電動役物制御処理(ステップS114)のステップS236で小当り制御処理(ステップS236A)を実行しないようにされる一方、機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器における第一特別図柄の変動表示及び機能表示ユニット1400の第二特別図柄表示器における第二特別図柄の変動表示を実行可能な状態になる。
また、小当りフラグがセットされていない場合、即ちハズレとなるときには次回の特別図柄の変動表示を開始するまでの待機時間(特別図柄の停止図柄を表示している時間)をインターバルタイマにセットし(ステップS394)、ステップS395に移行する。
上記ステップS386〜ステップS394の処理を実行すると、上記主制御基板1310の主制御MPUは、第一特別図柄プロセスフラグを初期値である第一特別図柄通常処理にプロセス移行されるように更新した時点で(ステップS395)、この処理を終了する。
図169は、上記大当り制御処理(ステップS235A)についてその手順を示すフローチャートである。大当り制御処理では、大当りプロセスフラグに応じて、以下の3つのプロセス処理のうち1つを選択的に実行することとなる。
1.特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示停止時の態様が大当り図柄となったことに基づいて上記大当り遊技状態に移行する旨などの遊技者への報知が上記周辺制御基板1510によって行われるまで待機したり、次のラウンドが開始されるまで待機する大入賞口開放前処理(ステップS401)
2.特別図柄の変動表示停止時の態様が大当り図柄となったことに基づいて第一大入賞口2005を開放状態に制御したり、次のラウンドが開始されることに基づいて第一大入賞口2005を開放状態に制御し、第一大入賞口2005を長時間開放(例えば29秒)した後又は第一大入賞口2005に遊技球が10個入賞したことが上記大入賞口センサ2403で検出されたときに閉鎖させる大入賞口開放中処理(ステップS402)
3.全てのラウンドを終了するときに大当り遊技状態が終了する旨の遊技者への報知が上記周辺制御基板1510によって行われるまで待機する大入賞口開放後処理(ステップS403)
なお、上記大当りプロセスフラグは、上記ステップS42の処理において、上記大入賞口開放前処理(ステップS401)を行うべき旨を示すよう操作されている。また、上記大入賞口開放中処理(ステップS402)では、第一大入賞口2005を開放状態に制御するラウンドの開始時に、そのラウンド数に応じた大当りラウンド開始コマンドをセットし、第一大入賞口2005を閉鎖状態に制御するラウンドの終了時に、そのラウンド数に応じた大当りラウンド終了コマンドをセットする。なお、大当りラウンド開始コマンド及び大当りラウンド終了コマンドは、周辺制御基板1510に送信されるコマンドであり、大当りラウンド開始コマンド及び大当りラウンド終了コマンドによって指示されたラウンド数に応じた大当り遊技の演出が演出表示装置1600、ランプ・LED及びスピーカ等により実行される。
図170は、上記小当り制御処理(ステップS236A)についてその手順を示すフローチャートである。小当り処理では、小当りプロセスフラグに応じて、以下の2つのプロセス処理のうち1つを選択的に実行することとなる。
1.小当り遊技状態を開始するための設定処理を実行する小当り開始処理(ステップS410)
2.小当り遊技状態中の遊技球の入球や開放時間を監視する小当り中処理(ステップS411)
なお、上記小当りプロセスフラグは、上記ステップS42の処理において、上記小当り開始処理(ステップS410)を行うべき旨を示すよう操作されている。また、小当り中処理にて特定領域への遊技球の進入が検出されると、大当り実行中フラグをセットするとともに、大当り遊技状態で実行可能なラウンド数(本例では15ラウンド)を大当り回数カウンタにセットして処理を終了する。これにより、小当り遊技状態に引き続いて大当り遊技状態が開始されるようになる。
図171は、上記普通図柄及び普通電動役物制御処理(ステップS116)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、ステップS801の処理において、上記普通入賞口センサ2401による検出信号がオン状態にあり、上記普通入賞口2003への遊技球の通過があったと判断されたとすると、同図171に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、ステップS802の処理として、まず、普通図柄の普通乱数を上記乱数カウンタから取得してこれをRAMの普通図柄保留記憶領域に格納するなどの普通入賞口入賞処理を実行する。
次いで、普通図柄プロセス処理では、普通図柄プロセスフラグに応じて、以下の5つのプロセス処理の1つを選択的に実行する。
1.主制御MPUのRAMに格納されている普通乱数を読み出し、読み出した普通乱数に基づいて上記普通図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理などが行われる普通図柄通常処理(ステップS803)
2.普図変動乱数に基づいて上記機能表示ユニット1400の普通図柄表示器に表示される普通図柄の変動態様(変動時間)についての抽選処理などが行われる普通図柄変動時間決定処理(ステップS804)
3.機能表示ユニット1400の普通図柄表示器における上記普通図柄の変動表示が停止されるまで待機する普通図柄変動処理(ステップS805)
4.普通図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理の結果に基づいて決定された普通図柄の変動制御停止時の態様が上記機能表示ユニット1400の普通図柄表示器に表示されるように上記普通図柄の変動表示を停止させる普通図柄停止処理(ステップS806)
5.普通図柄の変動制御停止時の態様についての抽選処理の結果が「普図当り」を示唆する態様となったとき、第二始動口扉2411が後退して第二始動口2004への遊技球の受け入れを可能に制御する処理を実行する普通電動役物開放処理(ステップS807)
なお、上記普通図柄プロセスフラグは、上記主制御側電源投入時処理(図142参照)において、上記普通図柄通常処理(ステップS803)を行うべき旨を示すよう操作されている。
[14.小当り遊技状態における遊技]
次に小当り遊技状態における遊技について説明する。上記したように、本例では特別図柄の変動表示の結果が小当りとなった場合に役物入賞口2006を短時間開放(例えば80ms)した後に閉鎖させる開閉パターンを所定回数実行する小当り遊技状態に制御し、小当り遊技状態中に役物入賞口2006に入球して役物入賞口センサ2513により検知された遊技球全てが、第一ハズレ口センサ2515、第三ハズレ口センサ3004、第一V入賞口センサ2514、及び第二V入賞口センサ3003のいずれかで検知されたこと、即ち役物入賞口2006内から遊技盤5の後方へと排出されたときに小当り遊技状態を終了するようになっている。また、小当り遊技状態中に役物入賞口2006に入球した遊技球が第一V入賞口2007や第二V入賞口2008に受け入れられて第一V入賞口センサ2514や第二V入賞口センサ3003により検知されると、小当り遊技状態後に大当り遊技状態に制御され、小当り遊技状態中に役物入賞口2006に入球した遊技球が第一ハズレ口2535や第三ハズレ口2556に受け入れられて第一ハズレ口センサ2515や第三ハズレ口センサ3004により検知されると小当り遊技状態後に小当り前の制御状態に応じて通常状態や時短状態に制御するようになっている。
また、上記したように本例では役物入賞口2006に入賞した遊技球が全て第一ハズレ口2535に誘導されるように制御する第一小当りと、役物入賞口2006に入賞した遊技球のうちの1個の遊技球が第三振分装置2550に誘導されるように制御してクルーン2553内を旋回した後に第二V入賞口2008と二つの第三ハズレ口2556との何れかに受け入れられるように制御する第二小当りと、役物入賞口2006に入賞した遊技球のうちの1個の遊技球が第一V入賞口2007に誘導されるように制御する第三小当りと、のいずれかの小当り遊技状態に制御するようになっている。
また、第一小当りでは第二小当り及び第三小当りに比べて役物入賞口2006の開閉回数が少ないことに加えて、役物入賞口2006に入賞した遊技球全てを役物入賞口2006から最も近い第一ハズレ口2535に誘導して第一ハズレ口センサ2515により検知するため小当り遊技状態の実行期間(小当り遊技状態が開始されてから終了するまでの期間)は短く、第三小当りでは役物入賞口2006に入賞した遊技球のうちの1個の遊技球を役物入賞口2006からの距離が第一ハズレ口2535の次に近い第一V入賞口2007に誘導して第一V入賞口センサ2514により検知するため、小当り遊技状態の実行期間は第一小当りに次いで短くなる。一方、第二小当りでは役物入賞口2006に入賞した遊技球のうちの1個の遊技球を役物入賞口2006からの距離が最も遠い第三振分装置2550に誘導し、第三振分装置2550に誘導された遊技球をクルーン2553内で旋回させた後に第二V入賞口2008に受け入れられた遊技球を第二V入賞口センサ3003により検知したり、第三ハズレ口2556に受け入れられた遊技球を第三ハズレ口センサ3004により検知したりするものであるため、上記三種類の小当りのうちで小当り遊技状態の実行期間は最も長い。
また、上記したように本例のパチンコ機1では、上記通常状態で実行される第一特別図柄の変動表示において、第一特別乱数に基づいて小当りと判定された場合に第二小当りとなる割合を高く設定し、通常状態では殆どの場合に第二小当りを実行するのに対し、上記時短状態で実行される第二特別図柄の変動表示において、第二特別乱数に基づいて小当りと判定された場合に第三小当りの実行される割合を通常状態よりも高め、時短状態では4回の小当りに対して1回の割合で第三小当りを実行するようになっている。
即ち、通常状態で実行される第一特別図柄の変動表示においては小当り遊技状態中に第二V入賞口2008に遊技球が受け入れられると15R大当り遊技状態後に時短状態という遊技者にとって有利な状態へと移行制御されるため、小当り遊技状態中に役物入賞口2006に入球した遊技球のうちの1個の遊技球を、クルーン2553内に旋回させることで第二V入賞口2008に受け入れられるか第三ハズレ口2556に受け入れられるかをドキドキさせながら一定期間に亘って注目させる一方、時短状態で実行される第二特別図柄の変動表示においては小当り遊技状態中に第二V入賞口2008に遊技球が受け入れられても15R大当り遊技状態後に再び時短状態に制御されるだけであるため、役物入賞口2006に入球した遊技球のうちの1個の遊技球がクルーン2553内を旋回させた場合に却って遊技興趣の低下を招くおそれがある。そのため、本例では時短状態で実行される第二特別図柄の変動表示においては小当り遊技状態の実行期間の短い第三小当りの割合を高めることで、時短状態中は小当り遊技状態を短時間で終了させるようになっている。
また、上記したように第三小当りでは振分回転体2531が収容可能状態から収容不能状態に回動すると振分回転体2531の収容部2531aに収容されている遊技球が、第一アタリ通路2536を通って第二振分装置2540の第二振分誘導路2541を流下し、閉状態の振分扉2544の上面に当接して右方へ誘導され、第一V入賞口2007に進入する。そのため、第三小当りでは振分回転体2531が収容可能状態から収容不能状態に回動することによって第一アタリ通路2536に振り分けられた遊技球は、短時間で遊技盤5の後方に排出されて遊技者が視認できない状態となる。また、第一V入賞口2007には振分扉2544が第二ハズレ口2543の上方で前進している場合に進入可能となるものであるが、振分扉2544は前後方向に動作するものであるため、動作状態を視認し難い。即ち、振分扉2544の存在は遊技者に認識され難く(見難く)なっており、また振分扉2544によって第一V入賞口2007に振り分けられた遊技球を短時間で遊技盤5の後方に排出することも相まって第一V入賞口2007の存在も認識され難くなるため、遊技者は遊技球が第一V入賞口2007に誘導されたこと、言い換えると第一V入賞口2007を遊技球が通過することを気付き難い。このように、時短状態において第三小当りとなった場合に遊技球が第一V入賞口2007に遊技球が誘導されたことを遊技者に気付かせ難くするため、小当り遊技状態における抽選(V入賞口(第一V入賞口2007、第二V入賞口2008)に遊技球が受け入れられるか否か)を意識させることなく、小当り遊技状態を実行して、該小当り遊技状態の終了後に15R大当り遊技状態を実行することができる。これによって短時間で連続して小当り遊技状態と15R大当り遊技状態が発生するようになり、遊技興趣を向上させることができる。
また、第二小当りとなって第三振分装置2550に遊技球を振り分ける場合と、第三小当りとなって第一V入賞口2007に遊技球を振り分ける場合と、では演出表示装置1600で実行される小当り遊技状態の演出は異なるようになっている。具体的には、第二小当りとなった場合には第三振分装置2550に振り分けられた遊技球が第二V入賞口2008に進入するか、第三ハズレ口2556に進入するか、を盛り上げるような演出が実行されるのに対し、第三小当りとなった場合には振分回転体2531の回動を意識させないような演出(例えば第三小当りとなった場合には大当りとなった場合と同様の報知(第三小当りとなった場合に小当りではなく大当りとなったと通知する等)を行うことで遊技者には小当り遊技状態が実行されることを悟られ難くし、大当り遊技状態で獲得可能な賞球とは異なる賞球を獲得可能な特別ボーナスチャンスとして小当り遊技状態と同様の賞球獲得機会が大当り遊技状態の開始前に実行されているような演出を実行するようにしてもよい。これにより、15R大当りに当選したと認識している遊技者は、15R大当り遊技状態の開始前に特別ボーナスチャンスが実行されて15R大当り遊技状態とは別の賞球を獲得できるため、遊技興趣が向上する。
なお、V入賞口への到達時間が第二小当りよりも第三小当りの方が短いものであれば、第二小当りで誘導される遊技球がV入賞口に受け入れられるまでの経路(第一経路)と第三小当りで誘導される遊技球がV入賞口に受け入れられるまでの経路(第二経路)との長さはV入賞口への到達時間に比例して長くなるものに限らず、V入賞口への到達時間が第三小当りよりも長いものであれば第二小当りで誘導される遊技球がV入賞口に受け入れられるまでの経路(第一経路)を第三小当りで誘導される遊技球がV入賞口に受け入れられるまでの経路(第二経路)よりも短くなるようにしてもよい。例えば、第一経路内に遊技球の転動速度を減速させる減速手段を設けることで第二経路を通過する遊技球よりもV入賞口への到達時間が長くなるようにしてもよい。
また、上記した例では第一V入賞口2007と第二V入賞口2008との複数のV入賞口を備えて、通常状態で実行される第一特別図柄の変動表示においては役物入賞口2006に入賞した遊技球のうちの1個の遊技球を第二V入賞口2008を有する第三振分装置2550に振り分け、時短状態で実行される第二特別図柄の変動表示においては役物入賞口2006に入賞した遊技球のうちの1個の遊技球を役物入賞口2006からの距離が第一ハズレ口2535の次に近い第一V入賞口2007に誘導することで、小当り遊技状態の実行期間を異ならせるように構成したが、V入賞口への距離やV入賞口の個数等は上記したものに限られるものではなく、例えばV入賞口を1つだけ備える遊技機においても本発明の技術思想は適用可能である。具体的には、例えばクルーン2553内を旋回した後に遊技球がV入賞口に受け入れ可能となる等のV入賞口への遊技球の受け入れを阻害や遅延させる手段(障害物等)が設けられることでV入賞口への到達時間の長い第二小当りと、V入賞口への遊技球の受け入れを阻害や遅延させる手段が設けられない(少なくとも第二小当りよりも設けられる個数が少ないものであればよい)ことでV入賞口への到達時間の短い第三小当りと、して共通のV入賞口への到達時間に応じて通常状態(第一特別図柄の変動表示)と時短状態(第二特別図柄の変動表示)とにおける実行割合を変化させるようにしてもよい。
[14−1.小当り遊技状態におけるエラー報知]
次に、小当り遊技状態におけるエラー報知について説明する。本例では小当り遊技状態において役物入賞口2006に入賞した遊技球が排出されるまでの時間を監視し、所定期間を超えても排出されない場合にはエラー報知を行うようになっている。
図172は、上記小当り開始処理(ステップS411)についてその手順を示すフローチャートである。小当り開始処理では、小当り遊技状態を開始するための設定処理を実行する。
小当り開始処理を開始すると主制御基板1310の主制御MPUはまず、第一特別図柄停止処理のステップS392や第二特別図柄停止処理でセットしたインターバルタイマを1減算し(ステップS421)、インターバルバイマがタイムアウトすると(ステップS422)、即ち特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)を停止表示してから小当り遊技状態を開始するまでの待機時間が経過すると、小当り遊技状態を開始してからの経過時間を計測する経過タイマに初期値「0」をセットする(ステップS423)。
次いで主制御基板1310の主制御MPUは、実行中の小当りの種別(第一小当り、第二小当り、第三小当り)に応じた開閉パターンデータを選択すると共に(ステップS424)、選択した開閉パターンデータに基づいて役物入賞口2006、振分回転体2531、及び振分扉2544の制御を開始し(ステップS425)、上記小当り中処理(ステップS411)にプロセス移行されるよう上述の小当りプロセスフラグが更新された時点で(ステップS426)、この処理を終了する。一方、ステップS421でインターバルタイマがタイムアウトしていなければ以降の処理を実行することなく処理を終了する。
なお、開閉パターンデータは小当りの種別毎に設けられ、小当り遊技状態開始からの経過時間に応じた役物入賞口2006、振分回転体2531、及び振分扉2544それぞれの動作態様を示すものである。本例では主制御基板1310の主制御MPUがステップS424で選択した小当り種別に応じた開閉パターンデータに基づいて役物入賞口2006、振分回転体2531、及び振分扉2544を制御することで、図123に示す態様で役物入賞口2006、振分回転体2531、及び振分扉2544が動作するようになる。
図173は、上記小当り中処理(ステップS412)についてその手順を示すフローチャートである。
小当り中処理を開始すると、主制御基板1310の主制御MPUはまず小当り遊技状態を開始してからの経過時間を計測する経過タイマを1加算すると共に、後述する排出監視タイマがセットされていればこの排出監視タイマのタイマ値を1減算する(ステップS431)。経過タイマを1加算すると、主制御基板1310の主制御MPUは小当り開始処理のステップS424で選択した開閉パターンデータのうち、経過タイマ(小当り遊技状態開始からの経過時間)に対応する開閉パターンデータを読み出し、この読みだした開閉パターンデータに基づいて役物入賞口2006、振分回転体2531、及び振分扉2544を開閉制御する(ステップS432)。
また、主制御基板1310の主制御MPUは役物入賞口2006に受け入れられた遊技球を検知する役物入賞口センサ2513がオンしていれば(ステップS433)、即ち役物入賞口2006に遊技球が受け入れられていれば役物入賞口2006に入賞した遊技球のうち未だ役物入賞口2006内から排出されていない残留球を計数する残留球カウンタを1加算する(ステップS434)。
また主制御基板1310の主制御MPUは、小当り遊技状態が開始されてから役物入賞口2006に最初に遊技球が受け入れられた場合(1個目の遊技球が入球した場合)には(ステップS435)、この遊技球を含む役物入賞口2006に入球した全ての遊技球が排出されるまでに想定される最長の期間として小当り種別それぞれに対応して設けられる想定最長期間を排出監視タイマにセットする(ステップS436)。
本例では、第一小当りの場合には、役物入賞口2006に受け入れられた遊技球を振分回転体2531によって第一アタリ通路2536に振り分けられることなしに全て第二ハズレ口2535に進入させるため、想定最長期間として3種類の小当りの中で最も短い期間が設定されている(例えば10000ms)。また第二小当りの場合には、役物入賞口2006に受け入れられた遊技球のうちの1個の遊技球を振分回転体2531によって第一アタリ通路2536に振り分け、第一アタリ通路2536を通って第三振分装置2550に進入した遊技球がクルーン2553内を旋回した後に第二V入賞口2008と二つの第三ハズレ口2556との何れかに進入するため、想定最長期間として3種類の小当りの中で最も長い期間が設定されている(例えば180000ms)。また第三小当りの場合には、役物入賞口2006に受け入れられた遊技球のうちの1個の遊技球を振分回転体2531によって第一アタリ通路2536に振り分けるものの、第一アタリ通路2536を通った遊技球を第三振分装置2550に進入させることなしに第二V入賞口2008で受け入れるため、想定最長期間として第一小当りに次いで短い期間が設定されている(例えば60000s)。
排出監視タイマは上記ステップS431で減算され、役物入賞口2006に入賞した遊技球の個数と役物入賞口2006内から排出された遊技球の個数との不一致状態が排出監視タイマのタイムアウト後まで継続する場合には何らかの異常(エラー)や不正行為が行われていると判別するようになっている。
なお、小当り遊技状態開始からの経過時間を監視してこの経過時間が実行中の小当り種別に応じた想定最長期間となった場合に何らかの異常(エラー)や不正行為が行われていると判別するようにしてもよいし、小当り遊技状態における役物入賞口2006の1回目の開放タイミングからの経過時間を監視してこの経過時間が実行中の小当り種別に応じた想定最長期間となった場合に何らかの異常(エラー)や不正行為が行われていると判別するようにしてもよいし、振分回転体2531による遊技球の振り分けが実際に行われるタイミング(第一小当りでは小当り遊技状態の開始とともに第一振分ソレノイド2532がON(通電)の状態とされて振分回転体2531の収容部2531aが上方を向いている状態から第一振分ソレノイド2532がOFF(非通電)の状態とされて振分回転体2531の収容部2531aが右方を向くように動作するタイミング(振分回転体2531の1回目の振り分け動作タイミング)、第二小当りでは振分回転体2531の1回目の振り分け動作タイミング後に再び第一振分ソレノイド2532がON(通電)の状態とされて振分回転体2531の収容部2531aが上方を向いている状態から第一振分ソレノイド2532がOFF(非通電)の状態とされて振分回転体2531の収容部2531aが右方を向くように動作するタイミング(振分回転体2531の2回目の振り分け動作タイミング)、第三小当りでは振分回転体2531の2回目の振り分け動作タイミング後に再び第一振分ソレノイド2532がON(通電)の状態とされて振分回転体2531の収容部2531aが上方を向いている状態から第一振分ソレノイド2532がOFF(非通電)の状態とされて振分回転体2531の収容部2531aが右方を向くように動作するタイミング(振分回転体2531の3回目の振り分け動作タイミング))からの経過時間を監視してこの経過時間が実行中の小当り種別に応じた想定最長期間となった場合に何らかの異常(エラー)や不正行為が行われていると判別するようにしてもよい。
また、役物入賞口2006に受け入れられた遊技球の排出を検知した場合、即ち役物入賞口2006に受け入れられた遊技球を排出する際に検知する第一ハズレ口センサ2515、第一V入賞口センサ2514、第二V入賞口センサ3003、及び第三ハズレ口センサ3004のいずれかにおいて遊技球を検知した場合には(ステップS437)、上記残留球カウンタを1減算する(ステップS438)。
そして、残留球カウンタが「0」か否か、即ち役物入賞口2006に受け入れられた遊技球の個数と、役物入賞口2006から排出された遊技球の個数と、が一致するか否かを判別し(ステップS439)、残留数カウンタが「0」である場合には異常や不正行為が発生していないものとしてステップS442に進む。
一方、ステップS439で残留球カウンタが「0」でないと判別した場合には、異常や不正行為の発生の有無について判別すべく、排出監視タイマがタイムアウトしているか否かを判別する(ステップS440)。排出監視タイマは上記したように小当り遊技状態が開始されてから役物入賞口2006から全ての遊技球が排出されるまでに想定される最長の期間として小当り種別それぞれに対応して設けられる想定最長期間の残り期間を示すものである。ステップS440で排出監視タイマがタイムアウトしていなければ、以降の処理を実行することなく処理を終了する。これにより、再び主制御側タイマ割り込み処理の特別図柄及び特別電動役物制御処理(ステップS114)が実行されると小当り中処理が実行されて排出監視タイマがタイムアウトするまで残留球カウンタを監視するようになる。
また、残留球カウンタが「0」でない場合にステップS440で排出監視タイマがタイムアウトしていれば、異常や不正行為が発生しているものと判別して排出エラー報知を行い(ステップS441)、小当り中処理を終了するようになっている。排出エラー報知には、演出表示装置1600におけるエラー表示、スピーカ622、354、462、464などによる報知音の出力、遊技盤5や扉枠3に設けられるランプ・LED等による所定態様での点灯・点滅等が含まれ、本例では演出表示装置1600の一部の領域に「排出異常です。」等の表示を行ってスピーカ622、354、462、464の出力は行わないようになっている。即ち、残留球カウンタが「0」でない状態とは大半が役物入賞口2006に進入した遊技球が排出されていない等という軽微な異常を示すものであるため、遊技機の異常を報知するための表示を行って遊技者を不快にさせたり不安にさせたりするような表示は行わないようにしている。ステップS441で排出エラー報知を行った後、小当りプロセスフラグを更新することなく小当り中処理を終了することで、次に主制御側タイマ割り込み処理の特別図柄及び特別電動役物制御処理(ステップS114)が実行されたときに再び小当り中処理が実行されるようになる。即ち、役物入賞口2006に受け入れられた遊技球が全て排出されるか、又は、払出制御基板633のRWMクリアボタン633zがRAMクリアスイッチとして作動することを条件として遊技店員によりRWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されて主制御MPUに内蔵されているRAMの所定領域に記憶された情報を完全に消去されるまで(リセットされるまで)小当り遊技状態が終了することなく、排出エラー報知が実行されるようになる。
ステップS439で残留球カウンタが「0」であると判別された場合には、第一V入賞口2007及び第二V入賞口2008へ遊技球が進入しているかを判別する(ステップS442)。ステップS442で第一V入賞口2007又は第二V入賞口2008に遊技球が進入していない場合、即ち第一ハズレ口2535又は第三ハズレ口2556に遊技球が進入して第一ハズレ口センサ2515又は第三ハズレ口センサ3004により検知されていれば、小当り遊技状態終了時の演出の実行を指示する小当り終了コマンドをセットし(ステップS443)、上記小当り開始処理(ステップS411)にプロセス移行されるよう上記小当りプロセスフラグが更新された時点で(ステップS447)、この処理を終了する。
ステップS442で第一V入賞口2007又は第二V入賞口2008に遊技球が進入して第一V入賞口センサ2514又は第二V入賞口センサ3003により検知されていれば、大当り遊技の開始までの待機時間をインターバルタイマにセットした後(ステップS444)、小当り実行中フラグをリセットして大当り実行中フラグをセットする(ステップS445)。また第一V入賞口2007及び第二V入賞口2008への遊技球の受け入れに基づく大当り遊技状態開始時の演出の実行を指示するV入賞大当り開始コマンドをセットし(ステップS446)、上記小当り開始処理(ステップS411)にプロセス移行されるよう上記小当りプロセスフラグが更新された時点で(ステップS447)、この処理を終了する。
このように、本例では役物入賞口2006に遊技球が受け入れられると残留球カウンタの値を1加算し、役物入賞口2006から遊技球が排出される毎に残留球カウンタの値を1減算することで役物入賞装置2006から排出されずに残留している遊技球の個数を把握できるようになっている。また、小当り種別、言い換えると遊技球の振り分け先に応じて排出エラー報知を実行するまでの期間(想定最長期間)が異なるようにされ、第一アタリ通路2536を通った遊技球を第三振分装置2550に進入させることなしに第二V入賞口2008で受け入れる第三小当りでは、第三振分装置2550に遊技球を進入させてクルーン2553内を旋回する第二小当りよりも排出エラー報知を実行するまでの期間(想定最長期間)が短くされている。即ち、V入賞口に到達するまでの時間(距離)が短い小当りの方が排出エラー報知を実行するまでの期間が短くされている。
役物入賞口2006内には通常、遊技球は残留していない状態であるため、役物入賞口2006内に遊技球が残留している状態が長期間にわたって続く場合には何らかの異常(エラー)が発生しているものと判別できる。また、役物入賞口2006に入賞した遊技球の個数よりも多くの遊技球の排出を検知した場合には役物入賞口2006に不正に遊技球を入賞させるような不正行為が行われている可能性があると判別できる。本例のパチンコ機1ではこれらの異常や不正行為の発生を監視し、これらの疑いがある場合に排出エラー報知を行うようになっている。
また、本例では役物入賞口2006内に遊技球が残留しているか、又は役物入賞口2006に入賞した遊技球よりも多くの個数の遊技球が排出されたことを検知したことにより残留球カウンタが「0」でない場合に排出監視タイマがタイムアウトしたことに基づいて排出エラー報知を行った後にも、遊技を停止させることなく主制御側タイマ割り込み処理が実行される毎に小当り中処理を実行して残留球カウンタの値を監視し、残留球カウンタの値が「0」になっていれば、即ち正常な状態に戻った場合には、第一V入賞口2007及び第二V入賞口2008への遊技球の進入を判別する状態へと自動的に復帰して小当り遊技状態を終了させるようになっている。
なお、本例では小当り中処理のステップS441で排出エラー報知を実行した後に、残留球カウンタの値が「0」になっていない場合であっても、さらに重大な異常が発生した場合にはこの重大な異常に関するエラー報知を優先して実行する。重大な異常としては、例えば複数の磁気センサ2010のうちのいずれかにより遊技領域5a内において不正に作用する磁気を検知したとき(磁気検出エラー報知)、電波照射を検知したとき(電波検出エラー報知)、扉枠3が開放されたことを検知したとき(扉開放エラー報知)、等の不正行為が行われている可能性が高い状態がある。このような重大な異常が発生した場合には小当り遊技状態におけるステップS441の排出エラー報知を終了してこれら重大な異常に関わるエラー報知(磁気検出エラー報知、電波検出エラー報知、磁気検出エラー報知等)を実行し、重大な異常に関わるエラー報知の終了後に再び小当り遊技状態におけるステップS441の排出エラー報知を再開するようにしてもよいし、重大な異常に関わるエラー報知を小当り遊技状態におけるステップS441の排出エラー報知に上書きして実行することで、小当り遊技状態におけるステップS441の排出エラー報知が演出表示装置1600における表示や、スピーカ622、354、462、464などの出力、遊技盤5や扉枠3に設けられるランプ・LED等の点灯・点滅等に反映される(視認・視聴可能に実行される)ことはないが(裏で実行して)、重大な異常に関わるエラー報知を行っている間にも時間の経過とともに排出エラー報知の内容を進行させ、重大な異常に関わるエラー報知が終了した場合には進行した内容で排出エラー報知が視認や視聴されるように演出表示装置1600における表示や、スピーカ622、354、462、464などの出力、遊技盤5や扉枠3に設けられるランプ・LED等の点灯・点滅等に反映させるようにしてもよい(例えば小当り遊技状態におけるステップS441の排出エラー報知を開始してから5秒後に重大な異常に関わるエラー報知が開始されてこのエラー報知を30秒間実行した場合には、重大な異常に関わるエラー報知を終了した後に小当り遊技状態におけるステップS441の排出エラー報知を開始してから35秒後の内容から再開させる)。
また、小当り中処理のステップS439で残留球カウンタが「1」以上の場合と、「0」未満の場合と、で排出エラー報知の態様を異ならせるようにしてもよい。残留球カウンタが「1」以上の場合には役物入賞口2006に進入した遊技球が排出されていないという軽微な異常を示すものに過ぎない一方で、残留球カウンタが「0」未満の場合には役物入賞口2006に遊技球が進入した個数以上の遊技球が排出されるという重大な異常を示すものであり、不正に役物入賞口2006内に遊技球を進入させている可能性がある。そのため、役物入賞口2006に進入した遊技球が排出されていないという軽微な異常が発生したときには排出エラー報知1として例えば図174に示すように演出表示装置1600の一部の領域に「排出異常です。」等の表示を行ってスピーカ622、354、462、464からは演出音を継続して出力することでエラー音の出力は行わないと共に、扉枠3に設けられるLEDの一部を部分的に発光させるようにし、遊技球が進入した個数以上の遊技球が排出されるという重大な異常が発生したときには排出エラー報知2として例えば演出表示装置1600の全領域に「不正発生!」等の表示を行うと共に、スピーカ622、354、462、464からは演出音の音量を抑制してエラー音として「不正が行われています。」と大音量で出力し、さらに扉枠3に設けられるLEDの全部を発光させることで扉枠3の全体を発光させることにより不正行為の発生を通知するようにしてもよい。
また本例では第三振分誘導路2551の途中に設けられる第三振分検知センサ2552の検出信号は周辺制御基板1510に入力され、第二小当り遊技状態で第二振分装置2540によって第三振分誘導路2551に誘導された遊技球を第三振分誘導路2551の途中に設けられている第三振分検知センサ2552で検知すると、周辺制御部1511は演出表示装置1610、スピーカ622、354、462、464、遊技盤5や扉枠3に設けられるランプ・LED等を制御して第三振分装置2550内のクルーン2553を旋回する遊技球が第二V入賞口2008と第三ハズレ口2556とのいずれに受け入れられるかを盛り上げる演出を実行するようになっている。
なお、第三振分誘導路2551の途中に設けられる第三振分検知センサ2552の検出信号を主制御基板1310に入力するようにしてもよく、この場合には第三振分検知センサ2552のによる遊技球の検知に応じて異常発生の有無等を判別するようにしてもよい。例えば、上記小当り中処理において小当り種別に応じて予定されているV入賞口やハズレ口とは異なるV入賞口やハズレ口で遊技球が検出された場合や、小当り種別に応じて予定されているV入賞口やハズレ口とは異なるV入賞口やハズレ口で遊技球を検出する可能性が生じた場合(小当り種別に応じて予定されている通路や入賞口とは異なる通路や入賞口に遊技球が向かった場合)に、異常が発生したと判別して小当り中処理のステップS441で振分エラー報知を実行するようにしてもよい。
具体的には、小当り種別に応じて予定されているV入賞口やハズレ口として、第一小当りの場合には第一ハズレ口2535が予定され、第二小当りの場合には第二V入賞口2008又は第三ハズレ口2556が予定され、第三小当りの場合には第一V入賞口2007が予定されている。そして、第一小当りの場合に小当り中処理で第一V入賞口2007と第二V入賞口2008と第三ハズレ口2556のいずれかに遊技球が受け入れられたことを検知した場合、第二小当りの場合に小当り中処理で第一ハズレ口2535と第一V入賞口2007の一方に遊技球が受け入れられたことを検知した場合、第三小当りの場合に小当り中処理で第一ハズレ口2535と第二V入賞口2008と第三ハズレ口2556のいずれかに遊技球が受け入れられたことを検知した場合、には異常が発生したと判別して、例えば図174に示すように演出表示装置1600の全領域に「不正発生!」等の表示を行うと共に、スピーカ622、354、462、464からは演出音の音量を抑制してエラー音として「不正が行われています。」と大音量で出力し、さらに扉枠3に設けられるLEDの全部を発光させることで扉枠3の全体を発光させることにより不正行為の発生を通知する振分エラー報知を実行するようにしてもよい。この場合には不正行為の発生を直ぐに報知することができ、不正行為を早期に発見することができる。
また、第二振分誘導路2541の途中に第二振分誘導路2541の内部を流通している遊技球を検知する第二振分検知センサを備えて第二振分検知センサの検出信号を主制御基板1310に入力するようにしてもよく、第一小当りの場合に小当り中処理で第一V入賞口2007と第二V入賞口2008と第三ハズレ口2556のいずれかに遊技球が受け入れられる可能性が生じた場合、即ち第二振分検知センサが遊技球を検知したことにより遊技球が第二振分誘導路2541内に進入したと判別した場合、第二小当りの場合に小当り中処理で第二振分検知センサが遊技球を検知したものの第三振分検知センサ2552で遊技球を検知できないことにより第二振分誘導路2541内を通過する遊技球が第一V入賞口2007に向かっていると判別した場合、第三小当りの場合に小当り中処理で第二振分検知センサが遊技球を検知した後に第三振分検知センサ2552で遊技球を検知したことにより第二振分誘導路2541内を通過する遊技球が第三振分装置2550に向かっていると判別した場合、等の予定されているV入賞口やハズレ口とは異なるV入賞口やハズレ口で遊技球を検出する可能性が生じた場合には異常が発生したと判別して振分エラー報知を実行するようにしてもよい。この場合には不正行為が発生し得る状態となったときに報知することができ、不正行為を早期に発見することができる。
なお、異常の度合い(不正レベル)に応じて振分エラー報知の態様を異ならせるようにしてもよく、例えば第一小当りの場合に第二振分検知センサが遊技球を検知したことにより遊技球が第二振分誘導路2541内に進入したと判別した場合、や第二小当りの場合に小当り中処理で第二振分検知センサが遊技球を検知したものの第三振分検知センサ2552で遊技球を検知できないことにより第二振分誘導路2541内を通過する遊技球が第一V入賞口2007に向かっていると判別した場合には、異常の度合いが高いと判断して例えば演出表示装置1600の全領域に「不正発生!」等の表示を行うと共に、スピーカ622、354、462、464から「不正が行われています。」と大音量で出力することで不正行為の発生を報知し、第二小当りの場合に小当り中処理で第三小当りの場合に小当り中処理で第二振分検知センサが遊技球を検知した後に第三振分検知センサ2552で遊技球を検知したことにより第二振分誘導路2541内を通過する遊技球が第三振分装置2550に向かっていると判別した場合には、異常の度合いが低いと判断して例えば演出表示装置1600の一部の領域に「排出異常です。」等の表示を行ってスピーカ622、354、462、464の出力は行わないことで不正行為とは異なる異常の発生を報知するようにしてもよい。即ち、小当り種別に応じて予め設定されているV入賞口への遊技球の進入割合よりも高い割合でV入賞口へ遊技球が進入する経路を遊技球が通過している場合(実行している小当り種別に応じて予め設定されているV入賞期待度よりもV入賞期待度が向上されている場合)には異常の度合いが高いと判断して不正行為が行われていることを報知し、小当り種別に応じて予め設定されているV入賞口への遊技球の進入割合よりも低い割合でV入賞口へ遊技球が進入する経路を遊技球が通過している場合(実行している小当り種別に応じて予め設定されているV入賞期待度よりもV入賞期待度が低下されている場合)には異常の度合いが低いと判断して不正行為とは異なる異常の発生を報知するようにしてもよい。また、実行している小当り種別に応じて予め設定されているV入賞期待度よりもV入賞期待度が低下する場合には遊技者自身は不利益を被るものの、遊技店側には損害が発生しないため、このような異常の度合いが低い場合には振分エラー報知を行わないようにしてもよい。
また、小当り種別に応じて予定されているV入賞口やハズレ口とは異なるV入賞口やハズレ口で遊技球が検出されたことや、小当り種別に応じて予定されているV入賞口やハズレ口とは異なるV入賞口やハズレ口で遊技球を検出する可能性が生じたことに基づいて振分エラー報知を行っている期間に、上記小当り中処理で役物入賞口2006に進入した遊技球が排出されていないという軽微な異常が発生したと判別されても小当り種別に応じて予定されているV入賞口やハズレ口とは異なるV入賞口やハズレ口で遊技球が検出されたことや、小当り種別に応じて予定されているV入賞口やハズレ口とは異なるV入賞口やハズレ口で遊技球を検出する可能性が生じたことに基づいて実行されている振分エラー報知は終了させることなく、継続して実行される。ただし、上記小当り中処理で役物入賞口2006に進入した遊技球が排出されていないという軽微な異常が発生したと判別されたことに基づく排出エラー報知1は視認・視聴可能な状態とはされないが、裏で実行されており、時間の経過とともに排出エラー報知1の内容を進行させている。また、この場合に役物入賞口2006に進入した遊技球が排出されて残留球カウンタの値が「0」になると役物入賞口2006に進入した遊技球が排出されていないという軽微な異常が発生したと判別されたことに基づく排出エラー報知1は終了する。このように、重大な異常が発生したことに基づいてエラー報知(この例では振分エラー報知)を行っている期間に、軽微な異常が発生しても軽微な異常の発生に基づくエラー報知(この例では排出エラー報知1)が視認・視聴可能に実行されることはない。ただし、重大な異常の発生に基づくエラー報知(この例では振分エラー報知)の裏でひっそりと実行されており、軽微な異常が解消した場合には軽微な異常の発生に基づくエラー報知(この例では排出エラー報知1)を終了させるようになっている。
本例では小当り遊技状態や大当り遊技状態が発生していない状態においても、役物入賞口センサ2513、第一V入賞口センサ2514、第一ハズレ口センサ2515、第二V入賞口センサ3003、第三ハズレ口センサ3004による遊技球の検知を監視しており、これらのいずれかで遊技球を検知した場合には不正行為が行われていると判断して不正行為の発生を報知するようになっている。なお、小当り遊技状態や大当り遊技状態が発生していない状態において、第二振分検知センサや第三振分検知センサ2552による遊技球の検知を監視するようにしてもよく、第二振分検知センサや第三振分検知センサ2552のいずれで遊技球を検知した場合には異常の度合いが高い、即ち不正行為が行われていると判断して不正行為の発生を報知するようにしてもよい。即ち、小当り遊技状態や大当り遊技状態が発生していない状態では、V入賞口へ遊技球が進入する割合の程度(高低)に関わらず、役物入賞口2006内のいずれの通路を遊技球が通過していても不正行為が行われていると判断して不正行為の発生を報知するようにしてもよい。
なお、上記した例ではステップS441で排出エラー報知を実行した場合や小当り種別に応じて予定されているV入賞口やハズレ口とは異なるV入賞口やハズレ口で遊技球が検出されたことや、小当り種別に応じて予定されているV入賞口やハズレ口とは異なるV入賞口やハズレ口で遊技球を検出する可能性が生じたことに基づいて振分エラー報知を行った場合に小当り中処理を繰り返し実行して残留球カウンタの値を監視するようにしたが、残留球カウンタの値を監視することなく遊技の進行を停止させるようにしてもよい。また、遊技の進行を停止させない場合であっても残留球カウンタの値を監視して残留球カウンタの値が正常(「0」)になった場合に異常状態から自動的に復帰させて小当り遊技状態を終了させないようにしてもよい。これにより異常の発生を確実に把握できるようになる。
また、振分エラー報知を行った後、小当り種別に応じて予定されているV入賞口やハズレ口(正規の受入口)で遊技球が検出された場合や、小当り種別に応じて予定されているルート(正規のルート)を転動する遊技球を検出した場合(例えば第二小当りの場合に第三振分検知センサ2552でを検知した場合)には、振分エラー報知を終了するようにしてもよい。また、排出エラー報知を行った後、小当り種別に応じて予定されているV入賞口やハズレ口(正規の受入口)で遊技球が検出された場合や、小当り種別に応じて予定されているルート(正規のルート)を転動する遊技球を検出した場合(例えば第二小当りの場合に第三振分検知センサ2552でを検知した場合)に排出エラー報知を終了するようにしてもよい。また、排出エラー報知を実行する起因となる排出監視タイマの計測値を、小当り種別に応じて予定されているルート(正規のルート)を転動する遊技球を検出する(例えば第二小当りの場合に第三振分検知センサ2552でを検知する)毎にリセットするようにしてもよく、この場合にはリセット後に再び排出監視タイマの計測を行って排出監視タイマの計測値が実行中の小当り種別に応じた想定最長期間となった場合に排出エラー報知を実行可能にすればよい。
[15−1.音量調節]
音量調整スイッチは、電源投入後の所定期間(具体的には周辺制御部が初期設定処理(ステップS1000)及び現在時刻設定処理(ステップS1002)を終了するまでの期間)や特別図柄表示器(第一特別図柄表示器、第二特別図柄表示器)において特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示を開始又は停止するときの一定期間(この例では周辺制御部にて変動パターンコマンドを受信してから装飾図柄の変動表示開始後に0.5秒経過するまでや、周辺制御部にて停止表示コマンドを受信してから装飾図柄の確定表示後に0.5秒経過するまで)を除き、扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622とから流れる音楽や効果音等の演出音の音量を、音量調整スイッチを回動操作することにより調節することができるようになっている。音量調整スイッチは、上述したように、回動操作されることにより抵抗値が可変するようになっており、電気的に接続された周辺制御A/Dコンバータ4150akが音量調整スイッチの回転位置における抵抗値により分圧された電圧を、アナログ値からデジタル値に変換して、値0〜値1023までの1024段階の値に変換している。
本実施形態では、上述したように、1024段階の値を7つに分割して基板ボリューム0〜6として管理している。基板ボリューム0では消音、基板ボリューム6では最大音量に設定されており、基板ボリューム0から基板ボリューム6に向かって音量が大きくなるようにそれぞれ設定されている。基板ボリューム0〜6に設定された音量となるように音源ICを制御して扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622とから音楽や効果音が流れるようになっている。このように、音量調整スイッチの回動操作に基づく音量調整により扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622とから音楽や効果音等の演出音が流れるようになっている。
また、本実施形態では、上述したように、音楽や効果音等の演出音のほかに、パチンコ機1の不具合の発生やパチンコ機1に対する不正行為をホールの店員等に報知するための報知音や、遊技演出に関する内容等を告知する(例えば、演出表示装置1600に繰り広げられている画面をより迫力あるものとして演出したり、遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性が高いこと告知したり等。)ための告知音も扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622とから流れるが、報知音や告知音は、音量調整スイッチの回動操作に基づく音量調整に全く依存されずに流れる仕組みとなっており、消音から最大音量までの音量をプログラムにより周辺制御ICを制御して調整することができるようになっている。
このプログラムにより調整される音量は、上述した7段階に分けられた基板ボリュームと異なり、消音から最大音量までを5段階に変化させることができるようになっている。これにより、例えば、ホールの店員等が音量調整スイッチを回動操作して音量を小さく設定した場合であっても、扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622とから流れる音楽や効果音等の演出音が小さくなるものの、パチンコ機1に不具合が発生しているときや遊技者が不正行為を行っているときには大音量(本実施形態では、最大音量)に設定した報知音を流すことができる。したがって、演出音の音量を小さくしても、報知音によりホールの店員等が不具合の発生や遊技者の不正行為を気付き難くなることを防止することができる。
また上記したように本実施形態では、電源投入後の所定期間(具体的には周辺制御部が初期設定処理(ステップS1000)及び現在時刻設定処理(ステップS1002)を終了するまでの期間)や特別図柄表示器(第一特別図柄表示器、第二特別図柄表示器)において特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示を開始又は停止するときの一定期間(この例では周辺制御部にて変動パターンコマンドを受信してから装飾図柄の変動表示開始後に0.5秒経過するまでや、周辺制御部にて停止表示コマンドを受信してから装飾図柄の確定表示後に0.5秒経過するまで)を除き、音量調整スイッチを回動操作することにより音楽や効果音の演出音の音量を調節するようになっていることに加えて、電源投入後の所定期間(具体的には周辺制御部が初期設定処理(ステップS1000)及び現在時刻設定処理(ステップS1002)を終了するまでの期間)や特別図柄表示器(第一特別図柄表示器、第二特別図柄表示器)において特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示を開始又は停止するときの一定期間(この例では周辺制御部にて変動パターンコマンドを受信してから装飾図柄の変動表示開始後に0.5秒経過するまでや、周辺制御部にて停止表示コマンドを受信してから装飾図柄の確定表示後に0.5秒経過するまで)、さらに変動演出において設定された演出操作ユニット300の回転操作部302や押圧操作部303の操作期間(いわゆるボタン演出において演出操作ユニット300の回転操作部302や押圧操作部303の操作を受け付ける有効期間)等、を除き、演出操作ユニット300の回転操作部302や押圧操作部303を操作することで音楽や効果音の演出音の音量を調節することができるようになっている。具体的には電源投入後の所定期間(具体的には周辺制御部が初期設定処理(ステップS1000)及び現在時刻設定処理(ステップS1002)を終了するまでの期間)や特別図柄表示器(第一特別図柄表示器、第二特別図柄表示器)において特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示を開始又は停止するときの一定期間(この例では周辺制御部にて変動パターンコマンドを受信してから装飾図柄の変動表示開始後に0.5秒経過するまでや、周辺制御部にて停止表示コマンドを受信してから装飾図柄の確定表示後に0.5秒経過するまで)、さらに変動演出において設定された演出操作ユニット300の回転操作部302や押圧操作部303の操作期間(いわゆるボタン演出において演出操作ユニット300の回転操作部302や押圧操作部303の操作を受け付ける有効期間)等を除き、演出操作ユニット300の回転操作部302を回転操作すると、複数の目盛で構成されたインジケータが演出表示装置1600に表示されると共に、演出操作ユニット300の回転操作部302を回転操作することで音楽や効果音の演出音の音量を変化させて所望の音量(最小音量の1から最大音量の5までのいずれか)に調節することができる。
具体的には、演出操作ユニット300の押圧操作部303を操作することなしに回転操作部302を右回転させ、回転操作部302の回転量が所定の回転量に到達すると演出音の音量が1段階上がった音量に変更され、演出操作ユニット300の押圧操作部303を操作することなしに回転操作部302を左回転させ、回転操作部302の回転量が所定の回転量に到達すると演出音の音量が1段階下がった音量に変更される。
図175は、音量調整スイッチの回動操作や演出操作ユニット300の回転操作部302の回転操作に応じて扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622から出力される演出音の音量をボリューム5に設定されている状態で演出表示装置1600において装飾図柄を変動表示する変動演出が開始され、この変動演出の途中で演出操作ユニット300の押圧操作部303が押圧操作された場合と、その後に演出操作ユニット300の回転操作部302が回転操作された場合の例を示すタイミング図である。
図175に示すように、演出表示装置1600で実行される変動演出の途中で演出音の音量をボリューム5からボリューム4に変更するために演出操作ユニット300の押圧操作部303を操作することなしに回転操作部302を左回転させ、回転操作部302の回転量が所定の回転量に到達すると、演出音の音量がボリューム5から1段階下がってボリューム4に変更され、この回転操作部302の回転操作に応じた変更が直ぐに扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622から出力される演出音に反映される。即ち、扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622から出力される演出音の音量を変更するために演出操作ユニット300の回転操作部302を回転操作したt1のタイミングでこの変更後の音量が扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622からの出力に反映されるようになっている。
また、演出表示装置1600に表示されるインジケータは演出操作ユニット300の回転操作部302の回転操作に応じてその目盛を変化させるようになっている。これにより、視覚を通じて現在の設定音量を判別できるようになっている。また、本例では演出操作ユニット300の回転操作部302の回転操作に応じて表示されるインジケータを、装飾図柄等による演出演出が実行される演出表示装置1600に表示する。また、このインジケータは演出表示装置1600に表示される画像の中でも最表面に表示される。本例では演出表示装置1600に表示されるインジケータを半透明に表示することでその背部で実行される変動演出等の画像を認識できるようになっている。なお、装飾図柄等による変動演出が実行される演出表示装置1600とは異なるサブの表示装置を設けるようにしてもよく、この場合には演出操作ユニット300の回転操作部302の回転操作に応じてインジケータをサブの表示装置に表示するようにしてもよい。また、本例では回転操作部302の操作終了から所定期間(例えば3s)が経過すると演出表示装置1600に表示されているインジケータを消失させる。なお、回転操作部302が回転操作されたことに基づいて演出表示装置1600にインジケータを表示した後、押圧操作部303が操作されたことに基づいて演出表示装置1600に表示されているインジケータを消失させるようにしてもよい。なお、上記したインジケータは演出表示装置1600の中央に表示されるものであってもよいし、演出表示装置1600の表示領域のうち演出画像等と重ならない右下表示領域等を区画し、この右下表示領域にインジケータを表示するようにしてもよい。また、パチンコ機1の各種設定用の表示を行う表示装置を演出表示装置1600とは別個に設け、この表示装置にインジケータを表示するようにしてもよい。
また、演出操作ユニット300の回転操作部302を回転操作することでインジケータの目盛と音楽や効果音の演出音の音量とが変化すると、変化後の音量に応じた特定音(「ピッ」等の電子音)が扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622とから出力されるようになっている。これにより、演出操作ユニット300の回転操作部302を回転操作したときに音楽や効果音の演出音が扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622とから出力されていなくても、扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622とから出力される特定音によって実際の音量を確認しながら音量を調節することができる。なお、変動演出の実行中には特定音を出力しないようにしてもよい。即ち、変動演出の実行中には変動演出の内容に応じた演出音が出力されるものであり、特定音を出力させなくても実際の音量を確認することが可能であるためである。これにより、変動演出中に変動演出の内容とは無関係の特定音が出力されることで実行中の変動演出が阻害されて遊技興趣が低下することを抑止することができる。
この調節された音量は、周辺制御ICの内蔵音源における複数のトラックのうち、音楽や効果音等の演出音の音データが組み込まれたトラックに対して、サブボリューム値として設定更新されて演出音の音量の調節に反映されるものの、上述した報知音や告知音の音量に調節に反映されないようになっている。
このように、本実施形態では、音量調整スイッチを直接回動操作することにより音楽や効果音の演出音の音量を調節する場合と、演出操作ユニット300の回転操作部302や押圧操作部303の操作に応じて音量調整スイッチによって調節された音量に対して所定値を加算又は減算することによって、基板ボリュームの値を増やしたり、又は減らしたりすることにより音楽や効果音の演出音の音量を調節する場合と、の2つの方法がある。音量調整スイッチは、周辺制御基板1510に実装されているため、本体枠4を外枠2から必ず開放した状態にする必要がある。そうすると、音量調整スイッチを回動操作することができるのは、ホールの店員だけとなる。ところが、ホールの店員が調節した音量では、遊技者にとって小さく感じて音楽や効果音の演出音を聞き取り難い場合もあるし、遊技者にとって大きく感じて音楽や効果音の演出音をうるさく感じる場合もある。そこで、パチンコ機1の電源投入後に、演出操作ユニット300の回転操作部302や押圧操作部303を操作した場合には、音楽や効果音の演出音の音量を所望の音量に調節することができるようになっている。これにより、遊技者は所望の音量に音楽や効果音の演出音の音量を調節することができるため、ホールの店員が調節した音量を小さく感じて音楽や効果音の演出音を聞き取り難い場合には、演出操作ユニット300の回転操作部302や押圧操作部303を操作して所望の音量まで大きくすることができるし、ホールの店員が調節した音量を大きく感じて音楽や効果音の演出音をうるさく感じる場合には、演出操作ユニット300の回転操作部302や押圧操作部303を操作して所望の音量まで小さくすることができる。
また、本実施形態では、パチンコ機1において遊技が行われていない状態が所定時間継続され、客待ち状態となって演出表示装置1600によるデモンストレーションが繰り返し行われると(例えば、10回)、前回、パチンコ機1の前面に着座して遊技を行っていた遊技者が調節した音量がキャンセルされて、音量が初期化されるようになっている。この音量の初期化では、ホールの店員が調節した音量、つまりホールの店員が音量調整スイッチを直接回動操作して調節した音量となるようになっている。これにより、前回、パチンコ機1の前面に着座して遊技を行っていた遊技者が調節した音量を小さく感じて音楽や効果音の演出音を聞き取り難い場合には、今回、パチンコ機1の前面に着座して遊技を行う遊技者が演出操作ユニット300の回転操作部302や押圧操作部303を操作して所望の音量まで大きくすることができるし、前回、パチンコ機1の前面に着座して遊技を行っていた遊技者が調節した音量を大きく感じて音楽や効果音の演出音をうるさく感じる場合には、今回、パチンコ機1の前面に着座して遊技を行う遊技者が演出操作ユニット300の回転操作部302や押圧操作部303を操作して所望の音量まで小さくすることができる。
[15−2.特定の周波数帯域の音量調節]
本例のパチンコ機1では、演出操作ユニット300の回転操作部302や押圧操作部303を操作した場合には、音量調整スイッチによって調節された音量に対して所定値を加算又は減算することによって、基板ボリュームの値を増やしたり、又は減らしたりして音楽や効果音の演出音の音量を調節することに加えて、特定の周波数帯域の音量を調節できるようになっている。具体的には、高音域(所定の周波数帯域以上)の音出力を抑制(消音でもよい)できるようになっている。
即ち、電源投入後の所定期間(具体的には周辺制御部が初期設定処理(ステップS1000)及び現在時刻設定処理(ステップS1002)を終了するまでの期間)や特別図柄表示器(第一特別図柄表示器、第二特別図柄表示器)において特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示を開始又は停止するときの一定期間(この例では周辺制御部にて変動パターンコマンドを受信してから装飾図柄の変動表示開始後に0.5秒経過するまでや、周辺制御部にて停止表示コマンドを受信してから装飾図柄の確定表示後に0.5秒経過するまで)、さらに変動演出において設定された演出操作ユニット300の回転操作部302や押圧操作部303の操作期間(いわゆるボタン演出において演出操作ユニット300の回転操作部302や押圧操作部303の操作を受け付ける有効期間)等、を除き、演出操作ユニット300の押圧操作部303を押圧操作すると、パチンコ機1の様々な環境(高音の出力の有無、扉枠3のLEDの発光の有無等)を設定する環境変更モードを行うための画面が演出表示装置1600に表示されるようになっている。環境変更モードを行うための画面では変更可能とされる環境(高音の出力の有無、扉枠3のLEDの発光の有無等)が一覧で表示され、演出操作ユニット300の回転操作部302でいずれかの環境設定を選択した状態で押圧操作部303を操作することで当該環境設定を変更する処理を実行可能となる。このように、環境変更モードの画面に従って演出操作ユニット300の回転操作部302や押圧操作部303を操作することで、特定の周波数帯域の音出力を抑制したり、音量調整スイッチの回動操作や演出操作ユニット300の回転操作部302の回転操作に応じて設定されている音量で出力させたりできるようになっている。また、環境変更モードの画面は演出表示装置1600に表示される画像の中でも最表面に表示されるものの、半透明に表示されることで背部の画像を認識できるようになっている。
具体的には、演出操作ユニット300の回転操作部302を回転操作することなしに押圧操作部303を押圧操作すると、環境変更モードを行うための画面が演出表示装置1600に表示される。そして、回転操作部302を操作して特定の周波数帯域の音量調節を選択している状態で押圧操作部303を押圧操作することで特定の周波数帯域の音出力を抑制する状態と特定の周波数帯域の音出力を抑制しない状態との選択画面が表示され(例えば音量設定用のミニキャラを表示すると共に、ミニキャラの吹き出し内に「高音域カットオン」又は「高音域カットオフ」を表示し、回転操作部302を所定の回転量だけ回転操作する毎に表示を切り換える)、再び回転操作部302を操作して特定の周波数帯域の音出力を抑制する状態と特定の周波数帯域の音出力を抑制しない状態との一方が選択された状態で押圧操作部303を押圧操作することで選択されている状態への変更が決定され、決定画面が表示される(音量設定用のミニキャラの吹き出し内で「高音域のカット有りね」又は「高音域のカット無しね」のどちらかを表示する)。その後、所定期間(例えば3s)が経過すると演出表示装置1600に表示されている決定画面を消失させることで環境変更モードを終了する。なお、決定画面が表示された後、押圧操作部303が操作されたことに基づいて演出表示装置1600に表示されている決定画面を消失させるようにしてもよい。なお、上記環境変更モードを行うための画面、選択画面、決定画面は演出表示装置1600の中央に表示されるものであってもよいし、演出表示装置1600の表示領域のうち演出画像や上記演出音の音量調節時のインジケータの表示と重ならない左下表示領域等を区画し、環境変更モードを行うための画面と選択画面と決定画面とをこの左下表示領域に表示するようにしてもよい。また、パチンコ機1の各種設定用の表示を行う表示装置を演出表示装置1600とは別個に設け、この表示装置に上記環境変更モードを行うための画面、選択画面、決定画面を表示するようにしてもよい。
なお、演出操作ユニット300の回転操作部302を回転操作することなしに押圧操作部303を押圧操作することにより、環境変更モードを行うための画面が演出表示装置1600に表示された後に、回転操作部302を回転操作させても演出音の音量調節は無効とされ、演出表示装置1600にインジケータは表示されない。そして、環境変更モードの終了後に演出操作ユニット300の押圧操作部303を押圧操作することなしに回転操作部302を回転操作すると演出音の音量調節が有効となって演出表示装置1600にインジケータが表示されるようになる。
また、図175に示すように演出表示装置1600で実行される変動演出の途中で特定の周波数帯域の演出音の音量を音量調整スイッチの回動操作や演出操作ユニット300の回転操作部302の回転操作に応じて設定されている音量よりも抑制するために演出操作ユニット300の回転操作部302や押圧操作部303を操作すると、これらの操作が完了したt2のタイミングでは演出操作ユニット300の回転操作部302や押圧操作部303の操作に応じた変更が扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622から出力される演出音に反映されない。そして、演出表示装置1600で実行される変動演出が終了するt3のタイミング(主制御MPUから装飾図柄の表示結果の導出表示を指示する停止表示コマンドを受信したことに基づいて装飾図柄を確定停止させたタイミング)で変動演出の途中に行われた演出操作ユニット300の回転操作部302や押圧操作部303の操作に応じた変更を反映させる、即ち特定の周波数帯域の演出音の音量を音量調整スイッチの回動操作や演出操作ユニット300の回転操作部302の回転操作に応じて設定されている音量よりも抑制する。
なお、変動演出の途中で特定の周波数帯域の演出音の音量調節において回転操作部302や押圧操作部303を完了したt2のタイミング以降では、特定の周波数帯域の演出音の音量調節は無効とされる。そして、変動演出が終了するt3のタイミングで演出操作ユニット300の回転操作部302や押圧操作部303の操作に応じた特定の周波数帯域の演出音の音量調節の変更が反映されると、特定の周波数帯域の演出音の音量調節が有効となる。また、本例では特定の周波数帯域の演出音の音量調節は無効とされる場合であっても演出操作ユニット300の回転操作部302を回転操作することなしに押圧操作部303を押圧操作すると環境変更モードを行うための画面は演出表示装置1600に表示されるが、特定の周波数帯域の音量調節を選択することはできないようになっている。なお、特定の周波数帯域の演出音の音量調節を無効とする期間では演出操作ユニット300の回転操作部302を回転操作することなしに押圧操作部303を押圧操作しても環境変更モードを行うための画面を演出表示装置1600に表示させないようにしてもよい。
このように、本例のパチンコ機1では演出表示装置1600で実行される変動演出の途中で特定の周波数帯域の演出音の音量を調節するために演出操作ユニット300の回転操作部302や押圧操作部303を操作した場合には、これら操作に応じた変更を直ぐに反映させることなく、演出表示装置1600で実行されている変動演出の終了後に反映させるようになっている。通常、変動演出の開始から終了まではその変動演出の内容に応じた演出音が扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622から連続的に出力されるため、変動演出の途中で特定の周波数帯域の演出音の音量を調節する場合には(連続的に出力されている演出音が一瞬途切れて、その後に特定の周波数帯域の音量の抑制された演出音又は特定の周波数帯域の音量の抑制されていない演出音の出力が再開される等により)遊技者に違和感を与えるおそれがある。
本例のパチンコ機1では変動演出の途中で特定の周波数帯域の演出音の音量を調節するために演出操作ユニット300の回転操作部302や押圧操作部303が操作された場合に、変動演出が終了するまではこの操作に応じた変更を反映させることなしに変動演出の終了後に反映させることで、変動演出中に連続的に流れる演出音については事前に設定されている内容で出力し、変動演出が終了して当該変動演出の内容に応じて連続的に流れていた演出音の出力が停止した後に演出操作ユニット300の回転操作部302や押圧操作部303の操作による特定の周波数帯域の音量調節を反映させた演出音を出力可能にするため、遊技者に違和感を与えない。即ち、演出音が連続的に出力されている変動演出中には特定の周波数帯域の音量調節を反映させずに、この連続的に出力されていた演出音が停止して、次の演出音を出力するまでの切り替えタイミングで反映させることで、調節に応じた演出音の変更を違和感なく行うことができる。
一方、変動演出の行われていない期間に特定の周波数帯域の演出音の音量を調節するために演出操作ユニット300の回転操作部302や押圧操作部303が操作された場合には、この操作に応じた変更が直ぐに反映されて特定の周波数帯域の音量の調節された演出音が扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622から出力される。
このように、変動演出中における演出音の音量調節については直ぐに反映させる一方で、特定の周波数帯域の演出音の音量調節については直ぐに反映させないようになっている。即ち、演出音の変更により遊技者に違和感を与えるなどの実行中の変動演出で予定されている演出に悪影響を及ぼし得る音関連情報については変動演出中の変更を禁止して演出効果の低下を抑止するようになっている。
また、特定の周波数帯域の音量調節を直ぐに反映させない場合にはその旨を演出表示装置1600に表示することにより遊技者に通知するようにしてもよい。例えば、変動演出の途中で特定の周波数帯域の演出音の音量を調節するために演出操作ユニット300の回転操作部302や押圧操作部303が操作された場合に、特定の周波数帯域の音量調節は直ぐに反映させないものの、演出表示装置1600に音量設定用のミニキャラを表示してこのミニキャラの吹き出し内に「ちょっと待ってね」等の待機表示を行うことで特定の周波数帯域の演出音の音量を調節するための演出操作ユニット300の回転操作部302や押圧操作部303の操作を正常に受け付けていることを遊技者に通知するようにしてもよい。また、特定の周波数帯域の演出音の音量を調節するための演出操作ユニット300の回転操作部302や押圧操作部303の操作を正常に受け付けていることを遊技者に通知する待機表示を、特定の周波数帯域の音量調節を反映させるタイミングまでの残り時間に応じて変化させるようにしてもよく、例えば演出表示装置1600に音量設定用のミニキャラを表示してこのミニキャラの吹き出し内に「ちょっと待ってね」等の待機表示1を行って特定の周波数帯域の演出音の音量を調節するための演出操作ユニット300の回転操作部302や押圧操作部303の操作を正常に受け付けていることを遊技者に通知した後、特定の周波数帯域の音量調節を反映させるタイミングまでの残り時間が所定時間となった場合に、演出表示装置1600に音量設定用のミニキャラを表示してこのミニキャラの吹き出し内にて「3」、「2」、「1」などのカウントダウンを行う待機表示2を行うようにしてもよい。さらに、特定の周波数帯域の演出音の音量を調節するタイミングに到達した場合に、その旨を通知するようにしてもよく、例えば演出表示装置1600に音量設定用のミニキャラを表示してこのミニキャラの吹き出し内に「選択反映開始!」等の反映表示を行うようにしてもよい。
また、上記した例では特定の周波数帯域の音量調節として、特定の周波数帯域の音量が抑制されないイコライザ設定Aと、特定の周波数帯域の音量が抑制されるイコライザ設定Bと、が予めイコライザの設定パターンとして記憶されており、上記特定の周波数帯域の演出音の音量調節が行われることでイコライザ設定Aとイコライザ設定Bとを切り換えることにより、特定の周波数帯域の音量が抑制されない状態と、特定の周波数帯域の音量が抑制された状態と、の二段階(オンとオフ)に切り替えるようになっている。なお、特定の周波数帯域の音量の抑制度合いの異なる複数のイコライザ設定をイコライザの設定パターンとして予め記憶し、これら複数のイコライザ設定を切り替えることで、特定の周波数帯域の音量の抑制度合いが異なる複数の状態に切り替えるようにしてもよい。例えば、特定の周波数帯域の音量が抑制されないイコライザ設定Aと、特定の周波数帯域の音量が消音されるイコライザ設定Bと、特定の周波数帯域の音量が音量調整スイッチの回動操作や演出操作ユニット300の回転操作部302の回転操作に応じて設定されている音量の半分の音量に抑制されるイコライザ設定C(例えば設定されている音量がボリューム6であればボリューム3に変更)と、を予めイコライザの設定パターンとして記憶し、上記特定の周波数帯域の演出音の音量調節が行われることでイコライザ設定Aとイコライザ設定Bとイコライザ設定Cとのいずれかに切り替えることにより、特定の周波数帯域の音量が抑制されない状態と、特定の周波数帯域の音量を消音させた状態と、特定の周波数帯域の音量を音量調整スイッチの回動操作や演出操作ユニット300の回転操作部302の回転操作に応じて設定されている音量の半分の音量に抑制した状態と、の三段階に切り替え可能となるようにしてもよい。これにより、様々な遊技者の嗜好に合った設定を行うことができるようになる。
また、特定の周波数帯域の演出音は上記したものに限らず、音声の周波数帯域や低音域等も含まれるものであり、例えば変動演出中にキャラクタなどから発せられるセリフの音量を調節できるようにしてもよいし(複数のキャラクタがある場合には一括して調節するものでもよいし、個々に調節するものでもよい)、低音域の音量を調節できるようにしてもよい。また、大当り確定を報知するための演出音(確定音)や賞球払い出し時の払い出し音等についても調節できるようにしてもよい。また、特定の周波数帯域として複数の周波数帯域の音量を調節できるようにしてよく、例えば高音域と低音域との両方の音量を調節するようにしてもよい。この場合、高音域と低音域とのそれぞれをまとめて調節するようにしてもよいし(例えば高音域を抑制しない状態と抑制する状態との一方に切り替える操作と低音域を抑制しない状態と抑制する状態との一方に切り替える操作とを一回の操作でまとめて行う)、各々調節する(例えば高音域を抑制しない状態と抑制する状態との一方に切り替える操作と低音域を抑制しない状態と抑制する状態との一方に切り替える操作とを別々に行う)ようにしてもよい。即ち複数の設定モード(高音カット、払出音カット、大当り確定音カットなど)のうちのいずれかを遊技者が選択できるようにしてもよい。これにより、様々な遊技者の嗜好に合った設定を行うことができるようになる。
また、大当り遊技状態中や小当り遊技状態中等において連続的な演出音を出力するような場合に、上記演出音の音量調節については扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622からの出力に直ぐに反映させる一方、特定の周波数帯域の音量調節については大当り遊技状態及び小当り遊技状態の終了後に反映させるようにしてもよい。これにより連続的な演出音の出力が停止して、次の演出音を出力するまでの切り替えタイミングで特定の周波数帯域の音量調節を扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622からの出力に反映させることで、調節に応じた演出音の変更を違和感なく行うことができる。なお、大当り遊技状態中や小当り遊技状態中は変動演出に比べて遊技者の演出内容に対する注目度は落ちるため、特定の周波数帯域の音量調節についても上記演出音の音量調節と同様に扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622からの出力に直ぐに反映させるようにしてもよい。
また、時短状態中等の通常状態とは異なる遊技状態において連続的な演出音を出力するような場合に、上記演出音の音量調節については扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622からの出力に直ぐに反映させ、特定の周波数帯域の音量調節については変動演出の途中で特定の周波数帯域の演出音の音量を調節するために演出操作ユニット300の回転操作部302や押圧操作部303が操作された場合に、変動演出が終了するまではこの操作に応じた変更を反映させることなしに変動演出の終了後に反映させ、変動演出が行われていないときに特定の周波数帯域の演出音の音量を調節するために演出操作ユニット300の回転操作部302や押圧操作部303が操作された場合に扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622からの出力に直ぐに反映させるようにしてもよい。即ち、変動演出という遊技者の最も注目する演出の実行中には特定の周波数帯域の音量調節を反映させることなく、変動演出の終了後に反映させることで遊技者があまり注目していないときに特定の周波数帯域の音量調節を反映させて調節に応じた演出音の変更を違和感なく行うことができるようにしてもよい。
なお、特定の周波数帯域の音量調節を反映させた場合であっても扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622から実際に演出音が出力されるまでは変更後の演出音の出力は行われない。そのため、変動演出の途中で特定の周波数帯域の演出音の音量を調節するために演出操作ユニット300の回転操作部302や押圧操作部303が操作された場合に、変動演出の終了後に特定の周波数帯域の音量調節を反映させても、変更後の演出音は次の変動演出の開始後に扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622から出力される。即ち、次回の変動演出を開始するための抽選処理(当り判定抽選等)が行われた後に実際の出力が行われるようになる。同様に、演出表示装置1600においてデモンストレーションが行われている期間に特定の周波数帯域の演出音の音量を調節するために演出操作ユニット300の回転操作部302や押圧操作部303が操作された場合には、特定の周波数帯域の演出音の音量調節を直ぐに反映させるものの、デモンストレーションとして演出音の出力がなされないものであれば次の変動演出が開始されるまでは変更後の演出音は扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622から出力されずに、変動演出の開始後に出力される。
また、特定の周波数帯域の音量調節は演出音の音量が初期化されるときに同時に初期化されるようになっている。即ち、パチンコ機1において遊技が行われていない状態が所定時間継続され、客待ち状態となって演出表示装置1600によるデモンストレーションが繰り返し行われると(例えば、10回)、前回、パチンコ機1の前面に着座して遊技を行っていた遊技者が調節した音量がキャンセルされて、音量が初期化されると同時に特定の周波数帯域の音量調節も初期化(特定の周波数帯域の音量が抑制されていない状態)されるようになっている。
また、報知音が大音量(最大音量でもよい)で出力されるエラー報知の実行中に特定の周波数帯域の演出音の音量を調節するために演出操作ユニット300の回転操作部302や押圧操作部303が操作された場合には、エラー報知の起因となった異常の度合い(不正レベル)に応じて特定の周波数帯域の音量調節を報知音に反映させるか否かを適宜設定するようにしてもよい。
例えば、図176に示すように皿ユニット200の下皿202内が遊技球で一杯になっていることが満タン検知センサ154によって検知されたような軽微な異常(満タンエラー)が発生したときに実行される満タンエラー報知中に特定の周波数帯域の音量を調節するために演出操作ユニット300の回転操作部302や押圧操作部303を操作したときには、直ぐに特定の周波数帯域の音量調節を報知音に反映させ、特定の周波数帯域の音量の調節後に軽微な異常(満タンエラー)が発生したときには特定の周波数帯域の音量調節を報知音に反映させた状態を継続させ、扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622から変更後の報知音を出力するようにしてもよい。本例では満タンエラー報知として扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464から出力される音声(例えば「球を抜いてください!」等)が特定の周波数帯域の音量調節を反映させたものに変更される(例えば特定の周波数帯域の音量を抑制していない場合には女性の声で出力し、特定の周波数帯域の音量を抑制している場合には男性の声で出力する)。
一方、図177に示すように扉枠3が開放されたことを検知したような重大な異常(扉開放エラー)が発生したときに実行される扉開放エラー報知中に特定の周波数帯域の音量を調節するために演出操作ユニット300の回転操作部302や押圧操作部303が操作されたときや特定の周波数帯域の音量の調節後に重大な異常(扉開放エラー)が発生したときには、特定の周波数帯域の音量調節を報知音に反映させないようにしてもよい。本例では扉開放エラー報知として扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464から出力される音声(例えば「扉が開いています!」等)の特定の周波数帯域における音量調節が可能とされているものの(例えば特定の周波数帯域の音量を抑制していない場合には女性の声で出力し、特定の周波数帯域の音量を抑制している場合には男性の声で出力する)、重大な異常が発生したときには特定の周波数帯域における音量調節を無効として特定の周波数帯域の音量が抑制されていない報知音を出力する。
即ち、図176に示すように皿ユニット200の下皿202内が遊技球で一杯になっていることが満タン検知センサ154によって検知されたような軽微な異常(満タンエラー)発生時の満タンエラー報知中には、音量を調節するために演出操作ユニット300の回転操作部302の回転操作した場合に、当該操作については有効なものとして受け付けるもののこの音量調節を報知音には反映させない一方で、特定の周波数帯域の音量調節については報知音に反映させて扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622から変更後の報知音を出力する。また、図177に示すように扉枠3が開放されたことを検知したような重大な異常(扉開放エラー)発生時の扉開放エラー報知中には、音量を調節するために演出操作ユニット300の回転操作部302の回転操作した場合に、当該操作については有効なものとして受け付けるもののこの音量調節を報知音には反映させないだけでなく、特定の周波数帯域の音量調節についても報知音に反映させないようになっている。このようにエラー報知の起因となった異常の度合い(不正レベル)に応じて特定の周波数帯域の音量調節を報知音に反映させるか否かを適宜設定することで、重大な異常については確実に発見できるようになる。
また、図177に示すように特定の周波数帯域の音量を抑制するように演出操作ユニット300の回転操作部302や押圧操作部303が操作されて扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622から変更後の演出音が出力されている状態で、重大な異常が発生した場合には環境変更モードや演出操作ユニット300の操作に応じた特定の周波数帯域の音量調節を行うことなく、特定の周波数帯域の音量の抑制を強制的に解除(オフ)し、特定の周波数帯域の音量が抑制されていない報知音が出力される。上記したように報知音は所定期間(例えば、90秒)だけ出力され、報知音の停止後に演出音の出力を再開する場合には、環境変更モードや演出操作ユニット300の操作に応じた特定の周波数帯域の音量調節を行うことなく、強制的に解除された特定の周波数帯域の音量の抑制が再び設定(オン)されて特定の周波数帯域の音量の抑制された演出音が扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622から出力されるようになっている。
このように、本例のパチンコ機1では特定の周波数帯域の音量調節を可能にし、演出操作ユニット300の回転操作部302や押圧操作部303の操作による特定の周波数帯域の音量調節を反映させた演出音や報知音を直ぐに出力可能にする場合と、演出操作ユニット300の回転操作部302や押圧操作部303の操作による特定の周波数帯域の音量調節を直ぐに演出音の出力に反映させることなしにタイミングを遅らせて変更後の演出音や報知音を出力可能にする場合と、をパチンコ機1の状態(遊技状態やエラー状態等)に応じて適宜設定している。これにより、演出効果の低下を抑制したり、重大な異常を確実に発見できるようになる。
[16.当選確率等の設定変更]
上記パチンコ機1において、設定値に応じて大当りや小当り等の確率等を変更する例について説明する。ここでは、払出制御基板633に設定基板上の設定キー、設定変更スイッチ及び設定確定スイッチからの操作信号を出力するものとし、払出制御基板633に複数の機能を有するRWMクリアボタン633zを設けず、RAMクリアスイッチ、エラー解除スイッチ等を別個に設けるものとする。なお、本例では設定基板が払出制御基板633と接続されるが、電源基板カバー631内の電源基板630と接続されてもよいし、設定基板が主制御基板1310と接続されてもよい。さらに設定基板が独立した基板ではなく、払出制御基板633や電源基板630や主制御基板1310の一部でも構成されてもよい。すなわち、払出制御基板633、電源基板630又は主制御基板1310のいずれかに、設定キー、設定変更スイッチ、設定確定スイッチ及び設定表示器が搭載されてもよい。
本例のパチンコ機1では、パチンコ機1の背面側の基板ユニット620にパチンコ機の遊技性能を設定するための設定基板を有している。設定基板は、基板ユニット620の払出制御基板633と接続されており、払出制御部633aが設定基板に設けられる各スイッチの操作状態を取得して、設定又は選択された設定値を表示する設定表示器を制御する。
設定基板には、パチンコ機1の動作モードを設定変更モードに変更するための設定キー、設定値を変更するための設定変更スイッチ、変更された設定値を確定入力するための設定確定スイッチ、及び、設定又は選択された設定値を表示する設定表示器が設けられ、設定変更の操作を受け付ける設定変更操作部として機能する。上記したように設定基板はパチンコ機1の背面側の基板ユニット620に設けられ、遊技店において遊技島に複数のパチンコ機1が列設された状態では、本体枠4を外枠2から開放させることにより設定変更の操作が可能になる。
本実施例では、設定基板上の設定キー、設定変更スイッチ及び設定確定スイッチの操作信号は、払出制御部633aに取り込まれる。また、設定表示器は、払出制御部633aによって制御される。確定した設定は、払出制御部633aから主制御基板1310に送信され、主制御MPUは特別抽選等で用いられるテーブル(当り判定テーブル、大当り図柄決定テーブル、小当り図柄決定テーブル等)として設定に応じたテーブルを選択する。なお、特別抽選等で用いられるテーブルは設定毎に設けられ、各テーブルは少なくとも一部の値が異なるように設定されている。
具体的には、図178に示すように本例では、「大当り確率」、「小当り確率」、「小当り種別」、「普通図柄当り確率」、及び「普図当り種別に応じた第二始動口の開閉パターン」が設定値1〜設定値6のそれぞれに対応して設定されている。
また、大当り確率(当り判定テーブルのうち大当りに当選したことを示す大当り判定値の割合)は設定値毎に異なる値が設定され、設定値1で「319分の1」、設定値2で「309分の1」、設定値3で「299分の1」、設定値4及び設定値6で「279分の1」、設定値5で「289分の1」となっている。この例では、設定値1〜設定値5では設定値が高くなる程に大当り確率が高くなるようにされるものの、最も設定値の高い設定値6では設定値5よりも大当り確率が低くされている。なお、大当り確率を設定値に比例して向上させるようにしてもよく、この場合には設定値1〜設定値6で設定値が高くなるほどに大当り確率が高くなるように設定すればよい。
また、小当り確率(当り判定テーブルのうち小当りに当選したことを示す小当り判定値の割合)は設定値毎に異なる値が設定され、第一特別図柄の特別抽選に用いられるテーブルでは、設定値1〜設定値4までは「100分の1」、設定値5及び設定値6で「90分の1」とされ、第二特別図柄の特別抽選に用いられるテーブルでは、設定値1〜設定値5までは「100分の50」、設定値6で「100分の66」とされている。本例では高設定値(設定値5や設定値6)の場合には他の設定値(低設定値)よりも小当り確率を高めることで間接的に大当り遊技状態の発生頻度を増大させるようになっている。このように、第一特別図柄の特別抽選に用いられるテーブルでは、小当り確率を設定値に応じて変化させることで通常状態時には小当りの当選頻度によって設定値を推測させる一方、第二特別図柄の特別抽選に用いられるテーブルでは小当り確率を全設定値で略同一とすることで時短状態時には純粋に時短状態の継続(連ちゃん)を楽しませるようにしている。
また、主に通常状態時に実行される第一特別図柄の特別抽選に用いられるテーブルでは設定値5及び設定値6の小当り確率を設定値1〜設定値4よりも高く設定しているのに対し、主に時短状態時に実行される第二特別図柄の特別抽選に用いられるテーブルでは設定値6の小当り確率だけが設定値1〜設定値5よりも高く設定される。そのため、設定値4と設定値5では通常状態時に実行される第一特別図柄の特別抽選においては異なる小当り確率で抽選が行われるものの、時短状態時に実行される第二特別図柄の特別抽選においては同一の確率で小当り抽選が行われるようになっている。ただし、大当り確率や後述する小当り種別の決定割合が設定値4よりも設定値5の方が高くなるように設定され、全体として設定値5の方が設定値4よりも有利になるようにされている。
また、通常状態時の大当り確率は高い一方で小当り確率は低いことで、設定値4のように時短状態に移行制御される契機としての当りが「大当り」である可能性が高い一方で「小当り」を介して大当りとなる可能性が低い遊技と、設定値5のように時短状態に移行制御される契機としての当りが「大当り」である可能性が低い一方で「小当り」を介して大当りとなる可能性が高い遊技と、を設定値の変更によって実現でき、時短状態に移行制御される契機としての当りの種類に応じて設定値を推測させる新たなゲーム性を提供することができる。
なお、小当り確率を設定値に比例して向上させるようにしてもよく、この場合には設定値1〜設定値6で設定値が高くなるほどに小当り確率が高くなるように設定すればよい。また、設定値1〜設定値6のうち一部の設定値に応じた小当り確率を、この一部の設定値よりも低設定値のいずれかの設定値に応じた小当り確率よりも低くするようにしてもよい。例えば、設定値4の小当り確率として100分の1とし、設定値4よりも低設定値の設定値3の小当り確率として90分の1としてもよい。この場合には小当りとなった場合に有利な小当り種別(本例では第三小当り)に決定される割合を設定値3よりも設定値4の方が高くなるように設定することで設定値3よりも設定値4の方が有利な状態となるようにしてもよい。
また、上記特別抽選(当り判定処理(ステップS305))の結果、小当りとすることに決定されたことに基づいて小当り種別を決定する場合の決定割合も(小当り図柄決定テーブルに設定される選択割合)、設定値毎に異なる値が設定されている。本例では、第一特別図柄の特別抽選結果として小当りとすることに決定された場合に、設定値1〜設定値3では10分の9の割合で第二小当りに決定されて10分の1の割合で第三小当りに決定され、設定値4及び設定値5では10分の8の割合で第二小当りに決定されて10分の2の割合で第三小当りに決定され、設定値6では10分の1の割合で第一小当りに決定されて10分の6の割合で第二小当りに決定されて10分の3の割合で第三小当りに決定されるようになっている。
また第二特別図柄の特別抽選結果として小当りとすることに決定された場合に、設定値1及び設定値2では10分の3の割合で第一小当りに決定され、10分の6の割合で第二小当りに決定され、10分の1の割合で第三小当りに決定され、設定値3及び設定値4では10分の2の割合で第一小当りに決定され、10分の6の割合で第二小当りに決定され、10分の2の割合で第三小当りに決定され、設定値5及び設定値6では10分の1の割合で第一小当りに決定され、10分の6の割合で第二小当りに決定され、10分の3の割合で第三小当りに決定されるようになっている。
また、上記したように第一小当りは役物入賞口2006に受け入れられた遊技球を第一ハズレ口2535に誘導するものであり、大当り遊技状態の発生可能性がない、又は大当り遊技状態の発生可能性が極めて低いものである。そして、本例では第一特別図柄の特別抽選結果として小当りとすることに決定された場合には、設定値が6の場合にだけ第一小当りが選択されて他の設定値(設定値1〜設定値5)では選択されないようにすることで、通常状態という時短状態に比べて遊技者に不利な状態では小当りとなった場合に設定値1〜設定値5であれば必ず大当り遊技状態の発生可能性を有する第二小当りか又は第三小当りを発生させて大当り遊技状態への期待を抱かせつつ、小当り遊技状態を実行させることができる。即ち、設定値1〜設定値5の場合に通常状態という時短状態よりも遊技者に不利な状態で小当りとなった場合に大当り遊技状態への期待を抱きつつ小当り遊技状態に注目したものの、役物入賞口2006に受け入れられた遊技球が全て第一ハズレ口2535に誘導されてしまい、大当り遊技状態の発生の可能性が全くないことを認識すると遊技者の落胆が大きくなるが、少なくとも大当り遊技状態の発生可能性を有する第二小当りか又は第三小当りを発生させることで小当り遊技状態中は大当り遊技状態への期待を抱かせて注目させることができ、遊技興趣の低下を抑止できる。一方、設定値6の場合には第一小当りが選択される場合があるものの、通常状態で第一小当りが実行されることにより最高設定値である設定値6であることを判別できるため、第一小当りに当選した落胆以上の喜びを遊技者に与えることができ、遊技興趣の低下を抑止できる。
また、第二特別図柄の特別抽選結果として小当りとすることに決定された場合には第一小当りが選択されるようになっている。時短状態では通常状態よりも小当り確率が高められることで小当り遊技状態の実行頻度が高い。そのため、第一小当りが実行されて役物入賞口2006に受け入れられた遊技球が全て第一ハズレ口2535に誘導され、大当り遊技状態の発生の可能性が全くないことを認識されたとしても遊技者を落胆させない。また、第二特別図柄の特別抽選結果として小当りとすることに決定された場合に、低設定値(設定値1や設定値2)では第一小当りの決定割合を高め、高設定値では第一小当りの決定割合を低下されるようになっている。即ち、高設定値では低設定値に比べて第二特別図柄の特別抽選結果として小当りとすることに決定された場合に遊技者に不利な小当り種別に決定される割合が低くされ、これによって高設定値では低設定値よりも遊技者に有利となるようになっている。
また、上記したように第三小当りは役物入賞口2006に受け入れられた遊技球を第一V入賞口2007に誘導するものであり、第三小当りに決定されることは大当りに当選したことと略同様の状態である。つまり、第三小当りの決定割合が高くなるということは大当りの当選確率が高くなるものと同義であり、本例では高設定値(設定値5や設定値6)では第三小当りの決定割合を高めることで間接的に大当り遊技状態の発生確率を向上させている。
また、普通抽選の当選確率(普通図柄当り判定用乱数のうち普通当りであることを示す普通図柄当り判定値の割合)は設定値毎に異なる値が設定され、設定値1〜設定値5では「2分の1」とされ、設定値6では「1分の1」とされている。そのため、設定値6では普通入賞口2003に遊技球が受け入れられて普通抽選が行われると、必ず第二始動口扉2411が前進して第二始動口2004へ遊技球を受け入れ可能な状態になるものであり、他の設定値よりも遊技者に有利な状態となっている。
また、本例では普通抽選結果として普通当りとすることに決定した場合には、普通図柄当りA(普図当り図柄A)と普通図柄当りB(普図当り図柄B(普図当り図柄B1〜普図当り図柄B5))と普通図柄当りC(普図当り図柄C)との複数の普通図柄当り種別の中からいずれかに決定するようになっており、決定した普通図柄当り種別に応じた態様(普図当り図柄A、普図当り図柄B、普図当り図柄C)を普通図柄表示器に導出表示するようになっている。また第二始動口扉2411の開閉態様を設定値毎に異ならせている。具体的には、通常状態時に普通図柄当りAとなった場合には全設定値(設定値1〜設定値6)で「0.1s開放を1回実行する」開閉態様を実行し、時短状態時に普通図柄当りAとなった場合には全設定値(設定値1〜設定値6)で「6s開放を1回実行する」開閉態様を実行し、通常状態時に普通図柄当りBとなった場合には奇数設定値(設定値1、設定値3、及び設定値5)で「0.1s開放を2回実行する」開閉態様を実行し、偶数設定値(設定値2、設定値4、設定値6)で「0.1s開放を1回実行する」開閉態様を実行し、時短状態時に普通図柄当りBとなった場合には設定値1〜設定値3までは「6s開放を1回実行する」開閉態様を実行し、設定値4及び設定値5では「3s開放を2回実行する」開閉態様を実行し、設定値6では「3s開放を1回実行する」開閉態様を実行する。
また、設定値1〜設定値5の場合には普通図柄当り種別として普通図柄当りAと普通図柄当りBとの二種類の普通図柄当り種別の中から一方に決定されるものであるのに対し、設定値6の場合には普通図柄当り種別として普通図柄当りAと普通図柄当りBと普通図柄当りCとの三種類の普通図柄当り種別の中からいずれかに決定されるようになっている。そして、通常状態時に普通図柄当りCとなった場合には設定値6で「0.1s開放を6回実行する」開閉態様を実行し、時短状態時に普通図柄当りCとなった場合には設定値6で「1s開放を6回実行する」開閉態様を実行するようになっている。
このように、普通抽選結果が普通当りとなったことに基づいて第二始動口2004を開放状態にする第二始動口扉2411の動作態様(第二始動口2004の開閉態様)が設定値毎に異なるため、第二始動口扉2411の動作態様によってパチンコ機1の現在の設定値を示唆することができる。
上記設定キーは、鍵穴(鍵挿入部)に所定の鍵を挿入して、設定位置に鍵を回す操作によって接点の短絡又は開放状態を維持して、設定変更モードに変更するための契機となる信号を出力するスイッチである。なお、設定キーを設けずに、他のスイッチで兼用してもよい。この場合、設定変更スイッチを所定時間(例えば5秒)以上操作すること(長押し)によって、設定変更モードを開始し、設定変更モード中における設定変更スイッチの長押しによって、設定変更モードを終了してもよい。
また、RAMクリアスイッチの操作によって設定変更モードを開始・終了してもよい。例えば、RAMクリアスイッチを操作しながら電源を投入し、さらにRAMクリアスイッチの操作を所定時間(例えば5秒)以上継続すること(長押し)によって、設定変更モードを開始する。また、RAMクリアスイッチを操作しながら電源を投入し、RAMクリアスイッチの継続した操作が所定時間未満であれば、RAMクリア処理を実行する。さらに、設定変更モード中におけるRAMクリアスイッチの長押しによって、設定変更モードを終了してもよい。
このようにすると、設定キー用の鍵を保有していない従業員でも設定変更が可能なことから、ホールでのパチンコ機1の取り扱いが容易になる。また、設定変更スイッチの操作時間を検出することから、設定変更スイッチの立ち下がりで操作を検出するとよい。
設定変更スイッチは、例えば押しボタンスイッチで構成され、設定値(1〜6)を順に切り替えて選択するために操作される。つまり、設定変更スイッチが1回押されると、設定値が1増加し、設定値=6の時に設定変更スイッチが操作されると設定値=1となる。なお、設定変更スイッチを設けずに、RAMクリアスイッチの操作によって設定値が選択可能でもよい。なお、設定値は、6段階でなく、これより少ない段階(例えば2段階)でも、多い段階(例えば8段階)でもよい。
なお、設定値は条件装置の作動割合(つまり、特別図柄の当り確率)を変更するものであり、設定値=1が当り確率が低く、設定値=6が当り確率が高い。また、設定値によって、確変大当りの割合、大当り後の時短(ST)の割合、時短回数、大当りのラウンド数やカウント数、普図当り確率、一般入賞口や始動口や大入賞口の賞球数など、遊技に関する様々なパラメータを変更して遊技者が獲得できる賞球の数を変化させてもよい。
設定確定スイッチは、例えばモーメンタリ型のスイッチで構成され、設定変更スイッチの操作によって選択された設定値を確定し、パチンコ機1に入力するためのスイッチである。設定確定スイッチは、モーメンタリ型のスイッチであれば、押しボタンスイッチでも、モーメンタリ型のトグルスイッチでもよい。設定変更スイッチと設定確定スイッチとは、両スイッチを間違えて操作しないように、操作方法(操作方向)や形状が異なるスイッチで構成するとよい。例えば、設定変更スイッチを押しボタンスイッチで構成し、設定確定スイッチをモーメンタリ型のトグルスイッチで構成するとよい。
なお、設定確定スイッチを設けずに、設定キーを通常位置に戻す操作によって選択された設定を確定してもよい。また、パチンコ機1に設けられた他のスイッチやセンサの動作を契機に選択された設定値を確定してもよい。例えば、ハンドルユニット180のハンドル182の操作や、ハンドル182に触ったことによるハンドルタッチセンサ192による接触検出や、単発ボタン操作センサ194の操作や、球貸ボタンの操作や、返却ボタンの操作や、始動口2002、2004への遊技球の入賞検出などによって、選択された設定を確定してもよい。設定確定スイッチを代用する操作部は、遊技者が操作可能な(遊技に使用する)スイッチでも、遊技者が操作不可能な(パチンコ機の裏面側に設けられた)スイッチでもよい。
つまり、本例のパチンコ機1に遊技性能を設定するために、設定基板に三つのスイッチ(設定キーも含む)を設けたが、設定基板には、一つ又は二つのスイッチを設ければ足りる。
さらに、設定キー、設定変更スイッチ及び設定確定スイッチのいずれも設けず、RAMクリアスイッチのみで設定変更操作を可能としてもよい。例えば、RAMクリアスイッチを操作しながら電源を投入し、さらにRAMクリアスイッチの操作を所定時間(例えば5秒)以上継続すること(長押し)によって、設定変更モードを開始する。また、RAMクリアスイッチを操作しながら電源を投入し、RAMクリアスイッチの継続した操作が所定時間未満であれば、RAMクリア処理を実行する。さらに、設定変更スイッチに代えて、設定変更モード中におけるRAMクリアスイッチの所定時間(例えば5秒)未満の操作によって、設定値を選択可能とし、設定確定スイッチに代えて、RAMクリアスイッチの所定時間以上の操作(長押し)によって、設定値を確定可能とする。さらに、設定確定後のRAMクリアスイッチの長押しによって、設定変更モードを終了してもよい。
設定表示器は、例えば7セグメントLEDで構成され、設定変更スイッチの操作によって選択された設定値を表示し、所定の操作(例えば、設定キーの操作)によって現在の設定値を表示する。なお、設定表示器を7セグメントLEDではなく、設定可能な値の数のLEDによって構成してもよい。この場合、設定値に対応するLEDが点灯して、設定値を表示する。
また本例のパチンコ機1では、払出制御基板633に払出エラーの種別を表示する7セグメントLEDによるエラー種別表示器が設けられているが、このエラー種別表示器と設定表示器を兼用し、選択された設定値や現在の設定値をエラー種別表示器に表示してもよい。この場合、エラー種別の表示と設定値の表示とを区別できるように表示態様を変えるとよい。例えば、エラー種別の表示においてはドットを消灯し、設定値の表示においてはドットを点灯してもよい。また、エラー種別の表示は(点滅しない)点灯表示をし、設定値の表示は点滅表示をしてもよい。
[16−1.設定変更処理]
次に、設定変更に関する処理を説明する。図179は上記設定値を変更する手順について示す説明図である。
本例ではパチンコ機1に電源が投入されたことに基づいて主制御側電源投入時処理を実行し、該主制御側電源投入時処理にて設定変更モードの開始条件が成立している場合に上記設定値を変更するようになっている。
具体的には、主制御MPUは主制御側電源投入時処理の主制御内蔵WDTの初期値設定及び起動設定(ステップS12)を行った後、設定キーの状態を判別し、設定キーがオンに操作されていれば、パチンコ機1の設定値を変更するための設定変更モードを実行する。設定キーが操作されると払出制御部633aから主制御基板1310へ設定キー操作信号が出力され、主制御MPUは設定キー操作信号を受信した場合に設定キーがオンに操作されていると判断する。なお、ハンドルユニット180のハンドル182が操作されていたり、ハンドル182に触ったことによるハンドルタッチセンサ192による検出がなされていたり、CRユニットにプリペイドカードが挿入されていたり(プリペイドカードの残高がある)、現金サンドに投入された残高がある場合には設定変更モードを開始しないようにしてもよい。また、パチンコ機1に何らかの不正行為が行われている可能性(例えば磁気エラーを検出している)がある場合にも、設定変更モードを開始しないようにしてもよい。
設定変更モードを開始すると、主制御MPUは内蔵されているRAMの遊技制御用領域(特定領域ともいう)のうち、遊技状態(例えば、確変状態、時短状態、賞球に関する情報)以外のデータであってパチンコ機1の設定値情報を示すデータをクリアする第1RAMクリア処理を実行する。
次いで、設定変更操作を行うことにより、設定値1〜設定値6を切り替える。即ち主制御MPUが第1RAMクリア処理を終了すると、払出制御部633aに第1RAMクリア処理終了コマンドを送信し、該第1RAMクリア処理終了コマンドを受信すると、払出制御部633aは設定表示器に設定値として初期値(例えば設定値0)を点滅表示し、設定変更スイッチが操作される毎に設定表示器に表示される設定値を切り換える(設定値1〜設定値6でループ)。
なお、主制御MPUが第1RAMクリア処理を実行することにより設定値はクリアされて未設定の状態になる。また、設定値が未設定の状態では設定変更モードは終了できないようになっており、設定値が未設定の状態で設定変更モードの途中に電源断が発生した場合には、電源が再投入されると設定変更モードが行われるようになる。このとき、設定キーがオフとされていれば設定キーがオンに操作されるまで設定キーの状態を監視するループ処理が行われ、設定キーがオンに操作されたことに応じて設定変更モードが開始されるようになる。
また、払出制御部633aは本体枠4が外枠2から開放しているか否か、即ち本体枠開放スイッチがオフであるかを確認し、本体枠開放スイッチがオン(本体枠4が外枠2から開放していない)になっていれば、本体枠開放スイッチがオフになるまでループして、設定確定スイッチの操作を受け付けない。即ち、本体枠4が外枠2から開放するまで設定変更操作を完了させないようになっている。
本体枠開放スイッチがオフである場合、又は本体枠開放スイッチがオフになった場合に、設定確定スイッチが操作されると、払出制御部633aは設定表示器に表示される設定値を確定表示(点滅表示を終了して点灯表示)し、主制御MPUに確定した設定値を示す設定変更終了コマンドを送信する。
主制御MPUは設定変更終了コマンドを受信すると、受信した設定変更終了コマンドが示す設定値を内蔵されているRAMの遊技制御用領域に記憶する。これにより、確定された設定値に応じた抽選処理等が行われるようになる。
そして、主制御MPUは設定変更モードの終了条件が成立すると、即ち設定キーがオフに操作されると、停電クリア処理(ステップS14)を行う。
このように本例のパチンコ機1では、上記した処理によって設定値の変更がなされるようになっている。
なお、設定変更モードが終了した場合、即ち設定キーがオフに操作された場合には、払出制御部633aは設定表示器における設定値の表示を終了(設定値の表示を行わない)するようにしてもよい。また、設定変更モードの終了後に設定キーをオンに操作すると、設定変更モードは実行されないものの、設定表示器に現在の設定値を表示するようになっている。これにより、遊技店員は現在の設定値を把握した上で設定値を変更することができるようになる。
また、設定変更モードを実行する場合にはその旨を報知するようにしてもよい。例えば設定キーがオンに操作されていると判断した場合に周辺制御部1511に設定変更モードを開始することを通知する設定変更モード開始コマンドを送信し、該設定変更モード開始コマンドを受信したことに基づいて周辺制御部1511が演出表示装置1600にて所定の表示(設定変更中など)を行うようにしてもよい。この場合には、設定変更モードを終了する場合、即ち設定キーがオフに操作された場合に周辺制御部1511に設定変更モードを終了することを通知する設定変更モード終了コマンドを送信し、該設定変更モード終了コマンドを受信したことに基づいて周辺制御部1511が演出表示装置1600にて行っている所定の表示を終了するようにしてもよい。なお、所定の表示として確定した設定値や設定表示器に表示される設定値を演出表示装置1600に表示するようにしてもよく、この場合には設定変更モードの終了時に消失させるようにしてもよい。
また、周辺制御部1511による設定変更モードの報知に合わせて、主制御MPUも設定変更モードを報知してもよい。例えば、機能表示ユニット1400の表示を、通常の遊技中には表れない特殊な態様の表示(例えば、特別図柄表示器を全部消灯又は点灯)としてもよい。
一方、主制御側電源投入時処理の主制御内蔵WDTの初期値設定及び起動設定(ステップS12)を行った後、設定キーの状態を判別し、設定キーがオンに操作されていなければ、ステップS14以降の処理を実行する。
そして、上記主制御側電源投入時処理において主制御MPUは、RAMクリア報知フラグRCL−FLGが値0でない(値1である)とき、つまり各種情報を消去すると判定したとき、又はステップS30の判定においてチェックサムの値(サム値)が一致していないと判定したとき、又はステップS32の判定においてバックアップフラグBK−FLGが値1でない(値0である)とき、つまり主制御側電源断時処理を正常に終了していないと判定したときには、ステップS38で遊技制御用領域のうち、パチンコ機1の設定値情報以外のデータであって遊技状態(例えば、確変状態、時短状態、賞球に関する情報)を示すデータをクリアする第2RAMクリア処理を実行した後、主制御内蔵RAMの作業領域を設定する(ステップS40)。このように第2RAMクリア処理では第1RAMクリア処理とは異なり、設定値情報が初期化されない。即ち、電源投入時に設定キーをオンに操作することで第1RAMクリア処理を実行させてパチンコ機1の設定値情報をクリアすることができ、電源投入時にRAMクリアスイッチを操作することで第2RAMクリア処理を実行させて遊技状態(例えば、確変状態、時短状態、賞球に関する情報)に関する情報をクリアすることができる。また、電源投入時に設定キーをオンに操作することで第1RAMクリア処理を実行させてパチンコ機1の設定値情報をクリアした後、RAMクリアスイッチを操作して第2RAMクリア処理を実行させて遊技状態(例えば、確変状態、時短状態、賞球に関する情報)に関する情報をクリアする、即ちパチンコ機1の設定値情報と遊技状態(例えば、確変状態、時短状態、賞球に関する情報)に関する情報との両方をクリアすることも可能である。このように、クリアしたい情報に応じて第1RAMクリア処理と第2RAMクリア処理との一方又は両方を選択的に実行させることができる。
なお、本例では設定キーが操作されているかを主制御MPUが判定するようにしているが、払出制御部633aが判定するようにしてもよい。また、払出制御部633aから主制御基板1310へ送信される設定キー操作信号は、シリアル通信で送信したり、所定のパルス信号(所定周波数のパルスを所定回数)を送信したり、電源電圧でもグランド電圧でもない中間電位の信号を出力してもよい。これは、設定キーの端子を短絡して設定変更モードを起動する不正行為を防止するために、端子の短絡では生じ得ない信号によって設定キーの操作に関する信号を払出制御部633aから主制御基板1310に送信することが好ましいからである。
[16−2.設定値に応じた変動演出]
次に、各設定値に応じた変動演出について説明する。図180は変動パターン設定処理(第一変動パターン設定処理、第二変動パターン設定処理)で参照される変動パターンテーブルである。
本例では、設定値毎に変動パターンテーブルが設けられており、パチンコ機1の設定値に応じて選択される変動パターン種別が異なるようになっている。具体的には、通常状態時に第一特別抽選結果がリーチはずれとなる場合に第一変動パターン設定処理において第一特別図柄の変動パターンを決定する際に参照される特図1はずれ変動パターンテーブル(図180(A))では、例えば演出表示装置1600に設定示唆用のミニキャラを表示すると共に、ミニキャラの吹き出し内に「低いかも?」や「1、2、3のどれかかも?」等を表示することでパチンコ機1の設定値が1、2,3のいずれかであることを示唆する「低設定示唆演出」を実行するはずれ変動パターン25は設定値1〜設定値3で選択可能とされ、例えば演出表示装置1600に設定示唆用のミニキャラを表示すると共に、ミニキャラの吹き出し内に「高いかも?」や「4、5、6のどれかかも?」等を表示することでパチンコ機1の設定値が4、5,6のいずれかであることを示唆する「高設定示唆演出」を実行するはずれ変動パターン26は設定値4〜設定値6で選択可能とされる。そのため、変動演出において「高設定示唆演出」が実行されると、遊技者は最低でも設定値4以上であることを認識できるため、遊技興趣を向上させることができる。
また、例えば演出表示装置1600に設定示唆用のミニキャラを表示すると共に、ミニキャラの吹き出し内に「偶数かも?」や「2、4、6のどれかかも?」等を表示することでパチンコ機1の設定値が2、4,6のいずれかであることを示唆する「偶数設定示唆演出」を実行するはずれ変動パターン27は設定値2、設定値4、設定値6で選択可能とされ、例えば演出表示装置1600に設定示唆用のミニキャラを表示すると共に、ミニキャラの吹き出し内に「奇数かも?」や「1、3、5のどれかかも?」等を表示することでパチンコ機1の設定値が1、3,5のいずれかであることを示唆する「奇数設定示唆演出」を実行するはずれ変動パターン28は設定値1、設定値3、設定値5で選択可能とされる。そのため、変動演出において「偶数設定示唆演出」が実行されると設定値2、設定値4、設定値6のいずれかであり、「奇数設定示唆演出」が実行されると設定値1、設定値3、設定値5のいずれかであることを遊技者は認識できるようになる。なお、「低設定示唆演出」や「高設定示唆演出」の実行履歴と組み合わせることで設定値を推測することが可能になる。即ち、「奇数設定示唆演出」と「低設定示唆演出」とが実行されていれば、設定値1又は設定値3であり、「奇数設定示唆演出」と「高設定示唆演出」とが実行されていれば設定値5であり、「偶数設定示唆演出」と「低設定示唆演出」とが実行されていれば、設定値2であり、「偶数設定示唆演出」と「高設定示唆演出」とが実行されていれば、設定値4又は設定値6であると推測できる。このように、本例では複数種類の設定示唆演出のうちの実行された設定示唆演出の組み合わせによって設定値を推測させる新たなゲーム性を提供している。
また、本例では例えば演出表示装置1600に設定示唆用のミニキャラを表示すると共に、ミニキャラの吹き出し内に「最高かも?」や「6かも?」等を表示することでパチンコ機1の設定値が6であることを示唆する「最高設定示唆演出」を実行するはずれ変動パターン29は設定値6でのみ選択可能とされる。従って、変動演出において「最高設定示唆演出」が実行されると、遊技者は設定値が最高設定の設定値6であることを認識することができ、遊技興趣が向上する。また、設定値6の場合には、リーチとならないはずれの場合やリーチはずれとなる場合に「最高設定確定演出」を実行するはずれ変動パターン31を選択可能とされ、これによって遊技者に設定値が最高設定の設定値6で確定であることを通知することができ、最高設定が確定したことを遊技者に認識させることで遊技興趣を向上させることができる。
また、通常状態時に第一特別抽選結果が小当りとなる場合に第一変動パターン設定処理において第一特別図柄の変動パターンを決定する際に参照される特図1小当り変動パターンテーブル(図180(B))では、例えば演出表示装置1600に設定示唆用のミニキャラを表示すると共に、ミニキャラの吹き出し内に「最高設定確定!」や「6確定!」等を表示することでパチンコ機1の設定値が6であることを報知する「最高設定確定演出」を実行する小当り変動パターン33及び小当り変動パターン34は設定値6でのみ選択可能とされる。そのため、小当りとなる場合に変動演出において「最高設定確定演出」が実行されると、遊技者は設定値が最高設定の設定値6であることを認識することができ、遊技興趣が向上する。
また、通常状態時に第一特別抽選結果が大当りとなる場合に第一変動パターン設定処理において第一特別図柄の変動パターンを決定する際に参照される特図1大当り変動パターンテーブル(図180(C))では、「最高設定確定演出」を実行する大当り変動パターン34は設定値6でのみ選択可能とされる。そのため、大当りとなる場合に変動演出において「最高設定確定演出」が実行されると、遊技者は設定値が最高設定の設定値6であることを認識することができ、さらに大当り遊技状態が実行されることで二重の喜びを遊技者に付与することができるため、遊技興趣が向上する。
また、時短状態時に第二特別抽選結果が小当りとなる場合に第二変動パターン設定処理において第二特別図柄の変動パターンを決定する際に参照される特図2小当り変動パターンテーブル(図180(D))では、「最高設定確定演出」を実行する小当り変動パターン34は設定値6でのみ選択可能とされる。そのため、小当りとなる場合に変動演出において「最高設定確定演出」が実行されると、遊技者は設定値が最高設定の設定値6であることを認識することができ、さらに役物入賞口2006に入球した遊技球を第一V入賞口2007に誘導して大当り遊技状態を発生させる第三小当りに当選することで、二重の喜びを遊技者に付与することができるため、遊技興趣が向上する。
上記したように本例ではパチンコ機1の設定値に応じて小当り確率を変化させている。即ち、通常状態では設定値1〜設定値4は小当り確率「100分の1」とされるのに対し、設定値5及び設定値6は設定値1〜設定値4よりも高い「90分の1」とされる。同様に、時短状態では設定値1〜設定値5は小当り確率「10分の1」とされるのに対し、設定値6は設定値1〜設定値5よりも高い「9分の1」とされる。
また、時短状態時に第二特別抽選結果が小当りとなる場合に第二変動パターン設定処理において選択可能な「最高設定確定演出」を実行する小当り変動パターン34は、長期間(155s)に亘って実行されるものであり、設定値6よりも低い設定値1〜設定値5で選択可能な変動パターンの変動時間よりも長い。また、設定値6では小当り変動パターン1〜3に比べて変動時間の長い小当り変動パターン20の選択率を設定値6よりも低い設定値1〜設定値5よりも高めている。即ち、小当り確率が他の設定値よりも高い設定値6では時短状態時に実行される変動演出の変動時間が長くなっている。上記したように設定値6では設定値1〜設定値5に比べて小当り確率が高く、さらに小当りとなった場合に役物入賞口2006に入球した遊技球を第一V入賞口2007に誘導して大当り遊技状態を発生させる第三小当りに決定される割合も設定値1〜設定値5より高く設定されるため、短時間で多量の賞球の獲得が可能になってしまう。そのため、設定値6の場合に他の小当り変動パターンよりも長い変動時間が設定される小当り変動パターン20や小当り変動パターン34の選択率を設定値1〜設定値5よりも高めることで単位時間当たりの変動演出の実行回数を抑制して、射幸性の向上を抑制している。
また、本例では変動パターン決定用乱数は全設定値で略同様に振り分けられているものの、設定値6に対応する変動パターンテーブルにおいては設定値6特有の変動パターン(はずれ変動パターン29〜はずれ変動パターン31、小当り変動パターン33、小当り変動パターン34、大当り変動パターン34)が設けられているため、変動パターン決定用乱数の振り分けが異なる。そのため、本例では設定値6に対応する変動パターンテーブルにおいて特定の変動パターン(調整用変動パターン)に振り分けられた変動パターン決定用乱数だけを調整して変動パターン決定用乱数を振り分けている。このように、設定値6に対応する変動パターンテーブルにおいて全ての変動パターンそれぞれの変動パターン決定用乱数の振り分けを変更することなく、特定の変動パターンに振り分けられた変動パターン決定用乱数だけを調整するようにしたため、変動パターンの追加や削除における負荷が軽減され、遊技機の設計が容易となる。なお、特定の変動パターンは変動パターン決定用乱数の振り分け数を減少させても一定以上の出現頻度が保たれるものであって、少なくとも他の設定値において設定されている変動パターン決定用乱数の振り分け数に対して6割以上を有するように調整され、他の設定値と比べて過度に出現率を低下させないものとすればよい。
このように、本例ではパチンコ機1の設定値に応じて小当り確率と特別抽選結果が小当りとなる場合に実行される変動演出の変動時間とを異ならせ、これによって射幸性とのバランスをとっている。
また、上記設定示唆演出(低設定示唆演出、高設定示唆演出、偶数設定示唆演出、奇数設定示唆演出、最高設定示唆演出、最高設定確定演出)は、通常状態時の第一特別抽選結果がはずれ又はリーチはずれとなる場合に最も実行され易くなっており、実行可能な設定示唆演出の種類も多い。一方、時短状態時の第二特別抽選結果がはずれ又はリーチはずれとなる場合や通常状態時及び時短状態時の特別抽選結果(第一特別抽選結果、第二特別抽選結果)が小当り又は大当りとなる場合には、通常状態時の第一特別抽選結果がはずれ又はリーチはずれとなる場合に比べて実行され難く、実行可能な設定示唆演出の種類も少ない。即ち、時短状態中や小当り時には通常状態時のはずれ又はリーチはずれとなる場合に比べて設定示唆演出の実行頻度を低減させることで、V入賞口への遊技球の受け入れに注目させるようにしている。
[17.第一案内通路及び第二案内通路からなる案内通路群]
[17−1.第一案内通路に右検出センサ2404が設けられる場合について]
上記とは異なる実施形態として、センター役物2500の案内通路群2520のうち第一案内通路2521に進入した遊技球Bを検出することが可能な右検出センサ2404が設けられる場合について、図181及び図182を参照して説明する。図181は、第一案内通路2521に右検出センサ2404が設けられる実施形態を示す説明図であり、図182は、右検出センサ2404を用いた警告演出の実行時における具体的な演出例である。
図181に示すように、第一案内通路2521の上端である入口のやや下方(入口近傍)には、遊技球Bの通過を検出することが可能な右検出センサ2404が設けられている。この右検出センサ2404は、第一案内通路2521に進入した遊技球Bが必ず通過するような位置に設けられている。つまり、上流空間部2505に進入し衝止部1006に当接する強さで遊技球Bを打込む(所謂、右打ちする)と、案内通路群2520のうち第一案内通路2521に進入するが、第一案内通路2521に遊技球Bが進入した場合には、その遊技球Bが右検出センサ2404によって検出されることとなる。一方、上流空間部2505に進入し衝止部1006に当接しない強さ(右打ちよりもある程度弱い強さ)で遊技球Bを打込むと、高い確率で第二案内通路2522に進入するが、第二案内通路2522に遊技球Bが進入した場合には、第一案内通路2521の内部に右検出センサ2404が設けられているため、その遊技球Bが右検出センサ2404によって検出されることはない。
右検出センサ2404は、周辺制御基板1510と接続されており、周辺制御基板1510の周辺制御部1511における周辺制御MPUには、右検出センサ2404からの検出信号が入力されている。そして、周辺制御MPUは、右検出センサ2404からの検出信号に基づいて、第一案内通路2521に遊技球Bが打ち込まれているか否かを監視している。具体的には、周辺制御MPUは、右検出センサ2404が遊技球Bの通過を検出すると、第一案内通路2521に遊技球Bが打ち込まれた状態であると判断し、右検出センサ2404が遊技球Bの通過を検出していないと、第一案内通路2521に遊技球Bが打ち込まれた状態でないと判断している。
本実施形態では、遊技状態に応じて遊技球Bの打ち方(発射強度)を変化させ、遊技球Bが打ち込まれる領域や通路を異ならせる必要がある。まず、小当り遊技中には、第一案内通路2521の内部に設けられた役物入賞口2006が開放状態となり、その開放状態となった役物入賞口2006に遊技球Bを入球させることが求められている。このため、小当り遊技中には、案内通路群2520のうち第一案内通路2521に遊技球Bが進入するように、上流空間部2505に進入し衝止部1006に当接する強さで遊技球Bを打込む(所謂、右打ちする)必要がある。
また、大当り遊技中には、センター役物2500の右下に設けられた大入賞口2005が開放状態となり、その開放状態となった大入賞口2005に遊技球Bを入球させることが求められているが、案内通路群2520のうち第一案内通路2521の出口よりも第二案内通路2522の出口から遊技球Bが排出されるほうが高い確率で大入賞口2005に入球するように構成されている。また、時短状態中には、センター役物2500の右下に設けられた普通入賞口2003への入球に基づいて、同じくセンター役物2500の右下に設けられた第二始動口2004が開放状態となり、その開放状態となった第二始動口2005に遊技球Bを入球させることが求められているが、案内通路群2520のうち第一案内通路2521の出口よりも第二案内通路2522の出口から遊技球Bが排出されるほうが高い確率で普通入賞口2003および第二始動口2005に入球するように構成されている。このため、大当り遊技中および時短状態中には、案内通路群2520のうち第二案内通路2522に遊技球Bが進入するように、上流空間部2505に進入し衝止部1006に当接しない強さ(右打ちよりもある程度弱い強さ)で遊技球Bを打込むことが好ましい。
また、通常状態中には、センター役物2500の下方に設けられた第一始動口2002に遊技球Bを入球させることが求められている。このため、通常状態中には、第一始動口2002に遊技球Bが入球可能となるセンター役物2500の左側の領域を流下するように、センター役物2500の外周面のうち、最も高くなった部位よりも正面視左側(上右周壁部2510よりも左側)へ進入する強さで遊技球Bを打込む(所謂、左打ちする)必要がある。
本実施形態では、遊技状態に応じて遊技球Bの打ち方(発射強度)を変化させ、遊技球Bが打ち込まれる領域や通路を異ならせる必要があるが、推奨される領域や通路に遊技球Bが打ち込まれていない場合には、その推奨される領域や通路に遊技球Bを打ち込むように、遊技者に対して注意喚起がなされる。具体的には、案内通路群2520のうち第一案内通路2521に遊技球Bを打ち込むべき遊技状態でないときに、第一案内通路2521に設けられた右検出センサ2404が遊技球Bの通過を検出した状態が所定時間継続すると、遊技者に対して注意喚起がなされるようにしている。
まず、大当り遊技中および時短状態中には、案内通路群2520のうち第二案内通路2522に遊技球Bを打ち込むことが推奨されるが、第一案内通路2521に設けられた右検出センサ2404が遊技球Bの通過を検出すると、第一案内通路2521に遊技球Bが打ち込まれた状態であると判断し、その状態が所定時間継続する(例えば、5秒間に遊技球Bが5球以上検出される)と、第二案内通路2522に遊技球Bを打ち込むべきであることを遊技者に警告する。具体的には、図182(A)に示すように、演出表示装置1600において、「第二案内通路に打ち込んで下さい」というメッセージを通知する第1警告演出を実行している。これにより、大当り遊技中および時短状態中には、上流空間部2505に進入し衝止部1006に当接しない強さ(右打ちよりもある程度弱い強さ)に打ち方を変化させ、第二案内通路2522に遊技球Bを打ち込むべきであることを遊技者が把握することができる。そして、第1警告演出の実行後に、右検出センサ2404が遊技球Bの通過を検出していない状態が所定時間継続(例えば、5秒間)した場合には、第一案内通路2521に遊技球Bが打ち込まれた状態が解消されたと判断し、その第1警告演出を終了するようにしている。
より詳細には、大当り遊技中および時短状態中に右検出センサ2404が遊技球Bの通過を検出すると、第一案内通路2521に遊技球Bが打ち込まれた状態であると判断し、監視タイマを開始するとともに、その監視タイマによる監視中に右検出センサ2404により遊技球Bを検出するごとにカウント値をカウントアップしている。そして、監視タイマの開始後に、第一案内通路2521に遊技球Bが打ち込まれた状態が所定時間継続した場合(例えば、5秒間に遊技球Bが5球以上検出された場合)には、第1警告演出を実行するのに対し、その状態が所定時間継続しなかった場合(例えば、5秒間に遊技球Bが5球未満の検出で終了した場合)には、第一案内通路2521に遊技球Bが打ち込まれた状態が解消されたものとして第1警告演出は実行せず、監視タイマやカウント値等の情報をクリアしている。また、監視タイマの開始後に、大当り遊技や時短状態から遊技状態が切り替わり、第二案内通路2522に遊技球Bを打ち込むべき状態でなくなった場合にも、監視タイマやカウント値等の情報をクリアしている。そして、第1警告演出の実行後には、監視タイマを開始し、右検出センサ2404が遊技球Bの通過を検出していない状態が所定時間継続(例えば、5秒間)した場合には、第一案内通路2521に遊技球Bが打ち込まれた状態が解消されたものとして第1警告演出を終了するのに加え、大当り遊技や時短状態から遊技状態が切り替わった場合にも、第二案内通路2522に遊技球Bを打ち込むべき状態でなくなったとして第1警告演出を終了している。
また、通常状態中には、センター役物2500の左側の領域に遊技球Bを打ち込むことが推奨されるが、第一案内通路2521に設けられた右検出センサ2404が遊技球Bの通過を検出すると、第一案内通路2521に遊技球Bが打ち込まれた状態であると判断し、その状態が所定時間継続する(例えば、5秒間に遊技球Bが5球以上検出される)と、センター役物2500の左側の領域に遊技球Bを打ち込むべきであることを遊技者に警告する。具体的には、図182(B)に示すように、演出表示装置1600において、「左打ちして下さい」というメッセージを通知する第2警告演出を実行している。これにより、通常状態中には、センター役物2500の外周面のうち、最も高くなった部位よりも正面視左側(上右周壁部2510よりも左側)へ進入する強さに打ち方を変化させ、センター役物2500の左側の領域に遊技球Bを打ち込むべきであることを遊技者が把握することができる。そして、右検出センサ2404が遊技球Bの通過を検出していない状態が所定時間継続(例えば、5秒間)した場合には、第一案内通路2521に遊技球Bが打ち込まれた状態が解消されたと判断し、その第2警告演出を終了するようにしている。
より詳細には、通常状態中に右検出センサ2404が遊技球Bの通過を検出すると、第一案内通路2521に遊技球Bが打ち込まれた状態であると判断し、監視タイマを開始するとともに、その監視タイマによる監視中に右検出センサ2404により遊技球Bを検出するごとにカウント値をカウントアップしている。そして、監視タイマの開始後に、第一案内通路2521に遊技球Bが打ち込まれた状態が所定時間継続した場合(例えば、5秒間に遊技球Bが5球以上検出された場合)には、第2警告演出を実行するのに対し、その状態が所定時間継続しなかった場合(例えば、5秒間に遊技球Bが5球未満の検出で終了した場合)には、第一案内通路2521に遊技球Bが打ち込まれた状態が解消されたものとして第2警告演出は実行せず、監視タイマやカウント値等の情報をクリアしている。また、監視タイマの開始後に、通常状態から遊技状態が切り替わり、センター役物2500の左側の領域に遊技球Bを打ち込むべき状態でなくなった場合にも、監視タイマやカウント値等の情報をクリアしている。そして、第2警告演出の実行後には、監視タイマを開始し、右検出センサ2404が遊技球Bの通過を検出していない状態が所定時間継続(例えば、5秒間)した場合には、第一案内通路2521に遊技球Bが打ち込まれた状態が解消されたものとして第2警告演出を終了するのに加え、通常状態から遊技状態が切り替わった場合にも、センター役物2500の左側の領域に遊技球Bを打ち込むべき状態でなくなったとして第2警告演出を終了している。
上記したように、案内通路群2520のうち第一案内通路2521に遊技球Bを打ち込むべき遊技状態でないときに、第一案内通路2521に設けられた右検出センサ2404が遊技球Bの通過を検出した状態が所定時間継続すると、演出表示装置1600に警告画面(第1、第2警告演出)を表示しているが、その警告内容は、遊技状態に応じて変化するようにしている。これにより、第一案内通路2521に遊技球Bを打ち込むべき遊技状態でないときに、第一案内通路2521に遊技球Bを打ち込んだ場合であっても、推奨される領域や通路がいずれであるのか、遊技者が的確に把握することができる。
一方、小当り遊技中には、案内通路群2520のうち第一案内通路2521に遊技球Bを打ち込むことが推奨されるが、第一案内通路2521に設けられた右検出センサ2404が遊技球Bの通過を検出していないと、第一案内通路2521に遊技球Bが打ち込まれた状態でないと判断し、その状態が所定時間継続する(例えば、5秒間)と、第一案内通路2521に遊技球Bを打ち込むべきであることを遊技者に警告する。具体的には、図182(C)に示すように、演出表示装置1600において、「第一案内通路に打ち込んで下さい」というメッセージを通知する第3警告演出を実行している。これにより、小当り遊技中には、上流空間部2505に進入し衝止部1006に当接する強さに打ち方を変化させ、第一案内通路2521に遊技球Bを打ち込むべきであることを遊技者が把握することができる。そして、右検出センサ2404が遊技球Bの通過を検出した場合には、第一案内通路2521に遊技球Bが打ち込まれていない状態が解消されたと判断し、その第3警告演出を終了するようにしている。
より詳細には、小当り遊技中に右検出センサ2404が遊技球Bの通過を検出していないと、第一案内通路2521に遊技球Bが打ち込まれていない状態であると判断し、監視タイマを開始している。そして、監視タイマの開始後に、第一案内通路2521に遊技球Bが打ち込まれていない状態が所定時間継続した場合(例えば、5秒間)には、第3警告演出を実行するのに対し、所定時間内(例えば、5秒間)に右検出センサ2404が遊技球Bの通過を検出した場合には、第一案内通路2521に遊技球Bが打ち込まれていない状態が解消されたものとして第3警告演出は実行せず、監視タイマ等の情報をクリアしている。また、監視タイマの開始後に、小当り遊技から遊技状態が切り替わり、第一案内通路2521に遊技球Bを打ち込むべき状態でなくなった場合にも、監視タイマ等の情報をクリアしている。そして、第3警告演出の実行後には、監視タイマを開始し、右検出センサ2404が遊技球Bの通過を検出した場合には、第一案内通路2521に遊技球Bが打ち込まれていない状態が解消されたものとして第4警告演出を終了するのに加え、小当り遊技から遊技状態が切り替わった場合にも、第一案内通路2521に遊技球Bを打ち込むべき状態でなくなったとして第3警告演出を終了している。
なお、本実施形態では、右検出センサ2404が、第一案内通路2521の上端である入口のやや下方(入口近傍)に設けられているが、第一案内通路2521に進入した遊技球Bが必ず通過するような位置であればよく、例えば、第一案内通路2521の上端である入口、第一案内通路2521の下端である出口、第一案内通路2521の内部に設けられていてもよい。
また、本実施形態では、右検出センサ2404が、第一案内通路2521の内部に設けられた役物入賞口2006よりも上流側に設けられているが、役物入賞口2006よりも下流側に設けられるようにしてもよい。このような場合、小当り遊技中に、第一案内通路2521に遊技球Bが打ち込まれたときに、開放状態となった役物入賞口2006に遊技球Bが入球する可能性が高いことから、下流側に位置する右検出センサ2404を遊技球Bが通過する頻度が少なくなり、遊技球Bが過度に通過して右検出センサ2404に不具合が生じることを防止することができる。
また、本実施形態では、第1〜第3警告演出は、演出表示装置1600の表示領域に所定の警告画面を表示することを例示したが、各遊技状態にて何れの態様で遊技球Bを打ち込むべきであることを常時遊技者に把握させるための打込領域指示表示(例えば、右矢印画像からなる右打ち表示や、左矢印画像からなる左打ち表示)を別途行う場合には、この打込領域指示表示を阻害しないように、第1〜第3警告演出を実行することが望ましい。例えば、演出表示装置1600の表示領域のうちの右上部分に「打込領域指示表示を表示するための表示領域」を区画して設け、その領域とは別の演出表示装置1600の表示領域のうちの左上部分に「第1〜第3警告演出を表示するための表示領域」を区画して設け、各々の案内が重畳して阻害されないようにしておくことが望ましい。
また、本実施形態では、第1〜第3警告演出は、演出表示装置1600の表示領域に所定の警告画面を表示することを例示したが、こうした警告は、表示でなく音声による演出として実現してもよく、その場合、音声を出力するために有限に設けられたチャンネルに対する割り当ての優先度合いを、通常状態中や大当り遊技中、あるいは時短状態中に設定される各種の演出音よりも高くなるように設定しておき、有限に設けられたチャンネルに空き(未使用チャンネル)がない状況下でも極力出力されるようにしておくことが望ましい。これにより、遊技球Bの多種の打ち分けを有するゲーム性に不慣れな遊技者が不利益を受けることを効果的に抑制することが可能になる。
[17−2.第一案内通路と第二案内通路とに検出センサが設けられる場合について]
上記とは異なる実施形態として、センター役物2500の案内通路群2520のうち第一案内通路2521に進入した遊技球Bを検出することが可能な右検出センサ2404と、第二案内通路2522に進入した遊技球Bを検出することが可能な左検出センサ2405と、が設けられる場合について、図183及び図184を参照して説明する。図183は、第一案内通路2521と第二案内通路2522とに検出センサが設けられる実施形態を示す説明図であり、図184は、右検出センサ2404及び左検出センサ2405を用いた警告演出の実行時における具体的な演出例である。
図183に示すように、第一案内通路2521の上端である入口のやや下方(入口近傍)には、遊技球Bの通過を検出することが可能な右検出センサ2404が設けられるとともに、第二案内通路2522の上端である入口のやや下方(入口近傍)には、遊技球Bの通過を検出することが可能な左検出センサ2405が設けられている。この右検出センサ2404は、第一案内通路2521に進入した遊技球Bが必ず通過するような位置に設けられている。つまり、上流空間部2505に進入し衝止部1006に当接する強さで遊技球Bを打込む(所謂、右打ちする)と、案内通路群2520のうち第一案内通路2521に進入するが、第一案内通路2521に遊技球Bが進入した場合には、その遊技球Bが右検出センサ2404によって検出されることとなる。
一方、左検出センサ2405は、第二案内通路2522に進入した遊技球Bが必ず通過するような位置に設けられている。つまり、上流空間部2505に進入し衝止部1006に当接しない強さ(右打ちよりもある程度弱い強さ)で遊技球Bを打込むと、高い確率で第二案内通路2522に進入するが、第二案内通路2522に遊技球Bが進入した場合には、その遊技球Bが左検出センサ2405によって検出されることとなる。
右検出センサ2404および左検出センサ2405は、周辺制御基板1510と接続されており、周辺制御基板1510の周辺制御部1511における周辺制御MPUには、右検出センサ2404および左検出センサ2405からの検出信号が入力されている。そして、周辺制御MPUは、右検出センサ2404からの検出信号に基づいて、第一案内通路2521に遊技球Bが打ち込まれているか否かを監視するとともに、左検出センサ2405からの検出信号に基づいて、第二案内通路2522に遊技球Bが打ち込まれているか否かを監視している。具体的には、周辺制御MPUは、右検出センサ2404が遊技球Bの通過を検出すると、第一案内通路2521に遊技球Bが打ち込まれた状態であると判断し、左検出センサ2405が遊技球Bの通過を検出すると、第二案内通路2522に遊技球Bが打ち込まれた状態であると判断し、右検出センサ2404および左検出センサ2405が遊技球Bの通過を検出していないと、第一案内通路2521と第二案内通路2522のいずれにも遊技球Bが打ち込まれた状態でないと判断している。
本実施形態では、詳細は上述したように、遊技状態に応じて遊技球Bの打ち方(発射強度)を変化させ、遊技球Bが打ち込まれる領域や通路を異ならせる必要があるが、推奨される領域や通路に遊技球Bが打ち込まれていない場合には、その推奨される領域や通路に遊技球Bを打ち込むように、遊技者に対して注意喚起がなされる。具体的には、第一案内通路2521と第二案内通路2522とのいずれにも右検出センサ2404が設けられていることから、センター役物2500の左側の領域に遊技球Bを打ち込むべき通常状態であるときに、第一案内通路2521に設けられた右検出センサ2404と、第二案内通路2522に設けられた左検出センサ2405とのいずれかが遊技球Bの通過を検出した状態が所定時間継続すると、遊技者に対して注意喚起がなされることを可能にしている。
より詳細には、通常状態中には、センター役物2500の左側の領域に遊技球Bを打ち込むことが推奨されるが、第一案内通路2521に設けられた右検出センサ2404が遊技球Bの通過を検出すると、第一案内通路2521に遊技球Bが打ち込まれた状態であると判断し、第二案内通路2522に設けられた左検出センサ2405が遊技球Bの通過を検出すると、第二案内通路2522に遊技球Bが打ち込まれた状態であると判断し、それらの状態が所定時間継続する(例えば、右検出センサ2404と左検出センサ2405の一方あるいは両方によって5秒間に遊技球Bが5球以上検出される)と、センター役物2500の左側の領域に遊技球Bを打ち込むべきであることを遊技者に警告する。具体的には、図184(A)に示すように、演出表示装置1600において、「左打ちして下さい」というメッセージを通知する第4警告演出を実行している。これにより、通常状態中には、センター役物2500の外周面のうち、最も高くなった部位よりも正面視左側(上右周壁部2510よりも左側)へ進入する強さに打ち方を変化させ、センター役物2500の左側の領域に遊技球Bを打ち込むべきであることを遊技者が把握することができる。そして、右検出センサ2404および左検出センサ2405が遊技球Bの通過を検出していない状態が所定時間継続(例えば、5秒間)した場合には、第一案内通路2521や第二案内通路2522に遊技球Bが打ち込まれた状態が解消されたと判断し、その第4警告演出を終了するようにしている。
より詳細には、通常状態中に右検出センサ2404や左検出センサ2405が遊技球Bの通過を検出すると、第一案内通路2521や第二案内通路2522に遊技球Bが打ち込まれた状態であると判断し、監視タイマを開始するとともに、その監視タイマによる監視中に右検出センサ2404や左検出センサ2405により遊技球Bを検出するごとにカウント値をカウントアップしている。そして、監視タイマの開始後に、第一案内通路2521や第二案内通路2522に遊技球Bが打ち込まれた状態が所定時間継続した場合(例えば、5秒間に遊技球Bが5球以上検出された場合)には、第4警告演出を実行するのに対し、その状態が所定時間継続しなかった場合(例えば、5秒間に遊技球Bが5球未満の検出で終了した場合)には、第一案内通路2521や第二案内通路2522に遊技球Bが打ち込まれた状態が解消されたものとして第4警告演出は実行せず、監視タイマやカウント値等の情報をクリアしている。また、監視タイマの開始後に、通常状態から遊技状態が切り替わり、センター役物2500の左側の領域に遊技球Bを打ち込むべき状態でなくなった場合にも、監視タイマやカウント値等の情報をクリアしている。そして、第4警告演出の実行後には、監視タイマを開始し、右検出センサ2404や左検出センサ2405が遊技球Bの通過を検出していない状態が所定時間継続(例えば、5秒間)した場合には、第一案内通路2521や第二案内通路2522に遊技球Bが打ち込まれた状態が解消されたものとして第4警告演出を終了するのに加え、通常状態から遊技状態が切り替わった場合にも、センター役物2500の左側の領域に遊技球Bを打ち込むべき状態でなくなったとして第4警告演出を終了している。
なお、小当り遊技中には、案内通路群2520のうち第一案内通路2521に遊技球Bを打ち込むことが推奨されるが、第一案内通路2521に設けられた右検出センサ2404が遊技球Bの通過を検出していないと、第一案内通路2521に遊技球Bが打ち込まれた状態でないと判断し、その状態が所定時間継続する(例えば、5秒間)と、第一案内通路2521に遊技球Bを打ち込むべきであることを遊技者に警告する。具体的には、図184(B)に示すように、演出表示装置1600において、「第一案内通路に打ち込んで下さい」というメッセージを通知する第5警告演出を実行している。これにより、小当り遊技中には、上流空間部2505に進入し衝止部1006に当接する強さに打ち方を変化させ、第一案内通路2521に遊技球Bを打ち込むべきであることを遊技者が把握することができる。そして、右検出センサ2404が遊技球Bの通過を検出した場合には、第一案内通路2521に遊技球Bが打ち込まれていない状態が解消されたと判断し、その第5警告演出を終了するようにしている。
より詳細には、小当り遊技中に右検出センサ2404が遊技球Bの通過を検出していないと、第一案内通路2521に遊技球Bが打ち込まれていない状態であると判断し、監視タイマを開始している。そして、監視タイマの開始後に、第一案内通路2521に遊技球Bが打ち込まれていない状態が所定時間継続した場合(例えば、5秒間)には、第5警告演出を実行するのに対し、所定時間内(例えば、5秒間)に右検出センサ2404が遊技球Bの通過を検出した場合には、第一案内通路2521に遊技球Bが打ち込まれていない状態が解消されたものとして第5警告演出は実行せず、監視タイマ等の情報をクリアしている。また、監視タイマの開始後に、小当り遊技から遊技状態が切り替わり、第一案内通路2521に遊技球Bを打ち込むべき状態でなくなった場合にも、監視タイマ等の情報をクリアしている。そして、第5警告演出の実行後には、監視タイマを開始し、右検出センサ2404が遊技球Bの通過を検出した場合には、第一案内通路2521に遊技球Bが打ち込まれていない状態が解消されたものとして第5警告演出を終了するのに加え、小当り遊技から遊技状態が切り替わった場合にも、第一案内通路2521に遊技球Bを打ち込むべき状態でなくなったとして第5警告演出を終了している。
一方、大当り遊技中および時短状態中には、案内通路群2520のうち第二案内通路2522に遊技球Bを打ち込むことが推奨されるが、第二案内通路2522に設けられた左検出センサ2405が遊技球Bの通過を検出していないと、第二案内通路2522に遊技球Bが打ち込まれた状態でないと判断し、その状態が所定時間継続する(例えば、5秒間)と、第二案内通路2522に遊技球Bを打ち込むべきであることを遊技者に警告する。具体的には、図184(C)に示すように、演出表示装置1600において、「第二案内通路に打ち込んで下さい」というメッセージを通知する第6警告演出を実行している。これにより、大当り遊技中および時短状態中には、上流空間部2505に進入し衝止部1006に当接しない強さ(右打ちよりもある程度弱い強さ)に打ち方を変化させ、第二案内通路2522に遊技球Bを打ち込むべきであることを遊技者が把握することができる。そして、左検出センサ2405が遊技球Bの通過を検出した場合には、第二案内通路2522に遊技球Bが打ち込まれていない状態が解消されたと判断し、その警告演出を終了するようにしている。
より詳細には、大当り遊技中および時短状態中に左検出センサ2405が遊技球Bの通過を検出していないと、第二案内通路2522に遊技球Bが打ち込まれていない状態であると判断し、監視タイマを開始している。そして、監視タイマの開始後に、第二案内通路2522に遊技球Bが打ち込まれていない状態が所定時間継続した場合(例えば、5秒間)には、第6警告演出を実行するのに対し、所定時間内(例えば、5秒間)に左検出センサ2405が遊技球Bの通過を検出した場合には、第二案内通路2522に遊技球Bが打ち込まれていない状態が解消されたものとして第6警告演出は実行せず、監視タイマ等の情報をクリアしている。また、監視タイマの開始後に、大当り遊技や時短状態から遊技状態が切り替わり、第二案内通路2522に遊技球Bを打ち込むべき状態でなくなった場合にも、監視タイマ等の情報をクリアしている。そして、第6警告演出の実行後には、監視タイマを開始し、左検出センサ2405が遊技球Bの通過を検出した場合には、第二案内通路2522に遊技球Bが打ち込まれていない状態が解消されたものとして第6警告演出を終了するのに加え、大当り遊技や時短状態から遊技状態が切り替わった場合にも、第二案内通路2522に遊技球Bを打ち込むべき状態でなくなったとして第6警告演出を終了している。
なお、本実施形態では、右検出センサ2404が、第一案内通路2521の上端である入口のやや下方(入口近傍)に設けられているが、第一案内通路2521に進入した遊技球Bが必ず通過するような位置であればよく、例えば、第一案内通路2521の上端である入口、第一案内通路2521の下端である出口、第一案内通路2521の内部に設けられていてもよい。同様に、左検出センサ2405は、第二案内通路2522の上端である入口のやや下方(入口近傍)に設けられているが、第二案内通路2522に進入した遊技球Bが必ず通過するような位置であればよく、例えば、第二案内通路2522の上端である入口、第二案内通路2522の下端である出口、第二案内通路2522の内部に設けられていてもよい。
また、本実施形態では、右検出センサ2404が、第一案内通路2521の内部に設けられた役物入賞口2006よりも上流側に設けられているが、役物入賞口2006よりも下流側に設けられるようにしてもよい。このような場合、小当り遊技中に、第一案内通路2521に遊技球Bが打ち込まれたときに、開放状態となった役物入賞口2006に遊技球Bが入球する可能性が高いことから、下流側に位置する右検出センサ2404を遊技球Bが通過する頻度が少なくなり、遊技球Bが過度に通過することで右検出センサ2404に不具合が生じることを防止することができる。
また、本実施形態では、案内通路群2520のうち第一案内通路2521と第二案内通路2522とのいずれにも検出センサ(右検出センサ2404、左検出センサ2405)が設けられているが、案内通路群2520に進入する遊技球Bが必ず通過するような位置に、1つの検出センサが設けられるようにしてもよい。例えば、上流空間部2505に進入した遊技球Bが第一案内通路2521と第二案内通路2522とのいずれかに分岐するよりも手前側の通路において、1つの検出センサが設けられることで、案内通路群2520に遊技球Bが進入するか否かを、1つの検出センサによって検出することが可能となる。つまり、1つの検出センサが遊技球Bの通過を検出すると、案内通路群2520に遊技球Bが打ち込まれた状態であると判断し、1つの検出センサが遊技球Bの通過を検出していないと、案内通路群2520に遊技球Bが打ち込まれた状態でないと判断することが可能となる。このような場合にも、センター役物2500の左側の領域に遊技球Bを打ち込むべき通常状態であるときに、1つの検出センサが遊技球Bの通過を検出した状態が所定時間継続すると、遊技者に対して注意喚起がなされるようにすることで、少なくともセンター役物2500の左側の領域に遊技球Bを打ち込むべきであるか否かは、遊技者が把握できるようになる。
また、本実施形態では、第4〜第6警告演出は、演出表示装置1600の表示領域に所定の警告画面を表示することを例示したが、各遊技状態にて何れの態様で遊技球Bを打ち込むべきであることを常時遊技者に把握させるための打込領域指示表示(例えば、右矢印画像からなる右打ち表示や、左矢印画像からなる左打ち表示)を別途行う場合には、この打込領域指示表示を阻害しないように、第4〜第6警告演出を実行することが望ましい。例えば、演出表示装置1600の表示領域のうちの右上部分に「打込領域指示表示を表示するための表示領域」を区画して設け、その領域とは別の演出表示装置1600の表示領域のうちの左上部分に「第4〜第6警告演出を表示するための表示領域」を区画して設け、各々の案内が重畳して阻害されないようにしておくことが望ましい。
また、本実施形態では、第4〜第6警告演出は、演出表示装置1600の表示領域に所定の警告画面を表示することを例示したが、こうした警告は、表示でなく音声による演出として実現してもよく、その場合、音声を出力するために有限に設けられたチャンネルに対する割り当ての優先度合いを、通常状態中や大当り遊技中、あるいは時短状態中に設定される各種の演出音よりも高くなるように設定しておき、有限に設けられたチャンネルに空き(未使用チャンネル)がない状況下でも極力出力されるようにしておくことが望ましい。これにより、遊技球Bの多種の打ち分けを有するゲーム性に不慣れな遊技者が不利益を受けることを効果的に抑制することが可能になる。
[17−3.第一案内通路および第二案内通路が前後方向に並んだ重見部に球詰まり解消穴が設けられる場合について]
上記とは異なる実施形態として、第一案内通路2521および第二案内通路2522が前後方向に並んだ重見部2520aにおいて、後側の第二案内通路2522での球詰まりを取り除くことが可能な球詰まり解消穴2523が設けられる場合について、図185及び図186を参照して説明する。図185及び図186は、第一案内通路2521および第二案内通路2522に球詰まり解消穴2523が設けられる実施形態を示す説明図である。
詳細は上述したが、第一案内通路2521及び第二案内通路2522は、第一案内通路2521における役物入賞口2006よりも左側で上下に延びている部位に、互いに前後方向に並ぶことにより前方から重なって見える重見部2520aを有している。この重見部2520aでは、第二案内通路2522が第一案内通路2521の後側に位置している。
図185及び図186(A)に示すように、第一案内通路2521および第二案内通路2522が前後方向に並んだ重見部2520aには、所定の棒状部材を第一案内通路2521の前側から挿入可能で、その棒状部材を挿入することにより後側の第二案内通路2522での球詰まりを取り除くことが可能な球詰まり解消穴2523が設けられている。具体的には、第一案内通路2521の前面側と、第一案内通路2521の後面側および第二案内通路2522の前面側が隣接した部位と、に球詰まり解消穴2523が設けられている。また、第一案内通路2521の後面側および第二案内通路2522の前面側が隣接した部位に設けられた球詰まり解消穴2523は、前方から視認して、第一案内通路2521の前面側に設けられた球詰まり解消穴2523と一致するような位置であり、第一案内通路2521の前側から第二案内通路2522に向けて前後方向に貫通するように設けられている。これにより、第一案内通路2521の前側から第二案内通路2522に向けて棒状部材をスムーズに挿入することができる。つまり、第二案内通路2522で球詰まりが発生した際には、第一案内通路2521の前側から第二案内通路2522に向けて棒状部材を挿入することで、後側の第二案内通路2522で球詰まりした遊技球Bに棒状部材が接触することが可能となり、その棒状部材を前後方向に動かすことで、第二案内通路2522での球詰まりを取り除くことができる。
なお、第一案内通路2521及び第二案内通路2522から構成される案内通路群2520の前面側にカバー部材が設けられる場合には、そのカバー部材にも、前方から視認して、第一案内通路2521の前面側に設けられた球詰まり解消穴2523と一致するような位置に球詰まり解消穴2523が設けられるようにすればよい。これにより、第二案内通路2522で球詰まりが発生した際には、カバー部材を外すことなく、カバー部材の前面側から第二案内通路2522に向けて棒状部材を挿入することができる。
また、球詰まり解消穴2523は、棒状部材よりも若干大きい径である円形状に形成されている。これにより、第一案内通路2521の前側から第二案内通路2522に向けて棒状部材を挿入した際に、その棒状部材を前後方向だけでなく、上下方向および左右方向にも自在に動かすことができる。つまり、第二案内通路2522で球詰まりが発生した際には、棒状部材を前後方向だけでなく、上下方向および左右方向にも動かすことで、第二案内通路2522での球詰まりを容易に取り除くことができる。
また、球詰まり解消穴2523は、第一案内通路2521および第二案内通路2522が前後方向に並んだ重見部2520の上下に延びている部位において、所定間隔で、複数設けられている。これにより、重見部2520における第二案内通路2522のどの位置で球詰まりが発生した場合であっても、その位置から近い箇所に設けられた球詰まり解消穴2523から棒状部材を挿入すればよく、第二案内通路2522での球詰まりを容易に取り除くことができる。
案内通路群2520のうち第一案内通路2521は、その通路が左右方向にのみ屈曲しているのに対し、第二案内通路2522は、その通路が左右方向だけでなく前後方向にも屈曲した複雑な形状で形成されており、第一案内通路2521よりも第二案内通路2522のほうが球詰まりが発生しやすい。また、第一案内通路2521および第二案内通路2522が前後方向に並んだ重見部2520は、第一案内通路2521および第二案内通路2522の上端である入口と、下端である出口とのいずれからも離れており、且つ、入口や出口から屈曲した後の部位であることから、入口や出口から棒状部材を挿入したとしても、その部位に棒状部材が届くことはない。この点、第一案内通路2521および第二案内通路2522が前後方向に並んだ重見部2520aには、第一案内通路2521の前側から第二案内通路2522に向けて棒状部材を挿入することが可能な球詰まり解消穴2523が設けられている。これにより、重見部2520aにおける前側の第一案内通路2521での球詰まりだけでなく、後側の第二案内通路2522で球詰まりが発生した際にも、棒状部材を挿入することで、その球詰まりを簡単に取り除くことができる。
上記では、第一案内通路2521および第二案内通路2522が前後方向に並んだ重見部2520aにおいて、第一案内通路2521の前側から第二案内通路2522に向けて前後方向に貫通するように球詰まり解消穴2523が設けられているが、以下には、後側の第二案内通路2522での球詰まりを取り除くことが可能な球詰まり解消穴2523についての別例を示す。
第1の別例として、図186(B)に示すように、第一案内通路2521および第二案内通路2522が前後方向に並んだ重見部2520aにおける第二案内通路2522の左面側には、所定の棒状部材を第二案内通路2522の左側から挿入可能で、その棒状部材を挿入することにより第二案内通路2522での球詰まりを取り除くことが可能な球詰まり解消穴2523が設けられるようにしてもよい。このような場合、第二案内通路2522で球詰まりが発生した際には、第二案内通路2522の左側から棒状部材を挿入することで、第二案内通路2522で球詰まりした遊技球Bに棒状部材が接触することが可能となり、その棒状部材を左右方向に動かすことで、第二案内通路2522での球詰まりを取り除くことができる。なお、本実施形態では、第一案内通路2521及び第二案内通路2522から構成される案内通路群2520の左方に、透明板状の導光板3102が設けられているが、その導光板3102が第一案内通路2521及び第二案内通路2522の後方に位置しており、導光板3102に妨げられることなく、第二案内通路2522の左側から棒状部材を挿入することを可能にしている。
また、第2の別例として、図186(C)に示すように、第一案内通路2521および第二案内通路2522が前後方向に並んだ重見部2520aには、第一案内通路2521の前側から第二案内通路2522に向けて前後方向に貫通するように球詰まり解消穴2523が設けられているが、その球詰まり解消穴2523の形状は、円形状ではなく、上下方向に延びたスリット形状に形成されていてもよい。このような場合、第一案内通路2521の前側から第二案内通路2522に向けて棒状部材を挿入した際に、その棒状部材を上下方向に大きく動かすことができ、第二案内通路2522での球詰まりを容易に取り除くことができる。
また、第一案内通路2521および第二案内通路2522の上端である入口付近においては、第一案内通路2521および第二案内通路2522が左右方向に並んで設けられている。そして、第3の別例としては、図186(D)に示すように、第一案内通路2521および第二案内通路2522が前後方向に並んだ箇所において、所定の棒状部材を第二案内通路2522の左側から挿入可能で、その棒状部材を挿入することにより右側(奥側)の第一案内通路2521での球詰まりを取り除くことが可能な球詰まり解消穴2523が設けられるようにしてもよい。つまり、球詰まり解消穴2523は、第二案内通路2522の左側から第一案内通路2521に向けて左右方向に貫通するように設けられるようにしてもよい。このような場合、第一案内通路2521で球詰まりが発生した際には、第二案内通路2522の左側から棒状部材を挿入することで、右側(奥側)の第一案内通路2521で球詰まりした遊技球Bに棒状部材が接触することが可能となり、その棒状部材を左右方向に動かすことで、第一案内通路2521での球詰まりを取り除くことができる。
また、第1の別例や第3の別例のように、第二案内通路2522の左面側に球詰まり解消穴2523が設けられる場合には、第二案内通路2522の左側から球詰まり解消穴2523を介して棒状部材を挿入することで、第二案内通路2522での球詰まりを取り除くことが可能であるが、導光板3102が第二案内通路2522の後方であるものの隣接した位置に設けられていることから、球詰まり解消穴2523を介して棒状部材を挿入する際に、その棒状部材が導光板3102に接触する可能性がある。そして、棒状部材によって導光板3102に傷がつくと、導光板3102に絵柄(第一絵柄3102a、第二絵柄3102b)を発光装飾する際に、その絵柄とは関係のない傷がついた部位も導光(光が反射)するが、傷がついた部位が絵柄と重なっていると、その絵柄が視認し難くなってしまうという問題がある。このため、第二案内通路2522に隣接した部分である導光板3102の右領域部分には、絵柄が表出される導光装飾領域を設けないようにすることが望ましい。また、導光板3102は、裏箱3010の前端に取付けられる四角い枠状のユニットベース3101に取付けられているが、第二案内通路2522から導光板3102が離れるようにその導光板3102を手動で左に向けて移動することを可能とし、球詰まり解消穴2523を介して棒状部材を挿入する際には、その前段階として、棒状部材が導光板3102に接触しない位置に移動することが可能に構成してもよい。また、第二案内通路2522の左側には、その第二案内通路2522の左面側に設けられた球詰まり解消穴2523を隠蔽する位置と、隠蔽しない位置とに移動することが可能な可動部材を設けて、球詰まり解消穴2523を介して棒状部材を挿入する際には、その前段階として、可動部材が球詰まり解消穴2523を隠蔽しない位置に移動することが可能に構成してもよい。このような構成では、第二案内通路2522での球詰まりを取り除く必要がないときに、球詰まり解消穴2523を隠蔽する位置に可動部材が位置し、遊技者が球詰まり解消穴2523を視認し難くなり、第二案内通路2522を含む全体としての装飾性が損なわれないといった利点がある。
[17−4.並設された第一案内通路および第二案内通路の出口付近における球詰まり防止構造について]
図121(a)で説明したように、遊技球Bを、遊技領域5aの周縁の一部を構成する外レール1001から内方へ突出している衝止部1006に当接する強さで打込む(所謂、右打ちする)と、衝止部1006に当接した遊技球Bが第一案内通路2521に進入する。この第一案内通路2521に進入した遊技球Bは、第一案内通路2521の途中の役物入賞口2006を閉鎖している役物入賞口扉2511の上面を転動した上で、案内通路群2520の下端の右側の出口から下方のアタッカユニット2400側へ放出される。そして、第一案内通路2521の出口から下方へ放出された遊技球Bは、アタッカユニット2400との間に植設されている複数の障害釘Nにより、アタッカ右通路2430の第一開口部2431、普通入賞口2003、及び普通入賞口2003の左側の部位、の何れかに対して、同じような確率で進入するように誘導される。
一方、図121(b)で説明したように、上流空間部2505に打込まれた遊技球Bが第二案内通路2522の入口に進入して、第二案内通路2522を流通すると、後方へひねられて重見部2520aにおいて第一案内通路2521と前後方向に並んだ後に、前方へひねられて第一案内通路2521の出口の左側の出口から下方のアタッカユニット2400側へ放出される。そして、第二案内通路2522の出口から下方へ放出された遊技球Bは、アタッカユニット2400との間に植設されている複数の障害釘Nにより、普通入賞口2003又は普通入賞口2003の左側の部位の何れかに進入するように誘導され、まれに、アタッカ右通路2430の第一開口部2431に進入するように誘導される。
なお、普通入賞口2003の右側の第一開口部2431を通ってアタッカ右通路2430に進入した遊技球Bは、大入賞口2005よりも下側となる放出口部2435から右下レール1004上に放出され、アウト口1008から遊技領域5a外へ排出される。
案内通路群2520の下端においては、第一案内通路2521の出口が右側に、第二案内通路2522の出口が左側に位置するように、それぞれの出口が並設されていることから、第一案内通路2521および第二案内通路2522の出口付近では、それらの出口から排出された遊技球Bが短時間で多量に流れ込み、それらの出口の下方で球詰まりが発生しやすくなっている。この点、第一案内通路2521および第二案内通路2522の出口の下方には、普通入賞口2003の右側にアタッカ右通路2430の第一開口部2431が設けられており、その第一開口部2431に遊技球Bが進入すると、アタッカ右通路2430を通ってアウト口1008に誘導されるようになっている。これにより、第一案内通路2521および第二案内通路2522の出口付近では、それらの出口から排出された遊技球Bの一部が第一開口部2431からアウト口1008に誘導されることから、それらの出口付近で遊技球Bが滞留しにくくなり、球詰まりが発生することを防止することができる。また、第一案内通路2521および第二案内通路2522の出口の下方で球詰まりが発生したとしても、それらの出口から排出された遊技球Bが第一開口部2431からアウト口1008に誘導されることとなり、第一案内通路2521および第二案内通路2522の内部にまで遊技球Bが積み上がることを防止することができる。
このように、第一案内通路2521および第二案内通路2522の出口の下方には、アタッカ右通路2430の第一開口部2431が設けられているが、その位置は、第二案内通路2522の出口よりも第一案内通路2521の出口のほうが近くなるように設けられている。第一案内通路2521の内部には、小当り遊技中に開放状態となる役物入賞口2006が設けられているが、第一案内通路2521の出口の下方での球詰まりを起因として、第一案内通路2521の内部に設けられた役物入賞口2006の位置にまで遊技球Bが積み上がると、開放状態となった役物入賞口2006に想定以上の遊技球Bが流れ込み、遊技者が不正な利益を得られるようになってしまう。この点、アタッカ右通路2430の第一開口部2431は、第二案内通路2522の出口よりも第一案内通路2521の出口のほうが近くなるように設けられているため、第一案内通路2521および第二案内通路2522の出口の下方で球詰まりが発生したとしても、第一案内通路2521の出口付近の遊技球Bを、効率よく第一開口部2431からアウト口1008に誘導することができ、第一案内通路2521の内部に設けられた役物入賞口2006の位置にまで遊技球Bが積み上がることを防止することができる。
なお、本実施形態では、第一案内通路2521および第二案内通路2522の出口の下方には、普通入賞口2003の右側において、アウト口1008に遊技球Bを誘導することが可能であるアタッカ右通路2430の第一開口部2431が設けられているが、アタッカ右通路2430にアウト口1008とは別のアウト口を設けるようにし、第一開口部2431から進入した遊技球Bを、その別のアウト口から遊技領域5a外へ排出するようにしてもよい。このような場合にも、第一案内通路2521および第二案内通路2522の出口から排出された遊技球Bの一部を、アウト口1008とは別のアウト口から効率よく遊技領域5a外へ誘導することができ、それらの出口付近で遊技球Bが滞留しにくくなり、球詰まりが発生することを防止することができる。
また、第一案内通路2521および第二案内通路2522の出口の下方には、第一案内通路2521の出口から近い位置で、アウト口1008に遊技球Bを誘導することが可能であるアタッカ右通路2430の第一開口部2431が設けられているが、第二案内通路2522の出口から近い位置にも、アウト口1008に遊技球Bを誘導することが可能である通路や、遊技領域5a外へ遊技球Bを排出することが可能であるアウト口1008とは別のアウト口を設けるようにしてもよい。このような場合にも、第一案内通路2521および第二案内通路2522の出口から排出された遊技球Bの一部を、効率よく遊技領域5a外へ誘導することができ、それらの出口付近で遊技球Bが滞留しにくくなり、球詰まりが発生することを防止することができる。
上記では、第一案内通路2521および第二案内通路2522の出口付近には、アウト口1008に遊技球Bを誘導することが可能であるアタッカ右通路2430の第一開口部2431が設けられているが、第一案内通路2521および第二案内通路2522の入口付近にも、アウト口1008に遊技球Bを誘導することが可能である通路や、遊技領域5a外へ遊技球Bを排出することが可能であるアウト口1008とは別のアウト口を設けるようにしてもよい。以下には、第一案内通路2521および第二案内通路2522の入口付近において、遊技領域5a外へ遊技球Bを排出することが可能である第二アウト口1013が設けられる場合についての別例を示す。図187は、第一案内通路2521および第二案内通路2522の入口付近に第二アウト口1013が設けられる実施形態を示す説明図である。
図187に示すように、第一案内通路2521の上端である入口と、第二案内通路2522の上端である入口との間には、遊技領域5a外へ遊技球Bを排出することが可能である第二アウト口1013が設けられている。このような構成では、上流空間部2505に進入し衝止部1006に当接する強さで遊技球Bを打込む(所謂、右打ちする)と、高い確率で第一案内通路2521に進入するが、その打ち込まれた遊技球Bの一部が、第一案内通路2521の入口に隣接した第二アウト口1013に入球するようになる。同様に、上流空間部2505に進入し衝止部1006に当接しない強さ(右打ちよりもある程度弱い強さ)で遊技球Bを打込むと、高い確率で第二案内通路2522に進入するが、その打ち込まれた遊技球Bの一部が、第二案内通路2522の入口に隣接した第二アウト口1013に入球するようになる。つまり、上流空間部2505に進入するように打ち込まれた遊技球Bの一部が、第二アウト口1013に入球するようになっている。これにより、第一案内通路2521の入口と、第二案内通路2522の入口とのいずれを遊技者が狙った場合にも、上流空間部2505に進入するように打ち込まれた遊技球Bの一部が、第二アウト口1013から遊技領域5a外へ誘導されることから、それらの入口から内部に進入する遊技球Bが少なくなり、第一案内通路2521および第二案内通路2522の内部で球詰まりが発生することを防止することができる。
また、上記以外にも、第一案内通路2521や第二案内通路2522の内部で球詰まりが発生した場合のみ、遊技領域5a外へ遊技球Bを排出することが可能であるアウト口1008とは別のアウト口を設けるようにしてもよい。以下には、第一案内通路2521の内部の出口付近において、遊技領域5a外へ遊技球Bを排出することが可能である第二アウト口1013が設けられる場合についての別例を示す。図188は、第一案内通路2521の内部の出口付近に第二アウト口1013が設けられる実施形態を示す説明図である。
図188(A)に示すように、第一案内通路2521の下端である出口の僅かに上方には、第一案内通路2521の後面と同一面である遊技領域5a(遊技盤5)の前面に開口し、遊技領域5a外へ遊技球Bを排出することが可能である第二アウト口1013が設けられている。また、第一案内通路2521の内部には、小当り遊技中に開放状態となる役物入賞口2006が設けられているが、その役物入賞口2006よりも第二アウト口1013が下流側となる位置に設けられている。このような構成では、第一案内通路2522の出口の下方など、第二アウト口1013より下方で球詰まりが発生していない場合、第一案内通路2521に遊技球Bが進入すると、第二アウト口1013に入球することなく、第二アウト口1013の前方をそのまま通過するようになる。
一方、図188(B)に示すように、第一案内通路2521の出口の下方など、第二アウト口1013より下方で球詰まりが発生した場合には、第二アウト口1013の位置にまで遊技球Bが積み上がった時点で、さらに第一案内通路2521を流通した遊技球Bが、第二アウト口1013に入球するようになる。つまり、第一案内通路2521の内部においては、第二アウト口1013よりも上方の位置にまで遊技球Bが積み上がらないようになっている。上記したように、第一案内通路2521の内部には、小当り遊技中に開放状態となる役物入賞口2006が設けられているが、第一案内通路2521の出口付近での球詰まりを起因として、第一案内通路2521の内部に設けられた役物入賞口2006の位置にまで遊技球Bが積み上がると、開放状態となった役物入賞口2006に想定以上の遊技球Bが流れ込み、遊技者が不正な利益を得られるようになってしまう。この点、第一案内通路2521の内部における役物入賞口2006の下流側には、第一案内通路2521の内部で球詰まりが発生した場合のみ、遊技領域5a外へ遊技球Bを排出することが可能である第二アウト口1013が設けられているため、第一案内通路2521の出口付近で球詰まりが発生したとしても、第一案内通路2521の内部に設けられた役物入賞口2006の位置にまで遊技球Bが積み上がるよりも前に、第二アウト口1013から遊技領域5a外へ遊技球Bを排出することができ、遊技者が不正な利益を得られるといった状況が発生することを防止することができる。
[18.異常発生時のアウト口検出について]
本実施形態のパチンコ機1では、電源投入後、遊技盤5上に設けられた入球口(第一始動口2002、第二始動口2004、大入賞口2005、役物入賞口2006など)への遊技球Bの入球時、および、アウト口1008への遊技球Bの入球時には、それぞれの入球数をカウントして所定の演算を行い、その演算結果を当該パチンコ機1に関する情報として所定の表示装置(例えば、ベースモニタ1310h)に表示するようにしている。また、異常が発生した場合には、その異常が軽度であるか重度であるかによって、演算を継続するか中止(停止)するかを異ならせ、重度の異常が発生した場合には、演算を中止(停止)するようにしている。このような異常が発生した場合における演算の実行状態について、図189を参照して説明する。図189は、異常が発生した場合における演算の実行状態を示す説明図である。
まず、主制御基板1310では、遊技盤5上に設けられた入球口として、一般入賞口2001、普通入賞口2003、第一始動口2002、第二始動口2004、大入賞口2005、役物入賞口2006に遊技球Bが入球したときに、それぞれ一般入賞口センサ3001、普通入賞口センサ2401、第一始動口センサ3002、第二始動口センサ2402、大入賞口センサ2403、役物入賞口センサ2513が遊技球Bの検出をし、それぞれに対応した入球数カウンタに加算している。このような入球数カウンタによって、遊技領域5aに打ち込まれた遊技球Bのうち、それぞれの入球口に入球した遊技球Bの入球数を把握することができる。
また、主制御基板1310では、遊技盤5上に設けられたアウト口1008から遊技球Bが外部に排出されたときに、アウト口左センサ3032、アウト口右センサ3033のいずれかが遊技球Bの検出をし、いずれもアウト数カウンタに加算している。このアウト数カウンタによって、遊技領域5aに打ち込まれた遊技球Bのうち、アウト口1008に入球した遊技球Bの入球数を把握することができる。
そして、主制御基板1310では、入球数カウンタとアウト数カウンタとを用いて所定の演算を行っている。具体例としては、入球数カウンタの全てを加算することで、遊技領域5aに打ち込まれた遊技球Bのうち、遊技盤5上に設けられた入球口に入球した遊技球Bの総数を算出することができる。また、入球数カウンタの全てとアウト数カウンタとを加算することで、遊技領域5aに打ち込まれた遊技球Bの総数を算出することができる。
上記した演算結果は、当該パチンコ機1に関する情報として所定の表示装置に表示している。ただし、所定の表示装置に表示される情報としては、それぞれの入球数カウンタやアウト数カウンタに基づいて、それぞれの入球口やアウト口1008に入球した遊技球Bの入球数をそのまま出力することも可能としている。また、所定の表示装置としては、遊技盤5に設けられた演出表示装置1600、外部でホール側が管理するホールコンピュータなどが挙げられる。また、パチンコ機1の裏側に設けられた主制御基板1310にモニタ(ベースモニタ1310h)を搭載するようにし、そのモニタ(ベースモニタ1310h)に表示してもよい。このうち、演出表示装置1600に情報が表示される場合には、遊技者とホール側とのいずれもが視認しうる位置で把握することができるのに対し、ホールコンピュータや主制御基板1310のモニタ(ベースモニタ1310h)に情報が表示される場合には、ホール側のみが視認しうる位置で把握することができる。
また、所定の表示装置に表示される情報として、遊技盤5上に設けられた入球口に入球した遊技球Bの総数や、アウト口1008に入球した遊技球Bの総数を表示した場合には、それらの比率から、入球口やアウト口1008に遊技球Bが入球する程度が正常な数値範囲であるか否かを判断することができる。正常な遊技が行われている場合には、遊技領域5aに打ち込まれた遊技球Bが所定の割合で入球口に入球するようになっているが、例えば、アウト口1008に対して入球口に入球した遊技球Bの総数が多すぎる比率である場合には、不正な行為で入球口に対して入球させているのではないかと疑うことができるし、入球口に対してアウト口1008に入球した遊技球Bの総数が多すぎる比率である場合には、不正な行為でアウト口1008に対して入球させているのではないかと疑うことができる。
なお、主制御基板1310では、払出装置850から遊技球Bが払い出されたときに、払出検知センサ950が遊技球Bの検出をし、払出数カウンタに加算している。この払出数カウンタによって、遊技者に払い出された遊技球Bの払出数を把握することができる。そして、入球数カウンタの全てとアウト数カウンタとによって算出された、遊技領域5aに打ち込まれた遊技球Bの総数が、遊技者が使用した遊技球Bの総数であることから、技者に払い出された遊技球Bの払出数との差分を算出することで、遊技球Bの純増数を算出することができ、そのような遊技球Bの純増数を所定の表示装置に表示することができる。
また、本実施形態では、遊技盤5上に設けられた入球口やアウト口1008に入球した遊技球Bは、本体枠4に設けられている球排出口629を通ってパチンコ機1の後方外部(遊技ホールの島設備側)に排出される(図94参照)が、その球排出口629を通過する遊技球Bを検出することが可能な枠側アウト口センサ3037を設けるようにしている。この枠側アウト口センサ3037は、球排出口629を通過した遊技球Bを検出したときに、その検出信号が主制御基板1310に入力される。そして、主制御基板1310では、遊技盤5上に設けられた入球口やアウト口1008に遊技球Bが入球した後、その合流した遊技球Bがパチンコ機1の外部に排出されるときに、枠側アウト口センサ3037が遊技球Bの検出をし、枠側アウト数カウンタに加算している。この枠側アウト数カウンタによって、遊技領域5aに打ち込まれた遊技球Bの入球数を把握することができる。
なお、本実施形態では、上述したように、払出装置580の球抜通路580bから下方へ放出された遊技球Bも、上部満タン球経路ユニット600の上部球抜通路600e、及び下部満タン球経路ユニット610の下部球抜通路610cを通って、下部球抜通路610cの下流端開口から基板ユニット620の球抜誘導部627へ放出された後に、排出球受部628及び球排出口629を通ってパチンコ機1の後方外部(遊技ホールの島設備側)に排出されるものであり、遊技領域5aに打ち込まれた遊技球Bだけでなく、払出装置580の球抜通路580bから下方へ放出された遊技球Bも枠側アウト口センサ3037が検出可能な構成となっている。ここで、遊技領域5aに打ち込まれた遊技球Bの入球数を把握するという目的を考慮すると、払出装置580の球抜通路580bから下方へ放出された遊技球Bの数については、これを排除(無効化)して各種算出することが切望される。これを受けて、払出装置580の球抜通路580bから下方へ放出された遊技球Bも枠側アウト口センサ3037が検出する構成においては、枠側アウト口センサ3037よりも上流側に、これとは別の球抜検出センサ(図示省略)を設け、この球抜検出センサによって払出装置580の球抜通路580bから下方へ放出された遊技球Bを検出するようにし、さらに、その球抜検出センサによって検出された遊技球の数をアウト数カウンタから減算するように構成しておくことが望ましい。これにより、払出装置580の球抜通路580bから下方へ放出された遊技球Bは、球抜検出センサによって検出されてアウト数カウンタから一旦減算された上で、枠側アウト口センサ3037によって検出されてアウト数カウンタに加算されることととなり、実質的に、払出装置580の球抜通路580bから下方へ放出された遊技球Bの数はアウト数カウンタに反映されないようにすることができる。なお、こうした形態は、遊技機1が通電されていない状態にて払出装置580の球抜通路580bから下方へ遊技球Bが放出される場合(払出装置580の球抜行為がなされる場合)においては、球抜検出センサおよび枠側アウト口センサ3037のいずれも検出そのものを行い得ることがないため問題ないが、遊技機1が通電された状態にて払出装置580の球抜通路580bから下方へ遊技球Bが放出される場合(払出装置580の球抜行為がなされる場合)や、遊技機1が通電されていない状態にて払出装置580の球抜通路580bから下方へ遊技球Bが放出された(払出装置580の球抜行為がなされた)ものの、その球抜き途中で遊技機1が通電された状態になった場合の不具合を解消するものである。また、遊技領域5aに打ち込まれた遊技球Bと、払出装置580の球抜通路580bから下方へ放出された遊技球Bと、を合流させることなく別々の通路を通ってパチンコ機1の後方外部(遊技ホールの島設備側)に排出するようにし、遊技領域5aに打ち込まれた遊技球Bのみを枠側アウト口センサ3037が検出可能な構成としてもよい。このような構成では、上記した球抜検出センサによって検出された遊技球の数をアウト数カウンタから減算するような構成が不必要となる。
上記したように、枠側アウト数カウンタによって、遊技領域5aに打ち込まれた遊技球Bの入球数を把握することができるが、入球数カウンタの全てとアウト数カウンタとの加算によっても、遊技領域5aに打ち込まれた遊技球Bの総数を算出することができる。すなわち、遊技が行われておらず、遊技領域5aに遊技球Bが打ち込まれていない状態においては、枠側アウト数カウンタが、入球数カウンタの全てとアウト数カウンタとを加算した数値と一致することとなる。一方、遊技領域5aに遊技球Bが打ち込まれている状態においては、入球口やアウト口1008に設けられた検出センサを遊技球Bが通過した後に、所定の距離だけ離れた枠側アウト口センサ3037を通過することから、枠側アウト数カウンタと比べて、入球数カウンタの全てとアウト数カウンタとを加算した数値が若干多くなる状態で推移することとなる。
本実施形態では、異常が発生した場合に、その異常が軽度であるか重度であるかによって、カウンタへの加算や演算を継続するか中止(停止)するかが異なるようにしている。図189(A)に示すように、軽度の異常が発生した場合には、カウンタへの加算や演算を中止(停止)することなく継続している。この軽度の異常としては、上皿201に遊技球Bが一杯で、払出装置580から遊技球Bを払出しできない状態や、センター役物2500の右側の領域に遊技球Bを打ち込むべき遊技状態で、右打ちしていない状態が挙げられる。これらの状態では、上皿201にある遊技球Bを下皿202に誘導するように警告する演出や、右打ちするように警告する演出を実行している。また、これらの状態では、扉枠3や本体枠4が外枠2から開放されていない状態で、本体枠4に取り付けられている遊技盤5に設けられた入球口やアウト口1008に対して人為的に遊技球Bを入球させることができない状態である。このため、軽度の異常が発生した場合には、不正な行為で入球数カウンタやアウト数カウンタが増加することがなく、カウンタへの加算や演算を中止(停止)することなく継続することとしている。
一方、重度の異常が発生した場合には、カウンタへの加算や演算を中止(停止)している。この重度の異常としては、扉枠3や本体枠4が外枠2から開放されている状態が挙げられる。これらの状態では、扉枠3や本体枠4が外枠2から開放されており、本体枠4に取り付けられている遊技盤5に設けられた入球口やアウト口1008に対して人為的に遊技球Bを入球させることができる状態である。このため、重度の異常が発生した場合には、不正な行為で入球数カウンタやアウト数カウンタが増加することがないように、カウンタへの加算や演算を中止(停止)することとしている。
また、重度の異常が発生した場合には、カウンタへの加算や演算を中止(停止)しているが、入球口やアウト口1008に設けられた検出センサ自体は、遊技球Bの通過を検出している。また、重度の異常が発生した場合には、発生前における入球数カウンタやアウト数カウンタなどのカウンタの数値、および、演算結果を保持するようにし、扉枠3や本体枠4が外枠2に対して閉鎖されるなど、重度の異常が解消した後において、カウンタへの加算や演算を再開している。また、重度の異常が発生し、カウンタへの加算や演算を中止(停止)している状態では、所定の表示装置への画像表示やスピーカからの音声出力によって、そのカウンタへの加算や演算を中止している旨を通知する中止時演出を実行している。
また、図189(B)に示すように、アウト口左センサ3032及びアウト口右センサ3033での検出に対応するアウト数カウンタへの加算やそのアウト数カウンタに関する演算については、重度の異常の発生時から所定時間(例えば、10秒)が経過するまでの間、アウト数カウンタへの加算やそのアウト数カウンタに関する演算を中止(停止)することなく継続し、所定時間の経過時に、アウト数カウンタへの加算やそのアウト数カウンタに関する演算を中止(停止)している。これにより、扉枠3が外枠2から開放されるなどの重度の異常の発生時には、所定時間が経過するまでの間、アウト口1008への遊技球Bの入球数を把握することができる。
例えば、遊技領域5aで遊技球Bがブドウ状になって球詰まりが発生した場合には、正常な遊技が行えないため、ホール側の者が扉枠3を開放してブドウ状の遊技球Bを取り除くことになるが、その取り除いた遊技球Bがそのまま下端にあるアウト口1008に流れ込む可能性が高くなっている。このようなブドウ状の遊技球Bは、本来、ブドウ状にならなければアウト口1008から排出されていた可能性の高い遊技球Bである。この点、ブドウ状の遊技球Bを取り除くために扉枠3が外枠2から開放された場合には、所定時間が経過するまでの間、アウト数カウンタへの加算やそのアウト数カウンタに関する演算を中止(停止)することなく継続することから、そのブドウ状の遊技球Bがアウト口1008に流れ込んだ入球数を把握でき、アウト口1008に関する情報の信頼性を高めることができる。なお、所定時間の経過後には、ブドウ状の遊技球Bがアウト口1008に流れ込む可能性が低く、不正な行為でアウト口1008に対して入球させていることが疑われるため、アウト数カウンタへの加算やそのアウト数カウンタに関する演算を中止(停止)することとしている。
また、図189(C)に示すように、アウト口左センサ3032及びアウト口右センサ3033での検出に対応するアウト数カウンタへの加算やそのアウト数カウンタに関する演算については、重度の異常の発生時から所定時間(例えば、10秒)が経過するまでの間、アウト数カウンタへの加算やそのアウト数カウンタに関する演算を中止(停止)することなく継続しているが、その所定時間が経過する前であっても、短期間に多量の遊技球Bを連続してアウト口左センサ3032やアウト口右センサ3033が検出した場合には、その時点でアウト数カウンタへの加算やそのアウト数カウンタに関する演算を中止(停止)している。このような場合には、扉枠3の開放時において、ブドウ状の遊技球Bが取り除かれることでアウト口1008に流れ込むと想定される入球数以上が、アウト口1008に流れ込んだ可能性が高く、不正な行為でアウト口1008に対して入球させていることが疑われるため、アウト数カウンタへの加算やそのアウト数カウンタに関する演算を中止(停止)することとしている。
また、図189(D)に示すように、重度の異常が発生した場合のうち扉枠3の開放時には、アウト口左センサ3032及びアウト口右センサ3033での検出に対応するアウト数カウンタへの加算やそのアウト数カウンタに関する演算について、扉枠3の開放時から所定時間(例えば、10秒)が経過するまでの間、アウト数カウンタへの加算やそのアウト数カウンタに関する演算を中止(停止)することなく継続しているのに対し、本体枠4の開放時には、その時点で、アウト数カウンタへの加算やそのアウト数カウンタに関する演算を中止(停止)している。これは、扉枠3の開放時には、遊技領域5aでのブドウ状の遊技球Bを取り除くことを目的として開放していることが考えられるのに対し、本体枠4の開放時には、遊技領域5aでのブドウ状の遊技球Bを取り除くことを目的として開放する必要のない本体枠4を開放しているためである。つまり、本体枠4の開放時には、パチンコ機1の裏側での球詰まりを取り除くなどの別の目的で開放しているため、アウト数カウンタへの加算やそのアウト数カウンタに関する演算を中止(停止)することとしている。
上記したように、本実施形態では、遊技盤5上に設けられた入球口やアウト口1008に遊技球Bが入球した後、その合流した遊技球Bがパチンコ機1の外部に排出されるときに、枠側アウト口センサ3037が遊技球Bを検出するようにしているが、図189(E)に示すように、枠側アウト口センサ3037での検出に対応する枠側アウト数カウンタへの加算やその枠側アウト数カウンタに関する演算については、重度の異常が発生した時点で、枠側アウト数カウンタへの加算やその枠側アウト数カウンタに関する演算を中止(停止)している。このため、ホール側の者が扉枠3を開放してブドウ状の遊技球Bを取り除いた際には、所定期間で、アウト口左センサ3032及びアウト口右センサ3033での検出に対応するアウト数カウンタへの加算が行われるのに対し、枠側アウト口センサ3037での検出に対応する枠側アウト数カウンタへの加算が行われないことから、入球数カウンタの全てとアウト数カウンタとを加算した数値と、枠側アウト数カウンタの数値との差分により、扉枠3の開放時に取り除かれたブドウ状の遊技球Bの入球数を把握することができる。なお、このようなブドウ状の遊技球Bの入球数については、当該パチンコ機1に関する情報として所定の表示装置に表示することを可能としている。
また、上記したように、遊技が行われておらず、遊技領域5aに遊技球Bが打ち込まれていない状態においては、枠側アウト数カウンタが、入球数カウンタの全てとアウト数カウンタとを加算した数値と一致することとなる。一方、遊技領域5aに遊技球Bが打ち込まれている状態においては、入球口やアウト口1008に設けられた検出センサを遊技球Bが通過した後に、所定の距離だけ離れた枠側アウト口センサ3037を通過することから、枠側アウト数カウンタと比べて、入球数カウンタの全てとアウト数カウンタとを加算した数値が若干多くなる状態で推移することとなる。このように、正常な遊技が行われている限りは、入球数カウンタの全てとアウト数カウンタとを加算した数値については、枠側アウト数カウンタと比べて所定数以上の差分が生じることがないことから、その所定数以上の差分が生じているか否かを監視することによって、正常な遊技が行われているか否かを判断することができる。
具体的には、図190に示すように、入球数カウンタの全てとアウト数カウンタとを加算した数値について、枠側アウト数カウンタと比べて所定数以上の差分が生じた場合には、特別の異常が発生したと判断し、カウンタへの加算や演算を中止(停止)している。また、特別の異常が発生し、カウンタへの加算や演算を中止している状態では、所定の表示装置への画像表示やスピーカからの音声出力によって、そのカウンタへの加算や演算を中止している旨を通知する中止時演出を実行している。そして、入球数カウンタの全てとアウト数カウンタとを加算した数値について、枠側アウト数カウンタと比べて所定数以上の差分が生じた場合には、例えば、不正な行為で遊技盤5上に設けられた入球口やアウト口1008に対してのみ遊技球B以外の物体を通過させていることや、入球口やアウト口1008に設けられた検出センサを遊技球Bが通過してから枠側アウト口センサ3037を通過するまでの間で球詰まりが生じている可能性を疑うことができる。結果、不正な行為や球詰まりなどの障害が発生したことを早期に発見することができ、パチンコ機1の信頼性を高めることができる。
また、本実施形態では、重度の異常として、扉枠3や本体枠4が外枠2から開放されている状態を例示したが、これに限定されるものでなく、扉枠3や本体枠4が外枠2から開放されていない状態であっても不正な行為で遊技が進行していると想定される状況を検出した場合には、各種カウンタへの加算や演算を中止(停止)するようにしてもよい。例えば、遊技領域5aの近傍で遊技球Bを吸着するレベルの磁気を検出した場合や、遊技領域5aに対する所定の振動(衝撃)を検出した場合などに、正常な遊技が行われていないと判断して、各種カウンタへの加算や演算を中止(停止)することが例示できる。また、扉枠3や本体枠4が外枠2から開放された状態と、扉枠3や本体枠4が外枠2から開放されていない状態にて不正な磁気や振動を検出した場合のいずれにおいても各種カウンタへの加算や演算を中止(停止)するものの、扉枠3や本体枠4が外枠2から開放されていない状態にて不正な磁気や振動を検出した場合に限り、不正と断定して、遊技球Bの発射を含んだ遊技の進行を直ちに停止するようにしてもよい。
[18−1.複数のアウト口が設けられる場合のアウト口検出について]
上記とは異なる実施形態として、遊技領域5aの下流側に設けられるアウト口1008とは別に、上流側に第二アウト口1013、中流側に第三アウト口1014を設けるようにし、それぞれアウト口から排出される遊技球Bを検出することが可能な検出センサが設けられる場合について、図191及び図192を参照して説明する。図191は、アウト口1008とは別に第二アウト口1013および第三アウト口1014が設けられる実施形態を示す説明図である。図192は、アウト口1008とは別に第二アウト口1013および第三アウト口1014が設けられた場合における演算の実行状態を示す説明図である。
図191に示すように、第一案内通路2521の上端である入口と、第二案内通路2522の上端である入口との間には、遊技領域5a外へ遊技球Bを排出することが可能である第二アウト口1013が設けられている。このような構成では、上流空間部2505に進入し衝止部1006に当接する強さで遊技球Bを打込む(所謂、右打ちする)と、高い確率で第一案内通路2521に進入するが、その打ち込まれた遊技球Bの一部が、第一案内通路2521の入口に隣接した第二アウト口1013に入球するようになる。同様に、上流空間部2505に進入し衝止部1006に当接しない強さ(右打ちよりもある程度弱い強さ)で遊技球Bを打込むと、高い確率で第二案内通路2522に進入するが、その打ち込まれた遊技球Bの一部が、第二案内通路2522の入口に隣接した第二アウト口1013に入球するようになる。つまり、上流空間部2505に進入するように打ち込まれた遊技球Bの一部が、第二アウト口1013に入球するようになっている。
また、第一案内通路2521および第二案内通路2522の出口の下方には、普通入賞口2003の右側において、アタッカ右通路2430の第一開口部2431が設けられているが、アタッカ右通路2430にアウト口1008とは別の第三アウト口1014を設けるようにし、第一開口部2431から進入した遊技球Bを、その第三アウト口1014から遊技領域5a外へ排出するようにしている。
なお、案内通路群2520における第一案内通路2521および第二案内通路2522の入口の周辺に第二アウト口1013が設けられることの効果と、その出口の周辺に第三アウト口1014が設けられることの効果とについては、詳細は上述しているが、このような第二アウト口1013や第三アウト口1014が設けられることで、第一案内通路2521および第二案内通路2522の内部で球詰まりが発生することを防止することができる。
本実施形態では、第二アウト口1013から外部に排出される遊技球Bを検出することが可能な第二アウト口センサ3035と、第三アウト口1014から外部に排出される遊技球Bを検出することが検出することが可能な第三アウト口センサ3036と、が設けられている。この第二アウト口センサ3035は、第二アウト口1013を進入した遊技球Bを検出したときに、その検出信号が主制御基板1310に入力されるのに対し、第三アウト口センサ3036は、第三アウト口1014に進入した遊技球Bを検出したときに、その検出信号が主制御基板1310に入力される。そして、主制御基板1310では、第二アウト口1013から遊技球Bが外部に排出されるときに、第二アウト口センサ3035が遊技球Bの検出をし、第二アウト数カウンタに加算するのに対し、第三アウト口1014から遊技球Bが外部に排出されるときに、第三アウト口センサ3036が遊技球Bの検出をし、第三アウト数カウンタに加算している。この第二アウト数カウンタによって、第二アウト口1013に入球した遊技球Bの入球数を把握するのに対し、第三アウト数カウンタによって、第三アウト口1014に入球した遊技球Bの入球数を把握することができる。
なお、主制御基板1310では、入球数カウンタとアウト数カウンタとだけでなく、第二アウト数カウンタと第三アウト数カウンタとを用いて所定の演算を行っている。具体例としては、アウト数カウンタと第二アウト数カウンタと第三アウト数カウンタとを加算することで、遊技領域5aに打ち込まれた遊技球Bのうち、遊技盤5上に設けられた第一始動口2002や第二始動口2004などの入球口に入球することなく、外部に排出された遊技球Bの数を算出することができる。また、入球数カウンタとアウト数カウンタと第二アウト数カウンタと第三アウト数カウンタとを加算することで、遊技領域5aに打ち込まれた遊技球Bの総数を算出することができる。
本実施形態では、遊技領域5aの右側領域に遊技球Bが打ち込まれた状態において、単位時間あたり所定数以上(例えば、1分間に発射可能な100球のうち30球以上)が第二アウト口1013に入球することがないように設計されている。このため、時短状態や大当り遊技状態においては、第二アウト数カウンタを用いて、第二アウト口1013に入球した遊技球Bの入球数が単位時間あたり所定数以上であるか否かを監視し、単位時間あたり所定数以上となった場合には、正常な右打ち遊技を行いにくいと判断している。
また、図192(A)に示すように、第二アウト口1013に入球した遊技球Bの入球数が単位時間あたり所定数以上となった場合には、所定の表示装置への画像表示やスピーカからの音声出力によって、正常な右打ち遊技を行いにくいことを警告する警告演出を実行している。そして、この警告演出は、第二アウト口1013に入球した遊技球Bの入球数が単位時間あたり所定数未満となった場合に終了するようにしている。
例えば、第二アウト口1013に入球した遊技球Bの入球数が単位時間あたり所定数以上である場合には、遊技領域5aの右側領域における第二アウト口1013よりも下流側にある入球口(普通入賞口2003、第一始動口2002、第二始動口2004、大入賞口2005、役物入賞口2006)に遊技球Bが入球する機会が少なくなり、遊技者にとって不利な状況となる。この点、第二アウト口1013に入球した遊技球Bの入球数が単位時間あたり所定数以上である場合には、第二アウト口1013に遊技球Bが入球しやすいように遊技盤5が不正に改変されている可能性を疑うことができる。結果、正常な右打ち遊技を行いにくい状態であることを早期に発見することができ、パチンコ機1の信頼性を高めることができる。
上記では、時短状態や大当り遊技状態において、第二アウト口1013に入球した遊技球Bの入球数が単位時間あたり所定数以上であるか否かを監視しているが、単位時間あたりで第二アウト口1013に入球した遊技球Bの入球数と、第二アウト口1013よりも下流側にある入球口やアウト口(アウト口1008、第三アウト口1014)に入球した遊技球Bの入球数との比率を算出し、その比率が所定率以上であるか否かを監視するようにしてもよい。このような場合にも、単位時間あたりで第二アウト口1013に入球した遊技球Bの入球率が高すぎる場合には、正常な右打ち遊技を行いにくいと判断することができる。
同様に、遊技領域5aの右側領域に遊技球Bが打ち込まれた状態において、単位時間あたり所定数以上(例えば、1分間に発射可能な100球のうち30球以上)が第三アウト口1014に入球することがないように設計されている。このため、時短状態や大当り遊技状態においては、第三アウト数カウンタを用いて、第三アウト口1014に入球した遊技球Bの入球数が単位時間あたり所定数以上であるか否かを監視し、単位時間あたり所定数以上となった場合には、正常な右打ち遊技を行いにくいと判断している。
また、図192(B)に示すように、第三アウト口1014に入球した遊技球Bの入球数が単位時間あたり所定数以上となった場合には、所定の表示装置への画像表示やスピーカからの音声出力によって、正常な右打ち遊技を行いにくいことを警告する警告演出を実行している。そして、この警告演出は、第三アウト口1014に入球した遊技球Bの入球数が単位時間あたり所定数未満となった場合に終了するようにしている。
例えば、第三アウト口1014に入球した遊技球Bの入球数が単位時間あたり所定数以上である場合には、遊技領域5aの右側領域における第三アウト口1014よりも下流側にある入球口(普通入賞口2003、第一始動口2002、第二始動口2004、大入賞口2005)に遊技球Bが入球する機会が少なくなり、遊技者にとって不利な状況となる。この点、第三アウト口1014に入球した遊技球Bの入球数が単位時間あたり所定数以上である場合には、第三アウト口1014に遊技球Bが入球しやすいように遊技盤5が不正に改変されている可能性を疑うことができる。結果、正常な右打ち遊技を行いにくい状態であることを早期に発見することができ、パチンコ機1の信頼性を高めることができる。
上記では、時短状態や大当り遊技状態において、第三アウト口1014に入球した遊技球Bの入球数が単位時間あたり所定数以上であるか否かを監視しているが、単位時間あたりで第三アウト口1014に入球した遊技球Bの入球数と、第三アウト口1014よりも下流側にある入球口やアウト口1008に入球した遊技球Bの入球数との比率を算出し、その比率が所定率以上であるか否かを監視するようにしてもよい。このような場合にも、単位時間あたりで第三アウト口1014に入球した遊技球Bの入球率が高すぎる場合には、正常な右打ち遊技を行いにくいと判断することができる。
なお、本実施形態では、時短状態や大当り遊技状態において、第二アウト口1013や第三アウト口1014に入球した遊技球Bの入球数が単位時間あたり所定数以上となった場合に、第二アウト数カウンタや第三アウト数カウンタへの加算やそれらのアウト数カウンタに関する演算を継続するようにしているが、上記した実施形態のように、単位時間あたり所定数以上となった時点で、異常が発生したと判断し、第二アウト数カウンタや第三アウト数カウンタへの加算やそれらのアウト数カウンタに関する演算を中止するようにしてもよい。このような構成では、不正な行為で第二アウト口1013や第三アウト口1014に遊技球Bを入球させたとしても、第二アウト数カウンタや第三アウト数カウンタが増加することがなく、第二アウト口1013や第三アウト口1014に関する情報の信頼性を高めることができる。
また、本実施形態では、通常状態において、遊技領域5aの左側領域に遊技球Bが打ち込まれるべきであるが、遊技領域5aの右側領域に遊技球Bが打ち込まれると、その右側領域における第二アウト口1013や第三アウト口1014に遊技球Bが入球することがある。このため、通常状態において、第二アウト口センサ3035や第三アウト口センサ3036が遊技球Bを検出した場合には、所定の表示装置への画像表示やスピーカからの音声出力によって、右打ちから左打ちに変えるように指示する指示演出を実行している。
[19.導光板を用いた発光演出後の発光履歴について]
本実施形態では、主制御基板1310から周辺制御基板1510に送信される変動パターンに基づいて、演出表示装置1600にて装飾図柄の変動表示が行われるが、その変動表示中に、演出表示装置1600の表示領域の前面に設けられた導光板3102を複数回にわたって発光装飾させ、その複数回で導光板3102の発光色を段階的に変化させることで、当該変動表示に対する大当り期待度を示唆する発光演出を実行可能としている。また、導光板3102を発光装飾したときには、演出表示装置1600の表示領域の周囲(裏箱3100の開口部3010aの周囲)に設けられた複数の装飾体3210を、導光板3102と同じ発光色で発光させるが、導光板3102の発光装飾を消灯した後にも、導光板3102の発光色の履歴として、その導光板3102の直前の発光色で複数の装飾体3210を継続して発光させる履歴演出を実行可能としている。
具体的には、第一始動口2002又は第二始動口2004に遊技球Bが入球(始動条件が成立)したときに、主制御基板1310から変動パターンコマンドが送信される。そして、周辺制御基板1510では、ステップS601のコマンド解析処理において、変動パターンコマンドを受信すると、その変動パターンコマンドから特定される変動パターンに基づいて、導光板3102を用いた発光演出を実行するか否かを決定する。また、導光板3102を用いた発光演出を実行すると決定した場合には、変動パターンコマンドから特定される変動パターンに基づいて、発光色パターンテーブルを参照し、発光演出における導光板3102の発光色が複数回にわたって設定された複数種類の発光色パターンのうちいずれかを決定する。
また、導光板3102には、その上側に配置された第一絵柄用基板3103に実装されている複数のLEDの発光色を変化させることで、白色、緑色、青色、赤色のいずれかで第一絵柄3102a(図136参照)を発光装飾することが可能であるが、その導光板3102を用いた発光演出では、発光色パターンに設定された発光色で、導光板3102を3回、それぞれ所定のタイミングで発光装飾するようにしている。また、1回のタイミングで導光板3102を発光装飾している時間としては、僅かな時間(例えば、1秒未満)であり、導光板3102を発光装飾した後に次回に発光装飾するまでの消灯している時間のほうが長いものとなっている。また、1回のタイミングで導光板3102を発光装飾する回数としては、1回のみであるが、各々のタイミングで複数回、導光板3102を発光装飾するようにしてもよい。
また、導光板3102を用いた発光演出は、装飾図柄の変動表示中のうち、リーチが形成されるよりも前の通常変動中に実行しているが、リーチ形成後のリーチ演出中のタイミングで実行してもよく、例えば、導光板3102を発光装飾する3回のうち1〜3回を、リーチ形成後のリーチ演出中のタイミングで実行するようにしてもよい。
また、導光板3102には、その上側に配置された第一絵柄用基板3103に実装されている複数のLEDを発光させて、第一絵柄3102aを発光装飾させることが可能であるのに対し、その正面視左側に配置された第二絵柄用基板3104に実装されている複数のLEDを発光させて、第二絵柄3102bを発光装飾させることが可能であるが、導光板3102を用いた発光演出では、第一絵柄3102aを発光装飾している。これにより、発光演出における第一絵柄3102aの3回の発光装飾が、一連の演出であることを明確に把握させることができる。
次に、導光板3102の発光色パターンが設定された発光色パターンテーブルについて、図193を参照して説明する。なお、発光色パターンテーブルは、周辺制御基板1510のROMに記憶されている。図193は、導光板3102の発光色パターンが設定された発光色パターンテーブルである。
上記したように、発光色パターンテーブルには、複数種類の発光色パターンが設定されているが、その発光色パターンには、導光板3102を発光装飾する回数分だけ、導光板3102の発光色がどのように変化するのかが設定されている。具体的には、図193に示すように、発光色パターンテーブルには、導光板3102を所定の発光色で発光装飾した後に2回変化可能とするように発光パターンが設定されている。
また、発光色パターンに設定された導光板3102の発光色としては、白色、緑色、青色、赤色の4色のいずれかで発光装飾されるように設定されている。そして、発光色パターンテーブルから発光色パターンを決定する際には、導光板3102の発光色が最後まで変化した結果として、白色→緑色→青色→赤色の順序で大当り期待度が高くなるように設定されている。つまり、変動パターンから特定される抽選結果が大当りであるときには、導光板3102の最終的な発光色として大当り期待度の高い発光色(例えば、赤色)となる発光色パターンを高い確率で決定し、変動パターンから特定される抽選結果がハズレ(ハズレ、リーチハズレ)であるときには、導光板3102の最終的な発光色として大当り期待度の低い発光色(例えば、白色)となる発光色パターンを高い確率で決定することとしている。これにより、導光板3102の最終的な発光色が大当り期待度の高い発光色で発光装飾された場合には、大当りに対する遊技者の期待が高まるようになっている。
なお、発光色パターンには、導光板3102の発光色が白色→緑色→青色→赤色の順序とは逆の順序で変化しないものであり、導光板3102を発光装飾した後に次回に発光装飾する際には、その発光色が維持されるか、又は大当り期待度の高い発光色となるように設定されている。これにより、大当り期待度の低い発光色で導光板3102が発光装飾されたとしても、発光演出の3回のタイミングが終了しない限りは、大当り期待度の高い発光色に変化する可能性が残されており、発光演出が終了するまで導光板3102の発光色に期待をもって注目させることができる。
また、発光色パターンには、必ずしも導光板3102の発光色が白色で発光装飾された後に緑色→青色→赤色の順序で変化する必要がなく、白色以外の発光色から開始することや、1つ以上の発光色を飛ばして次の発光色に変化(例えば、白色→赤色に変化)するようにも設定されている。これにより、大当り期待度の低い発光色で導光板3102が発光装飾されたとしても、次の発光色がいずれの発光色に変化するか予測することができず、発光演出が終了するまで導光板3102の発光色に期待をもって注目させることができる。
次に、演出表示装置1600の表示領域の周囲に設けられた複数の装飾体3210について、図194を参照して説明する。上記したように、裏演出ユニット3200は、正面視において、裏箱3010の開口部3010aを囲む、すなわち演出表示領域1600の表示領域を囲むように、半球状の複数の装飾体3210を有している。具体的には、図194に示すように、演出表示領域1600の表示領域の左右両側において、それぞれ4つの装飾体3210が上下方向に並べられるように設けられている。また、これら装飾体3210の後方には、前方へ向けて光を照射可能な複数のLEDが実装されている装飾基板が設けられている。また、複数の装飾体3210では、導光板3102の発光装飾と同様に、白色、緑色、青色、赤色のいずれかで発光装飾することを可能としている。
そして、発光演出において導光板3102を発光装飾したときには、演出表示装置1600の表示領域の周囲に設けられた複数の装飾体3210が、導光板3102と同じ発光色で発光するようにしている。また、導光板3102を用いた発光演出では、導光板3102を3回、所定のタイミングで発光装飾しているが、各々のタイミングで導光板3102の発光装飾を消灯した後にも、複数の装飾体3210の発光を維持するようにしている。このように、導光板3102を用いた発光演出の実行時には、導光板3102の発光色の履歴として、その導光板3102の直前の発光色で複数の装飾体3210を継続して発光させる履歴演出を実行している。
具体的には、発光演出において導光板3102を発光装飾する1回目または2回目のタイミングでは、導光板3102と同じ発光色で複数の装飾体3210を発光し、導光板3102を発光装飾した後に次回に発光装飾するタイミングまで複数の装飾体3210の発光を維持するようにしている。また、発光演出において導光板3102を発光装飾する3回目のタイミングでは、導光板3102と同じ発光色で複数の装飾体3210を発光し、導光板3102を発光装飾した後に装飾図柄の変動表示を終了するまで複数の装飾体3210の発光を維持するようにしている。これにより、1回のタイミングで導光板3102を発光装飾している時間としては、僅かな時間(例えば、1秒未満)であるが、導光板3102と同じ発光色で複数の装飾体3210の発光を維持することで、導光板3102を発光装飾する際に発光色を見逃したとしても、導光板3102を発光装飾した後にその発光色を把握することができる。
また、複数の装飾体3210としては、発光演出で導光板3102を発光装飾することが可能な発光色の個数に対応した個数が設けられている。また、装飾体3210を発光する個数としては、導光板3102および装飾体3210の発光色によって異なるようにし、導光板3102および装飾体3210の発光色が大当り期待度の高い発光色であるほど、複数の装飾体3210の下側から順に、その装飾体3210を発光する個数が多くなるように設定されている。具体的には、発光演出で発光装飾される導光板3102の発光色が、大当り期待度のもっとも低い発光色である白色である場合に、演出表示領域1600の表示領域の左右両側におけるそれぞれ4つの装飾体3210のうち、下側の1つの装飾体3210aを白色で発光するように設定されている。また、導光板3102の発光色が緑色である場合には、下側の2つの装飾体3210a,3210bを緑色で発光するように設定されている。また、導光板3102の発光色が青色である場合には、下側の3つの装飾体3210a〜3210cを青色で発光するように設定されている。また、導光板3102の発光色が、大当り期待度のもっとも高い発光色である赤色である場合には、4つの装飾体3210a〜3210dの全てを赤色で発光するように設定されている。これにより、導光板3102および装飾体3210の発光色から大当り期待度を把握できない場合であっても、その大当り期待度を、装飾体3210を発光している個数から簡単に把握することができる。
また、複数の装飾体3210は、導光板3102の後方に位置し、前方に向けて発光することを可能としている。そして、発光演出において導光板3102を発光装飾したときには、導光板3102と同じ発光色で複数の装飾体3210を発光しているが、複数の装飾体3210が導光板3102の後方に位置することから、導光板3102に第一絵柄3102aを発光装飾するための複数のLEDだけでなく、発光している複数の装飾体3210によっても導光板3102に対して光が照射されることとなる。これにより、導光板3102に発光装飾される第一絵柄3102aがより強調されたものとなり、導光板3102を用いた演出をより目立たせることができる。
また、導光板3102を用いた発光演出は、装飾図柄の変動表示中のうち、リーチが形成されるよりも前の通常変動中に実行しているが、導光板3102の発光装飾中には、演出表示装置1600を用いた他の予告演出を新たに開始しないようにしている。つまり、導光板3102を発光装飾していないタイミングで、演出表示装置1600を用いた他の予告演出を開始するようにしている。これにより、導光板3102が演出表示装置1600の表示領域の前方に位置しているが、導光板3102の発光装飾によって他の予告演出に対する視認が妨げられることがなく、その他の予告演出を開始したとしても見逃すことがない。つまり、導光板3102を発光装飾する発光演出と、他の予告演出とをそれぞれしっかりと遊技者に把握させることができる。
次に、発光演出の実行時における導光板3102および複数の装飾体3210での具体的な演出例について、図195を参照して説明する。図195は、発光演出の実行時における導光板3102および複数の装飾体3210での具体的な演出例である。
図195には、発光演出で導光板3102を発光装飾する発光色が白色→緑色→赤色に変化する発光色パターンが決定されている場合について説明する。まず、図195(A)に示すように、演出表示装置1600の表示領域には、装飾図柄の変動表示が開始される。その後、図195(B)に示すように、発光演出で導光板3102を発光装飾する1回目のタイミングになると、導光板3102に白色で第二絵柄3102bを発光装飾するとともに、演出表示領域1600の表示領域の左右両側におけるそれぞれ4つの装飾体3210のうち、下側の1つの装飾体3210aを発光しているが、その発光色は、導光板3102と同じ発光色である白色で発光している。そして、図195(C)に示すように、導光板3102の発光装飾は、僅かな時間(例えば、1秒未満)で消灯しているが、既に白色で発光している装飾体3210aについては、2回目のタイミングになるまでの間、その白色での発光を維持している。
また、図195(D)に示すように、発光演出で導光板3102を発光装飾する2回目のタイミングになると、導光板3102に緑色で第二絵柄3102bを発光装飾するとともに、演出表示領域1600の表示領域の左右両側におけるそれぞれ4つの装飾体3210のうち、下側の2つの装飾体3210a,3210bを発光するように増加しているが、その発光色は、導光板3102と同じ発光色である緑色で発光している。そして、図195(E)に示すように、導光板3102の発光装飾は、僅かな時間(例えば、1秒未満)で消灯しているが、既に緑色で発光している装飾体3210,3210bについては、3回目のタイミングになるまでの間、その緑色での発光を維持している。
また、図195(F)に示すように、発光演出で導光板3102を発光装飾する3回目のタイミングになると、導光板3102に赤色で第二絵柄3102bを発光装飾するとともに、演出表示領域1600の表示領域の左右両側におけるそれぞれ4つの装飾体3210のうち、4つの装飾体3210a〜3210dの全てを発光するように増加しているが、その発光色は、導光板3102と同じ発光色である赤色で発光している。そして、図195(G)に示すように、導光板3102の発光装飾は、僅かな時間(例えば、1秒未満)で消灯しているが、既に赤色で発光している装飾体3210〜3210dについては、図195(H)に示すように、装飾図柄の変動表示を終了するまでの間、その赤色での発光を維持している。
なお、本実施形態では、発光演出において導光板3102を発光装飾した時点で、導光板3102と同じ発光色で複数の装飾体3210を発光しているが、その時点では発光することなく、導光板3102の発光装飾を消灯する時点から、導光板3102の直前の発光色で複数の発光体を発光するようにしてもよい。このような場合であっても、導光板3102の発光装飾を消灯した後にその発光色を把握することができる。
また、本実施形態では、装飾体3210を発光する個数として、導光板3102および装飾体3210の発光色によって異なるようにし、装飾体3210を発光する個数が多くなるほど、大当り期待度の高い発光色であることを示しているが、導光板3102を発光装飾する3回のタイミングのうち、既に導光板3102が発光装飾されている回数を示すようにしてもよい。例えば、発光演出において導光板3102を発光装飾する1回目のタイミングでは、演出表示領域1600の表示領域の左右両側におけるそれぞれ4つの装飾体3210のうち、下側の1つの装飾体3210aを発光するようにし、2回目のタイミングでは、下側の2つの装飾体3210a,3210bを発光するように3回目のタイミングでは、下側の3つの装飾体3210a〜3210cを発光するようにすればよい。
また、本実施形態では、発光演出で導光板3102を3回、所定のタイミングで発光装飾しているが、1回目のタイミングで導光板3102を発光装飾するが2,3回目のタイミングで導光板3102を発光装飾しないパターンや、1,2回目のタイミングで導光板3102を発光装飾するが3回目のタイミングで導光板3102を発光装飾しないパターンを設けるようにしてもよい。このような場合には、発光演出で導光板3102の発光装飾が何回続くか分からず、導光板3102の発光色が変化するチャンスが何回得られるかにも注目させることができる。
また、本実施形態では、装飾図柄の変動表示中に、当該装飾図柄の変動表示に対する大当り期待度を示す演出として、導光板3102を用いた発光演出を実行しているが、第一始動口2002又は第二始動口2004に遊技球Bが入球(始動条件が成立)した時点から、当該入球による装飾図柄の変動表示が行われるまでの複数変動にまたがって、導光板3102を用いた発光演出を実行するようにしてもよい。例えば、第一始動口2002又は第二始動口2004に遊技球Bが入球(始動条件が成立)したときには、主制御基板1310から事前判定コマンドを送信し、周辺制御基板1510では、事前判定コマンドを受信すると、その事前判定コマンドから特定される変動パターンに基づいて、導光板3102を用いた発光演出を実行するか否かや、発光演出を実行すると決定した場合に導光板3102の発光色を決定するように構成すればよい。また、そのような導光板3102を用いた発光演出では、導光板3102を複数回、それぞれ複数変動のうち所定のタイミングで発光装飾するようにし、導光板3102の発光装飾を消灯した後にも導光板3102の直前の発光色で複数の発光体の発光を継続するように構成すればよい。このような場合には、複数変動にまたがって発光演出が終了するまでの間、導光板3102の発光色がどのように変化するかに期待をもって注目させることができる。
また、本実施形態では、導光板3102を用いた発光演出において、その上側に配置された第一絵柄用基板3103に実装されている複数のLEDを発光させて、第一絵柄3102aを発光装飾しているが、故障などが発生して複数のLEDが発光しなくなった場合には、導光板3102を発光装飾するタイミングで発光装飾することがなく、その発光色が示す大当り期待度を把握することができない。この点、導光板3102を発光装飾するタイミング以降では、導光板3102と同じ発光色で複数の装飾体3210を発光することから、導光板3210を発光装飾しえない状態になっても、複数の装飾体3210の発光色によって大当り期待度を把握することができる。
また、本実施形態では、異常(エラー)が発生した場合に、他の演出よりも優先して、その異常が発生したことを通知する警告演出を実行している。例えば、遊技領域5aの近傍で遊技球Bを吸着するレベルの磁気を検出した場合や、遊技領域5aに対する所定の振動(衝撃)を検出した場合などに、正常な遊技が行われていないと判断して、警告演出を実行している。この点、発光演出を実行して導光板3102を発光装飾するタイミングで異常(エラー)が発生した場合には、警告演出を優先して、導光板3102の発光装飾や複数の装飾体3210の発光を行わないようにしているが、導光板3102を発光装飾するタイミング後(装飾図柄の変動表示の終了前)にその異常を解消した時点で、複数の装飾体3210の発光を開始するようにしている。このように、発光演出よりも警告演出を優先して実行した場合であっても、異常解消後における複数の装飾体3210の発光色によって大当り期待度を把握することができる。
また、本実施形態では、発光演出および履歴演出における導光板3102の発光色や複数の装飾体3210の発光色によって大当り期待度を示唆しているが、上述した設定示唆演出として発光演出および履歴演出を実行し、導光板3102の発光色や複数の装飾体3210の発光色によって設定値を示唆するように構成してもよい。このような構成では、例えば、発光色パターンテーブルから発光色パターンを決定する際に、導光板3102の発光色が最後まで変化した結果として、白色→緑色→青色→赤色の順序で設定値が高いことを示唆するように設定すればよい。つまり、設定示唆演出のうち高設定示唆演出としては、導光板3102の最終的な発光色が赤色となる発光パターンを実行し、低設定示唆演出としては、導光板3102の最終的な発光色が白色となる発光パターンを実行すればよい。これにより、導光板3102の発光色や複数の装飾体3210の発光色として設定値が高いことを示唆する発光色で発光装飾された場合には、高設定値(設定値6)に対する遊技者の期待を高めることができる。
[20.導光板の発光装飾に類似した画像演出について]
本実施形態では、演出表示装置1600の表示領域の前方に導光板3102が設けられているが、導光板3102に所定の絵柄を発光装飾するだけでなく、演出表示装置1600の表示領域において、導光板3102に発光装飾される絵柄に類似した視認態様である絵柄を表示することで、あたかも導光板が複数枚あるかのように視認させる模倣演出を実行可能としている。この模倣演出では、導光板3102に発光装飾される絵柄と、演出表示装置1600の表示領域に表示される絵柄と、を交互に表示するようにし、最終的にいずれかの絵柄を表示することによって、その後に実行されるリーチ演出が異なるようにしている。
具体的には、第一始動口2002又は第二始動口2004に遊技球Bが入球(始動条件が成立)したときに、主制御基板1310から変動パターンコマンドが送信される。そして、周辺制御基板1510では、ステップS601のコマンド解析処理において、変動パターンコマンドを受信すると、その変動パターンコマンドから変動パターンが特定されるが、第1のリーチ演出を実行する変動パターンが特定された場合には、導光板3102に発光装飾される絵柄と、演出表示装置1600の表示領域に表示される絵柄と、を交互に表示するようにし、最終的に導光板3102に絵柄を発光装飾する模倣演出を実行することで、その後に第1のリーチ演出に進行するようにしている。一方、第2のリーチ演出を実行する変動パターンが特定された場合には、導光板3102に発光装飾される絵柄と、演出表示装置1600の表示領域に表示される絵柄と、を交互に表示するようにし、最終的に演出表示装置1600の表示領域に絵柄を表示する模倣演出を実行することで、その後に第2のリーチ演出に進行するようにしている。
なお、上記した模倣演出は、装飾図柄の変動表示中のうち、リーチが形成されるよりも前の通常変動中に実行している。また、リーチ演出のうち第1のリーチ演出は、第2のリーチ演出よりも大当り期待度が高くなるように設定されている。これにより、通常変動中における模倣演出では、最終的に導光板3102に絵柄を発光装飾した場合に、大当り期待度の高い第1のリーチ演出に進行することから、最終的に導光板3102に絵柄を発光装飾するか否かに注目させることができる。
次に、模倣演出の実行時における導光板3102および演出表示装置1600に表示される絵柄について、図196を参照して説明する。図196は、模倣演出の実行時における導光板3102および演出表示装置1600に表示される絵柄である。
図196(A)に示すように、模倣演出の実行中の導光板3102には、第二絵柄3102bとして、中央部に「CHANCE!」の文字とともに、その周辺にエフェクト絵柄を発光装飾している。なお、導光板3102には、その上側に配置された第一絵柄用基板3103に実装されている複数のLEDを発光させて、第一絵柄3102aを発光装飾させることが可能であるのに対し、その正面視左側に配置された第二絵柄用基板3104に実装されている複数のLEDを発光させて、第二絵柄3102bを発光装飾させることが可能であるが、導光板3102を用いた模倣演出では、第二絵柄3102bの発光装飾のみを用いている。
また、図196(B)に示すように、模倣演出の実行中の演出表示装置1600の表示領域には、模倣絵柄1600aとして、中央部に「LUCKY!」の文字とともに、その周辺にエフェクト絵柄を表示している。なお、演出表示装置1600の表示領域には、動画を表示することが可能であるが、模倣演出の実行中には、上記した模倣絵柄1600aのように静止画を表示することとしている。
また、導光板3102には、第二絵柄3102bとして「CHANCE!」の文字を発光装飾するのに対し、演出表示装置1600の表示領域には、模倣絵柄1600aとして「LUCKY!」の文字を表示しているが、模倣絵柄1600aの文字については、第二絵柄3102bの文字と比べて、線の太さやフォントの種類、大きさが同じとなっている。このように、模倣演出では、それぞれ文字の形態が同じであることから、導光板3102と演出表示装置1600とのいずれを用いているかを把握し難くすることができる。
また、導光板3102には、第二絵柄3102bとしてエフェクト絵柄を発光装飾するのに対し、演出表示装置1600の表示領域には、模倣絵柄1600aとしてエフェクト絵柄を表示しているが、模倣絵柄1600aの一部であるエフェクト絵柄については、第二絵柄3102bの一部であるエフェクト絵柄と同じ絵柄としている。このように、模倣演出では、それぞれ絵柄の一部として共通化したエフェクト絵柄を表示することから、導光板3102と演出表示装置1600とのいずれを用いているかを把握し難くすることができる。
また、導光板3102には、複数のLEDによって第二絵柄3102bを単色で発光装飾するのに対し、演出表示装置1600の表示領域には、同じく模倣絵柄1600aを単色で表示している。また、導光板3102では、第二絵柄3102bを発光装飾する際、複数のLEDからの距離によって第二絵柄3102bの発光装飾に濃淡が生じているが、演出表示装置1600の表示領域についても、模倣絵柄1600aに濃淡が生じるように表示している。また、導光板3102に第二絵柄3102bを発光装飾する場合には、演出表示装置1600の表示領域において、何ら情報を表示することのない黒色の画像を表示しているが、演出表示装置1600の表示領域に模倣絵柄1600aを表示する場合には、その背景画像として黒色の画像を表示している。このように、模倣演出では、全体として絵柄の視認態様が同じであることから、導光板3102と演出表示装置1600とのいずれを用いているかを把握し難くすることができる。
また、導光板3102は、演出表示装置1600の表示領域の前方に位置し、その導光板3102の大きさは、演出表示装置1600の表示領域よりも大きくなるように構成されているが、導光板3102に第二絵柄3102bを発光装飾する領域については、演出表示装置1600の表示領域に模倣絵柄1600aを表示する領域と略同じとしている。このように、模倣演出では、それぞれ絵柄が表示される領域が略同じであることから、導光板3102と演出表示装置1600とのいずれを用いているかを把握し難くすることができる。
また、模倣演出では、導光板3102に発光装飾される第二絵柄3102bと、演出表示装置1600の表示領域に表示される模倣絵柄1600aと、を交互に表示しているが、1回あたりの表示時間については、いずれも同じ時間としている。また、模倣演出の実行中には、第二絵柄3102bと模倣絵柄1600aとのそれぞれの絵柄を表示するタイミングで、スピーカから所定の音声を出力したり、導光板3102や演出表示装置1600の周囲に設けられた部材を所定の動作態様で動作(例えば、本体枠4や遊技盤5に設けられたランプの点灯や可動部材の動作など)したりする複合的な演出を実行しているが、いずれの絵柄を表示するタイミングであっても、その複合的な演出として共通の演出を実行している。ただし、第二絵柄3102bと模倣絵柄1600aとのそれぞれの絵柄を表示するタイミングでは、いずれも本体枠4や遊技盤5に設けられたランプを点灯するものの、その発光色については異なる色で点灯してもよい。このように、模倣演出では、導光板3102に第二絵柄3102bを発光装飾する場合と、演出表示装置1600の表示領域に模倣絵柄1600aを表示する場合と、で演出差が生じないことから、導光板3102と演出表示装置1600とのいずれを用いているかを把握し難くすることができる。
次に、模倣演出の実行時における導光板3102および演出表示装置1600での具体的な演出例について、図197を参照して説明する。図197は、模倣演出の実行時における導光板3102および演出表示装置1600での具体的な演出例である。
図197には、第1のリーチ演出としてチャンスリーチ演出または第2のリーチ演出としてラッキーリーチ演出のいずれかを実行する変動パターンを決定し、それらのリーチ演出を実行するよりも前に模倣演出を実行する場合について説明する。まず、図197(A)に示すように、演出表示装置1600の表示領域では、装飾図柄の変動表示が開始される。その後、図197(B)に示すように、模倣演出を開始すると、導光板3102には、第二絵柄3102bとして、中央部に「CHANCE!」の文字とともに、その周辺にエフェクト絵柄を所定時間(例えば、1秒未満)、赤色で発光装飾している。そして、図197(C)に示すように、導光板3102の発光装飾を消灯したとき、演出表示装置1600の表示領域には、模倣絵柄1600aとして、中央部に「LUCKY!」の文字とともに、その周辺にエフェクト絵柄を所定時間(例えば、1秒未満)、青色で表示している。なお、演出表示装置1600の表示領域に模倣絵柄1600aを表示する表示時間については、導光板3102に第二絵柄3102bを発光装飾する表示時間と同じ時間としている。
上記したように、導光板3102に第二絵柄3102bを赤色で発光装飾するのに対し、演出表示装置1600の表示領域に模倣絵柄1600aを青色で表示している。このように、模倣演出では、導光板3102に第二絵柄3102bを発光装飾する場合と、演出表示装置1600の表示領域に模倣絵柄1600aを表示する場合とで、導光板3102と演出表示装置1600とのいずれを用いているかを把握し難くしているものの、その表示色から、第二絵柄3102bと模倣絵柄1600aとのいずれを表示しているかを把握しうるようにしている。
また、模倣演出では、導光板3102に発光装飾される第二絵柄3102bと、演出表示装置1600の表示領域に表示される模倣絵柄1600aと、を交互に複数回(例えば、5回)繰り返すように表示しているが、複数回繰り返した後には、図197(D)に示すように、演出表示装置1600の表示領域をブラックアウトし、何ら情報を表示することのない黒色の画像を表示している。これにより、模倣演出の結果として、導光板3102に発光装飾される第二絵柄3102bと、演出表示装置1600の表示領域に表示される模倣絵柄1600aと、のいずれが停止するかに注目させることができる。
そして、図197(E)に示すように、演出表示装置1600の表示領域をブラックアウトした後、導光板3102に第二絵柄3102bを赤色で発光装飾した場合には、装飾図柄の変動表示でリーチを形成した後、第二絵柄3102bに対応するリーチ演出として、チャンスリーチ演出(第1のリーチ演出)に進行することとなる。一方、図197(F)に示すように、演出表示装置1600の表示領域をブラックアウトした後、演出表示装置1600の表示領域に模倣絵柄1600aを青色で表示した場合には、装飾図柄の変動表示でリーチを形成した後、模倣絵柄1600aに対応するリーチ演出として、ラッキーリーチ演出(第2のリーチ演出)に進行することとなる。また、図197(F)で演出表示装置1600の表示領域に模倣絵柄1600aを表示する表示時間についても、図197(E)で導光板3102に第二絵柄3102bを発光装飾する表示時間と同じ時間(例えば3秒)としている。
なお、本実施形態では、導光板3102に発光装飾される第二絵柄3102bと、演出表示装置1600の表示領域に表示される模倣絵柄1600aとで、文字およびエフェクト絵柄を表示しているが、特定の要素で一致するように視認態様が類似した絵柄を表示すればよく、例えば、画風を似せたキャラクタの絵柄などを表示するようにしてもよい。
また、本実施形態では、演出表示装置1600の表示領域をブラックアウトした後、導光板3102に発光装飾される第二絵柄3102bと、演出表示装置1600の表示領域に表示される模倣絵柄1600aと、のいずれかが停止するようにしているが、演出表示装置1600の表示領域をブラックアウトした後に第二絵柄3102bと模倣絵柄1600aとのいずれも表示することなく、第1のリーチ演出と第2のリーチ演出とのいずれにも進行しないパターンを設定してもよい。このような場合には、模倣演出の結果として、演出表示装置1600の表示領域をブラックアウトした後にどのような結果が通知されるかにより一層注目させることができる。
また、本実施形態では、模倣演出の開始時において、導光板3102に発光装飾される第二絵柄3102bと、演出表示装置1600の表示領域に表示される模倣絵柄1600aと、のうち、第二絵柄3102bの発光装飾から開始しているが、模倣絵柄1600aの表示から開始するパターンを設定してもよい。また、模倣演出では、導光板3102に第二絵柄3102bを赤色で発光装飾するのに対し、演出表示装置1600の表示領域に模倣絵柄1600aを青色で表示しているが、いずれか一部または全部の発色時については、それとは異なる色で実行するパターンを設定してもよい。このように、通常とは異なる表示や色で模倣演出を実行した場合には、当該装飾図柄の変動表示に対する大当り期待度が高くなるように設定することで、導光板3102に発光装飾される第二絵柄3102bと、演出表示装置1600の表示領域に表示される模倣絵柄1600aと、のいずれが停止するかだけでなく、その演出内容にも注目させることができる。
また、本実施形態では、模倣演出の実行時において、導光板3102に発光装飾される第二絵柄3102bと、演出表示装置1600の表示領域に表示される模倣絵柄1600aと、を交互に表示しているが、模倣演出以外でも、導光板3102を用いた演出を実行している。例えば、導光板3102を用いた模倣演出以外の演出として、演出表示装置1600の表示領域に模倣絵柄1600aを表示することなく、突発的に導光板3102に第二絵柄3102bを発光装飾する演出を実行することができる。
また、本実施形態では、模倣演出では、導光板3102に第二絵柄3102bを赤色で発光装飾するのに対し、演出表示装置1600の表示領域に模倣絵柄1600aを青色で表示しているが、そのようなパターン以外にも、発色を反転するように、導光板3102に第二絵柄3102bを青色で発光装飾するのに対し、演出表示装置1600の表示領域に模倣絵柄1600aを赤色で表示するパターンを設定している。これらのパターンでは、赤色のほうが青色よりも大当り期待度が高いことを示す発色とし、例えば、導光板3102に第二絵柄3102bを赤色で発光装飾した場合には、青色で発光装飾するよりも大当り期待度が高いことを通知し、同様に、演出表示装置1600の表示領域に模倣絵柄1600aを赤色で表示した場合には、青色で表示するよりも大当り期待度が高いことを通知している。このように、模倣演出では、第二絵柄3102bと模倣絵柄1600aとのいずれの絵柄に対しても青色および赤色で表示することが可能であることから、導光板3102と演出表示装置1600とのいずれを用いているかを把握し難くすることができる。
また、本実施形態では、模倣演出として、導光板3102に発光装飾される第二絵柄3102bと、演出表示装置1600の表示領域に表示される模倣絵柄1600aと、を交互に表示するようにし、最終的にいずれかの絵柄を表示することによって、その後に実行されるリーチ演出を示唆しているが、上述した設定示唆演出として模倣演出を実行し、最終的にいずれかの絵柄を表示することによって、設定値を示唆するように構成してもよい。このような構成では、例えば、設定示唆演出のうち高設定示唆演出として、最終的に導光板3102に第二絵柄3102bを赤色で発光装飾する模倣演出を実行し、低設定示唆演出としては、最終的に演出表示装置1600の表示領域に模倣絵柄1600aを青色で表示する模倣演出を実行すればよい。これにより、模倣演出の実行時に、最終的に導光板3102に第二絵柄3102bを赤色で発光装飾した場合には、高設定値(設定値6)に対する遊技者の期待を高めることができる。
また、本実施形態では、導光板3102において、その上側に配置された第一絵柄用基板3103に実装されている複数のLEDを発光させて、第一絵柄3102aを発光装飾させることが可能であるのに対し、その正面視左側に配置された第二絵柄用基板3104に実装されている複数のLEDを発光させて、第二絵柄3102bを発光装飾させることが可能であるが、それら複数のLEDの輝度については、遊技者が押圧操作部303を操作することで設定を変更できるようになっている。つまり、複数のLEDの輝度が弱くなるように設定した場合には、導光板3102に発光装飾される第二絵柄3102bが暗い表示態様となるのに対し、複数のLEDの輝度が強くなるように設定した場合には、導光板3102に発光装飾される第二絵柄3102bが明るい表示態様となる。そして、模倣演出では、導光板3102に発光装飾される第二絵柄3102bが暗い表示態様であるときに、演出表示装置1600の表示領域に表示される模倣絵柄1600aを暗い表示態様で表示するのに対し、導光板3102に発光装飾される第二絵柄3102bが明るい表示態様であるときに、演出表示装置1600の表示領域に表示される模倣絵柄1600aを明るい表示態様で表示している。このように、模倣演出では、第二絵柄3102bと模倣絵柄1600aとのいずれの絵柄に対しても明るさが対応するように演出を実行することから、導光板3102と演出表示装置1600とのいずれを用いているかを把握し難くすることができる。なお、輝度調整の際、遊技者が押圧操作部303を操作したときには、導光板3102に対する複数のLEDの輝度と、演出表示装置1600のバックライトの輝度との両方の設定を変更するようにしてもよい。
[21.主制御基板の送受信に関する各種コマンド]
次に、主制御基板1310から周辺制御基板1510へ送信される各種コマンドのうち一部のコマンドについて、図198〜図200を参照して説明する。図198は主制御基板から周辺制御基板へ送信される各種コマンドの一例を示すテーブルであり、図199及び図200は図198の主制御基板から周辺制御基板へ送信される各種コマンドのつづきを示すテーブルである。
[21−1.主制御基板から周辺制御基板へ送信される各種コマンド]
主制御基板1310の主制御MPU1310aは、遊技の進行に基づいて周辺制御基板1510に各種コマンドを送信する。これらの各種コマンドは、2バイト(16ビット)の記憶容量を有するコマンドであり、図198〜図200に示すように、1バイト(8ビット)の記憶容量を有するコマンドの種類を示すステータスと、1バイト(8ビット)の記憶容量を有する演出のバリエーションを示すモードと、から構成されている。
また、各種コマンドは、図198〜図200に示すように、特図1同調演出関連、特図2同調演出関連、大当り関連、電源投入、普図同調演出関連、普通電役演出関連、報知表示、状態表示、及びその他に区分されている。
[21−1−1.特図1同調演出関連]
特図1同調演出関連は、第一始動口センサ3002からの検出信号に基づくものであり、その区分には、図198に示すように、機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器に関する、特図1同調演出開始、特別図柄1指定、特図1同調演出終了、及び変動時状態指定という名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「A*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
特図1同調演出開始コマンド(変動パターンコマンド)は、モードで指定された演出パターン(変動パターン)で特図同調演出開始を指示するものであり、特別図柄1指定コマンドは、はずれ、特定大当り、非特定大当りを指定するものであり、特図1同調演出終了コマンドは、特図1同調演出終了を指示するものであり、変動時状態指定コマンドは、遊技状態を指示するものである。なお、遊技状態には、時短状態であることを指示する時短状態と、確変状態であることを指示する確変状態と、時短状態及び確変状態のいずれでもないことを指示する通常状態と、から構成されている。
また、本例のパチンコ機1では特図1同調演出開始コマンド(変動パターンコマンド)及び特図1同調演出終了コマンドがパチンコ機1の設定値毎に設けられている。そして、主制御基板1310の主制御MPU1310aは特図1同調演出開始コマンド(変動パターンコマンド)及び特図1同調演出終了コマンドを送信する場合に、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納される設定値に応じたコマンドを選択して送信する。このように本例のパチンコ機1では、従来から用いられている特図1同調演出開始コマンド(変動パターンコマンド)及び特図1同調演出終了コマンドのモードを異ならせることによって、周辺制御基板1510にパチンコ機1の設定値情報を送信することができるようになっており、周辺制御基板1510に設定値情報が定期的に送信されて、周辺制御基板1510側でパチンコ機1の設定値を把握できるようになっている。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、特図1同調演出開始コマンドは、特別図柄1変動開始時に送信され、特別図柄1指定コマンドは、特図1同調演出開始の直後に送信され、特図1同調演出終了コマンドは、特別図柄1変動時間経過時(特別図柄1確定時)に送信され、変動時状態指定コマンドは、特図当落情報指定の直後に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には後述する主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
[21−1−2.特図2同調演出関連]
特図2同調演出関連は、第二始動口センサ2402からの検出信号に基づくものであり、その区分には、図198に示すように、機能表示ユニット1400の第二特別図柄表示器に関する、特図2同調演出開始、特別図柄2指定、及び特図2同調演出終了という名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「B*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
特図2同調演出開始コマンド(変動パターンコマンド)は、モードで指定された演出パターン(変動パターン)で特図同調演出開始を指示するものであり、特別図柄2指定コマンドは、はずれ、特定大当り、非特定大当りを指定するものであり、特図2同調演出終了コマンドは、特図2同調演出終了を指示するものである。
また、上記特図1同調演出開始コマンド(変動パターンコマンド)及び特図1同調演出終了コマンドと同様に特図2同調演出開始コマンド(変動パターンコマンド)及び特図2同調演出終了コマンドはパチンコ機1の設定値毎に設けられ、主制御基板1310の主制御MPU1310aが特図2同調演出開始コマンド(変動パターンコマンド)及び特図2同調演出終了コマンドを送信する場合に、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納される設定値に応じたコマンドを選択して送信する。なお、特図2同調演出(第二始動口2004への入球に基づく第二特別図柄の変動演出)は主に確変状態及び時短状態で実行されるものである。このように本例のパチンコ機1では従来から用いられている特図2同調演出開始コマンド(変動パターンコマンド)及び特図2同調演出終了コマンドのモードを異ならせることにより、周辺制御基板1510にパチンコ機1の設定値情報を送信することができるようになっており、確変状態及び時短状態においても周辺制御基板1510に設定値情報が定期的に送信されて、周辺制御基板1510側でパチンコ機1の設定値を把握できるようになっている。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、特図2同調演出開始コマンドは、特別図柄2変動開始時に送信され、特別図柄2指定コマンドは、特図2同調演出開始の直後に送信され、特図2同調演出終了コマンドは、特別図柄2変動時間経過時(特別図柄2確定時)に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
[21−1−3.大当り関連]
大当り関連という区分には、図198に示すように、大当りオープニング、大入賞口1開放N回目表示、大入賞口1閉鎖表示、大入賞口1カウント表示、大当りエンディング、大当り図柄表示、小当りオープニング、小当り開放表示、小当りカウント表示、及び小当りエンディングという名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「C*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
大当りオープニングコマンドは、大当りオープニング開始を指示するものであり、大入賞口1開放N回目表示コマンドは、1〜15ラウンド目の大入賞口1開放中開始(第一大入賞口2005のN回目のラウンドの開放中又は開放開始)を指示するものであり、大入賞口1閉鎖表示コマンドは、ラウンド間の大入賞口1閉鎖中開始(第一大入賞口2005のラウンド間の閉鎖中又は閉鎖開始)を指示するものであり、大入賞口1カウント表示コマンドは、カウント0〜10個の遊技球の球数をカウントした旨(大入賞口センサ2403によって検出された、第一大入賞口2005に入球した遊技球の球数)を伝えるものであり、大当りエンディングコマンドは、大当りエンディング開始を指示するものであり、大当り図柄表示コマンドは、大当り図柄情報表示を指示するものである。
また、小当りオープニングコマンドは、小当りオープニング開始を指示するものであり、小当り開放表示コマンドは、小当り開放開始(小当り時における、役物入賞口2006の開放中又は開放開始)を指示するものであり、小当りカウント表示コマンドは、小当り中大入賞口入賞演出(小当り中における、役物入賞口2006に入球した遊技球が役物入賞口センサ2513によって検出された場合における演出)を指示するものであり、V通過コマンドは、V入賞口入賞演出(小当り中における役物入賞口2006に入賞した遊技球が第一V入賞口2007や第二V入賞口2008によって検出された場合における演出)を指示するものであり、小当りエンディングコマンドは、小当りエンディング開始を指示するものである。なお、第一V入賞口2007と第二V入賞口2008とのそれぞれに対応するV通過コマンド(第一V入賞口2007によって遊技球が検出された場合の第一V入賞口コマンド、第二V入賞口2008によって遊技球が検出された場合の第二V入賞口コマンド)を設けるようにしてもよい。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、大当りオープニングコマンドは、大当りオープニング開始時に送信され、大入賞口1開放N回目表示コマンドは、1〜15ラウンド目の大入賞口1開放時(第一大入賞口2005のN回目のラウンドの開放時)に送信され、大入賞口1閉鎖表示コマンドは、大入賞口1閉鎖時(第一大入賞口2005の閉鎖開始)に送信され、大入賞口1カウント表示コマンドは、大入賞口1開放時及び大入賞口1へのカウント変化時(第一大入賞口2005の開放時、及び第一大入賞口2005に入球した遊技球が大入賞口センサ2403によって検出された時)に送信され、大当りエンディングコマンドは、大当りエンディング開始時に送信され、大当り図柄表示コマンドは、大入賞口開放時(第一大入賞口2005の開放時)に送信される。
また、小当りオープニングコマンドは、小当りオープニング開始時に送信され、小当り開放表示コマンドは、小当り開放時(小当り時における、役物入賞口2006の開放時)に送信され、小当りカウント表示コマンドは、小当り中大入賞口入賞時(小当り中における、役物入賞口2006に入球した遊技球が役物入賞口センサ2513によって検出された時)に送信され、小当りエンディングコマンドは、小当りエンディング開始時に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
[21−1−4.電源投入]
電源投入という区分には、図199に示すように、電源投入時状態、電源投入時主制御復帰先、設定キーのON操作コマンド、設定キーのOFF操作コマンド、設定変更コマンド、エラー表示コマンドという名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「D*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
電源投入時状態コマンドは、RAMクリア演出開始及び遊技状態を指示するものである。電源投入時状態コマンドは、電源投入時(電源投入する場合のほかに、停電や瞬停が発生して電力が回復する復電時も含む。)に、払出制御基板633のRAMクリアスイッチが操作されて(RWMクリアボタン633zがRAMクリアスイッチとして作動する状態であって、RWMクリアボタンの押圧操作部が操作されて)RAMクリアを行う場合にその旨を指示する情報と、電源投入時(電源投入する場合のほかに、停電や瞬停が発生して電力が回復する復電時も含む。)に、上述した、通常状態と時短状態と確変状態とのうち、いずれの状態で復帰するかを指示する情報と、パチンコ機の機種コードを示す情報と、から構成されている。
また、パチンコ機の機種コードは、例えば、いわゆる、マックスタイプ、ミドルタイプ、甘デジタイプをそれぞれ作成するときに、どの作品の版権に対するものであるのか、どのような遊技仕様(例えば、確率変動が生ずると、次回大当り遊技状態が発生するまでその状態が継続されるという遊技仕様のほかに、特別図柄の変動回数が限定(例えば、30回や70回)された状態で確率変動が生ずるという遊技仕様(いわゆる、ST機)など)であるのか、さらにパチンコ機の設定値が複数あるものであるか設定値が1つだけのものであるか等を特定するものである。つまり、パチンコ機の機種コードの情報は、機種タイプを示すマックスタイプ、ミドルタイプ、及び甘デジタイプのうち、いずれのタイプであるかを特定するためのシリーズコードと、作品の版権を特定するための版権コードと、遊技仕様(例えば、確率変動が生ずると、次回大当り遊技状態が発生するまでその状態が継続されるという遊技仕様のほかに、特別図柄の変動回数が限定された状態で確率変動が生ずるという遊技仕様(ST機)など)を特定するための遊技仕様コードと、パチンコ機1の設定値が1つであるか複数であるかの設定値コードと、から主として構成されている。
電源投入時主制御復帰先コマンドは、主制御基板1310自体の復帰先を指示するものである。電源投入時主制御復帰先コマンドは、始動口ソレノイド2412の駆動状態を指示する情報と、アタッカソレノイド2414や役物入賞口ソレノイド2512の駆動状態を指示する情報と、を主としてから構成されている。
設定キーのON操作コマンドは、制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値を確認する旨を指示するものであり、設定キーのOFF操作コマンドは、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値を確認完了した旨を指示するものである。
設定変更コマンドは、設定変更された設定値と設定値が設定変更された旨を指示するものである。本例では設定変更コマンドのモードを異ならせることにより周辺制御基板1510にパチンコ機1の設定値情報を送信することができるようになっており、周辺制御基板1510側では受信した設定変更コマンドによってパチンコ機1の設定値を把握できるようになっている。なお、設定変更コマンドは設定値の変更の有無にかかわらず電源投入時に周辺制御基板1510に送信するようにしてもよいし、電源投入時に設定値が設定変更されなかった場合には現在の設定値を指示する設定通知コマンドを送信するようにしてもよい。これにより、パチンコ機1に電源が投入される毎に周辺制御基板1510側で最新の設定値を把握することができるようになる。
エラー表示コマンドは、主制御内蔵RAMに格納されている内容に異常がある旨を指示するものである。
これらのコマンドとの送信タイミングとして、主制御基板電源投入時(電源投入する場合のほかに、停電や瞬停が発生して電力が回復する復電時も含む。)に送信される。具体的には、パチンコ機1の電源投入時、停電又は瞬停から復帰するときに、主制御側遊技制御メイン処理におけるステップS50の電源投入時に送信するコマンドの予約設定で主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶され、主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理で電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとが送信される。
[21−1−5.普図同調演出関連]
普図同調演出関連は、普通入賞口センサ2401からの検出信号に基づくものであり、その区分には、図199に示すように、機能表示ユニット1400の普通図柄表示器に関する、普図同調演出開始、普図柄指定、普図同調演出終了、及び変動時状態指定という名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「E*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
普図同調演出開始コマンド(普図変動パターンコマンド)は、モードで指定された演出パターン(普図変動パターン)で普図同調演出開始を指示するものであり、普図柄指定コマンドは、はずれ、特定大当り、非特定大当りを指定するものであり、普図同調演出終了コマンドは、普図同調演出終了を指示するものであり、変動時状態指定コマンドは、遊技状態を指示するものである。なお、遊技状態には、上述したように、時短状態であることを指示する時短状態と、時短状態でないことを指示する通常状態と、から構成されている。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、普図同調演出開始コマンドは、普通図柄変動開始時に送信され、普図柄指定コマンドは、普図同調演出開始の直後に送信され、普図同調演出終了コマンドは、普通図柄変動時間経過時(普通図柄確定時)に送信され、変動時状態指定コマンドは、普図当落情報指定の直後に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
[21−1−6.普通電役演出関連]
普通電役演出関連は、始動口ソレノイド2412の駆動により進退される第二始動口扉2411に関するものであり、その区分には、図199に示すように、普図当りオープニング、普電開放表示、及び普図当りエンディングという名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「F*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
普図当りオープニングコマンドは、普図当りオープニング開始を指示するものであり、普電開放表示コマンドは、普電開放中開始(第二始動口扉2411が始動口ソレノイド2412の駆動により前方向に突出した状態、又は突出する時)を指示するものであり、普図当りエンディングコマンドは、普図当りエンディング開始を指示するものである。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、普図当りオープニングコマンドは、普図当りオープニング開始時に送信され、普電開放表示コマンドは、普電開放時(第二始動口扉2411が始動口ソレノイド2412の駆動により前方向へ突出する時)に送信され、普図当りエンディングコマンドは、普図当りエンディング開始時に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
[21−1−10.その他]
その他の区分には、図200に示すように、始動口入賞、変動短縮作動終了指定、特別図柄1記憶、特別図柄2記憶、特別図柄種別先読み、変動パターン先読み1、変動パターン先読み2、変動パターン先読み3、変動パターン先読み4、変動パターン先読み5、変動パターン先読み6、普通入賞口入賞、普通図柄記憶という名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「9*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
始動口入賞コマンドは、始動口入賞演出開始を指示するものであって、第一始動口センサ3002からの検出信号に基づいて第一始動口2002に遊技球が入球した場合における演出の開始と、第二始動口センサ2402からの検出信号に基づいて第二始動口2004に遊技球が入球した場合における演出の開始と、をそれぞれ指示するものであり、変動短縮作動終了指定コマンドは、変動短縮作動状態から変動短縮非作動状態への状態移行を指示するものであり、特別図柄1記憶コマンドは、特別図柄1保留0〜4個(第一始動口2002に遊技球が入球して機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器で特別図柄の変動表示に未だ使用されていない球数(保留数))を伝えるものであり、特別図柄2記憶コマンドは、特別図柄2保留0〜4個(第二始動口2004に遊技球が入球して機能表示ユニット1400の第二特別図柄表示器で特別図柄の変動表示に未だ使用されていない球数(保留数))を伝えるものであり、特別図柄種別先読みコマンドは、特別図柄1保留が機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器で特別図柄の変動表示に使用される前に、先読みしてその特別図柄1保留に基づく第一特別図柄表示器による表示結果(はずれ図柄、大当り図柄)と、特別図柄2保留が機能表示ユニット1400の第二特別図柄表示器で特別図柄の変動表示に使用される前に、先読みしてその特別図柄2保留に基づく第二特別図柄表示器による表示結果(小当り図柄、大当り図柄)と、をそれぞれ指定するものである。
また、変動パターン先読みコマンド1〜変動パターン先読みコマンド6は、特別図柄1保留が機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器で特別図柄の変動表示に使用される前に、先読みしてその特別図柄1保留に基づく特別図柄の変動表示で用いられる変動パターンと、特別図柄2保留が機能表示ユニット1400の第二特別図柄表示器で特別図柄の変動表示に使用される前に、先読みしてその特別図柄2保留に基づく特別図柄の変動表示で用いられる変動パターンと、をそれぞれ指定するものであり、変動パターン先読みコマンド1はパチンコ機1の設定値1に応じたコマンドであり、変動パターン先読みコマンド2はパチンコ機1の設定値2に応じたコマンドであり、変動パターン先読みコマンド3はパチンコ機1の設定値3に応じたコマンドであり、変動パターン先読みコマンド4はパチンコ機1の設定値4に応じたコマンドであり、変動パターン先読みコマンド5はパチンコ機1の設定値5に応じたコマンドであり、変動パターン先読みコマンド6はパチンコ機1の設定値6に応じたコマンドである。
なお、上記したパチンコ機1の設定値情報を含むコマンド(特図1同調演出開始コマンド、特図1同調演出終了コマンド、特図2同調演出開始コマンド、特図2同調演出終了コマンド、設定変更コマンド)は一例であり、他のコマンドについても設定値毎に設けるようにしてもよい。
また、普通入賞口入賞コマンドは、ゲート部2003への遊技球の通過を指示するものであり、普通図柄記憶コマンドは、普通図柄保留0〜4個(ゲート部2003を遊技球が通過して機能表示ユニット1400の普通図柄表示器で普通図柄の変動表示に未だ使用されていない球数(保留数))を伝えるものである。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、始動口入賞コマンドは、始動口入賞時(第一始動口センサ3002からの検出信号に基づいて第一始動口2002に遊技球が入球した時や、第二始動口センサ2402からの検出信号に基づいて第二始動口2004に遊技球が入球した時)に、スピーカ462、464,622から主に音声でその旨を報知するために送信され、変動短縮作動終了指定コマンドは、規定回数の変動短縮を消化した変動確定後の停止期間終了時(はずれ停止期間経過後)に送信され、特別図柄1記憶コマンドは、特別図柄1作動保留球数変化時(第一始動口2002に遊技球が入球して保留数が増加した時や、その保留数から第一特別図柄表示器で特別図柄の変動表示に使用してその保留数が減少した時)に送信され、特別図柄2記憶コマンドは、特別図柄2作動保留球数変化時(第二始動口2004に遊技球が入球して保留数が増加した時や、その保留数から第二特別図柄表示器で特別図柄の変動表示に使用してその保留数が減少した時)に送信され、特別図柄種別先読みコマンドは、特別図柄1,2作動保留球数増加時(第一始動口2002や第二始動口2004に遊技球が入球して保留数が増加した時)に送信され、変動パターン先読みコマンドは、特別図柄種別先読みコマンドの送信直後に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
また、普通入賞口入賞コマンドは、ゲート部2003への遊技球の通過時に送信され、普通図柄記憶コマンドは、普通図柄作動保留球数変化時(ゲート部2003を遊技球が通過して保留数が増加した時や、その保留数から普通図柄表示器で普通図柄の変動表示に使用してその保留数が減少した時)に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
ところで、始動口入賞コマンドは、上述したように、始動口入賞時(第一始動口センサ3002からの検出信号に基づいて第一始動口2002に遊技球が入球した時や、第二始動口センサ2402からの検出信号に基づいて第二始動口2004に遊技球が入球した時)に、スピーカ462、464,622から主に音声でその旨を報知するために送信されるが、周辺制御基板1510が始動口入賞コマンドをどのように利用するかについては、パチンコ機の仕様によって異なる場合もある。例えば、本実施形態におけるパチンコ機1では、スピーカ462、464,622から音声で報知するほかに、不正行為の有無を監視するためにも利用するという仕様のものである。これに対して、他のパチンコ機では、周辺制御基板1510が始動口入賞コマンドを単に受信するだけで、スピーカ462、464,622から音声で報知しない仕様のものもある。
[22.設定情報異常報知]
次に、上記した主制御基板1310から周辺制御基板1510へ送信される各種コマンドのうちパチンコ機1の設定値情報を含むコマンドに基づいてパチンコ機1の設定値が異常である場合に報知する処理について説明する。図201は上記受信コマンド解析処理(ステップS1022)でパチンコ機1の設定値情報を含むコマンドを主制御基板1310から受信した場合に実行される設定情報判定処理についてその手順を示すフローチャートである。
主制御基板1310の主制御MPUは、設定情報判定処理を開始すると、後述する設定異常報知フラグがセットされているか否かを判別する(ステップS1500)。設定異常報知フラグは設定値異常を報知している場合にセットされるフラグである。ステップS1500で設定異常報知フラグがセットされている場合には設定値異常を報知していると判断してステップS1507に進み、ステップS1500で設定異常報知フラグがセットされていない場合には設定値異常を報知していないと判断してステップS1501に進む。
次いで、主制御基板1310の主制御MPUは、受信したコマンドが上記設定変更コマンドであるか否かを判別し(ステップS1501)、設定変更コマンドを受信していれば当該設定変更コマンドが示すパチンコ機1の設定値情報に基づいてパチンコ機1の設定値を設定情報記憶領域に記憶し(ステップS1502)、処理を終了する。これにより、電源投入時に設定されたパチンコ機1の設定値が設定情報記憶領域に記憶されて、周辺制御基板1510側でパチンコ機1の設定値を把握できるようになる。
また、受信したコマンドが上記設定変更コマンドでない場合(本例では特図1同調演出開始コマンド、特図1同調演出終了コマンド、特図2同調演出開始コマンド、特図2同調演出終了コマンド、変動パターン先読みコマンド1〜変動パターン先読みコマンド6を受信している場合)には、受信したコマンドが示すパチンコ機1の設定値情報とステップS1502で設定情報記憶領域に記憶された設定値情報とが合致するか否かを判別し(ステップS1504)、合致しなければ設定値情報に異常が発生したことを報知すると共に(ステップS1504)、設定値情報の異常報知中であることを示す設定異常報知フラグをセットして処理を終了する(ステップS1505)。
また、ステップS1500で設定異常報知フラグがセットされていると判別した場合、即ち設定値情報の異常報知中である場合には、受信したコマンドが示すパチンコ機1の設定値情報とステップ1502で設定情報記憶領域に記憶された設定値情報とが合致するか否かを判別し(ステップS1507)、合致していなければ設定値情報の異常報知を継続する。
一方、受信したコマンドが示すパチンコ機1の設定値情報とステップ1502で設定情報記憶領域に記憶された設定値情報とが合致していれば、設定値情報の異常報知を終了し(ステップS1508)、設定異常報知フラグをリセットして処理を終了する(ステップS1509)。
このように、本例のパチンコ機1では主制御基板1310から周辺制御基板1510へパチンコ機1の設定値情報を含むコマンドを送信することにより、周辺制御基板1510側でパチンコ機1の設定値を把握させ、主制御基板1310から送信されるパチンコ機1の設定値情報を含むコマンドによって示される設定値情報に異常がある場合、具体的には正常な処理(設定値変更処理)を経ていないにも関わらず、設定値が変更された場合にエラーや不正が発生したと判断してその旨を報知する処理が実行される。なお、設定値情報の異常報知中にも遊技は進行し、演出表示装置1600では変動演出等が実行される。そのため、設定値情報の異常報知は演出表示装置1600で実行される変動演出の実行を阻害しないように行われる。具体的には、演出表示装置1600において実行されている変動演出と重ならない領域に「設定異常!」等と表示する制御、演出表示装置1600において実行されている変動演出を視認可能となるように変動演出と重なる領域に「設定異常!」等を半透明表示する制御、スピーカ462、464,622から「設定異常が発生しました。」を音声出力する制御、遊技盤5や扉枠3に設けられるランプ・LED等を所定の態様(例えば赤色点滅)で発光制御、等のうち1つ又は複数の制御を組み合わせて実行する。
なお、主制御基板1310から送信されるコマンドによって示されるパチンコ機1の設定値情報に異常がある場合に、上記設定値情報の異常報知を実行することなく、又は設定値情報の異常報知の実行と併せて、後述するパチンコ機1の設定値を示唆する演出が実行されないようにすると共に、パチンコ機1の設定値を示唆する演出が実行されている場合にはこの演出の実行を中止するようにしてもよい。即ち、主制御基板1310から送信されるパチンコ機1の設定値情報を含むコマンドがノイズ等の影響を受けてこのコマンドによって示される設定値情報が異常な値に変わってしまったり、周辺制御基板1510で設定情報記憶領域に記憶している設定値情報がノイズ等の影響を受けて異常な値に変わってしまったことなどにより、主制御基板1310から送信されるコマンドによって示されるパチンコ機1の設定値情報と周辺制御基板1510の設定情報記憶領域に記憶している設定値情報との整合性に異常がある場合に、パチンコ機1の設定値を示唆する演出を実行するとこの演出に対する信頼性が低下する。そのため、このような場合にはパチンコ機1の設定値を示唆する演出を実行しないようにすると共に、実行中であればこの演出を中止することで信頼性の低下を抑制するようにしてもよい。
また、主制御基板1310の主制御MPU1310aが設定値情報に異常が発生したか否かを判別するようにしてもよく、この場合には設定値情報に異常が発生した場合に遊技を停止させるようにしてもよい。例えば、設定値変更処理で設定値を変更した場合に、主制御基板1310の主制御MPU1310aが主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納される設定値とは別の参照用領域にも変更後の設定値を格納し、任意のタイミング(例えば特図1同調演出開始コマンドや特図2同調演出開始コマンドを送信するタイミング等)で設定値専用領域に格納される設定値と参照用領域に格納される設定値とが合致するか否かを判別して、合致していないと判別した場合に遊技を停止して設定値情報の異常報知を行うようにしてもよい。
また、本例のパチンコ機1では設定値情報の異常報知を開始した後、当該異常が解消されると遊技店員が何ら操作を行うことなしに自動的に設定値情報の異常報知を終了する。そのため、主制御基板1310から送信されるパチンコ機1の設定値情報を含むコマンドがノイズ等の影響を受けて設定値情報が異常な値に変更された場合に、設定情報記憶領域に記憶された設定値情報と合致しないことで設定値情報の異常報知を開始した後、主制御基板1310から送信されるパチンコ機1の設定値情報を含むコマンドを正常な状態で受信した場合には、直ぐに設定値情報の異常報知を終了させることができる。
なお、上記した例では設定変更処理で設定値を変更した場合に変更した設定値を示す設定変更コマンドを周辺制御基板1510に送信して、当該コマンドによって指示された設定値を周辺制御基板1510側で記憶し、この記憶されている設定値と合致するか否かに応じて設定値情報に異常が発生したか否かを判別するように構成したが、設定値情報に異常が発生したか否かの判別方法はこれに限られるものではない。例えば、主制御基板1310からパチンコ機1の設定値情報を含むコマンドを受信した場合に、当該コマンドによって示される設定値情報と、前回受信したパチンコ機1の設定値情報を含むコマンドによって示される設定値と、が合致するか否かを判別して、合致しない場合に設定値情報の異常報知を行うようにしてもよい。この場合には設定値を変更したことに基づいて主制御基板1310から送信される設定変更コマンドを受信したときには設定値情報の異常報知を行わないしてもよい。
また、変動演出に関連して主制御基板1310からパチンコ機1の設定値情報を含むコマンドを複数回送信して当該コマンドのうち少なくとも一部が合致していない場合に設定値情報の異常報知を行うようにしてもよい。具体的には、上記特図1同調演出開始コマンド及び特図2同調演出開始コマンドによって示されるパチンコ機1の設定値情報と特図1同調演出終了コマンド及び特図2同調演出終了コマンドによって示されるパチンコ機1の設定値情報とが合致するか否かを判別して、合致しない場合に設定値情報の異常報知を行うようにしてもよい。
また、上記した例では特図1同調演出開始コマンド、特図1同調演出終了コマンド、特図2同調演出開始コマンド、特図2同調演出終了コマンド、及び変動パターン先読みコマンドをパチンコ機1の設定値毎に設けるものを示したが、パチンコ機1の設定情報を主制御基板1310から周辺制御基板1510に通知するものであれば、主制御基板1310から周辺制御基板1510にパチンコ機1の設定情報を通知するコマンドを特図1同調演出開始コマンド、特図1同調演出終了コマンド、特図2同調演出開始コマンド、特図2同調演出終了コマンド、及び変動パターン先読みコマンドとは別個に設けて、主制御基板1310から周辺制御基板1510に何らかのコマンドを送信するときには常に又は特定のコマンドを送信するときにはパチンコ機1の設定情報を通知するコマンドも送信するようにしてもよい。例えば、パチンコ機1の設定値情報を通知する設定通知コマンド1〜設定通知コマンド6を設けて、主制御基板1310から任意のタイミングでパチンコ機1の設定値に応じた設定通知コマンド(設定値1であれば設定通知コマンド1、設定値2であれば設定通知コマンド2・・・設定値6であれば設定通知コマンド6)を周辺制御基板1510に送信するようにしてもよい。このように構成することで、機種毎(設定値が複数あるものと設定値が1つだけのもの)でのコマンド設計の変更が不要になり、設計の手間を省くことができる。
また、この場合には演出表示装置1600で実行される演出(特図同調演出、後述する保留予告演出等)に関与するコマンド(例えば特図1同調演出開始コマンド、特図1同調演出終了コマンド、特図2同調演出開始コマンド、特図2同調演出終了コマンド、及び変動パターン先読みコマンド等)の送信時に限らず、演出表示装置1600で実行される演出に関与しないコマンド(例えば普通入賞口入賞コマンド等)を送信するときにもパチンコ機1の設定情報を通知するコマンドも送信して当該コマンドが示す設定値情報と周辺制御基板1510の設定情報記憶領域に記憶している設定値情報との整合性に異常があるか否かを判別するようにしてもよい。このように構成することにより、周辺制御基板1510の設定情報記憶領域に記憶している設定値情報が異常であるか否かの判別を頻繁に行うことができるようになり、ノイズ等による不具合回避の精度を一層高めることができる。
[23.保留予告演出]
次に、保留予告演出について説明する。上記したように、本例のパチンコ機1では第一始動口2002へ遊技球が入球したことに基づいて第一保留記憶数が変化すると第一保留記憶数を指示するコマンド(第一保留数指定コマンド0〜4)をセットして周辺制御基板1510に送信して第一保留記憶数を演出表示装置1600に表示し、第二始動口2004へ遊技球が入球したことに基づいて第二保留記憶数が変化すると第二保留記憶数を指示するコマンド(第二保留数指定コマンド0〜1(特別図柄2記憶コマンド0〜1))をセットして周辺制御基板1510に送信して第二保留記憶数を演出表示装置1600に表示するようになっている。
また、本例のパチンコ機1では第一始動口センサ3002からの検出信号に基づいて第一始動口2002に遊技球が入球したことや、第二始動口センサ2402からの検出信号に基づいて第二始動口2004に遊技球が入球したことに基づいて主制御基板1310から上記特別図柄種別先読みコマンドと変動パターン先読みコマンドとを受信すると、当該特別図柄種別先読みコマンド及び変動パターン先読みコマンドに基づいて示唆の開始が保留されている特別抽選結果に対応して演出表示装置1600に表示される第一保留記憶1700a〜1700dや第二保留記憶1701aの表示態様を変化させて当該特別抽選結果の示唆の実行時における大当り期待度を示唆する保留予告演出を実行し得るようになっている。
本例では主制御基板1310から送信される第一保留数指定コマンドによって指示される第一保留記憶数又は第二保留数記憶コマンドによって指示される第二保留記憶数と、変動パターン先読みコマンド及び特別図柄種別先読みコマンドによって指示される事前判定情報(ハズレ、小当り、大当り等、なお確変大当りや通常大当り等の大当りの種類を通知し得るものでもよい)とのそれぞれに応じて、周辺制御基板1510が保留予告の有無及び保留予告を実行する場合の保留予告パターン種別を決定するための保留予告判定テーブルを備えている。
そして、保留予告を実行する決定が行われると共に、実行する保留予告パターン種別が決定されると演出表示装置1600に表示される第一保留記憶1700a〜1700dや第二保留記憶1701aを通常とは異なる表示態様(本例では通常とは異なる表示色)で表示する。本例では通常は第一保留記憶1700a〜1700dや第二保留記憶1701aを基本色である白で表示し、保留予告を実行する場合には青色、緑色、赤色、てんとう虫柄のいずれかで表示する。また、第一保留記憶1700a〜1700dや第二保留記憶1701aの表示態様は、白色→青色→緑色→赤色→てんとう虫柄の順序で大当り期待度が高くなるように設定されている。
また、事前判定情報として抽選結果が大当りと特定したときには最終的な保留表示の態様として大当り期待度の高い態様(例えば、赤色やてんとう虫柄)となる保留予告パターンを高い確率で決定し、事前判定情報として抽選結果がハズレと特定したときには最終的な保留表示の態様として大当り期待度の低い態様(例えば、青色)となる保留予告パターンを高い確率で決定することにより、最終的な保留表示の態様として大当り期待度の高い態様が表示されたときには、大当り遊技状態に対する遊技者の期待度が高まるようになっている。
また、保留予告パターンには保留予告演出の実行中において特別抽選結果の示唆(装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示))が行われるごとに(保留が消化されるごとに)、演出表示装置1600に表示される第一保留記憶1700a〜1700dや第二保留記憶1701aの表示態様がどのように変化するのかが設定されている。なお、保留予告パターンには、演出表示装置1600に表示される第一保留記憶1700a〜1700dや第二保留記憶1701aの表示態様が白色→青色→緑色→赤色→てんとう虫柄の順序とは逆の順序で変化しない(すなわち、大当り期待度が低下しない)ように設定されており、特別抽選結果の示唆(装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示))が行われるごとに(保留が消化されるごとに)演出表示装置1600に表示される第一保留記憶1700a〜1700dや第二保留記憶1701aの表示態様が維持される(表示態様が変化しない)か、又は大当り期待度の高い態様となるように設定されている。このため、大当り期待度の低い表示態様で演出表示装置1600に第一保留記憶1700a〜1700dや第二保留記憶1701aが表示されたとしても、保留予告の実行対象である特別抽選結果の示唆が開始されるまでは保留表示の態様が大当り期待度の高い態様に変化する可能性が残されており、保留表示の態様に対して最後まで期待をもって注目させることができる。
また、保留予告パターンには、必ずしも第一保留記憶1700a〜1700dや第二保留記憶1701aを白色(基本色)で表示した後に青色→緑色→赤色→てんとう虫柄の順序で変化させる必要はなく、途中の表示態様から開始する(例えば、第一始動口センサ3002からの検出信号に基づいて第一始動口2002に遊技球が入球したことに基づいて第一保留記憶1700cを赤色で表示する)、途中の表示態様を経由することなく次の表示態様に変化する(例えば、第一保留記憶1700dを白色で表示している場合に、特別抽選結果の示唆が終了して次の特別抽選結果の開始に応じて第一保留記憶1700dを第一保留記憶1700cに移動させるときに白色からてんとう虫柄に変化する)ようにも設定されている。このため、第一保留記憶1700a〜1700dや第二保留記憶1701aの表示態様が変化する機会(保留数)が少なかったとしても、大当り期待度の高い表示態様で第一保留記憶1700a〜1700dや第二保留記憶1701aが表示されることを可能としている。また、大当り期待度の低い表示態様で第一保留記憶1700a〜1700dや第二保留記憶1701aが表示されたとしても、次にいずれの表示態様に変化するかを予測することができず、第一保留記憶1700a〜1700dや第二保留記憶1701aの表示態様に対して最後まで期待をもって注目させることができる。
また、本例のパチンコ機1では上記した大当り期待度を示唆する保留予告演出と共に、又は単独で第一保留記憶1700a〜1700dや第二保留記憶1701aの表示態様を上記保留予告とは異なる表示態様に変化させることで、パチンコ機1の設定値を示唆する設定値保留示唆演出を実行し得るようになっている。
本例では主制御基板1310から送信される変動パターン先読みコマンドによって指示されるパチンコ機1の設定値情報に応じて、周辺制御基板1510が設定値保留示唆演出の有無及び設定値保留示唆演出を実行する場合の設定値保留示唆パターン種別を決定するための設定値保留示唆判定テーブルを備えている。そして、設定値保留示唆演出を実行する決定が行われると共に、実行する設定値保留示唆パターン種別が決定されると演出表示装置1600に表示される第一保留記憶1700a〜1700dや第二保留記憶1701aを通常とは異なる表示態様(本例では通常とは異なる形状)で表示する。
具体的には、図202(A)に示すように通常は第一保留記憶1700a〜1700dや第二保留記憶1701aを基本形状である丸で表示し、設定値保留示唆演出を実行する場合には図202(B)の第一保留記憶1700cに示す四角、図202(C)の1700cに示す三角、図202(D)の1701aに示す星のいずれかで表示する。また、第一保留記憶1700a〜1700dや第二保留記憶1701aの表示態様は、丸→四角→三角→星の順序でパチンコ機1の設定値に対する期待度(高設定値に対する期待度)が高くなるように設定されている。
また、変動パターン先読みコマンドに基づいてパチンコ機1の設定値が5又は6と特定したときには最終的な保留表示の態様として高設定値に対する期待度の高い態様(例えば、星)となる設定値保留示唆パターンを高い確率で決定し、パチンコ機1の設定値が3又は4と特定したときには最終的な保留表示の態様として高設定値に対する期待度が中程度の態様(例えば三角)となる設定値保留示唆パターンを高い確率で決定し、パチンコ機1の設定値が1又は2と特定したときには最終的な保留表示の態様として高設定値に対する期待度が最も低い態様(例えば四角)となる設定値保留示唆パターンを高い確率で決定することにより、最終的な保留表示の態様として高設定値に対する期待度の高い態様が表示されたときには、高設定値に対する遊技者の期待度が高まるようになっている。
また、設定値保留示唆パターンには設定値保留示唆演出の実行中において特別抽選結果の示唆(装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示))が行われるごとに(保留が消化されるごとに)、演出表示装置1600に表示される第一保留記憶1700a〜1700dや第二保留記憶1701aの表示態様がどのように変化するのかが設定されている。なお、設定値保留示唆パターンには、演出表示装置1600に表示される第一保留記憶1700a〜1700dや第二保留記憶1701aの表示態様が丸→四角→三角→星の順序とは逆の順序で変化しない(すなわち、高設定値に対する期待度が低下しない)ように設定されており、特別抽選結果の示唆(装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示))が行われるごとに(保留が消化されるごとに)演出表示装置1600に表示される第一保留記憶1700a〜1700dや第二保留記憶1701aの表示態様が維持される(表示態様が変化しない)か、又は高設定値に対する期待度の高い態様となるように設定されている。このため、高設定値に対する期待度が低い表示態様で演出表示装置1600に第一保留記憶1700a〜1700dや第二保留記憶1701aが表示されたとしても、設定値保留示唆演出の実行対象である特別抽選結果の示唆が開始されるまでは保留表示の態様が高設定値に対する期待度の高い態様に変化する可能性が残されており、保留表示の態様に対して最後まで期待をもって注目させることができる。
また、設定値保留示唆パターンには、必ずしも第一保留記憶1700a〜1700dや第二保留記憶1701aを丸(基本形状)で表示した後に四角→三角→星の順序で変化させる必要はなく、途中の表示態様から開始する(例えば、第一始動口センサ3002からの検出信号に基づいて第一始動口2002に遊技球が入球したことに基づいて第一保留記憶1700dを四角で表示する)、途中の表示態様を経由することなく次の表示態様に変化する(例えば、第一保留記憶1700dを四角で表示している場合に、特別抽選結果の示唆が終了して次の特別抽選結果の開始に応じて第一保留記憶1700dを第一保留記憶1700cに移動させるときに四角から星に変化する)ようにも設定されている。このため、第一保留記憶1700a〜1700dや第二保留記憶1701aの表示態様が変化する機会(保留数)が少なかったとしても、高設定値に対する期待度の高い表示態様で第一保留記憶1700a〜1700dや第二保留記憶1701aが表示されることを可能としている。また、高設定値に対する期待度の低い表示態様で第一保留記憶1700a〜1700dや第二保留記憶1701aが表示されたとしても、次にいずれの表示態様に変化するかを予測することができず、第一保留記憶1700a〜1700dや第二保留記憶1701aの表示態様に対して最後まで期待をもって注目させることができる。
また、上記保留予告演出の保留予告パターンと設定値保留示唆演出の設定値保留示唆パターンとは別々に決定されるため、保留予告演出の保留予告パターンに基づいて演出表示装置1600に表示される第一保留記憶1700a〜1700dや第二保留記憶1701aの表示態様を高設定値に対する期待度の高い態様に変化させると共に設定値保留示唆演出の設定値保留示唆パターンに基づいて演出表示装置1600に表示される第一保留記憶1700a〜1700dや第二保留記憶1701aの表示態様を高設定値に対する期待度の高い態様に変化させる場合と、保留予告演出の保留予告パターンに基づいて演出表示装置1600に表示される第一保留記憶1700a〜1700dや第二保留記憶1701aの表示態様を高設定値に対する期待度の高い態様に変化させる一方で設定値保留示唆演出の設定値保留示唆パターンに基づいて演出表示装置1600に表示される第一保留記憶1700a〜1700dや第二保留記憶1701aの表示態様を維持させる場合と、保留予告演出の保留予告パターンに基づいて演出表示装置1600に表示される第一保留記憶1700a〜1700dや第二保留記憶1701aの表示態様を維持させる一方で設定値保留示唆演出の設定値保留示唆パターンに基づいて演出表示装置1600に表示される第一保留記憶1700a〜1700dや第二保留記憶1701aの表示態様を高設定値に対する期待度の高い態様に変化させる場合と、がある。
例えば、保留予告演出の表示態様が「白」で設定値保留示唆演出の表示態様が「丸」の場合に保留が消化されて演出表示装置1600に表示される第一保留記憶1700a〜1700dや第二保留記憶1701aを移動させるときに保留予告演出の表示態様「白」を「赤」に変化させると共に設定値保留示唆演出の表示態様「丸」を「四角」に変化させたり(色と形状の両方を変化させる)、保留予告演出の表示態様が「赤」で設定値保留示唆演出の表示態様が「丸」の場合に保留が消化されて演出表示装置1600に表示される第一保留記憶1700a〜1700dや第二保留記憶1701aを移動させるときに保留予告演出の表示態様「赤」を変化させることなく維持する一方で設定値保留示唆演出の表示態様「丸」を「四角」に変化させたり(色を維持して形状を変化させる)、保留予告演出の表示態様が「白」で設定値保留示唆演出の表示態様が「三角」の場合に保留が消化されて演出表示装置1600に表示される第一保留記憶1700a〜1700dや第二保留記憶1701aを移動させるときに保留予告演出の表示態様「白」を「青」に変化させる一方で、設定値保留示唆演出の表示態様「三角」を変化させることなく維持させたりすることがある(色を変化させて形状を維持する)。
即ち、本例では保留予告演出の保留予告パターンの決定処理と設定値保留示唆演出の設定値保留示唆パターンの決定処理とを別々に行って、それぞれの変化パターンに基づいて特別抽選結果の示唆(装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示))が行われるごとに(保留が消化されるごとに)演出表示装置1600に表示される第一保留記憶1700a〜1700dや第二保留記憶1701aの表示態様を維持する(表示態様を変化させない)か、又は高設定値に対する期待度の高い態様に変化させるようになっている。
なお、保留予告演出や設定値保留示唆演出の最終的な表示態様を別々に決定し、この決定結果に応じた第一保留記憶1700a〜1700dや第二保留記憶1701aの表示態様の変化シナリオを示す複数種類の変化パターンの中からいずれかの変化パターンを実行するようにしてもよい。
また、設定値保留示唆演出の開始タイミング(表示態様を通常とは異なる態様で表示するタイミング)は第一始動口2002や第二始動口2004に遊技球Bが受け入れられたことに基づいて第一保留記憶1700a〜1700dや第二保留記憶1701aを表示するタイミングに限らず、その後のタイミング(基本形状で表示した後のタイミング、例えば特別抽選結果の示唆が終了して次の特別抽選結果の開始に応じて第一保留記憶1700b〜dを第一保留記憶1700a〜cに移動させるとき等)においても開始される。これにより、設定値保留示唆演出が実行されなかったとしても、第一保留記憶1700a〜1700dや第二保留記憶1701aに対して最後まで期待をもって注目させることができる。
なお、設定値保留示唆演出の実行頻度は上記保留予告演出に比べて低く設定される。即ち、保留予告演出は事前判定情報に基づいて実行され、当該保留予告演出を実行している保留記憶に基づく当別抽選結果に基づく特別抽選結果の示唆が行われると保留予告演出の内容はリセットされるのに対して、設定値保留示唆演出の内容はパチンコ機1の設定値が変更されるまでリセットされることなく継続するため、設定値保留示唆演出の実行頻度を保留予告演出に比べて低く設定することでパチンコ機1の設定値が特定されることを抑止している。
また、図202(A)及び図202(B)の第一保留記憶1700cや図202(D)の第二保留記憶1701aに示すように設定値保留示唆演出は上記保留予告演出と同時に実行される場合があるとともに、図202(C)の第一保留記憶1700cに示すように設定値保留示唆演出は単独で実行される場合がある。なお、保留予告パターンに設定値保留示唆演出の表示態様の変化パターンを含むようにしてもよく、この場合には保留予告判定テーブルとしてさらにパチンコ機1の設定値毎に設けるようにしてもよい。
本例のパチンコ機1では図203に示すように上記した保留予告演出の表示態様と設定値保留示唆演出の表示態様とを組み合わせた画像データを複数種類備えており、上記保留予告演出の保留予告パターンと設定値保留示唆演出の設定値保留示唆パターンとの両方に応じた画像データに基づいて対象の保留記憶を表示する。即ち、対象の保留記憶の保留予告演出の表示態様としての色と設定値保留示唆演出の表示態様としての形状とを決定した上で、これらを合成した表示態様を生成し、この合成した表示態様を保留記憶として表示する。
具体的には保留予告演出だけが実行されて設定値保留示唆演出が実行されていない保留記憶が表示される図203(A)の例では、第一保留記憶1700a、1700bを「合成パターン白1」の画像データに基づいて表示し、第一保留記憶1700cを「合成パターン青1」の画像データに基づいて表示している。また、保留予告演出と設定値保留示唆演出との両方が実行される保留記憶が表示される図203(B)の例では、第一保留記憶1700a、1700bを「合成パターン白1」の画像データに基づいて表示し、第一保留記憶1700cを「合成パターン青2」の画像データに基づいて表示している。また、保留予告演出だけが実行される保留記憶と設定値保留示唆演出だけが実行される保留記憶とのそれぞれが表示される図203(C)の例では、第一保留記憶1700aを「合成パターン青1」の画像データに基づいて表示し、第一保留記憶1700bを「合成パターン白1」の画像データに基づいて表示し、第一保留記憶1700cを「合成パターン白3」の画像データに基づいて表示している。
また、第二保留記憶1701aにおいても保留予告演出と設定値保留示唆演出とが実行され、保留予告演出と設定値保留示唆演出との両方が実行される保留記憶が表示される図203(D)の例では、第二保留記憶1701aを「合成パターン赤4」の画像データに基づいて表示している。
このように、本例のパチンコ機1では第一保留記憶1700a〜1700dや第二保留記憶1701aを通常とは異なる態様で表示制御することで大当り期待度を示唆する保留予告演出とパチンコ機1の設定値を示唆する設定値保留示唆演出とを実行し得るようになっている。なお、保留予告演出は事前判定情報に基づいて実行されるものである一方、設定値保留示唆演出は事前判定情報には基づいていない。即ち、保留予告演出は保留されている特別抽選結果を事前に取得することで実行可能になる一方、設定値保留示唆演出は保留されている特別抽選結果を事前に取得することなしに実行可能である。
なお、示唆の開始が保留されている特別抽選結果を第一保留記憶1700a〜1700dや第二保留記憶1701aとして演出表示装置1600に表示するものに限らず、示唆の実行中とされている特別抽選結果に応じた保留記憶についても実行中保留記憶として演出表示装置1600に表示するようにしてもよい。この場合には、上記保留予告演出や設定値保留示唆演出での最終的な表示態様を実行中保留記憶で表示し得るようにしてもよく、このように構成することによって特別抽選結果の示唆が実行されるときまで保留予告演出や設定値保留示唆演出に注目させて大当りや高設定値に対して期待を抱かせることができるため、遊技興趣の低下を抑止できる。
また、上記した例では保留予告演出の表示態様として保留記憶の表示色を変化させ、設定値保留示唆演出の表示態様として保留記憶の形状を変化させるものを示したが、設定値保留示唆演出が実行されていることを判別可能であれば上記したものに限られない。例えば、保留予告演出の表示態様として保留予告演出の表示色を変化させ、設定値保留示唆演出の表示態様として対象の保留記憶の形状を変化させることなく示唆する設定値に応じた数値や保留記憶の周囲のエフェクト態様(キラキラしたエフェクトや炎のエフェクト)等の付加情報を保留記憶に対応付けて表示するようにしてもよい。
また、第一始動口2002へ遊技球が入球したことに基づいて第一保留記憶1700a〜1700dを表示するときや第二始動口2004へ遊技球が入球したことに基づいて第二保留記憶1701aを表示するとき、保留が消化されたことに基づいて第一保留記憶1700a〜1700dや第二保留記憶1701aを更新表示するとき(第一保留記憶1700b〜1700dを第一保留記憶1700a〜1700cに移動したり、第一保留記憶1700aや第二保留記憶1701aを実行中保留記憶に移動するとき)に、効果音を出力することでパチンコ機1の設定値を示唆するようにしてもよい。例えば、設定値が「1」であることを示唆する場合には複数種類の効果音のうち設定値「1」に応じた効果音(例えば「ピッ」)を出力し、設定値が「2」であることを示唆する場合には複数種類の効果音のうち設定値「2」に応じた効果音(例えば「ピピッ」)を出力し、・・・設定値が「5」であることを示唆する場合には複数種類の効果音のうち設定値「5」に応じた効果音(例えば「ピピピピピッ」)を出力し、設定値が「6」であることを示唆する場合には複数種類の効果音のうち設定値「6」に応じた効果音(例えば「パンパカパーン」)を出力するようにしてもよい。
また、保留予告演出や設定値保留示唆演出を実行した場合に、演出操作ユニット300における演出操作部301の回転操作部302や押圧操作部303の操作に応じて大当り期待度やパチンコ機1の設定値を示唆するようにしてもよく、この場合には演出操作ユニット300における演出操作部301の回転操作部302や押圧操作部303の操作を指示する操作指示画像を演出表示装置1600に表示した後、演出操作ユニット300における演出操作部301の回転操作部302や押圧操作部303の操作に応じて大当り期待度やパチンコ機1の設定値を示唆するようにしてもよい。また、大当り期待度や示唆する設定値を維持する場合と大当り期待度や示唆する設定値をさらに高める場合とで操作指示画像を共通にするようにしてもよく、これにより保留予告演出や設定値保留示唆演出の実行の前兆となる演出(操作指示画像を表示する演出)によって大当り期待度や示唆する設定値が高められるか否かを判別できなくなり、演出操作ユニット300における演出操作部301の回転操作部302や押圧操作部303を積極的に操作させるように仕向けることができる。
また、デモンストレーション(遊技者待ち状態となって行われるデモ演出)中に保留予告演出の有無や設定値保留示唆演出の有無を選択可能にしてもよい。これにより、遊技者の嗜好に合った演出の実行が可能となり、大当り期待度やパチンコ機1の設定値等の示唆を望まない遊技者に対しても保留予告演出や設定値保留示唆演出が実行されて大当り期待度やパチンコ機1の設定値が示唆されることを抑制できる。
また、設定値保留示唆演出で示唆される態様についての説明(パチンコ機1の設定値を示唆する態様であって大当り期待度を示唆する態様ではない旨等)をデモンストレーション(遊技者待ち状態となって行われるデモ演出)や特別抽選結果の示唆の実行時(装飾図柄の変動表示中)に実行するようにしてもよい。これにより、設定値保留示唆演出が実行されたときに大当り期待度と誤認されて大当りへの期待が向上することを抑止できる。
また、時短状態や確変状態の実行中には第一始動口2002への遊技球の入球時に主制御基板1310から送信される変動パターン先読みコマンド及び特別図柄種別先読みコマンドによって指示される事前判定情報に基づく保留予告演出を実行することなく、第二始動口2004への遊技球の入球時に主制御基板1310から送信される変動パターン先読みコマンド及び特別図柄種別先読みコマンドによって指示される事前判定情報に基づく保留予告演出だけを実行し得るようにしてもよい。また、時短状態や確変状態の実行中にも第一始動口2002への遊技球の入球に基づいて演出表示装置1600に表示される第一保留記憶1700a〜1700dに関連して設定値保留示唆演出を実行するようにしてもよい。これにより、時短状態や確変状態中に第一始動口2002への遊技球の入球が発生した場合にも設定値保留示唆演出に対する期待を抱かせることができる。
[24.設定値連続示唆演出]
次に設定値連続示唆演出について説明する。本例では複数回の装飾図柄の変動表示に亘ってパチンコ機1の設定値を示唆する設定値連続示唆演出を実行し得るようになっている。なお、装飾図柄の変動表示は特別図柄の1回の変動表示に対して1回実行されるものに限らず、特別図柄の1回の変動表示に対して複数回実行されるもの(いわゆる擬似連続変動)も含む。
本例では主制御基板1310から送信される特図1同調演出開始コマンド及び特図2同調演出開始コマンドによって指示されるパチンコ機1の設定値情報に応じて、周辺制御基板1510が設定値連続示唆演出の有無及び設定値連続示唆演出を実行する場合の設定値連続示唆演出パターン種別を決定するための設定値連続示唆演出テーブルを備えている。そして、設定値連続示唆演出を実行する決定が行われると共に、実行する設定値連続示唆演出パターン種別が決定されると、演出表示装置1600にて装飾図柄の変動表示が開始されるごとに設定値に応じて異なる表示態様を有する複数の設定示唆用キャラクタ1702のうちいずれかを出現させる。
具体的には、図204(A)に示すように演出表示装置1600にて装飾図柄の変動表示が開始されると設定値1に応じた設定示唆用キャラクタ1702として頭部に「1」が描かれた設定示唆用キャラクタ1702を表出させる。また、図204(C)に示すように演出表示装置1600にて装飾図柄の次の変動表示が開始されると設定値3に応じた設定示唆用キャラクタ1702として頭部に「3」が描かれた設定示唆用キャラクタ1702を表出させ、図204(E)に示すように演出表示装置1600にて装飾図柄の次の変動表示が開始されると設定値4に応じた設定示唆用キャラクタ1702として頭部に「4」が描かれた設定示唆用キャラクタ1702を表出させる。
また、特図1同調演出開始コマンド及び特図2同調演出開始コマンドに基づいてパチンコ機1の設定値が「6」と特定したときには最終的な態様として設定値「6」に応じた設定示唆用キャラクタ1702となる設定値連続示唆演出パターンを高い確率で決定し、パチンコ機1の設定値が1と特定したときには最終的な態様として設定値「1」に応じた設定示唆用キャラクタ1702となる設定値連続示唆演出パターンを高い確率で決定することにより、最終的な設定示唆用キャラクタ1702の態様として高設定値に応じた設定示唆用キャラクタ1702が表示されたときには、高設定値に対する遊技者の期待度が高まるようになっている。
また、設定値連続示唆演出パターンには設定値連続示唆演出の実行中において装飾図柄の変動表示が開始されるごとに、演出表示装置1600に表示される設定示唆用キャラクタ1702の表示態様がどのように変化するのかが設定されている。なお、設定値連続示唆演出パターンには、演出表示装置1600に表示される設定示唆用キャラクタ1702の表示態様が1→2→3→4→5→6の順序とは逆の順序で変化しない(すなわち、高設定値に対する期待度が低下しない)ように設定されており、装飾図柄の変動表示が開始されるごとに
演出表示装置1600に表示される設定示唆用キャラクタ1702の表示態様が維持される(表示態様が変化しない)か、又は高設定値に応じた態様となるように設定されている。このため、低設定値に応じた表示態様で演出表示装置1600に設定示唆用キャラクタ1702が表示されたとしても、設定値連続示唆演出が終了するまでは設定示唆用キャラクタ1702の態様が高設定値に応じた態様に変化する可能性が残されており、設定示唆用キャラクタ1702の態様に対して最後まで期待をもって注目させることができる。
また、設定値連続示唆演出パターンには、必ずしも設定示唆用キャラクタ1702を設定値「1」に応じた態様で表示した後に2→3→4→5→6の順序で変化させる必要はなく、途中の表示態様から開始する(例えば、設定値連続示唆演出を開始してまず設定示唆用キャラクタ1702を設定値「2」で表示する)、途中の表示態様を経由することなく次の表示態様に変化する(例えば、設定値「2」に応じた設定示唆用キャラクタ1702を表示している場合に、装飾図柄の次の変動表示の開始に応じて「4」に応じた設定示唆用キャラクタ1702を表出させる)ようにも設定されている。このため、低設定値に応じた表示態様で設定示唆用キャラクタ1702が表示されたとしても、次にいずれの表示態様に変化するかを予測することができず、設定示唆用キャラクタ1702の表示態様に対して最後まで期待をもって注目させることができる。
なお、設定値連続示唆演出の実行頻度は上記設定値保留示唆演出と同様に保留予告演出に比べて低く設定される。即ち、保留予告演出は事前判定情報に基づいて実行され、当該保留予告演出を実行している保留記憶に基づく当別抽選結果に基づく特別抽選結果の示唆が行われると保留予告演出の内容はリセットされるのに対して、設定値連続示唆演出の内容はパチンコ機1の設定値が変更されるまでリセットされることなく継続するため、設定値連続示唆演出の実行頻度を保留予告演出に比べて低く設定することでパチンコ機1の設定値が特定されることを抑止している。
このように、本例のパチンコ機1では装飾図柄の複数回の変動表示に亘って設定示唆用キャラクタ1702を表出させることでパチンコ機1の設定値を示唆する設定値連続示唆演出を実行し得るようになっている。なお、設定値連続示唆演出は上記設定値保留示唆演出と同様に事前判定情報には基づいていないため、特別抽選結果を事前に取得することなしに実行可能である。
なお、設定示唆用キャラクタ1702を表出させる設定値連続示唆演出は、保留記憶数の上限(第一保留記憶数の上限は4、第二保留記憶数の上限は1)を超えて実行し得るようにしてもよい(例えば装飾図柄の5変動以上に亘って)。また、設定値連続示唆演出の実行中に保留記憶数が0になった場合には、第一始動口2002や第二始動口2004に遊技球が入球したことに基づいて装飾図柄の変動表示が開始されるときに設定値連続示唆演出を再開して設定示唆用キャラクタ1702を表出させるようにすればよく、この場合には設定値連続示唆演出を再開するまで設定示唆用キャラクタ1702を演出表示装置1600に表示させ続けるようにしてもよい。これにより、設定値連続示唆演出が継続していることを遊技者に認識させて遊技を継続させることができ、遊技を辞めてしまった場合でも新たな遊技者に継続中の設定値連続示唆演出に興味を抱かせて当該遊技機で遊技するように仕向けることができる。
また、設定値連続示唆演出は上記設定値保留示唆演出と並行して実行し得るものであってもよい。これにより、設定値保留示唆演出での演出態様と設定値連続示唆演出での演出態様との両方からパチンコ機1の設定値を推測させる新たな遊技を提供することができる。また、設定示唆用キャラクタ1702を複数種類設けて、大当り期待度に応じていずれかの設定示唆用キャラクタ1702を表出させるようにしてもよい。
[25.大当り確率や小当り確率以外での余剰設定の使用]
本実施形態では、設定値の設定変更を行うことが可能な状態において、RWMクリアボタン633zが設定切替ボタンとして作動するときにはRWMクリアボタン633zの押圧操作部を押圧操作することで、設定値(設定値1〜6)を変更することが可能であり、特別抽選等で用いられるテーブル(当り判定テーブル、大当り図柄決定テーブル、小当り図柄決定テーブル等)としては、確定した設定値に対応するテーブルを用いている。上記した実施形態では、それぞれの設定値に対応するテーブルには、「大当り確率」、「小当り確率」、「小当り種別」、「普通図柄当り確率」、及び「普図当り種別に応じた第二始動口の開閉パターン」の組み合わせが異なるように設定されているが、別例として、「大当り確率」や「小当り確率」が同じ設定値でありながらも、「大当り確率」や「小当り確率」以外の情報として、不正行為の監視体制が異なるように設定されるものであってもよい。
上記したように、ステップS112の不正行為検出処理では、各種の不正行為が監視されている。具体的には、パチンコ機1に磁石を近づけて遊技盤5に区画形成される遊技領域5aを流下する遊技球Bの進路を変更して遊技盤5に設けられる各種入賞口やゲート部(ゲート)に入球させるなどの不正行為を検知する磁気センサ2010が設けられており、主制御MPUが磁気センサ2010からの検出信号に基づいて不正行為の有無を判定し、磁石による不正行為を監視している。加えて、パチンコ機1をゆすったり、叩いたりすることでパチンコ機1に振動を加えて遊技盤5に区画形成される遊技領域5aを流下する遊技球Bの進路を変更して遊技盤5に設けられる各種入賞口やゲート部(ゲート)に入球させるなどの不正行為を検知する振動センサを設けることで、主制御MPUが振動センサからの検出信号に基づいて不正行為の有無を判定し、振動による不正行為を監視している。本例では、不正行為の監視体制として、不正行為を検知する検出センサ(磁気センサ2010、振動センサ)の検出感度を変更したり、不正行為を検知する検出センサ(磁気センサ2010、振動センサ)が不正行為であると判断する部位(対象領域)を変更したり、不正行為であると判断してエラー状態に移行した場合にそのエラー状態を解除する条件を変更したりすることを可能としている。
図205に示すように、本例では、「大当り確率」、「小当り確率」、「不正行為の監視体制」が、設定値1〜3、設定値1’〜3’のそれぞれの設定値に対応して設定されている。
具体的には、大当り確率(当り判定テーブルのうち大当りに当選したことを示す大当り判定値の割合)として、設定値1および設定値1’に「319分の1」、設定値2および設定値2’に「309分の1」、設定値3および設定値3’に「299分の1」が設定されている。本例では、設定値1〜3、設定値1’〜3’のそれぞれで、設定値が高くなるほど大当り確率が高くなるように設定されている。
また、小当り確率(当り判定テーブルのうち小当りに当選したことを示す小当り判定値の割合)として、第一特別図柄の特別抽選に用いられるテーブルでは、設定値1〜3、設定値1’〜3’のそれぞれに「100分の1」が設定されているのに対し、第二特別図柄の特別抽選に用いられるテーブルでは、設定値1〜3、設定値1’〜3’のそれぞれに「100分の50」が設定されている。なお、設定値1〜3、設定値1’〜3’のそれぞれでは、設定値が高くなるほど小当り確率が高くなるように設定されていてもよい。
また、不正行為の監視体制としては、設定値1〜3に「不正監視A」、設定値1’〜3’に「不正監視B」が設定されている。本例では、「不正監視A」のほうが「不正監視B」よりも監視体制が強化されるように設定されている。
本例では、設定値1と設定値1’、設定値2と設定値2’、設定値3と設定値3’のそれぞれで、「大当り確率」や「小当り確率」が同じ設定値でありながらも、不正行為の監視体制が「不正監視A」と「不正監視B」のいずれか一方に設定されている。例えば、設定キースイッチ1311aなどが設けられた設定変更基板1311において、6つの設定値を設定することが可能である場合に、「大当り確率」を3種類しか設定する必要がないとすると、3種類の「大当り確率」に対応した3つの設定値以外に、3つの余剰の設定値が発生することとなる。このように、6つの設定値を設定することが可能な設定変更基板1311を他の遊技機でも流用した場合、余剰の設定値が発生することもあるが、本例のように、余剰の設定値を不正行為の監視体制の変更にも用いることで、その余剰の設定値を有効に活用し、プログラム上の変更点を最小限に抑えることができる。
なお、設定変更に係る操作時における選択した設定値の表示態様として、設定1〜3では、7セグメントLED表示器単体で構成される設定表示器1310gに「1」「2」「3」を表示するとともに、その7セグメントLEDが通常点滅するように表示しているのに対し、設定1’〜3’では、設定表示器1310gに「1」「2」「3」を表示するとともに、その7セグメントLEDが高速点滅(設定1〜3よりも早い点滅)するように表示している。これにより、作業者が設定値の設定変更を行う際には、変更中の設定値が設定1〜3であるのか設定1’〜3’であるのかを明確に区別することができる。ただし、設定値の設定変更後にその設定値を決定した際には、設定値の表示態様として、設定1〜3と設定1’〜3’のいずれの場合にも7セグメントLEDの通常点滅や高速点滅を終了して通常の点灯で表示している。このため、作業者が設定変更後に設定値を決定した際には、設定値が設定1〜3であるのか設定1’〜3’であるのかが不明となる。
また、上記の別例として、設定変更に係る操作時における選択した設定値の表示態様について、設定1〜3では、7セグメントLED表示器単体で構成される設定表示器1310gに「1」「2」「3」を表示しているのに対し、設定1’〜3’では、設定表示器1310gに「1.」「2.」「3.」を表示するように、設定1〜3に比べてドットを追加してもよい。このような別例の場合、変更中にいずれも7セグメントLEDを通常点滅したとしても、変更中の設定値が設定1〜3であるのか設定1’〜3’であるのかを明確に区別することができる。また、設定値の設定変更後にその設定値を決定した際に、設定値の表示態様として、7セグメントLEDの通常点滅を終了して通常の点灯で表示したとしても、決定した設定値が設定1〜3であるのか設定1’〜3’であるのかを明確に区別することができる。
次に、「不正監視A」および「不正監視B」の具体的な監視体制としては、第一の具体例〜第五の具体例が挙げられる。本例では、「不正監視A」および「不正監視B」として、第一の具体例〜第五の具体例のうちいずれか1つ以上を実行するものであればよい。まず、第一の具体例として、不正行為を検知する検出センサ(磁気センサ2010、振動センサ)の検出感度を異ならせる場合について、以下に説明する。
第一の具体例として、「不正監視A」では、不正行為を検知する検出センサ(磁気センサ2010、振動センサ)の検出感度を高くするのに対し、「不正監視B」では、不正行為を検知する検出センサ(磁気センサ2010、振動センサ)の検出感度を低くしている。パチンコ機1の個体差やホール内の設置場所により、不正行為を検知する検出センサが過剰に検出する場合には、「不正監視B」を選択することで、その過剰に検出することを防止することができる。一方、不正行為を検知する検出センサによる検出が鈍い場合には、「不正監視A」を選択することで、その鈍く検出することを防止することができる。また、磁石ゴトや振動ゴトの対策を強化したい場合には、「不正行為A」を選択することで、磁石ゴトや振動ゴトによる不正行為の監視を強化することができる。
なお、「不正監視A」では、不正行為を検知する検出センサ(磁気センサ2010、振動センサ)から検出信号が入力される際に、その検出信号が入力される時間が短い場合や、検出信号が入力される回数が少ない場合であっても、不正行為であると判断するのに対し、「不正監視B」では、検出信号が入力される時間が長い場合や、検出信号が入力される回数が多い場合に、不正行為であると判断するようにしてもよい。このような場合にも、不正行為を検知する検出センサの検出感度を異ならせた場合である上記と同様の効果を得ることができる。
次いで、第二の具体例として、不正行為を検知する検出センサ(磁気センサ2010、振動センサ)が不正行為であると判断する部位(対象領域)を異ならせる場合について、以下に説明する。
本例では、磁石による不正行為を検知する磁気センサ2010として、遊技盤5の後側に位置する設定変更基板1311や設定キースイッチ1311aの周辺における磁気の発生を検知することが可能な設定操作部磁気センサ2010aと、遊技盤5の前側に位置する遊技領域5aの前方における磁気の発生を検知することが可能な遊技領域部磁気センサ2010bと、が設けられている。そして、設定操作部磁気センサ2010aによっては、設定変更基板1311や設定キースイッチ1311aが設けられた領域に対して磁石が近づいたかを監視し、設定値の設定変更や確認表示を行う者以外がその設定変更や確認表示しようとするなどの不正行為を監視している。一方、遊技領域部磁気センサ2010bによっては、遊技領域5aの前方の領域に対して磁石が近づいたかを監視し、遊技領域5aを流下する遊技球Bの進路を変更して遊技盤5に設けられる各種入賞口やゲート部(ゲート)に入球させるなどの不正行為を監視している。
同様に、振動による不正行為を検知する振動センサとして、遊技盤5の後側に位置する設定変更基板1311や設定キースイッチ1311aの周辺における振動の発生を検知することが可能な設定操作部振動センサと、遊技盤5に設けられたセンター役物2500の第三振分装置2550の周辺における振動の発生を検知することが可能な遊技領域部振動センサと、が設けられている。そして、設定操作部振動センサによっては、設定変更基板1311や設定キースイッチ1311aが設けられた領域に対して振動が加えられたかを監視し、設定値の設定変更や確認表示を行う者以外がその設定変更や確認表示しようとするなどの不正行為を監視している。一方、遊技領域部振動センサによっては、第三振分装置2550に対して振動が加えられたかを監視し、第三振分装置2550における遊技球Bの進路を変更して第二V入賞口2008に遊技球Bを入球させるなどの不正行為を監視している。
第二の具体例として、「不正監視A」では、不正行為を検知する検出センサ(磁気センサ2010、振動センサ)の全てを用いて、不正行為であると判断する部位を多くするのに対し、「不正監視B」では、不正行為を検知する検出センサ(磁気センサ2010、振動センサ)の一部である設定操作部磁気センサ2010a、設定操作部振動センサのみを用いて、不正行為であると判断する部位を少なくしている。つまり、「不正監視A」では、遊技盤5の後側に位置する設定変更基板1311や設定キースイッチ1311aの周辺における磁気の発生を検知するだけでなく、遊技盤5の前側に位置する遊技領域5aの前方における磁気や振動の発生を検知することが可能であるのに対し、「不正監視B」では、遊技盤5の後側に位置する設定変更基板1311や設定キースイッチ1311aの周辺における磁気や振動の発生のみ検知することが可能である。例えば、遊技領域部磁気センサ2010b、遊技領域部振動センサに不具合が生じ、不正行為が行われていないにもかかわらず、そのような検出センサが頻繁に検出する場合には、「不正監視B」を選択することで、その頻繁に検出することを防止することができる。また、磁石ゴトや振動ゴトの対策を強化したい場合には、「不正監視A」を選択することで、遊技領域5aの前方に対しても不正行為を監視し、磁石ゴトや振動ゴトによる不正行為の監視を強化することができる。
なお、本例では、磁石による不正行為を検知する磁気センサ2010として、設定操作部磁気センサ2010aと、遊技領域部磁気センサ2010bと、の2つの磁気センサが設けられているが、磁気の発生した箇所(遊技盤5の後側に位置する設定変更基板1311や設定キースイッチ1311aの周辺であるのか、遊技盤5の前側に位置する遊技領域5aの前方であるのか)を特定することが可能な1つの磁気センサを設けるようにしてもよい。同様に、振動による不正行為を検知する振動センサとして、設定操作部振動センサと、遊技領域部振動センサと、の2つの振動センサが設けられているが、振動の発生した箇所(遊技盤5の後側に位置する設定変更基板1311や設定キースイッチ1311aの周辺であるのか、遊技盤5に設けられたセンター役物2500の第三振分装置2550の周辺であるのか)を特定することが可能な1つの振動センサを設けるようにしてもよい。このような場合にも、「不正監視B」では、遊技盤5の後側に位置する設定変更基板1311や設定キースイッチ1311aの周辺において磁気や振動が発生したと特定した場合のみ、不正行為であると判断することで、上記と同様の効果を得ることができる。
次いで、第三の具体例として、不正行為であると判断してエラー状態に移行した場合にそのエラー状態を解除する条件を異ならせる場合について、以下に説明する。
第三の具体例として、「不正監視A」では、不正行為であると判断してエラー状態に移行した場合に、電源を再投入することでエラー状態を解除することが可能であるのに対し、「不正監視B」では、不正行為であると判断してエラー状態に移行した場合に、所定の時間(例えば、3分)が経過することでエラー状態を自動的に解除することを可能にしている。つまり、「不正監視A」では、不正行為であると判断してエラー状態に移行した場合に、ホール店員が、外枠2に対して本体枠4を開放する作業を行い、電源スイッチ630aを操作してパチンコ機1の電源を再投入しなければ、エラー状態を解除することができない。なお、不正行為を検知する検出センサ(磁気センサ2010、振動センサ)が磁気や振動の発生を検出した場合には、エラー状態に移行し、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって、磁気や振動の発生による異常な状態であることを通知する異常発生演出を実行しており、遊技が進行するのを正常に把握することが困難となる。このため、「不正監視A」を選択した場合には、不正行為であると判断してエラー状態に移行した際に、ホール店員による作業が必要となり、その不正行為をホール店員が把握することとなることから、不正行為に対する抑止力を高くすることができる。また、磁石ゴトや振動ゴトの対策を強化したい場合には、「不正監視A」を選択することで、磁石ゴトや振動ゴトによる不正行為の監視を強化することができる。
次いで、第四の具体例として、不正行為であると判断してエラー状態に移行した場合にそのエラー状態に関する情報を、パチンコ機1の外部端子板558を介して遊技ホール側に設置されたホールコンピュータに出力するか否かを異ならせる場合について、以下に説明する。
第四の具体例として、「不正監視A」では、不正行為であると判断してエラー状態に移行した場合に、そのエラー状態に関する情報を、パチンコ機1の外部端子板558を介して遊技ホール側に設置されたホールコンピュータに出力するのに対し、「不正監視B」では、不正行為であると判断してエラー状態に移行した場合であっても、そのエラー状態に関する情報をホールコンピュータに出力しないようにしている。つまり、「不正監視A」では、不正行為であると判断してエラー状態に移行した際に、その場にいなくても、不正行為をホール店員が即座に把握しうることから、不正行為に対する抑止力を高くすることができる。また、磁石ゴトや振動ゴトの対策を強化したい場合には、「不正監視A」を選択することで、磁石ゴトや振動ゴトによる不正行為の監視を強化することができる。
次いで、第五の具体例として、不正行為であると判断してエラー状態に移行した場合にそのエラー状態に関する情報を、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって外部報知するか否かを異ならせる場合について、以下に説明する。
第五の具体例として、「不正監視A」では、不正行為であると判断してエラー状態に移行した場合に、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって、磁気や振動の発生による異常な状態であることを通知する異常発生演出を実行するなどし、エラー状態に関する情報を外部報知しているのに対し、「不正監視B」では、不正行為であると判断してエラー状態に移行した場合であっても、そのエラー状態に関する情報を外部報知しないようにしている。つまり、「不正監視A」では、不正行為であると判断してエラー状態に移行した際に、エラー状態に関する情報の外部報知によって不正行為者が警告を受けることとなり、不正行為に対する抑止力を高くすることができる。また、磁石ゴトや振動ゴトの対策を強化したい場合には、「不正監視A」を選択することで、磁石ゴトや振動ゴトによる不正行為の監視を強化することができる。
なお、本例では、設定値1〜3に「不正監視A」、設定値1’〜3’に「不正監視B」が設定されており、主制御MPUが周辺制御基板1510に向けて、設定値に関する情報をコマンドとして送信することで、周辺制御基板1510側で、「不正監視A」と「不正監視B」のいずれで待機するべきであるのかを判断することができる。このため、不正行為であると判断してエラー状態に移行した場合に、主制御MPUが周辺制御基板1510に向けて、エラー状態に関する情報をコマンドとして送信したときに、周辺制御基板1510側で、エラー状態に関する情報を外部報知するか否かを判断することができる。
なお、「不正監視B」では、不正行為であると判断してエラー状態に移行した場合に、エラー状態に関する情報を外部報知するようにし、その際、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力を、「不正監視A」よりも抑えた(目立たない)態様で実行するようにしてもよい。例えば、「不正監視B」では、エラー状態に関する情報を外部報知する際に、ランプやスピーカからの出力を止めて、演出表示装置1600の画像のみ表示するようにしてもよい。このような場合にも、エラー状態に関する情報を外部報知するか否かを異ならせた場合である上記と同様の効果を得ることができる。
上記では、6つの設定値を設定することが可能な設定変更基板1311を用い、「大当り確率」を3種類しか設定する必要がなく、3つの余剰の設定値が発生した場合について説明した。つまり、設定値1’〜3’では、設定値1〜3と「大当り確率」や「小当り確率」が同じ設定値でありながらも、不正行為の監視体制を「不正監視A」に設定した設定値1〜3に対し、「不正監視B」を設定するようにしたが、これに限定されることがなく、例えば、5種類の「大当り確率」に対応した設定値1〜5を設定し、1つの余剰の設定値が発生した場合には、その1つの余剰の設定値に対して不正行為の監視体制を異ならせるようにすればよい。例えば、1つの余剰の設定値である設定値1’では、設定値1〜5のうち設定値1と「大当り確率」や「小当り確率」が同じ設定値でありながらも、不正行為の監視体制を「不正監視A」に設定した設定値1〜5に対し、「不正監視B」を設定するようにすればよい。このような場合にも、余剰の設定値を有効に活用することができる。
また、上記では、不正行為の監視体制として「不正監視A」と「不正監視B」のいずれか一方を設定しているが、不正行為の監視体制が異なる「不正監視A」、「不正監視B」、「不正監視C」のいずれか1つを設定してもよい。なお、「不正監視C」、「不正監視B」、「不正監視A」の順で不正行為の監視を強化している。例えば、2種類の「大当り確率」に対応した設定値1,2を設定し、4つの余剰の設定値が発生した場合について説明すると、不正行為の監視体制を「不正監視A」に設定した設定値1,2に対し、「大当り確率」や「小当り確率」が同じ設定値でありながらも「不正監視B」に設定した設定値1’,2’や、「大当り確率」や「小当り確率」が同じ設定値でありながらも「不正監視C」に設定した設定値1’’,2’‘’を、余剰の設定値として設定すればよい。このような場合にも、余剰の設定値を有効に活用することができる。
上記では、「大当り確率」や「小当り確率」が同じ設定値でありながらも、不正行為の監視体制が異なるように設定される場合について説明したが、「大当り確率」や「小当り確率」以外の情報として、遊技盤5や扉枠3に設けられた複数の役物(可動物)の全部あるいは一部の動作体制が異なるように設定されるものであってもよい。このような遊技盤5や扉枠3に設けられた複数の役物(可動物)の一部の動作体制が異なるように設定される場合について、第六の具体例として、以下に説明する。
図206に示すように、第六の具体例では、遊技盤5や扉枠3に設けられた複数の役物(可動物)のうちの特定役物(特定可動物)の動作体制として、設定値1〜3に「特定役物動作あり」、設定値1’〜3’に「特定役物動作なし」が設定されている点が、「不正行為の監視体制」が設定された第一の具体例〜第五の具体例とは異なる。つまり、第六の具体例では、設定値1と設定値1’、設定値2と設定値2’、設定値3と設定値3’のそれぞれで、「大当り確率」や「小当り確率」が同じ設定値でありながらも、特定役物(特定可動物)の動作体制が「特定役物動作あり」と「特定役物動作なし」のいずれか一方に設定されている。なお、遊技盤5や扉枠3に設けられた複数の役物(可動物)は、各々駆動モータやソレノイドなどの駆動源を用いて動作することが可能であり、例えば、本実施例の特定役物は、前述した演出操作ユニット300における演出操作ボタンユニット360からなり、前述した動作機構によって演出操作ユニット300は昇降動作することが可能となっている。この演出操作ユニット300は、遊技者が直接接触して操作可能なものであるが故、他の役物に比べて故障や不具合が生じる可能性が高いものである。そして、「特定役物動作あり」では、特定役物の動作(演出操作ユニット300は昇降動作)を伴う可動物演出の実行中の所定のタイミングで特定役物が動作するように制御するのに対し、「特定役物動作なし」では、特定役物の動作を伴う可動物演出を実行することなく、特定役物が動作しないように制御している。例えば、特定役物の動作機構に不具合が生じ、特定役物が正常に動作しなくなった場合には、「特定役物動作なし」を選択することで、特定役物の動作が途中で停止してしまい遊技の継続が困難になるといった状況が発生することを防止することができる。
なお、本例では、複数の変動パターンのうち、特定役物の動作を伴う可動物演出の実行が設定される変動パターンを決定した場合に、「特定役物動作あり」では、特定役物の動作を伴う可動物演出の実行中の所定のタイミングで特定役物が動作するように制御するのに対し、「特定役物動作なし」では、特定役物の動作を伴う可動物演出を実行することなく、特定役物が動作しないように制御している。これに対し、「特定役物動作あり」と「特定役物動作なし」で、変動パターンを決定するための変動パターンテーブルを変更するようにしてもよく、例えば、「特定役物動作あり」では、複数の変動パターンのうち、特定役物の動作を伴う可動物演出の実行が設定される変動パターンを決定することを可能とするのに対し、「特定役物動作なし」では、特定役物の動作を伴う可動物演出の実行が設定される変動パターンを決定しないように制御してもよい。このような場合にも、「特定役物動作なし」では、特定役物の動作を伴う可動物演出を実行することなく、特定役物が動作しないように制御することで、上記と同様の効果を得ることができる。
また、本例では、特定役物(特定可動物)の動作体制が「特定役物動作あり」である設定値1〜3に設定した場合には、電源投入時(設定変更後)に特定役物の初期動作が行われるのに対し、「特定役物動作なし」である設定値1’〜3’に設定した場合には、電源投入時(設定変更後)に特定役物の初期動作が行われないようにしている。これにより、複数の役物(可動物)のうちの特定役物(特定可動物)が動作対象から外されていることを改めて認識させることができる。また、特定役物(特定可動物)の動作に関して、作業者が意図した設定値であるかどうかを確認することができ、作業者が意図しない設定値に間違えるといった状況が発生することを防止することができる。
上記とは異なり、特定役物(特定可動物)の動作に関する不具合の有無確認を優先する場合には、それを正確に知らせる上で、「特定役物動作あり」と「特定役物動作なし」のいずれを設定した場合にも、電源投入時(設定変更後)に特定役物の初期動作が行われるようにしてもよい。
また、「特定役物動作あり」と「特定役物動作なし」のいずれが設定されているかについては、設定表示器1310gに表示される設定値によって確認することができるが、設定表示器1310g以外でも報知するようにしてもよい。例えば、設定値の設定変更の完了時において、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって「特定役物動作ありに設定しました/特定役物動作なしに設定しました」の報知を行ったり、遊技が行われていない期間の待機画面として、その旨の報知を行ったりして、複数の役物(可動物)のうちの特定役物(特定可動物)が動作対象であるかどうかを認識することができる。
また、本例では、作業者による設定値の設定変更によって、「特定役物動作あり」と「特定役物動作なし」のいずれか一方に設定することを可能にしているが、そのような初期設定した後に、遊技者によりその初期設定を他の設定に変更可能としてもよい。例えば、遊技が行われていない期間の待機画面の表示中に、遊技者が「特定役物動作あり」と「特定役物動作なし」のいずれか一方に変更することを可能にしてもよい。すなわち、設定値1〜3に「特定役物動作あり」、設定値1’〜3’に「特定役物動作なし」が設定されており、主制御MPUが周辺制御基板1510に向けて、設定値に関する情報をコマンドとして送信することで、周辺制御基板1510側で、初期設定としていずれか一方の設定を実行するようになるが、初期設定後に遊技者が他の設定に変更した場合には、周辺制御基板1510側で、初期設定よりも遊技者が変更した設定を優先して実行するようにしている。
また、複数の役物(可動物)のうちの特定役物(特定可動物)は、演出操作ユニット300における演出操作ボタンユニット360に限られず、遊技盤5や扉枠3に設けられるものや、演出表示装置1600の画面前方外から画面前方に向けて動作するものであってもよい。また、本例では、設定値の設定変更によって、複数の役物(可動物)のうちの特定役物(特定可動物)の動作体制の変更を可能としているが、特定役物に限られず、複数の役物(可動物)あるいは全ての役物の動作体制の変更を可能とし、その対象となった役物を「役物動作あり」と「役物動作なし」のいずれか一方に設定するようにしてもよい。また、役物(可動物)は、遊技盤5や扉枠3だけでなく、外枠2や本体枠4に設けられてもよく、そのような役物についても、動作体制の変更を可能とする対象としてもよい。
[26.不正監視]
本実施形態では、上述したステップS112の不正行為検出処理において、各種の不正行為が監視されている。具体的には、パチンコ機1に磁石を近づけて遊技盤5に区画形成される遊技領域5aを流下する遊技球Bの進路を変更して遊技盤5に設けられる各種入賞口やゲート部(ゲート)に入球させるなどの不正行為を検知する磁気センサ2010が設けられており、主制御MPUが磁気センサ2010からの検出信号に基づいて不正行為の有無を判定し、磁石による不正行為を監視している。加えて、パチンコ機1をゆすったり、叩いたりすることでパチンコ機1に振動を加えて遊技盤5に区画形成される遊技領域5aを流下する遊技球Bの進路を変更して遊技盤5に設けられる各種入賞口やゲート部(ゲート)に入球させるなどの不正行為を検知する振動センサを設けることで、主制御MPUが振動センサからの検出信号に基づいて不正行為の有無を判定し、振動による不正行為を監視している。これらの不正行為の監視については、通常時と、設定値の設定変更や設定値の確認表示が行われている状態とで、監視する態様を異ならせている。
[26−1.通常時における不正監視について]
まず、通常時における不正行為の監視について、以下に説明する。ここで、通常時とは、本体枠4が閉鎖している状態、且つ、設定値の設定変更や設定値の確認表示が行われていない状態であり、図柄変動や大当り遊技、小当り遊技などの遊技を行うことが可能な状態を指している。
本例では、磁石による不正行為を検知する磁気センサ2010として、遊技盤5の後側に位置する設定変更基板1311や設定キースイッチ1311aの周辺における磁気の発生を検知することが可能な設定操作部磁気センサ2010aと、遊技盤5の前側に位置する遊技領域5aの前方における磁気の発生を検知することが可能な遊技領域部磁気センサ2010bと、が設けられている。そして、通常時には、設定操作部磁気センサ2010aを用いてパチンコ機1の裏面側の所定領域に対する不正行為を監視している。つまり、通常時には、設定操作部磁気センサ2010aによって、パチンコ機1の裏面側における設定変更基板1311や設定キースイッチ1311aが設けられた領域に対して、本来発生するはずのない磁気(不正なアクセスによる磁気)が発生したか(磁石が近づいたか)を監視し、設定値の設定変更や確認表示を行う者以外がその設定変更や確認表示しようとするなどの不正行為を監視している。磁石を用いたパチンコ機1の裏面側に対する不正行為としては、例えば、パチンコ機1が設置される島設備内(パチンコ機1の裏面側が露呈される空間内)に金属製の不正器具と、その金属製の不正器具を間接的に操作する磁石とを仕込んでおき、パチンコ機1と島設備内との僅かな隙間やパチンコ機1の一部を破壊した開口を通じて磁石および金属製の不正器具を操作し、パチンコ機1の裏面側における設定変更基板1311や設定キースイッチ1311aに不正にアクセスする行為が考えられる。なお、ステップS112の不正行為検出処理において、設定操作部磁気センサ2010aからの検出信号が入力されたときには、設定変更基板1311や設定キースイッチ1311aが設けられた領域に対して磁石を用いた不正行為が行われていると判断している。
同様に、通常時には、遊技領域部磁気センサ2010bを用いてパチンコ機1の表面側の所定領域に対する不正行為を監視している。つまり、通常時には、遊技領域部磁気センサ2010bによって、遊技領域5aの前方の領域に対して、本来発生するはずのない磁気(不正なアクセスによる磁気)が発生したか(磁石が近づいたか)を監視し、遊技領域5aを流下する遊技球Bの進路を変更して遊技盤5に設けられる各種入賞口やゲート部(ゲート)に入球させるなどの不正行為を監視している。なお、ステップS112の不正行為検出処理において、遊技領域部磁気センサ2010bからの検出信号が入力されたときには、遊技領域5aの前方の領域に対して磁石を用いた不正行為が行われていると判断している。
なお、本例では、磁石による不正行為を検知する磁気センサ2010として、設定操作部磁気センサ2010aと、遊技領域部磁気センサ2010bと、の2つの磁気センサが設けられているが、これら2つの磁気センサ2010a、2010bは同一の性能を有するものでもよい。すなわち、この2つの磁気センサ2010a、2010bは、図示は省略するが、矩形箱状のセンサ体で構成されており、一方側の側面に対して垂直方向に感度が強い指向性を有する第1の磁気検出領域内での磁気検出と、その反対側である他方側の側面に対して垂直方向に感度が強い指向性を有する第2の磁気検出領域内での磁気検出とを行うことができるようになっている。なお、「垂直方向に感度が強い」とは、各側面に対して水平方向と比べて垂直方向に感度が強いという意味であって、水平方向に感度が全くないという意味ではない。換言すると、各側面から発せられる磁気検出領域は、それぞれ球体状に囲まれた広域な領域となっている。そして、遊技領域部磁気センサ2010bは、こうしたセンサ体の側面から発する第1の磁気検出領域と第2の磁気検出領域とがパチンコ機1の正面視で左右方向あるいは上下方向に広がるように配置され、パチンコ機1の表面側の広範(例えば第一始動口2002、第二始動口2004、普通入賞口2003、大入賞口2005などの入賞口や、その他球流路の主要部位などのうちの複数箇所)を監視できるようにしている。一方で、設定操作部磁気センサ2010aは、上述のセンサ体の側面から発する第1の磁気検出領域と第2の磁気検出領域とがパチンコ機1の正面視で前後方向に広がるように、且つ、一方の磁気検出領域がパチンコ機1の裏面側を包含するように配置され、パチンコ機1の裏面側における設定変更基板1311や設定キースイッチ1311aが設けられた領域を監視できるようにしている。
なお、2つの磁気センサ2010a、2010bで同一の性能を有さない実施形態とすることもできる。例えば、磁気センサ2010a、2010bに代えて、磁気の発生した箇所(遊技盤5の後側に位置する設定変更基板1311や設定キースイッチ1311aの周辺であるのか、遊技盤5の前側に位置する遊技領域5aの前方であるのか)を特定することが可能な1つの磁気センサを設けるようにしてもよい。このような構成でも、設定変更基板1311や設定キースイッチ1311aが設けられた領域に対して磁石が近づいたかや、遊技領域5aの前方の領域に対して磁石が近づいたかをそれぞれ監視することができる。
また、本例では、振動による不正行為を検知する振動センサとして、遊技盤5の後側に位置する設定変更基板1311や設定キースイッチ1311aの周辺における振動の発生を検知することが可能な設定操作部振動センサと、遊技盤5に設けられたセンター役物2500の第三振分装置2550の周辺における振動の発生を検知することが可能な遊技領域部振動センサと、が設けられている。そして、通常時には、設定操作部振動センサを用いて不正行為を監視している。つまり、通常時には、設定操作部振動センサによって、設定変更基板1311や設定キースイッチ1311aが設けられた領域に対して、本来発生するはずのない振動(不正なアクセスによる振動)が加えられたかを監視し、設定値の設定変更や確認表示を行う者以外がその設定変更や確認表示しようとするなどの不正行為を監視している。なお、ステップS112の不正行為検出処理において、設定操作部振動センサからの検出信号が入力されたときには、設定変更基板1311や設定キースイッチ1311aが設けられた領域に対して振動による不正行為が行われていると判断している。
一方、通常時のうち小当り遊技中のみ、遊技領域部振動センサを用いて不正行為を監視し、小当り遊技以外では、遊技領域部振動センサを用いての不正行為の監視を行っていない。これは、小当り遊技では、第三振分装置2550において、第二振分装置2540により第二V入賞口側に振分けられた遊技球Bを第二V入賞口2008とハズレ側とのいずれかに振り分けるようにしているが、第三振分装置2550に対して振動が加えられると、第三振分装置2550における遊技球Bの進路を変更して第二V入賞口2008に遊技球Bを入球させることが可能になってしまい、そのような不正行為を防止するためである。つまり、通常時のうち小当り遊技中には、遊技領域部振動センサによって、第三振分装置2550に対して、本来発生するはずのない振動(不正なアクセスによる振動)が加えられたかを監視し、第三振分装置2550における遊技球Bの進路を変更して第二V入賞口2008に遊技球Bを入球させるなどの不正行為を監視している。なお、ステップS112の不正行為検出処理において、遊技領域部振動センサからの検出信号が入力されたときには、第三振分装置2550に対して振動による不正行為が行われていると判断している。
なお、本例では、振動による不正行為を検知する振動センサとして、設定操作部振動センサと、遊技領域部振動センサと、の2つの振動センサが設けられているが、振動の発生した箇所(遊技盤5の後側に位置する設定変更基板1311や設定キースイッチ1311aの周辺であるのか、遊技盤5に設けられたセンター役物2500の第三振分装置2550の周辺であるのか)を特定することが可能な1つの振動センサを設けるようにしてもよい。このような構成でも、設定変更基板1311や設定キースイッチ1311aが設けられた領域に対して振動が加えられたかや、第三振分装置2550に対して振動が加えられたかをそれぞれ監視することができる。
また、通常時には、ステップS113の発射許可信号設定処理において、遊技球Bの発射を払出制御基板633の発射制御部633bに対して許可する旨を伝える発射許可信号の論理を設定し、遊技者がハンドル182を操作したときに遊技球Bを発射することを可能としている。
また、通常時には、第一始動口2002、第二始動口2004、普通入賞口2003、大入賞口2005などの入賞口に遊技球Bが入賞したときに、各々に対応する検出センサからの検出信号を主制御MPUが入力し、遊技球Bの検出を有効なものとして扱うようにしている。具体的には、遊技球Bの検出を無効とする場合には、例えば、第一始動口2002や第二始動口2004に遊技球Bが入賞したとしても、図柄変動が行われず、遊技球Bの払出しも行われることがないのに対し、遊技球Bの検出を有効とする場合には、第一始動口2002や第二始動口2004に遊技球Bが入賞したときに、図柄変動が行われるとともに、遊技球Bの払出しが行われることを可能としている。
また、通常時には、図柄変動中における回転操作部302や押圧操作部303を用いた演出が実行されている期間を除いて、スピーカから出力される音量や、ランプや演出表示装置1600の画面などの発光部材から出力される光量を調整することを可能としている。具体的には、押圧操作部303を操作することで演出表示装置1600に調整用の画像を表示した後、回転操作部302を回転操作することで音量や光量を調整することを可能としている。なお、図柄変動中における回転操作部302や押圧操作部303を用いた演出が実行されている期間には、その演出に対して回転操作部302や押圧操作部303が操作されることを待機した状態であるため、回転操作部302や押圧操作部303を操作したとしても、音量や光量を調整することができない禁止期間としている。
[26−2.設定値の設定変更中における不正監視について]
次に、設定値の設定変更中における不正行為の監視について、図207を参照して説明する。図207は、設定値の設定変更中における不正行為の監視状態を示すタイムチャートである。
設定値の設定変更を行う場合には、まず、パチンコ機1が電源投入されていない状態(パチンコ機1の電源が遮断されている状態)において、外枠2に対して本体枠4を開放する作業を行い(タイミングt1)、続いて設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーを差し込み、設定キーシリンダを時計方向へ向かって60度回動操作して第1のON操作することにより設定キースイッチ1311aを設定キーONとする(タイミングt2)。そして、電源スイッチ630aを操作してパチンコ機1の電源投入を行うことで(タイミングt3)、設定値の設定変更を行うことが可能な状態(変更許可状態)となる。そのような変更許可状態では、RWMクリアボタン633zが設定切替ボタンとして作動するときにはRWMクリアボタン633zの押圧操作部を押圧操作するごとに、設定値(設定値1〜6)を変更することが可能であり、その後に設定キーシリンダを反時計方向へ向かって120度回動操作して第2のON操作することにより設定キースイッチ1311aを決定キーONとし、続いて設定キースイッチ1311aを決定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置へ戻すように設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作することにより設定キースイッチ1311aをOFFとする(タイミングt4)。つまり、タイミングt3からタイミングt4までの期間については、設定値の設定変更を行うことが可能な状態(変更許可状態)であり、設定キースイッチ1311aをOFFとしたタイミングt4の後には、設定値の設定変更を行うことが不能な状態(変更不能状態)となる。そして、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口から設定キーを抜き取り、外枠2に対して本体枠4を閉鎖する作業を行うことで(タイミングt5)、遊技を行うことが可能な状態となる。
本例では、タイミングt3でのパチンコ機1の電源投入時において、主制御MPUが主制御電源投入時処理(図142、図143参照)を開始するが、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとするまでは、ステップS37の設定変更処理を終了しないようにし(設定変更処理のステップS222で設定キースイッチ1311aのOFF操作があったと判断しない)、タイミングt3からタイミングt4までの期間には、その後のステップS52の割り込み許可設定が行われないように禁則し、通常の電源投入に比べてステップS52の割り込み許可設定の実行タイミングを遅延させている。そして、ステップS52の割り込み許可設定が行われるまでは、主制御側タイマ割り込み処理(図144参照)を開始しないため、主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS104のスイッチ入力処理、ステップS112の不正行為検出処理、ステップS113の発射許可信号設定処理などが未実行とされて待機された状態となる。つまり、タイミングt3からタイミングt4までの期間については、設定値の設定変更を行うことが可能な状態(変更許可状態)であるが、不正行為の監視を実行しないようにし、また、遊技球Bの発射を許可しないとともに、入賞口に遊技球Bが入賞した際に検出信号の入力を有効なものとしない特殊な期間としている。なお、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態では、設定値の設定変更中に関する情報を、パチンコ機1の外部端子板558を介して遊技ホール側に設置されたホールコンピュータに出力し、設定変更中であることをホール店員が把握しうるようにしている。
具体的には、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態には、設定操作部磁気センサ2010aを用いての不正行為の監視や、遊技領域部磁気センサ2010bを用いての不正行為の監視全体を実行しないようにしている。これは、変更許可状態では、設定値の設定変更を行う正規の作業者が設定キースイッチ1311aやRWMクリアボタン633z(RWMクリアボタン633zが設定切替ボタンとして作動する状態となっている。)を操作しており、設定値の設定変更を行う正規の作業者以外が、磁石を用いた不正行為を行う余地がないためである。また、設定値の設定変更を行う際に、その設定変更を行う正規の作業者が磁気を発生しうるものを有していたとしても、磁石を用いた不正行為として検出されることを防止し、正規の設定変更作業の阻害を抑制することができる。
同様に、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態には、設定操作部振動センサを用いての不正行為の監視や、遊技領域部振動センサを用いての不正行為の監視全体を実行しないようにしている。これは、変更許可状態では、設定値の設定変更を行う正規の作業者が設定キースイッチ1311aやRWMクリアボタン633z(RWMクリアボタン633zが設定切替ボタンとして作動する状態となっている。)を操作しており、その設定変更を行う正規の作業者以外が、振動による不正行為を行う余地がないためである。また、設定値の設定変更を行う際に、その設定変更を行う正規の作業者が振動を加えてしまったとしても、振動による不正行為として検出されることを防止し、正規の設定変更作業の阻害を抑制することができる。
また、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態には、遊技球Bの発射を払出制御基板633の発射制御部633bに対して許可する旨を伝える発射許可信号の論理を設定しないようにし、遊技球Bの発射を禁止している。これにより、設定値の設定変更を行う正規の作業者がハンドル182に触れてしまっても、遊技球Bが発射されないようにでき、正規の設定変更作業の阻害を抑制することができる。また、万一、変更許可状態にて遊技者がハンドル182を操作したとしても、遊技球Bを発射できないようにしている。
また、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態には、第一始動口2002、第二始動口2004、普通入賞口2003、大入賞口2005などの入賞口や各種のゲート部(ゲート)に遊技球Bが入球した際に、各々に対応する検出センサからの検出信号を主制御MPUが入力することがなく、遊技球Bの検出を無効なものとして扱うようにしている。なお、検出センサによる遊技球Bの検出自体を行わないようにしたり、検出センサからの検出信号を入力しながらも無効なものとして扱うようにしたりしてもよい。このように、遊技球Bの検出を無効とする場合には、例えば、第一始動口2002や第二始動口2004に遊技球Bが入球したとしても、抽選、図柄変動、遊技球Bの払出しの何れについても行われることがなくなり、これにより、設定値の設定変更を行う正規の作業中に何らかの事情で遊技球Bが第一始動口2002や第二始動口2004に入球したとしても、それによる遊技進行を抑制することができる。
また、図示は省略したが、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態には、入賞口やゲート部(ゲート)など各々に対応する検出センサからの検出信号を主制御MPUが入力することがないのと同時に、アウト口1008に対応する検出センサからの検出信号も主制御MPUが入力することがないようにして、遊技球Bの検出を無効なものとして扱うようにしている。このように、アウト口1008から排出される遊技球Bの検出を無効とする場合には、例えば、変更許可状態にて遊技領域5aから排出された遊技球Bについて、上記したベースモニタ1310hによる計測対象(アウト数カウンタへの加算対象)から除外することが可能になり、遊技領域5a内に玉掛かり(球詰まり)等で残存していた遊技球Bが変更許可状態で検出されてベースモニタ1310hに計測(アウト数カウンタに加算)されてしまう、といった事態を回避することができる。
また、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態には、回転操作部302や押圧操作部303を操作したとしても、スピーカから出力される音量や、ランプや演出表示装置1600の画面などの発光部材から出力される光量を調整できないようにしている。
また、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態には、演出表示装置1600の画面における図柄表示を消去し、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって、設定値の設定変更中であることを通知する設定変更中報知(設定変更関連報知)を実行している。設定変更中報知としては、「設定変更中です」を繰り返す音声と、「設定変更中!」というメッセージ表示、選択操作過程における1〜6の設定値に対応した色でのランプ発光を実行することとしている。この設定変更中報知は、変更許可状態でのみ行われる報知(演出)であり、外枠2に対して本体枠4が開放した状態で行われる本体枠開放報知よりも優先して実行される。すなわち、外枠2に対して本体枠4が開放した状態では、通常では本体枠開放報知(「枠が開いています」の表示や音声など)を行うものの、変更許可状態では、本体枠開放報知を行うことなく設定変更中報知を最優先に実行することとしている。なお、本体枠開放報知と設定変更中報知とを並行して実行するようにし、設定変更中報知を本体枠開放報知よりも優先して、設定変更中報知が終了した後に本体枠開放報知を行う形態も例示できる。
また、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態には、上記した設定変更中報知として、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力に加えて、機能表示ユニット1400による通知も実行している。具体的には、機能表示ユニット1400には、図示は省略するが、状態表示器、普通図柄表示器、普通保留表示器、第一特別図柄表示器、第一特別保留数表示器、第二特別図柄表示器、第二特別保留数表示器、ラウンド表示器に加えて、設定値の設定変更中(変更許可状態)であることを表示する1つのLEDからなる設定変更中表示器、設定値の確認表示中(確認表示状態)であることを表示する1つのLEDからなる確認表示中表示器が備えられている。そして、変更許可状態には、機能表示ユニット1400における設定変更中表示器のLEDのみを点灯させ、それ以外の表示器のLEDを全て消灯させるようになっている。これにより、変更許可状態では、機能表示ユニット1400による通知によって、遊技が進行しないことを把握することができる。
また、設定キースイッチ1311aをOFFとしたタイミングt4の時点で、主制御電源投入時処理(図142、図143参照)におけるステップS37の設定変更処理を終了し(設定変更処理のステップS222で設定キースイッチ1311aのOFF操作があったと判断し)、ステップS52の割り込み許可設定が行われるようになる。そして、主制御側タイマ割り込み処理(図144参照)を開始することが可能となり、主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS104のスイッチ入力処理、ステップS112の不正行為検出処理、ステップS113の発射許可信号設定処理などが行われるようになる。しかしながら、本実施形態では、外枠2に対して本体枠4を閉鎖する作業を行うまでは(タイミングt5)、遊技球Bの発射の許可や、入賞口に遊技球Bが入賞した際に検出信号の入力を可能としておらず、遊技を開始することができない状態を維持するようにしている。つまり、タイミングt4からタイミングt5までの期間には、不正行為により入賞口に遊技球Bを入賞させたとしても検出信号が入力されることがなく、不正な利益を得ることができない期間であり、また、外枠2に対して本体枠4を閉鎖する衝撃を受ける可能性があることから、設定操作部磁気センサ2010aを用いての不正行為の監視、遊技領域部磁気センサ2010bを用いての不正行為の監視、設定操作部振動センサを用いての不正行為の監視、遊技領域部振動センサを用いての不正行為の監視を未実行として待機した状態となっている。
また、外枠2に対して本体枠4を閉鎖する作業を行ったタイミングt5の時点から、遊技球Bの発射が可能で、図柄変動や大当り遊技、小当り遊技などの遊技を行うことが可能な状態とし、上述した[通常時における不正監視について]で説明した内容で、各種の不正行為の監視を開始するようにしている。
また、タイミングt4からタイミングt5までの期間には、外枠2に対して本体枠4を閉鎖していない状態であり、演出表示装置1600の画面において、遊技の開始を待機している状態であることを通知する画像を表示している(遊技待機報知)。そして、タイミングt5から所定期間には、外枠2に対して本体枠4を閉鎖した後であり、演出表示装置1600の画面において、図柄変動や大当り遊技、小当り遊技などの遊技を開始することが可能になったことを通知する画像(遊技開始報知)を表示している。
なお、本例では、タイミングt3からタイミングt5までの変更許可状態が含まれる期間(タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態であってもよい。)には、遊技球Bの発射を払出制御基板633の発射制御部633bに対して許可する旨を伝える発射許可信号の論理を設定していないが、変更許可状態にてハンドル182による発射操作の点検等を行うことを考慮して、その期間で発射許可信号の論理を設定し、作業者がハンドル182を操作したときに遊技球Bを発射できるようにしてもよい。ただし、タイミングt3からタイミングt5までの変更許可状態が含まれる期間(タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態であってもよい。)には、遊技球Bの発射までの許可に留め、各種の入賞口やゲート部(ゲート)に遊技球Bを入球させたとしても検出信号が入力されることがないようにして、不当に遊技が進行することが無いようにすることが望ましい。
また、本例では、タイミングt3からタイミングt5までの変更許可状態が含まれる期間(タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態であってもよい。)には、遊技球Bの発射を払出制御基板633の発射制御部633bに対して許可する旨を伝える発射許可信号の論理を設定しないようにし、タイミングt5(タイミングt4であってもよい。)の時点から、遊技球Bの発射が可能な状態としているが、変更許可状態を終了して遊技球Bの発射許可後に初めてハンドル182を操作(ハンドル182に接触)した時点で、変更許可状態にて設定値の設定変更が行われたことを通知する設定変更後報知を実行している。設定変更後報知としては、「設定変更しました」の音声と、「設定変更しました」というメッセージ表示、ランプ発光を実行することとしている。また、この設定変更後報知は、設定値の設定変更を行う正規の作業者以外が不正行為により設定値の設定変更を行った場合にも、設定値の設定変更後に初めてハンドル182を操作(ハンドル182に接触)した時点で実行することとしている。これにより、設定値の設定変更を行う正規の作業者が設定値の設定変更を行っていないにもかかわらず、設定変更後報知を実行した場合には、不正行為により設定値の設定変更が行われたことを外部に知られることとなり、不正行為に対する抑止力を高くすることができる。
また、本例では、タイミングt3からタイミングt5までの変更許可状態が含まれる期間(タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態であってもよい。)には、遊技球Bの発射を払出制御基板633の発射制御部633bに対して許可する旨を伝える発射許可信号の論理を設定しないようにし、タイミングt5(タイミングt4であってもよい。)の時点から、遊技球Bの発射が可能な状態としているが、遊技球Bの発射許可前の時点からハンドル182を操作(ハンドル182に接触)している場合には、遊技球Bの発射許可後に一旦、ハンドル182への接触を離して(接触検知をOFFにして)再度ハンドル182に接触(操作)しなければ、遊技球Bが発射されないようになっている。すなわち、タイミングt5の以前からハンドル182の接触がONになっていたとしても、タイミングt5以降にそのハンドル182に対する接触検知がOFFからONになるエッジを検出しない限りは、その継続されたハンドル182への接触を無効にして遊技球Bが発射されないように制限している。これにより、設定値の設定変更を行う正規の作業者が、外枠2に対して本体枠4を開放した際にハンドル182に接触していたとしても、外枠2に対して本体枠4を閉鎖したときに不用意に遊技球Bが発射されることがなく、遊技者に損失が発生することを確実に防止することができる。
また、上記とは異なり、変更許可状態の終了に基づく遊技開始を迅速化することを考慮して、遊技球Bの発射許可前の時点からハンドル182を操作している場合に、ハンドル182への接触を継続したままで、その継続されたハンドル182への接触を有効にして遊技球Bの発射許可時点から遊技球Bが発射できるようにしてもよい。このような場合には、外枠2に対して本体枠4を閉鎖する前からハンドル182を操作して遊技球Bの発射を準備し、外枠2に対して本体枠4を閉鎖後から直ぐに遊技を開始できるようになる。
また、本例では、外枠2に対して本体枠4を閉鎖する作業を行ったタイミングt5の時点から、遊技球Bの発射が可能で、図柄変動や大当り遊技、小当り遊技などの遊技を行うことが可能な状態としているが、設定キースイッチ1311aをOFFとしたタイミングt4の時点で、直ちに遊技を行うことが可能な状態としてもよい。つまり、設定キースイッチ1311aをOFFとしたタイミングt4の時点から、遊技球Bの発射が可能で、図柄変動や大当り遊技、小当り遊技などの遊技を行うことが可能な状態とし、上述した[通常時における不正監視について]で説明した内容で、不正行為の監視などが行われるようにしてもよい。このような構成では、タイミングt4からタイミングt5までの期間において、外枠2に対して本体枠4を閉鎖していない状態であるが、演出表示装置1600の画面において、図柄変動や大当り遊技、小当り遊技などの遊技を開始することが可能になったことを通知する画像(遊技開始報知)を表示するようにしてもよい。
なお、別例として、電源投入後、ステップS37の設定変更処理を開始するよりも前に、少なくともステップS104のスイッチ入力処理、ステップS112の不正行為検出処理、ステップS113の発射許可信号設定処理、に相当する処理を先行して行うように構成してもよい。このような構成としつつ、タイミングt3からタイミングt4までの期間については、設定値の設定変更が行われている状態(変更許可状態)であるが、不正行為を監視しないようにし、また、遊技球Bの発射を許可しないとともに、入賞口に遊技球Bが入賞した際に検出信号の入力を有効なものとしないようにしてもよい。
また、上記した別例では、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態(タイミングt3からタイミングt5までの変更許可状態が含まれる期間であってもよい。)には、磁気センサ2010や振動センサを用いて不正行為を監視するようにしながらも、磁気や振動などの異常を検出したときに、その異常な状態であることを通知しないように構成してもよい。また、通常時には、磁石や振動による不正行為が行われていると判断したときに、磁石ゴトカウンタや振動ゴトカウンタの値を値1だけ加算(インクリメント)しているが、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態(タイミングt3からタイミングt5までの変更許可状態が含まれる期間であってもよい。)には、磁石や振動による不正行為が行われていると判断したとしても、磁石ゴトカウンタや振動ゴトカウンタの値を加算しないように構成してもよい。このような構成であっても、設定値の設定変更を行う際に、その設定変更を行う正規の作業者が磁石を近づけたり、振動を加えたりしてしまったとしても、磁石や振動による不正行為として通知や加算が行われることがなく、設定値の設定変更を行う際に不正行為の監視が障害になることを防止することができる。
なお、上述した変更許可状態に関する各種の処理は、遊技場の環境等によって様々なニーズが存在しうるため、遊技場毎に選択設定できるようにしてもよい。例えば、変更許可状態ではなく通常のRAMクリアスイッチの操作を伴う電源投入時に(RWMクリアボタン633zがRAMクリアスイッチとして作動する状態となっているため、RWMクリアボタン633zの押圧操作部を操作しながら電源投入する時に)、遊技場の作業者が、変更許可状態に関する各種の処理をいずれの設定とするかを選択しうる状態を発生させ、その後に変更許可状態を発生したときに、その選択した設定で変更許可状態に関する各種の処理を実行することとする。これにより、遊技場Aでは、変更許可状態にて不正監視を非監視としつつも、ハンドル182への接触を有効とするように設定したり、遊技場Bでは、変更許可状態にて不正監視を非監視とし、且つ、ハンドル182への接触を無効とするように設定したりすることができ、変更許可状態にてハンドル182による発射操作の点検等を行いたいか否かなど、遊技場のニーズに合わせることができるようになる。
[26−3.設定値の確認表示中における不正監視について]
上記では、設定値の設定変更中における不正行為の監視について、設定値の設定変更中に不正行為を監視していないことを説明したが、設定値の確認表示中における不正行為の監視については、設定値の確認表示中に不正行為を監視していない状態と、不正行為を一部で監視している状態と、のいずれで構成するようにしてもよい。まず、設定値の確認表示中に不正行為を監視していない場合について、図208を参照して説明する。図208は、設定値の確認表示中に不正行為を監視していない場合における不正行為の監視状態を示すタイムチャートである。
現在設定されている設定値の確認表示を行う場合には、まず、パチンコ機1が電源投入されている状態を確認するとともに、図柄変動が行われていない状態(保留もない状態)を確認し、外枠2に対して本体枠4を開放する作業を行い(タイミングt5)、続いて設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーを差し込んで、設定変更のときと同じように時計方向へ向かって60度回動操作して第1のON操作することにより設定キースイッチ1311aを設定キーONとする(タイミングt6)。このとき、設定表示器1310gには、現状の設定値(設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダが第1のON操作された時点における設定値1〜設定値6のうち設定されている値)を表示する。そして、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作することで(タイミングt7)、設定表示器1310gに対して設定値を表示する状態から非表示する状態へ切り替える。つまり、タイミングt6からタイミングt7までの期間については、設定値の確認表示が行われている状態(確認表示状態)であり、設定キースイッチ1311aをOFFとしたタイミングt7の後には、設定値の確認表示が行われていない状態(確認不能状態)となる。そして、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口から設定キーを抜き取り、外枠2に対して本体枠4を閉鎖する作業を行うことで(タイミングt8)、遊技を行うことが可能な状態となる。
なお、設定キースイッチ1311aを設定キーONとするタイミングt6の時点では、賞球などの遊技球Bの払出しがない状態でなければ、設定表示器1310gに現状の設定値を表示しないように構成している。また、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーを差し込んで時計方向へ向かって60度回動操作して第1のON操作したとしても、賞球などの遊技球Bが払い出されている場合には、設定キースイッチ1311aを設定キーONとしない(設定キーOFFのまま)ようにしてもよいし、賞球などの遊技球Bの払出しが完了した後に、設定キースイッチ1311aを設定キーONとして、設定表示器1310gに現状の設定値を表示するように構成してもよい。
また、別例として、現在設定されている設定値の確認表示を行う場合には、設定値の設定変更を行う場合と同じく、パチンコ機1が電源投入されていない状態(パチンコ機1の電源が遮断されている状態)において、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーを差し込み、設定キーシリンダを時計方向へ向かって60度回動操作して第1のON操作することにより設定キースイッチ1311aを設定キーONとし、電源スイッチ630aを操作してパチンコ機1の電源投入を行うことで、設定値の確認表示を行うことが可能な状態(確認表示状態)とするように構成してもよい。また、電源スイッチ630aを操作してパチンコ機1の電源投入を行う際に、RAMクリアスイッチを操作しながら電源投入すると(RWMクリアボタン633zがRAMクリアスイッチとして作動する状態となっているため、RWMクリアボタン633zの押圧操作部を操作しながら電源投入すると)、設定値の設定変更を行うことが可能な状態(変更許可状態)に移行する一方、RAMクリアスイッチを操作することなく電源投入すると、設定値の確認表示を行うことが可能な状態(確認表示状態)に移行するように構成してもよい。このような構成では、設定キースイッチ1311aを設定キーONとし、RAMクリアスイッチを操作することなく電源投入することで、設定値の確認表示が行われている状態(確認表示状態)に移行するが、その設定値の確認表示が行われている状態(確認表示状態)が、タイミングt6からタイミングt7までの期間に相当することとなる。
本例では、タイミングt6からタイミングt7までの期間については、設定値の確認表示が行われている状態(確認表示状態)であるが、不正行為の監視を実行しないようにし、また、遊技球Bの発射を許可しないとともに、入賞口に遊技球Bが入賞した際に検出信号の入力を有効なものとしない特殊な期間としている。なお、タイミングt6からタイミングt7までの期間である確認表示状態では、設定値の確認表示中に関する情報を、パチンコ機1の外部端子板558を介して遊技ホール側に設置されたホールコンピュータに出力し、確認表示中であることをホール店員が把握しうるようにしている。
具体的には、タイミングt6からタイミングt7までの期間である確認表示状態には、設定操作部磁気センサ2010aを用いての不正行為の監視や、遊技領域部磁気センサ2010bを用いての不正行為の監視全体を実行しないようにしている。これは、確認表示状態では、設定値の確認表示を行う正規の作業者が設定キースイッチ1311aを操作しており、設定値の確認表示を行う正規の作業者以外が、磁石を用いた不正行為を行う余地がないためである。また、設定値の確認表示を行う際に、その確認表示を行う正規の作業者が磁気を発生しうるものを有していたとしても、磁石を用いた不正行為として検出されることを防止し、正規の確認表示作業の阻害を抑制することができる。
同様に、タイミングt6からタイミングt7までの期間である確認表示状態には、設定操作部振動センサを用いての不正行為の監視や、遊技領域部振動センサを用いての不正行為の監視全体を実行しないようにしている。これは、確認表示状態では、設定値の確認表示を行う正規の作業者が設定キースイッチ1311aを操作しており、その確認表示を行う正規の作業者以外が、振動による不正行為を行う余地がないためである。また、設定値の確認表示を行う際に、その確認表示を行う正規の作業者が振動を加えてしまったとしても、振動による不正行為として検出されることを防止し、正規の確認表示作業の阻害を抑制することができる。
また、タイミングt6からタイミングt7までの期間である確認表示状態には、遊技球Bの発射を払出制御基板633の発射制御部633bに対して許可する旨を伝える発射許可信号の論理を設定しないようにし、遊技球Bの発射を禁止している。これにより、設定値の確認表示を行う正規の作業者がハンドル182に触れてしまっても、遊技球Bが発射されないようにでき、正規の確認表示作業の阻害を抑制することができる。また、万一、確認表示状態にて遊技者がハンドル182を操作したとしても、遊技球Bを発射できないようにしている。
また、タイミングt6からタイミングt7までの期間である確認表示状態には、第一始動口2002、第二始動口2004、普通入賞口2003、大入賞口2005などの入賞口や各種のゲート部(ゲート)に遊技球Bが入球した際に、各々に対応する検出センサからの検出信号を主制御MPUが入力したとしても、遊技球Bの検出を無効なものとして扱うようにしている。なお、検出センサによる遊技球Bの検出自体を行わないようにしたり、検出センサからの検出信号自体を入力しないようにしたりしてもよい。このように、遊技球Bの検出を無効とする場合には、例えば、第一始動口2002や第二始動口2004に遊技球Bが入球したとしても、抽選、図柄変動、遊技球Bの払出しの何れについても行われることがなくなり、これにより、設定値の確認表示を行う正規の作業中に何らかの事情で遊技球Bが第一始動口2002や第二始動口2004に入球したとしても、それによる遊技進行を抑制することができる。
また、図示は省略したが、タイミングt6からタイミングt7までの期間である確認表示状態には、入賞口やゲート部(ゲート)など各々に対応する検出センサからの検出信号を主制御MPUが入力することがないのと同時に、アウト口1008に対応する検出センサからの検出信号も主制御MPUが入力することがないようにして、遊技球Bの検出を無効なものとして扱うようにしている。このように、アウト口1008から排出される遊技球Bの検出を無効とする場合には、例えば、確認表示状態にて遊技領域5aから排出された遊技球Bについて、上記したベースモニタ1310hによる計測対象(アウト数カウンタへの加算対象)から除外することが可能になり、遊技領域5a内に玉掛かり(球詰まり)等で残存していた遊技球Bが確認表示状態で検出されてベースモニタ1310hに計測(アウト数カウンタに加算)されてしまう、といった事態を回避することができる。
また、タイミングt6からタイミングt7までの期間である確認表示状態には、回転操作部302や押圧操作部303を操作したとしても、スピーカから出力される音量や、ランプや演出表示装置1600の画面などの発光部材から出力される光量を調整できないようにしている。
また、タイミングt6からタイミングt7までの期間である確認表示状態には、演出表示装置1600の画面における図柄表示を消去し、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって、設定値の確認表示中であることを通知する確認表示中報知(確認表示関連報知)を実行している。確認表示中報知としては、「確認表示中です」を繰り返す音声と、「確認表示中!」というメッセージ表示、確認過程における1〜6の設定値に対応した色でのランプ発光を実行することとしている。この確認表示中報知は、確認表示状態でのみ行われる報知(演出)であり、外枠2に対して本体枠4が開放した状態で行われる本体枠開放報知よりも優先して実行される。すなわち、外枠2に対して本体枠4が開放した状態では、通常では本体枠開放報知(「枠が開いています」の表示や音声など)を行うものの、確認表示状態では、本体枠開放報知を行うことなく確認表示中報知を最優先に実行することとしている。なお、本体枠開放報知と確認表示中報知とを並行して実行するようにし、確認表示中報知を本体枠開放報知よりも優先して、確認表示中報知が終了した後に本体枠開放報知を行う形態も例示できる。
また、タイミングt6からタイミングt7までの期間である確認表示状態には、上記した確認表示中報知として、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力に加えて、機能表示ユニット1400による通知も実行している。具体的には、機能表示ユニット1400には、図示は省略するが、状態表示器、普通図柄表示器、普通保留表示器、第一特別図柄表示器、第一特別保留数表示器、第二特別図柄表示器、第二特別保留数表示器、ラウンド表示器に加えて、設定値の設定変更中(変更許可状態)であることを表示する1つのLEDからなる設定変更中表示器、設定値の確認表示中(確認表示状態)であることを表示する1つのLEDからなる確認表示中表示器が備えられている。そして、確認表示状態には、機能表示ユニット1400における確認表示中表示器のLEDのみを点灯させ、それ以外の表示器のLEDを全て消灯させるようになっている。これにより、確認表示状態では、機能表示ユニット1400による通知によって、遊技が進行しないことを把握することができる。
また、タイミングt6からタイミングt7までの期間である確認表示状態(タイミングt6からタイミングt8までの確認表示状態が含まれる期間であってもよい。)には、第一始動口2002、第二始動口2004、普通入賞口2003、大入賞口2005などの入賞口に遊技球Bが入賞した際に、各々に対応する検出センサからの検出信号を主制御MPUが入力したとしても、遊技球Bの検出を無効なものとして扱うようにしているが、そのような検出信号を入力した場合には、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって、遊技球Bの発射が許可されていないために入賞口に遊技球Bが入賞することがない期間であるにもかかわらず、不正に入賞口に遊技球Bが入賞していることを通知する警告演出Cを実行している。この警告演出Cは、確認表示中報知や本体枠開放報知よりも優先して実行される。すなわち、警告演出Cの実行時には、確認表示中報知や本体枠開放報知を行うことなく警告演出Cを最優先に実行することとしている。
また、タイミングt6からタイミングt7までの期間である確認表示状態には、遊技球Bの発射の許可や、入賞口に遊技球Bが入賞した際に検出信号の入力を可能としておらず、遊技を開始することができない状態であるが、その後に外枠2に対して本体枠4を閉鎖する作業を行うまでは(タイミングt8)、その状態を維持するようにしている。つまり、タイミングt7からタイミングt8までの期間には、不正行為により入賞口に遊技球Bを入賞させたとしても検出信号が入力されることがなく、不正な利益を得ることができない期間であり、また、外枠2に対して本体枠4を閉鎖する衝撃を受ける可能性があることから、設定操作部磁気センサ2010aを用いての不正行為の監視、遊技領域部磁気センサ2010bを用いての不正行為の監視、設定操作部振動センサを用いての不正行為の監視、遊技領域部振動センサを用いての不正行為の監視を未実行として待機した状態となっている。
また、外枠2に対して本体枠4を閉鎖する作業を行ったタイミングt8の時点から、遊技球Bの発射が可能で、図柄変動や大当り遊技、小当り遊技などの遊技を行うことが可能な状態とし、上述した[通常時における不正監視について]で説明した内容で、各種の不正行為の監視を開始するようにしている。なお、外枠2に対して本体枠4を開放し、且つ、設定キースイッチ1311aを設定キーONとするタイミングt6の時点よりも前についても、遊技球Bの発射が可能で、図柄変動や大当り遊技、小当り遊技などの遊技を行うことが可能な状態とし、上述した[通常時における不正監視について]で説明した内容で、各種の不正行為の監視を開始するようにしている。
また、タイミングt7からタイミングt8までの期間には、外枠2に対して本体枠4を閉鎖していない状態であり、演出表示装置1600の画面において、遊技の開始を待機している状態であることを通知する画像を表示している(遊技待機報知)。そして、タイミングt8から所定期間には、外枠2に対して本体枠4を閉鎖した後であり、演出表示装置1600の画面において、図柄変動や大当り遊技、小当り遊技などの遊技を開始することが可能になったことを通知する画像を表示している(遊技開始報知)。
また、外枠2に対して本体枠4を閉鎖している通常時には、設定キースイッチ1311aを設定キーONとする状態にならないはずであるが、そのような設定キーONとする状態になった場合には、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって、不正に設定キーONとする状態になったことを通知する警告演出A,Bを実行している。具体的には、通常時に図柄変動が行われている状態で、設定キースイッチ1311aを設定キーONとする状態になった場合(タイミングt1)には、その設定キースイッチ1311aが設定キーOFFに戻るまでの間(タイミングt2)、警告演出Aを実行している。同様に、常時に図柄変動が行われていない状態で、設定キースイッチ1311aを設定キーONとする状態になった場合(タイミングt3)には、その設定キースイッチ1311aが設定キーOFFに戻るまでの間(タイミングt4)、警告演出Bを実行している。また、この警告演出A,Bは、実行中の演出よりも優先して実行される。すなわち、警告演出A,Bの実行時には、図柄変動が行われているか否かにかかわらず実行中の演出を停止して警告演出A,Bを最優先に実行することとしている。なお、警告演出A,Bは、同じ態様で演出を実行しているが、図柄変動が行われている状態であるか否かを判別しうるように異なる態様で演出を実行してもよい。
また、磁石や振動による不正行為を監視している期間において、磁気や振動の発生を検出した場合には、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって、所定期間にわたって、磁気や振動の発生による異常な状態であることを通知する異常発生演出を実行している。また、異常発生演出では、設定操作部磁気センサ2010a、遊技領域部磁気センサ2010b、設定操作部振動センサ、遊技領域部振動センサのいずれが異常を検出したかによって、異常の内容(磁気、振動のいずれの発生を検出したか)や、異常を検出した部位(設定変更基板1311や設定キースイッチ1311aが設けられた領域であるのか、遊技領域5aの前方の領域であるのか、第三振分装置2550の周辺の領域であるのか)などを通知するようにしている。また、異常発生演出は、実行中の演出よりも優先して実行される。すなわち、異常発生演出の実行時には、図柄変動が行われているか否かにかかわらず実行中の演出を停止して異常発生演出を最優先に実行することとしている。
なお、本例では、タイミングt6からタイミングt8までの確認表示状態が含まれる期間(タイミングt6からタイミングt7までの期間である確認表示状態であってもよい。)には、遊技球Bの発射を払出制御基板633の発射制御部633bに対して許可する旨を伝える発射許可信号の論理を設定していないが、確認表示状態にてハンドル182による発射操作の点検等を行うことを考慮して、その期間で発射許可信号の論理を設定し、作業者がハンドル182を操作したときに遊技球Bを発射できるようにしてもよい。ただし、タイミングt6からタイミングt8までの確認表示状態が含まれる期間(タイミングt6からタイミングt7までの期間である確認表示状態であってもよい。)には、遊技球Bの発射までの許可に留め、各種の入賞口やゲート部(ゲート)に遊技球Bを入球させたとしても検出信号が入力されることがないようにして、不当に遊技が進行することが無いようにすることが望ましい。
また、本例では、タイミングt6からタイミングt8までの確認表示状態が含まれる期間(タイミングt6からタイミングt7までの期間である確認表示状態であってもよい。)には、遊技球Bの発射を払出制御基板633の発射制御部633bに対して許可する旨を伝える発射許可信号の論理を設定しておらず、タイミングt8(タイミングt7であってもよい。)の時点から、遊技球Bの発射が可能な状態としているが、遊技球Bの発射許可前の時点からハンドル182を操作(ハンドル182に接触)している場合には、遊技球Bの発射許可後に一旦、ハンドル182への接触を離して(接触検知をOFFにして)再度ハンドル182に接触(操作)しなければ、遊技球Bが発射されないようになっている。すなわち、タイミングt8の以前からハンドル182の接触がONになっていたとしても、タイミングt8以降にそのハンドル182に対する接触検知がOFFからONになるエッジを検出しない限りは、その継続されたハンドル182への接触を無効にして遊技球Bが発射されないように制限している。これにより、設定値の確認表示を行う正規の作業者が、外枠2に対して本体枠4を開放した際にハンドル182に接触していたとしても、外枠2に対して本体枠4を閉鎖したときに不用意に遊技球Bが発射されることがなく、遊技者に損失が発生することを確実に防止することができる。
また、上記とは異なり、確認表示状態の終了に基づく遊技開始を迅速化することを考慮して、遊技球Bの発射許可前の時点からハンドル182を操作している場合には、ハンドル182への接触を継続したままで、その継続されたハンドル182への接触を有効にして遊技球Bの発射許可時点から遊技球Bが発射できるようにしてもよい。このような場合には、外枠2に対して本体枠4を閉鎖する前からハンドル182を操作して遊技球Bの発射を準備し、外枠2に対して本体枠4を閉鎖後から直ぐに遊技を開始できるようになる。
また、本例では、外枠2に対して本体枠4を閉鎖する作業を行ったタイミングt8の時点から、遊技球Bの発射が可能で、図柄変動や大当り遊技、小当り遊技などの遊技を行うことが可能な状態としているが、設定キースイッチ1311aをOFFとしたタイミングt7の時点で、直ちに遊技を行うことが可能な状態としてもよい。つまり、設定キースイッチ1311aをOFFとしたタイミングt7の時点から、遊技球Bの発射が可能で、図柄変動や大当り遊技、小当り遊技などの遊技を行うことが可能な状態とし、上述した[通常時における不正監視について]で説明した内容で、不正行為の監視などが行われるようにしてもよい。このような構成では、タイミングt7からタイミングt8までの期間において、外枠2に対して本体枠4を閉鎖していない状態であるが、演出表示装置1600の画面において、図柄変動や大当り遊技、小当り遊技などの遊技を開始することが可能になったことを通知する画像(遊技開始報知)を表示するようにしてもよい。
また、別例として、タイミングt6からタイミングt7までの期間である確認表示状態(タイミングt6からタイミングt8までの確認表示状態が含まれる期間であってもよい。)には、磁気センサ2010や振動センサを用いて不正行為を監視するようにしながらも、磁気や振動などの異常を検出したときに、その異常な状態であることを通知しないように構成してもよい。また、通常時には、磁石や振動による不正行為が行われていると判断したときに、磁石ゴトカウンタや振動ゴトカウンタの値を値1だけ加算(インクリメント)しているが、タイミングt6からタイミングt7までの期間である確認表示状態(タイミングt6からタイミングt8までの確認表示状態が含まれる期間であってもよい。)には、磁石や振動による不正行為が行われていると判断したとしても、磁石ゴトカウンタや振動ゴトカウンタの値を加算しないように構成してもよい。このような構成であっても、設定値の確認表示を行う際に、その確認表示を行う正規の作業者が磁石を近づけたり、振動を加えたりしてしまったとしても、磁石や振動による不正行為として通知や加算が行われることがなく、設定値の確認表示を行う際に不正行為の監視が障害になることを防止することができる。
なお、上述した確認表示状態に関する各種の処理は、遊技場の環境等によって様々なニーズが存在しうるため、遊技場毎に選択設定できるようにしてもよい。例えば、確認表示状態ではなく通常のRAMクリアスイッチの操作を伴う電源投入時に(RWMクリアボタン633zがRAMクリアスイッチとして作動する状態となっているため、RWMクリアボタン633zの押圧操作部を操作しながら電源投入する時に)、遊技場の作業者が、確認表示状態に関する各種の処理をいずれの設定とするかを選択しうる状態を発生させ、その後に確認表示状態を発生したときに、その選択した設定で確認表示状態に関する各種の処理を実行することとする。これにより、遊技場Aでは、確認表示状態にて不正監視を非監視としつつも、ハンドル182への接触を有効とするように設定したり、遊技場Bでは、確認表示状態にて不正監視を非監視とし、且つ、ハンドル182への接触を無効とするように設定したりすることができ、確認表示状態にてハンドル182による発射操作の点検等を行いたいか否かなど、遊技場のニーズに合わせることができるようになる。
次に、設定値の確認表示中に不正行為を一部で監視している場合について、図209を参照して説明する。図209は、設定値の確認表示中に不正行為を一部で監視している場合における不正行為の監視状態を示すタイムチャートである。ここでは、上記した設定値の確認表示中に不正行為を監視していない場合とは異なる点について、以下に説明するものとする。
本例では、タイミングt6からタイミングt7までの期間については、設定値の確認表示が行われている状態(確認表示状態)であるが、遊技球Bの発射を許可しないとともに、入賞口に遊技球Bが入賞した際に検出信号の入力を有効なものとしない特殊な期間とし、また、不正行為のうち、設定変更基板1311や設定キースイッチ1311aが設けられた領域に対する不正行為のみを監視している。
具体的には、タイミングt6からタイミングt7までの期間である確認表示状態には、遊技領域部磁気センサ2010bを用いての不正行為の監視を行っていないのに対し、設定操作部磁気センサ2010aを用いての不正行為の監視を行うようにしている。これは、確認表示状態では、外枠2に対して本体枠4を閉鎖している状態で、設定値の確認表示を行う正規の作業者が設定キースイッチ1311aを操作しているが、設定値の確認表示を行う正規の作業者以外が、設定変更基板1311や設定キースイッチ1311aが設けられた領域に対して磁石を近づけるように不正行為を行い、不正に設定値が変更されてしまうなどの誤作動が生じる可能性を排除するためである。
一方、タイミングt6からタイミングt7までの期間である確認表示状態には、不正行為により入賞口に遊技球Bを入賞させたとしても検出信号が入力されることがなく、不正な利益を得ることができない期間であることから、遊技領域部磁気センサ2010bを用いての不正行為の監視を行う必要がないものとなっている。
なお、タイミングt6からタイミングt7までの期間である確認表示状態だけでなく、外枠2に対して本体枠4を閉鎖する作業を行うタイミングt8までの期間にも、設定操作部磁気センサ2010aを用いての不正行為の監視を行うようにしている。つまり、設定操作部磁気センサ2010aを用いての不正行為の監視については、通常時であるか、外枠2に対して本体枠4を開放した状態であるか、設定キースイッチ1311aを設定キーONとした確認表示状態であるかにかかわらず、設定変更基板1311や設定キースイッチ1311aが設けられた領域に対して常に監視を行うようにしている。
同様に、タイミングt6からタイミングt7までの期間である確認表示状態には、遊技領域部振動センサを用いての不正行為の監視を行っていないのに対し、設定操作部振動センサを用いての不正行為の監視を行うようにしている。これは、確認表示状態では、外枠2に対して本体枠4を閉鎖している状態で、設定値の確認表示を行う正規の作業者が設定キースイッチ1311aを操作しているが、設定値の確認表示を行う正規の作業者以外が、設定変更基板1311や設定キースイッチ1311aが設けられた領域に対して振動を加えるように不正行為を行い、不正に設定値が変更されてしまうなどの誤作動が生じる可能性を排除するためである。
一方、タイミングt6からタイミングt7までの期間である確認表示状態には、不正行為により入賞口に遊技球Bを入賞させたとしても検出信号が入力されることがなく、不正な利益を得ることができない期間であることから、遊技領域部振動センサを用いての不正行為の監視を行う必要がないものとなっている。
なお、タイミングt6からタイミングt7までの期間である確認表示状態だけでなく、外枠2に対して本体枠4を閉鎖する作業を行うタイミングt8までの期間にも、設定操作部振動センサを用いての不正行為の監視を行うようにしている。つまり、設定操作部振動センサを用いての不正行為の監視については、通常時であるか、外枠2に対して本体枠4を開放した状態であるか、設定キースイッチ1311aを設定キーONとした確認表示状態であるかにかかわらず、設定変更基板1311や設定キースイッチ1311aが設けられた領域に対して常に監視を行うようにしている。
また、タイミングt6からタイミングt8までの確認表示状態が含まれる期間(タイミングt6からタイミングt7までの期間である確認表示状態であってもよい。)には、設定操作部磁気センサ2010aを用いての不正行為の監視、設定操作部振動センサを用いての不正行為の監視を行っているが、それらのセンサが磁気や振動の発生を検出した場合には、演出表示装置1600の画像によって、磁気や振動の発生による異常な状態であることを通知する異常発生演出Aを実行している。また、異常発生演出Aでは、設定操作部磁気センサ2010a、設定操作部振動センサのいずれが異常を検出したかによって、異常の内容(磁気、振動のいずれの発生を検出したか)や、異常を検出した部位(設定変更基板1311や設定キースイッチ1311aが設けられた領域であること)などを通知するようにしている。そして、異常発生演出Aを実行した場合には、設定キースイッチ1311aを設定キーOFFとした確認表示状態の終了時であるタイミングt7の時点(タイミングt8の時点であってもよい。)で、その異常発生演出Aを強制的に終了するようにしている。これは、確認表示状態では、設定値の確認表示を行う正規の作業者が設定キースイッチ1311aを操作しており、設定値の確認表示を行う際に、その確認表示を行う正規の作業者が故意ではなく磁石を近づけてしまったり、振動を加えてしまったりした可能性を排除することができない。このため、磁石や振動による不正行為が行われていると判断した場合であっても、重度の異常が発生していると判断する必要性が低く、実行中の異常発生演出Aを強制的に終了するすることとしている。
上記したように、タイミングt6からタイミングt8までの確認表示状態が含まれる期間には、設定操作部磁気センサ2010aを用いての不正行為の監視、設定操作部振動センサを用いての不正行為の監視を行っているが、その期間以外である通常時にも、設定操作部磁気センサ2010aを用いての不正行為の監視、遊技領域部磁気センサ2010bを用いての不正行為の監視、設定操作部振動センサを用いての不正行為の監視、遊技領域部振動センサを用いての不正行為の監視を行っている。また、そのような通常時において、磁気や振動の発生を検出した場合には、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって、所定期間にわたって、磁気や振動の発生による異常な状態であることを通知する異常発生演出Bを実行している。ここで、異常発生演出Bでは、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力が用いられるのに対し、異常発生演出Aでは、演出表示装置1600の画像のみが用いられており、異常発生演出Bよりも目立たない態様で演出を実行することとしている。これは、確認表示状態では、設定値の確認表示を行う者が設定キースイッチ1311aを操作しており、設定値の確認表示を行う際に、その確認表示を行う正規の作業者が故意ではなく磁石を近づけてしまったり、振動を加えてしまったりした可能性も排除できないためである。なお、異常発生演出Bでは、設定操作部磁気センサ2010a、遊技領域部磁気センサ2010b、設定操作部振動センサ、遊技領域部振動センサのいずれが異常を検出したかによって、異常の内容(磁気、振動のいずれの発生を検出したか)や、異常を検出した部位(設定変更基板1311や設定キースイッチ1311aが設けられた領域であるのか、遊技領域5aの前方の領域であるのか、第三振分装置2550の周辺の領域であるのか)などを通知するようにしている。
また、上記したように、タイミングt5からタイミングt8までの期間である外枠2に対して本体枠4を開放した状態では、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって、外枠2に対して本体枠4を開放した状態であることを通知する本体枠開放報知を実行している。また、タイミングt6からタイミングt7までの期間である確認表示状態には、演出表示装置1600の画面における図柄表示を消去し、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって、設定値の確認表示中であることを通知する確認表示中報知(確認表示関連報知)を実行している。そして、外枠2に対して本体枠4を開放する作業を行った後、設定キースイッチ1311aを設定キーONとすることで確認表示状態に移行するが、その確認表示状態では、本体枠開放報知よりも優先して確認表示中報知を実行するようにし、さらに、確認表示状態で、設定操作部磁気センサ2010aや設定操作部振動センサが磁気や振動の発生を検出した場合には、本体枠開放報知や確認表示中報知よりも優先して異常発生演出Aを実行するようにしている。
[26−4.設定値の設定変更中における不正監視の変形例について]
上記では、設定値の設定変更中における不正行為の監視について、設定値の設定変更中に不正行為を監視していないことを説明したが、不正行為を一部で監視するように構成してもよい。このような設定値の設定変更中に不正行為を一部で監視している場合について、図210を参照して説明する。図210は、設定値の設定変更中に不正行為を一部で監視している場合における不正行為の監視状態を示すタイムチャートである。ここでは、上記した設定値の設定変更中に不正行為を監視していない場合とは異なる点について、以下に説明するものとする。
上記では、タイミングt3でのパチンコ機1の電源投入時において、主制御MPUが主制御電源投入時処理(図142、図143参照)を開始するが、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとするまでは、ステップS37の設定変更処理を終了しないようにし(設定変更処理のステップS222で設定キースイッチ1311aのOFF操作があったと判断しない)、タイミングt3からタイミングt4までの期間には、その後のステップS52の割り込み許可設定が行われないように禁則し、通常の電源投入に比べてステップS52の割り込み許可設定の実行タイミングを遅延させている。つまり、ステップS52の割り込み許可設定が行われるまでは、主制御側タイマ割り込み処理(図144参照)を開始しないため、主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS104のスイッチ入力処理、ステップS112の不正行為検出処理、ステップS113の発射許可信号設定処理などが未実行とされて待機された状態となる。これに対し、電源投入後、ステップS37の設定変更処理を開始するよりも前に、少なくともステップS104のスイッチ入力処理、ステップS112の不正行為検出処理、ステップS113の発射許可信号設定処理、に相当する処理(同じ処理)を先行して行うように構成してもよい。このような構成としつつ、本例では、タイミングt3からタイミングt4までの期間については、設定値の設定変更が行われている状態(変更許可状態)であるが、遊技球Bの発射を許可しないとともに、入賞口に遊技球Bが入賞した際に検出信号の入力を有効なものとしない特殊な期間とし、また、不正行為のうち、設定変更基板1311や設定キースイッチ1311aが設けられた領域に対する不正行為のみを監視するようにしている。
なお、ステップS37の設定変更処理を開始するよりも前に、ステップS112の不正行為検出処理に相当する処理(同じ処理)を先行して行い、不正行為のうち、設定変更基板1311や設定キースイッチ1311aが設けられた領域に対する不正行為のみを監視した場合については、その処理では、ステップS112の不正行為検出処理と同じく、磁気センサ2010や振動センサからの検出信号が入力されているときに、磁石や振動による不正行為が行われていると判断し、磁石ゴトカウンタや振動ゴトカウンタの値を値1だけ加算(インクリメント)している。しかしながら、主制御電源投入時処理において、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとし、ステップS37の設定変更処理を終了した後には(設定変更処理のステップS222で設定キースイッチ1311aのOFF操作があったと判断した後には)、ステップS38で主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いて必ずクリアするようにしている。このため、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態において、磁石や振動による不正行為が行われていると判断し、磁石ゴトカウンタや振動ゴトカウンタの値を加算(インクリメント)したとしても、変更許可状態の終了時のRAMクリアによって、その磁石ゴトカウンタや振動ゴトカウンタの値に初期値として値0(ゼロ)がセット(初期化)されることとなる。このように、変更許可状態の終了時には、磁石ゴトカウンタや振動ゴトカウンタの値を初期化しているが、変更許可状態では、設定値の設定変更を行う者が設定キースイッチ1311aやRWMクリアボタン633z(RWMクリアボタン633zが設定切替ボタンとして作動する状態となっている。)を操作しており、設定値の設定変更を行う際に、その設定変更を行う者が故意ではなく磁石を近づけてしまったり、振動を加えてしまったりした可能性を排除することができない。このため、磁石や振動による不正行為が行われていると判断した場合であっても、重度の異常が発生していると判断する必要性が低く、磁石ゴトカウンタや振動ゴトカウンタの値を初期化することとしている。
具体的には、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態には、遊技領域部磁気センサ2010bを用いての不正行為の監視を行っていないのに対し、設定操作部磁気センサ2010aを用いての不正行為の監視を行うようにしている。これは、変更許可状態では、外枠2に対して本体枠4を閉鎖している状態で、設定値の設定変更を行う正規の作業者が設定キースイッチ1311aやRWMクリアボタン633z(RWMクリアボタン633zが設定切替ボタンとして作動する状態となっている。)を操作しているが、設定値の設定変更を行う正規の作業者以外が、設定変更基板1311や設定キースイッチ1311aが設けられた領域に対して磁石を近づけるように不正行為を行い、不正に設定値が変更されてしまうなどの誤作動が生じる可能性を排除するためである。
一方、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態には、不正行為により入賞口に遊技球Bを入賞させたとしても検出信号が入力されることがなく、不正な利益を得ることができない期間であることから、遊技領域部磁気センサ2010bを用いての不正行為の監視を行う必要がないものとなっている。
なお、タイミングt3からタイミングt4までの期間である確認表示状態だけでなく、外枠2に対して本体枠4を閉鎖する作業を行うタイミングt5までの期間にも、設定操作部磁気センサ2010aを用いての不正行為の監視を行うようにしている。つまり、設定操作部磁気センサ2010aを用いての不正行為の監視については、通常時であるか、外枠2に対して本体枠4を開放した状態であるか、設定キースイッチ1311aを設定キーONとした変更許可状態であるかにかかわらず、設定変更基板1311や設定キースイッチ1311aが設けられた領域に対して常に監視を行うようにしている。
同様に、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態には、遊技領域部振動センサを用いての不正行為の監視を行っていないのに対し、設定操作部振動センサを用いての不正行為の監視を行うようにしている。これは、変更許可状態では、外枠2に対して本体枠4を閉鎖している状態で、設定値の設定変更を行う正規の作業者が設定キースイッチ1311aやRWMクリアボタン633z(RWMクリアボタン633zが設定切替ボタンとして作動する状態となっている。)を操作しているが、設定値の設定変更を行う正規の作業者以外が、設定変更基板1311や設定キースイッチ1311aが設けられた領域に対して振動を加えるように不正行為を行い、不正に設定値が変更されてしまうなどの誤作動が生じる可能性を排除するためである。
一方、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態には、不正行為により入賞口に遊技球Bを入賞させたとしても検出信号が入力されることがなく、不正な利益を得ることができない期間であることから、遊技領域部振動センサを用いての不正行為の監視を行う必要がないものとなっている。
なお、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態だけでなく、外枠2に対して本体枠4を閉鎖する作業を行うタイミングt5までの期間にも、設定操作部振動センサを用いての不正行為の監視を行うようにしている。つまり、設定操作部振動センサを用いての不正行為の監視については、通常時であるか、外枠2に対して本体枠4を開放した状態であるか、設定キースイッチ1311aを設定キーONとした変更許可状態であるかにかかわらず、設定変更基板1311や設定キースイッチ1311aが設けられた領域に対して常に監視を行うようにしている。
また、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態には、演出表示装置1600の画面における図柄表示を消去し、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって、設定値の設定変更中であることを通知する設定変更中演出を実行している。なお、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態(タイミングt3からタイミングt5までの変更許可状態が含まれる期間であってもよい。)には、第一始動口2002、第二始動口2004、普通入賞口2003、大入賞口2005などの入賞口に遊技球Bが入賞した際に、各々に対応する検出センサからの検出信号を主制御MPUが入力したとしても、遊技球Bの検出を無効なものとして扱うようにしているが、そのような検出信号を入力した場合には、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって、遊技球Bの発射が許可されていないために入賞口に遊技球Bが入賞することがない期間であるにもかかわらず、不正に入賞口に遊技球Bが入賞していることを通知する警告演出Cを実行している。この警告演出Cは、設定変更中報知や本体枠開放報知よりも優先して実行される。すなわち、警告演出Cの実行時には、設定変更中報知や本体枠開放報知を行うことなく警告演出Cを最優先に実行することとしている。
また、タイミングt3からタイミングt5までの変更許可状態が含まれる期間(タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態であってもよい。)には、設定操作部磁気センサ2010aを用いての不正行為の監視、設定操作部振動センサを用いての不正行為の監視を行っているが、それらのセンサが磁気や振動の発生を検出した場合には、演出表示装置1600の画像によって、磁気や振動の発生による異常な状態であることを通知する異常発生演出Aを実行している。また、異常発生演出Aでは、設定操作部磁気センサ2010a、設定操作部振動センサのいずれが異常を検出したかによって、異常の内容(磁気、振動のいずれの発生を検出したか)や、異常を検出した部位(設定変更基板1311や設定キースイッチ1311aが設けられた領域であること)などを通知するようにしている。そして、異常発生演出Aを実行した場合には、設定キースイッチ1311aを設定キーOFFとした変更許可状態の終了時であるタイミングt4の時点(タイミングt5の時点であってもよい。)で、その異常発生演出Aを強制的に終了するようにしている。これは、変更許可状態では、設定値の設定変更を行う正規の作業者が設定キースイッチ1311aやRWMクリアボタン633z(RWMクリアボタン633zが設定切替ボタンとして作動する状態となっている。)を操作しており、設定値の設定変更を行う際に、その設定変更を行う正規の作業者が故意ではなく磁石を近づけてしまったり、振動を加えてしまったりした可能性を排除することができない。このため、磁石や振動による不正行為が行われていると判断した場合であっても、重度の異常が発生していると判断する必要性が低く、実行中の異常発生演出Aを強制的に終了するすることとしている。
上記したように、タイミングt3からタイミングt5までの変更許可状態が含まれる期間には、設定操作部磁気センサ2010aを用いての不正行為の監視、設定操作部振動センサを用いての不正行為の監視を行っているが、その期間以外である通常時にも、設定操作部磁気センサ2010aを用いての不正行為の監視、遊技領域部磁気センサ2010bを用いての不正行為の監視、設定操作部振動センサを用いての不正行為の監視、遊技領域部振動センサを用いての不正行為の監視を行っている。また、そのような通常時において、磁気や振動の発生を検出した場合には、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって、所定期間にわたって、磁気や振動の発生による異常な状態であることを通知する異常発生演出Bを実行している。ここで、異常発生演出Bでは、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力が用いられるのに対し、異常発生演出Aでは、演出表示装置1600の画像のみが用いられており、異常発生演出Bよりも目立たない態様で演出を実行することとしている。これは、変更許可状態では、設定値の設定変更を行う正規の作業者が設定キースイッチ1311aやRWMクリアボタン633z(RWMクリアボタン633zが設定切替ボタンとして作動する状態となっている。)を操作しており、設定値の設定変更を行う際に、その設定変更を行う正規の作業者が故意ではなく磁石を近づけてしまったり、振動を加えてしまったりした可能性も排除できないためである。なお、異常発生演出Bでは、設定操作部磁気センサ2010a、遊技領域部磁気センサ2010b、設定操作部振動センサ、遊技領域部振動センサのいずれが異常を検出したかによって、異常の内容(磁気、振動のいずれの発生を検出したか)や、異常を検出した部位(設定変更基板1311や設定キースイッチ1311aが設けられた領域であるのか、遊技領域5aの前方の領域であるのか、第三振分装置2550の周辺の領域であるのか)などを通知するようにしている。
また、上記したように、電源投入後、タイミングt3からタイミングt5までの期間である外枠2に対して本体枠4を開放した状態では、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって、外枠2に対して本体枠4を開放した状態であることを通知する本体枠開放報知を実行している。また、電源投入後、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態には、演出表示装置1600の画面における図柄表示を消去し、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって、設定値の設定変更中であることを通知する設定変更中報知(設定変更関連報知)を実行している。そして、外枠2に対して本体枠4を開放する作業を行った後、設定キースイッチ1311aを設定キーONとして電源投入することで変更許可状態に移行するが、その変更許可状態では、本体枠開放報知よりも優先して設定変更中報知を実行するようにし、さらに、変更許可状態で、設定操作部磁気センサ2010aや設定操作部振動センサが磁気や振動の発生を検出した場合には、本体枠開放報知や設定変更中報知よりも優先して異常発生演出Aを実行するようにしている。
[27.当選確率等の設定変更の変形例]
上記した例では特別抽選の結果に基づいて大当り遊技状態又は小当り遊技状態に制御し、小当り遊技状態中に第一V入賞口2007や第二V入賞口2008に遊技球が受け入れられた場合には大当り遊技状態に移行制御するものについて当選確率等の設定変更を行うものを示したが、図211に示すように第一V入賞口2007や第二V入賞口2008を設けないか、又は小当り遊技状態中に第一V入賞口2007や第二V入賞口2008に遊技球が受け入れられても大当り遊技状態に移行制御させないものについて当選確率等の設定変更を行うようにしてもよい。以下、第一V入賞口2007や第二V入賞口2008を設けない態様のパチンコ機における当選確率等の設定変更の変形例について第2実施例として説明する。なお、第2実施例のパチンコ機1は、上記した例のパチンコ機1の役物入賞口2006(内部に第一V入賞口2007や第二V入賞口2008が配置される)に代えて、第二大入賞口2006(内部に第一V入賞口2007や第二V入賞口2008が配置されない)を設けたものとしており、他の構成は同じものとしている。
[27−1.第2実施例の遊技内容]
第2実施例のパチンコ機1では、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球Bが受け入れられると、主制御基板1310において、遊技者に有利な有利遊技状態(例えば、「大当り」、「小当り」、「時間短縮(時短)当り」、「確率変動(確変)当り」)を発生させる特別抽選結果の抽選が行われる。そして、抽選された特別抽選結果を、所定時間(例えば、0.1〜360秒、特別変動時間とも称す)かけて遊技者に示唆(導出)する。本実施形態では、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球Bが受け入れられた場合に第二始動口2004への受け入れに応じた第二特別抽選結果を優先して示唆(導出)する。なお、第二始動口2004への受け入れに応じた特別抽選結果を優先して示唆(導出)することなく(優先変動)、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球Bが受け入れられた順序で特別抽選結果を示唆(導出)するようにしてもよいし(順次変動)、第一始動口2002への受け入れに応じた第一特別抽選結果と第二始動口2004への受け入れに応じた第二特別抽選結果とを同時期に並行して示唆(導出)し得るようにしてもよい(同時変動)。
また、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球Bが受け入れられることで抽選される特別抽選結果には、「ハズレ」、「小当り」、「2R確変大当り」、「15R確変大当り」、「15R通常大当り」等がある。本実施形態では、第二特別抽選結果には「小当り」を含む一方、第一特別抽選結果には「小当り」を含まないようになっている。なお、第一特別抽選結果および第二特別抽選結果の双方に「小当り」を含むようにしつつ、第一特別抽選結果よりも第二特別抽選結果の方が、「小当り」に当選する抽選確率が高く設定されるようにしてもよい。
第一始動口2002及び第二始動口2004への遊技球Bの受け入れにより抽選された特別抽選結果(第一特別抽選結果及び第二特別抽選結果)が「小当り」である場合には、第二大入賞口2006が、遊技球Bを受け入れ可能な開状態となった後に、所定時間(例えば、0.88s)経過すると、遊技球Bを受入不能な閉状態とする「小当り」遊技が実行される。第二大入賞口2006は、センター役物2500の右側における第一案内通路2521の途中に設けられていることから、「小当り」が抽選された場合は、「右打ち」して第一案内通路2521に遊技球Bを打込む。また、第2実施例の小当り遊技では第二大入賞口2006を開状態とする期間が大当り遊技に比べて短いものの、第一案内通路2521を流下するように遊技意球を打ち続けていれば1回の小当り遊技で遊技球Bが少なくとも1個程度は第二大入賞口2006に入球し得るようになっている。なお、小当り遊技中は、小当り遊技状態の開始前の遊技状態(後述する確変状態や時短状態など)が維持され、小当り遊技後には小当り遊技状態の開始前の遊技状態が継続する。
第一始動口2002及び第二始動口2004への遊技球Bの受け入れにより抽選された第一特別抽選結果及び第二特別抽選結果が「15R確変大当り」であるか又は「15R通常大当り」である場合には、第一大入賞口2005が、遊技球Bを受入可能な開状態となった後に、所定時間(例えば、29s)経過、或いは、第一大入賞口2005への所定の限度個数(例えば、10個)の遊技球Bの受け入れ、の何れかの条件が充足すると、遊技球Bを受入不能な閉状態とする開閉パターン(一回の開閉パターンを1ラウンドと称す)を、15回繰返す「大当り」遊技が実行される。そして、第一特別抽選結果及び第二特別抽選結果が「15R通常大当り」であれば大当り遊技の終了後に、第一始動口2002及び第二始動口2004への遊技球Bの受け入れにより抽選された第一特別抽選結果及び第二特別抽選結果を遊技者に示唆するための特別図柄の変動時間を、所定の変動回数(例えば、第一特別抽選の示唆及び第二特別抽選の示唆を合算した示唆回数100回)に到達するまで、通常よりも短くして、次の「当り」が抽選されるまでの時間を早くする「時短状態」に移行制御する。また、第一特別抽選結果及び第二特別抽選結果が「15R確変大当り」であれば「大当り」遊技の終了後に、次に「大当り」となるまで第一始動口2002及び第二始動口2004への遊技球Bの受け入れにより抽選された第一特別抽選結果及び第二特別抽選結果を遊技者に示唆するための特別図柄の変動時間を通常よりも短くするとともに、第一特別抽選結果及び第二特別抽選結果が「当り」となる確率を向上させる「確変状態(高確率状態)」に移行制御する。
第一始動口2002及び第二始動口2004への遊技球Bの受け入れにより抽選された第一特別抽選結果及び第二特別抽選結果が「2R確変大当り」であると、第二大入賞口2006が、遊技球Bを受入可能な開状態となった後に、所定時間(例えば、0.2s)経過すると、遊技球Bを受入不能な閉状態とする開閉パターン(一回の開閉パターンを1ラウンドと称す)を、2回繰返す「大当り」遊技が実行される。また、「大当り」遊技の終了後に、次に「大当り」となるまで第一始動口2002及び第二始動口2004への遊技球Bの受け入れにより抽選された第一特別抽選結果及び第二特別抽選結果を遊技者に示唆するための特別図柄の変動時間を通常よりも短くするとともに、第一特別抽選結果及び第二特別抽選結果が「当り」となる確率を向上させる「確変状態(高確率状態)」に移行制御する。
第二大入賞口2006及び第一大入賞口2005は、主にセンター役物2500の右側を流下する遊技球Bの流路上にあるため、センター役物2500の右側を狙った遊技球Bの打込操作を遊技者にさせることができる。第二大入賞口2006及び第一大入賞口2005が開状態の時に、第二大入賞口2006又は第一大入賞口2005に遊技球Bが受け入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板633によって払出装置580から所定数(例えば、15球)の遊技球Bが、上皿201に払出される。従って、第二大入賞口2006及び第一大入賞口2005が遊技球Bを受入可能としている時に、第二大入賞口2006及び第一大入賞口2005に遊技球Bを受け入れさせることで、多くの遊技球Bを払出させることができ、遊技者を楽しませることができる。
なお、センター役物2500の右側に設けられている案内通路群2520は、第一案内通路2521側の方が、第二案内通路2522側よりも打込操作を行い易い反面、第二案内通路2522側よりも第一大入賞口2005に受け入れられる可能性が低いため、何れの通路を狙った打込操作を行うのかを遊技者に選択させることができ、多様な遊技により遊技者を飽きさせ難くして興趣の低下を抑制させることができる。また、第二大入賞口2006には第一案内通路2521側に打ち込まれた遊技球だけが受け入れ可能とされる。
本実施形態では、第一始動口2002及び第二始動口2004への遊技球Bの受け入れにより特別抽選の開始からこの特別抽選結果が示唆されるまでの間に、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球Bが受け入れられると、特別抽選結果の示唆を開始することができないため、先に抽選された特別抽選結果の示唆が完了するまで、特別抽選結果の示唆の開始が保留される。この保留される特別抽選結果の保留数は、第一始動口2002及び第二始動口2004に対して、夫々4つまでを上限とし、それ以上については、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球Bが受け入れられても特別抽選結果を保留せずに、破棄している。これにより、保留が貯まることで遊技ホール側の負担の増加を抑制している。
ところで、第一始動口2002及び第二始動口2004への遊技球Bの受け入れにより抽選された特別抽選結果の示唆は、機能表示ユニット1400と演出表示装置1600とで行われる。機能表示ユニット1400では、主制御基板1310によって直接制御されて特別抽選結果の示唆が行われる。機能表示ユニット1400での特別抽選結果の示唆は、複数のLEDを、点灯・消灯を繰返して所定時間点滅させ、その後に、点灯しているLEDの組合せによって特別抽選結果を示唆する。なお、以下では、第一特別抽選結果を遊技者に示唆するためのLEDの所定時間の点滅を「第一特別図柄の変動表示」と称し、第二特別抽選結果を遊技者に示唆するためのLEDの所定時間の点滅を「第二特別図柄の変動表示」と称する場合があり、また、第一特別抽選結果を遊技者に示唆するLEDの点灯組み合わせパターンを「第一特別図柄の停止図柄」と称し、第二特別抽選結果を遊技者に示唆するLEDの点灯組み合わせパターンを「第二特別図柄の停止図柄」と称する場合がある。
一方、演出表示装置1600では、主制御基板1310からの制御信号に基づいて、周辺制御基板1510によって間接的に制御され演出画像として特別抽選結果の示唆が行われる。演出表示装置1600での特別抽選結果を示唆する演出画像は、複数の絵柄からなる絵柄列を、左右方向へ三つ並べて表示した状態で、各絵柄列を変動させ、変動表示されている絵柄列を順次停止表示させ、停止表示される三つの絵柄列の絵柄が、特別抽選結果と対応した組合せとなるように夫々の絵柄列が停止表示される。特別抽選結果が「ハズレ」以外の場合は、三つの絵柄列が停止して各絵柄が停止表示された後に、特別抽選結果を示唆する確定画像が演出表示装置1600に表示されて、抽選された特別抽選結果に応じた有利遊技状態(例えば、「小当り」遊技、「大当り」遊技、等)が発生する。
なお、機能表示ユニット1400での特別抽選結果を示唆する時間(LEDの点滅時間(変動時間))と、演出表示装置1600での特別抽選結果を示唆する時間(絵柄列が変動して確定画像が表示されるまでの時間)とは、異なっており、機能表示ユニット1400の方が長い時間に設定されている。
また、周辺制御基板1510では、演出表示装置1600による特別抽選結果を示唆するための演出画像の表示の他に、抽選された特別抽選結果に応じて、扉枠3における演出操作ユニット300における演出操作部301の回転操作部302や押圧操作部303を操作させる遊技者参加型演出を行うことができる。遊技者参加型演出では、操作リング駆動モータ342により回転操作部302を回転させたり、振動させたり、回転操作をアシストしたり、回転操作を阻害したりすることができると共に、操作ボタン昇降駆動モータ367により押圧操作部303を上昇させて目立たせることができ、演出操作部301の操作により遊技者参加型演出を楽しませることができる。
また、周辺制御基板1510では、扉枠3に備えられている各装飾基板や、遊技盤5に備えられている各装飾基板、演出表示装置1600、及び裏ユニット3000の導光板演出ユニット3100、裏演出ユニット3200、等を適宜用いて、発光演出や表示演出等を行うことが可能であり、各種の演出によっても遊技者を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、周辺制御基板1510では、回転操作部302や押圧操作部303を操作する遊技者参加型演出において、遊技者が操作すべき操作を間違えたり、行わなかったりした時に、正しい操作を行わせるように遊技者にその旨を告知する。具体的には、例えば、中央押圧操作部303aの押圧操作が要求されている時に、外周押圧操作部303bを押圧操作したり、回転操作部302を回転操作した場合、振動スピーカ354により振動させたり演出表示装置1600にその旨を表示させたりする。
また、普通入賞口2003に遊技球Bが受け入れられると、主制御基板1310において、第二始動口扉2411を所定のパターンで開状態とするか否かの普通抽選結果の抽選が行われる。そして、抽選された普通抽選結果を、機能表示ユニット1400の普通図柄表示器に所定時間(例えば、0.1s〜6000s、普通変動時間とも称す)かけて遊技者に示唆する。本実施形態では、普通入賞口2003への遊技球Bの受け入れにより抽選された普通抽選結果を遊技者に示唆するための普通図柄の変動時間を、通常状態では「6000s」とする一方、確変状態及び時短状態では「0.1s」とする。
また、普図当り確率(普通抽選結果が「普通当り」となる確率)は「11分の10」とされ、普通入賞口2003に遊技球Bが受け入れられた場合には殆どの場合に「普通当り」となって第二始動口扉2411が開状態となる。また、普通抽選結果が「普通当り」となった場合に、第二始動口扉2411を開状態とする期間を、通常状態では「0.1s」とする一方、確変状態及び時短状態では「2.0s」とする。そのため、通常状態では第二始動口扉2411が最短でも6000s間隔でしか開状態とならない上に、開状態となる期間が極端に短いために第二始動口2004への遊技球の受け入れは非常に困難とされる。これにより、通常状態での第二始動口2004への遊技球受け入れを狙った不正行為を抑制することができる。一方、確変状態では第二始動口扉2411が頻繁に開状態とされるだけでなく、開状態となる期間が長いため、第二始動口2004への遊技球の受け入れが容易となっている。なお、普図当り確率を通常状態(低確率非時短状態)時と時短状態(低確率時短状態)時や確変状態(高確率時短状態)時と異ならせるようにしてもよく、例えば通常状態時には普図当り確率を「11分の1」とし、時短状態時や確変状態時には普図当り確率を「11分の10」として、通常状態時には第二始動口2004への遊技球の受け入れを非常に困難とする一方、時短状態時や確変状態時には第二始動口2004への遊技球の受け入れを容易にすることにより、時短状態時や確変状態時には第二始動口2004への遊技球の受け入れが頻繁に発生するようにしつつ、通常状態での第二始動口2004への遊技球受け入れを狙った不正行為を抑制するようにしてもよい。また、普図当り確率を通常状態(低確率非時短状態)時にゼロ(11分の0)として当選しないようにする一方で、時短状態時や確変状態時には普図当り確率を「11分の10」や「11分の11」にするようにし、通常状態での第二始動口2004への遊技球受け入れを狙った不正行為を一層抑制するようにしてもよい。
このように通常状態では第二始動口2004への遊技球の受け入れが殆ど発生せずに、主として第一始動口2002への遊技球の受け入れに基づく第一特別抽選結果の示唆(第一特別図柄の変動表示)が行われる。一方、確変状態及び時短状態ではセンター役物2500の右側を狙った遊技球Bの打込操作が行われるため、第二始動口2004への遊技球の受け入れが頻繁に発生し、主として第二始動口2004への遊技球の受け入れに基づく第二特別抽選結果の示唆(第二特別図柄の変動表示)が行われる。
また、普通入賞口2003への遊技球Bの受け入れにより普通抽選の開始からこの普通抽選結果が示唆されるまでの間に、普通入賞口2003に遊技球Bが受け入れられると、普通抽選結果の示唆を開始することができないため、先に抽選された普通抽選結果の示唆が完了するまで、普通抽選結果の示唆の開始が保留される。この保留される普通抽選結果の保留数は、普通入賞口2003に対して4つまでを上限とし、それ以上については、普通入賞口2003に遊技球Bが受け入れられても普通抽選結果を保留せずに、破棄するようにしている。なお、本例に代えて、普通入賞口2003への遊技球Bの受け入れにより普通抽選の開始からこの普通抽選結果が示唆されるまでの間に、普通入賞口2003に遊技球Bが受け入れられた場合には、普通抽選結果を保留することなく破棄するようにしてもよい。これにより、通常状態時に普通入賞口2003及び第二始動口2004を狙った遊技球Bの打込操作が行われることを一層防止して、通常状態時に第二特別抽選が行われて小当りが発生することを防止でき、通常状態での第二始動口2004への遊技球受け入れを狙った不正行為を一層抑制することができる。
また、普通入賞口2003への遊技球Bの受け入れにより抽選された普通抽選結果の示唆は、特別抽選結果と同等に、機能表示ユニット1400と演出表示装置1600とで行われる。機能表示ユニット1400では、主制御基板1310によって直接制御されて普通抽選結果の示唆が行われる。機能表示ユニット1400での普通抽選結果の示唆は、特別抽選結果を示唆するLEDとは異なるLEDを、点灯・消灯を繰返して所定時間点滅させ、その後に、点灯しているLEDの組合せによって普通抽選結果を示唆する。
このように、本例のパチンコ機1では通常状態時にはセンター役物2500の左側を狙った遊技球Bの打込が行われて第一始動口2002への遊技球の受け入れに基づく第一特別抽選結果の示唆(第一特別図柄の変動表示)が行われる。また、通常状態時に第一特別抽選結果が「15R通常大当り」になると、大当り遊技の終了後に時短状態に移行制御し、センター役物2500の右側を狙った遊技球Bの打込が行われて第二始動口2004への遊技球の受け入れに基づく第二特別抽選結果の示唆(第二特別図柄の変動表示)が行われる。時短状態において大当りが発生することなく、所定の変動回数(第一特別抽選の示唆及び第二特別抽選の示唆を合算した示唆回数100回)に達した場合には時短状態を終了して通常状態に移行制御し、再びセンター役物2500の左側を狙った遊技球Bの打込が行われて第一始動口2002への遊技球の受け入れに基づく第一特別抽選結果の示唆(第一特別図柄の変動表示)が行われる。
また、通常状態時や時短状態時に第一特別抽選結果が「15R確変大当り」か又は「2R確変大当り」になると、大当り遊技の終了後に確変状態(高確率状態)に移行制御し、センター役物2500の右側を狙った遊技球Bの打込が行われて第二始動口2004への遊技球の受け入れに基づく第二特別抽選結果の示唆(第二特別図柄の変動表示)が行われる。確変状態は次に大当りとなるまで継続して実行され、確変状態時に第二特別抽選結果が「15R通常大当り」になると、大当り遊技の終了後に時短状態に移行制御し、時短状態において大当りが発生することなく、所定の変動回数(第一特別抽選の示唆及び第二特別抽選の示唆を合算した示唆回数100回)に達した場合には時短状態を終了して通常状態に移行制御する。
また、確変状態時に第二特別抽選結果が「15R確変大当り」か又は「2R確変大当り」になると、大当り遊技の終了後に再び確変状態(高確率状態)に移行制御する。このように、確変状態は「15R通常大当り」になるまで継続し、「15R通常大当り」になった場合には大当り遊技の終了後に時短状態に移行制御するようになっている。
なお、保留されている第二特別抽選結果がない状態で第一特別抽選結果だけが保留されている場合や保留されている第二特別抽選結果がない状態で第一始動口2002へ遊技球が受け入れられた場合には時短状態時や確変状態時にも第一特別抽選結果の示唆(第一特別図柄の変動表示)が行われる。そして、時短状態時や確変状態時に第一特別抽選結果が「15R通常大当り」になると、大当り遊技の終了後に時短状態に移行制御し、時短状態時や確変状態時に第一特別抽選結果が「15R確変大当り」か又は「2R確変大当り」になると、大当り遊技の終了後に確変状態に移行制御する。
また、本例のパチンコ機1では第二特別抽選結果として「小当り」となる確率(小当り確率)が大当り確率に比べて非常に高く設定されている(例えば確変状態時における大当り確率の10倍程度)。また時短状態中や確変状態中には、第二始動口2004への遊技球の受け入れが頻繁に発生して第二特別抽選が行われるため、小当りが頻繁に発生して第二大入賞口2006が所定時間(例えば、0.88s)に亘って開状態となる。
即ち、本例のパチンコ機1では時短状態時や確変状態時には第二特別抽選にて小当りが頻繁に発生して、大当りにならずとも少しずつではあるが発射量を超える賞球の獲得が可能となっており、時短状態や確変状態が長く続くほど多くの賞球を獲得できる。そのため、時短状態や確変状態では遊技球が減らないだけでなく、発生した小当りによって獲得される賞球によって遊技者の持ち球を増やすことができる。このように、本例のパチンコ機1では遊技球の消費が大きい通常状態での遊技と、遊技球の消費が少ないばかりか小当りの発生によって大当りにならずとも遊技者の持ち球が増えていく時短状態及び確変状態で実行される遊技と、で全く異なる状態に制御することができるようになっている。
[27−2.第2実施例の当選確率等の設定変更]
第2実施例のパチンコ機1において、設定値に応じて変更される大当りや小当り等の確率等について説明する。
第2実施例においても前述した例と同様に、特別抽選等で用いられるテーブル(当り判定テーブル、大当り図柄決定テーブル、小当り図柄決定テーブル等)として設定値に応じたテーブルを選択する。なお、特別抽選等で用いられるテーブルは設定値毎に設けられ、各テーブルは少なくとも一部の値が異なるように設定されている。
図212(A)に示すように本実施形態では、「大当り確率」、及び「小当り確率」が設定値1〜設定値6のそれぞれに対応して設定されている。
また、第一特別抽選および第二特別抽選にて共通とされる大当り確率(当り判定テーブルのうち大当りに当選したことを示す大当り判定値の割合)は設定値毎に異なる値が設定され、通常状態及び時短状態(低確率状態)の第一特別抽選および第二特別抽選での大当り確率は、設定値1で「319分の1」、設定値2で「309分の1」、設定値3で「299分の1」、設定値4で「289分の1」、設定値5で「279分の1」、設定値6で「269分の1」となっている。また、確変状態(高確率状態)の第一特別抽選および第二特別抽選での大当り確率は、設定値1で「30分の1」、設定値2で「40分の1」、設定値3で「50分の1」、設定値4で「60分の1」、設定値5で「70分の1」、設定値6で「80分の1」となっている。
このように、通常状態及び時短状態(低確率状態)では設定値が高くなる程に大当り確率が高くなるようにされるものの、確変状態では通常状態及び時短状態とは逆に設定値が高くなる程に大当り確率が低くなるようになっている。即ち、通常状態及び時短状態では設定値6の大当り確率が最も高くなっている一方で、確変状態では設定値1の大当り確率が最も低くなっている。なお、大当り確率は設定値に比例又は反比例させるものに限らず、一部については任意の設定値に設定される大当り確率よりも当該設定値よりも低い設定値に設定される大当り確率の方が高くなるように設定するようにしてもよい。
図212(A)に示されるように、第一特別抽選での小当り確率(当り判定テーブルのうち小当りに当選したことを示す小当り判定値の割合)は全ての設定値で「0」とされて(小当りに当選することがない)通常状態及び時短状態においては小当りによる賞球の獲得が困難である一方、第二特別抽選での小当り確率(当り判定テーブルのうち小当りに当選したことを示す小当り判定値の割合)は全ての設定値で共通の「3分の1」とされて大当り確率と比べて非常に高い確率であるため、確変状態や時短状態では小当りが頻繁に発生して賞球の獲得が容易となっている。
確変状態では設定値6で大当り確率が最も低くされるため、低設定値よりも大当りの発生が起こり難く(遅れ)、これによって確変状態が長期に亘って継続することになるため、設定値が高くなるほど大当りとなるまでに発生する小当りの回数が増加するようになる。即ち、高い設定値ほど小当りによって多くの賞球を獲得可能になり、かつ、次回の大当りも約束されることとなり、設定値が高いほど有利度合いが高くなる。換言すると、確変状態ではいずれの設定値であっても次回の大当りが約束されるものの、設定値毎に大当り以外で獲得可能な賞球数の期待値を相違させ、設定値が高くなるほどに大当り以外で獲得可能な賞球数の期待値が高まるようになっている。
なお、確変状態の継続期間を次回の大当りまでとせずに、通常状態及び時短状態と同様に所定の変動回数(第一特別抽選の示唆及び第二特別抽選の示唆を合算した示唆回数100回)に達した場合に終了する構成としつつ、設定値が高くなる程に大当り確率が高くなるようにすることで、設定値が高いほど大当りの発生頻度を増大させることによって有利度合いを高めるようにしてもよい(いわゆる回数切り確変)。この場合には次回の大当りが約束されていないものの、設定値毎に大当り以外で獲得可能な賞球数の期待値を相違させ、設定値が高くなるほどに大当り以外で獲得可能な賞球数の期待値が高まるものの、確変状態の終了条件が成立するまでに大当りが発生することに期待させるゲーム性を実現でき、興趣向上を図ることができる。なお、こうしたゲーム性を実現するにあたり、通常状態及び時短状態での第一特別抽選および第二特別抽選での大当り確率は、設定差を設けないようにし(319分の1で均一にし)、確変状態での第一特別抽選および第二特別抽選での大当り確率のみ、上述のように設定差を設けるにしてもよい。
また、第2実施例の遊技性を実現するに当たり、特定の設定値よりも低い設定値の場合には、確変状態における大当り確率を第二特別抽選での小当り確率よりも高くする一方で、特定の設定値よりも高い設定値の場合には、確変状態における大当り確率を第二特別抽選での小当り確率よりも低くするようにしてもよい。具体的には、例えば、通常状態及び時短状態(低確率状態)の第一特別抽選および第二特別抽選での大当り確率を、設定値1で「250分の1」、設定値2で「240分の1」、設定値3で「230分の1」、設定値4で「180分の1」、設定値5で「170分の1」、設定値6で「160分の1」とし、確変状態(高確率状態)の第一特別抽選および第二特別抽選での大当り確率は、設定値1で「25分の1」、設定値2で「24分の1」、設定値3で「23分の1」、設定値4で「18分の1」、設定値5で「17分の1」、設定値6で「16分の1」とする一方で、第二特別抽選での小当り確率(当り判定テーブルのうち小当りに当選したことを示す小当り判定値の割合)は全ての設定値で共通の「20分の1」としておくことが例示できる。
このような構成の場合、設定値1〜3では、確変状態での大当り確率に比べて第二特別抽選での小当り確率が低い確率であるため、確変状態で小当りにより獲得可能な賞球数が比較的少なくなる一方、設定値4〜6では、確変状態での大当り確率に比べて第二特別抽選での小当り確率が高い確率であるため、確変状態で小当りにより獲得可能な賞球数が比較的多くなることとなる。特に、設定値4以上の設定値になると、確変状態では大当り確率が小当り確率よりも低くなって大当りの発生が起こり難くなり、確変状態が長期に継続する期待感、小当りによって多くの賞球を獲得可能な期待感を与えるゲーム性を創出できる。また、電源投入以降の確変状態にて発生した大当りの確率や確変状態にて発生した小当りの確率の履歴情報を周辺制御部1511の所定の記憶領域(RAM等)に記憶するようにし、その履歴情報に基づく各種の当り確率情報を演出表示装置1600に表示するようにすれば、確変状態における大当りの確率よりも小当りの確率の方が高いことに遊技者を気づかせることもでき、遊技者に「設定値4以上かも」という期待感を付与して、確変状態での遊技継続中に従来にない新たな楽しみや面白みを付与できる。また、確変状態が長期に継続すること、確変状態での小当りによって多くの賞球を獲得可能であることを遊技者が体感することを以って「設定値4以上かも」と遊技者に認知させることもでき、こうした点でも従来にない新たな楽しみや面白みを付与できる。以上のように、特定の設定値(本実施形態では設定値4)を境に、それ以上の設定値では、小当りによって多くの賞球を獲得可能なゲーム性に変貌させることで、遊技興趣の更なる向上を図ることができる。
また、別の実施形態として、確変状態において設定値が高くなる程に第一特別抽選および第二特別抽選での大当り確率が高くなるようにするとともに、設定値が高くなる程に第二特別抽選での小当り確率が高くなるようにしてもよい。具体的には、図212(B)に示すように、通常状態及び時短状態(低確率状態)の第一特別抽選および第二特別抽選での大当り確率は、小当り確率は、設定値1で「319分の1」、設定値2で「309分の1」、設定値3で「299分の1」、設定値4で「289分の1」、設定値5で「279分の1」、設定値6で「269分の1」となっている。また、確変状態(高確率状態)の小当り確率は、設定値1で「31.9分の1」、設定値2で「30.9分の1」、設定値3で「29.9分の1」、設定値4で「28.9分の1」、設定値5で「27.9分の1」、設定値6で「26.9分の1」となっている。このように確変状態では通常状態及び時短状態に比べて全ての設定値の大当り確率が10倍に高められている。
また、第二特別抽選での小当り確率は設定値1で「7分の1」、設定値2で「6分の1」、設定値3で「5分の1」、設定値4で「4分の1」、設定値5で「3分の1」、設定値6で「2分の1」とされている。そのため、設定値1では第二特別抽選が7回行われる毎に小当りが1回発生する程度であるのに対し、設定値6では第二特別抽選が2回行われる毎に小当りが1回発生する程度となり、小当りの発生頻度が増大する。即ち、設定値6では設定値1に比べて小当りが頻繁に発生して小当りによる賞球の獲得が容易となっており、設定値が高くなるほどに確変状態や時短状態において獲得可能な賞球数の期待値が高まるようになっている。
また、上記した大当り確率や小当り確率の設定変更に加えて、又は大当り確率や小当り確率等を設定変更することなしに、大当り種別の決定比率を設定値毎に異ならせることで有利度合いを変化させるようにしてもよい。上記したように、確変状態及び時短状態では主に第二特別抽選が実行されて小当りが発生し得る一方、通常状態では主に第一特別抽選が実行されて小当りが発生し得ない。そのため、確変状態や時短状態の継続期間に応じて有利度合いが変化する。
また、確変状態においても通常状態及び時短状態と同様に設定値が高くなる程に大当り確率が高くなるようにするとともに、設定値が高くなる程に小当り確率が高くなるように設定した場合には、確変状態中に特別抽選結果が「はずれ」となった場合に確変状態を終了させるか否かを抽選する、いわゆる転落抽選を行うようにしてもよい。また、この場合には設定値毎に転落確率(確変状態を終了させる確率)を異ならせることなしに共通としてもよいし、設定値毎に転落確率を異ならせるようにしてもよい。
例えば、図212(C)に示すように、高確率状態の転落確率として全ての設定値に共通の「100分の1」としてもよく、この場合には転落抽選結果が確変状態を終了させることを示す確率は設定値毎に異ならないものの、図212(B)に示されるように大当り確率については設定値が高いほどに向上するため、大当りの発生頻度や発生回数を設定値毎に異ならせて有利度合いを変化させ、設定値が高いほどに有利度合いが高まるようにしている。
また、高確率状態の転落確率を設定値毎に変化させるようにしてもよい。例えば、図212(D)に示すように、転落確率は設定値1及び設定値2で「80分の1」、設定値3及び設定値4で「90分の1」、設定値5及び設定値6で「100分の1」としてもよい。
この場合には、設定値1では大当り確率が「31.9分の1」であるのに対して転落確率は「80分の1」とされて大当り確率が転落確率の約2.5倍高められているのに対し、設定値6では大当り確率が「26.9分の1」であるのに対して転落確率は「100分の1」とされて大当り確率が転落確率の約3.7倍高められている。即ち、大当り確率を設定値が高まるほどに向上させて確変状態を終了させる転落抽選結果が得られる以前に大当りに当選する割合を高めることにより、設定値が高いほどに有利度合いが高まるようにしている。
なお、確変状態中に確変状態を終了させる転落抽選結果が得られた場合には大当り確率を確変状態の確率(高確率)から通常状態の確率(低確率)に戻す一方で、第二特別抽選結果を遊技者に示唆するための特別図柄の変動時間を通常よりも短くする制御は継続するようにしてもよく、この場合には大当り遊技の終了後の変動回数が所定回数(例えば第一特別抽選の示唆及び第二特別抽選の示唆を合算した示唆回数100回)に到達したことに基づいて当該制御を終了して通常状態に移行制御するようにしてもよい。即ち、確変状態中に確変状態を終了させる転落抽選結果が得られた場合には確変状態を終了させて時短状態に移行制御するようにしてもよい。また、確変状態を終了させる転落抽選結果が得られた場合に既に大当り遊技の終了後の変動回数が所定回数(例えば第一特別抽選の示唆及び第二特別抽選の示唆を合算した示唆回数100回)に到達していれば確変状態を終了させた後に時短状態に移行制御することなく、通常状態に移行制御するようにしてもよい。
また、確変状態中に確変状態を終了させる転落抽選結果が得られた場合に大当り確率を確変状態の確率(高確率)から通常状態の確率(低確率)に戻すとともに、第二特別抽選結果を遊技者に示唆するための特別図柄の変動時間を通常の変動時間に戻すようにしてもよい。即ち、確変状態中に確変状態を終了させる転落抽選結果が得られた場合には確変状態を終了させて通常状態に移行制御させるようにしてもよい。またこの場合には、時短状態中にも転落抽選を行うようにしてもよく、時短状態中に時短状態を終了させる転落抽選結果が得られた場合には時短状態を終了させて通常状態に移行制御させるようにしてもよい。
図212(E)に示す例では、大当り遊技の終了後に確変状態に移行制御された後、特別抽選結果が「大当り」となった場合に確変状態が終了することになる大当り種別の発生比率を変化させることで有利度合いを変化させている。具体的には、主に通常状態(低確率非時短状態)で実行される第一特別抽選結果が「大当り」となった場合には全ての設定値で大当り種別の発生比率は同一とされ、大当り遊技の終了後に高確率状態に移行制御される「15R確変大当り」と大当り遊技の終了後に高確率状態に移行制御されるものの賞球の獲得数が「15R確変大当り」よりも少ない「2R確変大当り」との発生比率はそれぞれ「100分の40」とされ、大当り遊技の終了後に所定の変動回数(例えば、第一特別抽選の示唆及び第二特別抽選の示唆を合算した示唆回数100回)に達するまで時短状態に移行制御される「15R通常大当り」の発生比率は「100分の20」とされる。
一方、主に確変状態及び時短状態で実行される第二特別抽選結果が「大当り」となった場合には、設定値毎に大当り種別の発生比率が異なるようになっており、設定値1では大当り遊技の終了後に高確率状態に移行制御される「15R確変大当り」の発生比率は「100分の45」とされ、大当り遊技の終了後に高確率状態に移行制御されるものの賞球の獲得数が「15R確変大当り」よりも少ない「2R確変大当り」の発生比率は「100分の15」とされ、大当り遊技の終了後に所定の変動回数(例えば、100回)に達するまで時短状態に移行制御される「15R通常大当り」の発生比率は「100分の40」とされる。
設定値2では大当り遊技の終了後に高確率状態に移行制御される「15R確変大当り」の発生比率は「100分の46」とされ、大当り遊技の終了後に高確率状態に移行制御されるものの賞球の獲得数が「15R確変大当り」よりも少ない「2R確変大当り」の発生比率は「100分の19」とされ、大当り遊技の終了後に所定の変動回数(例えば、第一特別抽選の示唆及び第二特別抽選の示唆を合算した示唆回数100回)に達するまで時短状態に移行制御される「15R通常大当り」の発生比率は「100分の35」とされる。
設定値3では大当り遊技の終了後に高確率状態に移行制御される「15R確変大当り」の発生比率は「100分の47」とされ、大当り遊技の終了後に高確率状態に移行制御されるものの賞球の獲得数が「15R確変大当り」よりも少ない「2R確変大当り」の発生比率は「100分の23」とされ、大当り遊技の終了後に所定の変動回数(例えば、第一特別抽選の示唆及び第二特別抽選の示唆を合算した示唆回数100回)に達するまで時短状態に移行制御される「15R通常大当り」の発生比率は「100分の30」とされる。
設定値4では大当り遊技の終了後に高確率状態に移行制御される「15R確変大当り」の発生比率は「100分の48」とされ、大当り遊技の終了後に高確率状態に移行制御されるものの賞球の獲得数が「15R確変大当り」よりも少ない「2R確変大当り」の発生比率は「100分の27」とされ、大当り遊技の終了後に所定の変動回数(例えば、第一特別抽選の示唆及び第二特別抽選の示唆を合算した示唆回数100回)に達するまで時短状態に移行制御される「15R通常大当り」の発生比率は「100分の25」とされる。
設定値5では大当り遊技の終了後に高確率状態に移行制御される「15R確変大当り」の発生比率は「100分の49」とされ、大当り遊技の終了後に高確率状態に移行制御されるものの賞球の獲得数が「15R確変大当り」よりも少ない「2R確変大当り」の発生比率は「100分の31」とされ、大当り遊技の終了後に所定の変動回数(例えば、第一特別抽選の示唆及び第二特別抽選の示唆を合算した示唆回数100回)に達するまで時短状態に移行制御される「15R通常大当り」の発生比率は「100分の20」とされる。
設定値6では大当り遊技の終了後に高確率状態に移行制御される「15R確変大当り」の発生比率は「100分の50」とされ、大当り遊技の終了後に高確率状態に移行制御されるものの賞球の獲得数が「15R確変大当り」よりも少ない「2R確変大当り」の発生比率は「100分の35」とされ、大当り遊技の終了後に所定の変動回数(例えば、第一特別抽選の示唆及び第二特別抽選の示唆を合算した示唆回数100回)に達するまで時短状態に移行制御される「15R通常大当り」の発生比率は「100分の15」とされる。
このように、主に確変状態及び時短状態で実行される第二特別抽選結果が「大当り」となった場合に大当り遊技の終了後に所定の変動回数(例えば、第一特別抽選の示唆及び第二特別抽選の示唆を合算した示唆回数100回)に達するまで時短状態に移行制御される「15R通常大当り」の発生比率を設定値毎に変化させ、設定値が高いほど「15R通常大当り」の発生比率を低減させることで、確変状態を終了させ難くなっている。これにより、設定値が高いほど一旦確変状態に移行制御されると確変状態が終了し難くなり、大当りの発生回数を増大させることができるとともに、確変状態中に発生する小当りに基づく賞球の獲得が可能になる。即ち、設定値が高くなるほどに確変状態において獲得可能な賞球数の期待値が高まるようになっている。
なお、設定値が高いほど「15R通常大当り」の発生比率を低減させる一方で、「2R確変大当り」の発生比率を「15R確変大当り」よりも高めて賞球の獲得数を抑制するため、遊技者に過度に有利になることを抑制できる。
[27−3.第2実施例の設定値示唆演出]
上記したように、本例のパチンコ機1では確変状態で獲得可能な賞球の期待値や当選可能な小当り回数の期待値が設定値毎に異なるように構成されている。具体的には、図212(A)では設定値1の確変状態の大当り確率が「30分の1」とされ、小当り確率が「3分の1」とされるため、大当り遊技の終了後に確変状態に制御してから次に大当りとなるまでに当選可能な小当り回数の期待値は「9回」となる。また、1回の小当り遊技では1個程度の遊技球Bが第二大入賞口2006に入球し得るようにされているため、1回の小当り遊技で獲得可能な賞球の期待値は「15球」となる。即ち、設定値1の場合に確変状態で小当りにより獲得可能な賞球の期待値は「9回×15球」の「135球」となる。同様に、設定値2の場合に確変状態で小当りにより獲得可能な賞球の期待値は「13回×15球」の「195球」、設定値3の場合に確変状態で小当りにより獲得可能な賞球の期待値は「16回×15球」の「240球」、設定値4の場合に確変状態で小当りにより獲得可能な賞球の期待値は「19回×15球」の「285球」、設定値5の場合に確変状態で小当りにより獲得可能な賞球の期待値は「23回×15球」の「345球」、設定値6の場合に確変状態で小当りにより獲得可能な賞球の期待値は「26回×15球」の「390球」、となる。
また、図212(B)では設定値1の場合に確変状態で小当りにより獲得可能な賞球の期待値は「4回×15球」の「60球」、設定値2の場合に確変状態で小当りにより獲得可能な賞球の期待値は「5回×15球」の「75球」、設定値3の場合に確変状態で小当りにより獲得可能な賞球の期待値は「5回×15球」の「75球」、設定値4の場合に確変状態で小当りにより獲得可能な賞球の期待値は「7回×15球」の「105球」、設定値5の場合に確変状態で小当りにより獲得可能な賞球の期待値は「9回×15球」の「135球」、設定値6の場合に確変状態で小当りにより獲得可能な賞球の期待値は「13回×15球」の「195球」、となっている。
このように、設定値に応じて確変状態で小当りにより獲得可能な賞球の期待値や当選可能な小当り回数の期待値が異なる(図212(B)においては一部で同一とされている)ため、大当り遊技の終了後に高確率状態に制御する場合に次に大当りとなるまでに小当り遊技で獲得した賞球数や小当りの当選回数等に応じて設定値を推測することができる。なお、小当り遊技で獲得した賞球数や小当りの当選回数等に応じて設定値を示唆する演出(設定値示唆演出)を実行するようにしてもよい。
例えば、図213に示すように、周辺制御部1510が設定値示唆演出として演出表示装置1600に6段階の設定値に対応するように1〜6の6つの目盛1600aを有するゲージ部を表示し、第二大入賞口2006への入賞による賞球獲得数(払出数)に応じてゲージ部の目盛間を色付けして、小当りでの賞球獲得数が増えるにつれてゲージ部が初期表示態様から段階的に色付けされていく(目盛間の色付け表示を増加させる)ようにし、ゲージ部の全ての目盛間が色付けされることで高設定値であることを示唆するようにしてもよい。具体的には、大当り遊技の終了後に高確率状態に制御する場合には、図213(A)に示すように初期表示態様の目盛1600aとキャラクタ1600bとキャラクタのセリフが表示される吹き出し1600cとを演出表示装置1600に表示する。この初期表示態様では、獲得した賞球数の個数「0個」であることを前提に、それに対応する設定値として6つの目盛のうち最も左側の1つの目盛だけを色付け表示することで「設定値1以上」であることを示唆すると共に、吹き出し1600cに「設定値は・・・?」を表示して、ゲージ部が設定値を示唆していることをキャラクタ1600bを通じて遊技者に示唆する。
そして、大当り遊技後の小当り遊技で払い出した賞球数が設定値1での期待値を超えて設定値2での期待値の範囲内になったことが周辺制御部1510で判定されると、ゲージ部における6つの目盛のうち左側から2つ目の目盛までをさらに色付け表示する(左側から1つ目と2つ目を色付け表示した状態)ことで「設定値2以上」であることを示唆すると共に、キャラクタ1600bのセリフとして吹き出し1600cに「2以上かも?」を表示して設定値2以上であることをより明確に示唆する(図213(B))。
また、大当り遊技後の小当り遊技で払い出した賞球数が設定値2での期待値を超えて設定値3での期待値の範囲内になったことが周辺制御部1510で判定されると、ゲージ部における6つの目盛のうち左側から3つ目の目盛までをさらに色付け表示する(左側から1つ目〜3つ目を色付け表示した状態)ことで「設定値3以上」であることを示唆すると共に、キャラクタ1600bのセリフとして吹き出し1600cに「3以上かな?」を表示して設定値3以上であることをより明確に示唆する(図213(C))。
また、大当り遊技後の小当り遊技で払い出した賞球数が設定値3での期待値を超えて設定値4での期待値の範囲内になったことが周辺制御部1510で判定されると、ゲージ部における6つの目盛のうち左側から4つ目の目盛までをさらに色付け表示する(左側から1つ目〜4つ目を色付け表示した状態)ことで「設定値4以上」であることを示唆すると共に、キャラクタ1600bのセリフとして吹き出し1600cに「4以上!?」を表示して設定値4以上であることをより明確に示唆する(図213(D))。
また、大当り遊技後の小当り遊技で払い出した賞球数が設定値4での期待値を超えて設定値5での期待値の範囲内になったことが周辺制御部1510で判定されると、ゲージ部における6つの目盛のうち左側から5つ目の目盛までをさらに色付け表示する(左側から1つ目〜5つ目を色付け表示した状態)ことで「設定値5以上」であることを示唆すると共に、キャラクタ1600bのセリフとして吹き出し1600cに「5超え??」を表示して設定値5以上であることをより明確に示唆する(図213(E))。
また、大当り遊技後の小当り遊技で払い出した賞球数が設定値5での期待値を超えて設定値6での期待値の範囲内になったことが周辺制御部1510で判定されると、ゲージ部における6つの目盛のうち左側から6つ目の目盛までをさらに色付け表示する(全ての目盛を色付け表示した状態)ことで「設定値6」であることを示唆すると共に、キャラクタ1600bのセリフとして吹き出し1600cに「やったね!6かも!!!」を表示して設定値6であることをより明確に示唆する(図213(F))。
そして、ゲージ部における6つの目盛のうち左側から6つ目の目盛までを色付け表示された状態(全ての目盛を色付け表示した状態)以降は、既に最終段階の表示に到達していることから大当り遊技後の小当り遊技で払い出した賞球数によるゲージ部の表示変更は行わずに、次の大当り遊技が開始されるか、あるいは確変状態の終了条件があるものについてはその終了条件が成立するまで、全ての目盛を色付け表示した状態を継続するようにしている。
なお、ゲージ部における6つの目盛全てを色付け表示した状態にて、別途、さらなる設定示唆を行うようにしてもよく、例えば、ゲージ部における6つ全ての目盛を色付け表示した状態にて、大当り遊技後の小当り遊技で賞球を払い出す際に、第二大入賞口2006での入球検出に基づいて、最高設定(設定値6)であることを確定的に遊技者に知らせる最高設定確定演出を実行するための特別な演出抽選を行うようにしてもよい。具体的には、ゲージ部における6つ全ての目盛を色付け表示した状態にて、第二大入賞口2006で入球検出される度に、1/1000で当選する特別な演出抽選を行い、それに当選することで、特別態様の音声出力(設定6おめでとう!のメッセージ音声)、特別態様での扉枠3の各種のランプ発光(7色を用いた虹色でのランプ発光)、演出表示装置1600での特別表示(設定6おめでとう!のメッセージ表示)からなる最高設定確定演出を同時期に行うことを例示できる。このように全ての目盛を色付け表示した状態で最高設定確定演出を実行することで、先に行われた設定示唆に係る演出で満足感を付与した上で、遊技者を退屈にさせることなく更なる満足感を遊技者に付与でき、遊技興趣の更なる向上を図ることができる。
また、本実施形態では、全ての目盛を色付け表示するよりも前に大当りになった場合は、その大当り後にゲージ部の表示態様をクリアするようにしており、これにより大当りが発生して大当り遊技後に確変状態に移行制御される毎に設定値示唆演出を実行してパチンコ機1の設定値を示唆するため、設定値示唆演出で示唆された設定値を統計することで実際の設定値を推測することができるようになる。即ち、確変状態が1回実行されただけでは、この確変状態中に小当りによって獲得した賞球数と設定値に応じて獲得可能な賞球の期待値とは異なる場合があることから設定値の判別は困難であるが、大当り間の確変状態毎に小当りによって獲得した賞球数を計数すると特定の賞球数付近の割合が高まるようになるため、特定の賞球数を期待値と比較することによって設定値を推測することができるようになる。本例では複数回実行された設定値示唆演出において最も示唆される割合の高かった設定値が実際の設定値であると推測することができる。
なお、大当りになった場合にゲージ部の表示態様をクリアすることなく、確変状態が終了するまではゲージ部の表示態様を引き継ぐようにしてもよい。また、この場合にはゲージ部における6つの目盛は設定値に応じて1回の確変状態で獲得可能な賞球の期待値や1回の確変状態で発生可能な小当りの回数以上として、1回の確変状態では全ての目盛が色付けされないようにしてもよい。これにより、長期間に亘る確変状態で獲得した賞球数や小当り回数等に基づいて設定値を示唆することができるため、示唆される設定値の信頼度を向上させることができる。
また、上記した各種の設定値示唆演出は周辺制御部1511によって実行され、大当り遊技の終了後から次の大当りが開始されるまでの期間の確変状態で実行される小当り遊技によって獲得した賞球数に基づくものであり、実際の設定値に基づくものではないため、示唆される設定値と実際の設定値とは異なる場合がある。なお、主制御基板1310から設定値に関する情報(設定値情報)を周辺制御基板1510に送信するようにしてもよく、この場合には設定値示唆演出として大当り遊技後の小当り遊技で獲得した賞球数に加えて、設定値情報に基づいて設定値を示唆するようにしてもよい。具体的には、大当り遊技後の小当り遊技で獲得した賞球数が設定値情報によって示される設定値の期待値を超えた場合には、設定値示唆演出の示唆態様を変化させないようにしてもよいし、大当り遊技後の小当り遊技で獲得した賞球数が設定値情報によって示される設定値の期待値未満である場合に、抽選などによって設定値情報によって示される設定値又は設定値情報によって示される設定値以下の設定値に応じた設定値示唆演出の示唆態様に変化させるようにしてもよい。このように構成することにより、設定値示唆演出の信頼度を高めることができ、設定値示唆演出で示唆される設定値に注目させることができる。
また、本実施形態では、大当り遊技後の小当り遊技で払い出した賞球数を周辺制御部1510が把握し、その賞球数の総数が各設定値での期待値を超えたと周辺制御部1510が判断した場合に、ゲージ部の表示変更を行って確変状態での設定示唆を行うようにしていたが、確変状態での設定示唆はこうした形態に限らず、以下のようにしてもよい。
例えば、上述したような6段階のゲージ部がある場合に、小当りにより払い出した賞球が一定値に達したことを周辺制御部1510が判断する毎に、1つの目盛1600を色付けしていき、最終段階の目盛1600の色付けを達成することで高設定であることを遊技者に示唆するようにしてもよい。この場合、設定値6での当り遊技後の小当り遊技で払い出される賞球数の期待値を目安にして、最終段階の目盛1600の色付けが達成されるようにするのが好ましく、例えば、設定値6で当り遊技後の小当り遊技で払い出される賞球数の期待値が「195球」の場合には、「195球+α球(α<195)」の払出を最終段階の目盛1600の色付け達成タイミングにすることが例示できる。
また、小当りにより払い出した賞球に基づくのではなく、第二特別抽選の結果が小当り結果となった回数が一定値に達したことを周辺制御部1510が判断することに基づいて、1つの目盛1600を色付けしていき、最終段階の目盛1600の色付けを達成すること(例えば、第二特別抽選の結果が小当り結果となった回数が80回に到達すること等)で高設定であることを遊技者に示唆するようにしてもよい。この場合、実際に設定されている設定値における確変状態での大当り確率および小当り確率の関係で達成難易が変化することとなる。そして、ゲージ部の表示状況(例えば、あと1目盛の色付けで最終段階に到達する状況など)によっては、設定値示唆に期待して、第二特別抽選の結果が大当りよりも小当りになることに注目するという新たなゲーム性を提供することもできる。
このように、本例のパチンコ機1では確変状態に制御される場合に大当り遊技後の小当り遊技で獲得した賞球数や小当り遊技の当選回数に応じて設定値を推測させる新たなゲーム性を提供することができる。
以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、遊技の進行を制御することができる遊技制御中央処理部として図137の主制御基板1310の主制御MPUを有する遊技制御基板として図137の主制御基板1310を備えている。この主制御基板1310は、主制御MPU1310aからの出力信号を取り出してパチンコ機1を試験する試験装置へ伝送する配線として試験用ハーネスと電気的に接続することができる図141の試験用コネクタ1310kを備えることができるようになっている。
パチンコ機1が試験装置により試験される場合において、主制御基板1310の主制御MPUが主制御基板1310の表面側である表面(実装面)1310xに実装されているのに対して、試験用コネクタ1310kが主制御基板1310の裏面側である裏面(ハンダ面)1310yに実装されている。
このように、試験用コネクタ1310kが主制御基板1310の裏面側に実装されているため、パチンコ機1が特定の試験機関で試験される試験機として生産される場合、及びパチンコ機1が遊技ホールに出荷される量産機として生産される場合でも、主制御基板1310の表面側に試験用コネクタ1310kを実装する領域が空き領域として形成されることがなくなる。したがって、主制御基板1310の表面における各種電子部品の配置の自由度を高めることができる。
また、以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、遊技の進行を制御することができる遊技制御基板として図139(a)の主制御基板1310’に複数の電子部品が実装されている。これらの複数の電子部品は、リードタイプの電子部品として図139(a)のリードタイプに含まれるZIPタイプの主制御MPU(図中、部品番号「MIC1」と記載。)と、表面実装タイプの電子部品として図139(a)のSMDタイプのシュミットトリガインバータMIC30と、から構成されて主制御基板1310’の表面(実装面)1310x’にそれぞれ実装されている。
主制御基板1310’は、情報領域として図139(a)の部品リスト領域1310xb’を備えている。この部品リスト領域1310xb’は、表面実装タイプの電子部品の識別子と対応する情報を表記することができるものである。部品リスト領域1310xb’に表記される情報としては、表面実装タイプの電子部品の製造会社名(略称や記号を含む。)、表面実装タイプの電子部品の品番等を挙げることができる。
具体的には、図139(a)に示したように、部品リスト領域1310xb’には、部品番号と品番(カタログに掲載される番号)とを整列した態様で構成される電子部品の部品リストがシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷されている。部品番号及び品番の大きさは、部品配置領域1310xa’にシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷されている部品番号の大きさと比べて大きく(例えば、3倍〜5倍程度大きく)シルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷される。部品番号と品番(カタログに掲載される番号)との間に区切り記号「:」が設けられ、部品番号と品番(カタログに掲載される番号)とが連続したものとして識別されないようになっている。この区切り記号により、部品番号と品番(カタログに掲載される番号)とを区別して識別することができる。なお、品番(カタログに掲載される番号)とともに、製造会社名(略称や記号も含む。)をシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷されていてもよい。
このように、主制御基板1310’に実装される表面実装タイプの電子部品に付された識別子の表示態様が視認し難い場合であっても、この識別子と対応する情報(製造会社名、品番等)が主制御基板1310’に備える部品リスト領域1310xb’に表示されるようになっている。したがって、表面実装タイプの電子部品の識別子を確実に視認することができる。
また、以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、遊技の進行を制御することができる遊技制御基板として図137の主制御基板1310に複数の電子部品が実装されているとともに、この主制御基板1310が封印手段を有する封印基板ボックスとして図141の主制御基板ボックス1320に収容されている。
主制御基板ボックス1320には、複数の電子部品のうち、表面実装タイプの電子部品の形状と比べて小さい形状を有する孔として図141の透明なカバー体1301に形成される通気孔1301zが複数設けられている。
このように、表面実装タイプの電子部品の形状と比べて小さい形状を有する孔である通気孔1301zが主制御基板ボックス1320に複数設けられているため、何らかの不正な手段により表面実装タイプの電子部品を主制御基板1310から剥がして不正な電子部品と交換しようとしても、表面実装タイプの電子部品が主制御基板ボックス1320に複数設けられている孔である通気孔1301zから取り出すことができないようになっている。したがって、表面実装タイプの電子部品から不正な電子部品へ交換されることを防止することができる。
また、以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、遊技を行うことができるものであり、所定の操作を受け付け可能な第1操作部として図111の設定変更基板1311の設定キースイッチ1311a及び第2操作部として図77の払出制御基板633のRWMクリアボタン633zと、設定変更基板1311の設定キースイッチ1311aが操作された後、払出制御基板633のRWMクリアボタン633zが操作されることで遊技者にとって有利となる確率が設定される設定値の変更を行うことができる設定変更手段として図111の主制御基板1310の主制御MPU1310aと、を備えている。払出制御基板633のRWMクリアボタン633zは、設定変更基板1311の設定キースイッチ1311aとは別体に設けられている。このパチンコ機1では、払出制御基板633のRWMクリアボタン633zの操作に関する情報を案内する案内手段としてRWMクリアボタン633zの配置場所を伝えることができる所在情報となる表記等をさらに備えている。
このように、払出制御基板633のRWMクリアボタン633zの操作に関する情報が案内されるようになっているため、設定変更基板1311の設定キースイッチ1311aと払出制御基板633のRWMクリアボタン633zとを別体に設けても、設定変更基板1311の設定キースイッチ1311aと払出制御基板633のRWMクリアボタン633zとを操作する者が操作手順に戸惑わずに済む。設定変更基板1311の設定キースイッチ1311aと払出制御基板633のRWMクリアボタン633zとを別体に設けることにより防犯性を高めることができる。したがって、防犯性を高めることができる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、上記の実施形態では、案内通路群2520として、第一案内通路2521及び第二案内通路2522の二つの案内通路により構成されているものを示したが、これに限定するものではなく、三つ以上の案内通路により構成されているものとしてもよい。
また、上記の実施形態では、案内通路群2520において、90度ひねった後に、逆方向へ90度ひねって、入口の並びと出口の並びとが同じものを示したが、これに限定するものではなく、入口の並びと出口の並びとが異なるようにひねってもよい。或いは、第一案内通路2521及び第二案内通路2522がスパイラルとなるように、複数回に亘ってひねるようにしてもよい。
また、実施形態では、もちろん本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。例えば、実施形態では遊技機としてパチンコ機を例示したが、雀球機、アレンジボール機等の他の遊技機にも適用可能であり、さらには、遊技メダルを用いて複数のドラム(回胴又はリール)を回転させるスロットマシンにも適用可能である。ここで、スロットマシンについて図214を参照して説明する。図214はスロットマシンの概略斜視図である。
スロットマシン6000は、図214に示すように、前面扉6002、本体部分6004を備えて構成されている。前面扉6002と本体部分6004とは、図示しない蝶番を介して相互に連結されている。この蝶番を回転中心として、前面扉6002の右側端に設けた鍵穴6005に鍵を挿入して時計回りに回すことで、前面扉6002を本体部分6004から開放することができるようになっている。
前面扉6002の上半分は遊技パネル6006が設けられており、前面扉6002の下半分は遊技パネル6006から前方に突出した突出部が形成されている。この突出部にはメダル投入口6008やベットボタン6010,6012、始動レバー6014、左停止ボタン6016、中停止ボタン6018、右停止ボタン6020等が遊技パネル6006の下縁に沿って配置されている。また前面扉6002の下半分には貯留精算ボタン6022や化粧板6024が配置されており、化粧板6024の下方には受け皿6026が設けられている。これらのベットボタン6010,6012、始動レバー6014、左停止ボタン6016、中停止ボタン6018、右停止ボタン6020、そして貯留精算ボタン6022等は、遊技の進行を制御する主制御基板1310に電気的に接続されている。主制御基板1310は、主制御ユニット1300の主制御基板ボックス1320に収容されて本体部分6004の内部に設けられる図示しない基板ホルダに取り付けて固定されている。
遊技パネル6006のほぼ中央位置には図示しない矩形の表示窓が形成されており、この表示窓を通してスロットマシン6000の内部に設置された、図示しない3つの可変回転体と、図示しない演出装置等を透視することができるようになっている。図示しない3つの可変回転体は、本体部分6004の内部に設けられる図示しない本体側取付部材に取り付けられて固定されている。これに対して、図示しない演出装置は、前面扉6002の裏面側に設けられる図示しない扉側取付部材に取り付けられて固定されている。
これらの可変回転体には、図柄情報として複数種類の図柄(例えば、ベル、スイカ、チェリー、7、V等)が印刷された透光性を有する図柄帯がそれぞれの筒型の骨組みに貼られている。このような筒型の可変回転体は、スロットマシン等の遊技機においてリール又はドラムと呼ばれており、図示しないステッピングモータの出力軸と、各可変回転体と、が接続されている。これらのステッピングモータは、主制御基板1310により駆動制御されており、ステッピングモータの出力軸が回転することにより、上述した表示窓から複数種類の図柄が上から下に向かって連続的に変化するように見えるようになっている。
演出装置は、図示しない複数の可動演出体と、上述した演出表示装置1600と、図示しない複数のLEDが実装された各種装飾基板と、上述した周辺制御ユニット1500と、を備えている。周辺制御ユニット1500は、主制御基板1310からの各種コマンドに基づいて、複数の可動演出体の作動制御、演出表示装置1600の描画制御、各種装飾基板に実装される複数のLEDの発光制御等の各種制御を行うことにより、演出の進行を制御している。周辺制御ユニット1500は、上述した、周辺制御基板1510を備えている。
主制御基板1310は、遊技媒体として所定数のメダルがメダル投入口6008に投入され、始動レバー6014の操作に基づいて図柄情報の変動表示を開始し、左停止ボタン6016、中停止ボタン6018、右停止ボタン6020の操作あるいは所定時間の経過に基づいて図柄情報の変動表示を停止させる。そして、主制御基板1310は、図柄情報が予め定めた特定表示態様となることを条件として利益付与状態(大当り遊技状態)を発生させて遊技媒体としてのメダルを受け皿6026に多量に払い出す。
なお、融合遊技機においては、メダル投入口6008が球投入口6008’となり、主制御基板1310は、遊技媒体として所定数の遊技球が球投入口6008’に投入され、始動レバー6014の操作に基づいて図柄情報の変動表示を開始し、左停止ボタン6016、中停止ボタン6018、右停止ボタン6020の操作あるいは所定時間の経過に基づいて図柄情報の変動表示を停止させる。そして、主制御基板1310は、図柄情報が予め定めた特定表示態様となることを条件として利益付与状態(大当り遊技状態)を発生させて遊技媒体としての遊技球を受け皿6026に多量に払い出す。
1 パチンコ機
3 扉枠
4 本体枠
5 遊技盤
5a 遊技領域
1000 前構成部材
1100 遊技パネル
2000 表ユニット
2003 普通入賞口(特典付与部)
2004 第二始動口(特典付与部)
2005 大入賞口
2400 アタッカユニット
2500 センター役物
2505 上流空間部
2510 上右周壁部2510
2520 案内通路群
2520a 重見部
2521 第一案内通路(案内通路)
2522 第二案内通路(案内通路)

Claims (1)

  1. 遊技を行う遊技機であって、
    所定の操作を受け付け可能な第1操作部及び第2操作部と、
    前記第1操作部が操作された後、前記第2操作部が操作されることで遊技者にとって有利となる確率が設定される設定値の変更を行うことができる設定変更手段と、を備え、
    前記第2操作部は前記第1操作部とは別体に設けられ、
    前記第2操作部の操作に関する情報を案内する案内手段をさらに備えることを特徴とする遊技機。
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