JP6299442B2 - パワーモジュール - Google Patents

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Description

この発明は、銅又は銅合金からなる銅層が設けられた回路層と、半導体素子と、をはんだ材を用いて接合したパワーモジュールに関するものである。
上述のパワーモジュールは、例えば、特許文献1、2に示すように、絶縁基板の一方の面に回路層となる金属板が接合されてなるパワーモジュール用基板と、回路層上に搭載されるパワー素子(半導体素子)と、を備えている。
また、パワーモジュール用基板の他方の面側には、パワー素子(半導体素子)からの熱を放散するために、放熱板や冷却器などのヒートシンクが配設されることがある。このとき、絶縁基板と放熱板や冷却器などのヒートシンクとの熱膨張係数に起因する熱応力を緩和するために、パワーモジュール用基板においては、絶縁基板の他方の面に金属層となる金属板が接合され、この金属層と上述の放熱板や冷却器などのヒートシンクが接合される構成とされている。
上述のパワーモジュールにおいては、回路層とパワー素子(半導体素子)とは、はんだ材を介して接合される。
ここで、回路層がアルミニウムまたはアルミニウム合金で構成されている場合には、例えば特許文献3に開示されているように、回路層の表面に電解めっき等によってNiめっき膜を形成し、このNiめっき膜上にはんだ材を配設して半導体素子を接合する必要があった。
なお、回路層が銅又は銅合金で構成されている場合においても、回路層の表面にNiめっき膜を形成し、このNiめっき膜上にはんだ材を配設して半導体素子を接合していた。
また、はんだ材としては、Sn−Ag系はんだ材、Sn−Cu系はんだ材等が一般的に使用されている。
最近では、パワーモジュールに負荷されるパワーサイクル温度が上昇しており、パワーモジュールの耐熱性向上が求められている。そこで、例えば特許文献4,5には、高融点のSn−Sb系はんだ材が提案されている。
特開2002−076551号公報 特開2008−227336号公報 特開2004−172378号公報 特開2002−321084号公報 特開2011−138968号公報
ところで、例えば特許文献3に記載されたように、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる回路層の表面にNiめっきを形成して半導体素子をはんだ接合したパワーモジュールに対してパワーサイクルの負荷をかけると、はんだにクラックが生じ、熱抵抗が上昇するおそれがあった。
また、銅又は銅合金からなる回路層の表面にNiめっきを形成して半導体素子をはんだ接合したパワーモジュールにおいても、パワーサイクルの負荷をかけると、はんだにクラックが生じ、熱抵抗が上昇するおそれがあった。
最近では、上述のパワーモジュール等においては、風力発電又は電気自動車や電気車両などを制御するために、さらなる大電力制御用のパワー素子が搭載されることから、従来に増して、パワーサイクルに対する信頼性をさらに向上させる必要があった。また、上述のように、パワーモジュールに負荷されるパワーサイクル温度が上昇しており、はんだ層の耐熱性向上及び強度向上が求められている。
この発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、パワーサイクルや冷熱サイクルを負荷した場合であっても、はんだ層のクラックを抑制でき、信頼性の高いパワーモジュールを提供することを目的とする。
本発明者らが鋭意検討した結果、銅又は銅合金からなる回路層の表面に半導体素子をはんだ接合したパワーモジュールに対してパワーサイクル負荷をかけた場合、回路層とはんだ層との界面にクラックが発生すると、このクラックがはんだ層内部へと進展し、早期にはんだ層が破壊されることが確認された。また、はんだ層内に存在するNiSnがクラックの起点となっていることが判明した。
本発明は、上述の知見に基づいてなされたものであって、本発明のパワーモジュールは、絶縁層の一方の面に回路層が配設されたパワーモジュール用基板と、前記回路層の一方の面に接合された半導体素子と、を備えたパワーモジュールであって、前記回路層のうち前記半導体素子との接合面には、銅又は銅合金からなる銅層が設けられており、前記銅層と前記半導体素子との間には、SnとSbを含有するはんだ材を用いて形成されたはんだ層が形成されており、前記はんだ層にはNiが含まれており、前記はんだ層内に存在するNiSnの面積率が0.5%以下であることを特徴としている。
この構成のパワーモジュールによれば、前記回路層(前記銅層)と前記半導体素子との間に形成されたはんだ層内に存在するNiSnの面積率が0.5%以下とされているので、はんだ層内に脆弱なNiSnが多く存在しておらず、パワーサイクル負荷時におけるクラックの発生を抑制することが可能となる。また、SnとSbを含有するはんだ材を用いているので、はんだ層の融点が比較的高くなり、パワーモジュールの耐熱性を向上させることができる。また、SnにSbが固溶することにより、はんだ層の強度向上を図ることができる。
また、はんだ層にNiが含まれていることにより、はんだ層と銅層の接合界面に(Cu,Ni)Snからなる金属間化合物層を形成させることができ、パワーサイクルに対する信頼性を向上させるためことができる。
なお、上述の作用効果を確実に奏功せしめるためには、前記はんだ層内に存在するNiSnの面積率を0.1%以下とすることが好ましい。
ここで、前記はんだ層は、Sbを0.5mass%以上7.9mass%以下、Niを0.05mass%以上0.8mass%以下、Cuを0.4mass%以上4.6mass%以下、含有し、残部がSn及び不可避不純物とされていることが好ましい。
この場合、はんだ層がSbを0.5mass%以上7.9mass%以下含有しているので、はんだ層の融点が比較的高くなり、パワーサイクル温度や冷熱サイクル温度が高い場合であっても、信頼性を向上させることが可能となる。また、SnにSbが固溶することにより、はんだ層の強度向上を図ることができる。また、Niを0.05mass%以上含有しているので、金属間化合物を平滑化できるとともに、はんだ層と銅層の接合界面に(Cu,Ni)Snからなる金属間化合物層を確実に形成し、パワーサイクルに対する信頼性を確実に向上することができる。また、Niの含有量が0.8mass%以下とされているので、NiSnの発生を抑制することができる。さらに、Cuを0.4mass%以上4.6mass%以下含有しているので、NiとCuが反応することにより、NiSnの発生を抑制することができる。
また、本発明のパワーモジュールにおいては、パワーサイクル試験において、通電時間5秒、温度差80℃の条件のパワーサイクルを10万回負荷したときの熱抵抗上昇率が10%未満とされていることが好ましい。
この場合、パワーサイクルを繰り返し負荷した場合であっても、はんだ層が早期に破壊されることがなく、パワーサイクルに対する信頼性の向上を図ることができる。なお、上述のパワーサイクル試験は、最もはんだ層に負荷が掛かる条件であることから、この条件下でパワーサイクルを10万回負荷したときの熱抵抗上昇率が10%未満とされていれば、通常の使用において、十分な信頼性を得ることができる。
本発明によれば、パワーサイクルや冷熱サイクルを負荷した場合であっても、早期にはんだ層に破壊が生じることを抑制でき、信頼性の高いパワーモジュールを提供することができる。
本発明の第1の実施形態であるパワーモジュールの概略説明図である。 図1における回路層と半導体素子との接合部分の拡大説明図である。 図1のパワーモジュールの製造方法を示すフロー図である。 図3に示すパワーモジュールの製造方法における半導体素子接合工程の説明図である。 本発明の第2の実施形態であるパワーモジュールの概略説明図である。 図5における銅層とアルミニウム層との接合界面の拡大説明図である。 CuとAlの2元状態図である。 図5における回路層と半導体素子との接合部分の拡大説明図である。 図5のパワーモジュールの製造方法を示すフロー図である。
以下に、本発明の実施形態であるパワーモジュールについて、添付した図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1に、本発明の第1の実施形態であるパワーモジュール1を示す。このパワーモジュール1は、絶縁基板(絶縁層)11の一方の面に回路層12が形成されたパワーモジュール用基板10と、回路層12上(図1において上面)に搭載された半導体素子3と、を備えている。なお、本実施形態のパワーモジュール1では、絶縁基板11の他方の面側(図1において下面)にヒートシンク41が接合されている。
パワーモジュール用基板10は、絶縁層を構成する絶縁基板11と、この絶縁基板11の一方の面(図1において上面)に配設された回路層12と、絶縁基板11の他方の面(図1において下面)に配設された金属層13とを備えている。
絶縁基板11は、回路層12と金属層13との間の電気的接続を防止するものであって、例えばAlN(窒化アルミ)、Si(窒化珪素)、Al(アルミナ)等の絶縁性の高いセラミックスで構成され、本実施形態では、絶縁性の高いAlN(窒化アルミ)で構成されている。また、絶縁基板11の厚さは、0.2mm以上1.5mm以下の範囲内に設定されており、本実施形態では0.635mmに設定されている。
回路層12は、絶縁基板11の一方の面に、導電性を有する金属板が接合されることにより形成されている。本実施形態においては、回路層12は、無酸素銅の圧延板からなる銅板が絶縁基板11に接合されることにより形成されている。本実施形態においては、回路層12全体が、半導体素子3との接合面に設けられた銅又は銅合金からなる銅層に相当する。ここで、回路層12の厚さ(銅板の厚さ)は0.1mm以上1.0mm以下の範囲内に設定されていることが好ましい。
金属層13は、絶縁基板11の他方の面に金属板が接合されることにより形成されている。本実施形態においては、金属層13は、純度が99.99mass%以上のアルミニウム(いわゆる4Nアルミニウム)の圧延板からなるアルミニウム板が絶縁基板11に接合されることで形成されている。ここで、金属層13(アルミニウム板)の厚さは0.6mm以上3.0mm以下の範囲内に設定されていることが好ましい。
ヒートシンク41は、前述のパワーモジュール用基板10を冷却するためのものであり、パワーモジュール用基板10と接合される天板部42と、冷却媒体(例えば冷却水)を流通するための流路43とを備えている。このヒートシンク41(天板部42)は、熱伝導性が良好な材質で構成されることが望ましく、本実施形態においては、A6063(アルミニウム合金)で構成されている。
半導体素子3は、Si等の半導体材料で構成されており、図2に示すように、回路層12との接合面には、Ni、Au等からなる表面処理膜3aが形成されている。
そして、本実施形態であるパワーモジュール1においては、回路層12と半導体素子3とが、はんだ接合されており、回路層12と半導体素子3との間にはんだ層20が形成されている。なお、本実施形態においては、はんだ層20の厚さは、50μm以上200μm以下の範囲内とされている。
このはんだ層20は、図4に示すように、Sn−Sb系のはんだ材30によって形成されており、本実施形態では、Sn−0.5〜8.2mass%Sbはんだ材30が用いられている。
はんだ層20は、Sbを0.5mass%以上7.9mass%以下、Niを0.05mass%以上0.8mass%以下、Cuを0.4mass%以上4.6mass%以下、含有し、残部がSn及び不可避不純物とされている。
また、図2に示すように、はんだ層20のうち回路層12との界面近傍には、(Cu,Ni)Snからなる金属間化合物層26が形成されている。
さらに、はんだ層20の内部には、Cu,Ni,Snを含む金属間化合物からなる析出物粒子が分散している。ここで、はんだ層20の内部に存在するNiSnからなる金属間化合物の面積率が0.5%以下とされている。
ここで、NiSnの面積率は、以下の手順により算出した。はんだ層20の一つの断面の全領域を複数回に分けて、EPMAによってカラーマッピングと半定量分析を行い、NiとSnの組成分布を取得する。そして、Niの組成(atomic%)とSnの組成(atomic%)の比(Ni/Sn)が0.65〜0.85の範囲内にある領域をNiSnの領域とみなし、その領域の面積を画像処理ソフトにて求め、はんだ層20の断面積(即ち、はんだ層20の一つの断面の全領域の面積)に対するNiSnの面積率を算出した。
そして、本実施形態であるパワーモジュール1においては、パワーサイクル試験において、通電時間5秒、温度差80℃の条件のパワーサイクルを10万回負荷したときの熱抵抗上昇率が10%未満となるように構成されている。
詳述すると、半導体素子3としてIGBT素子を回路層12へはんだ付けするとともに、アルミニウム合金からなる接続配線をボンディングする。そして、IGBT素子への通電を、通電(ON)で素子表面温度140℃、非通電(OFF)で素子表面温度60℃となる1サイクルを10秒毎に繰り返すようにして調整し、このパワーサイクルを10万回繰り返した後で、熱抵抗上昇率が10%未満とされているのである。
以下に、本実施形態であるパワーモジュールの製造方法について、図3のフロー図を用いて説明する。
まず、回路層12となる銅板と絶縁基板11とを接合する(回路層形成工程S01)。ここで、絶縁基板11と回路層12となる銅板との接合は、いわゆる活性金属ろう付け法によって実施した。本実施形態では、Ag−27.4mass%Cu−2.0mass%Tiからなる活性ろう材を用いた。
絶縁基板11の一方の面に活性ろう材を介して回路層12となる銅板を積層し、絶縁基板11、銅板を積層方向に1kgf/cm以上35kgf/cm以下(9.8×10Pa以上343×10Pa以下)の範囲で加圧した状態で加熱炉内に装入して加熱し、回路層12となる銅板と絶縁基板11とを接合する。ここで、加熱温度は850℃、加熱時間は10分とされている。
次に、絶縁基板11の他方の面側に金属層13となるアルミニウム板を接合する(金属層形成工程S02)。絶縁基板11とアルミニウム板とを、ろう材を介して積層し、ろう付けによって絶縁基板11とアルミニウム板を接合する。このとき、ろう材としては、例えば、厚さ20〜110μmのAl−Si系ろう材箔を用いることができ、ろう付け温度は600〜620℃とすることが好ましい。
これにより、パワーモジュール用基板10が製造される。
次に、金属層13の他方の面側に、ヒートシンク41を接合する(ヒートシンク接合工程S03)。金属層13と、ヒートシンク41の天板部42とを、ろう材を介して積層し、ろう付けによって金属層13とヒートシンク41を接合する。このとき、ろう材としては、例えば、厚さ20〜110μmのAl−Si系ろう材箔を用いることができ、ろう付け温度は590℃〜610℃とすることが好ましい。
そして、回路層12の上に、半導体素子3を接合する(半導体素子接合工程S04)。本実施形態では、図4に示すように、回路層12の表面に、厚さ0.8μm以下の薄いNiめっき膜31を形成する。なお、Niめっき膜31の厚さは、0.06μm以上0.8μm以下の範囲内とすることが好ましい。
次に、このNiめっき膜31の上に、Sn−0.5〜8.2mass%Sbはんだ材30を介して半導体素子3を積層する。
半導体素子3を積層した状態で、還元炉内に装入し、回路層12と半導体素子3とをはんだ接合する。このとき、還元炉内は水素1〜10vol%の還元雰囲気とされ、加熱温度が280〜330℃、保持時間が0.2〜2分とされている。また、室温までの冷却速度は、平均2〜3℃/sの範囲内に設定されている。
これにより、回路層12と半導体素子3との間に、はんだ層20が形成され、本実施形態であるパワーモジュール1が製出される。
このとき、回路層12の表面に形成されたNiめっき膜31中のNiは、はんだ材30側へと拡散し、Niめっき膜31は消失する。さらに、回路層12のCuが、はんだ材30側へと拡散する。
これにより、はんだ層20は、Sbを0.5mass%以上7.9mass%以下、Niを0.05mass%以上0.8mass%以下、Cuを0.4mass%以上4.6mass%以下、含有し、残部がSn及び不可避不純物とされた組成を有することになる。
さらに、はんだ層20の内部に、Cu,Ni,Snを含む金属間化合物からなる析出物粒子が分散されるとともに、はんだ層20のうち回路層12との界面近傍に、(Cu,Ni)Snからなる金属間化合物層26が形成される。
以上のような構成とされた本実施形態であるパワーモジュール1においては、回路層12と半導体素子3との間に形成されたはんだ層20の内部に存在するNiSnからなる金属間化合物の面積率が0.5%以下とされているので、はんだ層20内に脆弱なNiSnが多く存在しておらず、はんだ層20内におけるクラックの発生を抑制することができる。
また、Sn−Sb系のはんだ材30を用いているので、はんだ層20の融点が比較的高くなり、パワーサイクル温度や冷熱サイクル温度が高い場合であっても、信頼性を向上させることが可能となる。また、SnにSbが固溶することにより、はんだ層20の強度向上を図ることができる。
さらに、はんだ層20にはNiが含まれていることにより、(Cu,Ni)Snからなる金属間化合物層26を形成することができる。
また、本実施形態では、半導体素子接合工程S04において、回路層12のCu,Niめっき膜31のNiがはんだ材30側へ拡散することにより、はんだ層20が、Sbを0.5mass%以上7.9mass%以下、Niを0.05mass%以上0.8mass%以下、Cuを0.4mass%以上4.6mass%以下、含有し、残部がSn及び不可避不純物とされた組成とされているので、金属間化合物を平滑化できるとともに、はんだ層20と回路層12の接合界面に(Cu,Ni)Snからなる金属間化合物層26を確実に形成しパワーサイクルに対する信頼性を確実に向上することができ、NiSnの発生を抑制することができる。よって、はんだ層20内におけるクラックの発生を確実に抑制することができる。
また、本実施形態であるパワーモジュール1においては、パワーサイクル試験において、通電時間5秒、温度差80℃のパワーサイクルを10万回負荷したときの熱抵抗上昇率が10%未満となるように構成されているので、パワーサイクル負荷時においても、早期にはんだ層20の破壊することがなく、信頼性の向上を図ることができる。
さらに、本実施形態においては、回路層12の表面に、厚さ0.8μm以下の薄いNiめっき膜31を形成しているので、半導体素子3をはんだ接合した際に、Niめっき膜31が残存することがなく、回路層12のCuがはんだ材30側へ拡散することから、NiがCuと反応して(Cu,Ni)Snからなる金属間化合物を形成することになり、はんだ層20内におけるNiSnの生成を抑制することが可能となる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態であるパワーモジュールについて、添付した図面を参照して説明する。なお、第1の実施形態と同じ部材には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図5に、本発明の第2の実施形態であるパワーモジュール101を示す。このパワーモジュール101は、絶縁基板(絶縁層)11の一方の面に回路層112が形成されたパワーモジュール用基板110と、回路層112上(図5において上面)に搭載された半導体素子3と、を備えている。
パワーモジュール用基板110は、絶縁層を構成する絶縁基板11と、この絶縁基板11の一方の面(図5において上面)に配設された回路層112と、絶縁基板11の他方の面(図5において下面)に配設された金属層13とを備えている。
回路層112は、図5に示すように、絶縁基板11の一方の面に形成されたアルミニウム層112Aと、このアルミニウム層112Aの一方の面側に積層された銅層112Bと、を備えている。
ここで、本実施形態では、アルミニウム層112Aは、純度99.99mass%以上のアルミニウムの圧延板を接合することで形成されている。また、銅層112Bは、無酸素銅の圧延板からなる銅板がアルミニウム層112Aの一方の面側に固相拡散接合されることにより形成されている。
この回路層112の一方の面(図5において上面)が、半導体素子3が接合される接合面とされている。ここで、回路層112の厚さは0.25mm以上6.0mm以下の範囲内に設定されていることが好ましい。また、アルミニウム層112A(アルミニウム板)の厚さは0.2mm以上3mm以下の範囲内に設定され、銅層112Bの厚さは50μm以上3.0mm以下の範囲内に設定されていることが好ましい。
ここで、アルミニウム層112Aと銅層112Bとの界面には、図6に示すように、拡散層115が形成されている。
拡散層115は、アルミニウム層112AのAl原子と、銅層112BのCu原子とが相互拡散することによって形成されるものである。この拡散層115においては、アルミニウム層112Aから銅層112Bに向かうにしたがい、漸次アルミニウム原子の濃度が低くなり、かつ銅原子の濃度が高くなる濃度勾配を有している。
この拡散層115は、図6に示すように、AlとCuからなる金属間化合物で構成されており、本実施形態では、複数の金属間化合物が接合界面に沿って積層した構造とされている。ここで、この拡散層115の厚さは、1μm以上80μm以下の範囲内、好ましくは、5μm以上80μm以下の範囲内に設定されている。
本実施形態では、図6に示すように、アルミニウム層112A側から銅層112B側に向けて順に、アルミニウム層112Aと銅層112Bとの接合界面に沿って、θ相116、η相117が積層し、さらにζ相118a、δ相118b、及びγ相118cのうち少なくとも一つの相が積層して構成されている(図7の状態図参照)。
また、本実施形態では、銅層112Bと拡散層115との界面に沿って、酸化物119がζ相118a、δ相118b、又はγ相118cのうち少なくとも一つの相からなる層の内部に層状に分散している。なお、この酸化物119は、アルミナ(Al)等のアルミニウム酸化物とされている。
そして、本実施形態であるパワーモジュール101においては、回路層112(銅層112B)と半導体素子3とが、はんだ接合されており、回路層112(銅層112B)と半導体素子3との間にはんだ層120が形成されている。このはんだ層120は、第1の実施形態と同様に、Sn−Sb系のはんだ材によって形成されており、本実施形態では、Sn−0.5〜8.2mass%Sbのはんだ材が用いられている。
はんだ層120は、Sbを0.5mass%以上7.9mass%以下、Niを0.05mass%以上0.8mass%以下、Cuを0.4mass%以上4.6mass%以下、含有し、残部がSn及び不可避不純物とされている。
また、図8に示すように、はんだ層120のうち回路層112(銅層112B)との界面近傍には、(Cu,Ni)Snからなる金属間化合物層126が形成されている。
さらに、はんだ層120の内部には、Cu,Ni,Snを含む金属間化合物からなる析出物粒子が分散している。ここで、はんだ層120の内部に存在するNiSnからなる金属間化合物の面積率が0.5%以下とされている。
そして、本実施形態であるパワーモジュール1においては、パワーサイクル試験において、通電時間5秒、温度差80℃の条件のパワーサイクルを10万回負荷したときの熱抵抗上昇率が10%未満となるように構成されている。
詳述すると、半導体素子3としてIGBT素子を回路層112(銅層112B)へはんだ付けするとともに、アルミニウム合金からなる接続配線をボンディングする。そして、IGBT素子への通電を、通電(ON)で素子表面温度140℃、非通電(OFF)で素子表面温度60℃となる1サイクルを10秒毎に繰り返すようにして調整し、このパワーサイクルを10万回繰り返した後で、熱抵抗上昇率が10%未満とされているのである。
以下に、本実施形態であるパワーモジュール101の製造方法について、図9のフロー図を用いて説明する。
まず、絶縁基板11の一方の面及び他方の面にアルミニウム板を接合し、アルミニウム層112A及び金属層13を形成する(アルミニウム層及び金属層形成工程S101)。
絶縁基板11とアルミニウム板とを、ろう材を介して積層し、ろう付けによって絶縁基板11とアルミニウム板を接合する。このとき、ろう材としては、例えば、厚さ20〜110μmのAl−Si系ろう材箔を用いることができ、ろう付け温度は600〜620℃とすることが好ましい。
次に、アルミニウム層112Aの一方の面に銅板を接合して銅層112Bを形成する(銅層形成工程S102)。
アルミニウム層112Aの上に銅板を積層し、これらを積層方向に加圧(圧力3〜35kgf/cm)した状態で真空加熱炉内に装入して加熱することにより、アルミニウム層112Aと銅板とを固相拡散接合する。ここで、銅層形成工程S102において、加熱温度は400℃以上548℃以下、加熱時間は15分以上270分以下とされている。なお、アルミニウム層112Aと銅板との固相拡散接合を行う場合には、加熱温度を、AlとCuの共晶温度(548.8℃)より5℃低い温度から共晶温度未満の温度範囲とすることが好ましい。
この銅層形成工程S102により、絶縁基板11の一方の面にアルミニウム層112Aと銅層112Bとからなる回路層112が形成される。
そして、回路層112(銅層112B)の上に、半導体素子3を接合する(半導体素子接合工程S103)。本実施形態では、回路層112(銅層112B)の表面に、厚さ0.8μm以下の薄いNiめっき膜を形成する。
次に、このNiめっき膜の上に、Sn−0.5〜8.2mass%Sbのはんだ材を介して半導体素子3を積層する。
半導体素子3を積層した状態で、還元炉内に装入し、回路層112(銅層112B)と半導体素子3とをはんだ接合する。このとき、還元炉内は水素1〜10vol%の還元雰囲気とされ、加熱温度が280〜330℃、保持時間が0.2〜2分とされている。また、室温までの冷却速度は、平均2〜3℃/sの範囲内に設定されている。
これにより、回路層112(銅層112B)と半導体素子3との間に、はんだ層120が形成され、本実施形態であるパワーモジュール101が製出される。
このとき、回路層112(銅層112B)の表面に形成されたNiめっき膜中のNiは、はんだ材側へと拡散し、Niめっき膜は消失する。さらに、回路層112(銅層112B)のCuが、はんだ材側へと拡散する。
これにより、はんだ層120は、Sbを0.5mass%以上7.9mass%以下、Niを0.05mass%以上0.8mass%以下、Cuを0.4mass%以上4.6mass%以下、含有し、残部がSn及び不可避不純物とされた組成を有することになる。
さらに、はんだ層120の内部に、Cu,Ni,Snを含む金属間化合物からなる析出物粒子が分散されるとともに、はんだ層120のうち回路層112(銅層112B)との界面近傍に、(Cu,Ni)Snからなる金属間化合物層126が形成される。
以上のような構成とされた本実施形態であるパワーモジュール101においては、第1の実施形態と同様の作用効果を奏することが可能となる。
また、本実施形態では、回路層112が銅層112Bを有しているので、半導体素子3から発生する熱を銅層112Bで面方向に拡げることができ、パワーモジュール用基板110側へ効率的に熱を伝達することができる。
さらに、絶縁基板11の一方の面に、比較的変形抵抗の小さいアルミニウム層112Aが形成されているので、ヒートサイクル負荷時に発生する熱応力をこのアルミニウム層112Aによって吸収することができ、絶縁基板11の割れを抑制することができる。
また、回路層112の一方の面側に比較的変形抵抗の大きい銅又は銅合金からなる銅層112Bが形成されているので、パワーサイクル負荷時に、回路層112の変形を抑制することができ、パワーサイクルに対する高い信頼性を得ることが可能となる。
また、本実施形態においては、アルミニウム層112Aと銅層112Bとが固相拡散接合されており、この固相拡散接合時の温度が400℃以上とされているので、Al原子とCu原子との拡散が促進され、短時間で十分に固相拡散させることができる。また、固相拡散接合する際の温度が548℃以下とされているので、AlとCuとの液相が生じることがなく、アルミニウム層112Aと銅層112Bとの接合界面にコブが生じたり、厚みが変動したりすることを抑制できる。
さらに、上述の固相拡散接合の加熱温度を、AlとCuの共晶温度(548.8℃)より5℃低い温度から共晶温度未満の範囲とした場合には、AlとCuの化合物が必要以上に形成されることを抑制できるとともに、固相拡散接合の際の拡散速度が確保され、比較的短時間で固相拡散接合することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施形態では、金属層を、純度99.99mass%以上の4Nアルミニウムで構成したものとして説明したが、これに限定されることはなく、他のアルミニウム又はアルミニウム合金で構成されていてもよいし、銅又は銅合金で構成されていてもよい。
また、本実施形態では、回路層となる金属板として無酸素銅の圧延板を例にあげて説明したが、これに限定されることはなく、その他の銅又は銅合金で構成されていてもよい。
さらに、絶縁層としてAlNからなる絶縁基板を用いたものとして説明したが、これに限定されることはなく、Al、Si等からなる絶縁基板を用いても良い。
また、絶縁基板と回路層となる銅板を、活性金属ろう付け法によって接合するものとして説明したが、これに限定されることはなく、DBC法、鋳造法等によって接合したものであってもよい。
さらに、絶縁基板と金属層となるアルミニウム板を、ろう付けによって接合するものとして説明したが、これに限定されることはなく、過渡液相接合法(Transient Liquid Phase Bonding)、金属ペースト法、鋳造法等を適用してもよい。
また、はんだ材の組成は、本実施形態に限定されることはなく、はんだ接合後に形成されるはんだ層内に存在するNiSnの面積率が0.5%以下であればよい。
また、第2の実施形態において、アルミニウム層の一方の面に銅板を固相拡散接合することにより、回路層の接合面に銅層を形成したもので説明したが、これに限定されることはなく、銅層の形成方法に制限はない。
例えば、アルミニウム層の一方の面にめっき法により銅層を形成してもよい。なお、厚さ5μmから50μm程度の銅層を形成する場合にはめっき法を適用することが好ましい。厚さが50μmから3mm程度の銅層を形成する場合には固相拡散接合を適用することが好ましい。
以下に、本発明の効果を確認すべく行った確認実験の結果について説明する。
前述の第1の実施形態に記載されたパワーモジュールを準備した。絶縁基板は、AlNで構成され、27mm×17mm、厚さ0.6mmのものを使用した。また、回路層は、無酸素銅で構成され、25mm×15mm、厚さ0.3mmのものを使用した。金属層は、4Nアルミニウムで構成され、25mm×15mm、厚さ0.6mmのものを使用した。半導体素子は、IGBT素子とし、13mm×10mm、厚さ0.25mmのものを使用した。ヒートシンクとしては、40.0mm×40.0mm×2.5mmのアルミニウム板(A6063)を使用した。
ここで、回路層の表面に形成するNiめっき膜の厚さを調整するとともに、はんだ材の組成を表1に示すように変更することにより、はんだ接合後のはんだ層の組成、はんだ層内に存在するNiSnの面積率等を調整し、本発明例1〜14及び比較例1〜3となる種々のパワーモジュールを作製した。
なお、はんだ接合条件は、水素3vol%還元雰囲気、加熱温度(加熱対象物温度)及び保持時間を表1の条件とし、室温までの平均冷却速度を2.5℃/sとした。
(はんだ層の組成)
EPMA分析により、はんだ層の成分分析を行った。EPMA分析装置(日本電子株式会社製JXA−8530F)を用いて、加速電圧:15kV、スポット径:1μm以下、倍率:250倍で、はんだ層の平均組成を分析した。
(はんだ層内のNiSnの面積率)
EPMA分析により、はんだ層内のNiSnの面積率を算出した。はんだ層の一つの断面の全領域を、倍率10000倍で複数回に分けて、EPMA(日本電子株式会社製JXA−8530F、加速電圧:15kV、スポット径:1μm以下)によってカラーマッピングと半定量分析を行い、NiとSnの組成分布を取得する。そして、Niの組成(atomic%)とSnの組成(atomic%)の比(Ni/Sn)が0.65〜0.85の範囲内にある領域をNiSnの領域とみなし、その領域の面積を画像処理ソフトにて求め、はんだ層の断面積(即ち、はんだ層の一つの断面の全領域の面積)に対するNiSnの面積率を算出した。
(パワーサイクル試験)
IGBT素子への通電を、通電(ON)で素子表面温度140℃、非通電(OFF)で素子表面温度60℃となる1サイクルを10秒毎に繰り返すようにして調整し、このパワーサイクルを10万回繰り返した。そして、初期状態からの熱抵抗の上昇率を評価した。なお、本発明例1〜14においては、すべて、パワーサイクルを10万回繰り返したときの熱抵抗上昇率が10%未満とされている。
(パワーサイクル寿命)
IGBT素子への通電を、通電(ON)で素子表面温度140℃、非通電(OFF)で素子表面温度60℃となる1サイクルを10秒毎に繰り返すようにして調整し、このパワーサイクルを繰り返した。そして、初期状態からの熱抵抗の上昇率が10%以上となったサイクル回数(パワーサイクル寿命)を評価した。
(熱抵抗測定)
熱抵抗として、過渡熱抵抗を熱抵抗テスター(TESEC社製4324−KT)を用いて測定した。印加電力:100W、印加時間:100msとし、電力印加前後のゲート−エミッタ間の電圧差を測定することにより、熱抵抗を求めた。測定は上述したパワーサイクル試験時において、1万サイクル毎に実施した。
(冷熱サイクル後の接合率)
冷熱衝撃試験機エスペック社製TSD−100を使用し、上述のパワーモジュールに対して、気相で、−45℃×5分←→200℃×5分の500サイクルの冷熱サイクルを実施した。
冷熱サイクル後のパワーモジュールに対し、はんだ層と回路層との界面の接合率について超音波探傷装置を用いて評価し、以下の式から算出した。
ここで、初期接合面積とは、接合前における接合すべき面積、すなわち本実施例ではIはんだ層の面積とした。超音波探傷像において剥離(はんだ層のクラック)は接合部内の白色部で示されることから、この白色部の面積を剥離面積とした。
(接合率(%))={(初期接合面積)−(剥離面積)}/(初期接合面積)×100
Figure 0006299442
Sbを含有しないはんだ材を用いた比較例1では、冷熱サイクル後の接合率が低下することが確認された。はんだ層にNiを含有しない比較例2やNiSnの面積率が0.5%を超えた比較例3では、パワーサイクル寿命が100000回未満と低かった。
これに対して、本発明例1〜14においては、NiSnの面積率が0.5%以下とされており、パワーサイクル寿命が100000回以上となっている。
以上のように、本発明例によれば、パワーサイクル特性及び冷熱サイクル特性が共に優れたパワーモジュールが得られることが確認された。
次に、第2の実施形態に記載されたように、回路層をアルミ層と銅層とで構成したパワーモジュールを準備した。
絶縁基板は、AlNで構成され、27mm×17mm、厚さ0.6mmのものを使用した。金属層は、4Nアルミニウムで構成され、25mm×15mm、厚さ0.6mmのものを使用した。半導体素子は、IGBT素子とし、13mm×10mm、厚さ0.25mmのものを使用した。ヒートシンクとしては、40.0mm×40.0mm×2.5mmのアルミニウム板(A6063)を使用した。
回路層のうちアルミニウム層は、4Nアルミニウムで構成され、25mm×15mm、厚さ0.6mmのものを使用した。そして、銅層は、表2に示すように、めっき、固相拡散接合によって形成した。
めっきの場合、アルミニウム層の表面にジンケート処理を施した後、電解めっきにて表2に示す厚さの銅層を形成した。
固相拡散接合の場合、表2に示す厚さの銅板を準備し、第2の実施形態で例示した条件でアルミニウム層の表面に銅板を固相拡散接合した。
以上のようにして、本発明例15〜20となる種々のパワーモジュールを作製した。
なお、はんだ接合条件は、水素3vol%還元雰囲気、加熱温度(加熱対象物温度)を300℃及び保持時間を1分とし、室温までの平均冷却速度を2.5℃/sとした。
そして、実施例1と同様の方法により、はんだ層の組成、はんだ層内に存在するNiSnの面積率、パワーサイクル寿命を評価した。評価結果を表2に示す。
Figure 0006299442
表2に示すように、本発明例15〜20においては、いずれも、パワーサイクル寿命が160000回以上となっており、はんだ層の破壊が抑制されていることが確認された。アルミニウム層の上に各種厚さの銅層を形成して回路層を構成した場合であっても、実施例1と同様に、パワーサイクル特性を向上できることが確認された。
また、銅層の厚さが5μm以上であれば、銅層中のCuがすべてはんだ側に拡散してしまうことがなく、銅層が残存することが確認された。さらに、銅層の厚さが3mm以下であれば、パワーサイクル寿命が10万回以上となることが確認された。
1 パワーモジュール
3 半導体素子
10 パワーモジュール用基板
11 絶縁基板(絶縁層)
12 回路層(銅層)
13 金属層
20 はんだ層
26 金属間化合物層
30 はんだ材
31 Niめっき膜
101 パワーモジュール
110 パワーモジュール用基板
112 回路層
112A アルミニウム層
112B 銅層
120 はんだ層

Claims (3)

  1. 絶縁層の一方の面に回路層が配設されたパワーモジュール用基板と、前記回路層の一方の面に接合された半導体素子と、を備えたパワーモジュールであって、
    前記回路層のうち前記半導体素子との接合面には、銅又は銅合金からなる銅層が設けられており、
    前記銅層と前記半導体素子との間には、SnとSbを含有するはんだ材を用いて形成されたはんだ層が形成されており、
    前記はんだ層にはNiが含まれており、
    前記はんだ層内に存在するNiSnの面積率が0.5%以下であることを特徴とするパワーモジュール。
  2. 前記はんだ層は、Sbを0.5mass%以上7.9mass%以下、Niを0.05mass%以上0.8mass%以下、Cuを0.4mass%以上4.6mass%以下、含有し、残部がSn及び不可避不純物とされていることを特徴とする請求項1に記載のパワーモジュール。
  3. パワーサイクル試験において、通電時間5秒、温度差80℃の条件のパワーサイクルを10万回負荷したときの熱抵抗上昇率が10%未満であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のパワーモジュール。
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