JP6298403B2 - シリコンウェーハ熱処理用支持治具 - Google Patents

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Description

本発明は、シリコンウェーハ熱処理用支持治具に関し、例えばRTP(RapidThermal Process)処理や高温アニール等の熱処理をシリコンウェーハに施す際に、シリコンウェーハを支持するために用いられるシリコンウェーハ熱処理用支持治具に関するものである。
従来からアニール熱処理等において、シリコンウェーハを保持する治具として、シリコンウェーハ熱処理用支持治具が使用されている。
例えば、シリコンウェーハ表面に対し、1100〜1350℃の高温で短時間の急速加熱・急冷のRTP処理を所定雰囲気中で施し、内部に過剰の原子空孔(Vacancy)を凍結する熱処理を行う場合、あるいはまた結晶育成時にシリコンウェーハ表面やバルクに形成した結晶欠陥を消滅する熱処理を行う場合には、シリコンウェーハを支持する支持治具として、リング状の熱処理用支持治具が用いられている。
このリング状の熱処理用支持治具の一例を、特許文献1に示された熱処理用支持治具を例に説明する。
図8に示すように、熱処理用支持治具51は、その上面においてシリコンウェーハWの外周部を支持するように、中央部分に空間部51aが形成された、いわゆるリング形状に形成されている。また、前記熱処理用支持治具51の外周部が、RTP処理装置等の装置の基台50に載置され、保持されるように構成されている。
前記熱処理用支持治具51の基材としては、強度や汚染等の観点からシリコンカーバイドやシリコンが用いられている。
また、シリコンカーバイド製の熱処理用支持治具51の場合、一般的には、その表面に酸化層が形成されている。この酸化膜層は、熱処理用支持治具51とシリコンウェーハWとの溶着抑制およびシリコンウェーハWとの接触部にクッション性を付与し、シリコンウェーハWのスリップ転位の発生を抑制することを主な目的として形成されている。
特表2007−523466
ところで、前記酸化膜層が形成されたシリコンカーバイド製の熱処理用支持治具を、非酸化性雰囲気でのRTP処理や、非酸化性での長時間アニール等の高温熱処理に用いた場合、表面の酸化膜がシリコンウェーハとのエッチング反応(Si(固体)+SiO(固体)→2SiO(気体))により昇華する。
その結果、熱処理用支持治具の基材であるシリコンカーバイドが露出し、シリコンウェーハとの溶着や、クッション性低下によりスリップ転位が生じるという技術的課題があった。
この課題を解決するために、非酸化性雰囲気での熱処理が必要な場合は、その熱処理後に、熱処理用支持治具に、酸化膜を再形成する酸化処理を行う必要がある。
しかしながら、シリコンカーバイドの酸化速度は非常に遅く、酸化膜を再形成するための熱処理が長時間にわたるため、熱処理用支持治具の生産性が低下するという弊害があった。
特に、RTP処理で使用される熱処理用支持治具を、RTP処理装置に設置したまま酸化膜を再形成しようとすると、短時間の熱処理を何度も繰り返す必要があり、生産性の向上を図ることができなかった。一方、RTP装置から熱処理用支持治具を取り外して、抵抗加熱炉で酸化する場合にも、生産性が低下することはもちろん、汚染の機会が増加するという弊害があった。
一方、酸化速度の速いシリコン製の熱処理用支持治具を用いた場合には、RTP装置での熱処理により酸化膜の再形成が可能であるが、繰り返し行う高温処理において、経時的に変形が生じ、ウェーハの保持状態が変化することにより、ウェーハにスリップ転位が生じるという技術的課題があった。
本発明者らは、上記課題を解決するために、前記シリコンカーバイド製の熱処理用支持治具によって、シリコンウェーハを直接支持するのでなく、シリコン製の熱処理用支持治具によって、シリコンウェーハを直接支持することを前提に検討した。そして更に、シリコン製の熱処理用支持治具の経時的な変形を抑制し、シリコンウェーハのスリップ転位を抑制した熱処理用支持治具を検討した。
その結果、シリコン製の熱処理用支持治具を特定形状になすことにより、酸化膜を容易に形成できると共に、繰り返し行う高温処理を行った場合にも、経時的な変形が抑制され、シリコンウェーハの保持状態が変化することによるスリップ転位を抑制することができる熱処理用支持治具を想到したものである。
本発明は、上記したように、酸化膜を容易に形成できると共に、繰り返し行う高温処理を行った場合にも、経時的な変形が抑制され、シリコンウェーハの保持状態が変化することによるスリップ転位の発生を抑制したシリコンウェーハ熱処理用支持治具を提供することを目的とする。
上記目的を達成するためになされた本発明にかかるシリコンウェーハ熱処理用支持治具は、シリコンウェーハ最外周部の裏面側を支持するリング状の第1の治具と、前記第1の治具を保持する平面部が形成された第2の治具を有するシリコンウェーハ熱処理用支持治具であって、前記第1の治具は、シリコンウェーハが接触する、外周に向かって上る斜面を有する上面部が形成されたリング状本体部と、前記リング状本体部の内周部下面から下方向に突出して形成されたリング状の突起部と、前記リング状本体部の外周部下面から下方向に突出して形成された第1の脚部と、前記リング状本体部の下面における、前記第1の脚部と前記リング状の突起部との間に形成された第2の脚部と、を備え、前記リング状本体部、リング状の突起部、第1の脚部、第2の脚部がシリコンから形成されると共に、前記第1の脚部の底面と前記第2の脚部の底面が同一面上に位置するように形成され、前記リング状の突起部が、前記第2の治具の内周面内側に配置されると共に、前記第1の脚部及び第2の脚部が前記第2の治具の平面部に載置されることを特徴としている。
このように、シリコンウェーハ最外周部の裏面側を支持するリング状の第1の治具が、リング状本体部、リング状の突起部、第1の脚部、第2の脚部から構成され、しかもシリコンから形成されているため、RTP装置等での熱処理により酸化膜の形成を容易に行うことができる。
また、リング状の第1の治具が、単なる平板上のリング状本体部のみから構成されるのではなく、リング状本体部、リング状の突起部、第1の脚部、第2の脚部から構成されているため、剛性が向上し、繰り返し高温処理に用いられた場合にも、第1の治具の経時的な変形が抑制される。その結果、シリコンウェーハの保持状態が維持され、ウェーハの保持状態が変化することによるスリップ転位の発生を抑制することができる。
更に、前記第1の脚部の底面と前記第2の脚部の底面が同一面上に位置するように形成され、前記リング状の突起部が、前記リング状の第2の治具の内周面内側に配置されると共に、前記第1の脚部及び第2の脚部が前記第2の治具の平面部に載置される。
即ち、リング状の第1の治具の水平方向はリング状の突起部とリング状の第2の治具の内周面とによって規制される。また、リング状の第1の治具の垂直方向は、第1の脚部の底面と前記第2の脚部と第2の治具の平面部とによって規制される。
その結果、第1の治具の水平方向及び垂直方向の位置が規制され、第1の治具の傾きが抑制され、シリコンウェーハの自重が不均一に作用することに伴う、経時的な変形が抑制される。その結果、ウェーハの保持状態が維持され、ウェーハの保持状態が変化することによるスリップ転位を抑制することができる。
ここで、前記第2の脚部が、シリコンウェーハと前記上面部の斜面との接触点下方に形成されていることが望ましい。
このように、シリコンウェーハと前記上面部の斜面との接触点下方に、第2の脚部が形成されているため、シリコンウェーハの自重を第2の脚部にて受けることができる。
その結果、第1の治具の変形が抑制され、ウェーハの保持状態がより確実に維持され、スリップ転位をより抑制することができる。
また、前記リング状の突起部と前記第2の脚部との間に形成された第1の凹部と、前記第2の脚部と前記第1の脚部との間に形成された第2の凹部とを備えることが望ましい。
また、第2の凹部の深さが、前記第1の凹部の深さより深いことが望ましい。
このように前記第1の凹部の深さより、第2の凹部を深く形成することにより、前記リング状本体部の上面部の均熱性をより向上させることができる。
前記リング状の突起部の外周面が、前記第2の治具の内周面によって位置決めされることが望ましい。
尚、リング状の第1の治具及び第2の治具の現実的な加工精度を鑑みると、リング状の突起部の外周面の直径と前記第2の治具の内周面の直径との差が0mm以上、0.5mm以下に形成される。
前記リング状の突起部の外周面の直径と、前記第2の治具の内周面の直径との差が0.5mmを越えると、リング状の第1の治具が前記第2の治具より外れる等の不具合を起こしやすく、好ましくない。また更に、前記0.5mmを越えると、装置内におけるリング状の第1の治具の中心位置にバラツキが生じ、ウェーハは搬送ロボットによってリング状の第1の治具の中心位置からずれて搬送、載置され、リング状の第1の治具に対してウェーハが傾いて保持される。このようにウェーハが傾いた状態でウェーハを熱処理すると、スリップが発生しやすく、望ましくない。
また、前記第2の治具は、シリコンカーバイドまたはシリコンで形成されていることが望ましい。前記第2の治具は、シリコンウェーハと直接接触するものでないこと、更に繰り返し行う高温処理において、経時的に変形が生じ難いことから、シリコンカーバイドであっても良い。
本発明によれば、酸化膜を容易に形成できると共に、繰り返し行う高温処理を行った場合にも、経時的な変形が抑制され、シリコンウェーハの保持状態が変化することによるスリップ転位の発生を抑制したシリコンウェーハ熱処理用支持治具を得ることができる。
図1は、本発明のシリコンウェーハ熱処理用支持治具にかかる第1の実施形態を示す断面図である。 図2は、図1に用いられている第1の治具の一部断面図である。 図3は、第1の治具の第1の変形例を示す一部断面図である。 図4は、図3に示した第1の治具にシリコンウェーハを載置した状態を示す一部断面図である。 図5は、第1の治具の第2の変形例を示す一部断面図である。 図6は、第1の治具に脚部が形成されていない場合の傾き状態を示す一部断面図である。 図7は、スリップ評価結果を示す図である。 図8は、従来のシリコンウェーハ熱処理用支持治具を示す断面図である。
本発明にかかるシリコンウェーハ熱処理用支持治具の第1の実施形態について、図1乃至図6に基づいて説明する。
このシリコンウェーハ熱処理用支持治具1は、図1に示すように、シリコンウェーハWの最外周部の裏面側を支持するリング状の第1の治具10と、前記第1の治具10を保持する平面部20aが形成されたリング状の第2の治具20とを有している。
尚、前記最外周部とは、ベベル部を含む、ウェーハ最外周の端部からウェーハ中心に向かって2mmの範囲内をいう。また、第2の治具20は、装置内に固定され、かつ、第1の治具10の水平方向及び垂直方向の位置が規制されるものであれば、必ずしもリング状の形態でなくともよい。また、同じ理由により、ウェーハ搬送装置の都合で、リングのうちの一方向が欠けているものであっても良い。
前記第1の治具10は、図2に示すように、外周に向かって上る斜面を有する上面部11aが形成されたリング状本体部11と、前記リング状本体部11の内周部から下方向に突出して形成されたリング状の突起部12とを備えている。
前記リング状本体部11の上面部11aの斜面には、シリコンウェーハWが載置される。即ち、前記上面部11aのシリコンウェーハWに接触する部分には、シリコンウェーハ最外周部の裏面側を保持すべく、斜面が形成されている。
この斜面は、シリコンウェーハ最外周部の裏面側を保持する位置に形成されていれば十分であるが、ウェーハの載置状態の誤差を考慮して、前記リング状の突起部12の外周面12aと前記上面部11aが交わる円状の線Pから外周方向に、高さが高くなるように傾斜した斜面が形成されている。
また、前記リング状本体部11の外周部から下方向に突出する第1の脚部13が形成されている。更に、前記第1の脚部13と前記リング状突起部12との間には、リング状本体部11から下方向に突出する第2の脚部14が形成されている。この第2の脚部14は、第1の脚部13と前記リング状突起部12との略中間位置に形成される。
また、前記第1の脚部13の底面と前記第2の脚部14の底面は、図2に示すように、同一面A上に位置するように形成され、前記第1の脚部13と第2の脚部14とが水平面上に載置された状態において、前記上面部11aの斜面が所定の角度θ(例えば、45度以下の角度)になるように形成されている。
また、前記リング状の突起部12と第2の脚部14の間には、第1のリング状の凹部15が形成されている。また第1の脚部13と第2の脚部14との間に、第2のリング状の凹部16が形成されている。前記第1のリング状の凹部15の深さt1及び第2のリング状の凹部16の深さt2は同一の深さに形成されている。
また、前記リング状の突起部12の外周面12aと第1のリング状の凹部15の底面15aとの境界部には、曲面部17aが形成されている。また第1のリング状の凹部15の底面15aと第2の脚部14の内周面14aとの境界部には、曲面部17bが形成されている。
更に、第2のリング状の凹部16の底面16aと第2の脚部14の外周面14bとの境界部には、曲面部17cが形成されている。第2のリング状の凹部16の底面16aと第1の脚部13の内周面13aの境界部には、曲面部17dが形成されている。
これら曲面部17a,17b,17c,17dは、応力集中を避けるために形成されている。このように、曲面部17a,17b,17c,17dが形成されているため、第1の治具10の変形がより抑制される。
また、図3に示すように、第2のリング状の凹部16の深さt2を、熱容量を考慮して、前記第1のリング状の凹部15深さt1より深く形成するのが、より好ましい。
前記したように、前記上面部11aの斜面が所定の角度θ(例えば、45度以下の角度)になるように形成されている。そのため、図2に示すように、前記第1のリング状の凹部15の深さt1及び第2のリング状の凹部16の深さt2が同一の深さに形成した場合には、前記リング状本体部11の内周部側に比べて、外周部側が肉厚となる。即ち、記リング状本体部11の外周部側の熱容量が大きくなり、リング状本体部11の内周部側と外周部側とで温度が不均一になる虞がある。
これに対して、図3に示すように、第2のリング状の凹部16の深さt2を、前記第1のリング状の凹部15深さt1より深く形成することにより、前記リング状本体部11の内周部側の肉厚と外周部側の肉厚を略同程度になすことができ、前記リング状本体部11の上面部11aの均熱性をより向上させることができる。
尚、第1のリング状の凹部15の深さt1、第2のリング状の凹部16の深さt2が径方向において異なる場合には、第2のリング状の凹部16の深さt2の平均値が、前記第1のリング状の凹部15深さt1の平均値よりも大きく形成されていれば良い。
また、図4に示すように、前記リング状本体部11の上面部11aに、シリコンウェーハWを載置した際、シリコンウェーハWと前記リング状本体部11の上面部11aとの接触点Bは、前記第1のリング状の凹部15の上方、あるいは第2のリング状の凹部16の上方に位置する場合がある(図4では、接触点Bが第2のリング状の凹部16の上方に位置する場合を示している)。
シリコンウェーハWの荷重が前記接触点Bに作用するため、接触点Bが前記第1のリング状の凹部15の上方、あるいは第2のリング状の凹部16の上方に位置する場合には、前記リング状本体部11の上面部11aに変形が生じる虞がある。
一方、図5に示すように、シリコンウェーハWと前記リング状本体部11の上面部11aとの接触点Bの下方に、第2の脚部14が形成されている場合には、シリコンウェーハWの自重を第2の脚部14が受けるため、第1の治具10の変形がより抑制され、シリコンウェーハWとの保持状態が変化することによるスリップ転位を抑制することができる。
そのため、前記第2の脚部14が、シリコンウェーハWと前記リング状本体部11の上面部11aとの接触点Bの下方に形成されていることが好ましい。
また、第2の治具20は、図1に示すように、RTP処理装置等の装置基台21に載置される被保持部20bと、前記第1の治具10を保持するリング状の平面部20aとを有している。
そして、前記第1の治具10のリング状突起部12は、第2の治具20の内周部に形成された空間部C内に進入し(第2の治具20の内周部に嵌合し)、リング状の突起部12によりリング状の第1の治具10が位置決めされる。また、前記第1の脚部13及び第2の脚部14は、第2の治具20の平面部20aに載置される。
その結果、リング状の第1の治具10の水平方向は、第2の治具20の内周面によって規制され、かつ垂直方向は、第2の治具20のリング状の平面部20aによって規制される。そのため、リング状の第1の治具10は、第2の治具20に対して精度良く、載置することができ、第1の治具10の傾きが抑制され、シリコンウェーハの自重が不均一に作用することに伴う、経時的な変形が抑制され、ウェーハの保持状態が変化することによるスリップ転位を抑制することができる。
ところで、図6に示すように、前記リング状の突起部12の外周面12aとリング状本体部11の底面11bとの境界部には、加工精度の都合上、完全に鋭角な直角とはならず、必ず曲面部18が形成されている。このため、図6(a)に示すように、第1の脚部13と第2の脚部14が形成されていない場合、前記リング状の突起部12の外周面12aと第2の治具20の内周面が係合するように載置される。
しかしながら、図6(a)に示す状態は不安定な状態であり、図6(b)に示すように、リング状本体部11の外周側が持ち上がり、傾斜する状態、あるいはまた図6(c)に示すように、リング状本体部11の内周側が持ち上がり、傾斜する状態になる。この図6(b)(c)に示す状態は、一つの第1の治具10において発生する。
即ち、リング状の突起部12の外周面12aと第2の治具20の内周面20cとの間には、リング状の突起部12を進入させるための隙間D(リング状の突起部12の外径と第2の治具20の内周面の直径の差)があるため、リング状突起部12が、前記リング状の第2の治具20の内部空間C内に進入した際、図6(a)に示す状態とはならず、図6(b)(c)に示す状態になる。
このような傾斜した状態の第1の治具10にシリコンウェーハWを載置した際、シリコンウェーハWと第1の治具10の接触が、シリコンウェーハWの周上において不均一となる。そして、このような状態で熱処理を行うと、シリコンウェーハWにスリップ転位が生じる等の弊害が生じる。
更に、傾斜した状態の第1の治具10にシリコンウェーハWを載置した際、シリコンウェーハWの自重が第1の治具10の一部に作用し、第1の治具10の変形を助長するという弊害が生じる。
そのため、リング状の突起部12の外周面12aの直径(外径)と、前記リング状の第2の治具20の内周面20cの直径との差が、0.5mm以下に形成されている。
言い換えれば、リング状の突起部12の外周面12aと、前記リング状の第2の治具20の内周面20cとの距離寸法(隙間D)が0.25mm以下に形成されている。
前記リング状の突起部12の外周面(第2の治具との接触面)12aの直径と、前記リング状の第1の治具10の内周面の直径との差が、0.5mmを超える場合には、第1の治具10を第2の治具20に対して正確に位置決めすることができず、また、前記リング状本体部11(上面部11a)に傾きが生じるため、好ましくない。
一方、リング状の突起部12の外周面12aの直径と、前記リング状の第2の治具20の内周面20cの直径との差が0mmである場合には、前記リング状の第2の治具20の内周面20cとの間には、リング状の突起部12を進入させることが困難であるため、好ましくない。
しかしながら、設計上、リング状の突起部12の外周面12aの直径と、前記リング状の第2の治具20の内周面20cの直径との差が0mmとした場合であっても、リング状の突起部12をリング状の第2の治具20に嵌めることができる場合がある。
したがって、リング状の突起部12の外周面12aの直径(外径)と、前記リング状の第2の治具20の内周面20cの直径との差が、0mm以上に形成されていても良い。
また、前記第1の治具10(リング状本体部11、リング状突起部12、第1の脚部13、第2の脚部14)は、単結晶または多結晶のシリコンで形成される。
前記リング状本体部11の内周側にリング状突起部12が形成され、更に前記第1の脚部13、第2の脚部14がリング状本体部11の周方向にリブ状に形成されるため、前記第1の治具10の剛性を向上させ、変形をより抑制することができる。
その結果、前記第1の治具10が単結晶または多結晶のシリコンで形成され、繰り返し高温処理に用いられた場合にも、第1の治具10の変形が抑制され、ウェーハWの保持状態が維持され、ウェーハWの保持状態が変化することによるスリップ転位を抑制することができる。
尚、第2の治具20は、シリコンカーバイド、あるいは単結晶または多結晶のシリコンで形成される。前記第2の治具は、シリコンウェーハと直接接触するものでないこと、更に繰り返し行う高温処理において、経時的に変形が生じ難いことから、シリコンカーバイドであることがより好ましい。
このように、シリコンカーバイドで形成されたリング状の第2の治具20には、シリコンウェーハWが直接載置されず、単結晶または多結晶のシリコンで形成された前記第1の治具10上にシリコンウェーハWが載置される。
そのため、従来のように、基材であるシリコンカーバイドが露出することによる、シリコンウェーハとの溶着を抑制でき、またクッション性低下によるスリップ転位の発生を抑制することができる。
また、前記リング状の第1の治具10は、前記したように単結晶または多結晶のシリコンで形成されているため、酸化速度が速く、RTP装置等での熱処理により酸化膜の酸化膜の再形成を容易に行うことができる。更に前記リング状の第1の治具10は、特定形状に形成されているため、経時的な変形が抑制され、シリコンウェーハの保持状態が変化することによるスリップ転位を抑制することができる。
シリコンから成る、図1(図3)に示した本発明の第1の治具を用いて、鏡面研磨されたφ300mmシリコンウェーハをRTP装置にて熱処理を行った。
第1の治具として、リング状本体部の上面部からリング状の突起部底面(径方向の底面中心)までの厚さ寸法が0.9mm、リング状本体部の上面部からの第1の脚部底面(径方向における底面中心)までの厚さ寸法が0.7mm、また斜面の角度が6度に形成されているものを用いた。さらに、第2の脚部底面が、第1の脚部底面と同一平面上を形成するよう、作製上の工夫を施した。
また、リング状の突起部の外周面の直径が、295.2mm、前記第2の治具の内周面の直径が295.2mmであり、その差を、0.0mmとしてSi単結晶から切り出し作製し、作製した治具を洗浄した後に実際に第2の治具へ装着してみて嵌ったものだけを、以下に述べる熱処理テストにて使用した。第2の脚部上方のリング状本体部上面に、シリコンウェーハベベル部の裏面側を設置した。
また、熱処理条件は、アルゴン雰囲気下、最高温度1350℃×10secの熱処理を施した後、RTP装置からウェーハを取り出すことなく、連続的に酸素雰囲気下、最高温度1300℃×15secの熱処理を施した。この熱処理を複数回行い、処理枚数に対するスリップ評価を実施した。
スリップ評価は、PVATepra社製SIRD(Scanning InfraredDepolarization)を用い、1本のリング状の第1の治具にて処理した評価ウェーハを測定することで行った。SIRDは、結晶内部の応力場を透過偏光赤外線の偏光変位量として測定し、応力のMapを描き出すことが特徴である。光源には波長1.3μmのレーザーダイオードを用い、その光を直線偏光させた後ウェーハを透過させる。透過した光は偏光検出器に入射し、初期偏光状態からの偏光変位量が測定される。
この応力のMapからシリコンウェーハ全体の面積に対するスリップにより歪み応力が増加した面積の割合(歪面積率)を算出する。つまり、歪面積率が大きいほどスリップ品質が悪く、歪面積率が小さいほどスリップ品質が良好となる。
1本のリング状の第1の治具において、所定数のウェーハを処理した後、炉内の温度をモニタしている放射温度計の出力値補正をし直した直後に評価ウェーハを処理することを複数回繰り返した。このようにすることで、スリップに対する評価ウェーハ面内における温度分布変動の影響を排除できることから、リング状の第1の治具自体の特性のみを抽出することができる。
以上のようにして得られた評価ウェーハのスリップ評価結果を図7に示す。
比較例として、第1の脚部、第2の脚部が形成されていない第1の治具(図6)を用いて、その他は実施例1と同様な手順で、比較した。
具体的には、第1の治具として、リング状本体部の上面部からリング状の突起部底面までの厚さ寸法が1.0mm、リング状本体部外周部の厚さ寸法が0.5mmに形成され、また斜面の角度が6度に形成されているものを用いた。なお、このように実施例1より薄めとなっているのは、スリップを最適化した結果に基づくものである。
また、リング状の突起部の外周面の直径が、295.3mm、前記第2の治具の内周面の直径が295.2mmであり、その差を、マイナス0.1mmとした。これも、厚さ同様、スリップを最適化した結果に基づくものである。
そのスリップ評価結果を図7に示す。なお、リング状の突起部の外周面の直径が、前記第2の治具の内周面の直径より大きいにも関わらず、ほとんどの第1の治具が第2の治具へ装着することが可能であった。これも、図6の形状では剛性が不足していたために、変形が容易となり、装着が可能となったものである。
図7から分かるように、比較例では処理枚数を重ねることで、バラツキが大きくなり、かつ、歪面積率が悪化しているが、実施例では処理枚数を重ねても歪面積率に大きな変化はなく、連続処理におけるスリップ品質の悪化は見られなかった。尚、比較例では、図7に示すように、歪面積比が急激に増加したために、それ以降の歪面積比での評価を行わなかった。
1 シリコンウェーハ熱処理用支持治具。
10 第1の治具
11 リング状本体部
11a 上面部
12 リング状突起部
13 第1の脚部
14 第2の脚部
15 第1の凹部
16 第2の凹部
17a 曲面部
17b 曲面部
17c 曲面部
17d 曲面部
20 第2の治具
20a 平面部
20c 内周面
A 同一平面
B 接触点
C 第2の治具の内周空間部
D 隙間

Claims (6)

  1. シリコンウェーハ最外周部の裏面側を支持するリング状の第1の治具と、前記第1の治具を保持する平面部が形成された第2の治具を有するシリコンウェーハ熱処理用支持治具であって、
    前記第1の治具は、
    シリコンウェーハが接触する、外周に向かって上る斜面を有する上面部が形成されたリング状本体部と、
    前記リング状本体部の内周部下面から下方向に突出して形成されたリング状の突起部と、
    前記リング状本体部の外周部下面から下方向に突出して形成された第1の脚部と、
    前記リング状本体部の下面における、前記第1の脚部と前記リング状の突起部との間に形成された第2の脚部と、を備え、
    前記リング状本体部、リング状の突起部、第1の脚部、第2の脚部がシリコンから形成されると共に、前記第1の脚部の底面と前記第2の脚部の底面が同一面上に位置するように形成され、
    前記リング状の突起部が、前記第2の治具の内周面内側に配置されると共に、前記第1の脚部及び第2の脚部が前記第2の治具の平面部に載置されることを特徴とするシリコンウェーハ熱処理用支持治具。
  2. 前記第2の脚部が、シリコンウェーハと前記上面部の斜面との接触点下方に形成されていることを特徴とする請求項1のリング状のシリコンウェーハ熱処理用支持治具。
  3. 前記リング状の突起部と前記第2の脚部との間に形成された第1の凹部と、
    前記第2の脚部と前記第1の脚部との間に形成された第2の凹部とを備えることを特徴とする請求項1または請求項2記載のリング状のシリコンウェーハ熱処理用支持治具。
  4. 第2の凹部の深さが、前記第1の凹部の深さより深いことを特徴とする請求項3記載のリング状のシリコンウェーハ熱処理用支持治具。
  5. 前記リング状の突起部の外周面が、前記第2の治具の内周面によって位置決めされることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のシリコンウェーハ熱処理用支持治具。
  6. 前記第2の治具は、シリコンカーバイドまたはシリコンで形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のシリコンウェーハ熱処理用支持治具。
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