JP6296892B2 - ガラス繊維製造用スピナー - Google Patents
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Description
下の穴が開けられており、スピナーを高速で回転させることにより、遠心力で溶けたガラスがこの側面の穴から飛び出すことと、スピナー外周から噴き出される高速のガス流に押されることにより繊維化される。このような一般的なスピナーの構造は特許文献1に記載されている。
また、特許文献2には、遠心分離ブッシュの孔を通り遠心分離ブッシュの回りに放出されて繊維を形成するフェノール樹脂繊維の製造方法が示されている。
また、特許文献3には、誘引空気を使用する環状ブロワにより、スピナーで作る1次繊維を引っ張って、更に細い2次ガラス繊維にするものが示されている。
また、特許文献4には、スピナーの熱変形を防止してクリープ寿命を改善するため、シャフト部分から外周部分へ延在する放射状の壁の上面と下面を連通する第1の流れ孔と、上面の内周部分と外周部分を連通する第2の流れ孔をもつスピナーが記載されている。
さらに、特許文献5には、スピナー寿命を延ばすため、溶融ガラスを底部で受け、この底部に連なる側壁にオリフィスを設けたスピナー本体と、底部に断熱保温部を設けた溶融ガラス繊維化用スピナーが示されている。
そして、上記先行技術では、スピナーから放射方向に溶融ガラスは飛散し高速ガスによって延伸されると記載されているが、一般的にはスピナーは2000〜3000rpmで回転しており、スピナーから出た溶融ガラスはスピナー側面に対して垂直方向よりも、接線方向に飛び出す速度の方が大きくなるため、先行技術のように、溶融ガラスの飛び出す放射面と高速ガスの噴き出し角度を45°以下としてしまうと、スピナーから飛び出した溶融ガラスが高速ガスに衝突するまでには、スピナーの表面から数ミリ以上の距離を設けることが必要となる。つまり、スピナーから数ミリ離れた位置に高速ガスを吹き付けても、どこか別の穴から飛び出した冷え切った溶融ガラス繊維が高速ガスの中を横切るだけとなり、繊維を延伸する効果が見られないという課題があった。
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお以下に述べる実施の形態は本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限りこれらの形態に限られるものではない。
また、スピナーホイール1の上下の各構成部分の側面(スピナーホイールに穴加工した面)は、所定の角度(ここでは、上記中心面を基準として、45°〜85°の範囲で設定される角度)に傾斜しており、円錐形状のうち、頂点を含む上半分を切り取った形状を成している。このスピナーホイール1の上下の各構成部分の傾斜面は、上記中心面を対象にして、上下の各構成部分が同一傾斜角であってもよく、また上下の各構成部分で傾斜角が異なっていてもよい。この側面の傾斜面には、微小な穴が、それぞれの傾斜面に1列以上設けられている。
スピナーホイールの内部に貯留されたガラス繊維は、通常、ガラス繊維製造用スピナーの回転による遠心力によって、このスピナーホイールの側面に設けられた穴から飛び出し、穴径より細い径となり引き延ばされるが、本発明のように側面に設けられた穴のサイズをφ1.0mm以下の細径に設定すると、最終的には、遠心力と高速ガスによって引き延ばされることによって10μm以下の微小サイズで、しかもサイズのばらつきが少ない繊維を得ることが可能となる。
そして、スピナーホイールの上下に配置した図1の高速ガスの噴き出し口7(上下面両方に噴き出し口がある)の形状中心の軸の軸方向は、スピナーホイールの傾斜した側面に沿うようにする、すなわち、高速ガスの噴き出し口の外周断面の外形線が、スピナーホイールの円錐状の外周面の傾斜した側面の断面の外形と上記水平面に対してほぼ同角度の傾斜になるように形成する(以下、「沿う」をここで示した意味と同様に用いる)と共に、高速ガスを吹き付ける(本発明では、高速ガスの噴き出し口7から噴き出された高速ガスを高速で回転するスピナーホイールの側面の穴から遠心力で飛び出したガラス繊維に吹き付ける)が、その吹き付ける角度を、図3に示すように、スピナーホイールを上面から見た場合に、高速ガスをスピナーホイールの接線方向に吹き付けるか、法線方向に吹き付けるか、のいずれかの角度になるよう、調整出来るようにしたことを特徴としている。
これにより、スピナーホイールから出た溶融ガラス繊維は、スピナーホイールの傾斜面の接線方向と遠心力との合成力方向に飛び出そうとすると共に、溶融ガラス繊維には高速ガスが斜め後方から吹き付けられる。
される。
Claims (4)
- 溶融したガラスを高速回転による遠心力によって繊維化するスピナーホイール、
前記スピナーホイールの周囲に設けられ、高速ガスを所定の方向に噴出する高速ガス噴出器、
および前記スピナーホイール内に溶融ガラスを供給する溶融ガラス供給部、を備えたガラス繊維製造用スピナーであって、
前記スピナーホイールは、
高速回転により前記溶融ガラスを外部に吐出させるため傾斜した側面に複数列設けられ、内面側の穴直径を穴長さが最も短い基準の穴径と同一にし前記側面に近づくにつれ穴直径を少しずつ大きくしたテーパ穴と、前記側面から吐出された前記溶融ガラスに前記高速ガスを吹き付けるため前記高速ガス噴出器から噴出した前記高速ガスを前記スピナーホイールの中央軸の軸方向断面においては所定の方向に、かつ前記中央軸に直交する面内方向においては前記スピナーホイールから溶融ガラス繊維が吐出される方向と同一の合成速度成分の方向に噴き出す傾斜面と、を有していることを特徴とするガラス繊維製造用スピナー。 - 前記テーパ穴のサイズは、前記側面においてφ1.0mm以下であり、前記高速ガスが噴き出す傾斜面の所定の方向は、前記スピナーホイールの上下方向の中心面を基準として45°〜85°であることを特徴とする請求項1に記載のガラス繊維製造用スピナー。
- 前記高速ガス噴出器は、前記スピナーホイールの上下の位置にそれぞれ設けられ、前記側面から飛び出した溶融ガラスに向けて前記上下の方向から高速ガスが噴出されることを特徴とする請求項1に記載のガラス繊維製造用スピナー。
- 前記高速ガス噴出器は、前記高速ガスが噴出する噴出口を有し、この噴出口に前記高速ガスの流れ方向を規制するフラップを複数設置することを特徴とする請求項1に記載のガラス繊維製造用スピナー。
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