(実施形態1)
本実施形態に係る分電盤3は、図1および図2に示すように、主幹ブレーカ31および複数の分岐ブレーカ32,32,…が取り付けられたキャビネット33と、キャビネット33に取り付けられる通信装置1とを備えている。
主幹ブレーカ31は、需要家(customer’s facility)への電力の供給路上に設けられている。複数の分岐ブレーカ32,32,…は、主幹ブレーカ31の二次側で電力を複数の電路に分岐させる。
通信装置1は、検知部11と、通信モジュール(通信インタフェース)12と、制御部13とを有している。
検知部11は、地震、火災、ガス漏れのうち少なくとも1つの事象の発生を検知する。
通信モジュール12は、キャビネット33の外部に設けられている少なくとも1台の外部装置との通信を行う。詳しくは後述するが、外部装置には、たとえばスマートメータからなるメータ装置21、サーバからなる第1の外部装置22、表示装置からなる第2の外部装置23、情報端末からなる第3の外部装置24がある。以下、メータ装置21並びに第1〜第3の外部装置22〜24の各々を特に区別しない場合には単に「外部装置2」という。
制御部13は、検知部11にて前記事象の発生を検知した場合に主幹ブレーカ31と複数の分岐ブレーカ32,32,…とのうち少なくとも1つを対象ブレーカとして開放するように、検知部11の検知結果に応じて前記対象ブレーカを制御する。
すなわち、本実施形態に係る分電盤3は、検知部11にて地震、火災、ガス漏れのうち少なくとも1つの事象の発生を検知した場合、主幹ブレーカ31と複数の分岐ブレーカ32,32,…とのうち少なくとも1つを開放する。これにより、分電盤3は、地震等の発生時には、需要家全体あるいは一部の分岐回路への電力の供給を自動的に遮断することができ、電力が供給され続ける場合に比べて安全性を高めることができる。つまり、たとえば検知部11が地震の発生を検知する構成であれば、地震により暖房器具(電気ヒータ等)が転倒するようなことがあっても、暖房器具への電力の供給を自動的に遮断することで、二次災害を未然に防ぐことができる。
しかも、本実施形態によれば、分電盤3は、一般的にキャビネット33に取り付けられている主幹ブレーカ31や複数の分岐ブレーカ32,32,…を対象ブレーカとして利用して、電力の供給を遮断する。そのため、分電盤3は、専用の回路遮断器を設けることなく、地震等の発生時に電力の供給を遮断することができる。
さらに、本実施形態に係る分電盤3は、キャビネット33の外部に設けられている外部装置2との通信を行う通信装置1が制御部13を有するので、遮断した電力の供給を復帰する際に、離れた位置にある外部装置2からの指示を受けて復帰できる。したがって、安全が確認された場合にすぐに電力の供給を復帰することができ、地震等の発生時に需要家への電力の供給を適切に制御できる、という利点がある。
ここで、検知部11は、地震の発生を検知するように構成されており、制御部13は、検知部11にて第1の震度以上の揺れを検知した場合に前記対象ブレーカを開放するように構成されていることが好ましい。本実施形態では、検知部11が地震の発生を検知するように構成されている場合を例として説明するが、この例に限らず、検知部11は、地震、火災、ガス漏れのうち少なくとも1つの事象の発生を検知する構成であればよい。
以下、本実施形態に係る分電盤3について詳しく説明する。ただし、以下に説明する構成は、本発明の一例に過ぎず、本発明は、下記実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
以下では、電力の需要家が戸建住宅である場合を例に説明するが、この例に限らず、需要家はたとえば集合住宅の各住戸、事務所、店舗、工場などであってもよい。
まず、本実施形態に係る分電盤3の全体構成について説明する。
分電盤3は、図2に示すように、通信装置1と、需要家への電力の供給路上に設けられた主幹ブレーカ31および主幹ブレーカ31の二次側で電力を複数の電路に分岐させる複数の分岐ブレーカ32,32,…が取り付けられキャビネット33とを備えている。通信装置1は、キャビネット33に取り付けられている。
キャビネット33は、図2に示すように、正面視が横長の長方形状となり前面が開口した箱状に形成されており、住宅の壁等に取り付けて使用される。キャビネット33は、内部に少なくとも内器としてとしての主幹ブレーカ31および複数の分岐ブレーカ32,32,…を収納する空間を有している。ここではキャビネット33は合成樹脂製であり、キャビネット33の前面には開閉可能な蓋(図示せず)が取り付けられる。なお、蓋は、キャビネット33に含まれていてもよいし、キャビネット33に含まれていなくてもよい。
つまり、分電盤3のキャビネット33は、ブレーカ等の種々の内器を取り付けるためのスペースを備えており、主幹ブレーカ31が配置される第1スペース331と、複数の分岐ブレーカ32,32,…が配置される第2スペース332とを少なくとも備えている。
本実施形態に係る分電盤3のキャビネット33は、第1スペース331および第2スペース332に加えて、第3スペース333を備えている。
このように構成される分電盤3のキャビネット33は、最小限の構成として、第1スペース331に主幹ブレーカ31、第2スペース332に複数の分岐ブレーカ32,32,…が取り付けられる。その他の第3スペース333は、分電盤3の機能拡張用に設けられた空きスペースである。
ここで、分電盤3の内器として最小限の構成は、第1スペース331に取り付けられた主幹ブレーカ31、および第2スペース332に取り付けられた複数の分岐ブレーカ32,32,…である。さらに、本実施形態に係る分電盤3は、上述したように第3スペース333をキャビネット33に備えることにより、主幹ブレーカ31および複数の分岐ブレーカ32,32,…以外の種々の内器を付加的に取り付け(後付け)可能である。本実施形態では、分電盤3は、図2に示すように、少なくとも第3スペース333に取り付けられた通信装置1を内器として備えている。
以下に、分電盤3の内器(キャビネット33に取付可能な内器)について説明する。
主幹ブレーカ31は、その一次側端子(図示せず)に、系統電源(商用電源)の単相三線式の引込線が電気的に接続される。主幹ブレーカ31の二次側には、左右方向に長い長尺板状であって、導電部材からなる導電バーが電気的に接続される。主幹ブレーカ31は、一次側に接続された系統電源からの電力を二次側に接続された導電バーへ供給する投入状態と、該電力の供給を遮断する開放状態とを切替可能に構成されている。
複数の分岐ブレーカ32,32,…は、キャビネット33の第2スペース332において、導電バー(図示せず)の上側と下側とに分かれて、それぞれ複数個ずつ左右方向に並ぶように配置されている。各分岐ブレーカ32は、一次側端子(図示せず)と二次側端子(図示せず)とを有しており、一次側端子が導電バーに電気的に接続され、二次側端子には複数の電路(図示せず)の各々が接続される。各分岐ブレーカ32は、協約形寸法に形成されている。ここで、協約形寸法とは「JIS C 8201−2−1」に準拠した電灯分電盤用の回路遮断器の寸法(および形状)をいう。
各分岐ブレーカ32の二次側端子に接続された電路には、たとえば照明器具や給湯設備等の機器、差込接続装置のコンセント(アウトレット)や壁スイッチ等の配線器具が負荷として1つ以上接続され、分岐回路を構成する。つまり、複数の分岐ブレーカ32,32,…はそれぞれ分岐回路が電気的に接続され、主幹ブレーカ31からの電力を各分岐回路へ供給する投入状態と、該電力の供給を遮断する開放状態とを切替可能に構成されている。
通信装置1は、ここでは後述するメータ装置21との間で、電力線6を伝送媒体に用いた通信路を用いて通信信号を伝送する電力線搬送通信(PLC:Power Line Communications)により通信すると仮定する。そのため、通信装置1はメータ装置21に対し、電力線6を介して電気的に接続されている。
ここにおいて、図2の例では、分電盤3は、キャビネット33の第3スペースに取り付けられた機器制御装置4を内器としてさらに備えている。
機器制御装置4は、需要家の機器5および通信装置1との通信を行うように構成されている。機器制御装置4は、キャビネット33の外部に設けられている機器5との通信を行い、検知部11の検知結果を用いて機器5を制御するように構成されている。
具体的には、機器制御装置4は、通信装置1との通信機能に加えて、複数の機器5,5,…の制御を行うHEMS(Home Energy Management System)のコントローラとしての機能を有する。ここでは、機器制御装置4は、通信装置1との間で、電波を伝送媒体に用いた無線通信により通信する。
ここでいう複数の機器5,5,…はHEMS対応機器である。複数の機器5,5,…は、消費電力の管理対象であれば足り、たとえばHEMSにおいて重要な8機器(太陽光発電装置、蓄電池、燃料電池、電気自動車、エアコン、照明器具、給湯装置)などを含む。さらに、複数の機器5,5,…は、4大電力消費源の他の2つ、冷蔵庫、テレビ受像機などを含んでもよい。ただし、機器5をこれらの機器に限定する趣旨ではない。
機器制御装置4は、表示器からなる機器5を制御してメータ装置21の検針値を可視化(見える化)したり、検針値に基づいて機器5を制御したりする機能を有している。この機器制御装置4によれば、複数の機器5,5,…での電力消費の状況を管理することが可能になり、電力の無駄な消費を抑えることができる。
なお、機器制御装置4は、通信アダプタとコントローラとに分かれ、通信アダプタのみが分電盤3のキャビネット33に取り付けられていてもよい。この場合、コントローラが分電盤3の近傍あるいは室内に設けられ、機器制御装置4は、通信アダプタからコントローラに信号を送信することにより複数の機器5,5,…を制御する。
ここで、機器制御装置4は、地震の発生時に通信装置1からの遮断信号を受けて、複数の機器5,5,…を制御する機能を有している。すなわち、通信装置1は、地震の発生を検知して対象ブレーカ(ここでは主幹ブレーカ31)を開放したときに、機器制御装置4に遮断信号を送信し、HEMS対応の複数の機器5,5,…を制御する。このとき、機器制御装置4は、機器5の電源をオフしてもよいし、機器5を完全にはオフせずに待機状態としてもよい。また、機器制御装置4は、遮断信号を受けて、電動シャッタを開ける、照明器具を点灯させるなど、機器5の動作を停止させる以外の制御を行ってもよい。
次に、本実施形態に係る分電盤(通信装置1)3の通信相手となるメータ装置21について説明する。
メータ装置21は、図2に示すように、計測部211と、通信ユニット212とを備えている。
メータ装置21は、所謂スマートメータであって、需要家で使用された電力量(使用電力量)を電力の使用量として計測部211で計測し、需要家外に設けられているコンセントレータ(図示せず)に送信するように構成されている。このように、メータ装置21は、検針値(計測部211の計測結果)を通信ユニット212から通信によりコンセントレータに送信することで、遠隔検針を可能にする。
また、電力の供給事業者である電力会社、あるいは節電事業者によって運営されているサーバからなる第1の外部装置22から各需要家のメータ装置21に、電力の消費を抑制するための要請である要請情報など、種々の情報が送信される場合もある。ここでいう要請情報は、たとえば電力需給の調整を要求するDR(デマンドレスポンス)情報である。
さらに詳しく説明すると、計測部211は、電力の供給事業者から需要家への電力の供給路となる電力線6に電気的に接続されており、需要家での使用電力量を計測する電力メータ(電力量計)である。ここでは、メータ装置21は、計測部211と、通信ユニット212とが1つの筐体(図示せず)に収められていることとするが、別々の筐体を有していてもよい。
通信ユニット212は、需要家内に設けられた通信装置1の通信モジュール12と通信可能に構成されている。さらに、通信ユニット212は、通信装置1を介して、需要家内に設けられている表示装置からなる第2の外部装置23とも通信可能に構成されており、検針値や要請情報などを第2の外部装置23に送信して第2の外部装置23に表示させることが可能である。
また、通信ユニット212は、需要家外に設けられたコンセントレータや第1の外部装置22とも通信可能に構成されている。これにより、メータ装置21は、上述したように検針値をコンセントレータに送信したり(遠隔検針)、第1の外部装置22から要請情報を受信したりすることができる。
次に、本実施形態に係る分電盤3の通信装置1について詳細に説明する。
本実施形態の通信装置1は、図1に示すように、検知部11と、通信インタフェースとしての通信モジュール12と、制御部13とを有している。さらに、本実施形態に係る通信装置1は、記憶部14と、入力部15と、変更部16とを備えている。
通信装置1は、分電盤3のキャビネット33に取り付けられる。
検知部11は、加速度センサ(図示せず)を用いて構成され、通信装置1に加わった加速度に基づいて揺れの大きさ(震度)を検知する感震センサである。つまり、検知部11は、地震の発生時に揺れの大きさを計測するように構成されており、通信装置1の揺れの大きさを監視することで地震の発生を検知する。ここでは、加速度センサとして、たとえばMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を用いた小型の加速度センサを用いることにより、検知部11の小型化、ワンチップ化を図っている。検知部11は、検知した揺れの大きさを、たとえば「レベル1」〜「レベル10」の10段階で表し、検知結果として制御部13へ出力するように構成されている。
検知部11は、本実施形態では制御部13等が収められた筐体(図示せず)に内蔵されているが、この筐体に外付けされる形で設けられていてもよい。外付けされる場合、検知部11は、後述する制御部13の機能の一部である、地震発生の判断まで行うように構成される。つまりこの場合、検知部11は、検知した揺れの大きさを内蔵メモリ(図示せず)に記憶した第1の震度と比較し、第1の震度以上であれば地震発生と判断する。外付けされた検知部11は、筐体に設けられる入力端子(図示せず)に電気的に接続され、地震発生時には、内部の接点(図示せず)をオンして入力端子を電気的に短絡させることにより、検知結果(地震発生)を制御部13へ出力する。
本実施形態では、通信モジュール12は、機能によって第1の通信部121、第2の通信部122、第3の通信部123、第4の通信部124に分けられている。第1の通信部121はメータ装置21との通信を行い、第2の通信部122は第1の外部装置22との通信を行う。第3の通信部123は第2の外部装置23との通信を行い、第4の通信部124は第3の外部装置24との通信を行う。第3の外部装置24は、たとえば需要家内に設けられインターネットに接続されたパーソナルコンピュータ等の情報端末からなり、地震に関する地震情報を通信装置1に対して送信する。
ここでは、第1の通信部121は、電力線6上に設けられているメータ装置(スマートメータ)21と、電力線6を伝送媒体に用いた通信路を用いて通信信号を伝送する電力線搬送通信(PLC)により通信する。第2の通信部122は、メータ装置21およびコンセントレータを介して、電力の供給事業者である電力会社のサーバからなる第1の外部装置22と通信を行うように構成されている。コンセントレータと第1の外部装置22との間は専用回線によって接続されている。
第3の通信部123は、第2の外部装置(表示装置)23と、電波を伝送媒体に用いた無線通信により通信する。第4の通信部124は、第3の外部装置(情報端末)24と、電波を伝送媒体に用いた無線通信により通信する。ここでいう無線通信には、920MHz帯特定小電力無線や400MHz帯特定小電力無線、Wi−Fi(登録商標)やBluetooth(登録商標)などの方式を含む。
ただし、上述したような通信方式は適宜変更可能であって、たとえば第1の通信部121および第2の通信部122が無線通信を採用し、第3の通信部123および第4の通信部124が電力線搬送通信を採用していてもよい。また、図1では通信モジュール12を機能的に複数の通信部に分けているが、同じ通信方式を採用する場合には1つの通信部が第1の通信部121、第2の通信部122、第3の通信部123、第4の通信部124のうち2つ以上を兼ねてもよい。
さらに、本実施形態では、メータ装置21がスマートメータ、第1の外部装置22がサーバ、第2の外部装置23が表示装置、第3の外部装置24が情報端末であるが、この例に限らない。メータ装置21、第1の外部装置22、第2の外部装置23、第3の外部装置24としては、上述した機器制御装置4(図2参照)を含む種々の装置の中から任意の装置が選択され、少なくとも一部の外部装置が重複していてもよい。つまり、たとえば1台の表示装置が第2の外部装置23と第1の外部装置22とを兼ねていてもよいし、1台のコンセントレータが第2の外部装置23と第3の外部装置24とを兼ねていてもよい。このように一部の外部装置が重複する場合にも、1つの通信部が第1の通信部121、第2の通信部122、第3の通信部123、第4の通信部124のうち2つ以上を兼ねることになる。
制御部13は、主幹ブレーカ31と複数の分岐ブレーカ32,32,…とのうち少なくとも1つを対象ブレーカとし、検知部11の検知結果に応じて対象ブレーカの投入状態と開放状態とを切り替える。具体的には、制御部13は、検知部11で検知された揺れの大きさ(震度)を、記憶部14に記憶されている第1の震度と比較し、検知部11で検知された揺れの大きさが第1の震度以上であれば、地震発生と判断して対象ブレーカを開放状態に制御する。一方、検知部11で検知された揺れの大きさが第1の震度未満であれば、制御部13は、対象ブレーカを投入状態に制御する。
制御部13は、対象ブレーカに対して制御信号を送信することにより、対象ブレーカの投入状態、開放状態を切り替える。制御信号の送信方法並びに制御信号のフォーマットとしては、対象ブレーカに合わせた適宜の仕様が用いられる。本実施形態では、制御部13は、漏電遮断機能を有する主幹ブレーカ31を対象ブレーカとする場合を例示する。制御部13は、キャビネット33内において主幹ブレーカ31と電気的に接続されており、制御信号としては擬似漏電信号が用いられる。
記憶部14は、上述した第1の震度を予め記憶している。第1の震度は、上述したように制御部13が主幹ブレーカ(対象ブレーカ)31を開放する際に使用する閾値であって、上述した「レベル1」〜「レベル10」の10段階の揺れの大きさから選択され、通信装置1の出荷前に予め記憶部14に記憶される。ただし、第1の震度の初期値は、通信装置1の出荷後に、利用者(需要家の家人)によって設定され記憶部14に登録されてもよい。
入力部15は、利用者からの操作入力を受け付ける。入力部15は、たとえばディップスイッチやロータリスイッチのように利用者が直接操作する構成であってもよいし、通信モジュール12を経由して操作信号を受けることにより利用者の操作入力を間接的に受け付ける構成であってもよい。後者の場合、入力部15は、利用者が操作するたとえば第3の外部装置24から通信モジュール12経由で操作信号を受けることで、利用者の操作入力を間接的に受け付ける。
変更部16は、入力部15が受け付けた操作入力に従って第1の震度の大きさを変更するように構成されている。すなわち、記憶部14は第1の震度が書き換え可能であって、変更部16は、利用者からの操作入力に従って、記憶部14に記憶されている第1の震度を更新する。これにより、利用者は、入力部15に対して直接あるいは間接的に操作入力を与えることで、記憶部14に記憶されている第1の震度を任意に変更することができる。
なお、本実施形態では、通信装置1はマイコン(マイクロコンピュータ)を有しており、マイコンに適宜のプログラムを実行させることによって、制御部13、入力部15、変更部16の各機能を実現する。プログラムはたとえば記憶部14に記憶されている。
ところで、本実施形態では、制御部13は、検知部11が第1の震度以上の揺れを検知した時点から所定の待機時間が経過してから、主幹ブレーカ31を開放状態に切り替えるための制御信号を送信するように構成されている。すなわち、制御部13は、地震の発生により検知部11で検知された揺れの大きさが第1の震度以上になった時点ですぐに主幹ブレーカ31を開放するのではなく、該時点から待機時間の経過後に主幹ブレーカ31を開放する。
具体的には、待機時間は予め記憶部14に記憶されており、たとえば10秒程度に設定される。制御部13は、検知部11で検知された揺れの大きさが第1の震度以上になった時点からカウントを開始し、待機時間が経過すると主幹ブレーカ31を投入状態から開放状態へ切り替えるための制御信号を送信する。
また、制御部13は、主幹ブレーカ31を開放状態に切り替えてから、所定の復帰時間が経過すると、主幹ブレーカ31を投入状態に切り替えるための制御信号を送信するように構成されている。すなわち、制御部13は、地震の発生により主幹ブレーカ31が開放された時点から復帰時間の経過後には、主幹ブレーカ31を自動的に再投入する。
具体的には、復帰時間は予め記憶部14に記憶されており、たとえば10分程度に設定される。制御部13は、主幹ブレーカ31を開放状態に切り替えた時点からカウントを開始し、復帰時間が経過すると自動的に主幹ブレーカ31を開放状態から投入状態へ切り替えるための制御信号を送信する。
さらに、制御部13は、検知部11が第1の震度より大きな第2の震度を超える揺れを検知した場合、主幹ブレーカ31を開放状態に切り替えてから復帰時間の経過後も主幹ブレーカ31の開放状態を維持するように構成されている。すなわち、制御部13は、主幹ブレーカ31が開放された時点から復帰時間の経過後、常に主幹ブレーカ31を再投入するのではなく、検知部11で検知された揺れの大きさによって再投入するか否かを判断する。
具体的には、第2の震度は上述した「レベル1」〜「レベル10」の10段階の揺れの大きさから選択され、通信装置1の出荷前に予め記憶部14に記憶される。たとえば第1の震度が「レベル5」の場合に第2の震度が「レベル6」に設定される。ただし、第2の震度の初期値は、第1の震度と同様に、通信装置1の出荷後に、利用者(需要家の家人)によって設定され記憶部14に登録されてもよい。また、第2の震度は、たとえば「第1の震度+α」というように、第1の震度との関係のみで規定されてもよく、この場合、第2の震度を単独で設定する必要がない。
制御部13は、検知部11で検知された揺れの大きさ(震度)を、第1の震度および第2の震度とそれぞれ比較する。検知部11で検知された揺れの大きさが第1の震度以上、且つ第2の震度以下であれば、地震発生と判断して主幹ブレーカ31を開放状態に制御し、その後、復帰時間が経過すれば主幹ブレーカ31を投入状態に制御させる。一方、検知部11で検知された揺れの大きさが第2の震度を超えていれば、地震発生と判断して主幹ブレーカ31を開放状態に制御し、その後、復帰時間が経過しても主幹ブレーカ31を開放状態に維持する。なお、検知部11で検知された揺れの大きさが第1の震度未満であれば、制御部13は、主幹ブレーカ31を投入状態に維持する。
また、本実施形態に係る通信装置1は、上述したように外部装置(メータ装置21並びに第1〜第3の外部装置22〜24)と通信する通信モジュール12を備えており、外部装置との通信を利用した以下の3つの構成を採用している。
1つ目の構成として、制御部13は、主幹ブレーカ31が開放状態にある場合に、第2の通信部122が通信により第1の外部装置22から復帰信号を受信すると、主幹ブレーカ31を投入状態に切り替えるための制御信号を送信するように構成されている。つまり、通信装置1は、地震の発生により主幹ブレーカ31を開放した後、外部装置(第1の外部装置22)2からの復帰信号を受けると、主幹ブレーカ31を再投入する。
2つ目の構成として、第3の通信部123は、第2の外部装置23との通信を行い、検知部11の検知結果に基づく出力情報を第2の外部装置23へ送信するように構成されている。つまり、通信装置1は、検知部11の検知結果に基づいて主幹ブレーカ31を制御するだけでなく、検知部11の検知結果に基づいて出力情報を生成し、この出力情報を外部装置(第2の外部装置23)2へ出力する。ここでいう出力情報は、たとえば検知部11が検知した揺れの大きさや、揺れの周期、継続時間などを表す情報である。
3つ目の構成として、第4の通信部124は、第3の外部装置24から地震に関する地震情報を受信するように構成されている。制御部13は、検知部11にて第1の震度以上の揺れを検知した場合において、地震情報が地震の発生を示していれば主幹ブレーカ31を開放状態とし、地震情報が地震の発生を示していなければ主幹ブレーカ31を投入状態に維持するように構成されている。つまり、通信装置1は、検知部11にて第1の震度以上の揺れを検知した場合に常に主幹ブレーカ31を開放するのではなく、外部装置(第3の外部装置24)2からの地震情報によって開放するか否かを判断する。ここでいう地震情報は、地震の発生時にたとえば気象庁が報じる情報であって、地域別の震度、震源地、震源の深さ、地震の規模(マグニチュード)などを表す情報である。
具体的には、通信装置1は、設置されている地域を特定する地域情報を記憶部14に予め記憶しており、検知部11が第1の震度以上の揺れを検知すると、第3の外部装置24と通信を行い、地域情報に対応する地震情報を受信する。そして、通信装置1は、受信した地震情報が地震の発生を示しているか否かを判断し、地震の発生を示していれば主幹ブレーカ31を開放状態とし、示していなければ主幹ブレーカ31を投入状態とする。たとえば第3の外部装置24が需要家内に設けられた情報端末である場合、通信装置1は、情報端末がインターネットを経由して取得した地震情報を情報端末から受信する。また、第3の外部装置24が電力の供給事業者によって運営されているサーバである場合には、通信装置1は、サーバから地震情報を受信する。
この構成では、通信装置1は、検知部11で第1の震度以上の揺れを検知し、さらに外部装置(第3の外部装置24)2からの地震情報より地震の発生が確認されたときに、主幹ブレーカ31を開放状態に切り替えて電力の供給を遮断する。一方、検知部11で第1の震度以上の揺れを検知しても、外部装置からの地震情報より地震の発生が確認されなかったときには、通信装置1は、主幹ブレーカ31を投入状態に維持する。
以上説明した本実施形態の分電盤3によれば、通信装置1が、検知部11にて第1の震度以上の揺れを検知した場合に対象ブレーカ(ここでは主幹ブレーカ31)を開放するように、検知部11の検知結果に応じて制御部13にて対象ブレーカを制御する。したがって、通信装置1は、地震の発生時には需要家への電力の供給を自動的に遮断でき、電力が供給され続ける場合に比べて安全性を高めることができる。
しかも、通信装置1は、キャビネット33の外部に設けられている外部装置2との通信を行う制御部13を有するので、遮断した電力の供給を復帰する際に、離れた位置にある外部装置2からの指示を受けて復帰できる。そのため、地震が発生して電力の供給が一旦遮断されても、電力の供給を復帰するために分電盤3を直接操作する必要はない。たとえば、地震で転倒した家具などによって、家人が分電盤3の設置場所まで行き着くことが困難な場合でも、安全が確認された場合にすぐに電力供給を復帰することができ、地震等の発生時に需要家への電力の供給を適切に制御できる。
さらに、分電盤3は、一般的にキャビネット33に取り付けられている主幹ブレーカ31や複数の分岐ブレーカ32,32,…を対象ブレーカとして利用して、電力の供給を遮断する。そのため、分電盤3は、専用の回路遮断器を設けることなく、地震等の発生時に電力の供給を遮断することができる。とくに、本実施形態では主幹ブレーカ31を対象ブレーカとして用いるので、分電盤3は、地震等の発生時に対象ブレーカを開放することにより需要家全体への電力供給を一括して遮断することができる。
さらにまた、キャビネット33の第2スペース332には地震の発生を検知するための検知部(感震センサ)を設ける必要がないので、キャビネット33内のスペースを有効に利用することができる。つまり、第2スペース332の一部を利用してキャビネット33内に感震センサを設けることも可能であるが、その場合、感震センサによって複数の分岐ブレーカ32,32,…の取付スペースが一部潰れて、分岐回路の回路数が減る。これに対し、本実施形態の構成によれば、キャビネット33内のスペースを有効に利用できる。
また、本実施形態のように、制御部13は、検知部11が第1の震度以上の揺れを検知した時点から所定の待機時間が経過してから、対象ブレーカを開放するように構成されていることが好ましい。この構成によれば、たとえば夜間に地震が発生した場合などにおいて、電力がすぐに遮断されてしまうことがなく、利用者が安全確保や避難のための時間的な猶予を持たせることができる。
また、本実施形態のように、分電盤3は、利用者からの操作入力を受け付ける入力部15と、前記操作入力に従って前記第1の震度の大きさを変更する変更部16とをさらに備えることが好ましい。この場合、検知部11は、地震の発生時に揺れの大きさ(震度)を計測するように構成されている。この構成によれば、制御部13は、検知部11で計測された揺れの大きさと第1の震度とを比較することにより、地震が発生したか否かを判断することができる。しかも、比較対象となる第1の震度の大きさは、利用者が任意に変更できるので、たとえば需要家の構造、築年数などに応じて第1の震度の大きさを適切に設定できる。なお、入力部15および変更部16は、通信装置1以外の内器に設けられていてもよい。
また、本実施形態のように、制御部13は、対象ブレーカを開放してから、所定の復帰時間が経過すると、前記対象ブレーカを投入するように構成されていることが好ましい。この構成によれば、地震が発生して電力供給が一旦遮断されても復帰時間が経過すれば自動的に電力供給が復帰するので、電力供給を復帰させるための操作が不要である。復帰時間は、利用者が、たとえば転倒している暖房器具がないかなど、安全を確認するのに十分な時間に設定されることが望ましい。
さらに、制御部13は、本実施形態のように、検知部11が第1の震度より大きな第2の震度を超える揺れを検知した場合、対象ブレーカを開放してから復帰時間の経過後も前記対象ブレーカの開放状態を維持するように構成されていることが好ましい。この構成によれば、検知部11で検知された揺れの大きさが第2の震度を超えるほどの大きな地震が発生した場合、電力供給が遮断されてから復帰時間が経過しても電力供給は自動的に復帰しないため、より安全な措置をとることができる。
また、本実施形態のように、制御部13は、対象ブレーカが開放状態にある場合に、通信モジュール(通信インタフェース)12が通信により第1の外部装置22から復帰信号を受信すると、対象ブレーカを投入るように構成されていることが好ましい。
この構成によれば、地震等の事象の発生後、通信装置1は、遮断した電力の供給を復帰する際に、離れた位置にある外部装置(第1の外部装置22)2からの指示を受けて復帰することができる。したがって、安全が確認された場合にすぐに電力供給を復帰することができ、地震等の発生時に需要家への電力の供給を適切に制御できる。たとえば第1の外部装置22が電力の供給事業者によって運営されているサーバである場合、通信装置1は、電力の供給事業者からの遠隔操作によって対象ブレーカを再投入する。この場合、たとえば供給事業者のオペレータが利用者(需要家の家人)からの電話連絡を受けて、サーバに対し所定の操作を行うことで、サーバから通信装置1へ復帰信号が送信される。また、第1の外部装置22が需要家内に設けられた情報端末である場合には、利用者(需要家の家人)は情報端末を操作して情報端末から通信装置1へ復帰信号を送信することにより、対象ブレーカを再投入することができる。
また、本実施形態のように、通信モジュール(通信インタフェース)12は、検知部11の検知結果に基づく出力情報を、第2の外部装置23へ送信するように構成されていることが好ましい。
この構成によれば、地震等の事象が発生すると、通信装置1は、地震等の事象の状況を表す情報(出力情報)を外部装置(第2の外部装置23)2へ出力することができる。たとえば第2の外部装置23が需要家内に設けられた表示装置である場合、通信装置1は、揺れの大きさ等の情報を表示装置に出力し表示させる。また、第2の外部装置23が電力の供給事業者によって運営されているサーバである場合には、サーバは、通信装置1から送られてくる出力情報を収集することで、局所的な揺れの情報を収集しメンテナンスなどに役立てることができる。
また、本実施形態のように、通信モジュール(通信インタフェース)12は、第3の外部装置24から地震に関する地震情報を受信することが好ましい。この場合に、制御部13は、検知部11にて第1の震度以上の揺れを検知した場合において、地震情報が地震の発生を示していれば対象ブレーカを開放し、地震情報が地震の発生を示していなければ対象ブレーカの投入状態を維持するように構成される。
この構成によれば、通信装置1は、検知部11で第1の震度以上の揺れを検知し、さらに外部装置(第3の外部装置24)2からの地震情報より地震の発生が確認されたときに、対象ブレーカを開放状態に切り替えて電力の供給を遮断する。一方、検知部11で第1の震度以上の揺れを検知しても、外部装置(第3の外部装置24)2からの地震情報より地震の発生が確認されなかったときには、通信装置1は、対象ブレーカを投入状態に維持する。そのため、たとえば通信装置1が取り付けられた分電盤3のキャビネット33に人がぶつかるなどして通信装置1に振動が加わった場合でも、該当する地域で地震が発生していなければ、通信装置1は、地震が発生したと誤って判断することはない。したがって、検知部11の誤報により需要家への電力の供給が遮断されてしまうことを回避できる。
また、分電盤3は、本実施形態のように需要家の機器5および通信装置1との通信を行う機器制御装置4をさらに備えることが好ましい。機器制御装置4は、キャビネット33の外部に設けられている機器5との通信を行い、検知部11の検知結果を用いて機器5を制御するように構成されている。
この構成によれば、通信装置1と通信する機器制御装置4が検知部11の検知結果を用いて複数の機器5,5,…を制御するので、通信装置1での地震等の検知に連動して機器5を制御できる。したがって、分電盤3は、上述したように地震等の発生時に機器5を自動制御することが可能になる。
また、通信装置1に内蔵される検知部11は、地震の発生を検知する感震センサに限らず、たとえば火災の発生を検知する煙センサや、ガス漏れの発生を検知するガスセンサなどを用いて構成されていてもよい。たとえば検知部11に煙センサを用いた場合、通信装置1は、火災の発生時に需要家への電力の供給を遮断することができる。検知部11にガスセンサを用いた場合、通信装置1は、ガス漏れの発生時に需要家への電力の供給を遮断することができる。さらに、検知部11は、地震、火災、ガス漏れのうち2つ以上の事象の発生を検知するように構成されていてもよい。この場合、制御部13は、検知部11でいずれか1つでも事象の発生が検知されたときに対象ブレーカを開放するように構成されることが好ましい。
(実施形態2)
本実施形態に係る分電盤3は、図3に示すように、制御部13が、主幹ブレーカ31と複数の分岐ブレーカ32,32,…とのうち、予め定められた一部の分岐ブレーカ32のみを対象ブレーカとして制御する点で、実施形態1の分電盤3と相違する。すなわち、実施形態1では対象ブレーカは主幹ブレーカ31であったのに対し、本実施形態では対象ブレーカは予め定められた一部の分岐ブレーカ32である。以下、実施形態1と同様の構成については共通の符号を付して適宜説明を省略する。
制御部13は、キャビネット33内において対象ブレーカとしての分岐ブレーカ32と電気的に接続されており、分岐ブレーカ32に制御信号を送信することにより、分岐ブレーカ32の投入状態、開放状態を切り替える。
ここで、対象ブレーカは、分電盤3に備わっている複数の分岐ブレーカ32,32,…のうちの一部であればよく、1つの分岐ブレーカ32に限らず、2つ以上の分岐ブレーカ32,32,…であってもよい。ただし、制御部13は、分電盤3に備わっている複数の分岐ブレーカ32,32,…の全てを対象ブレーカとするのではなく、一部のみを対象ブレーカとし、残りを非対象ブレーカとする。
ここにおいて、対象ブレーカとしての分岐ブレーカ32は、複数の分岐ブレーカ32,32,…のうち、電話、LAN(Local Area Network)などの通信インフラ関連設備が接続された分岐ブレーカ32を除いて選択されることが好ましい。言い換えれば、通信インフラ関連の設備が接続された分岐ブレーカ32は、非対象ブレーカとすること好ましい。なお、非対象ブレーカに接続される装置は、通信インフラ関連設備に限らず、医療機器など、地震等の発生時にも電力の継続した供給が望まれる各種の装置であってもよい。
以上説明したように、本実施形態の分電盤3は、制御部13が、主幹ブレーカ31と複数の分岐ブレーカ32,32,…とのうち、予め定められた一部の分岐ブレーカ32のみを対象ブレーカとして制御するように構成されている。この構成によれば、地震等の発生時であっても、主幹ブレーカ31が開放されて需要家全体の電力供給が遮断されるのではなく、一部の分岐ブレーカ32のみが開放されて一部の分岐回路への電力供給のみが遮断される。したがって、特定の装置(たとえば通信インフラ関連設備や医療機器など)が接続された分岐ブレーカ32については対象ブレーカから外すことで、地震等の発生時にも特定の装置への電力供給を継続することができる。
その他の構成および機能は実施形態1と同様である。
(実施形態3)
本実施形態に係る分電盤3は、図4に示すように、制御部13が、検知部11にて事象の発生を検知した場合には連系ブレーカ34を開放するように、対象ブレーカと併せて連系ブレーカ34を制御する点で、実施形態1の分電盤3と相違する。以下、実施形態1と同様の構成については共通の符号を付して適宜説明を省略する。
すなわち、本実施形態では、キャビネット33には、分散電源7から需要家への電力の供給路上に設けられた連系ブレーカ34が取り付けられており、制御部13は、対象ブレーカと一緒に連系ブレーカ34を制御するように構成されている。ここでいう分散電源7の一例としては、太陽光発電装置71、燃料電池72、蓄電池(電気自動車に搭載された蓄電池も含む)73などがある。連系ブレーカ34としては、主幹ブレーカ31の一次側に電気的に接続される一次連系ブレーカ341と、主幹ブレーカ31の二次側に電気的に接続される二次連系ブレーカ342とがある。
分電盤3のキャビネット33には、図4に示すように、主幹ブレーカ31の一次側端子に電気的に接続され、分散電源7である太陽光発電装置71から需要家への電力供給路上に設けられる一次連系ブレーカ(連系ブレーカ34)341が取り付けられている。一次連系ブレーカ341は、キャビネット33のうち、第1スペース331と第3スペース333との間に設けられた第4スペース334に配置される。
通信装置1の制御部13は、地震等の発生時に一次連系ブレーカ341に制御信号を出力し、一次連系ブレーカ341を開放する。すなわち、制御部13は、地震等の発生を検知して対象ブレーカである主幹ブレーカ31を開放したときに、一次連系ブレーカ341を併せて開放するように構成される。なお、制御部13は、一次連系ブレーカ341を再投入するタイミングについても、主幹ブレーカ(対象ブレーカ)31を再投入するタイミングと同一である。
また、分電盤3には、導電バーに電気的に接続され、分散電源7である燃料電池72や蓄電池73から需要家への電力供給路上に設けられる二次連系ブレーカ(連系ブレーカ34)342が取り付けられている。二次連系ブレーカ342は、キャビネット33のうち第2スペース332に、複数の分岐ブレーカ32,32,…と共に配置されている。
通信装置1の制御部13は、地震等の発生時に二次連系ブレーカ342に制御信号を出力し、二次連系ブレーカ342を開放する。すなわち、制御部13は、地震等の発生を検知して対象ブレーカである主幹ブレーカ31を開放したときに、二次連系ブレーカ342を併せて開放するように構成される。なお、制御部13は、二次連系ブレーカ342を再投入するタイミングについても、主幹ブレーカ(対象ブレーカ)31を再投入するタイミングと同一である。
以上説明したように、本実施形態の分電盤3は、キャビネット33には、分散電源7から需要家への電力の供給路上に設けられた連系ブレーカ34が取り付けられている。さらに、制御部13は、検知部11にて(地震等の)事象の発生を検知した場合には連系ブレーカ34を開放するように、対象ブレーカと併せて連系ブレーカ34を制御するように構成されている。この構成によれば、分電盤3は、地震等の発生時に、対象ブレーカである主幹ブレーカ31にて系統電源から需要家への電力供給を遮断するだけでなく、連系ブレーカ34にて分散電源7から需要家への電力供給も遮断することができる。
ただし、連系ブレーカ34は、主幹ブレーカ31や複数の分岐ブレーカ32,32,…と同じキャビネット33ではなく、たとえば該キャビネット33に隣接して配置される連系ブレーカボックス(図示せず)のキャビネットに取り付けられていてもよい。つまり、分散電源7の接続用に連系ブレーカボックスが用いられる場合には、通信装置1は、連系ブレーカボックスの連系ブレーカ34を制御対象とする。
その他の構成および機能は実施形態1と同様である。なお、本実施形態に係る構成は、実施形態2に係る構成と組み合わせても採用可能である。