(実施形態1)
本実施形態に係るメータ装置1は、図1に示すように、計測部11と、検知部12と、切替部13と、第1の通信部141と、制御部15とを備えている。
計測部11は、需要家(customer’s facility)でのエネルギーの使用量を計測する。検知部12は、地震の発生を検知する。切替部13は、前記需要家への前記エネルギーの供給路上に設けられ、前記需要家へ前記エネルギーを供給する供給状態と、前記エネルギーの供給を遮断する遮断状態とを切り替える。
第1の通信部141は、第1の外部装置21との通信を行い、計測部11の計測結果を第1の外部装置21に送信する。制御部15は、検知部12にて第1の震度以上の揺れを検知した場合に切替部13を前記遮断状態とするように、検知部12の検知結果に応じて切替部13を制御する。
すなわち、本実施形態に係るメータ装置1は、検知部12にて第1の震度以上の揺れを検知した場合、切替部13を遮断状態として需要家へのエネルギーの供給を遮断する。そのため、地震の発生時にはメータ装置1にて需要家への電力等のエネルギーの供給を自動的に遮断することができ、エネルギーが供給され続ける場合に比べて安全性を高めることができる。つまり、地震によりたとえば暖房器具が転倒するようなことがあっても、暖房器具へのエネルギーの供給を自動的に遮断することで、二次災害を未然に防ぐことができる。
しかも、本実施形態によれば、需要家でのエネルギーの使用量を計測するメータ装置1が、地震の発生の検知からエネルギー供給の遮断まで一貫して行うことができる。そのため、需要家においては、メータ装置1を設置するだけで、地震の発生時にはエネルギーの供給を遮断することができる。
さらに、本実施形態に係るメータ装置1は、外部装置(たとえば第1の外部装置21)との通信機能を有しているので、遮断したエネルギー供給を復帰する際に、離れた位置にある外部装置からの指示を受けて復帰することができる。したがって、安全が確認された場合にすぐにエネルギー供給を復帰することができ、地震発生時に需要家へのエネルギーの供給を適切に制御できる、という利点がある。
以下、本実施形態に係るメータ装置1について詳しく説明する。ただし、以下に説明する構成は、本発明の一例に過ぎず、本発明は、下記実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
以下の実施形態では、メータ装置1の計測部11で計測されるエネルギーが電力(電気エネルギー)である場合を例として説明する。ただし、エネルギーは電力、ガス、水道、熱など外部の供給事業者から需要家に供給される資源であって、電力に限る趣旨ではない。また、以下ではエネルギーの需要家が戸建住宅である場合を例に説明するが、この例に限らず、需要家はたとえば集合住宅の各住戸、事務所、店舗、工場などであってもよい。
本実施形態のメータ装置1は、図1に示すように、計測部11と、検知部12と、切替部13と、通信モジュール14と、制御部15とを備えている。さらに、本実施形態に係るメータ装置1は、記憶部16と、入力部17と、変更部18とを備えている。
このメータ装置1は、所謂スマートメータであって、需要家で使用された電力量(使用電力量)をエネルギーの使用量として計測部11で計測し、需要家外に設けられているコンセントレータからなる第1の外部装置21に送信するように構成されている。このように、メータ装置1は、検針値(計測部11の計測結果)を通信モジュール14から通信により第1の外部装置(コンセントレータ)21に送信することで、遠隔検針を可能にする。
また、エネルギーの供給事業者である電力会社、あるいは節電事業者によって運営されているサーバからなる第2の外部装置22から各需要家のメータ装置1に、電力の消費を抑制するための要請である要請情報など、種々の情報が送信される場合もある。ここでいう要請情報は、たとえば電力需給の調整を要求するDR(デマンドレスポンス)情報である。さらに、メータ装置1は、需要家内に設けられている表示装置からなる第3の外部装置23と通信モジュール14で通信可能に構成されており、検針値や要請情報などを第3の外部装置23に送信して第3の外部装置23に表示させることが可能である。
さらに詳しく説明すると、計測部11は、電力の供給事業者から需要家へのエネルギー(ここでは電力)の供給路となる電力線6に電気的に接続されており、需要家での使用電力量を計測する電力メータ(電力量計)である。ここでは、メータ装置1は、計測部11と、その他の構成要素(検知部12、切替部13、通信モジュール14、制御部15等)とが1つの筐体(図示せず)に収められていることとするが、別々の筐体を有していてもよい。
検知部12は、加速度センサ(図示せず)を用いて構成され、メータ装置1に加わった加速度に基づいて揺れの大きさ(震度)を検知する感震センサである。つまり、検知部12は、地震の発生時に揺れの大きさを計測するように構成されており、メータ装置1の揺れの大きさを監視することで地震の発生を検知する。ここでは、加速度センサとして、たとえばMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を用いた小型の加速度センサを用いることにより、検知部12の小型化、ワンチップ化を図っている。検知部12は、検知した揺れの大きさを、たとえば「レベル1」〜「レベル10」の10段階で表し、検知結果として制御部15へ出力するように構成されている。
検知部12は、本実施形態では計測部11等が収められた筐体に内蔵されているが、この筐体に外付けされる形で設けられていてもよい。外付けされる場合、検知部12は、後述する制御部15の機能の一部である、地震発生の判断まで行うように構成される。つまりこの場合、検知部12は、検知した揺れの大きさを内蔵メモリ(図示せず)に記憶した第1の震度と比較し、第1の震度以上であれば地震発生と判断する。外付けされた検知部12は、筐体に設けられる入力端子(図示せず)に電気的に接続され、地震発生時には、内部の接点(図示せず)をオンして入力端子を電気的に短絡させることにより、検知結果(地震発生)を制御部15へ出力する。
切替部13は、供給事業者から需要家へのエネルギー(ここでは電力)の供給路となる電力線6上に設けられた開閉器(スイッチ)である。切替部13は、供給状態と遮断状態との2状態を切替可能に構成されている。供給状態では、切替部13は、電力線6に挿入されている接点を閉じる(オンする)ことによって、需要家へエネルギーを供給する。遮断状態では、切替部13は、電力線6に挿入されている接点を開く(オフする)ことによって、需要家へのエネルギーの供給を遮断する。
制御部15は、検知部12の検知結果に応じて切替部13を制御し、供給状態と遮断状態とを切り替える。具体的には、制御部15は、検知部12で検知された揺れの大きさ(震度)を、記憶部16に記憶されている第1の震度と比較し、検知部12で検知された揺れの大きさが第1の震度以上であれば、地震発生と判断して切替部13を遮断状態に制御する。一方、検知部12で検知された揺れの大きさが第1の震度未満であれば、制御部15は、切替部13を供給状態に制御する。
本実施形態では、通信モジュール14は、機能によって第1の通信部141、第2の通信部142、第3の通信部143、第4の通信部144に分けられている。第1の通信部141は第1の外部装置21との通信を行い、第2の通信部142は第2の外部装置22との通信を行う。第3の通信部143は第3の外部装置23との通信を行い、第4の通信部144は第4の外部装置24との通信を行う。第4の外部装置24は、たとえば需要家内に設けられインターネットに接続されたパーソナルコンピュータ等の情報端末からなり、地震に関する地震情報をメータ装置1に対して送信する。
ここでは、第1の通信部141は、電力線6上に設けられている第1の外部装置(コンセントレータ)21と、電力線6を伝送媒体に用いた通信路を用いて通信信号を伝送する電力線搬送通信(PLC:Power Line Communications)により通信する。第2の通信部142は、第1の外部装置21を介して、エネルギーの供給事業者である電力会社のサーバからなる第2の外部装置22と通信を行うように構成されている。第1の外部装置21と第2の外部装置22との間は専用回線によって接続されている。
第3の通信部143は、第3の外部装置(表示装置)23と、電波を伝送媒体に用いた無線通信により通信する。第4の通信部144は、第4の外部装置(情報端末)24と、電波を伝送媒体に用いた無線通信により通信する。ここでいう無線通信には、920MHz帯特定小電力無線や400MHz帯特定小電力無線、Wi−Fi(登録商標)やBluetooth(登録商標)などの方式を含む。
ただし、上述したような通信方式は適宜変更可能であって、たとえば第1の通信部141および第2の通信部142が無線通信を採用し、第3の通信部143および第4の通信部144が電力線搬送通信を採用していてもよい。また、図1では通信モジュール14を機能的に複数の通信部に分けているが、同じ通信方式を採用する場合には1つの通信部が第1の通信部141、第2の通信部142、第3の通信部143、第4の通信部144のうち2つ以上を兼ねてもよい。
さらに、本実施形態では、第1の外部装置21がコンセントレータ、第2の外部装置22がサーバ、第3の外部装置23が表示装置、第4の外部装置24が情報端末であるが、この例に限らない。第1の外部装置21、第2の外部装置22、第3の外部装置23、第4の外部装置24としては、後述する機器制御装置4(図3参照)を含む種々の装置の中から任意の装置が選択され、少なくとも一部の外部装置が重複していてもよい。つまり、たとえば1台の表示装置が第1の外部装置21と第2の外部装置22とを兼ねていてもよいし、1台のコンセントレータが第3の外部装置23と第4の外部装置24とを兼ねていてもよい。このように一部の外部装置が重複する場合にも、1つの通信部が第1の通信部141、第2の通信部142、第3の通信部143、第4の通信部144のうち2つ以上を兼ねることになる。
記憶部16は、上述した第1の震度を予め記憶している。第1の震度は、上述したように制御部15が切替部13を遮断状態に切り替える際に使用する閾値であって、上述した「レベル1」〜「レベル10」の10段階の揺れの大きさから選択され、メータ装置1の出荷前に予め記憶部16に記憶される。ただし、第1の震度の初期値は、メータ装置1の出荷後に、利用者(需要家の家人)によって設定され記憶部16に登録されてもよい。
入力部17は、利用者からの操作入力を受け付ける。入力部17は、たとえばディップスイッチやロータリスイッチのように利用者が直接操作する構成であってもよいし、通信モジュール14を経由して操作信号を受けることにより利用者の操作入力を間接的に受け付ける構成であってもよい。後者の場合、入力部17は、利用者が操作するたとえば第4の外部装置24から通信モジュール14経由で操作信号を受けることで、利用者の操作入力を間接的に受け付ける。
変更部18は、入力部17が受け付けた操作入力に従って第1の震度の大きさを変更するように構成されている。すなわち、記憶部16は第1の震度が書き換え可能であって、変更部18は、利用者からの操作入力に従って、記憶部16に記憶されている第1の震度を更新する。これにより、利用者は、入力部17に対して直接あるいは間接的に操作入力を与えることで、記憶部16に記憶されている第1の震度を任意に変更することができる。
なお、本実施形態では、メータ装置1はマイコン(マイクロコンピュータ)を有しており、マイコンに適宜のプログラムを実行させることによって、制御部15、入力部17、変更部18の各機能を実現する。プログラムはたとえば記憶部16に記憶されている。
ところで、本実施形態では、制御部15は、検知部12が第1の震度以上の揺れを検知した時点から所定の待機時間が経過してから切替部13を遮断状態に切り替えるように構成されている。すなわち、制御部15は、地震の発生により検知部12で検知された揺れの大きさが第1の震度以上になった時点ですぐに切替部13を遮断状態に切り替えるのではなく、該時点から待機時間の経過後に切替部13を遮断状態に切り替える。
具体的には、待機時間は予め記憶部16に記憶されており、たとえば10秒程度に設定される。制御部15は、検知部12で検知された揺れの大きさが第1の震度以上になった時点からカウントを開始し、待機時間が経過すると切替部13を供給状態から遮断状態へ切り替える。
また、制御部15は、切替部13を遮断状態に切り替えてから、所定の復帰時間が経過すると、切替部13を供給状態に切り替えるように構成されている。すなわち、制御部15は、地震の発生により切替部13が遮断状態に切り替えられた時点から復帰時間の経過後には、切替部13を自動的に供給状態に復帰させる。
具体的には、復帰時間は予め記憶部16に記憶されており、たとえば10分程度に設定される。制御部15は、切替部13を遮断状態に切り替えた時点からカウントを開始し、復帰時間が経過すると自動的に切替部13を遮断状態から供給状態へ切り替える。
さらに、制御部15は、検知部12が第1の震度より大きな第2の震度を超える揺れを検知した場合、切替部13を遮断状態に切り替えてから復帰時間の経過後も切替部13の遮断状態を維持するように構成されている。すなわち、制御部15は、切替部13が遮断状態に切り替えられた時点から復帰時間の経過後、常に切替部13を供給状態に復帰させるのではなく、検知部12で検知された揺れの大きさによって復帰させるか否かを判断する。
具体的には、第2の震度は上述した「レベル1」〜「レベル10」の10段階の揺れの大きさから選択され、メータ装置1の出荷前に予め記憶部16に記憶される。たとえば第1の震度が「レベル5」の場合に第2の震度が「レベル6」に設定される。ただし、第2の震度の初期値は、第1の震度と同様に、メータ装置1の出荷後に、利用者(需要家の家人)によって設定され記憶部16に登録されてもよい。また、第2の震度は、たとえば「第1の震度+α」というように、第1の震度との関係のみで規定されてもよく、この場合、第2の震度を単独で設定する必要がない。
制御部15は、検知部12で検知された揺れの大きさ(震度)を、第1の震度および第2の震度とそれぞれ比較する。検知部12で検知された揺れの大きさが第1の震度以上、且つ第2の震度以下であれば、地震発生と判断して切替部13を遮断状態に制御し、その後、復帰時間が経過すれば切替部13を供給状態に制御させる。一方、検知部12で検知された揺れの大きさが第2の震度を超えていれば、地震発生と判断して切替部13を遮断状態に制御し、その後、復帰時間が経過しても切替部13を遮断状態に維持する。なお、検知部12で検知された揺れの大きさが第1の震度未満であれば、制御部15は、切替部13を供給状態に維持する。
また、本実施形態に係るメータ装置1は、上述したように外部装置(第1〜第4の外部装置21〜24)と通信する通信モジュール14を備えており、外部装置との通信を利用した以下の3つの構成を採用している。
1つ目の構成として、制御部15は、切替部13が遮断状態にある場合に、第2の通信部142が通信により第2の外部装置22から復帰信号を受信すると、切替部13を供給状態に切り替えるように構成されている。つまり、メータ装置1は、地震の発生により切替部13を供給状態から遮断状態に切り替えた後、外部装置(第2の外部装置22)からの復帰信号を受けると、切替部13を供給状態に復帰させる。
2つ目の構成として、第3の通信部143は、第3の外部装置23との通信を行い、検知部12の検知結果に基づく出力情報を第3の外部装置23へ送信するように構成されている。つまり、メータ装置1は、検知部12の検知結果に基づいて切替部13を制御するだけでなく、検知部12の検知結果に基づいて出力情報を生成し、この出力情報を外部装置(第3の外部装置23)へ出力する。ここでいう出力情報は、たとえば検知部12が検知した揺れの大きさや、揺れの周期、継続時間などを表す情報である。
3つ目の構成として、第4の通信部144は、第4の外部装置24から地震に関する地震情報を受信するように構成されている。制御部15は、検知部12にて第1の震度以上の揺れを検知した場合において、地震情報が地震の発生を示していれば切替部13を遮断状態とし、地震情報が地震の発生を示していなければ切替部13を供給状態に維持するように構成されている。つまり、メータ装置1は、検知部12にて第1の震度以上の揺れを検知した場合に常に切替部13を遮断状態とするのではなく、外部装置(第4の外部装置24)からの地震情報によって遮断状態とするか否かを判断する。ここでいう地震情報は、地震の発生時にたとえば気象庁が報じる情報であって、地域別の震度、震源地、震源の深さ、地震の規模(マグニチュード)などを表す情報である。
具体的には、メータ装置1は、設置されている地域を特定する地域情報を記憶部16に予め記憶しており、検知部12が第1の震度以上の揺れを検知すると、第4の外部装置24と通信を行い、地域情報に対応する地震情報を受信する。そして、メータ装置1は、受信した地震情報が地震の発生を示しているか否かを判断し、地震の発生を示していれば切替部13を遮断状態とし、示していなければ切替部13を供給状態とする。たとえば第4の外部装置24が需要家内に設けられた情報端末である場合、メータ装置1は、情報端末がインターネットを経由して取得した地震情報を情報端末から受信する。また、第4の外部装置24がエネルギーの供給事業者によって運営されているサーバである場合には、メータ装置1は、サーバから地震情報を受信する。
この構成では、メータ装置1は、検知部12で第1の震度以上の揺れを検知し、さらに外部装置(第4の外部装置24)からの地震情報より地震の発生が確認されたときに、切替部13を遮断状態に切り替えてエネルギーの供給を遮断する。一方、検知部12で第1の震度以上の揺れを検知しても、外部装置からの地震情報より地震の発生が確認されなかったときには、メータ装置1は、切替部13を供給状態に維持する。
以上説明した本実施形態のメータ装置1によれば、制御部15が、検知部12にて第1の震度以上の揺れを検知した場合に切替部13を遮断状態とするように、検知部12の検知結果に応じて切替部13を制御する。したがって、メータ装置1は、地震の発生時には需要家への電力等のエネルギーの供給を自動的に遮断でき、エネルギーが供給され続ける場合に比べて安全性を高めることができる。
しかも、メータ装置1は、外部装置(たとえば第1の外部装置21)との通信機能を有しているので、遮断したエネルギー供給を復帰する際に、離れた位置にある外部装置からの指示を受けて復帰できる。そのため、地震が発生してエネルギー供給が一旦遮断されても、エネルギーの供給を復帰するためにメータ装置1を直接操作する必要はない。たとえば、地震で転倒した家具などによって、家人がメータ装置1の設置場所まで行き着くことが困難な場合でも、安全が確認された場合にすぐにエネルギー供給を復帰することができ、地震発生時に需要家へのエネルギーの供給を適切に制御できる。
さらに、スマートメータのように、通信モジュール14および切替部(開閉器)13
を元々備えたメータ装置であれば、検知部12および制御部15を追加する比較的簡単な変更により、本実施形態のメータ装置1を実現することができる。
また、本実施形態のように、制御部15は、検知部12が第1の震度以上の揺れを検知した時点から所定の待機時間が経過してから切替部13を遮断状態に切り替えるように構成されていることが好ましい。この構成によれば、たとえば夜間に地震が発生した場合などにおいて、電力(エネルギー)がすぐに遮断されてしまうことがなく、利用者が安全確保や避難のための時間的な猶予を持たせることができる。
また、本実施形態のように、メータ装置1は、利用者からの操作入力を受け付ける入力部17と、前記操作入力に従って前記第1の震度の大きさを変更する変更部18とをさらに備えることが好ましい。この場合、検知部12は、地震の発生時に揺れの大きさ(震度)を計測するように構成されている。この構成によれば、制御部15は、検知部12で計測された揺れの大きさと第1の震度とを比較することにより、地震が発生したか否かを判断することができる。しかも、比較対象となる第1の震度の大きさは、利用者が任意に変更できるので、たとえば需要家の構造、築年数などに応じて第1の震度の大きさを適切に設定できる。
また、本実施形態のように、制御部15は、切替部13を遮断状態に切り替えてから、所定の復帰時間が経過すると、切替部13を供給状態に切り替えるように構成されていることが好ましい。この構成によれば、地震が発生してエネルギー供給が一旦遮断されても復帰時間が経過すれば自動的にエネルギー供給が復帰するので、エネルギー供給を復帰させるための操作が不要である。しかも、メータ装置1は、外部装置と通信することなくスタンドアローンでエネルギー供給を復帰するので、外部装置との通信が困難な状況にあっても、エネルギー供給を復帰できる。復帰時間は、利用者が、たとえば転倒している暖房器具がないかなど、安全を確認するのに十分な時間に設定されることが望ましい。
さらに、制御部15は、本実施形態のように、検知部12が第1の震度より大きな第2の震度を超える揺れを検知した場合、切替部13を遮断状態に切り替えてから復帰時間の経過後も切替部13の遮断状態を維持するように構成されていることが好ましい。この構成によれば、検知部12で検知された揺れの大きさが第2の震度を超えるほどの大きな地震が発生した場合、エネルギー供給が遮断されてから復帰時間が経過してもエネルギー供給は自動的に復帰しないため、より安全な措置をとることができる。
また、本実施形態のように、メータ装置1は、第2の外部装置22と通信を行う第2の通信部142をさらに備えることが好ましい。この場合、制御部15は、切替部13が遮断状態にある場合に、第2の通信部142が通信により第2の外部装置22から復帰信号を受信すると、切替部13を供給状態に切り替えるように構成されていることが好ましい。
この構成によれば、地震の発生後、メータ装置1は、遮断したエネルギーの供給を復帰する際に、離れた位置にある外部装置からの指示を受けて復帰することができる。したがって、安全が確認された場合にすぐにエネルギー供給を復帰することができ、地震発生時に需要家へのエネルギーの供給を適切に制御できる。たとえば第2の外部装置22がエネルギーの供給事業者によって運営されているサーバである場合、メータ装置1は、エネルギーの供給事業者からの遠隔操作によって切替部13が供給状態に復帰する。この場合、たとえば供給事業者のオペレータが利用者(需要家の家人)からの電話連絡を受けて、サーバに対し所定の操作を行うことで、サーバからメータ装置1へ復帰信号が送信される。また、第2の外部装置22が需要家内に設けられた情報端末である場合には、利用者(需要家の家人)は情報端末を操作して情報端末からメータ装置1へ復帰信号を送信することにより、切替部13を供給状態に復帰させることができる。
また、本実施形態のように、メータ装置1は、第3の外部装置23との通信を行い、検知部12の検知結果に基づく出力情報を第3の外部装置23へ送信する第3の通信部143をさらに備えることが好ましい。
この構成によれば、地震が発生すると、メータ装置1は、地震の状況を表す情報(出力情報)を外部装置へ出力することができる。たとえば第3の外部装置23が需要家内に設けられた表示装置である場合、メータ装置1は、揺れの大きさ等の情報を表示装置に出力し表示させる。また、第3の外部装置23がエネルギーの供給事業者によって運営されているサーバである場合には、サーバは、メータ装置1から送られてくる出力情報を収集することで、局所的な揺れの情報を収集しメンテナンスなどに役立てることができる。
また、本実施形態のように、メータ装置1は、第4の外部装置24との通信を行い、第4の外部装置24から地震に関する地震情報を受信する第4の通信部144をさらに備えることが好ましい。この場合に、制御部15は、検知部12にて第1の震度以上の揺れを検知した場合において、地震情報が地震の発生を示していれば切替部13を遮断状態とし、地震情報が地震の発生を示していなければ切替部13を供給状態に維持するように構成される。
この構成によれば、メータ装置1は、検知部12で第1の震度以上の揺れを検知し、さらに外部装置からの地震情報より地震の発生が確認されたときに、切替部13を遮断状態に切り替えてエネルギーの供給を遮断する。一方、検知部12で第1の震度以上の揺れを検知しても、外部装置からの地震情報より地震の発生が確認されなかったときには、メータ装置1は、切替部13を供給状態に維持する。そのため、たとえばメータ装置1にボールがぶつかるなどしてメータ装置1に振動が加わった場合でも、該当する地域で地震が発生していなければ、メータ装置1は、地震が発生したと誤って判断することはない。したがって、検知部12の誤報により需要家へのエネルギーの供給が遮断されてしまうことを回避できる。
なお、エネルギーが電力以外の資源、たとえばガス、水道、熱などである場合でも、上記実施形態と同様の構成をメータ装置に適用することができる。たとえばエネルギーがガスである場合、メータ装置は、計測部としてガスメータと、切替部としてガスの供給路上に設けられた遮断弁(バルブ)とを備える。このメータ装置は、通常時には遮断弁を開いて切替部を供給状態とし、地震の発生時には遮断弁を閉じて切替部を遮断状態とする。
また、メータ装置1に内蔵される検知部12は、地震の発生を検知する感震センサに限らず、たとえば火災の発生を検知する煙センサや、ガス漏れの発生を検知するガスセンサなどを用いて構成されていてもよい。たとえば検知部12に煙センサを用いた場合、メータ装置1は、火災の発生時に需要家へのエネルギーの供給を遮断することができる。検知部12にガスセンサを用いた場合、メータ装置1は、ガス漏れの発生時に需要家へのエネルギーの供給を遮断することができる。
(実施形態2)
本実施形態に係るメータ装置1は、図2に示すように、分電盤3と併せて分電盤システム10を構築する。以下、実施形態1と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
本実施形態に係る分電盤システム10は、メータ装置1と、分電盤3とを備えている。分電盤3は、需要家への電力の供給路上に設けられた主幹ブレーカ31および主幹ブレーカ31の二次側で電力を複数の電路に分岐させる複数の分岐ブレーカ32,32,…がキャビネット33に取り付けられて構成されている。キャビネット33には、メータ装置1との通信を行う通信アダプタ34が取り付けられている。
キャビネット33は、図2に示すように、正面視が横長の長方形状となり前面が開口した箱状に形成されており、住宅の壁等に取り付けて使用される。キャビネット33は、内部に少なくとも内器としてとしての主幹ブレーカ31および複数の分岐ブレーカ32,32,…を収納する空間を有している。ここではキャビネット33は合成樹脂製であり、キャビネット33の前面には開閉可能な蓋(図示せず)が取り付けられる。なお、蓋は、キャビネット33に含まれていてもよいし、キャビネット33に含まれていなくてもよい。
つまり、分電盤3のキャビネット33は、ブレーカ等の種々の内器を取り付けるためのスペースを備えており、主幹ブレーカ31が配置される第1スペース331と、複数の分岐ブレーカ32,32,…が配置される第2スペース332とを少なくとも備えている。
本実施形態に係る分電盤3のキャビネット33は、第1スペース331および第2スペース332に加えて、第3スペース333を備えている。
このように構成される分電盤3のキャビネット33は、最小限の構成として、第1スペース331に主幹ブレーカ31、第2スペース332に複数の分岐ブレーカ32,32,…が取り付けられる。その他の第3スペース333は、分電盤3の機能拡張用に設けられた空きスペースである。
ここで、分電盤3の内器として最小限の構成は、第1スペース331に取り付けられた主幹ブレーカ31、および第2スペース332に取り付けられた複数の分岐ブレーカ32,32,…である。さらに、本実施形態に係る分電盤3は、上述したように第3スペース333をキャビネット33に備えることにより、主幹ブレーカ31および複数の分岐ブレーカ32,32,…以外の種々の内器を付加的に取り付け(後付け)可能である。本実施形態では、分電盤3は、図2に示すように、少なくとも第3スペース333に取り付けられた通信アダプタ34を内器として備えている。
以下に、分電盤3の内器(キャビネット33に取付可能な内器)について説明する。
主幹ブレーカ31は、その一次側端子(図示せず)に、系統電源(商用電源)の単相三線式の引込線が電気的に接続される。主幹ブレーカ31の二次側には、左右方向に長い長尺板状であって、導電部材からなる導電バーが電気的に接続される。
複数の分岐ブレーカ32,32,…は、キャビネット33の第2スペース332において、導電バー(図示せず)の上側と下側とに分かれて、それぞれ複数個ずつ左右方向に並ぶように配置されている。各分岐ブレーカ32は、一次側端子(図示せず)と二次側端子(図示せず)とを有しており、一次側端子が導電バーに電気的に接続され、二次側端子には複数の電路(図示せず)の各々が接続される。各分岐ブレーカ32は、協約形寸法に形成されている。ここで、協約形寸法とは「JIS C 8201−2−1」に準拠した電灯分電盤用の回路遮断器の寸法(および形状)をいう。
各分岐ブレーカ32の二次側端子に接続された電路には、たとえば照明器具や給湯設備等の機器、差込接続装置のコンセント(アウトレット)や壁スイッチ等の配線器具が負荷として1つ以上接続される。
通信アダプタ34は、メータ装置1と通信する機能を有している。ここでは、通信アダプタ34は、メータ装置1との間で、電力線6を伝送媒体に用いた通信路を用いて通信信号を伝送する電力線搬送通信(PLC)により通信する。通信アダプタ34は、メータ装置1からたとえば検針値を受信し、後述する機器制御装置4(図3参照)へ送信する。
ところで、分電盤3には、主幹ブレーカ31の一次側端子に電気的に接続され、太陽光発電装置(図示せず)から需要家への電力供給路上に設けられる一次連系ブレーカ(図示せず)が取り付けられていてもよい。この場合に、通信アダプタ34は、地震の発生時にメータ装置1からの遮断信号を受けて、一次連系ブレーカを遮断する機能を有することが好ましい。すなわち、メータ装置1は、地震の発生を検知して切替部13を遮断状態に切り替えたときに、分電盤(通信アダプタ34)3に遮断信号を送信し、一次連系ブレーカを遠隔操作により遮断するように構成される。
この構成によれば、分電盤システム10は、地震の発生時に、切替部13にて系統電源から需要家への電力供給を遮断するだけでなく、一次連系ブレーカにて太陽光発電装置から需要家への電力供給も遮断することができる。
また、分電盤3には、導電バーに電気的に接続され、図示しない燃料電池や蓄電池(電気自動車に搭載された蓄電池も含む)等の分散電源から需要家への電力供給路上に設けられる二次連系ブレーカ(図示せず)が取り付けられていてもよい。この場合に、通信アダプタ34は、地震の発生時にメータ装置1からの遮断信号を受けて、二次連系ブレーカを遮断する機能を有することが好ましい。すなわち、メータ装置1は、地震の発生を検知して切替部13を遮断状態に切り替えたときに、分電盤(通信アダプタ34)3に遮断信号を送信し、二次連系ブレーカを遠隔操作により遮断するように構成される。
この構成によれば、分電盤システム10は、地震の発生時に、切替部13にて系統電源から需要家への電力供給を遮断するだけでなく、二次連系ブレーカにて分散電源から需要家への電力供給も遮断することができる。
以上説明した本実施形態の分電盤システム10によれば、メータ装置1と通信する通信アダプタ34が分電盤3のキャビネット33に取り付けられているので、メータ装置1と分電盤3とを連動させることができる。したがって、メータ装置1は、上述したように地震の発生時に、太陽光発電装置やその他の分散電源から需要家への電力供給を遮断することが可能になる。
しかも、検知部12はメータ装置1に設けられており、分電盤3には地震の発生を検知するための検知部(感震センサ)を設ける必要がないので、キャビネット33内のスペースを有効に利用することができる。つまり、第2スペース332の一部を利用してキャビネット33内に感震センサを設けることも可能であるが、その場合、感震センサによって複数の分岐ブレーカ32,32,…の取付スペースが一部潰れて、分岐回路の回路数が減る。これに対し、本実施形態の構成によれば、キャビネット33内のスペースを有効に利用できる。
その他の構成および機能は実施形態1と同様である。
(実施形態3)
本実施形態に係るメータ装置1は、図3に示すように、機器制御装置4と併せて機器制御システム20を構築する。以下、実施形態1と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
本実施形態に係る機器制御システム20は、メータ装置1と、機器制御装置4とを備えている。機器制御装置4は、需要家の機器5およびメータ装置1との通信を行う。機器制御装置4は、メータ装置1から受信した情報を用いて機器5を制御するように構成されている。
具体的には、機器制御装置4は、需要家内に設置されており、メータ装置1との通信機能に加えて、複数の機器5,5,…の制御を行うHEMS(Home Energy Management System)のコントローラとしての機能を有する。ここでは、機器制御装置4は、メータ装置1との間で、電波を伝送媒体に用いた無線通信により通信する。
ここでいう複数の機器5,5,…はHEMS対応機器である。複数の機器5,5,…は、消費電力の管理対象であれば足り、たとえばHEMSにおいて重要な8機器(太陽光発電装置、蓄電池、燃料電池、電気自動車、エアコン、照明器具、給湯装置)などを含む。さらに、複数の機器5,5,…は、4大電力消費源の他の2つ、冷蔵庫、テレビ受像機などを含んでもよい。ただし、機器5をこれらの機器に限定する趣旨ではない。
機器制御装置4は、表示器からなる機器5を制御してメータ装置1の検針値を可視化(見える化)したり、検針値に基づいて機器5を制御したりする機能を有している。この機器制御装置4によれば、複数の機器5,5,…での電力消費の状況を管理することが可能になり、電力の無駄な消費を抑えることができる。
ここで、機器制御装置4は、地震の発生時にメータ装置1からの遮断信号を受けて、複数の機器5,5,…を制御する機能を有することが好ましい。すなわち、メータ装置1は、地震の発生を検知して切替部13を遮断状態に切り替えたときに、機器制御装置4に遮断信号を送信し、HEMS対応の複数の機器5,5,…を制御する。このとき、機器制御装置4は、機器5の電源をオフしてもよいし、機器5を完全にはオフせずに待機状態としてもよい。また、機器制御装置4は、遮断信号を受けて、電動シャッタを開ける、照明器具を点灯させるなど、機器5の動作を停止させる以外の制御を行ってもよい。
以上説明した本実施形態の機器制御システム20によれば、メータ装置1と通信する機器制御装置4が複数の機器5,5,…を制御するので、メータ装置1と機器制御装置4とを連動させることで、メータ装置1での地震検知に連動して機器5を制御できる。したがって、メータ装置1は、上述したように地震の発生時に機器5を自動制御することが可能になる。
その他の構成および機能は実施形態1と同様である。