JP7065265B2 - ガスメータ - Google Patents

Description

本発明は、通信により遠隔で遮断弁を閉弁するガス遮断装置に関するものである。

従来ガスメータは、例えば地震が発生した場合、内蔵した感震器によって振動を検知し、所定の震度になるとガスを遮断するという重要な安全装置として全戸に導入されている。

ガス供給事業者は、例えば地震などの有事発生後はガス漏れ点検作業が必須であり、その点検作業においては、ガスを供給するガス配管にガス漏れが無いかを確認するため、ガス供給の上流側の閉栓とガス需要側のガスメータの閉栓を行う必要がある。ガス需要側のガスメータの閉栓方法には、例えば通信によって外部から遠隔制御で強制的に閉栓する手段がある（例えば、特許文献１参照）。

図４は、特許文献１に記載された従来のガス遮断装置を示すものである。図４に示すように、外部装置１１４と、通信手段１１３と、制御部１１５と、遮断弁駆動手段１０９とから構成されている。

特許文献１に記載の動作について、図４を用いて説明する。通信手段１１３は双方向通信を行う構成としてあり、外部装置１１４からの遠隔遮断・復帰命令を受信した場合、遮断弁駆動手段１０９に遮断・復帰駆動の動作をさせるとともに、外部装置１１４に命令受信・実行応答を出力するようにしてあるので、確実に遮断弁駆動手段１０９の開閉の動作が実行されたことを外部装置１１４で確認できるようになっている。

特開２０１０－１３３９１６号公報

しかしながら、前記従来の構成では、ガスメータを遠隔遮断するために、監視センターなどから、ガス漏れを確認するガス配管の系統に設置された個々のガスメータを選択して、個々のガスメータに対して遠隔制御指示を送出する必要があり、ガス配管と個々のガスメータとの関係を確認しながら行うという管理面・作業面で煩雑であるという課題を有していた。

本発明は、前記従来の課題を解決するもので、ガスメータに対して予めガス配管の系統情報含むエリア情報を設定しておき、監視センターから一括して遠隔制御で閉栓する際に、閉栓対象となるエリア情報を付加して指示し、対象のガス配管に特化してガスメータを遮断状態にして、ガス配管のガス漏れ点検作業を効率よく実施できるようにするガスメータを提供することを目的とする。

前記従来技術の課題を解決するために、本発明のガスメータは、ガスの流れを遮断する遮断弁と、ガス流量を計測する流量計測手段と、前記遮断弁を開栓するための復帰手段と、状態を表示する表示手段と、外部との通信を行う通信手段と、設置されたガス配管系統などに関するエリア情報を設定・記憶するエリア情報設定手段と、前記遮断弁や前記各手
段を制御する制御手段を有するガスメータにおいて、前記制御手段は、前記通信手段によりエリア情報の指定値を付加した遠隔遮断指示を受け付けたとき、前記エリア情報設定手段に記憶されたエリア情報と前記遠隔遮断指示に付加されたエリア情報の指定値とが一致した場合に、遮断弁を閉栓するものである。

これによって、監視センターなどから遠隔制御で個々のガスメータを遮断状態にする場合、対象のガス配管系統を含むエリア情報を付加して遠隔遮断指示を送出することができるため、前記遠隔遮断指示を受け付けたガスメータは、付加されているエリア状態（例えば、対象のガス配管の配管番号）とガスメータに予め設定されたエリア情報とを比較し、エリア情報が一致したときだけ遮断弁を遮断することができるようになる。

本発明のガスメータは、予めガス配管系統などのエリア情報を設定するため、監視センターから点検対象のガス配管に一致する前記エリア情報を付加した遠隔遮断指示を一括して送出することができ、点検対象のガス配管に設置されたガスメータを容易に遮断状態にすることができ、ガス漏れ点検を効率よく実施することができる。

またエリア情報を指定して強制的に遠隔で遮断状態になったことを表示するため、現場で点検作業する場合に遮断した事象を容易に認知することができ、ガス漏れ点検をより効率よく実施することができる。

本発明の実施の形態１におけるガスメータのブロック図 本発明の実施の形態１におけるガスメータのガス配管との関係図 本発明の実施の形態１における遠隔遮断指示受け付け時の操作を説明するフローチャート 従来技術の実施の形態におけるガスメータのブロック図

第１の発明は、ガスの流れを遮断する遮断弁と、ガス流量を計測する流量計測手段と、前記遮断弁を開栓するための復帰手段と、状態を表示する表示手段と、外部との通信を行う通信手段と、設置されたガス配管系統などに関するエリア情報を設定・記憶するエリア情報設定手段と、前記遮断弁や前記各手段を制御する制御手段を有するガスメータにおいて、前記制御手段は、前記通信手段によりエリア情報の指定値を付加した遠隔遮断指示を受け付けたとき、前記エリア情報設定手段に記憶されたエリア情報と前記遠隔遮断指示に付加されたエリア情報の指定値とが一致した場合に、遮断弁を閉栓することにより、ガス漏れ点検対象のガス配管に設置されたガスメータを容易に遠隔制御で遮断状態にすることができ、ガス漏れ点検を効率よく実施することができる。

第２の発明は、特に第１の発明において、遮断等の履歴を保持する履歴記憶手段を有し、前記制御手段は、前記エリア情報設定手段に記憶されたエリア情報と前記遠隔遮断指示に付加されたエリア情報の指定値とが一致したことで遮断弁が閉栓したことを前記履歴記憶手段に記憶し、かつ前記表示手段に表示することにより、現場で点検作業する場合に遮断した事象を容易に認知することができ、ガス漏れ点検をより効率よく実施することができる。

以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。

（実施の形態１）
図１は、本発明の第１の実施の形態におけるガスメータのブロック図を示すものである。

図１において、ガスメータ１０は、ガスの流れを遮断する遮断弁１、遮断弁１の閉栓状態を開栓するための復帰手段２、ガス流量を計測する流量計測手段３、外部通信手段１１との通信を行う通信手段４、ガスメータの各状態等を表示する表示手段６、遮断などの事象の履歴を保持する履歴記憶手段９、各手段を制御する制御手段５、ガスメータ１０が設置されているガス配管系統などのエリア情報を通信手段４で受信し、制御手段５によりエリア情報を予め設定・記憶するエリア情報設定手段７、通信手段４が遠隔遮断指示を受信したときに、制御手段５により抽出した遠隔遮断指示内のエリア情報とエリア情報設定手段７が保有するエリア情報とを比較するエリア情報比較手段８により構成されている。

ここで、外部通信手段１１は、例えば、無線通信などで監視センターや設定器からガスメータ１０の通信手段４に対してエリア情報を含む各種命令を送信するものである。

次に、図１、図２を用いて本実施の形態のガスメータ１０の動作について説明する。

まず、図２に示すガスメータのガス配管との関係図を用いて、ガスメータ１０が設置されているガス配管系統等のエリア情報の設定について説明する。

図２は、エリア情報の一例を示すのもので、ガス配管系統Ａにおけるガス配管と設置されたガスメータの配置関係を示している。複数あるガス配管系統の内のガス配管系統Ａは、複数のガス配管（Ａ－Ａ－１、Ａ－Ａ－２、Ａ－Ｂ－１、Ａ－Ｂ－２）に分かれ、それぞれのガス配管にガスメータ１０（ｍ１～ｍ１１）が設置されている。

そして、ガスメータ１０（ｍ１～ｍ１１）が設置されているガス配管系統等のエリア情報は、例えばガスメータ１０（ｍ１）においては「エリア情報＝Ａ－Ａ－１」という情報が設定され、ガスメータ１０（ｍ４）においては「エリア情報＝Ａ－Ａ－２」という情報が設定される。以下、それぞれのガスメータには同様な書式でエリア情報が設定される。

外部通信手段１１は、図２に示すエリア情報を個々のガスメータ１０（ｍ１～ｍ１１）に対して送信し、各ガスメータの制御手段５は、外部通信手段１１と通信手段４によりガスメータが設置されているガス配管系統等のエリア情報の設定命令を受信すると、受信した設定命令を制御手段５がエリア情報設定手段７に設定指示を出し、エリア情報がエリア情報設定手段７に記憶される。

以上により、ガスメータ１０には予めガスメータ１０が設置されているガス配管系統等のエリア情報が設定された状態になる。

次に、遠隔遮断制御について説明する。

外部通信手段１１は、地震などの有事発生後はガス漏れ点検作業が必要な地域を特定して、遮断が必要な地域に設置されたガスメータに対して、そのガスメータが属するエリア情報を付加した遠隔遮断命令を送信する。

制御手段５は、外部通信手段１１と通信手段４によりこの遠隔遮断命令を受信し、受信した遠隔遮断命令を解析し、付加されているエリア情報を抽出して、抽出したエリア情報についてエリア情報比較手段８に比較指示を出す。

エリア情報比較手段８は、比較指示を受け、抽出されたエリア情報と、エリア情報設定
手段７が保有するエリア情報とを比較し、抽出したエリア情報と予め設定されたエリア情報とが一致した場合、エリア情報比較手段８は制御手段５にエリア情報が一致したことを応答する。そして、制御手段５はエリア情報比較手段８からのエリア情報一致の応答を受け、遮断弁１を遮断する。

上記の遠隔遮断指示について、図３のフローチャートを用いて説明する。

最初に通信手段４が通信電文を受信する（Ｓ１）。制御手段５が遠隔遮断命令か否かを判定し、遠隔遮断命令であればエリア情報を抽出する（Ｓ２）。次に、制御手段５が抽出したエリア情報とエリア情報設定手段７が保有するエリア情報とをエリア情報比較手段８で比較する（Ｓ３）。そして、比較した結果、抽出したエリア情報と予め設定されたエリア情報とが一致した場合、遮断弁１を遮断する（Ｓ４）。反対に抽出したエリア情報と予め設定されたエリア情報とが一致しない場合、遮断弁１は遮断しない（Ｓ５）。以上の動作となる。

なお、本記載のエリア情報は実施形態を限定するものではなく、地域に番号を付与したシリアル番号など体系的に決められた何らかの情報であってもよい。また、エリア情報は既存のガスメータ１０を特定するＩＤの任意の複数桁のみを指定する方法であってもよい。

以上のように本実施の形態においては、ガスメータ１０が設置されているガス配管系統等のエリア情報をエリア情報設定手段７に予め設定しておき、エリア情報を付加した遠隔遮断指示を受け付けたときに、付加されたエリア情報と、予め設定されたガスメータのエリア情報とをエリア情報比較手段８で比較し、エリア情報が一致した場合にのみ遮断弁１を遮断することにより、ガス漏れ点検対象のエリア情報に基づいた対象のガスメータのみを一括して遠隔制御で遮断することが容易に実施できるようになり、ガス漏れ点検を効率的に実施することが可能になる。

また、本実施の形態では、履歴記憶手段９と、表示手段６とを有しており、通信手段４によりエリア情報の指定値を付加した遠隔遮断指示を受け付け、予め設定されたエリア情報設定手段７のエリア情報と遠隔遮断指示に付加されたエリア情報の指定値とが一致して遮断弁１が閉栓したことを履歴記憶手段９に記憶し、かつ表示手段６に表示するようにしたことにより、現場において表示手段６の表示を確認すれば、どのような理由で遮断状態になったのかを容易に認知することができ、かつ履歴記憶手段９の内容を確認すれば、点検後以降でも事象の確認ができ、ガス漏れ点検や事象の管理をより効率的に実施することが可能になる。

なお、表示手段６に表示する内容や履歴記憶手段９に記憶する内容は、遮断要因の他に、エリア情報そのものを表示することや、例えば遮断要因が地震であれば地震の震度などの情報を定量的やイメージ的に目安として表示および記録すれば、現場での点検作業の情報および点検作業の管理情報として活用することができ、更にガス点検作業を効率的に実施することが可能となる。

以上のように、本発明にかかるガスメータは、監視センターから点検対象のガス配管に一致するエリア情報を付加した遠隔遮断指示を一括して送出することができ、点検対象のガス配管に設置されたガスメータを容易に遮断状態にすることが可能となるので、電気・水道メータ等の用途にも適用できる。

１ 遮断弁
２ 復帰手段
３ 流量計測手段
４ 通信手段
５ 制御手段
６ 表示手段
７ エリア情報設定手段
８ エリア情報比較手段
１０ ガスメータ
１１ 外部通信手段

Claims (2)

1. ガスの流れを遮断する遮断弁と、ガス流量を計測する流量計測手段と、前記遮断弁を開栓するための復帰手段と、状態を表示する表示手段と、外部との通信を行う通信手段と、設置されたガス配管系統に基づいたエリア情報を設定・記憶するエリア情報設定手段と、前記遮断弁や前記各手段を制御する制御手段を有するガスメータにおいて、
   前記制御手段は、前記通信手段によりエリア情報の指定値を付加した遠隔遮断指示を受け付けたとき、前記エリア情報設定手段に記憶されたエリア情報と前記遠隔遮断指示に付加されたエリア情報の指定値とが一致した場合に、遮断弁を閉栓するガスメータ。
2. 遮断等の履歴を保持する履歴記憶手段を有し、
   前記制御手段は、前記エリア情報設定手段に記憶されたエリア情報と前記遠隔遮断指示に付加されたエリア情報の指定値とが一致したことで遮断弁が閉栓したことを前記履歴記憶手段に記憶し、かつ前記表示手段に表示する請求項１に記載のガスメータ。

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