JP2004180048A - ライフライン制御システム及びネットワーク制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】災害などの緊急時に、ライフラインの供給状態を速やかに、かつ、確実に制御可能な技術を実現する。
【解決手段】地震などの緊急事態が発生した場合には、情報発信装置31が各利用者宅のライフライン中継器36を制御するためのライフライン中継器制御情報32を生成し、その情報を所定地域に向けてデジタル放送する。ライフライン制御装置33は、デジタル放送を受信すると、ライフライン中継器制御情報32を抽出し、その情報に基づいてライフライン中継器36を制御し、ライフラインの遮断や回復等の操作を行い、各利用者宅の安全を確保する。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ライフライン網と利用者構内に敷設された構内敷設網との間を中継するライフライン中継器を制御する技術に関し、特に多数のライフライン中継器を同時に遠隔制御する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
今日では、電気,ガス,水などを各家庭に供給する供給システムが整備されている。これらの電気網,ガス網,水道網は快適な都市生活を支えるライフラインとして機能している。また、最近では、光ファイバーやxDSLの普及に伴い、インターネットなどのコンピュータネットワークもライフラインのひとつとして認識されはじめている。インフラとしてのライフライン網は、配電盤,ガスメータ,水道メータ,ルータなどのライフライン中継器を介して、利用者構内に敷設された電気配線,ガス配管,水道配管,LANなどの構内敷設網に接続されている。
【0003】
これらのライフラインは都市生活をおくる上で必要不可欠な存在であるが、その一方で、地震などの災害が発生した場合には、火事やガス爆発等の二次災害を誘発する危険性をはらんでいる。そこで、緊急時にはライフライン中継器を操作して、速やかにライフラインを遮断することが望ましい。
【0004】
一般に、災害などの緊急事態が発生した場合、多くの人はテレビやラジオなどのメディア端末を通じてその情報を収集し、対策を講じる。図1は、送信者12が、テレビやラジオといったブロードキャスト性を有する放送メディアを用い、番組放送15を通じて災害情報を送信する様子を示している。
【0005】
ライフライン網11に接続されたライフライン中継器14の操作方法を知っている人が住居等13にいる場合には、その者がメディア端末16を通して取得した情報をもとに行動し、配電盤のブレーカをOFFにしたり、ガス栓を締めるなど、ライフライン中継器14への対策を講じることが可能である。
【0006】
しかし、実際には、ライフライン中継器14の操作方法や設置場所を知らない人も多く、また、寝たきりのお年寄りや小さな子供などは自力でライフライン中継器14を操作することは難しい。このような場合には、対策を講じることができず、被災してしまう可能性がある。また、住居等13に誰もいない場合も、ライフライン中継器14を操作できないので、同様に被災してしまうことになる。
【0007】
仮に、ライフライン中継器14の操作方法を知っている人が住居等にいたとしても、有効な対策を取ることができるとは限らない。テレビやラジオなどのメディア端末16を見てから人がライフライン中継器14の操作をするのでは、少なくとも数十秒から数分の遅延が生じるからである。一分一秒を争うような緊急事態には、その時間遅延が命取りとなり、被災してしまう可能性もある。なお、特許文献1,2では、緊急時の防災情報を的確に伝達する仕組みが提案されているが、上記の遅延問題を解決するものではない。
【0008】
一方、災害などの緊急事態が発生したときに、インターネットを通じてライフライン中継器を自動で制御するシステムが提案されている。たとえば、図2に示すシステムでは、送信者22が送信するライフライン中継器制御情報23によって、インターネット21に接続された複数のライフライン中継器24を制御し、ライフラインの遮断を自動的に行うことができる。この場合、住居等にライフライン中継器24を操作することのできる人がいなくても即座に遠隔から自動制御することができるため、前述のような問題は回避される。
【0009】
しかし、インターネット通信においては、情報を発信する者と受信する者の間は有線回線によって接続されており、また、途中に交換機やプロバイダなどが仲介している。それゆえ、回線の一部でネットワーク負荷が高かったり、中継している機器に障害が発生した場合には、一部の受信者への情報の通知が遅れたり、場合によっては届けられないことがある。そうすると、即座に緊急情報が届けられない住居等においては、対策が遅れ、被災してしまうことがある。
【0010】
さらに、大災害などの緊急事態においては、地域全体がパニック状態に陥り、ネットワークの利用が集中し、障害が発生する可能性が極めて高くなる。つまり、インターネットによる情報の伝達は不確実な点が多いこと、緊急事態においては信頼性が極めて低くなるということができるため、緊急事態発生時の情報の伝達には、不向きであるといわざるを得ない。
【0011】
【特許文献1】
特開平6−28591号公報
【特許文献2】
特開2001−76276号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、災害などの緊急時には二次災害の発生を未然に防止するためにライフラインの供給を速やかに遮断する必要がある。また、二次災害のおそれが無くなれば速やかにライフラインの供給を回復すべきである。しかしながら、ライフライン中継器の操作を利用者自身に任せるとすれば、情報伝達の遅延、操作方法の不知、利用者の不在等により、迅速に有効な対応がとれるとは言い難い。また、インターネットを利用した遠隔操作を行う場合でも、情報伝達の不確実性の問題が残る。
【0013】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、災害などの緊急時に、ライフラインの供給状態を速やかに、かつ、確実に制御可能な技術を実現することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、情報発信者側には情報発信装置を設け、また、利用者側にはライフライン網と利用者構内に敷設された構内敷設網の間を中継するライフライン中継器に接続されるライフライン制御装置を設ける。そして、情報発信装置が、ライフライン中継器を制御するための制御情報を生成し、その生成した制御情報をデジタル放送する。ライフライン制御装置は、そのデジタル放送を受信し、受信したデジタル放送から制御情報を抽出し、抽出した制御情報に基づいてライフライン中継器を制御することにより、ライフラインを遮断または回復し、ライフラインの供給状態を切り替える。
【0015】
このような手段ないし手順によれば、利用者が不在の場合やライフライン中継器の操作方法を知らない場合であっても、自動的にライフラインの供給状態を制御することができる。また、デジタル放送は無線通信であるので、インターネットのような情報伝達の遅延は起こらず、速やかに、かつ、確実にライフラインの制御を行うことができる。さらに、デジタル放送のブロードキャスト性を生かせば、災害発生が予想される一定の地域に存在する全ての住居や施設に対し、一斉にライフラインの制御を行うことが可能となる。
【0016】
ここで、「ライフライン網」とは、ガス管,水道管,電線,広域ネットワーク網(WAN)などのインフラ部分をいい、「構内敷設網」とは、ガス配管,水道配管,電気配線,構内ネットワーク網(構内LAN)などの建物内に敷設された部分をいう。ライフライン網と構内敷設網の間は、ライフライン中継器であるガスメータ,水道メータ,配電盤,ネットワーク中継器(ルータ,モデム,TA,ブリッジ,ハブ,ホームゲートウェイなど)によって中継されている。
【0017】
制御情報は、ライフラインの供給状態を制御すべき対象地域を示す対象地域ID、制御対象となるライフライン中継器の種類等を示す対象機器ID、具体的な制御処理の内容を示す制御コマンドを含むとよい。制御情報に対象地域IDを含めることで、制御情報をデジタル放送波に乗せて広範囲の地域に一斉にブロードキャストしつつも、ライフラインの供給状態を制御すべき対象地域を詳細にかつ具体的に特定することが可能となる。
【0018】
なお、本発明は、上記手段ないし手順の少なくとも一部を含むライフライン制御システム,ライフライン制御装置,情報発信装置若しくはライフライン制御方法、または、ネットワーク制御システム,ネットワーク制御装置,情報発信装置若しくはネットワーク制御方法として具現化できる。また、上記手段および手順の各々は可能な限り互いに組み合わせて本発明を構成することができる。
【0019】
たとえば、本発明の一実施態様としてのライフライン制御システムは、情報発信者側に設けられる情報発信装置と、ライフライン網と利用者構内に敷設された構内敷設網の間を中継するライフライン中継器に接続されるライフライン制御装置と、を有して構成され、情報発信装置は、ライフライン中継器を制御するための制御情報を生成する手段と、生成した制御情報をデジタル放送する手段と、を有し、ライフライン制御装置は、デジタル放送を受信する手段と、受信したデジタル放送から制御情報を抽出する手段と、抽出した制御情報に基づいてライフライン中継器を制御する手段と、を有するとよい。
【0020】
また、本発明の一実施態様としてのライフライン制御装置は、ライフライン網と利用者構内に敷設された構内敷設網の間を中継するライフライン中継器に接続され、ライフライン中継器を制御するための制御情報が含まれるデジタル放送を受信する手段と、受信したデジタル放送から制御情報を抽出する手段と、抽出した制御情報に基づいてライフライン中継器を制御する手段と、を有するとよい。
【0021】
また、本発明の一実施態様としての情報発信装置は、ライフライン網と利用者構内に敷設された構内敷設網の間を中継するライフライン中継器を制御するための制御情報を生成する手段と、生成した制御情報をデジタル放送する手段と、を有し、ライフライン中継器に接続されたライフライン制御装置に、デジタル放送の受信と、受信したデジタル放送からの制御情報の抽出と、抽出した制御情報に基づくライフライン中継器の制御とを実行可能とするとよい。
【0022】
また、本発明の一実施態様としてのライフライン制御方法は、ライフライン網と利用者構内に敷設された構内敷設網の間を中継するライフライン中継器を制御するライフライン制御方法であって、情報発信者側に設けられる情報発信装置が、ライフライン中継器を制御するための制御情報を生成し、生成した制御情報をデジタル放送し、利用者側に設けられるライフライン中継器に接続されたライフライン制御装置が、デジタル放送を受信し、受信したデジタル放送から制御情報を抽出し、抽出した制御情報に基づいてライフライン中継器を制御するとよい。
【0023】
さらに、本発明の一実施態様としてのネットワーク制御システムは、情報発信者側に設けられる情報発信装置と、広域ネットワーク網と利用者構内に敷設された構内ネットワーク網の間を中継するネットワーク中継器に接続される制御装置と、を有して構成され、情報発信装置は、広域ネットワーク網を通じて感染するコンピュータ・ウィルスの存在を検知して、ネットワーク中継器を制御するための制御情報を生成する手段と、生成した制御情報をデジタル放送する手段と、を有し、制御装置は、デジタル放送を受信する手段と、受信したデジタル放送から制御情報を抽出する手段と、抽出した制御情報に基づいてネットワーク中継器を制御する手段と、を有するとよい。
【0024】
また、本発明の一実施態様としての制御装置は、広域ネットワーク網と利用者構内に敷設された構内ネットワーク網の間を中継するネットワーク中継器に接続され、ネットワーク中継器を制御するための制御情報が含まれるデジタル放送を受信する手段と、受信したデジタル放送から制御情報を抽出する手段と、抽出した制御情報に基づいてネットワーク中継器を制御する手段と、を有するとよい。
【0025】
ここで、上記制御装置が、広域ネットワーク網を通じて感染するコンピュータ・ウィルスに対するワクチンソフトが含まれるデジタル放送を受信した場合に、受信したデジタル放送から抽出したワクチンソフトをネットワーク中継器または構内ネットワーク網に接続されたコンピュータにインストールする手段を有するとなおよい。
【0026】
また、本発明の一実施態様としての情報発信装置は、広域ネットワーク網を通じて感染するコンピュータ・ウィルスの存在を検知して、広域ネットワーク網と利用者構内に敷設された構内ネットワーク網の間を中継するネットワーク中継器を制御するための制御情報を生成する手段と、生成した制御情報をデジタル放送する手段と、を有し、ネットワーク中継器に接続された制御装置に、デジタル放送の受信と、受信したデジタル放送からの制御情報の抽出と、抽出した制御情報に基づくネットワーク中継器の制御とを実行可能とするとよい。
【0027】
ここで、上記情報発信装置が、コンピュータ・ウィルスに対するワクチンソフトをデジタル放送する手段を有し、制御装置に、デジタル放送の受信と、受信したデジタル放送からのワクチンソフトの抽出と、ネットワーク中継器または構内ネットワーク網に接続されたコンピュータへの抽出したワクチンソフトのインストールとを実行可能とするとなおよい。
【0028】
また、本発明の一実施態様としてのネットワーク制御方法は、広域ネットワーク網と利用者構内に敷設された構内ネットワーク網の間を中継するネットワーク中継器を制御するネットワーク制御方法であって、情報発信者側に設けられる情報発信装置が、広域ネットワーク網を通じて感染するコンピュータ・ウィルスの存在を検知すると、ネットワーク中継器を制御するための制御情報を生成し、生成した制御情報をデジタル放送し、利用者側に設けられるネットワーク中継器に接続された制御装置が、デジタル放送を受信し、受信したデジタル放送から制御情報を抽出し、抽出した制御情報に基づいてネットワーク中継器を制御するとよい。
【0029】
このとき、情報発信装置が、コンピュータ・ウィルスに対するワクチンソフトをデジタル放送し、制御装置が、デジタル放送を受信し、受信したデジタル放送からワクチンソフトを抽出し、抽出したワクチンソフトをネットワーク中継器または構内ネットワーク網に接続されたコンピュータにインストールするとなおよい。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。
【0031】
図3は、本発明の一実施形態に係るライフライン制御システムの概要を説明する図である。
【0032】
このライフライン制御システムでは、上述した情報伝達の不確実性の問題を解決するために、テレビやラジオなどのデジタル放送を利用して、各住居等のライフライン中継器36を制御する。
【0033】
テレビやラジオなどのデジタル放送は、特定地域に一斉に、確実に情報を届けることができるブロードキャスト性を持っている。この特性を生かし、インターネットなどのように、一部の人に情報が伝達されないことや、遅れて伝達されるといった問題は生じないようにする。
【0034】
具体的には、ライフライン制御システムは、情報発信者(テレビやラジオなどの放送者)側に設けられる情報発信装置31、および、ライフライン網34と利用者構内に敷設された構内敷設網35とを中継するライフライン中継器36に接続されるライフライン制御装置33を有して構成されている。
【0035】
緊急事態が発生した場合には、情報発信者が、情報発信装置31により各利用者宅のライフライン中継器36を制御するための制御情報(ライフライン中継器制御情報32)を生成し、そのライフライン中継器制御情報32を所定地域に向けてデジタル放送する。
【0036】
そして、各利用者構内にあらかじめ設置されたライフライン制御装置33は、デジタル放送を受信すると、受信したデジタル放送からライフライン中継器制御情報32を抽出し、その情報に基づいてライフライン中継器36を制御し、ライフラインの遮断や回復等の操作を行い、各利用者宅の安全を確保する。
【0037】
このシステムによれば、利用者が不在の場合やライフライン中継器36の操作方法を知らない場合であっても、自動的にライフラインの供給状態を制御することができる。また、デジタル放送は無線通信であるので、インターネットのような情報伝達の遅延は起こらず、速やかに、かつ、確実にライフラインの制御を行うことができる。さらに、デジタル放送のブロードキャスト性を生かせば、災害発生が予想される一定の地域に存在する全ての住居や施設に対し、一斉にライフラインの制御を行うことが可能となる。
【0038】
したがって、災害などの緊急事態発生後の対応を速やかにし、被害の拡大を防ぐことができ、また、即座に一斉配信できる強みを生かし、予知した情報をもとに、緊急事態が発生する前に、確実に対策を講じることができるようにすることも可能となる。
【0039】
図4は、本実施形態のライフライン制御システムと従来システムとの情報伝達時間を比較して示した図である。同図は、緊急事態検知からの経過時間を横軸に取って、緊急事態発生時から各住居等へ緊急情報が伝達されるまでの時間経過を示している。
【0040】
インターネットを利用した従来システムにおいては、情報発信者が緊急情報を発信したあと、ネットワークの通信状態に問題がなければ、各住居等において瞬時に緊急情報を受信し、対策を講じることができる。しかし、ネットワークが混雑しており、数十秒から数分遅延して緊急情報が各住居等に届けられた場合、対策が遅れるために被災してしまう可能性が高くなる。また、ネットワーク障害などにより、緊急情報の伝達が数時間遅延した場合は、さらに被災する可能性が高くなり、さらには、重度なネットワーク障害の場合、各住居に緊急情報が届けられないこともある。このような環境では、緊急事態の対策としては機能していないも同然と言うことができる。
【0041】
それに比べて、本実施形態のシステムにおいては、デジタル放送によって緊急情報が伝達されるため、どの住居等にもその情報が即座に確実に届けられ、情報伝達の遅延によって被災するということはなくなる。
【0042】
次に、図5を参照して、ライフライン制御システムの処理フローを詳細に説明する。
【0043】
同図において、緊急事態検知者50とは、一般市民が被害を受けるような地震・落雷・火災・台風・津波などの災害の発生または発生のおそれを検知し、それに関する情報(緊急情報52)を情報発信装置31に送信または入力する者である。緊急事態検知者50としては、例えば、地震を予知し、その予知情報を伝達する者や、災害を検知して、あらかじめその対策を講じるガスや水道などライフラインに関わる管理会社などがあげられる。
【0044】
また、緊急事態検知手段51とは、災害の発生または発生のおそれを検知し、緊急情報52を情報発信装置31に送信または入力する手段である。例えば、火災などの感知センサ、地震の予知や発生検知を行う地震センサなどがあげられる。
【0045】
ここで、緊急情報52とは、人々に緊急で知らせなければならない緊急事態に関する情報のことである。例えば、緊急事態の予知情報や緊急事態が起こった際に現状を知らせる情報や、緊急事態への対策を示す情報などが考えられる。緊急情報52は、緊急事態検知者50または緊急事態検知手段51によって情報発信装置31に伝達される。このときの伝達手段としては、電波、有線電話、ネットワークなど、情報が情報発信装置31または送信者に確実に伝達可能な手段であれば、その形式は問わない。
【0046】
なお、送信者とは、上記情報発信者と同義であり、例えば、テレビやラジオなどといったブロードキャスト性を持った放送メディアを用いて情報を送信可能な者をいう。情報発信装置31は、送信者によって管理・操作される。緊急情報52が送信者に伝達された場合には、送信者がその情報を情報発信装置31に入力することとなる。
【0047】
情報発信装置31は、緊急情報52を受信し、または、緊急情報52の入力を受けると(53)、即座にそれを解析し、ライフライン中継器制御情報32を生成する(54)。そして、情報発信装置31は、ライフライン中継器制御情報32をデジタル放送のデータに多重し、放送電波を使用して所定の地域に送信する(55)。
【0048】
緊急情報52が、地震の震度情報などの災害状況を示す情報であって、そのままライフライン中継器を制御するための情報として利用することが難しい場合には、緊急情報52をライフライン中継器制御情報32に変換する必要がある。他方、緊急情報52がライフライン中継器制御情報32として利用可能な場合には、変換する必要がないので、そのまま放送することもできる。上記変換処理は、情報発信装置31による情報処理によって自動的に行われることが好ましいが、送信者によって手動で行われることとしても構わない。
【0049】
ライフライン中継器制御情報32とは、各利用者宅に設置されたライフライン制御装置33がライフライン中継器36を制御するために用いる情報である。このライフライン中継器制御情報32は、デジタル放送を利用してライフライン制御装置33に伝達される。ライフライン中継器36を制御するための情報としては、ライフラインの供給を遮断または回復すべき対象地域を示す対象地域ID、制御対象となるライフライン中継器36の種類等を示す対象機器ID、具体的な制御処理の内容を示す制御コマンドなどが含まれるとよい。
【0050】
ライフライン制御装置33は、各利用者宅に設置され、ガス,水道,電気などのライフライン中継器(ガスメータ,水道メータ,配電盤などが該当する。)36に接続されている機器である。ライフライン制御装置33は常に稼動状態にあることが望ましい。
【0051】
ライフライン制御装置33は、デジタル放送を受信すると、デジタル放送からライフライン中継器制御情報32を抽出する(56)。次に、ライフライン制御装置33は、ライフライン中継器制御情報32を解析し(57)、当該装置の設置場所が対象地域に含まれているかどうかを判断する。対象地域に含まれていれば制御コマンドを解釈して実行することで、ライフライン中継器36を制御し、ライフラインの供給を遮断または回復する(58)。
【0052】
なお、ライフライン制御装置33とライフライン中継器36とは、図5のように別体に設けてもよいし、一体に設けても構わない。また、別体の場合は、それらを有線または無線により直接接続してもよいし、間に別の制御機器を介在させて間接的に接続してもよい。直接的に接続されている場合には、ライフライン制御装置33がライフライン中継器36を直接制御し、間接的に接続されている場合には、ライフライン制御装置33は制御機器に制御コマンドを送信し、その制御機器がライフライン中継器36を制御することになる。
【0053】
このように、ライフライン制御装置33は、情報発信装置31から受信したデジタル放送に含まれるライフライン中継器制御情報に基づいて、ライフライン中継器36を直接的または間接的に制御し、ライフラインの供給状態をコントロールする。これにより、二次災害などの発生を未然に防ぐことができる。
【0054】
図6は、ライフライン制御装置の構成を示すブロック図である。
【0055】
同図に示すように、ライフライン制御装置33は、ライフライン網34と利用者構内に敷設された構内敷設網35の間を中継するライフライン中継器36に接続されている。
【0056】
ライフライン中継器36は、ライフラインの種類によって異なり、ガスの場合にはガスメータ、水道の場合には水道メータ、電気の場合には配電盤、広域ネットワークの場合にはルータやホームゲートウェイなどのネットワーク中継器が該当する。構内敷設網35とは、ガス配管、水道配管、電気配線、LANなどであり、構内敷設網35にはライフラインを利用するライフライン利用機器69が接続される。ライフライン利用機器69も、ライフラインの種類によって異なり、ガスの場合はガスコンロやガスヒータ、水道の場合は蛇口や洗濯機、電気の場合はライトや電気機器、ネットワークの場合はコンピュータやホームサーバなどが該当する。なお、図6では、ガスの場合を例にとって図示している。
【0057】
ライフライン制御装置33は、基本ハードウェア構成として、制御情報受信手段61と、入出力部62と、通信部63と、演算部64と、メモリ部65と、ライフライン中継器制御手段66と、情報DB(データベース)管理部67と、記憶部68とを有する。
【0058】
制御情報受信手段61は、情報発信装置31から送信されるデジタル放送を受信する手段である。例えば、デジタルラジオの電波を受信する場合には、デジタルラジオ対応のアンテナとチューナ部などで制御情報受信手段61を構成することができる。なお、制御情報受信手段61としては、情報発信装置31からのデジタル放送を確実に受信可能であれば、その形式、手段、構成は問わない。
【0059】
入出力部62は、主に、出力手段と入力手段とを有して構成される。出力手段は、ライフライン制御装置33が取得した情報や設定情報などを利用者に理解可能な形式で出力する機能、および、ライフライン制御装置33がそれらの情報を他の電子機器や外部記憶媒体等に出力する機能を有する。また、入力手段は、利用者からの入力を受け付ける機能、および、他の電子機器や外部記憶媒体等からの入力を受け付ける機能を有する。利用者や他の電子機器等との間で情報の伝達が可能であれば、その情報の形式は問わない。
【0060】
出力手段の具体例としては、文字情報や画像情報を表示するディスプレイ、数値を示すアナログメータ、音声出力を行うスピーカ、情報を印刷するプリンタ、フレキシブルディスクやメモリカードのような外部記憶媒体用の書き込みドライブなどがあげられる。また、入力手段の具体例としては、タッチパネル、キーボード、マウス、アナログスイッチ、音量調節のつまみ、外部記憶媒体用の読み込みドライブなどがあげられる。
【0061】
通信部63は、他の電子機器等との間でデータ通信(送受信)を行う手段である。たとえば、LANやインターネットに接続するためのネットワークアダプタ、赤外線通信を行う赤外線ポートなどが該当する。なお、他の電子機器等との間でデータを送信または受信することが可能であれば、その通信方式は問わない。
【0062】
演算部64は、主にCPU(中央演算処理装置)から構成されるものであって、プログラムを実行することによりライフライン制御装置33の諸機能を実現する手段である。具体的には、演算部64は、プログラムおよびデータをメモリ部(RAM)65に読み込み、プログラムで定義された命令を実行し、データの演算やライフライン制御装置33の各部位(ハードウェア資源)の制御を行うことによって、ライフライン中継器36の制御に係る情報処理を実現する。たとえば、演算部64は、制御情報受信手段61で受信したデジタル放送からライフライン中継器制御情報32を抽出し、そのライフライン中継器制御情報32を解析して必要に応じライフライン中継器制御手段66に命令を送る。
【0063】
なお、プログラムやデータは、メモリ部(ROM)65や記憶部68にあらかじめ格納されているもの、入出力部62を介して外部記憶媒体から読み込まれるもの、通信部63を介してネットワーク等からダウンロードされるもの、制御情報受信手段61を介してデジタル放送で供給されるものなどを含む。
【0064】
メモリ部65は、RAM,ROMなどの記憶素子で構成される記憶手段である。RAMは演算部64がプログラムを実行する際の一次記憶領域として利用される記憶手段であり、ROMはBIOSやファームウェアなどのプログラム、および、ライフライン制御装置33の設定情報などのデータが格納される記憶手段である。
【0065】
ライフライン中継器制御手段66は、ライフライン中継器制御情報32に基づいてライフライン中継器36を制御する手段である。上述したように、ライフライン中継器36を直接制御する場合と、介在する制御機器に制御コマンドを送信してその制御機器にライフライン中継器36の制御を実行させる場合とがある。ライフライン中継器36としては、ガスメータ,水道メータ,配電盤,ルータ・ホームゲートウェイ等が考えられる(図6ではガスメータの例を示している。)。ライフライン中継器36の制御とは、ガスメータや水道メータの場合はガス栓や水道栓の開栓/閉栓を切り替えることをいい、配電盤の場合はブレーカのON/OFFを切り替えることをいい、ルータやホームゲートウェイの場合は電源または通信のON/OFFを切り替えることをいう。このようにライフライン中継器36を確実に制御できるのであれば、その制御方法は問わない。
【0066】
情報DB管理部67は、記憶部68に格納されているさまざまなデータ構成とデータ実体を管理する機能をもつ手段である。
【0067】
記憶部68は、ライフライン中継器36の制御に係る情報処理を実現するためのプログラムとデータ群を格納する記憶手段であり、具体的にはハードディスク等で構成することができる。このデータ群には、ライフライン制御装置33が設置されている地域を示す「地域ID」なども含まれている。また、記憶部68には、これらのプログラムやデータ群の他にも、OS(オペレーティングシステム)やアプリケーションソフトやそれらに付随するデータなども格納されている。
【0068】
一方、情報発信装置31の基本構成は、入出力部,通信部,演算部,メモリ部,情報DB管理部,記憶部を有する点で、上記ライフライン制御装置33と共通する。入出力部または通信部を介して緊急情報52を受け取り、演算部によって実行されるプログラムによりライフライン中継器制御情報32を生成する。また、情報発信装置31は、デジタル放送を行うためのデジタル放送手段を有しており、このデジタル放送手段によってライフライン中継器制御情報32をデジタル放送に多重し、デジタル放送を行う。
【0069】
図7は、デジタル放送の放送データ形式の一例を示している。同図(a)〜(d)はFM放送のデジタルデータフォーマットを示している。同図(a)および(b)は基本セグメント(1セグメント:300kbps)によるフォーマットであり、同図(c)および(d)は拡張セグメント(3セグメント:900kbps)によるフォーマットを示している。
【0070】
同図(a)を例に説明すると、基本セグメントである300kbps中の144kbpsの帯域がステレオ音声情報に割り当てられ、100kbpsの帯域が文字情報や静止画等のデータ領域に割り当てられている。このデータ領域には、通常、放送される楽曲の曲名やアーティスト等の情報や、広告情報等を多重することができる。残りの56kbpsは放送では使用されない帯域であり、本実施形態ではこの帯域を制御情報領域71として利用する。制御情報領域71には、ライフラインの供給を遮断または回復すべき対象地域を示す対象地域ID、制御対象となるライフライン中継器36の種類等を示す対象機器ID、具体的な制御処理の内容を示す制御コマンドなどを含むライフライン中継器制御情報32を多重する。
【0071】
同図(b)は2チャンネルのモノラル放送用のフォーマットであり、(c)は1チャンネルのステレオ放送用のフォーマットであり、(d)は2チャンネルのステレオ放送用のフォーマットである。いずれの場合も、(a)と同様に放送では使用されない帯域があり、制御情報領域71として利用可能である。
【0072】
なお、テレビ放送のデータフォーマットについては説明しないが、図7の場合と同様にして、放送では使用されない帯域を利用して、デジタル放送にライフライン中継器制御情報32を多重すればよい。
【0073】
図8は、ライフライン制御装置におけるライフライン中継器の制御に係る処理フローを示すフローチャートである。なお、以下の処理は、演算部64にて実行されるプログラムによって、ソフトウェアと各ハードウェア資源とが協働して実現されるものである。
【0074】
ライフライン制御装置33は、常時、情報発信装置31からのデジタル放送を受信している(ST11)。そして、受信したデジタル放送のデータ中にライフライン中継器制御情報32(以下、単に「制御情報32」という。)が含まれているかを調べ、含まれている場合にはデジタル放送のデータから制御情報32を抽出する(ステップST12)。制御情報32が含まれていなかった場合、および、制御情報32の抽出に失敗した場合には、その他の処理を実行し、ステップST11に戻る(ステップST13)。
【0075】
制御情報32の抽出に成功した場合には、制御情報32を解析し、まずその中から対象地域IDを取得する(ステップST14)。そして、取得した対象地域IDと記憶部68にあらかじめ設定されている地域IDとの比較を行う(ステップST15)。
【0076】
ここで、対象地域IDとは、ライフラインの供給を遮断または回復すべき対象地域または対象住居を示す識別子である。一方、地域IDとは、ライフライン制御装置33が設置されている地域または住居を示す識別子である。対象地域IDおよび地域IDには、国,地方,都道府県,地域,市区町村,番地などを示す情報を含めるとよい。
【0077】
具体的には、IDを64ビットで表し、上位ビットから順に国,地方,都道府県,地域,市区町村,番地などを一意に特定するのに必要なビット数を割り当てる。そして、対象地域IDを送信する際には、IPアドレスにおけるサブネットマスクのようなマスクコードを同時に送信することにより、地域IDとの比較を行うべきビットを特定する。
【0078】
たとえば、京都府南部のライフラインの供給状態を制御したい場合には、対象地域IDとして「日本国,関西地方,京都府,南部」を示すIDをセットし、マスクコードとして「国,地方,都道府県,地域」を示すマスクをセットする。ライフライン制御装置33は、自身の地域IDのうち「国,地方,都道府県,地域」の部分を対象地域IDと比較し、一致するかどうかを調べる。
【0079】
このように、ライフライン中継器制御情報32に対象地域IDを含めることで、制御情報をデジタル放送波に乗せて広範囲の地域に一斉にブロードキャストしつつも、ライフラインの供給状態を制御すべき対象地域を詳細にかつ具体的に特定することが可能となる。
【0080】
ステップST15において、対象地域IDと地域IDとが一致しないと判断された場合には、処理を終了する。一方、対象地域IDと地域IDとが一致すると判断された場合には、制御情報32から対象機器IDと制御コマンドを取得する(ステップST16)。
【0081】
対象機器IDとは、制御対象となるライフライン中継器36の種類等を示す識別子であり、制御コマンドとは、ライフライン中継器36が実行すべき具体的な制御処理の内容を示す命令群である。たとえば、ライフラインのうちガスの供給を遮断する処理を実行させる場合には、対象機器IDとしてガスメータが指定され、制御コマンドにはガス栓を閉栓する命令が記述されている。制御情報32には複数の対象機器IDおよび制御コマンドを含めることができ、これにより複数のライフラインの制御を実行させることが可能となる。
【0082】
ライフライン制御装置33は、ステップST16で取得した対象機器IDに該当するライフライン中継器36に対し、制御コマンドに従った制御処理を実行する(ステップST17)。
【0083】
以上述べた方法によれば、災害などの緊急時に、ライフラインの供給状態を速やかに、かつ、確実に制御することができる。
【0084】
次に、上記実施形態に係るライフライン制御システムを具体的な事例に適用した実施例について説明する。
【0085】
図9は、地震が発生した際にガス栓の閉栓を行うシステムを示す図である。
【0086】
同図では、「緊急事態検知者」として気象庁などの地震検知機関91を、「送信者」としてラジオ放送局92を、「ライフライン網」としてガス管93を、「ライフライン中継器」としてガスメータ94を想定している。ガスメータ94にはライフライン制御装置95が接続されている。
【0087】
地震検知機関91は、数分以内に地震が発生することを予知すると、その情報をラジオ放送局92に伝達する。ラジオ放送局92に設置された情報発信装置は、放送エリア内のすべてのガス栓を閉栓させるためのライフライン中継器制御情報を自動で生成し、即座にデジタル放送の電波に乗せる。当該放送エリア内の各住居に設置されているライフライン制御装置95は、その情報を受信すると、ガス栓を閉栓し、構内のガス配管やガスコンロなどの機器からガス漏れが発生するのを未然に防ぐ。これにより、緊急事態において、瞬時に各住居等に対策を講じ、二次災害を未然に防止することで地震の被害を最小限に食い止めることができる。
【0088】
これと同様のシステムは、ガスだけでなく、水道や電気などにも適用可能である。たとえば、水道の場合には、各住居等において、洗濯機の水道の蛇口など、開栓したままにしている場合がある。地震の際には、そのような蛇口がはずれてしまい、水道が出しっぱなしの状態になってしまうことが考えられる。このような場合にも、ライフライン制御装置によって水道の元栓を閉めることが有効であると言える。
【0089】
図10は、コンピュータ・ウィルスが発生した際にネットワーク通信の切断を行うシステムを示す図である。
【0090】
最近では、光ファイバー網などの通信インフラの整備が進み、また、各住居等で利用できる通信環境も発達してきている。これにより、インターネット等のコンピュータネットワークへの常時接続が一般家庭でも簡単かつ安価に構築できるようになってきた。そうすると、この種のネットワークも、電気やガスなどと同様に人々の生活に密着し、都市生活を支える重要な存在、すなわちライフラインのひとつとして認識されはじめている。また、最近ではネットワークに接続可能な電子家電も増えてきており、それらをホームサーバとよばれるコンピュータで集中管理する技術も登場している。
【0091】
そのような環境においては、コンピュータ・ウィルスの問題がより深刻となる。すなわち、各住居に常時接続の通信環境が行き渡ることで、コンピュータ・ウィルスの感染スピードや感染範囲が拡大し、甚大な被害をもたらすことが予想される。また、ホームサーバなど、住居等における電子機器類を管理しているコンピュータにウィルスが侵入した場合には、各住居における電子機器が麻痺状態となり、通常の生活を営むことができなくなる。
【0092】
そこで、本システムにあっては、図10に示すように、デジタル放送を利用して各住居に設置されたルータやモデムやホームゲートウェイを制御する。同図では、「緊急事態検知者」としてウィルス検知機関101を、「送信者」としてラジオ放送局102を、「ライフライン網」として広域ネットワーク網103を、「ライフライン中継器」としてルータ104などのネットワーク中継器を、「構内敷設網」として構内ネットワーク網(構内LAN)を想定している。ルータ104には制御装置105が接続されている。
【0093】
ウィルス検知機関101は、コンピュータ・ウィルスを発見すると、その情報をラジオ放送局102に伝達する。ラジオ放送局102に設置された情報発信装置は、その情報に基づきライフライン中継器制御情報を自動で生成し、即座にデジタル放送の電波に乗せる。当該放送エリア内の各住居に設置されている制御装置105は、その情報を受信すると、ルータ104やホームゲートウェイその他のネットワーク中継器に制御コマンドを送信し、通信を切断する。これにより、コンピュータ・ウィルスが構内LANに侵入することを未然に防止することができる。また、既にコンピュータ・ウィルスがある住居内に侵入している場合でも、その住居の構内LANが広域ネットワーク網103から切り離されるので、ウィルスの拡大を防止することができる。
【0094】
さらに、当該ウィルスのワクチンソフトの準備が整った場合には、情報発信装置が、デジタル放送を利用してそのワクチンソフトを送信することが好ましい。そして、制御装置105は、デジタル放送を受信すると、デジタル放送からワクチンソフトを抽出し、抽出したワクチンソフトをルータ104などのネットワーク中継器、または、構内LANに接続されたコンピュータ106や電子家電やホームサーバなどウィルスに感染するおそれのある機器にインストールする。
【0095】
これは、広域ネットワーク網103との通信ができない状態でも、制御装置105が情報発信装置からデジタルデータを受信可能である点に着目したものである。このようにしてウィルスに対する対策を講じた上で、広域ネットワーク網103と構内LANとの通信状態を回復すればよい。
【0096】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、災害などの緊急時に、ライフラインの供給状態を速やかに、かつ、確実に制御することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】手動でライフライン中継器を操作する場合の問題点を説明する図である。
【図2】インターネットを利用してライフライン中継器を遠隔制御する場合の問題点を説明する図である。
【図3】ライフライン制御システムの概要を説明する図である。
【図4】ライフライン制御システムと従来システムとの情報伝達時間を比較して示した図である。
【図5】ライフライン制御システムの処理フローを示す図である。
【図6】ライフライン制御装置の構成を示すブロック図である。
【図7】デジタル放送の放送データ形式の一例を示す図である。
【図8】ライフライン制御装置におけるライフライン中継器の制御に係る処理フローを示すフローチャートである。
【図9】地震が発生した際にガス栓の閉栓を行うシステムを示す図である。
【図10】コンピュータ・ウィルスが発生した際にネットワーク通信の切断を行うシステムを示す図である。
【符号の説明】
11 ライフライン網
12 送信者
13 住居等
14 ライフライン中継器
15 番組放送
16 メディア端末
21 インターネット
22 送信者
23 ライフライン中継器制御情報
24 ライフライン中継器
31 情報発信装置
32 ライフライン中継器制御情報
33 ライフライン制御装置
34 ライフライン網
35 構内敷設網
36 ライフライン中継器
50 緊急事態検知者
51 緊急事態検知手段
52 緊急情報
61 制御情報受信手段
62 入出力部
63 通信部
64 演算部
65 メモリ部
66 ライフライン中継器制御手段
67 情報DB管理部
68 記憶部
69 ライフライン利用機器
71 制御情報領域
91 地震検知機関
92 ラジオ放送局
93 ガス管(ライフライン網)
94 ガスメータ(ライフライン中継器)
95 ライフライン制御装置
101 ウィルス検知機関
102 ラジオ放送局
103 広域ネットワーク網
104 ルータ(ネットワーク中継器)
105 制御装置

Claims (11)

  1. 情報発信者側に設けられる情報発信装置と、
    ライフライン網と利用者構内に敷設された構内敷設網の間を中継するライフライン中継器に接続されるライフライン制御装置と、を有して構成されるライフライン制御システムであって、
    前記情報発信装置は、
    前記ライフライン中継器を制御するための制御情報を生成する手段と、
    生成した制御情報をデジタル放送する手段と、を有し、
    前記ライフライン制御装置は、
    デジタル放送を受信する手段と、
    受信したデジタル放送から制御情報を抽出する手段と、
    抽出した制御情報に基づいてライフライン中継器を制御する手段と、を有するライフライン制御システム。
  2. ライフライン網と利用者構内に敷設された構内敷設網の間を中継するライフライン中継器に接続されるライフライン制御装置であって、
    ライフライン中継器を制御するための制御情報が含まれるデジタル放送を受信する手段と、
    受信したデジタル放送から制御情報を抽出する手段と、
    抽出した制御情報に基づいてライフライン中継器を制御する手段と、
    を有するライフライン制御装置。
  3. ライフライン網と利用者構内に敷設された構内敷設網の間を中継するライフライン中継器を制御するための制御情報を生成する手段と、
    生成した制御情報をデジタル放送する手段と、を有し、
    ライフライン中継器に接続されたライフライン制御装置に、デジタル放送の受信と、受信したデジタル放送からの制御情報の抽出と、抽出した制御情報に基づくライフライン中継器の制御とを実行可能とする
    情報発信装置。
  4. ライフライン網と利用者構内に敷設された構内敷設網の間を中継するライフライン中継器を制御するライフライン制御方法であって、
    情報発信者側に設けられる情報発信装置が、ライフライン中継器を制御するための制御情報を生成し、生成した制御情報をデジタル放送し、
    利用者側に設けられるライフライン中継器に接続されたライフライン制御装置が、デジタル放送を受信し、受信したデジタル放送から制御情報を抽出し、抽出した制御情報に基づいてライフライン中継器を制御する
    ライフライン制御方法。
  5. 情報発信者側に設けられる情報発信装置と、
    広域ネットワーク網と利用者構内に敷設された構内ネットワーク網の間を中継するネットワーク中継器に接続される制御装置と、を有して構成されるネットワーク制御システムであって、
    前記情報発信装置は、
    広域ネットワーク網を通じて感染するコンピュータ・ウィルスの存在を検知して、ネットワーク中継器を制御するための制御情報を生成する手段と、
    生成した制御情報をデジタル放送する手段と、を有し、
    前記制御装置は、
    デジタル放送を受信する手段と、
    受信したデジタル放送から制御情報を抽出する手段と、
    抽出した制御情報に基づいてネットワーク中継器を制御する手段と、を有する
    ネットワーク制御システム。
  6. 広域ネットワーク網と利用者構内に敷設された構内ネットワーク網の間を中継するネットワーク中継器に接続される制御装置であって、
    ネットワーク中継器を制御するための制御情報が含まれるデジタル放送を受信する手段と、
    受信したデジタル放送から制御情報を抽出する手段と、
    抽出した制御情報に基づいてネットワーク中継器を制御する手段と、
    を有する制御装置。
  7. 広域ネットワーク網を通じて感染するコンピュータ・ウィルスに対するワクチンソフトが含まれるデジタル放送を受信した場合に、受信したデジタル放送から抽出したワクチンソフトをネットワーク中継器または構内ネットワーク網に接続されたコンピュータにインストールする手段を有する請求項6記載の制御装置。
  8. 広域ネットワーク網を通じて感染するコンピュータ・ウィルスの存在を検知して、広域ネットワーク網と利用者構内に敷設された構内ネットワーク網の間を中継するネットワーク中継器を制御するための制御情報を生成する手段と、
    生成した制御情報をデジタル放送する手段と、を有し、
    ネットワーク中継器に接続された制御装置に、デジタル放送の受信と、受信したデジタル放送からの制御情報の抽出と、抽出した制御情報に基づくネットワーク中継器の制御とを実行可能とする
    情報発信装置。
  9. 前記コンピュータ・ウィルスに対するワクチンソフトをデジタル放送する手段を有し、
    前記制御装置に、デジタル放送の受信と、受信したデジタル放送からのワクチンソフトの抽出と、ネットワーク中継器または構内ネットワーク網に接続されたコンピュータへの抽出したワクチンソフトのインストールとを実行可能とする
    請求項8記載の情報発信装置。
  10. 広域ネットワーク網と利用者構内に敷設された構内ネットワーク網の間を中継するネットワーク中継器を制御するネットワーク制御方法であって、
    情報発信者側に設けられる情報発信装置が、広域ネットワーク網を通じて感染するコンピュータ・ウィルスの存在を検知すると、ネットワーク中継器を制御するための制御情報を生成し、生成した制御情報をデジタル放送し、
    利用者側に設けられるネットワーク中継器に接続された制御装置が、デジタル放送を受信し、受信したデジタル放送から制御情報を抽出し、抽出した制御情報に基づいてネットワーク中継器を制御する
    ネットワーク制御方法。
  11. 前記情報発信装置が、前記コンピュータ・ウィルスに対するワクチンソフトをデジタル放送し、
    前記制御装置が、デジタル放送を受信し、受信したデジタル放送から前記ワクチンソフトを抽出し、抽出したワクチンソフトをネットワーク中継器または構内ネットワーク網に接続されたコンピュータにインストールする
    請求項10記載のネットワーク制御方法。
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