JP6296080B2 - コークス炉レンガブロックの施工装置およびコークス炉レンガブロックの施工方法 - Google Patents

コークス炉レンガブロックの施工装置およびコークス炉レンガブロックの施工方法 Download PDF

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Description

本発明は、コークス炉レンガブロックの施工装置およびコークス炉レンガブロックの施工方法に関する。
コークス炉とは、石炭を蒸し焼きにし、コークスとするための炉であり、一般に、炭化室という、装入された石炭を蒸し焼きにし、コークスとする室と、燃焼室という、燃料ガスを燃焼させることにより、炭化室を高温に保つ室とからなっている。
これら炭化室と燃焼室とは、交互に配置されていて、燃焼室は多数のレンガによって構成され、炭化室との仕切り壁を形成している。
すなわち、コークス炉の築炉に際しては、多数のレンガを所定の施工位置に運搬して据付ける必要がある。
そこで、特許文献1や、特許文献2などでは、予め大型レンガやレンガブロックを炉外で製作し、これを炉内に取り込む施工方法を採用すると共に、この大型レンガやレンガブロックをハンドリングする装置に関し、大型レンガやレンガブロックの両側面を挟み込む機構、すなわち把持装置を開示している。
また、上記大型レンガやレンガブロックの相互は、目地と呼ばれる隙間、継ぎ目にモルタルが充填されるが、特許文献3などでは、コークス炉の補修方法に関して、積層目地にスペーサーを配置し、上段の耐火物集合体をスペーサー上に載置して目地を施工する方法が開示されている。
特許第3397724号公報 特開2015−10145号公報 特許第3397723号公報
しかしながら、特許文献1、特許文献2に記載された把持装置は、大型レンガや1トン〜10トン程度の重量物であるレンガブロックの両側面を挟み込むものであって、運搬時の振動や、衝撃などにより把持部がすべり、レンガブロックが滑落するおそれがあるため、多数回のハンドリングを要するコークス炉の新設、パドアップや、大規模修繕等には、搬送速度の制限等から工期が掛かり過ぎるといった問題がある。
また、特許文献3に記載された方法では、重量の大きいレンガブロックを積むために、事前にたくさんのスペーサーを精度良く設置する必要があり、労力と時間を要する。さらに、この方法では、レンガブロックの形状に不整があった場合のレベル調整が容易に行なえないといった問題がある。
加えて、レンガブロックの据付け位置は、一般的に、隣接する燃焼室の壁などによって囲まれており、レンガブロックと隣接する壁面との間には、図6に示すように40cm程度の隙間しかない。したがって、十分な作業スペースを確保することができず、通常考えられる重量物の固縛治具や固縛方法を用いた場合、据付け位置での荷解きが困難であるといった問題があった。
さらに、コークス炉の構造には極めて高い寸法精度が要求され、例えば、燃焼室の壁面は、凹凸が1mm以下であるような高い平滑性を有していることが求められる。したがって、図6に示すように、既に設置してある下段レンガブロックの上に別のレンガブロックを据え付ける場合、レンガブロックが傾いたりすることがないように、接合面における目地厚を精度良く一定に保った状態で据え付けを行う必要がある。しかし、通常考えられる重量物のクランプ装置、トング等では、上述したような狭隘な据え付け位置において、数トン程度の重量物であるレンガブロックを、目地厚を高い精度で一定に保持ししつつ据え付けることはできないという問題があった。
本発明は、かかる問題を解決するためになされたもので、吊り上げ時や運搬時のレンガブロックのすべりや滑落を効果的に防止し、レンガブロックを精度良く容易に施工できることを特徴とする施工装置および施工方法を提供することを目的とする。
本発明の要旨構成は次のとおりである。
1.レンガブロックの両側面を挟み込む把持板と、該把持板の開閉機構と、該把持板と該開閉機構とを連結するアーム部と、レンガブロックの下端部を保持するための押さえ具とを備えることを特徴とするコークス炉レンガブロックの施工装置。
2.レンガブロックの両側面を挟み込む把持板と、該把持板の把持力調整治具と、該把持板を保持するアーム部と、レンガブロックの下端部を保持するための押さえ具とを備えることを特徴とするコークス炉レンガブロックの施工装置。
3.前記押さえ具が、前記把持板によって支持されていることを特徴とする、前記1または2に記載のコークス炉レンガブロックの施工装置。
4.前記押さえ具が、前記把持板とは別体である押さえ具支持部によって支持されていることを特徴とする、前記1または2に記載のコークス炉レンガブロックの施工装置。
5.前記押さえ具の厚みを、レンガブロック同士を接合する際の目地厚とすることを特徴とする、前記1〜4のいずれか一項に記載のコークス炉レンガブロックの施工装置。
6.前記押さえ具がテーパー形状を有することを特徴とする、前記1〜5のいずれか一項に記載のコークス炉レンガブロックの施工装置。
7.前記押さえ具が、水平方向に回転可能に支持されていることを特徴とする、前記1〜6のいずれか一項に記載のコークス炉レンガブロックの施工装置。
8.前記1〜7のいずれか一項に記載のコークス炉レンガブロックの施工装置を用いることを特徴とするコークス炉レンガブロックの施工方法。
9.前記押さえ具を、レンガブロック同士を接合する目地部のモルタルがレンガブロックの自重を保持できる強度まで固まった後に、該押さえ具を目地部から抜くことを特徴とする前記8に記載のコークス炉レンガブロックの施工方法。
10.前記押さえ具を、レンガブロック同士を接合する目地部のモルタルが硬化した後も抜かずに残置することを特徴とする前記8に記載のコークス炉レンガブロックの施工方法。
11.前記押さえ具を、レンガブロック同士を接合する目地部に打ち込むことによって目地厚を調整することを特徴とする前記8〜10のいずれか一項に記載のコークス炉レンガブロックの施工方法。
本発明によれば、把持したレンガブロックの、吊り上げ時や運搬時のすべりや滑落を効果的に防止し、レンガブロックを精度良く容易に施工することができる。
コークス炉レンガブロックの施工装置の一形態を示す図である。 本発明の押さえ具の例を示す図である。 コークス炉レンガブロックの施工装置の他の形態を示す図である。 コークス炉レンガブロックの施工装置のさらに他の形態を示す図である。 図8に示した施工装置を用いて、下段レンガブロックの上に上段レンガブロックを施工する方法を示す図である。 図8に示した施工装置のアーム部を開いた様子を示す図である。 テーパー型押さえ具を備えるコークス炉レンガブロックの施工装置の一形態を示す図である。 コークス炉レンガブロックの施工装置の形態のうち押さえ具支持部を有する形態の施工装置を示す図である。 コークス炉レンガブロックの施工装置の形態のうち押さえ具支持部を有する他の形態の施工装置を示す図である。 押さえ具が水平方向に回転可能に支持されているコークス炉レンガブロックの施工装置の一形態を示す図である。 押さえ具の回転動作の例を示す図である。 押さえ具の形状例を示す図である。 把持力調整治具の例を示す図である。 押さえ具支持部の他の形態を示す図である。
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明に従うコークス炉レンガブロックの施工装置(1)の主な形態例を、図1、3、8および9に示す。
本発明の一実施形態における施工装置は、図1に示したように、レンガブロックの両側面を両側から挟み込む把持板(2)と、該把持板の開閉機構(3)と、該把持板と該開閉機構とを連結するアーム部(5)と、レンガブロックの下端部を保持するための押さえ具(4)とを備える。
また、本発明の他の実施形態における施工装置は、図3に示したように、レンガブロックの両側面を挟み込む把持板(2)と、該把持板の把持力調整治具(9)と、該把持板を保持するアーム部(5)と、レンガブロックの下端部を保持するための押さえ具(4)とを備える。
[把持板]
上記把持板は、レンガブロックの両側面を挟み込んで保持するためのものである。したがって、本発明の施工装置は、該把持板を少なくとも1対備えている。前記把持板の材質、寸法、形状等は特に限定されず、レンガブロックを把持できるものであれば任意の物を用いることができる。
前記把持板としては、強度や剛性の観点からは金属板を用いることが好ましい。前記金属板としては、例えば、鋼板を用いることが好ましい。前記鋼板としては、平板状の鋼板を用いることも出来るが、リブ付き鋼板等の補剛鋼板を用いることができる。また、前記把持板は、レンガブロックに対する摩擦力を高めるために、レンガブロックとの接触面にゴム、エラストマー等の弾性部材を備えていることが好ましい。前記ゴムとしては、工業用ゴムを始め、任意のものを用いることができる。
前記把持板の形状は特に限定されず、矩形、円形、楕円形など任意の形状としてよく、複雑な形状のレンガブロックの場合には、それに合わせた形状としてもよい。
把持板でレンガブロックを把持する位置に関しては、レンガブロックを吊り上げたり、搬送したりする際に、レンガブロックにひび割れが発生するような引張力が生じない位置を把持することが好ましい。例えば、図1に示すように、レンガブロックの長手方向側面の下部を把持することが好ましい。例えば、少なくともレンガブロックの最下段のレンガを把持する形態とすることができる。また、2対以上の把持板を使用する場合は、図1に示すように、レンガブロックの長手方向に等間隔に把持板を配置することが好ましい。
把持力をF(N)、把持応力をσ(N/m)、レンガブロックとの接触面の静止摩擦係数をμ、レンガブロックとの接触面の面積の総和をS(m)、レンガブロックの質量をm(kg)、重力加速度をg(m/s)とすると、これら数値の間に、F=σ・S≧μ・m・gなる関係を満足する把持力および把持板を採用すれば良い。
[開閉機構・アーム部]
本発明の一実施形態における施工装置は、把持板の開閉機構を備えている。前記開閉機構としては、特に限定されることなく、把持板を開閉できるものであれば任意のものを用いることができる。前記開閉機構として使用できる機構としては、例えば、エアージャッキ、油圧ジャッキ、ボルトジャッキ等が挙げられる。
前記開閉機構はアーム部を介して上記把持板に連結されている。開閉機構の動作は、該アーム部を介して把持板に伝達され、把持板を開閉させることができ、把持板が閉じた状態では該把持板によってレンガブロックが把持される。したがって、本実施形態における開閉機構は、把持板に加えて、アーム部を開閉させるものである。
前記開閉機構は、1対の把持板の両方を動かしてもよいし、いずれか一方のみを動かしても良い。また、複数対の把持板を用いる場合には、すべての把持板の対を同時に開閉させてもよいし、各把持板を順次開閉させてもよい。
図1に示した施工装置の一例においては、アーム部(5)がピン(6)を支点として回動可能に支持されており、アーム部(5)の上端部を開閉機構(3)によって動くことにより、把持板(2)を開閉させる。このように、ピン(6)機構を用いることにより、ピンを支点として把持装置の上面から把持板の挟みこみを行うことができる。
さらに、図4に示した施工装置の他の例のように、アーム部の支持部(10)が水平方向に伸縮する機構を採用してもよい。この形態では、アーム部とフレームとの接合はあくまでも剛接合で、上部の支持部に開閉機構がある。
本実施形態の施工装置においては、前記開閉機構を用いて把持力の大きさを調整することもできる。また、上記開閉機構に加えて、後述する把持力調整治具を設けることもできる。
また、他の実施形態では、図4に示すように一対のアームを間隔調整ボルト等で連結(アーム部の支持部(10))し、アームの間隔を間隔調整ボルトの動きで調整することで、一対のアームを開閉する機構とすることもできる。この際には、両者の間隔を調整することで、把持力を調整することも併せて行うことができる。
[把持力調整治具]
本発明の他の実施形態における施工装置は、把持力調整治具を備えている。前記把持力調整治具としては、レンガブロックを把持する力を調整できるものであれば任意のものを用いることができるが、例えば、把持板をその把持面に垂直な方向に進退自在に支持する把持板支持手段と、把持板をレンガブロックの方向へ付勢し、かつその付勢力を調整可能である付勢手段とを備える把持力調整手段を用いることができる。前記付勢手段としては、例えば、軸方向が把持板の把持面に垂直な方向となるように支持されたボルト等を用いることができる。前記ボルトの先端を把持板の把持面と反対側の面に押し当てた状態で該ボルトを回転させて前進させることにより把持板をレンガブロック方向へ付勢することができ、かつ、ボルトを回転させてその位置を変えることにより付勢力を調整することができる。
図3および図13は、把持力調整治具を備えた施工装置の一例である。この例においては、施工装置(1)全体としては、剛性の高いフレーム構造となっている。アーム部(5)には、該アーム部を貫通する挿通孔(13)が設けられており、把持板(2)には、把持面に垂直方向に伸びる把持板支持部材(14)が取り付けられている。そして、把持板支持部材(14)を挿通孔(13)に通すことによって該把持板(2)はアーム部(5)にスライド可能に保持されている。アーム部(5)には把持力調整治具(9)が設けられており、把持力調整治具(9)にはボルトを取り付けるためのねじ切り加工がなされている。把持板(2)は、把持力調整治具(9)に備えられたボルトによりレンガブロックの方向へ付勢されており、ボルトを回転させて前進または後退させることによって作業者が把持板把とレンガブロックの間隔や把持力を調整することができる。
この形態の施工装置は、開閉機構(3)を必要とせず、把持力調整治具によって、把持板とレンガブロックの間隔を調整して、レンガブロックを把持すると共に、把持力を調整することができる。なお、把持板とレンガブロックの間隔や把持力の調整は、把持力調整治具を介して、たとえば、ボルトやエアージャッキなどにより行うものが例示される。また、上述したように、把持力調整治具と、上記開閉機構を併用することも可能である。
[押さえ具]
本発明の施工装置は、レンガブロックの下端部を保持するための押さえ具(4)を具備していることが最大の特徴である。この押さえ具は、吊り上げ時や運搬時にレンガブロックが滑落するのを防止するものであるが、本発明における押さえ具は、特に、静止摩擦が切れてレンガブロックが滑り始める、言わば「初動」を防止するために備えるものである。よって、押さえ具でレンガブロックの全重量を支える必要はない。
レンガブロックの滑落を最も確実に防止するためには、レンガブロックの下端部を保持すれば良いことは当然である。
しかしながら、前述したように、コークス炉のレンガブロックを据付ける場所は狭く、従来の固縛治具等は使用することができない。さらに、レンガブロックの下端部は、ダボという凸部があるため、レンガブロックの下端部全体を、例えばフォークリフトの爪のような長いもので保持することはできない。
そこで、本発明では、レンガブロックの滑落の「初動」を防止することを想起し、把持板と押さえ具を併用することで、レンガブロックの運搬速度を、レンガブロックの下端部全体を保持した場合と同等にすることができたのである。すなわち、レンガブロックの下端部を保持しない場合には、荷揺れによるレンガブロックのすべりや滑落のおそれがあるため、クレーンの走行速度および横行速度を、安全側として定格速度の1/4〜1/2程度で運転する必要がある。これに対し、本発明によりレンガブロックの下端部を保持する場合には、定格速度での運転が可能となるため、施工時間を1/4〜1/2程度に大幅に短縮することができる。
前記押さえ具を設ける位置は特に限定されず、レンガブロックの下端(下面)を保持することが出来る位置であれば、任意の位置とすることができる。したがって、押さえ具は、把持板の把持面よりも内側(レンガブロック側)に突出するように設けられる。なお、後述するように押さえ具が回転可能である場合には、少なくともある回転位置において押さえ具が把持面よりも内側に突出すればよく、他の回転位置においては突出していなくてもよい。
図1は、押さえ具を把持板によって支持した、言い換えれば、把持板に押さえ具を設けた場合の例である。この例に示したように、押さえ具は、把持板1つに対して、少なくとも1個設けることが好ましく、把持板の寸法等に応じて、1つの把持板に複数の押さえ具を設けることもできる。
押さえ具を把持板に設ける場合、把持板の面積を有効に利用するという観点からは、該押さえ具を把持板の下部に設けることが好ましい。押さえ具によってレンガブロックの下端部を保持するためには、該押さえ具より下の把持面をレンガブロックの把持に利用することができないためである。なお、ここで把持板の下部とは、把持板の下方1/2の位置、すなわち、下半分を指すものとする。押さえ具は、下方1/4の範囲に設置することがより好ましい。
[押さえ具支持部]
また、他の実施形態においては、前記押さえ具を、前記把持板とは別体である押さえ具支持部によって支持することもできる。図8、9は、押さえ具を、前記把持板とは別体である押さえ具支持部によって支持した場合の例である。図8、9に示した例では、押さえ具支持部はアーム部の下端に設けられており、該押さえ具支持部に押さえ具が設けられている。このように押さえ具支持部を用いることによって、把持板の形状や配置と、押さえ具の配置を、制約を受けること無くそれぞれ独立に設定可能となる。なお、押さえ具支持部を使用する場合も、押さえ具は、押さえ具支持部1つに対して、少なくとも1個設けることが好ましく、押さえ具支持部の寸法等に応じて、1つの押さえ具支持部に複数の押さえ具を設けることもできる。
前記押さえ具支持部は把持板とは別体として設けられ、上記の例のようにアーム部等によって該押さえ具支持部を支持することができるが、押さえ具支持部を把持板によって支持することも可能である。図14は、押さえ具支持部が把持板によって支持される場合の設置例であり、押さえ具支持部が把持板からぶら下げるように設置される。
前記押さえ具支持部の形状や寸法は特に限定されず、押さえ具を支持できるものであれば任意の形状、寸法とすることができる。
押さえ具(4)およびそれを支持する押さえ具支持部(8)の形状の例を、図2に示す。押さえ具(4)の形状としては、爪型、板状、棒状など様々な形状を用いることができる。また、押さえ具(4)の材質は、鋼材、耐火物、木材、プラスチックなど所定の強度、すなわち、レンガブロックの初動を止めることができれば、いずれの材質でも使用できる。なお、押さえ具支持部を使用せず、把持板によって押さえ具を支持する場合においても同様である。
ここで、レンガブロックの質量をm(kg)、運搬時などにレンガブロックに生じる加速度をα(m/s)とすると、f=m・α(N)の変動力が把持板に作用する。そこで、接触している押さえ具(4)の総てでこの変動力を保持するように設定すれば、レンガブロックの滑落の「初動」を的確に防止することができる。これによって、レンガブロックの下端部全体を保持した場合と同等の固縛効果が安定して得られるのである。
さらに、本発明の施工装置は、図10に示すように水平方向に回転可能に支持された押さえ具を具備していても良い。この場合、図11に示すように押さえ具を回転させることにより、レンガブロック下端部を保持する、しないを容易に変更できる。押さえ具を回転する方法は特に限定されず、手動であってもよく、また、モーターなどによる電動であってもよい。
図12は押さえ具の例を示す図であり、板状(a)、棒状(b)、テーパー形状(c〜e)等、様々な形状とすることができる。テーパー形状は、一方向のみにテーパーを有するもの(c)だけでなく、二方向にテーパーを有するもの(d、e)、傾斜が一定であるもの、傾斜が不均等なものなど、様々な形状とすることができる。
また、本発明の押さえ具は、下段レンガブロック(11)に上段レンガブロック(7)を施工する際に目地厚が一定となるように調整するスペーサーの役目を果たすこともできる。そのため、押さえ具の厚みを、レンガブロック同士を接合する際の目地厚とすることが好ましい。一般的なコークス炉において、目地厚は3〜30mmであるため、押さえ具の厚みは3〜30mmとすることが好ましく、3〜10mmとすることがより好ましい。なお、ここで押さえ具の厚みとは、垂直方向(高さ方向)における押さえ具の厚みを意味するものとする。なお、図12(a)に示した例のように押さえ具が厚さ一定の板状である場合には、その厚みを押さえ具の厚みとする。また、図12(b)に示した例のように押さえ具が太さ一定の棒状である場合には、その高さ方向における最大太さ、円柱状である場合にはその直径を押さえ具の厚みとする。さらに、図12(c)〜(e)に例示されるようなテーパー状の場合には、押さえ具の最大厚みをtmax、最小厚みをtmin、目地厚をtjointとしたとき、tmin<tjoint<tmaxであれば、該押さえ具の厚みは、目地厚となっているものと見なすこととする。そして、大きさと数量(取付け頻度)は上段レンガブロックのスペーサーとして、所定の性能を満足するように適宜決めればよい。
[施工方法]
次に、本発明の施工装置を用いたレンガブロックの施工方法について説明する。
まず、図8に示した施工装置を用いて、下段レンガブロック(11)の上に上段レンガブロック(7)を施工する方法を図5に示す。まず、接合面(図6に示す下段レンガブロックの上面)にモルタルを塗布する。次に、上段レンガブロックに把持装置を設置し、開閉機構で所定の把持力に調整して把持したうえで、天井クレーン等の吊装置(図示せず)を用いて、把持装置で把持した上段レンガブロックを運搬する。この際、押さえ具を、レンガブロックの下端部を保持するように設置するため、従来技術で問題となったレンガブロックのすべりや滑落を効果的に防止することができる。
次いで、把持した上段レンガブロックを、下段レンガブロック上の所定の位置に据付ける。この際、押さえ具により、目地厚が精度良く一定に保持できる。モルタルが上段レンガブロックの自重を保持できる強度まで固まったら、図6に示すように、アームを開くことで、押さえ具が抜き取られ、接合が完了する。なお、図1に示した施工装置を用いた場合も同様に施工することができる。押さえ具が抜き取られた後のくぼみは、適宜モルタル材で埋めれば良いが、そのままとしても、施工後行われる昇温で、溶融して埋まる形状とすることもできる。
また、押さえ具を着脱可能にしておき、レンガブロック同士を接合する目地部のモルタルが硬化した後も抜かずに残置するようにしてもよい。その場合、コークス炉完成後も押さえ具が目地の内部に残った状態となるため、押さえ具の材質を、目地材として用いるモルタルと同じ材質、レンガと同じ材質、またはその他の耐火物とすることが好ましい。
本発明では、目地厚を精度良く一定に調整するために必要な、多数のスペーサーの設置作業と抜取り作業を別途行うことが不要となるため、従来技術で問題となった、多大な労力と時間を要する多数のスペーサーの設置作業と抜き取り作業を省略することができる。
ここで、従来、多数のレンガを組み合わせて作成したレンガブロックの形状に不整があった場合には、レベル調整が困難となる場合がある。その場合には、図7に示すように、先端(対向する把持板方向)に向かって薄くなるテーパー型押さえ具(12)を用い、個々の打ち込み量を調整することにより、局所的なレベル調整が可能となる。これにより、レンガブロックの形状に不整があった場合でも、高精度でレベル調整することができる。言い換えれば、レンガブロックが正しく(例えば水平に)設置されるように、個々の押さえ具の打ち込み量を制御することができる。
なお、上記テーパー型押さえ具のテーパー形状は、両面テーパー、片面テーパーのどちらも用いることができる。
他の形態の施工装置(前掲図9)を用いた場合について説明する。
まず、接合面(図6に示す下段レンガブロックの上面)にモルタルを塗布する。次に、上段レンガブロックに把持装置を設置し、把持力調整治具で把持板とレンガブロックの間隔を調整し、所定の把持力に調整して把持したうえで、吊装置(図示せず)により、把持装置で把持した上段レンガブロックを運搬する。この際、押さえ具は、レンガブロックの下端部を保持するように設置されるため、従来技術で問題となった、レンガブロックのすべりや滑落を防止できるのは上述したとおりである。
次いで、施工装置で把持した上段レンガブロックを下段レンガブロック上の所定の位置に据付ける。この際、押さえ具により、目地厚が精度良く一定に保持できる。モルタルが上段レンガブロックの自重を保持できる強度まで固まったら、押さえ具を抜き取る、もしくは、接合部のモルタル内に打ち込むことによって、接合が完了する。なお、図3に示した施工装置を用いた場合も同様に施工することができる。
ここで、従来、多数のレンガを組み合わせて作成したレンガブロックの形状に不整があった場合には、レベル調整が困難となる場合がある。その場合には、図7に記載の先端(対向する把持板方向)に向かって薄くなるテーパー型押さえ具(12)を用い、個々の打ち込み量を調整することによって、局所的なレベル調整が可能となる。これにより、レンガブロックの形状に不整があった場合でも、高精度でレベル調整することができる。
なお、上記テーパーの押さえ具のテーパー形状は、両面テーパー、片面テーパーのどちらも用いることができる。
他の形態の施工装置(前掲図10〜12)を用いた場合について説明する。
まず、接合面(図6に示す下段レンガブロックの上面)にモルタルを塗布する。次に、上段レンガブロックに把持装置を設置し、開閉機構で所定の把持力に調整して把持したうえで、吊装置(図示せず)により、把持装置で把持した上段レンガブロックを運搬する。この際、図11に示すように押さえ具水平方向に回転(旋回)させることにより、押さえ具がレンガブロックの下端部を保持するように設置されるため、従来技術で問題となった、レンガブロックのすべりや滑落を防止できる。
次いで、施工装置で把持した上段レンガブロックを下段レンガブロック上の所定の位置に据付ける。この際、押さえ具により、目地厚が精度良く一定に保持できる。モルタルが上段レンガブロックの自重を保持できる強度まで固まったら、押さえ具を逆回転させて、押さえ具を抜き取ることによって、接合が完了する。
ここで、従来、多数のレンガを組み合わせて作成したレンガブロックの形状に不整があった場合には、レベル調整が困難となる場合がある。その場合には、図12に記載の押さえ具のうち、先端(対向する把持板方向)に向かって薄くなるテーパー形状の押さえ具を用いると、該押さえ具の回転量を調整することによって局所的なレベル調整が可能となる。これにより、レンガブロックの形状に不整があった場合でも、個々の押さえ具の回転量を調整することによって高精度でレベル調整することができる。
1 把持装置
2 把持板
3 把持板の開閉機構
4 押さえ具
5 アーム部
6 ピン
7 上段レンガブロック
8 押さえ具支持部
9 把持力調整治具
10 アーム部の支持部
11 下段レンガブロック
12 テーパー型押さえ具
13 挿通孔
14 把持板支持部材

Claims (14)

  1. レンガブロックの両側面を挟み込む把持板と、該把持板の開閉機構と、該把持板と該開閉機構とを連結するアーム部と、レンガブロックの下端部を保持するための押さえ具とを備え
    前記押さえ具の厚みを、レンガブロック同士を接合する際の目地厚とすることを特徴とする、コークス炉レンガブロックの施工装置。
  2. レンガブロックの両側面を挟み込む把持板と、該把持板の開閉機構と、該把持板と該開閉機構とを連結するアーム部と、レンガブロックの下端部を保持するための押さえ具とを備え
    前記押さえ具がテーパー形状を有することを特徴とする、コークス炉レンガブロックの施工装置。
  3. レンガブロックの両側面を挟み込む把持板と、該把持板の開閉機構と、該把持板と該開閉機構とを連結するアーム部と、レンガブロックの下端部を保持するための押さえ具とを備え
    前記押さえ具が、水平方向に回転可能に支持されていることを特徴とする、コークス炉レンガブロックの施工装置。
  4. レンガブロックの両側面を挟み込む把持板と、該把持板の把持力調整治具と、該把持板を保持するアーム部と、レンガブロックの下端部を保持するための押さえ具とを備え
    前記押さえ具の厚みを、レンガブロック同士を接合する際の目地厚とすることを特徴とする、コークス炉レンガブロックの施工装置。
  5. レンガブロックの両側面を挟み込む把持板と、該把持板の把持力調整治具と、該把持板を保持するアーム部と、レンガブロックの下端部を保持するための押さえ具とを備え
    前記押さえ具がテーパー形状を有することを特徴とする、コークス炉レンガブロックの施工装置。
  6. レンガブロックの両側面を挟み込む把持板と、該把持板の把持力調整治具と、該把持板を保持するアーム部と、レンガブロックの下端部を保持するための押さえ具とを備え
    前記押さえ具が、水平方向に回転可能に支持されていることを特徴とする、コークス炉レンガブロックの施工装置。
  7. 前記押さえ具が、前記把持板によって支持されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載のコークス炉レンガブロックの施工装置。
  8. 前記押さえ具が、前記把持板とは別体である押さえ具支持部によって支持されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載のコークス炉レンガブロックの施工装置。
  9. 前記押さえ具の厚みを、レンガブロック同士を接合する際の目地厚とすることを特徴とする、請求項2、3、5、および6のいずれか一項に記載のコークス炉レンガブロックの施工装置。
  10. 前記押さえ具がテーパー形状を有することを特徴とする、請求項3または6に記載のコークス炉レンガブロックの施工装置。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載のコークス炉レンガブロックの施工装置を用いるコークス炉レンガブロックの施工方法であって、
    前記押さえ具を、レンガブロック同士を接合する目地部のモルタルがレンガブロックの自重を保持できる強度まで固まった後に、該押さえ具を目地部から抜くことを特徴とする、コークス炉レンガブロックの施工方法
  12. 請求項1〜10のいずれか一項に記載のコークス炉レンガブロックの施工装置を用いるコークス炉レンガブロックの施工方法であって、
    前記押さえ具を、レンガブロック同士を接合する目地部のモルタルが硬化した後も抜かずに残置することを特徴とする、コークス炉レンガブロックの施工方法
  13. 請求項1〜10のいずれか一項に記載のコークス炉レンガブロックの施工装置を用いるコークス炉レンガブロックの施工方法であって、
    前記押さえ具を、レンガブロック同士を接合する目地部に打ち込むことによって目地厚を調整することを特徴とする、コークス炉レンガブロックの施工方法
  14. 前記押さえ具を、レンガブロック同士を接合する目地部に打ち込むことによって目地厚を調整することを特徴とする請求項11または12に記載のコークス炉レンガブロックの施工方法。
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