JP2019163351A - コークス炉の築造方法およびコークス炉の築造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】構築する煉瓦ブロックが大型化しても、据付精度に個人差が生じ難いコークス炉の築造方法および築造装置を提供する。【解決手段】既設煉瓦上103に、モルタル91を介して、複数の煉瓦を組み合わせた煉瓦ブロック100を設置する工程を有する、コークス炉の築造方法であって、既設煉瓦103にモルタル91を塗布する塗布工程と、モルタル上に煉瓦ブロック100を設置する、設置工程と、を実施し、設置工程は、煉瓦ブロック100を、1対の把持部を有するトングで炉団長方向に挟んで持ち上げ、把持部から下方に突出したガイド部5を設け、煉瓦ブロック100を挟んだ状態で既設煉瓦103の炉団長方向の幅に対応する間隔で対向する、少なくとも一対のガイド部5の間に既設煉瓦103を挟むように位置合わせをして、モルタル91上に煉瓦ブロック100を設置する工程であることを特徴とする、コークス炉の築造方法。【選択図】図10

Description

本発明は、コークス炉の築造方法およびコークス炉の築造装置に関する。
室炉式コークス炉は、炭化室と燃焼室とが炉団長方向(炉幅方向)に交互に配置され、炭化室と燃焼室の上部には炉頂部、下部には蓄熱室が配列されている。燃焼室と蓄熱室との間の部分は蛇腹部とも呼ばれる。蓄熱室の下部にはソールフリューが配置される。通常、炭化室の寸法は、炉高4〜7.5m、炉幅350〜550mm、炉長13〜17mである。燃焼室は炉長方向に配列された燃焼室フリュー列からなる。炭化室と燃焼室との隔壁および燃焼室フリュー同士の隔壁、炉頂部、蛇腹部、蓄熱室、ソールフリューは、いずれも耐火物煉瓦の煉瓦積み構造で形成される。例えば、炭化室を50室有する室炉式コークス炉(以下単に「コークス炉」という。)においては、上記耐火物煉瓦を合計で130万個用いて構成されている。
既存のコークス炉は、現在、全国的に、20年〜30年の稼働期間を経て老朽化してきており、新たなコークス炉を建設する必要が迫っている。
コークス炉の建設は、従来、築炉工が耐火物煉瓦を手積みすることで行っている。手積みによる建設では、耐火物煉瓦の一つ一つにコテでモルタルを塗り、前後左右に往復させつつ押し込み(揉み作業)、余分なモルタルを目地から押し出してこれを積み上げるという作業を繰り返し行う必要がある。さらに、コークス炉に使用される耐火物煉瓦は、一つあたり十数kgの重さがあり、これを積み上げる作業は極めて重労働といえる。
また、コークス炉は、様々な形状、大きさの多種類の耐火物煉瓦を複雑に組み合わせる必要があり、据付精度については、±2mm以内に抑える必要がある。そのためには、熟練した築炉工が大人数必要であるが、熟練した築炉工は高齢化し、大人数を確保することが難しくなっている。
このような事情に対し、工期短縮による必要な築炉工の人数削減を目的とし、予め、築炉現場から離れた作業しやすい広い場所で、複数の耐火物煉瓦を所定の大きさまで積み上げてモルタルにより一体化したブロック(以下煉瓦ブロックと称す)とし、この煉瓦ブロックを築炉現場で組み込んでコークス炉を積み上げる、プレハブ工法が公知である(特許文献1)。
特許文献1のような、プレハブ工法を用いることにより、築炉現場で積み上げるブロック数が減少し、狭い築炉現場での作業が短縮されるため、作業効率が良くなり、築炉期間が短くなるとされている。
一方で、プレハブ工法で用いる煉瓦ブロックは、耐火物煉瓦単体よりも質量と寸法が、はるかに大きい。例えば特許文献1では、煉瓦ブロックの炉長方向長さが炉長の1/4以上、2/3以下であるため、同文献で想定する炉長15mに対して、煉瓦ブロック長が4〜10mに達する。
そのため、人力のみでは煉瓦ブロックを築炉現場で組み込むことができず、トング等の築造装置で煉瓦ブロックを挟んでクレーンで吊り上げてから積み上げる必要がある(特許文献2)。
特許文献2では、トングの下端部に押さえ具を設け、煉瓦ブロックを吊り上げた状態での滑落を防止するとともに、押さえ具をスペーサとして使用し、炉高方向の位置決めをすることも記載されている。
特許第6008071号公報 特開2016−169376号公報
コークス炉の煉瓦構築に際し、耐火物煉瓦をコークス炉内において手積み方式で構築することに比較し、炉外においてプレハブ方式によって煉瓦ブロックを形成することにより、熟練した築炉工の必要人数を多少は低減することができる。
しかしながら、煉瓦ブロックは、特許文献1に記載のように、耐火物煉瓦単体よりも大きい。そのため、釣り上げた状態での揺れや、煉瓦ブロックの寸法公差、揉み作業が原因で、手積み方式と比べて、据え付けの際に位置ずれを生じやすく、据付精度の確保が難しい。特に、特許文献1のように煉瓦ブロックは炉団長方向よりも炉長方向に長い形状であることが多いため、水平方向に回転する等して、炉団長方向の位置ずれを生じやすい。
位置ずれの修正に時間をかけすぎるとモルタルが硬化するため、位置決めは短時間で行う必要があるが、位置決めに要する時間は作業者の技量に依存する。
しかしながら、特許文献1には、煉瓦ブロックの位置ずれを防ぐ構成や工法が全く開示されていない。
特許文献2の構造では、押さえ具をスペーサとすることで、炉高方向の位置ずれを防ぐことができるが、炉団長方向の位置ずれを防ぐ構成や工法が全く開示されていない。
そのため、据付精度に個人差が生じ、結局は熟練した築炉工が必要となっていた。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、構築する煉瓦ブロックが大型化しても、据付精度に個人差が生じ難いコークス炉の築造方法およびコークス炉の築造装置を提供することを目的とする。
本発明のコークス炉の築造方法は、複数の耐火物からなる既設煉瓦上に、モルタルを介して、煉瓦ブロックを積み重ねて構築する工程を有する、コークス炉の築造方法であって、前記既設煉瓦にモルタルを塗布する塗布工程と、前記モルタル上に前記煉瓦ブロックを設置する、設置工程と、を実施し、前記設置工程は、前記煉瓦ブロックを、1対の把持部を有するコークス炉の築造装置で炉団長方向に挟んで持ち上げ、前記把持部から下方に突出した突起であり、前記煉瓦ブロックを挟んだ状態で、炉長方向から見て、前記既設煉瓦の炉団長方向の幅に対応する間隔で対向する、少なくとも一対のガイド部の間に前記既設煉瓦を挟むように位置合わせをして、前記モルタル上に前記煉瓦ブロックを設置する工程であることを特徴とする。
本発明では、煉瓦ブロックを築造装置の把持部で挟んで持ち上げてから、把持部から突出した一対の突起の間に既設煉瓦が位置するように位置決めをする。
そのため、煉瓦ブロックを把持部に挟んで既設煉瓦の上方に配置して下降させれば、把持部が突起にガイドされて、煉瓦ブロックの位置が容易に決められ、構築する煉瓦ブロックが大型化しても、据付精度に個人差が生じ難い。
本発明のコークス炉の築造方法は、蓄熱室のピラーウォールを構築する工程に用いられることが好ましい。
この発明によれば、蓄熱室のピラーウォールの構築用に、炉団長方向よりも炉長方向に長い形状で煉瓦壁ブロックを用いる場合であっても、炉団長方向の位置決めで個人差が生じ難い。
本発明のコークス炉の築造方法は、燃焼室を構築する工程に用いられることが好ましい。
この発明によれば、燃焼室の構築用に、炉団長方向よりも炉長方向に長い形状で煉瓦壁ブロックを用いる場合であっても、炉団長方向の位置決めで個人差が生じ難い。
前記煉瓦ブロックは、複数の煉瓦を多段に積み重ねたプレハブ構造であるのが好ましい。
この発明によれば、コークス炉の築造に煉瓦単体よりも質量と寸法が、はるかに大きいプレハブ構造を用いる場合であっても、位置決めで個人差が生じ難い。
本発明のコークス炉の築造装置は、コークス炉を構成する、煉瓦ブロックを持ち上げて設置するコークス炉の築造装置であって、前記煉瓦ブロックの両側面を挟み込んで保持する一対の把持部と、前記一対の把持部の下方に突出して設けられ、設置の際に前記既設煉瓦に接触して位置決めを行う少なくとも一対のガイド部と、を備えることを特徴とする。
本発明では、コークス炉の築造装置が、把持部の下方に突出して設けられた少なくとも1対のガイド部を有しており、煉瓦ブロックを把持部で挟んで持ち上げてから、把持部から突出した一対の突起の間に既設煉瓦が位置するように位置決めをする。
そのため、煉瓦ブロックを把持部に挟んで既設煉瓦の上方に配置して下降させれば、把持部が突起にガイドされて、煉瓦ブロックの位置が容易に決められ、構築する煉瓦ブロックが大型化しても、据付精度に個人差が生じ難い。
本発明のコークス炉の築造方法は、前記ガイド部を脱着可能に前記把持部に固定する脱着機構を備えることが好ましい。
この発明によれば、コークス炉の築造装置を使用しない時にガイド部を取り外して、建築現場に仮置きすることができる。そのため、ガイド部を取り付けて仮置きする場合と比べて、築造装置を支持する底面積を大きくすることができ、仮置時の安定性を高められる。
本発明のコークス炉の築造方法は、前記ガイド部を炉団長方向に移動可能に前記把持部に保持する保持機構と、前記ガイド部の炉団長方向の位置決めを行う位置決め機構を備えることが好ましい。
この発明によれば、ガイド部を炉団長方向に移動させられるため、2段、3段と煉瓦ブロック100を積み重ねた場合に、ガイド部と既設煉瓦の間の隙間によって生じる、煉瓦ブロックの炉団長方向のずれに対応してガイド部の位置を調整でき、ずれが許容値を超えるのを防ぐことができる。
本発明の第1および第2の実施形態に係るコークス炉の築造方法に用いられるトングを示す斜視図。 図1の正面図。 図1の右側面図。 図1の平面図。 図3の変形例を示す図。 図2の変形例を示す図。 本発明の第1実施形態に係るコークス炉の築造方法を示す図であって、煉瓦ブロックの斜視図。 本発明の第1の実施形態に係るコークス炉の築造方法を示す正面図。 本発明の第1の実施形態に係るコークス炉の築造方法を示す正面図。 本発明の第1の実施形態に係るコークス炉の築造方法を示す正面図。 本発明の第1の実施形態に係るコークス炉の築造方法を示す右側面図。 本発明の第2の実施形態に係るコークス炉の築造方法を示す図であって、煉瓦ブロックの斜視図。
以下、図面に基づき本発明に好適な実施形態を詳細に説明する。
まず、図1〜図6を参照して、本発明のコークス炉の築造方法に用いられる、コークス炉の築造装置としてのトングの構造について、簡単に説明する。
図1〜図4に示すように、トング1は、把持部3と、ガイド部5と、パンタグラフ13を備える。
図1〜図4においては、把持部3の長手方向をY方向、Y方向に直交し、把持部3が把持対象を把持する方向をX方向、X方向およびY方向に直交する方向をZ方向とする。X方向、Y方向、Z方向は、コークス炉において炉団長方向、炉長方向、炉高方向にもそれぞれ対応する。
把持部3は、煉瓦ブロック100の両側面を挟み込んで保持する部材であり、図1に示すように、接触板7、支柱9、梁11、筒状支持部14、スライド部18を備える。
図1に示すように、接触板7は、互いに平行に設けられた一対の平板であり、煉瓦ブロック100の両側面、ここでは法線方向が炉団長方向に平行な面を挟み込んで保持する。
図1に示すように、支柱9は、接触板7を保持する角柱状の一対の部材であり、接触板7の外側面から鉛直方向に立ち上がるように溶接等で連結される。
図1に示すように、梁11は支柱9を保持する角柱状の部材であり、支柱9を連結するように溶接等で固定される。
図1に示すように、筒状支持部14は、支柱9の対向面から、他方の支柱9に向けて伸びる角筒状の部材である。スライド部18は、一端が筒状支持部14内に収容され、他端が他方の支柱9に固定される部材である。
パンタグラフ13は、上下に伸縮することにより、左右の幅を変えて接触板7間の距離を調整することにより、煉瓦ブロック100を保持する部材であり、図1および図2に示すように、下部リンク15と、上部リンク16と、クレーン連結部19を備える。
下部リンク15は、複数のアーム15Aを、互いに交差した状態で中央を軸支したものである。アーム15Aの下端16Aは梁11に固定される。軸方向はいずれも接触板7の長手方向に平行である。
上部リンク16は、複数のアーム15Bを有する。アーム15Bは、一端がアーム15Aの上端18Aに軸支され、他端がクレーン連結部19に軸支される。
クレーン連結部19は、トング1を吊り上げるクレーンと、トング1とを連結する部材であり、アーム15Bの端部に軸支される。クレーン連結部19は、クレーンのフックが引っかけられる環部17を備える。
接触板7間に煉瓦ブロック100を配置した状態で、パンタグラフ13を、クレーン等で上方に引っ張って伸ばすことにより、パンタグラフ13のアーム15Aの下端16A間の距離が狭くなる。これにより、アーム15Aに接続された接触板7が、煉瓦ブロック100と接触して挟み込んで把持する。この際、スライド部18が筒状支持部14内をスライドすることにより、接触板7の距離を変化させつつ、パンタグラフ13の剛性を維持する。
トング1は、釣り上げられた状態では、自重で把持する構造であるが、自重ではなく、スライド部18に油圧式や機械式の把持機構を備えてもよい。
パンタグラフ13を下方に縮めることにより、パンタグラフ13のアーム15Aの端部間の距離が広くなり、アーム15Aに接続された接触板7が煉瓦ブロック100と離れ、把持が解除される。
ガイド部5は、接触板7の下面から下方に突出して設けられた少なくとも一対の突起である。ここでは、図1および図4に示すように、接触板7の長手方向両端近傍に2つずつ、2対設けられている。
図2および図3に示すように、ガイド部5は、接触板7の下面に設けられたL字状の支持板21を介して、接触板7に固定される。
支持板21は、折れ線28を境に設けられた固定板22と、突出板23を備える。固定板22は、折れ線28が接触板7の長手方向に直交するように、接触板7の下面に溶接等で固定されている。突出板23は、接触板7から下方に突出している。
固定板22は、図5に示すように、脱着機構としてのボルト27で脱着可能に接触板7の下面に固定されるのが好ましい。理由は以下の通りである。
トング1は、煉瓦ブロック100の据付に使用していない期間は、コークス炉の建設現場に仮置する必要がある。この際、ガイド部5を接触板7に取り付けた状態で仮置きすると、トング1を4つのガイド部5で支える、4点支持の置き方となる。コークス炉の建設現場は、常に煉瓦構造体が積み上がっていくため、足元が不安定であることが多く、トング1を支える面は、なるべく広い方が好ましい場合がある。そこで、ガイド部5を脱着可能にすることで、仮置きの際にガイド部5を取り外せば、トング1を接触板7の下面全体で支える置き方にできる。
ガイド部5は支持板21の突出板23に、ボルト25およびナット26で固定される。
図2に示すように、ガイド部5は、炉長方向(Y方向)から見て、互いに対向する対向面5Aが、下方に行くに従い、互いに距離が離れるようなテーパ形状を有する。これは、位置決めの際に既設煉瓦と接触した際にガイドしやすくするためである。
炉長方向(Y方向)から見たガイド部5の上端間の間隔Lは、接触板7間の距離と同程度である。そのため、接触板7が既設煉瓦を把持すると、ガイド部5の上端間の間隔Lは既設煉瓦103の炉団長方向厚さL0(図9参照)と同じか、若干長くなる。
図4では、1対のガイド部5は、炉長方向(Y方向)の位置が同じであり、X方向に対向している。ただし、Y方向の位置は、必ずしも同じ位置である必要はなく、炉長方向(Y方向)から見て、互いに対向していればよい。
トング1は、ガイド部5を炉団長方向(X方向)に位置決め可能な構造であるのが好ましい。理由は以下の通りである。
煉瓦ブロック100を据え付ける際に、既設煉瓦とガイド部5の間には、1〜2mm程度の隙間が生じる。この隙間によって、煉瓦ブロック100が本来据え付けたい位置から炉団長方向にずれる可能性がある。1〜2mm程度のずれであれば、許容範囲内ではあるが、2段、3段と煉瓦ブロック100を積み重ねると、ずれの累積が許容値を超える可能性もある。そのため、位置決め可能な構造を設けて、ずれの累積が許容値を超えないようにするのが好ましい。
このような構造としては、例えば、図6に示すような、押し引きネジを用いた位置決め機構41、およびガイド部5をX方向に移動可能に把持部3に保持する、保持機構51を有するものが好ましい。
具体的には、図6に示すトング1は、位置決め機構41を備える。
位置決め機構41は、ネジブロック43、押し引きネジ45、引き用ボルト47を備える。
ネジブロック43は押し引きネジ45を保持するブロックであり、接触板7に固定される。ネジブロック43は、押し引きネジ45が螺合する図示しない孔を有する。
押し引きネジ45はガイド部5をX方向に押し引きするネジであり、引き用ボルト47およびネジブロック43に螺合する。回転する向きと角度によって、ガイド部5を押し引きする向きおよび移動量を調整する。
引き用ボルト47は、ガイド部5を押し引きネジ45が引っ張る場合に、押し引きネジ45と係合するボルトであり、ガイド部5に固定される。
保持機構51は、固定板22およびボルト55を有する。
固定板22には長孔53が設けられる。長孔53は長手方向がX方向に平行である。長孔53の長手方向の長さは、ガイド部5の移動量に応じて決定される。幅方向(長手方向に直交する方向)の長さは、ボルト55のネジ部の直径より大きく、頭部の最小径より小さい。
ボルト55は、把持部3の接触板7にガイド部5を保持させるボルトであり、長孔53を挿通して接触板7に螺合する。
ガイド部5の位置決めは、以下のように行われる。
まず、保持機構51のボルト55を緩める。
次に、位置決め機構41の押し引きネジ45を回転させて、ガイド部5をX方向の所望の位置に移動させる。
最後に、ボルト55を締め、移動した位置にガイド部5を固定する。
ガイド部5の材料は、位置決めの際に既設煉瓦と接触しても損傷せず、かつ既設煉瓦を損傷させない材料であるのが望ましい。このような材料としては、ゴムが挙げられるが、ゴムには限定されない。
以上がトング1の構造の説明である。
次に、図7〜図11を参照して、本発明の第1の実施形態に係るコークス炉の築造方法について、説明する。
第1の実施形態では、複数の煉瓦をプレハブ構造で構築した煉瓦ブロックを用いて、コークス炉の蓄熱室のピラーウォールの一部を構築する方法を例にして説明する。ただし、本発明は、プレハブ構造を用いた場合に限定されず、蓄熱室のピラーウォールの構築方法にも限定されない。
まず、図7に示すように、構築すべきコークス炉の一部である煉瓦ブロック100を、予め構築しておく。
ピラーウォールの構築に用いられる煉瓦ブロック100は、図7に示すように、複数の煉瓦を多段に積み重ねたプレハブ構造である。
煉瓦ブロック100は、炉団長方向の長さLXが、ピラーウォールの幅と同じであることが望ましい。炉長方向の長さLYは、ピラーウォールの炉長未満である。LYは、好ましくは2〜5mである。炉高方向の高さLZもピラーウォールの炉高未満であり、複数の煉瓦ブロック100を積み重ねてピラーウォールを構築する。LZは、好ましくは煉瓦を3〜10段重ねた程度の高さである。
煉瓦ブロック100の構築場所は、コークス炉の構築場所である必要はない。他の場所で構築したものを、コークス炉の構築場所まで搬送してもよい。
次に、塗布工程として、図8に示すように、既設煉瓦103のうち、これから煉瓦ブロック100を積み重ねる部分にモルタル91を塗布する。モルタル91は目標とする目地厚よりも厚く塗布する。これは、揉み出し作業でモルタル91の一部が排出されるためである。既設煉瓦103は、複数の耐火物としての煉瓦を積み重ねた構造体であって、既に構築済の構造である。
また、図示しないスペーサ等を既設煉瓦103に設置する。スペーサの厚さは、目地厚と同程度である。
次に、図9に示すように、この煉瓦ブロック100の側面、具体的には法線方向が炉団長方向に平行な壁面を、両面からトング1で挟み込む。この際、煉瓦ブロック100の下端と接触板7の下端が、炉高方向で同一の位置になるようにする。
次に、煉瓦ブロック100をクレーン200で吊り上げて、既設煉瓦103の上方に移動させる。
この状態では、炉長方向から見た一対のガイド部5の上端間の間隔Lが、煉瓦ブロック100の炉団長方向の長さLxに等しく、したがって、既設煉瓦103の炉団長方向厚さL0と同程度になる。
次に、設置工程として、図10に示すように、煉瓦ブロック100を図9の状態から下降させてモルタル91に接触させ、既設煉瓦103上に設置する。
この際、煉瓦ブロック100と既設煉瓦103の、炉団長方向の位置がずれていた場合でも、既設煉瓦103の壁面がガイド部5の対向面5Aに接触して、トング1ごと煉瓦ブロック100が炉団長方向にガイドされる。よって、煉瓦ブロック100が大型化しても、据付精度に個人差が生じ難い。
次に、揉み出し作業を行う。具体的には、図11に示すように、煉瓦ブロック100を炉長方向に往復移動させて、スペーサに接触するまで余分なモルタル91を排出する。
この際、煉瓦ブロック100が炉団長方向に移動しようとしても、既設煉瓦103が、ガイド部5に接触してトング1の移動が規制されるため、煉瓦ブロック100の移動も規制される。
よって、揉み出し作業時も、炉団長方向に煉瓦ブロック100の位置ずれが生じ難く、煉瓦ブロック100の据付精度に個人差が生じ難い。
煉瓦ブロック100がスペーサに接触すると、炉長方向の位置決めを行い、揉み出しを終了する。
最後に、煉瓦ブロック100が位置ずれを生じない程度に、モルタル91が硬化するまで放置し、硬化した後に、トング1を煉瓦ブロック100から取り外す。
以上がコークス炉の築造方法の説明である。
このように、本実施形態によれば、煉瓦ブロック100をトング1で挟んで持ち上げてから、トング1から突出した一対のガイド部5の間に、既設煉瓦103が位置するように位置決めをする。
そのため、煉瓦ブロック100をトング1に挟んで、既設煉瓦103の上方に配置して下降させれば、ガイド部5によって、トング1ごと煉瓦ブロック100が炉団長方向にガイドされる。
よって、構築する煉瓦ブロック100が大型化しても、据付精度に個人差が生じ難い。
次に、第2の実施形態について、図12を参照して説明する。
第1の実施形態では、蓄熱室のピラーウォールの一部を構築する方法を例にして説明したが、本発明は、蓄熱室のピラーウォールの構築方法にも限定されないため、燃焼室を構築する工程についても簡単に説明する。
燃焼室を構築する場合、煉瓦ブロック100Aは図12に示す構造を例示できる。
図12では、煉瓦ブロック100Aは、1対の炉壁105と1対の燃焼フリュー隔壁107を備える。
炉壁105は、Y方向(炉長方向)に沿って対向するように設けられた1対の壁であり、燃焼室における、炭化室との隔壁に該当する。
燃焼フリュー隔壁107は、一対の炉壁105の間を連結するように、X方向(炉団長方向)に沿って対向するように設けられた、隔壁であり、燃焼室における、燃焼フリュー間の隔壁に該当する。
一対の炉壁105および1対の燃焼フリュー隔壁107で囲まれた空間109は、燃焼室における、燃焼フリュー(小燃焼室)に該当する。
燃焼室の構築方法は、ピラーウォールの構築方法と同様であるため、詳細な説明を省略する。
構築方法の概要を述べると、まず既設煉瓦にモルタルを塗布し(塗布工程)、次にモルタル上に煉瓦ブロック100Aを設置する(設置工程)。
設置の際は、煉瓦ブロック100Aの炉壁105を、トング1で炉団長方向に挟んで持ち上げ、ガイド部5の間に既設煉瓦を挟むように位置合わせをする。
以上が第2の実施形態の説明である。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記した実施形態に限定されない。当業者であれば、本発明の思想の範囲内において各種変形例および改良例に想到するのは当然のことであり、これらも本発明の範囲に含まれる。
例えば、上記した実施形態では、コークス炉の築造装置として、トング1を例示したが、築造装置は、煉瓦ブロック100を把持して既設煉瓦に設置でき、かつガイド部5を備えるものであれば、トングには限定されず、クランプでもよい。
1 :トング
3 :把持部
5 :ガイド部
5A :対向面
7 :接触板
9 :支柱
11 :梁
13 :パンタグラフ
14 :筒状支持部
15 :下部リンク
15A :アーム
15B :アーム
16 :上部リンク
16A :下端
17 :環部
18 :スライド部
18A :上端
19 :クレーン連結部
21 :支持板
22 :固定板
23 :突出板
25 :ボルト
26 :ナット
27 :ボルト
28 :折れ線
41 :位置決め機構
43 :ネジブロック
45 :押し引きネジ
47 :引き用ボルト
51 :保持機構
53 :長孔
55 :ボルト
91 :モルタル
100 :煉瓦ブロック
100A :煉瓦ブロック
103 :既設煉瓦
105 :炉壁
107 :燃焼フリュー隔壁
109 :空間
200 :クレーン

Claims (7)

  1. 複数の耐火物からなる既設煉瓦上に、モルタルを介して、煉瓦ブロックを積み重ねて構築する工程を有する、コークス炉の築造方法であって、
    前記既設煉瓦にモルタルを塗布する塗布工程と、
    前記モルタル上に前記煉瓦ブロックを設置する、設置工程と、
    を実施し、
    前記設置工程は、
    前記煉瓦ブロックを、1対の把持部を有するコークス炉の築造装置で炉団長方向に挟んで持ち上げ、
    前記把持部から下方に突出した突起であり、前記煉瓦ブロックを挟んだ状態で、炉長方向から見て、前記既設煉瓦の炉団長方向の幅に対応する間隔で対向する、少なくとも一対のガイド部の間に前記既設煉瓦を挟むように位置合わせをして、
    前記モルタル上に前記煉瓦ブロックを設置する工程であることを特徴とする、コークス炉の築造方法。
  2. 蓄熱室のピラーウォールを構築する工程に用いられることを特徴とする、請求項1に記載のコークス炉の築造方法。
  3. 燃焼室を構築する工程に用いられることを特徴とする、請求項1に記載のコークス炉の築造方法。
  4. 前記煉瓦ブロックは、複数の煉瓦を多段に積み重ねたプレハブ構造であることを特徴とする、請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のコークス炉の築造方法。
  5. コークス炉を構成する、煉瓦ブロックを持ち上げて設置するコークス炉の築造装置であって、
    前記煉瓦ブロックの両側面を挟み込んで保持する一対の把持部と、
    前記一対の把持部の下方に突出して設けられ、設置の際に前記既設煉瓦に接触して位置決めを行う少なくとも一対のガイド部と、
    を備えることを特徴とするコークス炉の築造装置。
  6. 前記ガイド部を脱着可能に前記把持部に固定する脱着機構を備えることを特徴とする、請求項5に記載のコークス炉の築造装置。
  7. 前記ガイド部を炉団長方向に移動可能に前記把持部に保持する保持機構と、
    前記ガイド部の炉団長方向の位置決めを行う位置決め機構を備えることを特徴とする。請求項5または請求項6に記載のコークス炉の築造装置。
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